JP2004014487A - 複数の加熱コイルによる高周波加熱装置とその方法 - Google Patents

複数の加熱コイルによる高周波加熱装置とその方法 Download PDF

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長谷川 篤司
Tetsuo Tomisato
冨里 哲夫
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Abstract

【課題】高周波加熱コイルごとの切替が高速で、かつ長寿命で、調整作業に時間がかからずに、被加熱体の温度分布を任意に調整する。
【解決手段】本発明は、複数の高周波加熱コイル2,3を使用して、被加熱体100を高周波誘導加熱する装置1である。その高周波加熱装置1は、高周波加熱コイル2,3のそれぞれに対し、高周波加熱電力を供給する複数の高周波インバータ11,21と、前記インバータ11,21に対して、それぞれの加熱電力を調整する出力調整部14,24と、前記それぞれの出力調整部14,24の出力信号の切替と同期して、前記インバータ11,21のそれぞれの加熱電力を切り替える信号を出力するインバータ切替部5とを備え、被加熱体100の複数の加熱部分を含む温度分布を任意に調整する装置である。
【選択図】      図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス金型などの温度管理が重要な場合、前記金型などの被加熱体に複数の高周波加熱コイルを使い、前記被加熱体の温度分布を自由に調整できる高周波加熱装置とその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、精密なプレス加工の金型は品質向上のために温度の管理が必要になっている。前記金型の温度は、被プレス物への熱の奪われ方、又は、該金型の形状によりひとつの高周波加熱コイルで高周波加熱しても、全体が均一温度にならず、また、任意の温度差をもたせるのも困難であった。
【0003】
従来、この種の高周波加熱方法については、被加熱体に2個以上の高周波加熱コイルを使用し、温度コントロールを行う方法があり、その一例として図8に示すように、被加熱体100を、それぞれ独立した2台の高周波電源101,102と、これにそれぞれ接続される2個の高周波加熟コイル103,104で加熱する方法がある。C101,C102は共振コンデンサである。
【0004】
前記2個の高周波加熱コイル103,104が、互いに離れた場所にある場合は、特に問題はないが、該2個の加熱コイル103,104を近接して設置する必要があるときは、該2個の加熱コイル103,104間の電磁結合により、一方の該加熱コイルに流れる高周波電流により、他方の該加熱コイルに高周波電流が誘起され、接続される高周波電源の自動同調回路や出力制御が制御不能に陥ることが、しばしばあった。このような電磁結合による干渉を低減するために、前記加熱コイル103,104間に磁気シールド板105を設置したりするが、有効な効果は得られないことが多かった。
【0005】
図9に示す方法では、2個の高周波加熱コイル106,107と、1台の高周波電源108とで構成されているので、前記加熱コイル106,107における相互干渉の問題は発生しない。C103は共振コンデンサである。
図9に示す方法では、1台の前記高周波電源108を使用し、2個の前記加熱コイル106,107に流れる電流を分流リアクタ109,110の値を調整することにより、該加熱コイル106,107のそれぞれに流れる電流の割合を調整しようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示す方法では、前記加熱コイル103,104間の電磁結合による干渉により、相互に前記高周波電源101,102が不安定な状態に陥りやすく、また、前記加熱コイル103,104の取り付けに制約が多いなどの問題点があった。
【0007】
他方、図9に示す方法は、例えば、前記加熱コイル106,107の電流を50%にすると、該加熱コイル106,107と同じインダクタンスの分流リアクタ109,110が必要になり、該分流リアクタ109,110が大型化するとともに、該分流リアクタ109,110の損失が大きくなるという問題点があった。
