JP2004000214A - 3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB) - Google Patents

3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB) Download PDF

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Abstract

【課題】3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドおよび該ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを提供する。
【解決手段】本発明は、配列番号2またはのアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対して少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチドからなる単離ポリヌクレオチド;3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドおよび3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドおよび組換え技法により該ポリペプチドの製法を提供するものである。さらには、抗菌化合物についてスクリーニングするのに3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドを利用する方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規に同定されたポリヌクレオチドおよびポリペプチド、その製造および使用、ならびにその変種、アゴニストおよびアンタゴニスト、ならびにその使用に関する。特に、本発明は、aroファミリー(以下、「3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)」、「3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリヌクレオチド」、および「3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチド」と称する)の新規なポリヌクレオチドおよびポリペプチドに関する。
【0002】
【従来の技術】
ストレプトコッカス属(Streptococci)は医学的に重要な微生物属を形成しており、ヒトに,例えば中耳炎、結膜炎、肺炎、菌血症、髄膜炎、静脈洞炎、膿胸および心内膜炎、特に例えば脳脊髄液の感染のごとき髄膜炎を包含する、いくつかの型の疾患を引き起こすことが知られている。ストレプトコッカス属の単離から100年以上も経過しているため、ストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumoniae)は、より詳細な研究が為された微生物の一つである。例えば、事実、DNAが遺伝物質であるという初期の見解の大部分は、この微生物を用いたGriffithならびに、Avery、MacleodおよびMcCartyの研究にて予言された。ストレプトコッカス・ニューモニアエに関する研究は膨大であるにも関わらず、この微生物の毒性に関しては多くの疑問が残されている。抗生物質の開発のための標的としてストレプトコッカス属の遺伝子および遺伝子産物を用いるのはとりわけ好ましいことである。
【0003】
ストレプトコッカス・ニューモニアエ感染の頻度は過去2、30年間に劇的に上昇している。これは多重抗生物質耐性株の出現、および免疫系が低下した人の母集団の増加に起因している。いくつかのまたは全ての標準的な抗生物質に対して耐性を有するストレプトコッカス・ニューモニアエ株を単離することはもはやめずらしいことではない。この現象がこの生物に対する新しい抗菌剤、ワクチンおよび診断試験についての必要性を形成した。
【0004】
そのうえ、薬剤の発見方法は、現在のところ、「機能的遺伝学」、すなわち、高処理量のゲノムまたは遺伝子に基づく生物学を包含するので抜本的な改革を受けている。このアプローチは、「位置的クローニング」に基づく初期のアプローチおよび他の方法に取って代わりつつある。機能的遺伝学は、現在利用可能な多くの分子生物学的データベースならびに他のソースから潜在的に興味ある遺伝子配列を同定するための種々の道具に大きく依存している。薬剤の発見の標的としての、さらなる遺伝子および他のポリヌクレオチド配列ならびにそれらの関連ポリペプチドの同定および特徴づけをする必要性があり続けている。
【0005】
抗生物質活性に関して化合物をスクリーニングするために有用であるという利点を有した、本発明のaroB具体例のごとき因子に対する要望があることは明白である。かかる因子はまた、感染、機能不全および疾患の発生病理における役割を決定するのに有用である。感染、機能不全および疾患を予防、改善または治癒するための方法を見出すために、かかる因子ならびにそのアンタゴニストおよびアゴニストを同定および特徴づけする必要も明らかにある。
【0006】
本発明のある種のポリペプチドは、既知のバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)タンパク質に対して有意なアミノ酸配列相同性を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)、詳細には3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドおよび3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリヌクレオチド、組み換え物質ならびにそれらの製造方法に関する。もう1つの態様において、本発明は、かかるポリペプチドおよびポリヌクレオチドの使用方法に関し、とりわけ、微生物による疾病の治療を包含する。さらなる態様において、本発明は、本発明により提供される材料を用いるアゴニストおよびアンタゴニストの同定方法、ならびに同定された化合物を用いる微生物による感染およびかかる感染に関連した症状の治療方法に関する。さらなる態様において、本発明は、微生物による感染およびかかる感染に関連した症状の検出のための診断アッセイ、例えば、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)発現または活性の検出のためのアッセイに関する。
開示された本発明の精神および範囲内での種々の変更および修飾は、以下の説明を読み、本開示の他の部分読めば、当業者に容易に明らかになるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下により詳細に説明するように、本発明は、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドおよびポリヌクレオチドに関する。詳細には、本発明は、バチルス・ズブチリスの3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドに対するてアミノ酸配列相同性により関連づけられるストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumoniae)の3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)のポリペプチドおよびポリヌクレオチドに関する。特に、本発明は、それぞれ配列番号:1または3および配列番号:2または4として表1に示されるヌクレオチドおよびアミノ酸配列を有する3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)に関する。
【0009】
表1
3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列
【0010】
Figure 2004000214
【0011】
Figure 2004000214
【0012】
Figure 2004000214
【0013】
Figure 2004000214
【0014】
寄託材料
ストレプトコッカス・ニューモニアエ0100993株を含む寄託株を、1996年4月11日に、スコットランド、AB21RY、アバディーン、マチャードライブ23St.のナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・アンド・マリーン・バクテリア・リミテッド(本明細書にて「NCIMB」という)に、NCIMB受託番号40794の下で寄託した。その寄託株は寄託の際にストレプトコッカス・ニューモニアエ0100993と命名された。1996年4月17日に、同様に、エシェリシア・コリ中のストレプトコッカス・ニューモニアエ0100993DNAライブラリーがNCIMBに寄託され、受託番号40800が与えられた。このストレプトコッカス・ニューモニアエ寄託株を、本明細書では「寄託株」または「寄託株のDNA」と称する。
【0015】
寄託株は全長の3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)遺伝子を含んでいる。寄託株に含まれるポリヌクレオチドの配列ならびにそれによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列は、本明細書における配列の記載とのいずれの不一致においても支配的である。
寄託株の寄託は、特許手続き上の微生物寄託の国際承認に関するブタペスト条約の条件下で行われている。特許が発行されると何ら制限または条件もなく、最終的に株は分譲される。寄託株は当業者の便宜のためにのみ提供され、35U.S.C.112条の下に要求されるような、寄託が実施可能要件であることを承認するものではない。
【0016】
寄託株、それに由来の化合物を製造、使用または販売するには、ライセンスが必要であるが、そのようなライセンスはここで付与されるものではない。
本発明の一の態様は、寄託株に含まれるストレプトコッカス・ニューモニアエ0100993株により発現可能な成熟ポリペプチドをコードする単離核酸分子を提供することである。さらには、本発明は寄託株中のDNAの3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ヌクレオチド配列およびそれによりコードされるアミノ酸配列を提供する。また、本発明は寄託株より単離された3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチド配列およびそれに由来のアミノ酸配列を提供する。
【0017】
ポリペプチド
本発明3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドは他のaroファミリーのタンパク質に構造的に関連している。
本発明の1の態様において、ストレプトコッカス・ニューモニアエのポリペプチド(本明細書では3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)および3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドという)、ならびに生物学的、診断上、予防上、臨床的または治療上有用なその変種、ならびにそれを含む組成物が提供される。
本発明のとりわけ好ましい具体例は、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)遺伝子の自然発生対立遺伝子によりコードされる3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)の変種である。
【0018】
さらに本発明は下記のものである単離ポリペプチド:
(a)配列番号:2の全長にわたって配列番号:2のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するかまたは全く同一であるアミノ酸配列を含むかまたはそれよりなるポリペプチド;
(b)配列番号:1の全長にわたって配列番号:1に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するかまたは全く同一であるポリヌクレオチド配列を含むかまたはそれよりなる単離ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
(c)配列番号:2の全長にわたって配列番号:2のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するかまたは全く同一であるポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列を含むかまたはそれよりなる単離ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
(d)配列番号:3の全長にわたって配列番号:1に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するかまたは全く同一であるポリヌクレオチド配列を含むかまたはそれよりなる単離ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
(e)配列番号:3の全長にわたって配列番号:3に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するかまたは全く同一であるポリヌクレオチド配列を含むかまたはそれよりなる単離ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;または
(f)配列番号:4の全長にわたって配列番号:4のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するかまたは全く同一であるポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列を含むかまたはそれよりなる単離ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
(g)配列番号:4の全長にわたって配列番号:2のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するかまたは全く同一であるアミノ酸配列を含むかまたはそれよりなるポリペプチド
を提供する。
【0019】
本発明のポリペプチドは、表1[配列番号2または4]のポリペプチド(とりわけ成熟ポリペプチド)ならびに、特に、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)の生物活性を有し、表1[配列番号1または3]のポリペプチドまたはその該当部分と少なくとも70%の同一性、好ましくは表1[配列番号2または4]のポリペプチドと少なくとも80%の同一性、より好ましくは表1[配列番号2または4]のポリペプチドと少なくとも90%の類似性(より好ましくは、少なくとも90%の同一性)、さらにより好ましくは表1[配列番号2または4]のポリペプチドと少なくとも95%の類似性(より好ましくは少なくとも95%の同一性)を有するポリペプチドおよびフラグメントを包含し、さらに、一般に、少なくとも30個のアミノ酸、より好ましくは、少なくとも50個のアミノ酸を含むポリペプチドの部分を有するかかるポリペプチドの部分も包含する。
【0020】
本発明はまた、
X−(R−(R)−(R−Y
【0021】
[式中、アミノ末端のXは水素または金属であり、カルボキシル末端のYは水素または金属であり、RおよびRはいずれかのアミノ酸残基であり、mは1〜1000の整数または0であり、nは1〜1000の整数または0であり、Rは本発明のアミノ酸配列、特に表1のアミノ酸配列を意味する]
で示されるポリペプチドを包含する。上記の式中、Rはアミノ末端残基がその左側でRに結合し、そのカルボキシ末端残基がその右側でRに結合するように方向づけられる。mおよび/またはnが1より大きい場合、いずれかのR基で表されるアミノ酸残基の鎖は、ヘテロポリマーまたはホモポリマーのいずれであってもよく、ヘテロポリマーが好ましい。本発明の他の好ましい具体例は、mが1ないし50、100または500の間の整数であり、nが1ないし50、100または500の間の整数のものである。
本発明がストレプトコッカス・ニューモニアエ由来のものであるのが最も好ましいが、同じ分類学上の属の他の生物由来のものであっても好ましい。また本発明ポリペプチドは、例えば、同じ科または目から得られるものであってもよい。
【0022】
フラグメントは、その全体が、上記したポリペプチドのアミノ酸配列の全部ではないが、一部と同じであるアミノ酸配列を有する変種ポリペプチドである。aroBポリペプチドと同様、フラグメントは「自立している」であるか、またはそれらが一の部分または領域、最も好ましくは単一の連続した領域、単一のより大きなポリペプチドを形成するより大きなポリペプチドの中に含まれていてもよい。
【0023】
好ましいフラグメントは、例えば、表1[配列番号2または4]のアミノ酸配列または、アミノ末端を含む連続した一連の残基またはカルボキシル末端を含む連続した一連の残基のような、その変種の一部を有する末端切断ポリペプチドを包含する。宿主細胞、特に、ストレプトコッカス・ニューモニアエ中の本発明のポリペプチドの分解型も好ましい。さらに、アルファヘリックスおよびアルファヘリックス形成領域、ベータシートおよびベータシート形成領域、ターンおよびターン形成領域、コイルおよびコイル形成領域、親水領域、疎水領域、アルファ両親媒性領域、ベータ両親媒性領域、可変領域、界面形成領域、基質結合領域、および高抗原指数領域を含んでなるフラグメントのような、構造的または機能的属性によって特徴づけられるフラグメントもまた好ましいフラグメントである。
【0024】
生物学的に活性なフラグメントも好ましいフラグメントである。生物学的に活性なフラグメントは、類似活性または改良活性を有するもの、または望ましくない活性が減少したフラグメントを含め、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)の活性を媒介するフラグメントである。さらに、動物、特にヒトにおいて抗原性または免疫原性であるフラグメントも含まれる。特に好ましいものは、ストレプトコッカス・ニューモニアエの生存に必須の機能または個体、特に、ヒトにおける疾患の開始または原因維持能力を与える酵素群の受容体またはドメインからなるフラグメントである。
【0025】
本発明のポリペプチドのフラグメントである変種は、ペプチド合成法により対応する全長のポリペプチドの製造に使用することができる。したがって、これらの変種は、本発明の全長ポリペプチドを製造するための中間体として使用できる。
【0026】
アミノ酸に関する標準的1文字および3文字表記に加えて、「X」または「Xaa」なる語もまた、本発明のあるポリペプチドを記載するのに用いられる。「X」および「Xaa」は、20種の天然に存在するいずれかのアミノ酸がポリペプチド配列のそのような指定する位置にあってもよいことを意味する。
【0027】
ポリヌクレオチド
