JP2004009782A - 弾性係留索 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中心部に円柱形状の芯弾性体1を有するとともに、その外周に円柱軸方向と角度を持って巻き付けられた補強糸2Aからなる補強糸層2を有し、引張力を受けた時に補強糸層2が芯弾性体1を締め付けて引張反力を発生する弾性係留索であって、補強糸層2を構成する補強糸2Aが隙間を持って巻き付けられ、その間に糸隙間弾性体3が存在する弾性係留索。なお、芯弾性体1の円柱軸方向の少なくとも一方端部に硬質円柱部材6を挿入することが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浮き桟橋等を碇係する弾性係留索に関するものであり、特に、エネルギー蓄積能力が大きく、伸び限界の大きい弾性係留索に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浮き桟橋等の浮体が波浪を受けた場合や潮位が変化した場合に、浮体を水面と平行に保つとともに、水平方向に移動しないようにするため、浮体を固定する弾性係留索が設置されている。この弾性係留索は2m〜5m程度の長さで、浮き桟橋等の浮体と海底のアンカーとを結ぶロープの中間に設置され、浅水深以外では一般に建設費用が鋼管杭方式と比べて安く、浮体の移設や撤去が容易で、流れ等の外力による移動量がチェーン係留方式と比べて小さく、波浪や歩行による揺れが鋼管杭方式と比べて小さく、水域の占有面積が少なく、しかも水面の景観がフラットになるという特徴がある。
【0003】
図7は、このような弾性係留索の従来例を示す斜視図であり、中心部に円柱形状の芯弾性体21を有するとともに、その外周に円柱軸方向と角度を持って隙間無く巻き付けられた補強糸22A,22Bからなる補強糸層22を有している。そして、引張力を受けた時に、補強糸層22が芯弾性体21を締め付けて引張反力を発生するものである。
【0004】
ここで、波浪や風等で浮体が移動した時には、弾性係留索は伸びるとともに、伸びに比例して増加する引張反力で浮体を元の位置に引き戻す作用をする。すなわち、バネとして作用するのである。従って、一般のバネと同様、弾性係留索はこのエネルギー蓄積能力の大きさが基本性能となる。また、弾性係留索は、異常潮位、異常波浪等の自然現象によって大きく伸ばされることがある。従って、この大きな伸び変形の時に壊れないということも重要な基本性能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示す従来例の弾性係留索は、このような基本性能の面で未だ十分なものとはいえず、基本性能の更なる向上が要望されている。また、従来例の弾性係留索では定期的なメンテナンスが必要であり、異常潮位の後等には破断の異常がないかを潜水作業で検査している。この検査には、2m以上の弾性係留索全体にわたって蛎殻等の付着物の剥離作業が必要であり、この付着物剥離作業には多大の手間がかかっている。
【0006】
そこで本発明は、エネルギー蓄積能力が大きく、しかも伸び限界の大きい弾性係留索を提供し、更には、付着物剥離作業を軽減することができる弾性係留索を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであって、その要旨は、中心部に円柱形状の芯弾性体を有するとともに、その外周に円柱軸方向と角度を持って巻き付けられた補強糸からなる補強糸層を有し、引張力を受けた時に補強糸層が芯弾性体を締め付けて引張反力を発生する弾性係留索であって、補強糸層を構成する補強糸が隙間を持って巻き付けられ、その間に糸隙間弾性体が存在する弾性係留索に係るものである。
【0008】
そして好ましくは、補強糸層が円柱軸方向に対称に巻き付けられた2組の補強糸からなっていて、より好ましくは、補強糸層を構成する補強糸の巻き付け角度が65°以上90°未満であり、補強糸層の部分を円筒とした場合の表面積で、糸隙間弾性体が20%以上の割合で存在する弾性係留索に係るものである。ここで、補強糸層を構成する補強糸は、15cN/Dtex以上の高強度繊維であることが好ましい。
【0009】
