JP2004012041A - 貯湯式の給湯熱源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱供給運転を実行する熱源手段と、その熱源手段の不要熱にて貯湯タンク1内の湯水を加熱するための貯湯手段と、熱源手段および貯湯手段の運転を制御する運転制御手段とが設けられ、運転制御手段は、熱源手段の運転状況が、貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況であるか否かを判別して、熱源手段の運転状況が貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況であるときには、貯湯手段を運転させ、かつ、熱源手段の運転状況が貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況でないときには、貯湯手段の運転を禁止するように構成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱供給運転を実行する熱源手段と、その熱源手段の不要熱にて貯湯タンク内の湯水を加熱するための貯湯手段と、前記熱源手段および前記貯湯手段の運転を制御する運転制御手段とが設けられ、前記運転制御手段が、前記熱源手段に対して熱要求があると、前記熱源手段を運転させるように構成されている貯湯式の給湯熱源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような貯湯式の給湯熱源装置は、熱源手段が、熱供給運転として、空調対象空間を空調する空調運転を実行するヒートポンプ装置にて構成され、貯湯手段として、貯湯タンクの底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱部を通過させる状態で貯湯タンクの上部に戻す循環手段が設けられ、運転制御手段が、ヒートポンプ装置の暖房運転中に、循環手段を運転させることにより、ヒートポンプ装置の不要熱にて貯湯タンク内の湯水を加熱して貯湯するものである(例えば、特開平2001−296057号公報)。
【0003】
そして、この種の貯湯式の給湯熱源装置では、運転制御手段が、ヒートポンプ装置の暖房運転中に、空調対象空間が目標空調状態を満たすなどして、ヒートポンプ装置の不要熱があれば、循環手段を運転させて、ヒートポンプ装置の不要熱にて貯湯タンク内の湯水を加熱して貯湯することにより、効率の向上を図るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の貯湯式の給湯熱源装置では、運転制御手段が、熱源手段の熱供給運転中に、熱源手段の不要熱があれば、循環手段を運転させるようにしているので、熱源手段の不要熱にて有効な貯湯が行えない場合にも、貯湯手段を作動させてしまい、消費エネルギーが増大を招く虞がある。
【0005】
説明を加えると、熱源手段の不要熱にて貯湯タンク内の湯水を加熱して貯湯する場合、熱源手段の運転時間が短いと、熱源手段の不要熱にて貯湯タンクに貯湯すべき温度まで加熱できなかったり、熱源手段の不要熱にて貯湯タンクに貯湯すべき温度まで加熱できても、貯湯量がごく僅かであるなどして、有効な貯湯が行えない場合があり、このような場合に、貯湯手段を作動させると、消費エネルギーの増大を招くことになる。
【0006】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、省エネルギー化を図りながら、熱源手段の不要熱にて貯湯タンクに貯湯し、効率の向上を図ることが可能となる貯湯式の給湯熱源装置を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、熱供給運転を実行する熱源手段と、その熱源手段の不要熱にて貯湯タンク内の湯水を加熱するための貯湯手段と、前記熱源手段および前記貯湯手段の運転を制御する運転制御手段とが設けられ、前記運転制御手段が、前記熱源手段に対して熱要求があると、前記熱源手段を運転させるように構成されている貯湯式の給湯熱源装置において、
前記運転制御手段は、前記熱源手段の運転状況が、貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況であるか否かを判別して、前記熱源手段の運転状況が前記貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況であるときには、前記貯湯手段を運転させ、かつ、前記熱源手段の運転状況が前記貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況でないときには、前記貯湯手段の運転を禁止するように構成されている。
【0008】
すなわち、運転制御手段は、熱源手段の運転状況が、貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況であるか否かを判別して、その判別結果に基づいて、貯湯手段を運転させる、あるいは、貯湯手段の運転を禁止することが可能となるので、運転制御手段は、有効な貯湯が行える状況であるか否かを判別し、その判別結果に基づいて、貯湯手段を運転させる、あるいは、貯湯手段の運転を禁止することが可能となる。
したがって、熱源手段の不要熱にて有効な貯湯が行えるときには、貯湯手段を運転させて、熱源手段の不要熱にて貯湯タンク内の湯水を加熱して貯湯し、効率の向上を図ることが可能となり、しかも、熱源手段の不要熱にて有効な貯湯が行えないときには、貯湯手段の運転を禁止させて、消費エネルギーの低下を図り、省エネルギー化を図ることが可能となる。
【0009】
以上のことをまとめると、請求項1に記載の発明によれば、省エネルギー化を図りながら、熱源手段の不要熱にて貯湯タンクに貯湯し、効率の向上を図ることが可能となる貯湯式の給湯熱源装置を提供できるに至った。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、前記運転制御手段は、前記熱源手段が前記熱供給運転を可否判別用設定時間以上経過して運転していると、前記熱源手段の運転状況が前記貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況であると判別するように構成されている。
【0011】
すなわち、運転制御手段は、現時点で熱源手段が熱供給運転を可否判別用設定時間以上経過して運転しているか否かにより、熱源手段の運転状況が貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況であるか否かを判別することが可能となるので、運転制御手段が、現時点での熱源手段の運転状況に基づいて、有効な貯湯を行えるか否かを判別することが可能となる。
