JP2004012063A - ガス制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】点消火ボタンの周囲にリング状の火力調節ダイヤルを設けたガス制御装置を、ガスバーナーの点火操作の際、点消火ボタンの押込み操作に連動して火力調節ダイヤルが強火力側に強制的に回転させるように構成した場合、開弁位置で調理者の火力調節ダイヤルの操作感に悪影響を及ぼす可能性がある。
【解決手段】点消火ボタン5の押込み操作により閉弁位置から開弁位置に移動させると点火操作が行われるように構成する。その押込み操作に連動してガスバーナーの火力を所定の火力にするように火力調節ダイヤル7を強制的に回転させる強制回転手段51を設け、この強制的な回転を点消火ボタンが開弁位置に到達する前に完了させる。開弁位置では点消火ボタンと火力調節ダイヤルとの間の強制回転手段による係合関係は解除されるようにする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばガスコンロに設けたガスバーナーへの燃料ガスの供給を制御するガス制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のガス制御装置は、例えば特許第2742356号公報が知られている。このものは、例えばガスコンロの前面パネルに設けた前後方向に移動自在な点消火ボタンを有し、該点消火ボタンの前後方向の異なる3個の位置には、ガスバーナーに連なるガス通路を開放保持する開弁位置と、ガスバーナーの点火手段を作動させる点火位置と、ガス通路を閉鎖する閉弁位置とが設けられている。
【0003】
閉弁位置から点消火ボタンを押圧操作すると、点消火ボタンが点火位置に移動し、ガス通路を開放すると共にガスバーナーの点火手段を作動させる。ガスバーナーが着火したことを確認して点消火ボタンの押圧を開放すると、点消火ボタンは突出して開弁位置に移動する。
【0004】
開弁位置では、ガスバーナーの火力調節が点消火ボタンの周囲に設けたリング状の火力調節ダイヤルによって行われる。火力調節ダイヤルは、ガス通路に設けられガス通路の開口面積を変化させてガスバーナーへの燃料ガスのガス流量を調節するガス流量調節手段と連動している。
【0005】
ガスバーナーの燃焼を停止する場合、開弁位置に在る点消火ボタンを押込み操作して閉弁位置まで移動させると、ガス通路が閉鎖されてガスバーナーが消火される。
【0006】
ここで、ガスバーナーの点火操作時、燃料ガスへの着火を確実に行うには、例えばガスバーナーの火力が強または中になるように燃料ガスをガスバーナーの混合管に供給するのがよい。
【0007】
このため、上記のものでは、ガスバーナーを消火する際、点消火ボタンの押圧操作に連動して火力調節ダイヤルを強火位置まで強制的に回転させるリセット手段を設けている。
【0008】
上記のものは、リセット手段を設けているので点消火ボタンの閉弁位置では火力調節ダイヤルを回転させることができない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このため、点消火ボタンを押圧操作する際、例えばカム機構を用いた強制回転手段によってガスバーナーの火力が強または中になるように火力調節ダイヤルが強制的に回転されるようにし、点消火ボタンの閉弁位置では、火力調節ダイヤルが回転自在になるように構成することが提案される。
【0010】
ところが、単に強制回転手段を設けると、開弁位置で火力調節ダイヤルを回転させて火力調節する場合、強制回転手段が係合状態であると、火力調節ダイヤルの操作性が悪くなり、調理者の回転操作感に悪影響を与える可能性がある。
【0011】
