JP2004014160A - 動力装置と動力装置の運転方法 - Google Patents

動力装置と動力装置の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池と蓄電器を備える電源装置において、蓄電器に効率的に電力を蓄えられる技術を提供する。
【解決手段】スイッチ20が閉状態である定常運転モードにおいて、モータ32が発電を行うときには、スイッチ20を開状態として間欠運転モードに移行する。その結果、モータ32が発電した電力は、キャパシタ24に蓄えられる。その間、燃料電池システム22の電力はキャパシタ24に供給されない。よって、モータ32による電力を、キャパシタ24に効率的に蓄積することができる。一方、定常運転モードにおいて、モータ32が電力を消費しており、かつ、キャパシタ24の電圧が第2の基準電圧より高いときには、スイッチ20を開状態とし、燃料電池システム22を待機状態として、間欠運転モードに移行する。この領域では、燃料電池システム22の発電効率が低いためである。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池とキャパシタとを備える電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池を備える電源装置の利用方法としては、例えば、電気自動車の駆動用電源として用いる方法が提案されている。燃料電池が発電する電力を、電気自動車の駆動モータに供給することで、車両の駆動力を得ることができる。特開平8−19115号公報では、このような電源装置として、燃料電池に加えてキャパシタを備えるものが開示されている。この電源装置は、電気自動車の制動時には電動機で回生を行って、その電力をキャパシタに蓄える。キャパシタは、その後、燃料電池に代わって、または燃料電池と共に、電動機に電力を供給する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電気自動車の加速時など、キャパシタから電動機に電力を供給する必要があるときには、できるだけキャパシタの残存電荷が多く、必要なだけの電力を供給できることが望ましい。一方、電動機の回生によって得られる電力がキャパシタに供給される際の電圧には、事実上、上限があるため、キャパシタに蓄えることができるエネルギーにも事実上の上限がある。よって、制動時には、キャパシタに十分な空き容量があることが好ましい。そこで、燃料電池とキャパシタを備える電源装置においては、このような相反する要請を満たし、キャパシタに効率的に電力を蓄えられる構成が望まれていた。
【0004】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池と蓄電器を備える電源装置において、蓄電器に効率的に電力を蓄えられる技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明は、回転出力を供給する動力装置において、所定の処理を行う。この動力装置は、発電器としても機能することができる電動機と、電動機に電力を供給し電動機から供給される電力を伝える配線に対して、並列に接続された燃料電池および蓄電器と、燃料電池と配線との間の接続を入り切りするスイッチと、電動機、燃料電池およびスイッチを制御する制御部と、を備える。
【0006】
このような構成の動力装置において、スイッチが閉状態であって電動機が発電を行うときに、スイッチを開状態とするモードを有することが好ましい。このような態様とすれば、電動機によって発電された電力を効率的に蓄電器に蓄積することができる。
【0007】
また、スイッチが閉状態であって電動機が発電を行うときに、スイッチを開状態とする指示を出力するとともに、燃料電池を待機状態とする指示を出力するモードを有することが好ましい。このような態様とすれば、電動機が発電を行うときに、燃料電池の発電に利用されずに排出されてしまう燃料ガスを低減することができる。
【0008】
なお、電動機が電力を消費しているときに、蓄電器の電圧に応じてスイッチを閉状態または開状態とするモードを有することが好ましい。このような態様とすれば、蓄電器に蓄えられている残存電荷に応じて動力装置の運転状態を変えることができる。なお、このような動力装置は、蓄電器の電圧を検出する電圧計を備えることが好ましい。
【0009】
また、スイッチが開状態のときに、電動機が電力を消費しており、かつ、蓄電器の電圧が第1の基準電圧より低いときに、スイッチを閉状態とし、燃料電池を定常運転するモードを有することが好ましい。そして、スイッチが閉状態であって、電動機が電力を消費しており、かつ、蓄電器の電圧が、第1の基準電圧より高い第2の基準電圧より高いときに、スイッチを開状態とし、燃料電池を待機状態とするモードとを有することが好ましい。このような態様とすれば、蓄電器に蓄えられている残存電荷が少なくなったときには、燃料電池を使用し、燃料電池の運転効率の低い領域では、蓄電器を使用して、動力を供給することができる。
【0010】
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、電源装置の運転方法や、電源装置を備える電気自動車などの形態で実現することが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の全体構成:
B.燃料電池、二次電池、キャパシタの動作:
B1.燃料電池の運転:
B2.二次電池の充放電:
B3.キャパシタの充放電:
C.定常運転モードと間欠運転モード:
C1.定常運転モードと間欠運転モードの切り換え:
C2.比較例における定常運転モードと間欠運転モードに切り換え:
D.変形例:
【0012】
A.装置の全体構成:
図1は、本発明の第1実施例である電気自動車10の構成の概略を表わすブロック図である。電気自動車10は、電源装置15を備えており、電源装置15から電力を供給される負荷として、高圧補機40と、駆動インバータ30を介して電源装置15に接続される駆動モータ32とを備えている。これら電源装置15と負荷との間には、配線50が設けられており、この配線50を介して、電源装置15と負荷との間で電力がやり取りされる。
【0013】
燃料電池システム22、キャパシタ24、2次電池26からモータ32に供給される電流を測定するために、配線50には、駆動インバータ30と、キャパシタ24や高圧補機40などの他の構成要素との間に電流計54が設けられている。なお、電流計54は、モータ32を動かすための電流量を測定できる箇所であれば、配線50の他の箇所に配されていてもよい。
【0014】
電源装置15は、燃料電池システム22と、キャパシタ24と、2次電池26とを備えている。燃料電池システム22は、後述するように発電の本体である燃料電池を備えている。この燃料電池システム22が備える燃料電池とキャパシタ24とは、上記配線50に対して並列に接続されている。この配線50には、燃料電池へ電流が逆流するのを防止するためのダイオード42がさらに設けられている。さらに、配線50には、この配線50に対する燃料電池の接続状態を入り切りするスイッチ20が設けられている。また、配線50は、DC/DCコンバータ28に接続しており、このDC/DCコンバータ28を介して、2次電池26は配線50に接続している。また、このような電源装置15における電圧を測定するために、配線50には、電圧計52がさらに設けられている。
【0015】
電気自動車10の動きを制御するための制御部48への入力装置としては、アクセル、ブレーキなどがある。図1では、ブレーキ56を示している。また、電気自動車10には、制御部48にデータを入力するものとしては、速度センサ、加速度センサなども備えられている。これらの電気自動車10の走行状態を把握するための各種センサについては、図1では図示を省略する。
【0016】
図2は、燃料電池システム22の構成の概略を表わす説明図である。燃料電池システム22は、燃料電池(FC)60と、燃料ガス供給部61と、ブロワ64と、水素循環ポンプ67と、を備えている。本実施例では、燃料電池60として、固体高分子型燃料電池を用いた。燃料ガス供給部61は、内部に水素を貯蔵し、水素ガスを燃料ガスとして燃料電池60に供給する装置である。燃料ガス供給部61は、例えば、バルブ61bを備える水素ボンベとすることができる。あるいは、水素吸蔵合金を内部に有する水素タンクを備えることとし、上記水素吸蔵合金に水素を吸蔵させることによって水素を貯蔵することとしてもよい。このような燃料ガス供給部61が貯蔵する水素ガスは、水素ガス供給路62を介して燃料電池60のアノードに供給され、電気化学反応に供される。電気化学反応で利用されなかった残りの水素ガスは、水素ガス排出路63に排出される。水素ガス排出路63は、水素ガス供給路62に接続している。水素ガス排出路63には水素循環ポンプ67が設けられている。残余の水素ガスは水素循環ポンプ67によって水素ガス供給路62に送られ、再び電気化学反応に供される。また、ブロワ64が取り込んだ圧縮空気は、酸化ガス供給路65によって、酸化ガスとして燃料電池60のカソードに供給される。燃料電池60から排出されるカソード排ガスは、カソード排ガス路66に導かれて外部に排出される。なお、燃料電池システム22において、水素ガスあるいは空気を加湿する加湿器を、水素ガス供給路62や酸化ガス供給路65にさらに設けることとしても良い。
【0017】
図1の2次電池26としては、鉛蓄電池や、ニッケル−カドミウム蓄電池、ニッケル−水素蓄電池、リチウム2次電池など種々の2次電池を用いることができる。この2次電池26は、燃料電池システム22の始動時に、燃料電池システム22の各部を駆動するための電力を供給したり、燃料電池システム22の暖機運転が完了するまでの間、各負荷に対して電力を供給する。また、燃料電池60が定常状態で発電を行なうときにも、負荷が所定の値よりも大きくなる場合には、2次電池26によって電力を補う。
【0018】
また、2次電池26には、2次電池26の残存容量(SOC)を検出するための残存容量モニタ27が併設されている。本実施例では、残存容量モニタ27は、2次電池26における充電・放電の電流値と時間とを積算するSOCメータとして構成されている。あるいは、残存容量モニタ27は、SOCメータの代わりに電圧センサによって構成することとしてもよい。2次電池26は、その残存容量が少なくなるにつれて電圧値が低下するという性質を有しているため、電圧を測定することによって2次電池26の残存容量を検出することができる。
【0019】
DC/DCコンバータ28は、目標電圧値を設定することによって、燃料電池60からの出力電圧を調節し、燃料電池60の発電量を制御する。また、DC/DCコンバータ28は、2次電池26と配線50との接続状態を制御するスイッチとしての役割も果たしており、2次電池26において充放電を行なう必要のないときには、2次電池26と配線50との接続を開放する。
【0020】
電源装置15から電力の供給を受ける負荷の一つである駆動モータ32は、同期モータであって、回転磁界を形成するための三相コイルを備えている。この駆動モータ32は、駆動インバータ30を介して配線50に接続し、電源装置15から電力の供給を受ける。駆動インバータ30は、上記モータの各相に対応してスイッチング素子としてのトランジスタを備えるトランジスタインバータである。駆動モータ32の出力軸36は、減速ギヤ34を介して車両駆動軸38に接続している。減速ギヤ34は、駆動モータ32が出力する動力を、その回転数を調節した上で車両駆動軸38に伝える。
