JP2003535593A - 調節された遺伝子発現のためのプロモーター - Google Patents

調節された遺伝子発現のためのプロモーター

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アルバート ダブリュー. タム,
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デレック アール. ラター,
リタ エル. トーマス,
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リアナ ティー. シェパード,
ムーン ヤング リム,
トーマス ダブリュー. ブルース,
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、種々のプロモーターに関連する調節領域を含む、核酸配列、ベクターおよび宿主細胞を提供する。このプロモーターとしては、サイクリンD1プロモーター、CD40Lプロモーター、3つのHBVプロモーター(コアプロモーター、pre−S1プロモーター、およびHBV Xプロモーター)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)プロモーター、アンドロゲンレセプタープロモーター、I Ier2プロモーター、およびβ−ラクタマーゼプロモーターが挙げられる。本発明はさらに、このようなプロモーターの調節領域を含む遺伝子発現を調節する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、種々のプロモーター内の調節配列、ならびに異種核酸構築物、ベク
ターおよびこのような配列を使用する形質転換方法に関連する。本発明は、改変
されたプロモーターおよび調節された遺伝子発現におけるこれらの使用にさらに
関連する。
【0002】
【数1】 (発明の背景) 原核生物および真核生物における遺伝子発現は、高度に調節されたプロセスで
ある。「正常な」または「健常な」遺伝子の不適切な発現(過剰発現または過小
発現)は、多数の疾患および疾患プロセスに関連する。同様に、変異遺伝子の発
現はまた、多数の疾患に関連する。これらの遺伝子の発現を制御することは、疾
患を処置し得る方法のうちの1つである。
【0003】 全ての遺伝子は、転写開始部位から上流および下流の転写調節配列を含む。転
写因子は、転写調節配列を認識しそして転写調節配列に結合し、そしてこの遺伝
子から転写されたメッセージの生成を制御する。遺伝子発現の調節に関与する転
写調節核酸配列としては、プロモーター、エンハンサー、および転写因子または
転写調節タンパク質が結合する調節配列(これらは、転写の開始に必要である)
が挙げられる。転写調節配列は、転写開始部位のちょうど上流に最も頻繁に見出
されるが、これらはまた、はるかさらに上流、または遺伝子の3’側、または遺
伝子を構成するイントロンおよびエキソン内に見出され得る。
【0004】 プロモーターは、遺伝子の転写開始部位の一般に1〜約100または200塩
基対上流のDNA配列中の領域であり、そして代表的に1つ以上の転写因子結合
部位を含むかまたはこれに隣接する。エンハンサーは、その制御下で遺伝子の転
写を増加させるように一般に機能するDNA配列中の領域である。エンハンサー
は、転写開始部位の上流および/または下流に見出される。エンハンサーは、転
写開始部位から数百またはまさに数千塩基対離れて位置し得る。転写因子は、転
写を調節するためにプロモーターおよびエンハンサーに結合する。
【0005】 多数の転写調節配列の配列は、当該分野で公知であり、これらのいくつかは、
ISREC(Swiss Institute for Experiment
al Cancer Research)の生命情報科学グループのメンバーに
よって開発および維持されている「真核生物プロモーターデータベース(Euk
aryotic Promoter Database)」(これは、インター
ネット上で利用可能である)において見出され得る。しかし、所定のプロモータ
ーまたはエンハンサー内に見出される特定の配列の機能の完全な分析が存在しな
いので、特定の配列が遺伝子転写を調節する際に重要であるか否かを決定するこ
とは不可能である。一旦転写調節配列が同定されると、これらは、内因性遺伝子
の発現を調節するために利用され得、そして導入遺伝子の調節された発現におけ
る使用のための異種核酸構築物に組み込まれ得る。従って、遺伝子の転写調節領
域を同定および特徴付けることは興味深い。特に興味深いのは、種々の疾患状態
に関連する遺伝子の調節領域であり、これらの例は、以下に記載される。
【0006】 哺乳動物サイクリンD1(CCND1、PRAD1またはBCL1とも命名さ
れている)は、乳癌、結腸癌および膵臓癌を含むがこれらに限定されない多数の
癌に対する適用を有し、そして正常な成熟動物細胞の細胞周期のG/Sチェッ
クポイントを調節する際に重要な役割を果たす(Sherr,1996を参照の
こと)。
【0007】 CD40Lリガンド(CD40L)(gp39、CD154、TRAPまたは
T−BAMとも称される)は、CD40と相互作用することによってT細胞依存
体液性免疫応答において重要な役割を果たす。CD40は、T細胞活性化および
T細胞レセプターによる抗原−MHC複合体の認識に必要なシグナルを提供する
【0008】 ヒトにおけるウイルス誘導性B型肝炎(HBV)は、世界中で3億人に感染し
ていると推定されており、少数であるが有意な数の感染個体が重篤な病理的結果
(慢性肝不全、肝硬変、および肝細胞癌を含む)を発症している。従って、ウイ
ルス複製に関与するHBV特異的プロモーターは、HBV疾患の治療、および肝
細胞に特異的である調節された遺伝子発現の両方に関連している。
【0009】 バンコマイシン耐性酵素VanHは、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に
よる感染および定着の発生率における最近観察された増加に関連している。従っ
て、VanHの調節された発現は、VREの処置に適切である。
【0010】 前立腺癌は、米国の男性において最も頻繁に診断される癌である。転移性前立
腺癌のための現在の処置は、外科的または化学的手段を使用して、アンドロゲン
レセプター(AR)を標的化する工程を包含する。アンドロゲンレセプターの調
節された発現は、前立腺癌の処置に適切である。
【0011】 Her2(ヒト上皮増殖因子レセプター2;c−erbB2、neu)は、乳
癌細胞、卵巣癌細胞および種々の他の癌細胞によって過剰発現されるチロシンキ
ナーゼ増殖因子レセプターである。従って、Her−2の調節された発現は、こ
のような過剰発現の調節に適切である。
【0012】 β−ラクタマーゼ遺伝子は、E.coliに対してアンピシリン耐性を与える
。従って、β−ラクタマーゼの調節された発現は、このような抗生物質耐性の改
変に適切である。
【0013】 本発明は、このような配列の機能的特徴付けと共に、種々の疾患状態に関連す
る遺伝子の転写調節領域の配列を提供する。
【0014】 (発明の要旨) 本発明は、ネイティブな遺伝子プロモーターの調節配列中の内因性調節部位の
特徴づけおよび調節された遺伝子配列におけるこれらの使用に関する。
【0015】 1つの局面において、本発明は、調節配列を含むサイクリンD1プロモーター
に作動可能に連結された遺伝子の発現を調節する能力によって特徴付けられるサ
イクリンD1プロモーターの調節領域を含む単離された核酸配列を提供する。例
示的な配列は、配列番号5、配列番号6および配列番号8として示される。
【0016】 別の局面において、本発明は、調節配列を含むCD40Lプロモーターに作動
可能に連結された遺伝子の発現を調節する能力によって特徴付けられるCD40
Lプロモーターの調節領域を含む単離された核酸配列を提供する。例示的な配列
は、配列番号12、配列番号13、配列番号14および配列番号15として示さ
れる。
【0017】 さらなる局面において、本発明は、調節配列を含むHBVコア、preS1ま
たはXプロモーターに連結された遺伝子の発現を調節する能力によって特徴付け
られるHBVプロモーターの調節領域を含む単離された核酸配列を提供する。例
示的な配列は、配列番号20および配列番号21(コアプロモーター);配列番
号23または配列番号24(preS1プロモーター);ならびに配列番号26
、配列番号27および配列番号28(HBV Xプロモーター)として示される
【0018】 本発明はまた、調節配列を含むVREプロモーターに作動可能に連結された遺
伝子の発現を調節する能力によって特徴付けられるバンコマイシン耐性腸球菌(
VRE)プロモーターの調節領域を含む単離された核酸配列を提供する。例示的
な配列は、配列番号32、配列番号33および配列番号34として示される。
本発明は、調節配列を含むアンドロゲンレセプター(AR)プロモーターに作動
可能に連結された遺伝子の発現を調節する能力によって特徴付けられるARプロ
モーターの調節領域を含む単離された核酸分子をさらに提供する。例示的な配列
は、配列番号64、配列番号65および配列番号66として示される。
【0019】 別の局面において、本発明は、調節配列を含むHER2プロモーターに作動可
能に連結された遺伝子の発現を調節する能力によって特徴付けられるHER2プ
ロモーターの調節領域を含む単離された核酸配列を提供する。例示的な配列は、
配列番号70、配列番号71および配列番号72として示される。
【0020】 本発明はさらに、調節配列を含むβ−ラクタマーゼ(Bla)プロモーターに
作動可能に連結された遺伝子の発現を調節する能力によって特徴付けられるアン
ドロゲンレセプターBlaプロモーターの調節領域を含む単離された核酸配列を
提供する。例示的な配列は、配列番号77または配列番号78として示される。
【0021】 関連した局面において、本発明は、以下のいずれか1つのプロモーター調節核
酸配列を含むベクターを提供する:上記のようなサイクリンD1プロモーター、
CD40Lプロモーター、3つのHBVプロモター(コア、pre−S1および
HBV−X)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)プロモーター、アンドロゲ
ンレセプタープロモーター、Her2プロモーター、およびβ−ラクタマーゼプ
ロモーター。
【0022】 ベクターは、プロモーターに作動可能に連結されるプロモーター調節配列、お
よびベクターで形質転換された宿主細胞によって認識される制御配列;ならびに
遺伝子産物をコードする導入遺伝子(例えば、レポーター遺伝子)を含む発現ベ
クターであり得る。
【0023】 このようなベクターを含む宿主細胞(例えば、原核生物細胞、真核生物細胞、
または哺乳動物細胞)もまた、本発明によって提供される。このようなベクター
で形質転換された宿主細胞は、例えば、プロモーター調節配列と相互作用する細
胞性因子またはDNA結合化合物に細胞を曝露することによって、導入遺伝子の
発現を調節するためおよびその発現を検出するための方法において使用され得る
【0024】 (発明の詳細な説明) (I.定義) 本明細書中において使用される場合、用語「ポリヌクレオチド」とは、代表的
なポリヌクレオチドに水素結合し得る塩基を支持する骨格を有するポリマー分子
であって、ここで、このポリマーの骨格は、このような水素結合を、このポリマ
ー分子と代表的なポリヌクレオチド(例えば、一本鎖DNA)との間で配列特異
的な形式で可能にする様式で、これらの塩基を提示する、ポリマー分子をいう。
このような塩基は、代表的に、アデノシン、グアノシン、シトシン、チミジン、
ウラシルおよびイノシンである。ポリマー分子としては、二本鎖および一本鎖の
リボ核酸(RNA)およびデオキシリボ核酸(DNA)が挙げられ、そしてメチ
ルホスホン酸結合のような骨格改変を有するポリマーを含み得る。
【0025】 本明細書中において使用される場合、核酸は、二本鎖または一本鎖であり得る
か、あるいは二本鎖配列と一本鎖配列との両方の部分を含み得る。一本鎖という
表現はまた、他方の鎖の配列を定義し、従ってまた、この配列の相補体を含む。
【0026】 本明細書中において使用される場合、用語「組換え核酸」とは、天然には通常
見出されない形態での核酸の操作によって、一般的にもともとインビトロで形成
された核酸をいう。
【0027】 「異種核酸構築物」は、この核酸が発現される細胞に対してネイティブではな
い配列部分を有する。制御配列/コード配列の組み合わせに関して、異種とは、
天然には一緒には見出されない、制御配列(すなわち、プロモーターまたはエン
ハンサー)とコード配列または遺伝子との組み合わせをいう。換言すれば、この
プロモーターは、同じ遺伝子の発現を、異種核酸構築物中および天然で調節しな
い。一般に、異種核酸配列は、その細胞に対して内因性でも、これらの配列が存
在するゲノムの一部でもなく、そしてトランスフェクション、マイクロインジェ
クション、エレクトロポレーションなどによって、細胞に添加されている。この
ような異種核酸構築物はまた、本明細書中において、「発現カセット」と称され
得る。
【0028】 本明細書中において使用される場合、用語「配列同一性」とは、配列アライメ
ントプログラムを使用して整列された場合の、2つ以上の配列間での核酸配列ま
たはアミノ酸配列の同一性を意味する。GenBank DNA Sequen
cesおよび他の公共のデータベースにおける核酸配列に対する所定の核酸配列
の%同一性を評価する場合には、配列の検索は、好ましくは、BLASTNプロ
グラムを使用して実施される。BLASTXプログラムは、GenBank P
rotein Sequencesおよび他の公共のデータベースにおけるアミ
ノ酸配列に対する全てのリーディングフレームに翻訳された核酸配列を検索する
ために好ましい。BLASTNとBLASTXとの両方は、11.0のオープン
ギャップペナルティーおよび1.0伸長ギャップペナルティーのデフォルトパラ
メータを使用し、そしてBLOSUM−62行列を利用して、実施される[Al
tschulら、1997を参照のこと]。
【0029】 用語「%相同性」は、本明細書中において「%同一性」と互換可能に使用され
、そして2つの配列間の同一性のレベルをいう。すなわち、70%相同性とは、
規定されたアルゴリズムによって決定される場合に70%の配列同一性と同じこ
とを意味し、従って、所定の配列のホモログは、この所定の配列の長さにわたっ
て、少なくとも約70%、好ましくは約80%、より好ましくは約85%、なお
より好ましくは約90%の配列同一性を有する。
【0030】 2つ以上の配列間の「%同一性」を決定するための、選択された配列の好まし
い整列は、デフォルトパラメータ(10.0のオープンギャップペナルティー、
0.1の伸長ギャップペナルティー、およびBLOSUM 30類似性行列を含
む)で作動されるMacVector第6.5版におけるCLUSTAL−Wプ
ログラムを使用して、実施される。
【0031】 核酸配列は、この核酸配列と参照配列とが、中程度〜高度にストリンジェント
なハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件下で互いに特異的にハイブリダイズ
する場合に、参照核酸配列に「選択的にハイブリダイズ」するよう構築される。
例示的な条件としては、Bio−Rad Labs ZetaProbeマニュ
アル(Bio−Rad Labs,Hercules,CA)に記載されるよう
なハイブリダイゼーション条件が挙げられる。例えば、ハイブリダイゼーション
は、1mM EDTA、0.25M NaHPOおよび7%SDS中におい
て60℃で実施され、続いて1mM EDTA、40mM NaPO、5%S
DS、および1mM EDTA、40mM NaPO、1%SDS中において
洗浄される。ハイブリダイゼーション条件は、さらに、Ausubel FMら
、1993に記載されている。
【0032】 本明細書中において使用される場合、用語「ベクター」とは、異なる宿主細胞
間での移送のために設計された、核酸構築物をいう。「発現ベクター」とは、異
種DNAフラグメントを、外来細胞において組み込み、そして発現する能力を有
するベクターをいう。多くの原核生物発現ベクターおよび真核生物発現ベクター
が、市販されている。適切な発現ベクターの選択は、当業者の知識の範囲内であ
る。
【0033】 本明細書中において使用される場合、用語「プラスミド」とは、ベクターとし
て使用され、そして多くの細菌およびいくらかの真核生物において、染色体外自
己複製遺伝エレメントを形成する、環状二本鎖(ds)DNA構築物をいう。
【0034】 本明細書中において使用される場合、用語「遺伝子」とは、ポリペプチドの産
生に関与するDNAのセグメントを意味し、これは、コード領域に先行する領域
および後続する領域を、含んでも含まなくてもよい。例えば、5’非翻訳(5’
UTR)配列または「リーダー」配列および3’UTR配列または「トレーラー
」配列、ならびに個々のコードセグメント(エキソン)間の介在配列(イントロ
ン)は、遺伝子と示されるDNAセグメントに含まれても含まれなくてもよい。
【0035】 本明細書中において使用される場合、用語「導入遺伝子」とは、異種核酸構築
物、発現カセットまたはベクターの、ポリペプチドに対するコード配列を含む部
分をいい、ここで、この遺伝子は、他の成分(すなわち、天然には通常は会合し
ないプロモーター)と会合している。
【0036】 本明細書中において使用される場合、用語「DNA応答エレメント」は、用語
「調節プロモーター配列」と互換可能に使用され得、そして化合物結合配列と同
じであり得るか、重なり得るか、または隣接し得る、転写調節タンパク質に対す
るDNA結合部位または配列をいう。
【0037】 本明細書中において使用される場合、用語「化合物結合配列」、「化合物結合
部位」、「リガンド結合配列」、および「リガンド結合部位」は、互換可能に使
用され、そして化合物、リガンド、または分子が相互作用してそのDNA結合部
位(またはDNA応答エレメント)に対する転写調節タンパク質の改変された結
合を生じる、DNA配列の部分をいう。いくつかの場合において、この化合物、
リガンド、または分子はまた、化合物または誘発因子と指定され得る。「化合物
結合配列」またはその等価物は、転写調節タンパク質のためのDNA応答エレメ
ントの近隣に存在し、そして転写調節タンパク質のためのDNA結合部位に隣接
(adjacent)(すなわち、隣接(flanking))し得るか、重な
り得るか、またはこの部位と同じであり得る。
【0038】 本明細書中において使用される場合、用語「プロモーター」とは、DNAに作
動可能に連結する遺伝子の転写を指向するよう機能する、DNAの配列をいう。
プロモーターは、所定の遺伝子産物の発現に関与する制御配列(「転写調節配列
および翻訳調節配列」ともまた称される)を含んでも含まなくてもよい。一般に
、転写調節配列および翻訳調節配列としては、プロモーター配列(転写調節タン
パク質のためのDNA応答エレメントを含む)、リボソーム結合部位、転写開始
配列および転写終止配列、翻訳開始配列および翻訳終止配列、ならびにエンハン
サー配列またはアクチベーター配列が挙げられるが、これらに限定されない。プ
ロモーターは、それが見出される細胞に対して天然であっても非天然であっても
よい。
【0039】 本明細書中において使用される場合、用語「調節可能(regulatabl
e)プロモーター」、「誘導(inducible)プロモーター」および「切
替可能(switchable)プロモーター」は、互換可能に使用され、そし
てシス作用因子またはトランス作用因子によって活性が影響を受ける、任意のプ
ロモーターをいう。
【0040】 真核生物遺伝子制御領域は、プロモーターおよび調節DNA配列(この配列に
、転写調節タンパク質が結合する)からなる。本明細書中において使用される場
合、用語「調節プロモーター配列」とは、一般に、遺伝子の制御領域内の配列で
あって、この配列に転写調節タンパク質が結合し、転写の活性化または抑制を生
じる、配列をいう。このような調節プロモーター配列のネイティブな形態は、一
般に、遺伝子制御領域のプロモーターエレメントに対して5’側に位置する。
【0041】 本明細書中において使用される場合、用語「転写調節タンパク質」、「転写調
節因子」および「転写因子」は、用語「DNA結合タンパク質」と互換可能に使
用され得、そしてDNA応答エレメントに結合し、これによって会合した遺伝子
の発現を転写的に調節する、細胞質タンパク質または核タンパク質をいう。転写
調節タンパク質は、一般に、DNA応答エレメントに直接結合するが、いくつか
の場合においては、DNAへの結合は、別のタンパク質への結合によって間接的
であり得、このタンパク質が次に、DNA応答エレメントに結合するか、または
DNA応答エレメントに結合される。
【0042】 本明細書中において使用される場合、用語「作動可能に連結される」とは、組
換えDNA構築物またはベクターに関して、組換えDNA構築物またはベクター
のヌクレオチド成分が、この組換えDNA構築物またはベクターの別のヌクレオ
チド成分と機能的関係にあることを意味する。例えば、プロモーターまたはエン
ハンサーは、それがコード配列の転写に影響を与える場合には、そのコード配列
に作動可能に連結されている;あるいはリボソーム結合部位は、それが翻訳を容
易にするよう位置する場合には、コード配列に作動可能に連結されている。一般
に、「作動可能に連結される」とは、連結されるDNA配列が隣接していること
、および二次リーダーの場合には、隣接しておりかつ読み取り段階にあることを
意味する。しかし、エンハンサーは隣接している必要はない。
【0043】 本明細書中において使用される場合、用語「発現」とは、所定のDNA配列に
含まれる情報に基づいてポリペプチドが産生されるプロセスをいう。このプロセ
スは、転写と翻訳との両方を含む。
【0044】 本明細書中において使用される場合、用語「調節された発現」とは、所定の遺
伝子産物の量の増加または減少を代表し得る、転写および翻訳の変化をいう。
【0045】 宿主細胞は、外因性または異種のDNAがこの宿主細胞に導入された場合に、
このDNAによって「形質転換」されている。形質転換は、その細胞の染色体D
NAへの組み込み(共有結合的な取り込み)を生じても生じなくてもよい。例え
ば、酵母細胞または哺乳動物細胞のような真核生物細胞においては、形質転換さ
れたDNAは、プラスミドのようなエピソームエレメントに維持され得る。
【0046】 本明細書中において使用される場合、用語「安定に形質転換された」、「安定
にトランスフェクトされた」、および「トランスジェニック」とは、天然ではな
い(異種の)核酸配列がゲノムに組み込まれた細胞をいう。安定な形質転換は、
トランスフェクトするDNAを含む娘細胞の集団からなる細胞株またはクローン
の樹立によって、実証される。
【0047】 いくつかの場合において、「形質転換」は、安定ではない。すなわち、一時的
である。一時的な形質転換の場合には、外因性または異種のDNAは、発現され
るが、導入された配列がゲノムに組み込まれない。
【0048】 本明細書中において使用される場合、用語「同時形質転換された」とは、2つ
以上の組換えDNA構築物またはベクターが、同一の細胞に導入されるプロセス
をいう。「同時形質転換された」とはまた、2つ以上の組換えDNA構築物また
はベクターが導入された細胞をいい得る。
【0049】 本明細書中において使用される場合、用語「配列優先的結合」とは、他のもの
と比較して特定のDNA配列への結合に対する優先を示す様式での、DNAへの
分子の結合をいう。
【0050】 本明細書中において使用される場合、用語「配列特異的結合」とは、特定のD
NA配列に対する強い結合優先を示す様式での、DNAへの分子の結合をいう。
【0051】 本明細書中において使用される場合、用語「配列依存性結合」とは、標的ヌク
レオチド配列に依存する様式での、DNAへの分子の結合をいう。このような結
合は、「配列優先的」または「配列特異的」であり得る。
【0052】 本明細書中で使用する場合、用語「結合を阻害する」とは、転写調節タンパク
質のそのDNA応答エレメントへの結合に対する所定の濃度の特定の化合物の効
果に関して、同じ濃度の特定の化合物の非存在下における結合の量と比較した、
転写調節タンパク質のそのDNA応答エレメントへの結合の量の減少をいい、そ
して結合の減少および結合の完全な阻害の両方を含む。
【0053】 本明細書中で使用する場合、用語「化合物」、「分子」、「リガンド」および
「誘発因子」は、交換可能に使用され、そして転写調節タンパク質のDNA結合
部位に近接(すなわち、隣接)するか、またはこれと重複するか、またはこれと
同じである配列のDNAに対する配列優先的結合または配列特異的結合によって
特徴付けられる分子またはリガンドをいう。
【0054】 本明細書中で使用する場合、用語「調節する」および「改変する」は、交換可
能に使用され、そして生物学的活性の変化をいう。調節とは、生物学的活性、結
合特性、または分子の任意の他の生物学的特性、機能的特性もしくは免疫学的特
性の増加または減少をいう。
【0055】 本明細書中で使用する場合、用語「遺伝子発現を調節する」とは、本発明のプ
ロモーターに関して、プロモーターが、このプロモーターに作動可能に連結され
た遺伝子の発現を増加または減少する能力を有し、そしてこの遺伝子の発現レベ
ルを調節するために使用され得ることを意味する。
【0056】 本明細書中で使用する場合、用語「ネイティブ」、「天然の」および「野生型
」とは、特定の核酸配列、特性または表現型に関して、この核酸配列、特性また
は表現型が天然で見出される形態をいう。
【0057】 本明細書中で使用する場合、用語「上記細胞の暴露」とは、本発明の調節プロ
モーター配列を含む細胞と相互作用し得る細胞因子または化合物に関して、外部
暴露および内部暴露の両方をいう。細胞因子への暴露の場合、この因子は、ネイ
ティブ(内因性)であるか、または外因的に提供され得る。
【0058】 (II.本発明のプロモーターを使用する調節された遺伝子発現) 本発明のプロモーターエレメントは、遺伝子(ネイティブおよび異種の両方)
の調節された発現における有用性を見出す。
【0059】 このような調節された遺伝子発現を達成するために、目的のプロモーターの調
節成分が、同定および特徴付けされるべきである。
【0060】 これは、遺伝子転写の制御に関与するプロモーター成分の配列を同定および特
徴付けすること、ならびにこのプロモーターを使用して、このような構造的(配
列)成分を遺伝子発現の機能的分析と関連付けることの組み合わせによって、達
成される。
【0061】 一般に、特定のDNA配列が遺伝子発現の調節に関与するか否かを決定するた
めに、推定調節配列が選択され、そして異種核酸構築物中のレポーター配列に作
動可能に連結され、これは次いで、細胞に導入され、次いでレポーターの活性が
決定される。例えば、ルシフェラーゼ(基質のルシフェリンおよびATPの存在
下で光子を放射する、本来ホタルから単離される遺伝子)の発現を、ルミノメー
ターを使用して容易にモニタリングし得る。
【0062】 このように調節された遺伝子発現の1つの適用において、転写調節タンパク質
に対するDNA応答エレメントの付近に位置する化合物結合配列は、プロモータ
ー構築物に組み込まれ、そして所定のプロモーターの制御下で遺伝子の発現を調
節するために使用される。この化合物結合配列は、ネイティブであるかまたは導
入され得る。
【0063】 別の例示的な実施形態において、転写調節タンパク質に対するDNA応答エレ
メントの付近(すなわち、これに直接的であるか、隣接しているか、または重複
している)の化合物の結合は、このDNA応答エレメントに作動可能に連結した
ネイティブの遺伝子の転写を調節するための手提供する。
【0064】 プロモーターの調節領域を同定および特徴付けすること、ならびにこの情報を
使用して、所定の転写調節タンパク質に対するDNA応答エレメントの付近に1
つ以上の化合物結合配列を有する構築物を設計することにより、細胞におけるネ
イティブの遺伝子の発現をインビボで調節するための手段が提供される。このよ
うな場合、この化合物を細胞に提供すること、およびプロモーターの調節領域内
の化合物結合配列にこの化合物を結合することにより、このプロモーターの制御
下におけるネイティブの遺伝子の発現が調節される。
【0065】 別の代表的な実施形態において、転写調節タンパク質に対するDNA応答エレ
メントの付近(すなわち、これに直接的であるか、隣接しているか、または重複
している)における化合物の結合は、このエレメントに作動可能に連結した導入
遺伝子の転写を調節するための手段を提供する。転写調節タンパク質のそのDN
A応答エレメントに対する結合を調節する任意のDNA結合化合物は、本発明に
基づくプロモーターの制御下において、導入遺伝子の発現を調節するために利用
され得る。転写調節タンパク質に対するDNA応答エレメントの付近におけるネ
イティブの化合物結合配列または導入された化合物結合配列の存在により、プロ
モーター(ここでこのプロモーターは、DNA応答エレメントを含む)に作動可
能に連結された遺伝子の発現を調節するのに有効な化合物の広範な選択が可能と
なる。
【0066】 本発明のプロモーターが最小プロモーターエレメントおよび導入されたDNA
応答エレメントを含み得るか、またはこのプロモーター自体が、DNA応答エレ
メントを含み得ることが理解される。一般的に、DNA応答エレメントまたは調
節プロモーター配列とは、転写調節タンパク質が結合する配列をいい、そしてプ
ロモーターの一部とみなされてもみなされなくてもよい。
【0067】 いくつかの場合において、DNA応答エレメント付近の核酸配列は、DNA結
合化合物に好ましいかまたは特異的な結合部位である配列を含む。
【0068】 別の場合において、このDNA応答エレメント付近のプロモーター配列は、D
NA結合化合物に好ましい1つ以上の結合配列を含み、その結果、調節可能なプ
ロモーター構築物を生成するように改変される。
【0069】 例えば、このプロモーターは、DNA応答エレメントの付近に1つ以上の化合
