JP2004007307A - 広帯域差動増幅回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】差動増幅回路の広帯域化を図る。
【解決手段】差動対トランジスタXfa1,Xfa2のドレインに接続された負荷抵抗RL1,RL2にインダクタL1,L2をそれぞれ直列接続する。また、ソースフォロワトランジスタXft1,Xfc1のソースから差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲートに帰還容量として働くトランジスタXff1,Xff2を接続する。
【選択図】 図1
【解決手段】差動対トランジスタXfa1,Xfa2のドレインに接続された負荷抵抗RL1,RL2にインダクタL1,L2をそれぞれ直列接続する。また、ソースフォロワトランジスタXft1,Xfc1のソースから差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲートに帰還容量として働くトランジスタXff1,Xff2を接続する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路装置において広帯域化を図った差動増幅回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
広帯域化を図った差動増幅回路の従来例として図7に示すような構成が知られている(参考文献:T.Otsuji,K.Murata,T.Enoki,and Y.Umeda,”An 80−Gbi/s multiplexer IC using InAlAs/InGaAs/InP HEMT’s”,IEEE Journal of Solid−State Circuits,VOL.33,No.9,pp.1321−1327(1998))。
【0003】
図7において、Xfs1〜2,Xfp1〜2,Xfa1〜3,Xft1〜2,Xfc1〜2,Xff1〜2はトランジスタ、Xds1〜3,Xdp1〜3,Xda1〜2,Xdt1〜2,Xdc1〜2はダイオード、RL1〜2は抵抗、Cs1,Cp1,Ct1,Cc1は容量、10はソースフォロワ回路、20は差動増幅回路、VDDとVSSは電源端子、DTとDCは差動入力端子、QTとQCは差動出力端子である。
【0004】
図7の構成では、差動の入力信号をトランジスタXfs1,Xfp1を有するソースフォロワ回路10で受信し、続いて3段に縦列接続された差動増幅回路20で増幅を行う。ここで、差動増幅回路20中のトランジスタXff1,Xff2は帰還容量として使用されており、差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲート容量を軽減する効果を持つ。このため、トランジスタXff1,Xff2をもつ図7の構成ではこれが無い場合と比較して広帯域化が実現される。差動増幅回路20中のトランジスタXft1,Xfc1はそれぞれソースフォロワ回路を構成し、電圧レベル変換を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図1に示した従来例の差動増幅回路では、その動作帯域範囲内にある差動信号の増幅は可能である。しかしながら、従来例の差動増幅回路の動作帯域を越える差動信号の増幅を考える場合、増幅回路の更なる広帯域化が求められる。
【0006】
本発明の目的はより広帯域化が可能になった差動増幅回路を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる発明は、差動信号を入力する差動対トランジスタと、前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのドレインに接続された第1の負荷抵抗と、前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのドレインに接続された第2の負荷抵抗と、前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのドレインに接続された第1の電圧レベル変換回路と、前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのドレインに接続された第2の電圧レベル変換回路と、前記第1の電圧レベル変換回路から前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのゲートヘ信号を帰還する第1の容量と、前記第2の電圧レベル変換回路から前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのゲートヘ信号を帰還する第2の容量と、前記第1及び第2の負荷抵抗にそれぞれ直列に接続された第1,第2のインダクタとを有することを特徴とする差動増幅回路とした。
【0008】
請求項2にかかる発明は、差動信号を入力する差動対トランジスタと、前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのドレインに接続された第1の負荷抵抗と、前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのドレインに接続された第2の負荷抵抗と、前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのドレインに接続された第1の電圧レベル変換回路と、前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのドレインに接続された第2の電圧レベル変換回路と、前記第1の電圧レベル変換回路から前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのゲートヘ信号を帰還する第1の容量と、前記第2の電圧レベル変換回路から前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのゲートヘ信号を帰還する第2の容量と、前記差動対トランジスタの各ゲートにそれぞれ直列に接続された第3,第4のインダクタとを有することを特徴とする差動増幅回路とした。
