JP2004007702A - アナログ信号を表す少なくとも1つのディジタル出力を生成する装置 - Google Patents

アナログ信号を表す少なくとも1つのディジタル出力を生成する装置 Download PDF

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Abstract

【課題】量子化雑音パワーが最小でありかつミスマッチにより生成されるトーンを避ける中心周波数を設定することのできるΣΔ変調器を提供する。
【解決手段】ΣΔ変調器はアナログ信号Xを受ける。変調器の変調装置310は2個の信号変換装置318,320を含み、それぞれはアナログ信号部328,368とディジタル信号部338,378とを有する。各信号変換装置318,320は第1の位相差の位相オフセットを有するアナログ信号X,Yを受ける。2つのフィードバック部は一方の信号変換装置の出力位置と他方の信号変換装置のアナログ信号部との間にそれぞれ結合して、第2の位相差の位相オフセットを有するフィードバック信号を送る。ディジタル出力信号Yは2個の信号変換装置318,320の出力信号の和である。
【選択図】   図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアナログ・ディジタル変換装置に関するもので、特にアナログ・ディジタル変換に用いられるシグマ・デルタ(ΣΔ)変調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の通信技術の発達により、アナログ・ディジタル信号変換を受信器チャンネル内で従来より早い段階で行うことが注目されるようになった。中間周波数(IF)か無線周波数(RF)の早い段階でアナログ・ディジタル(A/D)変換を行うと、プログラム可能性が向上しまた多標準システムを簡単に実現することができる。最近かかる多標準システムの要求が高まっている。最近の通信システムでは、所定の信号帯域内に同相信号と直交信号(I/Q信号)とが共存するのが普通である。従来技術の通信チャンネルは、A/D変換の前に帯域信号を2つの低域I/Qチャンネルに変換する。種々のアナログ・チャンネルの間にミスマッチがあるとシステムの性能が劣化する可能性がある。IFでA/D変換すれば強いディジタルI/Q分離が可能になる。また早い段階で変換すれば、アナログ・フィルタ設計の要件が緩和され、いくつかの高価な外部の構成要素を除外することができる。
【0003】
帯域通過ΣΔ変調器には複数の既知の構造がある。1つの方法は、低域プロトタイプを変換することによりまたは一般化されたフィルタ近似により伝達関数を得ることである。得られた伝達関数は、例えばスイッチ・キャパシタ回路などの適当な回路技術を用いて実現することができる。かかる直接的な設計方法には2つの大きな欠点がある。第1に、かかる設計には正確な回路構成要素が必要なので、設計は精密で一般に高価な構成要素に強く依存する。現在利用可能な技術では高解像度の帯域通過ΣΔ変調器を設計することは極めて困難である。第2の欠点は、現在の市場に存在する製品の信号帯域幅がますます大きくなりつつあることに関係がある。したがって、現在の市場で用いられる全ての回路は、許容されるオーバーサンプリング比を得るために非常に高い周波数で動作することが可能でなければならない。
【0004】
帯域通過ΣΔ変調器における別の既知の設計方法は時間インターリーブ(time−interleaved)マルチパス法である。nパス構造は伝達関数に対して実質的にZ−1→Z−nの変換を行うので、各パスが低域通過または高域通過ΣΔ変調を行えば、合成されたシステムは帯域通過システムになる。この方法では、安定で線形の低域通過または高域通過ΣΔ変調器の設計に用いる方法を帯域通過ΣΔ変調器に用いることができる。かかる設計の多くは高度に精密な回路構成要素を必要としない。
【0005】
マルチパスΣΔシステムの別の利点は、各パスは有効なサンプリング周波数の一部で動作すればよいことである。これにより、70MHz−400MHzの中間周波数(IF)を有する現代の通信システムで用いられる実用的なΣΔ変調器の設計が可能になる。また、演算増幅器のパワーは動作速度の2乗に比例するので、nパス構造はパワーを大幅に節減することができる。
【0006】
第3世代の移動電話などの応用は大きな帯域幅を必要とするチャンネルを用いる。また、かかるシステムの基地局構造は、ディジタル信号処理に柔軟性を与えるために高い中間周波数を用いる。かかる理由から、非常に大きな帯域幅(例えば、かかるシステムに用いられる中間周波数、800−100MHz程度まで)と高い解像度とを有するアナログ・ディジタル変換器を用いることが望ましい。別の方法として、帯域通過データ変換器を用いて、中間周波数と信号帯域との比で許容されるオーバーサンプリングを利用することができある。しかしかかるシステムの基地局は複数の第3世代のチャンネルを変換する必要があり、その信号帯域は5MHz程度なので、オーバーサンプリングは比較的小さな値に制限される。
【0007】
高速バイポーラ技術を用いることにより、設定者は、高いサンプリング・レート(一般に約100MHz以上)と優れた直線性とを持つ、一般にパイプライン構造で用いられる高解像度ナイキスト・レートのアナログ・ディジタル変換を実現することができる。しかし全ナイキスト帯域にわたって高い直線性を実現することは大きな設計課題であり、通常、高価なオンチップ・トリミングや複雑な較正動作を必要とする。
【0008】
