JP2004011273A - 免震ダンパ - Google Patents
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Abstract
【課題】建築物の免震装置に用いる免震ダンパー、特に断面略U字形に形成したダンパ本体を備え、免震アイソレータと併用して地震発生時に建築物に伝わる地震エネルギーを減少させる免震ダンパーに係り、地震発生時にダンパ本体が上下方向に大きく振れることなく、良好にエネルギー吸収性能を発揮することのできる免震ダンパを提供する。
【解決手段】断面略U字形に形成したダンパ本体1を備え、免震アイソレータと併用して地震発生時に建築物に伝わる地震エネルギーを減少させる免震用ダンパにおいて、上記ダンパ本体1のU字形屈曲部12の厚さt2をダンパ本体1の両端部11の厚さt1より薄く形成したことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】断面略U字形に形成したダンパ本体1を備え、免震アイソレータと併用して地震発生時に建築物に伝わる地震エネルギーを減少させる免震用ダンパにおいて、上記ダンパ本体1のU字形屈曲部12の厚さt2をダンパ本体1の両端部11の厚さt1より薄く形成したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は免震アイソレータと併用して地震発生時に建築物等に伝わる地震エネルギーを減少させる免震ダンパに関する。更に詳しくは、ダンパ本体を断面略U字形に形成した免震ダンパに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、地震発生時に建築物を保護するために、建築物等の上部構造体と基礎側の下部構造体との間に、免震アイソレータと免震ダンパとからなる免震装置を介在させて建築物に伝播される地震エネルギーを減少させることは知られている。上記の免震アイソレータとしては、一般にゴム等の弾性板と、鋼板等の剛性板とを上下方向に交互に順次積層したものが用いられている。また免震用ダンパとしては、一般に鉛等の金属で形成したものが多く用いられ、例えば特開平2−194233号公報のようにダンパ本体を断面U字状に形成した免震ダンパが提案されている。
【0003】
図5および図6は従来の免震ダンパの一例を示すもので、ダンパ本体1は図5(a)および(b)に示すように厚さt1〜t3が全長にわたって略一定の断面U字状に形成され、その両端部11・11を、図6のように建築物等の上部構造体Aと基礎側の下部構造体Bとに、それぞれ取付板2やボルト3等を介して取付ける構成である。そして地震発生時には、図7(a)および(b)に示すように上部構造体Aと下部構造体Bとが左右方向にずれることによって、ダンパ本体1が変形しながら地震エネルギーを吸収するものである。
【0004】
しかしながら、上記従来のダンパは地震発生時に上記図7に示すように上下方向に大きく振動すると共に形状が激しく変化し、その変形による応力で振動を繰り返すうちにダンパ本体1のU字形屈曲部12もしくはその近傍の肉厚が低下してエネルギー吸収性能が次第に低下する等の不具合がある。
【0005】
そこで、上記変形による性能劣化を防ぐために上記の屈曲部を大きくすることが考えられるが、あまり大きくすると、免震ダンパの高さ寸法Hが必然的に大きくなり、上部構造体と下部構造体との間に配置するのが困難になったり、往々にして免震アイソレータよりも高くなって、該アイソレータと上記構造体との間に間隔調整部材等を介在させなければならない等の不具合がある。
【0006】
一方、免震ダンパの高さ寸法Hを大きくすることなくエネルギー吸収性能を高めるために、ダンパ本体の長さ寸法Lを長くすると、免震ダンパの配置スペースを大きく確保しなければならない。しかも地震発生時にはダンパ本体1の上下方向の振幅Sが更に大きくなり、屈曲部が上下構造体に接触してエネルギー吸収性能が低下したたり、構造体が破損する等のおそれがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、地震発生時にダンパ本体が上下方向に大きく振れることなく、良好にエネルギー吸収性能を発揮することのできる免震ダンパを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明による免震ダンパは、以下の構成としたものである。
【0009】
即ち、断面略U字形に形成したダンパ本体を備え、免震アイソレータと併用して地震発生時に建物に伝わる地震エネルギーを減少させる免震用ダンパにおいて、上記ダンパ本体のU字形屈曲部の厚さをダンパ本体両端部の厚さより薄く形成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による免震ダンパを図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。図1および図2は本発明による免震ダンパの一実施形態を示すもので、図1(a)はダンパ本体の平面図、同図(b)はその正面図、図2(a)は上記免震ダンパの使用状態を示す正面図、である。
【0011】
