JP2004008436A - 培養骨とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】骨補填材の全体に迅速に培養細胞を浸透させて、効率よく培養骨を製造する。
【解決手段】積み重ね可能な形状を有するとともに、少なくともその積み重ね方向に貫通する貫通穴2を有する複数の骨補填材1を製造し、貫通穴2を相互に概略一致させた状態に骨補填材1を積み重ね、最上位の骨補填材1の貫通穴2から培養細胞4を注入した後に、培養細胞4を含有する培養液内にこれらの骨補填材1を投入して培養する培養骨の製造方法を提供する。
【選択図】  図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、骨の欠損部を再生する際に使用する培養骨とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、骨腫瘍摘出や外傷等により生じた骨の欠損部に、骨補填材を補填することにより、骨を再生させて欠損部を修復することが可能になってきている。骨補填材としては、ハイドロキシアパタイト(HAP)やリン酸三カルシウム(TCP)が知られているが、体内に異物を残さないとする考え方から、例えば、β−TCPのようなリン酸カルシウム多孔体からなる足場材が使用される。β−TCPを骨欠損部の骨細胞に接触させておくと、破骨細胞がβ−TCPを食べ、骨芽細胞が新しい骨を形成する、いわゆるリモデリングが行われる。すなわち、骨欠損部に補填された骨補填材は、経時的に自家骨に置換されていくことになる。
【0003】
従来より、骨欠損部に補填する骨補填材としては、例えば、適当な大きさを有する直方体状に形成された多孔体、または、顆粒状のものが存在する。このような骨補填材を医療現場において実際に使用する場合には、医師が、手術中に骨欠損部の形状に合わせて直方体状の骨補填材を適宜削り、あるいは顆粒状の骨補填材を隙間に補填することなどが行われている。
【0004】
一方、術後の骨欠損部の修復速度を高めるために、患者から採取した骨髄間葉系細胞を骨補填材とともに培養することにより製造される培養骨を使用することが提案されている。培養されることにより骨補填材を足場にして増殖した多くの骨髄間葉系細胞を含む培養骨を骨欠損部に補填するので、手術後に体内で細胞を増殖させる方法と比較すると、自家骨に置換されるまでの日数を大幅に短縮することができる。
従来、このような培養骨は、多孔質ブロック状の骨補填材の表面に培養細胞を貼り付けて培養液内に投入することにより製造していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、培養細胞を含む培養液には粘性があり、骨補填材の気孔は微細なものであるため、骨補填材の気孔内に充分に浸透するには長時間を要するという問題がある。骨補填材の気孔を大きく設定することにより、浸透性を向上することも考えられるが、気孔率の大きさは修復される骨の強度にも影響を与えるものであるため、過度に気孔を大きくすることはできない。
【0006】
この発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、骨補填材の全体に迅速に培養細胞を浸透し易くし、効率よく培養骨を製造することができる培養骨の製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、以下の手段を提供する。
請求項1に係る発明は、積み重ね可能な形状を有するとともに、少なくともその積み重ね方向に貫通する貫通穴を有する複数の骨補填材を製造し、貫通穴を相互に概略一致させた状態に骨補填材を積み重ね、最上位の骨補填材の貫通穴から培養細胞を注入した後に、培養液内にこれらの骨補填材を投入して培養する培養骨の製造方法を提供する。
【0008】
この発明によれば、骨補填材に形成された貫通穴を相互に概略一致させるように積み重ねた骨補填材の最上位から、貫通穴内に培養細胞を注入することにより、培養細胞が重力によって貫通穴の内壁を伝って下降し、貫通穴内に充填される。そして、このように貫通穴内に培養細胞が充填された骨補填材を、培養液内に投入して培養することにより、貫通穴内壁側からは、予め充填された培養細胞が骨補填材に浸透し、外面側から培養液を浸透させることにより培養細胞を骨補填材内にスムーズに浸透していくことになる。したがって、培養細胞が内部まで充分に浸透した培養骨が製造される。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の培養骨の製造方法において、貫通穴を略水平方向に寝かせて骨補填材を培養液内に投入する培養骨の製造方法を提供する。
