JP2004004951A - 液晶表示装置 - Google Patents

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JP2004004951A
JP2004004951A JP2003277937A JP2003277937A JP2004004951A JP 2004004951 A JP2004004951 A JP 2004004951A JP 2003277937 A JP2003277937 A JP 2003277937A JP 2003277937 A JP2003277937 A JP 2003277937A JP 2004004951 A JP2004004951 A JP 2004004951A
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Bunichi Shimoshikiriyou
下敷領 文一
Shinichi Terashita
寺下 慎一
Shuichi Kanzaki
神崎 修一
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Abstract

【課題】 視野角特性に優れた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 偏光板と液晶セルの間に、面内の平均屈折率に比して厚さ方向の
屈折率が小さく、かつ面内に屈折率異方性を有するシート状の位相差補償素子を
配する。望ましくは、位相差補償素子の面内の最大屈折率に平行な軸と、該位相
差補償素子に隣接した偏光板の吸収軸が直交している構成とする。前述の構成に
より、特に偏光板の吸収軸に対して±45°方向での斜視時の黒浮きが低減され
視野角特性に優れた状態となる。また、本発明においては、液晶表示装置を構成
する液晶セルは黒表示時のセル表面内の平均屈折率が厚さ方向の屈折率よりも小
さいものであれば水平配向型、垂直配向型、水平垂直ハイブリッド配向型等を含
めいかなる表示モードにも適応できる。特に、分割配向、連続配向及び軸対称配
向等の広視野角表示モードに適応することで大きな効果を創出する。
【選択図】 なし

Description

 本発明は、液晶表示装置に関する。特に、パーソナルコンピュータ、ワードプ
ロセッサ、アミューズメント機器、テレビジョン装置などの平面ディスプレイや
シャッタ効果を利用した表示装置などに好適に用いられる広視野角特性を有する
液晶表示装置に関する。
 液晶表示装置の広視野角化の手法としては、液晶分子を基板表面に対して概ね
平行に運動させる方式と、液晶分子の運動は基板表面に対して垂直のままで一つ
の絵素内の配向を複数に分割する方式とがある。前者の代表的な方式としては、
IPS(In−Plane Switching)モードが挙げられる。後者の
方式の例としては、Np型液晶(ネマチック相ポジ型液晶)を軸対称状に水平配
向させた広視野角液晶表示モード(特開平7−120728号公報)、垂直配向
したNn型液晶(ネマチック相ネガ型液晶)を電界制御によって動作時に分割配
向する広視野角液晶表示モード(特開平7−28068号公報)、および、AM
−LCD’96,p.185(1996)に開示された、Np型液晶を絵素内で
略4分割して水平配向させた広視野角液晶表示モード等が提案されている。
 ところで、後者の方式である絵素内の配向を分割する表示モードでは、総じて
、図22及び図23に示すように、液晶セル201を挟んで設けた上偏光板の吸
収軸202と下偏光板の吸収軸203とを二等分する軸方向での視野角特性が、
吸収軸の方向の視野角特性に比して著しく悪くなるという問題があった。すなわ
ち、図22(a)に示すような、視野角を定義するための液晶セルに平行な仮想
平面204の法線からの見る角度である視野角をθとし、その見る方向の下偏光
板の吸収軸203(Φ=0゜とする)からの角度を方位角Φとした極座標系を定
義して視野角特性を評価すれば、等コントラスト・コンター曲線は、表示モード
に関わらず総じて図23に示す曲線301のようになる。つまり、方位角Φが上
、下偏光板の吸収軸からずれるにしたがって視野角が狭くなるという問題があっ
た。なお、図23における曲線302は、本発明において得ることを目的とする
等コントラスト・コンター曲線を示す。
 本発明は、このような従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、吸収
軸からのずれに伴う視野角特性の悪化を解消し、概ね軸対称の視野角特性を有す
る液晶表示装置を提供することを目的とする。
 本発明の液晶表示装置は、一対の基板に挟持された液晶層を有する液晶セルと
、該液晶セルを挟持するとともに直交ニコルの配置された一対の偏光板と、該一
対の偏光板と該液晶セルとの間の少なくとも一方に設けられた位相差補償素子と
、を有し、該液晶層にあっては、該液晶セル表面に平行な面内の局所的な屈折率
異方性の値が白表示時よりも黒表示時の方が小さく、且つ、該位相差補償素子は
屈折率異方性を呈するとともに、直交座標系XYZの主軸x、y、z軸に沿った
方向の屈折率をnx,ny,nzとし主軸zは該液晶セル表面の法線に平行であ
り、主軸x,yは該液晶セル表面に平行な面内に有ると定義するとき、nz<(
nx+ny)/2、且つ、nx>nyであり、そのことによって上記目的が達成
される。
 前記一対の偏光板と前記液晶セルとの間に、それぞれ第1および第2の位相差
補償素子を有する構成としても良い。
 前記位相差補償素子がそれぞれ二枚の位相差補償フィルムからなるものであっ
て、前記液晶セルの片側に配された二枚の位相差補償フィルムのうちの一方は、
nx=ny且つnz<nxであり、且つ他方の位相差補償フィルムはny=nz
且つnx>nyである構成としても良い。
 前記第1および第2の位相差補償素子の屈折率異方性が略同一であってもよい
 前記第1および第2の位相差補償素子のそれぞれの主軸xが互いに略直交して
いても良い。
 前記位相差補償素子の主軸xが、各々の位相差補償素子に最隣接の偏光板の吸
収軸に直交する軸との成す角度が±45°であっても良い。
 前記位相差補償素子の主軸xが、各々の位相差補償素子に最隣接の偏光板の吸
