JP2004009673A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱負荷によって生じる被記録媒体の寸法変化による目標画像と最終的に被記録媒体に定着された定着画像との間の印刷品質上問題となるズレに注目し、このようなズレにも係わらず高品質な印刷物を作製する。
【解決手段】画像データから作成されたプリントデータに基づいて駆動制御されるプリントユニットPUによって画像を被記録媒体1に形成するとともに熱エネルギによって前記画像を被記録媒体に定着させる画像形成装置。この画像形成装置には前記熱エネルギによる前記被記録媒体1の縦方向又は横方向あるいは両方向における寸法変化の結果生じる目標画像と定着画像との間のズレを補償する変形補償部90が備えられている。
【選択図】 図7
【解決手段】画像データから作成されたプリントデータに基づいて駆動制御されるプリントユニットPUによって画像を被記録媒体1に形成するとともに熱エネルギによって前記画像を被記録媒体に定着させる画像形成装置。この画像形成装置には前記熱エネルギによる前記被記録媒体1の縦方向又は横方向あるいは両方向における寸法変化の結果生じる目標画像と定着画像との間のズレを補償する変形補償部90が備えられている。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データから作成されたプリントデータに基づいて駆動制御されるプリントユニットによって画像を被記録媒体に形成するとともに熱エネルギによって前記画像を被記録媒体に定着させる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上述したような画像形成装置では、被記録媒体に画像を形成するプリント工程に被記録媒体に熱を付与するサブ工程が含まれる。例えば、特開平10−16188号公報から知られている画像形成装置では、熱転写シートにインクジェットプリンタ等でまず一次画像を形成し、次いで画像が形成された熱転写シートを被記録シートに重ね合わせて加圧・加熱を施すことにより、熱転写シートに形成されていた画像(インク)を被記録シートのインク定着層に熱昇華転写して被記録シートに二次画像を形成して、最終的な印刷物を得る。
【0003】
また、特開平10−230589号公報から知られている画像形成装置では、被記録シートのインク定着層にあらかじめラミネート材層を設けておき、このラミネート材層上からインクジェットプリンタ等で画像形成を行い、その後加熱ローラを通じて加圧・加熱することによりラミネート材層を透明化するとともにインク色素を定着層に定着させて、最終的な印刷物を得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
いずれにせよ、被記録媒体(シート)は必ず熱負荷を受けることになるので、この熱負荷により被記録媒体の寸法の変化の原因となる熱収縮ないしは熱膨張が生じてしまう。このような寸法変化は、第1に、画像データの作成時に算定されている目標の画像寸法と最終的に得られた印刷物との間でその画像寸法が異なるという結果をもたらす。
得られた印刷物が他の印刷物やオブジェなどと組み合わされて使用される場合、変形率がわずかであっても、印刷物が大型であれば組み合わせ位置のズレ(例えばトンボの位置ズレ)が無視できなくなる。
【0005】
また、プリントヘッドとして面積階調で色濃度を表すようなインクジェット方式などを採用している場合、プリントすべき画像や寸法変化の度合いによっては、インクドットによる画像形成後の被記録媒体の変形により色濃度が変化する可能性がある。つまり、被記録媒体が熱収縮した場合単位面積当たりの色素量が相対的に大きくなることで色濃度が濃くなったり、被記録媒体が熱膨張した場合単位面積当たりの色素量が相対的に小さくなることで色濃度が薄くなったりする。
【0006】
上述したように、本出願の発明者は被記録媒体に熱負荷を与える画像形成装置において、その熱負荷によって生じる被記録媒体の寸法変化による目標画像(画像データに忠実な画像)と最終的に被記録媒体に定着された定着画像との間の印刷品質上問題となるズレに注目し、このようなズレにも係わらず高品質な印刷物を作製することを本発明の課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、画像データから作成されたプリントデータに基づいて駆動制御されるプリントユニットによって画像を被記録媒体に形成するとともに熱エネルギによって前記画像を被記録媒体に定着させる、本発明の画像形成装置では、前記熱エネルギによる前記被記録媒体の縦方向又は横方向あるいは両方向における寸法変化の結果生じる目標画像と定着画像との間のズレを補償する変形補償部が備えられている。
【0008】
この構成では、本出願の発明者によって注目された熱負荷による被記録媒体の縦方向又は横方向あるいは両方向における寸法変化によって生じる目標画像と定着画像との間の印刷品質上問題となるズレを補償する変形補償部が新たに備えられた。これにより、使用する被記録媒体が画像形成前と画像形成後で寸法変化しても、目標画像と同一もしくは無視できる程度の差異しか示さない定着画像を得ることができた。
【0009】
目標画像と定着画像のズレのうち印刷品質上最も重要なものは画像寸法のズレである。このため最適な変形補償部はそのような画像寸法のズレを補償する機能を備えている。この画像寸法ズレ補償のための機能は、具体的には画像データを適切に補正することにより実現可能である。例えば、熱負荷による被記録媒体の寸法変化により定着画像が目標画像に較べて縦方向で2%、横方向で1%縮むとすれば、その画像データに画像拡大処理を施し、予め縮み代分だけ縦方向と横方向に拡大させておく。熱負荷によって被記録媒体が伸びる場合は逆に画像データに縮小処理を施せばよい。画像データの拡大縮小処理で必要となる再サンプリング時にはその都度画像に合った補間手法を用いるとよい。
【0010】
いずれにしても、そのような被記録媒体の縦方向又は横方向あるいは両方向における寸法変化は被記録媒体の種類(材質)及び付与される熱エネルギによって大きく異なる。この問題を簡単に解決するため、本発明の好適な実施形態では、前記変形補償部に種々の条件毎に前もって算定された補償用補正データがテーブル化して格納されている。使用する被記録媒体と付与する熱エネルギ(加熱温度や加熱時間)に基づいてこの補正テーブルから最適な補償用補正データを抽出して、変形補償のために用いることができる。
【0011】
被記録媒体の縦方向又は横方向あるいは両方向における寸法変化が日々の環境条件等によっても無視できない程度に変動する場合には、画像形成装置毎に独自のテストを通じて被記録媒体の寸法変化を測定する必要がある。このような測定を容易にするため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記被記録媒体の縦方向又は横方向あるいは両方向における寸法変化を求めるためのテスト用プリントデータが備えられている。この構成では、被記録媒体の寸法変化を測定するために適したテストパターンが画像として使用予定の被記録媒体上に形成されるので、熱負荷による被記録媒体の寸法変化、結果的にはその寸法変化に基づく目標画像と定着画像との間のズレを補償する補正データの作成が容易となる。
【0012】
また面積階調で色濃度を表すようなインクジェット方式などを採用している場合、目標画像と定着画像のズレのうち印刷品質上重要なものとして画像濃度のズレを挙げることができる。このため画像濃度のズレを補償する機能を変形補償部に備えることも利点がある。この画像濃度ズレは、被記録媒体が熱収縮した場合単位面積当たりの色素量が相対的に大きくなることで色濃度が濃くなったり、被記録媒体が熱膨張した場合単位面積当たりの色素量が相対的に小さくなることで色濃度が薄くなったりするが原因と考えられる。いずれにせよ、最終的な定着画像の濃度が濃くなる傾向がある場合予め画像データの濃度を薄くなるように、最終的な定着画像の濃度が薄くなる傾向がある場合予め画像データの濃度を濃くなるように、必要の場合特定色(RGB又はCMY)毎に補正を施すとよい。このような補正処理のための補正データも予め作成してテーブル化しておくと便利であるし、そのような濃度変化の測定に適したテストパターンデータを備えておくことも好都合である。
本発明によるその他の特徴及び利点は、以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるだろう。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明による画像形成装置で扱われる被記録媒体1の一例を図1を用いて説明する。この被記録媒体1はPET(ポリエチレンテレフタレート)等のフィルムシートからなる基材10の表面にウレタン樹脂等でインクつまりインク色素のための定着層11を形成し、さらにその上にインクを浸透させることができる浸透層としての表面層12を形成している。基材10の表面がインク色素を定着することができる性質を持っている場合、定着層11を省略することができる。この被記録媒体1の表面層12にインクジェットプリンタ等でインク滴を付与することで昇華前プリントドットによるプリント画像が形成された後、適正な温度に加熱されると表面層12に付与されていたインク滴(昇華前プリントドット)は昇華を始め、そのインク滴が表面層12を浸透して定着層11にインク色素が昇華後プリントドットとして昇華定着される。従って、表面層12を引き剥がすことにより、定着層11に昇華後プリントドットによって形成されたプリント画像をもつ非常に光沢感のある鮮やかな画像記録済みシートが最終印刷物100として得られる。つまり、この加熱昇華過程においては、昇華前プリントドットとして表面層12に付与されたインク色素が表面層12を浸透して定着層11に達し、そこで昇華後プリントドットとしてプリント画像を形成する。なお、この被記録媒体1では最終的に表面層12を定着層11又は基材10から引き剥がす必要があるのでそれらの間に易剥離剤を与えておくと好都合である。