そこで、本発明は、上記点に鑑み、ガスバーナーの開弁位置で火力調節を行う場合に回転操作感に影響を及ぼさないようにしたガス制御装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のガス制御装置は、前後方向に移動自在な点消火ボタンを備え、該点消火ボタンの前後方向に、ガスバーナーに連なるガス通路を閉鎖する閉弁位置と、該ガス通路を開放保持する開弁位置とを設け、該点消火ボタンの周囲に、ガスバーナーへの燃料ガスの供給量を調節して火力の調節を可能とするリング状の火力調節ダイヤルを設けたガス制御装置において、点火操作は、前記点消火ボタンの押込み操作により閉弁位置から開弁位置に移動するように構成し、前記閉弁位置から開弁位置までの前記点消火ボタンの押込み操作に連動して、ガスバーナーの火力が所定の火力なるように前記火力調節ダイヤルを強制的に回転させる強制回転手段を設け、該強制回転手段による火力調節ダイヤルの強制的な回転を、点消火ボタンが開弁位置に到達する前に完了させ、開弁位置で点消火ボタンと火力調節ダイヤルとの間の強制回転手段による係合関係を解除するようにしたことを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、点火操作を行うため閉弁位置から点消火ボタンを押込み操作すると、ガス通路が開放されてガスバーナーに燃料ガスが流れる。この場合、強制回転手段によって火力調節ダイヤルの回転が開始される。点火操作が完了すると点消火ボタンは開弁位置に到達する。その際、火力調節ダイヤルの所定位置への回転は既に完了し、また、ガス通路は開放保持される。
【0014】
点消火ボタンの開弁位置で火力調節ダイヤルを回転させると、ガスバーナーに供給される燃料ガスのガス流量が増減されてガスバーナーの火力が調節できる。この場合、点消火ボタンと火力調節ダイヤルとの間の強制回転手段による係合関係が解除されているので、火力調節ダイヤルの操作性は損なわれず、調理者の回転操作感に悪影響を与えることはない。
【0015】
ガスバーナーを消火するために、点消火ボタンを開弁位置から閉弁位置に移動すると、ガス通路が閉鎖されてガスバーナーへの燃料ガスの供給が停止される。
【0016】
ここで、前記強制回転手段は、例えば点消火ボタンの外周面に設けた半径方向の孔に外側に向かって付勢して設けた突出片と、火力調節ダイヤルの内周面に設けたカム溝とから構成し、閉弁位置から開弁位置への点消火ボタンの移動に伴って突出片が前記孔内に収納されてカム溝から離れ、開弁位置で、突出片がカム溝と係合しないようにすればよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、ガス制御装置1は、例えばガスコンロ2に組込まれる。この場合、ガスコンロ2は箱状のコンロ器体21を有し、コンロ器体21には、その上面を覆う天板22に設けた2個の開口を臨むように2個のガスバーナー23a、23bが設けられている。
【0018】
コンロ器体21にはまた、その前面の両端に設けた前面パネル24の間に位置してセラミックプレート式バーナー(図示せず)を設けたグリル25が設けられている。そして、本発明のガス制御装置1によって2個のガスバーナー23a、23b及びセラミックスプレート式バーナーへの燃料ガスの供給が制御される。
【0019】
図2を参照して、ガス制御装置1は、上下に重ねて連結した2個の部分11a、11bから構成されるバルブケーシングを有する。下側に位置するバルブケーシングの第1部分11aには、バルブケーシングの長手方向に沿って延びる第1内部通路12aが設けられ、第1内部通路12aに連通するガス流入部13が開設されている。
【0020】
ガス流入部13の下流側に位置して第1内部通路12aには電磁弁3が設けられている。電磁弁3はマグネットケース31を有し、このマグネットケース31には、例えばコンロ器体21に設けた制御ユニット(図示せず)からの信号に基づいて励磁される電磁石とこれに吸着される吸着片とが収容されている。
【0021】
