JP2004005115A - 顧客管理支援システム - Google Patents

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Abstract

【課題】携帯電話に表示された顧客番号を認識し、顧客の認証の可能な顧客管理支援システムを提供することを課題とする。
【解決手段】顧客管理支援システム1は、番号定義データを記憶する店舗側記憶手段、撮像イメージを強調補正する強調補正手段、撮像イメージから顧客番号を認識する番号認識手段、番号情報NIとして管理サーバ2に送信する番号情報送信手段、対応する個人データPDを受信し、表示する個人データ受信手段及び個人データ表示手段とを有するデジタルカメラ及びPOSレジからなる店舗側端末3と、顧客番号を設定する登録手段及び登録通知手段、番号情報NIに基づいて個人データPDを抽出し、送信する個人データ送信手段、蓄積した購買データBDから分析情報AIを作成し提供する分析手段及び分析情報提供手段を備える管理サーバ2と、顧客番号が表示された顧客Cの携帯電話4とを具備する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顧客管理支援システムに関するものであり、特に、登録された店舗に来店した顧客を予め設定した顧客番号によって認証し、該顧客に係る個人データ及び購買データを蓄積し、管理する顧客管理支援システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、店舗に来店した顧客を認証するためのシステムまたは方法としては、例えば、顧客が所有する携帯電話の裏面に、バーコードを印刷したシールを貼らせるようにしたものが提案されている。上述のシステムは、顧客に関するデータベースを管理する管理サーバに、通信ネットワークを介して接続された店舗側端末を備え、さらにバーコードの情報を読取るためのバーコードリーダ及び読取った情報を管理サーバに送信するための送信機能とを有するものが知られている。上述の管理サーバでは、送信された情報(認証情報)と顧客管理用のデータベースとを照合することによる認証手段が設けられており、認証結果を店舗側端末に返信することが行われている。これにより、店舗側端末で顧客の認証をすることが可能となる。
【0003】
上述したシステムによれば、予め登録した特定多数の店舗に来店した顧客を、通信ネットワークを通じて簡易に認証することが可能となる。特に、携帯電話の裏面に貼付されたバーコードの印刷されたシールによって顧客本人の特定が可能となるため、取扱いや携帯性を損なうことがなく、紛失のおそれも低くすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したシステムでは、次のような問題が生じることがあった。すなわち、携帯電話の裏面に貼られたシールを媒体として顧客本人を認証するために、システムを運営する管理会社では、管理サーバの顧客情報に関するデータベースに、顧客の氏名及びメールアドレスなどの顧客の特定が可能な個人データを予め入力し、登録する必要があるとともに、個々の顧客に応じた互いに異なるバーコードを印刷したシールを作成し、個々の顧客に郵送などにより送付する必要があった。そのため、シールの作成に係る費用や郵送料などのコストが嵩むことがあり、管理会社や登録店舗の経済的負担が大きくなることがあった。
【0005】
ところで、近年の携帯電話の機能における進展は著しく、また安価に取得可能であるため、新機種の携帯電話に比較的短期間で買替えをする人も多い。この場合、上記のような携帯電話の裏面にシールを貼付する方法は、買替えの度にシールを貼り替えるか、或いは新しいシールを貼る必要があった。したがって、シールを貼り替える場合には、古い携帯電話からシールを剥がし、新しい携帯電話に貼らなければならないため、シールが破損したり、貼着性が悪くなり容易に捲れたりする恐れがあった。なお、譬えうまく貼り替えることができても、手垢等で汚れたシールを新品の携帯電話に貼ることになるため、貼り替えを躊躇させたり貼り替えに不満を抱かせたりする恐れがあった。
【0006】
一方、新しいシールを入手しようとしても、個々に異なるバーコードを改めて印刷しなければならないため、印刷に比較的長い時間がかかり、容易に入手することができなかった。そこで、予備のシールとして、同じバーコードが印刷されたシールを余分に作成し、登録時に顧客に渡しておくことも考えられるが、シールの作成に係る費用が増えるとともに、予備に相当するシールは通常使用しないことから、紛失する恐れもある。
【0007】
なお、上記の不具合を解消するため、管理サーバから携帯電話に顧客の特定可能なバーコードを配信し、携帯電話の画面を利用して係るバーコードを表示させることが考えられる。ところが、一般に携帯電話の画面は、解像度が比較的低く設定されたものが多く、精細なバーコードを表示させることができない。そのため、画面にバーコードを表示しても、既存のバーコードリーダでは正確な情報の認識をすることができず、誤認を生じたり、認識に長時間を要する場合があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、予め顧客に設定し、携帯電話の画面に表示させた顧客番号を撮像し、撮像イメージから番号認識させることにより、顧客の認証が可能な顧客管理支援システムに関するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にかかる顧客管理支援システムは、登録店舗に設置された店舗側端末及び顧客管理を行う管理サーバを、通信ネットワークを介して接続し、前記登録店舗の顧客に関する個人データ及び前記購買データを管理する顧客管理支援システムであって、金銭の出納管理機能を有するレジスタ部を備える前記店舗側端末は、予め前記顧客毎に設定され、前記顧客の所有する携帯電話の画面に表示された顧客番号を撮像イメージとして撮像する撮像手段と、前記顧客番号に使用され、認識対象となる文字の形状及び構成を含んで定義した文字定義データを記憶する店舗側記憶手段と、前記撮像手段によって撮像された前記撮像イメージから前記顧客番号を認識する番号認識手段と、認識された前記顧客番号を、前記通信ネットワークに接続した前記管理サーバに番号情報として送信する番号情報送信手段と、前記顧客番号に対応し、予め前記管理サーバに記憶された前記顧客の前記個人データが前記通信ネットワークを介して送出されると、前記個人データを受信し、表示する個人データ表示手段とを具備するものである。
【0010】
ここで、店舗側端末とは、インターネット等の通信ネットワークに接続され、予め管理サーバを運営する管理会社に登録された登録店舗に設置されたものである。さらに、店舗側端末は、その一般的な構成として、コンビニエンスストアやレンタルビデオ店などで広く普及している通信機能を備える所謂「POSレジ」が利用することが可能である。ここで、POSレジは、POSシステム(販売時点情報管理システム)に利用されるものであり、例えば、各フランチャイズ店と管理本部とを接続し、フランチャイズ店毎のリアルタイムの販売や購買情報を管理本部のサーバに送信し、商品の在庫発注業務や売上情報の把握などが行えるものである。また、撮像手段としてデジタルカメラなどの画像入力機器を利用することが可能である。