中間周波数(IF)信号のアナログ・ディジタル変換を行うのに帯域通過ΣΔ変換器を用いると、上に説明したようなナイキスト・レート構造に関して利点がある。例えば、かかる応用に用いる構成要素をCMOS(相補形金属酸化膜シリコン)技術を用いて製作することができる。CMOSデバイスを用いる複雑なディジタル回路と変調器とを統合することができる。また、得られるアナログ・ディジタル変換器(ADC)のコストは、バイポーラ構成要素を用いるよりCMOSデバイスを用いる方が低い。
【0009】
或るタイプのスイッチ・キャパシタ帯域通過ΣΔ変調器は、高いIFおよび高い解像度の要求を満たすのに適さない制約を有する。かかる変調器のいくつかの例が次の文献に記述されている。(1)「10.7MHzのスイッチ・キャパシタ帯域通過デルタ・シグマA/D変調(Switched−Capacitor Bandpass Delta−Sigma A/D Modulation at 10.7 MHz)」、Frank W. Singor, W. Martin Snelgrove, IEEE Journal of Solid−State Circuits, Vol. 30, No. 3, March 1995, pp.184−192、(2)「40MHzのIFの4次の二重サンプリングSC帯域通過ΣΔ変調器(A 40 MHz IF Fourth−Order Double−Sampled SC BandpassΣΔ Modulator)」、Seyfi Bazarjani, Martin Snelgrove, 1997 IEEE International Symposium on Circuits and Systems, June 9−12, 1997, Hong Kong, pp. 73−76、(3)「オペアンプ数を削減した4次の帯域通過デルタ・シグマ変調器(A FourthOrder Bandpass Delta−Sigma Modulator with Reduced Number of Op Amps)」、Bang−Sup Song, IEEE Journal of Solid−State Circuits, Vol. 30, No. 12, December 1995, pp. 1309−1315、(4)「20MHzのディジタルIF抽出用の2パス帯域通過ΣΔ変調器(A Two−Path BandpassΣΔ Modulator for DigitalIF Extraction at 20 MHz)」、Adrian K. Ong, Bruce A. Wooley, IEEE Journal of Solid−state Circuits,Vol. 32, No. 12, December 1997, pp. 1920−1934、(5)「CMOSを用いた81MHzのIF受信機(An 81−MHz IF Receiver in CMOS)」、Armond Hairapetian, IEEE Journal of Solid−State Circuits, Vol. 31, No. 12, December 1996, pp. 1981−1986、(6)「30mWの擬似Nパスのシグマ・デルタ帯域通過変調器(A 30mW Pseudo−N−Path Sigma−Delta Band−Pass Modulator)」、Fabrizio Francesconi, Giuseppe Caiulo, Valentino Liberali, Franco Maloberti, 1996 IEEE Symposium on VLSI Circuits Digest of Technical Papers, pp. 60−61、(7)「UMTS/GSM二重標準IF受信用の13.5mW、185メガサンプル/秒のΣΔ変調器(A 13.5mW, 185 Msample/sΣΔ−Modulator for UMTS/GSM Dual−Standard IF Reception)」、Thomas Burge, Qiuting Huang, 2001 IEEE International Solid−State Circuits Conference/Session 3。上記の文献に記述されている代表的なΣΔ変調器は、中間周波数(IF)よりかなり高いクロック周波数を必要とするか、または変調装置内のパス・ミスマッチにより通過帯域内にトーンが生成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一般に2パス変調器では、トーンはゼロ,f/4,f/2,3f/4,fの付近で生成される。ただし、fはサンプリング周波数である。中心周波数fは、装置の量子化雑音パワーが最小値でありかつパス・ミスマッチにより生成されるトーンから離れた周波数にすることが望ましい。
上に説明した望ましい特徴を達成する、すなわち、量子化雑音パワーが最小でありかつミスマッチにより生成されるトーンを避ける適当なナイキスト・レベルに中心周波数を確立する、アナログ・ディジタル変換装置が必要である。本発明の装置は2個のΣΔ変調器で構成する新しい相互結合構造を用いて上述の2つの望ましい機能を実現する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