3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド、詳細には、本明細書で3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)と命名されるポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを提供することが本発明の1の目的である。
本発明の特に好ましい具体例において、ポリヌクレオチドは、全長の遺伝子を含む、表1(配列番号:1または3)に示す配列を含む3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチド、またはその変種をコードしている領域を含む。
本発明のさらなる態様として、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドおよびポリヌクレオチド、詳細には、ストレプトコッカス・ニューモニアエの3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドおよびポリヌクレオチドをコードおよび/または発現する単離核酸分子が提供され、核酸分子としては、例えば、未プロセッシングRNA、リボザイムRNA、mRNA、cDNA、ゲノムDNA、B−およびZ−DNAが挙げられる。本発明のさらなる具体例は、生物学的、診断上、予防上、臨床的または治療上有用なポリヌクレオチドおよびポリペプチド、ならびにその変種、ならびにそれらを含む組成物を包含する。
本発明のもう一つの態様は、表1[配列番号2または4]の推定アミノ酸配列を有する3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチド、それに密接に関連するポリヌクレオチドおよびそれらの変種に関する。
【0028】
もう1つの特に好ましい本発明具体例において、表1(配列番号:2または4)のアミノ酸配列を含むかまたはそれよりなる、ストレプトコッカス・ニューモニアエ由来の3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)が提供される。
表1[配列番号1または3]に示すポリヌクレオチド配列のような本明細書の情報を使用し、出発材料としてストレプトコッカス・ニューモニアエ0100993を使用し、細菌からの染色体DNAフラグメントをクローニングし、配列決定し、つづいて全長クローンを得る標準的クローニングおよびスクリーニング法を使用して、aroBポリペプチドをコードする本発明のポリヌクレオチドを得ることができる。例えば、表1[配列番号1または3]に示す配列のような本発明のポリヌクレオチド配列を得るには、典型的には、エシェリシア・コリまたは他の適当な宿主中のストレプトコッカス・ニューモニアエ0100993の染色体DNAのクローンのライブラリーを、部分配列から由来する放射標識したオリゴヌクレオチド、好ましくは17量体またはそれより長いオリゴヌクレオチドでプローブする。ついで、該プローブと同じDNAを有するクローンをストリンジェントな条件を使用して区別できる。該オリジナル配列から設計された配列決定プライマーで同定された個々のクローンを配列決定することにより、該配列を両方の方向に伸長し、全長を決定することが可能である。都合よくは、プラスミド・クローンから調製された変性二本鎖DNAを用いてかかる配列決定を行う。適当な技法は、Maniatis,T.,Fritsch,E.F.およびSambrookら、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,2nd Ed.;Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York(1989)(特に、ハイブリダイゼーションによるスクリーニング1.90および変性二本鎖DNA鋳型の配列決定13.70を参照のこと)により記載されている。例えば、表1[配列番号1または3]に示すポリヌクレオチドは、ストレプトコッカス・ニューモニアエ0100993から由来するDNAライブラリー中で見いだしたものである。
【0029】
表1[配列番号1または3]のDNA配列は、表1[配列番号2または4]に示す概数のアミノ酸残基を有し、公知のアミノ酸残基の分子量から計算できる推定分子量を有するタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを有する。ヌクレオチド番号1と、配列番号1のヌクレオチド番号1066で始まる停止コドンの間の配列番号1のポリヌクレオチドが、配列番号2のポリペプチドをコードする。
【0030】
さらなる態様において、本発明は、下記のポリヌクレオチドを含むかまたはそれらよりなる単離ポリヌクレオチドを提供する:
(a)配列番号:1の全長にわたって配列番号:1に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するかまたは全く同一であるポリヌクレオチド配列;
(b)配列番号:2の全長にわたって配列番号:2のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも97〜99%またはちょうど100%の同一性を有するポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列;または
(c)配列番号:3の全長にわたって配列番号:1に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも97〜99%または100%の同一性を有するヌクレオチド配列;
(d)配列番号:3の全長にわたって配列番号:3に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するかまたは全く同一であるヌクレオチド配列;
(e)配列番号:4の全長にわたって配列番号:4のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有するかまたは全く同一であるポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列。
本発明ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド(ストレプトコッカス・ニューモニアエ以外の種由来のホモログおよびオーソログを包含)を、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件において、配列番号:1もしくは3の配列またはそれらのフラグメントを含むかまたはそれらよりなる標識または検出可能プローブを用いて適当なライブラリーをスクリーニングし、次いで、該ポリヌクレオチド配列を含む全長遺伝子および/またはゲノムクローンを単離する工程を含む。
【0031】
本発明は、表1[配列番号1または3]のコード配列と、その全長にわたって同一であるポリヌクレオチド配列を提供する。また、本発明は、成熟ポリペプチドまたはそのフラグメント用のコード配列自体ならびにリーダーまたは分泌配列、プレ、プロまたはプレプロタンパク質配列をコードするコード配列のような他のコード配列を有するリーディング・フレーム中の成熟ポリペプチドまたはフラグメントのコード配列を提供する。ポリヌクレオチドはまた、例えば、転写配列、非翻訳配列、終止シグナル、リボソーム結合部位、mRNAを安定化する配列、イントロン、ポリアデニル化シグナルおよび別のアミノ酸をコードする付加コード配列のような非コード5’および3’配列を含む、非コード配列を含むが、これに限定するものではない。例えば、融合ポリペプチドの精製を促進するマーカー配列をコードすることができる。本発明のある種の具体例において、マーカー配列は、pQEベクター(Qiagen,Inc.)において提供され、Gentzら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1989)86:821−824に記載されるような、ヘキサ−ヒスチジンペプチドであるか、またはHAタグである(Wilsonら、Cell,37:767(1984))。本発明のポリヌクレオチドは、限定するものではないが、構造遺伝子および遺伝子の発現を調節する天然に伴う配列からなるポリヌクレオチドを包含する。
【0032】
本発明の好ましい具体例は、表1の配列番号1に示されるヌクレオチド1からヌクレオチド1066のすぐ上流にあるヌクレオチドまたはそのヌクレオチドを含むヌクレオチドまでを有するポリヌクレオチドであり、それは共に3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドをコードする。
【0033】
本発明はまた、式:
X−(R−(R)−(R−Y
【0034】
[式中、分子の5’末端のXは水素または金属あるいはYと一緒になって共有結合を形成し、分子の3’末端のYは水素または金属あるいはXと一緒になって共有結合を形成し、RおよびRは、各々、独立していずれかの核酸残基であり、mは1〜3000の整数または0であり、nは1〜3000の整数または0であり、Rは本発明の核酸配列、特に表1より選択される核酸配列を意味する]
で示されるポリヌクレオチドを包含する。上記した式のポリヌクレオチド中、Rは5’末端残基がその左側でRに結合し、その3’末端残基がその右側でRに結合するように方向付けられる。mおよび/またはnが1より大きい場合、いずれかのR基で表される核酸残基の鎖は、ヘテロポリマーまたはホモポリマーのいずれであってもよく、ヘテロポリマーが好ましい。好ましい具体例において、XおよびYが一緒になって共有結合を形成する場合、前記した式のポリヌクレオチドは閉鎖した環状ポリヌクレオチドであり、それはその式が第2の鎖が相補性を有する第1の鎖を示す二本鎖ポリヌクレオチドであり得る。もう一つ別の具体例において、mおよび/またはnは1と1000の間の整数である。他の好ましい本発明の具体例は、mが1ないし50、100または500の間の整数であり、nが1ないし50、100または500の間の整数である。
【0035】
本発明のポリヌクレオチドはストレプトコッカス・ニューモニアエ由来であるのが最も好ましいが、分類学上同じ属の生物より得ることも好ましい。また、例えば、分類学上同じ科または目から得てもよい。
本明細書で使用する「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」なる用語は、本発明のポリペプチド、特に、細菌性ポリペプチド、より詳しくは、表1[配列番号2または4]に示すアミノ酸配列を有するストレプトコッカス・ニューモニアエ・aroBのポリペプチドをコードする配列を含むポリヌクレオチドを包含する。この用語はコードおよび/非コード配列を含んでもよいさらなる領域と共に、該ポリペプチドをコードする単一の連続または非連続領域(例えば、組み込まれたファージ、挿入された配列、組み込まれたベクター配列、組み込まれたトランスポゾン配列、またはRNAエデティング(editing)もしくはゲノムDNA再組織化により中断されている)を含むポリヌクレオチドを包含する。
本発明はさらに、表1[配列番号2または4]の推定アミノ酸配列を有するポリペプチドの変種をコードする、本明細書に記載したポリヌクレオチドの変種に関する。本発明のポリヌクレオチドのフラグメントである変種は本発明の全長ポリヌクレオチドの合成に使用できる。
【0036】
さらに好ましい具体例は、数個、わずかな、5〜10、1〜5、1〜3、2または1個あるいは0個のアミノ酸残基が、いずれかの組み合わせで置換、欠失または付加された表1[配列番号2または4]の3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドのアミノ酸配列を有する、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)変種をコードするポリヌクレオチドである。特に好ましくは、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)の特性、活性を変化させないサイレント置換、付加および欠失である。
【0037】
本発明のさらに好ましい具体例は、表1[配列番号2または4]に示すアミノ酸配列をを有する3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの全長にわたって少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチドおよびそのようなポリヌクレオチドに相補性のポリヌクレオチドである。また、最も好ましいものは、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと全長にわたって少なくとも80%の同一性を有する領域からなるポリヌクレオチドおよびそれと相補性のポリヌクレオチドである。この点で、その同じものと全長にわたって少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチドが特に好ましく、中でも少なくとも95%の同一性を有するものが特に好ましい。さらには、少なくとも95%の同一性を有するものの中で少なくとも97%の同一性を有するものがより好ましく、中でも少なくとも98%および少なくとも99%の同一性を有するものが特に好ましい。少なくとも99%の同一性を有するものがより好ましい。
好ましい具体例は、表1[配列番号1または3]のDNAによってコードされている成熟ポリペプチドと実質的に同じ生物学的機能または活性を保持するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
本発明のある好ましい具体例によれば、特にストリンジェントな条件下で、例えば表1のポリヌクレオチドのごとき3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドが提供される。
【0038】
さらに本発明は、本明細書にて上記した配列にハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。この点において、本発明は特に、本明細書にて上記したポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本明細書で用いる場合、「ストリンジェントな条件」および「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」という語は、ハイブリダイゼーションが、配列間に少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%の同一性がある場合にのみ起こることを意味する。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の一例として、50%ホルムアルデヒド、5xSSC(150mMNaCl、15mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデンハート(Denhardt’s)溶液、10%硫酸デキストランおよび20μg/ml変性切断サケ精子DNAを含んでなる溶液中、42℃で一夜インキュベーションし、ついでハイブリダイゼーション支持体を0.1xSSC(約65℃)で洗浄することが挙げられる。ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は公知であり、Sambrookら、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,Second Edition,Cold Spring Harbor, N.Y.(1989)、特に、第11章に例示されている。本発明により提供されるポリヌクレオチド配列に関して溶液ハイブリダイゼーションを用いてもよい。
【0039】
本発明は、配列番号1または3に示したポリヌクレオチド配列の完全遺伝子を含む適当なライブラリーを、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下、配列番号1または3に示す該ポリヌクレオチド配列の配列を有するプローブまたはそのフラグメントでスクリーニングし、該DNA配列を単離することにより得ることができるポリヌクレオチド配列を含むかまたはそれよりなるポリヌクレオチドを提供する。そのようなポリヌクレオチドを得るのに有用なフラグメントには、例えば、本明細書に記載するプローブおよびプライマーが包含される。
【0040】
本明細書において本発明のポリヌクレオチドの分析についてさらに説明するように、例えば、上記したような本発明のポリヌクレオチドを、RNA、cDNAおよびゲノムDNAに対するハイブリダイゼーション・プローブとして使用し、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)をコードする全長cDNAおよびゲノムクローンを単離し、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)遺伝子に対して高い配列類似性を有する他の遺伝子のcDNAおよびゲノムクローンを単離することができる。そのようなプローブは、一般に、少なくとも15塩基を有してなるであろう。好ましくは、そのようなプローブは少なくとも30塩基からなり、少なくとも50塩基を有してもよい。特に好ましいプローブは、少なくとも20塩基を有し、30以下の塩基を有する。
例えば、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)遺伝子のコード領域は、表1(配列番号1または3)のDNA配列を使用してスクリーニングしてオリゴヌクレオチド・プローブを合成することにより単離できる。ついで、本発明の遺伝子の配列と相補性の配列を有する標識したオリゴヌクレオチドを用いてcDNA、ゲノムDNAまたはmRNAのライブラリーをスクリーニングし、ライブラリーのどのメンバーがプローブとハイブリダイズするか決定する。
【0041】
全長のDNAを得る、あるいは短いDNAを伸長させるための利用可能で当業者によく知られたいくつかの方法があり、例えば、cDNA末端の迅速増幅(RACE)(例えば、Frohman, et al., PNAS USA 85,8998−9002, 1988参照)に基づく方法がある。marathonTM法(Clontech Laboratories Inc.)に例示される当該方法の最近の変法は、例えば、より長いcDNAの検索が有意に簡単にしている。MarathonTM法において、cDNAは選択組織から抽出されたmRNAから調製され、各末端に「アダプター」配列が連結される。次いで、遺伝子特異的かつアダプター特異的オリゴヌクレオチドプライマーを用いて核酸増幅(PCR)を行ってDNAの「失われた」5’末端を増幅する。次いで、「ネステッド」プライマー、すなわち、増幅生成物の範囲ににアニールするように設計されたプライマー(典型的には、アダプター配列中のさらなる3’にアニールするアダプター特異的プライマーならびに既知遺伝子配列中のさらなる5’にアニールする遺伝子特異的プライマー)を用いてPCR反応を繰り返す。次いで、この反応の生成物をDNA配列決定により分析し、次いで、存在しているDNAに生成物を直接結合して完全配列を得ること、あるいは5’プライ−の設計に関する新たな配列の情報を用いて別個の全長PCRを行うことにより、全長のDNAを構築する。