また、補強糸層は複数とすることもでき、その場合、上下の補強糸層の間に中間弾性体を有するようにすることが好ましく、補強糸層の最外周には被覆弾性体を有するようにすることが好ましい。更に、芯弾性体の円柱軸方向の少なくとも一方端部に硬質円柱部材を挿入することが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の弾性係留索は、中心部に円柱形状の芯弾性体を有するとともに、その外周に円柱軸方向と角度を持って巻き付けられた補強糸からなる補強糸層を有しており、引張力を受けた時に補強糸層が芯弾性体を締め付けて引張反力を発生する弾性係留索である。
【0011】
この点について詳述すると、補強糸層の内側の体積をS、芯弾性体の円柱軸方向に対する補強糸の巻き付け角度をθ、常数をkとしたとき、体積Sは、S=k(sinθ)2・cosθ で示される。ゆえに体積Sの極大値は、sin−1θ=(2/3)1/2の時で、巻き付け角度θ=54.73°である。すなわち、体積Sが巻き付け角度θ=54.73°で極大値を示す。
【0012】
このことから明白なように、補強糸の巻き付け角度θを55°以上にして編み上げた補強糸層は、円柱軸方向の引張力を受けると巻き付け角度θが小さくなって補強糸層内の体積Sが増加するので、補強糸層の内側の芯弾性体との関係で考えると、まずは緩んだ状態となる。そして、巻き付け角度θ=54.73°で最も緩んだ状態となり、更に巻き付け角度θが小さくなっていくと今度は体積Sも減少していく。最後に体積Sが減少して芯弾性体との緩みが無くなったところまでいくと、芯弾性体に対して補強糸層の強い締め付け力が発生し、引張反力となるのである。
【0013】
この辺りの関係は、本発明の弾性係留索も従来例のものもほぼ同様である。しかしながら、図7に示す従来例の弾性係留索は、補強糸層が芯弾性体の全周を囲う構造であり、芯弾性体の外周に補強糸が隙間無く巻き付けられている。そのため、従来例の弾性係留索が引張力を受けると、補強糸層の緩みが無くなるまでは芯弾性体の単純な引張反力と一部補強糸とのズレ応力で芯弾性体がバネの作用をする。
【0014】
次に、補強糸層の緩みが無くなったところから、今度は補強糸層の体積Sの減少による芯弾性体への締め付け圧縮力が発生するが、弾性体の体積弾性率は非常に大きく、圧縮力を受けても体積は変化しにくい。このため、全周を補強糸で隙間無く覆われた芯弾性体の圧縮反力は急激に増加する。そして、この増加した圧縮反力が補強糸層を内側から押し広げる。この押し広げ力により、補強糸層は体積Sが増加する方向の力、すなわち、補強糸の巻き付け角度θを大きくして円柱軸方向に縮もうとする力を受け、この縮み方向の力が芯弾性体単体の場合には無い強い引張反力となる。
【0015】
一方、本発明の弾性係留索は、補強糸層を構成する補強糸が隙間を持って巻き付けられ、その間に糸隙間弾性体が存在する。そのため、巻き付け角度θが54.73°よりも大きい場合に弾性係留索が引張力を受けると、体積Sの減少と同時に補強糸の巻き付け角度が小さくなり、かつ、糸隙間弾性体が変形するため、糸隙間弾性体の変形に伴う応力が発生する。従って、従来例の弾性係留索が芯弾性体の単純な引張反力と一部補強糸とのズレ応力のみを利用していたのに対し、本発明の弾性係留索ではこの2つに加え、糸隙間弾性体の変形応力を新しい反力として利用できるのである。
【0016】
次に、補強糸層の緩みが無くなったところから、補強糸層の体積Sの減少による芯弾性体への締め付け圧縮力が発生するが、本発明の弾性係留索にあっては、芯弾性体の圧縮反力によって、芯弾性体が補強糸の隙間に剪断変形しながら入り込む。また、この空間にあった糸隙間弾性体は、外側に剪断変形しながらはみだす。ここで、弾性体は剪断変形しながらエネルギーを蓄積する。従って、従来例の弾性係留索が芯弾性体の単純な伸び変形と補強糸の伸び変形とでエネルギーを蓄積していたのに対し、本発明の弾性係留索ではこの2つに加え、弾性体の剪断変形エネルギーを新たなエネルギーとして蓄積できるのである。しかも、補強糸には芯弾性体の急激な圧縮反力の上昇による張力がかからないので、破断しにくくなるのである。
【0017】
