JP2004011270A - 外断熱通気層を有する仕上げ体とその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】既存の建築物に対して補修施工可能な外断熱通気層を有するような外壁構造体を作る。
【解決手段】既存の建築物の壁体表面にリップ状の係合部を有する緊結具3を取り付ける。外壁を構成するパネル体5に連結具6の突起部6aをはめ込み、緊結具3との間に断熱材7を挟持して弾性変形する連結具6の他端係合部6bを緊結具3にはめ込み結合する。これを複数のパネル体5に適用して外断熱通気層を有する仕上げ体1を構築する。既存建築物の外壁2と断熱材7との間には通風用の空隙8を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】既存の建築物の壁体表面にリップ状の係合部を有する緊結具3を取り付ける。外壁を構成するパネル体5に連結具6の突起部6aをはめ込み、緊結具3との間に断熱材7を挟持して弾性変形する連結具6の他端係合部6bを緊結具3にはめ込み結合する。これを複数のパネル体5に適用して外断熱通気層を有する仕上げ体1を構築する。既存建築物の外壁2と断熱材7との間には通風用の空隙8を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用の外断熱通気層を有する仕上げ体とその施行方法に関する。更に詳しくは、特に既存の建築物の壁面改修施行に関係する外断熱通気層を有する仕上げ体およびその施行技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に建築物はコンクリートや木造等種々の材料を用いて構築されている。特に外壁部分は風雨にさらされ他の部分に比し劣化が激しい。又、寒冷地においては、コンクリート壁等に断熱材を取り付ける場合が多くなっている。しかし、旧い建築物は、必ずしも断熱材を取り付けているわけではない。断熱材は一般に外壁側に設けられ、建築設計の段階で設定される。従って、建築後に断熱材を取り付けることは、外壁の一部を取り外すなど大掛かりな工事を要しコストがかかることから一般には完全に応じられないのが現状である。
【0003】
天井裏や床下には、ある程度追加工事での施工は可能であるが、壁部分は既存の外壁を除去しなければ施工はできない。現実的にこの施工はコストがかかる上、建築物を損傷してしまうことから前述のとおり既存の外壁を取り壊して施工することは一般には行われていない。又、コンクリート以外の木造やモルタル、いわゆる新建材と称している合成材を使用した建築物でも断熱材を使用していないケースは多い。
【0004】
最近の新建築物は、法律上防火、防災等の施工が義務付けられている。最近は断熱効果のある断熱材あるいは暖房装置が開発されていることから、既存の建築物であっても低コストで、簡易に断熱材の取り付けが可能で防火、防災に対応でき、しかも断熱性に加え保温性、調湿性、等の効果のある施工の要望が強くなっている。特に寒冷地においては、外壁そのものの劣化も温暖地に比べ激しい、そのため部分的補修を繰り返し行っているのが現状である。断熱性等の効果があり、簡易に低コストで施行のできる構造体とその施行技術が望まれている。特に寒冷地の保温設備のない既存建築物に対してはその要望は尚強い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような住環境、技術背景にもとづいてなされたものであり、既存の建築物の壁面に対し、その建築物を損傷することなく断熱材等の取り付け追加工事をできるようにしたことにある。
本発明の目的は、経済的に低コストで簡易に施工できる外断熱通気層を有する仕上げ体及びその施工技術の提供にある。
本発明の他の目的は、短納期でどのような建築物に対しても施工可能な外断熱通気層を有する仕上げ体及びその施工技術の提供にある。
本発明の更に他の目的は、施工上廃棄する廃棄材が発生せず、省エネルギー、省資源、省労力等が達成され、地球環境保護にも寄与できる外壁構造物とその施工技術の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明1の外断熱通気層を有する仕上げ体は、建築物の壁体表面に固定され外側に係合部を有する緊結具と、前記壁体表面側に外壁を構成し係合部を有して複数個積層されるパネル体と、前記緊結具と前記パネル体の前記各係合部に跨ってはめ込み連結する連結具と、前記緊結具と前記パネル体との間に前記連結具によって挟持固定される断熱体とからなっている。
【0007】