【0014】
このような被記録媒体1を用いて最終印刷物100を作製する画像形成装置の一例を図2と図3を用いて説明する。この画像形成装置は、図2に示すようにプリントステーションPSとオペレートステーションOSとから構成されている。
【0015】
プリントステーションPSは、インクジェット式のプリントユニットPUと、このプリントユニットPUによって昇華前プリントドットによるプリント画像が形成された被記録媒体1を一時的に蓄えるループ形成ユニットRUと、このループ形成ユニットRUから送り込まれる被記録媒体1に熱エネルギを付与して昇華後プリントドットによって形成されたプリント画像を作り出す加熱定着ユニットHUとによって構成されている。その際、プリントユニットPUと加熱定着ユニットHUとの間に配置されたループ形成ユニットRUは、加熱定着ユニットHUにおける被記録媒体1の搬送速度がプリントユニットPUにおいて被記録媒体1の平均搬送速度より低速であるため、この速度差を吸収する目的を果たしている。なお、プリントユニットPUと、ループ形成ユニットRUと、加熱定着ユニットHUは互いに分離自在な連結されるユニットとして構成されている。この実施形態では、加熱定着ユニットHUにおける被記録媒体1の搬送速度は300mm/min程度であり、プリントユニットPUでの被記録媒体1の搬送速度はプリント時の画像データ(プリントデータ)の解像度や被記録媒体1の幅によって決まるものであるが、最低速度でも加熱定着ユニットHUにおける被記録媒体1の搬送速度より高速度となっている。
【0016】
図4から明らかなように、プリントユニットPUでは、ここでは図示されていないロールシートカートリッジに格納されているロール状に巻かれた被記録媒体1を巻き戻しながらプリント面であるその表面層12がプリントヘッドとしてのインクジェット式プリントヘッド2のインク吐出口側に来るように被記録媒体1がシート搬送機構6によって搬送される。プリントヘッド2は被記録媒体1の搬送方向に対して横断方向につまり主走査方向にヘッド送り機構3によって往復移動可能に支持されており、被記録媒体1の表面層12に吐出口からインクを吐出しながらのプリントヘッド2の主走査方向の移動毎に被記録媒体1が副走査方向に搬送されていくことによって順次プリント画像が形成されていく。カラープリント画像を形成するために異なる主要色を吐出可能な複数の吐出口モジュールがプリントヘッド2に用意されている。例えば、写真画質のカラープリント画像が要求される場合には、通常、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなどのインクに加え同色の濃淡インクが用いられる。プリントヘッド2としては汎用的なインクジェットプリンタに搭載されているものが流用されるので、ここではこれ以上の説明を省略する。プリントヘッド2から吐出されたインク滴2aによって表面層12にプリント画像を形成された被記録媒体1はプリントユニットPUを出て、ループ形成ユニットRUに入る。
【0017】
もともと長尺シートである被記録媒体1は、そこに形成されるプリント画像のサイズに合わせてカットする必要があるので、シートカッター手段5が備えられている。この実施形態では、シートカッター手段5は、プリントヘッド2に対して被記録媒体1の側に突出する位置と、被記録媒体1から離間する方向に退入する位置とに切換自在に備えた刃体51と、この刃体51の位置を、カム送りやネジ送り機構(図示せず)を介して切換える切換モータ52とを備えている。
【0018】
図3に模式的に示されているだけであるが、前記ループ形成トRUは、中央位置に3つの従動ローラ31を有したターンローラ32を備えると共に、このターンローラ32を基準にして搬送上手側の第1ループ形成機構30Aと、ターンローラ32を基準にして搬送下手側の第2ループ形成機構30Bと、これらの下方位置において被記録媒体1を受け止めるケース33とを備えている。
【0019】
前記ターンローラ32は、図示されていないモータで駆動され、このターンローラ32の外周に対して前記3つの従動ローラ31を圧接させることで、被記録媒体1を比較的大きい角度でターンローラ32に巻き付けて被記録媒体1の巻き癖を取り除き得るようにも機能する。前記第1ループ形成機構30Aは、プリントユニットPUの排出口から排出された被記録媒体1を下方に案内する導入ガイド34と、この導入ガイド34によって下方に案内された被記録媒体1を更に下方に案内する第1固定ガイド35と、この第1固定ガイド35に対向配置した第1可動ガイド36とから構成されている。この第1可動ガイド36はその上端部に設けられた揺動軸心周りで揺動自在であり、図示されていないモータによって第1可動ガイド36は実線で示された閉じ姿勢と、仮想線で示された開放姿勢とに揺動切換される。
【0020】
前記第2ループ形成機構30Bは、第1ループ形成機構30Aからターンローラ32を介して送られた被記録媒体1を前記加熱定着ユニットHUに案内する第2固定ガイド37と、この第2固定ガイド37に対向配置した第2可動ガイド38と、被記録媒体1を加熱定着ユニットHUに送る圧着型の供給ローラ39ととから構成されている。この第2可動ガイド38はその上端部に設けられた揺動軸心周りで揺動自在であり、図示されていないモータによって第2可動ガイド38は実線で示された閉じ姿勢と、仮想線で示された開放姿勢とに揺動切換される。
【0021】
このループ形成ユニットRUでは、被記録媒体1の搬送経路の各所に対して被記録媒体1の存否を判別するセンサ(図示せず)が配置されており、これらのセンサからの検出信号に基づいて以下に説明する制御が実行される。つまり、プリントユニットPUから被記録媒体1が排出されてきた場合には、第1可動ガイド36を閉じ姿勢に設定すると同時にターンローラ32を低速で回転させることにより、この被記録媒体1の先端を導入ガイド34からターンローラ32まで案内し、このターンローラ32と従動ローラ31とで被記録媒体1の先端部を圧着保持したことが確認されるとターンローラ32を停止させた後に、第1可動ガイド36を開放姿勢に切換えて、この第1ループ形成機構30Aの空間内に被記録媒体1を垂れ下がる形態で蓄える。次に、プリントユニットPUから送り出された被記録媒体1の後端を検出すると、第2可動ガイド38を閉じ姿勢に設定した状態でターンローラ32と、供給ローラ39との駆動を開始して、被記録媒体1の先端を第2ループ形成機構30Bの供給ローラ39まで送り、供給ローラ39で被記録媒体1の先端部を圧着して加熱定着ユニットHUにおける被記録媒体1の搬送速度と等しい速度で加熱定着ユニットHUに送込む作動を行いながら、第2可動ガイド38を開放姿勢に切換えた後に、ターンローラ32を高速回転させて第1ループ形成機構30Aに蓄えられた被記録媒体1を第2ループ形成機構30Bの空間内に被記録媒体1を垂れ下がる形態で蓄える制御が行われる。このように、第1ループ形成機構30Aの被記録媒体1が第2ループ形成機構30Bに送り出されると、プリントユニットPUからの被記録媒体1を前述と同様に第1ループ形成機構30Aに導入する制御が開始されるのである。
【0022】
図3で模式的に示されているように加熱定着ユニットHUは、本体ケース50の内部に、被記録媒体1を加熱する断熱材製の加熱ケース51と、この加熱ケース51に対して加熱空気を供給するよう加熱ケース51の上部位置に配置した断熱材製の送風ケース52と、この本体ケース50を支持する支持脚53とを備えている。前記加熱ケース51の内部に形成される加熱空間Rには被記録媒体1を搬送する加熱搬送機構54がシート搬送機構6の一部として配置されている。この加熱搬送機構54は、被記録媒体1の入り口側に設けられた圧着型の一対の導入ローラ54aと、この導入ローラ54aより搬送下手側位置に被記録媒体1の表裏両面に圧着して搬送する複数の搬送ローラ54bと、搬送方向での上手位置と下手位置との2箇所に被記録媒体1の下面に接触して被記録媒体1に熱を伝える一対のガイド体54cと、このガイド体54cの上方位置に対し被記録媒体1の上面に接触して搬送力を作用させる複数の上面接触ローラ54dとを備えている。さらに、前記ガイド体54cの下面側にこのガイド体54cを加熱するシートヒータ55と、このシートヒータ55の中央位置に対してガイド体54cの温度を計測するガイド温度センサSaが設けられている。
【0023】
前記送風ケース52の内部には、複数のロッド状に形成された電気ヒータ56と、加熱空気を送るよう被記録媒体1の幅方向と平行する姿勢の軸芯周りでファンを駆動するクロスフローファン57が設けられている。この送風ケース52の下面側で、クロスフローファン57の直下位置に加熱空気の吐出口Eを形成し、加熱搬送機構54における被記録媒体1の搬送経路の搬送上手位置に吸入口Fが形成されている。前記吐出口Eの開口部にはクロスフローファン57に対応して空気温度センサSbが配置されている。尚、空気温度センサSbで約180℃の温度を計測するよう対応する電気ヒータ56に供給する電力が制御され、搬送上手のガイド温度センサSaで約130℃の温度を計測し、搬送下手側のガイド温度センサSaで180℃の温度を計測するするよう夫々のシートヒータ55に供給する電力が制御される。
【0024】
そして、被記録媒体1の加熱時には、電気ヒータ56とクロスフローファン57を駆動することで、送風ケース52の内部で加熱された加熱空気を吐出口Eから加熱ケース51の内部空間における被記録媒体1の搬送方向の下手側位置に対して被記録媒体1の幅方向での全幅を超える幅で送り出し、この加熱空気を加熱空間Rにおいて被記録媒体1の搬送経路に沿って搬送上手側に向けて流動させ、被記録媒体1の搬送方向の上手位置から吸入口Fから送風ケース52の内部に吸引し、電気ヒータ56で加熱した後にクロスフローファン57に供給することで加熱空気を循環させる形態を実現している。