なお、補強糸層を構成する補強糸は、編み上げ構造の場合には、当然ながら円柱軸方向に対称に巻き付けられた2組の補強糸からなるが、スパイラル構造の場合であっても、ねじれ防止等の観点から、対称に巻き付けられた2組の補強糸とすることが好ましい。
【0018】
また、補強糸層を構成する補強糸の巻き付け角度θは、65°以上90°未満とすることが好ましい。初期の巻き付け角度θが65°の場合には、約90%伸びた時に巻き付け角度θが約44°になって芯弾性体への強い締め付け圧縮力発生し、巻き付け角度θが65°以上であれば、エネルギー蓄積能力を十分に大きく、しかも伸び限界を十分に大きくできることが確かめられているからである。なお、θ=90°では巻き付けられないので、巻き付け角度θは90°未満としている。但し、円柱軸方向に対して時計回りの角度とするか、反時計回りの角度とするかは問わない。
【0019】
一方、糸隙間弾性体の割合は、補強糸層の部分を円筒とした場合の表面積で、20%以上存在することが好ましい。20%未満では糸隙間弾性体の存在による効果が十分に得られないからである。なお、糸隙間弾性体は補強糸の間に存在するものであるから100%は有り得ず、上限を規定しなくても明確であるが、補強糸が少な過ぎると引張強度が弱くなるので、50%以下が好ましい。また、糸隙間弾性体は、芯弾性体と別体のものを芯弾性体に接着させても、芯弾性体と一体化したものであってもよい。
【0020】
このように、糸隙間弾性体の割合が多くなると相対的に補強糸が少なくなり、引張強度が弱くなる。そして、本発明の弾性係留索は糸隙間弾性体が必須である以上、従来例の弾性係留索よりも引張強度の面で問題が生じる。すなわち、糸隙間弾性体の面積を増やすには、補強糸の面積を減らさなければならないが、従来例で使用されているポリエステル繊維の強度では糸が太くなってしまう。
【0021】
そこで、補強糸層を構成する補強糸は、15cN/Dtex以上の高強度繊維とすることが好ましい。このような高強度繊維として、例えば、アラミド繊維、炭素繊維、高強力PE、ポリアリレート繊維、ケブラー繊維等がある。
【0022】
また、補強糸層は1層でもよいが、2層以上の複数とすることもできる。この場合、上下の補強糸層の間(3層以上の場合には補強糸層間の全て)に中間弾性体を設けることが好ましい。中間弾性体によって、エネルギー蓄積能力を増加させることができるからである。
【0023】
更に、補強糸層の最外周に、被覆弾性体を設けることが好ましい。外傷防止が主目的であるが、被覆弾性体が糸隙間弾性体と接着等によって一体化されると、糸隙間弾性体の弾性向上の役割も兼ねるからである。
【0024】
以上のことは、エネルギー蓄積能力を大きく、しかも伸び限界を大きくすることに関するものであるが、従来例の弾性係留索がメンテナンス性に問題があることは既に述べた通りである。
【0025】
そこで、メンテナンス作業を軽減すべく、芯弾性体の円柱軸方向の少なくとも一方端部に硬質円柱部材を挿入することが好ましい。すなわち、硬質円柱部材が挿入された弾性係留索を引っ張ると、硬質円柱部材の存在によってその部分の補強糸層の径だけが細くならず、太いままとなる。この際、芯弾性体からの圧縮反力は、硬質円柱部材の挿入されていない部分と同様に増加するので、一本あたりの補強糸にかかる張力は硬質円柱部材の部分だけ大きくなる。すると、破断は必ずこの部分から発生するようになる。従って、メンテナンスの際に弾性係留索の全長にわたって蛎殻等の付着物の剥離作業をする必要がなくなり、この部分だけで足りるようになる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施の形態の具体例を図面により説明する。図1は、本発明の弾性係留索の第1実施例を示す斜視図である。図1に示す第1実施例の弾性係留索は、中心部に円柱形状の高弾性ゴムからなる芯弾性体1を有し、その外周に円柱軸方向に対称に巻き付けられた2組の補強糸2A,2Bからなる補強糸層2を有するものである。
【0027】
この補強糸層2を構成する補強糸2A,2Bは、15cN/Dtex以上の高張力のアラミド繊維であり、円柱軸方向との巻き付け角度θは75°である。また、補強糸2A,2Bは隙間を持って巻き付けられ、その間に高弾性ゴムからなる糸隙間弾性体3が存在している。糸隙間弾性体3の割合は、補強糸層2の部分を円筒とした場合の表面積で20%となっている。