【0042】
本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、本明細書においてポリヌクレオチド分析に関してさらに説明するように、例えば、疾患、特にヒトの疾患に対する治療および診断の発見のための研究試薬および研究材料として用いることができる。
表1(配列番号1または2または3または4)の配列から由来するオリゴヌクレオチドである本発明のポリヌクレオチドは、本明細書に記載の方法に使用できるが、好ましくはPCRに使用し、本明細書で同定したポリヌクレオチドが全体として、または部分的に感染組織において細菌中で転写されるか否か測定する。そのような配列はまた、病因が達した感染の段階およびタイプの診断においても有用性がある。
【0043】
また、本発明は、成熟タンパク質に、さらなるアミノまたはカルボキシ末端アミノ酸が加わるか、成熟ポリペプチドの内部にアミノ酸が加わった(例えば、成熟形態が一つ以上のポリペプチド鎖を有する場合)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。このような配列は、とりわけ、前駆体から成熟形態へのタンパク質のプロセッシングにおいて役割を果たし、タンパク質を運び、タンパク質の半減期を長くしたり、短くしたり、あるいは分析または生産のためのタンパク質の操作を容易にすることができる。インビボで一般的なように、該付加アミノ酸は細胞酵素により成熟タンパク質からプロセッシングにより除かれる。
本発明の各ポリヌクレオチドおよび全ポリヌクレオチドについて、それに相捕的なポリヌクレオチドが提供される。これらの相捕的ポリヌクレオチドが、相捕的である各ポリヌクレオチドに対して十分に相捕的であることが好ましい。
一またはそれ以上のプロ配列に融合したポリペプチドの成熟形態を有する前駆体タンパク質は該ポリペプチドの不活性形でもよい。プロ配列がそのような不活性前駆体から除かれると、一般に活性化される。プロ配列の幾らかまたは全体を、活性化の前に除去できる。一般に、そのような前駆体はプロタンパク質と称される。
【0044】
核酸塩基に関する標準記号A、G、C、T/Uに加えて、また「N」なる語を、本発明の特定のポリヌクレオチドを記載するのに用いることができる。「N」は、隣接するヌクレオチド位置と一緒になって作用する場合、正確な読み枠を読み取る場合で、Nがそのような読み枠において未成熟終止コドンを形成する効果を有する塩基でないことが好ましい場合を除き、4種のDNAまたはRNA塩基のいずれかがDNAまたはRNA配列のその指定位置にあることを意味する。
【0045】
総じて、本発明のポリヌクレオチドは成熟タンパク質、リーダー配列の加わった成熟タンパク質(プレタンパク質とも称される)、プレタンパク質のリーダー配列ではない1またはそれ以上のプロ配列を有する成熟タンパク質の前駆体、またはリーダー配列と、一般に、ポリペプチドの活性な成熟形態を生成するプロセッシング工程の間に除去される1またはそれ以上のプロ配列を有するプロタンパク質の前駆体であるプレプロタンパク質をコードする。
【0046】
ベクター、宿主細胞、発現系
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含んでなるベクター、本発明のベクターで遺伝子操作される宿主細胞および組換え技術による本発明のポリペプチドの産生に関する。さらに無細胞翻訳系を用い、本発明のDNA構築物由来のRNAを使用してかかるタンパク質を製造することができる。
本発明の組み換えポリペプチドを、発現系を含む、遺伝子操作された宿主細胞から、当業者によく知られた方法により製造してもよい。したがって、さらなる態様において、本発明は、本発明ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを含む発現系、かかる発現系で遺伝子操作された宿主細胞、ならびに組み換え法による本発明ポリペプチドの製造に関する。
組換え体産生のために、宿主細胞を遺伝子操作し、発現系もしくはそれらの一部、または本発明のポリヌクレオチドを取り込むことができる。ポリヌクレオチドの宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、トランスベクション、マイクロインジェクション、陽イオン脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、トランスダクション、スクレープ・ローディング、弾道導入および感染のような、Davisら、BASIC METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY(1986)およびSambrookら、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,2nd Ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor, N.Y.(1989)のごとき複数の標準的研究室マニュアルに記載されている方法によって行うことができる。
【0047】
適当な宿主の代表例は、レンサ球菌(streptococcus)、ブドウ球菌(staphylococcus)、腸球菌(enterococcus)、大腸菌(E.coli)、ストレプトマイセス(streptomyces)および枯草菌(Bacillus subtilis)細胞およびストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumoniae)のごとき細菌細胞;酵母細胞およびアスペルギルス(Aspergillus)細胞のごとき真菌細胞;ドロソフィラ(Drosophila)S2およびスポドプテラ(Spodoptera)Sf9細胞のごとき昆虫細胞;CHO、COS、HeLa、C127、3T3、BHK、HEK293およびボーウェス(Bowes)メラノーマ細胞のごとき動物細胞;および裸子植物または被子植物のごとき植物細胞を包含する。
【0048】
本発明のポリペプチド産生のために非常に多様な発現系を使用することができる。かかる系は、とりわけ、染色体、エピソームおよびウイルス由来の系、例えば、細菌プラスミド由来、バクテリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入因子由来、酵母染色体因子由来、バキュロウイルス、SV40のごときパポーバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、ニワトリポックスウイルス、偽狂犬病ウイルスおよびレトロウイルスのようなウイルス由来のベクター、およびコスミドおよびファージミドなどのプラスミドおよびバクテリオファージの遺伝因子由来のベクターのごとき、それらの組み合わせに由来するベクターを包含する。発現系構築物は、発現を制御ならびに引き起こす調節領域を有していてもよい。一般に、宿主においてポリヌクレオチドを維持、増幅または発現し、および/またはポリペプチドを発現するのに適した系またはベクターを、この点にて発現に使用してもよい。適当なDNA配列を、例えば、Sambrookら、MOLECULAR CLONING,A LABORATORY MANUAL(前掲)に示されている技術のごとき、種々のよく知られた慣用的技術のいずれかによって、発現系に挿入してもよい。
【0049】
翻訳されたタンパク質を、小胞体内腔、周辺腔または細胞外環境に分泌するために、適当な分泌シグナルを発現されるポリペプチドに挿入してもよい。これらのシグナルは、ポリペプチドに固有のものであってもよく、または異種のシグナルであってもよい。
本発明のポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈澱、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを包含する、よく知られた方法によって組換え細胞培養物から回収および精製できる。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィーが精製に使用される。ポリペプチドが単離および/または精製の間に変性する場合、タンパク質を再生するための周知方法を用いて、再び活性な立体配座とすることができる。
【0050】
診断、予後、セロタイピングおよび変異アッセイ
本発明はまた診断試薬として使用するための本発明の3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリヌクレオチドの使用にも関連付けられる。真核生物、とりわけ哺乳動物、特にヒトにおける3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)の検出は、疾患の診断のための診断方法を提供する。真核生物(本明細書において「個体」とも称する)、とりわけ哺乳動物、特にヒトが3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)遺伝子を含む生物に感染するか、または感染している恐れがあると、種々のよく知られた方法ならびに本明細書記載の方法により核酸レベルまたはアミノ酸レベルで検出できる。
【0051】
予後、診断または他の分析に供する核酸は、感染したと思われる個体および/または感染個体の身体材料から得られる。これらの源由来のポリヌクレオチド、特にDNAまたはRNAを検出に直接用いてもよく、あるいは分析に付す前にPCRもしくはその他の増幅法を用いることにより酵素的に増幅できる。RNA(詳細にはmRNA)、cDNAおよびゲノムDNAも同じ方法にて使用できる。増幅すると、個体に存在する原核生物の種および株を、原核生物遺伝子の遺伝子型の分析により特徴づけすることができる。対照配列の遺伝子型と比較した増幅生成物の大きさの変化により、欠失および挿入を検出できる。点突然変異は、増幅DNAを標識した3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズすることにより同定できる。完全に対合した配列は、RNase消化により、または融解温度の差により、誤対合二重らせんと区別できる。DNA配列の差はまた、変性剤と共にまたは無しでゲル中のDNAフラグメントの電気泳動の移動度の変化により、または直接的なDNAの配列決定により検出できる。例えば、Myersら、Science,230:1242(1985)を参照のこと。特異的な位置での配列の変化はまた、ヌクレアーゼ保護アッセイ、例えば、RNaseおよびS1保護または化学的切断法によっても明らかにすることができる。例えば、Cottonら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,85:4397−4401(1985)を参照のこと。ヌクレアーゼ保護アッセイ、例えば、RNase、V1およびS2保護アッセイまたは化学的開裂法により、特定位置における配列の変化を明らかにすることができる。例えば、Cotton et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 85:4397−4401 (1985)参照。
【0052】
もう1つの具体例において、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ヌクレオチド配列またはそのフラグメントを含むオリゴヌクレオチドプローブの一群を構築して、例えば遺伝学的変異、セロタイプ、分類学的分類または同定のための効果的なスクリーニングを行うことができる。アレイ法は適応範囲が広く、遺伝子発現、遺伝学的連関、および遺伝学的変化を包含する分子遺伝学における種々の問題を解決するために用いられる(例えば、Chee et al., Science,274:610 (1996)参照)。
【0053】
よって、もう1つの態様において、本発明は、
(a)本発明ポリヌクレオチド、好ましくは配列番号:1または3のヌクレオチド配列、またはそのフラグメント;
(b)(a)のヌクレオチド配列に対して相捕的なヌクレオチド配列;
(c)本発明ポリペプチド、好ましくは配列番号:2または4のポリペプチド、またはそのフラグメント;あるいは
(d)本発明ポリペプチドに対する抗体、好ましくは配列番号:2または4のポリペプチドに対する抗体
を含む診断キットに関する。
かかるキットにおいて、(a)、(b)、(c)または(d)が重要な成分を含んでいてもよいことが理解されよう。かかるキットは、とりわけ疾病または疾病に対する感受性についての診断において有用である。
【0054】
また本発明は、診断試薬としての本発明ポリヌクレオチドの使用にも関する。疾病または発病に関連した本発明ポリヌクレオチド、好ましくは配列番号:1または3のポリヌクレオチドの変異形態の検出は、ポリヌクレオチドの発現低下、発現過剰または発現の変化により生じる疾病の診断、疾病経過の予後、疾病段階の決定、または疾病に対する感受性の決定に加えて用いる診断用道具、またはかかる診断等の決定のための道具を提供するであろう。かかるポリヌクレオチドにおける変異を有する生物、特に感染生物を、本明細書記載のごとき種々の方法によりポリヌクレオチドレベルで検出してもよい。
本発明ヌクレオチド配列は生物の染色体の同定にも価値がある。配列は特別に標的化され、生物(詳細にはストレプトコッカス・ニューモニアエ)の染色体上の特定の位置とハイブリダイゼーションしうる。本発明染色体に関連した配列のマッピングは、それらの配列を病原性および/または生物の環境学的位置および/または生物の薬剤耐性とを関連づけ、さらには生物に遺伝子を対応させることにおける重要な工程でありうる。配列を正確な染色体位置にマッピングしたならば、染色体上の配列の物理的位置を遺伝学的地図のデータと関連づけることができる。かかるデータは、配列データベースにおいてオンラインで見いだされる。次いで、連関(物理的に近接した遺伝子の同時遺伝)の分析により、同じ染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾病との関係を同定する。
罹病個体と未罹病個体との間のcDNAまたはゲノム配列の相違も調べることができる。罹病個体のいくつかまたは全部において変異が観察されるが正常個体においては観察されない場合、その変異は疾病の原因である可能性がある。
【0055】
本発明の遺伝子中に変異または多型性(対立遺伝子変異)を担持する細胞はまた、種々の技術により、DNAレベルで、例えばセロタイピングすることにより検出できる。例えば、RT−PCRを用いて変異を検出することができる。RT−PCRを自動検出系、例えばGeneScan等と組み合わせて用いるのが特に好ましい。RNA、cDNAまたはゲノムDNAもまた同じ目的でPCRまたはRT−PCRに用いることができる。一例として、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)をコードする核酸に相補的なPCRプライマーを用いて変異を同定および分析することができる。特に、これらのプライマーを、個体由来の試料、例えば身体材料から単離された3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)DNAおよび/またはRNAの増幅に用いることができる。プライマーを用いて感染個体から単離されたポリヌクレオチドを増幅して、ポリヌクレオチド配列研究のための種々の方法に供してもよい。このようにして、ポリヌクレオチド配列中の変異を検出し、変異を用いて感染または感染段階もしくは経路を損断および/または予後を行い、あるいは感染物のセロタイプおよび/または分類を行ってもよい。
【0056】
本発明はさらに、疾患、好ましくは細菌感染、さらに好ましくはストレプトコッカス・ニューモニアエによる感染の診断方法であって、表1[配列番号1または3]の配列を有するポリヌクレオチドの発現レベルの上昇を、個体由来のサンプルから決定することを特徴とする方法を提供する。3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリヌクレオチドの発現の増加または低下は、ポリヌクレオチドの定量法として当該分野で周知の方法である任意の方法、例えば増幅、PCR、RT−PCR、RNase保護、ノーザンブロッティングおよびその他のハイブリダイゼーション法を用いて測定できる。
【0057】
加えて、正常対照組織サンプルと比較して3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)タンパク質の過剰発現を検出するための本発明による診断アッセイを用いて、例えば感染の存在を検出することができる。宿主由来のサンプル中の3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドのレベルを決定するために用いることができるアッセイ技法は、当業者に周知である。このようなアッセイ法は、ラジオイムノアッセイ、競合的結合アッセイ、ウェスタンブロット分析およびELISAアッセイを包含する。
【0058】
引き算発現
本発明ポリヌクレオチドおよびポリペプチドを、引き算スクリーニング法の試薬として用いてもよい。多くの引き算スクリーニングおよび引き算ディスプレイ法が当該分野に存在し、本発明ポリヌクレオチドおよびポリペプチドを用いることができる。例えば、引き算ディスプレイ法はChuang et al., J. Bacteriol. 175:2026−2036 (1993)に記載されている。この方法は、ランダムプラムされたRT−PCRを用いて存在するmRNAを同定することにより生物中で発現される遺伝子を同定するものである。感染前および感染後の特徴を比較することにより、感染の間にアップレギュレーションおよびダウンレギュレーションされる遺伝子を同定し、RT−PCR生成物を配列決定し、「未知」ORFにマッチさせることができる。
インビボ発現法(IVET)はCamilli et al., Proc. Natl. Acad  Sci. USA91:2634−2638 (1994)に記載されている。IVETは、研究室での培養物との比較を行って、感染における重要な役割に関与している、感染中にアップレギュレーションされる遺伝子を同定するものである。この方法により同定されるORFは感染の確立および/または維持において重要な役割を有すると考えられる。この方法において、標的生物のランダムな染色体フラグメントを、プラスミドベクター中のプロモーター不含組み換え遺伝子の上流にクローン化する。レソルバーゼ(resolvase)部位に隣接した抗生物質耐性遺伝子を担持する標的細胞中にこの構築物を導入する。抗生物質存在下での増殖は、レコンビナーゼ(recombinase)遺伝子の転写を支持しうるプラスミドベクター中にクローン化されたフラグメントの集団から消失し、それゆえ、抗生物質耐性の消失を引き起こす。各抗生物質感受性細菌により担持される染色体フラグメントは感染の間に通常アップレギュレーションされる遺伝子のプロモーターまたは当該遺伝子の一部を担持しているはずである。レコンビナーゼ遺伝子上流の配列決定によりアップレギュレーションされる遺伝子の同定が可能となる。