収軸に略直交する構成としても良い。
 以下に、本発明の作用につき説明する。
 本発明は、図1に示すように、液晶表示セル表面に平行な面内の平均屈折率(
nx、ny)が厚さ方向の屈折率(nz)に比べて大きく、かつ面内に屈折率異
方性(nx>ny)を有する位相差補償素子を、液晶セルと偏光板との間に挿入
する。すると、偏光板の吸収軸からのずれに伴う視野角特性の悪化が解消される
こととなる。
 本発明で用いる位相差補償素子の屈折率に関する条件は、図1に示す通り、n
z<(nx+ny)/2,nx>nyなる2条件である。なお、複数の位相差板
(または位相差フィルム)で位相差補償素子を構成した場合であっても、素子全
体として上記2条件が満たされていればよい。なお、図1中における401は本
発明で用いる位相差補償素子を示し、402はその屈折率楕円体である。
 また、液晶表示装置にて白表示および中間階調表示を行うとき、透過率変化お
よび色付き等を最適化する観点から、面内の屈折率異方性の軸と偏光板の吸収軸
との成す角度を調整することができる。
 以上詳述したように本発明による場合には、吸収軸からのずれに伴う視野角特
性の悪化を解消し、概ね軸対称の視野角特性を有する液晶表示装置を提供するこ
とが可能であるため、視野角を著しく拡大でき、かつ同特性が全方位にわたって
略等方的であるようにすることが可能となる。
 まず、個々の形態の液晶表示装置について説明することは避け、包括的な説明
を行なう。
 本発明の適応される液晶セルに必要な条件は、上述した通り、「液晶セル表面
に概ね平行な平面内の局所的な(即ち、該液晶層が分離配向されている場合にお
いては略同一配向とみなされる領域の)屈折率異方性の値が、白表示時よりも黒
表示時の方が小さい」ことである。即ち、本発明が適応される液晶セルは、黒表
示時において、図2に示すように正の一軸性の位相差板に近似できる。ここで、
501は液晶セルの下基板、502はその上基板であり、503は黒表示時の液
晶層の屈折率異方性を代表して示す屈折率楕円体である。
 実際の液晶セルでは電圧印加時の配向を規定するために黒表示時であっても液
晶層を代表する屈折率楕円体は基板の法線方向から傾斜しているものがある。例
えば配向が2分割されている場合、図3に示すように領域Aと領域Bの屈折率楕
円体の長軸は、基板表面の法線からわずかに傾斜している。図3は液晶の配向を
2分割した液晶セルの黒表示時の屈折率異方性を代表する屈折率楕円体を示す。
この図3において、521は下基板、522は上基板、523はドメインA、5
24はドメインBであり、525はドメインAにおける液晶層の屈折率異方性を
示す屈折率楕円体、526はドメインBにおける液晶層の屈折率異方性を示す屈
折率楕円体である。この様な場合には、その傾斜角が大きくなるのにともなって
図2の近似との差異が拡大していき、本発明の発明の効果は減少する。しかしな
がら、一般的に用いられる液晶表示装置では本発明の効果が完全に消失すること
はない。後述の実施例で述べるが、一般的には、垂直配向膜とNn型液晶で構成
される液晶表示装置は水平配向膜とNp型液晶で構成される液晶表示装置に比べ
て前記傾斜角度が小さい。即ち、本発明は垂直配向膜とNn型液晶で構成される
液晶表示装置に適用することによりより大きな効果を発揮する。
 以上において説明したように、本発明の本質は、黒表示時の液晶セルが概ね図
2の近似が成立する総ての場合に共通する。従って、以下の説明では、黒表示時
の液晶表示装置に注目し、図2に示した黒表示時の液晶セルの屈折率異方性を代
表する屈折率楕円体に等価な屈折率楕円体を有する位相差フィルムを液晶セルの
代わりに用いて本発明の内容を説明する。
 図4に示す液晶表示装置の構成において、液晶セル105をdLC・(nz−
nx)=350nm、nx=nyなる正の一軸性の位相差フィルムに置き換えた
装置を作製した。図4において、101は下偏光板、102は上偏光板、103
は下位相差補償素子、104は上位相差補償素子、106は下偏光板の吸収軸、
そして107は上偏光板の吸収軸である。108、109については後述する。
 図5Aに示すように、クロスニコルに配した偏光板で正の一軸性の位相差フィ
ルムを挟んだ装置を上下偏光板の吸収軸を二等分する方向に沿って(以下ではΦ
=45゜)、視角(θ)を変化させつつ観察すると、透過率(図では透過率10
0%をパラレルニコル配置した偏光板のみの正面透過率と定義した)が増加する
。即ち、黒表示状態の液晶セルで斜視時に光漏れが生じる。その結果、コントラ
ストが低下する。
 更に、周知のように、図5Bに示すように、前記現象は図4に示した位相差補
償素子103、104に負の一軸性の位相差フィルムを用いることで改善できる
。図5Bは、位相差補償素子103、104として、nx=ny>nzであって
、df・(nx−nz)(dfは位相差補償素子の厚さ)を0nm〜280nmま
で変化させ、Φ=45゜(光源側下偏光板の吸収軸の方向をΦ=0゜とする)及
びΦ=90゜(上下偏光板の吸収軸に対して平行または直交する方向)であって
、かつθ=50゜(図4の装置表面の法線から50゜傾いた方向)での透過率を
測定した結果である。Φ=90゜の透過率はdf(nx−nz)の値によらずほ
ぼ0%であった。一方、Φ=45゜の透過率はdf(nx−nz)の値が0から
増加するにしたがって減少し、df(nx−nz)=175で最小値2%をとる
。ここまでは、周知である。
本発明は、前記nx=ny>nzなる位相差補償素子を、nx≠ny、(nx
+ny)/2>nzなる位相差補償素子に置き換えることにより、Φ=45゜で
の最小値を2%よりも更に小さくするものである。
図5Cは、位相差補償素子103、104を、各々のx軸を108、109に
一致させた、nx>ny、(nx+ny)/2>nzなる位相差補償素子(図1
と同等)とし、df{(nx+ny)/2−nz}=175nmを保ちつつ、df
(nx−ny)を0nm〜38nmまで変化させ、Φ=45゜及びΦ=90゜で
あって、θ=50゜での透過率を測定した結果である。なお、108は下位相差
補償素子の最大屈折率を示す軸であり、109は上位相差補償素子の最大屈折率
を示す軸である。
Φ=90゜の透過率はdf(nx−ny)の値によらずほぼ0%であった。一