本発明2の外断熱通気層を有する仕上げ体は、前記発明1において、前記緊結具は、軽量形鋼であってもよい。特にコ字状のリップミゾ形鋼は、長手に沿って係合部を有するので好適である。
本発明3の外断熱通気層を有する仕上げ体は、前記発明1において、前記連結具は、一端に前記パネル体の係合部に連結する突起状の連結部を有し、他端に弾性変形が可能で前記緊結具の係合部に連結する連結部を有する部材であってもよい。取り付け取り外しが容易な構成である。ワンタッチで即座に取り付け工事ができる。
【0008】
本発明4の外断熱通気層を有する仕上げ体は、前記発明1において、前記断熱体は、内部に空室を有する発泡樹脂体であってもよい。内部に大きな空気層を持つので、断熱、保温効果が大きい。
本発明5の外断熱通気層を有する仕上げ体は、前記発明3において、前記連結具は、ステンレスで構成されていてもよい。ステンレスは錆びない部材であるので、外断熱通気層を有する仕上げ体の耐久性を維持するのに効果的である。
【0009】
本発明6の外断熱通気層を有する仕上げ体の施工方法は、建築物の壁体表面に係合部を有する緊結具を固定する工程と、係合部を有するパネル体と断熱体を前記緊結具上に配置する工程と、複数の前記パネル体の前記係合部に連結具の一端をはめ込み連結し、前記断熱体を挟持して前記緊結具の係合部に前記連結具の他端をはめ込み連結する工程とからなっている。簡易な施工方法であるので、短納期で工事を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の外断熱通気層を有する仕上げ体1を示す部分断面図である。既存建築物の外壁2に緊結具3がねじ部品4で固定されている。本発明の外断熱通気層を有する仕上げ体1は、この緊結具3がベースとなっている。緊結具3を取り付ける対象の既存建築物の外壁2は、特に旧い形式の建築物の壁面である。
【0011】
本発明の外断熱通気層を有する仕上げ体1は、特に断熱材を付加させて補修又は追加等の施工を行うことに有用である。既存建築物は木造建築、モルタル建築、コンクリート建築等種々である。又、外壁においては、木造、モルタル、スレート、ALC(軽気泡コンクリートパネル)、サイディング、タイル等多種類の資材が使用されている。
【0012】
本発明の対象は、特に断熱処理のなされていない既存建築物の外壁2を有する建物で、特に木造、モルタル等の建物である。特に寒冷地においては、気象条件の厳しさもあって一般に断熱処理が施されている新建築物と断熱処理が施されていない既存建築物との住環境には大きな差がある。緊結具3は、このような既存建築物の外壁2に所定間隔をおいて複数個取り付けられる。
【0013】
この緊結具3は、図2に示すように軽量形鋼のリップミゾ形鋼を使用している。緊結具3は中央部に複数の取り付け穴3aが設けられたもので、ねじ部品4又はボルトを介して相手既存建築物の外壁2に取り付けられる。折り曲げ部分は係合部3bとなっている。相手既存建築物の外壁2は、通常風雨にさらされ一様ではないが、一部破損等の修理はあっても基本的には現状の壁にそのまま直接緊結具3を取り付ける。緊結具3は、軽量形鋼のリップミゾ形鋼としているが、係合部を有しているものであればその形状に限定はされない。軽量形鋼のリップミゾ形鋼の利点は、資材として扱いやすく入手が容易である上、建築物に重量的負担をかけないで済む点である。
【0014】
次に新外壁となるパネル体5を取り付けるが、この取り付けは、断熱体7を緊結具3との間で狭持し、連結具6を介して取り付けるようになっている。パネル体5は、図3に示すが、一般にPC(PrecastConcrete)と言われる高圧プレス成形された薄肉コンクリートパネルで、容易に人手で持ち運びできるものである。軽いので、建築物に荷重負担を与えない。又、コンクリート製であることから防火材でもある。パネル体5の形状は、内側部分にリブ5aを設けた構成で、このリブ5a部分に連結具6が取り付けられるように係合穴5bが設けられている。
【0015】
このリブ5aをパネル体5に設けたことで、外断熱通気層を有する仕上げ体1を剛性のあるものとすることができる。このような構成のパネル体5を外壁材として上下左右に配列し外断熱通気層を有する仕上げ体1を形成するが、パネル体5の係合穴5bに連結具6の突起部6aをはめ込み、断熱を目的とする断熱体7をパネル体5の内側に取り付ける。
【0016】
この断熱体7をやや押圧する状態で緊結具3に押し付け、連結具6を緊結具3に押し込み結合する。断熱体7は、緊結具3に押し付けられ浮上した状態で取り付けられる。このため、相手既存建築物の外壁2と断熱体7との間に空隙8が生じる。この空隙8は、通風効果をもたらす。このような施工で構築されたのが、図1に示す外断熱通気層を有する仕上げ体1である。
