JP2004008013A - 混合飼料 - Google Patents

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Abstract

【課題】納豆菌にとって活動しやすい最適な環境をつくることにより、家畜を順調に成長させると共に家畜の健康を促進させることができる混合飼料を提供する。
【解決手段】混合飼料に関する。黄粉及び納豆菌を含有する。黄粉を含有していることによって、家畜や家禽の体内において納豆菌にとって活動しやすい最適な環境をつくることができる。このように最高の活動環境が確保された納豆菌によって、家畜を順調に成長させると共に家畜の健康を促進させることができる。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、牛、豚、鶏などの家畜や家禽の飼料に添加して用いられる混合飼料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の畜産界では、環境面や公衆衛生の観点から、抗生物質や抗菌剤などの使用が難しくなっており、防疫や生産性の面から、2サイト、3サイト、あるいはデボピデーションなどの飼育形態が、徐々に進められている。このような状況下において、薬の使用を抑え、家畜を健康的に飼育するため、生菌剤、各種酵素剤、有用微生物の栄養源のオリゴ糖などの重要性が増している。中でも生菌剤の1つである納豆菌は、ビフィズス菌の活動を助けるなど、家畜などの成長及び健康の促進に最適であるため、広く飼料に添加して用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、納豆菌が活動する上で、家畜などの体内は必ずしも最適な環境であるとはいえず、そのため、単に納豆菌を飼料に添加して家畜などに給与しても、その活動を十分に期待することはできないという問題があった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、納豆菌にとって活動しやすい最適な環境をつくることにより、家畜を順調に成長させると共に家畜の健康を促進させることができる混合飼料を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る混合飼料は、黄粉及び納豆菌を含有して成ることを特徴とするものである。
【0006】
また請求項2の発明は、請求項1において、黄粉の含有量が混合飼料全量に対して60重量%以上であることを特徴とするものである。
【0007】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、納豆菌の含有量が混合飼料全量に対して0.5〜2.5重量%であることを特徴とするものである。
【0008】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、混合飼料全量に対して水分が10重量%以下であることを特徴とするものである。
【0009】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、ペレット状に固めて成ることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
本発明において黄粉(きなこ)としては、一般に大豆を煎って細かにひいて粉にしたものを用いることができるが、次のようにして製造したものを用いるのが好ましい。
【0012】
すなわち丸大豆を185℃で4分間、流動焙煎装置を用いて焙煎した後に、粉砕することによって、黄粉を製造することができる。このようにして得た黄粉にあって、PDI(Protein Dispersibility Index)値は9〜11であることが好ましい。ここで、PDIとはタンパク質分散指数の略で米国油化学会指定のバイパス性タンパク質分析法をいい、その分析値はバイパス性タンパク質を生産するために、大豆の加熱処理が適切であるかを示す。そして本発明においてPDI値が9未満であると、過度な加熱となり、タンパク質の熱変性や炭水化物との結合を引き起こすおそれがあり、逆にPDI値が11を超えると、熱処理不足であるおそれがある。結局、PDI値が小さ過ぎても大き過ぎても、家畜や家禽の小腸におけるタンパク質消化率を減少させるおそれがある。また、黄粉の粗タンパクは38重量%以上(実質上の上限は42重量%)であることが好ましい。粗タンパクが38重量%未満であると、原料である大豆が悪かったり水分が多かったりするなど、品質上の問題があるおそれがあり、餌として必ずしも適当ではない。さらに、黄粉の水分は7重量%以下(実質上の下限は0重量%)であることが好ましい。水分が7重量%を超えると、生焼けの状態となり、消化不良を起こしやすくなるおそれがある。
