JP2004007529A - スイッチトキャパシタフィルタ回路およびその製造方法 - Google Patents

スイッチトキャパシタフィルタ回路およびその製造方法 Download PDF

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Toshikazu Itakura
板倉 敏和
Masanori Aoyama
青山 正紀
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Abstract

【課題】フィードスルーノイズを低減させることができるスイッチトキャパシタフィルタ回路を提供する。
【解決手段】スイッチング制御信号φ1が入力され、演算増幅器113の反転入力端子に接続されたスイッチングトランジスタ101に対し、ドレインとソースが接続され、短絡された端子が演算増幅器113の反転入力端子に接続されたスイッチング制御信号φ1と逆極性の信号が入力される第1のノイズ補償用トランジスタ108を備える。第1のノイズ補償用トランジスタ108によってスイッチングトランジスタ101の発生するフィードスルーノイズと逆極性のフィードスルーノイズを発生させ、フィードスルーノイズをキャンセルする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチトキャパシタフィルタ回路およびその製造方法に関し、特にフィードスルーノイズを低減させることができるスイッチトキャパシタフィルタ回路およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスイッチトキャパシタフィルタ回路の基本動作を図10(a)、(b)にしたがって説明する。
【0003】
図10(a)にアナログ積分回路の回路例を示す。このアナログ積分回路は、演算増幅器400、抵抗401および積分キャパシタ402で構成されている。入力電圧Vinは抵抗401を介して演算増幅器(増幅回路)400の反転入力端子に入力され、演算増幅器400の出力端子から出力電圧Voutが出力される。また、演算増幅器400の出力端子は積分キャパシタ402を介して反転入力端子に接続される。また、演算増幅器400の非反転入力端子は接地されており、演算増幅器の作用から反転入力端子の電圧も接地レベルとなる。ここで、抵抗401の抵抗値をR、抵抗401に流れる電流をiとすると電流iは、i=Vin/Rで表される。
【0004】
一方、図10(b)にスイッチトキャパシタ積分回路の回路例を示す。このスイッチトキャパシタ積分回路は、演算増幅器403、入力キャパシタ404、切替回路405、406および積分キャパシタ407で構成されている。入力電圧Vinは切替回路405、入力キャパシタ404および切替回路406を介して演算増幅器403の反転入力端子に入力され、演算増幅器403の出力端子は積分キャパシタ407を介して反転入力端子に入力される。
【0005】
切替回路405、406は、図示しないスイッチング制御信号により同時に接地電位と信号経路側の切り替えを行う。なお、信号経路側とは、入力電圧Vinが印加される入力端子から入力キャパシタ404を介して演算増幅器403の反転入力端子に至る経路である。まず、スイッチ405、406が接地側に接続されると入力キャパシタ404の電荷は放電される。次に、切替回路405、406が信号経路側に接続されると入力キャパシタ404の切替回路405側には入力電圧Vinが印加され、入力キャパシタ404には電荷が蓄えられる。さらに、切替回路405、406が接地側に切り替わると、入力キャパシタ404の電荷は放電される。ここで、入力キャパシタ404のキャパシタ容量をC1、入力キャパシタ404に蓄えられる電荷量をQとすると、Q=C1・Vinで表される。また、入力キャパシタ404に流れる電流をi’、スイッチング制御信号の切替周波数(サンプリング周波数)をfs、スイッチング制御信号の切替周期をT=1/fsとすると、i’=Q・fs=C1・Vin・fs=(C1・Vin)/Tで表される。このように、切替回路405、406のスイッチング動作により、図示しないスイッチング制御信号の1周期あたりに上記充電電流i’が流れる回路となり、スイッチング制御信号の周波数fsに対して十分に低い周波数を有する入力信号に対しては抵抗とみなすことができる。
【0006】
上記したように、図10(b)に示す切替回路405、キャパシタ404および切替回路406は、図10(a)に示す抵抗401と等価とみなすことができ、i=i’とすると、R=T/C1=1/(fs・C1)が成り立つ。そして、図10(a)における積分キャパシタ407のキャパシタ容量をC2とすると、カットオフ周波数f0は、f0=1/(2πR・C2)=(fs・C1)/(2πC2)で表される。このように、スイッチトキャパシタフィルタ回路は、サンプリング周波数fsや入力キャパシタ404と積分キャパシタ407のキャパシタ容量比によってカットオフ周波数f0を制御できる。そのため、スイッチトキャパシタフィルタ回路は、大きなキャパシタやキャパシタ容量の精度が要求されるRCフィルタと異なり、集積化するのに適している。
【0007】
図11に、1次フィルタを構成する従来のスイッチトキャパシタの回路例を示す。1次フィルタはスイッチングトランジスタ100〜107、入力キャパシタ110、リミットキャパシタ111、積分キャパシタ112および演算増幅器113を有して構成されている。
【0008】