RT−PCRを用いて遺伝子発現パターンを分析してもよい。本発明ポリヌクレオチドを用いるRT−PCR用に、メッセンジャーRNAを細菌感染組織、例えばネズミの感染後48時間たった肺から単離し、次いで、ランダムヘキサヌクレオチドでプラムされたRNA試料の逆転写を行い、その後遺伝子特異的プライマーペアーを用いてPCRを行うことによって各mRNA量を評価する。得られたPCR生成物の定量による特定のmRNA種の存在および量の決定は、感染組織中で転写された細菌遺伝子についての情報を提供する。遺伝子転写の分析を感染の異なる時点において行って細菌による発病における遺伝子調節についての詳細な知識を得て、いずれの遺伝子産物が抗細菌剤のスクリーニングのための標的であるのかを明確に理解することができる。使用PCRプライマーの遺伝子特異的な性質により、細菌mRNA調製物が常に哺乳動物RNAを含む必要があるとはいえないことが理解されよう。このことは、感染組織からの簡単かつ迅速なRNAの調製を可能にし、細菌中で非常に短命(半減期2分のオーダー)な細菌mRNA種を得ることを可能にする。最適には、非常に短時間のうちに、TRIzole(GIBCO−BRL)存在下で機械的に破砕し、次いで、TRIzole試薬およびDNAase処理を製造者の指示に従って行って夾雑DNAを除去することにより、感染ネズミ肺組織から細菌mRNAを調製する。好ましくは、適当に標識された配列特異的オリゴヌクレオチドプローブを用いてノーザンをプローブすることにより検出されるストレプトコッカス・ニューモニアエの16SリボソームRNAが最大量となるような条件を見いだすことによってプロセスを最適化する。典型的には、5’色素標識プライマーをPCR反応において各PCRプライマーペアーに用い、最適にはPCR反応を8ないし25サイクルで終了する。PCR生成物を6%ポリアクリルアミドで分離し、GeneScanner(ABIにより製造されている)を用いて検出し定量する。
【0059】
抗体
本発明ポリペプチドおよびポリヌクレオチドまたはそれらの変種、あるいはそれらを発現する細胞を、かかるポリペプチドまたはポリヌクレオチドに対して免疫特異的な抗体を得るための免疫原として用いることができる。
【0060】
本発明のポリペプチドに対して得られる抗体は、ポリペプチドあるいはエピトープが付いたフラグメント、アナログまたは細胞を、好ましくはヒト以外の動物に、慣用的プロトコールを用いて投与することにより得ることができる。モノクローナル抗体を調製する場合、連続的細胞系培養により産生される抗体を提供する当該分野にて周知の技術を用いることができる。例えば、Kohler, G.およびMilstein, C., Nature,256:495−497(1975);Kozborら、Immunology Today, 4:72(1983);Coleら、MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, Alan R Liss,Inc.、77−96頁(1985)に記載されるような種々の技法が挙げられる。
【0061】
一本鎖抗体を製造するための技術(米国特許第4946778号)を用いて、本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体を産生することができる。また、トランスジェニックマウスまたは他の生物、例えば他の哺乳動物を用いて、ヒト化抗体を発現させることができる。
【0062】
別法として、ファージディスプレイ(phage display)技法を利用して、抗‐aroBの保持に関してスクリーニングしたヒトのリンパ球のPCR増幅したv遺伝子のレパートリー由来の、または無処理のライブラリー由来の、ポリペプチドに対する結合活性を有する抗体遺伝子を選択してもよい(McCafferty,J.ら、Nature 348:552−554(1990);Marks,J.ら、Biotechnology 10:779−783(1992))。これらの抗体の親和性はチェインシャフリング(chain shuffling)により改善することもできる(Clackson,T.ら、Nature 352:624−628(1991))。
【0063】
前記の抗体を用いてポリペプチドを発現するクローンを単離または同定することができ、アフィニティークロマトグラフィーにより該ポリペプチドを精製することができる。
従って、とりわけ、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドまたは3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリヌクレオチドに対する抗体を用いて、感染、とりわけ細菌感染を治療することができる。
【0064】
ポリペプチド変種は、本発明の特定の態様を形成する、抗原的、エピトープ的または免疫学的に等価な変種を包含する。
【0065】
ポリペプチド、例えば抗原的、免疫学的に等価な誘導体、またはその融合タンパク質は、マウスまたは他の動物、例えばラットもしくはニワトリを免疫するための抗原として使用される。融合タンパク質はポリペプチドに安定性を付与できる。抗原は、例えば抱合することにより、免疫原性キャリヤタンパク質、例えばウシ血清アルブミン(BSA)またはキーホール・リムペット・ヘモシアニン(keyhole limpet haemocyanin:KLH)に結合させることができる。別法として、タンパク質もしくはポリペプチド、またはその抗原的もしくは免疫学的に等価なポリペプチドの多重コピーを含む多重抗原性ペプチドは、免疫原性を改良するのに十分な抗原性を有しており、キャリヤを使用しなくてすむ。
【0066】
好ましくは、抗体またはその変種を修飾して個体における免疫原性を減少させる。例えば、個体がヒトである場合、抗体は最も好ましくは「ヒト化」されており;例えばJones,P.ら、Nature 321:522−525(1986)またはTempestら、Biotechnology 9:266−273(1991)に記載されているように、ハイブリドーマ由来の抗体の相補性決定領域がヒトモノクローナル抗体に移植されている。
本発明の1の態様によれば、治療または予防目的、詳細には遺伝学的免疫化のための本発明ポリヌクレオチドの使用が提供される。本発明の特に好ましい具体例は、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリヌクレオチドの自然発生対立遺伝子変種およびそれによりコードされるポリペプチドである。
【0067】
本発明のポリヌクレオチドの遺伝学的免疫における使用には、好ましくは、プラスミドDNAの筋肉への直接注射(Wolffら、Hum.Mol.Genet 1:363(1992);Manthorpeら、Hum.Gene Ther. 4:419(1963))、特異的タンパク質キャリヤを複合させたDNAの送達(Wuら、J.Biol Chem. 264:16985(1989))、リン酸カルシウムを用いるDNA共沈(Benvenisty & Reshef、PNAS USA 83:9551(1986))、種々の形態のリポソーム中へのDNA封入(Kanedaら、Science 243:375(1989))、微粒子爆撃(Tangら、Nature 356:152(1992);Eisenbraunら、DNA Cell Biol 12:791(1993))およびクローン化レトロウイルスベクターを用いたインビボ感染(Seegerら、PNAS USA 81:5849(1984))などの適当な送達方法を用いる。
【0068】
アンタゴニストおよびアゴニスト−アッセイおよび分子
さらに、本発明のポリペプチドを用いて、例えば、細胞、無細胞調製物、化学的ライブラリー、および天然産物の混合物中の、小分子基質とリガンドとの結合を評価することもできる。これらの基質およびリガンドは天然の基質およびリガンドでよく、または構造上もしくは機能上の模倣物でもよい。例えば、Coliganら、Current Protocols in Immunology 1(2):第5章(1991)を参照のこと。
【0069】
本発明ポリペプチドおよびポリヌクレオチドは多くの生物学的機能の原因であり、該機能には多くの疾病状態、詳細には上記疾病が包含される。それゆえ、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの機能を刺激または阻害する化合物を同定するためのスクリーニング法を工夫することが望ましい。したがって、さらなる態様において、本発明は、本発明ポリペプチドまたはポリヌクレオチドならびに関連ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの機能を刺激または阻害する化合物を同定するためのスクリーニング方法を提供する。一般的には、アゴニストまたはアンタゴニストを上記疾病の治療および予防のために用いてもよい。種々の源、例えば、細胞、無細胞調製物、化学ライブラリーおよび天然産物の混合物から化合物を同定できる。そのようにして同定されたかかるアゴニスト、アンタゴニストまたは阻害剤は、天然または修飾基質、リガンド、受容体、酵素等であってもよく、場合によっては3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドおよびポリヌクレオチド、あるいはそれらの構造上または機能上の模倣物であってもよい(Coligan et al., Current Protocols in Immunology 1(2): Chapter 5 (1991)参照)。
【0070】
スクリーニング法は、単に化合物のポリペプチドまたはポリヌクレオチドへの、あるいはポリペプチドまたはポリヌクレオチドを有する細胞または膜への、あるいはポリペプチド含む融合タンパク質への結合を、直接的または間接的に候補化合物に結合した標識により測定するものであってもよい。別法として、スクリーニング法は標識競争物質との競争を用いるものであってもよい。さらに、これらのスクリーニング法は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを含む細胞に適した検出系を用いて、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの活性化または阻害により生じるシグナルを化合物が発生させるかどうかを試験するものであってもよい。一般的には、既知アゴニスト存在下で活性化の阻害剤をアッセイし、次いで、候補化合物存在下でのアゴニストによる活性化の効果を観察する。構成的に活性のあるポリペプチドおよび/または構成的に発現されるポリペプチドおよびポリヌクレオチドをアゴニストまたは阻害剤の効果を逆転させる物質を探すスクリーニング法に用いてもよく、アゴニストまたは阻害剤の不存在下で候補化合物がポリペプチドまたはポリヌクレオチドの活性化を阻害するかどうかを試験することによる。さらに、スクリーニング法は、単に、候補化合物を本発明ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを含有する溶液と混合して混合物を作成し、混合物中の3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチド活性を測定し、次いで、標準に対して混合物中の3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチド活性を比較することを特徴とする。Fc部分および上記3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドから作成されるような融合タンパク質を用いて高処理量アッセイを行って本発明ポリペプチドのアンタゴニストならびに系統分類的および機能的に関連したポリペプチドを同定することもできる(D.Bennett et al., J. Mol. Recognition, 8:52−58 (1955);およびK.Johanson et al., J. Biol. Chem., 270(16):9549−9471 (1955)参照)。本発明ポリペプチドと結合および/または相互作用するポリヌクレオチド、ポリペプチドおよび抗体を用いて、細胞中のmRNAおよび/またはポリペプチドの精製に対する添加化合物の影響を検出するためのスクリーニング方法を組み立ててもよい。例えば、ELISAアッセイを構築して、モノクローナルおよびポリクローナル抗体を用いてポリペプチドの分泌または細胞結合レベルを、当該分野において標準的な方法により測定してもよい。これにより、適当に操作された細胞または組織からのポリペプチドの生成を阻害または促進しうる作用剤を見いだすことができる。
【0071】
本発明はまた、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの作用、特に静菌および/または殺菌性である化合物の作用を亢進(アゴニスト)または遮断(アンタゴニスト)する化合物を同定するための化合物のスクリーニング方法を提供する。スクリーニング方法には高処理量(high−throughput)技術が包含される。例えば、アゴニストまたはアンタゴニストをスクリーニングするために、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドおよびかかるポリペプチドの標識基質またはリガンドを含んでなる合成反応混合物、膜、細胞エンベロープもしくは細胞壁のごとき細胞コンパートメント、またはそれらのいずれかの調製物を、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)アゴニストまたはアンタゴニストであるかもしれない候補分子の存在下または不在下でインキュベートする。候補分子が3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドに作動または拮抗する能力は、標識リガンドの結合の低下またはかかる基質からの生成物の生成低下に反映される。結合しても影響を及ぼさない分子、すなわち3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドの効果を誘起しない分子は、ほとんどの場合、良好なアンタゴニストであろう。よく結合し、基質からの生成物の生成速度を高める分子はアゴニストである。基質からの生成物の生成速度またはレベルの検出はリポーターシステムを用いることにより増強できる。この点に関して有用なリポーターシステムは、生成物に転換される比色標識基質、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリヌクレオチドまたはポリペプチド活性の変化に応答するリポーター遺伝子、および当該分野で公知の結合アッセイを包含するが、これらに限定するものではない。
【0072】
本発明ポリペプチドを用いて膜結合または可溶性受容体を同定してもよく、かかるポリペプチドは当該分野において標準的な受容体結合法により同定される。これらの方法、リガンド結合およびクロスリンキングアッセイを包含するが、これらに限らない。これらの方法において、ポリペプチドは放射性標識(例えば125I)、化学修飾(例えばビオチン化)または検出および精製に適したペプチド配列に融合され、推定上の受容体(例えば細胞、細胞膜、細胞上清、組織抽出物、身体材料)の源とともにインキュベーションされる。他の方法は表面プラスモン共鳴および分光学的法法を包含する。これらのスクリーニング方法を用いて、ポリペプチドのその受容体への結合と競争するポリペプチドのアゴニストおよびアンタゴニストを同定してもよい。かかるアッセイを行うための標準的方法は当該分野においてよく知られている。
【0073】
本発明の他の具体例において、本発明ポリペプチドおよびまたはポリヌクレオチドと結合あるいは相互作用して、その活性または発現を阻害または活性化する化合物を同定する方法であって、ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドへの結合、あるいはポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドと化合物との他の相互作用を可能にする条件下で本発明ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドをスクリーニングすべき化合物と接触させて、アゴニストとの結合あるいは他の相互作用を評価し(該方法において、好ましくは、かかる結合または相互作用はポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドと化合物との結合あるいは相互作用に応答した検出可能シグナルを提供しうる第2の化合物に関連したものである)、次いで、ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドと化合物との結合あるいは相互作用から生じるシグナルの存在または不存在を検出することにより、化合物がポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドと結合あるいは相互作用し、その活性または発現を活性化または阻害するかどうかを決定する方法が提供される。
【0074】
3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)アンタゴニストのアッセイの別の例は、競争阻害アッセイに適した条件下で、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)および潜在的なアンタゴニストを、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)結合分子、組換え3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)結合分子、天然基質もしくはリガンド、または基質もしくはリガンド模倣物と混合する、競合アッセイである。3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)を例えば放射活性または比色化合物により標識し、結合分子に結合した、あるいは生成物に変換した3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)分子の数を正確に決定して、潜在的なアンタゴニストの効果を評価できる。
【0075】
潜在的なアンタゴニストは、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドと結合し、それによりその活性を阻害し、消滅させる小型有機分子、ペプチド、ポリペプチドおよび抗体を包含する。潜在的アンタゴニストはまた、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)誘発活性を誘導しない結合分子のような、結合分子の同一部位に結合し、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)を結合より排除することにより3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)の作用を妨げる、密接に関連したタンパク質または抗体のような小型有機分子、ペプチド、ポリペプチドであってもよい。
【0076】