【0013】
また本発明において納豆菌としては、例えば、次のようにして製造したものを用いることができる。すなわち培養菌としてBacillus subtilisを用い、この培養菌を、予め加熱処理によって滅菌した丸大豆の培地(焙煎大豆培地)において、この大豆を餌として純正培養して乾燥させた後に、粉砕することによって、納豆菌を製造することができる。
【0014】
また本発明においては、上記の黄粉及び納豆菌のほか、公知のふすまや末粉(小麦粉など)、炭酸カルシウム等を用いることができる。
【0015】
そして、ミキサー等の一般的な配合装置を用いて、上記の原料、すなわち黄粉及び納豆菌を配合し、必要に応じてふすま、末粉及び炭酸カルシウムを添加してこれらを混合することによって、本発明に係る混合飼料を製造することができる。このようにして得た混合飼料にあっては、黄粉を含有しているので、この黄粉が納豆菌の餌となり、家畜や家禽の体内において納豆菌にとって活動しやすい最適な環境をつくることができ、その結果、納豆菌を十分に活動させることができ、この納豆菌によって家畜を順調に成長させることができると共に家畜の健康を促進させることができるものである。
【0016】
なお、稲わらも納豆菌にとって最適な温床であり、自然界において納豆菌はその住処として稲わらを好むことはよく知られている。事実、和牛生産者は稲わらを進んで給与しており、牛のルーメン(第1胃)内は納豆菌にとってとても良い環境となる。しかし、特に輸入稲わらは口蹄疫の問題以降、殺菌処理が随所でなされるようになり、納豆菌などの善玉菌までもが減少している。このように稲わらは必ずしも納豆菌にとって最高の活動環境を提供できるものではないのに対し、本発明に係る混合飼料にあって、黄粉は殺菌処理を特に必要としないので、納豆菌が減少するという問題は発生せず、常に納豆菌にとって最高の活動環境を確保することができるものである。
【0017】
さらに本発明に係る混合飼料は、ルーメンで分解されないタンパク質、いわゆるバイパスタンパクとしての効果を有している。特に牛の幼齢期においては、まだルーメンでの消化能力が未発達であるため、黄粉のような小腸で直接吸収されやすいタンパク源が求められ、本発明に係る混合飼料はこの要求に十分に応えることができるものである。一方、成牛においては、他の濃厚飼料(一般に粗繊維含量が少なく、可消化養分含量が多い飼料)によってルーメンの分解能力が飽和状態に近付いたとき、すなわちルーメンに偏った負担があるときに黄粉は小腸で直接吸収される率が高いため、本発明に係る混合飼料であれば、ルーメンでの負担を軽減し、タンパクの分解バランスを保つことができるものである。
【0018】
ここで、黄粉の含有量は混合飼料全量に対して60重量%以上(実質上の上限は99.5重量%)であることが好ましい。黄粉の含有量が60重量%未満であると、家畜や家禽の体内において納豆菌にとって最も活動しやすい環境をつくることができないおそれがある。また、納豆菌の含有量は混合飼料全量に対して0.5〜2.5重量%であることが好ましい。納豆菌の含有量が0.5重量%未満であると、後述する納豆菌による種々の効果を得ることができないおそれがあり、逆に2.5重量%を超えると、多くの菌が腸内に存在することとなり、下痢などを起こしやすくなるおそれがある。また、混合飼料において納豆菌数は1×10個/g以上(実質上の上限は1×10個/g)であることが好ましい。納豆菌数が1×10個/g未満であると、後述する納豆菌による種々の効果を得ることができないおそれがある。また、混合飼料全量に対して水分が10重量%以下(実質上の下限は0重量%)であると、家畜などに給与しないときには納豆菌を休眠状態にすることができるため好ましい。水分が10重量%を超えると、家畜などに給与する前に納豆菌が不用意に活動を開始するおそれがある。さらに、混合飼料において粗タンパクは25〜40重量%、粗脂肪は10〜20重量%、カルシウムは0.5〜2.0重量%であることが好ましい。
【0019】
