JP2004006754A - 有機半導体材料、有機半導体構造物、および、有機半導体装置 - Google Patents

有機半導体材料、有機半導体構造物、および、有機半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004006754A
JP2004006754A JP2003085930A JP2003085930A JP2004006754A JP 2004006754 A JP2004006754 A JP 2004006754A JP 2003085930 A JP2003085930 A JP 2003085930A JP 2003085930 A JP2003085930 A JP 2003085930A JP 2004006754 A JP2004006754 A JP 2004006754A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic semiconductor
electron
liquid crystal
ring
semiconductor material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003085930A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4343566B2 (ja
Inventor
Junichi Hanna
半 那 純 一
Tetsuhei Shimakawa
島 川 徹 平
Masanori Akata
赤 田 正 則
Hiromi Maeda
前 田 博 己
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2003085930A priority Critical patent/JP4343566B2/ja
Publication of JP2004006754A publication Critical patent/JP2004006754A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4343566B2 publication Critical patent/JP4343566B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

【課題】大きな面積で均一で、かつ高い電荷移動特性を持つ有機半導体層を形成することができる有機半導体材料、ならびに、それを利用した有機半導体構造物および有機半導体装置を提供する。
【解決手段】本発明の有機半導体材料は、高分子化合物と低分子化合物とを含んでなる有機半導体材料であって、前記高分子化合物が、所定のπ電子環からなる骨格構造を側鎖の一部に有し、前記低分子化合物が、所定のπ電子系環からなる骨格構造を有し、両末端の少なくとも一方に液晶性を発現するターミナルグループを有するものである。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、液晶性を有するの高分子有機半導体材料、その高分子有機半導体材料で形成された高分子有機半導体構造物有機半導体構造物および有機半導体装置に関する。
【0002】
背景技術
有機半導体装置の構成素子の代表的なものとして、有機半導体を活性層(以下、有機半導体層という。)に利用した薄膜トランジスタ(有機TFTともいう。)が挙げられる。
【0003】
この薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層は、ペンタセンに代表される分子性結晶を真空製膜して形成されている。真空製膜による有機半導体層の形成方法では、製膜条件の最適化により、1cm/V・sを超える高い電荷移動度の有機半導体層が得られると報告されている(Y.−Y. Lin, D. J. Gundlach, S. Nelson, and T. N. Jackson,“Stacked Pentacene Layer Organic Thin−Film Transistors with Improved Characteristics,” IEEE Electron Device Lett. 18,606 (1997).)。しかしながら、上述した真空製膜により形成された有機半導体層は、一般に、微結晶の集合した多結晶状態となって多くの粒界が存在し易い上、欠陥が生じ易く、そうした粒界や欠陥が電荷の輸送を阻害する。そのため、有機半導体層を真空製膜により形成する場合においては、有機半導体装置の構成素子である有機半導体層を、十分広い面積にわたって均一な性能で連続的に作ることは事実上困難であった。
【0004】
一方、高い電荷移動度を示す材料として、ディスコティック液晶が知られている(D.Adam, F.Closss, T.Frey, D. Funhoff, D.Haarer, H.Ringsdorf, P.Schunaher, and K. Siemensmyer, Phys. Rev. Lett., 70, 457 (1993))。しかしながら、このディスコティック液晶は、カラム状の分子配向に沿った一次元の電荷輸送機構に基づいて電荷の輸送が行われるので、厳密な分子配向の制御が要求され、工業的な利用が難しいという問題があった。このディスコティック液晶を有機半導体層の構成材料に使った薄膜トランジスタの成功例は、未だ報告されていない。
【0005】
また、フェニルベンゾチアゾール誘導体等の棒状(ロッド状)の液晶性材料も、液晶状態で高い電荷移動度を示すことは既に報告されている(M.Funahashi and J.Hanna, Jpn. J. Appl. Phys., 35, L703−L705(1996).)。しかしながら、棒状の液晶性材料を有機半導体層に利用した薄膜トランジスタの成功例は未だ報告されていない。なお、棒状の液晶性材料は、いくつかの液晶状態を有しているが、この液晶性材料の構造規則性が高くなるにつれて電荷の移動度は上昇する傾向にある。しかし、この液晶性材料がより構造規則性の高い結晶状態に転移すると、電荷の移動度が逆に低下ないし観測されず、当然、薄膜トランジスタの性能を発現することはなかった。
【0006】
また、高い電荷移動度を示す液晶状態で利用するためには、ガラスのセルなどに封入して使用する必要があり、装置製造上の制約があった。さらに、これらの棒状の液晶性材料が液晶性を示すのは比較的高い温度であり、室温(−10〜40℃程度)付近で利用することはできなかった。
【0007】
また、分子分散系の高分子材料を有機半導体材料として使用する場合においては、この有機半導体材料を塗布することにより大面積にわたって均一な電荷移動特性を有する有機半導体層を形成することができる。しかしながら、形成された有機半導体層は、電荷の移動度が10−5〜10−6cm/V・sと低く、しかも温度依存性や電場依存性があるという問題がある。
【0008】
このような問題に対し、本発明者らは、既に出願した特願2002−32772号において、少なくとも一部に、配向した液晶性有機半導体材料からなる有機半導体層を有する有機半導体構造物であって、その液晶性有機半導体材料は、L個の6π電子系芳香環、M個の10π電子系芳香環、N個の14π電子系芳香環(ただし、L、M、Nはそれぞれ0〜4の整数を表し、L+M+N=1〜4とする。)を含むコアを有し、熱分解温度以下で少なくとも一種類の液晶状態を持つ有機半導体構造物を提供し、上記の課題を解決した。
【0009】
しかしながら、上述した有機半導体構造物は、非高分子材料である液晶性有機半導体材料から形成されるものであり、高分子材料である有機半導体材料については、下記の報告があるだけで未だ有効な有機半導体材料は見いだされてはおらず、有効な電荷移動特性を有する有機半導体構造物や有機半導体層は報告されていない。
【0010】
すなわち、従来において、室温付近で高い電荷移動度を持つ高分子半導体材料については、例えば、M. Redecker and D. D. C. Bradley, Applied Physics Letters, vol. 74, 10, 1999、が報告されている。この文献には、長い共役系を主鎖に持つ高分子を用い、その高分子をネマクティック相を呈する温度まで加熱した後急冷し、ネマクティック状態を固定したガラス状高分子とすることで高い移動度を有する高分子半導体材料が得られることが報告されている。特に、ポリイミド膜を擦ってラビング処理した配向膜と接触させた状態で、上記の操作をすると高い移動度が得られると報告されている。
【0011】
一方、側鎖に共役系の分子を持つ高分子材料においては、現在、高い電荷移動度を示す材料は知られていない。その理由は、主鎖型の高分子半導体は長い共役系を持った主鎖に沿って電子伝導が進むのに対し、側鎖型の高分子半導体では側鎖分子の共役系が重なりあうことで、側鎖分子間のホッピング伝導により電荷が移動するからである。
【0012】
また、従来は、側鎖分子どうしの重なりをうまくコントロールできる材料が知られておらず、高い電荷移動度は得られていなかった。なお、主鎖とπ共役系芳香間を結ぶアルキル基の鎖長を長くすることにより、その自由度を上げて構造性の自由度を向上させることは可能であるが、主鎖とπ共役系芳香環を結ぶアルキル基の鎖長を長くすると、必然的に電子伝導に関与しない材料を多く導入することになり、電荷移動度の十分な向上には寄与しなかった。
【0013】
本発明は、上記の問題を解決したものであって、従来困難とされてきた大きな面積で均一で高い電荷移動度を持つ有機半導体材料を提供すると共に、さらにそれを利用した有機半導体構造物および有機半導体装置を提供するものである。
【0014】
【非特許文献1】
Y.−Y. Lin, D. J. Gundlach, S. Nelson, and T. N. Jackson,“Stacked Pentacene Layer Organic Thin−Film Transistors with Improved Characteristics,” IEEE Electron Device Lett. 18, 606 (1997)
【非特許文献2】
D.Adam, F.Closss, T.Frey, D. Funhoff, D.Haarer, H.Ringsdorf, P.Schunaher, and K. Siemensmyer, Phys. Rev. Lett., 70, 457 (1993)
【非特許文献3】
M.Funahashi and J.Hanna, Jpn. J. Appl. Phys., 35, L703−L705(1996)
【非特許文献4】
M. Redecker and D. D. C. Bradley, Applied Physics Letters, vol. 74, 10, (1999)
【0015】
【発明の概要】
上記課題を解決するため、本発明の有機半導体材料は、高分子化合物と低分子化合物とを含んでなる有機半導体材料であって、前記高分子化合物が、L個の6π電子系環、M個の8π電子系環、N個の10π電子系環、O個の12π電子系環、P個の14π電子系環、Q個の16π電子系環、R個の18π電子系環、S個の20π電子系環、T個の22π電子系環、U個の24π電子系環、および、V個の26π電子系環(ただしL、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、Vはそれぞれ0〜6の整数を表し、L+M+N+O+P+Q+R+S+T+U+V=1〜6とする。)からなる群より選択されるπ電子環からなる骨格構造を側鎖の一部に有し、前記低分子化合物が、前記のπ電子環群から選択されるπ電子系環からなる骨格構造を有し、両末端の少なくとも一方に液晶性を発現するターミナルグループを有するものである。
