JP2004000469A - エマルジョン型粘着剤組成物およびそれを用いてなる医療用外用材 - Google Patents

エマルジョン型粘着剤組成物およびそれを用いてなる医療用外用材 Download PDF

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Abstract

【課題】ガーゼンや脱脂綿、パッド、カテーテルなどの各種医療用具や医療機器を皮膚面に固定するために用いることができるエマルジョン型粘着剤組成物、およびこの組成物を用いてなる医療用外用材を提供する。
【解決手段】アクリル系重合体100重量部と、軟化剤10〜50重量部からなるエマルジョン型粘着剤組成物であって、50℃以下の軟化点を有し、40℃での粘度が10Pa・s以下の軟化剤を使用する。アクリル系重合体のゲル分は40〜80重量%の範囲が好ましく、炭素数2〜15のアクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル系共重合体を用いることが好ましい。
【選択図】           なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガーゼや脱脂綿、パッド、カテーテルなどの各種医療用具や医療器具を皮膚面に固定するために用いることができるエマルジョン型粘着剤組成物、およびこれを用いてなる医療用外用材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、皮膚患部を保護するためにガーゼや脱脂綿、パッド、点滴用や透析用のカテーテルなどを固定するために、各種の医療用粘着剤を支持体の片面に塗布形成した医療用外用材に用いられている。このような医療用外用材は、使用中に皮膚面から脱落することがない優れた皮膚接着力を有する必要があり、また、剥離時には皮膚面に粘着剤が残留しない程度の凝集力が必要である。
【0003】
しかしながら、このような医療用粘着剤は、皮膚に対する接着力が強すぎると皮膚面から剥離除去時に皮膚面の体毛を抜き取ってしまったり、角質層の剥離を生じて、その結果、痛みを生じたり紅斑や丘疹などの皮膚刺激を発現することがある。つまり、このような粘着剤は、皮膚接着性と凝集力だけでなく、皮膚刺激性を発現しないような特性を有するように設計する必要がある。
【0004】
ところで、最近、アクリル系重合体に相溶性の良い液状ないしペースト状の成分を配合し、かつ重合体を適度に架橋させることで、角質損傷が極めて軽微であり、しかもポリ塩化ビニルのように可塑剤の移行しやすい素材が用いられた医療用具や医療機器に適用してもこれらを損傷することのない医療用粘着剤が提案されている。
【0005】
しかしながら、この医療用粘着剤においても、架橋によって不溶化されたアクリル系重合体の含有量が多くなったり、液状成分やペースト成分の含有量が多すぎると、角質損傷は極めて軽微になる一方で、皮膚や医療用具・医療機器に対する接着力が低くなる傾向を示すという問題を有する。
【0006】
また、この医療用粘着剤を支持体に設けて医療用外用材とした場合、皮膚や医療用具・医療機器に対する接着力が不充分なために、貼付直後や貼付中に剥離脱落する可能性があり、使用目的によっては、使用できないこともある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の技術的課題を解決するために完成されたものであって、粘着剤層の皮膚接着性と凝集力に優れるだけでなく、皮膚刺激性も発現しないようなアクリル系重合体を主成分とする粘着剤組成物、およびこの粘着剤組成物を用いた医療用外用材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アクリル系重合体100重量部と、軟化剤10〜50重量部からなるエマルジョン型粘着剤組成物であって、軟化剤が50℃以下の軟化点を有すると共に、40℃での粘度が10Pa・s 以下であることを特徴とするエマルジョン型粘着剤組成物に関するものである。
【0009】
さらに、本発明は、上記エマルジョン型粘着剤組成物を、支持体の少なくとも片面に設けてなる医療用外用材に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】
本発明に用いられるアクリル系重合体としては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分として、必要に応じて共重合可能な単量体を共重合したものが挙げられる。
【0012】
このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が2以上、好ましくは15以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられ、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、 (メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシルなどの直鎖アルキル基や分岐アルキル基などを有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、これらは1種もしくは2種以上用いることができる。
【0013】
また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸などのスルホキシル基含有単量体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステルなどのヒドロキシル基含有単量体、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有単量体、(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチルエステルなどのアルキルアミノアルキル基含有単量体、(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、 (メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールエステルなどのアルコキシ基(または側鎖にエーテル結合)含有(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリジン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリンなどのビニル系単量体などが挙げられ、これらは1種もしくは2種以上併用して共重合することができる。
【0014】
これら共重合する単量体は、粘着剤層の凝集力の調整や、後述する軟化剤との相溶性改善のために用いることができ、共重合量は目的に応じて適宜設定することができる。具体的には、アクリル系重合体中に1〜99重量%、好ましくは1.5〜98.5重量%の範囲で共重合する事が好ましい。
【0015】
上記アクリル系重合体のうち、本発明において好ましく用いられる重合体としては、ゲル化する際の架橋点量の調整や得られる粘着物性の調整が容易であるという観点から、(メタ)アクリル酸エステルと前記にて例示のカルボキシル基含有単量体や、ヒドロキシル基含有単量体の少なくとも1種を必須成分として、必要に応じて前記にて例示の他の単量体を共重合することが好ましい。
【0016】
また、本発明の粘着剤組成物は、粘着剤層の凝集力や皮膚接着力のバランスの調整から、アクリル系重合体のゲル分を40〜80重量%の範囲に調整することが好ましい。本発明におけるゲル分とは、上記アクリル系重合体が不溶化して、トルエンに溶解しない成分の量をいい、具体的には、離型処理したフィルム上に粘着剤溶液を塗布、乾燥して採取して粘着剤の固形分量(A)と、これを23℃のトルエン中に7日間浸漬して、120℃で2時間乾燥させた不溶分(残渣)量(B)を測定し、浸漬前後の重量変化から、(B/A)×100の式で算出して求めた値(ゲル分率%)である。
【0017】
本発明においてアクリル系重合体のゲル分を上記範囲内に調整する方法としては、上記各種単量体を重合し、熱処理を施すことによって自然にゲル分が生じる場合もあるが、再現性よくゲル分を調整するためにはアクリル系重合体を架橋処理することが好ましい。
【0018】
このような架橋処理としては、γ線照射、電子線照射などの物理的処理による方法の他、有機過酸化物、イソシアネート化合物、シラン系化合物、有機金属塩、金属アルコラート、金属キレート化合物、エポキシ基含有化合物、一級アミノ含有化合物などによる化学的架橋処理が挙げられ、これらのうち架橋度調整(ゲル化度調整)の容易さから、イソシアネート化合物、シラン系化合物、金属アルコラート、金属キレート化合物、エポキシ基含有化号物による化学的架橋処理が好適である。これらの架橋剤の配合量は、アクリル系重合体の40〜80重量%が不溶化されればその量に限定はない。
【0019】
なお、上記架橋処理とは異なり、アクリル系重合体の調製時、即ち単量体を重合させる際に、多官能性単量体を0.0001〜10重量%の範囲で配合して共重合することで、所望のゲル分に調節することができる。このような多官能性単量体としては、具体的にはトリメチルプロパノールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのアクリル系単量体が挙げられる。