アナログ入力信号を表す少なくとも1つのディジタル信号を生成する機器は、(a)第1の信号変換装置であって、第1の入力位置に結合する第1のアナログ信号処理部と、第1のアナログ信号処理部と第1の出力位置との間に結合する第1のディジタル信号処理部とを含み、アナログ入力信号から得られた第1のサンプリングされたアナログ信号を第1の入力位置に受ける、第1の信号変換装置と、(b)第2の信号変換装置であって、第2の入力位置に結合する第2のアナログ信号処理部と、第2のアナログ信号処理部と第2の出力位置との間に結合する第2のディジタル信号処理部とを含み、アナログ入力信号から得られた第2のサンプリングされたアナログ信号を第2の入力位置に受け、第1のサンプリングされたアナログ信号と第2のサンプリングされたアナログ信号とは第1の位相差の位相オフセットを有する、第2の信号変換装置と、(c)第1の出力位置と第2のアナログ処理部との間に結合し、第1の出力位置から第2のアナログ処理部に送られる第1のフィードバック信号に第1の遅延を表明する、第1のフィードバック装置と、(d)第2の出力位置と第1のアナログ処理部との間に結合し、第2の出力位置から第1のアナログ処理部に送られる第2のフィードバック信号に第2の遅延を表明し、第1の遅延と第2の遅延は第2の位相差の位相オフセットを有する、第2のフィードバック装置とを含む。第1の位相差と第2の位相差とは、少なくとも1つの所定の周波数の合成ディジタル出力信号のパワー密度スペクトルに影響を与える。合成ディジタル出力信号は、第1の信号変換装置が第1の出力位置に出す第1のディジタル出力信号と、第2の信号変換装置が第2の出力位置に出す第2のディジタル出力信号との和から得られる。
【0012】
したがって本発明の目的は、量子化雑音パワーが最小でありかつミスマッチにより生成されるトーンを避ける適当なナイキスト・レベルに中心周波数を設定することのできる、アナログ入力信号を表す少なくとも1つのディジタル信号を生成する機器を提供することである。
本発明の他の目的や機能は、添付の図を参照すれば以下の明細書と特許請求の範囲から明らかになる。本発明の好ましい実施の形態を示す種々の図面において、同じ要素は同じ参照番号を用いて示す。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、簡単な従来技術の帯域通過ΣΔ変調機器を示す略電気回路図である。図1において、帯域通過ΣΔ変調機器10は実質的に、前にこの明細書の「従来の技術」の項に示した文献(1)「10.7MHzのスイッチ・キャパシタ帯域通過デルタ・シグマA/D変調(Switched−Capacitor Bandpass Delta−Sigma A/D Modulation at 10.7 MHz)」、Frank W. Singor, W. Martin Snelgrove、に記述されているΣΔ変調機器を表す。ΣΔ変調機器10は入力位置12にアナログ信号VINを受ける。信号VINは信号結合器すなわち加算器14の正ノード16に与えられる。信号結合器14は出力線18を介して出力信号をフィルタ20に与える。フィルタ20は出力線28を介して積分信号出力を比較器30に与える。比較器30は基準電圧VREFを入力ノード32に受ける。比較器30はフィルタ20から出力線28を介して受ける信号と基準電圧VREFとを比較して、比較の結果を表すディジタル出力信号VOUTを出力位置34に生成する。出力信号VOUTはフィードバック線40を介して信号結合器14の負ノード42に与えられる。
【0014】
図2は、図1に示す従来技術の帯域通過ΣΔ変調機器の量子化雑音パワーと周波数との望ましい関係を示すグラフである。図2で、グラフ50の第1の軸54は量子化雑音パワーを表し、第2の軸56は周波数を表す。曲線52は、周波数と機器10(図1)が生成する量子化雑音パワーとの望ましい関係を表し、曲線52は最小量子化雑音パワー位置58が実質的に周波数fにあること示す。量子化雑音はアナログ入力信号と、機器が生成したアナログ入力信号を表すディジタル信号との差を表す。周波数fは、中間周波数(IF)の中心周波数であって機器10の設計動作点である。したがって、曲線52は機器10の設計動作点であるIF帯域の中心周波数fで量子化雑音パワーが最小(好ましくは実質的にゼロ)である望ましい目標を示す。
【0015】
最小量子化雑音パワー位置(例えば、図2の位置58)を中心動作周波数(例えば、図2の周波数f)に置くためにこれまで試みられた1つの方法はnパス構成のΣΔ変調器を用いることである。かかるnパス構成を用いると一般に多数の最小パワー位置が生成され、この中から望ましい中心動作周波数を選ぶことができる。
【0016】
図3は、マルチパスΣΔ変調機器の従来技術の実施の形態を示す略図である。図3で、nパス変換機器110はアナログ入力信号VINを入力位置112に受ける。機器110は入力信号VINを受ける2つの信号パス114,116を有する。信号パス114はΣΔ変調装置122を含む。信号パス116はΣΔ変調装置124と信号遅延装置126とを含む。信号遅延装置126は信号に1サイクルの遅延を与えるので、信号パス116はΣΔ変調装置124への信号を遅延させる。このように、ΣΔ変調装置122は入力位置112に現れる信号に対して遅延しない信号を受け、ΣΔ変調装置124は入力位置112に現れる信号に対して1サイクル遅延した信号を受ける。
【0017】
ΣΔ変調器122,124は出力信号V01、V02を生成し、これらの出力信号を選択装置150,152に与える。第1の制御信号φが選択装置150に与えられ、選択装置150は接地端子151で接地に結合する。第2の制御信号φが選択装置152に与えられ、選択装置152は接地端子153で接地に結合する。選択装置150は第1の信号レベルにある第1の制御信号φに応答して出力信号Vを結合装置160に与え、または選択装置150は第2の信号レベルにある第1の制御信号φに応答してゼロ信号(選択装置150を接地に接続することを表す)を結合装置160に与える。選択装置152は第1の信号レベルにある第2の制御信号φに応答して出力信号Vを結合装置160に与え、または選択装置152は第2の信号レベルにある第2の制御信号φに応答してゼロ信号(選択装置152を接地に接続することを表す)を結合装置160に与える。機器110を動作させる適当な信号レベルに制御信号φ、φを設定するのは、制御ユニット(図3に図示しない)が所定のプログラムまたは他の手段により行う。結合装置160は入力信号V、Vを結合して出力位置162に出力信号VOUTを生成する。
