JP2004006966A - 基板の研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シャロー・トレンチ分離形成、金属埋め込み配線形成等のリセスCMP技術及び層間絶縁膜の平坦化CMP技術において、酸化珪素膜、金属等の埋め込み膜の余分な成膜層の除去及び平坦化或いは層間絶縁膜の平坦化を効率的、高レベルに、かつプロセス管理も容易に行うことができる基板の研磨方法を提供する。
【解決手段】 基板を砥粒、研磨速度に研磨圧力依存性の変曲点を与える添加剤を含む研磨剤で研磨する方法であって、パターンの形成された基板の凹部の研磨速度をR1、凸部の研磨速度をR2とすると、凹部と凸部の段差が100nm以下になるまでのR2/R1がR2/R1≧4であり、0<R1<150nm/min、0<R2<800nm/minであり、凹部と凸部の段差が100nm以下になるとR1、R2<150nm/minになる基板の研磨方法。被研磨膜のパターン形状に応じて凸部を選択的に研磨する特性を実現することができ、また、平坦化後の研磨がほとんど進行しなくなるので研磨時間によるプロセス管理が容易になる。
【選択図】 なし
【解決手段】 基板を砥粒、研磨速度に研磨圧力依存性の変曲点を与える添加剤を含む研磨剤で研磨する方法であって、パターンの形成された基板の凹部の研磨速度をR1、凸部の研磨速度をR2とすると、凹部と凸部の段差が100nm以下になるまでのR2/R1がR2/R1≧4であり、0<R1<150nm/min、0<R2<800nm/minであり、凹部と凸部の段差が100nm以下になるとR1、R2<150nm/minになる基板の研磨方法。被研磨膜のパターン形状に応じて凸部を選択的に研磨する特性を実現することができ、また、平坦化後の研磨がほとんど進行しなくなるので研磨時間によるプロセス管理が容易になる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、半導体素子製造技術に使用される研磨法に関し、基板表面の研磨工程、特にシャロー・トレンチ素子分離、キャパシタ、金属配線等の溝への埋め込み層の形成工程、層間絶縁膜の平坦化工程等において使用される基板の研磨方法に関する。
現在のULSI半導体素子製造工程では、高密度・微細化のための加工技術が研究開発されている。その一つであるCMP(ケミカルメカニカルポリッシング)技術は、必須の技術となってきている。半導体素子の製造工程におけるCMP技術には、素子分離形成、メモリのキャパシタ形成、プラグ及び埋め込み金属配線形成等において溝に埋め込んだ成膜層の余分な成膜部分を除去するためのリセスCMP技術、及び層間絶縁膜成膜後の平坦化CMP技術がある。
集積回路内の素子分離形成技術において、デザインルール0.5μm以上の世代ではLOCOS(シリコン局所酸化)が用いられてきたが、加工寸法の更なる微細化に伴い、素子分離幅のより小さいシャロー・トレンチ分離技術が採用されつつある。シャロー・トレンチ分離では、基板上に埋め込んだ余分な酸化珪素膜を除くためにCMPが必須な技術となる。金属配線形成技術においても、デザインルール0.25μm以上の世代では、層間絶縁膜上のAl配線やプラグにはW等が用いられていたが、加工寸法の微細化に伴い要求される電気特性を満たすためにCuやCu・Al合金が採用されつつある。CuやCu・Al合金の配線技術に対しては、ダマシンやディアルダマシン等の埋め込み配線技術が検討されており、基板上に埋め込んだ余分な金属膜を除くためにCMPが必須な技術となる。メモリ素子のキャパシタ形成においても、トレンチ構造や複雑なスタック型構造を実現するためには、酸化窒化シリコンやタンタル酸化膜及びその他の強誘電体のリセスCMP技術が必須な技術となる。
従来、半導体素子の製造工程において、プラズマ−CVD、低圧−CVD、スパッタ、電解メッキ等の方法で形成される酸化珪素等絶縁膜、キャパシタ強誘電体膜、配線用金属や金属合金等の平坦化及び埋め込み層を形成するための化学機械研磨剤としてフュームドシリカ、アルミナ系の研磨剤を使用して1回の工程で研磨する方法が一般的に検討されている。しかしながら、このような研磨法では、パターンの平坦性が悪く、埋め込み膜の厚みばらつきやディッシングにより特性がばらつくという技術課題がある。
従来の平坦化及び埋め込み層を形成するためのCMP技術では、パターン密度差或いはサイズ差の大小により凸部の研磨速度が大きく異なり、また凹部の研磨も進行してしまうため、ウエハ面内全体での高いレベルの平坦化を実現することができないという技術課題がある。そこで、埋め込み層成膜後に凹部となる埋め込み部分の研磨速度と埋め込み層成膜後に成膜層を除去する必要がある凸部の研磨速度の差を小さくして平坦性を向上するために、あらかじめ凸部の被研磨膜を部分的にエッチングにより除去するエッチバック工程を付加する技術が広く採用されている。しかしながら、工程数が増加するために製造コスト面で問題となっている。
また、埋め込み層を形成するためのCMP技術及び層間膜を平坦化するCMP技術では、研磨装置による理想的な終点検出が困難であるために、研磨量の制御を研磨時間で行うプロセス管理方法が一般的に行われている。しかし、パターン段差形状の変化だけでなく、研磨布の状態等でも、研磨速度が顕著に変化してしまうため、プロセス管理が難しいという問題があった。
シャロー・トレンチ分離では、素子分離の酸化珪素膜埋め込み部分以外にはマスク及びストッパーとして主に窒化珪素膜が形成され、安定な素子分離特性を実現するためには、ウエハ内の窒化珪素の残膜厚ばらつきをできるだけ小さくする必要がある。そのためには、窒化珪素膜が露出した後は、研磨速度が低下するような特性が必要であり、酸化珪素膜と窒化珪素膜との研磨速度比(酸化珪素膜の研磨速度/窒化珪素膜の研磨速度)が大きいことが望ましい。しかし、従来のシリカ系等の研磨剤を使用した1回の工程による研磨法では、研磨速度比が2〜3程度しかなく、プロセスマージンが充分に得られないという問題があった。