【0017】
断熱体7は図4に示す形状で硬質の発泡プラスチック製のものである。図5は、図4のA−A断面図を、図6は、図4のB−B断面図を示している。この断熱体7は、内部が複数の空室7a構造になっていて、断熱、保温効果を高めたものになっている。この硬質の発泡プラスチック製の断熱体7は、コンクリート構造体の内外の熱伝搬を遮断するものである。
【0018】
厚さは、建築物等の条件によって異なるが、寒冷地においては厚くする。この場合、連結具6の長さは厚さ分長くしたものになる。断熱体7は種々のものがあり限定されるものではない。例えば、グラスウールの断熱体であってもよい。この断熱体7は連結具6によってパネル体5と緊結具3との間で挟持されるが、次に連結具6について詳述する。
【0019】
連結具6はステンレスの板状部材で、図7、図8に示すように一端がT字状に2つの突起部6aを有していて、他端は外側に係合部6bを有し内側が凹部状に切り欠き6cを有しているものである。この突起部6aはステンレス板の端部を巻いて形成したものである。内側に凹部状の切り欠き6cがあることで、係合部6bは内側に弾性変形が可能である。
【0020】
この係合部6bが緊結具3の係合部3bに押し込まれるとき、係合部6bは、傾斜面に沿って係合部3bにより押圧される。連結具6は、内側に弾性変形しながら段差部6dが緊結具3の係合部3bの内側段差部3cにはまり込み結合される。この弾性変形は、若干横方向によじれる状態となるが、内側段差部3cにはまり込んだ後は、拡がって元の形状に復元する。結合した後は、連結具6の突起部6aがパネル体5の係合穴5bにはまり込んでいる間、連結具6は垂直状態で固定されるので、緊結具3から外れることはない。
【0021】
このようにして外断熱通気層を有する仕上げ体1は構築されるが、前述のように固定された緊結具3に対して3点の部材をワンタッチで順次取り付けるだけである。構築後の外断熱通気層を有する仕上げ体1は仕上げ処理され完成する。又、既存建築物においては、取り外すものがないので廃棄物は全く発生しない。
【0022】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明の具体的構成はこの実施の形態に限定されるものではない。例えば、建築物の外部に色々な制約条件があるような場合には、建築物の内部に前述同様に外壁扱いで同じ施工を行うことも可能である。又、本発明の施工方法については、その順序は必ずしも説明した本実施の形態の順序に限定されるものではない。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の外断熱通気層を有する仕上げ体及びその施工方法は、既存の建築物に対して、部材の数が少なく、容易で、短納期の施工を可能ならしめ、結果的に、作業時間を早め、低コストで経済的な施工を実現した。又、施工に際して、廃棄物等は全く生じないので、環境保護対策上も非常に効果のある構成となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の外断熱通気層を有する仕上げ体の実施の形態を示す断面図である。
【図2】図2は、緊結具を示す外観図である。
【図3】図3は、パネル体を示す外観図である。
【図4】図4は、断熱材を示す外観図である。
【図5】図5は、図4のA−A断面図である。
【図6】図6は、図4のB−B断面図である。
【図7】図7は、結合具の正面図である。
【図8】図8は、結合具の平面図である。
【符号の説明】
1…外断熱通気層を有する仕上げ体
2…既存建築物の外壁
3…緊結具
3b…係合部
4…ねじ部品
5…パネル体
6…連結具
6a…突起部
6b…係合部
7…断熱材
8…空隙
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用の外断熱通気層を有する仕上げ体とその施行方法に関する。更に詳しくは、特に既存の建築物の壁面改修施行に関係する外断熱通気層を有する仕上げ体およびその施行技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に建築物はコンクリートや木造等種々の材料を用いて構築されている。特に外壁部分は風雨にさらされ他の部分に比し劣化が激しい。又、寒冷地においては、コンクリート壁等に断熱材を取り付ける場合が多くなっている。しかし、旧い建築物は、必ずしも断熱材を取り付けているわけではない。断熱材は一般に外壁側に設けられ、建築設計の段階で設定される。従って、建築後に断熱材を取り付けることは、外壁の一部を取り外すなど大掛かりな工事を要しコストがかかることから一般には完全に応じられないのが現状である。
