JP2004010549A - ゲル状組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定性が高く、保存安定性に優れ、使用感が良好であるW/O型乳化ゲル状組成物を提供する。
【解決手段】両親媒性化合物とアルコールまたは多価アルコールを含有するゲル状組成物において、その両親媒性化合物とアルコールまたは多価アルコールが逆キュービック相を形成しているゲル状組成物であって、逆キュービック相を形成する両親媒性化合物としては、分子量が1000以上、100,000未満であり、HLB6以下の親油性の両親媒性化合物が好ましく用いられる。
【選択図】 なし
【解決手段】両親媒性化合物とアルコールまたは多価アルコールを含有するゲル状組成物において、その両親媒性化合物とアルコールまたは多価アルコールが逆キュービック相を形成しているゲル状組成物であって、逆キュービック相を形成する両親媒性化合物としては、分子量が1000以上、100,000未満であり、HLB6以下の親油性の両親媒性化合物が好ましく用いられる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲル状組成物、特にW/O型乳化ゲル状組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゲル状組成物は、水性ゲルと油性ゲルとに大別される。これらのうち水性ゲルは、水溶性化合物のゲル化能を利用する場合が多く、水分を多量に含んでいるため水々しく清涼感があり、化粧水、ローション、ヘアジェル、クリーム、芳香剤、消臭剤または軟膏などに代表される香粧品に利用されている。一方、油性ゲルは、界面活性剤のゲル化能や液晶構造を利用してW/O型乳化させたものが多く、油溶性成分が連続相であるため、マッサージローション、エモリエントローションあるいはUVケア化粧品などとして用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般的に上記のW/O型乳化ゲルは、安定なゲルを得ることが難しく、安定性領域が狭いという問題点があった。そこで、W/O型乳化ゲルの安定性を良くするため、連続相である油溶性成分の配合量を多くすることにより粘性を上げて安定なW/O型乳化ゲルを得る手法が取られている。しかしながら、油溶性成分の配合量を増やすと、ぬるぬるした感触で使用感が良くないという問題点があった。
【0004】
本発明の目的は、安定性が高く、保存安定性に優れ、使用感が良好であるW/O型乳化ゲル状組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するためのものであって、本発明のゲル状組成物は、(c)両親媒性化合物と(d)アルコールまたは多価アルコールを含有するゲル状組成物において、該両親媒性化合物の自己組織体が逆キュービック相を形成しているゲル状組成物であり、さらには(a)油性成分、(b)水性成分、(c)両親媒性化合物、および(d)アルコールおよび/または多価アルコールを含有し、該両親媒性化合物の自己組織体が逆キュービック相を形成しているゲル状組成物である。
【0006】
さらに、本発明の好ましい態様として、そのゲル状組成物の(c)両親媒性化合物が親油性でHLB6以下のものが好ましく使用される。また、本発明の別の好ましい態様は、上記のゲル状組成物を含有する香粧品を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のゲル状組成物は、(c)両親媒性化合物と(d)アルコールまたは多価アルコールを含有するゲル状組成物において、その両親媒性化合物の自己組織体が逆キュービック相を形成しているゲル状組成物である。
【0008】
(c)両親媒性化合物(界面活性剤)が溶液中で形成する自己組織体には、ミセルとヘキサゴナル液晶との間に存在するディスコンティニュアス(discontinuous)キュービック、ヘキサゴナル液晶とラメラ液晶との間に存在するバイコンティニュアス(bicontinuous)キュービック、逆ミセルと逆ヘキサゴナル液晶との間に存在する逆型のディスコンティニュアス(discontinuous)キュービック、逆ヘキサゴナル液晶とラメラ液晶との間に存在する逆型のバイコンティニュアス(bicontinuous)キュービックなどが知られているが、本発明でいうところの逆キュービック相は、それらのうちの逆型のディスコンティニュアス(discontinuous)キュービックを意味している。
【0009】
本発明で用いられる逆キュービック相が形成されていることを確認する手段としては、相平衡図上で逆ミセル相と逆ヘキサゴナル液晶相との間に存在すること、逆ミセルが立方晶に充填した規則構造をなしており等方性の液晶であるため、偏光板、偏光顕微鏡を用いて観察した場合、サンプルが偏光しない(光らない)こと、外観が透明で極めて粘性が高いこと、小角X線散乱測定による散乱ピークをもとに、横軸に(h2+k2+l2)1/2(ここで、h,k,lはミラー指数)、縦軸に(1/dhkl)(ここで、dhklは面間隔)をプロットすると直線関係が成立することなどが挙げられる。