本実施形態は、ダンパ本体1を鉛等の金属により図1(b)のように断面略U字状に形成され、そのU字形屈曲部12の厚さt2はダンパ本体1の両端部11・11の厚さt1よりも薄く形成されている。また上記屈曲部12と両端部11・11との間の中間部13・13の厚さt3は、本実施形態においては屈曲部12の厚さt2とほぼ同等に形成され、その各中間部13から各端部11に行くに従って漸次厚くなるように、上記各中間部13と端部11との間の上下両面(U字形ダンパ本体1の内外両面)には、それぞれなだらかな曲面13a、13bが形成されている。
【0012】
上記ダンパ本体1は、その両端部11・11を図2に示すように建築物等の上部構造体Aと基礎側の下部構造体Bとに、それぞれ直接もしくは鋼板等の取付板2を介して取付けるもので、図の場合は鉛製のダンパ本体1と一体に形成した鉛合金製の両端部11・11内にそれぞれ上記取付板2の一部を埋設して一体化し、その各取付板2を上部構造体Aおよび下部構造体Bにそれぞれボルト3で取付けた構成である。
【0013】
なお上記両端部11・11の材質は適宜であり、またダンパ本体1と別体に形成してダンパ本体1および上記取付板2と抵抗溶接やホモゲン溶着等で一体的に固着することもできる。また上記取付板2の構造体AおよびBに対する取付手段は上記のようなボルトに限らずその他適宜である。
【0014】
上記のようにして上下の構造体A・Bにダンパ本体1を取付けた状態で、地震により例えば前記図2(a)で左右方向に振動したとき、上記構造体A・Bおよびダンパ本体1の両端部11・11には、互いに反対方向にずれるような力が作用し、ダンパ本体1は図3(a)および(b)のように変形しながら地震エネルギーを吸収するが、ダンパ本体1のU字形屈曲部12の厚さt2は、両端部11・11の厚さt1よりも薄く形成されているので、ダンパ本体1は上下方向に大きく振動するのが防止される。それによって、ダンパ本体1が繰り返し振動してもダンパ本体1の板厚が急激に低下するのが抑制され、性能劣化の進行速度を可及的に低減することができるものである。
【0015】
なお上記ダンパ本体1の形状は適宜変更可能であり、例えば前記図1の実施形態においては中間部13と端部11との間の上下両面にそれぞれ凹曲面13a、13bを形成したが、少なくとも一方を凸曲面に形成してもよい。図4(a)はその一例を示すもので、中間部13と端部11との間の上下いずれかの曲面、図の場合はU字形ダンパ本体1の内面側の曲面13aを凸曲面とし、他方の曲面13bを凹曲面としたものである。
【0016】
また上記実施形態は、U字形屈曲部12と中間部13の厚さt2、t3を略同等に形成したが、図4(b)のように中間部13からU字形屈曲部12に行くに従って漸次肉厚が薄くなり、U字形屈曲部12の中心部が最も薄くなるようにしてもよい。また屈曲部12の高さ寸法hは両端部の高さ寸法Hよりも大きく形成してもよい。
【0017】
【実施例】
実施例1として前記図1に示すダンパ本体1を、実施例2,3として前記図4(a),(b)のダンパ本体1を、それぞれ試験体にして定振幅試験を行った。また上記実施例に対する比較例1として前記図5のダンパ本体1を試験体として定振幅試験を行った。
【0018】
上記実施例1〜3および比較例1における各ダンパ本体の長さLは、約160mmでいずれも略同一とし、各ダンパ本体1の両端部と屈曲部および中間部の各厚さをt1〜t3、およびダンパ本体1の両端部11の高さをH、屈曲部12の高さをhとし、前記図3および図7のような変動時における屈曲部12の高さhの最大変動幅hmaxを測定して変動率eを求めた。なお、屈曲部12の高さをh、その屈曲部12の上記変動時における上下方向の変位量をΔhとすると、上記最大変動幅hmax=h+Δhであり、変動率eは、
e=hmax/h=(h+△h)/h
である。その測定および算定結果を下記表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
上記表1に示す結果からも明らかなように、バンパ本体1の屈曲部12の厚さt2をダンパ本体1の両端部11の厚さt1よりも薄くすることによって、振動時にダンパ本体1が上下方向に大きく振れるのを防止することができる。
【0021】
上記以外にも種々の実験を行った結果、以下のことが分かった。
1)ダンパ湾曲部の上下動はダンパ先端部厚さが厚いほど小さくなる。
2)ダンパ湾曲部厚さに対しては先端部に比べて湾曲部の厚さが薄いほど湾曲部の上下動が小さくなる。
3)ダンパ本体1の両端部11と中間部13との間の曲面13aの形状は、上記実施例2として使用した図4(a)に示すダンパ本体のように外方に向かって突出する凸曲面とした方が上下動を小さくできる。
4)上記実施例3として使用した図4(b)に示すダンパ本体のようにU字形屈曲部の高さが、ダンパ本体の両端部の高さより大きくなるようにすると、上下動が小さくなる。
【0022】
また上記1)〜4)の少なくとも1つを仕様に適した形で利用して作成されたU型免震ダンパは従来のU型ダンパに比べ、大変形時のダンパ湾曲部の上下動を小さくでき、前記従来の
a)上下構造物に湾曲部が接触し、所定の性能が発揮できない
b)上下構造物に湾曲部が接触し、構造物を破損する