【0021】
本実施例の動力装置17は、高圧補機40を含む電源装置15、モータ32、駆動インバータ30、および回転出力を供給するための出力軸36を含む。図1において、出力軸36よりも左側に描かれている各構成要素が、動力装置17の構成要素である。
【0022】
また、他の負荷である高圧補機40は、燃料電池60による発電を行なうために用いる補機類である。これらの高圧補機40は、電源装置15から供給される電力を、300V以上の電圧のまま利用する装置である。高圧補機40としては、例えば、燃料電池60に空気を供給するためのブロワ64や、水素ガス排出路63と水素ガス供給路62との間で水素ガスを循環させるための水素循環ポンプ67が挙げられる(図2参照)。さらに、燃料電池60を冷却するために、燃料電池60内部に冷却水を循環させるための冷却ポンプ(図示せず)も、高圧補機40に含まれる。これらの装置は、燃料電池システム22に含まれる装置であるが、図1においては、電源装置15の外側に、高圧補機40として示した。
【0023】
また、電気自動車10は、制御部48をさらに備えている。制御部48は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPUと、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROMと、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAMと、各種の信号を入出力する入出力ポート等を備える。この制御部48は、既述した電圧計52による検出信号や、残存容量モニタ27が出力する信号、あるいは、車両の運転に関して入力される指示信号を取得する。また、DC/DCコンバータ28,スイッチ20,燃料電池システム22、駆動インバータ30、高圧補機40などに駆動信号を出力する。
【0024】
B.燃料電池、二次電池、キャパシタの動作:
B1.燃料電池の運転:
電気自動車10の運転時には、制御部48が、車両における車速やアクセル開度に基づいて、所望の走行状態を実現するために必要な電力を算出する。電気自動車10が、燃料電池によって必要なエネルギーを得る「定常運転モード」にあるときには、制御部48は、上記必要な電力に加えて、高圧補機40が要求する電力や、2次電池26の残存容量にさらに基づいて、燃料電池60が出力すべき電力を算出する。以下で、燃料電池、二次電池、キャパシタの動作について説明する。
【0025】
図3は、燃料電池60における出力電流と、出力電圧あるいは出力電力との関係を示すグラフである。図3に示すように、燃料電池60から出力すべき電力PFCが定まれば、燃料電池60の出力電力の特性を表す曲線より、そのときの燃料電池60の出力電流の大きさIFCが定まる。出力電流IFCが定まれば、燃料電池60の電流−電圧の特性を表す曲線(以下、この曲線を燃料電池の「特性曲線」と呼ぶことがある。)より、そのときの燃料電池60の出力電圧VFCが定まる。このようにして求めた出力電圧VFCを、制御部48が目標電圧としてDC/DCコンバータ28に対して指令することによって、燃料電池60の発電量が所望量となるように制御される。
【0026】
なお、図3に示したような、燃料電池60の出力電流に対する出力電圧の値、あるいは出力電力の値は、燃料電池60の内部温度によって変化する。したがって、上記のように燃料電池60の出力電圧(目標電圧)VFCを定めるときには、燃料電池60の内部温度をさらに考慮することが望ましい。
【0027】
B2.二次電池の充放電:
本実施例の電気自動車10では、負荷の大きさが所定の値以上であって、2次電池26の残存容量が充分に大きい場合には、2次電池26からも負荷に対して電力が供給される。このような場合には、制御部48は、2次電池26からも電力が供給されることを考慮して、燃料電池60が出力すべき電力を決定し、DC/DCコンバータ28における目標電圧を設定する。図3に示すように、燃料電池60の出力電圧は、負荷が大きく出力電流が大きいほど低くなる。また、2次電池26は、残存容量が大きいほど、その出力電圧が高くなるという性質を有している。そのため、負荷の大きさが所定の値以上であって、2次電池26の残存容量が充分に大きい場合には、DC/DCコンバータ28における目標電圧、すなわち、燃料電池60の出力電圧は、2次電池26の出力電圧よりも低い値となる。これによって、燃料電池60からだけでなく、2次電池26からも高圧補機40あるいは駆動モータ32に対して電力が供給されるようになる。
【0028】
これに対して、2次電池26の残存容量が所定の値以下になると、2次電池26を充電する必要が生じる。このとき、負荷の大きさがある程度小さく、燃料電池60の出力に余裕がある場合には、燃料電池60によって2次電池26の充電が行なわれる。2次電池26の充電を行なう場合には、負荷に対して供給すべき電力に加えて、この2次電池26を充電するための電力が得られるように、燃料電池60が出力すべき電力、すなわち燃料電池60の運転状態が決定される(図3参照)。2次電池26は、残存容量が少ないほど、その出力電圧が低くなるという性質を有している。そのため、2次電池26の残存容量が所定の値以下の場合には、DC/DCコンバータ28において設定される目標電圧、すなわち燃料電池60の出力電圧は、2次電池26の出力電圧よりも高い値となる。これによって、燃料電池60は、高圧補機40あるいは駆動モータ32に対して電力が供給するだけでなく、2次電池26の充電を行なうようになる。
【0029】
B3.キャパシタの充放電:
また、本実施例の電気自動車10では、キャパシタ24も充放電を繰り返す。キャパシタ24は、これに残存する電荷量と出力電圧とが1対1に対応しており、残存する電荷量が多いときほど出力電圧が高く、少ないときほど出力電圧が低くなる。キャパシタ24は、図1に示すように、配線50に対して燃料電池60と並列に接続されている。そのため、燃料電池60の発電時に負荷の大きさが変動して配線50における電圧(電圧計52によって測定可能である)が変動すると、キャパシタ24の電荷量は、配線50の電圧に応じて変化する。配線50の電圧が上昇するときには、キャパシタ24は、燃料電池60から電力の供給を受け、キャパシタ電圧が配線50の電圧に等しくなるまで残存電荷量を増す。また、配線50の電圧が低下するときには、キャパシタ24は、燃料電池60と共に負荷に対して電力を供給し、キャパシタ電圧が配線50の電圧に等しくなるまで残存電荷量を減らす。すなわち、キャパシタ24は、配線50の電圧に応じて充放電を行なう。
【0030】
電気自動車10では、制動時(車両の走行時に運転者がブレーキ56を踏み込む動作を行なったとき)には、駆動モータ32を発電機として用いることによって、車軸の有する運動エネルギを電気エネルギに変換し、これを回収する。本実施例では、このような回生において電力として回収されるエネルギは、キャパシタ24によって吸収される。キャパシタ24は、上記2次電池26に比べてパワー密度の高い蓄電手段であり、充放電効率も高い蓄電手段である。すなわち、短時間のうちに充放電可能な電力量が多い。したがって、キャパシタ24を用いることで、車両の運転者がブレーキ56を踏み込むような短い制動時間に回生運転モードを実行する際に、回生によって生じた電力を効率よく回収することができる。
【0031】
電気自動車10において、駆動モータ32が発電し回生が行われると、駆動モータ32側から駆動インバータ30を介して配線50に対して電力が供給される。本実施例では、このような回生時に駆動モータ32から配線50に対して電力が供給されるときの電圧(以下、説明を簡単にするために「駆動モータ32からの出力電圧V」という)は、駆動モータの回転数や加速度の大きさによって変動するが、定常運転モード時に燃料電池60から電力が供給される際の配線50の電圧の上限よりも高くなりうるように設定されている。このため、キャパシタ24の端子間電圧が燃料電池の開放電圧OCVを上回ることもある。回路50には、ダイオード42が設けられているので、キャパシタ24の端子間電圧が燃料電池の開放電圧OCVを上回っても、キャパシタ24から燃料電池システム22に向けて電流が流れることはない。
【0032】
C.定常運転モードと間欠運転モード:
C1.定常運転モードと間欠運転モードの切り換え:
図4は、燃料電池60の出力の大きさと、エネルギ効率との関係を表わす説明図である。図4(A)は、燃料電池60の効率および燃料電池の補機類が要する動力と、燃料電池60の出力との関係を示す。図4(A)に示すように、燃料電池60の出力が大きくなるほど、燃料電池60単体での発電効率は次第に低下する。一方で、燃料電池60の出力が小さくなっても、燃料電池の補機類を駆動するために消費する動力は、それに比例して小さくなるわけではない。したがって、燃料電池60の出力が小さくなると、燃料電池60の出力に対する燃料電池の補機類が消費する動力は相対的に大きくなる。
【0033】
図4(B)は、燃料電池60の出力と、燃料電池システム22全体の効率との関係を示す。図4(A)に示した燃料電池60単体の効率と燃料電池の補機類の消費する動力に基づいて、燃料電池システム22全体の効率を求めると、図4(B)に示すようになる。すなわち、システム効率は、燃料電池60の出力が所定の値のときに最も高くなり、燃料電池60の出力が小さいときには、燃料電池システム22全体のエネルギ効率が低くなる。例えば出力がP以下の領域では、図4に示すように、システム効率は最大効率の6割以下の値となり、極端に低くなる。
【0034】
本実施例の電気自動車10では、燃料電池システム22全体の効率が悪くなる低負荷時には、燃料電池システム22を回路50から切り離し、燃料電池60によるモータ32への電力の供給を停止する。これにより、システム全体のエネルギ効率が低下するのを防止する。燃料電池システム22が回路に接続され、燃料電池60が負荷の大きさに応じた電力をモータ32に供給するような運転状態を、「定常運転モード」と呼ぶ。これに対して、モータ32が必要とする電力はキャパシタ24によって供給され、燃料電池60は負荷の大きさに応じた電力をモータ32に供給しない運転状態を「間欠運転モード」と呼ぶ。
【0035】
図5および図6は、電気自動車10の運転モードの切換え手順を表わすフローチャートである。本ルーチンは、定常運転モードにおいて開始される。定常運転モードにおいては、燃料電池60の高圧補機40は、負荷に応じて燃料電池60がモータ32に電力を供給できるように、運転される。このような運転を、高圧補機40の「定常運転」と呼ぶ。本ルーチンが実行されると、制御部48は、まず、電圧計52が検出する配線50の電圧値Vを読み込む(ステップS110)。そして、この電圧値Vと、あらかじめ定めた所定の基準電圧値Vとを比較する(ステップS120)。
【0036】
基準電圧値Vとは、定常運転モードから間欠運転モードに切り替えるか否かの判断を行なうための基準として、予め制御部48内に記憶されているものである。配線50の電圧値Vが基準電圧値Vよりも小さい場合に、燃料電池システム22全体のエネルギ効率が許容できる程度となるように、基準電圧値Vは定められる。基準電圧値Vは燃料電池60の開放電圧OCVよりもある程度低い値に設定される。図3に示すように、燃料電池60の電圧は、開放電圧OCVより低い値しかとりえず、また、図3および図4(A),図4(B)に示すように、燃料電池60の電圧が高く出力電力が低い状態では、燃料電池システム22全体のエネルギ効率が低くなるためである。基準電圧値Vは、たとえば、燃料電池の開放電圧の80〜90%の値とすることができる。