【0025】
加熱空間Rから送り出された被記録媒体1を受け止めるよう、図2、図3に示すように傾斜する姿勢の布製ストッカーシート58aからなるストッカー58が設けられている。このストッカーシート58aは、加熱定着ユニットHUで処理可能な被記録媒体1の最大幅より広い幅に設定されると共に、耐熱性に優れたポリエステル系の繊維に、静電気を除去するよう導電性を有する炭素繊維を織り込んで成り、このストッカーシート58aの上端が水平姿勢の支持ロッド58bにより支持され、その下端部が下端ロッド58cにより支持されている。下端ロッド58cの両端は加熱定着ユニットHUの支持脚53から延設したステー58dにより支持されている。これにより、ストッカーシート58aは、その下側ほど加熱定着ユニットHUから離間する方向に変位する傾斜姿勢となっている。加熱定着ユニットHUを通過してストッカー58に排出された被記録媒体1では、そのプリント画像を形成しているインク(色素)が定着層11に定着しているので、表面層12を剥離することによって、きれいに発色した画像を有する最終印刷物100が得られる。
【0026】
このプリントユニットPUで使用される昇華性インクは、前述したような被記録媒体1に付与された後行われる加熱昇華において、標準的には、80℃程度で昇華が始まり、180℃の加熱温度で2分程度の加熱時間により昇華定着状態が得られる。
【0027】
この加熱定着工程において被記録媒体1は急速にかなりの熱エネルギを受けることになる。その結果、その被記録媒体1の基材10がPET(ポリエチレンテレフタレート)等の合成樹脂材料から作られていることから、加熱定着ユニットHUに入る前の被記録媒体1と加熱定着ユニットHUから出てストッカー58に載置された被記録媒体1とではその寸法が異なっている。
【0028】
熱変形は材料によって種々であるが、典型的な例としてここでは熱収縮が生じるケースについて述べるが、この例では、図5で示しているように、加熱定着ユニットHUにおける加熱定着工程の前後では縦方向で0.5%、横方向で1%の収縮率となっている。つまり、目標としていた画像の縦方向長さが200mmであっても、実際の最終印刷物100上に定着された画像の縦方向長さは199mmとなってしまう。同様に、目標としていた画像の横方向長さが100mmであっても、実際の最終印刷物100上に定着された画像の横方向長さは99mmとなってしまう。このため、トンボ位置が収縮した分だけズレることになり、画像サイズ(トンボ間距離)が大きい場合、この画像を他の要素に貼り付けたり、組み合わせたりする際に重大な問題となる。この問題を避けるべく、所望の画像サイズを有する最終印刷物100を得るためには、使用する被記録媒体1の収縮率を予め試験的に算定しておいて、その熱収縮を補償すべく画像データを補正する必要がある。上述して例では、縦方向収縮率が0.5%で横方向収縮率が1%なので、縦方向長さが201mmで横方向長さが101mmとなるように画像データに拡大処理を施し、その拡大処理された画像データに基づいてプリントユニットPUで形成され加熱定着ユニットHUで定着された画像はほぼ縦方向長さが200mmで横方向長さが100mmとなる。
【0029】
基本的には、熱収縮率は被記録媒体1の種類と負荷される加熱エネルギ量により決定することができるので、予め使用可能な全ての種類の被記録媒体1の縦方向収縮率と横方向収縮率をテーブル化して画像形成装置に格納しておき、自動的に画像データが熱変形補償のために補正されるように構成すると、オペレータはこの熱変形問題を気にする必要はなくなる。
【0030】
但し、そのような熱収縮率が画像形成装置の設置環境によっても変動する可能性があるし、その収縮率がテーブル化されていない特殊な被記録媒体1を使用する可能性もあるので、収縮率をマニュアルで入力できる構成も利点がある。収縮率を入力する作業では、予めプリントサイズがわかっている適当な画像をプリントアウトし、その定着画像の寸法を測って収縮率を求め、その値を入力してもよいが、そのようなオペレータの負担を軽減するためには、予め図5に示したような画像データ(画像としてはトンボだけでよい)をテスト用プリントデータとして画像形成装置に付属させておき、このテスト用プリントデータを用いて最終印刷物を100を作製し、その縦方向と横方向のトンボ間距離をマニュアル入力するか又はスキャナによって読み取らせて自動的にその縦方向と横方向のトンボ間距離を求めさせることで、画像形成装置側で収縮率を算定し、テーブル化された収縮率と同様に利用させるとよい。
【0031】
上述したように構成された画像形成装置の制御部として機能するコントローラ7は、オペレートステーションOS側の第1コントローラ7AとプリントステーションPS側の第2コントローラ7Bとから構成され、お互いに通信ケーブルによってデータ交換可能に接続されており、1つのコントローラのごとく機能することができる。
【0032】
図2に示されているように、オペレートステーションOSには、第1コントローラ7Aとしても機能する汎用のコンピュータ80、モニター81、キーボード82、マウス83、及び現像済みの銀塩式のフィルムFの撮影画像をカラー画像データに光電変換するフィルムスキャナ85、さらにはデータ保持メディア(CDやCD−R、あるいは、MO、さらにコンパクトフラッシュやスマートメディア等の半導体でなる媒体だけではなくデータ通信回線からなる通信メディアも含む)からカラー画像データを取り出す画像取得ユニット84(ここではコンピュータ80に内蔵されている)が備えられている。この画像形成装置では、フィルムスキャナー85や画像取得ユニット84を通じて第1コントローラ7Aに転送された画像データは、変形補償のための拡大処理(縮小処理の場合もありうる)を含む種々のデータ処理が行われた後、プリントデータとして第2コントローラ7Bに送られ、プリントステーションPSにおいて被記録媒体1にプリント画像が形成される。
【0033】
コントローラ7は、CPU、ROM、RAM、I/Oインタフェース回路などからなるマイクロコンピュータシステムを中核部材とした第1コントローラ7Aと第2コントローラ7Bから構成されており、図6に示されるように、第1コントローラ7Aでは、I/Oインタフェース回路を介して、画像データを送り込む画像取得ユニット84やフィルムスキャナ85などの周辺機器が接続されており、第2コントローラ7Bでは、I/Oインタフェース回路を介して、インクジェット式プリントヘッド2、ヘッド送り機構3、電気ヒータ56やクロスフローファン57、被記録媒体搬送機構などのプリントステーションPSに組み込まれている周辺機器が接続されている。さらに、ロールシートカートリッジもしくは被記録媒体1を巻き取り支持している軸体に付与されているIDコードを検出する被記録媒体種別検出センサ61もその検出信号をコントローラ7に送るべく設置されており、コントローラ7はこの検出信号から装填されている被記録媒体1の種類を認識することができる。第1コントローラ7Aと第2コントローラ7Bはそれぞれの通信モジュールを介してデータ伝送が可能であり、例えば、第1コントローラ7Aにおいて画像処理及び補正処理が施された画像データが最終的プリントデータに変換され、通信モジュール74a、74bを介して第2コントローラ7Bに伝送された後は被記録媒体1への昇華性インクの付与などのために利用される。
【0034】
コントローラ7による各機能はハードウエア又はソフトウエアあるいはその両方により作り出されるが、ここでは特に本発明に関連する機能要素だけをとり挙げるならば、画像取得ユニット84やフィルムスキャナ85から取り込まれた画像データに対してフォーマット変換や解像度変換などの前処理を行う画像データ入力部71、この画像データ入力部71から転送された画像データに対してトリミングや色補正などの画像補正処理を施す画像処理部72、前述したように被記録媒体の熱変形による目標画像と最終印刷物上に形成される定着画像の寸法ズレを補償するため予め熱変形分だけ画像データのサイズを調整する変形補償部90、通常の画像処理及び変形補償のための縮小・拡大処理を施された最終的な画像データから誤差拡散等の2値化の手法を用いてプリントヘッド2のためのプリントデータを作り出すプリントデータ生成部73、転送されてきたプリントデータに基づいてプリントヘッド2を駆動して吐出口からインク滴を放出するプリント制御部75、ヘッド送り機構3を用いてプリントヘッド2の駆動と同時にプリントヘッド2を主走査方向に移動させるヘッド送り制御部76、プリントユニットPU内でのプリントヘッド2の主走査方向移動に同期した被記録媒体1の間欠送りやループ形成ユニットRU内での被記録媒体1のループ搬送や加熱定着ユニットHU内での被記録媒体1の加熱搬送を制御する搬送制御部77、加熱定着ユニットHUの電気ヒータ56やクロスフローファン57を駆動制御する加熱制御部78、被記録媒体種別検出センサ61によって読み取られたIDコードから装填されている被記録媒体1の種別情報を取得する被記録媒体種別決定部79などが代表的なものである。
【0035】
変形補償部90には被記録媒体1の種類毎の縦方向と横方向の収縮率(被記録媒体1が熱伸長する場合は伸長率)が格納されている補正テーブル91がリンクしている。従って、変形補償部90は被記録媒体種別決定部79から受け取った種別情報に基づいて使用被記録媒体1の種類を特定し、特定された種類を検索キーとして補正テーブル91からその縦方向と横方向の収縮率を抽出して、熱変形した後の画像サイズが目標画像サイズと一致するように対象となっている画像データに対するサイズ変更処理(ここでは拡大処理)を施す。
【0036】
次に、画像取得ユニット84を用いてMOディスクから読み取られた画像データを用いて特殊な、つまり予めその収縮率や伸長率が補正テーブル91に格納されていない被記録媒体1に画像を形成する様子を図7の模式流れ図を用いて説明する。