【0018】
図4は、図3に示す従来技術のマルチパスΣΔ変調機器の量子化雑音パワーと周波数との関係を表すグラフである。図4で、グラフ250の第1の軸254は量子化雑音パワーを表し、第2の軸256は周波数を表す。曲線252は周波数と機器110(図3)が生成する量子化雑音パワーとの関係を表す。曲線52は最小量子化雑音パワー位置260,262を示し、機器110がf/4と3f/4(fは機器110が用いるサンプリング周波数)で最小量子化雑音パワーを生成することを示す。折返し雑音(aliasing)を防ぐためにナイキスト・サンプリングを用いて、中心周波数fをf/2以下の周波数に選択することができる。
【0019】
前に述べたように、トーンは一般に機器内のパス間(例えば、図3の機器110内の信号パス114,116)のミスマッチにより生じる。2パス・システムでは、かかるトーンはゼロ,f/4,f/2,3f/4,f付近に生成される。ただし、fはサンプリング周波数である。したがって図4に示すように、トーンは周波数範囲270(ゼロ付近),272(周波数f/4付近),274(周波数f/2付近),276(周波数3f/4付近),278(サンプリング周波数f付近)に生成される。機器110の大きな欠点は、まさにトーンが生成される周波数で量子化雑音パワーが最小になることである。そのため、量子化雑音パワーが最小でnパス機器110の性能が最も高くかつ機器110のの動作を妨げるトーンから離れた位置に中心動作周波数fを選択することができない。
【0020】
曲線252は、機器110にnパス構造を用いると複数の最小量子化雑音パワー位置260,262を作ることが可能であることを示す。しかし任意の量子化雑音パワー位置260と一致するように中心周波数fを選択すると、機器110の効率的な動作に逆効果になる。最小量子化雑音パワー位置262は周波数f/2より上なので、中心周波数fを求めるときの候補ではない。最小量子化雑音パワー位置260,262が中心周波数fから離れた周波数で起こるときは、中心周波数fで機器110が用いるパワーは最小より大きい。しかし中心周波数fを最小量子化雑音パワー位置260に置くと、機器110のミスマッチにより生成されるトーンからの妨害を招く。かかる状態では、機器110を最も経済的に動作させることができない。図2に関して前に説明したように、最小量子化雑音パワー位置260,262が実質的に中心周波数fで起こるようにすることは重要な設計目標である。また、設計する機器を運転することにより自己生成されるトーンなどの他の雑音源が最小量子化雑音パワー位置に現れないようにすることも重要である。
【0021】
図5は本発明の装置の好ましい実施の形態を示す略図である。図5で、アナログ・ディジタル変換機器310はサンプリングされたアナログ入力信号X,Xを入力位置312,314に受ける。入力信号XとXは半クロック・サイクルだけ時間がずれている。機器310は1つの基板317上に第1のΣΔ変調回路318と第2のΣΔ変調回路320とを含む。
【0022】
第1のΣΔ変調回路318は入力位置312に結合する。信号Xは第1の入力位置312から信号結合器すなわち加算器322の正ノード324に与えられる。信号結合器322は出力線326を介して出力信号を遅延フィルタ328に与える。遅延フィルタ328は出力線330を介して信号を信号結合器すなわち加算器332の正ノード334に与える。遅延フィルタ328の出力線330に現れる信号は信号結合器322から出力線326に現れる信号より1サイクル遅れる。信号結合器332は出力線336を介して出力信号を積分器338に与える。積分器338は出力線336に現れる信号を積分して、出力線339を介して積分信号出力を量子化器340に与える。量子化器340は信号結合器342と誤差発生器344とを含む。誤差発生器344は線339に現れる信号内の量子化誤差を表す誤差信号を線346に生成する。信号結合器342は線339に現れる積分信号と線346に現れる誤差信号とを結合して、出力線350にディジタル出力信号を生成する。線350に現れるディジタル出力信号Yは出力位置352に与えられ、またフィードバック線354を介して信号結合器322の負ノード356にも与えられる。また誤差発生器344は、機器310を用いたカスケード構成用の信号Eを出すため、誤差出力位置347に送る誤差信号を線345に与える。
【0023】
第2のΣΔ変調回路320は入力位置314に結合する。信号Xは第2の入力位置314から信号結合器すなわち加算器362の正ノード364に与えられる。信号結合器362は出力線366を介して出力信号を遅延フィルタ368に与える。遅延フィルタ368は出力線370を介して信号を信号結合器すなわち加算器372の正ノード374に与える。遅延フィルタ368の出力線370に現れる信号は信号結合器362から出力線366に現れる信号より1サイクル遅れる。信号結合器372は出力線376を介して出力信号を積分器378に与える。積分器378は出力線376に現れる信号を積分して、出力線379を介して積分信号出力を量子化器380に与える。量子化器380は信号結合器382と誤差発生器384とを含む。誤差発生器384は線379に現れる信号内の量子化誤差を表す誤差信号を線386に生成する。信号結合器382は線379に現れる積分信号と線386に現れる誤差信号とを結合して、出力線390にディジタル出力信号を生成する。線390に現れるディジタル出力信号Yは出力位置392に与えられ、またフィードバック線394を介して信号結合器362の負ノード396にも与えられる。また誤差発生器384は、機器310を用いたカスケード構成用の信号Eを出すため、誤差出力位置387に送る誤差信号を線385に与える。