という問題点を簡単な構成により解決することができるものである。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による免震ダンパは、断面U字形に形成したバンパ本体1の屈曲部12の厚さt2をダンパ本体1の両端部11の厚さt1よりも薄く形成したことによって、変形時にダンパ本体1が上下方向に大きく振れるのを防止することが可能となり、上記屈曲部12が構造体に接触して破損したり、変形でダンパ本体の肉厚が低下し、エネルギー吸収性能が耐久性が低下するのを可及的に低減できる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明免震ダンパに用いるダンパ本体の一例を示す平面図。
(b)はその正面図。
【図2】上記免震ダンパの使用状態を示す正面図。
【図3】(a)および(b)は上記免震ダンパが左右方向に振動した状態の説明図。
【図4】(a)は本発明免震ダンパに用いるダンパ本体の他の例を示す平面図。
(b)は本発明免震ダンパに用いるダンパ本体の更に他の例を示す平面図。
【図5】(a)は従来のダンパ本体の平面図。
(b)はその正面図。
【図6】上記免震ダンパの使用状態を示す正面図。
【図7】(a)および(b)は上記免震ダンパが左右方向に振動した状態の正面図。
【符号の説明】
1 ダンパ本体
11 両端部
12 U字形屈曲部
13 中間部
13a、13a 曲面
2 取付板
3 ボルト
【発明の属する技術分野】
本発明は免震アイソレータと併用して地震発生時に建築物等に伝わる地震エネルギーを減少させる免震ダンパに関する。更に詳しくは、ダンパ本体を断面略U字形に形成した免震ダンパに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、地震発生時に建築物を保護するために、建築物等の上部構造体と基礎側の下部構造体との間に、免震アイソレータと免震ダンパとからなる免震装置を介在させて建築物に伝播される地震エネルギーを減少させることは知られている。上記の免震アイソレータとしては、一般にゴム等の弾性板と、鋼板等の剛性板とを上下方向に交互に順次積層したものが用いられている。また免震用ダンパとしては、一般に鉛等の金属で形成したものが多く用いられ、例えば特開平2−194233号公報のようにダンパ本体を断面U字状に形成した免震ダンパが提案されている。
【0003】
図5および図6は従来の免震ダンパの一例を示すもので、ダンパ本体1は図5(a)および(b)に示すように厚さt1〜t3が全長にわたって略一定の断面U字状に形成され、その両端部11・11を、図6のように建築物等の上部構造体Aと基礎側の下部構造体Bとに、それぞれ取付板2やボルト3等を介して取付ける構成である。そして地震発生時には、図7(a)および(b)に示すように上部構造体Aと下部構造体Bとが左右方向にずれることによって、ダンパ本体1が変形しながら地震エネルギーを吸収するものである。
【0004】
しかしながら、上記従来のダンパは地震発生時に上記図7に示すように上下方向に大きく振動すると共に形状が激しく変化し、その変形による応力で振動を繰り返すうちにダンパ本体1のU字形屈曲部12もしくはその近傍の肉厚が低下してエネルギー吸収性能が次第に低下する等の不具合がある。
【0005】
そこで、上記変形による性能劣化を防ぐために上記の屈曲部を大きくすることが考えられるが、あまり大きくすると、免震ダンパの高さ寸法Hが必然的に大きくなり、上部構造体と下部構造体との間に配置するのが困難になったり、往々にして免震アイソレータよりも高くなって、該アイソレータと上記構造体との間に間隔調整部材等を介在させなければならない等の不具合がある。
【0006】
一方、免震ダンパの高さ寸法Hを大きくすることなくエネルギー吸収性能を高めるために、ダンパ本体の長さ寸法Lを長くすると、免震ダンパの配置スペースを大きく確保しなければならない。しかも地震発生時にはダンパ本体1の上下方向の振幅Sが更に大きくなり、屈曲部が上下構造体に接触してエネルギー吸収性能が低下したたり、構造体が破損する等のおそれがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、地震発生時にダンパ本体が上下方向に大きく振れることなく、良好にエネルギー吸収性能を発揮することのできる免震ダンパを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明による免震ダンパは、以下の構成としたものである。
【0009】
即ち、断面略U字形に形成したダンパ本体を備え、免震アイソレータと併用して地震発生時に建物に伝わる地震エネルギーを減少させる免震用ダンパにおいて、上記ダンパ本体のU字形屈曲部の厚さをダンパ本体両端部の厚さより薄く形成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による免震ダンパを図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。図1および図2は本発明による免震ダンパの一実施形態を示すもので、図1(a)はダンパ本体の平面図、同図(b)はその正面図、図2(a)は上記免震ダンパの使用状態を示す正面図、である。