【0009】
請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記差動対トランジスタの各ゲートにそれぞれ直列に第3,第4のインダクタを接続したことを特徴とする差動増幅回路とした。
【0010】
請求項4にかかる発明は、請求項2又は3にかかる発明において、前記第3,第4のインダクタをストリップ線路で構成したことを特徴とする差動増幅回路とした。
【0011】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
図1に本発明による差動増幅回路の第1の実施の形態を示す。図1において、Xfs1〜2,Xfp1〜2,Xfa1〜3,Xft1〜2,Xfc1〜2,Xff1〜2はトランジスタ、Xds1〜3,Xdp1〜3,Xda1〜3,Xdt1〜2,Xdc1〜2はダイオード、RL1〜2は抵抗、Cs1,Cp1,Ct1,Cc1は容量、L1〜2はインダクタ、10はソースフォロワ回路、30は差動増幅回路、VDDとVSSは電源端子、DTとDCは差動入力端子、QTとQCは差動出力端子である。
【0012】
図1の構成においても従来例と同様に、差動入力信号をトランジスタXfs1,Xfp1を有するソースフォロワ回路10で受信し、続いて3段に縦列接続された差動増幅回路30で増幅を行っている。本実施形態では、差動増幅回路30を広帯域化するべく、トランジスタXft1,Xfc1のソース側からの帰還容量としてのトランジスタ(以下、「帰還トランジスタ」と略)Xff1,Xff2を差動対トランジスタXfa1,Xfa2のそれぞれのゲートに接続すると共に、同トランジスタXfa1,Xfa2のドレインの負荷抵抗RL1,RL2に直列にインダクタL1,L2を接続していることが特徴である。差動増幅回路20中のトランジスタXft1,Zfc1はそれぞれソースフォロワ回路を構成し、電圧レベル変換を行う。
【0013】
帰還トランジスタXff1,Xff2は「従来の技術」の項で説明したように、差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲート容量を軽減する効果を有する。すなわち、帰還トランジスタXff1,Xff2により、差動対トランジスタXfa1,Xfa2の前段回路が駆動する負荷容量が低減される。一方、インダクタL1,L2は、差動対ランジスタXfa1,Xfa2それ自身が駆動する負荷容量を低減する。以上から本実施形態では、差動対トランジスタXfa1,Xfa2の前段回路が駆動する負荷容量に加え、帰還トランジスタXff1,Xff2のみでは低減されない差動対トランジスタXfa1,Xfa2が駆動する負荷容量についても別個に低減されることがわかる。その結果として、帰還トランジスタのみを有する従来例と比較して、より一層の広帯域化が実現される。
【0014】
[第2の実施形態]
図2に本発明による差動増幅回路の第2の実施の形態を示す。図2において、Xfs1〜2,Xfp1〜2,Xfa1〜3,Xft1〜2,Xfc1〜2,Xff1〜2はトランジスタ、Xds1〜3,Xdp1〜3,Xda1〜2,Xdt1〜2,Xdc1〜2はダイオード、RL1〜2は抵抗、Cs1,Cp1,Ct1,Cc1は容量、10はソースフォロワ回路、20は差動増幅回路、40はストリップ線路、VDDとVSSは電源端子、DTとDCは差動入力端子、QTとQCは差動出力端子である。
【0015】
本実施形態では、広帯域化を図るべく、ストリップ線路40が差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲートに対し直列に接続されていることが特徴である。ここでストリップ線路40とは、図3に示したようにグランド金属42と十分に距離的に離れた線路41のことであり、そのストリップ線路41の線幅Wはグランド金属42との間の間隔aに比べて充分小さく(W<<a)、その電気的特性はインダクタとしての性質が強い。43は半導体基板である。よってストリップ線路40は、信号伝送線路として使用すると同時に、インダクタとしても使用することが可能である。
【0016】
本実施形態のように、ストリップ線路40すなわちインダクタが差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲートに対し直列に接続されるときの効果を図4を用いて説明する。図4(a)は、差動対トランジスタXfa1,Xfa2を駆動する前段回路11、差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲートに直列接続されるストリップ線路40からなるインダクタ、及び差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲート31に至る回路を近似的に表現した等価回路である。
【0017】
図4(a)において、Voutは前段回路11の出力電圧、Vgateは差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲート31ヘの入力電圧、Routは前段回路11の出力抵抗、Lpeakは差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲート31ヘのインダクタ、Cgateは差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲート31の容量を表す。また図4(b)は、図4(a)の等価回路におけるVgateとVoutの比の周波数依存性を、インダクタLpeakが有る場合(L=0.5nH)と無い場合(L=0)の2通りについて計算した結果である。図4(b)の横軸の周波数は規格化した値を表し、「1」は40GHzを、「0.1」は4GHzを示す。
