JP2004006962A - 部品実装順序最適化方法、その装置及びその記録媒体 - Google Patents

部品実装順序最適化方法、その装置及びその記録媒体 Download PDF

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Toshiki Kanemichi
金道 敏樹
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Abstract

【要 約】
 【課 題】 電子部品をプリント配線基板に実装する部品実装装置において、より短い実装時間を実現するために、部品実装装置の部品カセット群における各部品カセットの配列順序を最適化することが必要である。
 【解決手段】1つのタスクグループにおいて、ランダムに選択した2つの実装点を入れ替えた場合の総実装時間が小さくなるならば、それら2つの実装点を入れ替える。このような入れ替え操作を繰り返して行う。
 【選択図】    図22

Description

 本発明は、部品実装装置によって電子部品をプリント配線基板等の基板に実装するときの最適な順序を決定する方法等に関し、特に、複数の部品を吸着して基板に装着する作業ヘッドを備える部品実装装置を対象とする部品実装順序の最適化方法、その装置及びその記録媒体に関する。
 電子部品をプリント配線基板等の基板に実装する部品実装装置では、より短いタクト(実装時間)を実現するために、対象部品の実装順序について、最適化が行われる。具体的には、部品実装装置が装備する部品カセット群における各部品カセットの配列順序を最適化しておく必要がある。
 そのための従来の技術として、例えば、特開平05−104364号公報に開示された部品装着順序最適化方法がある。この方法では、(1)部品カセット群を、その部品に適用される装着スピ−ドによってグル−プ分けし、同一グループ内の部品カセットを、2個ずつ組み合わせたときの装着点数の和が均等化されるように、同一基板に対する装着点数の多いものと少ないものを適宜組み合わせてペア群を構成し、(2)このカセットグル−プを装着スピード順に配置し、かつ、同一グル−プ内においては前記ペア毎に並べることによって、カセットの配列順序を決定し、(3)その後に、部品の装着順序のみをパラメータとして最適化処理を行う。
 これによって、カセット配列順序と部品の装着順序という2つのパラメータによる複雑な最適化が回避され、単一のパラメータによる短時間での最適化が実現される、というものである。
特開平05−104364号公報
 しかしながら、このような従来の最適化方法は、作業ヘッドの吸着率(作業ヘッドによる部品の吸着→移動→装着という一連の繰り返し動作における1回の動作において吸着される部品の個数の最大個数に対する比率)が考慮されていないために、複数(例えば、10個)の部品を吸着して基板に装着していく高機能な作業ヘッドを備える部品実装装置に適用することができないという問題がある。
 特に、最近の携帯電話機やノートパソコン等の電子機器の急激な需要の増大に伴い、複数の部品を一括で吸着して基板に装着していく生産性の高い作業ヘッドを備える部品実装装置が開発されており、そのような高機能な部品実装装置に対応した新たな部品実装順序の最適化方法が望まれている。
 そこで、本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、複数の部品を吸着して基板に装着する作業ヘッドを備える部品実装装置を対象とする部品実装順序の最適化方法、その装置及び部品実装装置を提供することを目的とする。
 上記目的を達成するために、本発明に係る部品実装順序最適化方法は、部品を収納した部品カセットの並びから、最大n個の部品を吸着することが可能な作業ヘッドで部品群を吸着し、XYロボットにより前記作業ヘッドを移動させ基板に実装していく実装装置を対象とし、コンピュータの実行により部品の実装順序を最適化する方法であって、作業ヘッドによる部品の吸着・移動・装着という一連の動作の繰り返しにおける1回分の一連動作によって実装される部品群をタスクとした場合に、同時吸着可能な部品カセットの並びに対応する複数のタスクの並びからタスクグループを構成する部品について、最適化の対象となる全ての部品の取り得る実装順序それぞれを1つの状態とした場合の初期状態を第1状態として生成する初期化ステップと、前記タスクグループを構成する部品について、ランダムに選択した実装点を入れ替えることにより、前記第1状態を第2状態に変更する状態変更ステップと、前記第2状態に対応する実装順序に従って前記実装装置が全ての部品を実装することができ、かつ、それら全ての部品の実装に要する時間が第1状態における時間よりも小さいか否か判断する判断ステップと、前記実装装置が全ての部品を実装することができ、かつ、前記時間が第1状態における時間よりも小さいと判断された場合に、前記第2状態を新たな第1状態として、前記状態変更ステップ及び前記判断ステップを繰り返させて第1状態を更新していくことにより、部品の実装順序を最適化していく繰り返し制御ステップと、 を含むことを特徴とする。
 また、前記状態変更ステップでは、予め定められた複数の種類の変更方法からランダムに選択した1つの方法を採用して、前記第1状態を変更することを特徴とする。
 また、前記状態変更ステップで選択され得る複数の変更方法には、2つのタスクそれぞれに属する同一の部品種の部品それぞれを入れ替える方法が含まれることを特徴とする。
 また、最適の対象となる全ての部品は、一定範囲の高さの部品の集まりを一つの部品グループとする複数の部品グループに分類され、前記状態は、前記複数の部品グループそれぞれについて、前記部品カセットの並びに配置するときの優先順序パラメータと、同一種類の部品の集まりを1つの部品種とした場合における同一部品グループに属する部品種の並びを示す部品種順序パラメータとを含む中間言語によって表現されていることを特徴とする。
 また、前記状態変更ステップで選択され得る複数の変更方法には、前記複数の部品グループから2つの部品グループをランダムに選択し、それら部品グループの優先順位パラメータを入れ替える方法が含まれることを特徴とする
 また、前記状態変更ステップで選択され得る複数の変更方法には、同一の部品グループに属する複数の部品種から2つの部品種をランダムに選択し、それら部品種の部品種順序パラメータを入れ替える方法が含まれることを特徴とする。
 また、前記状態変更ステップでは、対象となる全ての状態を複数のグループに分類した場合における前記第2状態が属するグループが、前記複数のグループそれぞれについて等しい確立となるように、前記第2状態を生成することを特徴とする。
 また、上述の方法を実現する部品実装順序最適化装置及びその記録媒体を特徴とする。
 さらに、部品を収納した部品カセットの並びから、最大n個の部品を吸着することが可能な作業ヘッドで部品群を吸着し、XYロボットにより前記作業ヘッドを移動させ基板に実装していく実装装置を対象とし、コンピュータの実行により部品の実装順序を最適化する方法であって、最適化の対象となる全ての部品を、部品の高さに基づいて、小部品グループと汎用部品グループとに分類する分類ステップと、前記小部品グループに属する部品に対して、前記作業ヘッドによる部品の同時吸着が最大限できるようにする第1のアルゴリズムを用いて実装順序の最適化を行うステップと、前記汎用部品グループに属する部品に対して、取り得る実装順序の1つである状態を変化させながら最適な実装順序を導き出す第2のアルゴリズムを用いて実装順序の最適化を行うステップとを含むことを特徴とする
 本発明に係る部品実装順序最適化方法は、部品を収納した部品カセットの並びから、最大n個の部品を吸着し、基板に実装していく作業ヘッドを備える実装装置を対象とし、コンピュータを用いて部品の実装順序を最適化する方法であって、最適化の対象となる全ての部品について、とり得る実装順序それぞれを1つの状態とした場合の初期状態を第1状態として生成する初期化ステップと、第1状態を暫定的に変更することにより、第2状態を生成する状態変更ステップと、生成された第2状態に対応する実装順序に従って前記実装装置が全ての部品を実装することができ、かつ、それら全ての部品の実装に要する時間が第1状態における時間よりも小さいか否かを判断する判断ステップと、前記実装装置が全ての部品を実装することができ、かつ、前記時間が第1状態における時間よりも小さいと判断された場合に、前記第2状態を新たな第1状態として、前記状態変更ステップ及び前記判断ステップを繰り返させて第1状態を更新していくことにより、部品の実装順序を最適化していく繰り返し制御ステップとを含むことを特徴し、前記状態変更ステップでは、予め定められた複数の種類の変更方法からランダムに選択した1つの方法を採用して、前記第1の状態を変更する。