吸着片にはマグネットケース31から第1内部通路12aの下流側に向かって突出した第1弁体32が連結されている。電磁弁3の閉弁状態では、第1弁体32は、該第1弁体32とマグネットケース31との間に縮設したばね33の付勢力によって、シール材34aを介して第1内部通路12aに設けた弁座部材34の弁座に着座している。
【0022】
該電磁弁3の開弁操作は、シール材41を介して第1内部通路12aに挿設され、第1内部通路12aの長手方向に沿って前後に移動自在な操作ロッド4により行われる。また、操作ロッド4には第2弁体42が設けられ、第2弁体42は第1内部通路12aに設けた弁座43と共に元弁を構成する。元弁の閉弁状態では、第2弁体42は、第2弁体42と弁座部材34との間に縮設したばね44により弁座43に着座している。
【0023】
操作ロッド4の前後方向の移動は、正面パネル24から突出させて設けた点消火ボタン5の押込み操作によって行われる(図1参照)。点消火ボタン5は円筒形状に形成され、その第1内部通路12a側の端面には、点消火ボタン5の移動に伴って操作ロッド4を押圧する押圧ロッド5aが連結されている。
【0024】
また、押圧ロッド5aの一端は、第1部分11aの下側に設けたハートカム機構5bに連結されている。この場合、後述の火力調節ダイヤルの先端面から突出し第1内部通路12aを閉鎖する閉弁位置(図1に示す状態)から点火操作を行うために点消火ボタン5の押込み操作すると、押圧ロッド5aを介して操作ロッド4が後方向(図2の右側)に押圧されて元弁を開弁させた後、弁体32を吸着片側に押しきると共に点火手段である放電ユニット(図示せず)が作動する点火位置まで移動する。
【0025】
点火位置から点消火ボタン5の押圧を開放すると、ハートカム機構5bで案内されて前方向(図2の左側)に移動して元弁を開弁保持して第1内部通路12aを開放した状態の開弁位置に到達する。消火操作を行うために開弁位置から点消火ボタン5をさらに押込み操作すると、ハートカム機構5bがリセットされて消化位置に戻される。
【0026】
また、元弁の上流側に位置して第1部分11aにはガス流出口14が設けられ、該ガス流出口14は、第2部分11bに設けた略L字形の第2内部通路12bの一端と一致し、第1及び第2の各内部通路12a、12bがガス通路を構成する。
【0027】
第2部分11bの外周面には、所定の間隔を置いて4個の第1、第2、第3及び第4の各連通路15a、15b、15c、15dが相互に隔絶して設けられている。各連通路15a、15b、15c、15dを介して、第2部分11bの上部に連結したガス流出部16と第2内部通路12bとが連通している。この場合、各連通路15a、15b、15c、15dの孔径は、前方向に向かって順次大きく形成している。
【0028】
そして、ガス流出部16から流出した燃料ガスは、ガスバーナー23a、23b及びセラミックプレート式バーナーの各混合管に燃料ガスを噴射するガスノズル(図示せず)へと供給される。この場合、ガスノズルへの燃料ガスのガス量を調節するため、第2内部通路12bには流量調節弁6が設けられている。
【0029】
図2及び図3に示すように、流量調節弁6は、シール材61aを介して第2内部通路12bに回転自在に設けた円筒形状の回転体61を有する。回転体61の外周面には、4本の円周方向の第1、第2、第3及び第4の各長溝62a、62b、62c、62dが、第1、第2、第3及び第4の各連通路15a、15b、15c、15dにそれぞれ対応させて形成されている。この場合、各長溝62a、62b、62c、62dの幅寸法は、各連通路15a、15b、15c、15dの孔径にそれぞれ一致させかつ円周方向にずらして形成している。
【0030】