この発明によれば、貫通穴が略水平方向に配されるように骨補填材を配することにより、貫通穴内に充填されている培養細胞が、重力によって貫通穴から流れ出すことが防止され、無駄なく骨補填材に浸透させられることになる。
【0010】
請求項3に係る発明は、骨補填材と培養細胞とを培養液内に投入して培養する培養骨の製造方法であって、貫通穴を有する隔壁部材により、複数の骨補填材を培養液内において区画して培養する培養骨の製造方法を提供する。
この発明によれば、複数の骨補填材が隔壁部材によって区画されるので、製造される培養骨が相互に連結することなく製造される。この場合に、培養液は隔壁部材に設けられた貫通穴を通して、流通するので、複数の培養骨を同一条件下で製造することが可能となる。ここで、隔壁部材は、板状の隔壁の他、網状部材や貫通穴を有する膜状部材であってもよい。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の培養骨の培養方法において、前記骨補填材を、該骨補填材より小さい網目を有する網状部材の上に載置して培養する培養骨の培養方法を提供する。
この発明によれば、網状部材の作用により骨補填材を培養皿の表面から浮かせた状態に保持することができるので、骨補填材の裏面にも培養液を還流させて骨補填材の全面から培養細胞の成長を開始させることが可能となる。
【0012】
請求項5に係る発明は、粒状の骨補填材を、該骨補填材より小さい網目を有する網状部材に包み培養液内に投入して培養する培養骨の製造方法を提供する。
この発明によれば、粒状の骨補填材の周囲に培養細胞が付着して相互に連結された塊状の培養骨が製造される。網状部材の網目は骨補填材より小さいので、骨補填材が網状部材からこぼれることなく保持される。また、培養液は網状部材の網目を通して流通させられる。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の培養骨の製造方法において、前記網目が培養液内に含有される培養細胞より小さい培養骨の製造方法を提供する。
この発明によれば、骨補填材を内部に保持する網状部材の網目が、培養細胞より小さいので、培養細胞が網状部材からこぼれることなく保持される。したがって、網状部材にくるんだ骨補填材と培養細胞とを一緒に培養液に投入することにより培養骨が製造される。また、同一の培養液内にそれぞれ網状部材にくるんだ複数の骨補填材を投入することにより、相互に連結させることなく、複数の培養骨を同一条件下で製造することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態に係る培養骨の製造方法について、図1を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る培養骨の製造方法は、複数の骨補填材1を製造し、積み重ね、培養液を注入して培養するものである。
各骨補填材1は、例えば、特開平5−237178号公報に開示されている方法により製造したβ−TCPからなる直方体状の多孔体であり、それぞれの略中央には、一方向に貫通する貫通穴2を備えている。
【0015】
貫通穴2の径寸法は、内部に注入される培養細胞が重力により落下し得る程度の大きさである。各骨補填材1の貫通穴2の位置は、相互に積み重ね状態に配置したときに、概略一致するように、ほぼ同一位置に配置されている。
貫通穴2は、上述した方法によるβ−TCP多孔体の製造過程において形成することにしてもよいが、β−TCP多孔体の製造後に、穿孔することにより形成してもよい。
【0016】
次に、図2に示されるように、このように構成された複数の骨補填材1を厚さ方向に積み重ねる。このとき、骨補填材1に形成された貫通穴2は相互に概略一致する位置に配置され、上下方向に積み重ねられた骨補填材1の貫通穴2どうしは、上下方向に連続するように配置される。なお、最下位に配置した骨補填材1については、穴3を厚さ方向に貫通させることなく、途中位置まで形成しておく。すなわち、積み重ねられた貫通穴2は、上下方向に連続して最下位の骨補填材1の厚み方向の途中位置まで達するように構成されている。
【0017】