【0037】
ステップS120において、配線50の電圧値Vが基準電圧値V以上であると判断され、ステップS120の判定結果がYesとされると、処理は、ステップS130に移行する。
【0038】
一方、ステップS120において、配線50の電圧値Vが基準電圧値Vよりも小さいと判断され、ステップS120の判定結果がNoとなるときには、処理は、ステップS122に移行する。ステップS122では、制御部48は、電流計54が検出する配線50の電流値Iを読み込む。そして、ステップS124で、電流値Iが負であるか否かを判断する。なお、電流値Iの正負については、水平な地面の上において、電気自動車10がモータ32の力で加速しており、かつ、ブレーキ56が踏まれていないときの配線50中の電流の向きを「正」とする。すなわち、電流値Iが「正」であるときには、モータ32が電力を消費しており、電流値Iが「負」であるときには、モータ32は発電機として機能し、発電を行っている。
【0039】
モータ32が仕事をしており、電力を消費しているときには、ステップS124において、電流値Iが0以上であると判断され、ステップS124の判断結果がNoとなる。その場合には、処理は、ステップS110に戻る。すなわち、定常運転モードが維持される。一方、モータが発電を行っているときには、ステップS124において、電流値Iが負であると判断され、ステップS124の判断結果がYesとなる。その場合には、処理は、ステップS130に移行する。
【0040】
すなわち、定常運転モードにおいて、配線50の電圧値Vが基準電圧値V以上となるか(ステップS120)、または、電流値Iが負となる(ステップS124)まで、ステップS110からステップS124の動作が繰り返される。その間、電気自動車10は、定常運転モードを維持する。
【0041】
ステップS130において、制御部48は、スイッチ20に駆動信号を出力してこれを開状態とする。このようにスイッチ20を開状態とすると、燃料電池60の回路50に対する接続が開放されるため(図1参照)、燃料電池60からモータ32への電力の供給は停止される。モータ32へは、キャパシタ24から電力が供給されるようになり、電気自動車10は、間欠運転モードに移行する。キャパシタ24は、既述したようにパワー密度が高く、充放電効率も高い。このため、キャパシタ24は、スイッチ20が開状態とされたときに、速やかに負荷が要求する電力を出力することができる。
【0042】
燃料電池60の高圧補機40は、ステップS130以降では、一定の低出力で運転される。この間欠運転モードにおける一定の低出力での高圧補機40の運転を「待機運転」と呼ぶ。「待機運転」とは、その補機の単位時間当たりの消費電力が「定常運転」における最低の単位時間当たりの消費電力以下となるような、運転状態である。そして、間欠運転モードにおいては、キャパシタ電圧Vが基準電圧値V012を上回っている間は、高圧補機40の運転は停止される。高圧補機40の運転の「停止」とは、各補機が供給または循環させるべきガスや液体を、供給および循環させていない状態をいう。電気自動車10の定常運転モードにおいて燃料電池の発電のために運転される燃料電池の補機類のうち、少なくとも一部の補機の運転状態が待機運転とされ、または、少なくとも一部の補機の運転が停止されている状態を、「燃料電池の待機状態」という。すべての補機の運転状態が待機運転とされ、または、すべての補機の運転が停止されている状態も、「燃料電池の待機状態」に含まれる。
【0043】
間欠運転モードに移行すると、制御部48は、再び電圧計52が検出する配線50の電圧値Vの読み込みを行なう(図6のステップS140)。次に、読み込んだ電圧値Vと、基準電圧値Vとを比較する(ステップS150)。ここで、基準電圧値Vとは、間欠運転モードから通常運転モードに切り替えるか否かの判断を行なうための基準として、予め制御部48内に記憶されているものである。基準電圧値Vは、既述した基準電圧値Vの近傍の値であるが基準電圧値Vよりも低い値として設定されている。基準電圧値Vは、基準電圧値Vの近傍の値であるため、配線50の電圧値Vが基準電圧値V以下である場合には、燃料電池システム22全体のエネルギ効率は許容できる程度となる。なお、基準電圧値Vは、基準電圧値Vの80%以上100%未満の値とすることができる。この基準電圧値Vは、基準電圧値Vの90%以上であることが好ましく、さらに、基準電圧値Vの95%以上であることが好ましい。
【0044】
ステップS150において、配線50の電圧値Vが基準電圧値Vより大きいと判断され、ステップS150の判定結果がNoとなるときには、処理は、ステップS140に戻る。すなわち、間欠運転モードが維持される。一方、ステップS150において、配線50の電圧値Vが基準電圧値V以下であると判断され、ステップS150の判定結果がYesとなるときには、処理は、ステップS152に移行する。
【0045】
ステップS152では、制御部48は、ステップS122と同様、電流計54が検出する配線50の電流値Iを読み込む。そして、ステップS154で、電流値Iが0以上であるか否かを判断する。
【0046】
モータ32が発電を行っているときには、ステップS154において、電流値Iが負であると判断され、ステップS154の判断結果がNoとなる。この場合には、処理は、ステップS140に戻る。すなわち、間欠運転モードが維持される。一方、モータ32が電力を消費している場合には、ステップS154において、配線50の電圧値Vが基準電圧値V以下であると判断され、ステップS150の判定結果がYesとなる。その場合には、処理はステップS170に移行する。
【0047】