【0011】
本実施形態は、ダンパ本体1を鉛等の金属により図1(b)のように断面略U字状に形成され、そのU字形屈曲部12の厚さt2はダンパ本体1の両端部11・11の厚さt1よりも薄く形成されている。また上記屈曲部12と両端部11・11との間の中間部13・13の厚さt3は、本実施形態においては屈曲部12の厚さt2とほぼ同等に形成され、その各中間部13から各端部11に行くに従って漸次厚くなるように、上記各中間部13と端部11との間の上下両面(U字形ダンパ本体1の内外両面)には、それぞれなだらかな曲面13a、13bが形成されている。
【0012】
上記ダンパ本体1は、その両端部11・11を図2に示すように建築物等の上部構造体Aと基礎側の下部構造体Bとに、それぞれ直接もしくは鋼板等の取付板2を介して取付けるもので、図の場合は鉛製のダンパ本体1と一体に形成した鉛合金製の両端部11・11内にそれぞれ上記取付板2の一部を埋設して一体化し、その各取付板2を上部構造体Aおよび下部構造体Bにそれぞれボルト3で取付けた構成である。
【0013】
なお上記両端部11・11の材質は適宜であり、またダンパ本体1と別体に形成してダンパ本体1および上記取付板2と抵抗溶接やホモゲン溶着等で一体的に固着することもできる。また上記取付板2の構造体AおよびBに対する取付手段は上記のようなボルトに限らずその他適宜である。
【0014】
上記のようにして上下の構造体A・Bにダンパ本体1を取付けた状態で、地震により例えば前記図2(a)で左右方向に振動したとき、上記構造体A・Bおよびダンパ本体1の両端部11・11には、互いに反対方向にずれるような力が作用し、ダンパ本体1は図3(a)および(b)のように変形しながら地震エネルギーを吸収するが、ダンパ本体1のU字形屈曲部12の厚さt2は、両端部11・11の厚さt1よりも薄く形成されているので、ダンパ本体1は上下方向に大きく振動するのが防止される。それによって、ダンパ本体1が繰り返し振動してもダンパ本体1の板厚が急激に低下するのが抑制され、性能劣化の進行速度を可及的に低減することができるものである。
【0015】
なお上記ダンパ本体1の形状は適宜変更可能であり、例えば前記図1の実施形態においては中間部13と端部11との間の上下両面にそれぞれ凹曲面13a、13bを形成したが、少なくとも一方を凸曲面に形成してもよい。図4(a)はその一例を示すもので、中間部13と端部11との間の上下いずれかの曲面、図の場合はU字形ダンパ本体1の内面側の曲面13aを凸曲面とし、他方の曲面13bを凹曲面としたものである。
【0016】
また上記実施形態は、U字形屈曲部12と中間部13の厚さt2、t3を略同等に形成したが、図4(b)のように中間部13からU字形屈曲部12に行くに従って漸次肉厚が薄くなり、U字形屈曲部12の中心部が最も薄くなるようにしてもよい。また屈曲部12の高さ寸法hは両端部の高さ寸法Hよりも大きく形成してもよい。
【0017】
【実施例】
実施例1として前記図1に示すダンパ本体1を、実施例2,3として前記図4(a),(b)のダンパ本体1を、それぞれ試験体にして定振幅試験を行った。また上記実施例に対する比較例1として前記図5のダンパ本体1を試験体として定振幅試験を行った。
【0018】
上記実施例1〜3および比較例1における各ダンパ本体の長さLは、約160mmでいずれも略同一とし、各ダンパ本体1の両端部と屈曲部および中間部の各厚さをt1〜t3、およびダンパ本体1の両端部11の高さをH、屈曲部12の高さをhとし、前記図3および図7のような変動時における屈曲部12の高さhの最大変動幅hmaxを測定して変動率eを求めた。なお、屈曲部12の高さをh、その屈曲部12の上記変動時における上下方向の変位量をΔhとすると、上記最大変動幅hmax=h+Δhであり、変動率eは、
e=hmax/h=(h+△h)/h
である。その測定および算定結果を下記表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
上記表1に示す結果からも明らかなように、バンパ本体1の屈曲部12の厚さt2をダンパ本体1の両端部11の厚さt1よりも薄くすることによって、振動時にダンパ本体1が上下方向に大きく振れるのを防止することができる。
【0021】
上記以外にも種々の実験を行った結果、以下のことが分かった。
1)ダンパ湾曲部の上下動はダンパ先端部厚さが厚いほど小さくなる。
2)ダンパ湾曲部厚さに対しては先端部に比べて湾曲部の厚さが薄いほど湾曲部の上下動が小さくなる。
3)ダンパ本体1の両端部11と中間部13との間の曲面13aの形状は、上記実施例2として使用した図4(a)に示すダンパ本体のように外方に向かって突出する凸曲面とした方が上下動を小さくできる。
4)上記実施例3として使用した図4(b)に示すダンパ本体のようにU字形屈曲部の高さが、ダンパ本体の両端部の高さより大きくなるようにすると、上下動が小さくなる。
【0022】
また上記1)〜4)の少なくとも1つを仕様に適した形で利用して作成されたU型免震ダンパは従来のU型ダンパに比べ、大変形時のダンパ湾曲部の上下動を小さくでき、前記従来の
a)上下構造物に湾曲部が接触し、所定の性能が発揮できない