【0024】
第1のΣΔ変調回路318と第2のΣΔ変調回路320との間に新しい相互接続を行う。誤差発生器344は線400を介して誤差信号を遅延ユニット402に与える。遅延ユニット402は線400を介して受ける信号に遅延を与え、信号結合器372の負ノード406に与える遅延フィードバック信号を線404に出す。誤差発生器384は線410を介して誤差信号を遅延ユニット412に与える。遅延ユニット412は線410を介して受ける信号に遅延を与え、信号結合器332の負ノード416に与える遅延フィードバック信号を線414に出す。遅延ユニット402が与える遅延は遅延ユニット412が与える遅延より1サイクル大きい。好ましくは、遅延ユニット402は1サイクル遅延を与え、遅延ユニット412はゼロ遅延を与える。
【0025】
機器310(図5)は2次の相互結合2パスΣΔ変調器である。従来技術の2パスΣΔ変調器と比較すると機器310の大きな違いは相互結合手段にある。これにより第1のパス(ΣΔ変調回路318)の量子化誤差Eは1クロック遅れて(遅延ユニット402、遅延az−1)フィードバックとして第2のパス(ΣΔ変調回路320)に与えられ、第2のパス(ΣΔ変調回路320)の量子化誤差Eはクロック遅れなしに(遅延ユニット412、遅延az)フィードバックとして第1のパス(ΣΔ変調回路318)に与えられる。入力位置314の入力信号Xは入力位置312の入力信号Xより半クロック遅れているために第2のΣΔ変調回路320は第1のΣΔ変調回路318より半クロック・サイクル遅れるので、各パスの誤差は半クロック・サイクル遅れて他方のパスのフィードバック信号として与えられる。
【0026】
図6は図5に示す機器の量子化雑音パワーと周波数との関係を表すグラフである。図6で、グラフ450の第1の軸454は量子化雑音パワーを表し、第2の軸456は周波数を表す。曲線452は周波数と機器310(図5)が生成する量子化雑音パワーとの関係を表す。曲線452は最小量子化雑音パワー位置460,462を示し、機器310がf/3と2f/3(fは機器310が用いるサンプリング周波数)で最小量子化雑音パワーを生成することを示す。折返し雑音を防ぐためにナイキスト・サンプリングを用いて、中心周波数fをf/2以下の周波数に選択することができる。
【0027】
前に述べたように、トーンは一般に機器内のパス間(例えば、図5の機器310内の変調回路318,320)のミスマッチにより生じる。かかるトーンはゼロ,f/4,f/2,3f/4,fs付近に生成される。ただし、fはサンプリング周波数である。したがって図6に示すように、トーンは周波数範囲470(ゼロ付近),472(周波数f/4付近),474(周波数f/2付近),476(周波数3f/4付近),478(サンプリング周波数f付近)に生成される。
【0028】
機器310の性能が極めて優れている点は、最小量子化雑音パワー位置460,462が、トーンが生成されるところ(すなわち、周波数範囲470,472,474,476、478)からかなり離れた周波数で起こることである。そのため、量子化雑音パワーが最小で機器310の性能が最も効率的でありかつ機器310の動作を妨げるトーンから離れた位置に中心動作周波数fを選択することができる。曲線452は、機器310に相互接続nパス構造を用いると複数の最小量子化雑音パワー位置460,462を作ることが可能であることを示す。中心周波数fはf/2より小さい値に選択してナイキスト・サンプリングを行いやすくしてよい。したがって、中心周波数fを周波数f/3(量子化雑音パワー最小位置460に一致する)に設定してよく、これは周波数範囲472,474で生成されるトーンから離れている。
【0029】
中心周波数fが最小量子化雑音パワー位置460に一致する周波数で起こるので、機器310が中心周波数fで生成する量子化雑音パワーは最小である。また中心周波数fを最小量子化雑音パワー位置に置けば、周波数範囲472(周波数f/4付近)と周波数範囲474(周波数f/2付近)に存在する機器310が自己生成するトーンからの妨害を防ぐことができる。かかる条件のもとあれば、機器310を最も経済的に動作させることができる。
【0030】
機器310により2つの重要な設計目標が達成される。すなわち、最小量子化雑音パワー位置460が実質的に中心周波数fで起こることと、機器310が自己生成するトーンが最小量子化雑音パワー位置460またはその付近に現れないことである。
【0031】
以下の式はa=1(図5の遅延ユニット402)と仮定したときの第1のパス(ΣΔ変調回路318)の伝達関数を表す。
Figure 2004007702
式[1]を書き直すと、
Figure 2004007702
システム・クロック周波数を使用するために式[2]の記号を変えると、式[2]は次のようになる。
Figure 2004007702
【0032】
同様に、a=1(図5の遅延ユニット412)と仮定したときの第2のパス(ΣΔ変調回路320)の伝達関数は式[3]と同じ形の次式で表される。