 これによって、ランダムに選択された複数の方法による状態の探索が行われるので、局所的には最適であるが大局的には最適でない状態が最適状態として探索されてしまう危険性が少なくなる。
 ここで、最適化の対象となる全ての部品は、一定範囲の高さの部品の集まりを1つの部品グループとする複数の部品グループに分類され、前記状態は、前記複数の部品グループそれぞれについて、前記部品カセットの並びに配置するときの優先順序を示す優先順序パラメータと、同一種類の部品の集まりを1つの部品種とした場合における同一部品グループに属する部品種の並びを示す部品種順序パラメータとを含む中間言語によって表現されていてもよい。
 これによって、膨大な数の状態は、部品グループを単位とするパラメータと部品グループを構成する部品種を単位とするパラメータによる階層化されたパラメータによって特定されるので、それらパラメータを変更することによって容易に他の状態を得ることができ、偏りのない探索が行われる。
 また、前記状態変更ステップでは、対象となる全ての状態を複数のグループに分類した場合における前記第2状態が属するグループが、前記複数のグループそれぞれについて等しい確率となるように、前記第2状態を生成してもよい。
 これによって、タクトvs状態の分布におけるグルーバルミニマムが最適解として確実に探索され得る。
 以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
 図1は、本発明に係る電子部品実装システム10全体の構成を示す外観図である。この電子部品実装システム10は、上流から下流に向けて回路基板20を送りながら電子部品を実装していく生産ラインを構成する複数の部品実装装置100、200と、生産の開始等にあたり、各種データベースに基づいて必要な電子部品の実装順序を最適化し、得られたNCデータを実装装置100、200にダウンロードして設定・制御する部品実装順序最適化装置300とからなる。
 部品実装装置100は、同時かつ独立して、又は、お互いが協調して(又は、交互動作にて)部品実装を行う2つの実装ユニット(第1実装ユニット110及び第2実装ユニット120)を備える。各実装ユニット110(120)は、テーピング部品を収納する最大48個の部品カセット114の配列からなる2つの部品供給部115a及びbと、それら部品カセット114から最大10個の部品を同時吸着し基板に装着することができる10個の吸着ノズルを有する作業ヘッド112(10ノズルヘッド)と、その作業ヘッド112を移動させるXYロボット113と、作業ヘッド112に吸着された部品の吸着状態を検査するための認識カメラ116と、トレイ部品を供給するトレイ供給部117等を備える。
 図2は、部品実装装置100の主要な構成を示す平面図である。シャトルコンベヤ118は、トレイ供給部117から取り出された部品を載せて、作業ヘッド112による吸着可能な所定位置まで運搬するための移動テーブルである。ノズルステーション119は、各種形状の部品種に対応するための交換用ノズルが置かれるテーブルである。
 各実装ユニット110(又は120)を構成する2つの部品供給部115a及びbは、それぞれ、認識カメラ116を挟んで左右に配置されている。したがって、部品供給部115a又は115bにおいて部品を吸着した作業ヘッド112は、認識カメラ116を通過した後に、基板の実装点に移動し、吸着した全ての部品を順次装着していく動作を繰り返す。
 ここで、作業ヘッド112による部品の吸着・移動・装着という一連の動作の繰り返しにおける1回分の動作(吸着・移動・装着)、又は、そのような1回分の動作によって実装される部品群)を「タスク」と呼ぶ。例えば、10ノズルヘッド112によれば、1個のタスクによって実装される部品の最大数は10となる。
 図3は、作業ヘッド112と部品カセット114の外観及び位置関係を示す図である。この作業ヘッド112は、最大10個の吸着ノズル112a〜112b10を装着することが可能であり、このときには、10個の部品カセット114それぞれから部品を一括吸着することができる。
 なお、1つの部品カセット114には1つの部品種(テーピング部品)だけが装填される。また、部品供給部115a及びbにおける部品カセット114の位置又は並びを「Z軸」又は「Z軸上の位置」と呼び、部品供給部115aの最左端を「1」とする連続番号等が用いられる。したがって、テーピング部品についての部品種の実装順序を決定することは、各部品種(又は、それら部品を収納した部品カセット114)のZ軸を決定することに等しい。
 図4は、図1に示された部品実装順序最適化装置300の構成を示す機能ブロック図である。この部品実装順序最適化装置300は、生産ラインを構成する各設備の仕様等に基づく各種制約の下で、対象となる基板の部品実装におけるラインタクト(サブ設備ごとのタクトの最大値)を最小化するように、部品実装用CAD装置等から与えられた全ての部品を対象として、各サブ設備で実装すべき部品及び各サブ設備における部品の実装順序を決定し、最適なNCデータを生成するコンピュータ装置であり、表示部302、入力部303、入出力制御部301、部品グループ生成部304、ラインバランス最適化部305、状態最適化部306、データベース記憶部307及び通信I/F部308から構成される。
 入出力制御部301は、各構成要素302〜308を制御することによって、本部品実装順序最適化装置300による部品実装順序の最適化条件(レベル、要求精度、最適化処理の最大許容時間等)についての操作者からの指示を取得したり、その条件に合致した最適化処理を選択し開始させたり、最適化の結果を操作者に提示したり、最終的なNCデータを部品実装装置100、200にダウンロードさせたりする。
 表示部302はCRTやLCD等であり、入力部303はキーボードやマウス等であり、これらは、入出力制御部301による制御の下で、本部品実装順序最適化装置300と操作者とが対話する等のために用いられる。通信I/F部308は、LANアダプタ等であり、本部品実装順序最適化装置300と部品実装装置100、200との通信に用いられる。
 データベース記憶部307は、この部品実装順序最適化装置300による最適化処理に用いられるモデリングデータ(実装点データ307a、パーツライブラリ307b及び実装装置情報307c)を予め記憶している。
 図5〜図7は、それぞれ、実装点データ307a、パーツライブラリ307b及び実装装置情報307cの例を示す。
 実装点データ307aは、実装の対象となる全ての部品の実装点を示す情報の集まりである。図5に示されるように、1つの実装点piは、部品種ci、X座標xi、Y座標yi、制御データφiからなる。ここで、「部品種」は、図6に示されるパーツライブラリ307bにおける部品名に相当し、「X座標」及び「Y座標」は、実装点の座標(基板上の特定位置を示す座標)であり、「制御データ」は、その部品の実装に関する制約情報(使用可能な吸着ノズルのタイプ、作業ヘッド112の最高移動速度等)である。なお、最終的に求めるべきNCデータとは、ラインタクトが最小となるような実装点の並びである。
 パーツライブラリ307bは、部品実装装置100、200が扱うことができる全ての部品種それぞれについての固有の情報を集めたライブラリであり、図6に示されるように、部品種ごとの部品サイズ、タクト(一定条件下における部品種に固有のタクト)、その他の制約情報(使用可能な吸着ノズルのタイプ、認識カメラ116による認識方式、作業ヘッド112の最高速度比等)からなる。なお、本図には、参考として、各部品種の外観も併せて示されている。
 実装装置情報307cは、生産ラインを構成する全てのサブ設備(独立して部品実装を実行する装置単位で、実装ユニット又は部品実装装置)ごとの装置構成や制約を示す情報であり、図7に示されるように、作業ヘッドのタイプ等に関するヘッド情報、作業ヘッドに装着され得る吸着ノズルのタイプ等に関するノズル情報、部品カセット114の最大数等に関するカセット情報、トレイ供給部117が収納しているトレイの段数等に関するトレイ情報等からなる。
 部品グループ生成部304は、データベース記憶部307に格納された実装点データ307aによって特定される全ての実装部品を、部品厚みの点から、図8(a)に示されるような9つの部品グループG[1]〜G[9]に分類する。具体的には、実装点データ307aが示す全ての部品種を参照することで、図8(b)に示されるような、同一部品種ごとの員数を示す部品表を作成し、パーツライブラリ307bにおける部品サイズを参照することで、全ての部品種それぞれを9つの部品グループG[1]〜G[9]のいずれかに対応づける。そして、その分類結果(各部品グループに属する部品種及び員数等)をラインバランス最適化部305に通知する。
 ラインバランス最適化部305は、部品グループ生成部304から通知された部品グループの情報に基づいて、部品厚みの薄い部品グループから順に実装することを遵守しつつ、ラインタクトが最小となるように、ラインバランスを最適化(サブ設備ごとのタクトを平準化)する。そのために、状態最適化部306と連携しながら動作する3つの機能モジュール(第1LBM部305a、第2LBM部305b及び第3LBM部305c)を有する。