尚、本実施の形態では、各連通路15a、15b、15c、15dを通過してガス流出部16へと流れる燃料ガスのガス流量を所定量に調節する4個のオリフィス孔63a、63b、63c、63dを形成したオリフィス部材63を、各連通路15a、15b、15c、15dに一致させて第2部分11bの外周面に装着している。そして、回転体61を回転させて各長溝62a、62b、62c、62dを各連通路15a、15b、15c、15dと適宜一致させてガス流出部16へと流れる燃料ガスのガス流量が調節される。
【0031】
回転体61の回転角の調節は、点消火ボタン5の周囲に設けた火力調節ダイヤル7により行われる。図4に示すように、火力調節ダイヤル7は中空円筒形状の基部70aにリング状のキャップ70bを装着して構成されている。
【0032】
火力調節ダイヤル7の第1内部通路11a側の端部は所定ピッチで歯切りされ、歯切した部分71が第2部分11bから突出した回転体61の一端部に嵌合した歯車72と噛合っている。これにより、火力調節ダイヤル7の回転操作に同期して回転体61が回転される。
【0033】
ここで、ガスバーナー23a、23bの点火操作時、燃料ガスへの着火を確実に行うには、例えばガスバーナー23a、23bの火力が強または中になるように燃料ガスをガスバーナー23a、23bに供給するのがよい。
【0034】
また、安全性を考慮して、子供等が点消火ボタン5に誤って接触して放電ユニットが作動しないようにいわゆるチャイルドロック機構を設けるのがよい。
【0035】
図2乃至図6を参照して、本実施の形態では、前面パネル24から突出した火力調節ダイヤル7の前方向の内周面にカム溝73を形成すると共に、中空の火力調節ダイヤル7内を前後方向に移動する点消火ボタン5の外周面にカム溝73と対偶をなす第1突出片51を設けて強制回転手段を構成した。この場合、第1突出片51は、点消火ボタンの外周面に設けた半径方向の孔52に、半径方向外側に向かってばね53で付勢した状態で設けられている。
【0036】
これにより、ガスバーナ23a、23bの点火のため、閉弁位置から点消火ボタン5を押込み操作すると、第1突出片51が原動節となって従動節であるカム溝73が形成された火力調節ダイヤル7を所定の位置まで回転させる。
【0037】
この場合、点消火ボタン5の押込み操作を利用して火力調節ダイヤル7を回転させるので、例えば点消火ボタン5と第1部分11aとの間に縮設したばね17の付勢力を大きくする必要がなく、ガス制御装置の構造を簡素化できる。
【0038】
ところで、開弁位置において火力調節ダイヤル7を回転させて火力調節する場合、突出片51がカム溝73に干渉したのでは、火力調節ダイヤル7の操作性が悪くなり、調理者の回転操作感に悪影響を与える可能性がある。
【0039】
本実施の形態では、カム溝73の壁面の高さが、点消火ボタン5の押込み操作につれて一方から他方に向かって低くなるように形成している。そして、閉弁位置から点消火ボタン5の押込み操作を行うと、点消火ボタン5の移動に伴って第1突出片51が前記孔52内に収納され、カム溝73から長手方向に延びる平坦部74に到達する。
【0040】
さらに点消火ボタン5を押込み操作すると、前記孔52に収納された第1突出片51は平坦部74に沿って移動して点火位置に到達する。そして、放電ユニットを作動させてガスバーナー23a、23bを点火した後、点消火ボタン5の押圧を解除すると、ハートカム機構5bに案内されてばね5cの付勢力によって少し戻り、点消火ボタン5は開弁位置に到達する。
【0041】
開弁位置に対応して火力調節ダイヤル7の内周面には、平坦部74と同一平面の回転案内路75が形成され、回転案内路75に沿って火力調節ダイヤル7は時計方向または反時計方向に回転自在となる。この場合、第1突出片51は孔52に完全に収納され、カム溝73とは係合していない。
【0042】
これにより、閉弁位置から開弁位置への点消火ボタン5の押込み操作に連動した第1突出片51とカム溝73との強制回転手段による火力調節ダイヤル7の強制的な回転は、点消火ボタン5が点火位置に到達する前に完了し、開弁位置では、点消火ボタン5の突出片51と火力調節ダイヤル7のカム溝73との係合は解除されている。