入力キャパシタ110の一端はスイッチングトランジスタ100を介して入力端子INに接続されるとともに、スイッチングトランジスタ104を介して内部基準電圧端子に接続され、他端は第2のスイッチングトランジスタ101を介して演算増幅器113の反転入力端子に接続されるとともに、スイッチングトランジスタ105を介して内部基準電圧端子に接続されている。また、リミットキャパシタ111の一端はスイッチングトランジスタ102を介して演算増幅器113の反転入力端子に接続されるとともに、スイッチングトランジスタ106を介して内部基準電圧端子に接続され、他端はスイッチングトランジスタ103を介して出力端子OUTに接続されるとともに、スイッチングトランジスタ107を介して内部基準電圧端子に接続されている。また、積分キャパシタ112の一端は演算増幅器113の反転入力端子に接続され、他端は出力端子に接続されている。なお、入力端子INの電圧をV1、演算増幅器113の反転入力端子の電圧をV2、演算増幅器112の出力電圧をV3とする。
【0009】
上記した構成において、スイッチングトランジスタ100〜107は、スイッチング制御信号(制御信号)φ1、φ2によりオン、オフされる。図12に、制御信号φ1、φ2のタイミングチャートを示す。スイッチングトランジスタ100〜103は、制御信号φ1がハイレベルのときにオンとなり、スイッチングトランジスタ104〜107は、制御信号φ2がハイレベルのときにオンとなる。
【0010】
制御信号φ1がローレベル、制御信号φ2がハイレベルのとき、入力キャパシタ110はスイッチングトランジスタ104、105を介して接地され、リミットキャパシタ111はスイッチングトランジスタ106、107を介して接地され、それぞれ放電される。このような状態で、制御信号φ1、φ2がともにローレベルになると、スイッチングトランジスタ100〜107は全てオフされ、入力キャパシタ110およびリミットキャパシタ111に電流は流れない。
【0011】
制御信号φ1がハイレベル、制御信号φ2がローレベルになると、スイッチングトランジスタ100〜103はオンされ、入力キャパシタ110には、その両端に印加される電位差(V1−V2)に応じた充電電流が流れ、電位差(V1−V2)に応じた電圧まで充電される。また、積分キャパシタ112には、その両端に印加される電位差(V2−V3)に応じた充電電流が流れ、電位差(V2−V3)に応じた電圧まで充電される。
【0012】
制御信号φ1、φ2がともにローレベルになると、スイッチングトランジスタ100〜103はオフされ、入力キャパシタ110およびリミットキャパシタ111に電流は流れない。
【0013】
このように、入力キャパシタ110およびリミットキャパシタ111は、制御信号φ1、φ2の1周期あたりに所定電流が流れる回路となり、それぞれ抵抗と等価とみなすことができる。また、スイッチングトランジスタ100〜107のスイッチングに係わらず積分キャパシタ112には、その両端に印加される電位差(V2−V3)に応じた電荷が蓄えられている。
【0014】
図11に示すスイッチトキャパシタフィルタ回路は、サンプリング周波数に対し十分に低い周波数を有する入力信号に対しては、入力キャパシタ110とスイッチングトランジスタ100、101、104、105からなる回路部分120aおよびリミットキャパシタ111とスイッチングトランジスタ102、103、106、107からなる回路部分130aをそれぞれ抵抗と等価とみなすことができるので、図13に示すように、回路部分120aを抵抗120、回路部分130aを抵抗130と置き換えた1次ローパスフィルタと等価なものとなる。
【0015】
なお、この種のスイッチトキャパシタフィルタ回路としては、特開平11−205113公報に記載された「スイッチトキャパシタフィルタ」がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のスイッチトキャパシタフィルタ回路では、フィードスルー容量によるフィードスルーノイズがフィルタ特性に影響を与える場合がある。このフィードスルー容量およびフィードスルーノイズについて以下説明する。
【0017】
図14に、スイッチングトランジスタの構造図を示す。図に示すように、スイッチングトランジスタのゲート−ドレイン間またはゲート−ソース間はオーバーラップしており、この部分にはオーバーラップによる微少容量が発生し、ゲート信号の変化に伴いこの微少容量に電荷が蓄えられる。この微少容量がフィードスルー容量である。このフィードスルー容量により、スイッチトキャパシタフィルタ回路で用いられているスイッチングトランジスタにはフィードスルーノイズが発生する。すなわち、図15(a)に示すスイッチングトランジスタにおいて、入力電圧Vinがローレベルとなっている状態で、ゲートに図15(b)に示す制御信号φが入力されると、制御信号φの変化に伴いスイッチングトランジスタのフィードスルー容量によって出力電圧Voutに電圧変化が生じる。この電圧変化に見られる雑音がフィードスルーノイズである。
【0018】
このフィードスルーノイズの影響を、図16に示すスイッチトキャパシタフィルタの等価回路を用いて説明する。この回路は、スイッチングトランジスタ600、入力キャパシタ601、積分キャパシタ602および演算増幅器603により構成されている。スイッチングトランジスタ600がゲートに入力される制御信号φによってスイッチングされると、演算増幅器603の反転入力端子にはスイッチングトランジスタ600のフィードスルー容量によってフィードスルーノイズが生じ、フィードスルーノイズは積分キャパシタ602を介して出力端子の出力電圧Voutにオフセット電圧として出力される。