【0018】
図4(b)から、インダクタが有る場合は、より広帯域な範囲で前段回路11から差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲート31ヘ至る回路に電圧信号を減衰無く伝えていることがわかる。以上示したように、本実施形態ではストリップ線路40のインダクタ的性質を利用し、差動増幅回路の広帯域化を実現する。
【0019】
[第3の実施形態]
図5に、本発明による差動増幅回路の第3の実施の形態を示す。図5において、Xfs1〜2,Xfp1〜2,Xfa1〜3,Xft1〜2,Xfc1〜2,Xff1〜2はトランジスタ、Xds1〜3,Xdp1〜3,Xda1〜3,Xdt1〜2,Xdc1〜2はダイオード、RL1〜2は抵抗、Cs1,Cp1,Ct1,Cc1は容量、L1〜2はインダクタ、10はソースフォロワ回路、30は差動増幅回路、40はストリップ線路、VDDとVSSは電源端子、DTとDCは差動入力端子、QTとQCは差動出力端子である。
【0020】
本実施形態は、差動増幅回路を広帯域化するべく、「第1の実施形態」での特徴であった帰還トランジスタXff1,Xff2とインダクタL2,L2を設けることに加えて、「第2の実施形態」での特徴であったストリップ線路40を設けている。よってそれぞれの特徴が有する広帯域化への効果により、さらなる広帯域化が実現される。
【0021】
[その他の実施形態]
第1から第3の実施形態は、トランジスタとして電界効果型トランジスタ(Field−Effect Transistor:FET)を想定したものであるが、これをパイボーラトランジスタに置き換えても同様の効果が得られる。ただしその場合、第1から第3の実施形態にあるソースフォロワ回路10はエミッタフォロワ回路になる。
【0022】
また、第1から第3の実施形態において、トランジスタXfs1,Xfp1を有するソースフォロア回路10、及び差動増幅回路20,30の中のトランジスタXft1,Xfc1を有するソースフォロワ回路は電圧レベル変換も行っているが、これを図6に示したような容量と抵抗からなる回路と置き換えても同様の効果が得られる。図6において、RB1〜4は抵抗、C1,C2は容量、VDDとVSSは電源端子、DTとDCは差動入力端子、QTとQCは差動出力端子である。図6の回路では、容量C1,C2により前段回路のバイアスレベルが分離され、抵抗RB1〜4によって次段回路へのバイアスレベルが新たに付与される。
【0023】
【発明の効果】請求項1にかかる発明によれば、差動対トランジスタの前段回路が駆動する負荷容量、及び差動対トランジスタ自身が駆動する負荷容量の両者が同時に低減され、従来より広帯域な差動増幅回路が実現される。
【0024】
また、請求項2にかかる発明によれば、差動対トランジスタの前段回路が駆動する負荷容量の低減による広帯域化、及び差動対トランジスタを駆動する前段回路と差動対トランジスタのゲートとの間での信号伝達の広帯域化が図られ、従来より広帯域な差動増幅回路が実現される。
【0025】
さらに、請求項3にかかる発明によれば、請求項2と3の両者の効果が得られ、より広帯域な差動増幅回路が実現される。
【0026】
さらに、請求項4にかかる発明によれば、信号伝送線路を兼ねたストリップ線路をインダクタとしても使用すると同時に、別個にインダクタを用意する必要が無いことから回路サイズが大きくならない効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の広帯域差動増幅回路の回路図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の広帯域差動増幅回路の回路図である。
【図3】図3のストリップ線路の説明図である。
【図4】差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲートに直列に接続されたインダクタの効果の説明図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の広帯域差動増幅回路の回路図である。
【図6】電圧レベル変換回路の別の例の回路図である
【図7】広帯域差動信号増幅回路の従来の回路図である。
【符号の説明】
10:ソースフォロワ回路
20,30:差動増幅回路
40:ストリップ線路
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路装置において広帯域化を図った差動増幅回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
広帯域化を図った差動増幅回路の従来例として図7に示すような構成が知られている(参考文献:T.Otsuji,K.Murata,T.Enoki,and Y.Umeda,”An 80−Gbi/s multiplexer IC using InAlAs/InGaAs/InP HEMT’s”,IEEE Journal of Solid−State Circuits,VOL.33,No.9,pp.1321−1327(1998))。
【0003】
図7において、Xfs1〜2,Xfp1〜2,Xfa1〜3,Xft1〜2,Xfc1〜2,Xff1〜2はトランジスタ、Xds1〜3,Xdp1〜3,Xda1〜2,Xdt1〜2,Xdc1〜2はダイオード、RL1〜2は抵抗、Cs1,Cp1,Ct1,Cc1は容量、10はソースフォロワ回路、20は差動増幅回路、VDDとVSSは電源端子、DTとDCは差動入力端子、QTとQCは差動出力端子である。
