JP2004004661A - オイル塗布ローラ - Google Patents

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木村 康一
Tatsuo Takagi
高木 達雄
Yosuke Suganuma
菅沼 洋介
Isami Abe
阿部 勇美
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Abstract

【課題】主要構成要素として軸芯の周りにオイル保持層とその外側にオイル塗布量制御層とを有するオイル塗布ローラにおいて、端面からのオイル漏れに対する密封処理が不要で、且つ、有効寿命が長いオイル塗布ローラを提供する。
【解決手段】軸芯、同軸芯の周りに設けたオイル保持層、同オイル保持層の外周に設けたオイル塗布量制御層とから成り、オイル保持層がオイル吸い上げ高さが60mm以上且つオイル透過率が40g/cm/hr以上の不織布を使用する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電複写機、電子写真機、プリンタなどに取り付けられている定着ローラの表面に離型オイルを塗布するのに使用することが出来るオイル塗布ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、静電複写機、電子写真機、プリンタなどにおける定着装置の定着ローラには、トナーの付着防止、紙の巻き付き防止、定着ローラ表面の摩耗防止のために、オイル塗布ローラ等のオイル塗布部材により、表面に連続的に離型オイルを塗布している。係るオイル塗布ローラは、通常、主要構成要素として軸芯、オイル保持層、必要によりPTFE多孔質膜などのオイル塗布量制御層からなり、当該オイル保持層に塗布すべきオイルを含浸して保持し、当該オイルを必要量ずつ定着ローラ表面に転写するローラである。
【0003】
オイル塗布ローラは、通常、使い捨ての消耗品として取り扱われ、オイル保持層に含浸されているオイルが消費尽くされるか、または、残存していても上記の多孔質膜層表面に必要量が滲出しなくなったときは使用済みとなる。従って、オイル塗布ローラの有効寿命は、オイル保持層の中に含浸される保持量の中から必要な速度で滲出しうるオイルの量、すなわち、有効オイル量として評価され、オイル保持量が多いほど且つ最終残量が少ないほど長くなる。
【0004】
しかしながら、一般にオイル含浸量が多い場合は、通常、オイル保持層の外側に塗布量制御層があるためローラ表面からは実質的に漏れは生じにくいが、オイル保持層の端面から漏れ出し易い。したがって多くの場合、端面にはオイル漏れを軽減または防止するために密封処理が必要であり、上記のような消耗品として製造することを考慮すると、経済的に不利である。一方、オイル漏れを回避するためにオイル保持層の含浸量を減量すれば、前記の有効量が低下し、有効寿命が短くなる。
【0005】
上記のオイル保持層としては、例えば、特許文献1や特許文献2などに記載されているように、ロックウール紙や、アラミド、ポリエステルの混抄紙を多数回巻き付けたものが知られている。これらの材料をオイル保持層とした場合は、オイル保持層自体のオイル保持力が高いため、縦置き時や実使用時のオイル漏れの問題は極めて少ないが、それらの気孔率が低いためオイル保持層に含浸しうるオイル量が少なく、またオイルが残存していても必要量のオイルが滲出しなくなる、といった有効オイル量、有効オイル率が低いという問題がある。
【0006】
また、特許文献3や特許文献4には、オイル保持層にシリコーンゴムやメラミン樹脂スポンジを使用したものが記載されている。これらの材料をオイル保持層とした場合は、気孔率が高いことから、オイル保持層に含浸しうるオイル量が多く、また有効オイル量、有効オイル率も高いという長所はあるが、これらの材料を使用したオイル塗布ローラは、オイル保持層のオイル保持力が極めて低いため、縦置き時や実使用時のオイル漏れの問題がある。そのため、これらのオイル塗布ローラにはオイル漏れの軽減、漏れ防止のための端面密封処理、その他の対策が必要であり、コスト高の原因になる。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−348166号公報
【特許文献2】
特開平9−185282号公報
【特許文献3】
特開平4−139477号公報
【特許文献4】
特開2001−318553号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、オイル漏れの発生が無いことと、有効オイル量、有効オイル率が高いことを同時に達成できるオイル塗布ローラを入手するのが困難であった。本願発明は、上記の問題点を解消するために為されたものであり、すなわち、本発明の目的は、主要構成要素として軸芯の周りにオイル保持層とその外側にオイル塗布量制御層とを有するオイル塗布ローラにおいて、端面からのオイル漏れに対する密封処理が不要で、且つ、有効寿命が長いオイル塗布ローラを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、縦置き時のオイル保持量はオイル保持層を構成する不織布のオイル吸い上げ高さに、有効オイル量は不織布のオイル透過率に、それぞれ大きく影響される事を見いだし、本発明に到達したものである。
【0010】
すなわち、本発明の要旨は、軸芯、同軸芯の周りに設けたオイル保持層、同オイル保持層の外周に設けたオイル塗布量制御層とから成り、オイル保持層がオイル吸い上げ高さが60mm以上且つオイル透過率が40g/cm/hr以上の不織布であることを特徴とするオイル塗布ローラに存する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様について詳細に説明する。
本発明のオイル塗布ローラは、主要構成要素として軸芯の周りにオイル保持層とその外周にさらにオイル塗布量制御層と、を有する。
【0012】
上記のオイルは、例えば静電複写機、電子写真機、プリンタなどの定着装置の定着ローラ表面へのトナー付着の防止、紙の巻き付きの防止、ヒートローラ表面の摩耗の防止のために、定着ローラ表面にオイル塗布ローラによって塗布される。
【0013】
上記のオイルは、離型オイルと呼ばれ、通常、離型性、耐熱性などの観点からシリコーンオイルが好適に使用され、中でも使用条件に応じて種々の粘度のものが使用されるが、粘度が高すぎるものは塗布時の流動性が劣るため、通常30,000cSt以下のものが使用される。係るオイルの具体例としては、ジメチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0014】
上記の軸芯を構成する材料としては、公知の材料、形状および寸法のものを使用することが出来、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレススチール、真鍮などが挙げられるが、コスト及び加工性の観点からアルミニウムが好適に使用される。上記の軸芯の太さは、その用途により適宜決定されるが、例えば外径が5〜20mm程度である。
【0015】
前記のオイル保持層はオイル塗布ローラとして塗布するオイルを含浸して保持する層であり、この層に含浸されたオイルが、オイル塗布量制御層を通って滲出して定着ローラなどに転写される。この場合、オイル塗布量制御層を滲出して定着ローラなどに転写される量が多いほどオイル塗布ローラの有効寿命が長い事になる。
【0016】
本発明においては、上記のように有効寿命が長いオイル塗布ローラを得るために、オイル保持層は、特定の範囲の不織布、すなわち、オイル吸い上げ高さが60mm以上、且つオイル透過率40g/cm/hr以上である不織布を巻回して構成される。また、上記の不織布の気孔率は、オイルをより多く含浸するために、70%以上であるものが好ましい。なお、オイル吸い上げ高さ及びオイル透過率の値は、当該両特性が不織布内に形成される空隙幅すなわち毛細管の太さにより相互に逆方向に変化し、且つ両特性の下限値が規定されているため、それぞれの上限値は、おのずからシリコーンオイルと不織布素材の組合せに応じて有限であり、両特性を共に限りなく大きくする事はない。
【0017】
上記の不織布としては、特に制限されないが、例えばポリエステル長繊維を熱融着によりボンディングした不織布が好適に例示され、具体的には、ボランス及びエクーレ(商品名、東洋紡績株式会社製)として入手可能である。
【0018】
上記の不織布を軸芯の外周に積層巻きする際の巻きテンションは、公知の条件によることが出来るが、上記の不織布の特性を生かすため、通常、1〜100N/m程度であり、好ましくは5〜50N/mである。
【0019】
なお、上記のオイル吸い上げ高さとは、毛細管現象によりオイルを吸い上げる高さの事であり、本発明においては、JIS P 8141号に記載されている吸水度試験方法に準じて、ただし水の代わりに100cStのシリコーンオイルを用いて測定した値をいう。
【0020】
また、上記のオイル透過率は、1kPaの圧力下における100cStの粘度のシリコーンオイルが単位面積(cm)あたり、単位時間(hr)あたりに透過する量をいい、不織布のオイル透過性を示すものである。また、前記の気孔率は、不織布等を空気比較式比重計1000型(東京サイエンス株式会社製)を使用して測定して得られる気孔体積から算出した値をいう。
【0021】
オイル保持層を形成する素材として以上の各特性を有する不織布を使用することによりオイル保持層にはオイルを0.22g/cm以上安定して保持でき、且つその保持するオイルの内70%以上が有効に利用されるオイル塗布ローラを得ることが出来る。
【0022】
前記の塗布量制御層はオイル保持層に含浸して保持され、好ましくはオイル保持層と塗布量制御層との間に設けた、オイル移行層を経て浸透してくるオイルを微少量ずつ適量に滲出させるために形成される。係る塗布量制御層としては、通常、多孔質膜、あるいは、前記のオイル移行層の外周表面にシリコーン又はシリコーンゴムとシリコーンオイルまたは熱処理により揮発する成分との混合物を塗布した後に熱処理し、微多孔を形成した皮膜が使用され、中でもトナー定着部のオイル塗布ローラとして使用する場合、トナーに対する離型性が優れたポリテトラフルオロエチレン膜(以下、PTFE多孔質膜という)が好適に使用される。
【0023】
上記の多孔質膜の特性は、例えば、厚さが15〜130μmであり、平均直径が0.1〜2μmの開孔が多数形成され、表面粗さRaが0.5〜2.0μm、空隙率が60〜90%であり、B型ガーレー式デンソメーターにより測定されるガーレー数としての透気度が3〜1500(秒/100cc)のものが好適に使用される。
【0024】
上記のオイル移行層は、上記のオイル保持層からのオイルを塗布量制御層に浸透して移行させる役割を有する。係るオイル移行層は多層構造であってもよい。
【0025】
上記のオイル移行層を構成する材料としては、多孔性フェルトなどが挙げられ、例えばアラミド繊維などの耐熱性繊維のフェルトのものが好適に例示され、中でもニードルパンチ加工などにより面状に成型して面全体として密度の均質性が優れたものがより好ましい。係るフェルト層は、目付が60〜1000g/m、好ましくは170〜800g/m、厚さが0.5〜5.0mm、好ましくは2〜3mmのものが好適に使用される。
【0026】
上記のオイル保持層、オイル移行層および塗布量制御層の相互間の積層に使用する固定方法としては、公知の方法を適用することができるが、中でもオイル保持層と塗布量制御層との相互間の積層、あるいはオイル移行層と塗布量制御層との相互間の積層には、表面へのオイル滲出量の均一性の観点から、接着剤により接着する方法が好ましい。
【0027】
上記の接着剤による方法としては、接着面を接着剤で完全に被覆させない方法であれば特に制限されないが、その一例として、接着の一方の面にRTVゴム(室温硬化型ゴム)、LTVゴム(低温硬化型ゴム)、紫外線硬化型ゴムなどを主成分とする接着剤を点状、格子状または梨子地状に塗布して部分的に接着させる方法、または、オイルの滲出量の微少量制御のために、シリコーンワニスとシリコーンオイルとを混合した接着剤をそれぞれ両層の何れか一方の面または両面の、一部または全面に塗布した後、シリコーンワニスを硬化させる方法が挙げられる。
【0028】
上記のようにして得られるオイルが含浸されていないもの、すなわち、オイル塗布ローラ構造体は、これにオイルを含浸させてオイル塗布ローラとなる。係るオイルの含浸方法としては、オイル保持層およびオイル移行層へのオイルの含浸量を調節することが出きるように、オイル塗布ローラ構造体の少なくとも一方の端面から加圧条件下に注入して含浸させるのが好ましい。係る注入して含浸させる具体的な方法としては、例えば次に説明するオイル供給用チャッキング治具を用いる方法をあげることが出来る。
【0029】
上記のチャッキング治具は、供給されたオイルを上記のオイル塗布ローラ構造体の端面のオイル保持層部に注入する凹空間を形成する先端部とこの部分にオイルを供給する供給管部とから成り、上記の先端部は、凹空間の凹部を形成する開口部と、当該開口部をオイル塗布ローラ構造体の端面のオイル保持層部に対面できるように押し当てたときオイルが漏れ出ることが無い様にオイル保持層と液密に接し得る環状突起部から構成される。
【0030】
そして、上記の環状突起部の外周の大きさは、オイル塗布ローラ構造体の端面において塗布量制御層の端と隙間が生じる程度とされ、換言すれば、先端部を押し当てたときその周辺部においてオイル保持層またはオイル移行層の端面の一部が露出する程度の幅とする。なお、上記の供給管部には加圧装置との接続装置が具備されており、さらに、オイルの供給を制御する開閉弁を組み込むことが出来る。
【0031】
なお、上記のオイル供給用チャッキング治具を用いてオイルを注入し含浸させる際、オイル供給用チャッキング治具を用いない端面には端面閉止用チャッキング治具を押し当ててオイルが端面から漏れ出ないようにして行うのが好ましい。係る端面閉止用チャッキング治具は、上記のオイル供給用チャッキング治具において中央部の供給管がなく閉塞された凹空間のみを具備する構成のものが好適に使用される。勿論、上記のオイル供給用チャッキング治具の開閉弁を閉じたものを使用することも出来る。
【0032】
以上のようにしてオイル保持層に含浸されたオイルが自重によって液漏れしないように調節して含浸させて得られたオイル塗布ローラは、端面を必ずしも液密に密封する必要はない。この様に液密に封止する必要はない場合は、例えば前記の塗布量制御層として使用された多孔質フッ素樹脂膜などの多孔質膜をローラ幅より広いものを使用し、両端にはみ出す耳部分を軸芯方向に織り込んで押さえる程度の処理にとどめても支障がない。
【0033】
この場合、この折り込み部分を押さえて固定する方法としては特に制限されるものではないが、例えば、プッシュリングと称せられる部品を装着する方法を挙げることが出来る。プッシュリングは、バネ質板材から作製され、中心部がバネ質板材の機能により軸芯の支持部に固定され、同様にバネ質板材の機能により上記端面の折り込み部分を押さえ続けることが出来、折り込み部分を押さえた状態で固定することが出来る。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明図を併用して更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えないかぎり、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
外径が12mm、長さが223mmの軸芯11に、オイル保持層素材として厚さ0.3mm、幅217mmのポリエステル長繊維不織布(商品名:エクーレ6501A、東洋紡績株式会社製)を外径が30.4mmに成るまで10N/mのテンションで巻回してオイル保持層とした。さらにその外周表面に、オイル移行層として、平均直径18μmのアラミド繊維からなる厚さ2.8mm、気孔率82%の不織布(商品名:ノーメックスフェルト)を外径36mmになるまでオイル保持層と同様にして巻回した。上記のオイル保持層に使用した不織布について前記の方法によりオイル吸い上げ高さ、オイル透過量および気孔率を測定した。
【0035】
上記のオイル移行層の表面にシリコーンワニスとシリコーンオイルを質量比で50:50の割合で混合した接着剤を70g/cmと成るように塗布した後、厚さ80μm、幅240mm、平均気孔径が0.2μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フイルム12を両側の耳長さが等しくなるように配置して一重に巻回し、外径36mmのオイル塗布オイル塗布構造体10を作製した。
【0036】
得られたオイル塗布ローラ構造体10に対して、まず、その質量を精秤した後、一方の端面のオイル移行層部分の周辺の一部を残すように前記のオイル供給用チャッキング治具の先端部を押し当て、他の端面に前記の端面閉止用チャッキング治具を押し当て、オイル供給管に粘度が100cStのジメチルシリコーンオイルKF−96を100g供給した後、加圧装置に接続して0.3kPaの圧力をかけ、オイルを注入して含浸させ、オイル塗布ローラ10を作製した。
【0037】
上記のオイル塗布ローラ10について、縦置き漏れ量の測定試験として、一方の端面を下にして25℃、湿度50%の環境下に1日間(24時間)吊して放置し、その質量変化を測定し、縦置き保持量を求めた。
【0038】
上記の縦置き保持量を求めたオイル塗布ローラ10について、PTFE多孔質フイルムの両端部の耳部を軸芯方向に折り込んで、その外側からプッシュリング14を用いて押さえ付け、実用出来るオイル塗布ローラ10とした。このオイル塗布ローラ10をカラープリンターにセットし、通常のA4板の印刷用紙に同様のカラー画像を500枚単位毎に印刷を継続し、それぞれの単位の印刷の間のローラ質量の減量を測定し、通紙枚数で除して平均オイル塗布量を算出した。
【0039】
そしてその塗布量が1枚あたり1mgを下回ったとき試験を終了し、その時のオイル塗布ローラ10のオイル残量(g)を測定してそれ迄の試験の期間中に有効に使用された有効オイル量(g、及び見かけ単位容積あたりの量:g/cm)を算出し、次式に従って縦置き保持量に対する有効オイルの割合すなわち有効オイル率(%)を求めた。
有効オイル率(%)=有効オイル量/縦置き保持量×100
以上の試験による縦置き時のオイル保持量、有効オイル量、有効オイル率、および、オイル塗布ローラ10の主な条件と共に表1に示した。
【0040】
実施例2
実施例1において、オイル保持層を構成する不織布として、厚さ0.5mm、幅217mmのポリエステル長繊維不織布(商品名:ボランス4051N、東洋紡績株式会社製)を使用した以外は、実施例1と全く同様にして、オイル保持層を巻回し、オイルを100g含浸させてオイル塗布ローラ10を作製した。そして、実施例1と同様にして、使用した不織布についてオイル吸い上げ高さ、オイル透過率および気孔率を求め、オイル塗布ローラ10について、縦置き時のオイル保持量、有効オイル量(g、及び見かけ単位容積あたりの量:g/cm)、有効オイル率を求め、オイル塗布ローラ10の条件と共に表1に示した。
【0041】
比較例1
実施例1において、オイル保持層を構成する不織布として、厚さ0.1mm、幅217mmのアラミド紙を使用した以外は、実施例1と全く同様にして、オイル保持層を巻回し、オイルを100g含浸させてオイル塗布ローラ10を作製した。そして、実施例1と同様にして、使用した不織布についてオイル吸い上げ高さ、オイル透過率および気孔率を求め、オイル塗布ローラ10について、縦置き時のオイル保持量、有効オイル量(g、及び見かけ単位容積あたりの量:g/cm)、有効オイル率を求め、オイル塗布ローラ10の条件と共に表1に示した。
【0042】
比較例2
実施例1において、オイル保持層を構成する不織布として、厚さ0.1mm、幅217mmのパルプ紙を使用した以外は、実施例1と全く同様にして、オイル保持層を巻回し、オイルを100g含浸させてオイル塗布ローラ10を作製した。そして、実施例1と同様にして、使用した不織布についてオイル吸い上げ高さ、オイル透過率および気孔率を求め、オイル塗布ローラ10について、縦置き時のオイル保持量、有効オイル量(g、及び見かけ単位容積あたりの量:g/cm)、有効オイル率を求め、オイル塗布ローラ10の条件と共に表1に示した。
【0043】
比較例3
実施例1において、オイル保持層を構成する不織布として、厚さ0.3mm、幅217mmのロックウール紙を使用した以外は、実施例1と全く同様にして、オイル保持層を巻回し、オイルを100g含浸させてオイル塗布ローラ10を作製した。そして、実施例1と同様にして、使用した不織布についてオイル吸い上げ高さ、オイル透過率および気孔率を求め、オイル塗布ローラ10について、縦置き時のオイル保持量、有効オイル量(g、及び見かけ単位容積あたりの量:g/cm)、有効オイル率を求め、オイル塗布ローラ10の条件と共に表1に示した。
【0044】
比較例4
実施例1において、オイル保持層として、多孔質メラミン樹脂スポンジから成る内径12mm、外径36mm、長さ217mmの筒状体を軸芯に被覆した以外は、実施例1と全く同様にして、オイル保持層を巻回し、オイルを100g含浸させてオイル塗布ローラ10を作製した。そして、実施例1と同様にして、使用したスポンジについてオイル吸い上げ高さ、オイル透過率および気孔率を求め、オイル塗布ローラ10について、縦置き時のオイル保持量、有効オイル量(g、及び見かけ単位容積あたりの量:g/cm)、有効オイル率を求め、オイル塗布ローラ10の条件と共に表1に示した。
【0045】
【表1】
Figure 2004004661
【0046】
表1に示された結果からも明らかなように、同じ寸法で同じオイル保持層およびオイル移行層の容積が等しい実施例1〜2、比較例1〜4の中で、実施例1および2のオイル塗布ローラ10は、オイル吸い上げ高さが60mm以上で且つオイル透過率が40g/cm/hrの不織布を使用することにより、オイル塗布ローラの見かけの単位容積あたり0.40g/cm以上という高い縦置き保持量および見かけ単位容積あたり0.22g/cm以上という有効オイル量となり、特に本実施例においては上記の高い縦置き保持量の内0.30g/cm以上という多い量が有効オイル量となり、且つ70%以上という高い割合が有効オイル率となっている。その結果、寿命が長く且つ製造工程において煩わしい端面からのオイル漏れのための密封処理が不要な低コスト且つ高効率のオイル塗布ローラ10を得ることが出来た。
【0047】
これに対して、比較例1〜3のオイル塗布ローラ10は縦置き保持量は大きいが、オイル漏れが生じない範囲では、結果として利用できる有効オイル量が少なく、また、比較例4の多孔質メラミン樹脂スポンジを用いたオイル塗布ローラ10は有効オイル率としては比較的高かったが元となるオイル保持量が少ないため、やはり、有効オイル量が少なかった。
【0048】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、本願発明により作製されたオイル塗布ローラ10は、多量のオイルを含浸させてもオイル漏れが無いため密封処理が不要で、且つ多量に含浸されたオイルの有効オイル量が高いため有効寿命が長いオイル塗布ローラ10であり、従って、本発明の工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】オイル塗布ローラ構造体の端面からオイル供給用チャッキング治具を押し当ててオイルを供給する方法の説明図。
【図2】オイルを含浸させたオイル塗布ローラの端面を簡易包装する方法の説明図。
【符号の説明】
10 オイル塗布ローラ(オイル塗布ローラ構造体)
11 軸芯
12 オイル塗布量調整層(PTFE多孔質膜)
12−1 両端にはみ出したPTFE多孔質膜
12−2 両端にはみ出したPTFE多孔質膜
13−1 オイル供給用チャッキング治具
13−2 端面閉止用チャッキング治具
14 プッシュリング

Claims (7)

  1. 軸芯、同軸芯の周りに設けたオイル保持層、同オイル保持層の外周に設けたオイル塗布量制御層とから成り、オイル保持層がオイル吸い上げ高さが60mm以上且つオイル透過率が40g/cm/hr以上の不織布であることを特徴とするオイル塗布ローラ。
  2. 不織布の気孔率が70%以上であることを特徴とする請求項1に記載のオイル塗布ローラ。
  3. 不織布がポリエステル長繊維を熱融着して構成されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のオイル塗布ローラ。
  4. さらに、オイル塗布量制御層とオイル保持層の間にオイル移行層を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のオイル塗布ローラ。
  5. 軸芯、同軸芯の周りに設けたオイル保持層、同オイル保持層の外周に設けたオイル塗布量制御層とから成り、オイル保持層が不織布を巻き付けて形成され、有効オイル量が0.22g/cm以上であることを特徴とするオイル塗布ローラ。
  6. 軸芯、同軸芯の周りに設けたオイル保持層、同オイル保持層の外周に設けたオイル塗布量制御層とから成り、オイル保持層が不織布を巻き付けて形成され、有効オイル率が70質量%以上であることを特徴とするオイル塗布ローラ。
  7. さらに、オイル塗布量制御層とオイル保持層の間にオイル移行層を設けたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のオイル塗布ローラ。
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