したがって、運転制御手段が、有効な貯湯を行えるか否かの判別を的確に行い、その判別結果に基づいて、貯湯手段を運転させる、あるいは、貯湯手段の運転を禁止することが可能となるので、的確に省エネルギー化および効率の向上を図ることが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、前記運転制御手段は、前記熱源手段が前記貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できるとして設定された貯湯用時間帯には、前記熱源手段の運転状況が前記貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況であると判別するように構成されている。
【0013】
すなわち、運転制御手段は、例えば、スイッチなどにより人為的に設定された貯湯用時間帯や、実際に過去に熱源手段が運転した時間帯などに基づいて自動的に設定された貯湯用時間帯には、熱源手段の運転状況が貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況であると判別することが可能となるので、運転制御手段は、使用者の人為操作や実際の過去の熱源手段の運転状況に基づいて、有効な貯湯を行えるか否かを判別することが可能となる。
したがって、運転制御手段は、例えば、一日のうちで、使用者の意図した時間帯や、実際に過去に貯湯用設定時間以上連続して熱源手段が運転された時間帯を貯湯用時間帯として設定し、その貯湯用時間帯には、熱源手段の不要熱にて貯湯を行うことが可能となるので、使い勝手の向上を図るとともに、省エネルギー化および効率の向上を図ることが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、前記熱源手段が、ヒートポンプ装置にて構成され、そのヒートポンプ装置が、前記熱供給運転として、空調対象空間を空調する空調運転を実行するように構成されている。
【0015】
すなわち、ヒートポンプ装置が空調運転するとともに、そのヒートポンプ装置が空調運転したときの不要熱にて貯湯タンク内の湯水を加熱して貯湯することが可能となるので、効率のよいヒートポンプ装置による熱により、空調対象空間の空調および貯湯タンクへの貯湯を行うことが可能となって、より一層効率の向上を図ることが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる貯湯式の給湯熱源装置をエンジンヒートポンプ式冷暖房給湯システムに適応した例を図面に基づいて説明する。
このエンジンヒートポンプ式冷暖房給湯システムは、図1および図2に示すように、貯湯タンク1内に温度成層を形成しながら貯湯したり、貯湯タンク1内に貯湯された湯水を給湯したり、貯湯タンク1内の湯水を加熱して外部放熱部2にて放熱する貯湯ユニットAと、空調対象空間の空調運転と貯湯タンク1内の湯水を加熱するための加熱運転を実行可能な熱源手段としてのエンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bとから構成されている。
【0017】
前記貯湯ユニットAは、この貯湯ユニットAの運転を制御する貯湯ユニット制御部C、貯湯タンク1、貯湯タンク1内の湯水を循環するための循環路3、循環路3を通流する湯水を加熱する加熱部4、循環路3を通流する湯水と熱交換して放熱する外部放熱部2などから構成され、循環ポンプP1を作動させて貯湯タンク1内の湯水を循環路3にて循環しながら、加熱部4にて加熱したり、外部放熱部2にて放熱するようにしている。
【0018】
前記貯湯タンク1内には、その貯湯量が最低確保量以上であるかを、その湯温を検出することにより検出する最上部サーミスタS1、その貯湯量が少以上であるかを、その湯温を検出することにより検出する上部サーミスタS2、その貯湯量が中以上であるかを、その湯温を検出することにより検出する中部サーミスタS3、その貯湯量が満以上であるかを、その湯温を検出することにより検出する底部サーミスタS4が設けられている。
複数のサーミスタの設置位置は、貯湯タンク1の上位から、最上部サーミスタS1、上部サーミスタS2、中部サーミスタS3、底部サーミスタS4の順になっている。
そして、使用者の必要に応じて貯湯リモコンR2などにより、貯湯タンク1内の目標貯湯量を、「少」、「中」、「満」の3つの貯湯量からひとつを選択できるようにしている。
【0019】
前記貯湯タンク1には、その底部から貯湯タンク1に水道水圧を用いて給水する給水路5が接続され、その上部から風呂場や台所などに給湯するための給湯路6が接続され、風呂場や台所などで使用された量だけの水を給水路5から貯湯タンク1に給水するように構成されている。
前記給湯路6には、給水路5から分岐された混合用給水路7が接続され、その接続箇所に給湯路6からの湯水と混合用給水路7からの水との混合比を調整自在なミキシングバルブ8が設けられている。
前記給水路5における混合用給水路7の分岐箇所よりも上流側には、給水温度を検出する給水サーミスタ9が設けられ、給水路5および混合用給水路7の夫々には、逆止弁10が設けられている。
ちなみに、給湯路6には、オーバーフロー路11が接続され、そのオーバーフロー路11にエアー抜き弁12が設けられている。
【0020】
また、給湯路6におけるミキシングバルブ8よりも上流側には、貯湯タンク1の上部から給湯路6に給湯された湯水の温度を検出する貯湯出口サーミスタ13が設けられ、給湯路6におけるミキシングバルブ8よりも下流側には、給湯路6の湯水の流量を調整する給湯用水比例バルブ15、ミキシングバルブ8にて混合された湯水の温度を検出するミキシングサーミスタ14が設けられている。
【0021】
前記ミキシングサーミスタ14よりも下流側の給湯路6が、台所や洗面所などの図外の給湯栓に給湯する一般給湯路16と、図外の浴槽に湯水を供給するための湯張り路17とに分岐され、湯張り路17が浴槽からの風呂戻り路18に接続され、風呂戻り路18および風呂往き路19の両路を通して浴槽に湯水を供給するようにしている。
前記一般給湯路16には、一般給湯路16を通流する湯水の流量を検出する給湯流量センサ20が設けられ、湯張り路17には、湯張り路17を通流する湯水の流量を検出する湯張り流量センサ21、湯張り電磁弁22、バキュームブレーカ23、湯張り逆止弁24が上流側から順に設けられている。
【0022】
給湯操作手段Gが、貯湯出口サーミスタ13、給水サーミスタ9、ミキシングバルブ8、ミキシングサーミスタ14、給湯用水比例バルブ15、給湯流量センサ20、および、湯張り電磁弁22などにより構成されている。
そして、一般給湯路16に給湯するときには、給湯設定温度、貯湯出口サーミスタ13および給水サーミスタ9の検出情報に基づいて、給湯する湯水の温度が給湯設定温度になるようにミキシングバルブ8の開度を調整するとともに、ミキシングサーミスタ14の検出情報に基づいて、その検出温度と給湯設定温度との偏差に基づいてミキシングバルブ8の開度を微調整することにより、給湯設定温度の湯水を給湯するように構成されている。