【0019】
ここで、スイッチングトランジスタ600のフィードスルー容量をCe、積分キャパシタ602のキャパシタ容量をCf、スイッチングトランジスタ600のゲートに印加される電圧をVとすると、フィードスルーノイズVnoiseは、数式1で表される。
【0020】
【数1】
Vnoise=(Ce・V)/Cf
この数式1から、フィードスルーノイズVnoiseはフィードスルー容量Ceと、キャパシタ容量をCfとの比Ce/Cfに比例することが分かる。積分キャパシタ容量Cfがフィードスルー容量Ceと比較して十分大きい場合、フィードスルーノイズは微少となり無視できる。しかし、積分キャパシタ容量Cfがフィードスルー容量Ceと比較して十分に大きくない場合には、フィードスルーノイズが大きくなり、フィードスルーノイズによるオフセット電圧が増加しフィルタ特性が劣化する。
【0021】
また、スイッチトキャパシタフィルタを構成するための単位容量をC、サンプリング周波数をf、キャパシタ容量をCf、とすると、カットオフ周波数fcは数式2で表される。
【0022】
【数2】
fc=(C・f)/(2π・Cf)
数式1および数式2よりフィードスルーノイズVnoiseは、数式3のように表される。
【0023】
【数3】
Vnoise=(2π・fc・Ce・V)/(C・f)
この数式3から、フィードスルーノイズVnoiseは、キャパシタ容量Cf、カットオフ周波数fcおよびサンプリング周波数fに依存することが分かる。
【0024】
図17に、フィードスルーノイズ量のカットオフ周波数に対するシミュレーション結果を示す。図において、サンプリング周波数f=60kHzと120kHzの2次フィルタの特性およびサンプリング周波数f=60kHzの1次フィルタの特性が示されている。図に示される2次フィルタについて、f=120kHz、fc=400Hzの場合と、f=60kHz、fc=400Hzの場合を比較すると、フィードスルーノイズは、後者の方が2倍になることが分かる。また、2次フィルタについて、f=120kHz、fc=400Hzの場合と、f=60kHz、fc=200Hzの場合を比較すると、フィードスルーノイズは同一となるが、カットオフ周波数fcは前者の方が2倍になることが分かる。また、一次フィルタのf=60kHzのフィードスルーノイズが二次フィルタのf=60kHzの特性と異なるのは、フィードスルーノイズを発生させるスイッチングトランジスタが2個あるためである。図11に示す1次フィルタにおいて、フィードスルーノイズは2つのスイッチングトランジスタ101、102のスイッチングによって発生し、積分キャパシタ112を介して出力端子OUTにオフセット電圧として出力される。
【0025】
そこで、本発明は、スイッチトキャパシタフィルタ回路において、上記したフィードスルーノイズを低減させることを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、入力キャパシタの両側に設けられた第1、第2のトランジスタに対し、演算増幅器の入力端子側にある第2のトランジスタに対して直列に第1のノイズ補償用トランジスタが設けられている。この第1のノイズ補償用トランジスタは、ゲートに第1、第2スイッチングトランジスタに入力されるスイッチング制御信号と逆極性の信号が入力されて、第2のスイッチングトランジスタが発生するフィードスルーノイズをキャンセルする。このことにより、フィードスルーノイズを低減させることができる。
【0027】
スイッチトキャパシタフィルタ回路としては、請求項2に記載の発明のように、積分キャパシタと並列にリミットキャパシタが設けられこのリミットキャパシタの両側に第3、第4のスイッチングトランジスタが設けられた構成のものとすることができ、この場合、演算増幅器の入力端子側にある第3のトランジスタに対して直列に第2のノイズ補償用トランジスタを設けるようにすれば、第3のスイッチングトランジスタが発生するフィードスルーノイズをキャンセルすることができる。
【0028】
また、スイッチトキャパシタフィルタ回路としては、請求項3に記載の発明のように、高次(2次以上)のスイッチトキャパシタフィルタ回路として構成することができ、この場合、最終段の回路において、入力キャパシタの両側に設けられた第1、第2のトランジスタに対し、演算増幅器の入力端子側にある第2のトランジスタに対して直列に第1のノイズ補償用トランジスタを設けるようにすれば、第2のスイッチングトランジスタが発生するフィードスルーノイズをキャンセルすることができる。
【0029】
なお、上記のノイズ補償用トランジスタとして、請求項4に記載の発明のように、ソース端子とドレイン端子が接続されたものとすれば、ノイズ補償用トランジスタをスイッチングさせずにノイズキャンセル用として用いることができる。
【0030】
また、スイッチングトランジスタとしては、請求項5に記載の発明のように、Pチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタが並列接続され、それぞれのゲートの一方に前記スイッチング制御信号が入力され他方に前記スイッチング制御信号を反転した信号が入力されるように構成することができ、この場合、ノイズ補償用トランジスタは、ソース端子とドレイン端子が接続されたPチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタが並列接続され、それぞれのゲートの一方に前記逆極性の信号が入力され他方に前記逆極性の信号を反転した信号が入力されるように構成することができる。
【0031】