【0011】
また、個人データとは、顧客の氏名、住所、生年月日、電話番号、及びメールアドレス等のデータを含むものであり、個人の特定が可能なものである。さらに、顧客の職業や趣味、嗜好などのさらに詳細な情報を含んでいてもよい。これにより、登録店舗を利用する顧客に関する詳細な情報が入手され、登録店舗の販売戦略上の有益な情報としての活用が可能となる。
【0012】
さらに、文字定義データとは、顧客番号に用いられる認識対象となる数字、アルファベット(大文字・小文字)、平仮名、片仮名、記号、及び漢字などを含む文字を、それぞれ形状、輪郭、線の交わりなどを定義してデータベース化したものであり、撮像イメージの中の画像を文字として認識するための基礎的なデータである。これらは、認識対象が予め判っている場合(例えば、英文字3つ+数字8桁の組合わせなど)、記憶する文字定義データに対応する文字の種類及び数などを限定したものであってもよい。加えて、個々の文字の書体に対応するデータを含んだものであってもよい。
【0013】
したがって、請求項1の発明によれば、顧客の所有する携帯電話の表示画面に顧客を認証するために、予め設定された顧客番号が表示されている。そして、登録店舗に来店した顧客が、商品などを購入し、レジで代金を精算する際に、店舗側端末の撮像手段(デジタルカメラなど)に携帯電話の表示画面を向けることにより、顧客番号を含んだ画像が撮像イメージとして撮像される。そして、店舗側端末は、撮像した撮像イメージの中に含まれる顧客番号を番号認識手段によって認識する。その後、認識した顧客番号に基づく番号情報を、通信ネットワークを介して管理サーバに送信する。
【0014】
そして、管理サーバにおいて番号情報に基づいた顧客の認証が行われ、その結果、顧客の個人データが管理サーバから通信ネットワークを介して送出される。店舗側端末は、送出された個人データを受信し、これを表示する。これにより、登録店舗に設置された店舗側端末を操作する店員は、商品の精算の際に顧客番号を提示した人物が、登録された顧客であることの確認が行える。ここで、顧客番号の撮像イメージを撮像するタイミングとしては、商品の精算前或いは精算処理中のいずれかでも構わない。
【0015】
なお、顧客番号は、顧客に対して一つが与えられるものである。すなわち、顧客番号は管理サーバによって設定され、登録されているため、複数の登録店舗で本システムのサービスを顧客が受けようとする場合、表示させる顧客番号は一つで済む。すなわち、異業種の登録店舗(焼肉屋、ラーメン屋、ファーストフード店など)のそれぞれに設置された店舗側端末で顧客の認証を行う場合、一つの顧客番号で同じように番号認識させることが可能であるため、登録店舗毎に顧客番号の表示を切替える必要がない。
【0016】
請求項2の発明にかかる顧客管理支援システムは、請求項1に記載の顧客管理支援システムにおいて、前記管理サーバは、前記顧客の所有する前記携帯電話から前記顧客に関する前記個人データが入力されると、前記通信ネットワークを介して前記個人データを受信するとともに、前記顧客を認証するための前記顧客番号を設定し、登録する登録手段と、設定された前記顧客番号に対応する前記顧客の前記個人データを顧客情報データベースに記憶する管理側記憶手段と、設定された前記顧客番号を、前記通信ネットワークを介して送信し、前記携帯電話に通知する登録通知手段と、前記店舗側端末から前記通信ネットワークを介して前記顧客番号を含む前記番号情報が送出されると、前記番号情報を受信するとともに、前記顧客番号に対応する前記個人データを前記顧客情報データベースから抽出する個人データ抽出手段と、抽出された前記顧客の前記個人データを、前記通信ネットワークを介して前記店舗側端末に送信する個人データ送信手段とを具備するものである。
【0017】
したがって、請求項2の発明の顧客管理支援システムによれば、請求項1の発明の作用に加え、登録を求める新規顧客の携帯電話から個人データが入力されて送信されたものを管理サーバは受信する。そして、顧客を認証するための顧客番号を設定し、顧客情報データベースに受信した個人データを記憶する。そして、設定した顧客番号を個人データの送信先の携帯電話に返信し、登録がされたこと及び設定された顧客番号を知らせる。これにより、登録店舗において登録された顧客であることを、顧客番号を通じて店舗側端末に認証させることが可能となり、登録店舗において顧客によって受けられるサービスを享受できる。また、携帯電話から顧客番号の取得が可能であるため、登録店舗に来店した際に上述した操作をすることにより、その場で登録店舗の顧客になることができる。すなわち、システムを利用するまでの待ち時間を要することがない。
【0018】
さらに、管理サーバは、店舗側端末から顧客番号が番号情報として送信されると、顧客情報データベースに記憶されている顧客番号と照合し、一致した場合に、その顧客を登録店舗の顧客であることを認証するとともに、その顧客の個人データを抽出し、該個人データを店舗側端末に送信する。そして、店舗側端末に認証の結果となる個人データを表示させる。したがって、顧客の個人データは、管理サーバにデータベースとして記憶されているため、携帯電話は、最小限の情報である顧客番号だけ記憶していればよい。すなわち、顧客番号によって顧客(携帯電話)、店舗側端末、及び管理サーバの間で顧客の認証及び個人データの送受が可能となる。ここで、携帯電話の画面に表示される顧客番号は、所謂「壁紙」の一部として表示させることが可能である。この場合、顧客番号の表示以外に登録店舗の広告や写真などを載せることにより、登録して店舗の認識とともに宣伝効果を高めることも行える。
【0019】
請求項3の発明にかかる顧客管理支援システムは、請求項2に記載の顧客管理支援システムにおいて、前記管理サーバは、前記店舗側端末から前記登録店舗を利用した前記顧客の前記購買データが前記通信ネットワークを介して送出されると、前記購買データを受信する購買データ受信手段と、受信した前記購買データを前記顧客番号及び前記個人データと関連させて購買情報データベースに記憶する管理側第二記憶手段と、蓄積された複数の前記購買データ及び前記個人データに基づいて、前記登録店舗における購買動向を分析する分析手段と、分析された購買動向を分析情報として、前記通信ネットワークを介して前記店舗側端末に提供する分析情報提供手段とをさらに具備し、前記店舗側端末は、前記通信ネットワークを介して提供された前記分析情報を受信する分析情報受信手段と、受信した前記分析情報を表示する分析情報表示手段とをさらに具備するものである。
【0020】
ここで、購買データとは、登録店舗において顧客が商品などを購入した際のデータであり、商品名、購入個数、購買金額、及び購買日時などのデータを含むものである。