【0016】
また、本発明の態様として、前記高分子化合物の側鎖の骨格と、前記低分子化合物の骨格とが、同じπ電子系環からなることが好ましいが、異なるπ電子系環からなる場合であっても、それぞれのπ電子系環の電荷輸送に関わるエネルギー準位が同程度であればよい。
【0017】
本発明の別の態様としての有機半導体材料は、高分子化合物と低分子化合物とを含んでなる有機半導体材料であって、前記高分子化合物が、L個の6π電子系環、M個の8π電子系環、N個の10π電子系環、O個の12π電子系環、P個の14π電子系環、Q個の16π電子系環、R個の18π電子系環、S個の20π電子系環、T個の22π電子系環、U個の24π電子系環、および、V個の26π電子系環(ただしL、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、Vはそれぞれ0〜6の整数を表し、L+M+N+O+P+Q+R+S+T+U+V=1〜6とする。)からなる群より選択されるπ電子環からなる骨格構造を主鎖の一部に有し、前記低分子化合物が、前記のπ電子環群から選択されるπ電子系環からなる骨格構造を有し、両末端の少なくとも一方に液晶性を発現するターミナルグループを有するものである。
【0018】
また、本発明の態様として、前記高分子化合物の主鎖の骨格と、前記低分子化合物の骨格とが、同じπ電子系環からなることが好ましいが、異なるπ電子系環からなる場合であっても、それぞれのπ電子系環の電荷輸送に関わるエネルギー準位が同程度であればよい。
【0019】
上記の何れの態様の有機半導体材料においても、熱分解温度以下の温度において少なくとも一種類のスメクティック液晶相状態を有することが好ましく、また、低分子化合物または高分子化合物が、熱分解温度以下の温度において少なくとも一種類のスメクティック液晶相状態を有することが好ましい。
【0020】
本発明の別の態様としての有機半導体構造物は、上記の有機半導体材料からなる有機半導体層を有する有機半導体構造物あって、前記有機半導体材料がスメクティック液晶相を呈する温度に、前記有機半導体層を保持した後、該温度から急冷することにより、前記有機半導体層が液晶ガラス状態を有してなるものである。
【0021】
また、別の態様としての有機半導体構造物は、上記の有機半導体材料からなる有機半導体層を有する有機半導体構造物あって、前記有機半導体材料がスメクティック液晶相を呈する温度に、前記有機半導体層を保持した後、該温度から徐冷することにより、前記有機半導体層の少なくとも一部が結晶状態を有してなるものである。
【0022】
前記有機半導体層は、液晶配向層と接触する状態で形成されていても良く、このようにに液晶配向層と接触形成されることにより、分子配向に基づく電荷輸送特性の優れた構造物を得ることができる。
【0023】
前記液晶配向層は、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、シアノエチルプルラン、ポリメチルメタクリレート、ポリサルフォン、ポリカーボネート、および、ポリイミドからなる群より選択される材料からなるもの、あるいは、微小凹凸を表面に有する硬化性樹脂、または、基材と微小凹凸を表面に有する硬化性樹脂とのいずれかからなり、該液晶配向層との接触により、前記有機半導体材料が特定方向に異方性配向してなるものである。
【0024】
また、前記有機半導体材料は、前記骨格構造の電子軌道の重なり方向と、電荷輸送方向とが一致する方向に、異方性配向してなるものであることが好ましい。
【0025】
さらに、上記の有機半導体構造物は、前記有機半導体層が、電子移動度10−5cm/V・s以上、または、正孔輸送移動度10−5cm/V・s以上を有することが好ましい。
【0026】
本発明の別の態様としての有機半導体装置は、基板、ゲート電極、ゲート絶縁層、有機半導体層、ドレイン電極、およびソース電極を含んでなる有機半導体装置であって、前記有機半導体層が、上記の有機半導体材料からなるものである。
【0027】
また、前記有機半導体層が、電子移動度10−5cm/V・s以上、または、正孔輸送移動度10−5cm/V・s以上を有することが、好ましい。
【0028】
本発明のさらに別の態様として、上記有機半導体構造物を、有機トランジスタ、有機EL、有機電子デバイス、または有機太陽電池として使用するものである。
【0029】
【発明の具体的説明】
以下、本発明の有機半導体材料、有機半導体構造物および有機半導体装置について更に詳細に説明する。
【0030】
1.有機半導体材料
本発明の有機半導体材料は、高分子化合物と低分子化合物とを含んでなる有機半導体材料であって、前記高分子化合物が、下記に説明するπ電子系環からなる骨格構造を側鎖または主鎖の一部に有し、前記低分子化合物が、下記に説明するπ電子系環からなる骨格構造を有し、両末端の少なくとも一方に液晶性を発現するターミナルグループを有するものである。
【0031】
このように、π電子系環を骨格構造として、側鎖または主鎖に該骨格構造を有する高分子を有機半導体材料として用いた場合、高分子の立体構造の自由度から、側鎖または主鎖を構成するπ電子系環が互いに相互作用することができる。また、このような高分子中に、π電子系環を骨格とする低分子をブレンドすることにより、低分子の自由度から、これらπ電子系環どうしがさらに相互作用をおこし、共役芳香環が相互に重ね合わさった分子状態を実現できる。その結果、重なり合った部分でのホッピング伝導による電荷の移動を容易にさせ、高い電荷移動特性を発現させることができる。特に、本発明において、高次な構造であるスメクティック相を呈する有機半導体材料は、極めて高い結晶性を有した有機半導体層を形成できるので、より高い電荷移動特性を示す有機半導体構造物の形成に有利である。さらに、有機半導体材料は、液晶状態を維持する温度においては流動性を有するので、その状態で塗布することができる。その結果、高い電荷移動特性を有する有機半導体層および有機半導体装置を、均一且つ大面積で形成することができる。
【0032】
本発明においては、低分子の骨格構造と、高分子の側鎖または主鎖の骨格構造とは、異なっていても、同じであってもよいが、このましくは、高分子の側鎖または主鎖を構成する骨格構造と低分子の骨格構造とは、同じπ電子系環で構成されているほうがよい。
【0033】
まず最初に、これら低分子および高分子を構成する骨格構造について説明する。
【0034】
(1)骨格構造
骨格構造としては、L個の6π電子系環、M個の8π電子系環、N個の10π電子系環、O個の12π電子系環、P個の14π電子系環、Q個の16π電子系環、R個の18π電子系環、S個の20π電子系環、T個の22π電子系環、U個の24π電子系環、V個の26π電子系環からなる群より選択される。具体的には、6π電子系環としては、例えば、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、2H−ピラン環、4H−チオピラン環、ピリジン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、フラザン環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環を挙げることができ、8π電子系環としては、例えば、ペンタレン環、インデン環、インドリジン環、4H−キノリジン環を挙げることができ、10π電子系環としては、例えば、ナフタレン環、アズレン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、1−ベンゾチオフェン環、2−ベンゾチオフェン環、インドール環、イソインドール環、2H−クロメン環、1H−2−ベンゾピラン環、キノリン環、イソキノリン環、1,8−ナフチリジン環、ベンゾイミダゾール環、1H−インダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、プリン環、フタラジン環を挙げることができ、12π電子系環としては、例えば、ヘプタレン環、ビフェニレン環、as−インダセン環、s−インダセン環、アセナフチレン環、フルオレン環、フェナレン環を挙げることができ、14π電子系環としては、例えば、フェナントレン環、アントラセン環、カルバゾール環、キサンテン環、アクリジン環、フェナントリジン環、ペリミジン環、1,10−フェナントロリン環、フェナジン環、フェナルサジン環、テトラチアフルバレン環を挙げることができ、16π電子系環としては、例えば、フルオランテン環、アセフェナントリレン環、アセアントリレン環、ピレン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環を挙げることができ、18π電子系環としては、例えば、トリフェニレン環、クリセン環、ナフタセン環、プレイアデン環を挙げることができ、20π電子系環としては、例えば、ペリレン環を挙げることができ、22π電子系環としては、例えば、ピセン環、ペンタフェン環、ペンタセン環を挙げることができ、24π電子系環としては、例えば、テトラフェニレン環、コロネン環を挙げることができ、26π電子系環としては、例えば、ヘキサフェン環、ヘキサセン環、ルビセン環等を挙げることができる。
【0035】
これらの芳香環を構造の一部に有する骨格構造としては、例えば、下記化学式1〜34に示すような構造を挙げることができる。
【化1】
Figure 2004006754
【化2】
Figure 2004006754
【化3】
Figure 2004006754
【化4】
Figure 2004006754
【化5】
Figure 2004006754
【化6】
Figure 2004006754
【化7】
Figure 2004006754
【化8】
Figure 2004006754
【化9】
Figure 2004006754
【化10】
Figure 2004006754
【化11】
Figure 2004006754
【化12】
Figure 2004006754
【化13】
Figure 2004006754
【化14】
Figure 2004006754
【化15】
Figure 2004006754
【化16】
Figure 2004006754
【化17】
Figure 2004006754
【化18】
Figure 2004006754
【化19】
Figure 2004006754
【化20】
Figure 2004006754
【化21】
Figure 2004006754
【化22】
Figure 2004006754
【化23】
Figure 2004006754
【化24】
Figure 2004006754
【化25】
Figure 2004006754
【化26】
Figure 2004006754
【化27】
Figure 2004006754
【化28】
Figure 2004006754
【化29】
Figure 2004006754
【化30】
Figure 2004006754
【化31】
Figure 2004006754
【化32】
Figure 2004006754
【化33】
Figure 2004006754
【化34】
Figure 2004006754
【0036】