また、調整を行うと、共振周波数がずれてしまい、その都度、該リアクタやコンデンサを調整する必要があった。そのため、可変幅は狭く、調整作業に時間が多くかかるという問題点もあった。
【0008】
本発明はかかる点を鑑みなされたもので,その目的は前記問題点を解消し、被加熱体に複数の高周波加熱コイルを使用して、該被加熱体を高周波誘導加熱する装置であって、前記高周波加熱コイルごとの切替が高速で、かつ長寿命であるとともに、調整作業に時間がかからずに、前記被加熱体の温度分布を任意に調整できる複数の高周波加熱コイルによる高周波加熱装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、同様に、前記高周波加熱コイルごとの切替が高速で、かつ長寿命であるとともに、調整作業に時間がかからずに、被加熱体の温度分布を任意に調整できる複数の高周波加熱コイルによる高周波加熱方法を提案することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の構成は、複数の高周波加熱コイルを使用して、被加熱体を高周波誘導加熱する装置において、次のとおりである。
【0011】
前記高周波加熱コイルのそれぞれに対し、複数の周波数のうち、それぞれの周波数の高周波加熱電力を出力する、単数又は複数のインバータ手段と、前記単数又は複数のインバータ手段に対して、それぞれの周波数の加熱電力をそれぞれ調整する出力調整手段と、前記それぞれの出力調整手段の出力信号の切替と同期して、前記単数又は複数のインバータ手段の前記それぞれの周波数の加熱電力を切り替える(オン又はオフさせる)信号を出力するインバータ切替手段とを備え、前記被加熱体の複数の加熱部分を含む温度分布を任意に調整する高周波加熱装置である。
【0012】
前記それぞれのインバータ手段から出力される高周波加熱電力の周波数は、1kHzから1MHzである高周波加熱装置である。
【0013】
前記高周波加熱コイルのそれぞれを含む同調回路を形成し、該高周波加熱コイルに流れる電流をそれぞれ検出する複数の電流検出手段と、前記電流検出手段からのそれぞれの出力信号により、前記高周波加熱コイルのそれぞれの同調回路について、同調をとるような信号を出力するそれぞれの自動同調回路と、前記それぞれの自動同調回路の出力信号と前記インバータ切替手段からの前記それぞれの周波数の加熱電力を切り替える信号とを入力させ、その出力信号により、前記複数のインバータ手段の前記それぞれの周波数の加熱電力を切り替える(オン又はオフさせる)それぞれのANDゲート手段とを、更に備えるなる高周波加熱装置である。
【0014】
前記それぞれの出力調整手段は、前記それぞれの周波数の加熱電力を独立して調整し、かつ前記インバータ切替手段は、前記複数の高周波加熱コイルに供給する加熱電力を極短時間の時分割で切り替える高周波加熱装置である。
【0015】
複数の高周波加熱コイルを使用して、被加熱体を高周波誘導加熱する方法において、次のとおりである。
【0016】
単数又は複数のインバータ手段から、前記複数の高周波加熱コイルのそれぞれに、複数の周波数のうちのそれぞれの周波数の高周波加熱電力を供給し、前記インバータ手段からのそれぞれの周波数の加熱電力を、それぞれの出力調整手段により、それぞれ調整する出力信号とともに、切替信号により、前記複数の高周波加熱コイルにそれぞれ供給する前記それぞれの周波数の加熱電力を調整しながら切り替えて(オン又はオフさせて)、前記被加熱体の複数の加熱部分を含む温度分布を任意に調整する高周波加熱方法である。
【0017】
前記それぞれのインバータ手段から出力される高周波加熱電力の周波数は、1kHzから1MHzである高周波加熱方法である。
【0018】
前記インバータからの前記それぞれの周波数の加熱電力は独立して調整され、かつ前記複数の高周波加熱コイルに供給される加熱電力は、極短時間の時分割で切り替えられる高周波加熱方法である。
【0019】