本発明に係る混合飼料を牛などの家畜に給与するにあたっては、そのまま給与することもできるが、公知の種々の飼料に添加して混合飼料として給与することもできる。混合飼料を飼料に添加する際の添加量は、特に限定されるものではないが、例えば、給与飼料総量に対して1.0〜2.5重量%とすることができる。また混合飼料は円筒状に圧縮成型することによって、ペレット状に固めておくのが好ましい。ペレットの大きさは、特に限定されるものではないが、例えば直径5〜15mm、長さ10〜30mmの円筒型とすることができる。このようにペレット化した混合飼料を家畜に給与すると、家畜の胃や腸のじゅう毛に混合飼料がへばり付かず、胃などの内壁に膜を形成しなくなり、飼料成分の消化吸収を阻害しなくなると共に、反芻時に空気が取り込まれることにより、適度な水分と温度条件のもと、黄粉によって家畜の体内を納豆菌にとって最高の活動環境にすることができるものであり、他の飼料成分の分解能力も高まるものである。なお、混合飼料をペレット化するにあたっては、最終的に得られるペレット中の水分が10重量%以下となるように、蒸気を噴霧しつつ加工することができる。
【0020】
そして、納豆菌は家畜などの体内に取り込まれてから、おおよそ1〜2時間後にその活動を開始するものであり、次のようにして家畜の成長及び健康の促進に寄与するものである。すなわち、まず納豆菌は黄粉を餌にして糖、酵素を生産し分泌する。納豆菌が生産するものとしては、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)、アミラーゼ(澱粉分解酵素)及びセルラーゼ(セルロース分解酵素)等の酵素類、ビタミンK2、ビタミンB1、B2、B6等のビタミンB類、アミノ酸などを挙げることができる。上記の酵素類は、ルーメン及び腸内に存在するタンパク質、澱粉及び繊維などの有機物をアミノ酸レベルにまで分解して体内に吸収されやすい形にするものであり、これによって消化吸収を助け、飼料効率を高めることができるものである。またビタミンK2は、骨とカルシウムを結合させるGIa−タンパクを合成する際に使用され、このGIa−タンパクによってカルシウムを骨へ効率良く結合させることができ、カルシウムの骨への吸収を助けることができるものである。さらにビタミンB類は、疲労回復・成長促進に役立つものであり、納豆菌は特にビタミンB2を大豆の6倍以上持っている。
【0021】
次に、納豆菌が分泌した糖や、酵素類が分解したアミノ酸を求めて、ビフィズス菌や乳酸菌が増殖する。つまり、納豆菌はビフィズス菌などの腸内細菌の活動を助けるものである。通常、例えば牛の腸内には数百兆個もの腸内細菌が生息しているが、給餌メニューの変化、夏バテ、移動などによる過剰なストレス、老化などによって、腸内細菌の数量が減少したり悪玉菌が優性となったりして、乳量が減少したり下痢や病気に対する抵抗力が低下したりするなど、様々な健康上の悪影響が出てくる。そのため、ビフィズス菌などの腸内細菌の数量をバランス良く保つことが健康な牛に成長させる第一条件であるが、本発明において納豆菌は、既述のように活動しやすい最適な環境下におかれるので、腸内細菌をバランス良く繁殖させることができるものである。このようにして腸内細菌の数量がバランス良く保たれると、糞が丁度良い硬さとなるように腸のぜん動運動が促進されて整腸効果が高まり、軟便がしっかりして下痢を防止することができると共に排便がスムーズになるものである。
【0022】
また、バランス良く増殖したビフィズス菌や乳酸菌などの腸内細菌は、酢酸や乳酸などの有機酸を産出するものであり、これらの有機酸がカルシウムを酢酸カルシウムや乳酸カルシウムに変形させることによって、カルシウムを骨に吸収させやすくするものであり、ミネラルの吸収を高めることができるものである。
【0023】
さらに上記の腸内細菌は、非常に強い抗菌作用で、悪玉菌(ウェルシュ菌、クロストリジュム、ブドウ球菌など)が生産する毒物を分解することによって、これらの活動を抑制することができ、牛舎内、特に牛床より発生する病原菌の感染を防ぐことができると共に健康体となり免疫力を強化することができるものである。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0025】
1.豚の発育試験
本発明に係る混合飼料を添加した飼料を用いて豚の発育試験を行った。この試験を行った経緯は次のとおりである。すなわち豚においては、離乳から体重40kgまでの期間が、その後の一生を左右するといわれるほど重要な期間であるが、同時に離乳時は動物質から植物質への栄養源の移行、畜舎環境の変化、移動、群分け等、多くのストレスの影響を受ける期間でもある。その結果、消化不良(軟便下痢)、発育不良、病原性大腸菌等の病気の感染が起こりうるといわれている。そこで、本発明に係る混合飼料が上記の期間の改善策の1つとして有効であるかどうかをみるために豚の発育試験を行った。