 なお、部品厚みの薄い部品グループを優先して実装することとしているのは、基板に部品を装着する際の作業ヘッド112の移動を円滑にさせ、実装の品質を高めるためである。
 第1LBM部305aは、部品グループ生成部304から通知された9つの部品グループをタスクグループの単位で各サブ設備でのタクトがほぼ等しくなるようにラフに振り分ける。つまり、粗い調整によるラインバランスの最適化を行う。ここで、「タスクグループ」とは、タスクの集まりをいい、最適化のために部品の実装順序を入れ替えることが可能な部品群の範囲と一致する。
 第2LBM部305bは、第1LBM部305aによってラフに振り分けられた各サブ設備ごとのタスクグループをサブ設備間で移動させることによりラインタクトを最小化する。つまり、細かい調整によるラインバランスの最適化を行う。
 第3LBM部305cは、第2LBM部305bにより最適化された状態(タスクグループの振り分け)に対して、部品種を単位として、第2LBM部305bと同様の手順でラインバランスの最適化を行う。
 状態最適化部306は、部品グループ生成部304で生成された9個の部品グループそれぞれについて、各部品グループを構成するタスクグループを決定したり、決定したタスクグループごとの最適状態(各部品種のZ軸、各部品種における部品(実装点)の実装順序を決定するものであり、小部品(ここでは、部品グループG[1]〜G[5]に属する部品)を対象として最適化を行う小部品最適化部306aと、汎用部品(部品グループG[6]〜G[9]に属する部品)を対象として最適化を行う汎用部品最適化部306bと、それら小部品最適化部306aおよび汎用部品最適化部306bにおける最適化に共通する計算処理を実行する最適化エンジン部306cとから構成される。なお、「状態」とは、対象となっている部品又は部品種がとり得る実装順序における個々をいう。
 なお、小部品最適化部306aは、簡易で高速処理に向いたアルゴリズムを用いてタスクグループを決定したり状態の最適化を行い、一方、汎用部品最適化部306bは、緻密でインテリジェントなアルゴリズムを用いて状態の最適化を行う。これは、一般に、携帯電話機等の基板に実装される小部品の総数は、汎用部品に比べて極めて多い(例えば、9:1の比率)ことが分かっているので、それぞれに対応したアルゴリズムを用いて最適化を行うことで、より短時間で、より最適な解を求めるためである。
 最適化エンジン部306cは、小部品最適化部306a及び汎用部品最適化部306bから与えられたパラメータに基づいて、ヒューリスティックであるが確定的なアルゴリズム(山登り法)に基づく最適化計算と、確率的ではあるがグローバルに最適解を探索するアルゴリズム(マルチカノニカル法)に基づく最適化計算を実行する。
 次に、以上のように構成された部品実装順序最適化装置300のラインバランス最適化部305及び状態最適化部306の動作を詳細に説明する。
 図9は、ラインバランス最適化部305の第1LBM部305aによるタスクグループのサブ設備への振り分け処理の様子を示す図である。
 第1LBM部305aは、部品厚みの薄い部品グループが先となるように全てのタスクグループを一列に並べ、その並びに対して、先頭から順に、サブ設備ごとのタクトが以下の式で示される値θに近くなるように、各タスクグループを上流のサブ設備から順に振り分けていく。
 θ=(全部品グループを対象とした総タクト)/サブ設備の総数N
 なお、「全部品グループを対象とした総タクト」は、実装点データ307a及びパーツライブラリ307bを参照することにより特定され、「サブ設備の総数N」は、実装装置情報307cを参照することにより特定される。
 図10は、第2LBM部305bによるラインバランスの最適化(タスクグループの移動)の様子を示す図であり、図10(a)は、最適化前におけるタクト分布(各サブ設備へのタスクグループの振り分け状態)を示し、図10(b)は、最適化によるタスクグループの移動の様子を示し、図10(c)は、最適化後におけるタクト分布を示す。
 ここで、本図に示されるタクト分布において、縦軸は、タクトの大きさを示し、横軸は、生産ラインを構成する全てのサブ設備(ここでは6台)の並び(上流から下流に向けた並び)を示し、タスクグループは、そのタクトを高さとするブロック「TGn−m」として示されている。nは、そのタスクグループが属する部品グループの番号1〜9を示し、mは、同一の部品グループに属するタスクグループを区別する番号である。
 なお、各サブ設備は、振り分けられた複数のタスクグループに対して、部品厚みの薄い部品グループに属するものを先に実装する。ただし、同一の部品グループに属する複数のタスクグループに対しては、その順序の制約を受けないものとする。例えば、サブ設備[3]は、TG3−3→TG3−1→TG3−2の順で実装してもよい。
 図11は、図10(a)〜(c)に示された第2LBM部305bによるラインバランスの最適化手順を示すフローチャートである。
 第2LBM部305bは、まず、第1LBM部305aが生成した図10(a)に示される初期状態(タスクグループの振り分け)に対して、サブ設備ごとのタクトが最大であるサブ設備[Smax]と最小であるサブ設備[Smin]を特定する(ステップS500)。例えば、Smax=5、Smin=2と特定する。
 そして、サブ設備[Smax]のタクトをラインタクトLTとして記憶する(ステップS501)。例えば、LT=サブ設備[5]として記憶する。
 次に、サブ設備[Smin]からサブ設備[Smax−1]までのサブ設備[i]について順に、隣接する2つのサブ設備間で、移動可能なタスクグループを移動させていく(ステップS502〜S507)。
 つまり、サブ設備[i+1]からサブ設備[i]に、一つタスクグループを仮移動し(ステップS503)、それでもなお、サブ設備[i]のタクトがラインタクトLTよりも小さいか否かを確認する(ステップS504)。
 その結果、小さいことを確認できた場合にだけ、そのタスクグループを実際に移動させる(ステップS505)。つまり、サブ設備[i]及びサブ設備[i+1]のタクトを更新する。例えば、タスクグループTG3−1をサブ設備[3]からサブ設備[2]に移動させる。なお、移動させる候補となるタスクグループは、部品厚みの薄い部品グループに属するものを優先して選択するものとする。
 このようなタスクグループの移動を、サブ設備[Smin]からサブ設備[Smax−1]について順に繰り返し終えると(ステップS502〜S506)、最後に、サブ設備[Smax]のタクトが減少したか否か、つまり、サブ設備[Smax]からサブ設備[Smax−1]に1つ以上のタスクグループが移動されたか否かを判断する(ステップS507)。
 その結果、減少している場合には、まだ最適化の余地が残されていると判断し、再び、同様の最適化(ステップS500〜S507)を繰り返し、そうでない場合には、これ以上の最適化は困難であると判断し、終了する(ステップS507)。
 なお、移動可能なタスクグループが複数個存在する場合には、移動対象の選択について自由度があるので、計算時間の許される範囲で、移動させるタスクグループの組合せを各種試みることとする。
 このようにして、最小タクトのサブ設備と最大タクトのサブ設備間において、タスクグループの移動を順次試みることで、最大タクト(ラインタクト)の減少化、つまり、ラインバランスの最適化が実現される。
 以上の最適化が完了すると、次に、第3LBM部305cは、第2LBM部305bにより最適化された状態(タスクグループの振り分け)に対して、部品種を単位として、第2LBM部305bと同様の手順でラインバランスの最適化を行う。
 つまり、第2LBM部305bは、タスクグループを単位として、隣接するサブ設備間を移動させたが(ステップS503、S505)、第3LBM部305cは、タスクグループに代えて、各タスクグループを構成する部品種を単位として、サブ設備間を移動させる。したがって、2つのサブ設備間でのタクトの増減の刻みは、第2LBM部305bによる場合よりも小さくなり、よりきめ細かい最適化が行われる。これによって、ラインタクトLTがさらに減少され得る。
 図12は、状態最適化部306の小部品最適化部306aによる小部品の実装順序最適化の概略手順を示すフローチャートであり、2つの大きなステップからなる。
 小部品最適化部306aは、まず、全ての実装部品を対象として、テトリスダイヤグラムを生成する(ステップS520)。これは、部品種を単位とした配列、即ち、部品カセット114の並び(Z軸)を決定することに相当する。
 ここで、「テトリスダイヤグラム」とは、図13に示されるような2次元のダイヤグラムであり、縦軸を作業ヘッドによる部品の吸着順とし、横軸を部品カセット114(部品種)の配列(Z軸)とし、実装の対象となる個々の部品(実装点)を単位矩形(正方形又は長方形)で配置した図のことである。