【0021】
したがって、請求項3の発明の顧客管理支援システムによれば、請求項1または請求項2の発明の作用に加え、店舗側端末のレジスタ部の機能を利用して登録店舗において商品の購入時の精算が行われると、購買データが取得される。そして、取得された購買データが通信ネットワークを介して送出されると、管理サーバはこれを受信し、購買情報データベースに蓄積し、記憶する。このとき、購買データは先に顧客番号によって認識された顧客の個人データと関連付けて記憶される。これにより、顧客の購買動向の把握が可能となる。
【0022】
すなわち、顧客または登録店舗における購買動向を把握する場合、店舗側端末からの分析指示などによって管理サーバは、顧客情報データベース及び購買情報データベースに基づいて購買動向を分析する。例えば、対象となる顧客の来店頻度や一回当たりの支払い金額の平均、或いは購買指向の把握が容易となる。加えて、一人ずつの顧客の購買動向だけでなく、登録店舗全体での購買動向の分析が可能となる。すなわち、一日の来店者数や繁忙期と閑散期との周期などが一日単位或いは週単位などで把握することが可能となる。そして、管理サーバは、分析の結果を分析情報として、店舗側端末に送信する。一方、店舗側端末は、送信された分析情報を、通信ネットワークを介して受信し、これを表示する。これにより、分析情報を受信した登録店舗では、顧客の購買動向及びニーズに応じた商品の販売を行うなどの販売戦略に役立てられる。
【0023】
請求項4の発明にかかる顧客管理支援システムは、請求項2または請求項3に記載の顧客管理支援システムにおいて、前記管理サーバは、前記顧客の前記購買データに基づいて、前記登録店舗の利用度に応じた特典を発行する特典発行手段と、発行された前記特典を、前記通信ネットワークを介して前記顧客の所有する前記携帯電話に送信し、供与する特典供与手段とをさらに具備するものである。
【0024】
したがって、請求項4の発明の顧客管理支援システムによれば、請求項2または請求項3の発明の作用に加え、管理サーバは、登録店舗の利用度、例えば、来店頻度や精算金額の合計などに応じて特典、所謂「優待ポイント」や「優待サービス」を発行し、顧客の所有する携帯電話に供与することが行われる。ここで、特典やポイントの一例を挙げると、例えば、次回来店時に精算金額の10%割引ポイントや、ポイント数に応じたプレゼントを進呈することなどが挙げられる。これにより、システムに登録する顧客の数を増加させることが可能となるとともに、顧客は商品を購買する際の楽しみを味わえるようになる。
【0025】
請求項5の発明にかかる顧客管理支援システムは、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の顧客管理支援システムにおいて、前記番号認識手段は、前記撮像手段によって撮像された前記顧客番号を含む前記撮像イメージに対し、コントラスト補正、ブライトネス補正、シャープネス補正、及びネガ化補正の少なくともいずれか一つの強調補正を行う強調補正手段をさらに具備するものである。
【0026】
店舗側端末の撮像手段によって、顧客番号を撮像イメージとして入力する際に、撮像時の光の反射や文字と周囲の濃淡差などにより、顧客番号が明確に示されていない場合があり、その後の番号認識に係る処理に支障をきたすおそれがある。
【0027】
そこで、撮像イメージに含まれる顧客番号に相当する部分を容易に認識させるために強調する補正が強調補正手段によって行われる。具体的にはコントラスト補正、ブライトネス補正、シャープネス補正、及びネガ化補正の内で少なくとも一つの画像処理が撮像イメージに対して行われるものである。ここで、コントラスト補正とは、撮像イメージの明暗等の際立ちを調整するものであり、認識対象となる顧客番号とその周囲との色彩や明暗を際立たせ、顧客番号と周囲との違いを明確にするものである。また、ブライトネス補正とは、撮像イメージの輝度(明るさ)を調整するものであり、撮像イメージ全体の明暗を調整し、文字を明確に表示するものである。一方、シャープネス補正とは、撮像イメージの鮮明度を調整するものであり、顧客番号の境界部分などの差を鮮明にするものである。また、ネガ化補正とは、撮像イメージの階調を反転させる、すなわちポジからネガへ反転させる処理であり、これにより撮像イメージ中の文字部分が際立つようになる。
【0028】
したがって、請求項5の発明の顧客管理支援システムによれば、請求項1乃至請求項4のいずれか一つの発明の作用に加え、撮像された顧客番号を含む撮像イメージをコントラスト補正等の強調補正により顧客番号に相当する画像の輪郭や形状を明確にした後に認識処理を行うことにより、取込んだ撮像イメージから直接番号認識させる場合と比較して、顧客番号の認識精度が高くなり、誤認識や認識処理に長時間を要することがなくなる。
【0029】
請求項6の発明にかかる顧客管理支援システムは、請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の顧客管理支援システムにおいて、前記番号認識手段は、前記撮像イメージの中から予め指定した指定図形を検出する図形検出手段と、検出された前記指定図形に囲まれた範囲を範囲イメージとして選択する範囲選択手段と、前記範囲イメージの中から前記店舗側記憶手段に記憶された前記文字定義データに合致する画像を検出し、前記顧客番号の番号認識を行う範囲認識手段とをさらに具備するものである。
【0030】
ここで、指定図形とは、撮像イメージの中に存在し、さらに認識対象の顧客番号が該指定図形によって囲まれた範囲にあるものが選択される。例えば、設定した顧客番号を壁紙として表示する場合に、顧客番号を予め長方形の枠によって囲うことが考えられる。すなわち、該枠内には必ず顧客番号が存在しているため、枠に囲われた部分のみを番号認識処理することにより、顧客番号が認識される。これにより、処理に係る負担及び処理時間を短縮化することが可能となる。なお、指定図形としては、前述の長方形以外にも、円形、楕円形、三角形、及び菱形などの種々の図形を選択することが可能である。
【0031】
したがって、請求項6の発明の顧客管理支援システムによれば、請求項1乃至請求項5のいずれか一つの発明の作用に加え、撮像イメージの中から指定図形が検出され、指定図形に囲われた範囲イメージの中で文字認識が行われる。これにより、顧客番号を認識するときの対象範囲が限定され、誤認識の可能性が低くなるとともに、システムに係る処理の負担が軽減される。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である顧客管理支援システム1について図1乃至図10に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態である顧客管理支援システム1の構成を示す説明図であり、図2は設置された店舗側端末3を模式的に示した説明図であり、図3は顧客管理支援システム1における管理サーバ2の機能的構成を示すブロック図であり、図4は顧客管理支援システム1における店舗側端末3の機能的構成を示すブロック図であり、図5は顧客管理支援システム1における携帯電話4の機能的構成を示すブロック図であり、図6乃至図8は顧客管理支援システム1における管理サーバ2の処理の流れを示すフローチャートであり、図9及び図10は顧客管理支援システム1における店舗側端末3の処理の流れを示すフローチャートである。