金属の埋め込み配線やキャパシタの形成においても、埋め込み溝を形成した成膜下地層が露出した時点で研磨を終了する必要があり、下地層露出後の研磨速度が低下するように、埋め込み被研磨膜と下地膜との研磨速度比が大きい研磨剤が使用される。しかし、一方で研磨速度比が大きい研磨剤を使用した場合、埋め込み層のディッシングが大きくなるという問題があった。
シリカ系研磨剤に比べ、酸化珪素膜の高い研磨速度が得られる酸化セリウム等を含む研磨剤も使用されている。しかし、研磨速度が高すぎるためにプロセス管理が難しい、研磨速度の基板上被研磨膜のパターン依存性が大きい等の問題があった。その他に、一般に比較的低い粒子濃度で使用されるために基板上の被研磨膜パターンが微細化するほど凸部が削れにくく、その周辺部の研磨だけが進行してしまうという問題もあった。また、酸化セリウムを含む研磨剤は、シリカ系研磨剤の約2倍の酸化珪素膜と窒化珪素膜の研磨速度比が得られるが、それでも実用上充分とはいえない。
本発明は、シャロー・トレンチ分離形成、金属埋め込み配線形成等のリセスCMP技術及び層間絶縁膜の平坦化CMP技術において、酸化珪素膜、金属等の埋め込み膜の余分な成膜層の除去及び平坦化を効率的、高レベルに、かつプロセス管理も容易に行うことができる研磨方法を提供するものである。
本発明の研磨方法は、基板を砥粒、研磨速度に研磨圧力依存性の変曲点を与える添加剤を含む研磨剤で研磨する方法であって、パターンの形成された基板の凹部の研磨速度をR1、凸部の研磨速度をR2とすると、凹部と凸部の段差が100nm以下になるまでのR2/R1がR2/R1≧4であり、0<R1<150nm/min、0<R2<800nm/minであり、凹部と凸部の段差が100nm以下になるとR1、R2<150nm/minになることを特徴とする基板の研磨方法である。
その結果、層間絶縁膜の平坦化及びシャロー・トレンチ素子分離形成等の埋め込み膜の平坦化を効率的、高レベルに行うことが可能である。
通常の研磨条件において、研磨速度は研磨圧力に比例した特性を示すのが一般的である。本発明において、研磨速度に研磨圧力依存性の変曲点を与える添加剤とは、添加剤を加えない場合に比べ、添加剤によりパターンのない基板の研磨速度がある研磨圧力まで充分小さく、変曲点となる圧力より大きい研磨圧力では変曲点以下の研磨圧力の研磨速度よりも充分大きい研磨速度特性が得られる添加剤を意味し、添加量により変曲点が現れる研磨圧力が変わる特性を示すものをいう。研磨速度に研磨圧力依存性の変曲点を与える添加剤は、有機高分子の陰イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が好ましく使用される。特に陰イオン性界面活性剤としては、共重合成分としてアクリル酸アンモニウム塩を含むものが好ましく使用される。
研磨定盤の研磨布上に研磨剤を供給しながら、被研磨膜を有する基板を研磨布に押圧した状態で研磨定盤と基板を相対的に動かすことによって被研磨膜を研磨する工程において、被研磨膜を有する基板の研磨布への押しつけ圧力が100〜1000gf/cm2であることが好ましく、200〜500gf/cm2であることがより好ましい。
本発明の基板の研磨方法で、例えば少なくとも酸化珪素膜が形成された半導体チップ等の所定の基板を研磨することができる。
本発明の基板の研磨方法により、シャロー・トレンチ分離形成、金属埋め込み配線形成等のリセスCMP技術及び層間絶縁膜の平坦化CMP技術において、酸化珪素膜、金属等の埋め込み膜の余分な成膜層の除去及び平坦化を効率的、高レベルに、かつプロセス管理も容易に行うことができる。
基板を砥粒、研磨速度に研磨圧力依存性の変曲点を与える添加剤を含む研磨剤で研磨する方法であって、設定研磨圧力がPの場合、パターンの形成された基板の凹部の実効研磨圧力をP1、凸部の実効研磨圧力をP2とすると、パターンのない基板の研磨速度に変曲点が現れる圧力P'がP2>P'>P>P1となるように添加剤の濃度及び設定研磨圧力を調整した研磨剤で研磨することによって、被研磨膜のパターン形状に応じて変曲点が現れる圧力よりも高い研磨圧力がかかる凸部の研磨速度R2と凹部の研磨速度R1の比R2/R1が4以上になる研磨特性を実現することができる。
また、凹部と凸部の段差が100nm以下に平坦化された後は、実効研磨圧力がP'≧P2≒P≒P1のように変曲点が現れる圧力P'よりも小さい設定研磨圧力にほぼ等しくなり、平坦化後の研磨がほとんど進行しなくなるので研磨時間によるプロセス管理が容易になる。
この添加剤による研磨速度の研磨圧力依存性については、文献(IEDM96(International Electronic Device Meeting) Proceedings(1996) p.349−352等)で報告されている。その結果、高効率、高レベルに、パターン密度、サイズ依存性の少ない平坦化を実現することができる。
研磨定盤の研磨布上に研磨剤を供給しながら、被研磨膜を有する基板を研磨布に押圧した状態で研磨定盤と基板を相対的に動かすことによって被研磨膜を研磨する研磨方法において、被研磨膜を有する基板の研磨布への押しつけ圧力は、主に添加剤量によって決まる研磨速度の圧力依存特性に応じて、パターン凹部に対し凸部が選択的に研磨される範囲に設定される必要がある。研磨布への押しつけ圧力は、100〜1000gf/cm2であることが好ましく、200〜500gf/cm2であることがより好ましい。研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、200〜500gf/cm2であることがより好ましい。研磨布への押しつけ圧力は、1000gf/cm2を超えて大きいと研磨キズが発生しやすくなり、100gf/cm2未満では充分な研磨速度が得られない。
