JP2004014496A - 携帯電子機器用電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価に製造することができる携帯電子機器用電池を提供する。
【解決手段】携帯電子機器2の内蔵電池を充電する携帯電子機器用電池であって、006P型乾電池に内蔵される多くとも5つの電池セル6からなる給電源7と、その給電源7を収容すると共に006P型乾電池に使用されるケース8と、前記給電源7が収容されたケース8内の残りの空間に収容され、この給電源7から内蔵電池に供給される電圧を内蔵電池の許容電圧に調節する電圧調節部9と、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】携帯電子機器2の内蔵電池を充電する携帯電子機器用電池であって、006P型乾電池に内蔵される多くとも5つの電池セル6からなる給電源7と、その給電源7を収容すると共に006P型乾電池に使用されるケース8と、前記給電源7が収容されたケース8内の残りの空間に収容され、この給電源7から内蔵電池に供給される電圧を内蔵電池の許容電圧に調節する電圧調節部9と、を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等の携帯電子機器の内蔵電池を充電する携帯電子機器用電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電子機器例えば携帯電話は、電源としてリチウム電池やニッカド電池などの二次電池である充電可能な電池(バッテリー)を内蔵している。電池切れの場合には、通常、付属している充電器を用いて商用電源(AC電源)等から内蔵電池の充電を行っている。
【0003】
付属等の充電器は、携帯することを前提するものではなく家庭等の所定の場所に置いて使用するものであり、携帯に適さず、しかも、商用電源がない場所では役に立たない。このため、内蔵電池の残量が少なくなると予め充電器を用いて充電を行なう必要があるが、常に残量を気にするわけではなく、残量が少ない状態や電池切れの状態のまま外出することもあり、外出時、電池切れが起こり携帯電話を使用することができなくなってしまうことがある。特に、近年、内蔵電池は、1回の充電で長時間の使用が可能になってきているので、残量を気にする頻度が少なくなり、電池切れを起こすことが多くなると思われる。
【0004】
このため、外出先でも簡単に内蔵電池の充電を行え、携帯性に優れた図12に示すような携帯電話用電池が提案されている。
この携帯電話用電池70としては、市販乾電池と同様に使い捨てタイプのものであり、例えば、市販されている単3、単4乾電池等の単*乾電池と同じ形の乾電池型電池セルが複数収容された電池本体71と、その電池本体71の一端部に設けられ、電池セルからの電圧を携帯電話の使用電圧の許容電圧に調節する電圧調節部と、その電圧調節部の上部に設けられ、携帯電話のインターフェイスコネクタに嵌合されて電気的に接続される接続コネクタ72とを備えたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述の携帯電話用充電池は、電池セルを電池本体に収容するセル収容工程と、電池本体に電圧調節部を取り付ける調節部取付工程と、調節部カバーを取り付けるカバー取付工程と、接続コネクタを取り付ける接続コネクタ取付工程と、の主に4つの工程を経て製造されるため、例えば、市販の006P型(規格番号006P型)乾電池の製造工程に比して、接続コネクタ取付工程を006P型乾電池の製造における端子付カバーを取り付ける工程とみなしても、調節部取付工程とバー取付工程との工程が増えると共に、電圧調節部及び調節部カバー等の部品点数が増えるので、高価なものとなってしまう。また、電圧調節部を覆う調節カバーは、例えば2つに分割された合成樹脂製のものが用いられ、これらカバーを合わせてこの合わせたところをたとえば超音波接合等により接合すると、より高価なものになる。
【0006】
そこで、本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、その目的は、安価に製造することができる携帯電子機器用充電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、携帯電子機器の内蔵電池を充電する携帯電子機器用電池であって、006P型乾電池に内蔵される多くとも5つの電池セルからなる給電源と、その給電源を収容すると共に006P型乾電池に使用されているのとほぼ同一のケースと、前記給電源が収容されたケース内の残りの空間に収容され、該給電源から前記内蔵電池に供給される電圧を前記内蔵電池の許容電圧に調節する電圧調節部と、を備えたものである(請求項1)。
【0008】
前記電池セルが乾電池型セルであり、この乾電池型セルが5つ直列接続されて前記給電源が構成されることが好ましい(請求項2)。
前記電圧調節部が、前記給電源からの電圧を所定レベル以下にするレギュレータを有することが好ましい(請求項3)。
前記ケースが金属製ケースであることが好ましい(請求項4)。
【0009】
前記ケースのカバーに設けられ、前記携帯電子機器に嵌合されて電気的に接続され、その内蔵電池に前記電圧調節部で調節された電圧を供給する接続コネクタを備え、該接続コネクタに、当該接続コネクタの前記携帯電子機器からの抜出を抑制する抜出抑制部を一体的に設けることが好ましい(請求項5)。
【0010】
このように構成することで、電池セル及びケースは、汎用されている006P型乾電池に使用されているものを使い、かつ、給電源が収容されたケース内の空間に電圧調節部を収容するため、電圧調節部を覆うカバーが必要ないと共に、そのカバーを取り付けるカバー取付工程が不要であるので、安価に製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1及び図2は本発明の携帯電子機器用充電池を示す図である。図1及び図2において、1は携帯電子機器用充電池を示し、この携帯電子機器用充電池1は、携帯電子機器(携帯電話)2の内蔵電池(図示せず)を充電するものである。
【0012】
携帯電子機器2としては、例えば携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルパソコン等の携帯パソコン、携帯ゲーム機等が挙げられ、好ましくは携帯電話であり、本発明の実施の形態では携帯電話について説明する。
【0013】
携帯電話2には、通信データの送受信や内蔵されている充電可能な内蔵電池(バッテリー)の充電等を行えるようにインターフェイスコネクタ3(図5参照)が設けられている。
インターフェイスコネクタ3は、メス型のコネクタであり、このコネクタ3には、嵌合凹部4(図5参照)内に例えば16個のコネクタ端子を有する端子部(図示せず)が嵌合凹部4の深さ方向に沿って立設されている。インターフェイスコネクタ3は、未使用時、ゴミ等が入らないようにカバー(図示せず)が装着されている。このインターフェイスコネクタ3に携帯電子機器用充電池1の接続コネクタ5が挿入されて嵌合される。
【0014】
携帯電子機用充電池1は、006P型(規格番号006P型)乾電池に内蔵される多くとも5つの電池セル6からなる給電源7と、その給電源7を収容すると共に006P型乾電池に使用されているものとほぼ同一のケース8と、給電源7が収容されたケース8内の残りの空間に収容され、この給電源7からの電圧を充電を行う携帯電子機器用充電池1の内蔵電池の許容電圧に調節する電圧調節部9と、ケース8の開口部を閉塞するカバー10に設けられ、携帯電話2に電気的に接続されて、その内蔵電池に電圧調節部9で調節された電圧を供給する接続コネクタ5と、を備えてなる。
【0015】
給電源7は、内蔵電池を充電する供給電源であり、市販されている006P型の9V乾電池に内蔵されている1.5Vの電池セル6を多くとも5つ有するものであり、携帯電子機器用電池1が使いきりのいわゆる1次電池である。
【0016】
電池セル6としては、006P型乾電池に内蔵される1.5Vの電池セルであり、市販されている単1、単2、単3、単4乾電池の単*乾電池とおなじタイプの乾電池型電池セル(市販はされていないが大きさを考慮すると単6乾電池)と、積層型電池セルとの2種類があり、どちらを用いてもよいが、乾電池型電池セルを用いることが好ましい。