そして、次に、積み重ねられた最上位の骨補填材1に形成されている貫通穴2から、図2に矢印で示されるように、培養細胞4を注入する。培養細胞4は、例えば、腸骨から抽出した骨髄間葉系細胞である。あるいは、間葉系幹細胞であってもよい。最上位の骨補填材1の貫通穴2から注入された培養細胞4は、重力の作用によって貫通穴2内を、その内側面に一部を付着させながら下降する。そして、最下位の骨補填材1に達したところで、厚み方向の途中位置まで形成されている穴3まで達し、注入された培養細胞4は貫通穴2内に順次溜まっていく。その後、貫通穴2内に溜まった培養細胞4は、骨補填材1に形成されている気孔内に浸透していくことになる。
【0018】
最後に、このようにして貫通穴2内に培養細胞4を注入された骨補填材1は、培養皿5内に、適当な培養液6とともに投入され、所定の培養条件下において培養される。培養液6内には、骨補填材1内に注入したのと同じ培養細胞4が含まれていてもよいし、培養液のみでもよい。これにより、培養細胞4中の間葉系幹細胞が骨補填材1を足場にして増殖させられ、培養骨が製造されることになる。
【0019】
この場合において、培養液6内に投入される骨補填材1は、図3に示すように、貫通穴2を略水平方向に寝かせるようにして投入される。これにより、貫通穴2内部に貯留されていた培養細胞4は、重力により貫通穴2の内壁に向かわせられ、貫通穴2内面側から骨補填材1内部への浸透が促進される。また、培養細胞4を含有した培養液6を使用した場合には、骨補填材1の外面には、培養細胞4を含有した培養液6が接触しているので、該外面側からも培養細胞4が骨補填材1内部へ浸透させられることになる。
【0020】
このように、本実施形態に係る培養骨の製造方法によれば、鉛直方向に連続するように配置された貫通穴2に培養細胞4を注入することにより、それぞれの骨補填材1に別々に培養細胞4を注入することと比較すると、注入作業の手間を省くことができる。また、骨補填材1の外面からのみならず、貫通穴2内面側からも培養細胞4が骨補填材1の内部に浸透させられるので、比較的大きな骨補填材1であっても、充分に内部まで培養細胞4を浸透させることができる。したがって、効率よく培養骨を製造することができることになる。
【0021】
なお、本実施形態に係る培養骨の製造方法では、培養液6を培養皿5内において流動させてもよい。これにより、培養液6内の成分を効率よく培養細胞4に供給できるので、培養骨を効率よく製造することができる。培養液6を流動させる方法としては、例えば、図4に示すように、培養液6内に磁性材料からなるファン7を配置しておき、培養皿5の外部、例えば、底面下方に配置した磁石8をモータ9によって回転させることにしてもよい。これにより、培養液6内のファン7を磁力により回転させるので、培養液6に接触することなく培養液6を流動させることができる。培養液の成分は、MEM(Minimal Essential Medium)に15%FBS,抗生剤、グリセロリン酸、アスコルビン酸、デキサメサゾン等を含んでいる。
【0022】
次に、本発明の第2の実施形態に係る培養骨の製造方法について、図5および図6を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る培養骨の製造方法は、網状部材10により、複数の骨補填材1を培養液6内において区画して培養するものである。網状部材10としては、生体適合性を有する材料、例えば、チタンやSUS316等が好ましく、さらに好ましくは、細胞が付着しにくい性質のもの、例えば、親水性を有する表面処理を施したチタンやSUS316からなるものが好ましい。網状部材10の網目の大きさは、少なくとも培養液6内に含有される成分が通過できる大きさ、あるいは、培養細胞4が通過できる程度の大きさを有していてもよい。
【0023】
網状部材10は、例えば、図5および図6に示されるように、培養皿5内を格子状に区画しており、各網状部材10によって区画された格子内に、培養細胞を表面に付着させた骨補填材1が配置される。培養液6内には、例えば、骨髄細胞や間葉系細胞のような培養細胞4が含有されていてもよい。骨補填材1は、例えば、直方体状のβ−TCP多孔体であって、その上面から中心位置まで凹部11が形成されており、当該凹部11内に培養細胞4を注入可能となっていることが好ましい。
【0024】
このような本実施形態に係る培養骨の製造方法によれば、網状部材10によって区画された各格子内に配置されている複数の骨補填材1に、培養液中の成分が、培養細胞4に作用して、培養細胞4の増殖や分化が加速され、培養骨が製造される。また、培養液6中に培養細胞4が浮遊している場合には、培養細胞4が付着して、骨補填材1を足場として増殖することにより培養骨が製造される。ここで、培養骨の上面に設けられた凹部11内に培養細胞4を注入した状態で培養液6内に投入することにより、骨補填材1の内部からも培養細胞4を成長させることができるので、培養骨を効率よく製造することができる。