Figure 2004007702
【0033】
1次のΣΔアナログ・ディジタル変換器は、機器310(図5)を用いて、この変換器の入力にダウンサンプリングを与え、またその出力にアップサンプリングを与えることにより構築することができる。図7にかかる変換器を示す。
図7は、アナログ・ディジタル信号変換を行うシステム内に図5に示す機器を用いる場合の略図を示す。図7で、アナログ・ディジタル変換機器700は図5に関して説明したものと同じ相互接続変換装置701を含む。相互接続変換装置701は入力位置702,704と出力位置706,708とを有する。変換装置701と同じ構造の複数の変換装置をカスケードに結合して用いるために、誤差信号出力位置707,709も有する。
【0034】
アナログ入力信号Xは入力位置710に与えられる。入力位置710は第1のダウンサンプリング・ユニット712と第2のダウンサンプリング・ユニット714に結合して入力信号Xを与える。信号Xは遅延ユニット711により半サイクル遅れる。ダウンサンプリング・ユニット712,714は入力信号Xを2倍にダウンサンプリングする。このように、変換装置701への入力信号X、Xはサンプリングされたアナログ信号であり、信号Xは信号Xに対して1クロック・サイクル遅れる。
【0035】
変換装置は機器310(図5)に関して述べたのと実質的に同じ方法で入力信号X、Xを処理して、誤差信号E,Eを誤差信号出力位置707,709に出し、ディジタル出力信号Y,Yを出力位置706,708に出す。ディジタル出力信号Yはアップサンプリング・ユニット720に与えられる。ディジタル出力信号Yはアップサンプリング・ユニット722に与えられる。アップサンプリング・ユニット720,722はディジタル出力信号Y,Yを2倍にアップサンプリングする。アップサンプリングされた信号はアップサンプリング・ユニット722から信号結合器すなわち加算器726に与えられる。アップサンプリング・ユニット720はアップサンプリングされた信号を遅延ユニット724に与え、遅延ユニット724はアップサンプリング・ユニット720から与えられたアップサンプリングされた信号に遅延を与える。この遅延は、サンプリングされた入力信号Xから得られる信号(Y)に遅延ユニット724が与える。遅延ユニット711が与える遅延はサンプリングされた入力信号Xに与えることに注意。したがって、遅延ユニット711が与える遅延(入力信号Xに与える)と遅延ユニット724が与える遅延(出力信号Yに与える)は実質的に互いにオフセットしている。信号結合器726は結合されたディジタル出力信号Yを出力位置728に出す。出力信号Yはアナログ入力信号Xのディジタル表現である。
【0036】
アナログ・ディジタル変換機器700は次式で表されるシステム伝達関数を示す。
Figure 2004007702
式[3]と[4]を代入すると、
Figure 2004007702
高次のアナログ・ディジタル変換は複数の変換機器310をカスケード結合で結合することにより行うことができる。かかる高次の変換は鋭いピークを発生して、変換する信号の選択性を高める。高次の変換だけでは量子化雑音パワー最小位置またはトーンの位置に影響を与えない。
【0037】
図8は、アナログ・ディジタル変換を行うための、本発明の機器の3ユニットの多重カスケード結合を示す略図である。図8で、アナログ・ディジタル変換機器800は図5に関して説明したものと同じ相互結合変換装置801を含む。相互結合変換装置801は入力位置802,804を有する。また相互結合変換装置801は出力位置806,808と誤差信号出力位置807,809とを有する。
【0038】
アナログ入力信号Xは入力位置810に与えられる。入力位置810は第1のダウンサンプリング・ユニット812と第2のダウンサンプリング・ユニット814に結合して入力信号Xを与える。信号Xは遅延ユニット811により半サイクル遅れる。ダウンサンプリング・ユニット812,814は入力信号Xを2倍にダウンサンプリングする。このように、変換装置801への入力信号X,Xはサンプリングされたアナログ信号であり、信号Xは信号Xに対して1クロック・サイクル遅れる。
【0039】
変換装置801は機器310(図5)に関して述べたのと実質的に同じ方法で入力信号X,Xを処理して、誤差信号eを誤差信号出力位置807に出し、誤差信号eを誤差信号出力位置809に出す。また変換装置801は入力信号X,Xを処理して、ディジタル出力信号Y11を出力位置806に出し、ディジタル出力信号Y21を出力位置808に出す。ディジタル出力信号Y11はアップサンプリング・ユニッ820に与えられる。ディジタル出力信号Y21はアップサンプリング・ユニット822に与えられる。アップサンプリング・ユニット820,822はディジタル出力信号Y11,Y21を2倍にアップサンプリングする。アップサンプリングされた信号はアップサンプリング・ユニット822から信号結合器すなわち加算器826に与えられる。アップサンプリング・ユニット820はアップサンプリングされた信号を遅延ユニット824に与え、遅延ユニット824はアップサンプリング・ユニット820から与えられるアップサンプリングされた信号に遅延を与える。この遅延は、サンプリングされた入力信号Xから得られる信号(Y11)に遅延ユニット824が与える。遅延ユニット811が与える遅延はサンプリングされた入力信号Xに与えることに注意。したがって、遅延ユニット811が与える遅延(入力信号Xに与える)と遅延ユニット824が与える遅延(出力信号Y11に与える)は実質的に互いにオフセットしている。信号結合器826は結合された第1の反復ディジタル出力信号Yを出力位置828に出す。第1の反復出力信号Yはサンプリングされたアナログ入力信号X,Xの第1の反復ディジタル表現である。フィルタ・ユニット829は第1の反復出力信号Yに遅延Z−4を与え、調整された第1の反復出力信号を線830に出して信号結合器すなわち加算器872に与える。