物結合配列を含み得、これはネトロプシン(netropsin)ダイマー、「
21x」に好ましい結合配列である8〜20bpまたはそれ以上の「ATリッチ
」配列により例示される。
【0070】 転写調節タンパク質/DNA応答エレメント/化合物結合配列と、この化合物
結合配列に優先的または特異的に結合する化合物との組み合わせは、本明細書中
に記載されるプロモーターのいずれかの制御下で導入遺伝子の発現を調節するた
めに有用であり得る。しかし、いくつかの場合において、この転写調節タンパク
質/DNA応答エレメント/化合物結合配列の組み合わせ、およびこの化合物結
合配列に優先的または特異的に結合する化合物は、所定のプロモーターに対して
特異的である。
【0071】 特定のプロモーターの制御下における導入遺伝子の発現を調節する際に使用す
るための化合物は、一般に、所定のプロモーターの制御下における導入遺伝子の
発現を調節する能力に基づいて、予め選択される。
【0072】 代表的な予備スクリーニングアッセイとしては、DNA結合アッセイ;タンパ
ク質置換アッセイ;DNAフットプリンティングなどが挙げられるが、これらに
限定されない。本明細書中に記載されるように、このようなアッセイは、当該分
野で公知の様々な技術を使用して実施され得る。
【0073】 一実施形態において、遺伝子の発現を調節する際に使用するための化合物は、
DNA結合および転写調節タンパク質置換について予め選択される。代表的な予
備スクリーニングアッセイとしては、様々な形態のMerlinTMアッセイ(
例えば、共有に係る米国特許第5,306,619号、同第5,693,463
号、同第5,716,780号、同第5,726,014号、同第5,744,
131号、同第5,738,990号、同第5,578,444号、同第5,8
69,241号(本明細書中で参考として明確に援用される))が挙げられる。
【0074】 別の実施形態において、化合物は、核酸リガンド相互作用アッセイ(例えば、
PCT公開番号WO00/15848に記載されるアッセイ)、または当業者に
公知の別の核酸結合アッセイで予め選択される。
【0075】 (III.プロモーターの単離および特徴付け) 本明細書中で記載されるプロモーターを、当該分野で一般に公知の方法(既知
の遺伝子のコード配列から上流をウオーキングして調節配列を同定すること、リ
ンカースキャナー変異により以前に同定されたプロモーター配列を分析および特
徴付けすること、ならびに部位特異的突然変異が挙げられるが、これらに限定さ
れない)を使用して単離および特徴付けした。
【0076】 いくつかの場合において、プロモーター配列は、既知のコード配列または他の
配列に基づいて設計されたプライマーを使用して、PCRアクセス可能ゲノムラ
イブラリー(例えば、GenomeWalker,Clontechを使用する
)において上流をウオーキングすることによって、得られる。続く上流のウオー
キングを使用して、調節配列を同定するために、5’末端で伸長したより長いD
NA配列を生成する。第1のウオーキングから得られた配列を使用して、第2の
上流ウオーキングなどのためのプライマーを設計する。
【0077】 他の場合において、本明細書中で記載される調節配列に対する特定のプロモー
ターの全配列は、当該分野で公知であった。しかし、このような場合において、
このプロモーターの特徴付けは、本発明以前には知られていなかった。言い換え
ると、本発明は、プロモーター活性に対して重要な配列の同定および特徴付けを
示す。
【0078】 いくつかの場合において、プロモーター配列の1つ以上の領域に変異を導入し
、この変異したプロモーターの活性プロフィールを評価することによって、一連
のプロモーターを構築した。
【0079】 (IV.プロモーター活性のスクリーニング) プロモーター活性を評価するための代表的なアッセイとしては、プロモーター
のDNA応答エレメントに対する転写調節タンパク質の結合の検出のために有用
なDNA結合アッセイ;タンパク質置換アッセイ(例えば、ゲル移動度シフトア
ッセイ競合結合アッセイおよびDNAフットプリンティング)などが挙げられる
が、これらに限定されない。このようなアッセイは、当該分野で公知の様々な技
術を使用して実施され得る。
【0080】 ゲル移動度シフトアッセイを使用して、DNAのみと比較したDNA/タンパ
ク質複合体のサイズの変化(および対応するゲル上の移動度)に基づいて、所定
のプロモーター内のDNA応答エレメントに対する転写調節タンパク質の結合に
対する化合物の効果を決定し得る。
【0081】 DNAフットプリンティングを使用して、ヌクレアーゼ分解に対するプロモー
ター/転写調節タンパク質複合体の安定性に基づいて、転写調節タンパク質に対
する所定のプロモーターのDNA応答エレメントを特徴付けし得る。このアプロ
ーチの主な用途は、DNAフットプリンティング(特定の転写調節タンパク質が
結合するDNA配列を同定するために使用される方法)のためであった。DNA
フットプリンティングのための様々な技術が、当該分野で公知である。
【0082】 (競合ハイブリダイゼーション−安定化結合アッセイ(HSA)) 本発明のプロモーターにおける重要な配列に対する化合物の優先的な結合は、
競合ハイブリダイゼーション−安定化結合アッセイ(HSA)を使用して試験さ
れている。HSAにおいて、目的のヌクレオチド配列は、オリゴヌクレオチド二
重鎖で表され、そしてこの二重鎖は、特定の程度の親和性で試験化合物に結合す
ることが知られているインジケーターオリゴヌクレオチド二重鎖と競合するその
能力について試験される。このインジケーターは、AT塩基中に豊富に存在し得
、そして蛍光プローブまたはクエンチャー部分のいずれかで、この2の鎖の各々
が標識され得る。化合物がこのインジケーターに結合することによって、二重鎖
の形成が安定化され、蛍光がクエンチされ得る。この化合物が、インジケーター
より試験配列(コンペティター)に好ましい場合、この化合物はこのインジケー
ター二重鎖を安定化するためにそれほど有効ではなく、従って、クエンチは減少
される。従って、より大きな蛍光シグナルは、インジケーターと比較して試験化
合物に対して優先的なより高い程度の結合を意味する。
【0083】 サイクリンD1プロモーターに関連する1つの実施形態において、ハイブリダ
イゼーション安定化アッセイは、結合のための指示薬として12bpのDNA二
重鎖を使用し、ここで、この二重鎖の一方の鎖(CTTTATTATTTT)を
フルオレセインで5’標識し、そしてその相補鎖を、ダブシルクエンチング分子
(AAAATAATAAAG−3’)で5’標識する。この二本鎖を、DNA結
合分子(このDNA結合分子は、二重鎖形態を安定化させ得る)と共に混合する
場合、このフルオレセイン由来のシグナルは、この相補鎖上のダブシルによって
クエンチされる。次いで、種々の冷却した競合二重鎖を、この二重鎖がDNA結
合化合物に対して好ましい結合部位を提供するかどうかを調べるために添加し得
る。この競合DNAが、DNA結合分子と結合する場合、このDNA結合分子は
、指示薬二重鎖とは別個に滴定され、この指示薬二重鎖を不安定化し、そしてこ
の鎖が分離する場合、クエンチングが減り、蛍光が増大する。 (プロモーターウォーク(promoter−walk)分析) 代表的に、完全なプロモーター配列は、HSA中の競合物として15個のヌク
レオチドのブロック中に存在する。全プロモーターをカバーするために、15マ
ーのストレッチは、オーバーラップ様式でブロックされ、その結果、隣接するブ
ロックは、2個のヌクレオチドで異なる。HSA中のフルオレセインの増加は、
結合し易さを意味する。 (RNase保護) RNA転写における改変されたDNA配列の効果は、mRNAレベルをモニタ
ーするために、RNase保護またはノーザン分析のいずれかを含む、アッセイ
を直接的に使用して、測定し得る。RNase保護は、標識したプローブを用い
てヌクレアーゼ耐性ハイブリットを形成する能力に基づいてRNAをクエンチン
グする方法である。RNAがより多いほど、より多くのプローブが保護される。
このプローブの一部のみが、目的のRNAにハイブリダイズする場合(すなわち
、このプローブが、目的のRNAに対して相同性でない5’領域または3’領域
を有する場合)、このプローブの一部のみが、保護される。保護されたプローブ
およびインタクトなプローブは、ゲル電気泳動に供される場合、異なる速度で移
動する。独特なサイズおよび予測可能なサイズのフラグメントの保護は、特異性
を示す。このプローブは、RNAプローブまたはDNAプローブのいずれかであ
り得る。 (リンカースキャニング変異誘発) リンカースキャニング変異誘発は、DNAの短い配列(すなわち、公知のプロ
モーターに対する5’配列)が、通常、PCRに基づく変異誘発アプローチを使
用して、1以上の制限部位を含むDNAで置換される手順である。 (レセプター構築物) レセプター構築物は、プロモーター活性およびプロモーターによる調節された
トランスジーンの発現を確認するために、一般に、細胞に基づくインビトロアッ
セイにおいて使用される。
【0084】 1実施形態において、ルシフェラーゼレポーター遺伝子は、インビトロにおい
て、細胞培養中での調節可能な遺伝子発現を評価するために使用される。しかし
、当業者に公知の任意のレセプター遺伝子もまた使用される。選択されたレポー
ター遺伝子の発現は、複数の改変された調節配列を迅速に評価するために、容易
に検出され、かつ定量されることが好ましい。このようなレポーター構築物は、
所定のプロモーターによって(例えば、DNA結合化合物で標的することによっ
て)、遺伝子発現を調節する能力を評価するための手段を提供する。一旦、遺伝
子発現を調節するための所定のプロモーターの能力が、レポーター構築物を使用
する細胞に基づくアッセイにおいて示された場合、この遺伝子構築物は、レポー
ター遺伝子の代わりに、目的のトランスジーン(例えば、治療用遺伝子、組換え
タンパク質コード遺伝子または薬物耐性遺伝子)を含むように、容易に改変され
得る。このような改変は、当業者によって慣用的に使用される技術を使用して達
成され得る。 (V.サイクリンD1プロモーター) サイクリンD1(CCND1)は、多くの癌において過剰に発現される調節タ
ンパク質である。サイクリンD1は、このサイクリン依存性キナーゼCDK4お
よびCDK6に結合し、そしてこれらを調節することによって作用する。CCN
D1遺伝子の発現は、静止細胞(G)中で低いが、細胞が増殖因子に対して応
答し、細胞周期に入る場合に、活性なサイクリンD1−CDK4/CDK6複合
体の増加を誘導する。
【0085】 適切な増殖シグナルとは無関係で、増殖阻害シグナル(例えば、接触阻害シグ
ナル)に対して応答しない、迅速な細胞周期は、癌細胞の特徴である。染色体の
逆位、転座または増幅中のサイクリンD1の不適切な発現は、種々の腫瘍細胞に
おいて特徴付けられている(Hallら、1996;Sherr、1996)。
サイクリンD1遺伝子の過剰発現はまた、サイクリンD1遺伝子全体の染色体再
配列または増幅なしで、多くの腫瘍において見られる。実際に、サイクリンD1
の過剰発現は、原発性乳癌の50%、大腸細胞の腺癌の30%(Hallら、1
996)、家族性腺腫様ポリープ症(Zhangら、1997)、ならびに多く
の場合の脾臓癌(Gansaugeら、1997)において見られる。
【0086】 さらに、哺乳動物の上皮において、サイクリンD1遺伝子を発現するトランス
ジェニックマウスは、乳房過形成を示し、そして乳房腺癌を発生する(Wang
ら、1994)。培養細胞中のサイクリンD1の過剰発現は、pRB網膜芽細胞
腫タンパク質の早期リン酸化反応において生じ(Sherr、1993)、G1
期を短くし、これらの細胞増殖因子と無関係にする(Jiangら、1993;
Quelleら、1993;Resnitzkyら、1994)。ヌードマウス
に注射した場合、これらの細胞は腫瘍を産生する(Jiangら、1993)。
【0087】 サイクリンD1の不適切な発現と腫瘍形成との間の関係は、サイクリンD1が
治療介在のための良好な標的であることを示す。サイクリンD1アンチセンス分
子は、培地中でサイクリンD1を過剰発現するヒトの食道、結腸および膵臓の癌
細胞の腫瘍性表現型、ならびにマウスにおけるこれらの細胞の腫瘍を産生する能
力を減少させることが示されている(Zhouら、1995;Arberら、1
997;Kornmannら、1998)。これらの研究において、アンチセン
ス技術を、サイクリンD1 mRNAを特異的に阻害するために使用した。
【0088】 従って、サイクリンD1の調節された発現は、癌および他の治療における有用
性を見出す。本発明は、サイクリンD1プロモーターの制御下にある場合、遺伝
子発現の調節に関与する、サイクリンD1プロモーター内のDNA応答性エレメ
ントの、CCND1プロモーター分析および同定に基づく。
【0089】 ヒトCCND1遺伝子は、以前に、クローニングされ、そして配列決定されて
いる(Motokuraら、1991;Withersら、1991;Xion
gら、1991)。CCND1遺伝子の上流プロモーター配列はまた、クローニ
ングされ、そして配列決定さている(Herberら、1994a、1994b
;Philippら、1994)。CCND1プロモーター配列は、GenBa
nkのLocus HUMPRDA1A(Motokuraら、1993)にお
いて見出され得る。
【0090】 潜在的なSp1部位、E2F部位、CRE部位、Oct1部位、Myc/Ma
x部位、AP−1部位、Egr部位、NFκB部位、STAT5部位、Ets部
位、PRADおよびTCF/LEF部位は、以前に、サイクリンD1プロモータ
ーにおいて同定されている(Motokuraら、1993;Herberら、
1994;Philippら、1994;Hinzら、1999;Matsum
uraら、1999;Shtutmanら、1999;およびTetsuら、1
999)。これらの部位のいくつかは、種々の細胞株において、サイクリンD1
調節の役割を果たすことが示されている(Philippら、1994;Alb
aneseら、1995;Watanabeら、1996;Yanら、1997
;Watanabeら、1998;Beierら、1999;Hinzら、19
99;Matsumuraら、1999;Shtutmanら、1999;およ
びTetsuら、1999)。
【0091】 CCND1プロモーターのCRE領域(ヌクレオチド−52〜−45)は、以
前に、種々の細胞型においてサイクリンD1発現に重要であるとして同定されて
いる(Beierら、1999;Tetsuら、1999;Phillipら、
1994;Leeら、1999)。特に、CREプロモーターエレメントは、M
CF7細胞においてサイクリンD1遺伝子の基本的な発現に必要とされることが
示されている。
【0092】 先行技術は、サイクリンD1プロモーターのいくらかの分析を含むが、この先
行技術は、サイクリンD1プロモーターを使用する調節された遺伝子発現のため
の適切な標的を示さない。本発明の1局面は、調節のための標的として同定され
た特定の配列に基づいて、遺伝子を過剰発現する癌細胞におけるサイクリンD1
発現を調節することに関する。