但し、上記式中のRおよびRは以下に示す末端構造を示し、Rはトリフルオロメチル基、アルキル基、ニトロ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、何れもが同じでもよく、また異なっていてもよい。また、XはCHまたはNを示し、YはSまたはOを示す。
【0037】
およびRの末端構造の具体例としては、剛直な骨格構造の片端に、H(水素原子)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基等のいずれかを有し、もう一端に、置換若しくは無置換アルキル基、または、置換若しくは無置換アルキルチオ基、または、置換若しくは無置換アルコキシル基、または、置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、または、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基を有するものが挙げられる。この場合における置換基の例としては、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アリールオキシ基、アシロキシ基、アリール基、アシル基等を挙げることができる。
【0038】
また、両末端に、置換若しくは無置換アルキル基、または、置換若しくは無置換アルキルチオ基、または、置換若しくは無置換アルコキシル基、または、置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、または、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基を有するものが挙げられる。この場合における置換基の例としては、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アリールオキシ基、アシロキシ基、アリール基、アシル基等の構造を有するものが挙げられる。
【0039】
(2)低分子化合物
本発明の有機半導体材料を構成する低分子化合物について説明する。
【0040】
該低分子化合物は、上述した骨格構造(コア構造)を有し、その骨格構造の両末端のすくなくとも一方に液晶性を発現する末端構造(ターミナルグループともいう)を有するものである。
【0041】
末端構造の具体例としては、上述した剛直な骨格構造の片端に、H(水素原子)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基等のいずれかを有し、もう一端に、置換若しくは無置換アルキル基、または、置換若しくは無置換アルキルチオ基、または、置換若しくは無置換アルコキシル基、または、置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、または、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基を有するものが挙げられる。この場合における置換基の例としては、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アリールオキシ基、アシロキシ基、アリール基、アシル基等を挙げることができる。
【0042】
また、両末端に、置換若しくは無置換アルキル基、または、置換若しくは無置換アルキルチオ基、または、置換若しくは無置換アルコキシル基、または、置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、または、置換若しくは無置換アルキルカルボニル基を有するものが挙げられる。この場合における置換基の例としては、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アリールオキシ基、アシロキシ基、アリール基、アシル基等の構造を有するものが挙げられる。
【0043】
こうした構造からなる低分子は、後述する高分子と混ざり合った後においても高い自由度を有するので、上記の骨格構造の共役系芳香環が相互に重なり合うように作用する。
【0044】
また、該低分子は、その熱分解温度以下の温度において少なくとも一種類のスメクティック液晶相状態を有することがより好ましく、自己組織化により自発的に分子性配向し易く、結晶のような配向性を有するようになる。こうした特徴的な作用に基づく低分子は、後述の高分子と混ざり合った状態においても、スメクティック相のような液晶構造をとり、高い電荷移動特性を発現する。
【0045】
(3)高分子化合物
本発明の有機半導体材料を構成する高分子化合物について説明する。該高分子化合物は、上述した骨格構造(コア構造)を側鎖または主鎖の一部に有するものである。
【0046】
高分子化合物の一例として、下記の化学式35や化学式36に示すような構造の側鎖型ホモポリマーや、下記の化学式37に示すような構造の側鎖型コポリマー、および化学式38や39に示すような構造の主鎖型高分子等を挙げることができる。
【化35】
Figure 2004006754
【化36】
Figure 2004006754
【化37】
Figure 2004006754
【化38】
Figure 2004006754
【化39】
Figure 2004006754
【0047】
本発明で適用される側鎖型の高分子化合物は、化学式35〜37に例示したものには限定されず、側鎖の一部に化学式1〜化学式34に示した骨格構造を有し、かつ、その骨格構造の両末端に上述した末端構造のいずれかを有するものを好ましく適用できる。なお、高分子を構成するそうした側鎖が十分な自由度をもって配向し易い環境となるように、上記化学式37においては、n=100〜67%、m=0〜33%であることが好ましい。
【0048】
また、本発明で適用される主鎖型の高分子化合物は、化学式38および39に例示したものには限定されず、化学式1〜化学式34に示した骨格構造を主鎖に有し、かつ、その骨格構造の両末端に上述した末端構造のいずれかを有するものであってもよい。
【0049】
さらに、側鎖型高分子化合物においては、主鎖として、化学式35〜37に例示するアルキル系であってもよい。上述の骨格構造と末端構造を有する側鎖が十分な自由度をもって配向し易い環境となるような主鎖構造であればよく、特に限定されない。かかる場合、主鎖には、上述した骨格構造(コア構造)を有する側鎖が全ての側鎖の100〜67%の割合で設けられていることが好ましく、その結果、その骨格構造と末端構造とを有する側鎖が十分な自由度をもって、より配向し易い環境となる。
【0050】
このような高分子化合物は、その熱分解温度以下の温度において少なくとも一種類のスメクティック液晶相状態を有することがより好ましい。
【0051】
上記の主鎖と側鎖とからなる高分子化合物は、上述した低分子化合物と混ざり合った後において、それらの両材料の共通する骨格構造が相互に重なり合い、高い電荷移動特性をもたらす要因となる。
【0052】
(4)有機半導体材料
本発明の有機半導体材料は、上述した低分子化合物と高分子化合物とがブレンドされてなるものである。使用する低分子化合物および高分子化合物の構造にも大きく依存するが、通常は、低分子:高分子=1:1〜1:100の割合(モル比)で混合されることが好ましい。本発明の液晶性有機半導体材料においては、上述した骨格構造を側鎖または主鎖の一部に持つので立体的な自由度があり、さらに、その高分子と同じ骨格構造を持った自由度の高い低分子を、その高分子に混ぜ合うことにより、それらの共役系芳香環が相互に重なり合う。
【0053】
また、有機半導体材料は、熱分解温度以下の温度において少なくとも一種類のスメクティック液晶相状態を有することが好ましい。液晶状態を有することにより、一自己組織化により自発的に分子性配向が実現され、結晶のような配向性をもつこととなる。その結果、スメクティック相のような構造をとることを可能にする本発明の有機半導体材料を用いて有機半導体層を形成すれば、隣接する分子間のホッピング伝導による電荷の移動を容易にさせ、高い電荷移動特性を発現させることができるのである。なお、該有機半導体材料を構成する上記の低分子および高分子はいずれもスメクティック液晶相状態を有することが好ましいが、これら低分子ないし高分子がスメクティック液晶相状態を有しない場合であっても、両者を混合した際にスメクティック液晶相状態を有すればよい。
【0054】
本発明の有機半導体材料は、熱分解温度以下の温度において、少なくとも一種類の液晶状態を持っている。なお、「熱分解温度以下の温度において」とは、その材料がそれ自身熱分解されない状態を意味するものである。熱分解温度は、適用される材料それぞれにより異なる。また、「少なくとも一種類の液晶状態」とは、複数の液晶状態を有する低分子化合物や、液晶状態でない部分を有する低分子化合物を適用した場合であっても、最低一種類の液晶状態を持つものが使用されるという意味である。例えば、後述するスメクティック(以下、Smともいう。)液晶においては、SmA相、SmB相、SmC相、SmD相、…等々の複数種類の液晶状態を有し、そのうち少なくとも一種類の液晶状態を持つことである。
【0055】
特に、本発明において、高次な構造であるスメクティック相を呈する有機半導体材料は、極めて高い結晶性を有した有機半導体層を形成できるので、より高い電荷移動特性を示す有機半導体構造物の形成に有利である。さらに、有機半導体材料は、液晶状態を維持する温度においては流動性を有するので、その液晶状態で塗布することができる。そして、その後、後述する手段で有機半導体構造物を形成することにより、高い電荷移動特性を有する有機半導体層を、均一且つ大面積に形成することができる。
【0056】
2.有機半導体構造物
本発明の有機半導体構造物は、上述した本発明に係る有機半導体材料からなる有機半導体層を有するものである。そして、下記の2つの手段により形成することができる。
【0057】
第1の手段は、前記有機半導体材料がスメクティック液晶相を呈する温度に、前記有機半導体層を保持した後、該温度から急冷することにより形成するものである。こうして形成された有機半導体構造物は、高次の構造(高い構造性)を有するスメクティック相が液晶ガラス状態に固定されている。こうして形成された有機半導体層は、高い電荷移動特性を有している。前記有機半導体層を、液晶配向層と接触する状態で形成することにより、分子配向に基づく電荷輸送特性の優れた構造物を得ることもできる。
【0058】
この第1の手段において、スメクティック液晶相を維持または経由できる温度域からの急冷速度は、50℃以上/分〜20℃/分である。なお、得られた有機半導体構造物がガラス状態であるか否かは、偏光顕微鏡で観察したテクスチャーを液晶状態のテクスチャーと比較することにより判定できる。
【0059】
第2の手段は、前記有機半導体材料がスメクティック液晶相を維持または経由できる温度に、前記有機半導体層を保持した後、該温度から徐冷することにより形成するものである。こうして形成された有機半導体構造物は、少なくとも一部が結晶化しており、広い範囲で高い秩序性が実現される。有機半導体材料を徐々に冷却することにより、有機半導体材料の結晶サイズが大きくなり、高い電荷移動度を発現できる。特に、その結晶サイズが電荷移動に関与する電極間距離よりも大きい場合に、より高い電荷移動度を実現できる。前記有機半導体層を、液晶配向層と接触する状態で形成することにより、分子配向に基づく電荷輸送特性の優れた構造物を得ることができる。
【0060】
この第2の手段において、有機半導体材料がポリイミド系材料からなる液晶配向層上に積層されて配向していること、微少な凹凸を表面に有する硬化性樹脂からなる液晶配向層上に積層されて配向していること、または、基材と微小凹凸を表面に有する硬化性樹脂からなる液晶配向層上に積層されて配向していることが好ましい。