請求項6乃至8に記載の発明は、請求項1乃至3に記載のスイッチトキャパシタフィルタ回路を製造する方法である。この製造方法においては、スイッチトキャパシタフィルタ回路を構成するための配線形成工程において、積分キャパシタのキャパシタ容量に対するスイッチングトランジスタのフィードスルー容量の比が所定の値よりも大きい場合には、ノイズ補償用トランジスタに対する配線を形成し、前記容量の比が前記所定の値よりも大きくない場合には、その配線を形成しないようにしている。
【0032】
この発明によれば、配線形成工程を利用し、配線パターンを変更するだけで、ノイズ補償用トランジスタを接続するか否かを設定することができる。
【0033】
また、請求項9に記載の発明のように、第2のスイッチングトランジスタおよび第2のスイッチングトランジスタが発生するフィードスルーノイズをキャンセルするノイズ補償用トランジスタの各ゲート長を一定とし、第2のスイッチングトランジスタのゲート幅に対し、ノイズ補償用トランジスタのゲート幅を1/2とするように構成することで、互いのフィードスルーノイズの発生量が等しくなり、互いのフィードスルーノイズをキャンセルすることができる。
【0034】
また、請求項10に記載の発明のように、第3のスイッチングトランジスタおよび第3のスイッチングトランジスタが発生するフィードスルーノイズをキャンセルする第2のノイズ補償用トランジスタの各ゲート長を一定とし、第3のスイッチングトランジスタのゲート幅に対し、ノイズ補償用トランジスタのゲート幅を1/2とするように構成することで、互いのフィードスルーノイズの発生量が等しくなり、互いのフィードスルーノイズをキャンセルすることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態に係るスイッチトキャパシタフィルタ回路の構成を示す。このスイッチトキャパシタフィルタ回路は、1次フィルタを構成するもので、図11に示すスイッチトキャパシタフィルタ回路に対し、さらに第1、第2のノイズ補償用トランジスタ108、109を備えた構成となっている。
【0036】
第1、第2のノイズ補償用トランジスタ108、109のドレインおよびソースは、それぞれスイッチングトランジスタ101、102と演算増幅器113の反転入力端子間に接続されており、スイッチングトランジスタ101、102のゲートに入力される制御信号φを反転した制御信号φ(バー)がゲートに入力されて、スイッチングトランジスタ101、102が発生するフィードスルーノイズをキャンセルする。
【0037】
このフィードスルーノイズのキャンセルについて以下説明する。図2に、スイッチングトランジスタ101と第1のノイズ補償用トランジスタ108が直列接続された回路部分を示す。スイッチングトランジスタ101は、制御信号φの変化によりゲート−ソース間にフィードスルーノイズを発生する。第1のノイズ補償用トランジスタ108は、ゲートに制御信号φを反転した制御信号φ(バー)が入力されてスイッチングするので、スイッチングトランジスタ101が発生するフィードスルーノイズと逆極性のフィードスルーノイズを発生する。
【0038】
ここで、第1のノイズ補償用トランジスタ108とスイッチングトランジスタ101が同一特性の場合、第1のノイズ補償用トランジスタ108は、ゲート−ドレイン間およびゲート−ソース間にフィードスルーノイズを発生するため、スイッチングトランジスタ101と比較して2倍のフィードスルーノイズを発生する。この場合、各スイッチングトランジスタ101、108の各ゲート長を一定とし、スイッチングトランジスタ101のゲート幅に対し、第1のノイズ補償用トランジスタ108のゲート幅を1/2とすることで、互いのフィードスルーノイズの発生量が等しくなり、フィードスルーノイズをキャンセルすることができる。
【0039】
なお、第2のノイズ補償用トランジスタ109についても、第1のスイッチングトランジスタ108と同様の動作を行い、スイッチングトランジスタ102が発生するフィードスルーノイズをキャンセルする。
【0040】
従って、上記した構成において、図3に示すタイミングの制御信号φ1、φ1(バー)、φ2を用いれば、スイッチトキャパシタフィルタ回路として動作させることができるとともに、出力端子OUTに現れるフィードスルーノイズを低減させることができる。
【0041】
本実施形態のスイッチトキャパシタフィルタ回路は、半導体集積回路として形成されている。この半導体集積回路の製造工程におけるウェハ工程において、スイッチングトランジスタ群、キャパシタ群および複数の演算増幅器が半導体基板上に形成され、ウェハ工程の後半に設けられたアルミニウム配線を形成するアルミオプション工程によって、各素子間の接続が行われる。なお、キャパシタ群は一定の単位容量を有した多数のキャパシタによって構成され、このキャパシタを接続する個数によって容量を可変できる。したがって、アルミオプション工程における配線パターンを変更することで、キャパシタ容量やフィルタ構成を変更し、各種カットオフ周波数や各種次数のスイッチトキャパシタフィルタ回路を形成している。
【0042】
また、この実施形態において、第1、第2のノイズ補償用トランジスタ108、109が、スイッチングトランジスタ101、102と演算増幅器113の反転入力端子との間で、スイッチングトランジスタ101、102に直列接続されるように配線を形成するか否かについても、アルミオプション工程による配線パターンによって設定している。
【0043】