【0037】
使用しようとする被記録媒体1が熱収縮するものであるとして、まずこの被記録媒体1の収縮率を補正テーブル91に書き込む作業から始める。図5で示したようなトンボを有する画像のためのテストプリントデータを所定のフォルダないしはCD−ROMから読み出して(#01)、プリントデータ生成部73経由でプリント制御部75に転送する(#02)。プリント制御部75は転送されてきた2値CMYKプリントデータからプリントヘッド2のための駆動パルス信号を生成して(#03)、それによりプリントヘッド2の駆動素子を制御して被記録媒体1にインク滴を吹き付ける。同時にヘッド送り制御部75がヘッド送り機構3を駆動制御するとともに、搬送制御機構77が搬送機構6を駆動制御することで、被記録媒体1にテストプリント画像が形成されていく(#04)。表面層12に撮影画像を形成された被記録媒体1は、適切に温度調整された加熱空間Rを通過することにより熱エネルギを受け、その際生じる加熱昇華によりテストプリント画像は定着層11に転写(定着)される(#05)。これにより、熱収縮により目標画像より収縮した定着画像を有するテストプリントシートが得られる。
【0038】
このテストプリント画像の寸法、つまり縦方向トンボ間長さと横方向トンボ間長さを測定して、その値をキーボード82を通じて変形補償部90に入力する(#06)。変形補償部90には、予めテストプリント画像の本来の画像寸法、つまり目標画像寸法が設定されているので、この目標画像寸法と入力された測定画像寸法とからこの被記録媒体1の収縮率を算出することができる。算出された収縮率は、被記録媒体種別決定部79から受け取った種別情報(#07)に基づいて決定された使用被記録媒体1の種類コードとリンクさせた形で補正テーブル91に格納される(#08)。
【0039】
測定画像寸法を入力するためのモニタ画面の一例が図8に示されている。被記録媒体種別決定部79からの種別情報によって使用しようとする被記録媒体1の種類コードが認識された場合はその種類コードが表示されるが、認識されない場合「クエッションマーク」が表示されるので適当な種類コードを入力するか、補正テーブル91への登録はしないで今回だけの変形補償としてデータを入力する。被記録媒体1の種類によっては熱収縮するものと熱伸長するものがあるのでそれらのいずれかを選択するとともに、前述したテストプリントを使用した変形補償データ入力か、あるいはテストプリントを使用しない変形補償データ入力かを選択する。テストプリントを使用する場合では、前述したように、測定した縦方向トンボ長さと横方向トンボ長さを入力する。テストプリントを使用しない場合では、なんらかの形で知り得た縦方向変形率(収縮率又は伸長率)と縦方向変形率を入力することになる。
【0040】
続いて、画像取得ユニット84を用いてMOディスクから読み取られたJPEGフォーマットの画像データはこの画像形成装置の画像ソースとして画像データ入力部71に転送される(#11)。画像データ入力部71でJPEG画像データは8ビットのRGBカラー画像データ(ビットマップデータ)に展開され、画像処理部72に送られる(#12)。次にオペレータがキーボード82やマウス83を操作して入力したプリント画像サイズやトリミング設定コマンドや色補正コマンドに基づいて画像データを処理する(#13)。
【0041】
所定の画像処理が終了すると、変形補償部90は、被記録媒体種別決定部79から受け取った種別情報(#14)から決定される種類コードを用いて補正テーブル91にアクセスして使用しようとする被記録媒体1の収縮率を得る(#15)。さらに、変形補償部90は、得られた収縮率に基づいて定着画像の寸法が加熱定着工程での熱収縮にもかかわらずソース画像によって規定されている目標画像寸法に正確に一致するように、処理済みの画像データに対して変形補償のための画像データ補正としての拡大処理を行う(#16)。
【0042】
画像処理部72において変形補償のための画像データ補正を受けた画像データはプリントデータ生成部73に送られる(#17)。なお、RGBカラー画像データは画像処理部72において他の画像処理の前後の適当な段階でCMYKカラー画像データに変換されてるので、プリントデータ生成部73へ送られるカラー画像データはCMYKカラー画像データである。プリントデータ生成部73はCMYKカラー画像データを2値CMYKプリントデータに変換して、プリント制御部75に転送する(#18)。前述したように、プリント制御部75は転送されてきた2値CMYKプリントデータからプリントヘッド2のための駆動パルス信号を生成して(#19)、それによりプリントヘッド2の駆動素子を制御して被記録媒体1にインクドットによる画像を形成する(#20)。表面層12に撮影画像を形成された被記録媒体1は、適切に温度調整された加熱空間Rを通過することにより熱エネルギを受け、その際生じる加熱昇華によりテストプリント画像は定着層11に転写(定着)される(#21)。熱収縮により定着された画像サイズは#20でプリントヘッド2により形成された段階での画像サイズより小さくなっているが、プリントヘッド2により形成された画像サイズが熱収縮を考慮して目標画像サイズより大きくなっているので、最終印刷物100に形成されている定着画像のサイズは目標画像サイズに一致することになる。
【0043】
〔別実施形態〕
上述したように被記録媒体1が熱変形を受けることにより生じる目標画像サイズと実際の定着画像サイズのズレは、変形補償部90によって予めそのズレ分だけ画像データが補正(縮小・拡大処理)されることにより補償可能となった。しかしながら、被記録媒体1の熱変形が大きい場合、画像濃度に関しても無視できないズレが生じる可能性がある。これは、特定色(通常CMYK)の面積階調で色濃度を表しているような場合、被記録媒体1が熱収縮した場合単位面積当たりの色素量が相対的に大きくなることで色濃度が濃くなったり、被記録媒体が熱膨張(伸長)した場合単位面積当たりの色素量が相対的に小さくなることで色濃度が薄くなったりするからである。
【0044】
このため、本発明の第2の実施形態では、変形補償部90は、最終的な定着画像の濃度が濃くなる傾向がある場合予め画像データの濃度を薄くなるように、また最終的な定着画像の濃度が薄くなる傾向がある場合予め画像データの濃度を濃くなるように画像データの濃度値を補正するをも行うように構成されている。当然、補正テーブル91には、被記録媒体1の種類毎の収縮率(伸長率)だけではなく、各色の濃度補正量も格納されている。濃度に関する熱変形補償のための濃度補正量は、よく知られているカラーマッチングなどに用いられるカラーチャートを有するテスト用プリントデータを用いて対象被記録媒体1にテスト画像を定着させ、その画像を濃度計等で測定し、目標画像濃度と定着画像濃度の差から算定することができる。
【0045】
ここでも、そのような濃度補正量が補正テーブル91に格納されていない被記録媒体1を使用する場合には、テスト用プリントデータを装置に読み込み(このテスト用プリントデータにはカラーチャートだけでなく前述したトンボも含まれていると画像寸法と画像濃度の両方のズレを同時に測定できるので好都合である)、テストプリントを作成して、濃度補正量を算定することになる。このように得られた濃度補正量は、好ましくは同時に得られる画像寸法に関する変形補償のためのトンボ間長さの入力時にいっしょに入力するとよい。このため、この実施形態における変形補償データ入力画面は図9に示すように熱変形補償のための濃度補正量の入力欄が追加されている。
【0046】
上述した濃度ズレの補償は、画像データの濃度値を補正する代わりに、プリントデータ生成部73でCMYKカラー画像データを2値CMYKプリントデータに面積階調方式を用いて変換する際にその変換式、例えば使用する変換マトリックスを変えることでも可能である。
その場合、変形補償部90が、使用被記録媒体1に種類に応じて面積階調変換設定コマンドをプリントデータ生成部73に与えるように構成するとよい。
【0047】
なお、上述した目標画像と定着画像との間に生じるズレの補償に関して、画像濃度に関するズレだけが無視できないケースでは、変形補償部90には濃度ズレの補償のための機能だけを備えればよく、そのような構成も本発明の枠内に入るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像形成装置で扱われる被記録媒体の一例を示す断面図
【図2】本発明による画像形成装置の一つの実施形態を示す外観図
【図3】画像形成装置のプリントステーションの構成を示す断面模式図
【図4】プリントステーションのプリントユニットの構成を示す断面模式図
【図5】熱収縮する被記録媒体を用いた画像形成における目標画像と定着画像の関係を示す説明図
【図6】コントローラの機能を説明する機能ブロック図
【図7】変形補償の下で入力画像データに基づいて被記録媒体に画像が定着されるまでの様子を示す流れ図
【図8】変形補償データ入力画面を示すモニタ画面図
【図9】第2実施形態における変形補償データ入力画面を示すモニタ画面図
【符号の説明】
1 被記録媒体
2 プリントヘッド
3 ヘッド送り機構
4 加熱装置
6 搬送機構
7 コントローラ
7A第1コントローラ
7B第2コントローラ
72 画像処理部
73 プリントデータ生成部
75 プリント制御部
78 加熱制御部
79 被記録媒体種別決定部
90 変形補償部
91 補正テーブル
PU プリントユニット
RU ループ形成ユニット
HU 加熱定着ユニット