【0026】
(材料及び方法)
供試豚:雌ケンボロー22×雄ライン265より生産された生後21〜25日令の150頭を試験区3群(1群25頭)75頭と対照区3群(1群25頭)75頭に分け使用した。
【0027】
供試飼料:本発明に係る混合飼料は、焙煎大豆培地により培養された納豆菌数1×10個/g以上を含むペレット状のものを用いた。表1にこの混合飼料の原料とその混合割合を示す。そして、試験区には自家配合スタータ飼料に上記の混合飼料を2重量%添加し、全期間不断給餌とした。一方、対照区は自家配合スタータ飼料を全期間不断給餌で実施した。
【0028】
【表1】
Figure 2004008013
【0029】
実施期間:生後21〜25日令より38日間とした。
【0030】
体重測定:各群ごとに開始日と終了日に測定した。
【0031】
健康状態:便の状態を下痢便、軟便に区別し、食下量は餌箱の残量で確認した。群の健康状態は、「−」、「±」、「+」で客観的に観察した。
【0032】
(結果)
体重:試験区の期間中、増体重が1群16.82kg、2群16.5kg、3群16.12kg、平均増体重は16.48kg、対照区は1群14.2kg、2群15.2kg、3群14.76kg、平均増体重は14.72kgで試験区と対照区では、1頭あたり、増体重1760gの差があった(図1及び表2参照)。
【0033】
【表2】
Figure 2004008013
【0034】
健康状態:便の状態、試験区1群では開始6日目、8日目、2群では6日目に1部、軟便が確認された。対照区1群では開始2日目、4日目、2群では3日目、6日目、7日目、3群2日目、3日目に1部軟便が確認され、両区には明らかな違いがみられた。食下量、健康状態では両区の差は確認されなかった。
【0035】
嗜好性:本発明に係る混合飼料は予備的な給与試験で優れた嗜好性であった。
【0036】
このように本発明に係る混合飼料は、納豆菌を含み、副産物である各種消化酵素、ビタミン類が多く含まれ、腸内フローラが健全化され、順調な発育を促進するものと思われ、この試験でも増体重において良い成績をみることができ、特に試験区は体重のバラツキが少なく、良く揃っていた。
【0037】
2.牛の発育試験(その1)
大分県S牧場において次のような牛の発育試験を行った。
【0038】
(材料及び方法)
供試牛:乳牛10頭を試験区A〜Eの5頭と対照区a〜eの5頭に分け使用した。
【0039】
供試飼料:本発明に係る混合飼料は、焙煎大豆培地により培養された納豆菌数1×10個/g以上を含むペレット状のものを用いた。表1にこの混合飼料の原料とその混合割合を示す。そして、試験区には自家配合スタータ飼料に上記の混合飼料を2重量%添加し、全期間不断給餌とした。一方、対照区は自家配合スタータ飼料を全期間不断給餌で実施した。試験区及び対照区のいずれについても飼料の給与量は300g/日とした。
【0040】
実施期間:平成13年7月14日〜平成13年10月31日とした。
【0041】
測定項目:各乳牛ごとに1か月の乳量、並びにF(脂肪)、P(タンパク質)及びSNF(無脂固形分)の量を測定した。
【0042】
(結果)
上記の測定項目の測定値を表3に示す。なお、表3において「▲」は試験区よりも対照区の方が上回っていることを意味する。
【0043】
【表3】
Figure 2004008013
【0044】
表3にみられるように、対照区よりも試験区の方が夏の時期における乳量が増加していることが確認される。
【0045】
3.牛の発育試験(その2)
本発明に係る混合飼料を用いた場合と用いなかった場合について、発育状態及び採食量の比較を行った。
【0046】
(材料及び方法)
供試牛:牛39頭を某牧場に導入した後、これらの牛を試験区18頭と対照区21頭に分け使用した。各牛を特定するための「耳標」及び「基金番号」を表4及び表5に示す。
【0047】
供試飼料:本発明に係る混合飼料は、焙煎大豆培地により培養された納豆菌数1×10個/g以上を含むペレット状のものを用いた。表1にこの混合飼料の原料とその混合割合を示す。そして、試験区の牛には、スターター及び乾草を給与すると共に、特にこのスターターに上記の混合飼料を2重量%添加したものを、牛を導入して後30日までは頭/日10g、30日以降は頭/日20g、60日以降は頭/日30g給与した。一方、対照区の牛にはスターター及び乾草のみを給与し、混合飼料を給与しなかった。
【0048】