 なお、この図13には、4ノズルヘッドを対象としたテトリスダイヤグラムが示されており、最大4個の単位矩形が横に繋がったものが実装(吸着・移動・装着)の1回分(つまり、タスク)に相当し、丸で囲まれた一繋がりのタスクの集合がタスクグループに相当する。したがって、本図には、合計3つの独立したタスクグループが示されている。
 このようなテトリスダイヤグラムの生成は、作業ヘッドができるだけ多くの部品を同時吸着することができるように、部品種の相対的な配列を決定する作業にに相当し、言い換えると、全ての部品種を、互いに独立した複数の配列グループ(タスクグループ)に分割することに相当する。
 次に、小部品最適化部306aは、図12に示されるように、上記ステップS520で決定されたタスクグループ(配列が固定化された部品種群)ごとに、その総タクトが小さくなるように、各部品種を構成する部品の装着順序を決定する(ステップS521)。これは、同一の部品カセット114から取り出した(吸着した)部品であっても、どの実装点に装着するかによって、同一タスクにおける直前の実装点からの距離が異なるので、装着時における作業ヘッド112の移動距離(実装時間)を短縮化することに相当する。
 以下、上述の2つのステップS520、S521における詳細な処理内容を説明する。
(1)テトリスダイヤグラムの生成(ステップS520)
 小部品最適化部306aは、許容される処理時間や操作者による指定等に基づいて、以下の2種類のアルゴリズムの一つを採用する。
(1−1)タスクグループ生成法
 この方法は、一定範囲内(吸着ノズル数の2倍以下)の個数の部品種からなるタスクグループの生成を繰り返していく手法であり、基本的には、以下の2つの大きなステップ(第1及び第2ステップ)からなる。なお、図14は、これら第1及び第2ステップを説明するための図であり、図14(a)は、対象となる部品を員数の多い部品種の順に並べた(ソートした)部品ヒストグラムであり、図14(b)は、これら第1及び第2ステップによって生成されるテトリスダイヤグラムである。
 [第1ステップ]
 このステップでは、1つのタスクグループを生成する前半処理、つまり、員数の多い部品種の順に右方向(Z軸方向)に部品ヒストグラムを並べる。具体的には、
 (i)まだ配置されていない部品種の中で員数が最大の部品種(1番部品種)をZ軸上に置く。
 (ii)その右隣に2番目の員数の部品種(2番部品種)を置く。
 (iii)2番部品種の右隣に3番目の員数の部品種(3番部品種)を置く。
 (iv)以下、これを作業ヘッドの吸着ノズル数L(ここでは「4」)まで繰り返す。
 この結果、図14(a)の部品ヒストグラムから4つの部品種400が取り出され、図14(b)に示される箇所400に配置される。
 [第2ステップ]
 このステップでは、前半処理で生成されたダイヤグラムに対して、同時吸着数がLに満たないタスクの同時吸着数がLとなるように、左方向に部品ヒストグラムを配置していく。具体的には、
 (i)1番部品種の員数からL番部品種の員数を引く。
 (ii)得られた員数差以下であって、その員数差に最も近い員数を持つ部品種(L+1番部品種)を1番部品種の左隣に置く。
 (iii)2番部品種から(L−1)番部品種の員数を引く。
 (iv)その員数差以下であって、その員数に最も近い員数を持つ部品種を(L+1)部品種の左隣に置く。
 (v)以下、これを(L−1)回繰り返す。
 この結果、図14(a)の部品ヒストグラムにおける2つの部品種401a及び401bが取り出され、図14(b)に示される箇所401に配置される。これによって、部品種400及び部品種401からなる1つのタスクダイヤグラムが完成する。これによって、これら6種の部品種からなるタスクグループについて、相対的なZ軸が決定されたことになる。
 以上の第1及び第2ステップによるタスクグループの生成を、対象の部品種が無くなるまで繰り返す。
 ここで、もし、上記第2ステップの条件を満たす未配置の部品種が無くなってしまった場合には、上記第1及び第2ステップに代えて、以下の3つのステップ(第3〜第5ステップ)を実行する。図15は、これら第3〜第5ステップを説明するための図であり、図15(a)は、部品ヒストグラムのうち未配置の部分(実線で囲まれた部分)を示し、図15(b)は、これら第3〜第5ステップによって生成されるテトリスダイヤグラムを示す。
 [第3ステップ]
 このステップでは、未配置の部品ヒストグラムを整形して部分ヒストグラムを生成する。具体的には、
 (i)まだ配置されていない部品種の員数の最小値を求める。
 (ii)まだ配置されていない部品種それぞれの員数から(最小値−1)を引く。
 このような減算処理の結果、未配置の部品ヒストグラムにおける員数は、図15(a)における太い実線で囲まれた部分ヒストグラムとなり、以下、この部分ヒストグラムにおける員数を用いて、以下の第4及び第5ステップを進める。
 [第4ステップ]
 このステップは、上述の第1ステップに相当する。具体的には、
 (i)まだ配置されていない部品種の中で員数最大の部品種(1番部品種)をZ軸上に置く。
 (ii)その右隣に2番目の員数の部品種(2番部品種)を置く。
 (iii)2番部品種の右隣に3番目の員数の部品種(3番部品種)を置く。
 (iv)以下、これを作業ヘッドの吸着ノズル数L(ここでは「3」)まで繰り返す。
 この結果、図15(a)の部品ヒストグラムから3つの部品種410が取り出され、図15(b)に示される箇所410に配置される。
 [第5ステップ]
 このステップは、上述の第2ステップに相当する。具体的には、
 (i)1番部品種の員数から、(L番部品種の員数−1)の値を引く。
 (ii)その員数差以下であって、その員数差に最も近い員数を持つ部品種(L+1部品種)を1番部品種の左隣に置く。
 (iii)(L+1)番部品種からL番部品種の員数を引く。
 (iv)その員数差以下であって、その員数差に最も近い部品種を(L+1)番部品種の左隣に置く。
 (v)以下、これをL回繰り返す。
 この結果、図15(a)の部品ヒストグラムにおける3つの部品種411が取り出され、図15(b)に示される箇所411に配置される。これによって、部品種410及び部品種411からなる1つのタスクダイヤグラムが完成する。これによって、上記第1及び第2ステップで取り残された部品種、つまり、員数の差が小さい部品種についても、同時吸着が可能なタスクの集まりからなるタスクグループが生成され、それらの部品種について相対的なZ軸が決定されたことになる。
(1−2)刈り上げ法
 この方法は、員数の多い部品種の順に並べた部品ヒストグラムをそのままZ軸に配置することを基本とし、最大個数(L個)の部品を同時吸着することができない箇所についてだけ、上述のタスクダイヤグラム生成法を適用する手法であり、以下の2つの大きなステップ(第1及び第2ステップ)からなる。
 [第1ステップ]
 このステップでは、部品ヒストグラムから、L個の部品並びからなるタスクを取り出することを繰り返す(刈り上げていく)。
 図16及び図17は、刈り上げ法における第1ステップを説明するための図であり、図16は、実装の対象となる全ての部品を員数の多い部品種の順に並べた部品ヒストグラムであり、図17は、図16の部品ヒストグラムから、L個(ここでは、10個)の部品並び(最大個数の部品を同時吸着した場合のタスク)の単位で部品を取っていく(刈り上げていく)様子を示す図である。
 刈り上げにおいては、員数の少ない部品種が先に無くなるように、つまり、部品ヒストグラムにおける右端の部品種から部品が無くなっていくように、L個の部品並び(〇、△及び×のいずれかを含む10個の矩形並び)を取り除いていく。これを、L個の部品並びの単位で取る除くことができなくなるまで繰り返す。
 [第2ステップ]
 このステップでは、上述の刈り上げ後における残り部品からなる部品ヒストグラムに対して、上述のタスクグループ生成法に準じたダイヤグラムを生成する。
 図18及び図19は、刈り上げ法における第2ステップを説明するための図であり、図18は、第1ステップでの刈り上げ後に残された部品を対象として、員数の多い順に再構築された部品ヒストグラムであり、図19は、再構築された部品ヒストグラムに対して、上述のタスクグループ生成法に準じたダイヤグラムの生成を行っている様子を示す図である。なお、再構築された部品ダイヤグラムの幅(部品種の数)は、上記第1ステップの処理内容より、必ず、(L−1)以下となる。
 この第2ステップでは、具体的には、以下の処理を行う。
 (i)刈り上げ後に残った部品について、図18に示された部品ヒストグラムを生成するとともに、合計員数(ここでは、100個)を算出する。
 (ii)算出した合計員数をL(ここでは、10)で割り、得られた値(ここでは、10)をタスク数とするテトリスダイヤグラムの作成を目指す。