潜在的なアンタゴニストは、ポリペプチドの結合部位に結合してその部位を占領し、それにより細胞性結合分子との結合を防御して、正常な生物学的活性を防御する小型分子を包含する。小型分子の例は、小型有機分子、ペプチド、ペプチド様分子を包含するが、これらに限定するものではない。その他の潜在的なアンタゴニストはアンチセンス分子を包含する(これらの分子についての記載に関しては、Okano,J.,Neurochem. 56:560(1991);OLIGODEOXYNUCLEOTIDES AS ANTISENSE INHIBTORS OF GENE EXPRESSION、CRCプレス、ボッカラートン、フロリダ州(1988)を参照のこと)。好ましい潜在的アンタゴニストは、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)に関連する化合物およびその変種を包含する。
潜在的なポリペプチドアンタゴニストの他の例は抗体を包含し、あるいはいくつかの場合には、ポリペプチドのリガンド、基質、受容体、酵素等の密接に関連したオリゴヌクレオチドまたはタンパク質、あるいはリガンド、基質、受容体、酵素等のフラグメント、あるいは本発明ポリペプチドに結合するが応答を誘発せず、その結果ポリペプチドの活性が阻害することとなる小型分子を包含する。
【0077】
本発明ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドに関するアゴニスト、アンタゴニスト、リガンド、受容体、基質、酵素等;あるいはかかるポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドの生成を減少または促進する化合物を同定するためのスクリーニングキットに関する。該キットは:
(a)本発明ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチド;
(b)本発明ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドを発現する組み換え細胞;
(c)本発明ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドを発現する細胞膜;または
(d)本発明ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドに対する抗体
を含むものであり、好ましくは該ポリペプチドは配列番号:2のものであり、好ましくは該ポリヌクレオチドは配列番号:1のものである。
かかるキットにおいて、(a)、(b)、(c)または(d)は重要成分を含有していてもよいことが理解されよう。
本発明ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドを、ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドのアゴニスト、アンタゴニストまたは阻害剤の構造に基づく設計方法に用いてもよいことが、当業者に理解されよう。該方法は:
(a)最初にポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチド、またはそれらの複合体の3次元構造を決定し、
(b)アゴニスト、アンタゴニストまたは阻害剤の反応部位、結合部位またはモチーフである可能性のある部位の3次元構造を推定し、
(c)推定された反応部位、結合部位および/またはモチーフと結合または反応すると予想される候補化合物を合成し、次いで
(d)候補化合物が実際にアゴニスト、アンタゴニストまたは阻害剤であるかどうかを試験する
ことを含む。
これが繰り返しプロセスであり、自動およびコンピューター制御工程を用いてこの繰り返しプロセスを行ってもよいことが、さらに理解されよう。
【0078】
さらなる態様において、本発明は、例えば3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドの過剰発現、発現不足、上昇した活性、または低下した活性に関連した疾病のごとき異常な状態の治療方法を提供する。
ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドの発現および/または活性が過剰な場合、いくつかの方法を用いることができる。1の方法は、ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドの機能および/または発現を阻害(例えば、リガンド、基質、酵素、受容体等の結合をブロックすることにより、あるいは2次的シグナルを阻害することにより)するに有効な量の上記阻害化合物(アンタゴニスト)を医薬上許容される担体とともに対象に投与し、そのことにより異常なな症状を改善することを含む。もう1つの方法において、やはり内在性ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドと競争してリガンド、基質、酵素、受容体等に結合することができる可溶性形態のポリペプチドを投与してもよい。かかる競争物質の典型例は3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドのフラグメントを含む。
【0079】
さらなる態様において、本発明は、本発明ポリペプチドまたはそのフラグメントおよび種々のサブクラス(IgG、IgM、IgA、IgE)の免疫グロブリンの重鎖または軽鎖の不変領域の種々の部分を含んでなる、遺伝子工学により得られる可溶性融合タンパク質に関する。好ましい免疫グロブリンはヒトIgG(詳細にはIgG1)の重鎖の不変部分であり、融合はヒンジ領域で起こる。特定の具体例において、血液凝固因子Xaを用いて開裂できる開裂配列を導入することによりFc部分を簡単に除去することができる。さらにそのうえ、本発明は、遺伝子工学によるこれらの融合タンパク質の製造方法、ならびに薬剤スクリーニング、診断および治療におけるそれらの使用に関する。本発明のさらなる態様はかかる融合タンパク質をコードしているポリヌクレオチドにも関する。融合タンパク質法の例は国際特許出願WO94/29458およびWO94/22914に見いだされる。
【0080】
さらにもう1つのアプローチにおいて、発現ブロッキング法を用いて内在性3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドをコードしている遺伝子の発現を阻害することができる。このブロッキングは遺伝子発現のいずれの工程を標的としてもよいが、好ましくは、転写および/または翻訳を標的とする。この種の既知方法の例は、体内で生じるかまたは別個に投与されるアンチセンス配列の使用を包含する(例えば、Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression, CRC Press, Bocca Raton, FL (1988)中O’Connor, J. Neurochem (1991) 56:560参照)。別法として、遺伝子とともに三重らせんを形成するオリゴヌクレオチドを提供してもよい。例えば、Lee et al.,Nucleic Acids Res(1979)6:3073;Cooney et al.,Science(1988)241:456;Dervan et al.,Science(1991)251:1360参照。これらのオリゴヌクレオチドはそれ自体投与することができ、あるいは重要部分のオリゴマーをインビボで発現させることもできる。
【0081】
本明細書で得られるDNA配列は、各々、抗菌化合物の発見および開発に用いることができる。発現でコードされたタンパク質は、抗菌薬物をスクリーニングするための標的として用いることができる。加えて、コードされたタンパク質のアミノ末端領域をコードするDNA配列あるいはシャイン・ガルガーノまたは他の個々のmRNAの翻訳容易化配列を用いて、目的とするコーディング配列の発現を調節するアンチセンス配列を構築することができる。
【0082】
本発明はまた、感染の続発症に関与する、病原体および哺乳動物宿主間の最初の物理的相互作用を妨害するための、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチドまたは阻害物質の使用を提供する。特に本発明の分子は;細菌、特にグラム陽性菌が内在装置上の哺乳動物細胞外マトリックスタンパク質、または創傷部の細胞外マトリックスタンパク質に付着することを防御するのに;例えば、哺乳動物チロシンキナーゼのリン酸化を開始することによる、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)タンパク質介在の哺乳動物細胞侵入を遮断するために(Rosenshineら、Infect.Immun. 60:2211(1992));哺乳動物細胞外マトリックスタンパク質と組織損傷を媒介する細菌性3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)タンパク質との間の細菌付着を遮断するために;内在装置の埋め込みまたは他の外科的手技以外により開始した感染における病因の通常の進行を遮断するために使用することができる。
【0083】
本発明のさらに別の態様によれば、3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)のアゴニストおよびアンタゴニスト、好ましくは静菌性または殺菌性アゴニストおよびアンタゴニストが提供される。
本発明のアンタゴニストおよびアゴニストを用いて、例えば、疾患を阻害し、治療することができる。
ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)(本明細書中、エッチ・ピロリともいう)菌は、胃癌、潰瘍、胃炎を発病している世界中の人々の3分の1以上の胃に感染している(国際癌研究機関(International Agency for Research on Cancer)(1994)Schistomoses,Liver Flukes and Helicobacter Pylori(International Agency for Research on Cancer,Lyon,France;http://www.uicc.ch/ecp/ecp2904.htm))。さらに、この国際癌研究機関は、最近になって、ヘリコバクター・ピロリと胃腺癌の間の因果関係を認識し、その細菌をグループI(限定的)発癌物質と分類した。本発明により提供されるスクリーン法を用いて見出された本発明の好ましい抗菌化合物(aroBのアゴニストおよびアンタゴニスト)、特に広域スペクトルの抗生物質は、ヘリコバクター・ピロリ感染の治療にて有用である。このような治療はヘリコバクター・ピロリ誘発性癌、例えば胃腸癌の出現を減少させる。かかる治療はまた胃潰瘍および胃炎も治癒する。
【0084】
ワクチン
生成物、組成物、ならびに3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)発現の評価、疾病の治療、遺伝学的変異のアッセイ、および細菌、特にストレプトコッカス・ニューモニアエ細菌に対する免疫学的応答を生起させるための3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドの生物への投与方法が本発明により提供される。
本発明の別の態様は、個体、特に哺乳動物における免疫学的応答を誘発する方法であって、抗体および/またはT細胞免疫応答を生成するのに適当な3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)、またはそのフラグメントもしくは変種を個体に接種し、該個体を感染、特に細菌感染、最も好ましくはストレプトコッカス・ニューモニアエ感染から防御することを含む方法に関する。さらに、そのような免疫学的応答による細菌複製を遅らせる方法も提供する。本発明のさらにもう一つ別の態様は、個体における免疫学的応答を誘発する方法であって、インビボで3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)またはそのフラグメントまたは変種を発現するために、該3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)またはそのフラグメントまたは変種の発現を指向する核酸ベクターを該個体に送達し、例えば、サイトカイン産生T細胞または細胞毒性T細胞を含め、抗体および/またはT細胞免疫応答を生じさせるように免疫学的応答を誘発し、該個体にて疾患が既に確立されているか、否かにかかわらず該個体を疾患から保護することを含む方法に関する。遺伝子を投与する一の方法は、粒子等のコーティングとして遺伝子を所望の細胞に投与することによるものである。このような核酸ベクターはDNA、RNA、修飾核酸またはDNA/RNAハイブリッドからなっていてもよい。
【0085】
本発明のさらなる態様は、その中に免疫学的応答を誘発する能力を有するか、または誘発している個体に導入されると、その個体において3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)またはそれからコードされるタンパク質に対する免疫学的応答を誘発する免疫学的組成物であって、該3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)またはそれからコードされるタンパク質の抗原をコードし、発現するDNAを含む組換え3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)またはそれからコードされるタンパク質を含む組成物に関する。免疫学的応答は、治療的および予防的に使用でき、抗体免疫またはCTLまたはCD4+T細胞から生ずるような細胞免疫から得ることができる。
【0086】
3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドまたはそのフラグメントは、それ自体抗体を産生しないが、第一タンパク質の安定化ならびに免疫原性および保護特性を有するであろう融合タンパク質の産生能を有する補タンパク質(co−Protein)と融合させることができる。このような融合組換えタンパク質は、好ましくは、さらに、ヘモフィラス・インフルエンザ(Hemophilus influenzae)からのリポプロテインD、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)またはベータガラクトシダーゼのような抗原性補タンパク質、タンパク質を可溶化し、その産生および精製を容易にするような比較的大きい補タンパク質からなる。さらに、補タンパク質は、免疫系の汎化した刺激を与える上で、アジュバントとして作用してもよい。補タンパク質は第一タンパク質のアミノまたはカルボキシ末端のいずれかに結合してもよい。
本発明は、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドおよび、Sato,Y.ら,Science,273:352(1996)に記載されるような免疫刺激DNA配列からなる組成物、特にワクチン組成物および方法を提供する。
【0087】
また、本発明は、ストレプトコッカス・ニューモニアエ感染の動物モデルにおけるそのような遺伝的免疫実験において使用したDNA構築物中で細菌細胞表面タンパク質の非可変領域をコードすることが明らかにされた記載のポリヌクレオチドまたはその特定のフラグメントを使用する方法も提供する。そのような実験は、予防的または治療的免疫応答を起こさせることのできるタンパク質エピトープの同定に特に有用である。この方法により、動物、とりわけヒトにおける細菌感染、特にストレプトコッカス・ニューモニアエ感染の予防剤または治療剤の開発のために、動物の必要な器官から感染の抵抗または除去に特に有用なモノクローナル抗体を産生させることができる。
【0088】
該ポリペプチドを宿主を免疫化するための抗原として用い、例えば、損傷組織への細菌の付着を遮断することにより、細菌の侵入を妨げる特異抗体を生じさせることができる。組織損傷の例としては、例えば、機械的、化学的または熱的損傷による、または内在装置の埋め込みによる皮膚や結合組織の傷、あるいは口、乳腺、子宮または膣のような粘膜における傷が挙げられる。
【0089】
本発明はまた、本発明の免疫原性組換えタンパク質と、適当な担体とからなるワクチン処方も包含する。タンパク質は胃で破壊されうるので、非経口的投与(例えば、皮下、筋肉内、静脈内、皮内等の投与を包含する)が望ましい。非経口投与に適した処方は、抗酸化剤、緩衝剤、抗菌剤、およびその処方を個体の体液、好ましくは血液と等張にする溶質を含有してもよい、水性および非水性滅菌注射溶液;懸濁化剤または増粘剤を含有してもよい、水性および非水性滅菌懸濁液を包含する。処方は、単位投与または複数投与用コンテナ、例えば、密封されたアンプルおよびバイアルにて提供され、使用直前に滅菌液体担体を添加するだけでよい凍結乾燥状態で貯蔵することができる。ワクチン処方はまた、水中油系のごとき処方の免疫原性を高めるアジュバント系および当該分野において知られている他の系を有してもよい。投与量はワクチンの比活性に依存し、慣用的実験操作によって容易に決定できる。
本発明をある種の3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)タンパク質について記載したが、この記載は天然のタンパク質のフラグメントおよび組換えタンパク質の免疫原性を実質的に変化させない付加、欠失または置換を有する同様なタンパク質も包含することが理解されるであろう。
【0090】
組成物、キットおよび投与
本発明のさらなる態様において、単細胞または多細胞生物に投与される、「3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリヌクレオチドおよび/または3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)ポリペプチドを含む組成物が提供される。
本発明はまた、上記したポリヌクレオチドまたはポリペプチドあるいはそれらのアゴニストまたはアンタゴニストからなる組成物に関する。本発明のポリペプチドは、対象への投与に適した医薬担体のような細胞、組織または器官用の未滅菌または滅菌担体と組み合わせて使用できる。かかる組成物は、例えば、媒体添加または治療上有効量の本発明のポリペプチドと、医薬上許容される担体または賦形剤を含む。かかる担体は、限定するものではないが、食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノールおよびその組み合わせを包含する。処方は投与方法に適していなければならない。本発明は、さらには、上記した本発明の組成物の一またはそれ以上の成分を充填した、一またはそれ以上のコンテナを含む診断および医薬用パックおよびキットに関する。
【0091】
本発明のポリペプチドおよび他の化合物を、単独で、または、治療用化合物などの他の化合物と組み合わせて用いてもよい。
該医薬組成物は、例えば、とりわけ、局所、経口、経肛門、経膣、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、経鼻、経皮経路による投与を含む、いずれかの有効な、都合のよい方法で投与される。