本発明の基板の研磨方法に使用される砥粒は、酸化セリウム、酸化シリコン、酸化アルミニウム等の無機酸化物粒子であり、酸化セリウム粒子が好ましく使用される。ここで、砥粒の濃度に制限は無いが、懸濁液の取り扱い易さから0.5〜15重量%の範囲が好ましい。
本発明において、研磨速度に研磨圧力依存性の変曲点を与える添加剤は、金属イオン類を含まないものとして、アクリル酸重合体及びそのアンモニウム塩、メタクリル酸重合体及びそのアンモニウム塩、ポリビニルアルコール等の水溶性有機高分子類、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム等の水溶性陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアレート等の水溶性非イオン性界面活性剤、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の水溶性アミン類などが挙げられる。
その中でも、陰イオン性界面活性剤等が好ましく使用され、特に共重合成分としてアンモニウム塩を含む高分子分散剤等の水溶性陰イオン性界面活性剤から選ばれた少なくとも1種類以上の界面活性剤を使用する。また、その他に水溶性非イオン性界面活性剤、水溶性陰イオン性界面活性剤、水溶性陽イオン性界面活性剤等を併用してもよい。これらの界面活性剤添加量は、スラリー100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部の範囲が好ましい。また、界面活性剤の分子量は、100〜50000が好ましく、2000〜20000がより好ましい。添加剤の添加方法としては、研磨直前に砥粒分散液に混合するのが好ましい。研磨装置のスラリー供給配管内で充分混合するような構造を施した場合には、砥粒分散液及び添加剤水溶液の供給速度を個別に調整し、配管内で所定濃度になるように混合することも可能である。添加剤混合後に長時間保存した場合、研磨剤の粒度分布が変化する場合があるが、研磨速度及び研磨傷等の研磨特性には顕著な影響が見られないため、界面活性剤の添加方法を制限するものではない。
本発明の基板の研磨方法が適用される無機絶縁膜の作製方法として、定圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。定圧CVD法による酸化珪素絶縁膜形成は、Si源としてモノシラン:SiH4、酸素源として酸素:O2を用いる。このSiH4−O2系酸化反応を400℃程度以下の低温で行わせることにより得られる。高温リフローによる表面平坦化を図るためにリン:Pをドープするときには、SiH4−O2−PH3系反応ガスを用いることが好ましい。プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が低温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量結合型と誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとしては、Si源としてSiH4、酸素源としてN2Oを用いたSiH4−N2O系ガスとテトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用いたTEOS−O2系ガス(TEOS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は250〜400℃、反応圧力は67〜400Paの範囲が好ましい。このように、本発明の基板の研磨方法に用いる基板の酸化珪素絶縁膜にはリン、ホウ素等の元素がド−プされていても良い。同様に、低圧CVD法による窒化珪素膜形成は、Si源としてジクロルシラン:SiH2Cl2、窒素源としてアンモニア:NH3を用いる。このSiH2Cl2−NH3系酸化反応を900℃の高温で行わせることにより得られる。プラズマCVD法は、Si源としてSiH4、窒素源としてNH3を用いたSiH4−NH3系ガスが挙げられる。基板温度は300〜400℃が好ましい。
所定の基板として、半導体基板すなわち回路素子と配線パターンが形成された段階の半導体基板、回路素子が形成された段階の半導体基板等の半導体基板上に少なくとも酸化珪素膜が形成された基板が使用できる。このような半導体基板上に形成された酸化珪素膜層を上記研磨剤及び研磨方法で研磨することによって、酸化珪素膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板全面に渡って平滑な面とする。層間絶縁膜の平坦化工程に適用する場合には、これで終了となるが、シャロー・トレンチ分離の場合には、平坦化された酸化珪素膜を下地層の窒化珪素層まで更に研磨することによって、素子分離部に埋め込んだ酸化珪素膜のみを残す。この際、ストッパーとなる窒化珪素との研磨速度比が大きければ、窒化膜露出後の研磨速度が小さくなり、研磨のプロセスマージンが大きくなる。また、シャロー・トレンチ分離に使用するためには、研磨時に傷発生が少ないことも必要である。ここで、研磨する装置としては、半導体基板を保持するホルダーと研磨布(パッド)を貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。また、研磨布には研磨剤が溜まる様な溝加工を施すことが好ましい。研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は基板が飛び出さないように100rpm以下の低回転が好ましい。被研磨膜を有する半導体基板の研磨布への押しつけ圧力が100〜1000gf/cm2であることが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、200〜500gf/cm2であることがより好ましい。研磨している間、研磨布には研磨剤をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常に研磨剤で覆われていることが好ましい。