【0033】
本実施形態の顧客管理支援システム1は、図1に示すように、インターネットIに接続し、システムの運営及び管理を行う管理会社Kに設置された管理サーバ2と、顧客管理の支援を受ける複数の登録店舗Sに設置された店舗側端末3と、登録店舗Sに来店する顧客Cの所有するネットワーク接続機能を有する携帯電話4とから構成されている。
【0034】
また、店舗側端末3は、図2に模式的に示すように、金銭の出納を管理し、さらに商品精算時の販売時点情報を購買データBDとして管理サーバ2に送出可能なPOSレジ5と、該POSレジ5にケーブル6を通じて接続されたデジタルカメラ7とによって構成されている。ここで、デジタルカメラ7が本発明における撮像手段に相当する。また、店舗側端末3の設置された登録店舗Sに来店した顧客Cの所有する携帯電話4の表示画面8には、予め登録によって設定された顧客番号9(設定の処理については後述する)が、携帯電話4の「壁紙」の一部として表示されている。
【0035】
さらに、管理サーバ2の機能的構成について説明すると、図3に示すように、顧客Cの所有する携帯電話4からの配信要求に応じて個人データPDを入力するための様式が定められた入力用の雛型BSをインターネットIを通じて提供する雛型提供手段11と、提供した雛型BSに入力された顧客Cの氏名及び性別等を含む個人データPDを受信し、顧客Cの認証のための顧客番号9を設定し、顧客情報データベースCID及び番号管理データベースNCDにそれぞれ個人データPD及び顧客番号9を記憶して顧客Cの登録を行う登録手段12と、設定された顧客番号9を個人データPDの送信先の携帯電話4に返信し、登録の確認を通知する登録通知手段13とを有している。
【0036】
また、管理サーバ2は、店舗側端末3によって認識された顧客番号9を含む番号情報NIを受信し、顧客Cを認識する番号情報認識手段14と、番号情報NIに基づいて認識した顧客Cに係る個人データPDを顧客情報データベースCIDから抽出し、店舗側端末3に送信する個人データ送信手段15とをさらに有している。ここで、個人データPDを含む顧客情報データベースCID、顧客番号9を管理する番号管理データべースNCD、店舗側端末3の設置された登録店舗Sに関する登録店舗データベースRSD、顧客Cの購買データBDを記憶して蓄積する購買情報データベースBIDなどのデータベースは、管理側記憶手段16に記憶されている。
【0037】
さらに、管理サーバ2は、登録店舗Sにおける顧客Cの商品の購買に関するデータ、例えば、精算合計金額や購入した商品、及びその個数などを含む購買データBDを店舗側端末3から受信する購買データ受信手段17と、受信して購買情報データベースBIDに蓄積された購買データBDを利用して、顧客C及び登録店舗S全体に関する購買動向を分析する分析手段18と、分析の結果を分析情報AIとして店舗側端末3にインターネットIを介して提供する分析情報提供手段24と、顧客Cの登録店舗Sにおける利用状況に応じてポイントSPを発行するポイント発行手段19と、発行したポイントSPを顧客Cの携帯電話4に供与するポイント供与手段20とを具備している。ここで、ポイント発行手段19が本発明における特典発行手段に相当し、ポイント供与手段20が本発明におけるポイント供与手段に相当する。
【0038】
加えて、管理サーバ2は、これ以外の構成として、種々のデータ及び情報を、インターネットIを通じて送受するための管理側送信制御手段21及び管理側受信制御手段22に接続した管理側通信手段23を備えている。ここで、管理側記憶手段16には、上述したデータベースの他に、分析情報AI、雛型BS、及び発行したポイントSPなどの種々のデータ及び情報が記憶されている。なお、本実施形態の管理側記憶手段16は、本発明における管理側記憶手段及び管理側第二記憶手段の双方を併せ持った機能を有したものとして構成されている。
【0039】
一方、店舗側端末3は、既に示したようにPOSレジ5にデジタルカメラ7がケーブル6を介して接続されている。さらに、店舗側端末3は、その機能的構成として、図4に示すように、デジタルカメラ7によって携帯電話4の表示画面8に表示された顧客番号9を含む画像を撮像イメージ10として入力を受付けるイメージ入力手段31と、認識対象の顧客番号9に使用される文字(英字及び数字など)の番号定義データLDを記憶する店舗側記憶手段32と、撮像イメージ10に対してコントラスト補正、ブライトネス補正、シャープネス補正、及びネガ化補正を順次行い、顧客番号9に相当する部分を認識容易に強調する強調補正手段33と、補正後の撮像イメージ10から予め指定された指定図形SDを検出する図形検出手段34と、検出された指定図形SDに囲まれた部分を範囲イメージRIとして選択する範囲選択手段35と、範囲イメージRIに該当する画像に対して顧客番号9の番号認識を行う範囲認識手段36と、番号認識によって得られた顧客番号9を番号情報NIとして管理サーバ2にインターネットIを介して送信する番号情報送信手段37と、店舗側端末3において種々のデータ及び情報を送受するための店舗側送信制御手段38及び店舗側受信制御手段39に接続した店舗側通信手段40とを備えている。
【0040】
加えて、管理サーバ2において購買データBDに基づいて分析された、顧客Cなどの購買動向を示す分析情報AIを受信する分析情報受信手段41と、番号情報NIに対する応答として管理サーバ2から送出された個人データPDを受信する個人データ受信手段42と、顧客Cの登録店舗Sにおける商品の精算処理を行うためにPOSレジ5を操作するPOS入力手段43(テンキーやバーコードリーダなど)と、POS入力手段43に応じて通常の商品の精算業務を行うPOSレジ機能手段45と、商品等の精算によって取得された顧客Cに関する購買データBDを管理サーバ2に送信する購買データ送信手段44と、個人データPD及び分析情報AIなどの種々の情報を信号制御して表示する店舗側表示制御手段46及び店舗側表示手段47とを備えている。ここで、図形検出手段34、範囲選択手段35、及び範囲認識手段36が本発明における番号認識手段に相当し、POS入力手段43及びPOSレジ機能手段45が本発明のレジスタ部に相当する。また、店舗側記憶手段32に記憶された番号定義データLDが本発明における文字定義データに相当する。
【0041】