【0020】
本発明において用いる軟化剤は、上記アクリル系重合体に配合することにより、粘着剤の低変形領域でのモジュラスを低下させ、皮膚に対する良好な接着性を保ち、しかも皮膚面からの剥離時に角質損傷が少なく、痛みも小さくするという効果を付与する成分である。
【0021】
従って、本発明に用いる軟化剤は、実使用温度にて上記アクリル系共重合体と配合した時に当該重合体と相溶性を良好にし、しかも医療用具や医療機器に軟化剤が移行しにくいという特性を満足するものでなければならない。そのためには、本発明にて用いる軟化剤の軟化点は50℃以下、好ましくは−40〜49℃の範囲のものを用いることが必要であり、40℃での粘度が10Pa・s 以下、好ましくは0.01〜9.9Pa・s の範囲のものを用いる必要がある。
【0022】
軟化点が50℃を超える軟化剤を配合すると、前記アクリル系重合体との相溶性や組成物中への均一分散性が低下するようになり、所望の皮膚接着性を発揮できない恐れがある。また、40℃での粘度が10Pa・sを超えるような粘度では、流動性が低下して、前記アクリル系重合体との相溶性や均一分散性の低下を招く恐れがあり、好ましくないのである。
【0023】
本発明に用いる軟化剤は、具体的にはロジン系やスチレン系の石油樹脂、変性テルペン系樹脂、芳香族系テルペン系樹脂などの各種樹脂から、上記条件を満たす軟化剤を選択すればよい。これらの軟化剤のうち分子内に不飽和二重結合を含むものの場合には、その安定化のために酸化防止剤を併存させることが望ましい。
【0024】
これらの軟化剤の配合方法としては、アクリル系重合体が水系溶媒中に分散したエマルジョンに直接配合してもよいが、均一に分散させるためには、自体公知の界面活性剤を用いて乳化分散させることが好ましい。用いる界面活性剤の添加量は、特に限定されず任意の量でよいが、多量に使用すると得られる粘着剤組成物中に存在する界面活性剤によって皮膚面に適用した場合の耐汗接着性の低下を招くようになるので、通常、アクリル系重合体100重量部に対して0.01〜10重量部程度になるように配合することが好ましい。
【0025】
本発明における軟化剤の配合量は、アクリル系重合体100重量部当り10〜50重量部の範囲とすることが望ましい。配合量が10重量部に満たない場合には、皮膚への接着性は良好であるが、剥離除去時に皮膚刺激を発現する恐れが高くなり、50重量部を超える場合には、皮膚刺激の発現の恐れは少ないが、皮膚接着性やカテーテル固定性の点で不充分となる傾向を示すのである。
【0026】
本発明のエマルジョン型粘着剤組成物は、水系溶媒、好適には水に各種成分が乳化分散した状態のものであり、粘着剤の主成分となるアクリル系重合体をエマルジョン重合して調製したものを用いることが、上記軟化剤との相溶性の調整が容易であり好ましい。
【0027】
エマルジョン重合する方法としては、特に限定されるものではなく、一般的な方法を採用することができ、具体的にはポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤や、脂肪酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルコハクスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸鉛などのアニオン系界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウムなどのカチオン系界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインなどのノニオンアニオン系界面活性剤などが挙げられる。これらのうち、ノニオン系界面活性剤ではHLBが10から40のものを用いることが可能であるが、単量体の乳化分散性や重合安定性などの点から好ましく、アニオン系界面活性剤では乳化能が良好なスルホン酸基、スルホネート基、硫酸エステル基を含有するものを用いることが組成物中への界面活性剤の残存量を少なくできるので好ましい。
【0028】
さらに、分子内に不飽和二重結合を有する反応性界面活性剤を用いると、アクリル系重合体を調製する際に重合体分子中に界面活性剤が取り込まれるので、本発明の粘着剤組成物から粘着剤層を形成した場合に、フリーの界面活性剤が存在しなくなり、耐汗接着性が向上して好ましい。
【0029】
このような反応性界面活性剤としては、第一工業製薬社製のアクアロンHS−10や、花王社製のラテムルS−180、三洋化成工業社製のエレミノールJS−2などが挙げられる。また、これらの反応性界面活性剤は、通常の界面活性剤に代えて用いることができるが、通常の界面活性剤の使用量を低減させて耐汗性を向上させるために、通常の界面活性剤を少量にして反応性界面活性剤を併用するという方法が好ましい。