 (iii)そのために、図19に示されるように、得られたタスク数(10)よりも大きな員数を持つ部品種について、その超過分の員数(又は、超過部分の員数を分割したもの)だけ切り取り、部品ヒストグラムの左側に補完して置いていく。
 図20は、以上の第1及び第2ステップによる刈り上げ法によってZ軸が決定された部品種についてのテトリスダイヤグラムである。この図に示されるように、全ての部品は、最大個数(10個)の部品が同時吸着されるタスクだけから構成され、最大の同時吸着率で効率よく実装され得る。
 図21は、図20に示されたテトリスダイヤグラムに対応する(Z軸を変化させない再構築した)部品ヒストグラムである。
 このヒストグラムから分かるように、刈り上げ法によれば、員数の多い部品種が左位置に配列されるという傾向が維持される。このことは、刈り上げ法が、作業ヘッド112の移動軌跡(右側の部品供給部115bに対しては、部品を吸着した後に、必ず、部品供給部115bの左端に置かれた2次元カメラの前を通過すること)を考慮した(総移動距離を小さくする、即ち、総タクトを小さくする)部品配置の決定方法であることを意味する。
 なお、左側の部品供給部115aに対しては、上述の処理において、Z軸方向に対称な処理を施せばよい。つまり、員数の小さい順に部品種を並べた後に、同様の手順でタスクを刈り上げていくことで、ダイヤグラムを生成すればよい。
(2)各部品種を構成する部品の装着順序の最適化(ステップS521)
 このステップでは、小部品最適化部306aは、許容される処理時間や操作者による指定等に基づいて、以下の2種類のアルゴリズムの一つ以上を採用する。
(2−1)ランダム選択法
 この方法は、1つのタスクグループにおいて、ランダムに選択した2つの実装点を入れ替えた場合の総タクトが小さくなるならば、それら2つの実装点を入れ替える、という処理を繰り返す手法である。
 図22は、ランダム選択法による部品の装着順序の最適化の手順を示すフローチャートであり、図23は、ランダム選択法によって2つの実装点が入れ替えられる様子を示すである。
 まず、小部品最適化部306aは、初期状態での総タクトを算出する(ステップS530)。なお、ここでの状態は、1つのタスクグループを構成する全ての部品(実装点)について実装順序が一定のパターンに定められた状態である。したがって、一つの状態に対する総タクトは、データベース記憶部307に記憶された情報307a〜cから一義的に決定される。
 次に、それら全ての実装点の中からランダムに2つを選択し(ステップS531)、選択した2つの実装点の順序を入れ替えた場合の総タクト(仮タクト)を算出する(ステップS532)。図23には、実装点B2とB4とが入れ替えられた場合の状態例が示されている。
 そして、いま算出された仮タクトが、直前の状態におけるタクトよりも小さいか否か判断する(ステップS533)。
 その結果、小さい場合には、それら2つの実装点の入れ替えを実施する(ステップS534)。つまり、現在の状態と総タクトについて、それら実装点を入れ替えた場合のものに更新して記憶する。そして、その時点での終了条件(その状態でのタクトが操作者によって予め指定された目標タクトよりも小さいか、又は、一定の処理時間に達した等)を満たすか否か判断し(ステップS535)、満たす場合に処理を終了する。
 一方、2つの実装点の入れ替えによってもタクトが小さくならない場合(ステップS533でNo)、及び、終了条件を満たさない場合(ステップS535でNo)には、終了条件が満たされるまで、再び、同様の処理を繰り返す(ステップS531〜S533〜S535)。このようにして、ランダム選択法により、費やした実行時間に応じて、タスクグループごとのタクトが小さくなり、部品実装順序が最適化され。
(2−2)交差解消法
 この方法は、入れ替える2つの実装点をランダムに選択するのではなく、一定の基準、即ち、タスクごとの実装点を直線で接続して得られる折れ線(パス)どうしの交差があればそれを解消するという基準を満たす実装点を選択して入れ替える手法である。
 図24は、5個の実装点からなる3つのタスクについて、交差解消法により部品の装着順序を最適化する様子を示す図であり、図24(a)は、折れ線の交差が解消される前の装着順序(タスクごとの折れ線の分布)を示し、図24(b)は、折れ線の交差が解消された後の装着順序を示す。なお、同一部品種の実装点は、同一模様の丸印で示されている。
 まず、小部品最適化部306aは、データベース記憶部307の実装点データ307a等を参照することによって、初期状態における全ての交差を特定する。ただし、ここでの交差は、同一タスクに属する連続して装着する2つの実装点を結ぶ線分と、他のタスクに属する同様の線分との交差であって、それら線分の両端の実装点に用いられる部品の部品種がそれら線分同士で同一であるものに限られる。
 次に、特定した全ての交差について、順次、交差を解消するように線分の接続を変更する。なお、解消の前後において、各線分の両端に位置する部品の部品種は変更されないので、この線分の接続変更は一義的に定まり、かつ、その接続変更によって各タスクを構成する部品種の並びが変化することはない。
 このような交差解消法によって、タスク間における作業ヘッド112の無駄な移動が解消される。つまり、一つの部品を装着した後に移動すべき実装点は、作業ヘッド112の移動に伴う無駄なタクトの増加が抑えられた部品の実装順序が決定される。
(2−3)戻り軌跡法
 この方法は、1つのタスクグループにおいて、1つのタスクの部品装着を完了した後に、次のタスクの部品を吸着するために移動する作業ヘッド112の戻り軌跡に着目し、そのタスクグループを構成するタスクの並び(タスク単位での順序)を最適化する手法である。
 図25は、戻り軌跡法によりタスクの順序を最適化する手順を説明するための図である。ここには、Z軸における部品供給部115a及びbそれぞれに10個のタスクが配置されている場合における基板と部品供給部間を行き来する作業ヘッド112の移動軌跡(実装経路)が矢印線で示されている。
 ここで、丸印は、作業ヘッド112の代表的な位置を示す。つまり、基板上の丸印は、1つのタスクにおいて最後の部品を装着し終えた直後の作業ヘッド112の位置(最終実装点)を示し、Z軸における丸印は、20個のタスクそれぞれにおいて最初に部品を吸着するときの作業ヘッド112の位置(吸着パターン)を示す。なお、丸印に付された数値は、各吸着パターン(タスク)を区別する番号である。
 [第1ステップ]
 このステップでは、以下のルールに従って、実装経路を描く。
 (i)各タスクの最終実装点から最短距離にある吸着パターンに戻る、つまり、戻り軌跡を最小にする。
 (ii)1番吸着パターンを始点にして実装経路を順次描いていく。なお、1つの吸着パターンは1つのタスクに相当するので、その吸着パターンに対応する最終実装点は一義的に特定される。図25では、1→5→14→2→8→3→17→12→16→1の順で吸着パターンと最終実装点とを接続する実装経路が描かれる。
 (iii)最初の吸着パターン(1番吸着パターン)に戻ったら、それを最短巡回部分経路1とする。
 (iv)次に、これまで見つかった最短巡回部分経路に含まれない吸着パターンを探す。図25では、4番吸着パターンが見つけられる。
 (v)上記(ii)に戻り、未だ使用されていない吸着パターンが無くなるまで、繰り返す。図25では、5つの最短巡回部分経路が描かれている。
 このような第1ステップにより、特定の吸着パターンから開始した場合における、作業ヘッド112の戻り軌跡が最短となるような吸着パターンの順序、即ち、タスクの順序が決定されたことになる。
 [第2ステップ]
 次に、第1ステップで描かれた全ての最短巡回部分経路それぞれにおいて、どの吸着パターンから開始すればよいかを特定する。具体的には、1つの最短巡回部分経路に属する全ての部品の実装を終えてから次の最短巡回部分経路を開始するのに移動させる作業ヘッド112の戻り軌跡が最短となるように、各最短巡回部分経路における最初の吸着パターン及びそれら最短巡回部分経路の順序を決定する。
 これによって、1つのタスクグループを構成する全てのタスクを対象として、タスク間における作業ヘッド112の戻り軌跡が短くなるように、タスクの実行順序が決定されたことになる。
 なお、図25は、20個の吸着パターンが異なる位置となるタスクグループにおける実装経路であったが、図26に示されるように、同一位置の複数の吸着パターンが含まれるタスクグループについても同様の最適化をすることができる。このときには、同一位置の吸着パターンに対応する最終実装点の選択において自由度があるので、複数の選択パターンに対応するタスクグループの総タクトを算出し、それらの中からタクトが最小となる最終実装点を選択し、最短巡回部分経路を作成すればよい。