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データから作成されたプリントデータに基づいて駆動制御されるプリントユニットによって画像を被記録媒体に形成するとともに熱エネルギによって前記画像を被記録媒体に定着させる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上述したような画像形成装置では、被記録媒体に画像を形成するプリント工程に被記録媒体に熱を付与するサブ工程が含まれる。例えば、特開平10−16188号公報から知られている画像形成装置では、熱転写シートにインクジェットプリンタ等でまず一次画像を形成し、次いで画像が形成された熱転写シートを被記録シートに重ね合わせて加圧・加熱を施すことにより、熱転写シートに形成されていた画像(インク)を被記録シートのインク定着層に熱昇華転写して被記録シートに二次画像を形成して、最終的な印刷物を得る。
【0003】
また、特開平10−230589号公報から知られている画像形成装置では、被記録シートのインク定着層にあらかじめラミネート材層を設けておき、このラミネート材層上からインクジェットプリンタ等で画像形成を行い、その後加熱ローラを通じて加圧・加熱することによりラミネート材層を透明化するとともにインク色素を定着層に定着させて、最終的な印刷物を得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
いずれにせよ、被記録媒体(シート)は必ず熱負荷を受けることになるので、この熱負荷により被記録媒体の寸法の変化の原因となる熱収縮ないしは熱膨張が生じてしまう。このような寸法変化は、第1に、画像データの作成時に算定されている目標の画像寸法と最終的に得られた印刷物との間でその画像寸法が異なるという結果をもたらす。
得られた印刷物が他の印刷物やオブジェなどと組み合わされて使用される場合、変形率がわずかであっても、印刷物が大型であれば組み合わせ位置のズレ(例えばトンボの位置ズレ)が無視できなくなる。
【0005】
また、プリントヘッドとして面積階調で色濃度を表すようなインクジェット方式などを採用している場合、プリントすべき画像や寸法変化の度合いによっては、インクドットによる画像形成後の被記録媒体の変形により色濃度が変化する可能性がある。つまり、被記録媒体が熱収縮した場合単位面積当たりの色素量が相対的に大きくなることで色濃度が濃くなったり、被記録媒体が熱膨張した場合単位面積当たりの色素量が相対的に小さくなることで色濃度が薄くなったりする。
【0006】
上述したように、本出願の発明者は被記録媒体に熱負荷を与える画像形成装置において、その熱負荷によって生じる被記録媒体の寸法変化による目標画像(画像データに忠実な画像)と最終的に被記録媒体に定着された定着画像との間の印刷品質上問題となるズレに注目し、このようなズレにも係わらず高品質な印刷物を作製することを本発明の課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、画像データから作成されたプリントデータに基づいて駆動制御されるプリントユニットによって画像を被記録媒体に形成するとともに熱エネルギによって前記画像を被記録媒体に定着させる、本発明の画像形成装置では、前記熱エネルギによる前記被記録媒体の縦方向又は横方向あるいは両方向における寸法変化の結果生じる目標画像と定着画像との間のズレを補償する変形補償部が備えられている。
【0008】
この構成では、本出願の発明者によって注目された熱負荷による被記録媒体の縦方向又は横方向あるいは両方向における寸法変化によって生じる目標画像と定着画像との間の印刷品質上問題となるズレを補償する変形補償部が新たに備えられた。これにより、使用する被記録媒体が画像形成前と画像形成後で寸法変化しても、目標画像と同一もしくは無視できる程度の差異しか示さない定着画像を得ることができた。
【0009】
目標画像と定着画像のズレのうち印刷品質上最も重要なものは画像寸法のズレである。このため最適な変形補償部はそのような画像寸法のズレを補償する機能を備えている。この画像寸法ズレ補償のための機能は、具体的には画像データを適切に補正することにより実現可能である。例えば、熱負荷による被記録媒体の寸法変化により定着画像が目標画像に較べて縦方向で2%、横方向で1%縮むとすれば、その画像データに画像拡大処理を施し、予め縮み代分だけ縦方向と横方向に拡大させておく。熱負荷によって被記録媒体が伸びる場合は逆に画像データに縮小処理を施せばよい。画像データの拡大縮小処理で必要となる再サンプリング時にはその都度画像に合った補間手法を用いるとよい。
【0010】
いずれにしても、そのような被記録媒体の縦方向又は横方向あるいは両方向における寸法変化は被記録媒体の種類(材質)及び付与される熱エネルギによって大きく異なる。この問題を簡単に解決するため、本発明の好適な実施形態では、前記変形補償部に種々の条件毎に前もって算定された補償用補正データがテーブル化して格納されている。使用する被記録媒体と付与する熱エネルギ(加熱温度や加熱時間)に基づいてこの補正テーブルから最適な補償用補正データを抽出して、変形補償のために用いることができる。
【0011】
被記録媒体の縦方向又は横方向あるいは両方向における寸法変化が日々の環境条件等によっても無視できない程度に変動する場合には、画像形成装置毎に独自のテストを通じて被記録媒体の寸法変化を測定する必要がある。このような測定を容易にするため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記被記録媒体の縦方向又は横方向あるいは両方向における寸法変化を求めるためのテスト用プリントデータが備えられている。この構成では、被記録媒体の寸法変化を測定するために適したテストパターンが画像として使用予定の被記録媒体上に形成されるので、熱負荷による被記録媒体の寸法変化、結果的にはその寸法変化に基づく目標画像と定着画像との間のズレを補償する補正データの作成が容易となる。
【0012】
また面積階調で色濃度を表すようなインクジェット方式などを採用している場合、目標画像と定着画像のズレのうち印刷品質上重要なものとして画像濃度のズレを挙げることができる。このため画像濃度のズレを補償する機能を変形補償部に備えることも利点がある。この画像濃度ズレは、被記録媒体が熱収縮した場合単位面積当たりの色素量が相対的に大きくなることで色濃度が濃くなったり、被記録媒体が熱膨張した場合単位面積当たりの色素量が相対的に小さくなることで色濃度が薄くなったりするが原因と考えられる。いずれにせよ、最終的な定着画像の濃度が濃くなる傾向がある場合予め画像データの濃度を薄くなるように、最終的な定着画像の濃度が薄くなる傾向がある場合予め画像データの濃度を濃くなるように、必要の場合特定色(RGB又はCMY)毎に補正を施すとよい。このような補正処理のための補正データも予め作成してテーブル化しておくと便利であるし、そのような濃度変化の測定に適したテストパターンデータを備えておくことも好都合である。
本発明によるその他の特徴及び利点は、以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるだろう。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明による画像形成装置で扱われる被記録媒体1の一例を図1を用いて説明する。この被記録媒体1はPET(ポリエチレンテレフタレート)等のフィルムシートからなる基材10の表面にウレタン樹脂等でインクつまりインク色素のための定着層11を形成し、さらにその上にインクを浸透させることができる浸透層としての表面層12を形成している。基材10の表面がインク色素を定着することができる性質を持っている場合、定着層11を省略することができる。この被記録媒体1の表面層12にインクジェットプリンタ等でインク滴を付与することで昇華前プリントドットによるプリント画像が形成された後、適正な温度に加熱されると表面層12に付与されていたインク滴(昇華前プリントドット)は昇華を始め、そのインク滴が表面層12を浸透して定着層11にインク色素が昇華後プリントドットとして昇華定着される。従って、表面層12を引き剥がすことにより、定着層11に昇華後プリントドットによって形成されたプリント画像をもつ非常に光沢感のある鮮やかな画像記録済みシートが最終印刷物100として得られる。つまり、この加熱昇華過程においては、昇華前プリントドットとして表面層12に付与されたインク色素が表面層12を浸透して定着層11に達し、そこで昇華後プリントドットとしてプリント画像を形成する。なお、この被記録媒体1では最終的に表面層12を定着層11又は基材10から引き剥がす必要があるのでそれらの間に易剥離剤を与えておくと好都合である。
【0014】
このような被記録媒体1を用いて最終印刷物100を作製する画像形成装置の一例を図2と図3を用いて説明する。この画像形成装置は、図2に示すようにプリントステーションPSとオペレートステーションOSとから構成されている。
【0015】
プリントステーションPSは、インクジェット式のプリントユニットPUと、このプリントユニットPUによって昇華前プリントドットによるプリント画像が形成された被記録媒体1を一時的に蓄えるループ形成ユニットRUと、このループ形成ユニットRUから送り込まれる被記録媒体1に熱エネルギを付与して昇華後プリントドットによって形成されたプリント画像を作り出す加熱定着ユニットHUとによって構成されている。その際、プリントユニットPUと加熱定着ユニットHUとの間に配置されたループ形成ユニットRUは、加熱定着ユニットHUにおける被記録媒体1の搬送速度がプリントユニットPUにおいて被記録媒体1の平均搬送速度より低速であるため、この速度差を吸収する目的を果たしている。なお、プリントユニットPUと、ループ形成ユニットRUと、加熱定着ユニットHUは互いに分離自在な連結されるユニットとして構成されている。この実施形態では、加熱定着ユニットHUにおける被記録媒体1の搬送速度は300mm/min程度であり、プリントユニットPUでの被記録媒体1の搬送速度はプリント時の画像データ(プリントデータ)の解像度や被記録媒体1の幅によって決まるものであるが、最低速度でも加熱定着ユニットHUにおける被記録媒体1の搬送速度より高速度となっている。