b)上下構造物に湾曲部が接触し、構造物を破損する
という問題点を簡単な構成により解決することができるものである。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による免震ダンパは、断面U字形に形成したバンパ本体1の屈曲部12の厚さt2をダンパ本体1の両端部11の厚さt1よりも薄く形成したことによって、変形時にダンパ本体1が上下方向に大きく振れるのを防止することが可能となり、上記屈曲部12が構造体に接触して破損したり、変形でダンパ本体の肉厚が低下し、エネルギー吸収性能が耐久性が低下するのを可及的に低減できる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明免震ダンパに用いるダンパ本体の一例を示す平面図。
(b)はその正面図。
【図2】上記免震ダンパの使用状態を示す正面図。
【図3】(a)および(b)は上記免震ダンパが左右方向に振動した状態の説明図。
【図4】(a)は本発明免震ダンパに用いるダンパ本体の他の例を示す平面図。
(b)は本発明免震ダンパに用いるダンパ本体の更に他の例を示す平面図。
【図5】(a)は従来のダンパ本体の平面図。
(b)はその正面図。
【図6】上記免震ダンパの使用状態を示す正面図。
【図7】(a)および(b)は上記免震ダンパが左右方向に振動した状態の正面図。
【符号の説明】
1 ダンパ本体
11 両端部
12 U字形屈曲部
13 中間部
13a、13a 曲面
2 取付板
3 ボルト
Claims (3)
- 断面略U字形に形成したダンパ本体を備え、免震アイソレータと併用して地震発生時に建築物に伝わる地震エネルギーを減少させる免震用ダンパにおいて、上記ダンパ本体のU字形屈曲部の厚さをダンパ本体両端部の厚さより薄く形成したことを特徴とする免震ダンパ。
- 前記ダンパ本体のU字形屈曲部の厚さが、ダンパ本体の両端部と上記屈曲部との間の中間部の厚さより薄くなるようにした請求項1記載の免震ダンパ。
- 前記ダンパ本体のU字形屈曲部の高さが、ダンパ本体の両端部の高さより大きいことを特徴とする請求項1または2記載の免震ダンパ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002166467A JP2004011273A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 免震ダンパ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002166467A JP2004011273A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 免震ダンパ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004011273A true JP2004011273A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30434000
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002166467A Pending JP2004011273A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 免震ダンパ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004011273A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009054533A1 (en) * | 2007-10-26 | 2009-04-30 | Nippon Steel Engineering Co., Ltd. | Seismic isolation system for structures |
JP2010019360A (ja) * | 2008-07-11 | 2010-01-28 | Jatco Ltd | 自動変速機における筒状部材の支持構造 |
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JP2015127489A (ja) * | 2013-12-30 | 2015-07-09 | 株式会社国元商会 | 木造建築物の制振装置 |
CN107419815A (zh) * | 2017-07-24 | 2017-12-01 | 上海应用技术大学 | 一种分阶耗能金属阻尼器 |
-
2002
- 2002-06-07 JP JP2002166467A patent/JP2004011273A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010019360A (ja) * | 2008-07-11 | 2010-01-28 | Jatco Ltd | 自動変速機における筒状部材の支持構造 |
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