すなわち、スイッチングトランジスタ101、102のフィードスルー容量および積分キャパシタ容量の比が所定の値よりも大きいフィルタを構成する場合(例えば、Ce/Cf<0.00002)には、上記した第1、第2のノイズ補償用トランジスタ108、109とスイッチングトランジスタ101、102間の配線を形成するような配線パターンとしている。また、スイッチングトランジスタ101、102のフィードスルー容量および積分キャパシタ容量の比が所定の値よりも小さいフィルタを構成する場合(例えば、Ce/Cf≧0.00002)には、上記した第1、第2のノイズ補償用トランジスタ108、109とスイッチングトランジスタ101、102間の配線を形成しないような配線パターンとする。このような方法は、新たな配線工程を必要とせず、アルミオプション工程の配線パターンを変更するだけで、第1、第2のノイズ補償用トランジスタ108、109の接続、未接続を設定できるので、各種カットオフ周波数や次数に応じてフィードスルーノイズを低減させることができる。
【0044】
なお、このようなアルミオプション工程によりノイズ補償用トランジスタを接続する、接続しないの選択ができることは、以下に示す実施形態においても同様である。
【0045】
(第2実施形態)
図4に、本発明の第2の実施形態に係るスイッチトキャパシタフィルタ回路の構成を示す。このスイッチトキャパシタフィルタ回路は、2次フィルタを構成するものである。
【0046】
このスイッチトキャパシタフィルタ回路は、スイッチングトランジスタ200〜209、ノイズ補償用トランジスタ210、入力キャパシタ211、212、積分キャパシタ213〜216および演算増幅器217、218を有して構成されている。
【0047】
入力キャパシタ211の一端はスイッチングトランジスタ200を介して入力端子INに接続されるとともに、スイッチングトランジスタ205を介して内部基準電圧端子に接続され、他端はスイッチングトランジスタ201を介して演算増幅器217の反転入力端子に接続されるとともに、スイッチングトランジスタ206を介して内部基準電圧端子に接続されている。また、積分キャパシタ216の一端は演算増幅器217の反転入力端子に接続され、他端は出力端子に接続されている。
【0048】
また、入力キャパシタ212の一端はスイッチングトランジスタ207を介して演算増幅器217の出力端子に接続されるとともに、スイッチングトランジスタ202を介して内部基準電圧端子に接続され、他端はスイッチングトランジスタ203を介して演算増幅器218の反転入力端子に接続されるとともに、スイッチングトランジスタ208を介して内部基準電圧端子に接続されている。
【0049】
また、スイッチングトランジスタ204の一端は積分キャパシタ213を介して演算増幅器218の反転入力端子に接続されるとともに演算増幅器218の出力端子に接続され、他端は積分キャパシタ214を介して入力キャパシタ212とスイッチングトランジスタ203の接続点に接続されるとともに、積分キャパシタ215を介して入力キャパシタ211とスイッチングトランジスタ201の接続点に接続され、さらに、スイッチングトランジスタ209を介して内部基準電圧端子に接続される。また、ノイズ補償用トランジスタ210は、ソース端子とドレイン端子が接続されるとともに、演算増幅器218の反転入力端子に接続されている。
【0050】
上記した構成において、スイッチングトランジスタ200〜209は、図3に示す制御信号φ1、φ1(バー)、φ2によりオン、オフされる。スイッチングトランジスタ200〜204は、制御信号φ1がハイレベルのときにオンとなり、ノイズ補償用トランジスタ210は、制御信号φ1(バー)がハイレベルのときにオンとなり、スイッチングトランジスタ205〜209は、制御信号φ2がハイレベルのときにオンとなる。
【0051】
このように構成された2次フィルタでは、フィードスルーノイズによるオフセット電圧が、制御信号φ1によるスイッチングトランジスタ203のスイッチングによって発生する。ノイズ補償用トランジスタ210は、スイッチングトランジスタ203と逆極性の制御信号φ1(バー)によりスイッチングされることで、スイッチングトランジスタ203の発生するフィードスルーノイズと逆極性のフィードスルーノイズを発生させ、フィードスルーノイズをキャンセルする。
【0052】
なお、図1に示す1次フィルタでは、フィードスルーノイズは2つのスイッチングトランジスタ101、102のスイッチングによって発生し、積分キャパシタ112を介して出力端子OUTにオフセット電圧として出力されるのに対し、図4に示す2次フィルタでは、フィードスルーノイズはスイッチングトランジスタ203のスイッチングによって発生し、積分キャパシタ213を介して出力端子OUTにオフセット電圧として出力されるので、2次フィルタのフィードスルーノイズによるオフセット電圧は1次フィルタのフィードスルーノイズによるオフセット電圧の1/2倍となる。
【0053】
上記した第1、第2実施形態において、スイッチングトランジスタ100〜107、200〜209としては、図5(a)に示す構成のものとすることができる。すなわち、図5(a)に示すように、Nチャネル型トランジスタ301とPチャネル型トランジスタ302とが並列接続され、Nチャネル型トランジスタ301のゲートには制御信号φ1あるいはφ2が入力され、Pチャネル型トランジスタ302のゲートにはインバータ303によって制御信号φ1あるいはφ2を反転した信号が入力されるようになっている。
【0054】