研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
このようにして、Si基板上にシャロー・トレンチ分離を形成した後に絶縁層を形成し、或いは酸化珪素絶縁膜層を平坦化した後、その上にアルミニウム配線を形成し、その上に形成した酸化珪素膜を上記の方法により平坦化する。平坦化された酸化珪素膜層の上に、上層のアルミニウム配線を形成し、その配線間および配線上に酸化珪素膜を形成後、本発明の基板の研磨方法により研磨することによって、絶縁膜表面の凹凸を解消し、半導体基板全面に渡って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の層数の半導体を製造する。
または、Si基板上にシャロー・トレンチ分離を形成したあと、層間絶縁膜層及びその表面に埋め込み配線の溝を形成し、スパッタ法でTiNやTaN等のバリアメタル層及び配線金属用シード層を形成し、電解メッキ法等によりCu又はCu・Al合金を成膜する。この成膜層に、本発明の基板の研磨方法を適用することにより、配線溝部にのみ金属を埋め込むことができる。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の層数の半導体を製造する。
その他に、メモリ素子のキャパシタの形成工程において、トレンチ型セル構造では、ポリシリコンや酸化窒化シリコン等の埋め込み構造を形成する際に、スタック型セル構造でも、複雑な構造を形成するために埋め込み工程が採用される可能性があり、酸化珪素シリコンやタンタル酸化膜の他にSTOやBST等の強誘電体材料にも本発明の基板の研磨方法が適用される。
本発明の基板の研磨方法は、半導体基板に形成された酸化珪素膜や窒化珪素膜、Cu、Cu・Al合金等の金属膜、及び強誘電体膜だけでなく、所定の配線を有する配線板に形成された酸化珪素膜、ガラス、窒化珪素等の無機絶縁膜、金属膜、フォトマスク・レンズ・プリズムなどの光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバ−の端面、シンチレ−タ等の光学用単結晶、固体レ−ザ単結晶、青色レ−ザ用LEDサファイア基板、SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等の研磨方法としても使用される。
(実施例1)
(スラリーの作製)
炭酸セリウム水和物を800℃で2時間空気中で焼成し、ジェットミルを用いて乾式粉砕して酸化セリウム粒子を作製した。酸化セリウム粒子1Kgと分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られたスラリーを1ミクロンフィルターでろ過し、さらに脱イオン水を加えることにより5重量%スラリーを得た。スラリーのpHは8.3であった。上記の酸化セリウムスラリー(固形分:5重量%)600gと添加剤としてpH6.5で分子量5000のポリアクリル酸(100%)アンモニウム塩水溶液(40重量%)180gと脱イオン水2220gを混合して、界面活性剤を添加した酸化セリウム研磨剤(酸化セリウム固形分:1重量%)を作製した。
(スラリーの作製)
炭酸セリウム水和物を800℃で2時間空気中で焼成し、ジェットミルを用いて乾式粉砕して酸化セリウム粒子を作製した。酸化セリウム粒子1Kgと分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られたスラリーを1ミクロンフィルターでろ過し、さらに脱イオン水を加えることにより5重量%スラリーを得た。スラリーのpHは8.3であった。上記の酸化セリウムスラリー(固形分:5重量%)600gと添加剤としてpH6.5で分子量5000のポリアクリル酸(100%)アンモニウム塩水溶液(40重量%)180gと脱イオン水2220gを混合して、界面活性剤を添加した酸化セリウム研磨剤(酸化セリウム固形分:1重量%)を作製した。
(ブランケットウエハの研磨1)
直径200mmSi基板上に1000nmの酸化珪素膜を成膜したブランケットウエハを作製した。保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を100gf/cm2に設定して、定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤(固形分:1重量%)を200cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで1分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に加工圧力を200〜800gf/cm2の範囲で100gf/cm2おきに設定して別のウエハを研磨した。研磨後のウエハを洗浄して乾燥し、干渉膜厚計によって膜厚を測定し、研磨前後の膜厚変化を算出した。