治療および予防において、活性成分は個体に注射用組成物、例えば、好ましくは等張の滅菌水性分散液として投与される。
【0092】
また、組成物は、例えば、軟膏、クリーム、ローション、眼軟膏、点眼剤、点耳剤、マウスウォッシュ、含浸包帯および縫合糸ならびにエアゾルの形態の局所用処方とすることができ、適当な通常の添加剤、例えば、保存料、薬剤浸透を助ける溶媒、軟膏やクリームにおけるエモリエント等を含むことができる。そのような局所用処方はまた、適合する通常の担体、例えば、クリームまたは軟膏基剤、ローション用のエタノールまたはオレイルアルコールも含有することができる。このような担体は、処方の約1〜98重量%を構成してもよく、より一般的には、処方の約80重量%までを構成する。
【0093】
さらなる態様において、本発明は、医薬上許容される担体または賦形剤を混合された治療上有効量のポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチド、例えば可溶性形態の本発明ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチド、アゴニストまたはアンタゴニストペプチドまたは小型分子化合物を含む組成物が提供される。かかる担体は、セイライン、緩衝化セイライン、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、およびそれらの混合物を包含するが、これらに限らない。さらに本発明は、上記本発明組成物の1種またはそれ以上の成分を入れた1個またはそれ以上の容器を含む医薬パックおよびキットに関する。本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチドおよび他の化合物を単独で、あるいは治療化合物のごとき他の化合物と組み合わせて使用してもよい。
組成物を投与経路(例えば、全身投与または経口投与)に適合させる。医薬組成物の全身投与の好ましい形態は、注射、典型的には静脈注射を包含する。皮下、筋肉内または腹腔内のごとき他の注射経路を用いることもできる。全身投与のための別の手段は、胆汁酸塩またはフシジン酸または他の界面活性剤のごとき浸透剤を用いる経粘膜または経皮投与を包含する。さらに、腸溶処方またはカプセル処方がうまく処方されるならば、経口投与も可能である。これらの化合物の投与は局所的なものであってもよく、膏薬、パスタ、ゲル等の形態であってもよい。
【0094】
哺乳動物、特にヒトに投与するには、一日の活性薬剤の用量は、0.01mg/kg〜10mg/kg、典型的には約1mg/kgである。いずれにしても、個体に最も適した実際の用量は医者により決定され、個体の年齢、体重および応答により変化する。上記の用量は、平均的な場合の例示である。もちろん、より高いまたは低い用量範囲が適当な個体もあり、それらも本発明の範囲内である。内在装置には外科移植、補綴およびカテーテル、すなわち、個体の体内に導入され、その位置に長時間止まる装置が包含される。例えば、そのような装置としては、人工関節、心臓弁、ペースメーカー、血管グラフト、血管カテーテル、脊髄液シャント、尿カテーテル、連続歩行腹膜透析(continuous ambulatory peritoneal dialysis:CAPD)カテーテルが挙げられる。
【0095】
本発明の組成物は、内在装置の挿入の直前に関連する細菌に対する全身的効果を達成するために注射で投与できる。治療は、手術の後、装置が体内にある間継続できる。加えて、組成物は、細菌の傷汚染、特に、ストレプトコッカス・ニューモニアエの傷汚染を防止するために、いずれの手術用の手術周辺カバーの拡張にも使用できる。
多くの整形外科医は、補綴関節を有するヒトは、菌血症を生じ得る歯の治療前に抗生物質による予防を考慮すべきと考えている。後の重い感染は、重篤な合併症となり、時に、補綴関節の損失および著しい罹病率、致死率を伴う。したがって、該活性物質を、この状況の予防的抗生物質の代替品として使用することにまで拡張することができる。
【0096】
上記した治療に加えて、本発明の組成物は、一般に、傷組織に露出したマトリックス・タンパク質への細菌付着を予防するための傷治療剤、抗生物質予防に代え、あるいは共に、歯の治療における予防的用途に使用できる。
別法として、本発明の組成物は挿入直前に内在装置を浸すのに使用できる。該活性物質は、好ましくは、傷または内在装置を浸す場合、1μg/ml〜10mg/mlの濃度で使用できる。
【0097】
ワクチン組成物は、都合よくは、注射剤の形態である。通常のアジュバントを使用して免疫応答を高めることができる。ワクチン用の適当な単位投与量は抗体0.5〜5μg/kgであり、この用量を、好ましくは1〜3週間の間隔で1〜3回投与する。指示した用量範囲で、本発明の化合物では、その化合物の適当な個体への投与を妨げる、有害な毒作用は何も観察されない。
【0098】
配列データベース、触知可能媒体中の配列、およびアルゴリズム
ポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列は、その2次元および3次元構造を決定し、類似の相同性を有するさらなる配列を同定するための貴重な情報源を形成する。配列をコンピューター読み込み可能媒体に保存し、次いで、既知の高分子構造プログラムにおいて保存したデータを用いて、GCCのごときよく知られた既知検索ツールを用いてデータベースを検索することにより、これらのアプローチを最も容易に簡略化することができる。
本発明ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは検索分析に有用なデータベースならびに配列分析アルゴリズム中の成分として有用である。見出しのこのセクションならびにこのセクションに関連した請求項の用語「配列データベース、触知可能媒体中の配列、およびアルゴリズム」「本発明ポリヌクレオチド」および「本発明ポリヌクレオチド配列」は、本発明ポリヌクレオチドの検出可能な化学的または物理的特性を意味し、触知可能媒体に還元または保存されていてもよいものである。例えば、クロマトグラフィーのスキャンデータまたはピークのデータ、写真のデータまたはそこから得られたスキャンデータ、コールドベース、および質量スペクトル分析データが挙げられる。データベースおよびアルゴリズムという見出しのこのセクションならびにそれに関連した請求項で用いる用語「本発明ポリペプチド」および「本発明ポリペプチド配列」は、本発明ポリヌペプチドの検出可能な化学的または物理的特性を意味し、触知可能媒体に還元または保存されていてもよいものである。例えば、クロマトグラフィーのスキャンデータまたはピークのデータ、写真のデータまたはそこから得られたスキャンデータ、コールドベース、および質量スペクトル分析データが挙げられる。
【0099】
本発明は、本発明ポリペプチド配列および/または本発明ポリヌクレオチド配列を保存したコンピューター読み込み可能媒体を提供する。例えば、下記のメンバーを含み、保存したコンピューター読み込み可能媒体が提供される:メンバーは、本発明ポリヌクレオチドの配列を含むポリヌクレオチド;本発明ポリペプチド配列の配列を含むポリペプチド;少なくとも1つの配列が本発明ポリヌクレオチド配列の配列を含むものであるポリヌクレオチド配列のセット;少なくとも1つの配列が本発明ポリペプチド配列の配列を含むものであるポリヌペプチド配列のセット;本発明ポリヌクレオチド配列の配列を含むポリヌクレオチド配列を表すデータセット;本発明ポリペプチド配列の配列を含むポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列を表すデータセット;本発明ポリヌクレオチド配列の配列を含むポリヌクレオチド;本発明ポリペプチド配列の配列を含むポリペプチド;少なくとも1つの配列が本発明ポリヌクレオチド配列の配列を含むものであるポリヌクレオチド配列のセット;少なくとも1つの配列が本発明ポリペプチド配列の配列を含むものであるポリペプチド配列のセット;本発明ポリヌクレオチド配列の配列を含むポリヌクレオチド配列を表すデータセット;本発明ポリペプチド配列の配列を含むポリペプチド配列をコードしているポリヌクレオチド配列を示すデータセットである。コンピューター読み込み可能媒体は情報またはデータを保存するのに用いる物体のいずれの組成物であってもよく、例えば、市販フレキシブルディスク、テープ、チップ、ハードドライブ、コンパクトディスク、およびビデオディスクを包含する。
特徴配列または鎖、詳細には遺伝学的配列またはコードされた遺伝学的配列の分析方法が本発明により提供される。配列分析のための好ましい方法は、例えば、同一性および類似性の分析のごとき配列相同性分析、RNA構造分析、配列アッセンブリー、クラディスティック(cladistic)分析、配列モチーフ分析、読み枠決定、核酸塩基コーリング(calling)、核酸塩基トリミング、および配列決定クロマトグラムピーク分析の方法を包含する。
【0100】
コンピューターによる方法は相同性の同定を行うために提供される。この方法は、本発明ポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該ポリヌクレオチド配列を少なくとも1つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列と比較して相同性を同定する工程を含む。
【0101】
コンピューターによる方法は相同性の同定を行うためにも提供され、該方法は、本発明ポリペプチド配列を含むポリペプチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該ポリペプチド配列を少なくとも1つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列と比較して相同性を同定する工程を含む。
【0102】
さらにコンピューターによる方法はポリヌクレオチドアッセンブリー用にも提供され、該方法は、本発明ポリヌクレオチド配列を含む第1のポリヌクレオチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該第1のポリヌクレオチド配列と第2のポリヌクレオチド配列との間の少なくとも1つの重複領域をスクリーニングする工程を含む。
【0103】
本発明のさらなる具体例は、相同性の同定を行うためのコンピューターによる方法を提供し、該方法は、本発明ポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該ポリヌクレオチド配列を少なくとも1つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列を比較して相同性を同定する工程を含む。
【0104】
本発明のさらなる具体例は、相同性の同定を行うためのコンピューターによる方法を提供し、該方法は、本発明ポリペプチド配列を含むポリペプチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該ポリペプチド配列を少なくとも1つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列と比較して相同性を同定する工程を含む。
【0105】
本発明のさらなる具体例はポリヌクレオチドアッセンブリーのためのコンピューターによる方法を提供し、該方法は、本発明ポリヌクレオチド配列を含む第1のポリヌクレオチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該第1のポリヌクレオチド配列と第2のポリヌクレオチド配列との間の少なくとも1つの重複領域をスクリーニングする工程を含む。
【0106】
本発明のもう1つの好ましい具体例において、下記のものからなる群より選択されるメンバーを保存したコンピューター読み込み可能媒体が提供される:メンバーは、配列番号:1または3の配列を含むポリヌクレオチド;配列番号:2または4の配列を含むポリペプチド;少なくとも1つの配列が配列番号:1または3の配列を含むものであるポリヌクレオチド配列のセット;少なくとも1つの配列が配列番号:2または4の配列を含むものであるポリペプチド配列のセット;配列番号:1または3の配列を含むポリヌクレオチド配列を表すデータセット;配列番号:2または4の配列を含むポリペプチド配列をコードしているポリヌクレオチド配列を表すデータセット;配列番号:1または3の配列を含むポリヌクレオチド;配列番号:2または4の配列を含むポリペプチド;少なくとも1つの配列が配列番号:1または3の配列を含むものであるポリヌクレオチド配列のセット;少なくとも1つの配列が配列番号:2または4の配列を含むものであるポリペプチド配列のセット;配列番号:1または3の配列を含むポリヌクレオチド配列を表すデータセット;配列番号:2または4の配列を含むポリペプチド配列をコードしているポリヌクレオチド配列を表すデータセットである。さらなる好ましい本発明の具体例は、相同性の同定を行うためのコンピューターによる方法を提供し、該方法は、配列番号:1または3の配列を含むポリヌクレオチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該ポリヌクレオチド配列を少なくとも1つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列を比較して相同性を同定する工程を含む。
さらなる好ましい本発明の具体例は、相同性の同定を行うためのコンピューターによる方法を提供し、配列番号:2または4の配列を含むポリペプチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該ポリペプチド配列を少なくとも1つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列を比較して相同性を同定する工程を含む。
さらなる好ましい本発明の具体例は、ポリヌクレオチドアッセンブリーのためのコンピューターによる方法を提供し、該方法は、配列番号:1または3の配列を含む第1のポリヌクレオチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該第1のポリヌクレオチド配列と第2のポリヌクレオチド配列との間の少なくとも1つの重複領域をスクリーニングする工程を含む。
【0107】
本発明のさらなる具体例は、相同性の同定を行うためのコンピューターによる方法を提供し、該方法は、配列番号:1または3の配列を含むポリヌクレオチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該ポリヌクレオチド配列を少なくとも1つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列を比較して相同性を同定する工程を含む。
【0108】
本発明のさらなる具体例は、相同性の同定を行うためのコンピューターによる方法を提供し、該方法は、配列番号:2または4の配列を含むポリペプチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該ポリペプチド配列を少なくとも1つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列と比較して相同性を同定する工程を含む。
【0109】
本発明のさらなる具体例はポリヌクレオチドアッセンブリーのためのコニューターによる方法を提供し、該方法は、配列番号:1または3の配列を含む第1のポリヌクレオチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該第1のポリヌクレオチド配列と第2のポリヌクレオチド配列との間の少なくとも1つの重複領域をスクリーニングする工程を含む。
【0110】
本明細書に開示の引例は出典明示によりその内容を本明細書の一部とする。本願が優先権を主張するいずれの特許出願もまた出典明示により本明細書の一部とする。
【0111】
用語
本明細書中で頻繁に使用されるある種の用語をその理解を容易にするために以下に定義する。
「抗体(複数でも可)」は、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体、キメラ、1本鎖、およびヒト化抗体、ならびにFabフラグメントを包含し、さらにFabまたは他の免疫グロブリン発現ライブラリーの産物を包含する。
「抗原的に等価な誘導体(複数でも可)」は、特定の抗体により特異的に認識されるポリペプチド、ポリヌクレオチド、またはいずれかの等価物を包含し、該特定の抗体は、本発明タンパク質、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドに対して生成した場合に、病原体と哺乳動物宿主との間の身体的相互作用を妨害するものである。
「二特異的(複数でも可)」とは、少なくとも2つの抗原結合ドメインを含む抗体を意味し、各ドメインは異なるエピトープに指向されている。
「身体材料(複数でも可)」とは、個体または生物由来の材料を意味し、骨、血液、血清、脳脊髄液、精液、唾液、筋肉、軟骨、器官組織、皮膚、尿、糞便または生検材料のごとき細胞、組織および排泄物等を包含する。該生物は、個体に感染、侵入、または棲息するものである。
「疾病(複数でも可)」は、細菌感染により引き起こされる、あるいは細菌感染に関連した疾病を意味し、例えば、中耳炎、結膜炎、肺炎、菌血症、脳髄膜炎、副鼻腔炎、膿胸、および心内膜炎、そして最も詳細には脳髄膜炎、例えば脳脊髄液の感染を包含する。
「融合タンパク質(複数でも可)」は、2種の、しばしば関係のない融合遺伝子またはそのフラグメントによりコードされたタンパク質をいう。一例において、EP−A−0464には、別のヒトタンパク質またはその一部と一緒になった免疫グロブリン分子の不変領域の種々の部分を含む融合タンパク質が開示されている。多くの場合、免疫グロブリンのFc領域を融合タンパク質の一部分として用いることは治療および診断における使用に有利であり、例えば、改善された薬物動態学的特性が得られる(例えば、EP−A 0232262参照)。一方、いくつかの用途には、融合タンパク質が発現、検出および精製された後、Fc部分を欠失できることが望ましいであろう。
「宿主細胞(複数でも可)」は外来性ポリヌクレオチド配列によって形質転換またはトランスフェクトされた、あるいは形質転換またはトランスフェクトされることのできる細胞である。
【0112】