この場合、ノイズ補償用トランジスタ108、109、210は、図5(b)に示すように構成される。この図5(b)に示す回路は、Nチャネル型トランジスタ304とPチャネル型トランジスタ305とが並列接続され、Nチャネル型トランジスタ304のゲートには制御信号φ1(バー)あるいはφ2(バー)が入力され、Pチャネル型トランジスタ305のゲートにはインバータ306によって制御信号φ1(バー)あるいはφ2(バー)を反転した信号が入力されるようになっている。また、Nチャネル型トランジスタ304とPチャネル型トランジスタ305のそれぞれのソース端子とドレイン端子は接続されている。
【0055】
(第3実施形態)
次に、スイッチトキャパシタフィルタ回路を高次(3次以上)のフィルタとして構成した第3実施形態について説明する。高次のフィルタは、第1、第2実施形態に示す1次フィルタと2次フィルタの組み合わせによって構成される。
【0056】
図6、図7に、3次フィルタおよび4次フィルタを構成するスイッチトキャパシタフィルタ回路を示す。なお、図中にブロックで示した回路100〜107、200〜209、300〜309は、図1、図4に示すスイッチングトランジスタあるいは図5(a)に示す構成のスイッチングトランジスタを示しており、ブロック内に示される制御信号によってスイッチングする。また、図中にブロックで示した回路108、109、210も、図1、図4に示すノイズ補償用トランジスタあるいは図5(b)に示す構成のノイズ補償用トランジスタを示しており、ブロック内に示される制御信号によってスイッチングする。
【0057】
図6に示す3次フィルタは、2次フィルタ20および1次フィルタ10の直列接続によって構成されている。この3次フィルタにおいて、フィードスルーノイズによるオフセット電圧は最終段となる後段の1次フィルタ10のスイッチングトランジスタ101、102によって発生する。従って、第1実施形態と同様、スイッチングトランジスタ101、102にノイズ補償用トランジスタ108、109をそれぞれ直列接続することで、フィードスルーノイズをキャンセルしている。
【0058】
図7に示す4次フィルタは、2次フィルタ20を2つ直列接続することによって構成されている。この4次フィルタにおいて、フィードスルーノイズによるオフセット電圧は最終段となる後段の2次フィルタ20のスイッチングトランジスタ203によって発生する。従って、第2実施形態と同様、スイッチングトランジスタ203にノイズ補償用トランジスタ210を直列接続することで、フィードスルーノイズをキャンセルしている。
【0059】
この4次フィルタにおいてノイズ補償用トランジスタを設けない場合と設けた場合のフィードスルーノイズの波形を、図8(a)、(b)にそれぞれ示す。図8(b)に示すように、ノイズ補償用トランジスタを設けた場合には、図8(a)に示したノイズ補償用トランジスタを設けない場合と比較して、フィードスルーノイズが大きく低減されている。
【0060】
上記したことから理解されるように、1次フィルタと2次フィルタを組み合わせそれらを多段に直列接続することによって、10次フィルタのように、さらに高次のフィルタを構成することができる。この場合、多段接続された高次のフィルタにおけるフィードスルーノイズのオフセット電圧は、最終段のキャパシタ容量に影響されるため、最終段のフィルタにおいて上記したのと同様にノイズ補償用トランジスタを設けるようにすればよい。
【0061】
図9に、スイッチトキャパシタフィルタ回路のフィルタ減衰率の周波数特性を示す。図に示すように、フィルタ次数が高いほどフィルタ減衰率の周波数特性が急な傾きとなり、理想的なフィルタ特性となる。
【0062】
(その他の実施形態)
上記した第1〜第3の実施形態において、ローパスフィルタにおけるフィードスルーノイズのキャンセルについて説明したが、ローパスフィルタに限らずハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドカットフィルタを構成するスイッチトキャパシタフィルタにおいても、ノイズ補償用トランジスタによってフィードスルーノイズをキャンセルするようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る1次フィルタを構成するスイッチトキャパシタフィルタ回路の回路図である。
【図2】フィードスルーノイズのキャンセルの説明に供する説明図である。
【図3】制御信号φ1、φ1(バー)、φ2のタイミングチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る2次フィルタを構成するスイッチトキャパシタフィルタ回路の回路図である。
【図5】スイッチングトランジスタ、ノイズ補償用トランジスタの他の例を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る3次フィルタを構成するスイッチトキャパシタフィルタ回路の回路図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る4次フィルタを構成するスイッチトキャパシタフィルタ回路の回路図である。
【図8】4次フィルタにおいてノイズ補償用トランジスタを設けない場合と設けた場合のフィードスルーノイズの波形を示す図である。
【図9】フィルタ減衰率の周波数特性を示す図である。
【図10】アナログ積分回路およびスイッチトキャパシタ積分回路の回路例を示す図である。
【図11】従来のスイッチトキャパシタの1次フィルタの回路構成を示す図である。
【図12】制御信号φ1、φ2のタイミングチャートである。
【図13】スイッチトキャパシタフィルタ回路の等価回路を示す図である。