【0093】 サイクリンD1プロモーターの転写因子結合部位の分析を、サイクリンD1プ
ロモーターに作動可能に連結する遺伝子の発現を調節するために使用され得る、
サイクリンD1プロモーターの一部を同定するために実施した。広範なプロモー
ター分析を、サイクリンD1を過剰発現する種々の異なる癌細胞株において実施
し、そして重要な転写因子結合部位を、実施例1に詳述されるように同定した。
【0094】 ヒトのサイクリンD1プロモーターの1900bpフラグメントを、遺伝子D
NAから増幅し、そしてベクターpGL3−basic(Promega)にサ
ブクローニングし、レセプター構築物を形成した。一連の改変されたプロモータ
ーを作製し、そしてプロモーター活性を、全長(−1745)サイクリンD1プ
ロモーター(図4)の活性と比較し、続いて、このプロモーターの重要な制御領
域を同定するために、サイクリンD1を過剰発現する非同期型MCF7ヒト乳癌
細胞にトランスフェクトした。いくつかの構築物を、別のサイクリンD1を過剰
発現する乳癌細胞株(ZR75);正常なサイクリンD1を過剰発現する乳癌細
胞株(HMEC);サイクリンD1過剰発現する結腸癌細胞株(HCT116)
;および過剰発現する膵臓癌細胞株(PANC−1)においてさらに評価した。
【0095】 種々の改変されたプロモーター構築物は、5’欠失、AP1部位、CRE部位
、E2F部位、SP1部位およびOct1部位の部位特異的変異誘発を含み、そ
して近位プロモーターのリンカースキャニング変異誘発を使用して調製される変
異体は、QuickChange変異誘発系を使用して産生される。
【0096】 本明細書中において提供される結果は、配列番号5、配列番号6、配列番号8
および配列番号9として示される調節配列が、調節配列の1以上を含むサイクリ
ンD1プロモーターに作動可能に連結する、自己遺伝子または異種遺伝子の発現
の調節における有用性を見出すことを示す。 (VI.CD40 リガンド(CD40L)) CD40リガンドまたはCD40L(これはまた、gp39、CD154、T
RAPまたはT−BAMと呼ばれる)は、T細胞依存性体液性免疫応答において
重要な役割を果たす。CD40Lは、抗原提示細胞の表面上で発現される、CD
40と相互作用する(APC:Ochsら、1994;Foyら、1996;G
rewalら、1996)。抗原提示細胞は、抗原を処理し、そして主要組織適
合遺伝子複合体(MHC)分子と組み合わさり、その細胞表面上に抗原を提示す
る。これは、T細胞の活性化およびT細胞レセプターによる抗MHC複合体の認
識に必要な1つのシグナルを提供し、これは、活性化されたCD4+ヘルパーT
細胞上の膜結合サイトカインCD40Lの一過性発現を誘発する。CD40とC
D40Lとの間の相互作用は、B細胞の活性化およびアイソタイプスイッチング
に必要である。CD40LのCD40への結合は、同時刺激分子であるB7.1
(CD80)およびB7.2(CD86)のAPC上での発現を誘導し、次いで
、T細胞上のCD28に結合し、T細胞の活性化に必要な第二の同時刺激シグナ
ルを提供する。この第二のシグナル非存在下で、抗原−MHCによるT細胞の係
合は、T細胞アネルギーを産生する。CD40L遺伝子におけるヒトの遺伝子の
欠損は、過剰IgM症候群と呼ばれる、X連結免疫欠損障害を引き起こす(Al
lenら、1993;Aruffoら、1993;DiSantoら、1993
;Korthauerら、1993)。CD40Lを発現しないか、CD40L
を発現するかのいずれの個体も、CD40に結合し得ず、有意に減少したT細胞
依存性体液性免疫応答およびアイソタイプクラススイッチングの欠損を生じる。
【0097】 従って、CD40Lプロモーターの標的化は、以下を含むが、これらに限定さ
れない複数の自己免疫障害に対して関連性を有する:多発性硬化症(MS)、全
身性エリテマトーデス(SLE)、対宿主性移植片病(GVHD)および慢性関
節リウマチ(例えば、Buhlmannら、1996;Bianconeら、1
999)。さらに、CD40L発現の阻害は、長期の移植耐性に寄与し得るとい
う証拠が存在する(Larsenら、1996;Kirkら、1997;Han
cockら、1998;Niimiら、1998)。さらに、特定のモノクロー
ナル抗体でCD40Lを標的化することは、アデノウイルスベクターに基づく遺
伝子治療の有効性を増加させることが示されている(Yangら、1996;K
ayら、1997)。
【0098】 ヒトCD40L遺伝子は、クローニングされる(Grafら、1992;Ho
llenbaughら、1992;Spriggsら、1992;Gaucha
tら、1993;Shimadzu、1995)。CD40Lプロモーター配列
は、配列(GenBank登録番号D31793)の分析によって同定されるよ
うに、以下のいくつかの潜在的な転写因子結合部位を含む:AP−1(1570
〜1577;1867〜1938)、GMCSF(1040〜0145;134
3〜1350;1689〜1696;1840〜1862)、αIRE(129
1〜1295;1359〜1366;1397〜1404;1589〜1593
;1701〜1705;および1803〜1807)、TCF1(1603〜1
606;1731〜136)、GATA−1(1643〜1647)、CRE2
(1209〜1216)、γINF2(1188〜1195)、NF−IL6(
815〜819)ならびにNFκB(737−743)。
【0099】 CD40Lプロモーターを特徴付けするために、全長ヒトCD40Lプロモー
ター(−1860〜+49)(配列番号1)を、実施例2において詳述されるよ
うに、PCRで増幅し、そしてホタルのルシフェラーゼレセプタープラスミドp
GL3−basicにクローニングした。一連の5’CD40Lプロモーター欠
損および特異的変異を調製し、PCRで増幅し、そして全てのクローンの確実性
を、5’欠損構築物のDNA配列決定および全長(−1860)CD40Lプロ
モーターの構築物と比較したプロモーター活性、続いて、正常に拡張されたT細
胞へのトランスフェクションおよびPMAおよびイオノマイシンとの活性化によ
って確認した(実施例2)。
【0100】 これらの結果は、CD40Lプロモーターの少なくとも4つの領域が、活性化
されたT細胞(ヌクレオチド−306位付近の部位を含む)での発現に重要であ
ることを示し、この特異的な変異は、この部位でのCD40Lプロモーター活性
因子結合の4倍のダウンレギュレーションを生じた(実施例2を参照のこと)。
【0101】 CD40L発現を制御するのに役割を果たす第二のプロモーター領域は、ヌク
レオチド−230と−211との間の配列(配列番号13)であり、これは、プ
ロモーター活性の6.7倍の減少を生じる領域の欠損に基づく。
【0102】 活性化した正常のヒトT細胞のCD40プロモーター発現に重要な第3領域は
、−230と−196との間(配列番号14)に見出され、これは、CD40L
プロモーターイ活性の6.7倍のダウンレギュレーションを生じる、−230〜
−211領域の欠損、およびプロモーター活性の2.5〜4倍のダウンレギュレ
ーションを生じる、−220〜−215、−214〜−209、−208〜−2
03、または−202〜−197の部位特異的変異に基づく。AT細胞特異的因
子、配列特異的因子は、インビボフットプリント分析結果に基づき−206〜−
201領域において結合することが示された。
【0103】 活性化した通常のヒトT細胞での発現に重要であるとしてCD40Lプロモー
ターで同定された第4領域は、欠失変異体の発現レベルに基づく−77と−40
の間(配列番号15)に見出され、ここで、−72〜−49または−61〜−4
0の内部欠失が、それぞれ25倍または40倍のダウンレギュレーションで得ら
れた。さらに、−48と−54との間に位置する以前に同定されなかった部位を
伴う、組成物AP−1/−66NF−AF部位の特定の変異は、−48〜−54
部位を介した転写性活性への寄与を示す。
【0104】 いくつかのCD40Lプロモーター領域が、実施例2においてさらに議論され
るような、1以上の転写性因子と結合し得る。本明細書中に記載されるCD40
Lプロモーターの調節領域に対するDNA結合化合物の標的化は、転写性因子−
DNA相互作用の調節を介して、CD40Lプロモーター−媒介転写を阻害する
手段を提供することがさらに理解される。
【0105】 本明細書中で提供される結果は、配列番号12、配列番号13、配列番号14
および配列番号15として示される調節配列が、1以上の調節配列を含むCD4
0Lプロモーターに作動可能に連結された、自己遺伝子または異種遺伝子の発現
を調節する有用性を見出すことを示す。
【0106】 (VII.B型肝炎(HBV)) ヒトにおいてB型肝炎を誘導するウイルスは、HBVに感染することによって
引き起こされ、世界中で3億人が感染していると推定される。感染した個体の、
小さいが有意な一部は、重篤な病的結果(慢性肝不全、肝硬変、および肝細胞癌
が挙げられる)を発生し、HBV感染によって、世界中で1年あたり100万人
が死亡する。
【0107】 ワクチン接種は、効果的な予防的手段であるが、疾患についての治療法は存在
せず、そして現在では、急性B型肝炎に特異的な効果的な処置は存在しない。現
在、慢性B型肝炎は、インターフェロン(すなわち、インターフェロン−α)お
よびヌクレオシドアナログ(すなわち、ラミブジン(lamivudine)「
3TC」)で処置される。
【0108】 HBVは、1970年代に最初にクローン化された(Robinsonら、1
974;Sattlerら、1979;Summersら、1975)。ヒト肝
臓癌細胞株(HepG2およびHuH6)は、HBVを細胞ゲノム中に安定に組
み込ませる。これらの細胞は、HBV複製を補助し、そしてウイルス様粒子を、
組織培養培地中に放出する。例えば、See MAら、1987;Lander
ら、1997;Sudoら、1996を参照のこと。
【0109】 HBVは、3.2kbの、弛緩した、環状の、部分的に二重鎖のDNA種から
なるゲノムを有する、DNAウイルスである。ゲノムにおけるあらゆるヌクレオ
チドは、コード領域中にあり、そして配列の半分より多くの配列は、1つよりも
多くのオープンリーディングフレームにおいて翻訳される。いくつかのプロモー
ターが同定され、これは、(a)プレコアタンパク質、コアタンパク質およびポ
リメラーゼ(コアプロモーター);(b)ラージ(large)S表面タンパク
質(pre−S1プロモーター);(c)ミディアム(medium)およびス
モール(small)S表面タンパク質(Sプロモーター);ならびに(d)X
タンパク質(Xプロモーター)の発現を駆動する。コアタンパク質は、ウイルス
ゲノムおよびポリメラーゼをカプセル化し、種々のS表面タンパク質は、タンパ
ク質コーティングを作製し、そしてXタンパク質の機能は未だ決定されていない
【0110】 コアプロモーター(これは、メッセンジャー転写物のゲノムサイズよりも2倍
大きなサイズの転写に関する)特徴付けは、記載されている(総説については、
Ganem D.FIELD VIROLOGY 第3版、1996、ならびに
Kann M.およびGerlich W.,Viral Hepatitis
,第2版を参照のこと)。これらのmRNAの1つ、すなわちプレゲノム転写物
(pregenomic transcript)は、コア構造タンパク質およ
びウイルスポリメラーゼ、ならびにネガティブ鎖ウイルスDNAの複製のための
テンプレートの両方をコードする。他の3.5kb mRNA、すなわちプレコ
アメッセージは、可溶性ウイルスe抗原に翻訳および改変される。肝細胞核因子
(C/EBP、およびSp1)のための結合部位は、コアプロモーター領域にお
いて以前に記載されている(Ganem D. FIELD VIROLOGY
、第3版、1996、ならびにKann M.およびGerlich W. V
iral HEPATITIS,第2版において総説される)。肝細胞核因子(
HNF3およびHNF4)は、HBVの肝臓向性のために重要であると考えられ
ている。さらなる転写因子結合部位(例えば、C/EBPおよびSp1)が、記
載されている。
【0111】 3つのHBVプロモーターの特徴付けが、本明細書中に提供される;コアプロ
モーター(配列番号16、図1A)、pre−S1プロモーター(配列番号22
、図1B)およびHBV−Xプロモーター(配列番号25、図3)。
【0112】 本明細書中に記載されるHBVプロモーターは、肝臓細胞に特異的である調節
された遺伝子発現において有用性を見出す。
【0113】 HBVコアプロモーター、preS1プロモーターおよびXプロモーターの種
々の配列成分の改変の効果の分析を、HBVコアプロモーター、preS1プロ
モーターおよびXプロモーターのそれぞれに作動可能に連結される遺伝子の発現
を調節するために使用され得るプロモーターの一部を同定するために、実施例3
において詳述されるように行った。
【0114】 野生型のコア、XおよびpreS1プロモーター構築物、ならびにそれらの種
々の改変体のルシフェラーゼレセプター活性を、肝臓起源の細胞株(例えば、H
epG2、Huh7、22.1.5、およびHepAD38)における一過性ト
ランスフェクション実験によって評価した。
【0115】 (HBVコアプロモーター) 目的の3つの領域を、HBVコアプロモーターのリンカースキャニング分析(
linker scanning analysis)において同定した。TA
TAボックス、HNF4(配列番号18)および近位HNF3(配列番号17)
の部位を、コアプロモーター活性の最も重要な制御エレメントとして同定した。
実施例3においてさらに記載されるように、HBVコアプロモーターの3つの領
域(ドメイン5、ドメイン8/9およびドメイン13)は、文献において報告さ
れるcis−エレメント(それぞれ、HNF−4/HNF−3、HNF−3/S
p1、およびTATAボックス)の近くにあるようである。表9において示され
る発現研究の結果は、ドメイン8(配列番号19);ドメイン8/9−1(配列
番号20);およびドメイン13(配列番号21)が、転写活性に関係があり、
そしてこれらの配列が、配列番号20および/もしくは配列番号21を含むHB
Vコアプロモーターに作動可能に連結される、自系遺伝子または異種遺伝子の発
現の調節において、有用性を見出すことを示唆する。
【0116】 (preS1プロモーター) ルシフェラーゼレポーター遺伝子のすぐ上流に位置するpreS1プロモータ
ーと共に、HBVゲノムの全長コピーを使用して、このルシフェラーゼレポータ
ー構築物を産生し、そして部位特異的な変異誘発を実行して、既知の転写因子結
合部位およびリンカースキャナ変異体において、4つの変異体を産生した。変異
誘発された構築物を、上記のようにHep3AD38に一過性にトランスフェク
トし、そしてプロモーター活性について試験した。実施例3において詳述される
ように、既知の転写因子結合部位(HNF1と称される)を、preS1プロモ
ーター活性に対して重要であると見出した。
【0117】 本明細書中に提供される結果は、配列番号23および配列番号24として示さ