【0061】
この第2の手段において、スメクティック液晶相を維持または経由できる温度域からの徐冷速度は、10℃/分〜0.1℃/分である。徐冷速度が0.1℃/分未満では、所要時間が長くなりすぎるため不都合となり、徐冷速度が10℃/分を超えると、結晶相の急激な体積収縮による電荷輸送に対する構造欠陥が発生する結果となり、好ましくない。なお、得られた有機半導体構造物の一部が結晶化しているか否かは、偏光顕微鏡による観察かX線回折法により測定できる。また、結晶化した部分の割合は、100〜80%であることが好ましく、結晶化したときの結晶のサイズは、偏光顕微鏡下で測定した平均結晶粒径で、数十〜数百μmであることが好ましい。
【0062】
上述した第1の手段および第2の手段の何れにおいても、有機半導体材料は、液晶状態を維持する温度において流動牲を有するので、その状態で塗布することができる。こうした方法によれば、電荷移動特性が均一で大面積の有機半導体層を極めて容易に形成することができる。このときの塗布方法としては、各種の塗布方法および印刷方法を適用できる。なお、本明細書において、結晶相または結晶状態とは、液晶性有機半導体材料が液晶−結晶相転移温度以下の凝集状態になっていることをいう。
【0063】
以上説明した本発明の有機半導体構造物において、前記有機半導体材料が、熱分解温度以下でスメクティック液晶性を有し、その有機半導体材料からなる有機半導体層が電子移動度10−5cm/V・s以上または正孔輸送移動度10−5cm/V・s以上であることが好ましい。
【0064】
(1)液晶配向手段
本発明の有機半導体構造物のうち、上述した第2の手段で形成される有機半導体構造物の有機半導体層は、配向手段により特定の向きに異方性配向した有機半導体材料を徐冷することにより形成されている。
【0065】
配向手段としては、有機半導体材料を形成する面(被形成面、例えば、後述のゲート絶縁層の表面など。)に、液晶配向層を形成し、ラビング処理、光照射処理等の配向処理を施したり、あるいは、配向処理を施した層と接したりする手段が挙げられる。このような配向手段は、有機半導体材料の液晶相を特定の向き異方性配向するように形成させるので、形成された有機半導体層は、液晶相が配向した向きまたは方向に応じた特有の機能性や電気特性を発現させることができる。
【0066】
液晶配向層としては、各種の液晶配向層を適用できるが、本発明の有機半導体構造物においては、ポリイミド系材料を塗布した後ラビング処理をしたもの、ポリイミド系材料を塗布した後光照射処理をしたもの、微小な凹凸を有した硬化性樹脂からなるもの、または、微小な凹凸を有した硬化性樹脂からなり液晶配向層と基板とが一体となっているもの、の何れかであることが好ましい。また、電場、磁場、などの外揚での配向も可能である。
【0067】
特に、液晶配向層としては、特に、ポリイミド樹脂を塗布後ラビング処理を施したものが代表的なものとして挙げられる。材料としては、この他にも、アクリル、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、シアノエチルプルラン、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリサルフォン、ポリカーボネート、ポリイミド等の樹脂材料を挙げることができる。なお、これらの材料は、その種類によって、液晶に対して垂直配向能を有するものと水平配向能を有するものに分類できる。塗布の具体的な手法としては、スピンコート法、キャスト法、引き上げ法、転写法、インクジェット法等が挙げられる。こうした液晶配向層は、基板と有機半導体層との間、あるいは有機半導体層上のオーバーコート層に置くことができる。
【0068】
微小な凹凸を有した硬化性樹脂からなるものとしては、例えば、硬化性樹脂からなる層を形成し、その層の表面をラビング処理して形成したり、未硬化状態の硬化性樹脂の表面に、微小凹凸を賦形できる賦形部材を押圧し、その後樹脂層を硬化させることにより形成することができる。こうして得られた硬化性樹脂の表面には、微細な凹凸が形成され、有機半導体材料の液晶相をその向きに並べることができる。硬化性樹脂としては、アクリル系紫外線硬化性樹脂、フッ素系紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。このとき、微小な凹凸を有した硬化性樹脂からなる液晶配向層が、基板と一体の態様となっていることが特に好ましい。
【0069】
この場合における微小な凹凸は、方向の揃った微小な溝からなるものである。この凹凸部分における溝の深さは、0.01〜1.0μm、好ましくは0.03〜0.3μm程度、幅は、0.05〜1.0μm程度、また、隣接する溝のピッチは、0.1〜2.0μm程度である。溝の深さが0.01未満では、液晶分子を正しく配向できなくなり、また、1.0μmを超えると、溝の縁部で液晶の配向が乱れることがある。また、溝の幅が0.05μm未満では溝の作製が困難となり、幅が1.0μmを超えると、溝の中央での配向力が低下することがある。さらに、溝の形成ピッチが0.1μm未満では、溝の作製が困難となり、また、2.0μmを超えると、液晶の配向乱れを生じやすい。
【0070】
本発明の有機半導体構造物においては、液晶配向層の第一の態様として基板、液晶配向層、有機半導体層を順次積層したものを挙げることができ、液晶配向層の第二の態様として、基板、有機半導体層、液晶配向層を順次積層したものを挙げることができ、液晶配向層の第三の態様として、基板、液晶配向層、有機半導体層、液晶配向層を順次積層したものを挙げることができる。本発明においては、このように、有機半導体層が、配向処理を施した層と接する形態となるように構成されることによって、有機半導体材料を構成する液晶相に高い配向性を付与することができる。
【0071】
3.有機半導体装置
本発明の有機半導体装置101は、図1に示すように、少なくとも基板11、ゲート電極12、ゲート絶縁層13、有機半導体層14、ドレイン電極15およびソ−ス電極16で構成される。この有機半導体装置101は、有機半導体層14が、上述した本発明の有機半導体構造物を構成する有機半導体材料で形成されている。
【0072】
構成の一例としては、基板11上に、ゲート電極12、ゲート絶縁層13、配向した有機半導体層14、ドレイン電極15とソ−ス電極16、保護膜17の順に構成される逆スタガー構造、または、基板11上に、ゲート電極12、ゲート絶縁層13、ドレイン電極15とソース電極16、有機半導体層14、保護膜(図示しない。)の順に構成されるコプラナー構造、を挙げることができる。こうした構成からなる有機半導体装置101は、ゲート電極12に印加される電圧の極性に応じて、蓄積状態または空乏状態の何れかで動作する。以下、有機半導体装置の構成部材について詳細に説明する。
【0073】
(1)基板
基板11は、絶縁性の材料であれば広い範囲の材料から選択することができる。例えば、ガラス、アルミナ焼結体などの無機材料、ポリイミド膜、ポリエステル膜、ポリエチレン膜、ポリフェニレンスルフィド膜、ポリパラキシレン膜等の各種の絶縁性材料を挙げることができる。特に、高分子化合物からなる膜を用いると、軽量でフレシキブルな有機半導体装置を作製することができるので、極めて有用である。なお、本発明で適用される基板11の厚さは、25μm〜1.5mm程度である。
【0074】
(2)ゲート電極
ゲート電極12は、ポリアニリン、ポリチオフェン等の有機材料からなる電極または導電性インキを塗布して形成した電極であることが好ましい。これらの電極は、有機材料や導電性インキを塗布して形成できるので、電極形成プロセスが極めて簡便となるという利点がある。塗布法の具体的な手法としては、スピンコート法、キャスト法、引き上げ法、転写法、インクジェット法等が挙げられる。
【0075】
なお、電極として金属膜を形成する場合には、既存の真空成膜法を用いることができ、具体的には、マスク成膜法またはフォトリソグラフ法を用いることができる。この場合には、金、白金、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン、ニッケル等の金属、これら金属を用いた合金、ポリシリコン、アモリファスシリコン、錫酸化物、酸化インジウム、インジウム・錫酸化物(ITO)等の無機材料を、電極形成用の材料として挙げることができる。また、これらの材料を2種以上併用してもよい。
【0076】
ゲート電極の膜厚は、その材質の導電率によるが、50〜1000nm程度であることが好ましい。ゲート電極の厚さの下限は、電極材料の導電率および下地基板との密着強度によって異なる。ゲート電極の厚さの上限は、後述のゲート絶縁層およびソース・ドレイン電極対を設けた際に、下地基板とゲート電極の段差部分におけるゲート絶縁層による絶縁被覆が十分で、かつその上に形成する電極パターンに断線を生ぜしめないことが必要である。特に、可とう性がある基板を使用した場合には、応力のバランスを考慮する必要がある。
【0077】
(3)ゲート絶縁層
ゲート絶縁層13は、上記のゲート電極12と同じように、有機材料を塗布して形成したものであることが好ましく、使用される有機材料としては、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、シアノエチルプルラン、ポリメチルメタクリレート、ポリサルフォン、ポリカーボネート、ポリイミド等を挙げることができる。塗布法の具体的な手法としては、スピンコート法、キャスト法、引き上げ法、転写法、インクジェット法等が挙げられる。
【0078】
なお、CVD法等の既存パターンプロセスを用いて形成してもよく、その場合には、SiO、SiNx、A1等の無機材料が好ましく使用される。また、これらの材料を2種以上併用してもよい。
【0079】
有機半導体装置の移動度は電界強度に依存するので、ゲート絶縁層の膜厚は、50〜300nm程度であることが好ましい。このときの絶縁耐圧は、2MV/cm以上であることが望ましい。
【0080】
なお、CVD法等の既存パターンプロセスを用いてもよく、その場合には、SiO、SiN、Al等の無機材料が好ましく使用される。また、これらの材料を2種以上併用してもよい。
【0081】
有機半導体装置の移動度は電界強度に依存するので、ゲート絶縁層の膜厚は、50〜200nm程度であることが好ましい。このときの絶縁耐圧は、2MV/cm以上であることが望ましい。
【0082】
(4)ドレイン電極およびソース電極
ドレイン電極15およびソース電極16は、仕事関数の大きい金属で形成されることが好ましい。その理由としては、後述する液晶性有機半導体材料は、電荷を輸送するキャリアがホールであることから、有機半導体層14とオーミック接触していることが必要となるからである。ここでいう仕事関数とは、固体中の電子を外部に取り出すのに必要な電位差であり、真空準位とフェルミ準位とのエネルギー差として定義される。好ましい仕事関数としては、4.6〜5.2eV程度であり、具体的には、金、白金、透明導電膜(インジウム・スズ酸化物、インジウム・亜鉛酸化物等)等が挙げられる。透明導電膜は、スパッタリング法、電子ビーム(EB)蒸着法で形成することができる。
【0083】
なお、本発明で適用されるドレイン電極15およびソース電極16の厚さは、50〜100nm程度である。
【0084】
(5)有機半導体層