直径200mmSi基板上に1000nmの酸化珪素膜を成膜したブランケットウエハを作製した。保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を100gf/cm2に設定して、定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤(固形分:1重量%)を200cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで1分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に加工圧力を200〜800gf/cm2の範囲で100gf/cm2おきに設定して別のウエハを研磨した。研磨後のウエハを洗浄して乾燥し、干渉膜厚計によって膜厚を測定し、研磨前後の膜厚変化を算出した。
その結果、圧力100gf/cm2の研磨速度は24nm/min、圧力200gf/cm2の研磨速度は41nm/min、圧力300gf/cm2の研磨速度は65nm/min、圧力400gf/cm2の研磨速度は85nm/min、圧力500gf/cm2の研磨速度は105nm/min、圧力600gf/cm2の研磨速度は123nm/min、圧力700gf/cm2の研磨速度は146nm/min、圧800gf/cm2の研磨速度は302nm/minであり、加工圧力700gf/cm2で研磨速度の変曲点が得られた。
(ブランケットウエハの研磨2)
直径200mmSi基板上に1000nmの酸化珪素膜を成膜したブランケットウエハ及び100nmの窒化珪素膜を成膜したブランケットウエハをそれぞれ作製した。保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を300gf/cm2に設定して、定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤(固形分:1重量%)を200cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで1分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に加工圧力を300gf/cm2に設定して窒化珪素膜を研磨した。研磨後のウエハを洗浄して乾燥し、干渉膜厚計によって膜厚を測定し、研磨前後の膜厚変化を算出した。
直径200mmSi基板上に1000nmの酸化珪素膜を成膜したブランケットウエハ及び100nmの窒化珪素膜を成膜したブランケットウエハをそれぞれ作製した。保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を300gf/cm2に設定して、定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤(固形分:1重量%)を200cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで1分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に加工圧力を300gf/cm2に設定して窒化珪素膜を研磨した。研磨後のウエハを洗浄して乾燥し、干渉膜厚計によって膜厚を測定し、研磨前後の膜厚変化を算出した。
その結果、酸化珪素膜の研磨速度が65nm/min、窒化珪素膜の研磨速度が6nm/minであり、研磨速度比(酸化珪素膜研磨速度/窒化珪素膜研磨速度)は11であった。
(パターンウエハの研磨)
直径200mmSi基板上に100nmの窒化珪素膜を成膜後、フォトレジストを塗布し100×100μm2の窒化珪素膜のドットを158μmピッチでマスク材として残し、エッチングによりSi基板に400nmのトレンチを形成した。続いて、薄い熱酸化膜を形成後、低圧CVD法により酸化珪素膜を680nm成膜し、窒化珪素膜厚を含めると500nmのトレンチに酸化珪素膜を埋め込んだパターンウエハを作製した。保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を300gf/cm2に設定した。定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤(固形分:1重量%)を200cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで2分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様の条件で、研磨時間を3分、4分及び5分にして研磨を行った。ウエハを洗浄、乾燥した後に、干渉膜厚計により窒化珪素膜上凸部及びトレンチ凹部の酸化珪素膜の膜厚を測定し、触針式段差計により境界部の段差を測定した。
直径200mmSi基板上に100nmの窒化珪素膜を成膜後、フォトレジストを塗布し100×100μm2の窒化珪素膜のドットを158μmピッチでマスク材として残し、エッチングによりSi基板に400nmのトレンチを形成した。続いて、薄い熱酸化膜を形成後、低圧CVD法により酸化珪素膜を680nm成膜し、窒化珪素膜厚を含めると500nmのトレンチに酸化珪素膜を埋め込んだパターンウエハを作製した。保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を300gf/cm2に設定した。定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤(固形分:1重量%)を200cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで2分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様の条件で、研磨時間を3分、4分及び5分にして研磨を行った。ウエハを洗浄、乾燥した後に、干渉膜厚計により窒化珪素膜上凸部及びトレンチ凹部の酸化珪素膜の膜厚を測定し、触針式段差計により境界部の段差を測定した。