【0016】
図4から明らかなように、プリントユニットPUでは、ここでは図示されていないロールシートカートリッジに格納されているロール状に巻かれた被記録媒体1を巻き戻しながらプリント面であるその表面層12がプリントヘッドとしてのインクジェット式プリントヘッド2のインク吐出口側に来るように被記録媒体1がシート搬送機構6によって搬送される。プリントヘッド2は被記録媒体1の搬送方向に対して横断方向につまり主走査方向にヘッド送り機構3によって往復移動可能に支持されており、被記録媒体1の表面層12に吐出口からインクを吐出しながらのプリントヘッド2の主走査方向の移動毎に被記録媒体1が副走査方向に搬送されていくことによって順次プリント画像が形成されていく。カラープリント画像を形成するために異なる主要色を吐出可能な複数の吐出口モジュールがプリントヘッド2に用意されている。例えば、写真画質のカラープリント画像が要求される場合には、通常、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなどのインクに加え同色の濃淡インクが用いられる。プリントヘッド2としては汎用的なインクジェットプリンタに搭載されているものが流用されるので、ここではこれ以上の説明を省略する。プリントヘッド2から吐出されたインク滴2aによって表面層12にプリント画像を形成された被記録媒体1はプリントユニットPUを出て、ループ形成ユニットRUに入る。
【0017】
もともと長尺シートである被記録媒体1は、そこに形成されるプリント画像のサイズに合わせてカットする必要があるので、シートカッター手段5が備えられている。この実施形態では、シートカッター手段5は、プリントヘッド2に対して被記録媒体1の側に突出する位置と、被記録媒体1から離間する方向に退入する位置とに切換自在に備えた刃体51と、この刃体51の位置を、カム送りやネジ送り機構(図示せず)を介して切換える切換モータ52とを備えている。
【0018】
図3に模式的に示されているだけであるが、前記ループ形成トRUは、中央位置に3つの従動ローラ31を有したターンローラ32を備えると共に、このターンローラ32を基準にして搬送上手側の第1ループ形成機構30Aと、ターンローラ32を基準にして搬送下手側の第2ループ形成機構30Bと、これらの下方位置において被記録媒体1を受け止めるケース33とを備えている。
【0019】
前記ターンローラ32は、図示されていないモータで駆動され、このターンローラ32の外周に対して前記3つの従動ローラ31を圧接させることで、被記録媒体1を比較的大きい角度でターンローラ32に巻き付けて被記録媒体1の巻き癖を取り除き得るようにも機能する。前記第1ループ形成機構30Aは、プリントユニットPUの排出口から排出された被記録媒体1を下方に案内する導入ガイド34と、この導入ガイド34によって下方に案内された被記録媒体1を更に下方に案内する第1固定ガイド35と、この第1固定ガイド35に対向配置した第1可動ガイド36とから構成されている。この第1可動ガイド36はその上端部に設けられた揺動軸心周りで揺動自在であり、図示されていないモータによって第1可動ガイド36は実線で示された閉じ姿勢と、仮想線で示された開放姿勢とに揺動切換される。
【0020】
前記第2ループ形成機構30Bは、第1ループ形成機構30Aからターンローラ32を介して送られた被記録媒体1を前記加熱定着ユニットHUに案内する第2固定ガイド37と、この第2固定ガイド37に対向配置した第2可動ガイド38と、被記録媒体1を加熱定着ユニットHUに送る圧着型の供給ローラ39ととから構成されている。この第2可動ガイド38はその上端部に設けられた揺動軸心周りで揺動自在であり、図示されていないモータによって第2可動ガイド38は実線で示された閉じ姿勢と、仮想線で示された開放姿勢とに揺動切換される。
【0021】
このループ形成ユニットRUでは、被記録媒体1の搬送経路の各所に対して被記録媒体1の存否を判別するセンサ(図示せず)が配置されており、これらのセンサからの検出信号に基づいて以下に説明する制御が実行される。つまり、プリントユニットPUから被記録媒体1が排出されてきた場合には、第1可動ガイド36を閉じ姿勢に設定すると同時にターンローラ32を低速で回転させることにより、この被記録媒体1の先端を導入ガイド34からターンローラ32まで案内し、このターンローラ32と従動ローラ31とで被記録媒体1の先端部を圧着保持したことが確認されるとターンローラ32を停止させた後に、第1可動ガイド36を開放姿勢に切換えて、この第1ループ形成機構30Aの空間内に被記録媒体1を垂れ下がる形態で蓄える。次に、プリントユニットPUから送り出された被記録媒体1の後端を検出すると、第2可動ガイド38を閉じ姿勢に設定した状態でターンローラ32と、供給ローラ39との駆動を開始して、被記録媒体1の先端を第2ループ形成機構30Bの供給ローラ39まで送り、供給ローラ39で被記録媒体1の先端部を圧着して加熱定着ユニットHUにおける被記録媒体1の搬送速度と等しい速度で加熱定着ユニットHUに送込む作動を行いながら、第2可動ガイド38を開放姿勢に切換えた後に、ターンローラ32を高速回転させて第1ループ形成機構30Aに蓄えられた被記録媒体1を第2ループ形成機構30Bの空間内に被記録媒体1を垂れ下がる形態で蓄える制御が行われる。このように、第1ループ形成機構30Aの被記録媒体1が第2ループ形成機構30Bに送り出されると、プリントユニットPUからの被記録媒体1を前述と同様に第1ループ形成機構30Aに導入する制御が開始されるのである。
【0022】
図3で模式的に示されているように加熱定着ユニットHUは、本体ケース50の内部に、被記録媒体1を加熱する断熱材製の加熱ケース51と、この加熱ケース51に対して加熱空気を供給するよう加熱ケース51の上部位置に配置した断熱材製の送風ケース52と、この本体ケース50を支持する支持脚53とを備えている。前記加熱ケース51の内部に形成される加熱空間Rには被記録媒体1を搬送する加熱搬送機構54がシート搬送機構6の一部として配置されている。この加熱搬送機構54は、被記録媒体1の入り口側に設けられた圧着型の一対の導入ローラ54aと、この導入ローラ54aより搬送下手側位置に被記録媒体1の表裏両面に圧着して搬送する複数の搬送ローラ54bと、搬送方向での上手位置と下手位置との2箇所に被記録媒体1の下面に接触して被記録媒体1に熱を伝える一対のガイド体54cと、このガイド体54cの上方位置に対し被記録媒体1の上面に接触して搬送力を作用させる複数の上面接触ローラ54dとを備えている。さらに、前記ガイド体54cの下面側にこのガイド体54cを加熱するシートヒータ55と、このシートヒータ55の中央位置に対してガイド体54cの温度を計測するガイド温度センサSaが設けられている。
【0023】
前記送風ケース52の内部には、複数のロッド状に形成された電気ヒータ56と、加熱空気を送るよう被記録媒体1の幅方向と平行する姿勢の軸芯周りでファンを駆動するクロスフローファン57が設けられている。この送風ケース52の下面側で、クロスフローファン57の直下位置に加熱空気の吐出口Eを形成し、加熱搬送機構54における被記録媒体1の搬送経路の搬送上手位置に吸入口Fが形成されている。前記吐出口Eの開口部にはクロスフローファン57に対応して空気温度センサSbが配置されている。尚、空気温度センサSbで約180℃の温度を計測するよう対応する電気ヒータ56に供給する電力が制御され、搬送上手のガイド温度センサSaで約130℃の温度を計測し、搬送下手側のガイド温度センサSaで180℃の温度を計測するするよう夫々のシートヒータ55に供給する電力が制御される。
【0024】
そして、被記録媒体1の加熱時には、電気ヒータ56とクロスフローファン57を駆動することで、送風ケース52の内部で加熱された加熱空気を吐出口Eから加熱ケース51の内部空間における被記録媒体1の搬送方向の下手側位置に対して被記録媒体1の幅方向での全幅を超える幅で送り出し、この加熱空気を加熱空間Rにおいて被記録媒体1の搬送経路に沿って搬送上手側に向けて流動させ、被記録媒体1の搬送方向の上手位置から吸入口Fから送風ケース52の内部に吸引し、電気ヒータ56で加熱した後にクロスフローファン57に供給することで加熱空気を循環させる形態を実現している。
【0025】
加熱空間Rから送り出された被記録媒体1を受け止めるよう、図2、図3に示すように傾斜する姿勢の布製ストッカーシート58aからなるストッカー58が設けられている。このストッカーシート58aは、加熱定着ユニットHUで処理可能な被記録媒体1の最大幅より広い幅に設定されると共に、耐熱性に優れたポリエステル系の繊維に、静電気を除去するよう導電性を有する炭素繊維を織り込んで成り、このストッカーシート58aの上端が水平姿勢の支持ロッド58bにより支持され、その下端部が下端ロッド58cにより支持されている。下端ロッド58cの両端は加熱定着ユニットHUの支持脚53から延設したステー58dにより支持されている。これにより、ストッカーシート58aは、その下側ほど加熱定着ユニットHUから離間する方向に変位する傾斜姿勢となっている。加熱定着ユニットHUを通過してストッカー58に排出された被記録媒体1では、そのプリント画像を形成しているインク(色素)が定着層11に定着しているので、表面層12を剥離することによって、きれいに発色した画像を有する最終印刷物100が得られる。
【0026】
このプリントユニットPUで使用される昇華性インクは、前述したような被記録媒体1に付与された後行われる加熱昇華において、標準的には、80℃程度で昇華が始まり、180℃の加熱温度で2分程度の加熱時間により昇華定着状態が得られる。
【0027】
この加熱定着工程において被記録媒体1は急速にかなりの熱エネルギを受けることになる。その結果、その被記録媒体1の基材10がPET(ポリエチレンテレフタレート)等の合成樹脂材料から作られていることから、加熱定着ユニットHUに入る前の被記録媒体1と加熱定着ユニットHUから出てストッカー58に載置された被記録媒体1とではその寸法が異なっている。