れる調節配列が、1つまたは両方の調節配列を含むHBV preS1プロモー
ターに作動可能に連結された自系遺伝子もしくは異種遺伝子の発現の調節におい
て有用性を見出すことを示す。
【0118】 (HBV Xプロモーター) HBV Xプロモーターを、コアプロモーターについて記載されるものに類似
する、欠失およびリンカースキャニング実験によって分析した。
【0119】 ルシフェラーゼレポーター構築物を、レポーターコード配列のすぐ上流に位置
するHBVゲノムおよびHBV Xプロモーターの全長コピーと共に構築した。
プロモーター構築物を、HBV Xプロモーターまたは既知の転写因子結合部位
において、21塩基対変異の連続的なブロックを用いて調製した。実施例3にお
いて詳述されるように、変異体構築物を、肝臓癌誘導HepG2にトランスフェ
クトし、そしてHepG2細胞株をHBV:22.1.5およびHepAD38
で安定にトランスフェクトし、そしてルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を
分析して、HBVプロモーター活性を決定した。ドメイン3、4、および6にお
ける変異、ならびに二重の変異(ドメイン3および6、ならびにドメイン4およ
び6)は、活性において最も大きい減少を生じた。さらなるHBV−Xプロモー
ターレポーター構築物を、種々の既知の転写因子結合部位における変異を用いて
作製し、そしてルシフェラーゼレポーター活性について評価して、ドメイン18
および19がまた、HBV Xプロモーターの活性のために重要であることを示
唆した。
【0120】 本明細書中に提供される結果は、配列番号26、配列番号27、および配列番
号28として示される調節配列が、1つ以上の調節配列を含むHBV Xプロモ
ーターに作動可能に連結された自系遺伝子もしくは異種遺伝子の発現の調節にお
いて有用性を見出すことを示す。
【0121】 (VIII. バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)) 最近、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の感染および集落形成の発生率の
急激な増加が報告されている。観察された耐性は、(1)ほとんどのVREがま
た、このような感染を処置するために以前に使用された薬物(すなわち、ペニシ
リンおよびアミノグリコシド(CDC、1993;Handwergerら、1
993))に対して耐性であるため、VRE感染についての効果的な抗菌治療が
不十分であること;ならびに(2)VREにおいて存在するバンコマイシン耐性
遺伝子が、他のグラム陽性微生物に転移するという可能性、に起因して関心が持
たれる。
【0122】 腸球菌は、消化管および女性の泌尿生殖器管の正常な微生物叢の一部であり得
るが、最近の研究は、腸球菌は、病院の設定において直接伝染され得ることが示
されている(例えば、Boyceら、1994を参照のこと)。腸球菌は、院内
感染の原因として認識され、そしていくつかの株は、複数の抗菌剤に対して耐性
である。最も一般的な腸球菌に関連するほとんどの院内感染は、尿路感染、手術
後感染、および菌血症である(Murray、1990;Moellering
RC Jr.、1992;Schabergら、1991)。
【0123】 バンコマイシンは、1970年代後半から、Enterococcus感染を
処置するために広範に使用されている。最近、バンコマイシン耐性腸球菌(VR
E)の感染および集落形成の発生率の迅速な増加が報告されている。
【0124】 バンコマイシン耐性および他のグリコペプチド抗体に対する耐性は、D−ラク
トース(これは、バンコマイシンのような抗生物質に対して低い親和性を有する
)で終結する改変された細胞壁前駆体の合成と関連している。
【0125】 代表的には、グラム陽性細菌の細胞壁合成は、ペプチドグリカン形成のプロセ
スの一部としてのアセンブリ、膜輸送、細胞壁への組み込みおよびペンタペプチ
ド前駆体分子の架橋を含む。ペプチジル−D−ala−D−ala前駆体との複
合体を形成し、それによってトランスグリコシラーゼおよびペプチドグリカンへ
の組み込みにより前駆体輸送を阻害し、そして細菌細胞壁を弱めることによって
、バンコマイシンは、機能する。A型高レベルバンコマイシン耐性は、C末端D
−alaをD−lacに置き換えるオペロンによって達成され、その結果、バン
コマイシン結合が阻害される(Walsh C、1999)。
【0126】 オペロンは、センサータンパク質、VanSおよび細胞質応答調節因子、Va
nRからなる2成分調節系によって制御される。
【0127】 VanSは、ヒスチジン残基(H164)において自己リン酸化を起こす2ド
メイン膜貫通シグナル伝達キナーゼである。ATPの存在下でホスホ−VanS
は、VanR(2)上のアスパラギン酸残基にホスホトランスファーを起こし得
る。ホスホ−VanRが高い効率でPvanHに結合し、そしてバンコマイシン
耐性に必要な遺伝子の転写を増加することが研究によって示された(Haldi
mannら、1997;Holmanら、1994)。
【0128】 高レベル誘導性のバンコマイシンおよびテイコプラニン耐性に必要な遺伝子を
生じるポリシストロンメッセージは、vanH、A、X、YおよびZからなる。
バンコマイシン耐性酵素VanHは、ピルベートをD−ラクテートに立体特異的
に還元するα−ケト酸であり、これは、バンコマイシン標的ジペプチドD−アラ
ニン−D−アラニンを置換する細菌細胞壁の一体化部分を形成する((Stol
lら、1998;Marshalら、1999)。
【0129】 本発明は、VanHプロモーター内に適切に配置されるDNA結合分子が、ホ
スホ−VanRを置換し、そして誘導性耐性遺伝子の転写をシャットダウンし、
従って、細菌をもう一度バンコマイシンに対して感受性にする。この機構は本発
明の一部ではないが、耐性遺伝子の転写をシャットダウンすることは、他の2つ
の成分調節系の応答調節因子とPvanHとの間の潜在的なクロストークに起因
する2成分調節系のシャットダウンに好ましい(Silvaら、1998)。
【0130】 従って、vanHプロモーターの発現を調節することが、感染性疾患の処置に
対する適用を有する。
【0131】 VREの9個のA型株由来のvanHプロモーターのDNA配列決定は、公開
されたA型調節領域(GenBank登録番号M97297)と高い程度の配列
同一性を示した。E.coliおよびEnterococus種における増殖お
よび維持を可能にする、バックグラウンドにおけるルシフェラーゼの上流にVR
Eプロモーター配列を含む、改変されたpAM401プラスミド(ATCC)を
、設計した(実施例4を参照のこと)。
【0132】 VREプロモーター領域の部位特異的変異誘発は、コンセンサスプロモーター
配列の短い8〜10bp領域(リン酸化VanRフットプリント内の−35コン
センサス結合部位を含む)を系統的に変えることによって行った(Arthur
ら、1992)。さらに、M2−M21と称される20リンカースキャニング変
異体を作製し、そしてルシフェラーゼの上流にVREプロモーター配列を含む核
酸構築物を、pRLUC親ベクターにサブクローン化し、そしてE.coliに
形質転換した。
【0133】 各リンカースキャナープロモーター変異体を活性について試験し、上方制御お
よび下方制御が観測された。最も大きな減少は、野生型活性の0%であり、そし
て最も大きな増加は、野生型活性の1737%であった。リン酸化VanR(M
2−M8)によってフットプリントされたことが報告された領域内の全ての変異
体が、減少した活性を示した。増加した活性は、−30〜+20にわたる変異体
において観測され、これは、この領域におけるレプレッサ結合部位の可能性を示
唆する。変異体M8およびM9は、試験された変異体の最も高いルシフェラーゼ
活性を一貫して生じることを示した(実施例4)。
【0134】 本明細書中に記載される結果は、配列番号32、配列番号33および配列番号
34として提示される調節配列が、1つ以上の調節配列を含むVREプロモータ
ーに作動可能に連結される自己遺伝子または異種遺伝子の発現を調節する際に有
用性を見出すことを示す。
【0135】 (IX.アンドロゲンレセプター) 前立腺癌は、米国における男性において最も頻繁に診断される癌である。癌は
、初期に診断された場合、処置可能であるが、しかし、一旦、癌が転移すると、
実質的に全ての患者が12〜18か月で死亡する。転移性前立腺癌の現在の処置
は、外科的手段または化学的手段を使用してアンドロゲンレセプター(AR)を
標的化する工程を包含する。アンドロゲンレセプター(AR)は、アンドロゲン
(例えば、テストステロンまたはジヒドロテストステロン(DTH))に結合す
る場合、遺伝子発現を直接調節し、そして前立腺維持に必要とされる。一旦、ア
ンドロゲンが除去されると、前立腺においてARによって調節される遺伝子は、
オンにまたはオフにされ、プログラムされた細胞死またはアポトーシスを生じる
【0136】 ヌクレオチド−6000〜+1100からのアンドロゲンレセプタープロモー
ターは、プライマー設計のためにGenBank配列を使用して、PCRによっ
てゲノムDNAからクローン化された。増幅されたプロモーター配列を、引き続
く一過性のトランスフェクションおよびルシフェラーゼ発現の評価のために、p
GL3 basic(Promega)にサブクローン化した。大きな一連の欠
失構築物を作製し、実施例5に詳細に記載されるように、一過性トランスフェク
ションに続いて試験した。
【0137】 種々の構築物の一過性トランスフェクションに続いて、AR+細胞株、LNC
aPにおいて、ルシフェラーゼ発現アッセイの結果は、ヌクレオチド−2000
と−200との間のレプレッサ結合部位、およびヌクレオチド−150〜−10
0(ホモプリンストレッチ)、−100〜−50(SP1部位)、および−50
〜+1(ヘリックスループヘリックス結合部位)の複数のアクチベーター部位の
存在を示す。
【0138】 より詳細には、この結果は、(1)ホモプリン領域の5’領域が、−150〜
−100の活性の全てを表し;(2)下流ヘリックス−ループ−ヘリックス配列
の3’領域は、別の2倍の活性を含み;そして(3)下流ヘリックス−ターン−
ヘリックス部位は、1.5倍の活性を含むことを示唆する。
【0139】 本発明は、ARプロモーターの調節配列の同定を表し、この調節配列の例は、
各々、配列番号64、配列番号65および配列番号66として与えられている。
配列番号64、配列番号65および配列番号66に提示される調節配列は、1つ
以上の調節配列を含むARプロモーターに作動可能に連結された自己遺伝子また
は異種遺伝子の発現を調節する際に有用性を見出す。
【0140】 (X.Her2) Her2(ヒト上皮増殖因子レセプター2;c−erbB2、neu)は、乳
癌のサブクラスの転移増殖に関係するチロシンキナーゼ増殖因子レセプターであ
る。Her2過剰発現は、乳癌を有する30%までの患者において生じ、より迅
速な疾患の進行およびより短い生存によって特徴付けられる疾患の特に攻撃的な
形態と関連する。Her2は、乳癌細胞、卵巣癌細胞、ならびに種々の他の癌細
胞において過剰発現され得る。従って、Her−2の調節発現は、このような過
剰発現を調節するのに有用である。
【0141】 ヒトHer2プロモーターの2000bpフラグメントは、以下のオリゴヌク
レオチドを使用してゲノムDNAから増幅されるPCRであった。この精製され
たフラグメントは、乳癌細胞株MCF−7(低Her2発現)および2R75−
1(高Her2発現)における一過性トランスフェクションルシフェラーゼ発現
アッセイにおいて使用するために、ベクターpGL3−basic(Prome
ga)にNcoIおよびHindIII部位で、サブクローン化された。
【0142】 実施例6において詳細に記載される研究の結果は、Her2プロモーターの重
要な調節部位がヌクレオチド−125と−50との間にあることを示す。さらに
詳細には、Her2の調節発現のための目的の配列は、−23〜−19の推定T
ATAボックスの下流のレプレッサ配列(配列番号70);アクチベーターおよ
びレプレッサ成分の両方を含む複合調節領域(配列番号71);推定TATAボ
ックス/ets部位(配列番号72)である。
【0143】 配列番号70、配列番号71および配列番号72として本明細書中に提示され
る調節配列は、1つ以上の調節配列を含むHer2プロモーターに作動可能に連
結される自己遺伝子または異種遺伝子の発現を調節する際の有用性を見出す。
【0144】 (XI.β−ラクタマーゼ(Bia)プロモーター) β−ラクタム抗体の広範な使用は、このような処置に対して有意な細菌耐性を
生じた。この耐性は、一般的に、グラム陽性細菌およびグラム陰性細菌の両方に
おいて、ラクタマーゼによって媒介される。より詳細には、β−ラクタマーゼ遺
伝子は、多くの型の細菌(E.coliを含む)にアンピシリン耐性を与える。
最近、このような抗体耐性を克服することを指向した治療的アプローチが開発さ
れ、このアプローチは、β−ラクタマーゼインヒビターと組み合わせた、β−ラ
クタム抗生物質の送達を含む。
【0145】 βラクタマーゼ遺伝子の調節発現は、このような抗体耐性を改変するための別
の手段を提供する。βラクタマーゼ遺伝子のどの領域がβラクタマーゼ発現を調
節するために使用され得るかを決定するために、ルシフェラーゼ遺伝子の上流の
β−ラクタマーゼプロモーター配列を含むルシフェラーゼレセプター構築物が調
製された。
【0146】 天然のβラクタマーゼP3 blaプロモーターのプロモーター変異体は、b
laプロモーター配列(ヌクレオチド−101〜+43)の塩基対全体を体系的
に変化させることによって作製された。
【0147】 ルシフェラーゼ活性を、E.coli XL1 Blue複製物から調製され
た溶解物において測定した。有意に減少したルシフェラーゼ活性を示す変異体と
しては、−35領域(−41〜−30、M6);−10領域(−17〜−6、M
8);開始部位(−5〜+7、M9);および+20〜+31(M11)におい
て変異を有するものが挙げられる。これらの構築物のルシフェラーゼ活性は、実
施例7にさらに記載されるように、それぞれ、野生型の24%、29%、15%
および2%に減少した。
【0148】 blaプロモーターリンカースキャナー変異体構築物を、biaプロモーター
全体のうちの異なる位置に6または12塩基対の変異を誘導することによって作
製された。変異体のRenillaルシフェラーゼレポーター活性を測定し、そ
して野生型pBla−Renillaルシフェラーゼ構築物の活性と比較された
【0149】 配列番号77および配列番号78として本明細書中に提示される調節配列は、
1つ以上の調節配列を含むβラクタマーゼ(bla)プロモーターに作動可能に
連結される自己遺伝子または異種遺伝子の発現を調節する際に有用性を見出す。
【0150】 (XII.有用性/適用) 本発明は、種々のプロモーターの単離、そのプロモーターの特徴付け、および
特にプロモーターの調節エレメントの特徴付けに関する。本明細書中に記載され