本発明の高周波加熱装置とその方法は、以上のように構成されるので、複数のインバータ手段を高速切替できる手段により、複数のインバータ手段を極めて高速で切り替えて運転させ、ひとつの高周波加熱コイルが、他の高周波加熱コイルの出力状態に影響されないように制御できるという利点がある。
【0020】
本発明の作用は、複数の高周波加熱コイルをそれぞれ独立して出力調整ができ、前記被加熱体の各部分の加熱を極めて短時間に時分割的に高周波加熱を行うことを可能にしている。
このため、複数の高周波加熱コイルに対して、特に、同一の周波数の加熱電力を出力する複数のインバータ手段を使用しても、前記インバータ手段のそれぞれには、前記高周波加熱コイルを介して、電磁誘導による相互干渉の影響をほとんどな及ぼさない。
【0021】
以上のように本発明の高周波誘導加熱を利用する広範な分野にて採用が可能で、応用の範囲が広い。すなわち、前記被加熱体を、任意の温度分布に調整しなければならない場合、高周波電源としては、加熱電力が、低い周波数の場合は、浸透深さが深い部分の加熱に適し、加熱電力が、高い周波数の場合は、近接効果と浸透深さが浅い部分の加熱に適するので、低い周波数の加熱電力と高い周波数の加熱電力とを使用しても、互いに干渉し合うことなく、前記被加熱体を、自由にきめ細かな加熱ができる。
【0022】
また、異なる形状の被加熱体に対しても、任意の温度分布に調整できるので、作業性を向上させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。図1は、本発明の複数(本実施の形態では、2個)の高周波加熱コイルによる高周波加熱装置とその方法の一実施例を示す、該装置の回路図を含む構成図である。
【0024】
図1において、前記高周波加熱装置1は、例えば、ほぼ棒状で示す被加熱体100を、2個の高周波加熱コイル2,3を使用して、周波数がそれぞれ約50kHzにより高周波誘導加熱する装置である。
この場合、周波数は、1kHzから1MHz(1000kHz)が好適で、更に好ましくは、1kHzから500kHzであり、また、異なる周波数を使用してもよい。
なお、本実施の形態において、高速切替等における相互干渉が、同一周波数において顕著に現れるので、同一周波数を使用する場合について説明する。
【0025】
前記高周波加熱装置1は、前記約50kHzの周波数の加熱電力を、前記高周波加熱コイル2に、共振コンデンサC1を直列に接続して出力する第1の高周波インバータ11と、同じ前記50kHzの周波数の加熱電力を、前記高周波加熱コイル3に共振コンデンサC2を直列に接続して出力する第2の高周波インバータ21と、前記第1,2の高周波インバータ11,21に、電力を供給する直流電源部4と、更に、電流検出部12,22と、自動同調回路部13,23と、加熱コイル出力調整部14,24と、インバータ切替部5とその切替スイッチ5a,5bと、ANDゲート回路部15,25とからなる。
【0026】
前記被加熱体100は、前記加熱コイル2、3に高周波電流を流すことにより前記被加熱体100に誘導電流が流れて加熱される。
前記第1、第2のインバータ11,21は、それぞれブリッジ回路に組み込まれた半導体スイッチ素子で、前記直流電源部5から供給される直流電圧を、交互にスイッチングすることにより矩形波の高周波電圧に変換する。この矩形波高周波出力電圧は、それぞれ共振コンデンサC1,C2を通してそれぞれ前記加熱コイル2,3に供給される。
【0027】
前記加熱コイル2,3のそれぞれのインダクタンスと前記共振コンデンサC1,C2のキャパシタンスで決まる固有共振周波数に一致するように、前記第1,第2のインバータ11,21のスイッチング周波数を調整すると、前記加熱コイル2,3のそれぞれには、正弦波の高周波電流が流れ、効率よく前記被加熱体100を加熱できる。
【0028】
前記電流検出部12,22は、前記高周波加熱コイル2,3にそれぞれ流れる電流を検出する検出器で、前記自動同調回路部13,23はそれぞれ、前記電流検出部12,22からの出力信号により、前記それぞれの高周波加熱コイル2,3への出力電圧と、前記コイル電流との位相が常に一致するように、前記第1,第2のインバータ11,21のそれぞれの発振周波数を調整している。
【0029】