すなわち、配線50の電圧値Vが基準電圧値V以下となり(ステップS150)、かつ、電流値Iが0以上となる(ステップS154)まで、ステップS140からステップS154の動作が繰り返される。その間、電気自動車10は、間欠運転モードを維持する。その間、制御部48は、燃料電池60の高圧補機40について待機運転を行うか、または高圧補機40の運転を停止する。
【0048】
ステップS170において、制御部48は、スイッチ20に駆動信号を出力してこれを閉状態とし、燃料電池システム22を、負荷に応じてモータ32に電力を供給するように運転する。すなわち、燃料電池60の高圧補機40の運転を定常運転に切り換える。ステップS170の処理によって、燃料電池60によるモータ32への電力の供給が再開される。そして、電気自動車10は定常運転モードに移行する。その後、制御部48は、処理を終了する。
【0049】
図7は、定常運転モードと間欠運転モードとが交互に切り替わるときの、燃料電池60の出力電圧およびキャパシタ24の電圧を示す説明図である。図5のステップS130においてスイッチ20を開状態とし、定常運転モードから間欠運転モードに切り替わったときを、図7に「OFF」と記載して示す。そして、図6のステップS170においてスイッチ20を閉状態とし、間欠運転モードから定常運転モードに切り替わったときを、図7に「ON」と記載して示す。
【0050】
たとえば、グラフ中の状態p1において、一旦、キャパシタ電圧Vが基準電圧値Vに達しているので(図6のステップS150参照)、電気自動車10は間欠運転モードから定常運転モードに移行している。定常運転モードにおいては、燃料電池システム22とキャパシタ24は並列に接続されるので、図7においても、キャパシタ電圧と燃料電池の電圧とは一致している。その後、状態p2を経て、状態p3において、ブレーキ56が踏まれ、その結果、電流値Iが負になったと判断されて(図5ステップS124参照)、電気自動車10は定常運転モードから間欠運転モードに移行している。
【0051】
間欠運転モードにおいては、燃料電池システム22が回路50から切り離される。そして、制御部48は、燃料電池60を待機状態する。このため、間欠運転モードにおいては、キャパシタ電圧が電気自動車の運転状態に応じて変化するのに対して、燃料電池60の電圧は、高圧補機40が待機運転されることによって一定値となる。待機運転は低出力の運転であるため、間欠運転モードにおいては、燃料電池60の端子間電圧はOCV近辺の値となる。図7において、燃料電池60の端子間電圧を一点鎖線で示す。キャパシタ電圧Vが基準電圧値V012を上回った場合には、高圧補機40は停止される
【0052】
間欠運転モードにおいては、キャパシタ24がモータ32に電力を供給するので、時間の経過とともにキャパシタ電圧は低下するはずである。しかし、図7中、間欠運転モードにおいてもキャパシタ電圧が上昇している場合がある。これは、そのときに回生が行われているためである。回生が行われる結果、状態p5において、キャパシタ電圧は、燃料電池の開放電圧OCVを超える値となっている。
【0053】
一方、定常運転モードにおいては、燃料電池60が電力を供給しているため、燃料電池60の出力電圧の指令値が燃料電池60およびキャパシタ24の電圧となる。よって、図3に示した燃料電池の特性より、燃料電池60が比較的多くの電力を供給する場合は、燃料電池60およびキャパシタ24の電圧は低くなり、燃料電池60が比較的少ない電力を供給する場合は、燃料電池60およびキャパシタ24の電圧は高くなる。
【0054】
なお、間欠運転モード時には、上記のようにキャパシタ24から負荷に対して電力を供給するだけでなく、さらに2次電池からも負荷に対して電力を供給することとしても良い。間欠運転モードとすべき低負荷状態が長く続くときや、2次電池26の残存容量が充分に多いときには、キャパシタ24に加えて、さらに2次電池26を用いることとしてもよい。
【0055】
キャパシタ24の電圧Vが、駆動インバータ30が供給しうる上限の電圧Vmaxに等しくなったとき、キャパシタ24には、それ以上電荷を蓄えることができなくなる。その後、さらにブレーキ56が踏まれた場合には、減殺すべき電気自動車10の運動エネルギーは、例えば、電気自動車10のブレーキディスクとブレーキパッド(図示せず)との摩擦によって熱に変換され、大気中に放出される。また、高圧補機40等を運転して、モータ32が発電した電力を消費する場合もある。
【0056】
上記実施例では、モータ32が発電を行っているときには、燃料電池60の回路50への接続を切っている(図5のステップS124、および図6のステップS154参照)。このため、キャパシタ24を事実上の上限、すなわち、キャパシタ電圧がVがVmaxになるまで充電した場合、キャパシタが蓄えているエネルギーのうちの燃料電池60の発電によるエネルギーを少なくすることができる。そして、キャパシタが蓄えているエネルギーのうちのモータ32の発電によるエネルギーを多くすることができる。つまり、モータ32の発電によるエネルギーをより多く回収することができる。よって、第1実施例のような動力供給装置は、電気自動車10の全体としての効率を高めることができる。
【0057】
C2.比較例における定常運転モードと間欠運転モードに切り換え:
図8は、比較例における電気自動車10の運転モードの切換え手順を表わすフローチャートである。図8の比較例においては、図5のステップS122およびS124の処理を行わない。そして、ステップS120において、配線50の電圧値Vが基準電圧値Vよりも小さいと判断され、ステップS120の判定結果がNoとなるときには、処理は、ステップS110に戻る。また、図8の比較例においては、図6のステップS152およびS154の処理を行わない。そして、ステップS150において、配線50の電圧値Vが基準電圧値V以下であると判断され、ステップS150の判定結果がNoとなるときには、処理は、ステップS170に移行する。他の処理は、図5および図6のフローチャートと同様である。