【0010】
本発明で用いられる逆キュービック相の構造には、単純立方格子、体心立方格子および面心立方格子の3種類があり、それらは小角X線散乱測定により決定することができる。小角X線散乱測定から得られる散乱ピークのファーストピーク:セカンドピーク:サードピーク…の例としては、1:ルート(2/4):ルート(2/5):ルート(2/6):ルート(2/8)…(Pm3m空間群を持つ単純立方格子)、1:ルート(1/2):ルート(1/3):ルート(1/4):ルート(1/5)…(Im3m空間群を持つ体心立方格子)、1:ルート(3/8):ルート(3/11):ルート(3/12):ルート(3/16)…(Fd3m空間群を持つ面心立方格子)等が挙げられる。これらは、消滅則により全てのピークが得られる訳ではない。
【0011】
本発明で用いられる逆キュービック相を形成する(c)両親媒性化合物は、分子量が1000以上、100,000未満であり、HLB6以下の親油性の両親媒性化合物であることが好ましく、より好ましくは親油基の主鎖をシリコーンオイルとしたシリコーン系界面活性剤である。その他に本発明で用いられる(c)両親媒性化合物としては、例えば、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン縮合物等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などに代表されるポリエーテル変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、アミノ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル・アラルキル・ポリエーテル変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0012】
これらの両親媒性化合物は、1種類あるいは2種類以上の混合物であってもよく、さらに、逆キュービック相の形成を妨げない範囲において、他の非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤あるいは両性界面活性剤を混合して用いることができる。これらの他の界面活性剤は、(c)両親媒性化合物に対して好ましくは0.1〜95重量%配合されうる。
【0013】
本発明において、2種類以上の両親媒性化合物を混合して用いる場合は、混合により得られたHLB値が6以下であるものが好ましい。
【0014】
本発明で用いられる(c)両親媒性化合物は、(a)油性成分に対して20重量%以上配合される。油性成分に対して両親媒性化合物が20重量%未満では、逆キュービック相が形成され難いため、本発明で意図するゲル状組成物を得ることができ難い。
(c)両親媒性化合物の(a)油性成分に対するより好ましい配合割合は、40〜100重量%である。
【0015】
本発明で用いられる(d)アルコールおよび多価アルコールは、ゲル状組成物の安定性向上、透明性向上等の目的で配合しており、あらゆるアルコールおよび多価アルコールを用いることができる。例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、アラキルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オリーブ油アルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、側鎖高級アルコール混合物、デシルテトラデカノール、ハイドロアビエチルアルコール、ヒマシ油アルコール、ヘキシルデカノール、ヘプチルウンデカノール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、アルキレングリコール、エイコサングリコール、エチレングリコール、オクタコサングリコール、オクタデカングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、テトラコサングリコール、テトラメチルトリヒドロキシヘキサデカン、ドコサングリコール、トリエチレングリコール、1.3−ブチレングリコーール、プロピレングリコール、ヘキサコサングリコール、ヘキサデカングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビット、マルチトール、D−マンニット等の糖・糖アルコール等を挙げることができる。これらのアルコールおよび多価アルコールは、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0016】