前記自動同調回路部13,23のそれぞれにおいて、前記第1,第2のインバータ11,21をそれぞれ駆動するパルス信号は、前記ゲート回路部15,25のそれぞれを経由して前記第1,第2のインバータ11,21のそれぞれに送る。前記第1,第2のインバータ11,21は、このゲートパルス信号により前記インバータ11,21のそれぞれのスイッチング素子を駆動する。
【0030】
前記インバータ切替部5から出力される切替信号は、前記それぞれのANDゲート回路部15,25に送り、前記それぞれの自動同調回路部13,23から出力されるインバータ駆動用のパルス信号を通過又は遮断する。そして、前記インバータ切替部5から遮断信号が出力されると、該第1,第2のインバータ11,21は発振を停止する。
【0031】
前記直流電源部4は、商用交流電源を全波整流して、直流電圧を発生させ、該直流電源部4から出力される直流電圧は、前記第1,第2のインバータ11,21に並列に接続して、供給される。
前記加熱コイル2,3のそれぞれと、前記出力調整器14,24のそれぞれとのいずれかが、前記インバータ切替部5からの出力信号により、その切替スイッチ5a,5bを切り替え、前記直流電源部4の出力設定の設定値になる。
【0032】
そして、前記インバータ切替部5からの切替信号は、前記ゲート部15が通過の時、加熱コイル2及び出力調整器14が有効になるように切替スイッチ5aがオンにさせる。前記加熱コイル2の電流を前記加熱コイル出力調整器14で調整する。同様に、前記切替スイッチ5bのオンにより、前記加熱コイル3の電流を前記加熱コイル出力調整器24により調整する。
【0033】
[前記第1,第2のインバータ11,21の高速切替の動作説明]
図1の第1,第2の高周波インバータ11,21内の詳細な回路図を図2に示し、そのインバータ高速切替の動作を説明する。なお、括弧なしの符号は、第1のインバータ11、括弧内の符号は、第2のインバータ21に使用される部材の符号である。
【0034】
前記加熱コイル2(3)に加熱電力を供給する前記第1,第2のインバータ11(21)は4個のスイッチング素子11a,11b,11c,11d(21a,21b,21c,21d)と、4個の還流ダイオード11e,11f,11g,11h(21e,21f,21g,21h)と、1個のバイパスコンデンサ11i(21i)とで構成される。
【0035】
今、前記加熱コイル2と前記加熱コイル3は、近接して設置されていて相互干渉があるとする。
図3に、前記インバータ11が動作し、前記インバータ21が動作しないときの高周波電流の流れを説明する。
【0036】
前記インバータ11は、スイッチング素子11a,11dをオン、スイッチング素子11b,11cをオフする時間と、スイッチング素子11a,11dがオフ、スイッチング素子11b,11cがオンする時間を、同じ間隔で繰り返す。すると出力端33,34には、直流電源端31,32の直流電圧の振幅をもつ交番矩形波が発生する。前記スイッチング素子11a,‥‥,11dには、前記インバータ11の出力からの逆流電流を流すために前記スイッチング素子と逆向きの前記還流ダイオード11e,‥‥,11hが接続されている。なお、IGBT,MOSFET等の市販されている一般のスイッチング素子には、この還流ダイオードは内蔵されている。
【0037】
前記インバータ11(21)の前記出力端33,34(35,36)に出力される交番矩形波電圧は、共振コンデンサC1(C2)を通して前記加熱コイル2(3)に高周波電流を流す。
次いで、前記インバータ21への干渉電流の流れについては、図3により、前記インバータ11が動作し、前記インバータ21が動作しないときの場合を説明する。
【0038】
前記インバータ21が動作しない場合、前記スイッチング素子21a,‥‥,21dはゲート信号がオフの状態であるので、該スイッチング素子21a,‥‥,21dのドレイン・ソース間は開放になる。わかりやすく説明するために、前記インバータ21の回路で前記スイッチング素子21a,‥‥,21dを図3から消している。
【0039】
前記加熱コイル2の高周波電流は、近接して配置されている他方の加熱コイル3に電磁誘導され、該加熱コイル3の両端間に高周波電圧が発生する。この誘導された高周波電圧を図3で誘導電圧37に示す。