電池セル6は、その数は5つ以下で、好ましくは5つである。複数の電池セル6の接続状態は特に限定されず直列、並列どのように接続してもよいが、例えば、5つの電池セル6の場合には直列接続することが好ましい。
【0017】
ケース8としては、006P型乾電池に使用されているものとほぼ同一のケースであり、好ましくは金属製のものがよい。すなわち、ケース8は、前記乾電池型電池セル6を3つずつ2列に6つ配置した状態でのみ収容し得る断面ほぼ矩形状の筒体状に形成される金属製のケース本体11と、そのケース本体11の一方の開口部である上部を上絶縁板12を介して閉塞するほぼ矩形平板状のカバー10と、ケース本体11の他方の開口部である底部を下絶縁板13を介して閉塞するほぼ矩形平板状の底板14とからなる。
【0018】
このケース8内に、5つの乾電池型電池セル6a、6b、6c、6d、6eが3つと2つとに分けて収容、例えば、6つの電池セル6を収容した状態から側部の1つの電池セル6を抜き取った状態に収容される。
電池セルの配置は、例えば、3つ並んでいる乾電池型電池セル6a、6c、6eがプラス極をカバー10側になるように、残りの2つがプラス極を底板14側になるようにケース8内にそれぞれ収容される。
【0019】
3つ並んでいる乾電池型電池セル6a、6c、6eは、ケース8内の空間に遠い方から第1、第3、第5電池セル6a、6c、6eとすると共に、残りの電池セル6b、6dが、同様にケース8内の空間に遠い方から第2、第4電池セルとする。
第1電池セル6aのマイナス極と第2電池セル6bのプラス極とが平板端子15で接続され、第2電池セル6bのマイナス極と第3電池セル6cのプラス極とが平板端子16で接続される。同様に、第3電池セル6cのマイナス極と第4電池セル6dのプラス極とが平板端子17で接続され、第4電池セル6dのマイナス極と第5電池セル6eのプラス極とが平板端子18で接続され、5つの電池セル6a、6b、6c、6d、6eが直列に接続された給電源7が構成される。
これら5つの乾電池型電池セル6a、6b、6c、6d、6e(給電源7)が収容されたケース8内の残りの空間に電圧調節部9が収容される。
【0020】
電圧調節部9は、給電源7からの電圧を、充電を行う携帯電話2の内蔵電池の許容電圧に調節するものであり、具体的には例えば、5つの電池セル6a、6b、6c、6d、6eが直列に接続されてなる給電源7からの7.5Vの電圧を約5.3Vに調節(整流)するレギュレータや抵抗等により構成される。また、給電源7からの電圧が内蔵電池の電圧より低い場合には昇圧回路等で構成される。
【0021】
電圧調節部9は、乾電池型電池セル6a、6b、6c、6d、6e(給電源7)が収容されたケース8内の残りの空間に収容することができるならば、どのように構成してもよく、例えば、乾電池型電池セル6の直径より幅が狭く、長手方向の長さが乾電池型電池セル6の軸方向の長さ以下である細長の矩形平板状の回路基板19からなり、また、この回路基板19と共に回路基板19とほぼ同形状に形成され、回路基板19の熱を放熱する放熱絶縁板20とを有するものが好ましい。
【0022】
回路基板19には、例えば、レギュレータ、抵抗、トランジスタ、ダイオード等が複数取り付けられている。回路基板19の一方の端部(ケース8の底板14側に位置される端部)の近傍には第1接続端子21が設けられ、この接続端子21に、第5電池セル6eのマイナス極に接続される平板端子22が半田付け等により接続される。回路基板19の残りの端部には、第2接続端子23と、2つのスイッチ端子24、25にそれぞれ接続される第3、第4接続端子26、27とが設けられている。
【0023】
レギュレータは、それ自体で給電源7から供給される電圧を所定電圧に下げて出力するものであり、例えば、給電源7からの7.5Vの電圧をそのまま内蔵電池に供給して充電を行う場合、内蔵電池に許容された規定電圧値を超えていると、内蔵電池が壊れることもあり得るので、これを防止するために設けるものである。
【0024】
また、レギュレータは、携帯電話2の内蔵電池から携帯電子機器用充電池1の方に電流が逆流してくるのを防止する機能もを有している。すなわち、充電中に、給電源7の電池としての残量が少なくなった場合やその残量が少ない場合には、給電源7の電圧より内蔵電池の電圧の方が高くなり、電流の流れが逆になることを防止するものである。
【0025】
また、レギュレータを用いることなく、トランジスタ、抵抗、ダイオード等を用いてレギュレータとほぼ同じ機能(電圧を所定電圧に下げて調節すると共に、電圧の逆流を防止する機能)を持たせるようにしてもよく、この回路の一例としては、具体的には例えば、図3に示すようになる。
【0026】
すなわち、直列接続した5つの電池セル6a、6b、6c、6d、6eからなる給電源7のプラス極とプラス端子28との間には、順次トランジスタ29と抵抗30とが接続されている。このトランジスタ29は、給電源7のプラス極がコレクタに、プラス端子28(抵抗30)がエミッタに接続されてなる。給電源7のプラス極は、抵抗31を介してトランジスタ28のベースに接続されている。給電源7のマイナス極とマイナス端子32との間には、スイッチ33が接続されている。マイナス端子32は、ダイオード34及び抵抗35を介してトランジスタ29のベースに接続されている。また、マイナス端子32は、抵抗36を介してトランジスタのエミッタに接続されている。これにより、7.5Vの電圧を約5.3Vに調節(整流)するようになっている。
【0027】
また、ケース8内には、図2に示すように、第3接続端子26に接続される第1スイッチ端子24と、第4接続端子27に接続される第2スイッチ端子25とが収容されると共に、第1乾電池型電池セル6aのプラス極に接続されるプラス端子28と、回路基板19の第2接続端子23に接続されるマイナス端子32とが収容される。
【0028】
第1、第2スイッチ端子24、25は、上絶縁板12とカバー10とによって挟持されて固定されるものであり、互いに重ね合わされて上絶縁板12とカバー10とによって挟持される平板状の平板端子部24a、25aと、平板端子部24a、25aに一体的に設けられ、それぞれ上絶縁板12の第3、第4貫通孔39、40を介して第3、第4接続端子26、27に電気的に接続される端子部24b、25bとからなる。
【0029】
第1、第2スイッチ端子24、25の平板端子部24a、25aのほぼ中央部には、それぞれほぼ円形に突出する突出部24c、25cが設けられ、これら平板端子部24a、25aが互いに確実に電気的に接触するようになっている。これら平板端子部24a、25a間には、製造時、図示するように、絶縁体例えば紙41の一部を位置させると共に、この紙41の残部の一部をケース8の外部に露出させ、この露出部をカバー10に沿ってケース8から離間する方向に引張ることにより、紙(絶縁体)41が取り除かれて平板端子部24a、25aが互いに電気的に接触するようになっている。
【0030】
プラス及びマイナス端子28、32は、上絶縁板12とカバー10とによって挟持されて主に固定されるものであり、上絶縁板12とカバー10とによって挟持される平板状の平板端子部28a、32aと、平板端子部28a、32aに一体的に設けられ、それぞれ上絶縁板12の第1、第2貫通孔37、38を介して第1乾電池型電池セル6aのプラス極、第2接続端子23に電気的に接続される接続端子部28b、32bと、平板端子部28a、32aに一体的に設けられ、携帯電話2のインターフェイスコネクタ3の任意のコネクタ端子と接触して電気的に接続されると共に、接続コネクタ5に装着される接続端子28c、32cとからなる。
【0031】
接続コネクタ5は、カバー10の表面に一体的又は個別に固着され、例えば合成樹脂によりに形成されている。
接続コネクタ5は、オス型のコネクタであり、断面ほぼ細長の矩形状に形成され、インターフェイスコネクタ3の端子部が嵌合される端子凹部42が設けられている。端子凹部42には、プラス及びマイナス端子の接続端子28c、32cが装着される端子装着部43(図4参照)が設けられており、端子凹部42に端子部が嵌合されたとき、端子装着部43に装着された接続端子28c、32cと端子部の特定のコネクタ端子(内蔵電池の外部出入力端子(給電端子))とが電気的に接続されて、内蔵電池の充電が行えるようになっている。