【0028】
熱変形は材料によって種々であるが、典型的な例としてここでは熱収縮が生じるケースについて述べるが、この例では、図5で示しているように、加熱定着ユニットHUにおける加熱定着工程の前後では縦方向で0.5%、横方向で1%の収縮率となっている。つまり、目標としていた画像の縦方向長さが200mmであっても、実際の最終印刷物100上に定着された画像の縦方向長さは199mmとなってしまう。同様に、目標としていた画像の横方向長さが100mmであっても、実際の最終印刷物100上に定着された画像の横方向長さは99mmとなってしまう。このため、トンボ位置が収縮した分だけズレることになり、画像サイズ(トンボ間距離)が大きい場合、この画像を他の要素に貼り付けたり、組み合わせたりする際に重大な問題となる。この問題を避けるべく、所望の画像サイズを有する最終印刷物100を得るためには、使用する被記録媒体1の収縮率を予め試験的に算定しておいて、その熱収縮を補償すべく画像データを補正する必要がある。上述して例では、縦方向収縮率が0.5%で横方向収縮率が1%なので、縦方向長さが201mmで横方向長さが101mmとなるように画像データに拡大処理を施し、その拡大処理された画像データに基づいてプリントユニットPUで形成され加熱定着ユニットHUで定着された画像はほぼ縦方向長さが200mmで横方向長さが100mmとなる。
【0029】
基本的には、熱収縮率は被記録媒体1の種類と負荷される加熱エネルギ量により決定することができるので、予め使用可能な全ての種類の被記録媒体1の縦方向収縮率と横方向収縮率をテーブル化して画像形成装置に格納しておき、自動的に画像データが熱変形補償のために補正されるように構成すると、オペレータはこの熱変形問題を気にする必要はなくなる。
【0030】
但し、そのような熱収縮率が画像形成装置の設置環境によっても変動する可能性があるし、その収縮率がテーブル化されていない特殊な被記録媒体1を使用する可能性もあるので、収縮率をマニュアルで入力できる構成も利点がある。収縮率を入力する作業では、予めプリントサイズがわかっている適当な画像をプリントアウトし、その定着画像の寸法を測って収縮率を求め、その値を入力してもよいが、そのようなオペレータの負担を軽減するためには、予め図5に示したような画像データ(画像としてはトンボだけでよい)をテスト用プリントデータとして画像形成装置に付属させておき、このテスト用プリントデータを用いて最終印刷物を100を作製し、その縦方向と横方向のトンボ間距離をマニュアル入力するか又はスキャナによって読み取らせて自動的にその縦方向と横方向のトンボ間距離を求めさせることで、画像形成装置側で収縮率を算定し、テーブル化された収縮率と同様に利用させるとよい。
【0031】
上述したように構成された画像形成装置の制御部として機能するコントローラ7は、オペレートステーションOS側の第1コントローラ7AとプリントステーションPS側の第2コントローラ7Bとから構成され、お互いに通信ケーブルによってデータ交換可能に接続されており、1つのコントローラのごとく機能することができる。
【0032】
図2に示されているように、オペレートステーションOSには、第1コントローラ7Aとしても機能する汎用のコンピュータ80、モニター81、キーボード82、マウス83、及び現像済みの銀塩式のフィルムFの撮影画像をカラー画像データに光電変換するフィルムスキャナ85、さらにはデータ保持メディア(CDやCD−R、あるいは、MO、さらにコンパクトフラッシュやスマートメディア等の半導体でなる媒体だけではなくデータ通信回線からなる通信メディアも含む)からカラー画像データを取り出す画像取得ユニット84(ここではコンピュータ80に内蔵されている)が備えられている。この画像形成装置では、フィルムスキャナー85や画像取得ユニット84を通じて第1コントローラ7Aに転送された画像データは、変形補償のための拡大処理(縮小処理の場合もありうる)を含む種々のデータ処理が行われた後、プリントデータとして第2コントローラ7Bに送られ、プリントステーションPSにおいて被記録媒体1にプリント画像が形成される。
【0033】
コントローラ7は、CPU、ROM、RAM、I/Oインタフェース回路などからなるマイクロコンピュータシステムを中核部材とした第1コントローラ7Aと第2コントローラ7Bから構成されており、図6に示されるように、第1コントローラ7Aでは、I/Oインタフェース回路を介して、画像データを送り込む画像取得ユニット84やフィルムスキャナ85などの周辺機器が接続されており、第2コントローラ7Bでは、I/Oインタフェース回路を介して、インクジェット式プリントヘッド2、ヘッド送り機構3、電気ヒータ56やクロスフローファン57、被記録媒体搬送機構などのプリントステーションPSに組み込まれている周辺機器が接続されている。さらに、ロールシートカートリッジもしくは被記録媒体1を巻き取り支持している軸体に付与されているIDコードを検出する被記録媒体種別検出センサ61もその検出信号をコントローラ7に送るべく設置されており、コントローラ7はこの検出信号から装填されている被記録媒体1の種類を認識することができる。第1コントローラ7Aと第2コントローラ7Bはそれぞれの通信モジュールを介してデータ伝送が可能であり、例えば、第1コントローラ7Aにおいて画像処理及び補正処理が施された画像データが最終的プリントデータに変換され、通信モジュール74a、74bを介して第2コントローラ7Bに伝送された後は被記録媒体1への昇華性インクの付与などのために利用される。
【0034】
コントローラ7による各機能はハードウエア又はソフトウエアあるいはその両方により作り出されるが、ここでは特に本発明に関連する機能要素だけをとり挙げるならば、画像取得ユニット84やフィルムスキャナ85から取り込まれた画像データに対してフォーマット変換や解像度変換などの前処理を行う画像データ入力部71、この画像データ入力部71から転送された画像データに対してトリミングや色補正などの画像補正処理を施す画像処理部72、前述したように被記録媒体の熱変形による目標画像と最終印刷物上に形成される定着画像の寸法ズレを補償するため予め熱変形分だけ画像データのサイズを調整する変形補償部90、通常の画像処理及び変形補償のための縮小・拡大処理を施された最終的な画像データから誤差拡散等の2値化の手法を用いてプリントヘッド2のためのプリントデータを作り出すプリントデータ生成部73、転送されてきたプリントデータに基づいてプリントヘッド2を駆動して吐出口からインク滴を放出するプリント制御部75、ヘッド送り機構3を用いてプリントヘッド2の駆動と同時にプリントヘッド2を主走査方向に移動させるヘッド送り制御部76、プリントユニットPU内でのプリントヘッド2の主走査方向移動に同期した被記録媒体1の間欠送りやループ形成ユニットRU内での被記録媒体1のループ搬送や加熱定着ユニットHU内での被記録媒体1の加熱搬送を制御する搬送制御部77、加熱定着ユニットHUの電気ヒータ56やクロスフローファン57を駆動制御する加熱制御部78、被記録媒体種別検出センサ61によって読み取られたIDコードから装填されている被記録媒体1の種別情報を取得する被記録媒体種別決定部79などが代表的なものである。
【0035】
変形補償部90には被記録媒体1の種類毎の縦方向と横方向の収縮率(被記録媒体1が熱伸長する場合は伸長率)が格納されている補正テーブル91がリンクしている。従って、変形補償部90は被記録媒体種別決定部79から受け取った種別情報に基づいて使用被記録媒体1の種類を特定し、特定された種類を検索キーとして補正テーブル91からその縦方向と横方向の収縮率を抽出して、熱変形した後の画像サイズが目標画像サイズと一致するように対象となっている画像データに対するサイズ変更処理(ここでは拡大処理)を施す。
【0036】
次に、画像取得ユニット84を用いてMOディスクから読み取られた画像データを用いて特殊な、つまり予めその収縮率や伸長率が補正テーブル91に格納されていない被記録媒体1に画像を形成する様子を図7の模式流れ図を用いて説明する。
【0037】
使用しようとする被記録媒体1が熱収縮するものであるとして、まずこの被記録媒体1の収縮率を補正テーブル91に書き込む作業から始める。図5で示したようなトンボを有する画像のためのテストプリントデータを所定のフォルダないしはCD−ROMから読み出して(#01)、プリントデータ生成部73経由でプリント制御部75に転送する(#02)。プリント制御部75は転送されてきた2値CMYKプリントデータからプリントヘッド2のための駆動パルス信号を生成して(#03)、それによりプリントヘッド2の駆動素子を制御して被記録媒体1にインク滴を吹き付ける。同時にヘッド送り制御部75がヘッド送り機構3を駆動制御するとともに、搬送制御機構77が搬送機構6を駆動制御することで、被記録媒体1にテストプリント画像が形成されていく(#04)。表面層12に撮影画像を形成された被記録媒体1は、適切に温度調整された加熱空間Rを通過することにより熱エネルギを受け、その際生じる加熱昇華によりテストプリント画像は定着層11に転写(定着)される(#05)。これにより、熱収縮により目標画像より収縮した定着画像を有するテストプリントシートが得られる。
【0038】
このテストプリント画像の寸法、つまり縦方向トンボ間長さと横方向トンボ間長さを測定して、その値をキーボード82を通じて変形補償部90に入力する(#06)。変形補償部90には、予めテストプリント画像の本来の画像寸法、つまり目標画像寸法が設定されているので、この目標画像寸法と入力された測定画像寸法とからこの被記録媒体1の収縮率を算出することができる。算出された収縮率は、被記録媒体種別決定部79から受け取った種別情報(#07)に基づいて決定された使用被記録媒体1の種類コードとリンクさせた形で補正テーブル91に格納される(#08)。