2分間研磨後のウエハの測定結果は、窒化珪素膜上凸部の酸化珪素膜の膜厚が250nm(研磨速度R2:215nm/min)、トレンチ凹部の酸化珪素膜の膜厚は645nm(研磨速度R1:18nm/min)であり、研磨速度比R2/R1は12であった。この時の残段差は105nm程度であった。3分間研磨後のウエハの測定結果は、窒化珪素膜上の酸化珪素膜の膜厚が158nmであり、トレンチ部の酸化珪素膜の膜厚は635nmであり、残段差が少なくとも<100nm以下になり平坦化が終了していることがわかった。4分間研磨後のウエハの測定結果は、窒化珪素膜上凸部の酸化珪素膜の膜厚が98nm、トレンチ凹部の酸化珪素膜の膜厚は592nmであり、5分間研磨後のウエハの測定結果は、窒化珪素膜上凸部の酸化珪素膜の膜厚が41nm、トレンチ凹部の酸化珪素膜の膜厚は535nmであった。段差がほぼ100nm以下になった2分以降の研磨速度は、<100nm/minであり、研磨がほとんど進行していないことがわかった。実際のシャロートレンチ分離の形成では、凸部を窒化珪素膜まで研磨することが必要であるが、酸化珪素層間膜の平坦化CMPに適用した場合には、これは非常に良い特性であることがわかる。
(実施例2)
(スラリーの作製)
炭酸セリウム水和物を800℃で2時間空気中で焼成し、ジェットミルを用いて乾式粉砕して酸化セリウム粒子を作製した。酸化セリウム粒子1Kgと分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られたスラリーを1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより5重量%スラリーを得た。スラリーpHは8.3であった。上記の酸化セリウムスラリー(固形分:5重量%)600gと添加剤としてpH6.5で分子量5000のポリアクリル酸(100%)アンモニウム塩水溶液(40重量%)135gと脱イオン水2265gを混合して、界面活性剤を添加した酸化セリウム研磨剤(酸化セリウム固形分:1重量%)を作製した。
(スラリーの作製)
炭酸セリウム水和物を800℃で2時間空気中で焼成し、ジェットミルを用いて乾式粉砕して酸化セリウム粒子を作製した。酸化セリウム粒子1Kgと分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られたスラリーを1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより5重量%スラリーを得た。スラリーpHは8.3であった。上記の酸化セリウムスラリー(固形分:5重量%)600gと添加剤としてpH6.5で分子量5000のポリアクリル酸(100%)アンモニウム塩水溶液(40重量%)135gと脱イオン水2265gを混合して、界面活性剤を添加した酸化セリウム研磨剤(酸化セリウム固形分:1重量%)を作製した。
(ブランケットウエハの研磨1)
直径200mmSi基板上に1000nmの酸化珪素膜を成膜したブランケットウエハを作製した。保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を100gf/cm2に設定して、定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤(固形分:1重量%)を200cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで1分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に加工圧力を200〜800gf/cm2の範囲で100gf/cm2おきに設定して別のウエハを研磨した。研磨後のウエハを洗浄して乾燥し、干渉膜厚計によって膜厚を測定し、研磨前後の膜厚変化を算出した。
直径200mmSi基板上に1000nmの酸化珪素膜を成膜したブランケットウエハを作製した。保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を100gf/cm2に設定して、定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤(固形分:1重量%)を200cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで1分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に加工圧力を200〜800gf/cm2の範囲で100gf/cm2おきに設定して別のウエハを研磨した。研磨後のウエハを洗浄して乾燥し、干渉膜厚計によって膜厚を測定し、研磨前後の膜厚変化を算出した。
その結果、圧力100gf/cm2の研磨速度は35nm/min、圧力200gf/cm2の研磨速度は76nm/min、圧力300gf/cm2の研磨速度は105nm/min、圧力400gf/cm2の研磨速度は128nm/min、圧力500gf/cm2の研磨速度は155nm/min、圧力600gf/cm2の研磨速度は286nm/min、圧力700gf/cm2の研磨速度は401nm/min、圧800gf/cm2の研磨速度は520nm/minであり、加工圧力500gf/cm2で研磨速度の変曲点が得られた。
(ブランケットウエハの研磨2)
直径200mmSi基板上に1000nmの酸化珪素膜を成膜したブランケットウエハ及び100nmの窒化珪素膜を成膜したブランケットウエハをそれぞれ作製した。保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を300gf/cm2に設定して、定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤(固形分:1重量%)を200cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで1分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に加工圧力を300gf/cm2に設定して窒化珪素膜を研磨した。研磨後のウエハを洗浄して乾燥し、干渉膜厚計によって膜厚を測定し、研磨前後の膜厚変化を算出した。