【0025】
また、このとき、隣り合う骨補填材1は網状部材10によって区画されているので、製造された培養骨どうしが連結してしまうことがない。したがって、連結を切断する際に生ずる細胞の損傷を抑え、健全な培養骨を効率的に製造することができる。また、培養液6の成分および/または培養細胞4は、網状部材10の網目を通して自由に行き来することができるので、培養皿5内の培養条件は、いずれの位置においてもほぼ一定に保たれる。
すなわち、同一条件下で複数の培養骨を製造することが可能となる。
【0026】
なお、上記実施形態において採用した網状部材10に代えて、厚み方向に貫通する複数の貫通穴を有する板状の隔壁部材、あるいは、厚み方向に複数の貫通穴を有する膜状の隔壁部材を採用することにしてもよい。
また、骨補填材1をβ−TCP多孔体からなるものとしたが、これに代えてHAP、チタン、SUS316等の材料から構成されたものを採用してもよい。また、直方体状の骨補填材1に代えて、他の任意の形状の骨補填材を採用してもよく、さらに、異なる形状を有する複数の骨補填材を網状部材10の内部に包むことにしてもよい。この場合、組み合わせることにより骨欠損部の形状を再現し得る複数の分割片からなる骨補填材を培養することにしてもよい。
【0027】
また、直方体状の骨補填材1の中心位置近傍まで凹部11を形成し、内部に培養細胞4を注入した状態で培養を行うこととしたが、骨補填材1の大きさがあまり大きくない場合には、凹部11を設けなくてもよいことは言うまでもない。また、骨補填材1を上下に貫通する貫通穴を設け、その下端をフィブリン糊や、コラーゲンなどの生体吸収材料からなるシートにより塞ぐことにしてもよい。図2において、穴3を設ける代わりに、貫通穴2の下部をフィブリン糊で塞いでもよい。
【0028】
さらに、直方体状の骨補填材1のように、90°以下の角部があると、その稜の部分には培養細胞4が付着しにくい知見が得られている。したがって、培養細胞4を骨補填材1の全面に付着させて、効率的な培養骨の製造を行うためには、このような比較的急峻な角部を排除する必要がある。そこで、図7に示されるように、骨補填材1の全ての角部に適宜、面取りを行い、あるいは、角を丸める(Rを付ける)ことにすれば、当該稜の部分にも培養細胞4を付着させることができるので効果的である。
【0029】
また、骨補填材1の間を区画する網状部材10とともに、または、これとは別に、図8に示されるように、培養皿5の底面から骨補填材1を浮かせるようにして培養液6内に配置するための他の網状部材12を採用することにしてもよい。このようにすることにより、骨補填材1と培養皿5との接触部分(培養細胞4が付着しにくい部分)をなくし、骨補填材1の下面からも培養細胞の成長を開始させることができる。その結果、さらに効率的に培養骨を製造することができる。
【0030】
次に、この発明の第3の実施形態に係る培養骨の製造方法について、図9を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る培養骨の製造方法は、粒状の骨補填材15を、該骨補填材15より小さい網目16(貫通穴)を有する網状部材17に包み培養液6内に投入して培養するものである。
前記網状部材17の網目16は、培養細胞4を通過させることが可能な約500μm以上の大きさを有している。また、前記骨補填材15は、上記網状部材17の網目16より大きな、例えば、粒径約600〜3000μm程度のβ−TCPからなる。
【0031】
この培養骨の製造方法によれば、粒状の骨補填材15を網状部材17に包んで培養細胞4を含有する培養液6内に投入し、所定の培養条件下で培養することにより、培養液6とともに培養細胞4が網状部材17の網目16を通して網状部材17内部の骨補填材15の周囲を流通し、骨補填材15に付着して、骨形成が開始される。網状部材17の網目16は骨補填材15より小さく形成されているので、粒状の骨補填材15は網状部材17の外側にこぼれないように保持される。
【0032】
そして、所定の期間にわたって培養を行うことにより、骨補填材15の周囲に培養細胞4を充分に成長させた培養骨が、網状部材17の内部に製造される。骨補填材15が粒状に形成されているので、培養細胞4は、骨補填材15間を連結するように成長し、結果として、図10に示されるように、骨補填材15と培養細胞4とが混合した塊状の培養骨18が製造されることになる。
【0033】