本発明で用いられる(d)アルコールまたは多価アルコールは、(b)水性成分に対して好ましくは0.1〜80重量%配合される。(b)水性成分に対して(d)アルコールまたは多価アルコールが0.1重量%未満では、ゲル状組成物の安定性向上、透明性向上等の目的を達成し難く、一方、80重量%を超えると、ゲル状態の悪化を伴い、ゲル状組成物を得ることができ難い。(d)アルコールまたは多価アルコールの(b)水性成分に対するより好ましい配合割合は、1〜15重量%である。
【0017】
本発明で用いられる(a)油性成分は、油脂、疎水性溶剤、油溶性成分などからなり、ゲル状組成物の用途に応じて、あらゆる油性成分を配合することができる。具体的には、高級脂肪酸炭化水素類、動植物性油脂類、高級脂肪酸、合成エステル油、グリコール高級脂肪酸エステル、シリコーンオイル等、例えば、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n−ヘキサデカン、流動パラフィン、スクワラン、菜種油、オリーブ油、ひまし油、ホホバ油、オレイン酸、各種精油類、各種合成香料等を挙げることができる。これらの油性成分は、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0018】
本発明で用いられる(b)水性成分もまた、ゲル組成物の用途に応じて、あらゆる水性成分を配合することができる。
【0019】
本発明における水性成分とは、水および水溶性成分であって、水溶性成分としては親水性であれば特に限定されないが、例えば、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、植物エキス等の保湿剤、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、セルロース誘導体、ペクチン等の水溶性高分子化合物などが挙げられる。
【0020】
また、(b)水性成分の配合量は、最終ゲル状組成物にして好ましくは10〜99重量%、より好ましくは40〜95重量%である。
【0021】
本発明のゲル状組成物の製造方法の例を以下に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。(d)アルコールおよび/または多価アルコールを(a)油性成分、あるいは(b)水性成分へ溶解させ、アルコールおよび/または多価アルコール入りの油性成分、水性成分を調整する。油性成分、一部の水性成分、(c)両親媒性化合物を高温で混合攪拌し、逆キュービック相を得る。ここに、残りの水性成分を徐々に加えながら加熱攪拌を繰り返すことにより、W/O型乳化ゲル状組成物を得る。
【0022】
本発明のゲル状組成物においては、本発明の目的を達成する範囲で他の成分を適宜配合することが出来る。すなわち、このような成分として、香粧品に一般に使用される香料、薬剤、防腐剤、着色料、保湿剤、紫外線吸収剤、高分子化合物、キレート剤、植物抽出物、安定化剤、エッセンシャルオイル、ワックス、脂肪酸およびそのアルコールとのエステル、ビタミン類、抗酸化剤、炭化水素類、保存料、殺菌剤および消臭剤等が挙げられる。
【0023】
本発明のゲル状組成物は、香粧品に好適に適用される。本発明でいう香粧品としては、洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、美容液、練り香水などの化粧品、入浴剤、軟膏、エモリエントクリームなどのスキンケア製品、シャンプー、リンス、トリートメント、ヘアジェル、ヘアワックス、石鹸、ボディソープなどのトイレタリー製品、芳香剤、消臭剤、洗剤、柔軟剤などのハウスホールド製品が挙げられる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下の実施例1は化粧品用基剤、実施例2および比較例1は芳香剤用基剤に適用した例である。以下の例において、「ゲルの様子」の評価は、生成したゲル状組成物を室温で逆さにした場合、その状態を目視観察し、○:変化なし、△:徐々にゲルが流れる、×:直後にゲルが流れるの3段階で評価した。また、ゲル状組成物の「保存安定性」の評価は、室温にて1ヶ月間静置させたゲル状組成物の分離の有無を目視観察することにより行った。
【0025】
(実施例1、2)