【0043】
そして、火力調節ダイヤル7を、時計方向に回転させるとガス流量が絞られ、反時計方向に回転させるとガス流量が増加するように回転体61が回転される。
【0044】
この場合、火力調節ダイヤル7の回転範囲を制限するため、火力調節ダイヤル7の基部70aの外周壁に設けた凸部(図示せず)がコンロ器体21に設けたストッパ(図示せず)に係合するまで反時計方向に回転させると、第2、第3及び第4の各長溝62b、62c、62dが第2、第3及び第4の各連通路15b、15c、15dにそれぞれ一致してガス流出部16へのガス量が最大となるように回転体61を配置する。
【0045】
他方で、第1長溝62aが第1連通路15aとのみ一致する位置に、点消火ボタン5の一端に設けた突出部56が接触する回転止め76を回転案内路75設けている(図6参照)。
【0046】
これにより、開弁位置では、火力調節ダイヤル7が、ガス流出部16へのガス流量を最小にしてガスバーナー23a、23bの火力を小とする小火力と、ガス流量を最大にしてガスバーナー23a、23bの火力を強とする強火力との間の火力調節範囲内でのみ回転自在となり、回転案内路75の一端部と回転止め76とが回転範囲制限手段を構成する。
【0047】
ここで、調理者による火力調節が容易になるように、例えば、ガスバーナー23a、23bの火力が弱及び中となる位置で、クリックを発生させるようにしてもよい。
【0048】
図3に示すように、第1突出片51に対向して点消火ボタン5の外周面に第2突出片54を設ける。この場合、第1突出片51より小径の第2突出片54は、点消火ボタン5の外周面に設けた半径方向の孔55に、半径方向外側に向かってばね56で付勢した状態で設けられている。
【0049】
また、回転案内路75の所定の位置に、第2突出片54のみが係合可能な半径方向の第1及び第2の凹部77、78をそれぞれ形成する。そして、例えば、火力調節ダイヤル7を最小流量(この場合、ガスバーナー23a、23bの火力は小)から反時計方向に回転させて第2突出片54が第1凹部77に係合するとクリックを発生させる。この場合、第1長溝62aに加えて第2長溝62bが第2連通路15bに一致してガス流出部16へのガス流量が増加してガスバーナー23a、23bの火力が弱となる。
【0050】
さらに火力調節ダイヤル7を反時計回りに回転させ、第2凹部78と第2突出片54が係合するとクリックを発生させる。この場合、第1及び第2の長溝62a、62bに加えて第3長溝62cが第3連通路15cに一致してガス流出部16へのガス流量が増加してガスバーナー23a、23bの火力が中となる。
【0051】
また、点消火ボタン5の閉弁位置では、火力調節ダイヤル7が火力調節範囲を超えて時計方向に回転できるようにカム溝73を形成している。火力調節範囲を超えて火力調節ダイヤル7をカム溝73の一端部まで回転させると第1突出片51が、カム溝73の一端部に形成した操作ボタン5の押圧方向に対し直角な壁面73aに係合する。
【0052】
これにより、チャイルドロック機構のため別個の操作部を設けることなく、閉弁位置から点火位置に点消火ボタン5を押圧して移動させることができず、ガスバーナーの点火手段が作動しないロック位置が形成される。
【0053】
次に、ガスバーナー23aを用いて本発明のガス制御装置1の作動を説明する。図2に示す閉弁位置から、点消火ボタン5の押込み操作を行うと、第1突出片51とカム溝73との作用により火力調節ダイヤル7が回転される。
【0054】
ここで、図7には、ガスバーナー23aの火力が弱の位置で消火された後、点消火ボタン5を操作して点火操作を行う場合の火力調節ダイヤル7の作動例が示されている。
【0055】
点消火ボタン5を押込み操作すると、操作ボタン5の突出片51がカム溝73に当接する。カム溝73に当接すると、点消火ボタン5の移動に伴って火力調節ダイヤル7が回転される。それに伴って、第1突出片51が前記孔52内に収納されつつ、カム溝73から長手方向に延びる平坦部74まで到達する。