なお、プラス及びマイナス端子28、32の接続端子28c、32cには、外部出入力端子との接続が確実に行われるように端子凹部42の内側に突出する突部を設けるようにしてもよい。
【0032】
接続コネクタ5の壁部であって幅(ケース8の長手方向と直交する方向の長さ)の長い両壁部(両長壁部)5aには、インターフェイスコネクタ3の嵌合凹部4を形成する長壁4a(図5参照)とそれぞれ嵌合し得るようにその長壁4aに対応して溝や突出した部分が複数設けられている。つまり、接続コネクタ5を嵌合凹部4に挿入して嵌合するとき、長壁部5aを逆に挿入しようとしても挿入できないような一方向の挿入のみを許容する嵌合形状に両長壁部5aが形成されている。
【0033】
接続コネクタ5には、インターフェイスコネクタ3に挿嵌したとき、接続コネクタ5(携帯電子機器用電池1)がインターフェイスコネクタ3から抜け難苦する抜出抑制部44が設けられている。
抜出抑制部44は、どのように構成してもよく、例えば、接続コネクタ5の残りの両壁部(両短壁部5b)に、インターフェイスコネクタ3の嵌合凹部4を形成する内壁と係合して接続コネクタ5を係止する係止部45をそれぞれ一体的に設けて構成するようにしてもよいし、金属製の例えば断面ほぼρ状の可撓可能な係止部を設けて構成するようにしてもよい。
【0034】
係止部45は、嵌合方向に沿って延在すると共に、短壁部5b内に可撓可能に形成される。係止部45が一体的に設けられる場合には、係止部45の外表面に、断面ほぼ半円形状の突部(係合突部)45aが設けられ、この突部45aが嵌合凹部42の内壁の係合部(図示せず)と係合し、また、別部材の係止部を設ける場合には、短壁部から突出している部分が嵌合凹部の内壁の係合部と係合し、接続コネクタ5(携帯電子機器用電池1)がインターフェイスコネクタ3から抜け難くなっている。なお、通常、インターフェイスコネクタ3を形成する内壁には、専用充電器やACアダプタ等に設けられているオス型コネクタ部の係合突部と係合する係合凹部が設けられているため、嵌合させたとき、この係合凹部と係合する位置及び大きさに突部又は突出している部分を形成するようにすることが好ましい。
【0035】
抜出抑制部44としては、係止部45を設けて構成してもよいが、図4に示すように、接続コネクタ5に、接続コネクタ5を例えば短壁部5bのほぼ中央部で2つに分割するように長壁部5aに沿って延在し、長壁部5a間の間隔(長壁部5aの外表面の間隔(短壁部5bの幅))を可変させるべく長壁部5aを可撓可能にするスリット46を設けると共に、長壁部5a間の寸法(間隔)a(図5参照)が、対応するインターフェイスコネクタ3の嵌合凹部4の長壁4a間の寸法(間隔)b(図5参照)より大きく、かつ、長壁部5aを可撓させて長壁部5a間の間隔を小さくしたときこの間隔が長壁4a間の間隔より小さくなる寸法に形成して構成することが好ましい。
【0036】
スリット46は、長壁部5a間の間隔を可撓させて(弾性変形により)長壁4a間の間隔より小さくし得るものであり、スリット46の幅及び長壁部5a間の間隔は、長壁部5a間の間隔を弾性変形により嵌合凹部4の長壁4aの幅以下にする範囲から任意にそれぞれ決められる。
【0037】
このように、抜出抑制部44としてスリット46等により構成する場合、接続コネクタ5に、嵌合凹部4への挿嵌が容易に行えるように嵌合案内部47を設けることが好ましい。
嵌合案内部47は、どのように構成してもよく、例えば、両長壁部5aの先端部(嵌合方向先端部)の側端部に、図5に示すように、嵌合凹部4内へと案内する傾斜面48をそれぞれ形成して構成するようにしてもよい。傾斜面48の先端部間の幅cは、対応する嵌合凹部4の長壁4a間の幅(間隔)bより小さく形成するようにする。この傾斜面48と共に、両短壁部5bの先端部の側端部に、ほぼ同様に嵌合凹部4内へと案内する傾斜面をそれぞれ形成することが好ましい。
傾斜面48の形状は、例えば、RやC面(平面)状に形成される。
【0038】
また、嵌合案内部47としては、図6に示すように、両長壁部5a全体を先端部にいくに連れてそれぞれ内方に漸次傾斜する傾斜面54に形成して構成するようにしてもよい。この長壁部5aの先端部間の幅は、対応する嵌合凹部4の長壁4a間の幅(間隔)bより小さく形成するようにする。この傾斜面54と共に、両短壁部5b全体も先端部にいくに連れてそれぞれ内方に傾斜するように傾斜面55として形成してもよい。
【0039】
また、嵌合案内部47としては、図7及び図8に示すように、両長壁部5a全体に段差50を1段又は2段以上(図示例では2段)設けて構成するようにしてもよい。このように段差50を設ける場合には、先端部の長壁部5aの幅は、対応する嵌合凹部4の長壁4a間の幅(間隔)bより小さく形成するようにする。この段差50だけでもいいが、両短壁部5bにも同様に段差51を1段又は2段以上設けてもよい。また、段差50、51を設けた場合には、段差50、51が設けられた部分を先端部側に漸次傾斜させた傾斜面52、53を設けるようにすることが好ましく、このように傾斜面52、53を設けることにより、段差50、51の部分がスムーズに嵌合凹部4内に挿入されることになる。
【0040】
また、嵌合案内部47としては、例えば図9乃至図11に示すように、長壁部5aの平面部(断面直線状の部分)5cの形状のみを案内形状に形成して構成するようにしてもよい。すなわち、図9に示すように、長壁部5aの平面部5cの先端部を嵌合方向とほぼ平行に延在する平面状に形成すると共に、残りの部分を先端部にいくに連れてそれぞれ内方に漸次傾斜する傾斜面56として形成して、嵌合案内部47を構成するようにしてもよい。また、図10に示すように、長壁部5aの平面部5cの嵌合方向のほぼ中央部又はほぼ中央部より先端部側に段差57を設けると共に、この段差57の先端部側を先端部側に漸次傾斜させた傾斜面58にして、嵌合案内部47を構成するようにしてもよい。また、図11に示すように、長壁部5aの平面部5cに段差59を2段以上例えば2段設けて、嵌合案内部47を構成するようにしてもよい。これら段差59の位置は、好ましくは、嵌合方向のほぼ中央部からカバー10側(先端部とは反対側)である。これらのように、長壁部5aの平面部5cを案内形状に形成した場合には、先端部の長壁部5aの幅は、対応する嵌合凹部4の長壁4a間の幅(間隔)bより小さく形成するようにする。
【0041】
さて、この携帯電子機用充電池1を製造するには、まず、図2に示すように、底板14上に下絶縁板13を介して、第1、第3、第5電池セル6a、6c、6eをマイナス極が底板14側になるように、第2、第4電池セル6b、6dがプラス極が底板14側になるように位置させる。このとき、第1電池セル6aのマイナス極と第2電池セル6bのプラス極とを平板端子15で接続し、第2電池セル6bのマイナス極と第3電池セル6cのプラス極とを平板端子16で接続し、第3電池セル6cのマイナス極と第4電池セル6dのプラス極とを平板端子17で接続し、かつ、第4電池セル6dのマイナス極と第5電池セル6eのプラス極とを平板端子18で接続して、5つの電池セル6a、6b、6c、6d、6eが直列に接続された給電源7が構成される。また、この給電源7を収容したときのケース8内の残りの空間に対応する位置に電圧調節部9である回路基板19を位置させると共に、回路基板19の第1接続端子21に接続されている平板端子22を第5電池セル6eのマイナス極に接続する。
【0042】
この給電源7上に、上絶縁板12を配置する。このとき、第1電池セル6aのプラス極に2つに折り曲げたような平板端子54を接続し、プラス端子28の接続端子部28bを第1貫通孔37に挿入して、平板端子部28aを上絶縁体12に当接させると共に、接続端子部28bを平板端子54と上絶縁板12との間に位置させて、プラス端子28と第1電池セル6aのプラス極とを電気的に接続させる。また、マイナス端子32の接続端子部32bを第2貫通孔38に挿入して、平板端子部32aを上絶縁体12に当接させると共に、接続端子部32bを回路基板19の第2接続端子23に電気的に接続させる。また、第1、第2スイッチ端子24、25の端子部24b、25bを第3、第4貫通孔39、40にそれぞれ挿入して、平板端子部24a、25aを絶縁体である紙41を介して積層した(重ね合わせた)状態で上絶縁体12に当接させると共に、端子部24b、25bを回路基板19の第3、第4接続端子26、27にそれぞれ電気的に接続させる。
