JP2004003201A - アスファルトフィニッシャにおける乳剤散布装置 - Google Patents

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Yasuo Mogi
茂木 康保
Manabu Wada
和田 学
Kazuyoshi Sato
佐藤 和良
Toru Saito
斎藤 徹
Ichiro Miyazaki
宮崎 一郎
Hitoshi Nakano
中野 等
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Sumitomo SHI Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

【課題】散布開示時の散布むらをなくすることができ、散布直後でも安定したアスファルト乳剤散布を行う。
【解決手段】下層路面上に敷き均されたアスファルト合材の舗装面上に、アスファルト乳剤を吐出ポンプ13により圧送して散布する。
散布開始時から所定時間の間は、吐出ポンプ13の回転数を、ポンプ回転数設定器19およびタイマ15aを備えるポンプ回転数制御手段によって、通常の制御回転数より高い所定値に保持し、これによって、散布開示直後の時の散布むらをなくする。所定時間経過後は、通常の、ポンプ回転数制御が行われる。
【選択図】   図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アスファルトフィニッシャにおける乳剤散布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アスファルト合材を、未舗装の路盤、アスファルト舗装体やその切削面、コンクリート舗装体等の下層路面上に敷き均す敷均し機械として、走行車両に、アスファルト合材を収容するホッパと、アスファルト合材の送出し装置と、乳剤の散布装置と、スクリードとが設けられ、乳剤を散布装置で下層路面上に散布しながら、ホッパからアスファルト合材を下層路面の散布乳剤の上に送出し装置で送り出してスクリードで敷き均す、乳剤散布装置付きのアスファルトフィニッシャが知られている(特開平4−203006号公報、米国特許第5,069,578号)。
【0003】
そして、上記アスファルトフィニッシャに搭載された乳剤散布装置では、通常、その乳剤散布量(単位面積あたりの散布量)は、散布量設定器によって設定された設定値と車速に応じ、マイクロコンピュータで演算されて発せられる制御信号に基づき油圧モータの回転数が制御され、この油圧モータに連結された乳剤吐出ポンプの回転が制御されることで行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の乳剤散布装置にあっては、以下の欠点があった。
すなわち、散布開始直後は、乳剤供給配管内の圧力が安定せず、規定の散布圧が得られないため、散布量が減少気味になって、均一な散布が行えないという欠点があった。これは設定散布量が少量であるときに顕著に表れる。
このような問題に対処する方法として、散布開始時に「手動」によりポンプ回転数を設定する方法もあるが、この場合、乳剤供給配管内の圧力が安定した時点で、「手動」から「自動」に切り換える操作を行わなければならず、煩わしいという別の問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、散布開示時の散布むらをなくすることができ、散布直後でも安定したアスファルト乳剤散布が行えるアスファルトフィニッシャにおける乳剤散布装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載のアスファルトフィニッシャにおける乳剤散布装置発明では、アスファルト合材が供給される前の下層路面上または下層路面上に敷き均されたアスファルト合材の舗装面上に、アスファルト乳剤を吐出ポンプにより圧送して散布するアスファルトフィニッシャにおける乳剤散布装置において、散布開始時から所定時間の間、前記吐出ポンプの回転数を、通常の制御回転数より高い所定値に保持するポンプ回転数制御手段を備えることを特徴としている。
また、請求項2記載のアスファルトフィニッシャにおける乳剤散布装置では、請求項1記載のものにおいて、前記ポンプ回転数制御手段は、前記吐出ポンプの回転数を所定値に決定するポンプ回転数設定器と、散布開示時から所定時間経た時点で吐出ポンプを通常の回転数制御に切り換えるタイマを備えることを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に参照して説明する。
図1はアスファルトフィニッシャの側面図、図2は平面図である。これらの図に示すように、アスファルトフィニッシャは、自走式の走行車両1に、アスファルト合材を収容するホッパ2と、アスファルト合材の送出し装置3と、該送出し装置3におけるアスファルト合材の送出し部であるスプレッデングスクリュ3bの前側に、左右,前後に分けて伸縮自在に設けられた一対のアスファルト乳剤用のスプレーバー4A,4Bと、スプレッディングスクリュ3bの後側に左右,前後に分けて伸縮自在に設けられた一対のスクリード5A,5Bが設けられ、アスファルト乳剤をスプレーバー4A,4Bで下層路面としての未舗装の路盤6上に散布しながら、ホッパ2からアスファルト合材を路盤6の散布乳剤の上に送出し装置3で送り出して各スクリード5A,5Bで敷き均ならす構成となっている。
【0008】
送出し装置3は、ホッパ2からアスファルト合材を運び出すバーフィーダ3aと、バーフィーダ3aによって運ばれてきたアスファルト合材Aを走行車両1の幅方向に広げて路盤6上に送り出す上記したスプレッディングスクリュ3bとから成る。スプレーバー4A,4Bとスクリード5A,5Bとは、上述したようにそれぞれ左右の一対が、走行車両1の進行方向の前後に平行に位置をずらして該走行車両1に支持され、該走行車両1の幅方向(左右方向)に伸縮自在に設けられており、乳剤の散布幅とアスファルト合材Aの敷均し幅とを任意に調節することができるようになっている。図の走行車両1はクローラ式となっているが、車輪式のものもある。
【0009】
このアスファルトフィニッシャに搭載された乳剤散布装置について説明すると、図3に示すように、前記スプレーバー4A、4Bは、乳剤の送り配管8、8aと戻り配管9、9aとによって乳剤タンク7に連絡されている。スプレーバー4A、4Bに設けられる散布ノズル10は、エアシリンダを内蔵しており、このエアシリンダによってそれぞれ開閉されるようになっている。
【0010】
送り配管8には、開閉弁11とフィルタ12及び乳剤吐出ポンプ13(以下、単に吐出ポンプ13という)が、送り配管8の上流端から下流端に向って上記の順に設けられている。吐出ポンプ13は、油圧モータ14で回転させられて乳剤タンク7内の乳剤をスプレーバー4A、4Bに送り、各散布ノズル10から噴出させるもので、例えばギヤポンプ型等が挙げられるが、その種類は任意であり、他の吐出ポンプを用いることもできる。また油圧モータ14には、ピストンポンプ型の油圧モータが用いられているが、電気モータ等の他の種類の回転駆動手段を用いることもできる。
また、前記乳剤散布配管回路において、散布ノズル10から乳剤を散布させないときには、アスファルト乳剤の流動性を確保するため、吐出ポンプ13を駆動させて、送り配管8、8a、戻り配管9、9aを介して乳剤を循環させるようになっている。
【0011】
油圧モータ14は、図4に示すように、マイクロコンピュータ15によって制御される油圧用の流量制御弁16によって、その回転が制御されるようになっている。
すなわち、マイクロコンピュータ15には、車速センサ17、散布量設定器18およびポンプ回転数設定器19がそれぞれ接続されている。そして、マイクロコンピュータ15では、散布開始から所定時間経過後の通常の乳剤散布制御の場合、散布量設定器18で設定された値と車速センサ17から送られる信号とに基づき、マイクロコンピュータ15内で所定の演算が行われ、その結果が出力信号として前記流量制御弁16へ送られ、これによって油圧モータ14の回転が制御されるようになっている。また、散布開始時から所定時間経過するまでの間は、散布設定器18で設定された値や車速センサ17からの入力信号にかかわらず、ポンプ回転数設定器19で設定された値により定まる出力信号がマイクロコンピュータ15から前記流量制御弁16へ送られ、これによって油圧モータ14の回転が制御されるようになっている。前記ポンプ回転数設定器19で設定された値により決定されるポンプ回転数は、通常の制御回転数より高い値に設定される。なお、このポンプ回転数設定器19で設定された値により定まる出力信号を発する時間は、マイクロコンピュータ15に内蔵されたタイマ15aを利用して適宜設定可能である。
【0012】
ここで、前記タイマ15aを内蔵したマイクロコンピュータ15並びにポンプ回転数設定器19は、散布開始時から所定時間経過するまでの間、前記吐出ポンプ13の回転数を、通常の制御回転数より高い所定値に保持するポンプ回転数制御手段を構成している。
なお、図3において符号21は熱油送り管、22は熱油戻り管であり、散布ノズル10内で乳剤が固化しないよう加温するためのものである。また、23はドレン管である。
【0013】
次に、上記の構成とされたアスファルトフィニッシャの乳剤散布装置の作用を説明する。
運転者のスイッチ操作により乳剤散布が開始されると、図示せぬエアー回路から散布ノズル10のエアシリンダに圧縮エアーが送られ、散布ノズル10が「開」の状態になり、乳剤散布が開始される。
この散布開始時から所定時間の間は、散布設定器18で設定された値や車速センサ17からの入力信号にかかわらず、ポンプ回転数設定器19で設定された値により定まる出力信号がマイクロコンピュータ15から前記流量制御弁16へ送られ、これによって油圧モータ14の回転数が定まり、さらに吐出ポンプ13の回転数が決定される。このときのポンプ回転数Aは、図5に示すように、後述する通常のポンプ制御回転数Bより高い値である。
したがって、散布開始直後は、散布量設定器19によって設定された値がいかなる値であっても、吐出ポンプ13の回転数を強制的に高い値に保持するので、散布むらがなくなり、安定した乳剤散布が行える。
【0014】
そして、散布開始から所定時間経過すると、マイクロコンピュータ15に内蔵されたタイマ15aからの出力信号により通常のポンプ回転数制御に切り換えられる。
すなわち、散布量設定器18で設定された値と車速センサ17から送られる信号とに基づき、マイクロコンピュータ15内で所定の演算が行われ、その結果が出力信号として前記流量制御弁16へ送られ、これによって油圧モータ14の回転が制御される。このため、車速が変化しても、散布ノズル10から散布される乳剤量が単位面積あたり散布量設定器18で定められた一定量となるように吐出ポンプ13の回転が制御される。
【0015】
上記した実施の形態は、あくまで本発明の例示であり、必要に応じ発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。
例えば、上述した実施の形態では、アスファルト乳剤をアスファルト合材が供給される前の下層路面上に散布する場合を例に挙げて説明したが、これに限られることなく、下層路面上に敷き均されたアスファルト合材の舗装面上にアスファルト乳剤を散布する場合にも、本発明は適用可能である。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、散布開始時から所定時間の間、吐出ポンプの回転数を通常の制御回転数より高い所定値に保持するので、従来自動運転では避けられなかった散布開始直後の散布むらを回避でき、散布開始直後から均一なアスファルト乳剤散布が行える。このような乳剤散布装置による散布は、散布量が少ない場合に特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアスファルトフィシャにおける乳剤散布装置の全体側面図である。
【図2】本発明に係るアスファルトフィシャにおける乳剤散布装置の是遺体平面図である。
【図3】本発明に係るアスファルトフィニッシャにおける乳剤散布装置の配管図である。
【図4】本発明に係るアスファルトフィニッシャにおける乳剤散布装置の制御装置のブロック図である。
【図5】本発明に係るアスファルトフィニッシャにおける乳剤散布装置の動作説明図である。
【符号の説明】
1 走行車両          3 送り出し装置
10 散布ノズル        13 乳剤吐出ノズル
14 油圧モータ        15 マクロコンピュータ
16 流量制御弁        17 車速センサ
18 散布量設定器       19 ポンプ回転数設定器

Claims (2)

  1. アスファルト合材が供給される前の下層路面上または下層路面上に敷き均されたアスファルト合材の舗装面上に、アスファルト乳剤を吐出ポンプにより圧送して散布するアスファルトフィニッシャにおける乳剤散布装置において、
    散布開始時から所定時間の間、前記吐出ポンプの回転数を、通常の制御回転数より高い所定値に保持するポンプ回転数制御手段を備えることを特徴とするアスファルトフィニッシャにおける乳剤散布装置。
  2. 請求項1記載のアスファルトフィニッシャにおける乳剤散布装置において、
    前記ポンプ回転数制御手段は、前記吐出ポンプの回転数を所定値に決定するポンプ回転数設定器と、散布開示時から所定時間経た時点で吐出ポンプを通常の回転数制御に切り換えるタイマを備えることを特徴とするアスファルトフィニッシャにおける乳剤散布装置。
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