【0004】
図7の構成では、差動の入力信号をトランジスタXfs1,Xfp1を有するソースフォロワ回路10で受信し、続いて3段に縦列接続された差動増幅回路20で増幅を行う。ここで、差動増幅回路20中のトランジスタXff1,Xff2は帰還容量として使用されており、差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲート容量を軽減する効果を持つ。このため、トランジスタXff1,Xff2をもつ図7の構成ではこれが無い場合と比較して広帯域化が実現される。差動増幅回路20中のトランジスタXft1,Xfc1はそれぞれソースフォロワ回路を構成し、電圧レベル変換を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図1に示した従来例の差動増幅回路では、その動作帯域範囲内にある差動信号の増幅は可能である。しかしながら、従来例の差動増幅回路の動作帯域を越える差動信号の増幅を考える場合、増幅回路の更なる広帯域化が求められる。
【0006】
本発明の目的はより広帯域化が可能になった差動増幅回路を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる発明は、差動信号を入力する差動対トランジスタと、前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのドレインに接続された第1の負荷抵抗と、前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのドレインに接続された第2の負荷抵抗と、前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのドレインに接続された第1の電圧レベル変換回路と、前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのドレインに接続された第2の電圧レベル変換回路と、前記第1の電圧レベル変換回路から前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのゲートヘ信号を帰還する第1の容量と、前記第2の電圧レベル変換回路から前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのゲートヘ信号を帰還する第2の容量と、前記第1及び第2の負荷抵抗にそれぞれ直列に接続された第1,第2のインダクタとを有することを特徴とする差動増幅回路とした。
【0008】
請求項2にかかる発明は、差動信号を入力する差動対トランジスタと、前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのドレインに接続された第1の負荷抵抗と、前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのドレインに接続された第2の負荷抵抗と、前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのドレインに接続された第1の電圧レベル変換回路と、前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのドレインに接続された第2の電圧レベル変換回路と、前記第1の電圧レベル変換回路から前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのゲートヘ信号を帰還する第1の容量と、前記第2の電圧レベル変換回路から前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのゲートヘ信号を帰還する第2の容量と、前記差動対トランジスタの各ゲートにそれぞれ直列に接続された第3,第4のインダクタとを有することを特徴とする差動増幅回路とした。
【0009】
請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記差動対トランジスタの各ゲートにそれぞれ直列に第3,第4のインダクタを接続したことを特徴とする差動増幅回路とした。
【0010】
請求項4にかかる発明は、請求項2又は3にかかる発明において、前記第3,第4のインダクタをストリップ線路で構成したことを特徴とする差動増幅回路とした。
【0011】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
図1に本発明による差動増幅回路の第1の実施の形態を示す。図1において、Xfs1〜2,Xfp1〜2,Xfa1〜3,Xft1〜2,Xfc1〜2,Xff1〜2はトランジスタ、Xds1〜3,Xdp1〜3,Xda1〜3,Xdt1〜2,Xdc1〜2はダイオード、RL1〜2は抵抗、Cs1,Cp1,Ct1,Cc1は容量、L1〜2はインダクタ、10はソースフォロワ回路、30は差動増幅回路、VDDとVSSは電源端子、DTとDCは差動入力端子、QTとQCは差動出力端子である。
【0012】
図1の構成においても従来例と同様に、差動入力信号をトランジスタXfs1,Xfp1を有するソースフォロワ回路10で受信し、続いて3段に縦列接続された差動増幅回路30で増幅を行っている。本実施形態では、差動増幅回路30を広帯域化するべく、トランジスタXft1,Xfc1のソース側からの帰還容量としてのトランジスタ(以下、「帰還トランジスタ」と略)Xff1,Xff2を差動対トランジスタXfa1,Xfa2のそれぞれのゲートに接続すると共に、同トランジスタXfa1,Xfa2のドレインの負荷抵抗RL1,RL2に直列にインダクタL1,L2を接続していることが特徴である。差動増幅回路20中のトランジスタXft1,Zfc1はそれぞれソースフォロワ回路を構成し、電圧レベル変換を行う。