この上絶縁板12に、接続コネクタ5を有するカバー10を被せる。このとき、プラス端子28及びマイナス端子32の接続端子28c、32cが接続コネクタ5の端子装着部43、43にそれぞれ装着される。
【0043】
そして、これら底板14、下絶縁板13、給電源7(電池セル6a、6b、6c、6d、6e)・回路基板19、上絶縁板12、プラス端子28・マイナス端子32・第1、第2スイッチ端子24、25、カバー10を順次積層したものの側部(積層方向と直交する部分)をケース本体11となる金属板を巻き付けた後、この金属板の繋ぎ目(合せ目)、カバー10及び底板14の縁部を加締めることにより、携帯電子機用充電池1が得られる。このように得られた携帯電子機用充電池1を用いて携帯電話2の充電を行うには、携帯電話2のインターフェイスコネクタ3の嵌合凹部4に携帯電子機用充電池1の接続コネクタ5をつき合わせて、接続コネクタ5を嵌合凹部4内に挿入して嵌合する。プラス及びマイナス端子28、32と端子部の特定のコネクタ端子(内蔵電池の外部出入力端子(給電端子))とが電気的に接続されて、内蔵電池(バッテリー)の充電が行われる。このとき、抜出抑制部44が接続コネクタ5に設けられているので(例えば係止部45がインターフェイスコネクタ3を形成する内壁に設けられている係合凹部と係合するので)、接続コネクタ5(携帯電子機器用電池1)がインターフェイスコネクタ3から抜け難くくなる。
【0044】
したがって、本発明の携帯電子機用充電池1は、電池セル6及びケース8が汎用されている006P型乾電池に使用されているものを使い、かつ、給電源7が収容されたケース8内の空間に電圧調節部9を収容するため、電圧調節部9を覆うカバーが必要ないと共に、そのカバーを取り付けるカバー取付工程が不要であり、安価に製造することができ、しかも、汎用されている006P型乾電池の製造装置を使用することができ、工業的価値が高いものとなる。
【0045】
また、電池セル6a、6b、6c、6d、6eを5つ直列接続して給電源7を構成することにより、携帯電話2の内蔵電池の許容電圧の多くが7.5V未満であるので、高価な昇圧回路を用いなくてもよい。
また、電圧調節部9として給電源7からの電圧を所定レベル以下にするレギュレータを用いることにより、レギュレータは電圧の逆流を防止する機能をも有するので、簡単な構造で逆流防止も図れる携帯電子機用充電池1が得られる。
また、ケース8が金属製ケースであると、ケース8内の熱がケース8を介して放熱されやすいので、ケース8内の回路基板19が熱により破損する心配もない。
【0046】
また、抜出抑制部44が接続コネクタ5に一体的に設けられる係止部45やスリット46等で構成することで、例えば、接続コネクタ5とは別部材である金属製の断面ほぼρ状の可撓可能な係止部を設ける場合に比して、別部材の係止部を接続コネクタに取り付ける取付作業や部品点数が増えることがないので、より安価に製造することができる。
【0047】
具体的には、抜出抑制部44をスリット46等で構成して嵌合案内部47を設けることにより、接続コネクタ5の長壁部5aの幅aが、対応する嵌合凹部4の長壁4bの幅bより大きく形成されていても、嵌合案内部47が設けられている(例えば長壁部5aの嵌合方向先端部の側端部にC面等の傾斜面48が設けられたり、長壁部5aに傾斜面54、55、56を設けたり、段差50、51、57、59を設けたり等する)ので、接続コネクタ5は嵌合凹部4内へと案内挿入される。すなわち、嵌合凹部4内に先端部が挿入された接続コネクタ5(携帯電子機用充電池1)を嵌合方向前方に押し込むと、接続コネクタ5は、嵌合凹部4を形成する壁に接触してその押圧力によりスリット46を介して弾性変形しつつ嵌合凹部4内に挿入されて嵌合される。
【0048】
言いかえれば、スリット46の幅が狭く(長壁部4aの幅aが狭く)なりながら接続コネクタ5は嵌合凹部4内に挿入されて嵌合される。嵌合凹部4に嵌合された接続コネクタ5は、嵌合凹部4内で付勢力により元の形状に戻ろうとして、嵌合凹部4を形成する内壁に当接しているので、接続コネクタ5がインターフェイスコネクタ3の嵌合凹部4に係止される。
【0049】
従って、別部材の板ばね等の係止部を接続コネクタ5に取り付けることなく、接続コネクタ5をインターフェイスコネクタ3に係止させることができるため、係止部の取付作業が不要であると共に別途の係止部を必要とせず、簡単にかつ低コストで接続コネクタ5や携帯電子機用充電池1を製造することができる。
【0050】
また、嵌合凹部4内で付勢力により元の形状に戻ろうとして、嵌合凹部4の内壁に当接する壁部は、長壁部5aで面積が大きいため、長壁部5aと嵌合凹部4の内壁との摩擦力も大きくなる(短壁部5bが接触している場合に比して)ので、接続コネクタ5が嵌合凹部4から一層抜け難くなり、接続コネクタ5(携帯電子機用充電池1)をインターフェイスコネクタ3により確実に係止することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、安価に製造することができる携帯電子機器用電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の携帯電話用充電池の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の携帯電話用充電池の一例を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の電圧調節部の一例を示す構成図である。
【図4】本発明の第2の接続コネクタの一例を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の接続コネクタと嵌合凹部との関係を示す図である。
【図6】本発明の第3の接続コネクタの一例を示す斜視図である。
【図7】本発明の第4の接続コネクタの一例を示す斜視図である。
【図8】本発明の第5の接続コネクタの一例を示す斜視図である。
【図9】本発明の第6の接続コネクタの一例を示す斜視図である。
【図10】本発明の第7の接続コネクタの一例を示す斜視図である。
【図11】本発明の第8の接続コネクタの一例を示す斜視図である。
【図12】先に提案されている携帯電話用充電池を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 携帯電子機器用電池
2 携帯電話(携帯電子機器)
6 電池セル
7 給電源
8 ケース
9 電圧調節部
44 抜出抑制部
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等の携帯電子機器の内蔵電池を充電する携帯電子機器用電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電子機器例えば携帯電話は、電源としてリチウム電池やニッカド電池などの二次電池である充電可能な電池(バッテリー)を内蔵している。電池切れの場合には、通常、付属している充電器を用いて商用電源(AC電源)等から内蔵電池の充電を行っている。
【0003】
付属等の充電器は、携帯することを前提するものではなく家庭等の所定の場所に置いて使用するものであり、携帯に適さず、しかも、商用電源がない場所では役に立たない。このため、内蔵電池の残量が少なくなると予め充電器を用いて充電を行なう必要があるが、常に残量を気にするわけではなく、残量が少ない状態や電池切れの状態のまま外出することもあり、外出時、電池切れが起こり携帯電話を使用することができなくなってしまうことがある。特に、近年、内蔵電池は、1回の充電で長時間の使用が可能になってきているので、残量を気にする頻度が少なくなり、電池切れを起こすことが多くなると思われる。