有機半導体層14は、有機半導体材料により形成された層である。具体的な有機半導体材料、その冷却条件、配向処理や液晶配向層等については上述した通りである。
【0085】
こうして形成される有機半導体層14は、欠陥のない均一な大面積の有機半導体層を形成することができるという特徴的な効果がある。また、有機半導体層14の奏する電子輸送速度としては、10−5cm/V・s以上または正孔輸送速度が10−5cm/V・s以上であることがより好ましく、そうした特性値になるように、有機半導体材料の種類や条件等が随時検討される。有機半導体層14がこうした電荷輸送速度を有することにより、例えば、有機薄膜トランジスタの駆動電圧の低減に寄与したり、応答速度の向上に寄与できるという利点がある。
【0086】
なお、有機半導体材料を形成する被形成面がゲート絶縁層または基板である場合には、そのゲート絶縁層または基板をラビング処理することにより、配向処理膜と、ゲート絶縁層または基板とを一体のものとすることができる。
【0087】
(6)層間絶縁層
有機半導体装置101には、層間絶縁層を設けることが望ましい。層間絶縁層は、ゲート絶縁層13上にドレイン電極15およびソース電極16を形成する際に、ゲート電極12の表面の汚染を防ぐことを目的として形成される。したがって、層間絶縁層は、ドレイン電極15およびソース電極16を形成する前にゲート絶縁層13の上に形成される。そして、ソース電極15およびドレイン電極16が形成された後においては、チャネル領域上方に位置する部分を完全に除去または一部を除去するように加工される。除去される層間絶縁層領域は、ゲート電極12のサイズと同等であることが望ましい。
【0088】
層間絶縁層を構成する材料としては、SiO、SiNx、Al等の無機材料や、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、シアノエチルプルラン、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド等の有機材料が挙げられる。
【0089】
(7)有機半導体装置
本発明の有機半導体装置においては、その構成として、
(i)基板/ゲート電極/ゲート絶縁層(液晶配向層を兼ねる。)/ソース・ドレイン電極/液晶性有機半導体層(/保護層)、
(ii)基板/ゲート電極/ゲート絶縁層/ソース・ドレイン電極/液晶配向層/液晶性有機半導体層(/保護層)、
(iii)基板/ゲート電極/ゲート絶縁層(液晶配向層を兼ねる)/液晶性有機半導体層/ソース・ドレイン電極/(保護層)、
(iv)基板/ゲート電極/ゲート絶縁層(液晶配向層を兼ねる)/液晶性有機半導体層/ソース・ドレイン電極がパタニングされた基板(保護層を兼ねる)、
(v)基板/ソース・ドレイン電極/液晶性有機半導体層/ゲート絶縁層(液晶配向層を兼ねる)/ゲート電極/基板(保護層を兼ねる)、
(vi)基板(配向層を兼ねる)/ソース・ドレイン電極/液晶性有機半導体層/ゲート絶縁層/ゲート電極/基板(保護層を兼ねる)、または、
(vii)基板/ゲート電極/ゲート絶縁層/ソース・ドレイン電極/液晶性有機半導体層/基板(配向層を兼ねる)、
とすることもできる。
【0090】
こうした有機半導体装置においては、本発明の有機半導体材料を用いることによって、塗布方式で有機半導体層を形成することが容易にできるものである。
【0091】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明についてさらに詳しく説明する。
【0092】
1.側鎖型高分子化合物
(1)側鎖型ホモポリマーの合成
下記スキームに示すように、まずオクタンジオールを片側モノトシル化した後、ブロモナフトールと反応させて、水酸基を持つアリールハライド(式40)を生成し、これを鈴木カップリング反応法を用いて、アリール硼酸と反応させ化合物(式41)を得た。
【0093】
次に、塩基性条件下アクリル酸クロライドとの反応を経てビニルモノマー(式42)を生成した後、開始剤としてモノマーに対し3mol%のAIBNを添加し、ラジカル重合を行い目的のホモポリマー1(式35)を得た。
【化40】
Figure 2004006754
【0094】
(2)側鎖型コポリマーの合成
まず、オクタンジオールを片側モノトシル化した後、ブロモナフトールと反応させて、水酸基を持つアリールハライド(式40)を生成し、これを鈴木カップリング反応法を用いて、アリール硼酸と反応させ化合物(式41)を得た。次に、塩基性条件下アクリル酸クロライドとの反応を経てビニルモノマー(式42)を生成した後、アクリル酸エステルと混合し、開始剤として上記化学式42のビニルモノマーに対し1mol%のAIBNを添加し、ラジカル重合を行い目的のコポリマー2(式37)を得た。
【化41】
Figure 2004006754
【0095】
(3)偏光顕微鏡観察
液晶相特有のテクスチャーについては、液晶を注入したセルを偏光顕微鏡により観察した。合成されたホモポリマー1(式35)の有機半導体材料は、偏光顕微鏡下の観察では数十μmオーダーのドメインが観察され、SmA相を示していることが確認された。また、この有機半導体材料を、SmA相の温度領域から冷却することにより、室温付近(25℃)にてSmA相をある程度維持した液晶ガラス状態のテクスチャーが観察された。このとき、急冷、徐冷によるテクスチャーの差は見られなかった。
【0096】
(4)DSC測定(示差走査熱量測定)
DSC測定の結果、ホモポリマーが、SmA相を示す温度範囲は110〜165℃であった。
【0097】
(5)過渡光電流測定(TOF法)
本実施例では、波長337nmのNパルスレーザー201により試料301を励起する方法を用いた。図2は、一般に採用されているTOF法の概略図である。この過渡光電流測定の結果、ホモポリマー1において、SmA相(140℃)でのホ−ル移動度は2.0×10−4cm/V・sであった。なお、ガラス状態では、スメクティック相類似の構造をもっていると推定されるが、移動度の測定はできなかった。
【0098】
2.主鎖型高分子化合物
(1)主鎖型高分子の合成
下記スキームに示すように、両側に水酸基がついたターフェニルと、両側末端に臭素がついたアルカンから、ウィリアムソンエステル化反応法を用いて目的のホモポリマー(化学式38)を得た。
【化42】
Figure 2004006754
【0099】
また、下記スキームに示すように、両側に水酸基がついたビフェニルと、両側末端に臭素がついたエーテル鎖から、ウィリアムソンエステル化反応法を用いて目的のホモポリマー(化学式39)を得た。
【化43】
Figure 2004006754
【0100】
(2)偏光顕微鏡観察
液晶相特有のテクスチャーについては、液晶を注入したセルを偏光顕微鏡により観察した。得られた化学式38の高分子材料は、150〜180℃付近でネマクティック相を示すことが偏光顕微鏡下の配向テクスチャー観察により確認された。室温までの冷却速度に応じて、微結晶状態、液晶ガラス状態の差異が認められた。
【0101】
得られた化学式39の高分子材料は、195〜210℃付近でスメクティック相を示すことが偏光顕微鏡下の配向テクスチャー観察により確認された。室温までの冷却速度に応じて、微結晶状態、液晶ガラス状態の差異が認められた。
【0102】
(3)DSC測定(示差走査熱量測定)
DSC測定の結果、化学式38の高分子がネマクティック(N)相を示す温度範囲は149.9〜178.4℃であった。また、化学式39の高分子がスメクティック相を示す温度範囲は193〜209℃だった。
【0103】
(4)過渡光電流測定(TOF法)
急冷によって得られた化学式38の高分子を30℃になるまで急冷することによって液晶ガラス状態にし、ホール移動度を測定したところ、5×10−6cm/Vsであった。徐冷によって得られた微結晶状態では光電流信号が微弱につき電荷移動度の見積もりは不可能だった。
【0104】
また、急冷によって得られた化学式39のスメクティック相を呈する高分子においては10−4〜10−3cm/Vsの移動度が確認されたが、徐冷によって得られた結晶相における電荷輸送は観測されなかった。
【0105】
3.低分子化合物
下記化学式43の化合物は、54℃以下で結晶状態となる。この化合物のスメクティック相は、55〜128℃の範囲で観測され、1.0×10−4cm/V・s〜1.0×10−2cm/V・sの範囲の電荷移動度が観察された。なお、多結晶相では、結晶粒界に存在するトラップ準位に電荷がトラップされて、明確な移動度は測定できなかった。
【化44】
Figure 2004006754
【0106】
下記化学式44の化合物は、過冷却相にてネマクティック相を示し、128℃以下で結晶相を示し、スメクティック相は示さなかった。等方相およびネマクティック相における電荷移動度は10−5cm2/Vsオーダーであり、結晶相の電荷輸送は観測不能であった。
【化45】
Figure 2004006754
【0107】
下記化学式45の化合物は、70℃以下で結晶相を示し、150℃で等方相に転移した。中間温度領域ではスメクティック相を示し、その相においては5×10−4〜7×10−3cm/Vsの電荷移動度を示した。
【化46】
Figure 2004006754
【0108】
下記化学式46の化合物は、57℃以下で結晶相を示し、86℃で等方相に転移した。中間温度領域ではスメクティック相を示し、その相においては〜10−3cm/Vsオーダーの電荷移動度を示した。
【化47】
Figure 2004006754
【0109】
下記化学式47の化合物は、液晶相を示さず、融点が66.5℃であった。電荷輸送能は観測不能であった。
【化48】
Figure 2004006754
【0110】
3.有機半導体材料(高分子/低分子ブレンド)
(1A)側鎖型高分子/低分子ブレンド(骨格構造が同じで、高分子/低分子のいずれもがスメクティック相を有する場合)
上記のスメクティック相を呈する式35の側鎖型高分子と、スメクティック相を有する式43の低分子とを、重量比5:1で混合し、ジククロロメタンに溶解させた。上記式42のアクリル酸モノマー(有機半導体材料)の分子量Mwは542であり、上記式43の低分子の分子量Mwは500であることから、モル比としては4.5:1の割合で混合した。
【0111】
次いで、40℃でジククロロメタンを蒸発させた後、同じく40℃で真空乾燥を行い、16.7重量%の低分子を含む側鎖型高分子/低分子ブレンド材料1を得た。
【0112】
(2A)側鎖型高分子/低分子(骨格構造が同じで、高分子のみスメクティック液晶性を有する場合)
スメクティック相を呈する上記式35の側鎖型高分子と、スメクティック相を呈さない上記式44の低分子とを、重量比5:1で混合し、ジククロロメタンに溶解させた。
【0113】
次いで、40℃でジククロロメタンを蒸発させた後、同じく40℃で真空乾燥を行い、16.7重量%の低分子を含む側鎖型高分子/低分子ブレンド材料2を得た。
【0114】
(3A)側鎖型高分子/低分子(骨格構造が同じで、低分子のみスメクティック液晶性を有する場合)
上記式37に示す側鎖型コポリマーと、式43に示す液晶性低分子とを、重量比5:1で混合し、ジククロロメタンに溶解させた。
【0115】
次いで、40℃でジククロロメタンを蒸発させた後、40℃で真空乾燥を行い、16.7重量%の低分子を含む側鎖型高分子/低分子ブレンド材料3を得た。
【0116】
(4A)偏光顕微鏡観察