また、浴槽に湯張りするときには、一般給湯路16に給湯するときと同様に、湯張り設定温度の湯水を給湯するように、ミキシングバルブ8の開度を調整し、湯張り電磁弁22を開弁させ、ミキシングバブル8にて湯張り設定温度に調整された湯水を風呂戻り路18および風呂往き路19の両路から浴槽に供給し、浴槽内に湯張り設定量の湯水が供給されると、湯張り電磁弁22を閉弁させて浴槽への湯張りを行うように構成されている。
【0023】
前記循環路3と貯湯タンク1とが、循環路3を通流する湯水を貯湯タンク1内に戻す、または、貯湯タンク1内の湯水を循環路3に取り出すために、貯湯タンク1の上部1箇所と底部2箇所の合計3箇所で連通接続されている。
具体的に説明すると、貯湯タンク1の上部には、循環路3と貯湯タンク1とを接続する上部接続路25が給湯路6の上流側を介して連通接続され、貯湯タンク1の底部には、循環路3を通流する湯水を給水路5の下流側を介して貯湯タンク1内の底部に戻す戻し路26と、貯湯タンク1内の底部の湯水を循環路3に取り出す取り出し路27とが連通接続されている。
【0024】
そして、上部接続路25には、上部開閉弁28が設けられ、戻し路26には、戻し開閉弁29が設けられ、取り出し路27には、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水の温度を検出する取り出しサーミスタ30が設けられている。
【0025】
前記加熱部4は、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bによる冷媒を供給して湯水を加熱するヒートポンプ式加熱部33と、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bのエンジン排熱を回収した冷却水を供給して湯水を加熱するエンジン排熱利用式加熱部34と、バーナの燃焼により湯水を加熱する補助加熱部35とから構成されている。
そして、循環路3の湯水の循環方向において上流側から、ヒートポンプ式加熱部33、エンジン排熱利用式加熱部34、補助加熱部35の順に設けられている。
【0026】
前記補助加熱部35は、図示はしないが、ガス燃焼式のバーナおよびこのバーナに燃焼用空気を供給するファンなどが設けられ、バーナの燃焼により循環路3を通流する湯水を加熱し、ファンの回転速度およびバーナへの燃料ガス供給量を調整して、補助加熱部35にて加熱後の湯水の温度を調整するように構成されている。
【0027】
前記外部放熱部2は、循環路3を通流する湯水と暖房用の熱媒としての温水とを熱交換する暖房用放熱部42と、循環路3を通流する湯水と浴槽内の湯水とを熱交換して追焚きする風呂用放熱部43とから構成されている。
そして、循環路3が、暖房用放熱部42を備えた暖房用循環路3aと、風呂用放熱部43を備えた風呂用循環路3bとに分岐され、暖房用放熱部42と風呂用放熱部43とが並列に接続されている。
【0028】
また、暖房用循環路3aには、暖房用放熱部42よりも湯水の循環方向の下流側に暖房用開閉弁44が設けられ、風呂用循環路3bには、風呂用放熱部43よりも湯水の循環方向の下流側に風呂用開閉弁45が設けられている。
そして、暖房用循環路3aの暖房用開閉弁44よりも湯水循環方向の下流側と風呂用循環路3bの風呂用開閉弁45よりも下流側とがひとつの流路に合流され、その合流された流路に放熱戻りサーミスタ60が設けられている。
【0029】
前記暖房用放熱部42では、暖房ポンプP2を作動させることにより、暖房戻り路46および暖房往き路47を通して循環する熱媒と循環路3を通流する湯水とを対流させて熱交換させるように構成されている。
そして、暖房戻り路46には、熱媒の循環方向の上流側から順に、暖房戻り路46の熱媒の温度を検出する暖房戻りサーミスタ48、補給水タンク49、暖房ポンプP2が設けられ、暖房往き路47には、暖房往き路47の熱媒の温度を検出する暖房往きサーミスタ50が設けられている。
暖房操作手段Jが、暖房戻りサーミスタ48、暖房往きサーミスタ50、および、暖房ポンプP2などにより構成されている。
【0030】
前記補給水タンク49には、水位の上限を検出する上限センサ51と下限を検出する下限センサ52とが設けられ、給水路5から分岐されたタンク給水路53が接続され、そのタンク給水路53には、補給水電磁弁54が設けられている。また、暖房戻り路46と暖房往き路47とを接続する暖房バイパス路55が設けられている。
【0031】
前記風呂用放熱部43では、風呂ポンプP3を作動させることにより、風呂戻り路18および風呂往き路19を通して循環する浴槽内の湯水と循環路3を通流する湯水とを対流させて熱交換させるように構成されている。
前記風呂戻り路18には、浴槽内の湯水の循環方向の上流側から順に、浴槽内の湯水の水位を検出する水位センサ56、風呂戻り路18の湯水の温度を検出する風呂戻りサーミスタ57、二方弁58、風呂ポンプP3、風呂水流スイッチ59が設けられている。
風呂操作手段Hが、水位センサ56、風呂戻りサーミスタ57、二方弁58、風呂水流スイッチ59、および、風呂ポンプP3などにより構成されている。
【0032】
前記循環路3には、取り出し路27との接続箇所から湯水循環方向に、循環ポンプP1、ヒートポンプ式加熱部用入口サーミスタ61、ヒートポンプ式加熱部用開閉弁62、ヒートポンプ式加熱部33、エンジン排熱利用式加熱部34、排熱利用式加熱部出口サーミスタ63、循環流量センサ64、循環流量調整弁65、補助加熱部35、貯湯サーミスタ66が設けられている。
また、循環路3には、ヒートポンプ式加熱部33をバイパスさせるヒートポンプ式加熱部用バイパス路67が接続され、そのヒートポンプ式加熱部用バイパス路67には、バイパス用開閉弁68が設けられている。
【0033】
循環調整手段Fが、排熱利用式加熱部出口サーミスタ63、循環流量センサ64、循環流量調整弁65、貯湯サーミスタ66などにより構成され、循環流量調整弁65の開度を調整して、加熱部4にて加熱された湯水の温度を調整自在に構成されている。
【0034】
貯湯手段としての湯水循環手段Eが、循環路3、循環ポンプP1、および、ヒートポンプ式加熱部用開閉弁62、バイパス用開閉弁68、上部開閉弁28、戻し開閉弁29などの複数の開閉弁により構成され、貯湯タンク1の底部から循環路3に取り出した湯水を、ヒートポンプ式加熱部33を通過させる状態で循環させる非バイパス循環状態と、貯湯タンク1の底部から循環路3に取り出した湯水を、ヒートポンプ式加熱部33を通過させない状態で循環させるバイパス循環状態とに切り換え自在に構成されている。
【0035】