この誘導電圧37の該加熱コイル3の3a側が+の場合、経路38に沿って電流が流れる。すなわち、経路38で示す電流は、共振コンデンサC2→ダイオード21e→バイパスコンデンサ21i→ダイオード21h→加熱コイル3の他側3bの循環になる。
前記誘導電圧37の前記加熱コイル3の3a側が−になると、流れる電流は、誘導電圧37→ダイオード21g→バイバスコンデンサ21i→ダイオード21f→共振コンデンサC2の経路39に沿って流れる。
【0040】
ここで、注目したいのは、前記バイパスコンデンサ21iには、前記誘導電圧37の極性が+の時も−の時も、常に該コンデンサ21iの+側(直流電源端31)に充電されることである。さらに注目したいのは、この充電電流は、前記インバータ21の前記コンデンサ21iの電圧と同極性であることである。
このことは、すなわち、誘導された電流は、前記インバータ21に戻り、再利用ができることである。誘起電圧37及びその電流は無駄にならず再利用されることを意味する。
【0041】
補足説明として図4に、図3の回路を誘導電圧37側からみた回路に書き直している。図4からわかるように、前記加熱コイル2,3間の誘導干渉は何ら回路の不具合を起こさない。また、電力の損失は発生しない。
なお、前記インバータ21が動作し、前記インバータ11が動作しないときの、前記加熱コイル2に発生する誘導電圧による高周波電流の流れも、前述と同様である。
【0042】
図5に、前記インバータ11のゲート信号の遮断回路を示す。前記自動同調回路部13からのパルス信号は、ANDゲート回路部15を構成する、ANDゲート回路15a,15b,15c,15dとゲートドライバ15e,15f,15g,15hに接続され、前記インバータ切替器5からの遮断信号により、該ANDゲート回路部15を介して、前記4個のスイッチング素子11a,‥‥,11dのゲートパルス信号を遮断する。
なお、前記インバータ21のゲート信号の遮断回路についても、同様である。
【0043】
このゲートパルス信号が遮断されると、前記スイッチング素子11a,‥‥,11dは開放状態になる。図5の回路を使用すると、前記インバータ11の切替が容易にでき、しかも高速で行うことができる。また、前記加熱コイル2,3間の相互干渉については考慮する必要はない。
【0044】
[時分割加熱の説明]
次いで、時分割加熱の説明に際し、図6に示すように、3個の高周波加熱コイル2,3,6を使用して、被加熱体100のA,B,Cの3点を高周波加熱の例について、説明する。
【0045】
図6に示す高周波加熱装置31は、周波数f1の加熱電力を、前記高周波加熱コイル2に、共振コンデンサC1を直列に接続して出力する第1の高周波インバータ11と、周波数f2の加熱電力を、前記高周波加熱コイル3に共振コンデンサC2を直列に接続して出力する第2の高周波インバータ12と、周波数f6の加熱電力を、前記高周波加熱コイル6に、共振コンデンサC6を直列に接続して出力する第3の高周波インバータ61と、前記第1,2,3の高周波インバータ11,21,61に、電力を供給する直流電源部4と、前記加熱コイル2,3,6に流すそれぞれの電流をそれぞれ調整するための加熱コイル出力調整器14,24,64と、前記インバータ切替部5とその切替スイッチ5a,5b,5cと、図示しないそれぞれ前記加熱コイル2,3,6用の電流検出部、自動同調回路部及びANDゲート回路部とからなっている。
【0046】
なお、第1、第2,第3のの高周波インバータ11,21,61から出力するそれぞれの加熱電力の周波数f1,f2,f6は、使用目的により互いに相違する周波数でよいが、相互干渉の点で、互いに同一周波数において、顕著に現れるので、本例においては、f1=f2=f6=50kHzにしている。
【0047】
前記被加熱体100の前記3点A,B,Cは、前記加熱コイル2、3に高周波電流を流すことにより前記被加熱体100の前記3点A,B,Cを中心に誘導電流が流れて加熱される。
図7において、前記加熱コイル2,3,6にそれぞれ流す電流の設定を、前記加熱コイル出力調整器14,24,64において、それぞれ設定A、設定B、設定Cを電圧にて行う。図7に、図6の回路の各部の電圧、高周波電流、被加熱体の各点の温度の関係を、横軸を時間にして説明する。
【0048】