【0056】
この場合、回転体61は、歯車72を介して回転され、この位置では、第1、第2及び第3の各長溝62b、62c、62dが第1、第2及び第3の各連通路15b、15c、15dにそれぞれ一致し、ガスバーナー23aの火力を中とするガス流量の燃料ガスがガス流出部16へ流れる(図6(d)及び図11参照)。
【0057】
点消火ボタン5の押込み操作を続けると、図8に示すように、押圧ロッド5aを介して操作ロッド4を後方向に押圧して元弁を開弁させ、弁体32を吸着片側に押しきる点火位置に到達する。
【0058】
点火位置に到達すると、放電ユニットによってガスバーナー23aの点火操作が行われる。そして、ガスバーナー23aの近傍に設けた火炎検出素子26(図1参照)がガスバーナー23aの火炎を検出すると、制御ユニットからの信号で電磁弁3が励磁されて開弁保持される。
【0059】
ガスバーナー23aが着火したことを確認して点消火ボタン5の押圧を解除すると、点消火ボタン5は、ハートカム機構5bに案内されて図9に示す開弁位置に到達する。開弁位置では、元弁は操作ロッド4の押圧作用で開弁保持されると共に、火力調節ダイヤル7が火力調節範囲内で回転自在になる。
【0060】
そして、ガスバーナーの火力を強めるため、中火位置から、火力調節ダイヤル7の基部70aの外周壁に設けた凸部がコンロ器体21に設けたストッパに係合するまで反時計方向に回転させると、第2、第3及び第4の各長溝62b、62c、62dが第2、第3及び第4の各連通路15b、15c、15dにそれぞれ一致し、ガスバーナー23aの火力を強とするガス流量の燃料ガスがガス流出部16へ流れる(図6(e)及び図10参照)。
【0061】
他方で、中火からガスバーナー23aの火力を絞るため、第2突出片54が第1凹部77に係合してクリックを発生するまで火力調節ダイヤル7を時計方向にさらに回転させると、第1及び第2の各長溝62a、62bが第1及び第2の各連通路15a、15bにそれぞれ一致し、ガスバーナー23aの火力を弱とするガス流量の燃料ガスがガス流出部16へ流れる(図6(c)及び図3参照)。
【0062】
次いで、第1突出片51が回転止め76に接触するまで火力調節ダイヤル7を時計方向に回転させると、第1長溝62aが第1連通路15aとのみ一致し、ガスバーナー23aの火力を小とする最小ガス流量の燃料ガスがガス流出部16へ流れる(6(b)及び図12参照)。
【0063】
ガスバーナー23aを消火する場合、開弁位置から後方向に点消火ボタン5を押込み操作すると、ハートカム機構bがリセットされ、点消火ボタン5は、ばね5cの付勢力を受けて図2に示す火力調節ダイヤル7から突出した閉弁位置まで後退する。
【0064】
この場合、押圧ロッド5aの押圧が解除された操作ロッド4は、ばね34の付勢力を受けて後方向に移動し、元弁を閉弁する。元弁が閉弁されるとガスバーナー23aへの燃料ガスの供給が停止されて消火される。火炎検出素子26によって火炎が消えたことを制御ユニットが認識すると電磁弁3が閉弁される。
【0065】
最後に、閉弁位置で、火力調節ダイヤル7を、カム溝73に沿って火力調節範囲を超えて時計方向に回転させると、第1突起片51がカム溝73の壁面73aに係合して点消火ボタン5が押圧不能となりチャイルドロックされる。
【0066】
尚、本実施の形態では、点消火ボタン5を押込み操作して点火操作を行う場合、強制回転手段により火力調節ダイヤル7が、ガスバーナー23a、23bの火力が中となる位置まで回転されるようにしたが、これに限定されるものではない。
【0067】
例えば、図13(a)に示すように、カム溝73を構成し、ガスバーナー23a、23bの火力が強となる位置まで火力調節ダイヤル7が回転されるようにしてもよい。
【0068】