 以上のように、ランダム選択法及び交差解消法によって、タスクの形を変えずに、(i)タスク内の実装順序の最適化、及び、(ii)全タスクを考慮した実装順序の最適化が行われ、一方、戻り軌跡法によって、全てのタスクがフィックスされた後に(つまり、各タスクのメンバが決まった状態で)、タスクの順序についての最適化が行われる。
 図27(a)は、汎用部品最適化部306bによる汎用部品の実装順序を最適化する際の手順を示すフローチャートであり、図27(b)は、その最適化による最適解の探索アプローチを説明するための図(とり得る全ての状態それぞれのタクトを示す図)である。なお、フローチャートにおいて、「HC法」は山登り法を意味し、「MC法」はマルチカノニカル法を意味する。
 図27(a)に示されるように、汎用部品最適化部306bは、部品グループG[6]〜G[9]に属する全ての部品(汎用部品)を対象として、初期状態Xを生成した後に(ステップS550)、初期状態Xに対して、山登り法による最適化を最適化エンジン部306cに実行させることによって、最適状態Xoptを求めた後に(ステップS551)、初期状態Xに対して、マルチカノニカル法による最適化を最適化エンジン部306cに実行させることによって、上記ステップS551で求められた最適状態Xoptを更新し(ステップS552)、最後に、更新された最適状態Xoptに対して、再び、山登り法による最適化を最適化エンジン部306cに実行させることによって、上記ステップS552で得られた最適状態Xoptを更新する(ステップS553)。
 このように、局所的な最適解を確実に求める山登り法による最適化(ステップS551、S553)の途中過程に、グローバルな始点で最適解を探索するマルチカノニカル法による最適化(ステップS552)が挿入されているので、局所的には最適状態であるがグローバル的には最適状態でない状態(図27(b)に示される状態1)等)の探索で終わってしまうことが回避され、グローバルな最適状態(図27(b)に示される状態5))が求められる。
 図28は、図27(a)に示された山登り法による最適化(ステップS551、S553)の詳細な手順を示すフローチャートである。つまり、初期状態Xや終了条件等についての通知を受けた最適化エンジン部306cは、その初期状態Xを生成した後に(ステップS560)、外部ループ終了条件が満たされるまで(ステップS561)、内部ループを繰り返す(ステップS562〜S568)。ここで、外部ループ終了条件とは、それ以上の最適解が存在しないことを確認するための条件であり、例えば、状態変化を起こす全ての種類のパラメータを変化させた(探索した)こと等であり、内部ループ終了条件とは、1つの種類のパラメータについて、一定範囲の変化をさせた(探索した)こと等である。
 内部ループにおいて、最適化エンジン部306cは、まず、後述する9種類の状態変更から汎用部品最適化部306bが選択した1つを用いて、状態候補Xtmpを生成し(ステップS563、S564)、その候補状態Xtmpが、後述するフィージビリティ(実現可能性)を有し(ステップS565)、かつ、その候補状態Xtmpのタクトが直前の状態のタクトよりも小さい場合に(ステップS566、S567)、それら状態とタクトを更新する(ステップS68)。
 これによって、局所的に最適な状態が確定的に得られる。
 図29は、図27(a)に示されたマルチカノニカル法による最適化(ステップS552)の詳細な手順を示すフローチャートである。本図において、ビン番号は、例えば、図27(b)に示された横軸(とり得る状態の全て)をN個に均等分割して得られる各区間(ビン)を示す番号であり、ヒストグラムH[i]は、ビン番号iのビンに属する候補状態Xtmpが選択され(ステップS576、S577)、その候補状態Xtmpが実現可能性を有し(ステップS578)、かつ、エントロピーを減少させる状態であると判断された(ステップS579〜S581)総回数を記憶する変数である。
 本図に示されたフローチャートと図28に示された山登り法によるものとを比較して分かるように、状態Xをベースに状態候補Xtmpを生成し、それを受理するかどうかを決定するという一連の処理を繰り返す点で、これらの処理は共通する。異なる点は、受理決定の方法であり、図28に示された山登り法では、状態候補Xtmpのタクトの方が状態Xよりも小さい場合に(確定的に)受理しているのに対し、図29に示されたマルチカノニカル法では、タクトにおけるエントロピーを参照して状態候補Xtmpを確率的に受理していることである(ステップS580〜S582)。
 ここで、図28及び図29に示されたフローチャートにおける9種類の状態変更と実現可能性の詳細を説明するために、まず、汎用部品最適化部306bが用いている中間表現について説明する。汎用部品最適化部306bは、最適化を容易にするために、Z軸配列の中間表現として以下の3種類を導入し、それらの表現を用いて状態を記憶したり、最適化エンジン部306cに指示したりする。
 (i)Gorder[i](i=1,...,L)
 入力されたL個の部品グループ(タスクグループTG[i](i=1,...,L)をZ軸に配置する際の優先順序を指定する変数であり、優先順序番号1〜Lを値にとる。i!=jの場合、Gorder[i]!=Gorder[j]となる。
 (ii)block[i](i=1,...,L)
 タスクグループTG[i](i=1,...,L)を左・右のZブロック(部品供給部115a及びb)のどちらに配置するかを指定する変数であり、"左"又は"右"のシンボル値をとる。
 (iii)Corder[i][j](i=1,...,L, j=1,...,M[i])
 タスクグループTG[i](i=1,...,L)に属する部品種j(=1,...,M[i])のZ軸における配置順序を指定する数であり、順序番号1〜M[i]を値にとる。j!=kの場合、Corder[i][j]!=Corder[i][k]である。なお、Corder[i][j]<Corder[i][k]の場合、「部品種jのZ番号<部品種kのZ番号」なる関係を持っている。
 図30(a)は、汎用部品最適化部306bが用いている中間表現の具体例を示し、図30(b)〜(e)は、図30(a)に示された中間表現の意味(Z軸配列への変換)を示す図である。図30(a)に示された中間表現が示すZ軸配列は、具体的には、以下の変換を経ることによって特定される。
 まず、Gorder[i]=1、つまり、Z軸配列決定において最優先するタスクグループTG[2]を配置する(図30(b))。このTG[2]は、block[2]="右"であるため、右Zブロックのカメラ(認識カメラ116)寄り左詰で配置される。その際、TG[2]に属している計M[i=2]=6つの部品種j(i=1,...,6)を収納している部品カセット114は、Corder[i=2][j]の若いものが左になるように、右Zブロックのカメラ寄り左詰で配置される。
 次に、Gorder[i]=2であるTG[4]を配置する(図30(c))。block[4]="左"であるため、左Zブロックのカメラ寄り右詰で配置される。その際、計M[i=4]=3つの部品種j(i=1,...,3)を収納している部品カセット114は、Corder[i=2][j]の若いものが左になるように、カメラ寄り右詰で配置される。
 同様に、Gorder[i]=3であるTG[3]、Gorder[i]=4であるTG[1]の順で配置すればよい(図30(d)、(e))。
 次に、汎用部品最適化部306bによる選択(図28におけるステップS564、図29におけるステップS577)の対象となる9種類の状態変更を示す。以下の通りである。
(1)同一汎用部品グループの2実装点をランダムに選択し、それらのタスク番号とヘッド番号(作業ヘッド112における吸着ノズル112a〜112bの位置)をスワップする。
(2)同一タスク内の2実装点をランダムに選択し、それらの実装順序をスワップする。
(3)2タスクグループ(2汎用部品グループ)をランダムに選択し、それらのGorderをスワップする。
(4)1タスクグループ(1汎用部品グループ)をランダムに選択し、そのblockの値("左"又は"右")を変更する。
(5)同一タスクグループの2部品種をランダムに選択し、それらのCorderをスワップする。
(6)同一タスクグループにおいて、連続したCorder部分区間をランダムに選択し、シフトする。
(7)同一タスクグループにおいて、連続したCorder部分区間をランダムに選択し、対応する部品種が実装点の平均X座標値に従ってZ軸に配置されるようにCorderを変更する。
(8)1タスクをランダムに選択し、当該タスクの実装点のZ番号に基づいてヘッド番号を変更する。
(9)シャトル運用可能なトレイ部品の運用モード(ダイレクトモード、シャトルモード)をランダムに変更する。