方、Φ=45゜の透過率はdf(nx−ny)の値が0から増加するにしたがっ
て減少し、df(nx−ny)=20nmで最小値0.3%となった。
即ち、図1に示す位相差補償素子を用いる本発明の構成によって、周知の構成
の場合に比して、Φ=90゜、θ=50゜の光漏れを1/7に低減できた。この
効果は、直ちに斜視時のコントラスト向上、即ち視野角特性の向上につながる。
何故なら、コントラストは黒レベルの逆数に比例するからである。
 以上で示したとおり、本発明の手法、即ちnz<(nx+ny)/2であって
、かつnx≠nyなる位相差補償素子を用い、nx,ny,nzの値を適切に選
ぶことで、特に上下偏光板の吸収軸を二等分する方向で、斜め方向から観測した
場合の光漏れが著しく抑制できることが示された。このことは、同時に上下偏光
板の吸収軸を二等分する方向でのコントラスト比の視野角特性の改善効果を示し
ている。
 以下に、本発明の具体的な実施例を説明する。
 (実施例1)
 本発明の実施例1の液晶表示装置は、図4に示す構成とした。
 図4の液晶セル105は、本願発明者等の提案したNn型液晶を軸対称状に垂
直配向させた広視野角液晶表示モードであり、特願平8−341590号に記載
の図6に示す液晶セルである。この液晶セル105の構成は、以下の通りである
 即ち、表面に透明電極63(ITO:100nm)が形成された基板62上に
、感光性ポリイミドを用いて、高さ約4.5μmのスペーサー65を絵素領域外
に形成した。その後で、OMR83(東京応化社製)で高さ約3μmの凸部66
を形成した。凸部66で包囲される領域の大きさは、100μm×100μmと
し、1絵素(100μm×300μm)にこの領域を3つ形成した。その上に、
JALS−204(日本合成ゴム社製)をスピンコートし、垂直配向層68を形
成した。さらに、もう一方の基板の透明電極(平坦な)上にも同じ材料を用いて
、垂直配向層(図示せず)を形成した。両者を貼り合わせて液晶セルを完成させ
た。
 作製した液晶セル中に、Nn型液晶材料(メルク社製MJ95955、セルギ
ャップ4.5μmで左ネジレ90゜ツイストとなるようにカイラル材料を混入)
を注入し、電圧を7V印加した。電圧印加直後、初期状態で、軸対称配向の配向
軸が複数存在する状態となり、さらに、電圧印加状態を続けると凸部66で包囲
された領域ごとに1つの軸対称配向領域(モノドメイン)が形成された。
 このような液晶セルに、二軸延伸法により作製した、厚さdf=50μm,df
(nx−ny)=25nm,df{(nx+ny)/2−nz}=130nmの
位相差板を、位相差補償素子103、104として図4に示すように配置した。
更に、外側に偏光板101、102をクロスニコル状態になるよう配置した。
 本実施例の液晶表示装置を、大塚電子(株)製光学特性測定器LCD5000
を用いて、駆動電圧Voff=2Vにて黒表示させたときの透過率の視野角特性
を測定し、ついで駆動電圧Von=5Vにて白表示させたときの透過率の視野角
特性を測定し、更に白表示時の透過率を黒表示の透過率で除しコントラスト比の
視野角特性を得た。
 図7は、その結果を基にしたコントラスト比50の等コントラスト・コンター
曲線を示す図である。
 (比較例1)
 本発明の実施例1に対応する比較例について以下に説明する。
 本比較例1では、実施例1と同様に、図4に示す液晶表示装置と同様の構成の
ものを用いた。但し、本比較例1で用いた板状の位相差補償素子は、厚さdf
50μm、df(nx−ny)=0nm、df{(nx+ny)/2−nz}=1
30nmとした。
図8は、この液晶表示装置を実施例1と同様の手法で測定したコントラスト比
50の等コントラスト・コンター曲線を示す図である。
 (比較例2)
 本発明の実施例1に対応する比較例について以下で説明する。
 本比較例2では、実施例1と同様に、図4に示す液晶表示装置と同様の構成の
ものを用いた。但し、本比較例2では位相差補償素子を用いていない。
 図9は、この液晶表示装置を実施例1と同様の手法で測定したコントラスト比
50の等コントラスト・コンター曲線を示す図である。
 上述した図7、図8及び図9を比較すれば、Φ=0°、90°、180°及び
270°ではいずれもコントラスト50の等コントラスト線は概ねθ=55°と
同一の値を示している。しかしながら、Φ=45°、135°、225°及び3
15°でのコントラスト50の等コントラスト・コンター曲線は、比較例2の図
9では概ねθ=23°、比較例1の図8では概ねθ=38°であるのに比して、
実施例1の図7では概ねθ=53°である。
 以上まとめると、比較例1、2及び実施例1ではΦ=0°、90°、180°
及び270°での視野角特性は概ね同一かつ良好である。しかし、Φ=45°、
135°、225°及び315°では比較例2の液晶表示装置の視野角特性は著
しく劣っている。比較例1の液晶表示装置は、これに一定の改善が成された。更
に実施例1では、これをほぼ完全に改善し、Φ=45°、135°、225°及
び315°の視野角特性をΦ=0°、90°、180°及び270°の視角特性
とほぼ等しい程度に拡大した。即ち、実施例1ではほぼ完全に等方的な、かつ良
好な視野角特性が得られた。
 また、実施例1では、位相差補償素子として、厚さdf=50μm,df(nx
−ny)=25nm、df{(nx+ny)/2−nz}=130nmの位相差
フィルムを各々1枚ずつ用いたが、本発明は何らこれに限定されることなく、位
相差補償素子として同等の特性を示すものであれば、複数の位相差フィルムある
いは液晶セル等を組み合わせて用いてもよい。
 (実施例2)
 ところで、実施例1ではdf(nx−ny)=25nm、df{(nx+ny)
/2−nz}=130nmなる2枚の位相差フィルム(位相差補償素子)で液晶
セルを挟んだ場合のみを示した。このとき、各々の位相差補償素子はx軸を最隣
接の偏光板の吸収軸に直交するように配置した場合のみの検討であった。
 そこで、本実施例2では、df{(nx+ny)/2−nz}の値、df(nx
−ny)の値、及び偏光板の吸収軸と位相差板のx軸とのなす角度について、各
々独立に変化させることで本発明の効果が創出される範囲を見積もった。但し、
本実施例2では、nx、ny、nzすべての値が異なる位相差フィルムを用いる