本実施形態に係る培養骨18の製造方法によれば、粒状の骨補填材15の周囲に培養細胞4を成長させるので、比較的大きな培養骨18を製造する場合においても、その内部まで培養細胞4を成長させることができ、効率よく培養骨18を製造することができる。また、粒状の骨補填材15どうしを連結する培養細胞4は、弾性を有しているので、塊状に形成された培養骨18は、外部から力を加えることにより変形され易く構成されている。
したがって、医師が手術中において骨欠損部に培養骨18を補填する際に、上記培養骨18に外力を加え、骨欠損部の形状に合わせて培養骨18をある程度変形させながら、補填することができる。
【0034】
なお、上記実施形態においては、網状部材17の網目16の大きさを、骨補填材15よりも小さく、培養細胞4よりも大きい大きさとしたが、これに代えて、培養細胞4より小さい大きさの網目16を有する網状部材17を採用してもよい。この場合には、培養細胞4は、骨補填材15とともに網状部材17の内側に投入し、培養液6のみを網状部材17の網目16を通して骨補填材15および培養細胞4の周囲に流通させる。これにより、上記実施形態と同様の培養骨18が製造されることになる。
また、上記のいずれの実施形態の場合においても、骨補填材15を包んだ2つ以上の網状部材17を同一の培養液6内に投入することにより、同一の培養条件下において複数の培養骨18を製造することが可能となる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る培養骨の製造方法によれば、骨補填材の中心部まで迅速に培養細胞を浸透させて、効率よく培養骨を製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る培養骨の製造方法に使用される骨補填材を示す斜視図である。
【図2】図1の製造方法において、骨補填材を積み重ね、培養細胞を注入する状態を示す縦断面図である。
【図3】図1の製造方法において、培養細胞を注入した骨補填材を培養液内に投入する状態を示す縦断面図である。
【図4】図1の製造方法における変形例を示す模式図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る培養骨の製造方法において、骨補填材を培養液中に投入した状態を示す縦断面図である。
【図6】図5の状態を示す平面図である。
【図7】図5の製造方法における骨補填材の変形例を示す斜視図である。
【図8】図5の製造方法の変形例を説明する縦断面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る培養骨の製造方法において、粒状の骨補填材を培養液中に投入した状態を示す縦断面図である。
【図10】図7の製造方法により製造された培養骨を示す概略図である。
【符号の説明】
1,15 骨補填材
2 貫通穴
4 培養細胞
6 培養液
10 網状部材(隔壁部材)
12 網状部材
16 網目(貫通穴)
17 網状部材
18 培養骨

Claims (10)

  1. 積み重ね可能な形状を有するとともに、少なくともその積み重ね方向に貫通する貫通穴を有する複数の骨補填材を製造し、
    貫通穴を相互に概略一致させた状態に骨補填材を積み重ね、
    最上位の骨補填材の貫通穴から培養細胞を注入した後に、
    培養液内にこれらの骨補填材を投入して培養する培養骨の製造方法。
  2. 貫通穴を略水平方向に寝かせて骨補填材を培養液内に投入する請求項1に記載の培養骨の製造方法。
  3. 骨補填材と培養細胞とを培養液内に投入して培養する培養骨の製造方法であって、
    貫通穴を有する隔壁部材により、複数の骨補填材を培養液内において区画して培養する培養骨の製造方法。
  4. 前記骨補填材を、該骨補填材より小さい網目を有する網状部材の上に載置して培養する請求項3に記載の培養骨の培養方法。
  5. 粒状の骨補填材を、該骨補填材より小さい網目を有する網状部材に培養細胞とともに包んだ状態に培養液内に培養する培養骨の製造方法。
  6. 前記網目が培養液内に含有される培養細胞より小さい請求項5に記載の培養骨の製造方法。
  7. 前記網目が培養液内に含まれる成分より大きい請求項5または請求項6に記載の培養骨の製造方法。
  8. 外面を揃えて積み重ねたときに、相互に概略一致する貫通孔を備えるとともに、該貫通孔内に培養細胞を注入した状態で培養された培養骨。
  9. 粒状の骨補填材を、培養細胞により一体化してなる培養骨。
  10. 骨補填材が有する孔内に、培養細胞が充填されている請求項9に記載の培養骨。
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