【図14】スイッチングトランジスタの構造を示す図である。
【図15】フィールドスルーノイズの説明に供する説明図である。
【図16】従来のスイッチトキャパシタフィルタ回路の等価回路を示す図である。
【図17】フィードスルーノイズ量のカットオフ周波数に対する特性を示す図である。
【符号の説明】
10・・・1次フィルタ、20・・・2次フィルタ、
100〜107、200〜209・・・スイッチングトランジスタ、
108、109、210・・・ノイズ補償用トランジスタ、
110、211、212・・・入力キャパシタ、111・・・リミットキャパシタ、
112、213・・・積分キャパシタ、113、218・・・演算増幅器。

Claims (10)

  1. 入力キャパシタと、
    この入力キャパシタの一端側に設けられ、ゲートにスイッチング制御信号が入力されてスイッチング動作する第1のスイッチングトランジスタと、
    前記入力キャパシタの他端側に設けられ、ゲートに前記スイッチング制御信号が入力されてスイッチング動作する第2のスイッチングトランジスタと、
    前記第2のスイッチングトランジスタを介して入力端子に電圧が印加される演算増幅器と、
    前記演算増幅器の入力端子と出力端子との間に設けられ前記入力端子と前記出力端子間の電圧が印加される積分キャパシタと、
    前記第2のスイッチングトランジスタと前記入力端子との間で前記第2のスイッチングトランジスタに直列接続され、ゲートに前記スイッチング制御信号と逆極性の信号が入力されて前記第2のスイッチングトランジスタが発生するフィードスルーノイズをキャンセルする第1のノイズ補償用トランジスタと、を備えたことを特徴とするスイッチトキャパシタフィルタ回路。
  2. さらに、前記演算増幅器の入力端子と出力端子との間で前記積分キャパシタと並列に設けられたリミットキャパシタと、
    このリミットキャパシタの前記入力端子側に設けられ、ゲートに前記スイッチング制御信号が入力されてスイッチング動作する第3のスイッチングトランジスタと、
    前記リミットキャパシタの前記出力端子側に設けられ、ゲートに前記スイッチング制御信号が入力されてスイッチング動作する第4のスイッチングトランジスタと、
    前記第3のスイッチングトランジスタと前記入力端子との間で前記第3のスイッチングトランジスタに直列接続され、ゲートに前記スイッチング制御信号と逆極性の信号が入力されて前記第3のスイッチングトランジスタが発生するフィードスルーノイズをキャンセルする第2のノイズ補償用トランジスタと、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のスイッチトキャパシタフィルタ回路。
  3. 入力キャパシタと、
    この入力キャパシタの一端側に設けられ、ゲートにスイッチング制御信号が入力されてスイッチング動作する第1のスイッチングトランジスタと、
    前記入力キャパシタの他端側に設けられ、ゲートに前記スイッチング制御信号が入力されてスイッチング動作する第2のスイッチングトランジスタと、
    前記第2のスイッチングトランジスタを介して入力端子に電圧が印加される演算増幅器と、
    前記演算増幅器の入力端子と出力端子との間に設けられ前記入力端子と前記出力端子間の電圧が印加される積分キャパシタと、を備えた回路が、複数段直列に接続されて高次のスイッチトキャパシタフィルタ回路として構成されたものであって、
    最終段の回路において、前記第2のスイッチングトランジスタと前記入力端子との間で前記第2のスイッチングトランジスタに直列接続され、ゲートに前記スイッチング制御信号と逆極性の信号が入力されて前記第2のスイッチングトランジスタが発生するフィードスルーノイズをキャンセルするノイズ補償用トランジスタを備えたことを特徴とするスイッチトキャパシタフィルタ回路。
  4. 前記ノイズ補償用トランジスタは、ソース端子とドレイン端子が接続されたものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のスイッチトキャパシタフィルタ回路。
  5. 前記スイッチングトランジスタは、Pチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタが並列接続され、それぞれのゲートの一方に前記スイッチング制御信号が入力され他方に前記スイッチング制御信号を反転したスイッチング制御信号が入力されるように構成されており、
    前記ノイズ補償用トランジスタは、ソース端子とドレイン端子が接続されたPチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタが並列接続され、それぞれのゲートの一方に前記逆極性の信号が入力され他方に前記逆極性の信号を反転した信号が入力されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のスイッチトキャパシタフィルタ回路。
  6. 請求項1に記載のスイッチトキャパシタフィルタ回路を製造する方法であって、
    前記入力キャパシタと、前記第1のスイッチングトランジスタと、前記第2のスイッチングトランジスタと、前記演算増幅器と、前記積分キャパシタと、前記第1のノイズ補償用トランジスタを半導体基板に形成する工程と、
    スイッチトキャパシタフィルタ回路を構成するために、前記入力キャパシタと、前記第1のスイッチングトランジスタと、前記第2のスイッチングトランジスタと、前記演算増幅器と、前記積分キャパシタに対して配線を形成する工程とを有し、