【0028】
ここで、第1実施例の弾性係留索では糸隙間弾性体3の面積が20%あり、その分だけ補強糸2A,2Bの面積が減っている。補強糸2A,2Bが少なくなると補強糸層2の強度に影響するので、糸隙間弾性体3が存在しない場合と同じ強度を確保するには、従来から使用されているポリエステル繊維の強度では糸が太くなり、設計が非常に困難になる。そこで、第1実施例の弾性係留索では補強糸2A,2Bの材質に15cN/Dtex以上の高張力のアラミド繊維を用い、細い糸でも同一強度が確保されるようにしている。なお、炭素繊維、高強力PE、ポリアリレート繊維、ケブラー繊維等、15cN/Dtex以上の強度の他の繊維を用いても同様の効果が得られる。
【0029】
また、変形時に剥離を起こさずに変形エネルギーを蓄積する目的で、糸隙間弾性体3と芯弾性体1とを接着しており、糸隙間弾性体3は芯弾性体1とつながった構造になっている。弾性体と弾性体の接着は、糸と弾性体の接着よりも強い接着強度を得やすいので、強固な構造を作りやすいという効果もある。
【0030】
図2は、第1実施例の弾性係留索に引張力が作用した場合の状況を示す拡大図である。引張力が作用すると、芯弾性体1の圧縮反力によって、芯弾性体1が補強糸2Aの隙間に剪断変形しながら入り込む。また、この空間にあった糸隙間弾性体3は、外側に剪断変形しながらはみだす。ここで、芯弾性体1及び糸隙間弾性体3は剪断変形しながらエネルギーを蓄積する。従って、第1実施例の弾性係留索は、大きなエネルギー蓄積能力が得られるのである。
【0031】
図3は、本発明の弾性係留索の第2実施例を示す断面図である。図3に示す第2実施例の弾性係留索は、第1実施例に対し、糸隙間弾性体3の面積を30%、補強糸層2を2層とし、上下の補強糸層21,22の間に高弾性ゴムからなる中間弾性体4を設けるとともに、最外周に高弾性ゴムからなる被覆弾性体5を設けたものであり、他の構造、材質は第1実施例と同様である。第2実施例の弾性係留索は、第1実施例よりも変形エネルギーの蓄積能力を大きくしたもので、補強糸層2を3層以上の多層構造としても効果がある。
【0032】
また、変形時に剥離を起こさずに変形エネルギーを蓄積する目的で、補強糸層21と中間弾性体4、補強糸層22と芯弾性体1とを接着している。更に、被覆弾性体5は外傷防止が主目的であるが、補強糸層21の糸隙間弾性体と接着されていて、糸隙間弾性体の弾性向上の役割も兼ねている。
【0033】
そして、第2実施例の弾性係留索には、芯弾性体1の円柱軸方向の一方端部に金属製の硬質円柱部材6が挿入されている。この硬質円柱部材6は、弾性係留索の取付金具を延長した形状で、芯弾性体1に開けた穴に差し込み、金具外周をプレスで潰して固定してある。なお、硬質円柱部材6の先端の円錐部分6Aは、引っ張られた時に弾性係留索の変形が急激に起こらないようにする目的で設けたガイド部である。
【0034】
この第2実施例の弾性係留索について引張破断試験を実施したところ、必ず硬質円柱部材6の部分から破断した。一方、従来例では弾性係留索のどこから破断するのか分からなかった。この結果から、異常潮位の後等にはこの端部の部分だけを検査すれば、弾性係留索に破断の異常があるかどうかを判別できることになる。従って、従来は弾性係留索の全体を清掃し、検査していたところ、第2実施例の弾性係留索では端部の清掃、検査だけで足りることになり、メンテナンスの際の付着物の剥離作業が大幅に軽減される。
【0035】
図4及び図5は、第2実施例の弾性係留索の設置例を示す図である。図4及び図5に示すように、弾性係留索11は、浮き桟橋等の浮体12と海底のアンカー13とを結ぶロープ14の中間に設置されており、浮体12が波浪を受けた場合や潮位が変化した場合に、浮体12を水面に平行に保つとともに、水平方向に移動しないよう固定している。ここで、弾性係留索11は20mm径であり、5000Nから10000Nの引張破断荷重を有している。すなわち、弾性体であるゴム単体の係留索が1000N以下の引張力で破断するところ、本発明の弾性係留索11は5倍から10倍の引張破断荷重になっている。
【0036】