実施期間:試験区については、平成14年1月15日〜平成14年3月30日、一方、対照区については、平成13年12月13日〜平成14年2月26日とした。
【0049】
体重測定:各牛ごとに導入時、離乳時及び去勢時に測定した。表4及び表5において、「D・G(Day Gain)」は導入時から離乳時までの47日間の1日の増体重の平均を示し、また「離乳〜D・G(Day Gain)」は離乳時から去勢時までの1日の増体重の平均を示し、さらに「導入〜D・G(Day Gain)」は導入時から去勢時までの1日の増体重の平均を示す。
【0050】
(結果)
本発明に係る混合飼料を用いなかった対照区(混合飼料の無給与区)の結果を表4に示す。
【0051】
【表4】
Figure 2004008013
【0052】
混合飼料の無給与区において、離乳時の採食量(1日1頭当たり)は、スターター2.16kg、乾草385kgであり、また去勢時の採食量(1日1頭当たり)は、スターター3.20kg、乾草511kgであった。
【0053】
本発明に係る混合飼料を用いた試験区(混合飼料の給与区)の結果を表5に示す。
【0054】
【表5】
Figure 2004008013
【0055】
混合飼料の給与区において、離乳時の採食量(1日1頭当たり)は、スターター1.71kg、乾草280kgであり、また去勢時の採食量(1日1頭当たり)は、スターター3.10kg、乾草509kgであった。
【0056】
表4及び表5にみられるように、「離乳〜D・G」及び「導入〜D・G」については試験区の方が対照区よりも上回っていることが確認される。この点から、試験区の採食量が対照区の採食量より少なくても、本発明に係る混合飼料を給与することによって、飼料効率を良くし、増体につなげることができると考えられる。
【0057】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る混合飼料は、黄粉及び納豆菌を含有しているので、黄粉を含有していることによって、家畜や家禽の体内において納豆菌にとって活動しやすい最適な環境をつくることができるものであり、このように最高の活動環境が確保された納豆菌によって、家畜を順調に成長させると共に家畜の健康を促進させることができるものである。
【0058】
また請求項2の発明は、黄粉の含有量が混合飼料全量に対して60重量%以上であるので、黄粉を多量に含有していることによって、家畜や家禽の体内において納豆菌にとって活動しやすい最適な環境を確実につくることができるものである。
【0059】
また請求項3の発明は、納豆菌の含有量が混合飼料全量に対して0.5〜2.5重量%であるので、ビフィズス菌などの腸内細菌をバランス良く繁殖させることができるものである。
【0060】
また請求項4の発明は、混合飼料全量に対して水分が10重量%以下であるので、納豆菌を休眠状態にすることができ、家畜などに給与する前に納豆菌が不用意に活動するのを防止することができるものである。
【0061】
また請求項5の発明は、ペレット状に固めているので、家畜の胃や腸のじゅう毛に混合飼料がへばり付かず、胃などの内壁に膜を形成しなくなり、飼料成分の消化吸収を阻害しなくなると共に、反芻時に空気が取り込まれることにより、適度な水分と温度条件のもと、黄粉によって家畜の体内を納豆菌にとって最高の活動環境にすることができるものであり、他の飼料成分の分解能力も高まるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の豚の発育試験において、試験区及び対照区それぞれの開始体重及び増体重を示す棒グラフである。

Claims (5)

  1. 黄粉及び納豆菌を含有して成ることを特徴とする混合飼料。
  2. 黄粉の含有量が混合飼料全量に対して60重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の混合飼料。
  3. 納豆菌の含有量が混合飼料全量に対して0.5〜2.5重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の混合飼料。
  4. 混合飼料全量に対して水分が10重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の混合飼料。
  5. ペレット状に固めて成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の混合飼料。
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