代りに、図10に示すように、nx=ny>nzの第1の位相差フィルムと、n
x>ny=nzの第2の位相差フィルムとを組み合せた位相差補償素子を用いた
なお、図10において、A101は下偏光板、A102は上偏光板、A103
は第1の下位相差フィルム(nx=ny>nz)、A104は第1の上位相差フ
ィルム(nx=ny>nz)、A105は第2の下位相差フィルム(nx>ny
=nz)、A106は第2の上位相差フィルム(nx>ny=nz)、A107
は液晶セル、A108は下偏光板の吸収軸、A109は上偏光板の吸収軸、A1
10は第2の下位相差フィルムA105のx軸、A111は第2の上位相差フィ
ルムA106のx軸である。
 ここで、位相差補償素子を用いたのは、以下の二つの理由による。
(a)本発明の効果が創出される範囲を容易かつ詳細に調べることができるから
である。
(b)複数の位相差フィルムを組み合わせた位相差補償素子によっても本発明の
効果が創出できることを示すためである。
 [df(nx−nz)}の変化]
 図10のような配置において(但し、第2の位相差フィルムA105、A10
6は取り除いた状態で)、nx=ny>nzなる厚さdfの第1の位相差フィル
ムのdf(nx−nz)値を20nm〜400nmまで変化させ、斜め方向のコ
ントラスト特性を実施例1と同一の測定系で測定した。ここで、斜め方向とは視
野角を定義した図22において、θ=50°、Φ=0°、45°、90°、13
5°、180°、225°、270°そして315°である。
 図11は、測定の結果を示す図である。
 この図11により理解されるように、Φ=0°、90°、180°及び270
°では、df(nx−nz)値によらず、ほぼ一定の良好なコントラスト値を示
している。一方、Φ=45°、135°、225°及び315°では、df(n
x−nz)の値がほぼ140nmのときに最大のコントラストが得られた。尚、
図11に示した通り、前記最適値以外でも、20nm<df(nx−nz)<2
50nmの範囲ではコントラスト向上の効果があり、更に90nm<df(nx
−nz)<190nmの範囲ではその効果が顕著であった。
 周知のように、位相差補償素子のリタデーション値{df(nx−nz)}は
、補償される液晶セルのdLC・△n値(セル厚dLCと、用いた液晶の△n(=
|ne−no|)との積)に対する相対値で議論すべきである。本実施例2でも
その考えを踏襲する。本実施例2で用いた液晶(メルク社製MJ95955)の
△nは概ね0.077、セル厚は4.5μmであるから、液晶セルのdLC・△n
は347nmである。従って、本発明の効果が得られる範囲は、位相差補償素子
のリタデーション値{=df(nx−nz)}が液晶セルのdLC・△n値の0%
〜72%の間であり、著しい効果が得られるのは25%〜55%の間であり、最
大の効果が期待できるのは概ね40%の場合である。
 本実施例2では、位相差補償素子を液晶セルの両側に配置した場合であり、片
側一方に配置した場合には、前記の各値を各々略2倍すればよい。この場合にお
いて、本発明の効果が得られる範囲は、位相差補償素子のリタデーション値{d
f(nx−nz)}が液晶セルのdLC・△n値の0%〜144%の間であり、著
しい効果が得られるのは50%〜110%の間であり、最大の効果が期待できる
のは概ね80%となる。
 本実施例2では、位相差補償素子の各々を2枚の位相差フィルムによって構成
したが、3枚以上の位相差フィルムあるいはフィルム以外のもの、例えば液晶セ
ル、液晶性高分子膜等で位相差補償素子を構成してもよい。
 [(df(nx−ny)の変化]
 次に、図10の配置で、nx>ny=nzなる厚さdfの第2の位相差フィル
ムのdf(nx−ny)値を0nm〜50nmまで変化させ、斜め方向のコント
ラスト特性を実施例1と同一の測定系で測定した。但し、第1の位相差フィルム
は、df(nx−nz)=140nmとした。ここで、斜め方向とは視野角を定
義した図22において、θ=50°、Φ=0°、45°、90°、135°、1
80°、225°、270°そして315°である。
 図12は、その測定の結果を示す図である。
 この図12により理解されるように、Φ=0°、90°、180°及び270
°では、df(nx−ny)値によらず、ほぼ一定の良好なコントラスト値が得
られている。一方、Φ=45°、135°、225°及び315°では、df
nx−ny)の値がほぼ22.5nmのときに最大のコントラストが得られた。
尚、図12に示した通り、最適値22.5nm以外でも、2.5nm<df(n
x−ny)<45nmの範囲ではコントラスト向上の効果があり、更に10nm
<df(nx−ny)<35nmの範囲ではその効果が顕著であった。
 ここで、位相差補償素子のリタデーション値{df(nx−ny)}を、補償
される液晶セルのdLC・△n値(この実施例の場合、dLC・△n=347nm)
に対する相対値で議論する。
 本発明の効果が得られる範囲は、位相差補償素子のリタデーション値{df
nx−ny)}が液晶セルのdLC・△n値の0%〜13%の間であり、著しい効
果が得られるのは2%〜10%の間であり、最大の効果が期待できるのは概ね6
.5%の場合である。
 [上下位相差補償素子のx軸(面内で最大屈折率を示す軸)軸の成す角度]
 本発明では液晶セルの上下に配置した位相差補償素子の、x軸は概ね直交させ
てある。その理由は、液晶表示装置を正面から見たときのコントラストの低下を
避けるためである。2枚の位相差補償素子のx軸が直交していなければ、位相差
補償素子全体で面内位相差が生じるため、良好な黒表示が得られず、コントラス
トが低下することは容易に推察できるからである。
 [位相差補償素子の配置、x軸と偏光板の吸収軸の成す角度の変化]
 前述した実施例1では、液晶セルの上下に配置した位相差補償素子のx軸(最
大屈折率を示す軸)は、それに最隣接した偏光板の吸収軸に直交に配置してあっ
た。本実施例2では、x軸と最隣接の偏光板の吸収軸との直交関係のずれと本発
明の効果の関係を調べた。
 具体的には、df(nx−nz)=140nm、ny=nxの条件を満たす位
相差フィルム(第1の位相差フィルム)と、df(nx−ny)=22.5nm
、nz=nyの条件を満たす位相差フィルム(第2の位相差フィルム)を、図1
0のように積層し、上下に配した第2の位相差フィルムの各x軸(面内での最大
屈折率に平行な軸)の直交関係を維持しつつ、第2の位相差フィルムのx軸と最
隣接の偏光板の吸収軸との成す角度α(図13参照)を時計回りの回転を正とし
て、0°≦α<180°の範囲で変化させ、斜め方向のコントラスト特性を実施
例1と同一の測定系で測定した。ここで、斜め方向とは視野角を定義した図22
において、θ=50°、Φ=0°、45°、90°、135°、180°、22
5°,270°そして315°である。
 図14は、測定結果を示す図である。
 この図14による場合には、Φ=0°、90°、180°及び270°はα=
0°、90°、180°の3点で最大値をとるが、Φ=45°、135°、22
5°及び315°はα=90°のみで、即ち位相差補償素子のx軸が最隣接偏光
板の吸収軸と直交する配置でのみ最大値をとる。
 従って、本発明の効果を最大限に得るためには、α=90°、即ち位相差補償
素子の面内での最大屈折率を示す軸nxと、それに最隣接の偏光板の吸収軸とが
直交するときである。また、図14によれば、45°<α<135°のとき、即
ち前記本発明の効果の得られる配置から時計回り及び反時計回りに45°ずれた
場合でも本発明の効果が得られることが解る。さらには、67°<α<113°
のとき、即ち前記本発明の最大効果の得られる配置から時計回り及び反時計回り
に23°ずれた場合では著しい効果が得られた。
 実施例1、2では、液晶表示モードとして図6に示す構成のものを用いたが、
本発明の適用できる液晶表示モードは何らこれに限定されるものではない。即ち
、請求項1に記載の条件を満たす液晶セルであれば如何なる表示モードを用いた
液晶セルでもよい。
 (実施例3)
 上述した実施例1、2では垂直配向したNn型液晶を分割配向させた代表的な
液晶表示モードに対して、本発明の位相差補償技術を適応した場合の例であった
。本実施例3と後述の実施例4では、水平配向したNp型液晶を分割配向させた
代表的な液晶表示モードに対して、本発明の位相差補償技術を適応する。
 本実施例3の液晶表示装置の構成も、図4に示すものと同様である。
 図4の液晶セルは、本願発明者等の提案したNp型液晶を軸対称状に水平配向
させた広視野角液晶表示モードのものである。その液晶セルの作製法の一例を挙
げれば以下の通りである。無論、作製法はこれに限定されるものではない。
 前述の図6を参照しながら、本実施例の液晶表示装置の製造方法を説明する。
 表面に透明電極63(ITO=膜厚100nm)が形成された基板62上に、
感光性ポリイミドを用いて高さ約4.5μmのスペーサー65を絵素領域外に形
成した。その後でOMR83(東京応化製)で高さ約3μmの凸部66を形成し
た。凸部66で包囲される領域、即ち絵素領域の大きさは100μm□とした。
垂直配向層68は形成せず。
 このように形成した基板を、もう一方の基板である、透明電極を有し、かつ平
坦な形状の基板と貼り合わせて液晶セルを完成させた。
 作製した液晶セル中に、光硬化性樹脂としてR−684(日本化薬製)0.1
g、光重合抑制剤としてp−フェニル・スチレン0.1g、液晶材料としてMS
90847(メルク社製:S811を0.4重量%混有)3.74g及び光開始
剤Irgacure651を0.025g混合した混合物を注入した。
 その後、液晶セルを、液晶の透明点温度以上の110℃に加熱し、1時間保持
した。その後、0.1℃/minで室温まで徐冷した。徐冷の途中で、絵素内に
透明相と非透明相とが観測され、かつ透明相と非透明相の面積がほぼ同一になっ
たとき、徐冷を一旦停止し、液晶セルに約2.5Vrmsの矩形波を断続的に印
加し、またセルの温度を適切に上下し、良好な軸対称配向を得た後、電圧印加を
止め徐冷を再開した。最後に、紫外線を照射し光硬化性樹脂R−684を硬化さ
せることで軸対称配向を固定し、液晶セルの作製を完了した。
 この液晶セルに、二軸延伸法により作製した、厚さdf=50μm、df(nx
−ny)=25nm、df{(nx+ny)/2−nz}=130nmの位相差
補償素子としての位相差フィルム103、104を図4の様に配置した。更に、
その外側に偏光板101、102を配置して、液晶表示装置を完成させた。
 本実施例3の液晶表示装置を、大塚電子(株)製の光学特性測定器LCD50
00を用いて、駆動電圧Von=7.3Vにて黒表示させたときの透過率の視野
角特性を測定し、ついで駆動電圧Voff=2.3Vにて白表示させたときの透
過率の視野角特性を測定し、更に白表示時の透過率を黒表示の透過率で除しコン
トラスト比の視野角特性を得た。
 図15は、その結果をもとにコントラスト比5の等コントラスト・コンター曲
線を示す図である。
 (比較例3)
 本発明の実施例3に対応する比較例3について以下で説明する。
 本比較例3では、実施例3と同様に、図4に示す液晶表示装置の構成のものを
用いた。但し、本比較例3で用いた位相差板は、厚さdf=50μm、df(nx
−ny)=0nm,df{(nx+ny)/2−nz}=130nmとした。
 図16は、この液晶表示装置を実施例1と同様の手法で測定したコントラスト
比5の等コントラスト・コンター曲線を示す図である。
 (比較例4)
 本発明の実施例3に対応する比較例4について以下で説明する。
 本比較例4では、実施例3と同様に、図4に示す液晶表示装置の構成のものを
用いた。但し、本比較例4では、位相差補償素子を用いていない。
 図17は、この液晶表示装置を実施例1と同様の手法で測定したコントラスト
比5の等コントラスト・コンター曲線を示す図である。
 上述した図15、図16及び図17を比較すれば、Φ=0°、90°、180
°及び270°ではいずれもコントラスト5の等コントラスト線は概ねθ=60
°と同一の値を示している。しかしながら、Φ=135°、315°でのコント
ラスト5の等コントラスト・コンター曲線は、比較例4の図17では概ねθ=3
8°、比較例3の図16では概ねθ=48°であるのに比して、実施例3の図1
5では概ねθ=55°である。
 以上まとめると、比較例3、4及び実施例3では、Φ=0°、90°、180
°及び270°での視野角特性は概ね同一かつ良好である。しかし、Φ=135
°、315°では比較例4の液晶表示装置の視野角特性は劣っている。比較例3
の液晶表示装置は、これに一定の改善が成された。更に実施例3では、これをほ
ぼ完全に改善し、Φ=135°、315°の視野角特性をΦ=0°、90°、1
80°及び270°ほぼ等しい程度に拡大した。即ち、実施例3ではほぼ完全に
等方的な、かつ良好な視野角特性が得られた。
 本実施例では位相差補償素子を2枚の位相差フィルムによって構成したが、複
数枚のフィルムあるいはフィルム以外のもの、例えば液晶セル、液晶性高分子膜
等で構成してもよい。
 (実施例4)
 ところで、上述した実施例3では、df(nx−ny)=25nm,df{(n
x+ny)/2−nz}=130nmなる2枚の位相差フィルムで液晶セルを挟
んだ場合のみを示した。このとき、各々の位相差板はx軸を最隣接の偏光板の吸
収軸に直交するように配置した場合のみの検討であった。
 そこで、本実施例4では、df{(nx+ny)/2−nz}の値、df(nx
−ny)の値、及び偏光板の吸収軸と位相差板のx軸との成す角度について各々
独立に変化させることで本発明の効果が創出される範囲を見積もった。ただし、
本実施例4では、nx、ny、nzのすべての値が異なる位相差フィルムを用い
る代りに、nx=ny>nzの第1の位相差フィルムと、nx>ny=nzの第
2の位相差フィルムとを、図10のように組み合せた位相差補償素子を配置した
。配置の仕方は、実施例2の場合と同様である。
 ここで、この位相差補償素子を用いたのは、以下の2つの理由による。
(a)本発明の効果が創出される範囲を容易、かつ詳細に調べることができるか
らである。
(b)複数の位相差フィルムを組み合わせた位相差補償素子によっても本発明の
効果が創出できることを示すためである。
 [df(nx−nz)の変化]
 図10のような配置において、nx=ny>nzなる厚さdfの位相差フィル
ムのdf(nx−nz)値を20nm〜400nmまで変化させ、斜め方向のコ
ントラスト特性を実施例1と同一の測定系で測定した。ここで、斜め方向とは視
野角を定義した図22において、θ=50°、Φ=0°、45°、90°、13
5°、180°、225°、270°そして315°である。
 図18は、測定の結果を示す図である。
 図18において、Φ=0°、90°、180°及び270°ではdf(nx−
nz)値によらずほぼ一定の良好なコントラスト値を示している。一方、Φ=4
5°、135°、225°そして315°ではdf(nx−nz)の値がほぼ1
50nmのときに最大のコントラストが得られた。尚、図18に示した通り、前
記最適値以外でも20nm<df(nx−nz)<300nmの範囲ではコント
ラスト向上の効果があり、更に70nm<df(nx−nz)<230nmの範
囲ではその効果が顕著であった。
 周知のように、位相差補償素子のリタデーション値{df(nx−nz)}は
、補償される液晶セルのdLC・△n値(セル厚dLCと、用いた液晶の△n(=|
ne−no|)との積)に対する相対値で議論すべきである。本実施例でもその
考えを踏襲する。本実施例で用いた液晶(メルク社製MS90847)の△nは
概ね0.096、セル厚は4.5μmであるから液晶セルのdLC・△nは432
nmである従って、本発明の効果が得られる範囲は位相差補償素子のリタデーシ
ョン値{df(nx−nz)}が液晶セルのdLC・△n値の5%〜69%の間で
あり、著しい効果が得られるのは16%〜54%であり、最大の効果が期待でき
るのは概ね35%の場合である。
 本実施例では、位相差補償素子を液晶セルの両側に配置した場合であり、片一
方に配置した場合には前記の各値を各々略2倍すればよい。従って、本発明の効
果が得られる範囲は位相差補償素子のリタデーション値{=df(nx−nz)
}が液晶セルのdLC・△n値の10%〜138%の間であり、著しい効果が得ら
れるのは32%〜108%の間であり、最大の効果が期待できるのは概ね70%
となる。
 [df(nx−ny)の変化]
 次に、図10の配置で、nx>ny=nzなる厚さdfの位相差フィルムA1
05及びA106のdf(nx−ny)値を3nm〜50nmまで変化させ、斜
め方向のコントラスト特性を実施例1と同一の測定系で測定した。但し、位相差
フィルムA103とA104は、df(nx−nz)=150nm。ここで、斜
め方向とは視野角を定義した図22において、θ=50°、Φ=0°,45°、
90°、135°、180°、225°、270°そして315°である。
 図19は、測定の結果を示す図である。
 図19によれば、Φ=0°、90°、180°及び270°ではdf(nx−
ny)値によらずほぼ一定の良好なコントラスト値が得られている。一方、Φ=
45°、135°、225°及び315°では、Φ=45°、225°とΦ=1
35°、315°では最大コントラストを与えるdf(nx−ny)値に大きな
差がある。しかし、df(nx−ny)値の変化に対する両組のコントラストの
変化はブロードであり、両コントラストが一致したとき、即ち視野角特性がより
同心円状になったとき(これもまた本発明の効果の一つである)でもコントラス
ト拡大の効果が十分に得られている。このときのdf(nx−ny)の値は24
nmであり、このとき本発明の効果が最大であった。なお、図19に示した通り
、最適値24nm以外でも3nm<df(nx−ny)<48nmの範囲では本発
明の効果があり、更に、12nm<df(nx−ny)<36nmの範囲ではその
効果が顕著であった。
 ここで、位相差補償素子のリタデーション値{df(nx−ny)}を、補償
される液晶セルのdLC・△n値(この例の場合のdLC・△n=432nm)に対
する相対値で議論する。本発明の効果が得られる範囲は位相差補償素子のリタデ
ーション値{df(nx−ny)}が液晶セルのdLC・△n値の0%〜12%の
間であり、著しい効果が得られるのは2%〜9%の間であり、最大の効果が期待
できるのは概ね5.5%の場合である。
 [上下位相差補償素子のx軸(面内で最大屈折率を示す軸)の成す角度]
 本発明では液晶セルの上下に配置した位相差補償素子の、x軸は概ね直交させ
てある。その理由は液晶表示素子を正面から見たときのコントラストの低下を避
けるためである。2枚の位相差補償素子のx軸が直交していなければ、位相差補
償素子全体で面内位相差が生じるため、良好な黒表示が得られず、コントラスト
が低下することは容易に推察できるからである。
 [位相差補償素子の配置、x軸と偏光板の吸収軸の成す角度の変化]
 前述した実施例3では、液晶セルの上下に配置した位相差補償素子のx軸(最
大屈折率を示す軸)はそれに最隣接した偏光板の吸収軸に直交させてあった。本
実施例4では、x軸と最隣接の偏光板の吸収軸との直交関係のずれと本発明の効
果の関係を調べた。
 具体的には、df(nz−nx)=150nm,ny=nxの条件を満たす位
相差フィルムと、df(nx−ny)=24nm,nz=nyの条件を満たす位
相差フィルムとの2枚の位相差フィルムを、図10のように積層した位相差補償
素子のx軸(面内での最大屈折率に平行な軸)の直交関係を維持しつつ、位相差
補償素子のx軸と最隣接の偏光板の吸収軸との成す角度α(図13参照)を時計
回りの回転を正として、0°≦α<180°の範囲で変化させ、斜め方向のコン
トラスト特性を実施例1と同一の測定系で測定した。ここで、斜め方向とは視野
角を定義した図22において、θ=50°、Φ=0°、45°、90°、135
°、180°、225°、270°そして315°である。
 図20は、測定結果を示す図である。
 図20によれば、総てのΦに対して最大のコントラストを与えるαの値は存在
しない。しかし、視野角特性が対称に拡大できるのはα=90°、即ち位相差補
償素子のx軸が最隣接偏光板の吸収軸と直交する配置でのときである。従って、
本発明の効果を最大限に得るためにはα=90°、即ち位相差補償素子の面内で
の最大屈折率を示す軸nxと、それに最隣接の偏光板の吸収軸とが直交するとき
である。また、図20によれば、45°<α<135°のとき、即ち前記本発明
の効果の得られる配置から時計回り及び反時計回りに45°ずれた場合でも、本
発明の効果が得られることが解る。更には、67°<α<113゜のとき、即ち
前記本発明の最大効果の得られる配置から時計回り及び反時計回りに23°ずれ
た場合では著しい効果が得られた。
 上述した実施例1〜4では、図6の構成の液晶セル、つまり液晶表示モードと
して略連続的に配向が変化している(連続的に配向分割した)表示モードを用い
たが、前述したように本発明の適用範囲は何らこれに限定されるものではない。
 本実施例で略連続的に配向が変化している表示モードを用いたのは、本発明に
より偏光板の吸収軸から45°ずれた方向での視野角特性を改善することで等方
的な視野角特性が得られるからである。
 図21に、2分割、4分割、連続分割の分割配向での、液晶表示装置を正面か
ら見たときの、絵素内のダイレクター分布の一例を示す。(a−1)は2分割配
向で白表示を行う場合、(a−2)は2分割配向で黒表示を行う場合、(b−1
)は4分割配向で白表示を行う場合、(b−2)は4分割配向で黒表示を行う場
合、(c−1)は連続配向で白表示を行う場合、(c−2)は連続配向で黒表示
を行う場合である。これらの図中の破線は分割配向による各ドメイン境界を示し
ている。また、図中の矢印は、図21(d)に示すように、液晶セルの中間層で
の液晶分子の起き上がり方向を矢先として液晶分子のダイレクターを示している
 この図21より理解されるように、連続的に配向が変化している(連続的に配
向分割した)場合には、この境界線が無いのが特徴である。なお、図21におい
て、分割無し、3分割、5分割、6分割、7分割・・・等も考えられる。また各
々、様々なツイスト角度を取り得る。
 また、本発明が表示モード(分割方法)によらないのは、図21の右列、つま
り(a−2)、(b−2)、(c−2)に示した黒表示のダイレクター分布が端
的に示している。即ち、黒表示では、分割方法によらずダイレクターは同一であ
る。厳密には、液晶セル厚方向のプロファイルが異なる。Np型液晶の水平配向
を用いた実施例3及び4の特性に比してNn型液晶の垂直配向を用いた実施例1
及び2の特性が優れているのは、セル厚方向のプロファイルの違いに起因してい
る。このプロファイルの違いを具体的に以下に説明する。
 Nn型液晶を用いた場合には、黒表示時において、セル厚方向のいずれの位置
に置いても(上下基板付近およびセル厚の中央付近のいずれにおいても)、液晶
分子はその分子長軸を基板表面に対して垂直に配向している。これに対し、Np
型液晶を用いた場合には、黒表示時において、セル厚の中央付近の液晶分子はそ
の分子長軸を基板表面に対して垂直に配向しているが、上下基板に近づくにつれ
て、垂直からずれ基板表面に対して略平行に配向する。上記のプロファイルの違
いは、この配向状態の違いを言う。この配向状態の違い起因して、Nn型液晶を
用いた液晶セルはNp型液晶を用いた液晶セルに比較して、図2に示した屈折率
楕円体で代表される理想的な屈折率異方性を呈するため、実施例1および2の液
晶表示装置の視野角特性は、実施例3および4の視野角特性よりも優れる。
 本発明の効果の本質は、黒表示状態での光漏れを押さえる点にあり、表示モー
ド(分割方法)に依存しないのは必然である。即ち、液晶セル表面に概ね平行な
平面内の局所的な屈折率異方性の値が白表示時よりも黒表示時の方が小さくなる
液晶セルであれば、如何なる表示モードを用いた液晶セルを使用してもよい。
 本発明の実施例では液晶表示装置の駆動方法については何ら言及していないが
、本発明はパッシブ・マトリックス駆動、薄膜トランジスタ等を用いたアクティ
ブ・マトリックス駆動、プラズマ放電を用いたプラズマ・アドレス駆動(PAL
C)等、如何なる駆動方式にも適応できることは言うまでもない。
本発明で用いる位相差補償素子の屈折率に関する条件を説明する模式図(斜視図)である。 本発明の適応できる液晶セルにおける、4つ以上に配向分割した黒表示時の屈折率異方性に関する近似を示す斜視図である。 本発明の適応できる液晶セルにおける、2つに配向分割した黒表示時の屈折率異方性を各ドメイン毎の近似を示す斜視図である。 本発明の実施例1、3における液晶表示装置の構成例を示す分解斜視図である。 上下偏光板の吸収軸を二等分する方向に沿った、視野角変化による光漏れを説明する図である。 周知の技術による、上下偏光板の吸収軸を二等分する方向に沿った、視野角変化による光漏れ低減効果を説明する図である。 本発明の技術による、上下偏光板の吸収軸を二等分する方向に沿った、視野角変化による光漏れ低減効果を説明する図である。 (a)は本発明の液晶表示装置に適用可能な液晶セルの構成例を示す断面図、(b)はその平面図である。 本発明の実施例1による場合の視野角特性を示す図である。 比較例1での視野角特性を示す図である。 比較例2での視野角特性を示す図である。 本発明の実施例2、4における液晶表示装置の構造例を示す分解斜視図である。 本発明の実施例2における、コントラスト比のdf(nx−nz)依存性を示す図である。 本発明の実施例2における、コントラスト比のdf(nx−ny)依存特性を示す図である。 本発明の実施例2において、位相差補償素子のx軸と偏光板の吸収軸との配置を規定する角度αを定義する図である。 本発明の実施例2における、コントラスト比のα依存特性を示す図である。 本発明の実施例3による場合の視野角特性を示す図である。 比較例3での視野角特性を示す図である。 比較例4での視野角特性を示す図である。 本発明の実施例4における、コントラスト比のdf(nx−nz)依存性を示す図である。 本発明の実施例4における、コントラスト比のdf(nx−ny)依存特性を示す図である。 本発明の実施例4における、コントラスト比のα依存特性を示す図である。 本発明の液晶表示装置に適用される液晶セルの構成各種を説明する図及び液晶セルにおける液晶分子の配向方向の定義を示す図である。 本発明における視野角の定義を説明する斜視図である。 従来の配向分割による広視野角表示モードでの代表的な視野角特性(等コントラスト・コンター曲線)と、本発明による改善効果とを示す概念図である。
符号の説明
 101 下偏光板
 102 上偏光板
 103 下位相差補償素子
 104 上位相差補償素子
 105 液晶セル
 106 下偏光板の吸収軸
 107 上偏光板の吸収軸
 108 下位相差補償素子のx軸(最大屈折率を示す軸)
 109 上位相差補償素子のx軸(最大屈折率を示す軸)
 201 液晶セル
 202 上偏光板の吸収軸
 203 下偏光板の吸収軸
 204 視野角を定義するための、液晶表示装置に平行な仮想平面
 205 視野角(観測者の視線)
 301 等コントラスト・コンター曲線
 302 等コントラスト・コンター曲線
 401 位相差補償素子
 402 位相差補償素子における屈折率楕円体
 501 下基板
 502 上基板
 503 黒表示時の液晶層の屈折率異方性を示す屈折率楕円体
 521 下基板
 522 上基板
 523 ドメインA
 524 ドメインB
 525 ドメインAの液晶層の屈折率異方性を示す屈折率楕円体
 526 ドメインBの液晶層の屈折率異方性を示す屈折率楕円体
 A101 下偏光板
 A102 上偏光板
 A103 第1の下位相差フィルム
 A104 第1の上位相差フィルム
 A105 第2の下位相差フィルム
 A106 第2の上位相差フィルム
 A107 液晶セル
 A108 下偏光板の吸収軸
 A109 上偏光板の吸収軸
 A110 第2の下位相差フィルムのx軸(最大屈折率を示す軸)
 A111 第2の上位相差フィルムのx軸(最大屈折率を示す軸)
 A401 液晶表示装置を正面から見たときの光源側偏光板の吸収軸
 A402 液晶表示装置を正面から見たときの観測者側偏光板の吸収軸
 A403 液晶表示装置を正面から見たときの光源側位相差補償素子のx軸
 A404 液晶表示装置を正面から見たときの観測者側位相差補償素子のx軸

Claims (7)

  1. 第1の基板および第2の基板に挟持された液晶層を有する液晶セルと、
     第1の偏光板と第2の偏光板とを含む一対の偏光板であって、前記液晶セルを挟持するとともに前記第1の偏光板と前記第2の偏光板とがクロスニコルに配置された一対の偏光板と、
     前記第1の偏光板と前記液晶セルとの間に設けられた第1の位相差補償素子と
    を備え、
     前記液晶層にあっては、前記液晶セル表面に平行な面内の屈折率異方性の値が白表示時よりも黒表示時の方が小さく、前記黒表示の際、前記液晶セル厚方向のいずれの位置においても、前記液晶層の液晶分子の分子長軸が前記第1の基板または前記第2の基板に対して垂直に配向され、且つ、
     前記第1の位相差補償素子は屈折率異方性を呈するとともに、直交座標系XYZの主軸x、y、z軸に沿った方向の屈折率をそれぞれnx,ny,nzとし主軸zは前記液晶セル表面の法線に平行であり、主軸x,yは前記液晶セル表面に平行な面内に有ると定義するとき、nz<(nx+ny)/2、且つ、nx>nyである、液晶表示装置。
  2. 前記第2の偏光板と前記液晶セルとの間に設けられた第2の位相差補償素子をさらに備える、請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記第1の位相差補償素子の屈折率異方性は、前記第2の位相差補償素子の屈折率異方性と同一である、請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記第1の位相差補償素子の主軸は、前記第2の位相差補償素子の主軸と直交している、請求項2または3に記載の液晶表示装置。
  5. 前記第1の位相差補償素子は、第1の位相差補償フィルムと第2の位相差補償フィルムとを含み、
     前記第1の位相差補償フィルムは、nx=ny且つnz<nxであり、前記第2の位相差補償フィルムは、ny=nz且つnx>nyであり、
     前記第1の位相差補償フィルムは、前記第1の偏光板側に配置され、前記第2の位相差補償フィルムは前記液晶セル側に配置される、請求項1から4のいずれかに液晶表示装置。
  6. 前記第1の位相差補償素子の主軸xと、前記第1の偏光板の吸収軸との成す角度αが67°<α<113°である、請求項1から5のいずれかに記載の液晶表示装置。
  7. 前記第1の位相差補償素子の主軸xが、前記第1の偏光板の吸収軸に直交する、請求項6に記載の液晶表示装置。
JP2003277937A 1997-08-29 2003-07-22 液晶表示装置 Withdrawn JP2004004951A (ja)

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