また、図13(b)に示すように、直前にガスバーナー23a、23bを消火した際、火力を強とする位置に火力調節ダイヤル7がある場合には、次の点火操作の際、そのままの状態で点火操作を行い、火力を中とする位置より火力小側でガスバーナー23a、23bが消火されている場合だけ、ガスバーナー23a、23bの火力が中となる位置まで火力調節ダイヤル7が回転されるようにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のガス制御装置は、火力調節ダイヤルの操作性が損なわれず、調理者の回転操作感に悪影響を与えることが防止されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス制御装置を組込んだガスコンロの斜視図
【図2】閉弁位置にある本発明のガス制御装置の断面図
【図3】(a)は、ガスバーナー弱火の場合の点消火ボタンに対する火力調節ダイヤルの位置を説明する図。(b)は、ガスバーナー弱火の場合の回転体の位置を説明する図。
【図4】点消火ボタンと火力調節ダイヤルとの構成を説明する分解斜視図
【図5】(a)乃至(d)は、火力調節ダイヤルに対する点消火ボタンの第1突出片の位置を説明する図
【図6】(a)乃至(e)は、開弁位置における回転体の回転位置と、火力調節ダイヤルに対する第2突出片の位置とを説明する図
【図7】点火操作時の火力調節ダイヤルの強制的な回転を説明する図
【図8】点火位置にある本発明のガス制御装置の断面図
【図9】開弁位置にある本発明のガス制御装置の断面図
【図10】(a)は、ガスバーナー強火の場合の点消火ボタンに対する火力調節ダイヤルの位置を説明する図。(b)は、ガスバーナー強火の場合の回転体の位置を説明する図。
【図11】(a)は、ガスバーナー中火の場合の点消火ボタンに対する火力調節ダイヤルの位置を説明する図。(b)は、ガスバーナー中火の場合の回転体の位置を説明する図。
【図12】(a)は、ガスバーナー小火の場合の点消火ボタンに対する火力調節ダイヤルの位置を説明する図。(b)は、ガスバーナー小火の場合の回転体の位置を説明する図。
【図13】点火操作時の火力調節ダイヤルの強制的な回転の変形例を説明する図
【符号の説明】
1 ガス制御装置
11a、11b バルブケーシング
12a、12b 内部通路
13 ガス流入部
16 ガス流出部
5 点消火ボタン
7 火力調節ダイヤル
51、73 強制回転手段

Claims (2)

  1. 前後方向に移動自在な点消火ボタンを備え、該点消火ボタンの前後方向に、ガスバーナーに連なるガス通路を閉鎖する閉弁位置と、該ガス通路を開放保持する開弁位置とを設け、該点消火ボタンの周囲に、ガスバーナーへの燃料ガスの供給量を調節して火力の調節を可能とするリング状の火力調節ダイヤルを設けたガス制御装置において、
    点火操作は、前記点消火ボタンの押込み操作により閉弁位置から開弁位置に移動するように構成し、
    前記閉弁位置から開弁位置までの前記点消火ボタンの押込み操作に連動して、ガスバーナーの火力が所定の火力なるように前記火力調節ダイヤルを強制的に回転させる強制回転手段を設け、該強制回転手段による火力調節ダイヤルの強制的な回転を、点消火ボタンが開弁位置に到達する前に完了させ、開弁位置で点消火ボタンと火力調節ダイヤルとの間の強制回転手段による係合関係を解除するようにしたことを特徴とするガス制御装置。
  2. 前記強制回転手段を、点消火ボタンの外周面に設けた半径方向の孔に外側に向かって付勢して設けた突出片と、火力調節ダイヤルの内周面に設けたカム溝とから構成し、閉弁位置から開弁位置への点消火ボタンの移動に伴って突出片が前記孔内に収納されてカム溝から離れ、開弁位置で、突出片がカム溝と係合しないようにしたことを特徴とする請求項1記載のガス制御装置。
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