【0058】
図9は、比較例における、燃料電池60の出力電圧およびキャパシタ24の電圧を示す説明図である。比較例においては、定常運転モード中の状態p3において、ブレーキが踏まれモータ32が発電を行って電流値Iが負となっても、間欠運転モードには移行しない。そして、状態p6において、配線50の電圧値Vが基準電圧値Vに達すると、間欠運転モードに移行する(図5のステップS120参照)。
【0059】
比較例においては、図9の状態p3から状態p6に至るまでの区間Prcだけ、第1実施例に比べて間欠運転モードに移行するのが遅い。対応する区間Prcを図7においても示す。その結果、比較例においては、区間Prcにおいて、すなわち、キャパシタ電圧が状態p3のときの値Vp3からVになるまでの間、燃料電池60からキャパシタ24に電荷が供給され続ける。キャパシタ24の電圧Vが、駆動インバータ30が供給しうる上限の電圧Vmaxに等しくなったとき、実施例の場合に比べて、区間Prcにおいて燃料電池から供給された電荷の分だけ、モータが作り出したエネルギーの蓄積量が少なくなる。
【0060】
D.変形例:
この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0061】
上記実施例では、電流計54の測定値に基づいてモータ32が発電を行っているか電力を消費しているかを判断し、スイッチ20の開閉を制御した。しかし、モータ32が発電を行っているか電力を消費しているかの判断は、他の要素に基づいて行ってもよい。たとえば、制御部48によるモータ32の出力指令値が負であるか否かに基づいて行ってもよい。モータ32の出力指令値は、モータ32が、単位時間当たりに行うべき仕事の量を表す数値である。制御部48によるモータ32の出力指令値が負である場合には、モータ32が発電を行っていると判断できる。モータ32の出力指令値は、電気自動車10のアクセル(図示せず)、ブレーキ56等からの入力をもとに制御部48が決定する。
【0062】
さらに、ブレーキ56のON/OFFに基づいて、モータ32が発電を行っているか否かを判断することとしてもよい。ブレーキ56がONである場合には、モータ32が発電を行っていると判断される。すなわち、モータ32の駆動インバータ30の運転状態を表す測定値、または駆動インバータ30の運転状態を決定する入力値のうちのいずれかに基づいて、モータ32が発電を行っているか、電力を消費しているかを判断することができる。
【0063】
上記の第1実施例では、電気自動車10の動力装置は2次電池26を備えていた。しかし、電気自動車の動力装置は、2次電池26を備えない態様とすることもできる。
【0064】
さらに、上記実施例では、燃料電池と並列に回路に接続される蓄電器はキャパシタであった。しかし、他の種類の蓄電器が燃料電池と平行に回路に接続されている態様とすることもできる。蓄電器としては、例えば、鉛蓄電池や、ニッケル−カドミウム蓄電池、ニッケル−水素蓄電池、リチウム2次電池など種々の2次電池を用いることができる。
【0065】
上記実施例においては、キャパシタ24の電圧Vの値と、回路50の電流Iの値に基づいて、スイッチ20の開閉を決定していた。しかし、他の要素をも考慮してスイッチ20の開閉を決定する態様とすることもできる。そのような場合には、例えば、定常運転モードにおいて、キャパシタ24の電圧Vの値が基準電圧値V以上であり、または電流Iの値が負であっても、スイッチ20が開状態とされないこともある。
【0066】
すなわち、キャパシタと燃料電池を含む動力装置は、燃料電池と回路とをつなぐスイッチが閉状態であって電動機が発電を行うときに、スイッチを開状態とするモードを有するものであればよい。そして、電動機が電力を消費しているときに、蓄電器の電圧に応じてスイッチを閉状態または開状態とするモードを有するものであればよい。
【0067】
また、第1実施例では、配線50に対する燃料電池60の接続を入り切りするスイッチ20は、燃料電池60の2つの端子のそれぞれに対して設けたが、どちらか一方だけにスイッチを設けることとしても良い。間欠運転モードにおいて、燃料電池60からの出力を、停止させることができればよい。
【0068】
さらに、上記実施例では、間欠運転モードにおいて、キャパシタ電圧が所定値以上である場合には、高圧補機40の運転を停止していた。すなわち、高圧補機40の運転の停止と再開を同じ基準電圧で行っていた。しかし、高圧補機を停止するか否かの判断基準となる基準電圧と、高圧補機の運転を再開するか否かの判断基準となる基準電圧とを異なる値とすることもできる。たとえば、高圧補機を停止するための基準電圧を、高圧補機の運転を再開ための基準電圧よりも高くすることが好ましい。そのような態様とすれば、高圧補機40の運転の停止および再開を安定して行うことができる。
【0069】
既述した実施例では、燃料電池システム22は、燃料ガスとして水素ガスを用いることとした。これに対して、燃料ガスとして、改質ガスを用いる構成も可能である。このような場合には、図2に示した燃料電池システム22において、燃料ガス供給部61として、水素を貯蔵する装置に代えて、改質ガスを生成する装置を備えることとすればよい。具体的には、改質反応に供する改質燃料および水を貯蔵するタンクや、改質触媒を備える改質器、さらに、改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減するための反応を促進する触媒を備える反応部などを備えることとすればよい。
【0070】