るプロモーターは、調節された遺伝子発現において有用性を見出し、そして天然
の細胞性因子(例えば、転写調節タンパク質)との相互作用によって、または外
因的に提供される細胞性因子または化合物との相互作用によって機能し得る。
【0151】 プロモーターは、最小の長さのプロモーターまたは全長の長さのプロモーター
であり得る。本明細書中に記載されるプロモーター配列が、最小のプロモターエ
レメントを単独で、または所与の遺伝子産物の発現に関係する制御配列(「転写
および翻訳調節配列」とも呼ばれる)とともに含むことが理解される。一般的に
、転写および翻訳調節配列としては、限定しないが、プロモーター配列自身、転
写調節タンパク質に対するDNA応答エレメント、リボソーム結合部位、転写開
始および終止配列、翻訳開始および終止配列、ならびにエンハンサー配列または
アクチベーター配列が挙げられる。
【0152】 転写調節タンパク質の、その対応するDNA応答エレメントへの結合は、この
プロモーターに作動可能に連結したプロモーターの制御下で、遺伝子の発現を調
節するように働く。このような結合および調節に重要な配列の同定は、転写を制
御することによってこのプロモーターの制御下で遺伝子の発現を制御するための
フレームワークを提供する。
【0153】 従って、本明細書中に記載されるプロモーター調節配列は、関連するプロモー
ターに作動可能に連結した遺伝子の発現を調節するために使用され得る。このよ
うなプロモーター調節配列は、異種核酸構築物の設計および構築において、そし
てネイティブの遺伝子の調節された発現において、有用性が見出される。
【0154】 本明細書中に記載されるプロモーター調節配列はまた、このプロモーターに作
動可能に連結した遺伝子の発現を調節するためのDNA結合化合物と共に使用さ
れ得る。
【0155】 いくつかの場合、所定のプロモーターは、自然の要因によって調節され得る。
例えば、他の組織における発現に影響することなく、特定の組織における遺伝子
の発現を促進する、細胞型特異的プロモーター、発生的に調節されたプロモータ
ー、または疾患特異的プロモーターに作動可能に連結された遺伝子の発現は、本
明細書中に記載の配列を使用して調節され得る。
【0156】 より詳細には、サイクリンD1プロモーターの制御下で遺伝子の発現を調節す
る能力は、種々の癌(乳癌、結腸癌および膵臓癌が挙げられるがこれらに限定さ
れない)を処置するための用途を有する。
【0157】 CD40とCD40Lとの間の相互作用は、B細胞活性化およびアイソタイプ
の切り替えに必要である。従って、CD40L遺伝子プロモーターの活性の調節
は、種々の免疫学的障害(例えば、自己免疫疾患)の処置における有用性を見出
す。
【0158】 HBV特異的コア、pre−SおよびXプロモーターの制御下で調節された遺
伝子の発現は、HBV疾患の治療において、そして肝細胞特異的遺伝子の発現の
調節において、有用性を見出す。
【0159】 抗生物質であるバンコマイシン(これは、Enterococcus感染を処
置するために使用される)に対する耐性は、バンコマイシン耐性酵素であるVa
nHと関連する。従って、vanH遺伝子プロモーターの調節された発現は、E
nterococcus感染の処置における有用性を見出す。
【0160】 アンドロゲンレセプター(AR)が、前立腺癌の処置のための多数の治療スト
ラテジーの現在の標的であることを考慮すると、アンドロゲンレセプター遺伝子
プロモーターの調節された発現は、前立腺癌の処置における有用性を見出す。
【0161】 Her2は、乳癌ならびに種々の他の型の癌のサブクラスの転移性増殖に関連
するチロシンキナーゼ増殖因子レセプターである。従って、Her2遺伝子プロ
モーターの調節された発現は、癌の処置についての有用性を有する。
【0162】 β−ラクタマーゼ遺伝子は、E.coliにアンピシリン耐性を与える。従っ
て、β−ラクタマーゼ遺伝子プロモーターの調節された発現は、このような抗生
物質耐性の調節に関連する。
【0163】 従って、本明細書中に記載されるプロモーター調節配列の配列情報および機能
的特徴付けは、種々の有用な用途において、内因性遺伝子および導入遺伝子(そ
れぞれ、自系遺伝子および異種遺伝子)の転写を調節するために使用され得る。
【0164】 本発明は、特定の方法および実施形態を参照して記載されるが、本発明から逸
脱することなく、種々の改変および変更がなされ得ることが理解される。
【0165】 (方法および材料) (ルシフェラーゼアッセイ)細胞を、PBS緩衝液で1回洗浄し、1mlのP
BS中に収集し、ペレット化し、そして室温で、100μlの受動的溶解緩衝液
(Promega)で15〜20分間溶解した。この細胞溶解物を、5分間遠心
分離し、次いで10μlの溶解物を、100mlのルシフェラーゼアッセイ試薬
(Promega)に添加する。アッセイを、照度計(EG&G Bertho
ld)で行った。ルシフェラーゼ活性を、光単位の割合として示す。収集の際の
トランスフェクション効率およびバリエーションについての補正を、SV40
renillaルシフェラーゼレポーター遺伝子(PRL−SV40)またはプ
ロモーターなしのrenillaルシフェラーゼ遺伝子(PRL−Null)の
同時トランスフェクト、および同じDual Luciferaseアッセイ(
Promega)においてrenillaルシフェラーゼ内部コントロールの活
性を決定することによって行った。renillaルシフェラーゼ活性での標準
化後、相対的ルシフェラーゼ活性を得、そして三連のウェルから平均および標準
偏差を算出した。一般に、トランスフェクションを、少なくとも2つの独立した
実験で繰り返し、そして再現した。
【0166】 (実施例1) (サイクリンD1プロモーター分析) −1745〜+155(図4、配列番号1)の全長ヒトサイクリンD1プロモ
ーターを、PCR増幅し、そしてホタルルシフェラーゼレポータープラスミドp
GL3ベーシックにクローニングした。一連のサイクリンD1 5’プロモータ
ー欠失を同様に構築し、そしてpGL3ベーシックにクローニングした。変異体
プロモーター構築物を、MCF7細胞、第2サイクリンD1過剰発現乳癌細胞株
(ZR75);正常にサイクリンD1を発現する胸部細胞株(HMEC);サイ
クリンD1過剰発現結腸癌細胞株(HCT116);およびサイクリンD1過剰
発現膵臓癌細胞株(PANC−1)においてアッセイした。
【0167】 (プラスミドの構築) ヒトサイクリンD1プロモーターの1900bpのフラグメントを、以下のオ
リゴヌクレオチドを使用して、ゲノムDNAからPCR増幅した:5’−GCA CGC GTG CTA GCC AGC TGG GCC CTT GT−
3’(配列番号2)および5’−ATC CAT GGA AGC TTT G
GG GCT CTT CCT GGG CA−3’(配列番号3)。この精製
したフラグメント(配列番号1)(これは、サイクリンD1プロモーターの転写
開始部位に対してヌクレオチド−1745〜+155で表される)を、MluI
およびHindIII部位でベクターpGL3ベーシック(Promega)に
サブクローニングして、レポーター−1745D1/LUCを形成した。一連の
5’欠失物を、5’−GCA CGC GTG CTA GCT GGA GC
C TCC AGA GGG CTG T−3’(配列番号4)として示される
配列を有するPCRプライマーを使用して、以下のようにネイティブプロモータ
ープラスミドのポリメラーゼ連鎖反応を使用してクローニングした:−1590
まで5’欠失、−1440まで5’欠失、−690まで5’欠失、−545まで
5’欠失、−390まで5’欠失、−245まで5’欠失、および−90まで5
’欠失。
【0168】 5’欠失構築物についてのプロモーター活性を、非同期型MCF7ヒト乳癌細
胞(これは、サイクリンD1を過剰発現する)へのトランスフェクション後の全
長(−1745)サイクリンD1プロモーターと比較した。全長プロモーター(
−1745)の状況における−1745と−245との間のサイクリンD1プロ
モーター領域の欠失は、MCF7細胞における基礎的なプロモーター活性に対し
てほとんど影響を有さなかった。
【0169】 QuickChange変異誘発システムおよび親の−1745D1/LUC
プラスミドを用いて、AP1、CRE、E2F、SP1、およびOct1の部位
の部位特異的突然変異誘発、ならびに近位のプロモーターのリンカースキャニン
グ変異誘発を行った。制限酵素分析およびDNA配列決定によって、これらの構
築物の完全性を確認した。
【0170】 E2F部位の変異{Motokura&Arnold、1993}によって、
野生型の活性の63%を保持する構築物が生じた。CREエレメントの変異によ
って、野生型活性の32%を保持する構築物が生じた。このことは、MCF7細
胞における基礎的なサイクリンD1発現に対してCREエレメントが重要である
ことを示す。
【0171】
【化1】 MCF7細胞に加えて、変異プロモーター構築物を、別のサイクリンD1過剰
発現乳癌細胞株であるZR75で;サイクリンD1を正常に発現する乳房細胞株
であるHMECで;サイクリンD1過剰発現結腸癌細胞株であるHCT116で
;そして、過剰発現する膵臓癌細胞株であるPANC−1で;アッセイした。−
1745の野生型、−10欠失、またはサイクリンD1プロモーターの種々の部
位特異的変異体を、プロモーターのないホタルルシフェラーゼプラスミド(pG
L3−ベーシック)に挿入し、そしてSV40プロモーター駆動Renilla
ルシフェラーゼコントロールプラスミドとともに種々の細胞に同時トランスフェ
クトした。各構築物に関するホタルルシフェラーゼ活性を、Renillaルシ
フェラーゼ活性に対して正規化した。そしてこの活性を全長野生型プロモーター
(−1745)の活性に対して示す。
【0172】 (組織培養) ヒト乳房癌腫細胞株MCF7およびZR75を、10%ウシ胎仔血清、10μ
g/mlウシインスリンおよび抗生物質(ペニシリン/ストレプトマイシン)を
含有するDMEM/F12培地中で維持した。ヒト結腸癌腫細胞株HCT116
を、10%ウシ胎仔血清およびペニシリン/ストレプトマイシンを含有するMc
Coy’s培地中で維持した。ヒト膵臓細胞株PANC−1を、10%ウシ胎仔
血清およびペニシリン/ストレプトマイシンを含有するDMEM/F12培地中
で維持した。ヒト哺乳動物上皮細胞(HMEC)を、ウシ下垂体抽出物(50μ
g/ml)、ヒドロコルチゾン(500ng/ml)、hEGF(10ng/m
l)、およびインスリン(5μg/ml)を補充した、上皮増殖培地中で維持し
た。全ての株は、37℃、5%COで維持した。MCF7、ZR75、HCT
116、およびPANC−1細胞を、American Type Cultu
re Collectionから購入した。HMEC細胞をClonetics
Corpから購入した。
【0173】 (一過性トランスフェクション) 6ウェル組織培養プレート(Corning、NY)中で、三連で、Lipo
fectAMINE(GIBCO Life Sciences)を用いて、細
胞を一過性にトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間前に、各
ウェルに等しい数の細胞(3×10/ウェル)を播種した。トランスフェクシ
ョン前に、細胞を800μlの新鮮培地(5%FBSおよびペニシリン/ストレ
プトマイシンを含有するOptiMEM)中で平衡化した。200μlのトラン
スフェクト緩衝液中で、種々の異なるサイクリンD1プロモーター構築物を含有
する5μgのレポータープラスミドを用いて、細胞をトランスフェクトした。ト
ランスフェクション溶液を用いて4時間インキュベーションした後、5%FBS
およびペニシリン/ストレプトマイシンを含有する4mlのOptiMEMを細
胞に供給した。トランスフェクション後48時間で、細胞ウイルスを回収した。
【0174】 (サイクリンD1プロモーターエレメントの分析) 以下の表1および2は、MCF7細胞におけるサイクリンD1プロモーターの
欠失分析研究の結果のまとめを示す。サイクリンD1プロモーターの種々の5’
欠失体または部位特異的変異体を、プロモーターのないホタルルシフェラーゼプ
ラスミド(pGL3−ベーシック)に挿入し、そして、SV40プロモーター駆
動Renillaルシフェラーゼコントロールプラスミドとともに、サイクリン
D1を過剰発現する、MCF7細胞ヒト乳房癌腫細胞(Buckley、199
3)中に同時トランスフェクトした。各構築物の長さを、転写開始部位(+1)
に対して示す。各構築物についてのホタルルシフェラーゼ活性を、Renill
aルシフェラーゼ活性に対して正規化した。そしてこの活性を全長野生型プロモ
ーター(−1745)の活性に対して示す。このデータを、三連で行った2つの
独立したトランスフェクションの最小値とともに平均±SEMとして示す。全長
プロモーター(−1745)の状況における−1745と−245との間のサイ
クリンD1プロモーター領域の欠失は、いくつかの可能性のある転写因子結合部
位が、その領域で以前に同定されているにもかかわらず、MCF7細胞における
基礎的なプロモーター活性に対してほとんど影響を有さなかった。
【0175】 −30〜−21領域の変異と組み合わせてCREの変異を含むサイクリンD1
プロモーター構築物は、試験した全ての細胞株において、プロモーター活性の重
度の障害を生じた。以下で記載したように実行したインビボフットプリント実験
法によって、HCT116細胞においてCREおよび−30部位の両方に結合す
る因子が実証される。
【0176】 試験された全ての細胞株において、CREbamおよびCRE4C5Gとして
設計された構築物中のCREの変異は、基礎的なプロモーター活性をかなり減少
させたが、最も強力な効果は、MCF7細胞において見られた。対応する野生型
の配列を、配列番号7として示す。
【0177】 −30〜−21部位の変異は、いくつかの細胞株において基礎的なサイクリン
D1プロモーター活性を減少させたが、他では減少させなかった。しかし、試験
した全ての細胞株において、CRE(構築物CRE4C/−31−21)の変異
と組み合わせた−30〜−21部位の変異は、基礎的なプロモーター活性をかな
り、かつ、いずれかの部位単独の変異が減少させるよりも高い程度に減少させた
(表1)。これは、CREおよび−30〜−21部位の両方が、試験された全て
の過剰発現癌細胞株ならびに正常レベルのサイクリンD1を発現するHMEC細
胞において、基礎的なサイクリンD1プロモーター活性の転写調節に関与するこ
とを示唆する。サイクリンD1プロモーターの種々の他の領域における変異の効
果を、以下の表2に要約する。
【0178】 (表1.サイクリンD1プロモーター構築物のレポーター活性)
【0179】
【表1】 (表2.サイクリンD1プロモーター構築物のレポーター活性)
【0180】
【表2】 AP1、CRE、E2F、SP1およびOct1部位の部位特異的変異誘発、
ならびに近位プロモーターのリンカー−スキャニング変異誘発を、プロモーター
活性に対する効果を決定するために実行した。これらの結果は、E2F部位の変