下記の表1に示す成分と配合量(重量%)に従い、グリセリン(関東化学株式会社、特級)とイオン交換水を混合し、グリセリン水溶液を調整した。次に、ポリエーテル変性シリコーンオイルSH−3775M(商品名、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、HLB=5.0)12%、オクタメチルシクロテトラシロキサンSH244(商品名、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)4%(実施例1)あるいはオレンジ香料(曽田香料株式会社)4%(実施例2)、グリセリン水溶液10%を容器に秤量し、約100℃に加熱しつつ撹拌して逆キュービック相を得た。逆キュービック相が形成されていることは、(1)偏光板を用いて観察した場合、サンプルが偏光しない(光らない)、(2)外観が透明で極めて粘性が高い、(3)小角X線散乱測定による散乱ピークをもとにミラー指数(hkl):(111)、(220)、(301)が決定され、横軸に(h2+k2+l2)1/2、縦軸に(1/dhkl)(ここで、dhklは面間隔)をプロットしたところ直線関係が成立したことより確認した。これに、残りのグリセリン水溶液74%を徐々に添加しながら加熱撹拌を繰り返し、W/O型乳化ゲル状組成物を得た。得られたゲル状組成物を、上に記載の方法でゲルの様子、保存安定性を評価した。結果を表1に示す。
【0026】
(比較例1)
下記の表1に示す成分と配合量(重量%)に従い、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(2EO) MYO−2(商品名、日光ケミカルズ株式会社、HLB=4.5)12%とオレンジ香料(曽田香料株式会社)4%、イオン交換水84%を容器に秤量し、約80℃で加熱撹拌を繰り返し、W/O型乳化ゲル状組成物の生成を試みた。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】
本発明のゲル状組成物は、逆キュービック(I2)相(油相)にアルコールまたは多価アルコールを含む水性成分を安定に分散させたW/O型乳化ゲルであり、極めて安定性に優れたものであって、W/O型乳化ゲルでありながら、粘性の高い逆キュービック(I2)相が連続相であるため、高粘性で安定なW/I2型乳化ゲルの形成が可能である。しかも、水性成分の含有率の低いW/I2型乳化ゲルのみでなく、水性成分の体積分率が0.74(乳化滴が最密充填構造をしている場合)を越えたW/I2型高内相比乳化の形成が可能であり、分散相である水性成分の含有率を自在に変えることが可能である。
【0029】
また、本発明のゲル状組成物を香粧品分野で使用する場合、両親媒性化合物として親油基の主鎖をシリコーンオイルとしたシリコーン系界面活性剤を使用することにより、界面活性剤由来の肌へのべとつきや刺激等がなく、さらりとした使用感を得ることが可能である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲル状組成物、特にW/O型乳化ゲル状組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゲル状組成物は、水性ゲルと油性ゲルとに大別される。これらのうち水性ゲルは、水溶性化合物のゲル化能を利用する場合が多く、水分を多量に含んでいるため水々しく清涼感があり、化粧水、ローション、ヘアジェル、クリーム、芳香剤、消臭剤または軟膏などに代表される香粧品に利用されている。一方、油性ゲルは、界面活性剤のゲル化能や液晶構造を利用してW/O型乳化させたものが多く、油溶性成分が連続相であるため、マッサージローション、エモリエントローションあるいはUVケア化粧品などとして用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般的に上記のW/O型乳化ゲルは、安定なゲルを得ることが難しく、安定性領域が狭いという問題点があった。そこで、W/O型乳化ゲルの安定性を良くするため、連続相である油溶性成分の配合量を多くすることにより粘性を上げて安定なW/O型乳化ゲルを得る手法が取られている。しかしながら、油溶性成分の配合量を増やすと、ぬるぬるした感触で使用感が良くないという問題点があった。
【0004】
本発明の目的は、安定性が高く、保存安定性に優れ、使用感が良好であるW/O型乳化ゲル状組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するためのものであって、本発明のゲル状組成物は、(c)両親媒性化合物と(d)アルコールまたは多価アルコールを含有するゲル状組成物において、該両親媒性化合物の自己組織体が逆キュービック相を形成しているゲル状組成物であり、さらには(a)油性成分、(b)水性成分、(c)両親媒性化合物、および(d)アルコールおよび/または多価アルコールを含有し、該両親媒性化合物の自己組織体が逆キュービック相を形成しているゲル状組成物である。
【0006】
さらに、本発明の好ましい態様として、そのゲル状組成物の(c)両親媒性化合物が親油性でHLB6以下のものが好ましく使用される。また、本発明の別の好ましい態様は、上記のゲル状組成物を含有する香粧品を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のゲル状組成物は、(c)両親媒性化合物と(d)アルコールまたは多価アルコールを含有するゲル状組成物において、その両親媒性化合物の自己組織体が逆キュービック相を形成しているゲル状組成物である。