「同一性」は、当該分野で公知であり、配列の比較で測定されるような、2またはそれ以上のポリペプチド配列あるいは2またはそれ以上のポリヌクレオチド配列の間の関係である。また、当該分野では、「同一性」は、場合によっては、配列の鎖間の対合によって測定されるような、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列間の配列の関連性の度合を意味する。「同一性」および「類似性」は、限定するものではないが、Computational Molecular Biology,Lesk,A.M.編,Oxford University Press,New York,1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects, Smith, D.W.編,Academic Press,New York,1993;Computer Analysis of Sequence Data,Part I,Griffin, A.M.およびGriffin, H.G.編,Humana Press,New Jersey,1994;Sequence Analysis in Molecular Biology,Von Heinje,G.Academic Press,1987;およびSequence Analysis Primer,Gribskov,M.およびDevereux, J.編,M Stockton Press,New York,1991;およびCarllio,HおよびLipman,D.,SIAM J.Applied Math., 48:1073(1988)に記載されている方法を含め、公知方法により容易に決定することができる。同一性を測定する好ましい方法は、テストする配列間に最大の対合を与えるように設計されている。同一性および類似性を測定する方法は公に入手できるコンピュータ・プログラムに組み込まれている。2つの配列の間の同一性および類似性を測定する好ましいコンピュータ・プログラム方法には、限定するものではないが、例えば、GCSプログラムパッケージ(Devereux,J.ら,Nucleic Acids Research(1984)12(1):387)、BLASTP、BLASTNおよびFASTA(Atschul,S. F.ら, J.Molec.Biol.(1990)215:403−410)が包含される。BLAST XプログラムはNCBIおよび他の源(BLAST Manual,Altshul, S.ら,NCBI NLM NIH Bethesda,MD20894;Altschul,S.ら,J.Mol.Biol.,215:403−410(1990))から公に入手できる。また、周知のスミス・ウォーターマン(Smith Waterman)アルゴリズムを用いて同一性を測定することもできる。
【0113】
ポリペプチド配列の比較のためのパラメーターは以下のものを包含する:
1)アルゴリズム:Needleman and Wunsch, J.Mol.Biol. 48:443−453 (1970)
比較マトリックス:Hentikoff and Hentikoff, Proc.Natl.Acad.Sci.USA.89:10915−10919 (1992)からのBLOSSUM62
ギャップペナルティー:12
ギャップ長ペナルティー:4
これらのパラメーターに関して有用なプログラムは、Genetics Computer Group, Madison WI.から「ギャップ」プログラムとして公に利用できる。上記パラメーターはポリペプチド比較のための省略時パラメーターである(エンドギャップについてペナルティーを伴わない)。
ポリヌクレオチド比較のための好ましいパラメーターは下記のものを包含する:
1)アルゴリズム:Needleman and Wunsch, J.Mol.Biol. 48:443−453 (1970)
比較マトリックス:マッチ=+10、ミスマッチ=0
ギャップペナルティー:50
ギャップ長ペナルティー:3
これらのパラメーターに関して有用なプログラムは、Genetics Computer Group, Madison WI.から「ギャップ」プログラムとして公に利用できる。上記パラメーターはポリヌクレオチド比較のための省略時パラメーターである。
【0114】
ポリヌクレオチドおよびポリペプチドについての「同一性」に関する好ましい意味は、下記(1)および(2)に示される。
(1)さらにポリヌクレオチドの具体例は、配列番号:1の対照配列に対して少なくとも50、60、70、80、85、90、95、97または100%の同一性を有する単離ポリヌクレオチド配列を包含し、本発明ポリヌクレオチド配列は配列番号:1の対照配列と同一であってもよく、あるいは対照配列と比較してある程度の数までのヌクレオチドの変化を有していてもよい。かかる変化は、少なくとも1個のヌクレオチドの欠失、置換(トランジションおよびトランスバージョンを包含)または挿入からなる群より選択され、該変化は対照ヌクレオチド配列の5’または3’末端の位置あるいはそれらの末端位置の間の位置において、対照配列中のヌクレオチドにおいて個々にまたは散在して、あるいは対照配列中の1またはそれ以上の連続した群として生じてもよい。配列番号:1中の全ヌクレオチド数と個々の同一性パーセント値(100で割ったもの)とをかけて、その積を配列番号:1中の全ヌクレオチド数から差し引くことによりヌクレオチド変化の数を決定する。これを下式により説明する:
≦x−(x・y)
式中、nはヌクレオチド変化の数であり、xは配列番号:1または配列番号:7中の全ヌクレオチド数であり、yは、例えば70%なら0.70、80%なら0.80、85%なら0.85、90%なら0.90、95%なら0.95、97%なら0.97、100%なら1.00であり、・は積の演算子であり、xとyとの整数でない積は切り捨てにより最も近い整数とした後、xから差し引く。配列番号:2のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列の変化は、好ましくはコーディング配列中のナンセンス、ミスセンスまたはフレームシフト変異を引き起こす可能性があり、それゆえ、かかる変化に随伴してポリヌクレオチドによりコードされているポリペプチドが変化する。
例えば、本発明ポリヌクレオチド配列は配列番号:2の対照配列と同一であってもよく、すなわち、100%同一であってもよく、あるいは対照配列と比較してある程度の数までのアミノ酸の変化を有していてもよい(その場合、同一性%は100%未満である)。かかる変化は、少なくとも1個の核酸の欠失、置換(トランジションおよびトランスバージョンを包含)または挿入からなる群より選択され、該変化は対照ポリヌクレオチド配列の5’または3’末端の位置あるいはそれらの末端位置の間の位置において、対照配列中の核酸において個々にまたは散在して、あるいは対照配列中の1またはそれ以上の連続した群として生じてもよい。配列番号:2中の全アミノ酸数と個々の同一性パーセント値(100で割ったもの)とをかけて、その積を配列番号:2中の全アミノ酸数から差し引くことにより同一性%値についての核酸変化数を決定する。これを下式により説明する:
≦x−(x・y)
式中、nはアミノ酸変化の数であり、xは配列番号:2中の全アミノ酸数であり、yは、例えば70%なら0.70、85%なら0.85等であり、xとyとの整数でない積は切り捨てにより最も近い整数とした後、xから差し引く。
【0115】
(2)さらにポリペプチドの具体例は、配列番号:2のポリペプチド対照配列に対して少なくとも50、60、70、80、85、90、95、97または100%の同一性を有するポリペプチドを含む単離ポリペプチドを包含し、該ポリペプチド配列は配列番号:2の対照配列と同一であってもよく、あるいは対照配列と比較してある程度の数までのアミノ酸の変化を有していてもよい。かかる変化は、少なくとも1個のアミノ酸の欠失、置換(保存的および非保存的置換を包含)または挿入からなる群より選択され、該変化は対照ポリペプチド配列のアミノまたはカルボキシ末端の位置あるいはそれらの末端位置の間の位置において、対照配列中のアミノ酸において個々にまたは散在して、あるいは対照配列中の1またはそれ以上の連続した群として生じてもよい。配列番号:2中の全アミノ酸数と同一性パーセント値(100で割ったもの)とをかけて、その積を配列番号:2中の全アミノ酸数から差し引くことによりアミノ酸変化の数を決定する。これを下式により説明する:
≦x−(x・y)
式中、nはアミノ酸変化数であり、xは配列番号:2中の全アミノ酸数であり、yは、例えば70%なら0.70、80%なら0.80、85%なら0.85、90%なら0.90、95%なら0.95、97%なら0.97、100%なら1.00であり、・は積の演算子であり、xとyとの整数でない積は切り捨てにより最も近い整数とした後、xから差し引く。
例えば、本発明ポリペプチド配列は配列番号:2の対照配列と同一であってもよく、すなわち、100%同一であってもよく、あるいは対照配列と比較してある程度の数までのアミノ酸の変化を有していてもよい(その場合、同一性%は100%未満である)。かかる変化は、少なくとも1個のアミノ酸の欠失、置換(保存的または非保存的置換を包含)または挿入からなる群より選択され、該変化は対照ポリペプチド配列のアミノまたはカルボキシ末端の位置あるいはそれらの末端位置の間の位置において、対照配列中のアミノ酸において個々にまたは散在して、あるいは対照配列中の1またはそれ以上の連続した群として生じてもよい。配列番号:2中の全アミノ酸数と個々の同一性パーセント値(100で割ったもの)とをかけて、その積を配列番号:2中の全アミノ酸数から差し引くことにより同一性%値についてのアミノ酸変化数を決定する。これを下式により説明する:
≦x−(x・y)
式中、nはアミノ酸変化の数であり、xは配列番号:2中の全アミノ酸数であり、yは、例えば70%なら0.70、85%なら0.85等であり、xとyとの整数でない積は切り捨てにより最も近い整数とした後、xから差し引く。
【0116】
「免疫学的に等価な誘導体」は、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、またはいずれかの等価物を包含し、それらが脊椎動物において抗体を生成させるために適当な処方中に用いられた場合に、抗体は病原体と哺乳動物宿主との間の即時的な身体的相互作用を妨害するように作用する。
「免疫特異的」とは、他の関連ポリペプチドまたはポリヌクレオチド、特に先行技術のポリペプチドまたはポリヌクレオチドに対してよりも本発明ポリペプチドまたは本発明ポリヌクレオチドに対して実質的に大きなアフィニティーを有する抗体の特性を意味する。
「個体(複数でも可)」とは多細胞真核生物を意味し、後生動物類、哺乳動物、ヤギ類、ウシ類、類人猿、霊長類もよびヒトを包含するが、これらに限らない。
【0117】
「単離された」とは、「ヒトの手により」、その天然の状態から変えられること、すなわち、天然物の場合、その本来的な環境から変化または除去あるいは両方されたことを意味する。例えば、生体に天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは「単離された」ものではないが、その天然状態で共存する物質から分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、本明細書で用いる用語としての「単離された」ものである。さらには、形質転換、遺伝的操作により、またはいずれか他の方法により生物に導入されているポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、まだ生物内にあり、その生物が生きているまたは死んでいるとしても、「単離された」ものである。
【0118】
「生物(複数でも可)」は、(i)Streptococcus、Staphylococcus、Bordetella、Corynebacterium、Mycobacterium、Neisseia、Haemophilus、Actinomyces、Streptomyces、Nocardia、Enterobacter、Yersinia、Fancisella、Pasturella、Moraxella、Acinetobacter、Erysipelothrix、Branhamella、Actinobacillus、Streptobacillus、Listeria、Calymmatobacterium、Brucella、Bacillus、Closterdium、Treponema、Escherichia、Salmonella、Kleibsiella、Vibrio、Proteus、Erwinia、Borrelia、Leptospira、Spirillum、Campylobacter、Shigella、Legionella、Pseudomonas、Aeromonas、Rickettsia、Chlamydia、BorreliaおよびMycoplasmaである属(これらに限らない)のメンバー、ならびにグループAのStreptococcus、グループBのStreptococcus、グループCのStreptococcus、グループDのStreptococcus、グループGのStreptococcus、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus pyrogenes、Streptoxoxxus agalactiae、Streptococcus faecalis、Streptococcus faecium、Streptococcus durans、Neisseria gonorrheae、Neisseria meningitidis、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Corynebacterium diptheriae、Garnella vaginalis、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium bovis、Mycobacterium ulcerans、Mycobacterium leprae、Actinomyces israelli、Listeria monocytogenes、Bordetella pretusis、Bordetella parapretusis、Bordetella bronchiseptica、Esherichia coli、Shigella dysenteriae、Haemophilus influenzae、Haemophilus aegyptius、Haemophilus parainfluenzae、Haemophilus ducreyi、Bordetella、Salmonella typhi、Citrobacter freundii、Proteus mirabilis、Proteus vulgaris、Yersinia pestis、Klebsiella pneumoniae、Serratia marcessens、Vibrio cholera、Shigelladysenterii、Shigella flexneri、Pseudomonas aeruginosa、Franscisella tularensis、Brucella abortis、Bacillus anthracis、Bacillus cereus、Clostridium perfringens、Clostridium tetani、Clostridium butulinum、Treponema pallidum、Rickettsia rickettsiiおよびChlamydia trachomitisである種またはグループ(これらに限らない)のメンバーを包含する原核生物、(ii)Archaebacter(これに限らない)を包含する古細菌、および(iii)原生動物、真菌類、Saccharomyces、KluveromycesまたはCandida属(これらに限らない)のメンバー、およびSaccharomyces cerevisiae、Kluveromyces lactisまたはCandida albicans種のメンバー(これらに限らない)を包含する単細胞または糸状真核生物を意味する。
【0119】
「ポリヌクレオチド(複数でも可)」は、一般に、ポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドのいずれをもいい、それらは非修飾RNAまたはDNA、あるいは修飾RNAまたはDNAであってもよい。「ポリヌクレオチド」は、単鎖および二本鎖DNA、単鎖および二本鎖領域または単鎖、二本鎖および三本鎖領域の混合物であるDNA、単鎖および二本鎖RNA、単鎖および二本鎖領域の混合物であるRNA、および単鎖またはより典型的には二本鎖または三本鎖領域または一本鎖および二本鎖領域の混合物であってもよいDNAおよびRNAを含有してなるハイブリッド分子を包含するが、これに限定されない。加えて、本明細書にて用いる「ポリヌクレオチド」は、RNAまたはDNA、あるいはRNAおよびDNAの両方からなる三本鎖領域をいう。これらの領域の鎖は同じ分子からのものでも、異なる分子からのものでもよい。該領域は、これら分子の一またはそれ以上の全てを含んでもよいが、より典型的には、分子の幾つかの領域のみを含む。三本螺旋領域の分子の一つは、しばしば、オリゴヌクレオチドである。本明細書にて用いる場合、ポリヌクレオチド(複数でも可)なる用語はまた、一つまたはそれ以上の修飾された塩基を含有する上記DNAまたはRNAを包含する。すなわち、安定性または他の理由で修飾された骨格を有するDNAまたはRNAも該用語が本明細書で意図するところのポリヌクレオチド(複数でも可)である。さらに、イノシンなどの通常でない塩基、またはトリチル化された塩基などの修飾塩基を有してなるDNAまたはRNA(2つの例だけを示す)も、その用語を本明細書で用いる場合のポリヌクレオチドである。多種の修飾がDNAおよびRNAになされており、当業者に公知のように多くの有用な目的に使用されている。本明細書で用いる「ポリヌクレオチド」なる語は、ポリヌクレオチドのこのような化学的、酵素的または代謝的に修飾された形態、ならびにウイルスおよび、例えば、単純型細胞および複雑型細胞などの細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を包含する。「ポリヌクレオチド(複数でも可)」はまた、しばしばオリゴヌクレオチド(複数でも可)と称される比較的短いポリヌクレオチドも包含する。
【0120】