直径200mmSi基板上に1000nmの酸化珪素膜を成膜したブランケットウエハ及び100nmの窒化珪素膜を成膜したブランケットウエハをそれぞれ作製した。保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を300gf/cm2に設定して、定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤(固形分:1重量%)を200cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで1分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に加工圧力を300gf/cm2に設定して窒化珪素膜を研磨した。研磨後のウエハを洗浄して乾燥し、干渉膜厚計によって膜厚を測定し、研磨前後の膜厚変化を算出した。
その結果、酸化珪素膜の研磨速度が106nm/min、窒化珪素膜の研磨速度が7nm/minであり、研磨速度比(酸化珪素膜研磨速度/窒化珪素膜研磨速度)は15であった。
(パターンウエハの研磨)
直径200mmSi基板上に100nmの窒化珪素膜を成膜後、フォトレジストを塗布し100×100μm2の窒化珪素膜のドットを158μmピッチでマスク材として残し、エッチングによりSi基板に400nmのトレンチを形成した。続いて、薄い熱酸化膜を形成後、低圧CVD法により酸化珪素膜を680nm成膜し、窒化珪素膜厚を含めると500nmのトレンチに酸化珪素膜を埋め込んだパターンウエハを作製した。保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を300gf/cm2に設定した。定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤(固形分:1重量%)を200cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで2分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に、研磨時間3分、4分及び5分でも研磨を行った。ウエハを洗浄、乾燥した後に、干渉膜厚計により窒化珪素膜上凸部及びトレンチ凹部の酸化珪素膜の膜厚を測定し、触針式段差計により境界部の段差を測定した。
直径200mmSi基板上に100nmの窒化珪素膜を成膜後、フォトレジストを塗布し100×100μm2の窒化珪素膜のドットを158μmピッチでマスク材として残し、エッチングによりSi基板に400nmのトレンチを形成した。続いて、薄い熱酸化膜を形成後、低圧CVD法により酸化珪素膜を680nm成膜し、窒化珪素膜厚を含めると500nmのトレンチに酸化珪素膜を埋め込んだパターンウエハを作製した。保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を300gf/cm2に設定した。定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤(固形分:1重量%)を200cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで2分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に、研磨時間3分、4分及び5分でも研磨を行った。ウエハを洗浄、乾燥した後に、干渉膜厚計により窒化珪素膜上凸部及びトレンチ凹部の酸化珪素膜の膜厚を測定し、触針式段差計により境界部の段差を測定した。
2分間研磨後のウエハの測定結果は、窒化珪素膜上凸部の酸化珪素膜は148nm(研磨速度R2:266nm/min)、トレンチ凹部の酸化珪素膜の膜厚は549nm(研磨速度R1:66nm/min)であり、研磨速度比R2/R1は4.0であった。この時の段差は、100nm程度であった。3分間研磨後のウエハの測定結果は、窒化珪素膜上の酸化珪素膜はなくなっており、窒化珪素膜の膜厚が94nmであり、トレンチ凹部の酸化珪素膜の膜厚は492nmであった。段差が少なくとも<10nm以下になり平坦化が終了していることがわかった。4分間研磨後のウエハの測定結果は、窒化珪素膜の膜厚が82nm、トレンチ部の酸化珪素膜の膜厚は465nmであり、5分間研磨後のウエハの測定結果は、窒化珪素膜の膜厚が71nm、トレンチ部の酸化珪素膜の膜厚は438nmであった。段差がほぼ100nm以下になった2分以降は、研磨速度が遅くなり、残段差も<50nmと非常に良好な結果であることがわかる。このように、添加剤量の調整により、シャロートレンチ構造形成のためのCMPに適用することが可能である。
(比較例1)
(ブランケットウエハの研磨)
直径200mmSi基板上に1000nmの酸化珪素膜を成膜したブランケットウエハ及び100nmの窒化珪素膜を成膜したブランケットウエハをそれぞれ作製した。保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を300gf/cm2に設定して、定盤上に市販シリカスラリーを用いて(固形分:12.5重量%)を200cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで1分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に加工圧力を300gf/cm2に設定して窒化珪素膜を研磨した。研磨後のウエハを洗浄して乾燥し、干渉膜厚計によって膜厚を測定し、研磨前後の膜厚変化を算出した。