前記被加熱体100のA点、B点、C点の各温度Ta,Tb,Tcは、前記加熱コイル2,3,6にそれぞれ流す電流ia,ib,icの誘導加熱で決定される。そして、これらのコイル電流ia,ib,icは、前記出力調整器14,24,64において、それぞれ設定A、設定B、設定Cに基づいて制御される。
【0049】
図7に示す時間の区間Dを拡大して、それぞれの加熱コイル電流を示す。
ここで、前記コイル電流ia,ib,icは、間欠電流であるが、A点、B点、C点の各温度Ta,Tb,Tcは、この間欠電流による温度の変動は少ない。この温度の変動が少ないのは、前記被加熱体100の温度伝達の時定数が、切替時間に比べ十分に遅いからである。同時に、該被加熱体100の熱伝達時定数に比べ、前記加熱コイル2,3,6の切替速度は十分に短くしているからである。本実施の形態に示すように、高速切替を適用すると、その実用性は十分である
【0050】
以上、本発明の一実施の形態について述べたが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の複数の高周波加熱コイルによる高周波加熱装置によれば、前記高周波加熱コイルのそれぞれに対し、高周波加熱電力を出力する複数のインバータ手段と、前記インバータ手段に対して、それぞれの加熱電力をそれぞれ調整する出力調整手段と、前記出力調整手段の出力信号の切替と同期して、前記ンバータ手段の前記加熱電力を切り替える信号を出力するインバータ切替手段とを備え、前記被加熱体の複数の加熱部分を含む温度分布を任意に調整するので、前記高周波加熱コイルごとの切替が高速で、かつ長寿命であるとともに、調整作業に時間がかからずに、前記被加熱体の温度分布を任意に調整できるという優れた効果を奏する。
【0052】
同時に、前記高周波加熱コイルごとの干渉を考慮する必要がなく、前記装置について自由な設計ができる。また、前記加熱コイルへの適用周波数に制限がないので前記被加熱体の浸透深さの選択ができ(周波数により漫透深さが変えられる)、前記被加熱体へのより精密な加熱が可能となり、細かな焼入れの調整ができる。
さらに、前記加熱コイルについては、互いに干渉し合うことなく、整合回路の調整が容易で、メンテナンス費用が削減できるという効果を奏する。
【0053】
また、本発明の複数の高周波加熱コイルによる高周波加熱方法によれば、複数のインバータ手段から、前記複数の高周波加熱コイルのそれぞれに、高周波加熱電力を供給し、前記インバータ手段からのそれぞれの加熱電力を、出力調整手段により、それぞれ調整する出力信号とともに、切替信号により、前記複数の高周波加熱コイルにそれぞれ供給する前記それぞれの加熱電力を調整しながら切り替えて、前記被加熱体の複数の加熱部分を含む温度分布を任意に調整するので、前記高周波加熱コイルごとの切替が高速で、かつ長寿命であるとともに、調整作業に時間がかからずに、前記被加熱体の温度分布を任意に調整できるという優れた効果を奏する。
【0054】
同時に、前記高周波加熱コイルごとの干渉を考慮する必要がない。また、前記加熱コイルへの適用周波数に制限がないので前記被加熱体の浸透深さの選択ができ(周波数により漫透深さが変えられる)、前記被加熱体へのより精密な加熱が可能となり、細かな焼入れの調整ができる方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複数(本実施の形態では、2個)の高周波加熱コイルによる高周波加熱装置とその方法の実施の形態の一実施例を示す、該装置の回路構成図である。
【図2】図1の第1,第2の高周波インバータ内の詳細を示す回路図である。
【図3】第1のインバータが動作し、第2のインバータが動作しないときにおける、前記第2のインバータへの干渉電流の流れの回路説明図である。
【図4】図3の回路を誘導電圧37側からみた、補足説明のための回路図である。
【図5】第1(又は第2)のインバータのゲート信号の遮断回路図である。
【図6】時分割加熱を説明する図で、3個の高周波加熱コイルを使用して、被加熱体のA,B,Cの3点を高周波加熱する装置の要部の回路構成図である。
【図7】図6の回路構成図の各部の各設定(電圧)、各高周波加熱コイル電流及び被加熱体の各点の温度の関係を、時間に対して示す図である。