一方、顧客Cが所有する携帯電話4は、ネットワーク接続機能を有するものが利用可能である。さらに、その機能的構成について図5に基づいて説明すると、携帯電話4は、その機能的構成として、管理サーバ2に対して雛型BSの提供の要求をインターネットIを介して行う雛型要求手段51と、提供された雛型BSを受信する雛型受信手段52と、受信した雛型BSに顧客Cの個人データPDを入力し、送信する個人データ入力送信手段53と、個人データPDの送信によって管理サーバ2に登録され、設定された顧客番号9を受信する顧客番号受信手段54と、受信した顧客番号9を記憶する顧客側記憶手段55と、顧客番号9を携帯電話4の表示画面8に壁紙の一部として信号制御して表示する顧客側表示制御手段56及び顧客側表示手段57と、管理サーバ2によって発行され、供与されたポイントSPを受付けるポイント受付手段58と、種々のデータを信号制御して送受する顧客側送信制御手段59及び顧客側受信制御手段60に接続した顧客側通信手段61と、個人データPDなどの入力時及び携帯電話4を操作するときに用いられる操作手段62とから構成されている
【0042】
次に、本実施形態の顧客管理支援システム1における管理サーバ2及び店舗側端末3の各々の処理について、図6乃至図10のフローチャートに基づいて説明する。まず、管理サーバ2における顧客番号9の設定及び登録に係る処理について図6に基づいて説明する。
【0043】
始めに、管理サーバ2は、インターネットIを介して顧客Cの所有する携帯電話4から、個人データPDを入力するための雛型BSの配信要求を検出する(ステップS1)。ここで、雛型BSの配信要求の具体的な手段としては、例えば、顧客Cからの電子メールなどによって雛型BSを要求するものが挙げられる。また、管理サーバ2はこれに応じて各顧客Cに雛型BSを添付ファイルとして付したメールを返信することによって提供することができる。顧客Cから雛型BSの要求がある場合(ステップS1においてYES)、要求先の携帯電話4に対してインターネットIを介して雛型BSを提供する(ステップS2)。一方、雛型BSの配信要求がない場合(ステップS1においてNO)、ステップS2の処理をキャンセルする。
【0044】
その後、提供した雛型BSに従って顧客Cの個人データPDが入力され、携帯電話4から管理サーバ2に対して送信されると、管理サーバ2はこれを検出する(ステップS3)。ここで、個人データPDの入力が検出されると(ステップS3においてYES)、個人データPDを受付ける(ステップS4)。一方、個人データPDの入力が検出されない場合(ステップS3においてNO)、ステップS1の処理に戻る。
【0045】
ステップS4において個人データPDを受付けた管理サーバ2は、個人データPDに応じて顧客番号9を顧客Cに対して設定し(ステップS5)、管理側記憶手段16の番号管理データベースNCDに記憶するとともに、個人データPDを顧客情報データベースCIDに記憶して顧客Cの登録を行う(ステップS6)。ここで、設定する顧客番号9は予め定めた形式に当て嵌めて登録順或いは無作為に決定される。例えば、”アルファベット3文字+数字8桁(ABC30124588など)”の組み合わせのものが挙げられる。そして、登録された顧客Cに対して、該顧客番号9を、個人データPDを送った携帯電話4にインターネットIを介して送信する(ステップS7)。携帯電話4を所有する顧客Cは、管理サーバ2から送信された顧客番号9によって、登録が行われたことを確認することができる。これにより、顧客Cは本システムを利用することができるようになる。また、携帯電話4から直接登録することができるため、登録店舗Sに来店した際に、その場で上述の操作を管理サーバ2に対して行うことができる。そのため、システムを利用できるようになるまでの時間がほとんど必要ない。
【0046】
このとき、設定された顧客番号9は、前述したように携帯電話4の表示画面8に壁紙の一部として表示される。そこで、顧客番号9以外の部分は、顧客管理支援システム1を採用する複数の登録店舗Sの中から選択した広告やキャラクターなどの画像を含んでいてもよい。これにより、本システム及び登録店舗Sの宣伝効果が高くなる。さらに、これらの画像は、顧客Cの嗜好に応じて複数種類を用意し、適宜選択及び変更するようにできるものであっても構わない。
【0047】
次に、管理サーバ2における顧客Cの個人データPDによる認証及び分析情報AI等の提供に係る処理について、図7及び図8に基づいて説明する。始めに、管理サーバ2は、店舗側端末3によって認識され、インターネットIを介して送出された顧客番号9を含む番号情報NIの入力の有無を検出する(ステップT1)。ここで、番号情報NIの入力が検出される場合(ステップT1においてYES)、番号情報NIを受付ける(ステップT2)。そして、管理側記憶手段16の顧客情報データベースCIDから番号情報NIに含まれる顧客番号9に対応する個人データPDを抽出し(ステップT3)、抽出した個人データPDを店舗側端末3に送信する(ステップT4)。
【0048】
さらに、管理サーバ2は、店舗側端末3から送出された購買データBDの入力の有無を検出する(ステップT5)。店舗側端末3から送出された購買データBDの入力が検出される場合(ステップT5においてYES)、購買データBDを受付けるとともに、購買情報データベースBIDに記憶する(ステップT6)。一方、購買データBDの入力が検出されない場合(ステップT5においてNO)、ステップT6の処理をキャンセルする。
【0049】
その後、管理サーバ2は、分析情報AIの作成を指示する旨の入力を受け付ける(ステップT7)。ここで、分析情報AIは、予め設定した周期毎(例えば、一日単位・一週間単位など)に、定期的に作成するものであったり、店舗側端末3の要求により不定期的に作成するものであってもよい。したがって、分析情報AIの作成は、店舗側端末3によって要求されるものや、タイマー(図示しない)などによって一定周期毎に管理サーバ2自身によって指示されるものであってもよい。
【0050】
分析情報AIを作成する指示が有る場合(ステップT7においてYES)、分析情報AIを管理側記憶手段16に記憶された顧客情報データベースCID、購買情報データベースBIDなどに基づいて作成し(ステップT8)、店舗側端末3にインターネットIを介して提供する(ステップT9)。ここで、分析情報AIは、例えば、対象となる顧客Cの来店頻度や一回当たりの支払い金額の平均額などを分析することができる。さらに、登録店舗Sにおける一日の顧客来店数や、来店時間別の繁忙・閑散の比率などを把握することができる。そして、店舗側端末3は管理サーバ2から提供された分析情報AIに基づいて、顧客Cの購買動向及びニーズなどを把握し、商品販売の戦略に役立てることができる。
【0051】