得られたブレンド材料1〜3は、何れも、添加した低分子の液晶性の有無に関わらず、上記高分子単独(低分子をブレンドしないもの)の偏光顕微鏡観察により観測された結晶相よりも大きなドメイン(数十〜数百μmオーダー)が数多く観察された。これらブレンド材料1〜3は何れもドメインが大きいため、液晶相も確認しやすくSmA相、SmB相を示していることが確認された。また、冷却開始時の温度や冷却速度の違いによるテクスチャーの相違も観察された。得られたブレンド材料を鉄板上に放置し、SmA相、SmB相を呈する温度帯域から室温付近まで急冷処理すると、それぞれの相を反映したテクスチャーが観測された。なお、冷却速度は50℃/分以上で行った。冷却速度が20℃/分以下であるとSmE相類似のテクスチャーが観測された。
【0117】
(5A)定常光電流測定(20℃)
図3は、定常光電流測定装置の概略図である。温度調節器801に制御されたホットステージ上に試料を固定し、電圧の印加および電流の測定にはソース測定ユニット901(ケースレー、K237)を用い、照射光源として500WのXeランプを用い、オンオフは電磁シャッターで行った。この装置により、光電流の有無、暗電流と直流電圧印加時の電流応答を測定した。冷却速度50℃/分以上と、冷却速度0.1℃/分の試料の測定結果を比較しても、波形、強度ともに冷却速度による顕著な違いは見られなかった。
【0118】
(6A)過渡光電流測定(高温液晶状態)
得られたブレンド材料1〜3のSmA相、SmB相での過渡光電流から、ホ−ル移動度は、それぞれ2.0×10−4cm/V・s〜1.0×10−2cm/V・s程度であった。この値は高分子単独(低分子をブレンドしないもの)で測定した時の1/2から1/3程度の値であった。
【0119】
(7A)過渡光電流測定(急速冷却条件)
ブレンド材料1〜3を冷却速度50℃/分以上にて140℃から30℃まで冷却することにより液晶ガラス状態サンブルを作製した。これらサンプルの室温付近での電荷移動度は1.0×10−3cm/V・s程度であり、SmB相状態での電荷移動度と同程度であった。
【0120】
(8A)過渡光電流測定(徐冷条件)
ブレンド材料1〜3を冷却速度1℃/分で、140℃から30℃まで冷却することにより結晶状態サンプルを作製した。これらサンプルの電荷移動度は4.0×16−4cm/V・sであった。
【0121】
なお、上記有機半導体材料(高分子/低分子ブレンド材料)を配向膜に接触させた状態で、液晶相から徐々に冷却することにより、おおきなドメインを持つ結晶構造、あるいはSmE相類似の構造をもつ試料を作製した。ドメインが大きくなったことにより電荷移動度は1.0×10−3cm/V・sとなった。
【0122】
(1B)主鎖型高分子/低分子ブレンド(骨格構造が同じ場合))
上記のスメクティック相を呈する式39の主鎖型高分子と、スメクティック相を有する上記式46の低分子とを、重量比5:1で混合し、熱トルエンに溶解させた。
【0123】
次いで、110℃でトルエンを蒸発させた後、80℃で真空乾燥を行い、16.7重量%の低分子を含む主鎖型高分子/低分子ブレンド材料4を得た。
【0124】
(2B)主鎖型高分子/低分子(骨格構造が同じで、高分子のみスメクティック液晶性を有する場合)
スメクティック相を呈する上記式39の主鎖型高分子と、スメクティック相を呈さない上記式47の低分子とを、重量比5:1で混合し、熱トルエンに溶解させた。
【0125】
次いで、110℃でトルエンを蒸発させた後、80℃で真空乾燥を行い、16.7重量%の低分子を含む主鎖型高分子/低分子ブレンド材料5を得た。
【0126】
(3B)主鎖型高分子/低分子(高分子がスメクティック相を示さない場合)上記式38の主鎖型高分子と、上記式45の液晶性低分子とを、重量比5:1で混合し熱トルエンに溶解させた。
【0127】
次いで、110℃でトルエンを蒸発させた後、80℃で真空乾燥を行い、16.7重量%の低分子を含む主鎖型高分子/低分子ブレンド材料6を得た。
【0128】
(4B)偏光顕微鏡観察
本実施例の主鎖型高分子/低分子ブレンド材料4〜6は、高分子単体ではスメクティック相を示さなかったものにおいても、何れもスメクティック相を示していることが確認された。
【0129】
(5B)定常光電流測定
上記と同様にして、光電流の有無、暗電流と直流電圧印加時の電流応答を測定した。冷却速度50℃/分以上と、冷却速度0.1℃/分の試料の測定結果を比較しても、波形、強度ともに冷却速度による顕著な違いは見られなかった。
【0130】
(6B)過渡光電流測定(高温液晶状態)
液晶高分子混合物の二つのスメクティック相での過渡光電流から、2.0×10−4cm/V・s〜3.0×10−3cm/V・s程度の正孔移動度を得た。この値は高分子単独(低分子をブレンドしないもの)で測定した時の1/2から1/3程度の値であった。
【0131】
(7B)過渡光電流測定(急速冷却条件)
ブレンド材料4〜6を冷却速度50℃/分以上にて150℃から30℃まで冷却し、作製した液晶ガラス状態サンブルの室温付近での測定から移動度は3.0×10−3cm/V・s程度であり、スメクティック相状態での電荷移動度と同程度であった。
【0132】
(8B)過渡光電流測定(徐冷条件)
冷却速度1℃/分で、150℃から30℃まで冷却した試料の電荷移動度は5.0×10−6cm/V・sであった。
【0133】
なお、上述の有機半導体材料(混合物)を配向膜に接触させた状態で、液晶相から徐々に冷却することにより、おおきなドメイン構造を持つ結晶状態あるいは高次Sm相類似の構造をもつ試料を作製した。ドメインが大きくなったことにより電荷移動度は3.0×10−3cm/V・sとなった。
【0134】
(1C)側鎖型高分子/低分子ブレンド(骨格構造が、高分子と低分子とで異なり、高分子/低分子いずれもスメクティック相を有する場合)
上記のスメクティック相を呈する式35の側鎖型高分子と、スメクティック相を有する上記式46の低分子とを、重量比5:1で混合し、熱トルエンに溶解させた。
【0135】
次いで、110℃でトルエンを蒸発させた後、80℃で真空乾燥を行い、16.7重量%の低分子を含む側鎖型高分子/低分子ブレンド材料7を得た。
【0136】
(2C)側鎖型高分子/低分子(骨格構造が、高分子と低分子とで異なり、高分子のみスメクティック液晶性を有する場合)
スメクティック相を呈する上記式35の側鎖型高分子と、スメクティック相を呈さない上記式47の低分子とを、重量比5:1で混合し、熱トルエンに溶解させた。
【0137】
次いで、40℃でジククロロメタンを蒸発させた後、同じく40℃で真空乾燥を行い、16.7重量%の低分子を含む側鎖型高分子/低分子ブレンド材料8を得た。
【0138】
(3C)側鎖型高分子/低分子(骨格構造が、高分子と低分子とで異なり、低分子のみスメクティック液晶性を有する場合)
上記式37の側鎖型コポリマーと、上記式46に示す液晶性低分子とを、重量比5:1で混合し、ジクロロメタンに溶解させた。
【0139】
次いで、40℃でジククロロメタンを蒸発させた後、同じく40℃で真空乾燥を行い、16.7重量%の低分子を含む側鎖型高分子/低分子ブレンド材料9を得た。
【0140】
(4C)偏光顕微鏡観察
得られたブレンド材料7〜9は、いずれも、添加した低分子の液晶性の有無に関わらず、上記高分子単独(低分子をブレンドしないもの)の偏光顕微鏡観察により観測された結晶相よりも大きなドメイン(数十〜数百μmオーダー)が数多く観察された。これらブレンド材料7〜9はいずれもドメインが大きいため、液晶相も確認しやすくスメクティック相を示していることが確認された。また、冷却開始時の温度や冷却速度の違いによるテクスチャーの相違も観察された。
【0141】
得られたブレンド材料を鉄板上に放置し、スメクティック相を呈する温度帯域から室温付近まで急冷処理すると、それぞれの相を反映したテクスチャーが観測された。なお、冷却速度は50℃/分以上で行った。冷却速度が20℃/分以下であると高次スメクティック相類似のテクスチャーが観測された。
【0142】
(5C)定常光電流測定(20℃)
上記と同様にして、光電流の有無、暗電流と直流電圧印加時の電流応答を測定した。冷却速度50℃/分以上と、冷却速度0.1℃/分の試料の測定結果を比較しても、波形、強度ともに冷却速度による顕著な違いは見られなかった。
【0143】
(6C)過渡光電流測定(高温液晶状態)
得られたブレンド材料7〜9のスメクティック相での過渡光電流から、ホ−ル移動度は、それぞれ2.0×10−4cm/V・s〜1.0×10−2cm/V・s程度であった。この値は高分子単独(低分子をブレンドしないもの)で測定した時の1/2から1/3程度の値であった。
【0144】
(7C)過渡光電流測定(急速冷却条件)
ブレンド材料7〜9を冷却速度50℃/分以上にて140℃から30℃まで冷却することにより液晶ガラス状態サンブルを作製した。これらサンプルの室温付近での電荷移動度は1.0×10−3cm/V・s程度であり、SmB相状態での電荷移動度と同程度であった。
【0145】
(8C)過渡光電流測定(徐冷条件)
ブレンド材料7〜9を冷却速度1℃/分で、140℃から30℃まで冷却することにより結晶状態サンプルを作製した。これらサンプルの電荷移動度は4.0×16−4cm/V・sであった。
【0146】
なお、上記有機半導体材料(高分子/低分子ブレンド材料)を配向膜に接触させた状態で、液晶相から徐々に冷却することにより、おおきなドメインを持つ結晶構造、あるいは高次スメクティック相類似の構造をもつ試料を作製した。ドメインが大きくなったことにより電荷移動度は1.0×10−3cm/V・sとなった。
【0147】
(1D)主鎖型高分子/低分子ブレンド(骨格構造が、高分子と低分子とで異なる場合)
上記のスメクティック相を呈する式39の主鎖型高分子と、スメクティック相を有する上記式43の低分子とを、重量比5:1で混合し、熱トルエンに溶解させた。
【0148】
次いで、110℃でトルエンを蒸発させた後、80℃で真空乾燥を行い、16.7重量%の低分子を含む主鎖型高分子/低分子ブレンド材料10を得た。
【0149】
(2D)主鎖型高分子/低分子(骨格構造が、高分子と低分子とで異なり、高分子のみスメクティック液晶性を有する場合)
スメクティック相を呈する上記式39の主鎖型高分子と、スメクティック相を呈さない上記式44の低分子とを、重量比5:1で混合し、熱トルエンに溶解させた。
【0150】
次いで、110℃でトルエンを蒸発させた後、80℃で真空乾燥を行い、16.7重量%の低分子を含む主鎖型高分子/低分子ブレンド材料11を得た。
【0151】
(3D)主鎖型高分子/低分子(骨格構造が、高分子と低分子とで異なり、高分子がスメクティック相を示さない場合)
上記式38の主鎖型高分子と、上記式43の液晶性低分子とを、重量比5:1で混合し熱トルエンに溶解させた。
【0152】
次いで、110℃でトルエンを蒸発させた後、80℃で真空乾燥を行い、16.7重量%の低分子を含む主鎖型高分子/低分子ブレンド材料12を得た。
【0153】
(4D)偏光顕微鏡観察
本実施例の主鎖型高分子/低分子ブレンド材料10〜12は、高分子単体ではスメクティック相を示さなかったものにおいても、何れもスメクティック相を示していることが確認された。
【0154】
(5D)定常光電流測定
上記と同様にして、光電流の有無、暗電流と直流電圧印加時の電流応答を測定した。冷却速度50℃/分以上と、冷却速度0.1℃/分の試料の測定結果を比較しても、波形、強度ともに冷却速度による顕著な違いは見られなかった。
【0155】
(6D)過渡光電流測定(高温液晶状態)
液晶高分子混合物の二つのスメクティック相での過渡光電流から、2.0×10−4cm/V・s〜3.0×10−3cm/V・s程度の正孔移動度を得た。この値は高分子単独(低分子をブレンドしないもの)で測定した時の1/2から1/3程度の値であった。