【0030】
上記界面活性剤の添加量としては、前者の界面活性剤は単量体100重量部当たり、0.01〜10重量部配合し、後者の反応性界面活性剤の場合には、単量体100重量部当たり、0.1〜30重量部の範囲で配合することによって、効率的な乳化および凝集物の発生のない乳化重合を行なうことができるのである。
【0031】
なお、上記エマルジョン重合に際しては、過硫酸カリウムや過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化水素やt−ブチルハイドロパーオキサイドなどの過酸化物などの水溶性重合開始剤、レドックス系重合開始剤を用いる。さらに、チオグリコールやチオグリコール酸、ラウリルメルカプタンなどのチオール系の連鎖移動剤や、エタノールやイソプロピルアルコール、トルエンなどの有機溶剤を含有させて得られるアクリル系重合体の分子量を調整し、最終的に得られる粘着剤の粘着力を調整することができる。
【0032】
本発明の医療用外用材においては、上記エマルジョン型粘着剤組成物を支持体の少なくとも片面に設けられている。
【0033】
すなわち、本発明の医療用外用材においては、支持体の片面ないし両面に、上述のエマルジョン型粘着剤組成物を直接塗布、乾燥するか、剥離紙上で塗布、乾燥したものを支持体に貼り合わせて作成される。
【0034】
本発明で用いられる支持体としては、上述のエマルジョン型粘着剤組成物の層を保持し得るものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、例えば絆創膏・粘着包帯又はパップ剤などに用いられるフィルム状あるいはシート状のものが挙げられ、これらは多孔質でも無孔であってもよい。
【0035】
このようにして得られた医療用外用材は、皮膚接着力が良好で、しかも皮膚刺激がほとんどなく、角質損傷が極めて軽微で安全である上、無可塑塩化ビニルのように可塑剤の移行しやすい素材に適用しても、これらを損なうことがなく、取扱いが至極良好である。
【0036】
【実施例】
以下、本発明について実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下において「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を示す。
【0037】
実施例1
窒素雰囲気下で、反応容器内にアニオン系界面活性剤(花王社製、商品名ラテムルAD25)0.25部、不飽和基を有する反応性界面活性剤(花王社製、ラテムルS180)2部、精製水124部を仕込み、均一に溶解した。
【0038】
別途2−ヒドロキシエチルアクリレート7.5部、アクリル酸2.5部、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル90部の単量体混合物を調製し、そのうちの10%を上記反応容器内に添加し、70℃で30分間攪拌して乳化させた。
【0039】
次いで、重合開始剤としての過硫酸アンモニウム(6.2×10−2モル/l )30部の精製水に溶解し、これを上記単量体を乳化させた反応容器内に添加し、直ちに、残りの単量体混合物(90部)を90分間かけて連続滴下して、70℃で乳化共重合反応を行った。
【0040】
滴下終了後、70℃で90分間熟成反応を行い、アクリル系共重合体からなるエマルジョン型粘着剤溶液(ゲル分率50%)を得た。
【0041】
上記にて得たエマルジョン型粘着剤溶液のアクリル系共重合体100部に対して軟化剤(ヤスハラケミカル社製、商品名YSオイルDA、軟化点10℃、40℃での粘度1Pa・s )20部を配合して本発明のエマルジョン型粘着剤組成物を作製した。
【0042】
このエマルジョン型粘着剤組成物をポリエステルフィルム(厚み38μm )の片面に乾燥後の厚みが50μm となるように塗布、乾燥して本発明の医療用外用材を作製した。
【0043】
実施例2
実施例1における軟化剤(YSオイルDA)20部に代えて、軟化剤(ローム&ハース社製、リガレッツ1018、軟化点14℃、40℃での粘度9.4Pa・s )を20部用いた以外は、実施例1と同様にして本発明のエマルジョン系粘着剤組成物、および医療用外用材を作製した。
【0044】
実施例3
実施例1おける単量体混合物をメタクリル酸メチルエステル8部、アクリル酸2部、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル90部に代え、軟化剤(YSオイルDA)20部に代えて、軟化剤(ヤスハラケミカル社製、YSポリスターTO−L、軟化点8℃、40℃での粘度3Pa・s )20部に代えた以外は、実施例1と同様にして本発明のエマルジョン系粘着剤組成物(ゲル分率48%)、および医療用外用材を作製した。