その後、管理サーバ2は、顧客Cの登録店舗Sや本システムの利用度、すなわち、精算金額の合計や来店頻度などに応じたポイントSPを各顧客C毎に発行し(ステップT10)、該当する顧客Cの所有する携帯電話4に送信する(ステップT11)。そして、携帯電話4は、送信されたポイントSPを表示画面8などによって確認することができる。そして、登録店舗Sに次回来店した際に、供与されたポイントSPに応じた優待サービス(特典)を享受することができる。すなわち、このポイントSPは、管理サーバ2に対して個人データPDを送信し、顧客番号9が設定された顧客Cを対象とする限定したサービスであるため、特典を受けようとするためには本システムに登録する必要がある。これにより、管理サーバ2に登録される個人データPDの数を増やすことができる。そのため、管理サーバ2において分析される顧客C及び登録店舗Sにおける購買データBDに基づく分析情報AIの精度をより高いものにすることができる。また、ポイントSPに応じた商品の割引やプレゼントの進呈などを行うことにより、登録店舗Sの集客効果を上げることができる。
【0052】
その後、システムを終了する指示の入力を検出し(ステップT12)、指示がある場合(ステップT12においてYES)、システムを終了する(ステップT13)。一方、終了の指示がない場合(ステップT12においてNO)、ステップT1の処理に戻り、新たな番号情報NIが入力されるのを待機する。
【0053】
次に、本実施形態の顧客管理支援システム1における店舗側端末3の処理の流れについて、図9及び図10に基づいて説明する。はじめに、顧客Cが登録店舗Sに来店し、商品等の購入を行う場合、店舗側端末3は、店員によってPOS入力手段43を介してPOSレジ機能手段45が機能させられ、通常のPOSレジ5による精算処理が行われる。このとき、顧客Cは、予め管理サーバ2に対して登録し、設定された顧客番号9が壁紙の一部として表示されている携帯電話4の表示画面8を店舗側端末3の一部として構成されるデジタルカメラ7に向ける(図2参照)。これにより、デジタルカメラ7は、表示画面8に表示された顧客番号9及びその周囲近傍を撮像イメージ10として撮像する。このとき、撮像のタイミングは顧客C自身の手によってデジタルカメラ7に据付けられたシャッターを押す操作や、携帯電話4の表示画面8が向けられたことを周知のセンサ技術によってデジタルカメラ7が検知することにより、シャッターが切られるようにしても良い。
【0054】
デジタルカメラ7に携帯電話4の表示画面8が向けられ、顧客番号9を含む撮像イメージ10が撮像されたことを検出すると(ステップU1においてYES)、撮像イメージ10の入力を受付ける(ステップU2)。一方、撮像イメージ10の撮像が検出されない場合(ステップU1においてNO)、撮像イメージ10の撮像の検出を継続する。
【0055】
そして、受付けた顧客番号9を含む撮像イメージ10に対して、顧客番号9の番号認識を容易にするための強調補正が行われる(ステップU3)。具体的に説明すると、撮像イメージ10の明暗などの際立ち度合いの調整(コントラスト補正:ステップU3a)、明るさ・輝度の調整(ブライトネス補正:ステップU3b)、鮮明度の調整(シャープネス補正:ステップU3c)、及び撮像イメージ10の階調をポジからネガへ反転させる補正(ネガ化補正:ステップU3d)が順次行われる。
【0056】
ここで、各補正の順序は、撮像イメージ10に対する影響の大きさに基づいて決定されている。すなわち、コントラスト補正U3aは撮像イメージ10に対する影響が大きいため、それ以前に行われた補正(例えば、シャープネス補正など)の効果を失わせてしまうことがある。そのため、撮像イメージ10に対する影響の大きさを考慮し、コントラスト補正U3a、ブライトネス補正U3b、シャープネス補正U3c、及びネガ化補正U3dの順序で行うことにより、前段階で行った強調補正の効果を活かしつつ、さらに適する補正を行うことができるようになる。その結果、最終的に強調補正された補正済みの撮像イメージ10は、顧客番号9が補正前の撮像イメージ10と比べて明確に強調されたものとなる。
【0057】
その後、補正済みの撮像イメージ10の中から予め設定した指定図形SDの検出を行う(ステップU4)。ここで、本実施形態においては、指定図形SDとして顧客番号9を囲う長方形状の枠が指定されている。すなわち、壁紙の一部として顧客番号9を表示する際に、顧客番号9を囲う枠を必ず付けることを壁紙作成時に予め取決めておくことにより、撮像された撮像イメージ10には、指定図形SDに該当する部分が必ず含まれることになる。
【0058】
ここで、指定図形SDが検出される場合(ステップU4においてYES)、指定図形SDに囲まれた範囲を範囲イメージRIとして選択する(ステップU5)。一方、撮像イメージ10の中から指定図形SDが検出されない場合(ステップU4においてNO)、撮像イメージ10の中に顧客番号9に相当する部分が含まれていないものと判断し、ステップU14の処理に移る。
【0059】
そして、選択された範囲イメージRIに対して、店舗側記憶手段32に記憶されている番号定義データLDに合致する条件の画像を特定し、顧客番号9の認識をする(ステップU6)。なお、顧客番号9が複数の文字(数字を含む)から構成されている場合には、範囲イメージRIに含まれる文字に相当する部分を順次行うことによって全ての顧客番号9が認識される。
【0060】
その後、認識した結果を番号情報NIとして管理サーバ2に送信する(ステップU7)。そして、店舗側端末3は管理サーバ2から番号情報NIに応答する個人データPDが送信されるまで待機する。このとき、管理サーバ2では、番号情報NIに応じた個人データPDの抽出が顧客情報データベースCIDから行われ、さらに店舗側端末3に送信する処理がされている(図7におけるステップT1からステップT4の処理に相当)。管理サーバ2から個人データPDの受信が検出される場合(ステップU8においてYES)、個人データPDを受信するとともに、店舗側端末3の店舗側表示手段47に表示する(ステップU9)。
【0061】
したがって、上記の構成により、店舗側端末3の操作員は、精算処理とほぼ並行して顧客Cの認証を行うことができる。さらに、認証が行われた顧客Cの精算した時の購買した商品などの情報を含む、購買データBDが取得され(ステップU10においてYES)、管理サーバ2にインターネットIを介して購買データBDが送出される(ステップU11)。一方、購買データBDの取得がない場合(ステップU10においてNO)、購買データBDが取得されるまでステップU10の処理を継続する。
【0062】
次に、店舗側端末3は、管理サーバ2によって分析された顧客Cや登録店舗Sの購買動向などを表す分析情報AIの受信有無を検出する(ステップU12)。分析情報AIの受信がある場合(ステップU12においてYES)、受信した分析情報AIを店舗側表示手段47に表示する(ステップU13)。一方、分析情報AIの受信がない場合、ステップU13の処理をキャンセルする。ここで、分析情報AIの表示は、図2に示したPOSレジ5の一部として構成される表示画面に限定されるものでなく、POSレジ5に新たにモニタディスプレイなどを接続して表示させるものであっても構わない。これにより、大きな画面表示によってグラフなどを含む分析情報AIの把握が容易となりやすく、店舗側端末3を操作する店員にとって視認性がよくなる効果が期待される。