【0156】
(7D)過渡光電流測定(急速冷却条件)
ブレンド材料10〜12を冷却速度50℃/分以上にて150℃から30℃まで冷却し、作成した液晶ガラス状態サンブルの室温付近での測定から移動度は3.0×10−3cm/V・s程度であり、スメクティック相状態での電荷移動度と同程度であった。
【0157】
(8D)過渡光電流測定(徐冷条件)
ブレンド材料10〜12を冷却速度1℃/分で、150℃から30℃まで冷却した試料の電荷移動度は5.0×10−6cm/V・sであった。
【0158】
なお、上述の有機半導体材料(混合物)を配向膜に接触させた状態で、液晶相から徐々に冷却することにより、おおきなドメイン構造を持つ結晶状態あるいは高次Sm相類似の構造をもつ試料を作製した。ドメインが大きくなったことにより電荷移動度は3.0×10−3cm/V・sとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機半導体装置の一例を示す断面図である。
【図2】過渡光電流測定(TOF法)の概略図である。
【図3】定常光電流測定装置の概略図である。
【符合の説明】
101 有機半導体装置
11 基板
12 ゲート電極
13 ゲート絶縁層
14 高分子有機半導体層
15 ドレイン電極
16 ソ−ス電極
201 Nパルスレーザー
301 試料
401 デジタルオシロスコープ
601 光学フィルター
801 温度調節器
901 電圧印加/電流測定ユニット

Claims (18)

  1. 高分子化合物と低分子化合物とを含んでなる有機半導体材料であって、前記高分子化合物が、L個の6π電子系環、M個の8π電子系環、N個の10π電子系環、O個の12π電子系環、P個の14π電子系環、Q個の16π電子系環、R個の18π電子系環、S個の20π電子系環、T個の22π電子系環、U個の24π電子系環、および、V個の26π電子系環(ただしL、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、Vはそれぞれ0〜6の整数を表し、L+M+N+O+P+Q+R+S+T+U+V=1〜6とする。)からなる群より選択されるπ電子環からなる骨格構造を側鎖の一部に有し、前記低分子化合物が、前記のπ電子環群から選択されるπ電子系環からなる骨格構造を有し、両末端の少なくとも一方に液晶性を発現するターミナルグループを有する、ことを特徴とする、有機半導体材料。
  2. 前記高分子化合物の側鎖の骨格と、前記低分子化合物の骨格とが、同じπ電子環からなる、請求項1に記載の有機半導体材料。
  3. 高分子化合物と低分子化合物とを含んでなる有機半導体材料であって、前記高分子化合物が、L個の6π電子系環、M個の8π電子系環、N個の10π電子系環、O個の12π電子系環、P個の14π電子系環、Q個の16π電子系環、R個の18π電子系環、S個の20π電子系環、T個の22π電子系環、U個の24π電子系環、および、V個の26π電子系環(ただしL、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、Vはそれぞれ0〜6の整数を表し、L+M+N+O+P+Q+R+S+T+U+V=1〜6とする。)からなる群より選択されるπ電子環からなる骨格構造を主鎖の一部に有し、前記低分子化合物が、前記のπ電子環群から選択されるπ電子系環からなる骨格構造を有し、両末端の少なくとも一方に液晶性を発現するターミナルグループを有する、ことを特徴とする、有機半導体材料。
  4. 前記高分子化合物の主鎖の骨格と、前記低分子化合物の骨格とが、同じπ電子系環からなる、請求項3に記載の有機半導体材料。
  5. 熱分解温度以下の温度において少なくとも一種類のスメクティック液晶相状態を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の、有機半導体材料。
  6. 前記低分子化合物が、熱分解温度以下の温度において少なくとも一種類のスメクティック液晶相状態を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の、有機半導体材料。
  7. 前記高分子化合物が、熱分解温度以下の温度において少なくとも一種類のスメクティック液晶相状態を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の、有機半導体材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体材料からなる有機半導体層を有する有機半導体構造物であって、前記有機半導体材料がスメクティック液晶相を呈する温度に、前記有機半導体層を保持した後、該温度から急冷することにより、前記有機半導体層が液晶ガラス状態を有してなる、有機半導体構造物。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体材料からなる有機半導体層を有する有機半導体構造物あって、前記有機半導体材料がスメクティック液晶相を呈する温度に、前記有機半導体層を保持した後、該温度から徐冷することにより、前記有機半導体層の少なくとも一部が結晶状態を有してなる、有機半導体構造物。
  10. 前記有機半導体層が、液晶配向層と接触する状態で形成されてなる、請求項8または9に記載の有機半導体構造物。
  11. 前記液晶配向層が、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、シアノエチルプルラン、ポリメチルメタクリレート、ポリサルフォン、ポリカーボネート、および、ポリイミドからなる群より選択される材料からなり、該液晶配向層との接触により、前記有機半導体材料が特定方向に異方性配向してなる、請求項10に記載の有機半導体構造物。
  12. 前記液晶配向層が、微小凹凸を表面に有する硬化性樹脂からなり、該液晶配向層との接触により、前記有機半導体材料が特定方向に異方性配向してなる、請求項10に記載の有機半導体構造物。
  13. 前記液晶配向層が、基材と微小凹凸を表面に有する硬化性樹脂とからなり、該液晶配向層との接触により、前記有機半導体材料が特定方向に異方性配向してなる、請求項10に記載の有機半導体構造物。
  14. 前記有機半導体材料が、前記骨格構造の電子軌道の重なり方向と、電荷輸送方向とが一致する方向に、異方性配向してなる、請求項11〜13のいずれか1項に記載の有機半導体構造物。
  15. 前記有機半導体層が、電子移動度10−5cm/V・s以上、または、正孔輸送移動度10−5cm/V・s以上を有する、請求項8〜14のいずれか1項に記載の有機半導体構造物。
  16. 基板、ゲート電極、ゲート絶縁層、有機半導体層、ドレイン電極、およびソース電極を含んでなる有機半導体装置であって、前記有機半導体層が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体材料からなる、有機半導体装置。
  17. 前記有機半導体層が、電子移動度10−5cm/V・s以上、または、正孔輸送移動度10−5cm/V・s以上を有する、請求項16に記載の有機半導体装置。
  18. 請求項8〜15のいずれか1項に記載する有機半導体構造物の、有機トランジスタ、有機EL、有機電子デバイス、または有機太陽電池としての使用。
JP2003085930A 2002-03-26 2003-03-26 有機半導体材料、有機半導体構造物、および、有機半導体装置 Expired - Fee Related JP4343566B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003085930A JP4343566B2 (ja) 2002-03-26 2003-03-26 有機半導体材料、有機半導体構造物、および、有機半導体装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002085593 2002-03-26
JP2003085930A JP4343566B2 (ja) 2002-03-26 2003-03-26 有機半導体材料、有機半導体構造物、および、有機半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004006754A true JP2004006754A (ja) 2004-01-08
JP4343566B2 JP4343566B2 (ja) 2009-10-14

Family

ID=30445991

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003085930A Expired - Fee Related JP4343566B2 (ja) 2002-03-26 2003-03-26 有機半導体材料、有機半導体構造物、および、有機半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4343566B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005082569A (ja) * 2003-09-11 2005-03-31 Honshu Chem Ind Co Ltd 新規な4,4”−ジアルコキシ−p−ターフェニル類
JP2005223049A (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Ricoh Co Ltd 半導体装置、半導体装置の製造方法、および表示装置
JP2005223048A (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Ricoh Co Ltd 半導体装置、半導体装置の製造方法、および表示装置
JP2005294603A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Dainippon Printing Co Ltd 有機半導体構造物、その製造方法及び有機半導体装置
JP2005294586A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Dainippon Printing Co Ltd 有機半導体材料、有機半導体構造物及び有機半導体装置
JP2006156983A (ja) * 2004-10-29 2006-06-15 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置とその作製方法
JP2007123717A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Kyushu Univ 有機半導体材料及びこれを用いた有機半導体素子
JP2008506986A (ja) * 2004-07-13 2008-03-06 スティッチング ダッチ ポリマー インスティテュート 接触印刷を用いたメソゲンのマイクロ構造化
WO2009148142A1 (ja) * 2008-06-06 2009-12-10 旭硝子株式会社 液晶性化合物、重合性液晶性組成物、光学異方性材料、光学素子および光情報記録再生装置
WO2011046011A1 (ja) * 2009-10-14 2011-04-21 コニカミノルタホールディングス株式会社 バリア性透明導電フィルムとその製造方法、及び該バリア性透明導電フィルムを用いた有機el素子及び有機太陽電池