「ポリペプチド(複数でも可)」は、ペプチド結合または修飾ペプチド結合で互いに結合した2つまたはそれ以上のアミノ酸を含有してなるいずれのペプチドまたはタンパク質をもいう。「ポリペプチド(複数でも可)」は、通常、ペプチド、オリゴペプチドまたはオリゴマーと称される短い鎖、および一般にタンパク質と称される長い鎖の両方をいう。ポリペプチドは、遺伝子コードされている20個のアミノ酸以外のアミノ酸を含有してもよい。「ポリペプチド(複数でも可)」は、プロセッシングおよび他の翻訳後の修飾のごとき自然の工程、または化学修飾技法のいずれかによって修飾されたものを有する。かかる修飾は、基本テキストにて、およびより詳細な研究論文にて、ならびに膨大な研究文献にて詳しく記載されており、それらは当業者に周知である。同じ型の修飾が、所定のポリペプチド中、いくつかの部位で、同じまたは異なる程度にて存在してもよいことは明らかであろう。また、所定のペプチドは多くの型の修飾を有していてもよい。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖、アミノまたはカルボキシル末端を含め、ポリペプチドのどこででも起こりうる。修飾は、例えば、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスホチジルイノシトールの共有結合、交差結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有交差結合の形成、シスチンの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマーカルボキシル化、糖鎖形成、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解的プロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、糖鎖形成、脂質付加、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマーカルボキシル化、ヒドロキシル化およびADP−リボシル化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化などの転移RNA媒介のタンパク質質へのアミノ酸付加、およびユビキチン化を包含する。例えば、PROTEINS−STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES,第2版,T.E.Creighton,W.H.Freeman andCompany,New York(1993)およびWold,F.,POSTTRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEINS,Posttranslational Protein Modifications:Perspectives and Prospects,pgs. 1−12,B.C.Johnson編,Academic Press,New York(1983);Seifterら,Meth Enzymol.(1990)182:626−646、およびRattanら, Protein Synthesis:Posttranslational Modifications and Aging,Ann N.Y. Acad Sci(1992)663:48−62を参照のこと。ポリペプチドは、分枝してもよく、分枝を伴ったまたは伴わない環状であってもよい。環状、分枝および分枝環状ポリペプチドは、翻訳後の天然の工程の結果であり、同様に全く合成的な方法で合成できる。
【0121】
「組み換え発現系(複数でも可)」は、本発明ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの製造のために宿主細胞または宿主細胞溶解物中に導入またはトランスフォームされた発現系またはその部分または本発明ポリヌクレオチドをいう。
【0122】
本明細書中で使用される「変種(複数でも可)」なる語は、各々、対照標準のポリヌクレオチドまたはポリペプチドと異なるが、本質的な特性を保持しているポリヌクレオチドまたはポリペプチドである。ポリヌクレオチドの典型的な変種は、別の対照標準のポリヌクレオチドとヌクレオチド配列において異なっている。変種のヌクレオチド配列における変化は、対照標準のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドのアミノ酸配列と変わっていてもよいし、または変わっていなくてもよい。ヌクレオチドの変化は、後記するように、対照標準の配列によってコードされたポリペプチドにおいて、アミノ酸置換、付加、欠失、融合および切断をもたらしうる。ポリペプチドの典型的な変種は、別の対照標準のポリペプチドとはアミノ酸配列において異なっている。一般に、差異は、対照標準のポリペプチドとその変種の配列が全体的に非常に類似しており、多くの領域においては同一であるように限定される。変種および対照標準のポリペプチドは、一またはそれ以上の置換、付加、欠失のいずれかの組み合わせによって、アミノ酸配列において異なってもよい。置換または挿入されたアミノ酸残基は、遺伝コードによってコードされたものであってもなくてもよい。また本発明は、本発明の各ポリペプチドの変種、すなわち保存的アミノ酸置換により対象標準とは異なっており、そのことにより残基が同様の特性を有する別の残基に置換されているものを包含する。典型的なかかる置換は、Ala、Val、LeuおよびIle間;SerおよびThr間;酸性残基AspおよびGlu間;AsnおよびGln間;塩基性残基LysおよびArg間;あるいは芳香族残基PheおよびTyr間のものである。数個、5〜10個、1〜5個、1〜3個、1〜2個または1個のアミノ酸がいずれかの組み合わせで置換、欠失、または付加されている変種が特に好ましい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変種は、対立遺伝子変種のような天然に存在するものであってもよく、または天然に存在することが知られていない変種であってもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの天然に存在しない変種は、変異誘発法または直接合成あるいは当業者に公知の他の組換え法によって作られてもよい。
【0123】
【実施例】
以下の実施例は、別に詳細に記載したこと以外は、当業者に周知で慣用的な標準的な技法を用いて実施する。実施例は例示であって、本発明を限定するものではない。
【0124】
実施例1  株の選択、ライブラリーの製造および配列決定
表1(配列番号1または3)に示すDNA配列を有するポリヌクレオチドは、エシェリシア・コリ中のストレプトコッカス・ニューモニアエの染色体DNAのクローンライブラリーより得た。重複するストレプトコッカス・ニューモニアエDNAを含有する2個またはそれ以上のクローンからの配列データを用いて、配列番号1の連続したDNA配列を構築した。ライブラリーは常套手段、例えば以下の方法1および2により製造してもよい。
全細胞DNAをストレプトコッカス・ニューモニアエ0100993より、標準法に従って単離し、以下に示す二つの方法のいずれかによりサイズ分画する。
【0125】
方法1
標準的方法に従ってサイズ分画するために、全細胞DNAをニードル(needle)に通して機械的に剪断する。11kbpまでの大きさのDNAフラグメントをエキソヌクレアーゼおよびDNAポリメラーゼで処理することによって末端切断し、EcoRIリンカーを付加する。フラグメントを、EcoRIで切断したベクター、ラムダZapIIに連結し、標準的方法によりライブラリーをパッケージングし、次いでパッケージングしたライブラリーでエシェリシア・コリを感染させる。ライブラリーを標準方法により増幅させる。
【0126】
方法2
全細胞DNAをライブラリーベクターにクローニングするための一連のフラグメントを得るのに適当な1つの制限酵素(例えば、RsaI、PalI、AluI、Bshl235I)またはその組み合わせで部分的に加水分解し、かかるフラグメントを標準的方法に従ってサイズ分画する。EcoRIリンカーをDNAに連結し、次いでそのフラグメントをEcoRIで切断したベクター、ラムダZapIIに連結し、標準的方法によりライブラリーをパッケージングし、パッケージングしたライブラリーでエシェリシア・コリを感染させる。ライブラリーを標準方法により増幅させる。
【0127】
実施例2  3−デヒドロキネート・シンターゼ(aroB)の特徴付け
3−デヒドロキネート・シンターゼはコリスミン酸生合成経路における重要な酵素である。この遺伝子はBacillus subtilisおよびE.coliにおいてaroBと命名されている。3−デヒドロキネート・シンターゼは3−デオキシD−アラビノ−ヘプチュロソネート7−ホスフェートを3−デヒドロキネートに変換する(Bacillus subtilis & other Gram positive bacteria, Eds. Sonenshein, Hoch & Losick, ASM Washington, DC, 1993中Biosynthesis of Aromatic Amino Acids, D. Henner and C. Yanofsky (p.269)、ならびにその中で引用された文献)。この反応を阻害すると芳香族アミノ酸、p−アミノ安息香酸(葉酸の前駆体)およびユビキノンの合成が妨害される。これらの必須代謝物は哺乳動物組織では制限された濃度であり、よって、この酵素の阻害は有効な抗細菌戦略である。
【配列表】
Figure 2004000214
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Claims (16)

  1. (i)配列番号:2または4の全長にわたって配列番号:2または4のアミノ酸配列に対して少なくとも
    (a)70%の同一性;
    (b)80%の同一性;
    (c)90%の同一性;または
    (d)95%の同一性
    を有する群から選択されるアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド;
    (ii)配列番号:2または4のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、または
    (iii)配列番号:2または4のアミノ酸配列である単離ポリペプチド
    からなる群より選択される単離ポリペプチド。
  2. (i)配列番号:2または4の全長にわたって配列番号:2または4のアミノ酸配列に対して少なくとも
    (a)70%の同一性;
    (b)80%の同一性;
    (c)90%の同一性;または
    (d)95%の同一性
    を有するポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド;
    (ii)配列番号:2または4のポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列に対してその全長にわたって少なくとも
    (a)70%の同一性;
    (b)80%の同一性;
    (c)90%の同一性;または
    (d)95%の同一性
    を有するヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド;
    (iii)配列番号:1または3の全長にわたって配列番号:1または3のヌクレオチド配列に対して少なくとも
    (a)70%の同一性;
    (b)80%の同一性;
    (c)90%の同一性;または
    (d)95%の同一性
    を有するヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド;
    (iv)配列番号:2または4のポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド;
    (v)配列番号:1または3のポリヌクレオチドである単離ポリヌクレオチド。
    (vi)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:1または3の配列またはそのフラグメントの配列を有する標識プローブを用いて適当なライブラリーをスクリーニングすることにより得ることのできる単離ポリヌクレオチド;
    (vii)ストレプトコッカス・ニューモニアエ中に含まれる3−デヒドロキネートシンターゼ(aroB)遺伝子により発現されるのと同じ成熟ポリペプチドをコードしている単離ポリヌクレオチド
    からなる群より選択される単離ポリヌクレオチド、または該単離ポリヌクレオチドに対して相捕的なヌクレオチド配列。
  3. 請求項1のポリペプチドに対して免疫特異的な抗体。
  4. (i)(a)請求項1のポリペプチドに対する治療上有効量のアゴニスト;および/または
    (b)インビボで請求項1のポリペプチドの活性を生じるような形態の請求項1のポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド
    を含む、請求項1のポリペプチドの活性または発現を促進するのに有用な組成物;または
    (ii)(a)請求項1のポリペプチドに対する治療上有効量のアンタゴニスト;および/または
    (b)請求項1のポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列の発現を阻害する核酸分子;および/または
    (c)リガンド、基質、受容体を求めて請求項1のポリペプチドと競争する治療上有効量のポリペプチド
    を含む、請求項1のポリペプチドの活性または発現を阻害するのに有用な組成物。
  5. 個体における請求項1のポリペプチドの発現または活性に関連した個体における疾病またはかかる疾病に対する感受性の診断方法であって、(a)該個体のゲノム中の該ポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列における変異の存在または不存在を決定すること;および/または
    (b)該個体由来の試料中の該ポリペプチドの発現の存在または量を分析すること
    を含む方法。
  6. 請求項1のポリペプチドの機能を活性化および/または阻害する化合物を同定するためのスクリーニング方法であって、下記の群:
    (a)候補化合物に直接または間接的に結合した標識を用いて候補化合物のポリペプチド(またはポリペプチドを有する細胞または膜)またはその融合タンパク質への結合を測定すること;
    (b)標識競争物質の存在下で候補化合物のポリペプチド(またはポリペプチドを有する細胞または膜)またはその融合タンパク質への結合を測定すること;(c)ポリペプチドを有する細胞または細胞膜に敵する検出系を用いて、候補化合物がポリペプチドの活性化または阻害により発生するシグナルを生じさせるかどうかを試験すること;
    (d)候補化合物と請求項1のポリペプチドを含有する溶液とを混合して混合物を作成し、混合物中のポリペプチドの活性を測定し、次いで、混合物の活性を標準と比較すること;
    (e)例えばELISAアッセイを用いて細胞中で該ポリペプチドをコードしているmRNAおよび該ポリペプチドの生成に対する候補化合物の影響を検出すること、または
    (f)(1)化合物の相互作用を評価するために、化合物とポリペプチドとの間の相互作用を可能にする条件下でポリペプチドを含む組成物をスクリーニングすべき化合物と接触させ(かかる相互作用は、化合物とポリペプチドとの相互作用に応答した検出可能シグナルを生じることのできる第2の成分に関連したものである);次いで
    (2)化合物とポリペプチドとの相互作用から生じるシグナルの存在または不存在を検出することにより、化合物がポリペプチドと相互作用し、その活性を活性化または阻害するかどうかを決定すること
    から選択される方法を含む方法。
  7. 適合する宿主中に存在する場合に、請求項1のポリペプチドを生成する能力のあるポリヌクレオチドを含む発現系。
  8. 請求項7の発現系を含む宿主細胞、または請求項1のポリペプチドを発現するその膜。
  9. 請求項1のポリペプチドの生成に十分な条件下で請求項8の宿主細胞を培養することを含む、請求項1のポリペプチドの製造方法。
  10. 請求項7の発現系を用いて細胞をトランスフォームまたはトランスフェクトすることを含む、適当な培養条件で培養した場合に請求項1のポリペプチドを生成する請求項8にて定義した宿主細胞の製造方法。
  11. 請求項10の方法により製造される、請求項1のポリペプチドを生成する宿主細胞、またはその膜。
  12. 配列番号:1または3の配列を含むポリヌクレオチド;配列番号:2または4の配列を含むポリペプチド;少なくとも1つの配列が配列番号:1または3の配列を含むものであるポリヌクレオチド配列のセット;少なくとも1つの配列が配列番号:2または4の配列を含むものであるポリペプチド配列のセット;配列番号:1または3の配列を含むポリヌクレオチド配列を表すデータセット;配列番号:2または4の配列を含むポリペプチド配列をコードしているポリヌクレオチド配列を表すデータセット;配列番号:1または3の配列を含むポリヌクレオチド;配列番号:2または4の配列を含むポリペプチド;少なくとも1つの配列が配列番号:1または3の配列を含むものであるポリヌクレオチド配列のセット;少なくとも1つの配列が配列番号:2または4の配列を含むものであるポリペプチド配列のセット;配列番号:1または3の配列を含むポリヌクレオチド配列を表すデータセット;配列番号:2または4の配列を含むポリペプチド配列をコードしているポリヌクレオチド配列を表すデータセットからなる群より選択されるメンバーを保存したコンピューター読み込み可能媒体。
  13. 相同性の同定を行うためのコンピューターによる方法であって、
    配列番号:1または3の配列を含むポリヌクレオチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該ポリヌクレオチド配列を少なくとも1つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列を比較して相同性を同定する工程を含む方法。
  14. ポリクレオチドアッセンブリーのためのコンピューターによる方法であって、配列番号:1または3の配列を含む第1のポリヌクレオチド配列をコンピューター読み込み可能媒体中に提供し、次いで、該第1のポリヌクレオチド配列と第2のポリヌクレオチド配列との間の少なくとも1つの重複領域をスクリーニングする工程を含む方法。
  15. (a)配列番号:3の全長にわたって配列番号:3に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、97%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド;
    (b)配列番号:3のポリヌクレオチドを含む単離ポリヌクレオチド;
    (c)配列番号:3のポリヌクレオチド;または
    (d)配列番号:4の全長にわたって配列番号:4のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、97%の同一性を有するポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド
    からなる群より選択される単離ポリヌクレオチド。
  16. (a)配列番号:4の全長にわたって配列番号:4のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、97〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド;
    (b)配列番号:4の全長にわたって配列番号:4のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、97〜99%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
    (c)配列番号:4のアミノ酸を含むポリペプチド;
    (d)配列番号:4のポリペプチドであるポリペプチド
    (e)配列番号:3に含まれる配列を含むポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド
    からなる群より選択されるポリペプチド。
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JPH10324696A (ja) 1998-12-08
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