【0004】
このため、外出先でも簡単に内蔵電池の充電を行え、携帯性に優れた図12に示すような携帯電話用電池が提案されている。
この携帯電話用電池70としては、市販乾電池と同様に使い捨てタイプのものであり、例えば、市販されている単3、単4乾電池等の単*乾電池と同じ形の乾電池型電池セルが複数収容された電池本体71と、その電池本体71の一端部に設けられ、電池セルからの電圧を携帯電話の使用電圧の許容電圧に調節する電圧調節部と、その電圧調節部の上部に設けられ、携帯電話のインターフェイスコネクタに嵌合されて電気的に接続される接続コネクタ72とを備えたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述の携帯電話用充電池は、電池セルを電池本体に収容するセル収容工程と、電池本体に電圧調節部を取り付ける調節部取付工程と、調節部カバーを取り付けるカバー取付工程と、接続コネクタを取り付ける接続コネクタ取付工程と、の主に4つの工程を経て製造されるため、例えば、市販の006P型(規格番号006P型)乾電池の製造工程に比して、接続コネクタ取付工程を006P型乾電池の製造における端子付カバーを取り付ける工程とみなしても、調節部取付工程とバー取付工程との工程が増えると共に、電圧調節部及び調節部カバー等の部品点数が増えるので、高価なものとなってしまう。また、電圧調節部を覆う調節カバーは、例えば2つに分割された合成樹脂製のものが用いられ、これらカバーを合わせてこの合わせたところをたとえば超音波接合等により接合すると、より高価なものになる。
【0006】
そこで、本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、その目的は、安価に製造することができる携帯電子機器用充電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、携帯電子機器の内蔵電池を充電する携帯電子機器用電池であって、006P型乾電池に内蔵される多くとも5つの電池セルからなる給電源と、その給電源を収容すると共に006P型乾電池に使用されているのとほぼ同一のケースと、前記給電源が収容されたケース内の残りの空間に収容され、該給電源から前記内蔵電池に供給される電圧を前記内蔵電池の許容電圧に調節する電圧調節部と、を備えたものである(請求項1)。
【0008】
前記電池セルが乾電池型セルであり、この乾電池型セルが5つ直列接続されて前記給電源が構成されることが好ましい(請求項2)。
前記電圧調節部が、前記給電源からの電圧を所定レベル以下にするレギュレータを有することが好ましい(請求項3)。
前記ケースが金属製ケースであることが好ましい(請求項4)。
【0009】
前記ケースのカバーに設けられ、前記携帯電子機器に嵌合されて電気的に接続され、その内蔵電池に前記電圧調節部で調節された電圧を供給する接続コネクタを備え、該接続コネクタに、当該接続コネクタの前記携帯電子機器からの抜出を抑制する抜出抑制部を一体的に設けることが好ましい(請求項5)。
【0010】
このように構成することで、電池セル及びケースは、汎用されている006P型乾電池に使用されているものを使い、かつ、給電源が収容されたケース内の空間に電圧調節部を収容するため、電圧調節部を覆うカバーが必要ないと共に、そのカバーを取り付けるカバー取付工程が不要であるので、安価に製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1及び図2は本発明の携帯電子機器用充電池を示す図である。図1及び図2において、1は携帯電子機器用充電池を示し、この携帯電子機器用充電池1は、携帯電子機器(携帯電話)2の内蔵電池(図示せず)を充電するものである。
【0012】
携帯電子機器2としては、例えば携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルパソコン等の携帯パソコン、携帯ゲーム機等が挙げられ、好ましくは携帯電話であり、本発明の実施の形態では携帯電話について説明する。
【0013】
携帯電話2には、通信データの送受信や内蔵されている充電可能な内蔵電池(バッテリー)の充電等を行えるようにインターフェイスコネクタ3(図5参照)が設けられている。
インターフェイスコネクタ3は、メス型のコネクタであり、このコネクタ3には、嵌合凹部4(図5参照)内に例えば16個のコネクタ端子を有する端子部(図示せず)が嵌合凹部4の深さ方向に沿って立設されている。インターフェイスコネクタ3は、未使用時、ゴミ等が入らないようにカバー(図示せず)が装着されている。このインターフェイスコネクタ3に携帯電子機器用充電池1の接続コネクタ5が挿入されて嵌合される。
【0014】
携帯電子機用充電池1は、006P型(規格番号006P型)乾電池に内蔵される多くとも5つの電池セル6からなる給電源7と、その給電源7を収容すると共に006P型乾電池に使用されているものとほぼ同一のケース8と、給電源7が収容されたケース8内の残りの空間に収容され、この給電源7からの電圧を充電を行う携帯電子機器用充電池1の内蔵電池の許容電圧に調節する電圧調節部9と、ケース8の開口部を閉塞するカバー10に設けられ、携帯電話2に電気的に接続されて、その内蔵電池に電圧調節部9で調節された電圧を供給する接続コネクタ5と、を備えてなる。
【0015】
給電源7は、内蔵電池を充電する供給電源であり、市販されている006P型の9V乾電池に内蔵されている1.5Vの電池セル6を多くとも5つ有するものであり、携帯電子機器用電池1が使いきりのいわゆる1次電池である。
【0016】
電池セル6としては、006P型乾電池に内蔵される1.5Vの電池セルであり、市販されている単1、単2、単3、単4乾電池の単*乾電池とおなじタイプの乾電池型電池セル(市販はされていないが大きさを考慮すると単6乾電池)と、積層型電池セルとの2種類があり、どちらを用いてもよいが、乾電池型電池セルを用いることが好ましい。
電池セル6は、その数は5つ以下で、好ましくは5つである。複数の電池セル6の接続状態は特に限定されず直列、並列どのように接続してもよいが、例えば、5つの電池セル6の場合には直列接続することが好ましい。
【0017】
ケース8としては、006P型乾電池に使用されているものとほぼ同一のケースであり、好ましくは金属製のものがよい。すなわち、ケース8は、前記乾電池型電池セル6を3つずつ2列に6つ配置した状態でのみ収容し得る断面ほぼ矩形状の筒体状に形成される金属製のケース本体11と、そのケース本体11の一方の開口部である上部を上絶縁板12を介して閉塞するほぼ矩形平板状のカバー10と、ケース本体11の他方の開口部である底部を下絶縁板13を介して閉塞するほぼ矩形平板状の底板14とからなる。
【0018】
このケース8内に、5つの乾電池型電池セル6a、6b、6c、6d、6eが3つと2つとに分けて収容、例えば、6つの電池セル6を収容した状態から側部の1つの電池セル6を抜き取った状態に収容される。
電池セルの配置は、例えば、3つ並んでいる乾電池型電池セル6a、6c、6eがプラス極をカバー10側になるように、残りの2つがプラス極を底板14側になるようにケース8内にそれぞれ収容される。
【0019】
3つ並んでいる乾電池型電池セル6a、6c、6eは、ケース8内の空間に遠い方から第1、第3、第5電池セル6a、6c、6eとすると共に、残りの電池セル6b、6dが、同様にケース8内の空間に遠い方から第2、第4電池セルとする。
第1電池セル6aのマイナス極と第2電池セル6bのプラス極とが平板端子15で接続され、第2電池セル6bのマイナス極と第3電池セル6cのプラス極とが平板端子16で接続される。同様に、第3電池セル6cのマイナス極と第4電池セル6dのプラス極とが平板端子17で接続され、第4電池セル6dのマイナス極と第5電池セル6eのプラス極とが平板端子18で接続され、5つの電池セル6a、6b、6c、6d、6eが直列に接続された給電源7が構成される。
これら5つの乾電池型電池セル6a、6b、6c、6d、6e(給電源7)が収容されたケース8内の残りの空間に電圧調節部9が収容される。
【0020】