異(Motokuraら、1993)が、中程度に減少した活性を生じたことを
示すが、CREエレメントの変異は、これがMCF7細胞における基礎的なサイ
クリンD1発現に重要であることを示した。
【0181】 CCND1プロモーターの完全な分析は、−52でのCRE部位が、HCT1
16結腸癌細胞、PANC−1膵臓癌細胞、MCF7およびZR75乳癌細胞な
らびにサイクリンD1を正常に発現するHMEC乳房細胞におけるサイクリンD
1の発現のために重要な部位であることを示す。以下の表3および4のサイクリ
ンD1において示されるように、塩基−30〜−21の変異は、基礎的なプロモ
ーター活性を33%に減少させ、MCF7細胞におけるサイクリンD1発現のた
めの、別の重要かつ新規な活性化部位を明らかにした。塩基+1〜+9または+
10〜+19の変異もまた、基礎的なプロモーター活性を、それぞれ、37%お
よび62%に減少させた。CER(配列番号7)および−30〜−21部位(配
列番号5)における変異を含む二重変異は、構築され、そしてMCF7細胞にト
ランスフェクトされ、試験された全ての細胞株において保持される全長の野生型
プロモーターの、わずか11%の活性を生じた。+1〜+9部位(配列番号8)
と組み合わせたCREの二重変異は、活性を14%に減少させた。
【0182】 (表3.サイクリンD1プロモーター構築物のレポーター活性)
【0183】
【表3】 (表4.サイクリンD1プロモーター構築物のレポーター活性)
【0184】
【表4】 近位プロモーター領域をより詳細に試験するため、一連の部位特異的変異を、
pGL3 basicの全長プロモーター(−1745)に関して、−62〜+
20の10bpセグメントで作製した。ルシフェラーゼ活性を、MCF7細胞へ
のトランスフェクション後に評価した。表5に示される結果は、CREの直ぐ5
’側の10bp(構築物5’CREm)、または塩基−20〜−11の10bp
のいずれかの変異が、プロモーター活性を増大させたことを示し、これは、これ
らの領域中のネガティブな転写調節部位の存在を示唆する。−30〜−21プロ
モーター領域の部位特異的変異誘発を実行し、そして構築物をMCF7細胞にお
いてアッセイした。アッセイの結果は、−30と−24との間の塩基(GAGT
TTT、ヌクレオチド配列番号6)が、この部位からの転写活性化に最も重要で
あることを示す。
【0185】 (表5.サイクリンD1プロモーター構築物のレポーター活性)
【0186】
【表5】 転写活性化のために重要な配列の同定は、このプロモーターの調節配列を使用
して、腫瘍細胞における内因性サイクリンD1の発現を特異的に調節することが
可能であることを示唆する。
【0187】 (インビボのフットプリント法) サイクリンD1プロモーターのインビボのフットプリント法を、Muelle
r PRおよびWold B、Science、246(4931):780−
786、1989に記載のように実行した。CREおよび−30〜−21領域内
に結合する転写因子を、硫酸ジメチル(DMS)またはUV光をHCT116細
胞において使用するインビボのフットプリント法によって評価した。これらの研
究の結果は、CREが、CRE結合タンパク質(CREB)に対する作用の様式
と一致して、血清飢餓細胞および血清刺激細胞の両方において保護されることを
示す(例えば、KWOK、1994を参照のこと)。これらの結果はまた、タン
パク質がHCT116細胞において−30〜−21領域に結合しており、そして
この部位が血清飢餓細胞および血清刺激細胞の両方において保護されていること
を示す。−30〜−21領域における結合を担う因子の同定は、決定されるべき
ままである。
【0188】 (実施例2) (CD40リガンド(CD40L)プロモーターエレメントの同定) −1860〜+49の全長ヒトCD40Lプロモーター(配列番号9)を、P
CR増幅し、そしてホタルルシフェラーゼレポータープラスミドpGL3−ba
sic中にクローニングした。CD40Lプロモーター領域の1920bpのエ
レメント(−1860〜+49、図5A〜C)を、サブクローニングを容易にす
るために5’XhoI部位および3’HindIII部位を有する以下のプライ
マーを使用して、ゲノムDNA(Clontech)からPCR増幅した。 TTA TGA TAC CTC GAG GGG AGA GCA TTC
AGG AAG CTG(配列番号10);および TGA ATC ACG AAG CTT TGG TAT CTT CTG
GCA GAG AAG(配列番号11)。
【0189】 全ての5’欠失を、3’HindIIIおよび独自の5’XhoI配列を含む
プライマーを使用して、同じ様式で生成した。内部欠失変異体および部位特異的
変異体を、製造業者の推奨により、Quick Change Mutagen
esis(Stratagene)を使用して作製した。変異構築物を、新たに
改変された部位の制限消化によって予めスクリーニングし、そして配列決定によ
って確認した。変異構築物を、Qiagenの内毒素を含まない単離システムを
使用して精製した。
【0190】 (PBMCの調製) 末梢血単核細胞(PBMC)を、Ficoll−Hypaque遠心分離によ
ってバフィーコートから精製し、カルシウムおよびマグネシウムを含まないDu
lbecco’sリン酸緩衝化生理食塩水で3回洗浄し、RPMI 1640培
地(Gibco BRL)、15% FCS(Gibco BRL)中に5×1
細胞/mlで再懸濁し、そして2mM L−グルタミン(Gibco BR
L)、1×ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco BRL)および10
% IL−2(Hemagen Diagnoctics)を補充し、次いで、
1ウェル当たり2mlで12ウェルのプレートにプレートした。次いで、PBM
Cを、最終濃度50ng/mlでTSST−1(Toxin Technolo
gies)を用いて刺激した。細胞を、3〜3.8×10細胞/mlで培養し
、1週間培養し、次いで、Ficoll−Hypaque遠心分離に供し、そし
て3×10細胞/mlで、1ウェル当たり3mlで12ウェルのプレートにプ
レートした。末梢血CD4T細胞を、2週目または3週目に、製造業者のプロ
トコール(Milteny Biotec)に従ってCD8磁性微小ビーズを
用いる枯渇によって単離した。涸渇後、末梢血CD4T細胞を、照射した異質
遺伝子型の全末梢血単核細胞およびTSST−1を用いて刺激した。約1週間後
、細胞を再び刺激し、そして20時間後にトランスフェクトした。
【0191】 PBMCを、完全倍地中に2×10細胞/mlで再懸濁し、250μlの細
胞懸濁物を、250ボルトかつ960マイクロファラッドでGene Puls
er 11(BioRad)を使用して、25μgのレポーター構築物および0
.25μgのRenillaルシフェラーゼを発現する共レポーター(co−r
eporter)(pRLSV40;Promega)を用いてトランスフェク
トした。エレクトロポレーションした細胞をプレートし、37℃で2時間休ませ
、次いで、(最終濃度25ng/mlで)PMAおよび(最終濃度1.5μMで
)イオノマイシン(Sigma)を用いて活性化した。活性化の9時間後、細胞
を収集し、リン酸緩衝化生理食塩水で2回洗浄し、レポーター溶解緩衝液(Pr
omega)50μl中で溶解させ、そして各溶解物の20μlを、Prome
gaのDual−Luciferase Reporter Assay Sy
stemを使用して、製造業者の指示に従って、EG&G Berthold
Lumat LB9507照度計で発光について評価した。
【0192】 (CD40Lプロモーターエレメントの分析) 一連の5’CD40Lプロモーター欠失を、PCR増幅し、そしてホタルルシ
フェラーゼレポータープラスミドpGL3−basic中にクローニングし、全
てのクローンについての信頼度を、DNA配列決定によって確認した。5’欠失
構築物についてのプロモーター活性を、正常に増殖するT細胞へのトランスフェ
クションならびにPMAおよびイオノマイシンを用いた活性化の後に、全長(−
1860)CD40Lプロモーターの活性と比較した。
【0193】 以下の表6は、活性化されたT細胞中の種々の欠失変異体のプロモーター活性
を示し、これらのうちのいくつかは、Shimadzuら、1995に記載され
るような、既知の転写因子コンセンサス部位(潜在的なNF−ATおよびGAT
A−3結合部位を含む)に影響する。
【0194】 (表6.5’欠失を有するCD40Lプロモーターの活性)
【0195】
【表6】 この結果は、(1)−1860と−523との間のCD40Lプロモーター領
域の欠失は、プロモーター活性にほとんど、または全く影響を与えなかったこと
;(2)−427までのCD40Lプロモーターの欠失は、わずかに上昇したプ
ロモーター活性を生じ、このことは、この領域が、陰性の調節エレメントを含み
得ること示唆すること:および(3)−280まで、さらに−248まで、なお
さらに−60まで、そしてなおさらに−26までのプロモーターの欠失は、る野
生型プロモーターに関連する活性を減少し、このことは、−427と−280と
の間の、−280と−248との間の、−87と−60との間の、および−87
と−26との間のアクチベーター部位の存在を示唆する。
【0196】 一連の内部欠失を、pGL3−basicにおける全長−1860プロモータ
ーの状況において作製して、大きなプロモーター領域の欠失が、陽性調節エレメ
ントと陰性調節エレメントの両方を除去し、それによって共同的な効果を生じる
可能性を示す。種々の欠失したCD40Lプロモーター配列を、プロモーターの
ないホタルルシフェラーゼレポータープラスミド(pGL3−basic)にク
ローニングして、そしてSV40に駆動されるRenillaルシフェラーゼ制
御プラスミド(pRLSV40)と共に増殖したT細胞に同時トランスフェクト
した。各構築物についてのホタルルシフェラーゼ活性を、Renillaルシフ
ェラーゼ活性に対して正規化し、そして転写開始部位に関連が示される各5’欠
失構築物の長さえい有する全長プロモーター(−1860)の活性に関して報告
した。全ての内部欠失クローンを、DNA配列決定によって確認した。次いで、
内部欠失プロモーター構築物を、T細胞の拡大された培養物にトランスフェクト
し、そして活性を、PMAおよびイオノマイシンでの活性化後の−1860プロ
モーター構築物の活性と比較した。3連で行なった最低2回の独立したトランス
フェクションに対する、平均+/−平均標準誤差として示される結果を、以下の
表7に提供する。
【0197】 (表7.CD40Lおよびプロモーター活性の内部欠失)
【0198】
【表7】 減少したプロモーター活性を生じる内部欠失は、以下を含む:(1)−406
〜−301領域、野生型に関して活性において3分の1の減少;(2)−320
〜−291領域、野生型に関して活性において3分の1の減少;(3)−300
〜−281領域、野生型に関して活性において2分の1の減少;(4)−280
〜−2231領域、野生型に関して活性において3分の1の減少;(5)−23
0〜−211領域、野生型に関して活性において6〜7分の1の減少;(6)−
66 NF−AT部位(欠失−87〜−68)の直ぐ上流の配列野生型に関して
活性において4分の1の減少、;(7)−72〜−49領域、野生型に関して活
性において25分の1の減少;(8)−61〜−40領域、野生型に関して活性
において40分の1の減少;および(9)+9〜+29領域(転写開始部位の下
流)、野生型に関して活性の14%の減少。
【0199】 さらに、pGL3−basicにおける全長CD40Lプロモーター(−18
60〜+49)状況内で構築された種々の部位特異的な変異体を、pRLSV4
0制御プラスミドと共に正常な拡大したT細胞に同時トランスフェクトした。各
構築物に対するホタルルシフェラーゼ活性を、全長野生型プロモーターのRen
illaルシフェラーゼ活性に関して、Renillaルシフェラーゼ活性に対
して正規化した(表8)。この表において、既知の転写因子結合部位の位置が示
され、そして3連で行なった最低2回の独立したトランスフェクションに対する
、平均+/−平均の標準誤差として示されるデータの転写開始部位(+1)に関
して番号をつけた。
【0200】 (表8.部位特異的変異およびプロモーター活性)
【0201】
【表8】 この結果は、CD40Lプロモーターの少なくとも4領域が、ルシフェラーゼ
レポーター発現のレベルおよびDNAフットプリンティング研究によって示され
るように、活性化T細胞における発現に重要であることを示す。これらの結果に
よって活性化T細胞における発現に重要である示唆されるCD40Lのプロモー
ターの領域の領域は、以下を含む:(1)ヌクレオチド−306の近傍の部位(
配列番号12)、これらの特異的な変異は、CD40Lプロモーター活性の4分
の1の下方制御を生じる;(2)−230〜−211領域(配列番号13)の欠
失に基く、−230と−196との間の領域(配列番号14)、これは、CD4
0Lプロモーター活性の6〜7分の1の下方制御を生じ、そして−220〜−2
14、−214〜−208、−208〜−202、または−202〜−197の
部位特異的な変異は、プロモーター活性の2.5〜4分の1の下方制御を生じた
;および(3)欠失変異の発現レベルに基づく、−77と−40との間の領域(
配列番号15)、ここで、−72〜−49または−61〜−40の内部欠失は、
それぞれ、25分の1または40分の1の下方制御を生じた。さらに、−48と
−54との間に位置する以前同定されていない部位との、複合性のAP−1/−
66 NF−AT部位における特異的な変異は、−48〜−54部位を介する転
写の活性化に対する寄与を示す(表7および表8を参照のこと)。
【0202】 いくつかのCD40Lプロモーター領域は、CD40Lプロモーターの調節領
域に1より多い転写因子に結合し、そしてDNA結合化合物を上記のCD40L
プロモーターの調節領域に標的化し、転写因子DNA相互作用の調節を介して、
CD40Lプロモーター媒介転写を阻害するための手段を提供する、上記される
【0203】 (実施例3) (B型肝炎(HBV)) 直線化単位長(unit−length)HBVゲノムフラグメントを、コア
preS1またはXプロモーターのいずれかが極度の3’末端に存在するように
、ウイルスゲノム配列の1.3コピーを含むHBVプラスミドから調製した。こ
のフラグメントは、定方向にレポーター構築物をクローニングした場合、発現を
駆動するために、レポーターコード配列のすぐ上流にプロモーターエレメントを
置換した。これらの野生型コアXおよびpreS1プロモーター構築物のルシフ
ェラーゼレポーター活性を、HepG2、Huh7、22.1.5およびHep
AD38のような肝臓起源の細胞株における一過性のトランスフェクション実験
によって評価した。部位特異的変異またはリンカースキャナー変異によって調製
される、次の変異プロモーター構築物は、当該分野に公知の突然変異誘発方法を
使用してこれらの野生型クローンから調製した。