【0013】
帰還トランジスタXff1,Xff2は「従来の技術」の項で説明したように、差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲート容量を軽減する効果を有する。すなわち、帰還トランジスタXff1,Xff2により、差動対トランジスタXfa1,Xfa2の前段回路が駆動する負荷容量が低減される。一方、インダクタL1,L2は、差動対ランジスタXfa1,Xfa2それ自身が駆動する負荷容量を低減する。以上から本実施形態では、差動対トランジスタXfa1,Xfa2の前段回路が駆動する負荷容量に加え、帰還トランジスタXff1,Xff2のみでは低減されない差動対トランジスタXfa1,Xfa2が駆動する負荷容量についても別個に低減されることがわかる。その結果として、帰還トランジスタのみを有する従来例と比較して、より一層の広帯域化が実現される。
【0014】
[第2の実施形態]
図2に本発明による差動増幅回路の第2の実施の形態を示す。図2において、Xfs1〜2,Xfp1〜2,Xfa1〜3,Xft1〜2,Xfc1〜2,Xff1〜2はトランジスタ、Xds1〜3,Xdp1〜3,Xda1〜2,Xdt1〜2,Xdc1〜2はダイオード、RL1〜2は抵抗、Cs1,Cp1,Ct1,Cc1は容量、10はソースフォロワ回路、20は差動増幅回路、40はストリップ線路、VDDとVSSは電源端子、DTとDCは差動入力端子、QTとQCは差動出力端子である。
【0015】
本実施形態では、広帯域化を図るべく、ストリップ線路40が差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲートに対し直列に接続されていることが特徴である。ここでストリップ線路40とは、図3に示したようにグランド金属42と十分に距離的に離れた線路41のことであり、そのストリップ線路41の線幅Wはグランド金属42との間の間隔aに比べて充分小さく(W<<a)、その電気的特性はインダクタとしての性質が強い。43は半導体基板である。よってストリップ線路40は、信号伝送線路として使用すると同時に、インダクタとしても使用することが可能である。
【0016】
本実施形態のように、ストリップ線路40すなわちインダクタが差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲートに対し直列に接続されるときの効果を図4を用いて説明する。図4(a)は、差動対トランジスタXfa1,Xfa2を駆動する前段回路11、差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲートに直列接続されるストリップ線路40からなるインダクタ、及び差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲート31に至る回路を近似的に表現した等価回路である。
【0017】
図4(a)において、Voutは前段回路11の出力電圧、Vgateは差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲート31ヘの入力電圧、Routは前段回路11の出力抵抗、Lpeakは差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲート31ヘのインダクタ、Cgateは差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲート31の容量を表す。また図4(b)は、図4(a)の等価回路におけるVgateとVoutの比の周波数依存性を、インダクタLpeakが有る場合(L=0.5nH)と無い場合(L=0)の2通りについて計算した結果である。図4(b)の横軸の周波数は規格化した値を表し、「1」は40GHzを、「0.1」は4GHzを示す。
【0018】
図4(b)から、インダクタが有る場合は、より広帯域な範囲で前段回路11から差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲート31ヘ至る回路に電圧信号を減衰無く伝えていることがわかる。以上示したように、本実施形態ではストリップ線路40のインダクタ的性質を利用し、差動増幅回路の広帯域化を実現する。
【0019】
[第3の実施形態]
図5に、本発明による差動増幅回路の第3の実施の形態を示す。図5において、Xfs1〜2,Xfp1〜2,Xfa1〜3,Xft1〜2,Xfc1〜2,Xff1〜2はトランジスタ、Xds1〜3,Xdp1〜3,Xda1〜3,Xdt1〜2,Xdc1〜2はダイオード、RL1〜2は抵抗、Cs1,Cp1,Ct1,Cc1は容量、L1〜2はインダクタ、10はソースフォロワ回路、30は差動増幅回路、40はストリップ線路、VDDとVSSは電源端子、DTとDCは差動入力端子、QTとQCは差動出力端子である。
【0020】
本実施形態は、差動増幅回路を広帯域化するべく、「第1の実施形態」での特徴であった帰還トランジスタXff1,Xff2とインダクタL2,L2を設けることに加えて、「第2の実施形態」での特徴であったストリップ線路40を設けている。よってそれぞれの特徴が有する広帯域化への効果により、さらなる広帯域化が実現される。
【0021】
[その他の実施形態]
第1から第3の実施形態は、トランジスタとして電界効果型トランジスタ(Field−Effect Transistor:FET)を想定したものであるが、これをパイボーラトランジスタに置き換えても同様の効果が得られる。ただしその場合、第1から第3の実施形態にあるソースフォロワ回路10はエミッタフォロワ回路になる。