    この配線を形成する工程は、
    前記積分キャパシタのキャパシタ容量に対する前記第2のスイッチングトランジスタのフィードスルー容量の比が所定の値よりも大きい場合には、前記第1のノイズ補償用トランジスタが前記第2のスイッチングトランジスタと前記入力端子との間で前記第2のスイッチングトランジスタに直列接続されるように配線を形成し、前記容量の比が前記所定の値よりも大きくない場合には、その配線を形成しないようにする工程であることを特徴とするスイッチトキャパシタフィルタ回路の製造方法。
  7. 請求項2に記載のスイッチトキャパシタフィルタ回路を製造する方法であって、
    前記入力キャパシタと、前記第1のスイッチングトランジスタと、前記第2のスイッチングトランジスタと、前記演算増幅器と、前記積分キャパシタと、前記第1のノイズ補償用トランジスタと、前記リミットキャパシタと、前記第3のスイッチングトランジスタと、前記第4のスイッチングトランジスタと、前記第2のノイズ補償用トランジスタを半導体基板に形成する工程と、
    スイッチトキャパシタフィルタ回路を構成するために、前記入力キャパシタと、前記第1のスイッチングトランジスタと、前記第2のスイッチングトランジスタと、前記演算増幅器と、前記積分キャパシタと、前記リミットキャパシタと、前記第3のスイッチングトランジスタと、前記第4のスイッチングトランジスタに対して配線を形成する工程とを有し、
    この配線を形成する工程は、
    前記積分キャパシタのキャパシタ容量に対する前記第2のスイッチングトランジスタのフィードスルー容量の比が所定の値よりも大きい場合には、前記第1のノイズ補償用トランジスタが前記第2のスイッチングトランジスタと前記入力端子との間で前記第2のスイッチングトランジスタに直列接続されるように配線を形成し、前記容量の比が前記所定の値よりも大きくない場合には、その配線を形成しないようにし、
    前記積分キャパシタのキャパシタ容量に対する前記第3のスイッチングトランジスタのフィードスルー容量の比が前記所定の値よりも大きい場合には、前記第2のノイズ補償用トランジスタが前記第3のスイッチングトランジスタと前記入力端子との間で前記第3のスイッチングトランジスタに直列接続されるように配線を形成し、前記容量の比が前記所定の値よりも大きくない場合には、その配線を形成しないようにする工程であることを特徴とするスイッチトキャパシタフィルタ回路の製造方法。
  8. 請求項3に記載のスイッチトキャパシタフィルタ回路を製造する方法であって、
    前記入力キャパシタと、前記第1のスイッチングトランジスタと、前記第2のスイッチングトランジスタと、前記演算増幅器と、前記積分キャパシタと、前記ノイズ補償用トランジスタを半導体基板に形成する工程と、
    前記入力キャパシタと、前記第1のスイッチングトランジスタと、前記第2のスイッチングトランジスタと、前記演算増幅器と、前記積分キャパシタを備えた回路を、複数段直列に接続して高次のスイッチトキャパシタフィルタ回路を構成するために配線を形成する工程とを有し、
    この配線を形成する工程は、
    前記最終段の回路において、前記積分キャパシタのキャパシタ容量に対する前記第2のスイッチングトランジスタのフィードスルー容量の比が所定の値よりも大きい場合には、前記ノイズ補償用トランジスタが前記第2のスイッチングトランジスタと前記入力端子との間で前記第2のスイッチングトランジスタに直列接続されるように配線を形成し、前記容量の比が前記所定の値よりも大きくない場合には、その配線を形成しないようにする工程であることを特徴とするスイッチトキャパシタフィルタ回路の製造方法。
  9. 前記第2のスイッチングトランジスタおよび前記第2のスイッチングトランジスタが発生するフィードスルーノイズをキャンセルするノイズ補償用トランジスタの各ゲート長を一定とし、前記第2のスイッチングトランジスタのゲート幅に対し、前記ノイズ補償用トランジスタのゲート幅を1/2とすることを特徴とする請求項1または3に記載のスイッチトキャパシタフィルタ回路。
  10. 前記第3のスイッチングトランジスタおよび前記第3のスイッチングトランジスタが発生するフィードスルーノイズをキャンセルする第2のノイズ補償用トランジスタの各ゲート長を一定とし、前記第3のスイッチングトランジスタのゲート幅に対し、前記ノイズ補償用トランジスタのゲート幅を1/2とすることを特徴とする請求項2に記載のスイッチトキャパシタフィルタ回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010283713A (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 Sanyo Electric Co Ltd オフセットキャンセル回路
JP2011139309A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Sony Corp レベルシフト回路、信号駆動回路、表示装置および電子機器
JP2011169672A (ja) * 2010-02-17 2011-09-01 Seiko Epson Corp 物理量測定装置及び電子機器
JP2014165730A (ja) * 2013-02-26 2014-09-08 Toyota Central R&D Labs Inc スイッチトキャパシタフィルタ回路

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