(ブランケットウエハの研磨)
直径200mmSi基板上に1000nmの酸化珪素膜を成膜したブランケットウエハ及び100nmの窒化珪素膜を成膜したブランケットウエハをそれぞれ作製した。保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を300gf/cm2に設定して、定盤上に市販シリカスラリーを用いて(固形分:12.5重量%)を200cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで1分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に加工圧力を300gf/cm2に設定して窒化珪素膜を研磨した。研磨後のウエハを洗浄して乾燥し、干渉膜厚計によって膜厚を測定し、研磨前後の膜厚変化を算出した。
その結果、酸化珪素膜の研磨速度が175nm/min、窒化珪素膜の研磨速度が70nm/minであり、研磨速度比(酸化珪素膜研磨速度/窒化珪素膜研磨速度)は2.5であった。
(パターンウエハの研磨)
直径200mmSi基板上に100nmの窒化珪素膜を成膜後、フォトレジストを塗布し100×100μm2の窒化珪素膜のドットを158μmピッチでマスク材として残し、エッチングによりSi基板に400nmのトレンチを形成した。続いて、薄い熱酸化膜を形成後、低圧CVD法により酸化珪素膜を680nm成膜し、窒化珪素膜厚を含めると500nmのトレンチに酸化珪素膜を埋め込んだパターンウエハを作製する。保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を300gf/cm2に設定した。定盤上に市販のシリカスラリー(固形分:12.5重量%)を200cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで2分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に、研磨時間3分及び4分でも研磨を行った。ウエハを洗浄、乾燥した後に、干渉膜厚計により窒化珪素膜上凸部及びトレンチ凹部の酸化珪素膜の膜厚を測定し、触針式段差計により境界部の段差を測定した。
直径200mmSi基板上に100nmの窒化珪素膜を成膜後、フォトレジストを塗布し100×100μm2の窒化珪素膜のドットを158μmピッチでマスク材として残し、エッチングによりSi基板に400nmのトレンチを形成した。続いて、薄い熱酸化膜を形成後、低圧CVD法により酸化珪素膜を680nm成膜し、窒化珪素膜厚を含めると500nmのトレンチに酸化珪素膜を埋め込んだパターンウエハを作製する。保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記パターンウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた直径600mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工圧力を300gf/cm2に設定した。定盤上に市販のシリカスラリー(固形分:12.5重量%)を200cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを50rpmで2分間回転させ、酸化珪素膜を研磨した。同様に、研磨時間3分及び4分でも研磨を行った。ウエハを洗浄、乾燥した後に、干渉膜厚計により窒化珪素膜上凸部及びトレンチ凹部の酸化珪素膜の膜厚を測定し、触針式段差計により境界部の段差を測定した。
2分間研磨後のウエハの測定結果は、凸部の酸化珪素膜の膜厚が122nm(研磨速度R2:279nm/min)、トレンチ凹部の酸化珪素膜の膜厚は524nm(研磨速度R1:78nm/min)であり、研磨速度比R2/R1は3.6であった。この時の残段差は100nm程度であった。3分間研磨後のウエハの測定結果は、窒化珪素膜上の酸化珪素膜はなくなっており、窒化珪素膜の膜厚が62nm、トレンチ部の酸化珪素膜の膜厚は329nmであり、残段差は130nm程度であった。4分間研磨後のウエハの測定結果は、窒化珪素膜がなくなってしまいSi基板が露出してしまった。研磨時間3分で窒化珪素膜の目標位置まで研磨することができたが、残段差も>100nmと大きく、窒化珪素膜が露出してからの研磨速度もあまり低下しないために、1回の研磨では、研磨時間の設定が難しい。
Claims (3)
- 基板を砥粒、研磨速度に研磨圧力依存性の変曲点を与える添加剤を含む研磨剤で研磨する方法であって、パターンの形成された基板の凹部の研磨速度をR1、凸部の研磨速度をR2とすると、凹部と凸部の段差が100nm以下になるまでのR2/R1がR2/R1≧4であり、0<R1<150nm/min、0<R2<800nm/minであり、凹部と凸部の段差が100nm以下になるとR1、R2<150nm/minになることを特徴とする基板の研磨方法。
- 請求項1に記載の研磨方法で、少なくとも酸化珪素膜が形成された半導体チップを研磨する基板の研磨方法。
- 研磨定盤の研磨布上に研磨剤を供給しながら、被研磨膜を有する基板を研磨布に押圧した状態で研磨定盤と基板を相対的に動かすことによって被研磨膜を研磨する工程において、被研磨膜を有する基板の研磨布への押しつけ圧力が100〜1000gf/cm2である請求項1または請求項2に記載の基板の研磨方法。
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