図6は、本発明の弾性係留索と従来例との性能測定結果を示す図である。同一寸法、同一破断強度での比較となるように、補強糸の破断強度を同一、補強糸層もそれそれ2層構造で同一、外径も20mmで同一にした弾性係留索を、糸隙間弾性体のない従来品、糸隙間弾性体の面積が20%の発明品、糸隙間弾性体の面積が30%の発明品の別に性能比較を行った。
【0037】
その結果、従来品が伸び量100%で補強糸の破断に至ったのに対し、糸隙間弾性体の面積が20%の発明品では破断伸び量が120%、糸隙間弾性体の面積が30%の発明品では破断伸び量が140%に向上した。また、破断までのエネルギー蓄積能力は、引張力×変位の積分値で示され、図6の曲線下の面積となるが、糸隙間弾性体面積20%のもので約1.3倍、面積30%のもので約1.7倍となった。
【0038】
【発明の効果】
本発明の弾性係留索は、特徴的に、補強糸層を構成する補強糸が隙間を持って巻き付けられ、その間に糸隙間弾性体が存在するので、エネルギー蓄積能力が大きく、しかも伸び限界の大きい弾性係留索とすることができる。また、芯弾性体の円柱軸方向の少なくとも一方端部に硬質円柱部材を挿入した場合には、付着物剥離作業を大幅に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の弾性係留索の第1実施例を示す斜視図である。
【図2】図2は、第1実施例の弾性係留索に引張力が作用した場合の状況を示す拡大図である。
【図3】図3は、本発明の弾性係留索の第2実施例を示す断面図である。
【図4】図4は、第2実施例の弾性係留索の設置例を示す斜視図である。
【図5】図5は、第2実施例の弾性係留索の設置例を示す正面図である。
【図6】図6は、本発明の弾性係留索と従来例との性能測定結果を示す図である。
【図7】図7は、従来の弾性係留索を示す斜視図である。
【符号の説明】
1‥芯弾性体
2‥補強糸層
21‥上の補強糸層
22‥下の補強糸層
2A,2B‥補強糸
θ‥巻き付け角度
3‥糸隙間弾性体
4‥中間弾性体
5‥被覆弾性体
6‥硬質円柱部材
6A‥円錐部分
11‥弾性係留索
12‥浮体
13‥アンカー
14‥ロープ
21‥芯弾性体
22‥補強糸層
22A,22B‥補強糸
Claims (7)
- 中心部に円柱形状の芯弾性体(1)を有するとともに、その外周に円柱軸方向と角度を持って巻き付けられた補強糸(2A)からなる補強糸層(2)を有し、引張力を受けた時に補強糸層(2)が芯弾性体(1)を締め付けて引張反力を発生する弾性係留索であって、補強糸層(2)を構成する補強糸(2A)が隙間を持って巻き付けられ、その間に糸隙間弾性体(3)が存在することを特徴とする弾性係留索。
- 補強糸層(2)が円柱軸方向に対称に巻き付けられた2組の補強糸(2A,2B)からなることを特徴とする請求項1に記載の弾性係留索。
- 補強糸層(2)を構成する補強糸(2A)の巻き付け角度(θ)が65°以上90°未満であり、補強糸層(2)の部分を円筒とした場合の表面積で、糸隙間弾性体(3)が20%以上の割合で存在することを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性係留索。
- 補強糸層(2)を構成する補強糸(2A)が15cN/Dtex以上の高強度繊維であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の弾性係留索。
- 補強糸層(2)が複数あり、上下の補強糸層(21,22)の間に中間弾性体(4)を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の弾性係留索。
- 補強糸層(2)の最外周に被覆弾性体(5)を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の弾性係留索。
- 芯弾性体(1)の円柱軸方向の少なくとも一方端部に硬質円柱部材(6)が挿入されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の弾性係留索。
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