また、湯水循環手段Eは、上述の非バイパス循環状態とバイパス循環状態に加えて、加熱部4にて加熱された湯水を貯湯タンク1の底部に戻す状態で循環させる初期循環状態と、補助加熱部35にて加熱された湯水を暖房用放熱部42を通過させかつヒートポンプ式加熱部33を通過させない状態で循環させる暖房循環状態と、補助加熱部35にて加熱された湯水を風呂用放熱部43を通過させかつヒートポンプ式加熱部33を通過させない状態で循環させる追焚き循環状態と、補助加熱部35にて加熱された湯水を暖房用放熱部42および風呂用放熱部43を通過させかつヒートポンプ式加熱部33を通過させない状態で循環させる放熱循環状態とに切り換え自在に構成されている。
【0036】
そして、湯水循環手段Eの各循環状態への切換について詳述はしないが、循環ポンプP1を作動させた状態で、上部開閉弁28、ヒートポンプ式加熱部用開閉弁62、バイパス用開閉弁68、戻し開閉弁29、暖房用開閉弁44、および、風呂用開閉弁45の複数の開閉弁を開閉することにより各循環状態に切り換えるようにしている。
例えば、上部開閉弁28およびヒートポンプ式加熱部用開閉弁62を開弁させ、かつ、バイパス用開閉弁68、戻し開閉弁29、暖房用開閉弁44、および、風呂用開閉弁45を閉弁させて、非バイパス循環状態に切り換えるようにしている。
【0037】
前記エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bは、複数の室内機71、室外機72、室内機71および室外機72の運転を制御するヒートポンプ運転制御部Dとから構成され、複数の空調対象空間(例えば、各部屋)を空調することができるように構成されている。
また、室内機71と室外機72と貯湯ユニットAにおけるヒートポンプ式加熱部33とは、冷媒配管73で接続され、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bにおける冷媒をヒートポンプ式加熱部33に供給できるように構成されている。
【0038】
前記複数の室内機71の夫々には、電子膨張弁74、室内熱交換器75、その室内熱交換器75で温調した空気を空調対象空間へ送出する室内空調用送風機76が備えられ、室内熱交換器75にて凝縮された冷媒の温度を検出する冷媒サーミスタ89の検出情報に基づいて、電子膨張弁74の開度を調整するようにしている。
前記室外機72には、ガスエンジン77、圧縮機78、アキュムレータ79、四方弁80、室外熱交換器81、その室外熱交換器に対し外気を通風する室外空調用送風機82が備えられ、ガスエンジン77の排熱を外部に放熱するためのラジエーター83、および、ラジエーター用送風機84も備えられている。
ヒートポンプ運転手段Kが、電子膨張弁74、HP加熱用電子膨張弁74a、室内空調用送風機76、ガスエンジン77、回転速度センサ77a、圧縮機78、四方弁80、室外空調用送風機82、低圧検出手段87、および、高圧検出手段88などにより構成されている。
【0039】
また、ガスエンジン77の冷却用の冷却水をラジエーター83との間で循環させる冷却水路85が設けられ、この冷却水路85にラジエーター用ポンプP4が設けられ、ガスエンジン排熱を回収した冷却水を、加熱供給路90を通してエンジン排熱利用式加熱部34に供給する加熱状態とラジエーター83に供給して排熱される排熱状態とに切り換え自在な排熱切換機構86が設けられている。
冷却水循環手段Lが、ラジエーター用ポンプP4、排熱切換機構86、ラジエーター用送風機84などにより構成されている。
【0040】
そして、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bは、空調リモコンR1の指令などに基づいてヒートポンプ運転制御部Dにて運転が制御され、ガスエンジン77により圧縮機78を作動させて、四方弁80の切換え操作により冷房運転と暖房運転とを選択自在に構成され、室内機71の電子膨張弁74の開閉制御により、空調要求のある部屋の空調を行うように構成されている。
また、ヒートポンプ式加熱部33にて循環路3の湯水を加熱するときには、暖房運転させるとともに、HP加熱用電子膨張弁74aを制御して、ヒートポンプ式加熱部33に冷媒を供給するように構成されている。
【0041】
前記冷房運転においては、図2の実線で示すように、冷媒を流動させて、室内熱交換器75を蒸発器として機能させて、空調対象空間への供給空気を冷却温調し、室外熱交換器81を凝縮器として機能させて外気に対して放熱するようにしている。
この冷房運転では、低圧側の冷媒の圧力を検出する低圧検出手段87の検出情報に基づいて、その検出圧力が冷房用の目標圧力になるようにガスエンジン77の回転速度を検出する回転速度センサ77aの検出情報に基づいてガスエンジン77の回転速度を制御するようにしている。
【0042】
前記暖房運転においては、図2の点線で示すように、冷媒を流動させて、室内熱交換器75を凝縮器として機能させて、空調対象空間への供給空気を加熱温調し、室外熱交換器81を蒸発器として機能させて外気から吸熱するようにしている。
この暖房運転では、高圧側の冷媒の圧力を検出する高圧検出手段88の検出情報に基づいて、その検出圧力が暖房用の目標圧力になるように回転速度センサ77aの検出情報に基づいてガスエンジン77の回転速度を制御するようにしている。
そして、この暖房運転において、HP加熱用電子膨張弁74aを開弁状態にして、冷媒配管73を通してヒートポンプ式加熱部33に高圧冷媒を供給することにより循環路3を通流する湯水を加熱するようにしている。
【0043】
また、冷房運転および暖房運転において、排熱切換機構86を加熱状態に切り換えることによって、エンジン排熱利用式加熱部34に冷却水を供給することにより循環路3を通流する湯水を加熱するようにしている。
【0044】
前記貯湯ユニット制御部Cとヒートポンプ運転制御部Dとは、図3に示すように、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bが空調運転中であることや、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bへの駆動要求などの制御信号を送受信可能に構成にされ、貯湯ユニット制御部Cとヒートポンプ運転制御部Dとにより運転制御手段Uが構成されている。
前記ヒートポンプ運転制御部Dは、空調対象空間としての各部屋に設置されている空調リモコンR1の指令および貯湯ユニット制御部Dからの制御信号に基づいて、ヒートポンプ運転手段Kおよび冷却水循環手段Lの夫々の運転を制御して、空調対象空間への冷房運転や暖房運転などの空調運転を実行するように構成されている。
前記貯湯ユニット制御部Cは、貯湯リモコンR2の指令およびヒートポンプ運転制御部Dからの制御信号に基づいて、湯水循環手段E、循環調整手段F、給湯操作手段G、風呂操作手段H、暖房操作手段J、補助加熱部35の夫々の運転を制御して、貯湯タンク1内に湯水を貯湯する貯湯運転、外部放熱部2にて放熱する放熱運転、貯湯タンク1内の貯湯量が最低確保量未満のときに給湯する給湯優先運転などの夫々の運転を実行するように構成されている。
【0045】
以下、各運転について説明を加える。