 ここで、「トレイ部品の運用モード」とは、トレイ供給部117が内蔵するエレベータ(複数の段を持つ)を用いてトレイ部品を供給する(作業ヘッド112が吸着できる位置まで移動させて置く)ときの方式であり、「ダイレクトモード」は、部品が載せられた1つのトレイごと直接差し出す方式であり、「シャトルモード」は、シャトルコンベヤ118を用いた往復移動によって複数のトレイから取り出して集めた複数の部品を1列に並べて差し出す方式である。これらの運用モードについての各種情報は、実装装置情報307cに含まれており、必要な部品を所定位置に移動させるのに要する時間等に影響を与える。
 また、汎用部品最適化部306bによる実現可能性のチェック(図28におけるステップS565、図29におけるステップS578)については、以下の5つのチェック項目が同時に満たされている場合にのみ、状態Xtmpが可能解とみなされる。
(1)各タスクにおいて、ダイレクトモードの実装点のZ番号が同じ段であること。つまり、ダイレクトモードでは、一つの段に置かれたトレイ部品だけが同時に供給され得ることを考慮する。
(2)各タスクにおいて、吸着時の部品点間に干渉がないこと。つまり、隣接して吸着される2つの部品の形状によっては、部品どうしが接触してしまうので、それを回避することを考慮する。
(3)各タスクにおいて、実装点が吸着可能であること(実装点のヘッド番号とZ番号との組が適切であること)。つまり、作業ヘッド112に装着された吸着ノズルのいずれもが、96個の部品カセット114のいずれの位置にも移動できる(部品を吸着できる)とは限らないことを考慮する。
(4)各タスクにおいて、実装点が装着可能であること(実装点のヘッド番号と座標値との組が適切であること)。作業ヘッド112を構成する全ての吸着ノズルが基板上のあらゆる箇所に移動できるとは限らないことを考慮する。
(5)全タスクグループの全タスクの吸着ノズルパターンが実現可能なようにノズルステーション119における吸着ノズルの配列を決定できること。つまり、ノズルステーション119に配置しておくことができる交換用の吸着ノズルの配置位置や数等に制限があることを考慮する。
 (6)作業ヘッド112とZ軸上の部品とが同一ピッチで並んでいること。つまり、作業ヘッド112が同時吸着できるような部品(又は、部品カセット)がZ軸に配置されていることを確認する。
 以上のように、汎用部品最適化部306bは、ローカルな(局所的な)最適化だけでなく、確率的な探索を混ぜた最適化を行っているので(図27(a)におけるステップS550〜S553)、ローカルミニマムが最適解として算出されてしまう不具合が回避される。
 以上、本発明に係る部品実装順序最適化装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されない。
 例えば、部品実装順序最適化装置300は、具体的な構成を備える部品実装装置100、200それぞれにダウンロードするための最適なNCデータを生成するために用いられたが、このような用途だけでなく、生産性に関する要求仕様を満たすために必要とされる生産ラインの構成を決定するために用いることができるのは言うまでもない。生産対象となる基板の実装点データとモデリングした仮想的な電子部品実装システムの実装装置情報等とを部品実装順序最適化装置300に与え、得られた最適状態(ラインタクト)が要求仕様を満たすか否か判断すればよい。
 具体的には、この部品実装順序最適化装置300を、(i)実装装置の設計として、例えば、作業ヘッドのノズル数を4ノズルヘッド→10ノズルヘッド→8ノズルヘッドを変えてみたり、ノズルピッチを21.5mm→22mと変えてみたり、部品カセットのピッチ(Z軸ピッチ)を変えてみたり、認識カメラの位置を変えてみたりすることで、最も効率のよい(生産性の高い)ヘッド等を決定するのに用いたり、(ii)複数の生産ラインのうち、どの生産ライン(又は、実装装置)で対象の基板を生産すべきかの決定に用いたり、(iii)実装装置の販売や営業用のツールとして、いかなるオプション(部品カセットやノズルの本数や種類)を装備すれば、いかなる生産性(時間あたり何枚の基板を生産することができるか)が確保されるかの計算に用いたりすることができる。 また、本実施の形態では、部品実装順序最適化装置300は、部品実装装置100、200とは独立した装置であったが、これら部品実装装置100、200に内蔵されていてもよい。
 また、本実施の形態では、状態最適化部306は、部品グループG[1]〜G[5]に属する小部品と部品グループG[6]〜G[9]に属する汎用部品それぞれに対して、異なる探索アプローチによる最適化を行ったが、本発明は、このような分類やアプローチに限られない。
例えば、各部品グループに属する員数やコンピュータの計算能力等に応じて、小部品の実装順序の決定に対して、山登り法とマルチカノニカル法とを混在させた手法を適用したり、汎用部品の実装順序の決定に対して、タスクグループ生成法、刈り上げ法、ランダム選択法、交差解消法及び戻り軌跡法を適用してもよい。
 また、本実施の形態における交差解消法では、2つのタスクそれぞれの部品の実装点を接続する折れ線(パス)どうしの交差を解消するように実装順序を入れ替えてみてタクトが小さくなるか否かで実装順序の最適化を行ったが、交差していないパスどうしを入れ替えてみてもよい。交差していないタスクのパスを入れ替えることでタクトが短縮化されることもあり得るからである。
 本発明の部品実装順序最適化方法はプリント基板に電子部品を実装する実装機に用いて有用である。
本発明に係る電子部品実装システム全体の構成を示す外観図である。 部品実装装置の主要な構成を示す平面図である。 部品実装装置の作業ヘッドと部品カセットの外観及び位置関係を示す図である。 部品実装順序最適化装置の構成を示す機能ブロック図である。 データベース部に格納された実装点データ及びNCデータのデータ構造を示す図である。 データベース部に格納されたパーツライブラリの例を示す図である。 データベース部に格納された実装装置情報の例を示す図である。 (a)は、部品グループ生成部が生成する部品グループを説明するための図であり、(b)は、部品グループ生成部による部品グループの生成過程で作成される部品表の例を示す図である。 ラインバランス最適化部の第1LBM部によるタスクグループのサブ設備への振り分け処理の様子を示す図である。 (a)は、ラインバランス最適化部の第2LBM部によるラインバランスの最適化前におけるタクト分布を示し、(b)は、最適化によるタスクグループの移動の様子を示し、(c)は、最適化後におけるタクト分布を示す。 ラインバランス最適化部の第2LBM部によるラインバランスの最適化手順を示すフローチャートである。 状態最適化部の小部品最適化部aによる小部品の実装順序最適化の概略手順を示すフローチャートである。 テトリスダイヤグラムを説明するための図である。 (a)は、タスクグループ生成法によるテトリスダイヤグラムの生成の対象となる部品の部品ヒストグラムであり、(b)は、(a)に示された部品ヒストグラムから生成されるテトリスダイヤグラムである。 (a)は、部品ヒストグラムにおける未配置部分を示し、(b)は、(a)に示された部品ヒストグラムの未配置部分から生成されるテトリスダイヤグラムを示す。 刈り上げ法によるテトリスダイヤグラムの生成の対象となる部品の部品ヒストグラムである。 図16に示された部品ヒストグラムから、10個の部品並びの単位で部品を取っていく(刈り上げていく)様子を示す図である。 図17に示された刈り上げ後に残された部品を対象とする部品ヒストグラムである。 図18に示された部品ヒストグラムに対して、タスクグループ生成法に準じたダイヤグラムの生成を行っている様子を示す図である。 刈り上げ法によってZ軸が決定された部品種についてのテトリスダイヤグラムである。 図20に示されたテトリスダイヤグラムに対応する(Z軸を変化させない再構築した)部品ヒストグラムである。 ランダム選択法による部品の装着順序の最適化の手順を示すフローチャートである。 ランダム選択法によって2つの実装点が入れ替えられる様子を示すである。 交差解消法により部品の装着順序を最適化する様子を示す図であり、(a)は、折れ線の交差が解消される前の装着順序を示し、(b)は、折れ線の交差が解消された後の装着順序を示す。 戻り軌跡法によりタスクの順序を最適化する際に生成される作業ヘッドの移動軌跡(実装経路)を示す図である。 同一位置の複数の吸着パターンが含まれる場合における戻り軌跡法で生成される作業ヘッドの移動軌跡を示す図である。 (a)は、汎用部品最適化部による汎用部品の実装順序を最適化する際の手順を示すフローチャートであり、(b)は、その最適化による最適解の探索アプローチを説明するための状態vsタクトの関係を示す図である。 図27(a)に示された山登り法による最適化(ステップS551、S553)の詳細な手順を示すフローチャートである。 図27(a)に示されたマルチカノニカル法による最適化(ステップS552)の詳細な手順を示すフローチャートである。 (a)は、汎用部品最適化部が用いている中間表現の具体例を示し、(b)〜(e)は、に示された中間表現の意味(Z軸配列への変換)を示す図である。