電圧調節部9は、給電源7からの電圧を、充電を行う携帯電話2の内蔵電池の許容電圧に調節するものであり、具体的には例えば、5つの電池セル6a、6b、6c、6d、6eが直列に接続されてなる給電源7からの7.5Vの電圧を約5.3Vに調節(整流)するレギュレータや抵抗等により構成される。また、給電源7からの電圧が内蔵電池の電圧より低い場合には昇圧回路等で構成される。
【0021】
電圧調節部9は、乾電池型電池セル6a、6b、6c、6d、6e(給電源7)が収容されたケース8内の残りの空間に収容することができるならば、どのように構成してもよく、例えば、乾電池型電池セル6の直径より幅が狭く、長手方向の長さが乾電池型電池セル6の軸方向の長さ以下である細長の矩形平板状の回路基板19からなり、また、この回路基板19と共に回路基板19とほぼ同形状に形成され、回路基板19の熱を放熱する放熱絶縁板20とを有するものが好ましい。
【0022】
回路基板19には、例えば、レギュレータ、抵抗、トランジスタ、ダイオード等が複数取り付けられている。回路基板19の一方の端部(ケース8の底板14側に位置される端部)の近傍には第1接続端子21が設けられ、この接続端子21に、第5電池セル6eのマイナス極に接続される平板端子22が半田付け等により接続される。回路基板19の残りの端部には、第2接続端子23と、2つのスイッチ端子24、25にそれぞれ接続される第3、第4接続端子26、27とが設けられている。
【0023】
レギュレータは、それ自体で給電源7から供給される電圧を所定電圧に下げて出力するものであり、例えば、給電源7からの7.5Vの電圧をそのまま内蔵電池に供給して充電を行う場合、内蔵電池に許容された規定電圧値を超えていると、内蔵電池が壊れることもあり得るので、これを防止するために設けるものである。
【0024】
また、レギュレータは、携帯電話2の内蔵電池から携帯電子機器用充電池1の方に電流が逆流してくるのを防止する機能もを有している。すなわち、充電中に、給電源7の電池としての残量が少なくなった場合やその残量が少ない場合には、給電源7の電圧より内蔵電池の電圧の方が高くなり、電流の流れが逆になることを防止するものである。
【0025】
また、レギュレータを用いることなく、トランジスタ、抵抗、ダイオード等を用いてレギュレータとほぼ同じ機能(電圧を所定電圧に下げて調節すると共に、電圧の逆流を防止する機能)を持たせるようにしてもよく、この回路の一例としては、具体的には例えば、図3に示すようになる。
【0026】
すなわち、直列接続した5つの電池セル6a、6b、6c、6d、6eからなる給電源7のプラス極とプラス端子28との間には、順次トランジスタ29と抵抗30とが接続されている。このトランジスタ29は、給電源7のプラス極がコレクタに、プラス端子28(抵抗30)がエミッタに接続されてなる。給電源7のプラス極は、抵抗31を介してトランジスタ28のベースに接続されている。給電源7のマイナス極とマイナス端子32との間には、スイッチ33が接続されている。マイナス端子32は、ダイオード34及び抵抗35を介してトランジスタ29のベースに接続されている。また、マイナス端子32は、抵抗36を介してトランジスタのエミッタに接続されている。これにより、7.5Vの電圧を約5.3Vに調節(整流)するようになっている。
【0027】
また、ケース8内には、図2に示すように、第3接続端子26に接続される第1スイッチ端子24と、第4接続端子27に接続される第2スイッチ端子25とが収容されると共に、第1乾電池型電池セル6aのプラス極に接続されるプラス端子28と、回路基板19の第2接続端子23に接続されるマイナス端子32とが収容される。
【0028】
第1、第2スイッチ端子24、25は、上絶縁板12とカバー10とによって挟持されて固定されるものであり、互いに重ね合わされて上絶縁板12とカバー10とによって挟持される平板状の平板端子部24a、25aと、平板端子部24a、25aに一体的に設けられ、それぞれ上絶縁板12の第3、第4貫通孔39、40を介して第3、第4接続端子26、27に電気的に接続される端子部24b、25bとからなる。
【0029】
第1、第2スイッチ端子24、25の平板端子部24a、25aのほぼ中央部には、それぞれほぼ円形に突出する突出部24c、25cが設けられ、これら平板端子部24a、25aが互いに確実に電気的に接触するようになっている。これら平板端子部24a、25a間には、製造時、図示するように、絶縁体例えば紙41の一部を位置させると共に、この紙41の残部の一部をケース8の外部に露出させ、この露出部をカバー10に沿ってケース8から離間する方向に引張ることにより、紙(絶縁体)41が取り除かれて平板端子部24a、25aが互いに電気的に接触するようになっている。
【0030】
プラス及びマイナス端子28、32は、上絶縁板12とカバー10とによって挟持されて主に固定されるものであり、上絶縁板12とカバー10とによって挟持される平板状の平板端子部28a、32aと、平板端子部28a、32aに一体的に設けられ、それぞれ上絶縁板12の第1、第2貫通孔37、38を介して第1乾電池型電池セル6aのプラス極、第2接続端子23に電気的に接続される接続端子部28b、32bと、平板端子部28a、32aに一体的に設けられ、携帯電話2のインターフェイスコネクタ3の任意のコネクタ端子と接触して電気的に接続されると共に、接続コネクタ5に装着される接続端子28c、32cとからなる。
【0031】
接続コネクタ5は、カバー10の表面に一体的又は個別に固着され、例えば合成樹脂によりに形成されている。
接続コネクタ5は、オス型のコネクタであり、断面ほぼ細長の矩形状に形成され、インターフェイスコネクタ3の端子部が嵌合される端子凹部42が設けられている。端子凹部42には、プラス及びマイナス端子の接続端子28c、32cが装着される端子装着部43(図4参照)が設けられており、端子凹部42に端子部が嵌合されたとき、端子装着部43に装着された接続端子28c、32cと端子部の特定のコネクタ端子(内蔵電池の外部出入力端子(給電端子))とが電気的に接続されて、内蔵電池の充電が行えるようになっている。
なお、プラス及びマイナス端子28、32の接続端子28c、32cには、外部出入力端子との接続が確実に行われるように端子凹部42の内側に突出する突部を設けるようにしてもよい。
【0032】
接続コネクタ5の壁部であって幅(ケース8の長手方向と直交する方向の長さ)の長い両壁部(両長壁部)5aには、インターフェイスコネクタ3の嵌合凹部4を形成する長壁4a(図5参照)とそれぞれ嵌合し得るようにその長壁4aに対応して溝や突出した部分が複数設けられている。つまり、接続コネクタ5を嵌合凹部4に挿入して嵌合するとき、長壁部5aを逆に挿入しようとしても挿入できないような一方向の挿入のみを許容する嵌合形状に両長壁部5aが形成されている。
【0033】
接続コネクタ5には、インターフェイスコネクタ3に挿嵌したとき、接続コネクタ5(携帯電子機器用電池1)がインターフェイスコネクタ3から抜け難苦する抜出抑制部44が設けられている。
抜出抑制部44は、どのように構成してもよく、例えば、接続コネクタ5の残りの両壁部(両短壁部5b)に、インターフェイスコネクタ3の嵌合凹部4を形成する内壁と係合して接続コネクタ5を係止する係止部45をそれぞれ一体的に設けて構成するようにしてもよいし、金属製の例えば断面ほぼρ状の可撓可能な係止部を設けて構成するようにしてもよい。
【0034】
係止部45は、嵌合方向に沿って延在すると共に、短壁部5b内に可撓可能に形成される。係止部45が一体的に設けられる場合には、係止部45の外表面に、断面ほぼ半円形状の突部(係合突部)45aが設けられ、この突部45aが嵌合凹部42の内壁の係合部(図示せず)と係合し、また、別部材の係止部を設ける場合には、短壁部から突出している部分が嵌合凹部の内壁の係合部と係合し、接続コネクタ5(携帯電子機器用電池1)がインターフェイスコネクタ3から抜け難くなっている。なお、通常、インターフェイスコネクタ3を形成する内壁には、専用充電器やACアダプタ等に設けられているオス型コネクタ部の係合突部と係合する係合凹部が設けられているため、嵌合させたとき、この係合凹部と係合する位置及び大きさに突部又は突出している部分を形成するようにすることが好ましい。