【0045】
実施例4
実施例3における軟化剤(YSポリスターTO−L)20部に代えて、軟化剤(ローム&ハース社製、ピコラスチックA5、軟化点5℃、40℃での粘度9.6Pa・s )20部を用いた以外は、実施例3と同様にして本発明のエマルジョン系粘着剤組成物、および医療用外用材を作製した。
【0046】
比較例1
実施例1における軟化剤(YSオイルDA)20部を、軟化剤(ヤスハラケミカル社製、商品名YSポリスターS145、軟化点145℃、40℃での粘度100Pa・s )20部に代えた以外は、を用いた以外は、実施例1と同様にしてエマルジョン系粘着剤組成物、および医療用外用材を作製した。
【0047】
比較例2
実施例1における軟化剤(YSオイルDA)20部を、軟化剤(ローム&ハース社製、商品名ピコライトA115、軟化点115℃、40℃での粘度10Pa・s 以上)20部に代えた以外は、実施例1と同様にしてエマルジョン系粘着剤組成物、および医療用外用材を作製した。
【0048】
比較例3
実施例1における軟化剤(YSオイルDA)20部を、軟化剤(ローム&ハース社製、商品名ピコラスチックA25、軟化点25℃、40℃での粘度15Pa・s )20部に代えた以外は、実施例1と同様にしてエマルジョン系粘着剤組成物、および医療用外用材を作製した。
【0049】
上記の各実施例及び比較例の医療用外用材にて得た各サンプルについて、下記の試験を行い、その結果を表1に示した。
【0050】
<接着力>
幅10mmに裁断した各サンプルを、ベークライト板に20Nの圧着ローラにて貼着し、30分経過後、剥離角度180度、剥離速度300mm/分にて引き剥がし、その際の剥離力を接着力として測定した。
【0051】
<皮膚接着力>
各サンプルを健常ボランティアの下腕内側に貼付し、12時間経過後の接着状態を目視によって判定した。判定は剥がれが全くないか、サンプル周縁部のみ剥離(浮き)が生じている場合を○とし、それ以外を×とした。
【0052】
<皮膚刺激性>
上記のように皮膚接着力試験において、12時間前腕部に貼付した各サンプルを引き剥がす際の痛さにより判定した。剥がす際に全く痛くないと感じるか、わずかに痛みを感じるか、苦痛に感じない程度のものを○とし、痛さが苦痛に感じるものを×とした。
【0053】
<糊残り>
上記皮膚刺激性試験において、12時間前腕部に貼付した各サンプルを引き剥がした後、皮膚面に粘着剤の一部が凝集破壊により残っているかどうかを目視にて判定した。糊残りがなかった場合には○とし、糊残りがあった場合には×とした。
【0054】
【表1】
Figure 2004000469
【0055】
上記の表1に記載の結果から明らかなように、実施例品は粘着剤層の皮膚接着性と凝集力に優れるだけでなく、皮膚刺激性も発現しないバランスの取れた粘着特性を有するものであり、良好なエマルジョン型粘着剤組成物および医療用外用材であることが判る。
【0056】
【発明の効果】
本発明のエマルジョン型粘着剤組成物および医療用外用材は、上記構成を有するので、皮膚接着性が良好で、しかも皮膚刺激がほとんどなく、角質損傷が極めて軽微で安全である上、無可塑塩化ビニルのように可塑剤の移行し易い素材からなる医療用具や医療機器に適用してもこれらを損なうことがないという効果を発揮するものである。

Claims (4)

  1. アクリル系重合体100重量部と、軟化剤10〜50重量部からなるエマルジョン型粘着剤組成物であって、軟化剤が50℃以下の軟化点を有すると共に、40℃での粘度が10Pa・s 以下であることを特徴とするエマルジョン型粘着剤組成物。
  2. アクリル系重合体のゲル分が40〜80重量%である請求項1記載のエマルジョン型粘着剤組成物。
  3. アクリル系重合体が、炭素数2〜15のアクリル酸アルキルエステルを主成分とする共重合体である請求項1記載のエマルジョン型粘着剤組成物。
  4. 請求項1に記載のエマルジョン型粘着剤組成物を、支持体の少なくとも片面に設けてなる医療用外用材。
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JP2005213455A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Nippon Koden Corp 導電性粘着剤組成物、その製造法ならびに導電性粘着剤組成物を用いた生体用電極
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