【0063】
その後、システムの終了する指示がある場合(ステップU14においてYES)、システムを終了する(ステップU15)。一方、システム終了の指示がない場合(ステップU14においてNO)、ステップU1の処理に戻る。
【0064】
上記に示したように、本実施形態の顧客管理支援システム1によれば、予め設定した顧客番号9を、店舗側端末3のデジタルカメラ7によって撮像し、強調補正によって顧客番号9の部分が明確となった撮像イメージ10から顧客番号9を認識することができる。そして、認識した顧客番号9の番号情報NIによって管理サーバ2が個人データPDを抽出し、番号情報NIの送信先に相当する店舗側端末3に該個人データPDが送られる。これにより、店舗側端末3を操作する店員は、POSレジ5を使って商品を精算する間に顧客Cの個人データPDを確認し、登録済みの顧客Cであることを認証することができる。
【0065】
さらに、店舗側端末3において行われる顧客番号9の認識は、顧客番号9を含んで撮像した撮像イメージ10に対してコントラスト補正等の強調補正、範囲イメージの選択など、番号認識の精度を高めた後に実施される。その結果、顧客番号9の誤認識が生じることがなく、さらに認識処理の時間を短縮することができる。さらに、店舗側端末3から送出された顧客Cに係る購買データBDが管理サーバ2において蓄積されているため、顧客Cの購買動向や登録店舗Sの売上統計などを分析することができる。そして、店舗側端末3はその結果を分析情報AIとして受取ることができる。
【0066】
加えて、ポイントSPの発行及び供与により、顧客Cにシステムに登録する付加価値を与えることにより、登録する人数を増加させることができる。これにより、システムの運営が活発に行われるようになり、登録店舗S及び顧客Cの双方に有益となる。
【0067】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0068】
すなわち、本実施形態の顧客管理支援システム1において、図6乃至図10のフローチャートに基づいて管理サーバ2及び店舗側端末3の処理の流れをそれぞれ示したが、これらのフローチャートの処理に本発明は限定されるものではない。例えば、店舗側端末3において顧客番号9を認識した番号情報NI及び購買データBDを個々に管理サーバ2に送信するものを示したが、これら二つの情報等をPOSレジ5による精算時にまとめて送信しても良い。また、顧客番号9は、顧客Cに対して一つが設定され、複数の登録店舗Sにおいて共通して利用可能できるものを示したが、これに限定されるものではなく、各登録店舗S毎に異なる顧客番号9を設定するものであっても構わない。
【0069】
さらに、顧客番号9を認識させるための処理として、撮像した撮像イメージ10をコントラスト補正等の強調補正によって顧客番号9を強調させるものを示したが、撮像された撮像イメージ10に明確に顧客番号9が表示されている場合などは、必ずしも強調補正の処理を行う必要はない。同様に、指定図形SDによる範囲イメージRIの選択の処理も必ず行う必要はない。また、番号認識のための各処理には、学習機能を有するニューラルネットワークを適用することが可能であり、過去の処理に基づいて習得された学習効果を利用し、撮像イメージ10などの強調補正を最適化することもできる。
【0070】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明の顧客管理支援システムは、店舗側端末において顧客の所有する携帯電話に表示された顧客番号を撮像し、撮像した撮像イメージから顧客番号を認識し、管理サーバに番号情報を送信することができる。さらに、管理サーバにからは番号情報に応答した個人データを受信し、表示することができる。これにより、店舗側端末を操作する店員は、商品等の精算時に顧客の個人データを確認することができる。また、画面上に表示された顧客番号を認識するため、従来のバーコードを利用するものと比べて比較的低解像度の表示でも誤認識が生じることが少ない。
【0071】
請求項2の発明の顧客管理支援システムは、請求項1の発明の顧客管理支援システムの効果に加え、管理サーバは、通信ネットワークを通じて顧客を特定するための個人データを受信し、登録された顧客に対して顧客番号を設定することができる。さらに、店舗側端末から送信された顧客番号を含む番号情報によって個人データを抽出することができる。すなわち、顧客の特定を携帯電話に表示された顧客番号を通じて行うことができるため、携帯電話及び店舗側端末において処理するデータ量が少なくてすみ、迅速な処理及び顧客の認証を行うことができる。さらに、携帯電話から顧客の登録をすることができるため、登録店舗に来店してからでも本システムを利用することが可能となる。したがって、従来のように印刷されたシールが送られてくるのを待つ時間などが必要とならない。
【0072】
請求項3の発明の顧客管理支援システムは、請求項1または請求項2の発明の顧客管理支援システムの効果に加え、顧客の購買動向を分析することができるため、登録店舗における販売に役立てることができる。
【0073】
請求項4の発明の顧客管理支援システムは、請求項2または請求項3の発明の顧客管理支援システムの効果に加え、システムを利用する顧客に対し、利用度に応じた特典を発行することができる。これにより、顧客にとってシステムを利用する際の楽しみが増えるため、登録する顧客の数及び登録店舗を利用する頻度が増加する。これにより、登録店舗の売り上げの増加や宣伝効果などによる集客数の増加が期待できるようになる。
【0074】
請求項5の発明の顧客管理支援システムは、請求項1乃至請求項4のいずれか一つの発明の顧客管理支援システムの効果に加え、顧客番号を含む撮像イメージをコントラスト補正等の強調補正を行うことにより、顧客番号の認識がさらに高まる。そのため、誤認識を生じたり、認識に長時間を要することがない。そのため、商品等の精算時に要する時間内で顧客番号の認識及び個人データの表示を行うことができる。
【0075】
請求項6の発明の顧客管理支援システムは、請求項1乃至請求項5のいずれか一つの発明の顧客管理支援システムの効果に加え、予め指定した指定図形を検出し、該指定図形内に限定して顧客番号の認識を行うことにより、顧客番号の認識精度を向上し、処理に係る時間をさらに短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】顧客管理支援システムの構成を示す説明図である。
【図2】設置された店舗側端末を模式的に示した説明図である。
【図3】顧客管理支援システムにおける管理サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図4】顧客管理支援システムにおける店舗側端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図5】顧客管理支援システムにおける携帯電話の機能的構成を示すブロック図である。