【0035】
抜出抑制部44としては、係止部45を設けて構成してもよいが、図4に示すように、接続コネクタ5に、接続コネクタ5を例えば短壁部5bのほぼ中央部で2つに分割するように長壁部5aに沿って延在し、長壁部5a間の間隔(長壁部5aの外表面の間隔(短壁部5bの幅))を可変させるべく長壁部5aを可撓可能にするスリット46を設けると共に、長壁部5a間の寸法(間隔)a(図5参照)が、対応するインターフェイスコネクタ3の嵌合凹部4の長壁4a間の寸法(間隔)b(図5参照)より大きく、かつ、長壁部5aを可撓させて長壁部5a間の間隔を小さくしたときこの間隔が長壁4a間の間隔より小さくなる寸法に形成して構成することが好ましい。
【0036】
スリット46は、長壁部5a間の間隔を可撓させて(弾性変形により)長壁4a間の間隔より小さくし得るものであり、スリット46の幅及び長壁部5a間の間隔は、長壁部5a間の間隔を弾性変形により嵌合凹部4の長壁4aの幅以下にする範囲から任意にそれぞれ決められる。
【0037】
このように、抜出抑制部44としてスリット46等により構成する場合、接続コネクタ5に、嵌合凹部4への挿嵌が容易に行えるように嵌合案内部47を設けることが好ましい。
嵌合案内部47は、どのように構成してもよく、例えば、両長壁部5aの先端部(嵌合方向先端部)の側端部に、図5に示すように、嵌合凹部4内へと案内する傾斜面48をそれぞれ形成して構成するようにしてもよい。傾斜面48の先端部間の幅cは、対応する嵌合凹部4の長壁4a間の幅(間隔)bより小さく形成するようにする。この傾斜面48と共に、両短壁部5bの先端部の側端部に、ほぼ同様に嵌合凹部4内へと案内する傾斜面をそれぞれ形成することが好ましい。
傾斜面48の形状は、例えば、RやC面(平面)状に形成される。
【0038】
また、嵌合案内部47としては、図6に示すように、両長壁部5a全体を先端部にいくに連れてそれぞれ内方に漸次傾斜する傾斜面54に形成して構成するようにしてもよい。この長壁部5aの先端部間の幅は、対応する嵌合凹部4の長壁4a間の幅(間隔)bより小さく形成するようにする。この傾斜面54と共に、両短壁部5b全体も先端部にいくに連れてそれぞれ内方に傾斜するように傾斜面55として形成してもよい。
【0039】
また、嵌合案内部47としては、図7及び図8に示すように、両長壁部5a全体に段差50を1段又は2段以上(図示例では2段)設けて構成するようにしてもよい。このように段差50を設ける場合には、先端部の長壁部5aの幅は、対応する嵌合凹部4の長壁4a間の幅(間隔)bより小さく形成するようにする。この段差50だけでもいいが、両短壁部5bにも同様に段差51を1段又は2段以上設けてもよい。また、段差50、51を設けた場合には、段差50、51が設けられた部分を先端部側に漸次傾斜させた傾斜面52、53を設けるようにすることが好ましく、このように傾斜面52、53を設けることにより、段差50、51の部分がスムーズに嵌合凹部4内に挿入されることになる。
【0040】
また、嵌合案内部47としては、例えば図9乃至図11に示すように、長壁部5aの平面部(断面直線状の部分)5cの形状のみを案内形状に形成して構成するようにしてもよい。すなわち、図9に示すように、長壁部5aの平面部5cの先端部を嵌合方向とほぼ平行に延在する平面状に形成すると共に、残りの部分を先端部にいくに連れてそれぞれ内方に漸次傾斜する傾斜面56として形成して、嵌合案内部47を構成するようにしてもよい。また、図10に示すように、長壁部5aの平面部5cの嵌合方向のほぼ中央部又はほぼ中央部より先端部側に段差57を設けると共に、この段差57の先端部側を先端部側に漸次傾斜させた傾斜面58にして、嵌合案内部47を構成するようにしてもよい。また、図11に示すように、長壁部5aの平面部5cに段差59を2段以上例えば2段設けて、嵌合案内部47を構成するようにしてもよい。これら段差59の位置は、好ましくは、嵌合方向のほぼ中央部からカバー10側(先端部とは反対側)である。これらのように、長壁部5aの平面部5cを案内形状に形成した場合には、先端部の長壁部5aの幅は、対応する嵌合凹部4の長壁4a間の幅(間隔)bより小さく形成するようにする。
【0041】
さて、この携帯電子機用充電池1を製造するには、まず、図2に示すように、底板14上に下絶縁板13を介して、第1、第3、第5電池セル6a、6c、6eをマイナス極が底板14側になるように、第2、第4電池セル6b、6dがプラス極が底板14側になるように位置させる。このとき、第1電池セル6aのマイナス極と第2電池セル6bのプラス極とを平板端子15で接続し、第2電池セル6bのマイナス極と第3電池セル6cのプラス極とを平板端子16で接続し、第3電池セル6cのマイナス極と第4電池セル6dのプラス極とを平板端子17で接続し、かつ、第4電池セル6dのマイナス極と第5電池セル6eのプラス極とを平板端子18で接続して、5つの電池セル6a、6b、6c、6d、6eが直列に接続された給電源7が構成される。また、この給電源7を収容したときのケース8内の残りの空間に対応する位置に電圧調節部9である回路基板19を位置させると共に、回路基板19の第1接続端子21に接続されている平板端子22を第5電池セル6eのマイナス極に接続する。
【0042】
この給電源7上に、上絶縁板12を配置する。このとき、第1電池セル6aのプラス極に2つに折り曲げたような平板端子54を接続し、プラス端子28の接続端子部28bを第1貫通孔37に挿入して、平板端子部28aを上絶縁体12に当接させると共に、接続端子部28bを平板端子54と上絶縁板12との間に位置させて、プラス端子28と第1電池セル6aのプラス極とを電気的に接続させる。また、マイナス端子32の接続端子部32bを第2貫通孔38に挿入して、平板端子部32aを上絶縁体12に当接させると共に、接続端子部32bを回路基板19の第2接続端子23に電気的に接続させる。また、第1、第2スイッチ端子24、25の端子部24b、25bを第3、第4貫通孔39、40にそれぞれ挿入して、平板端子部24a、25aを絶縁体である紙41を介して積層した(重ね合わせた)状態で上絶縁体12に当接させると共に、端子部24b、25bを回路基板19の第3、第4接続端子26、27にそれぞれ電気的に接続させる。
この上絶縁板12に、接続コネクタ5を有するカバー10を被せる。このとき、プラス端子28及びマイナス端子32の接続端子28c、32cが接続コネクタ5の端子装着部43、43にそれぞれ装着される。
【0043】
そして、これら底板14、下絶縁板13、給電源7(電池セル6a、6b、6c、6d、6e)・回路基板19、上絶縁板12、プラス端子28・マイナス端子32・第1、第2スイッチ端子24、25、カバー10を順次積層したものの側部(積層方向と直交する部分)をケース本体11となる金属板を巻き付けた後、この金属板の繋ぎ目(合せ目)、カバー10及び底板14の縁部を加締めることにより、携帯電子機用充電池1が得られる。このように得られた携帯電子機用充電池1を用いて携帯電話2の充電を行うには、携帯電話2のインターフェイスコネクタ3の嵌合凹部4に携帯電子機用充電池1の接続コネクタ5をつき合わせて、接続コネクタ5を嵌合凹部4内に挿入して嵌合する。プラス及びマイナス端子28、32と端子部の特定のコネクタ端子(内蔵電池の外部出入力端子(給電端子))とが電気的に接続されて、内蔵電池(バッテリー)の充電が行われる。このとき、抜出抑制部44が接続コネクタ5に設けられているので(例えば係止部45がインターフェイスコネクタ3を形成する内壁に設けられている係合凹部と係合するので)、接続コネクタ5(携帯電子機器用電池1)がインターフェイスコネクタ3から抜け難くくなる。
【0044】
したがって、本発明の携帯電子機用充電池1は、電池セル6及びケース8が汎用されている006P型乾電池に使用されているものを使い、かつ、給電源7が収容されたケース8内の空間に電圧調節部9を収容するため、電圧調節部9を覆うカバーが必要ないと共に、そのカバーを取り付けるカバー取付工程が不要であり、安価に製造することができ、しかも、汎用されている006P型乾電池の製造装置を使用することができ、工業的価値が高いものとなる。