【0003】
天井裏や床下には、ある程度追加工事での施工は可能であるが、壁部分は既存の外壁を除去しなければ施工はできない。現実的にこの施工はコストがかかる上、建築物を損傷してしまうことから前述のとおり既存の外壁を取り壊して施工することは一般には行われていない。又、コンクリート以外の木造やモルタル、いわゆる新建材と称している合成材を使用した建築物でも断熱材を使用していないケースは多い。
【0004】
最近の新建築物は、法律上防火、防災等の施工が義務付けられている。最近は断熱効果のある断熱材あるいは暖房装置が開発されていることから、既存の建築物であっても低コストで、簡易に断熱材の取り付けが可能で防火、防災に対応でき、しかも断熱性に加え保温性、調湿性、等の効果のある施工の要望が強くなっている。特に寒冷地においては、外壁そのものの劣化も温暖地に比べ激しい、そのため部分的補修を繰り返し行っているのが現状である。断熱性等の効果があり、簡易に低コストで施行のできる構造体とその施行技術が望まれている。特に寒冷地の保温設備のない既存建築物に対してはその要望は尚強い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような住環境、技術背景にもとづいてなされたものであり、既存の建築物の壁面に対し、その建築物を損傷することなく断熱材等の取り付け追加工事をできるようにしたことにある。
本発明の目的は、経済的に低コストで簡易に施工できる外断熱通気層を有する仕上げ体及びその施工技術の提供にある。
本発明の他の目的は、短納期でどのような建築物に対しても施工可能な外断熱通気層を有する仕上げ体及びその施工技術の提供にある。
本発明の更に他の目的は、施工上廃棄する廃棄材が発生せず、省エネルギー、省資源、省労力等が達成され、地球環境保護にも寄与できる外壁構造物とその施工技術の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明1の外断熱通気層を有する仕上げ体は、建築物の壁体表面に固定され外側に係合部を有する緊結具と、前記壁体表面側に外壁を構成し係合部を有して複数個積層されるパネル体と、前記緊結具と前記パネル体の前記各係合部に跨ってはめ込み連結する連結具と、前記緊結具と前記パネル体との間に前記連結具によって挟持固定される断熱体とからなっている。
【0007】
本発明2の外断熱通気層を有する仕上げ体は、前記発明1において、前記緊結具は、軽量形鋼であってもよい。特にコ字状のリップミゾ形鋼は、長手に沿って係合部を有するので好適である。
本発明3の外断熱通気層を有する仕上げ体は、前記発明1において、前記連結具は、一端に前記パネル体の係合部に連結する突起状の連結部を有し、他端に弾性変形が可能で前記緊結具の係合部に連結する連結部を有する部材であってもよい。取り付け取り外しが容易な構成である。ワンタッチで即座に取り付け工事ができる。
【0008】
本発明4の外断熱通気層を有する仕上げ体は、前記発明1において、前記断熱体は、内部に空室を有する発泡樹脂体であってもよい。内部に大きな空気層を持つので、断熱、保温効果が大きい。
本発明5の外断熱通気層を有する仕上げ体は、前記発明3において、前記連結具は、ステンレスで構成されていてもよい。ステンレスは錆びない部材であるので、外断熱通気層を有する仕上げ体の耐久性を維持するのに効果的である。
【0009】
本発明6の外断熱通気層を有する仕上げ体の施工方法は、建築物の壁体表面に係合部を有する緊結具を固定する工程と、係合部を有するパネル体と断熱体を前記緊結具上に配置する工程と、複数の前記パネル体の前記係合部に連結具の一端をはめ込み連結し、前記断熱体を挟持して前記緊結具の係合部に前記連結具の他端をはめ込み連結する工程とからなっている。簡易な施工方法であるので、短納期で工事を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の外断熱通気層を有する仕上げ体1を示す部分断面図である。既存建築物の外壁2に緊結具3がねじ部品4で固定されている。本発明の外断熱通気層を有する仕上げ体1は、この緊結具3がベースとなっている。緊結具3を取り付ける対象の既存建築物の外壁2は、特に旧い形式の建築物の壁面である。
【0011】
本発明の外断熱通気層を有する仕上げ体1は、特に断熱材を付加させて補修又は追加等の施工を行うことに有用である。既存建築物は木造建築、モルタル建築、コンクリート建築等種々である。又、外壁においては、木造、モルタル、スレート、ALC(軽気泡コンクリートパネル)、サイディング、タイル等多種類の資材が使用されている。
【0012】
本発明の対象は、特に断熱処理のなされていない既存建築物の外壁2を有する建物で、特に木造、モルタル等の建物である。特に寒冷地においては、気象条件の厳しさもあって一般に断熱処理が施されている新建築物と断熱処理が施されていない既存建築物との住環境には大きな差がある。緊結具3は、このような既存建築物の外壁2に所定間隔をおいて複数個取り付けられる。
【0013】
この緊結具3は、図2に示すように軽量形鋼のリップミゾ形鋼を使用している。緊結具3は中央部に複数の取り付け穴3aが設けられたもので、ねじ部品4又はボルトを介して相手既存建築物の外壁2に取り付けられる。折り曲げ部分は係合部3bとなっている。相手既存建築物の外壁2は、通常風雨にさらされ一様ではないが、一部破損等の修理はあっても基本的には現状の壁にそのまま直接緊結具3を取り付ける。緊結具3は、軽量形鋼のリップミゾ形鋼としているが、係合部を有しているものであればその形状に限定はされない。軽量形鋼のリップミゾ形鋼の利点は、資材として扱いやすく入手が容易である上、建築物に重量的負担をかけないで済む点である。
【0014】
次に新外壁となるパネル体5を取り付けるが、この取り付けは、断熱体7を緊結具3との間で狭持し、連結具6を介して取り付けるようになっている。パネル体5は、図3に示すが、一般にPC(PrecastConcrete)と言われる高圧プレス成形された薄肉コンクリートパネルで、容易に人手で持ち運びできるものである。軽いので、建築物に荷重負担を与えない。又、コンクリート製であることから防火材でもある。パネル体5の形状は、内側部分にリブ5aを設けた構成で、このリブ5a部分に連結具6が取り付けられるように係合穴5bが設けられている。
【0015】
このリブ5aをパネル体5に設けたことで、外断熱通気層を有する仕上げ体1を剛性のあるものとすることができる。このような構成のパネル体5を外壁材として上下左右に配列し外断熱通気層を有する仕上げ体1を形成するが、パネル体5の係合穴5bに連結具6の突起部6aをはめ込み、断熱を目的とする断熱体7をパネル体5の内側に取り付ける。
【0016】
この断熱体7をやや押圧する状態で緊結具3に押し付け、連結具6を緊結具3に押し込み結合する。断熱体7は、緊結具3に押し付けられ浮上した状態で取り付けられる。このため、相手既存建築物の外壁2と断熱体7との間に空隙8が生じる。この空隙8は、通風効果をもたらす。このような施工で構築されたのが、図1に示す外断熱通気層を有する仕上げ体1である。
【0017】
断熱体7は図4に示す形状で硬質の発泡プラスチック製のものである。図5は、図4のA−A断面図を、図6は、図4のB−B断面図を示している。この断熱体7は、内部が複数の空室7a構造になっていて、断熱、保温効果を高めたものになっている。この硬質の発泡プラスチック製の断熱体7は、コンクリート構造体の内外の熱伝搬を遮断するものである。
【0018】
厚さは、建築物等の条件によって異なるが、寒冷地においては厚くする。この場合、連結具6の長さは厚さ分長くしたものになる。断熱体7は種々のものがあり限定されるものではない。例えば、グラスウールの断熱体であってもよい。この断熱体7は連結具6によってパネル体5と緊結具3との間で挟持されるが、次に連結具6について詳述する。
【0019】
連結具6はステンレスの板状部材で、図7、図8に示すように一端がT字状に2つの突起部6aを有していて、他端は外側に係合部6bを有し内側が凹部状に切り欠き6cを有しているものである。この突起部6aはステンレス板の端部を巻いて形成したものである。内側に凹部状の切り欠き6cがあることで、係合部6bは内側に弾性変形が可能である。
【0020】
この係合部6bが緊結具3の係合部3bに押し込まれるとき、係合部6bは、傾斜面に沿って係合部3bにより押圧される。連結具6は、内側に弾性変形しながら段差部6dが緊結具3の係合部3bの内側段差部3cにはまり込み結合される。この弾性変形は、若干横方向によじれる状態となるが、内側段差部3cにはまり込んだ後は、拡がって元の形状に復元する。結合した後は、連結具6の突起部6aがパネル体5の係合穴5bにはまり込んでいる間、連結具6は垂直状態で固定されるので、緊結具3から外れることはない。
【0021】
このようにして外断熱通気層を有する仕上げ体1は構築されるが、前述のように固定された緊結具3に対して3点の部材をワンタッチで順次取り付けるだけである。構築後の外断熱通気層を有する仕上げ体1は仕上げ処理され完成する。又、既存建築物においては、取り外すものがないので廃棄物は全く発生しない。
【0022】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明の具体的構成はこの実施の形態に限定されるものではない。例えば、建築物の外部に色々な制約条件があるような場合には、建築物の内部に前述同様に外壁扱いで同じ施工を行うことも可能である。又、本発明の施工方法については、その順序は必ずしも説明した本実施の形態の順序に限定されるものではない。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の外断熱通気層を有する仕上げ体及びその施工方法は、既存の建築物に対して、部材の数が少なく、容易で、短納期の施工を可能ならしめ、結果的に、作業時間を早め、低コストで経済的な施工を実現した。又、施工に際して、廃棄物等は全く生じないので、環境保護対策上も非常に効果のある構成となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の外断熱通気層を有する仕上げ体の実施の形態を示す断面図である。
【図2】図2は、緊結具を示す外観図である。
【図3】図3は、パネル体を示す外観図である。
【図4】図4は、断熱材を示す外観図である。
【図5】図5は、図4のA−A断面図である。
【図6】図6は、図4のB−B断面図である。
【図7】図7は、結合具の正面図である。
【図8】図8は、結合具の平面図である。
【符号の説明】
1…外断熱通気層を有する仕上げ体
2…既存建築物の外壁
3…緊結具
3b…係合部
4…ねじ部品
5…パネル体
6…連結具
6a…突起部
6b…係合部
7…断熱材
8…空隙
Claims (6)
- 建築物の壁体表面に固定され外側に係合部を有する緊結具と、
前記壁体表面側に外壁を構成し係合部を有して複数個積層されるパネル体と、前記緊結具と前記パネル体の前記各係合部に跨ってはめ込み連結する連結具と、
前記緊結具と前記パネル体との間に前記連結具によって挟持固定される断熱体と
からなる外断熱通気層を有する仕上げ体。 - 請求項1に記載の外断熱通気層を有する仕上げ体において、
前記緊結具は、軽量形鋼であることを特徴とする外断熱通気層を有する仕上げ体。 - 請求項1に記載の外断熱通気層を有する仕上げ体において、
前記連結具は、一端に前記パネル体の係合部に連結する突起状の連結部を有し、他端に弾性変形が可能で前記緊結具の係合部に連結する連結部を有する部材であることを特徴とする外断熱通気層を有する仕上げ体。 - 請求項1に記載の外断熱通気層を有する仕上げ体において、
前記断熱体は、内部に空室を有する発泡樹脂体であることを特徴とする外断熱通気層を有する仕上げ体。 - 請求項3に記載の外断熱通気層を有する仕上げ体において、
前記連結具は、ステンレス、合成樹脂の何れかの1種で構成されていることを特徴とする外断熱通気層を有する仕上げ体。 - 建築物の壁体表面に係合部を有する緊結具を固定する工程と、
係合部を有するパネル体と断熱体を前記緊結具上に配置する工程と、
前記パネル体の前記係合部に連結具の一端をはめ込み連結し、前記断熱体を挟持して前記緊結具の係合部に前記連結具の他端をはめ込み連結する工程と
からなる外断熱通気層を有する仕上げ体の施行方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002166272A JP2004011270A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 外断熱通気層を有する仕上げ体とその施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002166272A JP2004011270A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 外断熱通気層を有する仕上げ体とその施工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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CN104818776B (zh) * | 2015-04-28 | 2017-05-03 | 河北建筑工程学院 | 一种外墙外挂保温系统及其施工方法 |
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