前記冷房運転について説明すると、ヒートポンプ運転制御部Dは、空調リモコンR1から冷房要求があると、冷房要求がある部屋に相当する電子膨張弁74を開状態にして、室内熱交換器75を蒸発器として機能させて、空調対象空間への供給空気を冷却温調し、室外熱交換器81を凝縮器として機能させて外気に対して放熱させるように、ヒートポンプ運転手段Kを制御するようにしている。
そして、ヒートポンプ運転制御部Dは、ラジエーター用ポンプP4を作動させ、ラジエーター用送風機84を作動させラジエーター83にて放熱させ、冷却水路85を通流する冷却水が加熱用設定温度以上になると、排熱切換機構86を加熱状態に切り換えて、冷却水をエンジン排熱利用式加熱部34に供給するように、冷却水循環手段Lの運転を制御するようにしている。
また、ヒートポンプ運転制御部Dは、冷房運転中に、貯湯ユニット制御部Cに対して、HP加熱不許可の制御信号を送信するようにしている。
【0046】
前記暖房運転について説明をすると、ヒートポンプ運転制御部Dは、空調リモコンR1から暖房要求があると、暖房要求がある部屋に相当する電子膨張弁74を開状態にして、室内熱交換器75を凝縮器として機能させて、空調対象空間への供給空気を加熱温調し、室外熱交換器81を蒸発器として機能させて外気から吸熱させるように、ヒートポンプ運転手段Kを制御するようにしている。
そして、ヒートポンプ運転制御部Dは、ラジエーター用ポンプP4を作動させ、ラジエーター用送風機84を作動させラジエーター83にて放熱させ、冷却水路85を通流する冷却水が加熱用設定温度以上になると、排熱切換機構86を加熱状態に切り換えて、冷却水をエンジン排熱利用式加熱部34に供給するように、冷却水循環手段Lの運転を制御するようにしている。
【0047】
また、ヒートポンプ運転制御部Dは、例えば、暖房対象が複数の部屋であるなど、暖房負荷が設定暖房負荷以上の暖房運転、および、立ち上げ用の暖房運転中であるときには、貯湯ユニット制御部Cに対して、HP加熱不許可の制御信号を送信し、例えば、暖房対象がひとつの部屋であるなど、暖房負荷が設定暖房負荷未満の暖房運転のときには、貯湯ユニット制御部Cに対して、HP加熱許可の制御信号を送信するようにしている。
【0048】
ちなみに、ヒートポンプ運転制御部Dは、暖房要求がないときに、貯湯ユニット制御部Cから暖房運転を要求する制御信号を受信すると、HP加熱用電子膨張弁74aを開弁状態にして、冷媒配管73を通してヒートポンプ式加熱部33に高圧冷媒を供給させる状態で、暖房運転を実行するように構成されている。
【0049】
上述の冷房運転および暖房運転の空調運転において、ヒートポンプ運転制御部Dは、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状況が、貯湯用設定時間以上連続して運転することができる状況であるか否かを判別して、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状況が貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況であるときには、貯湯ユニット制御部Cに対して、不要熱用の貯湯運転を要求し、湯水循環手段Eを運転させて不要熱用の貯湯運転を実行し、かつ、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状況が貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況でないときには、湯水循環手段Eによる不要熱用の貯湯運転の実行を禁止するように構成されている。
【0050】
説明を加えると、ヒートポンプ運転制御部Dは、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状況が、貯湯用設定時間以上連続して運転することができる状況であるか否かを判別する判別処理を実行し、その判別処理において、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状況が貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況であると判別したときのみ、不要熱用空調運転を実行するとともに、貯湯ユニット制御部Cに対して、不要熱用の貯湯運転を要求する制御信号を送信するようにしている。
【0051】
前記判別処理について説明を加えると、ヒートポンプ運転制御部Dは、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bが空調運転を可否判別用設定時間(例えば、10分)以上経過して運転していると、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状況が、貯湯用設定時間以上連続して運転することができる状況であると判別するとともに、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bが貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できるとして設定された貯湯用時間帯にも、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状況が、貯湯用設定時間以上連続して運転することができる状況であると判別するように構成されている。
【0052】
前記貯湯用時間帯の設定について説明を加えると、ヒートポンプ運転制御手段Dが、空調リモコンR1などにて人為的に設定された時間帯を貯湯用時間帯として設定するとともに、空調運転を実行した実行頻度の多い時間帯を貯湯用時間帯として学習機能により自動的に設定するように構成されている。
前記学習機能について説明を加えると、例えば、1日を基準周期とし、その1日を設定時間幅(例えば、1時間)ごとに複数の基準時間帯に区分けして、基準周期ごとに、各基準時間帯について、実際に暖房運転および冷房運転の空調運転を実行したか否かを記憶し、複数日(例えば、3日)連続して空調運転を実行している基準時間帯を貯湯用時間帯として設定するように構成されている。
【0053】
前記エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bにおける不要熱用空調運転について説明を加えると、前記ヒートポンプ運転制御部Dは、不要熱用空調運転として、冷房要求があるときには、ガスエンジン77の排熱を貯湯ユニットAに供給しながら、空調対象空間を冷房する不要熱用冷房運転を実行し、暖房要求があるときには、ガスエンジン77の排熱およびエンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの冷媒を貯湯ユニットAに供給しながら、空調対象空間を暖房する不要熱用暖房運転を実行するように構成されている。
【0054】