【0040】
アナログ・ディジタル変換機器800は更に、図5に関して説明したものと同じ相互結合変換装置831を含む。相互結合変換装置831は入力位置832,834を有する。また相互結合変換装置831は出力位置836,838と誤差信号出力位置837,839とを有する。
入力信号eは変換装置801の誤差信号出力位置807から入力位置832に与えられる。入力信号eは変換装置801の誤差信号出力位置809から入力位置834に与えられる。信号eは信号eより1クロック・サイクル遅れている。
【0041】
変換装置831は機器310(図5)に関して述べたのと実質的に同じ方法で入力信号e,eを処理して、誤差信号eを誤差信号出力位置837に出し、誤差信号eを誤差信号出力位置839に出す。また変換装置831は入力信号e,eを処理してディジタル出力信号Y12を出力位置836に出し、ディジタル出力信号Y22を出力位置838に出す。ディジタル出力信号Y12はアップサンプリング・ユニット840に与えられる。ディジタル出力信号Y22はアップサンプリング・ユニット842に与えられる。アップサンプリング・ユニット840,842はディジタル出力信号Y12,Y22を2倍にアップサンプリングする。アップサンプリングされた信号はアップサンプリング・ユニット842から信号結合器すなわち加算器846に与えられる。アップサンプリング・ユニット840はアップサンプリングされた信号を遅延ユニット844に与え、遅延ユニット844はアップサンプリング・ユニット840から与えられるアップサンプリングされた信号に遅延を与える。この遅延は、入力信号eから得られる信号(Y12)に遅延ユニット844が与える。信号結合器846は結合された第2の反復ディジタル出力信号Yを出力位置848に出す。第2の反復出力信号Yはサンプリングされたアナログ入力信号X,Xの第2の反復ディジタル表現である。フィルタ・ユニット849は第2の反復出力信号Yに遅延[(1+Z−1+Z−2)Z−2]を与え、調整された第2の反復出力信号を線850に出して信号結合器すなわち加算器872に与える。
【0042】
アナログ・ディジタル変換機器800は更に、図5に関して説明したものと同じ相互結合変換装置851を含む。相互結合変換装置851は入力位置852,854を有する。また相互結合変換装置851は出力位置856,858と誤差信号出力位置857,859とを有する。
入力信号eは変換装置831の誤差信号出力位置837から入力位置852に与えられる。入力信号eは変換装置831の誤差信号出力位置839から入力位置854に与えられる。信号eは信号eより1クロック・サイクル遅れている。
【0043】
変換装置851は機器310(図5)に関して述べたのと実質的に同じ方法で入力信号e,eを処理して、誤差信号eを誤差信号出力位置857に出し、誤差信号eを誤差信号出力位置859に出す。必要であれば、誤差信号e,eは更にカスケード接続を行うのに用いることができる(図8には図示しない)。また変換装置851は入力信号e,eを処理してディジタル出力信号Y13を出力位置856に出し、ディジタル出力信号Y23を出力位置858に出す。ディジタル出力信号Y13はアップサンプリング・ユニット860に与えられる。ディジタル出力信号Y23はアップサンプリング・ユニット862に与えられる。アップサンプリング・ユニット860,862はディジタル出力信号Y13,Y23を2倍にアップサンプリングする。アップサンプリングされた信号はアップサンプリング・ユニット862から信号結合器すなわち加算器866に与えられる。アップサンプリング・ユニット860はアップサンプリングされた信号を遅延ユニット864に与え、遅延ユニット864はアップサンプリング・ユニット860から与えられるアップサンプリングされた信号に遅延を与える。この遅延は、入力信号eから得られる信号(Y13)に遅延ユニット864が与える。信号結合器866は結合された第3の反復ディジタル出力信号Yを出力位置868に出す。第3の反復出力信号Yはサンプリングされたアナログ入力信号X,Xの第3の反復ディジタル表現である。フィルタ・ユニット869は第3の反復出力信号Yに遅延[(1+Z−1+Z−2]を与え、調整された第3の反復出力信号を線870に出して信号結合器すなわち加算器872に与える。
【0044】
信号結合器872は線830に現れる調整された第1の反復出力信号と線850に現れる調整された第2の反復出力信号と線870に現れる調整された第3の反復出力信号とを結合して出力ノード874に出力信号Yを出す。出力信号Yは入力ノード810に現れる入力信号Xのディジタル表現である。
【0045】
詳細な図面と特定の例で本発明の好ましい実施の形態を説明したが、これらは単なる例であって、本発明の機器はここに開示された正確な詳細や条件に制限されるものではなく、特許請求の範囲に規定されている本発明の精神から逸れることなく種々の変更を行うことができる。
【0046】
以上の説明に関して更に以下の項を開示する。
(1) それぞれの中心周波数で特徴付けられるアナログ入力信号を表す少なくとも1つのディジタル出力信号を生成する機器であって、