【0039】
測定画像寸法を入力するためのモニタ画面の一例が図8に示されている。被記録媒体種別決定部79からの種別情報によって使用しようとする被記録媒体1の種類コードが認識された場合はその種類コードが表示されるが、認識されない場合「クエッションマーク」が表示されるので適当な種類コードを入力するか、補正テーブル91への登録はしないで今回だけの変形補償としてデータを入力する。被記録媒体1の種類によっては熱収縮するものと熱伸長するものがあるのでそれらのいずれかを選択するとともに、前述したテストプリントを使用した変形補償データ入力か、あるいはテストプリントを使用しない変形補償データ入力かを選択する。テストプリントを使用する場合では、前述したように、測定した縦方向トンボ長さと横方向トンボ長さを入力する。テストプリントを使用しない場合では、なんらかの形で知り得た縦方向変形率(収縮率又は伸長率)と縦方向変形率を入力することになる。
【0040】
続いて、画像取得ユニット84を用いてMOディスクから読み取られたJPEGフォーマットの画像データはこの画像形成装置の画像ソースとして画像データ入力部71に転送される(#11)。画像データ入力部71でJPEG画像データは8ビットのRGBカラー画像データ(ビットマップデータ)に展開され、画像処理部72に送られる(#12)。次にオペレータがキーボード82やマウス83を操作して入力したプリント画像サイズやトリミング設定コマンドや色補正コマンドに基づいて画像データを処理する(#13)。
【0041】
所定の画像処理が終了すると、変形補償部90は、被記録媒体種別決定部79から受け取った種別情報(#14)から決定される種類コードを用いて補正テーブル91にアクセスして使用しようとする被記録媒体1の収縮率を得る(#15)。さらに、変形補償部90は、得られた収縮率に基づいて定着画像の寸法が加熱定着工程での熱収縮にもかかわらずソース画像によって規定されている目標画像寸法に正確に一致するように、処理済みの画像データに対して変形補償のための画像データ補正としての拡大処理を行う(#16)。
【0042】
画像処理部72において変形補償のための画像データ補正を受けた画像データはプリントデータ生成部73に送られる(#17)。なお、RGBカラー画像データは画像処理部72において他の画像処理の前後の適当な段階でCMYKカラー画像データに変換されてるので、プリントデータ生成部73へ送られるカラー画像データはCMYKカラー画像データである。プリントデータ生成部73はCMYKカラー画像データを2値CMYKプリントデータに変換して、プリント制御部75に転送する(#18)。前述したように、プリント制御部75は転送されてきた2値CMYKプリントデータからプリントヘッド2のための駆動パルス信号を生成して(#19)、それによりプリントヘッド2の駆動素子を制御して被記録媒体1にインクドットによる画像を形成する(#20)。表面層12に撮影画像を形成された被記録媒体1は、適切に温度調整された加熱空間Rを通過することにより熱エネルギを受け、その際生じる加熱昇華によりテストプリント画像は定着層11に転写(定着)される(#21)。熱収縮により定着された画像サイズは#20でプリントヘッド2により形成された段階での画像サイズより小さくなっているが、プリントヘッド2により形成された画像サイズが熱収縮を考慮して目標画像サイズより大きくなっているので、最終印刷物100に形成されている定着画像のサイズは目標画像サイズに一致することになる。
【0043】
〔別実施形態〕
上述したように被記録媒体1が熱変形を受けることにより生じる目標画像サイズと実際の定着画像サイズのズレは、変形補償部90によって予めそのズレ分だけ画像データが補正(縮小・拡大処理)されることにより補償可能となった。しかしながら、被記録媒体1の熱変形が大きい場合、画像濃度に関しても無視できないズレが生じる可能性がある。これは、特定色(通常CMYK)の面積階調で色濃度を表しているような場合、被記録媒体1が熱収縮した場合単位面積当たりの色素量が相対的に大きくなることで色濃度が濃くなったり、被記録媒体が熱膨張(伸長)した場合単位面積当たりの色素量が相対的に小さくなることで色濃度が薄くなったりするからである。
【0044】
このため、本発明の第2の実施形態では、変形補償部90は、最終的な定着画像の濃度が濃くなる傾向がある場合予め画像データの濃度を薄くなるように、また最終的な定着画像の濃度が薄くなる傾向がある場合予め画像データの濃度を濃くなるように画像データの濃度値を補正するをも行うように構成されている。当然、補正テーブル91には、被記録媒体1の種類毎の収縮率(伸長率)だけではなく、各色の濃度補正量も格納されている。濃度に関する熱変形補償のための濃度補正量は、よく知られているカラーマッチングなどに用いられるカラーチャートを有するテスト用プリントデータを用いて対象被記録媒体1にテスト画像を定着させ、その画像を濃度計等で測定し、目標画像濃度と定着画像濃度の差から算定することができる。
【0045】
ここでも、そのような濃度補正量が補正テーブル91に格納されていない被記録媒体1を使用する場合には、テスト用プリントデータを装置に読み込み(このテスト用プリントデータにはカラーチャートだけでなく前述したトンボも含まれていると画像寸法と画像濃度の両方のズレを同時に測定できるので好都合である)、テストプリントを作成して、濃度補正量を算定することになる。このように得られた濃度補正量は、好ましくは同時に得られる画像寸法に関する変形補償のためのトンボ間長さの入力時にいっしょに入力するとよい。このため、この実施形態における変形補償データ入力画面は図9に示すように熱変形補償のための濃度補正量の入力欄が追加されている。
【0046】
上述した濃度ズレの補償は、画像データの濃度値を補正する代わりに、プリントデータ生成部73でCMYKカラー画像データを2値CMYKプリントデータに面積階調方式を用いて変換する際にその変換式、例えば使用する変換マトリックスを変えることでも可能である。
その場合、変形補償部90が、使用被記録媒体1に種類に応じて面積階調変換設定コマンドをプリントデータ生成部73に与えるように構成するとよい。
【0047】
なお、上述した目標画像と定着画像との間に生じるズレの補償に関して、画像濃度に関するズレだけが無視できないケースでは、変形補償部90には濃度ズレの補償のための機能だけを備えればよく、そのような構成も本発明の枠内に入るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像形成装置で扱われる被記録媒体の一例を示す断面図
【図2】本発明による画像形成装置の一つの実施形態を示す外観図
【図3】画像形成装置のプリントステーションの構成を示す断面模式図
【図4】プリントステーションのプリントユニットの構成を示す断面模式図
【図5】熱収縮する被記録媒体を用いた画像形成における目標画像と定着画像の関係を示す説明図
【図6】コントローラの機能を説明する機能ブロック図
【図7】変形補償の下で入力画像データに基づいて被記録媒体に画像が定着されるまでの様子を示す流れ図
【図8】変形補償データ入力画面を示すモニタ画面図
【図9】第2実施形態における変形補償データ入力画面を示すモニタ画面図
【符号の説明】
1 被記録媒体
2 プリントヘッド
3 ヘッド送り機構
4 加熱装置
6 搬送機構
7 コントローラ
7A第1コントローラ
7B第2コントローラ
72 画像処理部
73 プリントデータ生成部
75 プリント制御部
78 加熱制御部
79 被記録媒体種別決定部
90 変形補償部
91 補正テーブル
PU プリントユニット
RU ループ形成ユニット
HU 加熱定着ユニット
Claims (7)
- 画像データから作成されたプリントデータに基づいて駆動制御されるプリントユニットによって画像を被記録媒体に形成するとともに熱エネルギによって前記画像を被記録媒体に定着させる画像形成装置において、
前記熱エネルギによる前記被記録媒体の縦方向又は横方向あるいは両方向における寸法変化の結果生じる目標画像と定着画像との間のズレを補償する変形補償部が備えられていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記変形補償部によって補償される前記目標画像と定着画像との間のズレは画像寸法であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記変形補償部は前記目標画像と定着画像との間のズレを画像データの補正により補償することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記変形補償部は前記熱エネルギによる前記被記録媒体の縦方向又は横方向あるいは両方向における寸法変化に基づいて算定された前記目標画像と定着画像との間のズレを補償するための補正テーブルを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記被記録媒体の縦方向又は横方向あるいは両方向における寸法変化を求めるためのテスト用プリントデータが備えられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記変形補償部は前記被記録媒体の縦方向又は横方向あるいは両方向における寸法変化の結果生じる目標画像と定着画像との間の濃度ズレを補償する濃度補正部を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記変形補償部によって補償される前記目標画像と定着画像との間のズレは画像濃度であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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