【図8】従来の、2個の高周波加熱コイルによる高周波加熱方法を示す図である。
【図9】従来の、2個の高周波加熱コイルによる他の高周波加熱方法を示す図である。
【符号の説明】
1  高周波加熱装置
2,3,6 高周波加熱コイル
4 直流電源部
5 インバータ切替部
5a,5b 切替スイッチ
11 第1の高周波インバータ
12,22 電流検出部
13,23 自動同調回路部
14,24 加熱コイル出力調整部
15,25 ANDゲート回路部
11a,‥‥,11d,21a,‥‥,21d スイッチング素子
11e,‥‥,11h,21e,‥‥,21h  還流ダイオード
11i,21i バイパスコンデンサ
15a,‥‥,15d ANDゲート回路
15e,‥‥,15h ゲートドライバ
21 第2の高周波インバータ
31,32 直流電源端
33,34,35,36 出力端
37 誘導電圧
38,39 経路
100  被加熱物
C1,C2,C6 共振コンデンサ

Claims (7)

  1. 複数の高周波加熱コイルを使用して、被加熱体を高周波誘導加熱する装置において、
    前記高周波加熱コイルのそれぞれに対し、高周波加熱電力を出力する複数のインバータ手段と、
    前記複数のインバータ手段に対して、それぞれの加熱電力をそれぞれ調整する出力調整手段と、
    前記それぞれの出力調整手段の出力信号の切替と同期して、前記複数のインバータ手段の前記それぞれの加熱電力を切り替える信号を出力するインバータ切替手段とを備え、
    前記被加熱体の複数の加熱部分を含む温度分布を任意に調整することを特徴とする複数の高周波加熱コイルによる高周波加熱装置。
  2. 前記それぞれのインバータ手段から出力される高周波加熱電力の周波数は、1kHzから1MHzであることを特徴とする請求項1に記載の複数の高周波加熱コイルによる高周波加熱装置。
  3. 前記高周波加熱コイルのそれぞれを含む同調回路を形成し、該高周波加熱コイルに流れる電流をそれぞれ検出する複数の電流検出手段と、前記電流検出手段からのそれぞれの出力信号により、前記高周波加熱コイルのそれぞれの同調回路について、同調をとるような信号を出力するそれぞれの自動同調回路と、前記それぞれの自動同調回路の出力信号と前記インバータ切替手段からの前記それぞれの加熱電力を切り替える信号とを入力させ、その出力信号により、前記複数のインバータ手段の前記それぞれの加熱電力を切り替えるそれぞれのANDゲート手段とを、更に備えるなることを特徴とする請求項1に記載の複数の高周波加熱コイルによる高周波加熱装置。
  4. 前記それぞれの出力調整手段は、前記それぞれの加熱電力を独立して調整し、かつ前記インバータ切替手段は、前記複数の高周波加熱コイルに供給する加熱電力を極短時間の時分割で切り替えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の複数の高周波加熱コイルによる高周波加熱装置。
  5. 複数の高周波加熱コイルを使用して、被加熱体を高周波誘導加熱する方法において、
    複数のインバータ手段から、前記複数の高周波加熱コイルのそれぞれに、高周波加熱電力を供給し、
    前記インバータ手段からのそれぞれの加熱電力を、それぞれの出力調整手段により、それぞれ調整する出力信号とともに、切替信号により、前記複数の高周波加熱コイルにそれぞれ供給する前記それぞれの加熱電力を調整しながら切り替えて、
    前記被加熱体の複数の加熱部分を含む温度分布を任意に調整することを特徴とする複数の高周波加熱コイルによる高周波加熱方法。
  6. 前記それぞれのインバータ手段から出力される高周波加熱電力の周波数は、1kHzから1MHzであることを特徴とする請求項5に記載の複数の高周波加熱コイルによる高周波加熱方法。
  7. 前記インバータからの前記それぞれの周波数の加熱電力は独立して調整され、かつ前記複数の高周波加熱コイルに供給される加熱電力は、極短時間の時分割で切り替えられることを特徴とする請求項5に記載の複数の高周波加熱コイルによる高周波加熱方法。
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