US8026510B2 (en) 2004-10-20 2011-09-27 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Organic electronic device and method for producing the same
US9178165B2 (en) 2010-07-13 2015-11-03 Sumitomo Chemical Company, Limited Organic semiconductor composition, organic thin film, and organic thin film transistor having same
US10158088B2 (en) 2015-03-11 2018-12-18 Fujifilm Corporation Organic semiconductor liquid composition, organic semiconductor element, and method for preparing organic semiconductor element

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005082569A (ja) * 2003-09-11 2005-03-31 Honshu Chem Ind Co Ltd 新規な4,4”−ジアルコキシ−p−ターフェニル類
JP2005223049A (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Ricoh Co Ltd 半導体装置、半導体装置の製造方法、および表示装置
JP2005223048A (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Ricoh Co Ltd 半導体装置、半導体装置の製造方法、および表示装置
JP2005294603A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Dainippon Printing Co Ltd 有機半導体構造物、その製造方法及び有機半導体装置
JP2005294586A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Dainippon Printing Co Ltd 有機半導体材料、有機半導体構造物及び有機半導体装置
JP2008506986A (ja) * 2004-07-13 2008-03-06 スティッチング ダッチ ポリマー インスティテュート 接触印刷を用いたメソゲンのマイクロ構造化
US8026510B2 (en) 2004-10-20 2011-09-27 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Organic electronic device and method for producing the same
JP2006156983A (ja) * 2004-10-29 2006-06-15 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置とその作製方法
JP2007123717A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Kyushu Univ 有機半導体材料及びこれを用いた有機半導体素子
WO2009148142A1 (ja) * 2008-06-06 2009-12-10 旭硝子株式会社 液晶性化合物、重合性液晶性組成物、光学異方性材料、光学素子および光情報記録再生装置
US8092711B2 (en) 2008-06-06 2012-01-10 Asahi Glass Company, Limited Liquid crystal compound, polymerizable liquid crystal composition, optically anisotropic material, optical element and optical information writing/reading device
JP5413365B2 (ja) * 2008-06-06 2014-02-12 旭硝子株式会社 液晶性化合物、重合性液晶性組成物、光学異方性材料、光学素子および光情報記録再生装置
WO2011046011A1 (ja) * 2009-10-14 2011-04-21 コニカミノルタホールディングス株式会社 バリア性透明導電フィルムとその製造方法、及び該バリア性透明導電フィルムを用いた有機el素子及び有機太陽電池
JP5673547B2 (ja) * 2009-10-14 2015-02-18 コニカミノルタ株式会社 バリア性透明導電フィルムの製造方法、及び該バリア性透明導電フィルムを用いた有機el素子及び有機太陽電池
US9178165B2 (en) 2010-07-13 2015-11-03 Sumitomo Chemical Company, Limited Organic semiconductor composition, organic thin film, and organic thin film transistor having same
US10158088B2 (en) 2015-03-11 2018-12-18 Fujifilm Corporation Organic semiconductor liquid composition, organic semiconductor element, and method for preparing organic semiconductor element

Also Published As

Publication number Publication date
JP4343566B2 (ja) 2009-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101003624B1 (ko) 유기반도체 재료, 유기반도체 구조물 및, 유기반도체 장치
JP4857519B2 (ja) 有機半導体構造物、その製造方法、および有機半導体装置
US7470561B2 (en) Organic semiconductor material, organic semiconductor structure, and organic semiconductor device
US7256064B2 (en) Organic semiconductor device
JP4343566B2 (ja) 有機半導体材料、有機半導体構造物、および、有機半導体装置
JP2008239987A (ja) デンドリマーおよびこれを用いた有機半導体
US7709830B2 (en) Organic semiconductor structure, manufacturing method of the same, and organic semiconductor device
Chen et al. Transforming polymorphs via meniscus-assisted solution-shearing conjugated polymers for organic field-effect transistors
Funahashi High open-circuit voltage under the bulk photovoltaic effect for the chiral smectic crystal phase of a double chiral ferroelectric liquid crystal doped with a fullerene derivative
Liu et al. Lamellar organic light-emitting crystals exhibiting spectral gain and 3.6% external quantum efficiency in transistors
Mori et al. Bulk photovoltaic effect in organic binary systems consisting of a ferroelectric liquid crystalline semiconductor and fullerene derivatives
Canli et al. Bilayer polymer/fullerene solar cells with a liquid crystal
US20070128763A1 (en) Method for forming an organic semiconductor layer, organic semiconductor structure and organic semiconductor apparatus
JP2004235277A (ja) 有機半導体素子、有機半導体装置、有機エレクトロルミネッセンス素子および有機エレクトロルミネッセンス装置
JP2005072200A (ja) 電界効果型有機トランジスタ
JP2004260119A (ja) 有機半導体材料
Xiao Engineering, Synthesis and Characterization of New-π Conjugated (Macro) molecular Architectures for Organic Optoelectronics: application toward ambipolar materials
Su Engineering, synthesis, and characterization of new multi-lamellar liquid crystalline molecular architectures based on discotic and calamitic π-conjugated mesogens
JP2003283005A (ja) 有機半導体、それを用いた発光素子および受光素子
Wei Searching for Relationships between Liquid Crystalline [1] benzothieno [3, 2-b][1] benzothiophene Structure and Phases, and Semiconductor Properties
Benning et al. Optoelectronic and photonic properties of liquid crystals: electroluminescence and photorefractivity
Pattison Self-assembled organic semiconductors: Morphological and transistor property relationships

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090703

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090709

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130717

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees