JP2004001909A - 性質変化を生じる物品の物流管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】生鮮食品等の中間物流において、収穫等の直後や販売店への出荷の直前になって物品の入荷数量や受注数量が変動した場合に、変動発生を遅滞なく警告すると共に、損失を低減することができる物流管理システムを提案する。
【解決手段】性質変化を生じる物品の物流管理コンピュータシステムであって、出荷予定日と出荷先を特定した受注見込み情報を格納した記憶部と、予定受注のうち実受注に関する情報を随時取得する情報取得部と、実受注情報を、対応する予定受注情報と関連付けて格納する記憶部と、随時取得した実受注の物品数と、対応する予定受注の物品数とに受注差分が発生し、出荷予定日が同じである受注差分の合計があらかじめ定められた範囲を超えた場合に警告メッセージを出力する受注警告部を有する物流管理システム。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物や動物、魚等のように、生物自体が商品であるか若しくは生物由来の商品であるために、その性質が時々刻々変化していく物品の物流管理のためのコンピュータシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の工業製品としての物品では、原則として時間の経過に伴う物品の性質変化は生じない。物品の調達や物流に関しても、注文に対応する物品を商品コードで特定し、それを在庫の中から配送すればよいだけである。仮に、配送途中若しくは配送後に注文が取り消された場合であっても、単に物品を返品すれば済むだけである。従って、コンピュータを用いて一貫した物流管理システムを構築することは比較的容易である。
【0003】
しかし、植物や動物、魚等のように生物自体が商品であるか、若しくは野菜・果物・花・肉類のような生物由来の生鮮食品と呼ばれる物品や花のような物品では、比較的短期間に熟成や腐敗のプロセスが進行し、物品の性質が時々刻々変化し、商品価値もそれに伴って変化する。従って、物品の商品寿命は通常の工業製品等と比較してかなり短く、返品は事実上不可能に近い。商品価値が下落してしまう前に販売できなかった物品は廃棄処分せざるを得なくなる。そこで、このような物品に関しては、年間を通しての生産者ごとの生産計画と販売店ごとの詳しい販売計画が作成され、両者をできるだけマッチングさせて、物品の廃棄や不足が生じないようにする努力が払われている。
【0004】
ところが、このような生鮮食品等のような物品の収穫等の生産は、日々の気温や天候に大きく左右されて一定しない。同様に販売も、販売当日の天候や気温の状況、収率等に大きく影響されるし、また、特定の地方で前日に放送されたテレビ番組の内容や偶発的なニュース等にも影響されて大きく変動する。そのため、事前の生産計画や販売計画等をいかに綿密に作成しても、物品の収穫の直後や販売の直前になって生産数量や販売予想数量が変動することが多く、そのような場合には、欠品が生じてせっかくの販売機会を逸したり、売れ残りが生じて性質変化のために商品価値がなくなった物品を廃棄処分せざるを得ない事態が生じうる。
そのため、無視できない量の損失が日常的に生じているのが実情である。
【0005】
上記のような性質変化を伴う商品の物流に関して、農産物生産者と農産物購入者をネットワークで結び、農産物の作付け前から収穫時まで、随時、農産物の需要と供給を把握・調整する生産流通管理システムが特開平11−175609号公報に開示されている。また、生産者からの入荷量や入荷時期が不安定な商品に関し、入荷量の総計と市場等への出荷予定量の総計とに差がある場合に、輸送コストができるだけ安く市場価格が高い市場により多く配分するアルゴリズムに従って、市場等への出荷予定量を演算調整し、調整した値で出荷予定量のデータを更新する農産物分荷業務の支援システムが特開平10−222558号公報に開示されている。さらに、農産物の生産側システムと購入側システムと、さらに両者の間に情報交換センター側システムとを有し、収穫情報、発注予測情報等を閲覧可能に提供する電子商取引システムが特開2001−195513号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、生鮮食品等のごとき性質変化を伴う物品の生産者、若しくは生産者から販売店への中間物流において、生産地における収穫等の生産の直後若しくは物流の中間段階から販売店への出荷の直前になって物品の入荷数量や受注数量が変動した場合に、変動発生を遅滞なく警告すると共に、生じた変動を柔軟に吸収でき、変動に伴う損失を低減することができる物流管理システムを提案することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、性質変化を生じる物品の物流管理コンピュータシステムであって、物品の出荷予定日と出荷先を特定した受注見込みの情報を格納した予定受注記憶部と、前記予定受注のうち実際の受注に関する情報を随時取得する実受注情報取得部と、前記実受注情報を、対応する予定受注情報と関連付けて格納する実受注記憶部とを有し、前記随時取得した実受注の物品数と、対応する予定受注の物品数とに受注差分が発生し、出荷予定日が同じである受注差分の合計があらかじめ定められた範囲を超えた場合に警告メッセージを出力する受注警告部を有する物流管理システムである。この構成により、天候やテレビ番組の影響などの予期できない原因のために、販売店からの受注が突然変動しても、直ちにその事態の発生を知ることができ、対策を行なうことができる。
【0008】
さらに、受注差分に関してあらかじめ定められた範囲が、受注差分が発生した出荷予定日の予定受注数の合計に対して定められていることは望ましい。この構成により、出荷予定日を基準として警告が行なわれるので、各出荷先への配送数の過不足が直ちに把握でき、対策が容易に立てられる。
【0009】
発明の第2は、性質変化を生じる物品の物流管理コンピュータシステムであって、物品の入荷予定日と入荷元を特定した入荷見込みの情報を格納した入荷予定記憶部と、前記入荷予定のうち実際の入荷に関する情報を随時取得する実入荷情報取得部と、前記実入荷情報を、対応する入荷予定情報と関連付けて格納する実入荷記憶部とを有し、前記随時取得した実入荷の物品数と、対応する入荷予定の物品数とに入荷差分が発生し、入荷予定日が同じである入荷差分の合計があらかじめ定められた範囲を超えた場合に警告メッセージを出力する入荷警告部を有する物流管理システムである。この構成により、実際の入荷数が入荷予定数と比較して変動した場合であっても、直ちにその事態を把握でき、対策を打つことができる。特に出荷予定日と入荷予定日の間の間隔が短い物品に有効である。
【0010】
さらに、入荷差分の合計に関してあらかじめ定められた範囲が、入荷差分が発生した入荷予定日の予定入荷の物品数の合計に対して定められていることは望ましい。この構成により、過不足が全体にたいしてどの程度なのかが直ちに把握でき、対策の必要性が的確に判断できる。
【0011】
発明の第3は、性質変化を生じる物品の物流管理コンピュータシステムであって、物品の入荷予定日と入荷元を特定した入荷見込みの情報を格納した入荷予定記憶部と、前記入荷予定のうち実際の入荷に関する情報を随時取得する実入荷情報取得部と、前記実入荷情報を、対応する入荷予定情報と関連付けて格納する実入荷記憶部と、物品の出荷予定日と出荷先を特定した受注見込みの情報を格納した予定受注記憶部と、前記予定受注のうち実際に受注した情報を随時取得する実受注情報取得部と、前記実受注情報を、対応する予定受注情報と関連付けて格納する実受注記憶部とを有し、前記入荷見込みの情報と前記受注見込みの情報とが、あらかじめ決定された各出荷先への分荷予定により結び付けられており、さらに、いずれか1の出荷予定日に前記分荷予定を介して結び付けられた前記実入荷の物品数と対応する入荷予定の物品数との入荷差分の合計と、出荷予定日が前記いずれか1の出荷予定日と同じである前記実受注の物品数と対応する受注予定の物品数との受注差分の合計との物流差分が、あらかじめ定められた範囲を超えた場合に警告メッセージを出力する物流警告部を有する物流管理システムである。この構成により、実際の入荷数と実際の受注数とのバランスが崩れた場合に、直ちにその状況が把握でき、対策を取ることが可能になる。
【0012】
さらに、物流差分に関しあらかじめ定められた範囲が、物流差分が発生した出荷予定日の実受注の個数及び未受注であるが予定受注にふくまれる個数との合計に対して定められているであることは望ましい。この構成により、実受注を受け取るたびに過不足が判断されるから、過不足が生じた場合に直ちにその状況が把握でき、迅速に対策を行なうことができる。
【0013】
さらに、入荷差分若しくは受注差分が生じた場合に、あらかじめ定められた優先ルールに基づいて随時分荷予定を修正する分荷修正部を有することは望ましい。この構成により、警告が発せられるか否かを問わず、システムが自動的に分荷修正を提示するので、それを参照しながら必要な対策をとることが可能となる。
【0014】
さらに、優先ルールが、出荷先ごとにあらかじめ設けられた優先ランクに基づいて各出荷先への分荷数を修正するものであることは望ましい。この構成により、万一、物品の調達対策が不調に終わった場合でも、重要な取引先との関係を損なうおそれが小さくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のシステムの一つの実施形態を図面を参照しながら説明する。野菜のような生鮮食品等の物流では、生産者、物流業者、販売店の間であらかじめ年間の生産計画や販売計画が作成されているのが通常である。それらの計画は実際に物流が開始される前の営業活動により数量等の突合せが行なわれ、適宜修正されたのち、その計画に基づいて実際の発注、納品等が行なわれる。本発明のシステムもそのような状況を前提として構成されている。本発明のシステムは生産者と販売店との中間物流をになう物流センターに設置するのに適しているが、生産者等が生産地の物流センター等に設置しても良い。
【0016】
図1に、本発明のシステムの1つの構成例を示した概略ブロック図を示す。まず、このシステムの記憶部20から説明する。記憶部20の入荷予定情報21には、物流センターが取り扱う性質変化を伴う各種の物品に関して、生産者から出荷され物流センターに入荷する予定の計画に関する情報が格納されている。入荷予定情報を格納したテーブル例を図2に示す。
【0017】
図2のテーブルには、生産者と、販売店または物流センター(以下、物流センター等という)との間で、物流センター等への実際の入荷の数ヶ月から数週間前に入荷予約が成立した段階で一意的に付された入荷予定番号、物品種別、物品名称、商品名称、等級、大きさ等を物品テーブルを介して特定し、取り扱う物品を特定するための物品コード、物品の梱包形態、流通単位、梱包単位数等を特定し、規格テーブルを介して物流単位を定める規格コード、規格コードで特定された流通単位で数え入荷予約で決定された入荷予定の物品の個数を示す予定個数、物流センターに当該物品が入荷する予定日を特定する入荷予定日、物流センターに入荷する物品の入荷元の名称、住所、連絡先等を、入荷元テーブルで特定する入荷元コード等のデータが格納されている。
【0018】
図2のテーブルは、入荷予約が成立してから物流センターからの発注がなされるまで、随時、生産者からの作柄情報や販売店からの消費動向情報に対応して物品の欠品やロスが生じないように修正されている。
【0019】
記憶部20の実入荷情報22は、物品が物流センターに実際に入荷し検品された段階の情報が格納される。実入荷情報22を格納した実入荷テーブルの例を図3に示す。物品の生産者等の入荷元からの伝票には、入荷予約の段階であらかじめ付された入荷予定番号がバーコードで記載され、これで入荷予定テーブルのどの情報に対応する物品かが把握できるようになっている。伝票の入荷予定番号がバーコードスキャナーで読み取られると、入荷端末のディスプレイ上には入荷予定の個数が表示される。次に実際に入荷した個数と入荷予定個数との増減分が入荷端末に入力される。つまり、図3の実入荷テーブルには、あらかじめ決定され、その後修正された入荷予約と実入荷の状況が異なっている部分を特定するためのデータが格納されている。具体的には、入荷検品作業に伴い、入荷端末によって一意的に自動付番される入荷番号、実際に物流センターに入荷しデータが入力された日が自動的に格納される入荷日、伝票から読み取られた入荷予定番号、入荷時の検品作業により入荷端末から入力された個数増減等のデータが格納されている。
【0020】
ここで、実入荷個数は入荷予定個数と同じか、突発的な天候不良やその他の自然災害などのために足りない場合が多い。一方、収穫してみたところ収率が予想より高くて生産が過剰となったり、数え間違いが生じたりして実入荷個数が入荷予定個数より増加していることもある。実入荷の数量が予定より増加している場合に、生産者に物品を返品するとその間に物品の性質が変化してしまい、商品価値が低下してしまうために生産者に損害を与えることになる。そのため、実入荷個数が入荷予定個数より多い場合であってもそのまま受け入れるのが通常である。これらの数量のデータが実入荷テーブルに格納される。
【0021】
図3のテーブル例では、入荷番号「02050042」が自動付番された入荷物品は、あらかじめ入荷予定番号「02030236」で特定された入荷予定に対応するものであり、実際に物流センターに入荷した物品を検品したところ、入荷予定で決定されていた個数よりも30個足りなかったことが示されている。一方、入荷番号「02050043」が自動付番された入荷予定番号「02010597」に対応する物品は、実際に物流センターに入荷した物品の数が、入荷予定で決定されていた個数と同じであり、個数の増減がゼロであったことが示されている。
【0022】
記憶部20の予定受注情報23は、物流センターから物品の配送を受ける各販売店からの予定受注に関する情報が格納されている。各販売店は物品ごとにあらかじめ販売計画を立てており、その販売計画に基づいてそれぞれの物品を配送する物流センター等と予定配送の打ち合わせをあらかじめ行なっているのが通常である。この打ち合わせ結果、合意した内容が予定受注情報として物流センターに伝えられる。この予定受注情報には、予定配送の打ち合わせが行なわれた結果の情報のみならず、その後に販売店からの発注が行なわれるまでの、販売動向の変更等に起因する随時の修正が随時反映される。この予定受注テーブルの例を図4に示す。
【0023】
図4のテーブルには、販売店と物流センター若しくは販売店と生産者等が配送予約に合意した段階で一意的に付される予定受注番号、物品を特定するための物品コード、物品の流通段階での取扱い形態を規定する規格コード、予約合意で暫定的に決定された配送する物品の予定個数、生産者若しくは物流センターから販売店への出荷予定日、各販売店の名称、場所、担当者名、連絡先等を出荷先テーブルにより特定する出荷先コード等のデータが格納されている。このテーブルの内容は、予約配送若しくは予定受注が合意された後販売店から物流センター等への発注が行なわれるまで、物品の作柄や消費動向、天候等に対応して、物品の欠品やロスができるだけ生じないようにするために随時修正される。
【0024】
記憶部20の実受注情報24は、予定受注に基づいて各販売店から物流センター若しくは生産者宛てに発注がなされ、それを物流センター若しくは生産者が受注端末若しくはファックス等を経由して受け取った情報が格納されている。物流センター等が実受注を受けとると、その受注内容により、あらかじめ合意により付されていた予定受注番号と、実受注段階における予定受注個数からの増減数が特定される。この例を図5の実受注テーブルに示す。
【0025】
図5のテーブルは、図4のテーブルで特定されている予定受注に対応するデータのうち、実際の受注段階で数量が変更された場合にその変更された数量が特定できるように構成されている。ここで、受注番号は、物流センター等が販売店からの実際の受注を受けた際に一意的に自動付番される。また、物流センター等が販売店から受注した日を格納する受注日、受注内容に含まれあらかじめ合意されている予定受注番号、予定合意時及びその後の発注までの修正が加味された予定個数の増減を特定する個数増減等の各データが格納されている。この個数増減のデータは、販売店への物品の発送が行なわれる一定時間前までであれば、受注した後であっても、販売店からの依頼に基づき、販売店の予想販売個数の変動に伴って随時変更される。
【0026】
図5の実受注テーブルの例では、受注日が「020517」である実際の受注に対応して一意的に自動付番された受注番号「0205001212」の内容が、あらかじめ予定受注として決定されていた予定受注番号「0205015677」で特定される予定受注に対応するものであり、実際の受注個数が予定受注で決定された個数よりも30個多くなっていることを示している。
【0027】
記憶部20の分荷予定情報25は、1または2以上の生産者から入荷した物品を1または2以上の販売店に分荷する分荷予定情報を格納している。通常は、生産者から入荷する物品数は大量であり、分荷作業ではこれを複数の販売店に小分けする作業を行なうが、例外的に複数の生産者からの物品を1つの販売店に配送する場合もある。分荷予定情報は、各生産者からの入荷予定と各販売店の予定受注のデータを用いて、どの生産者の物品を何個どの販売店に配送するかについて、シミュレーション部が実際の物流が始まる前にあらかじめ物流のシミュレーションを行い、数量の帳合いが成立した結果を格納したものである。この分荷予定テーブルの例を図6に示す。
【0028】
図6のテーブルでは、生産者からの入荷予定物品を特定するための入荷予定番号のデータが格納されており、これが分荷対象物品を示す。また、販売店からの予定受注を特定するための予定受注番号のデータが格納されており、これが物品の分荷先を特定するデータとなる。また、テーブルには入荷予定の個数のうち、何個を販売店に配送するかを特定する分荷個数のデータが格納されている。図6のテーブル例では、同じ入荷予定番号「02050536」を有する一まとめの入荷物品が、小分けされて予定受注番号が「0205325122」、「0205330461」、「0205355744」の三つの予定受注に分割されてそれぞれの販売店に配送される予定になっていることが示されている。
【0029】
なお、生産者から物品が入荷してから販売店に出荷するまで間に、物品の小分けのために梱包形態や物流単位が変更される場合も多い。図6のテーブルでは、単位の変更が行なわれない例を簡単のために選んで示しているが、変更が行なわれる場合には、変更する前の単位およびその単位で表示した個数、変更した後の単位およびその単位で表示した個数の各データを図6のテーブルに格納しておけばよい。変更が行なわれても、単に梱包形態などが変わっただけであるから物品の実質個数が変わらないことは言うまでもない。
【0030】
記憶部20の優先度情報26は、入荷する予定の物品の実入荷数が入荷予定の数より不足するか、または、受注予定の物品の実際の受注数が受注予定の数より増加した場合に、同じ出荷予定日に出荷先である販売店に出荷する予定の物品の各販売店に対する出荷数量を、調整するための基準データが格納されている。実際の入荷数に対して実際の受注数が多い場合、数量不足が生じることになるが、受注している以上どの販売店への出荷数もゼロにすることは難しい。そこで、過去の販売実績や重要度に応じてあらかじめ各販売店に対して優先度を設け、その優先度に応じて同じ出荷予定日の物品の出荷数量を調整する。出荷先ごとに優先度を設けたテーブルの例を図7に示す。
【0031】
図7の優先度テーブルでは、各出荷先ごとにあらかじめ定められた優先度のデータが格納されている。例えば、出荷先コードが「123456」の出荷先では、優先度は「A」であることがわかる。ここで、各優先度の意味を図8の表に示した。図8の表における各優先度の意味は、物品の不足の程度に応じて柔軟に分荷できる定義されている。
【0032】
実際の入荷数または実際の受注数が変動することにより、ある出荷予定日に出荷予定の物品の数が過不足する。この過不足は、出荷予定日が同じである実受注の物品数および未だ実際には受注していないが予定受注とされている物品の数との和(以下、受注合計という)と、やはり出荷予定日が同じである実際の入荷数と未だ実際には入荷していないが入荷予定とされている物品の数との和(以下、入荷合計という)とを用い、入荷合計から受注合計を差し引いたものである。ここで、実際の数字と予定の数字の両方を用いているのは、実際の受注や入荷が全部終了してから警告を発したり分荷を調整したりするのではなく、個々の受注や入荷が変動するたびに必要な警告を発し、かつ分荷を調整することにより、迅速に過不足に対する対処を行なえるようにするためである。
【0033】
過不足が負である場合は、数量不足が生じるおそれがあるから、優先度テーブルによって、各出荷先に優先度に応じた分荷の修正が行なわれる。分荷の修正作業は、実際の物流が始まるあらかじめ定められた一定時間前まで随時行なわれる。図8のテーブルにおけるパーセントで表示された数字は、各優先度を付された出荷先に対して、その出荷先からの受注数の何パーセントを下限として分荷するかを示している。具体的には、例えば数量不足が受注合計の1/3未満であれば、優先度Aの出荷先にはまず受注数の80%を割り当て、続いてBの出荷先に60%を割り当てる。同様にC、Dの優先度の出荷先に順次割り当て、残った物品をまたAから順次受注数の100%を満たすようにして割り当てていく。
【0034】
数量不足が受注合計の1/3以上2/3未満の場合も、割り当ての下限パーセントは異なるが1/3未満の場合と同様にして物品を割り当てていく。数量不足が受注合計の2/3以上の場合も同様である。数量不足が1/3未満であれば、Aの出荷先は常に受注数の100%を割り当てられる可能性が高く、Dの出荷先は常に減らされる可能性が高い。物品の分荷若しくは割り当ては、常に優先度の高い出荷先から順番に行なわれる。そのため、数量不足が受注合計の2/3以上の場合で、図8のテーブルで割り当てのパーセントがゼロとなっている出荷先は、数量不足が深刻なために結果として欠品となる可能性が高い。
【0035】
記憶部20には、図1に記載され上記で説明した情報以外に、物品の分類、名称、産地、大きさ、等級等を、物品コードを介して物品を特定するデータを格納した物品テーブル、生産者の名称、生産物名称、連絡先、産地分類等を生産者コードを介して特定する生産者テーブル、出荷先である販売店の名称、連絡先、住所等を出荷先コードを介して特定する出荷先テーブル、入荷検品、受注などの各端末にそれぞれの必要な情報を表示し、入力などの操作を行なうための画面情報等が格納されていることは言うまでもない。
【0036】
次に、システムの処理部10について説明する。まず、実入荷情報取得部11は、実際に物品が物流センター等に入荷した場合に、入荷検品端末を経由して入力された入荷物品の情報を取得し、入荷予定番号を介して図2の入荷予定テーブルの該当するデータと対比して、必要なデータを図3に記載した実入荷テーブルに格納する。
【0037】
処理部10の入荷警告部12について、その処理フローを図9のフローチャートを用いて説明する。まず入荷予定テーブルから、作業当日を入荷予定日とする予定入荷個数の合計を物品コード及び規格コードで特定される物品ごとに求め、図10に示すテーブルに格納する(SN001)。次に、実入荷テーブルから、作業当日を入荷日とする個数増減データの合計を、入荷予定番号を介して物品コードおよび規格コードで特定される物品ごとに求め、図10に示すテーブルに格納する(SN002)。このデータが入荷日ベースの入荷差分であり、第一の入荷差分と呼ぶ。次に新しく実入荷入力が行なわれたか否かを判断し(SN003)、新しい入力がなされていなければ、フローは下に分岐して、同じ物品コード及び規格コードで特定される物品ごとに、前に求めた予定個数の合計に対する個数増減データの合計の割合、すなわち入荷の過不足の割合がパーセントを単位として演算され図10のテーブルに格納される(SN004)。新しい入力がなされていなければ、フローはSN003ステップより左に分岐してSN002ステップに戻る。
【0038】
SN004ステップに続いて図10のテーブルに示す過不足の割合のうち、いずれかの絶対値が5%を超えているか否かを判断する(SN005)。いずれか1または2以上の物品について5%を超えている場合は、フローはSN005ステップから右に分岐して、それらの物品について過不足の割合が正であれば「警告、入荷数過大、物品・・・規格・・・」なる物品と規格を特定した警告メッセージが表示され、負であれば「警告、入荷数過小、物品・・・規格・・・」なる同様な警告メッセージが表示され、さらに、それぞれの物品に対応する過不足数と過不足の割合が、それぞれ入荷端末と中央管理端末に表示される(SN007)。
【0039】
その後フローはSN003ステップに戻って同じフローを繰り返す。SN005ステップでいずれの物品についても過不足の割合の絶対値が5%以内であれば、フローはSN005ステップから下に分岐して、さらに過不足の割合の絶対値が2%を超えるか否かを判断する(SN006)。超えている物品があれば、フローはSN006ステップから右に分岐して、過不足の割合が負の場合は「物品・・・規格・・・、入荷数減少傾向」もしくは正の場合は「物品・・・規格・・・入荷数増加傾向」なる警告メッセージと、過不足数と過不足の割合を入荷端末と中央管理端末に表示し(SN008)、SN003ステップに戻って同じフローを繰り返す。SN006ステップでいずれの物品についても過不足の割合が2%以内であれば、そのままSN003ステップに戻り、以下、作業当日の業務が終了するまで同じフローを繰り返す。
【0040】
これにより、入荷数の過不足傾向が発生したら直ちに把握できる。過不足の影響が出てくる出荷日も事前に特定でき、物品が不足の場合は、受注数とのバランスを判断したうえで新たに物品を調達する調達活動を行なうことができるし、過剰の場合は、物品の販売店への販売数を増加せしめる営業活動にかかることが可能になる。いずれにせよ、一定以上の過不足が生じた時点で直ちに過不足を解消するための調整を開始することができる。これにより、物流途中における物品の廃棄損や欠品を減少せしめることができる。このような、入荷日ベースで求める第一の入荷差分は入荷日と出荷予定日との間隔が短くかつほとんど確定しており、入荷日が決まれば出荷予定日も自動的に確定するような物品に対して有効である。例えば、葉物に代表される野菜類などである。
【0041】
処理部10の実受注情報取得部13は、販売店から物流センター等が、物品の配送を実際に受注した場合に、受注端末を経由して入力された受注内容の情報を取得し、予定受注番号を介して図4の予定受注テーブルの該当するデータと対比して、必要なデータを図5に記載した実受注テーブルに格納する。
【0042】
処理部10の受注警告部14の処理について、処理フローの例を図11のフローチャートを用いて説明する。まず図4に示す予定受注テーブルから、物品コード及び規格コードで特定される物品ごと、出荷予定日ごとに予定受注個数の合計を求め、図12に示すテーブルに格納する(SJ001)。次に、実受注テーブルから、予定受注番号を介して物品コードおよび規格コードで特定される物品ごと、出荷予定日ごとに個数増減データの合計を求め、図13に示すテーブルに格納する(SJ002)。次に新しく実受注入力が行なわれたか否かを判断し(SJ003)、新しい入力がなされていなければフローは下に分岐して、同じ物品コード及び規格コードで特定される物品ごと、出荷予定日ごとに、前に求めた予定個数の合計に対する個数増減データの合計の割合、すなわち受注の過不足の割合がパーセントを単位として演算され図14に示すテーブルに格納される(SJ004)。新しい実受注入力がなされていれば、フローはSJ003ステップより左に分岐してSJ002ステップに戻る。
【0043】
SJ004ステップに続いて図14のテーブルに示す過不足の割合のうち、いずれかの絶対値が5%を超えているか否かを判断する(SJ005)。いずれか1または2以上の物品について5%を超えている場合は、フローはSJ005ステップから右に分岐して、それらの物品について過不足の割合が正であれば「警告、受注数過大、物品・・・規格・・・」なる物品名称と規格を特定した警告メッセージが表示され、負であれば「警告、受注数過小、物品・・・規格・・・」なる警告メッセージが同様に表示され、さらに、それぞれの物品に対応する過不足数と過不足の割合が、それぞれ入荷端末と中央管理端末に表示される(SJ007)。その後、フローはSJ003ステップに戻って同じフローを繰り返す。
【0044】
SJ005ステップでいずれの物品についても過不足の割合の絶対値が5%以内であれば、フローはSJ005ステップから下に分岐して、さらに過不足の割合の絶対値が2%を超えるか否かを判断する(SJ006)。超えている物品があれば、フローはSJ006ステップから右に分岐して、過不足の割合が負の場合は「物品・・・規格・・・、受注数減少傾向」なる物品名称と規格が特定された警告メッセージと過不足数および過不足の割合が表示され、正の場合は「物品・・・規格・・・、受注数増加傾向」なる同様な警告メッセージと、これも同様に過不足数と過不足の割合が、受注端末と中央管理端末に表示され(SJ008)、続いてSJ003ステップに戻って同じフローを繰り返す。SJ006ステップでいずれの物品についても過不足の割合が2%以内であれば、そのままSJ003ステップに戻り、以下、作業当日の業務が終了するまで同じフローを繰り返す。
【0045】
これらにより、新しい受注入力があるごとに過不足の判断を行なうので、受注数の過不足傾向が発生した段階で直ちに把握できる。受注が過大であれば、実入荷数の増加傾向や減少傾向等の状況を判断しながら、新しい物品の調達活動を直ちに開始することができる。また、受注が過小であれば、同様に実入荷数の動向を見ながら、物品の販売を増加せしめるための営業活動を直ちに開始することができる。これにより、物流途中における物品の廃棄損や欠品を減少せしめることができる。
【0046】
処理部10の物流警告部15は、物品の実入荷状況および実受注状況の両方のデータを用い、作業日以降のそれぞれの出荷予定日における物品の過不足を判断することにより、より的確で損失が生じにくい物流を実現する。物流警告部15の処理フローを図15のフローチャートを用いて説明する。物流センター等の1日の業務開始と共に処理がスタートすると、まず、物品コード規格コードで特定される物品ごと、出荷予定日ごとに、出荷予定日ベースの入荷差分(これを第二の入荷差分と呼ぶ)の合計を求め、図17に例示した第二の入荷差分テーブルに格納する(SB001)。この第二の入荷差分は、出荷予定日が同じ物品の実際の入荷状況と入荷予定情報との個数の差分であり、入荷予定日ベースで求めた第一の入荷差分とは異なる。この求め方のフローは図16のフローチャートを用いて後述する。
【0047】
第二の入荷差分の合計が得られたら、新しい実入荷情報があるかどうかを判断する(SB002)。新しい実入荷情報があれば、フローはSB002ステップから左に分岐してSB001ステップに戻る。新しい情報がなければ、フローはSB002ステップから下に分岐して、物品ごと出荷予定日ごとの実受注とそれに対応する予定受注との個数の差分、すなわち受注差分を求め受注差分テーブルに格納する(SB003)。このテーブルは図13に示したものと同じである。
【0048】
次に、新しい実受注情報があるかどうかを判断し(SB004)、あればSB003ステップに戻り、なければSB005ステップに進む。SB005ステップでは物流差分を求め、物流差分テーブルに格納する(SB005)。なお、物流差分テーブルは特に示さないが図13のテーブルと同じ構成である。物流差分は、出荷予定日と物品コード規格コードで特定される物品がそれぞれ同じである場合に関しての、受注差分と第二の入荷差分との差であり、実際の分荷に関して実際の受注と実際の入荷との差分がどの程度あるかを示す指標である。実際の入荷や実際の受注に際しては、それぞれの販売店等の都合によるタイムラグがあるため、単純に実受注と実入荷の差分を直接求めるのではなく、それぞれの予定個数の差分の差分として求めている。このようにすることにより、タイムラグに起因する情報の無用の混乱を防ぐことができる。この指標は、入荷日と出荷予定日の間に不確定の日数があるような多くの物品に対して有効である。典型的にはバナナやキーウィフルーツのような果物類である。この物流差分が出荷予定日ごと物品ごとに物流差分テーブルに格納されたら、出荷予定日及び物品が同じである実受注の個数と、未受注であるが予定受注に含まれる個数との合計に対して、物流差分の割合、すなわち、実際の受注に対して生じると予測される実際の物品の入荷個数についての過不足の割合をパーセントを単位としてもとめて、物流差分の過不足割合テーブルに格納する(SB006)。なお、このテーブルは、図14に示したものと同じ構成である。
【0049】
次に、この物流差分の過不足の割合のいずれかの絶対値が5%を超えているか否かを判断する(SB007)。いずれか1または2以上の物品について5%を超えている場合は、フローはSB007ステップから右に分岐して、それらの物品について過不足の割合が正であれば「警告、実商品数不足、物品・・・規格・・・」なる物品と規格を特定した警告メッセージが表示され、負であれば「警告、実商品数過剰、物品・・・規格・・・」なる同様な警告メッセージが表示され、さらに、それぞれの物品に対応する過不足数と過不足の割合が、それぞれ中央管理端末に表示される(SB009)。
【0050】
その後フローはSB002ステップに戻って同じフローを繰り返す。SB007ステップでいずれの物品についても過不足の割合の絶対値が5%以内であれば、フローはSB007ステップから下に分岐して、さらに過不足の割合の絶対値が2%を超えるか否かを判断する(SB008)。超えている物品があれば、フローはSB008ステップから右に分岐して、過不足の割合が負の場合は「物品・・・規格・・・、実商品過剰傾向」もしくは正の場合は「物品・・・規格・・・実商品過剰傾向」なる警告メッセージと、過不足数と過不足の割合を中央管理端末に表示し(SB010)、SB002ステップに戻って同じフローを繰り返す。SB008ステップでいずれの物品についても過不足の割合が2%以内であれば、そのままSB002ステップに戻り、以下、作業当日の業務が終了するまで同じフローを繰り返す。
【0051】
これにより、実際の物流における物品数の過不足傾向が発生したら直ちに把握できる。物品が不足と予測される場合は新たに物品を調達する調達活動を行なうことができるし、過剰が予測される場合は、物品の販売店への販売数を増加せしめる営業活動にかかることが可能になる。いずれにせよ、一定以上の過不足が生じた時点で直ちに過不足を解消するための調整を開始することができる。これにより、物流途中における物品の廃棄損や欠品を減少せしめることができる。
【0052】
次に、物品ごと出荷予定日ごとに第二の入荷差分の合計を求める図15のSB001ステップについて、図16のフローチャートを用いて説明する。処理がスタートすると、いずれかの出荷予定日と物品を特定し(j=1、i=1)、予定受注テーブルから該当するすべての予定受注番号のデータを取得する(SS001)。次にSS001ステップで取得したすべての予定受注番号に対応する入荷予定番号を分荷予定テーブルから取得する(SS002)。取得した入荷予定番号に対応する個数増減のデータを実入荷テーブルから取得し(SS003)、これらの合計を求め、第二の入荷差分テーブルに格納する。第二の入荷差分テーブルの例を図17に示す。このテーブルは、図13のテーブルと同じ構成を有する。これを作業当日以降のすべての出荷予定日及び物品に関して繰り返し(SS005、SS006)、すべての出荷予定日および物品に関して第二の入荷差分を求めてテーブルに格納したら処理を終了する。
【0053】
処理部10の分荷修正部16は、入荷警告部12や受注警告部14さらには物流警告部15とは独立に、第一の入荷差分に関する過不足が負である場合、または、受注差分が、受注にたいする過不足が正である場合、すなわち、いずれにせよ各販売店等に配送すべき物品数が不足している場合に、各出荷先に対する分荷数を調整する働きを有する。この場合、物流差分の正負は関係がない。なぜなら、例えば、入荷数、受注数が同数過剰であった場合は、物流差分はゼロとなるが、そのような場合であっても、図6の分荷予定テーブルの分荷個数は修正する必要があるからである。
【0054】
なお、入荷数が多すぎるか受注数が少なすぎるために物流センター等の物品数が過剰となる場合には、各販売店に物品を一方的に配送することはできず、物流センター等が各販売店にあらかじめ営業を行なって受注を受ける必要がある。従って、このような場合は、分荷修正部16が処理を行なう範囲には含まれない。
【0055】
分荷修正部16の分荷の修正作業は、あらかじめ出荷先ごとに定められた実際の物流が始まる一定時間前まで随時行なわれる。まず、数量不足が例えば数量不足が受注合計の1/3未満であれば、優先度Aの出荷先にはまず受注数の80%を割り当て、続いてBの出荷先に60%を割り当てる。同様にC、Dの優先度の出荷先に順次割り当て、未割り当ての物品が残れば、それをまたAから順次受注数の100%を満たすようにして割り当てていき、物品がなくなった時点で割り当てが終了し、これによって分荷個数の修正値が分荷修正テーブルに格納される。
【0056】
数量不足が受注合計の1/3以上2/3未満の場合も、割り当ての下限パーセントは異なるが1/3未満の場合と同様にして物品を割り当てていく。数量不足が受注合計の2/3以上の場合も同様である。数量不足が1/3未満であれば、Aの出荷先は常に受注数の100%を割り当てられる可能性が高く、Dの出荷先は常に減らされる可能性が高い。物品の分荷若しくは割り当ては、常に優先度の高い出荷先から順番に行なわれる。そのため、数量不足が受注合計の2/3以上の場合で、図8のテーブルで割り当てのパーセントがゼロとなっている出荷先は、数量不足が深刻なために結果として欠品となる可能性が高い。
【0057】
このように、システムが各出荷先への分荷予定を随時修正しているので、警告が発せられない程度の数量の不足であってもシステムが自動的に最適な分荷を行なうことができる。また、警告が発せられたようなレベルの数量不足が生じた場合でも、まずはシステムが分荷の修正値を提示するので、それを参考にしながら新しい物品の調達や余剰物品の販促活動を随時行なうことができる。万一、調達や販促に失敗した場合でも最適な分荷をシステムが行なうので、重要な販売店との取引関係を損ねるおそれが小さい。
【0058】
本発明に言う物品の性質とは、その物品の商品価値を判断するにおいて重要である物品に内在する特質であって、時間とともに容易に変化するものをいう。たとえば、生鮮食品の生鮮度、花の開花度、果物類の熟成度などを言い、これらを同等に表現しうる色や光沢等の各種のパラメータを用いても良い。
【0059】
本発明にいう出荷予定日とは、物品を物流センター等から出荷先に発送する予定の日をいうが、配送に要する時間は出荷先ごとに一定であるから、出荷先に物品が到着する日、いわゆる店着日を出荷予定日の代わりに用いてもよい。同様に、入荷予定日とは、物品を物流センター等に受け入れる予定の日を言うが、配送に要する時間は生産地ごとに一定であるから、生産地から物品が発送される日を入荷予定日の代わりに用いても良い。
【0060】
管理システムのハードウェア構成の例を図18に示す。このシステム例は、記憶部が格納されたデータベース100、データベースを管理するサーバ110、物流センター等の中におかれて、受注入力作業を行うための受注端末120、中央部で全体状況を管理している中央管理端末130、物品の入荷検品入力を行なう入荷検品端末140、物流センター等が外部と通信するためのルータ150が、LAN(Local Area Network)により接続されている。また、各端末には、周辺機器として入力装置、ディスプレイ、プリンタ等が接続されている。ここで、入力装置とはキーボード、マウスなどの入力デバイスをいう。ディスプレイとは、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置などを言う。
【0061】
記憶部またはデータベースは、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリや、CD−ROM等の読み出しのみが可能な記録媒体、RAMのような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成される。各端末にあっても同じである。
【0062】
以上、システムとして発明を説明してきたが、上記の各発明若しくはそれらの望ましい変形と同等な処理を、コンピュータに実行させるためのプログラムとしてとらえることもできる。例えば、性質変化を生じる物品の物流管理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、物品の出荷予定日と出荷先を特定した受注見込みの情報を格納した予定受注記憶機能と、前記予定受注のうち実際の受注に関する情報を随時取得する実受注情報取得機能と、前記実受注情報を、対応する予定受注情報と関連付けて格納する実受注記憶機能とを有し、前記随時取得した実受注の物品数と、対応する予定受注の物品数とに受注差分が発生し、出荷予定日が同じである受注差分の合計があらかじめ定められた範囲を超えた場合に警告メッセージを出力する受注警告機能を有する物流管理プログラムである。他の発明に関しても同様にプログラムとして表現することができる。
【0063】
これらのプログラムをコンピューターが読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。ここで、記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディクス、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記録装置のことを言う。また、プログラムは、任意に分割し、分割したものをそれぞれに記憶媒体に格納することも可能である。
【0064】
上記の実施例では、管理システムは物流センター等の内に設けているが、サーバおよびデータベースがセンター外にあり、電話回線によってセンター内の端末と結合していてもよいし、WAN(Wide Area Network)やインターネットを介して結合していてもよい。また、全体のシステムをスタンドアローンのコンピュータ上に構成してもよい。上記の例では、各端末はそれぞれ汎用のパーソナルコンピュータであるが、必ずしもそれらには限られず携帯電話やPDA(PersonalDigital Assistance)、さらには専用のネットワーク端末などであってもよい。
【0065】
データベースは、リレーショナルデータベースとして構成しても良いし、XML(eXtensible Markup Language)型のデータベースで構成してもよい。
【0066】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の思想を逸脱しない設計変更も含まれる。
【0067】
【発明の効果】
生鮮食品等のごとき性質変化を伴う物品に関し、生産地における収穫等の生産の直後若しくは物流の中間段階から販売店への出荷の直前になって物品の入荷数量や受注数量が変動した場合にも、生じた変動を柔軟に吸収でき、迅速に数量を調整する対処が行なえるになる。これにより、物品の廃棄損や販売機会を逸することによる損失を減少せしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】物流管理システムの一例の概略構成を示したブロック図である。
【図2】入荷予定テーブルの例である。
【図3】実入荷テーブルの例である。
【図4】予定受注テーブルの例である。
【図5】実受注テーブルの例である。
【図6】分荷予定テーブルの例である。
【図7】優先度テーブルの例である。
【図8】優先度の意味を示した表である。
【図9】入荷警告部の概略フローの例を示したフローチャートである。
【図10】入荷評価テーブルの例である。
【図11】受注警告部の概略フローの例を示したフローチャートである。
【図12】予定受注個数の合計を格納したテーブルの例である。
【図13】実受注の個数増減合計を格納したテーブルの例である。
【図14】受注の過不足割合を格納したテーブルの例である。
【図15】物流警告部の概略フローの例を示したフローチャートである。
【図16】第二の入荷差分を求める概略フローの例を示したフローチャートである。
【図17】第二の入荷差分を格納したテーブルの例である。
【図18】ハードウェア構成の例を示した模式図である。
【符号の説明】
100 データベース、110 サーバ、120 受注端末、130 中央管理端末、140 入荷検品端末、150 ルータ

Claims (8)

  1. 性質変化を生じる物品の物流管理コンピュータシステムであって、物品の出荷予定日と出荷先を特定した受注見込みの情報を格納した予定受注記憶部と、前記予定受注のうち実際の受注に関する情報を随時取得する実受注情報取得部と、前記実受注情報を、対応する予定受注情報と関連付けて格納する実受注記憶部とを有し、前記随時取得した実受注の物品数と、対応する予定受注の物品数とに受注差分が発生し、出荷予定日が同じである受注差分の合計があらかじめ定められた範囲を超えた場合に警告メッセージを出力する受注警告部を有する物流管理システム。
  2. 受注差分に関してあらかじめ定められた範囲が、受注差分が発生した出荷予定日の予定受注数の合計に対して定められている請求項1に記載の物流管理システム。
  3. 性質変化を生じる物品の物流管理コンピュータシステムであって、物品の入荷予定日と入荷元を特定した入荷見込みの情報を格納した入荷予定記憶部と、前記入荷予定のうち実際の入荷に関する情報を随時取得する実入荷情報取得部と、前記実入荷情報を、対応する入荷予定情報と関連付けて格納する実入荷記憶部とを有し、前記随時取得した実入荷の物品数と、対応する入荷予定の物品数とに入荷差分が発生し、入荷予定日が同じである入荷差分の合計があらかじめ定められた範囲を超えた場合に警告メッセージを出力する入荷警告部を有する物流管理システム。
  4. 入荷差分の合計に関してあらかじめ定められた範囲が、入荷差分が発生した入荷予定日の予定入荷の物品数の合計に対して定められている請求項3に記載の物流管理システム。
  5. 性質変化を生じる物品の物流管理コンピュータシステムであって、物品の入荷予定日と入荷元を特定した入荷見込みの情報を格納した入荷予定記憶部と、前記入荷予定のうち実際の入荷に関する情報を随時取得する実入荷情報取得部と、前記実入荷情報を、対応する入荷予定情報と関連付けて格納する実入荷記憶部と、物品の出荷予定日と出荷先を特定した受注見込みの情報を格納した予定受注記憶部と、前記予定受注のうち実際に受注した情報を随時取得する実受注情報取得部と、前記実受注情報を、対応する予定受注情報と関連付けて格納する実受注記憶部とを有し、前記入荷見込みの情報と前記受注見込みの情報とが、あらかじめ決定された各出荷先への分荷予定により結び付けられており、さらに、いずれか1の出荷予定日に前記分荷予定を介して結び付けられた前記実入荷の物品数と対応する入荷予定の物品数との入荷差分の合計と、出荷予定日が前記いずれか1の出荷予定日と同じである前記実受注の物品数と対応する受注予定の物品数との受注差分の合計との物流差分が、あらかじめ定められた範囲を超えた場合に警告メッセージを出力する物流警告部を有する物流管理システム。
  6. 物流差分に関しあらかじめ定められた範囲が、物流差分が発生した出荷予定日の実受注の個数及び未受注であるが予定受注にふくまれる個数との合計に対して定められている請求項5に記載の物流管理システム。
  7. 入荷差分若しくは受注差分が生じた場合に、あらかじめ定められた優先ルールに基づいて随時分荷予定を修正する分荷修正部を有する請求項1、3、5のいずれかに記載の物流管理システム。
  8. 優先ルールが、出荷先ごとにあらかじめ設けられた優先ランクに基づいて各出荷先への分荷数を修正するものである請求項7に記載の物流管理システム。
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