符号の説明
   10  電子部品実装システム
   20  回路基板
  100  部品実装装置
  110、120  実装ユニット
  112  作業ヘッド
  112a〜112b 吸着ノズル
  113  XYロボット
  114  部品カセット
  115a、b 部品供給部
  116  認識カメラ
  117  トレイ供給部
  118  シャトルコンベヤ
  119  ノズルステーション
  300  部品実装順序最適化装置
  301  入出力制御部
  302  表示部
  303  入力部
  304  部品グループ生成部
  305  ラインバランス最適化部
  305a LBM部
  305b LBM部
  305c LBM部
  306  状態最適化部
  306a 小部品最適化部
  306b 汎用部品最適化部
  306c 最適化エンジン部
  307  データベース記憶部
  307a 実装点データ
  307b パーツライブラリ
  307c 実装装置情報
  308  通信I/F部

Claims (10)

  1. 部品を収納した部品カセットの並びから、最大n個の部品を吸着することが可能な作業ヘッドで部品群を吸着し、XYロボットにより前記作業ヘッドを移動させ基板に実装していく実装装置を対象とし、コンピュータの実行により部品の実装順序を最適化する方法であって、
     作業ヘッドによる部品の吸着・移動・装着という一連の動作の繰り返しにおける1回分の一連動作によって実装される部品群をタスクとした場合に、同時吸着可能な部品カセットの並びに対応する複数のタスクの並びからタスクグループを構成する部品について、最適化の対象となる全ての部品の取り得る実装順序それぞれを1つの状態とした場合の初期状態を第1状態として生成する初期化ステップと、
     前記タスクグループを構成する部品について、ランダムに選択した実装点を入れ替えることにより、前記第1状態を第2状態に変更する状態変更ステップと、
     前記第2状態に対応する実装順序に従って前記実装装置が全ての部品を実装することができ、かつ、それら全ての部品の実装に要する時間が第1状態における時間よりも小さいか否か判断する判断ステップと、
     前記実装装置が全ての部品を実装することができ、かつ、前記時間が第1状態における時間よりも小さいと判断された場合に、前記第2状態を新たな第1状態として、前記状態変更ステップ及び前記判断ステップを繰り返させて第1状態を更新していくことにより、部品の実装順序を最適化していく繰り返し制御ステップと、
     を含むことを特徴とする部品実装順序最適化方法。
  2. 前記状態変更ステップでは、予め定められた複数の種類の変更方法からランダムに選択した1つの方法を採用して、前記第1状態を変更する
     ことを特徴とする請求項1記載の部品実装順序最適化方法。
  3. 前記状態変更ステップで選択され得る複数の変更方法には、2つのタスクそれぞれに属する同一の部品種の部品それぞれを入れ替える方法が含まれる
     ことを特徴とする請求項2記載の部品実装順序最適化方法。
  4. 最適の対象となる全ての部品は、一定範囲の高さの部品の集まりを一つの部品グループとする複数の部品グループに分類され、
     前記状態は、前記複数の部品グループそれぞれについて、前記部品カセットの並びに配置するときの優先順序パラメータと、同一種類の部品の集まりを1つの部品種とした場合における同一部品グループに属する部品種の並びを示す部品種順序パラメータとを含む中間言語によって表現されている
     ことを特徴とする請求項2記載の部品実装順序最適化方法。
  5. 前記状態変更ステップで選択され得る複数の変更方法には、前記複数の部品グループから2つの部品グループをランダムに選択し、それら部品グループの優先順位パラメータを入れ替える方法が含まれる
     ことを特徴とする請求項4記載の部品実装順序最適化方法。
  6. 前記状態変更ステップで選択され得る複数の変更方法には、同一の部品グループに属する複数の部品種から2つの部品種をランダムに選択し、それら部品種の部品種順序パラメータを入れ替える方法が含まれる
     ことを特徴とする請求項4記載の部品実装順序最適化方法。
  7. 前記状態変更ステップでは、対象となる全ての状態を複数のグループに分類した場合における前記第2状態が属するグループが、前記複数のグループそれぞれについて等しい確立となるように、前記第2状態を生成する
     ことを特徴とする請求項1記載の部品実装順序最適化方法。
  8. 部品を収納した部品カセットの並びから、最大n個の部品を吸着することが可能な作業ヘッドで部品群を吸着し、XYロボットにより前記作業ヘッドを移動させ基板に実装していく実装装置を対象とし、コンピュータの実行により部品の実装順序を最適化する装置であって、
     作業ヘッドによる部品の吸着・移動・装着という一連の動作の繰り返しにおける1回分の一連動作によって実装される部品群をタスクとした場合に、同時吸着可能な部品カセットの並びに対応する複数のタスクの並びからタスクグループを構成する部品について、最適化の対象となる全ての部品の取り得る実装順序それぞれを1つの状態とした場合の初期状態を第1状態として生成する初期化手段と、
     前記タスクグループを構成する部品について、ランダムに選択した実装点を入れ替えることにより、前記第1状態を第2状態に変更する状態変更手段と、
     前記第2状態に対応する実装順序に従って前記実装装置が全ての部品を実装することができ、かつ、それら全ての部品の実装に要する時間が第1状態における時間よりも小さいか否か判断する判断手段と、
     前記実装装置が全ての部品を実装することができ、かつ、前記時間が第1状態における時間よりも小さいと判断された場合に、前記第2状態を新たな第1状態として、前記状態変更手段による第2状態の生成及び前記判断手段による判断を繰り返させて第1状態を更新していくことにより、部品の実装順序を最適化していく繰り返し制御手段と、
     を備えることを特徴とする部品実装順序最適化装置。
  9. 部品を収納した部品カセットの並びから、最大n個の部品を吸着することが可能な作業ヘッドで部品群を吸着し、XYロボットにより前記作業ヘッドを移動させ基板に実装していく実装装置を対象とし、コンピュータに部品の実行順序の最適化を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体であって、
     作業ヘッドによる部品の吸着・移動・装着という一連の動作の繰り返しにおける1回分の一連動作によって実装される部品群をタスクとした場合に、同時吸着可能な部品カセットの並びに対応する複数のタスクの並びからタスクグループを構成する部品について、最適化の対象となる全ての部品の取り得る実装順序それぞれを1つの状態とした場合の初期状態を第1状態として生成する初期化ステップと、
     前記タスクグループを構成する部品について、ランダムに選択した実装点を入れ替えることにより、前記第1状態を第2状態に変更する状態変更ステップと、
     前記第2状態に対応する実装順序に従って前記実装装置が全ての部品を実装することができ、かつ、それら全ての部品の実装に要する時間が第1状態における時間よりも小さいか否か判断する判断ステップと、
     前記実装装置が全ての部品を実装することができ、かつ、前記時間が第1状態における時間よりも小さいと判断された場合に、前記第2状態を新たな第1状態として、前記状態変更ステップ及び前記判断ステップを繰り返させて第1状態を更新していくことにより、部品の実装順序を最適化していく繰り返し制御ステップと、
     をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体。
  10. 部品を収納した部品カセットの並びから、最大n個の部品を吸着することが可能な作業ヘッドで部品群を吸着し、XYロボットにより前記作業ヘッドを移動させ基板に実装していく実装装置を対象とし、コンピュータの実行により部品の実装順序を最適化する方法であって、
     最適化の対象となる全ての部品を、部品の高さに基づいて、小部品グループと汎用部品グループとに分類する分類ステップと、
     前記小部品グループに属する部品に対して、前記作業ヘッドによる部品の同時吸着が最大限できるようにする第1のアルゴリズムを用いて実装順序の最適化を行うステップと、
     前記汎用部品グループに属する部品に対して、取り得る実装順序の1つである状態を変化させながら最適な実装順序を導き出す第2のアルゴリズムを用いて実装順序の最適化を行うステップと
     を含むことを特徴とする部品実装順序最適化方法。
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