前記要熱用冷房運転において、ヒートポンプ運転制御部Dは、上述の冷房運転を実行するとともに、貯湯ユニット制御部Cに対して、不要熱用の貯湯運転を要求する制御信号を送信するようにしている
前記不要熱用暖房運転において、ヒートポンプ運転制御部Dは、上述の暖房運転を実行するとともに、貯湯ユニット制御部Cに対して、不要熱用の貯湯運転を要求する制御信号を送信し、暖房負荷が設定暖房負荷未満の暖房運転であると、HP加熱用電子膨張弁74aを開弁状態にして、冷媒配管73を通してヒートポンプ式加熱部33に高圧冷媒を供給させるようにしている。
【0055】
前記貯湯運転について説明すると、貯湯ユニット制御部Cは、ヒートポンプ運転制御部Dから不要熱用の貯湯運転を要求する制御信号を受信していると、貯湯リモコンR2による貯湯要求の有無にかかわらず、湯水循環手段Eを非バイパス循環状態で運転させるとともに、貯湯サーミスタ66による検出温度が貯湯設定温度(例えば、80℃)になるように循環調整手段Fを制御するようにしている。
このようにして、貯湯ユニット制御部Cは、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状況が、貯湯用設定時間以上連続して運転することができる状況であるときには、湯水循環手段Eを運転させて、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの不要熱にて貯湯タンク1に貯湯するようにしている。
【0056】
また、貯湯運転において、貯湯ユニット制御部Cは、貯湯リモコンR2による貯湯要求があるときには、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状態に基づいて、湯水循環手段Eを非バイパス循環状態またはバイパス循環状態に切り換えて、貯湯タンク1に貯湯するように構成されている。
【0057】
説明を加えると、貯湯ユニット制御部Cは、ヒートポンプ運転制御部DからHP加熱不許可の制御信号を受信していると、湯水循環手段Eをバイパス循環状態に切り換えて、貯湯サーミスタ66による検出温度が貯湯設定温度(例えば、80℃)になるように、補助加熱部35の加熱量を調整すべく補助加熱部35の運転を制御するようにしている。
そして、貯湯ユニット制御部Cは、ヒートポンプ運転制御部DからHP加熱許可の制御信号を受信していると、湯水循環手段Eを非バイパス循環状態に切り換えて運転させるとともに、貯湯サーミスタ66による検出温度が貯湯設定温度(例えば、80℃)になるように、循環路3の循環量を調整すべく循環調整手段Fの運転を制御するようにしている。
【0058】
また、貯湯運転において、貯湯ユニット制御部Cは、ヒートポンプ運転制御部Dからエンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bが空調運転中であるとの制御信号を受信していなければ、ヒートポンプ運転制御部Dに対して、暖房運転を要求する制御信号を送信するとともに、湯水循環手段Eを非バイパス循環状態に切り換えて運転させるとともに、貯湯サーミスタ66による検出温度が貯湯設定温度(例えば、80℃)になるように、循環路3の循環量を調整すべく循環調整手段Fの運転を制御するようにしている。
【0059】
ちなみに、貯湯運転において、貯湯ユニット制御部Cは、貯湯サーミスタ66の検出温度が貯湯設定温度(例えば、80℃)未満のときには、湯水循環手段Eを初期循環状態に切り換えて、加熱部4にて加熱された湯水を貯湯タンク1の底部に戻して、貯湯タンク1内に形成された温度成層が乱れるのを防止するようにしている。
また、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bが、冷媒が供給されていない熱交換器に対して冷媒を強制的に供給することによって熱交換器に溜まっている冷媒を回収するための油回収運転として、ヒートポンプ式加熱部33に冷媒を供給するときには、湯水循環手段Eをバイパス循環状態に切り換えるようにしている。
【0060】
前記放熱運転について説明すると、貯湯ユニット制御部Cは、追焚き要求のみの要求があると、追焚き運転を実行し、放熱用暖房要求のみの要求があると、放熱用暖房運転を実行し、追焚き要求および放熱用暖房要求の両要求があると、放熱用暖房・追焚き同時運転を実行するように構成されている。
【0061】
前記追焚き運転について説明を加えると、貯湯ユニット制御部Cは、湯水循環手段Eを追焚き循環状態に切り換え、貯湯サーミスタ66による検出温度が追焚き用設定温度になるように補助加熱部35が加熱量を調整すべく補助加熱部35の運転を制御するとともに、風呂ポンプP3を作動させて浴槽内の湯水を風呂戻り路18および風呂往き路19を通して循環させるように風呂操作手段Hの運転を制御するようにしている。
そして、風呂用放熱部43において循環路3を流動する湯水にて浴槽内の湯水を加熱して追焚きし、風呂戻りサーミスタ57の検出温度が追焚き用設定温度以上になると、風呂ポンプP3の作動を停止するとともに、補助加熱部35、湯水循環手段E、および、風呂操作手段Hの運転を停止させる。
【0062】
前記放熱用暖房運転について説明を加えると、貯湯ユニット制御部Cは、湯水循環手段Eを追焚き循環状態に切り換え、貯湯サーミスタ66による検出温度が追焚き用設定温度になるように補助加熱部35が加熱量を調整すべく補助加熱部35の運転を制御するとともに、暖房ポンプP2を作動させて暖房端末(例えば、床暖房装置や浴室暖房装置)からの熱媒を暖房戻り路46および暖房往き路47を通して循環させるように暖房操作手段Jの運転を制御するようにしている。そして、暖房用放熱部42において循環路3を流動する湯水にて暖房端末からの熱媒を加熱して、その熱媒を暖房端末に循環供給し、放熱用暖房要求が解除されると、暖房ポンプP2の作動を停止するとともに、補助加熱部35、湯水循環手段E、および、暖房操作手段Jの運転を停止させる。
【0063】
前記放熱用暖房・追焚き同時運転について説明を加えると、湯水循環手段Eを放熱循環状態に切り換え、貯湯サーミスタ66による検出温度が追焚き用設定温度になるように補助加熱部35が加熱量を調整すべく補助加熱部35の運転を制御するようにしている。
そして、追焚き運転や放熱用運転と同様に、風呂操作手段Hおよび暖房操作手段Jの運転を制御して、浴槽の湯水を追焚きするとともに、暖房端末に暖房用放熱部42にて加熱された熱媒を循環供給するようにしている。
【0064】
前記給湯優先運転は、貯湯タンク1の貯湯量が最低確保量未満の状態において、給湯栓が開操作されて給湯するときに実行され、湯水循環手段Eをバイパス循環状態に切り換え、補助加熱部35にて加熱された湯水を上部接続路25から給湯路6に給湯するようにしている。