【0022】
また、第1から第3の実施形態において、トランジスタXfs1,Xfp1を有するソースフォロア回路10、及び差動増幅回路20,30の中のトランジスタXft1,Xfc1を有するソースフォロワ回路は電圧レベル変換も行っているが、これを図6に示したような容量と抵抗からなる回路と置き換えても同様の効果が得られる。図6において、RB1〜4は抵抗、C1,C2は容量、VDDとVSSは電源端子、DTとDCは差動入力端子、QTとQCは差動出力端子である。図6の回路では、容量C1,C2により前段回路のバイアスレベルが分離され、抵抗RB1〜4によって次段回路へのバイアスレベルが新たに付与される。
【0023】
【発明の効果】請求項1にかかる発明によれば、差動対トランジスタの前段回路が駆動する負荷容量、及び差動対トランジスタ自身が駆動する負荷容量の両者が同時に低減され、従来より広帯域な差動増幅回路が実現される。
【0024】
また、請求項2にかかる発明によれば、差動対トランジスタの前段回路が駆動する負荷容量の低減による広帯域化、及び差動対トランジスタを駆動する前段回路と差動対トランジスタのゲートとの間での信号伝達の広帯域化が図られ、従来より広帯域な差動増幅回路が実現される。
【0025】
さらに、請求項3にかかる発明によれば、請求項2と3の両者の効果が得られ、より広帯域な差動増幅回路が実現される。
【0026】
さらに、請求項4にかかる発明によれば、信号伝送線路を兼ねたストリップ線路をインダクタとしても使用すると同時に、別個にインダクタを用意する必要が無いことから回路サイズが大きくならない効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の広帯域差動増幅回路の回路図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の広帯域差動増幅回路の回路図である。
【図3】図3のストリップ線路の説明図である。
【図4】差動対トランジスタXfa1,Xfa2のゲートに直列に接続されたインダクタの効果の説明図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の広帯域差動増幅回路の回路図である。
【図6】電圧レベル変換回路の別の例の回路図である
【図7】広帯域差動信号増幅回路の従来の回路図である。
【符号の説明】
10:ソースフォロワ回路
20,30:差動増幅回路
40:ストリップ線路
Claims (4)
- 差動信号を入力する差動対トランジスタと、前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのドレインに接続された第1の負荷抵抗と、前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのドレインに接続された第2の負荷抵抗と、前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのドレインに接続された第1の電圧レベル変換回路と、前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのドレインに接続された第2の電圧レベル変換回路と、前記第1の電圧レベル変換回路から前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのゲートヘ信号を帰還する第1の容量と、前記第2の電圧レベル変換回路から前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのゲートヘ信号を帰還する第2の容量と、前記第1及び第2の負荷抵抗にそれぞれ直列に接続された第1,第2のインダクタとを有することを特徴とする差動増幅回路。
- 差動信号を入力する差動対トランジスタと、前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのドレインに接続された第1の負荷抵抗と、前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのドレインに接続された第2の負荷抵抗と、前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのドレインに接続された第1の電圧レベル変換回路と、前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのドレインに接続された第2の電圧レベル変換回路と、前記第1の電圧レベル変換回路から前記差動対トランジスタの他方のトランジスタのゲートヘ信号を帰還する第1の容量と、前記第2の電圧レベル変換回路から前記差動対トランジスタの一方のトランジスタのゲートヘ信号を帰還する第2の容量と、前記差動対トランジスタの各ゲートにそれぞれ直列に接続された第3,第4のインダクタとを有することを特徴とする差動増幅回路。
- 請求項1に記載の差動増幅回路において、
前記差動対トランジスタの各ゲートにそれぞれ直列に第3,第4のインダクタを接続したことを特徴とする差動増幅回路。 - 請求項2又は3に記載の差動増幅回路において、
前記第3,第4のインダクタをストリップ線路で構成したことを特徴とする差動増幅回路。
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-
2002
- 2002-06-03 JP JP2002161030A patent/JP2004007307A/ja active Pending
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