【図6】顧客管理支援システムにおける管理サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】顧客管理支援システムにおける管理サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】顧客管理支援システムにおける管理サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】顧客管理支援システムにおける店舗側端末の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】顧客管理支援システムにおける店舗側端末の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 顧客管理支援システム
2 管理サーバ
3 店舗側端末
4 携帯電話
5 POSレジ(店舗側端末)
7 デジタルカメラ(撮像手段、店舗側端末)
9 顧客番号
10 撮像イメージ
11 雛型提供手段
12 登録手段
13 登録通知手段
14 番号情報認識手段
15 個人データ送信手段
16 管理側記憶手段(管理側第二記憶手段)
17 購買データ受信手段
18 分析手段
19 ポイント発行手段(特典発行手段)
20 ポイント供与手段(特典供与手段)
24 分析情報提供手段
31 イメージ入力手段
32 店舗側記憶手段
33 強調補正手段(番号認識手段)
34 図形検出手段(番号認識手段)
35 範囲選択手段(番号認識手段)
36 範囲認識手段(番号認識手段)
37 番号情報送信手段
41 分析情報受信手段
42 個人データ受信手段
43 POS入力手段
44 購買データ送信手段
45 POSレジ機能手段
47 店舗側表示手段
53 個人データ入力送信手段
54 顧客番号受信手段
57 顧客側表示手段
AI 分析情報
BD 購買データ
BID 購買情報データベース
BS 雛型
C 顧客
CID 顧客情報データベース
I インターネット(通信ネットワーク)
LD 番号定義データ
NCD 番号管理データベース
NI 番号情報
PD 個人データ
RI 範囲イメージ
RSD 登録店舗データベース
S 登録店舗
SD 指定図形
SP ポイント(特典)

Claims (6)

  1. 登録店舗に設置された店舗側端末及び顧客管理を行う管理サーバを、通信ネットワークを介して接続し、前記登録店舗の顧客に関する個人データ及び前記購買データを管理する顧客管理支援システムであって、
    金銭の出納管理機能を有するレジスタ部を備える前記店舗側端末は、
    予め前記顧客毎に設定され、前記顧客の所有する携帯電話の画面に表示された顧客番号を撮像イメージとして撮像する撮像手段と、
    前記顧客番号に使用され、認識対象となる文字の形状及び構成を含んで定義した文字定義データを記憶する店舗側記憶手段と、
    前記撮像手段によって撮像された前記撮像イメージから前記顧客番号を前記文字定義データに基づいて認識する番号認識手段と、
    認識された前記顧客番号を、前記通信ネットワークに接続した前記管理サーバに番号情報として送信する番号情報送信手段と、
    前記顧客番号に対応し、予め前記管理サーバに記憶された前記顧客の前記個人データが前記通信ネットワークを介して送出されると、前記個人データを受信し、表示する個人データ表示手段と
    を具備することを特徴とする顧客管理支援システム。
  2. 前記管理サーバは、
    前記顧客の所有する前記携帯電話から前記顧客に関する前記個人データが入力されると、前記通信ネットワークを介して前記個人データを受信するとともに、前記顧客を認証するための前記顧客番号を設定し、登録する登録手段と、
    設定された前記顧客番号に対応する前記顧客の前記個人データを顧客情報データベースに記憶する管理側記憶手段と、
    設定された前記顧客番号を、前記通信ネットワークを介して送信し、前記携帯電話に通知する登録通知手段と、
    前記店舗側端末から前記通信ネットワークを介して前記顧客番号を含む前記番号情報が送出されると、前記番号情報を受信するとともに、前記顧客番号に対応する前記個人データを前記顧客情報データベースから抽出する個人データ抽出手段と、
    抽出された前記顧客の前記個人データを、前記通信ネットワークを介して前記店舗側端末に送信する個人データ送信手段と
    を具備することを特徴とする請求項1に記載の顧客支援管理システム。
  3. 前記管理サーバは、
    前記店舗側端末から前記登録店舗を利用した前記顧客の前記購買データが前記通信ネットワークを介して送出されると、前記購買データを受信する購買データ受信手段と、
    受信した前記購買データを前記顧客番号及び前記個人データと関連させて購買情報データベースに記憶する管理側第二記憶手段と、
    蓄積された複数の前記購買データ及び前記個人データに基づいて、前記登録店舗における購買動向を分析する分析手段と、
    分析された購買動向を分析情報として、前記通信ネットワークを介して前記店舗側端末に提供する分析情報提供手段とをさらに具備し、
    前記店舗側端末は、
    前記通信ネットワークを介して提供された前記分析情報を受信する分析情報受信手段と、
    受信した前記分析情報を表示する分析情報表示手段と
    をさらに具備することを特徴とする請求項2に記載の顧客管理支援システム。
  4. 前記管理サーバは、
    前記顧客の前記購買データに基づいて、前記登録店舗の利用度に応じた特典を発行する特典発行手段と、
    発行された前記特典を、前記通信ネットワークを介して前記顧客の所有する前記携帯電話に送信し、供与する特典供与手段と
    をさらに具備することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の顧客管理支援システム。
  5. 前記番号認識手段は、
    前記撮像手段によって撮像された前記顧客番号を含む前記撮像イメージに対し、コントラスト補正、ブライトネス補正、シャープネス補正、及びネガ化補正の少なくともいずれか一つの強調補正を行う強調補正手段をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の顧客管理支援システム。
  6. 前記番号認識手段は、
    前記撮像イメージの中から予め指定した指定図形を検出する図形検出手段と、検出された前記指定図形に囲まれた範囲を範囲イメージとして選択する範囲選択手段と、
    前記範囲イメージの中から前記店舗側記憶手段に記憶された前記文字定義データに合致する画像を検出し、前記顧客番号の番号認識を行う範囲認識手段と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の顧客管理支援システム。
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