そして、給湯設定温度、貯湯出口サーミスタ13および給水サーミスタ9の検出情報に基づいて、一般給湯路16に給湯するときには、給湯する湯水の温度が給湯設定温度になるように、また、湯張り路17に給湯するときには、給湯する湯水の温度が湯張り設定温度になるように、ミキシングバルブ8の開度を調整するとともに、ミキシングサーミスタ14の検出情報に基づいて、その検出温度と給湯設定温度または湯張り設定温度との偏差に基づいてミキシングバルブ8の開度を微調整するように給湯操作手段Gの運転を制御して、所望温度の湯水を給湯するようにしている。
ちなみに、貯湯タンク1の貯湯量が最低確保量以上であるときには、貯湯タンク1内に貯湯されている湯水を給湯路6に給湯するようにしている。
【0065】
前記冷房運転および暖房運転におけるヒートポンプ運転制御部Dの制御動作、および、貯湯運転における貯湯ユニット制御部Cの制御動作について、図4〜図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0066】
前記冷房運転においては、図4に示すように、空調リモコンR1から冷房要求があると開始され、貯湯ユニット制御部Cに対して、HP加熱不許可の制御信号を送信するようにしている(ステップ1)。
そして、判別処理を実行して、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状況が貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況である不要熱貯湯可能状態であるか否かを判別する(ステップ2)。
【0067】
前記判別処理において、不要熱貯湯可能状態と判別すると、不要熱用冷房運転を実行して、ガスエンジン77の排熱を貯湯ユニットAに供給しながら、空調対象空間を冷房する不要熱用冷房運転を実行し、不要熱貯湯可能状態と判別されなければ、空調対象空間を冷房するだけの通常の冷房運転を実行するようにしている(ステップ3,4)。
そして、冷房要求がなくなると、ガスエンジン77などの運転を停止させる停止処理を実行して、冷房運転を停止させるようにしている(ステップ5,6)。
【0068】
前記暖房運転においては、図5に示すように、空調リモコンR1から暖房要求があると、例えば、最大能力にて空調対象空間を暖房させる立ち上げ用の暖房運転を実行するとともに、貯湯ユニット制御部Cに対して、HP加熱不許可の制御信号を送信するようにしている(ステップ11,12)。
その後、立ち上げ用の暖房運転を開始してから立ち上げ用設定時間が経過するなどして、切換条件が満たされると、立ち上げ用の暖房運転を終了し、暖房負荷に応じた暖房運転を実行する(ステップ13)。
また、この暖房運転において、暖房負荷が設定暖房負荷以上のときには、貯湯ユニット制御部Cに対して、HP加熱不許可の制御信号を送信し、暖房負荷が設定暖房負荷未満のときには、貯湯ユニット制御部Cに対して、HP加熱許可の制御信号を送信するようにしている(ステップ14〜16)。
【0069】
そして、判別処理を実行して、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状況が貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況である不要熱貯湯可能状態であるか否かを判別する(ステップ17)。
前記判別処理において、不要熱貯湯可能状態と判別されると、ガスエンジン77の排熱およびエンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの冷媒を貯湯ユニットAに供給しながら、空調対象空間を暖房する不要熱用暖房運転を実行し、不要熱貯湯可能状態と判別されなければ、空調対象空間を暖房するだけの通常の暖房運転を実行するようにしている(ステップ18,19)。
そして、暖房要求がなくなると、ガスエンジン77などの運転を停止させる停止処理を実行して、暖房運転を停止させるようにしている(ステップ20,21)。
【0070】
前記貯湯運転においては、図6に示すように、ヒートポンプ運転制御部Dから不要熱用の貯湯運転が要求されるか、あるいは、貯湯リモコンR2から貯湯要求があると開始する。
そして、ヒートポンプ運転制御部Dから不要熱用の貯湯運転が要求されているときに(ステップ31)、HP加熱不許可の指令が指令されていると、湯水循環手段Eをバイパス循環状態にて運転させて、貯湯タンク1内の湯水をエンジン排熱利用式加熱部34にて加熱して貯湯するようにしている(ステップ32,33)。
また、ヒートポンプ運転制御部Dから不要熱用の貯湯運転が要求されているときに、HP加熱許可の指令が指令されていると、湯水循環手段Eを非バイパス循環状態にて運転させて、貯湯タンク1内の湯水をヒートポンプ式加熱部33およびエンジン排熱利用式加熱部34にて加熱して貯湯するようにしている(ステップ34)。
【0071】
そして、貯湯リモコンR2から貯湯要求があるときに(ステップ31)、HP加熱不許可の指令が指令されていると、湯水循環手段Eをバイパス循環状態にて運転させて、貯湯タンク1内の湯水を補助加熱部35にて加熱して貯湯するようにしている(ステップ35,36)。
また、貯湯リモコンR2から貯湯要求があるときに、HP加熱許可の指令が指令されていると、湯水循環手段Eを非バイパス循環状態にて運転させて、貯湯タンク1内の湯水をヒートポンプ式加熱部33にて加熱して貯湯するようにしている(ステップ37)。
【0072】
このようにして、ヒートポンプ運転制御部Dから不要熱用の貯湯運転が要求されるか、あるいは、貯湯リモコンR2から貯湯要求があると、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水を加熱部4にて加熱して貯湯タンク1の上部に戻して貯湯するようにしている。
そして、ヒートポンプ運転制御部Dから不要熱用の貯湯運転が要求されず、かつ、貯湯リモコンR2から貯湯要求がなくなると、湯水循環手段Eおよび循環調整手段Fの運転を停止させる停止処理を実行して、貯湯運転を停止させるようにしている(ステップ38,39)。
【0073】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、ヒートポンプ運転制御部Dが、判別処理において、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bが空調運転を可否判別用設定時間(例えば、10分)以上経過して運転していると、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状況が、貯湯用設定時間以上連続して運転することができる状況であると判別するとともに、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bが貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できるとして設定された貯湯用時間帯にも、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状況が、貯湯用設定時間以上連続して運転することができる状況であると判別するように構成されているが、判別処理の制御動作については適宜変更が可能である。