【0008】
(c)両親媒性化合物(界面活性剤)が溶液中で形成する自己組織体には、ミセルとヘキサゴナル液晶との間に存在するディスコンティニュアス(discontinuous)キュービック、ヘキサゴナル液晶とラメラ液晶との間に存在するバイコンティニュアス(bicontinuous)キュービック、逆ミセルと逆ヘキサゴナル液晶との間に存在する逆型のディスコンティニュアス(discontinuous)キュービック、逆ヘキサゴナル液晶とラメラ液晶との間に存在する逆型のバイコンティニュアス(bicontinuous)キュービックなどが知られているが、本発明でいうところの逆キュービック相は、それらのうちの逆型のディスコンティニュアス(discontinuous)キュービックを意味している。
【0009】
本発明で用いられる逆キュービック相が形成されていることを確認する手段としては、相平衡図上で逆ミセル相と逆ヘキサゴナル液晶相との間に存在すること、逆ミセルが立方晶に充填した規則構造をなしており等方性の液晶であるため、偏光板、偏光顕微鏡を用いて観察した場合、サンプルが偏光しない(光らない)こと、外観が透明で極めて粘性が高いこと、小角X線散乱測定による散乱ピークをもとに、横軸に(h2+k2+l2)1/2(ここで、h,k,lはミラー指数)、縦軸に(1/dhkl)(ここで、dhklは面間隔)をプロットすると直線関係が成立することなどが挙げられる。
【0010】
本発明で用いられる逆キュービック相の構造には、単純立方格子、体心立方格子および面心立方格子の3種類があり、それらは小角X線散乱測定により決定することができる。小角X線散乱測定から得られる散乱ピークのファーストピーク:セカンドピーク:サードピーク…の例としては、1:ルート(2/4):ルート(2/5):ルート(2/6):ルート(2/8)…(Pm3m空間群を持つ単純立方格子)、1:ルート(1/2):ルート(1/3):ルート(1/4):ルート(1/5)…(Im3m空間群を持つ体心立方格子)、1:ルート(3/8):ルート(3/11):ルート(3/12):ルート(3/16)…(Fd3m空間群を持つ面心立方格子)等が挙げられる。これらは、消滅則により全てのピークが得られる訳ではない。
【0011】
本発明で用いられる逆キュービック相を形成する(c)両親媒性化合物は、分子量が1000以上、100,000未満であり、HLB6以下の親油性の両親媒性化合物であることが好ましく、より好ましくは親油基の主鎖をシリコーンオイルとしたシリコーン系界面活性剤である。その他に本発明で用いられる(c)両親媒性化合物としては、例えば、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン縮合物等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などに代表されるポリエーテル変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、アミノ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル・アラルキル・ポリエーテル変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0012】
これらの両親媒性化合物は、1種類あるいは2種類以上の混合物であってもよく、さらに、逆キュービック相の形成を妨げない範囲において、他の非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤あるいは両性界面活性剤を混合して用いることができる。これらの他の界面活性剤は、(c)両親媒性化合物に対して好ましくは0.1〜95重量%配合されうる。
【0013】
本発明において、2種類以上の両親媒性化合物を混合して用いる場合は、混合により得られたHLB値が6以下であるものが好ましい。
【0014】
本発明で用いられる(c)両親媒性化合物は、(a)油性成分に対して20重量%以上配合される。油性成分に対して両親媒性化合物が20重量%未満では、逆キュービック相が形成され難いため、本発明で意図するゲル状組成物を得ることができ難い。
(c)両親媒性化合物の(a)油性成分に対するより好ましい配合割合は、40〜100重量%である。
【0015】
本発明で用いられる(d)アルコールおよび多価アルコールは、ゲル状組成物の安定性向上、透明性向上等の目的で配合しており、あらゆるアルコールおよび多価アルコールを用いることができる。例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、アラキルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オリーブ油アルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、側鎖高級アルコール混合物、デシルテトラデカノール、ハイドロアビエチルアルコール、ヒマシ油アルコール、ヘキシルデカノール、ヘプチルウンデカノール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、アルキレングリコール、エイコサングリコール、エチレングリコール、オクタコサングリコール、オクタデカングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、テトラコサングリコール、テトラメチルトリヒドロキシヘキサデカン、ドコサングリコール、トリエチレングリコール、1.3−ブチレングリコーール、プロピレングリコール、ヘキサコサングリコール、ヘキサデカングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビット、マルチトール、D−マンニット等の糖・糖アルコール等を挙げることができる。これらのアルコールおよび多価アルコールは、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0016】
本発明で用いられる(d)アルコールまたは多価アルコールは、(b)水性成分に対して好ましくは0.1〜80重量%配合される。(b)水性成分に対して(d)アルコールまたは多価アルコールが0.1重量%未満では、ゲル状組成物の安定性向上、透明性向上等の目的を達成し難く、一方、80重量%を超えると、ゲル状態の悪化を伴い、ゲル状組成物を得ることができ難い。(d)アルコールまたは多価アルコールの(b)水性成分に対するより好ましい配合割合は、1〜15重量%である。
【0017】
本発明で用いられる(a)油性成分は、油脂、疎水性溶剤、油溶性成分などからなり、ゲル状組成物の用途に応じて、あらゆる油性成分を配合することができる。具体的には、高級脂肪酸炭化水素類、動植物性油脂類、高級脂肪酸、合成エステル油、グリコール高級脂肪酸エステル、シリコーンオイル等、例えば、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n−ヘキサデカン、流動パラフィン、スクワラン、菜種油、オリーブ油、ひまし油、ホホバ油、オレイン酸、各種精油類、各種合成香料等を挙げることができる。これらの油性成分は、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0018】
本発明で用いられる(b)水性成分もまた、ゲル組成物の用途に応じて、あらゆる水性成分を配合することができる。
【0019】
本発明における水性成分とは、水および水溶性成分であって、水溶性成分としては親水性であれば特に限定されないが、例えば、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、植物エキス等の保湿剤、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、セルロース誘導体、ペクチン等の水溶性高分子化合物などが挙げられる。
【0020】
また、(b)水性成分の配合量は、最終ゲル状組成物にして好ましくは10〜99重量%、より好ましくは40〜95重量%である。
【0021】
本発明のゲル状組成物の製造方法の例を以下に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。(d)アルコールおよび/または多価アルコールを(a)油性成分、あるいは(b)水性成分へ溶解させ、アルコールおよび/または多価アルコール入りの油性成分、水性成分を調整する。油性成分、一部の水性成分、(c)両親媒性化合物を高温で混合攪拌し、逆キュービック相を得る。ここに、残りの水性成分を徐々に加えながら加熱攪拌を繰り返すことにより、W/O型乳化ゲル状組成物を得る。
【0022】
本発明のゲル状組成物においては、本発明の目的を達成する範囲で他の成分を適宜配合することが出来る。すなわち、このような成分として、香粧品に一般に使用される香料、薬剤、防腐剤、着色料、保湿剤、紫外線吸収剤、高分子化合物、キレート剤、植物抽出物、安定化剤、エッセンシャルオイル、ワックス、脂肪酸およびそのアルコールとのエステル、ビタミン類、抗酸化剤、炭化水素類、保存料、殺菌剤および消臭剤等が挙げられる。
【0023】
本発明のゲル状組成物は、香粧品に好適に適用される。本発明でいう香粧品としては、洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、美容液、練り香水などの化粧品、入浴剤、軟膏、エモリエントクリームなどのスキンケア製品、シャンプー、リンス、トリートメント、ヘアジェル、ヘアワックス、石鹸、ボディソープなどのトイレタリー製品、芳香剤、消臭剤、洗剤、柔軟剤などのハウスホールド製品が挙げられる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下の実施例1は化粧品用基剤、実施例2および比較例1は芳香剤用基剤に適用した例である。以下の例において、「ゲルの様子」の評価は、生成したゲル状組成物を室温で逆さにした場合、その状態を目視観察し、○:変化なし、△:徐々にゲルが流れる、×:直後にゲルが流れるの3段階で評価した。また、ゲル状組成物の「保存安定性」の評価は、室温にて1ヶ月間静置させたゲル状組成物の分離の有無を目視観察することにより行った。
【0025】
(実施例1、2)
下記の表1に示す成分と配合量(重量%)に従い、グリセリン(関東化学株式会社、特級)とイオン交換水を混合し、グリセリン水溶液を調整した。次に、ポリエーテル変性シリコーンオイルSH−3775M(商品名、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、HLB=5.0)12%、オクタメチルシクロテトラシロキサンSH244(商品名、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)4%(実施例1)あるいはオレンジ香料(曽田香料株式会社)4%(実施例2)、グリセリン水溶液10%を容器に秤量し、約100℃に加熱しつつ撹拌して逆キュービック相を得た。逆キュービック相が形成されていることは、(1)偏光板を用いて観察した場合、サンプルが偏光しない(光らない)、(2)外観が透明で極めて粘性が高い、(3)小角X線散乱測定による散乱ピークをもとにミラー指数(hkl):(111)、(220)、(301)が決定され、横軸に(h2+k2+l2)1/2、縦軸に(1/dhkl)(ここで、dhklは面間隔)をプロットしたところ直線関係が成立したことより確認した。これに、残りのグリセリン水溶液74%を徐々に添加しながら加熱撹拌を繰り返し、W/O型乳化ゲル状組成物を得た。得られたゲル状組成物を、上に記載の方法でゲルの様子、保存安定性を評価した。結果を表1に示す。
【0026】
(比較例1)
下記の表1に示す成分と配合量(重量%)に従い、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(2EO) MYO−2(商品名、日光ケミカルズ株式会社、HLB=4.5)12%とオレンジ香料(曽田香料株式会社)4%、イオン交換水84%を容器に秤量し、約80℃で加熱撹拌を繰り返し、W/O型乳化ゲル状組成物の生成を試みた。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】
本発明のゲル状組成物は、逆キュービック(I2)相(油相)にアルコールまたは多価アルコールを含む水性成分を安定に分散させたW/O型乳化ゲルであり、極めて安定性に優れたものであって、W/O型乳化ゲルでありながら、粘性の高い逆キュービック(I2)相が連続相であるため、高粘性で安定なW/I2型乳化ゲルの形成が可能である。しかも、水性成分の含有率の低いW/I2型乳化ゲルのみでなく、水性成分の体積分率が0.74(乳化滴が最密充填構造をしている場合)を越えたW/I2型高内相比乳化の形成が可能であり、分散相である水性成分の含有率を自在に変えることが可能である。
【0029】
また、本発明のゲル状組成物を香粧品分野で使用する場合、両親媒性化合物として親油基の主鎖をシリコーンオイルとしたシリコーン系界面活性剤を使用することにより、界面活性剤由来の肌へのべとつきや刺激等がなく、さらりとした使用感を得ることが可能である。
Claims (5)
- (c)両親媒性化合物と(d)アルコールまたは多価アルコールを含有するゲル状組成物において、該両親媒性化合物の自己組織体が逆キュービック相を形成していることを特徴とするゲル状組成物。
- (a)油性成分、(b)水性成分、(c)両親媒性化合物、および(d)アルコールおよび/または多価アルコールを含有し、該両親媒性化合物の自己組織体が逆キュービック相を形成していることを特徴とするゲル状組成物。
- (c)両親媒性化合物が親油性であり、かつHLB6以下であることを特徴とする請求項1または2記載のゲル状組成物。
- (c)両親媒性化合物の含有量が、油性成分に対して20重量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゲル状組成物。
- 請求項1乃至4に記載のゲル状組成物を含有することを特徴とする香粧品。
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