そして、燃料ガスとして改質ガスを用いる構成においては、スイッチ20が閉状態であってモータ32が発電を行うときに、スイッチ20を開状態とするとともに、燃料電池を待機状態とすることが特に好ましい(図5のステップS130参照)。このような構成とすることで、モータ32が発電を行うときに、燃料電池の発電に利用されずに排出されてしまう燃料ガスを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気自動車10の構成の概略を表わすブロック図。
【図2】
燃料電池システム22の構成の概略を表わす説明図。
【図3】
燃料電池60における出力電流と、出力電圧あるいは出力電力との関係を示す
説明図。
【図4】
燃料電池60の出力の大きさと、エネルギ効率との関係を表わす説明図。
【図5】
運転モードの切り換えルーチンを表わすフローチャート。
【図6】
運転モードの切り換えルーチンを表わすフローチャート。
【図7】
定常運転モードと間欠運転モードとが交互に切り替わるときの、燃料電池60
の出力電圧およびキャパシタ24の電圧を示す説明図。
【図8】
比較例における電気自動車10の運転モードの切換え手順を表わすフローチャ
ート。
【図9】
比較例における、燃料電池60の出力電圧およびキャパシタ24の電圧を示す説明図。
【符号の説明】
10…電気自動車
15…電源装置
17…動力装置
20…スイッチ
22…燃料電池システム
24…キャパシタ
27…残存容量モニタ
28…DC/DCコンバータ
30…駆動インバータ
32…モータ
32…駆動モータ
34…減速ギヤ
36…出力軸
38…車両駆動軸
40…高圧補機
42…ダイオード
48…制御部
50…配線(回路)
52…電圧計
54…電流計
56…ブレーキ
60…燃料電池
61…燃料ガス供給部
61b…バルブ
62…水素ガス供給路
63…水素ガス排出路
64…ブロワ
65…酸化ガス供給路
66…カソード排ガス路
67…水素循環ポンプ
FC…出力電流
…駆動インバータ30に流れる電流
OCV…燃料電池の開放電圧
FC…燃料電池が供給する電力
Prc…比較例において燃料電池が配線に接続されている区間
…キャパシタ電圧
FC…出力電圧
…出力電圧
Vmax…駆動インバータ30が供給しうる最高の電圧値
p1〜p3,p5,p6…燃料電池の運転状態

Claims (8)

  1. 回転出力を供給する動力装置であって、
    発電器としても機能することができる電動機と、
    前記電動機に電力を供給し前記電動機から供給される電力を伝える配線に対して、並列に接続された燃料電池および蓄電器と、
    前記燃料電池と前記配線との間の接続を入り切りするスイッチと、
    前記電動機、前記燃料電池および前記スイッチを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記スイッチが閉状態であって前記電動機が発電を行うときに、前記スイッチを開状態とする指示を出力するモードを有する、動力装置。
  2. 請求項1記載の動力装置であって、
    前記制御部は、前記スイッチが閉状態であって前記電動機が発電を行うときに前記スイッチを開状態とする前記指示を出力する前記モードにおいて、前記燃料電池を待機状態とする指示を出力する、動力装置。
  3. 請求項1記載の動力装置であって、さらに、
    前記蓄電器の電圧を検出する電圧計を備え、
    前記制御部は、さらに、
    前記電動機が電力を消費しているときに、前記蓄電器の電圧に応じて前記スイッチを閉状態または開状態とする指示を出力するモードを有する、動力装置。
  4. 請求項1記載の動力装置であって、さらに、
    前記蓄電器の電圧を検出する電圧計を備え、
    前記制御部は、さらに、
    前記スイッチが開状態のときに、前記電動機が電力を消費しており、かつ、前記蓄電器の電圧が第1の基準電圧より低いときに、前記スイッチを閉状態とする指示を出力し、前記燃料電池を定常運転する指示を出力するモードと、
    前記スイッチが閉状態であって、前記電動機が電力を消費しており、かつ、前記蓄電器の電圧が、前記第1の基準電圧より高い第2の基準電圧より高いときに、前記スイッチを開状態とする指示を出力し、前記燃料電池を待機状態とする指示を出力するモードとを有する、動力装置。
  5. 回転出力を供給する動力装置の運転方法であって、
    (a)発電器としても機能することができる電動機と、前記電動機に電力を供給し前記電動機から供給される電力を伝える配線に対して、並列に接続された燃料電池および蓄電器と、を備える動力装置を準備する工程と、
    (b)前記燃料電池が前記配線に接続されている状態であって、前記電動機が発電を行うときに、前記燃料電池の前記配線への接続を開放する工程と、を備える動力装置の運転方法。
  6. 請求項5記載の動力装置の運転方法であって、
    前記工程(b)は、前記燃料電池を待機状態とする工程を含む、動力装置。
  7. 請求項5記載の動力装置の運転方法であって、さらに、
    (c)前記電動機が電力を消費しているときに、前記蓄電器の電圧に応じて前記燃料電池を前記配線に接続しまたは接続を開放する工程を備える、動力装置の運転方法。
  8. 請求項5記載の動力装置の運転方法であって、さらに、
    (c)前記燃料電池の前記配線への接続が開放されている状態であって、前記電動機が電力を消費しており、かつ、前記蓄電器の電圧が第1の基準電圧より低いときに、前記燃料電池を前記配線へ再接続し、前記燃料電池を定常運転する工程と、
    (d)前記燃料電池が前記配線に接続されている状態であって、前記電動機が電力を消費しており、かつ、前記蓄電器の電圧が、前記第1の基準電圧より高い第2の基準電圧より高いときに、前記燃料電池の前記配線への接続を開放し、前記燃料電池を待機状態とする工程と、を備える、動力装置の運転方法。
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