(a) 複数の変換ユニットであって、前記複数の変換ユニットのそれぞれの変換ユニットはそれぞれの入力位置と、それぞれの積分器入力位置を有するそれぞれの積分器部と、前記少なくとも1つのディジタル出力信号のそれぞれのディジタル出力信号を出すそれぞれの出力位置とを含む、複数の変換ユニットと、
(b) それぞれの前記出力位置に結合し、前記それぞれのディジタル出力信号に関連する誤差を決定するそれぞれの誤差決定ユニットと、
(c) 前記それぞれの誤差決定入力に結合するそれぞれのフィードバック・ユニットであって、第1の前記それぞれの変換ユニットに結合する第1の前記それぞれのフィードバック・ユニットは第2の前記それぞれの変換ユニット内の前記それぞれの積分器入力位置に結合し、前記第2のそれぞれの変換ユニットに結合する第2の前記それぞれのフィードバック・ユニットは前記第1のそれぞれの変換ユニット内の前記それぞれの積分器入力位置に結合し、前記それぞれのフィードバック・ユニットは前記それぞれのフィードバック・ユニットが処理する信号にそれぞれの所定の量の遅延を表明する、それぞれのフィードバック・ユニットと、
を備える、アナログ入力信号を表す少なくとも1つのディジタル出力信号を生成する機器。
【0047】
(2) 前記誤差は量子化誤差である、第1項記載のアナログ入力信号を表す少なくとも1つのディジタル出力信号を生成する機器。
(3) 前記それぞれのフィードバック・ユニット毎の前記それぞれの所定の遅延は一般に前記中心周波数で合成ディジタル出力信号のパワー密度スペクトルを最小にするように選択され、前記合成ディジタル出力信号は前記第1のそれぞれの変換ユニットに関連する第1のそれぞれのディジタル出力信号と前記第2のそれぞれの変換ユニットに関連する第2のそれぞれのディジタル出力信号との和から得られる、第1項記載のアナログ入力信号を表す少なくとも1つのディジタル出力信号を生成する機器。
【0048】
(4) 前記第1のそれぞれのフィードバック・ユニットが表明する前記所定の遅延の量は前記第2のそれぞれのフィードバック・ユニットが表明する前記所定の遅延の量とは等しくない、第3項記載のアナログ入力信号を表す少なくとも1つのディジタル出力信号を生成する機器。
(5) 前記誤差は量子化誤差である、第4項記載のアナログ入力信号を表す少なくとも1つのディジタル出力信号を生成する機器。
【0049】
(6) アナログ信号を表すディジタル信号を生成する機器は2個の信号変換装置を含み、それぞれは入力位置に結合するアナログ信号部と、アナログ信号部と出力位置との間に結合するディジタル信号部とを有する。各信号変換装置は第1の位相差の位相オフセットを有するサンプリングされたアナログ信号を受ける。2個のフィードバック装置は一方の信号変換装置の出力位置と他方の信号変換装置のアナログ信号部との間にそれぞれ結合して、第2の位相差の位相オフセットを有するフィードバック信号を送る。第1の位相差と第2の位相差とは、少なくとも1つの所定の周波数の合成ディジタル出力信号のパワー密度スペクトルに影響を与える。合成ディジタル出力信号は2個の信号変換装置がその出力位置に出すディジタル出力信号の和である。
【図面の簡単な説明】
【図1】簡単な従来技術の帯域通過ΣΔ変調機器を示す略電気回路図。
【図2】図1に示す従来技術の帯域通過ΣΔ変調機器の量子化雑音パワーと周波数との望ましい関係を表すグラフ。
【図3】代表的な従来技術のマルチパスΣΔ変調機器の実施の形態を示す略図。
【図4】図3に示す従来技術のマルチパスΣΔ変調機器の量子化雑音パワーと周波数との関係を示すグラフ。
【図5】本発明の機器の好ましい実施の形態を示す略図。
【図6】図5に示す機器の量子化雑音パワーと周波数との関係を示すグラフ。
【図7】アナログ・ディジタル信号変換を行うシステム内に図5に示す機器を用いた代表的な使用例を示す略図。
【図8】アナログ・ディジタル信号変換を行う本発明の機器の3ユニットの多重カスケード結合を示す略図。
【符号の説明】
310 A/D変換機器
318,320 信号変調装置
328,368 アナログ信号部
338,378 ディジタル信号部

Claims (1)

  1. それぞれの中心周波数で特徴付けられるアナログ入力信号を表す少なくとも1つのディジタル出力信号を生成する機器であって、
    (a) 複数の変換ユニットであって、前記複数の変換ユニットのそれぞれの変換ユニットはそれぞれの入力位置と、それぞれの積分器入力位置を有するそれぞれの積分器部と、前記少なくとも1つのディジタル出力信号のそれぞれのディジタル出力信号を出すそれぞれの出力位置とを含む、複数の変換ユニットと、
    (b) それぞれの前記出力位置に結合し、前記それぞれのディジタル出力信号に関連する誤差を決定するそれぞれの誤差決定ユニットと、
    (c) 前記それぞれの誤差決定入力に結合するそれぞれのフィードバック・ユニットであって、第1の前記それぞれの変換ユニットに結合する第1の前記それぞれのフィードバック・ユニットは第2の前記それぞれの変換ユニット内の前記それぞれの積分器入力位置に結合し、前記第2のそれぞれの変換ユニットに結合する第2の前記それぞれのフィードバック・ユニットは前記第1のそれぞれの変換ユニット内の前記それぞれの積分器入力位置に結合し、前記それぞれのフィードバック・ユニットは前記それぞれのフィードバック・ユニットが処理する信号にそれぞれの所定の量の遅延を表明する、それぞれのフィードバック・ユニットと、
    を備える、アナログ入力信号を表す少なくとも1つのディジタル出力信号を生成する機器。
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