【0045】
また、電池セル6a、6b、6c、6d、6eを5つ直列接続して給電源7を構成することにより、携帯電話2の内蔵電池の許容電圧の多くが7.5V未満であるので、高価な昇圧回路を用いなくてもよい。
また、電圧調節部9として給電源7からの電圧を所定レベル以下にするレギュレータを用いることにより、レギュレータは電圧の逆流を防止する機能をも有するので、簡単な構造で逆流防止も図れる携帯電子機用充電池1が得られる。
また、ケース8が金属製ケースであると、ケース8内の熱がケース8を介して放熱されやすいので、ケース8内の回路基板19が熱により破損する心配もない。
【0046】
また、抜出抑制部44が接続コネクタ5に一体的に設けられる係止部45やスリット46等で構成することで、例えば、接続コネクタ5とは別部材である金属製の断面ほぼρ状の可撓可能な係止部を設ける場合に比して、別部材の係止部を接続コネクタに取り付ける取付作業や部品点数が増えることがないので、より安価に製造することができる。
【0047】
具体的には、抜出抑制部44をスリット46等で構成して嵌合案内部47を設けることにより、接続コネクタ5の長壁部5aの幅aが、対応する嵌合凹部4の長壁4bの幅bより大きく形成されていても、嵌合案内部47が設けられている(例えば長壁部5aの嵌合方向先端部の側端部にC面等の傾斜面48が設けられたり、長壁部5aに傾斜面54、55、56を設けたり、段差50、51、57、59を設けたり等する)ので、接続コネクタ5は嵌合凹部4内へと案内挿入される。すなわち、嵌合凹部4内に先端部が挿入された接続コネクタ5(携帯電子機用充電池1)を嵌合方向前方に押し込むと、接続コネクタ5は、嵌合凹部4を形成する壁に接触してその押圧力によりスリット46を介して弾性変形しつつ嵌合凹部4内に挿入されて嵌合される。
【0048】
言いかえれば、スリット46の幅が狭く(長壁部4aの幅aが狭く)なりながら接続コネクタ5は嵌合凹部4内に挿入されて嵌合される。嵌合凹部4に嵌合された接続コネクタ5は、嵌合凹部4内で付勢力により元の形状に戻ろうとして、嵌合凹部4を形成する内壁に当接しているので、接続コネクタ5がインターフェイスコネクタ3の嵌合凹部4に係止される。
【0049】
従って、別部材の板ばね等の係止部を接続コネクタ5に取り付けることなく、接続コネクタ5をインターフェイスコネクタ3に係止させることができるため、係止部の取付作業が不要であると共に別途の係止部を必要とせず、簡単にかつ低コストで接続コネクタ5や携帯電子機用充電池1を製造することができる。
【0050】
また、嵌合凹部4内で付勢力により元の形状に戻ろうとして、嵌合凹部4の内壁に当接する壁部は、長壁部5aで面積が大きいため、長壁部5aと嵌合凹部4の内壁との摩擦力も大きくなる(短壁部5bが接触している場合に比して)ので、接続コネクタ5が嵌合凹部4から一層抜け難くなり、接続コネクタ5(携帯電子機用充電池1)をインターフェイスコネクタ3により確実に係止することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、安価に製造することができる携帯電子機器用電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の携帯電話用充電池の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の携帯電話用充電池の一例を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の電圧調節部の一例を示す構成図である。
【図4】本発明の第2の接続コネクタの一例を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の接続コネクタと嵌合凹部との関係を示す図である。
【図6】本発明の第3の接続コネクタの一例を示す斜視図である。
【図7】本発明の第4の接続コネクタの一例を示す斜視図である。
【図8】本発明の第5の接続コネクタの一例を示す斜視図である。
【図9】本発明の第6の接続コネクタの一例を示す斜視図である。
【図10】本発明の第7の接続コネクタの一例を示す斜視図である。
【図11】本発明の第8の接続コネクタの一例を示す斜視図である。
【図12】先に提案されている携帯電話用充電池を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 携帯電子機器用電池
2 携帯電話(携帯電子機器)
6 電池セル
7 給電源
8 ケース
9 電圧調節部
44 抜出抑制部
Claims (5)
- 携帯電子機器の内蔵電池を充電する携帯電子機器用電池であって、006P型乾電池に内蔵される多くとも5つの電池セルからなる給電源と、その給電源を収容すると共に006P型乾電池に使用されているのとほぼ同一のケースと、前記給電源が収容されたケース内の残りの空間に収容され、該給電源から前記内蔵電池に供給される電圧を前記内蔵電池の許容電圧に調節する電圧調節部と、を備えたことを特徴とする携帯電子機器用電池。
- 前記電池セルが乾電池型セルであり、この乾電池型セルが5つ直列接続されて前記給電源が構成される請求項1に記載の携帯電子機器用電池。
- 前記電圧調節部が、前記給電源からの電圧を所定レベル以下にするレギュレータを有する請求項1又は2に記載の携帯電子機器用電池。
- 前記ケースが金属製ケースである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯電子機器用電池。
- 前記ケースのカバーに設けられ、前記携帯電子機器に嵌合されて電気的に接続され、その内蔵電池に前記電圧調節部で調節された電圧を供給する接続コネクタを備え、該接続コネクタに、当該接続コネクタの前記携帯電子機器からの抜出を抑制する抜出抑制部を一体的に設けた請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯電子機器用電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002201965A JP2004014496A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 携帯電子機器用電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002201965A JP2004014496A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 携帯電子機器用電池 |
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JP2004014496A true JP2004014496A (ja) | 2004-01-15 |
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ID=30437322
Family Applications (1)
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JP2002201965A Pending JP2004014496A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 携帯電子機器用電池 |
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JP (1) | JP2004014496A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018195542A (ja) * | 2017-05-22 | 2018-12-06 | アイコム株式会社 | 携帯型電子機器用の乾電池パック |
-
2002
- 2002-06-06 JP JP2002201965A patent/JP2004014496A/ja active Pending
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