【0074】
例えば、ヒートポンプ運転制御部Dが、判別処理において、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bが空調運転を可否判別用設定時間(例えば、10分)以上経過して運転しているときのみ、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状況が、貯湯用設定時間以上連続して運転することができる状況であると判別するように構成したり、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bが貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できるとして設定された貯湯用時間帯のみ、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状況が、貯湯用設定時間以上連続して運転することができる状況であると判別するように構成することが可能である。
【0075】
また、判別処理は、ヒートポンプ運転制御部Dが実行するものに限らず、例えば、ヒートポンプ運転制御部Dから貯湯ユニット制御部Cに、空調負荷に応じた1〜7までの負荷信号を送受信自在に構成して、貯湯ユニット制御部Cが、その負荷信号に基づいて、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状況が、貯湯用設定時間以上連続して運転することができる状況であるか否かを判別することも可能である。
【0076】
ちなみに、貯湯用時間帯を設定する学習機能については、上記実施形態に示したものに限らず、例えば、1日の実際の空調運転の開始時刻と終了時刻とを記憶し、複数日(例えば、3日)連続して空調運転した時間帯を求めて、その時間帯を貯湯用時間帯として設定することも可能であり、その他各種の学習機能を適応することが可能である。
【0077】
(2)上記実施形態では、ガスエンジン77の冷却水をエンジン排熱利用式加熱部34に供給し、湯水循環手段Eを運転させて、ガスエンジン77の排熱にて貯湯タンク1への貯湯を行うための条件として、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転状況が、貯湯用設定時間以上連続して運転することができる状況であり、かつ、冷却水路85を通流する冷却水が加熱用設定温度以上になることであるが、冷却水路85を通流する冷却水が加熱用設定温度以上になるのみで、ガスエンジン77の冷却水をエンジン排熱利用式加熱部34に供給し、湯水循環手段Eを運転させるようにしてもよい。
【0078】
(3)上記実施形態では、貯湯ユニットAは、外部放熱部2を設けて、貯湯運転および給湯優先運転に加えて、放熱運転を実行するようにしているが、外部放熱部2を設けずに、貯湯運転および給湯優先運転のみを実行するようにして実施することも可能である。
【0079】
(4)上記実施形態では、加熱部4を、ヒートポンプ式加熱部33、エンジン排熱利用式加熱部34、補助加熱部35とから構成しているが、例えば、加熱部4を、ヒートポンプ式加熱部33と補助加熱部35とから構成することも可能であり、加熱部4の構成については、適宜変更が可能である。
【0080】
(5)上記実施形態では、貯湯タンク1内の湯水を循環路3に取り出して加熱部4を通過させることにより、貯湯タンク1内の湯水を加熱するようにしているが、例えば、貯湯タンク1内に冷媒や冷却水を通流させるなど、貯湯タンク1内の湯水を加熱するための構成については適宜変更することが可能である。
【0081】
(6)上記実施形態では、熱源手段として、空調対象空間を空調するエンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bを例示したが、例えば、発電機を駆動させるガスエンジンでもよく、その他各種の熱源手段が適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】貯湯ユニットの概略構成図
【図2】エンジンヒートポンプ式冷暖房装置の概略構成図
【図3】エンジンヒートポンプ式冷暖房装置システムの制御ブロック図
【図4】冷房運転における制御動作を示すフローチャート
【図5】暖房運転における制御動作を示すフローチャート
【図6】貯湯運転における制御動作を示すフローチャート
【符号の説明】
B 熱源手段としてのヒートポンプ装置
E 貯湯手段
U 運転制御手段
Claims (4)
- 熱供給運転を実行する熱源手段と、その熱源手段の不要熱にて貯湯タンク内の湯水を加熱するための貯湯手段と、前記熱源手段および前記貯湯手段の運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
前記運転制御手段が、前記熱源手段に対して熱要求があると、前記熱源手段を運転させるように構成されている貯湯式の給湯熱源装置であって、
前記運転制御手段は、前記熱源手段の運転状況が、貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況であるか否かを判別して、
前記熱源手段の運転状況が前記貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況であるときには、前記貯湯手段を運転させ、かつ、前記熱源手段の運転状況が前記貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況でないときには、前記貯湯手段の運転を禁止するように構成されている貯湯式の給湯熱源装置。 - 前記運転制御手段は、前記熱源手段が前記熱供給運転を可否判別用設定時間以上経過して運転していると、前記熱源手段の運転状況が前記貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況であると判別するように構成されている請求項1に記載の貯湯式の給湯熱源装置。
- 前記運転制御手段は、前記熱源手段が前記貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できるとして設定された貯湯用時間帯には、前記熱源手段の運転状況が前記貯湯用設定時間以上連続して運転することが予測できる状況であると判別するように構成されている請求項1または2に記載の貯湯式の給湯熱源装置。
- 前記熱源手段が、ヒートポンプ装置にて構成され、そのヒートポンプ装置が、前記熱供給運転として、空調対象空間を空調する空調運転を実行するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の貯湯式の給湯熱源装置。
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