【0204】 (HBVコアプロモーター) ルシフェラーゼレポーター構築物を、直ぐ上流に位置し、そしてレポーターの
発現を駆動するコアプロモーターを有する、HBVプロモーターの直線化全長コ
ピーを用いて構築した。標的化された配列変異の15ヌクレオチドのブロックを
含む変異原性のプライマーを、MorphTM(5’プライム〜3’プライム、
Boulder,CO)突然変異誘発プロトコルまたはQuikChange (Stratagene,La Jolla,CA)突然変異誘発プロトコル
のいずれかを使用して一連のリンカースキャナー変異プロモーターレポーターク
ローンを産生するように設計した。
【0205】 突然変異誘発に対して抵抗性であることが見出されたプロモーターの標的化セ
グメントを、7〜8個のヌクレオチドからなる変異のより小さなブロックにさら
に細分した。この一連のリンカースキャナークローンは、コアプロモーターセグ
メントの完全長にわたった。変異原性プライマーをまた、使用して、肝細胞核因
子部位、HNF3およびHNF4を含む、既知の転写因子結合部位の部位特異的
変異構築物を構築した。
【0206】 コアプロモーターにおける潜在的に重要な調節エレメントを決定するために、
リンカースキャナー分析を、構築された一連の全身性の変異クローンを使用して
実施した。各リンカースキャナー変異構築物を、肝臓細胞由来の細胞株HepG
2およびHuH7におけるルシフェラーゼレポーター活性に基づいて、一過性の
トランスフェクション実験のプロモーター活性について評価した。HBVの安定
にトランスフェクトされた細胞株22.1.5およびHepAD38をまた、リ
ンカースキャナー分析に使用した。野生型に関して相対的なルシフェラーゼレポ
ーター活性の増大または減少は、遺伝子転写の制御に重要な潜在的な制御エレメ
ントの存在を示す。
【0207】 目的の3つの領域を、リンカースキャナー分析によって同定した。ドメイン5
、ドメイン8/9およびドメイン13における変異は、プロモーター活性の4〜
10分の1の減少を生じた(表9)。全ての3領域は、文献に以前報告されたc
is−エレメントと整列する。ドメイン5は、HNF4転写因子結合部位に対応
する配列(AGGACTCTTGGA 配列番号18)を含む。ドメイン8/9
は、HNF3転写因子結合部位に対応する配列(近位、HNF3−2、GACT
GTTTGTTT、配列番号17)を含む。これらのタンパク質因子部位の両方
は、HBVコアプロモーターについての重要な活性化エレメントとして記載され
る。ドメイン13変異は、プロモーターのTATAボックス配列(CATAAA
)を消滅する。第2のHNF3部位(HNF3−1、ドメイン6)は、ドメイン
8/9に位置する部位に上流に存在することが報告された。しかし、遠位のHN
F3部位の変異は、プロモーター活性における悪影響を全く示さなかった。
【0208】 (表9 HBVコアプロモーターのリンカースキャナ変異クローンのレポータ
ー分析)
【0209】
【表9】 表10において示されるように、いくつかのさらなる領域の変異は、プロモー
ター活性において、4分の1よりも大きい減少を示した。これらの領域(ドメイ
ン5;ドメイン8/9(HNF3転写因子結合部位);およびドメイン13(C
ATAAAボックス))は、文献において報告されたcis−エレメント(それ
ぞれ、HNF−4/HNF−3、HNF−3/Sp1、およびTATAボックス
)と整列するようであり、近位HNF−3部位が1つの重要なエレメントとして
示された。表9において示される発現研究の結果は、ドメイン8(配列番号19
);ドメイン8/9−1(配列番号20);およびドメイン13(配列番号21
)は、転写活性化に関連することを示唆する。
【0210】 (表10 HBVコアプロモーターのHNF3およびHNF4部位の部位指向
性変異のレポーター分析)
【0211】
【表10】 TATAボックスおよびHNF4、ならびにコアプロモーター活性のために最
も重要な制御エレメントとしての近位HNF3部位の同定に続いて、TATA結
合タンパク質(TBP)およびHNF転写因子の結合の結果としての転写活性化
を、さらに研究した。結合するこれらのタンパク質因子の欠損は、プロモーター
の下方調節を生じることが理解される。
【0212】 低分子DNA結合化合物を、共有に係るUSSN 09/518,297(2
000年3月3日出願)においてさらに記載されるように、その同族のヌクレオ
チド結合配列に結合するタンパク質因子の干渉および/または置換のいずれかに
よって、野生型HBVコアプロモーターおよび操作されたHBVコアプロモータ
ーからの転写レベルを変更するこの化合物の能力を試験するために、利用した。
この結果は、プロモーター中の化合物の結合部位を、操作し、それによって、こ
のプロモーターに作動可能に連結されたコード配列の遺伝子発現を調節する手段
として役立てることを示唆する。
【0213】 (preS1プロモーター) ルシフェラーゼレポーター遺伝子のすぐ上流に
位置するpreS1プロモーターと共に、HBVゲノムの全長コピーを含む、こ
のルシフェラーゼレポーター構築物を、作製する。野生型ルシフェラーゼレポー
タークローン(PreSpLuc)をテンプレートとして使用して、部位指向性
変異誘発を、MorphTM(5’Prime→3’Prime、Boulde
r,CO)方法を使用して実行し、既知の転写因子結合部位中に4つの変異体、
および8つの15bpリンカースキャナ(linker scanner)変異
体を生成した。この変異誘発した構築物を、Hep3AD38に一過性にトラン
スフェクトし、そして上記のように、プロモーター活性を試験した。表11は、
変異分析およびルシフェラーゼ発現を駆動する変異されたプロモーターの能力の
結果を示す。
【0214】
【表11】 公知の転写因子結合部位の中で、HNF1部位は、HNF1変異体の活性によ
って確証が得られる(16分の1に活性が低下)ように、PreS1プロモータ
ー活性に対して最も重要であるようである。ドメイン2部位(配列番号23)は
、HNF1部位とオーバーラップし、そしてドメイン2変異体は、13分の1に
活性が低下した。ドメイン6変異体は、3分の1に活性が低下したことを示した
が、これは、ドメイン6部位(配列番号24)がまた、転写活性化に関与してい
ることを示唆する。HNF3結合部位、Sp1結合部位、およびTBP結合部位
の変異は、レポーター活性が2分の1〜3分の1に低下することを生じた。HN
F1部位およびTBP部位で2重の変異を有する構築物においては、さらなるレ
ポーター活性の低下は存在しなかった。対照的に、HNF3またはTBPのいず
れかでの、Sp1の2重変異体において、HNF3単独の変異、Sp1単独の変
異またはTBP単独の変異の構築物において観察されたレポーター活性に対して
さらなる減少が存在した。
【0215】 このHNF1部位をさらにマップするために、1bpのオーバーラップを伴っ
た4つの連続した4bpの変異体を構築し、ルシフェラーゼレポーター構築物中
のプロモーター活性について試験した(表12)。
【0216】
【表12】 このHNF1結合部位にわたる一連の点変異を実施し、この変異体を一過性の
トランスフェクションに続いてのルシフェラーゼ発現について試験した。7つの
変異体のうち4つの変異体は、以下の表13に示されるように、野生型の活性の
うち14〜42%を保持した。
【0217】
【表13】 DNA結合特性を有するリガンドの特徴づけのための蛍光に基づくアッセイを
実行し、この結果を、図2に示す。ハイブリダイゼーション安定化アッセイ(H
SA)を、5’蛍光標識1本鎖DNAおよびDNAの3’Dabsyl標識相補
鎖を使用して、実行した。このオリゴヌクレオチドを、リガンドが結合してこの
2本の鎖が2重鎖化し蛍光シグナルを消光するまで、室温において1本鎖を保持
するように設計した。次いで、このリガンドの直接の結合は、より好ましい配列
2重鎖の存在によって、非消光化され得る。2重鎖が、特定のリガンドに対して
優先的な部位を有さない場合、このシグナルは消光されたままである。図2は、
6つの異なる2重鎖を、DNA結合特性を有するリガンドの特徴付けのための蛍
光に基づくアッセイを使用して、特定のリガンドに対して試験した研究の結果を
示す。ハイブリダイゼーション安定化アッセイ(HSA)を、5’蛍光標識1本
鎖DNAおよびDNAの3’Dabsyl標識相補鎖を使用して、実施した。こ
のオリゴヌクレオチドを、リガンドが結合してこの2本の鎖が2重鎖化し蛍光シ
グナルを消光するまで、室温において1本鎖を保持するように設計した。次いで
、このリガンドの直接結合は、より好ましい配列2重鎖の存在によって、非消光
化され得る。2重鎖が、特定のリガンドに対して優先的な部位を有さない場合、
このシグナルは消光されたままである。図2は、6つの異なる2重鎖を、特定の
リガンドに対して試験した研究の結果を示す。この研究において、蛍光およびd
absylで、25nMおよび35nMにて標識したオリゴを、75nMの21
Xリガンドで、2重鎖化した。次いで、種々の他の2重鎖を、0〜600nMで
添加し、このリガンドの配列の結合傾向を決定した。反応物は、225μlの1
0mM HEPES pH7.2,50mM NaCl,0.1mM EDTA
中であり、そして室温で一晩平衡化した。
【0218】 最も大きい蛍光の回復を可能にする配列は、このリガンドに対して好ましい配
列であると考えられる。21Xに対する結合の傾向について観察された順番は、
以下であった:HNF1−21X>TBP野生型>HNF1野生型>HNF3野
生型>TBP変異体>HNF1変異体(図2)。これらの結果は、TBP変異体
オリゴおよびHNF1変異体オリゴの両方において、A/T塩基の大多数がG/
C塩基に変化している事実と一貫性がある。
【0219】 (HBV Xプロモーター) HBV Xプロモーターを、コアプロモーターについて記載された欠失実験お
よびリンカースキャニング実験に類似の欠失実験およびリンカースキャニング実
験によって分析した。
【0220】 ルシフェラーゼレポーター構築物を、レポーターコード配列の直ぐ上流に位置
するHBVゲノムおよびHBV Xプロモーター(図3)の全長コピーを用いて
構築した。プロモーター構築物を、HBV Xプロモーターまたは既知の転写因
子結合部位由来の21塩基対の変異した配列の連続したブロックを用いて調製し
た。
【0221】 変異体構築物を、肝腫瘍由来細胞株HepG2(HepG2、ならびにHBV
:22.1.5およびHepAD38で安定にトランスフェクトした細胞株)中
に、トランスフェクトし、そしてルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を、H
BVプロモーター活性を決定するために分析した。表14に示されるように、ド
メイン3、ドメイン4、およびドメイン6における変異によって、3つの異なる
細胞株において試験した場合に、28〜51%の野生型活性を生じた。
【0222】
【表14】 ドメイン3からドメイン6についての野生型配列は、以下の通りである:
【0223】
【化2】
【0224】 HepAD38細胞株にて評価した場合、2つの2重変異体(ドメイン3とド
メイン6、およびドメイン4とドメイン6)によって、野生型コントロールと比
較して、活性の7分の1〜9分の1への低下が生じた(表15)。
【0225】
【表15】 さらなるHBV−Xプロモーターレポーター構築物を、様々な既知の転写因子
結合部位における変異で作製し(Gustin Kら、Virology 19
3,653−660,1993;Guo Wら,J.Virol.,1991;
Nakamura Iら,Virology 191,533−540,199
2)、そしてルシフェラーゼレポーター活性について評価した。この研究の結果
(表16で提供される)によって、EF−C因子結合部位およびE因子結合部位
が、HBV Xプロモーターの活性について、重要であること示唆される。
【0226】
【表16】 全てのHBV−Xプロモーターレポーター構築物が、HBVゲノム全体を含ん
だ場合を考慮して、他のHBVプロモーターから読み出された可能性を排除する
ために、2つのさらなる構築物を作製した:Xエンハンサー/プロモーターレポ
ーター(XpLuc200,表17)、およびXエンハンサー/プロモーターレ
ポーターを有さないHBVゲノム全体(Xp(−)Luc3000,表17)。
XpLuc200構築物を、順方向プライマーおよび逆方向プライマー(それぞ
れ、配列番号29および配列番号30である)を用いて、ドメイン3、ドメイン
4、およびドメイン18の各々由来のクローンを増幅することによって作製し、
その後pGL3Basicベクター中にクローニングした。「Xp(−)Luc
3000」構築物を、野生型構築物XpLuc(29−1−5)をMorph 法による部位特異的変異誘発に供することによって作製した。全ての「XpL
uc200」構築物(3.6、4.9、18.13、および29−1−5)は、
各全長構築物の活性と比較して1.5〜2倍のプロモーター活性を提示したが、
このXp(−)Luc3000構築物(29−1−5(−Xp))は、プロモー
ター活性を示さなかった。これらの結果は、表14および表16に提示されたレ
ポーター活性は、HBV Xプロモーター単独に対する効果を反映しており、上
流のHBVプロモーター(Sp、preSp、またはCp)に起因していないと
いう結論を支持する。
【0227】
【表17】 (実施例4) (バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)) 改変したpAM401プラスミド(ATCC)を、E.coliおよびEnt
erococcus種における増殖および維持を可能にするバックグラウンドに
おけるルシフェラーゼ遺伝子の上流のVREプロモーター配列を含むように設計
した。vanHプロモーター(配列番号31)を、VRE株CSUC4(これに
、付加されたNcoI部位およびSalI部位を有する)からPCR増幅した。
pAM401プラスミドをXbaIおよびSalIを使用して切断し、そしてX
baI〜Ncolを切断し、そしてvanHプロモーターをこの構築物に組み込
むことによって、pGL3 basic(Promega)から単離した蛍ルシ
フェラーゼ遺伝子に三重連結した。
【0228】 形質転換体を、PCR増幅に続いて制限分析によってスクリーニングし、そし
て得られたプラスミドを、L−スレオニン処理Enterococcus株CS
UC−4にエレクトロポレートした。
【0229】 VREプロモーター領域の部位特異的変異誘発を、コンセンサスプロモーター
配列の短い8〜10bp領域(リン酸化VanRフットプリント内の−35コン
センサス結合部位を含む)を、系統的に変更することによって実施した(Art
hurら、1992)。
【0230】 M2−M21と称される20のリンカースキャニング変異体を作製し、そして
核酸構築物(ルシフェラーゼ遺伝子の上流のVREプロモーター配列を含む)を
、pRLUC親ベクターにサブクローニングし、そしてE.coliに形質転換
した。図7は、vanHプロモーター変異体M2−M21の配列を示し、ここで
、この図に示される元々のvanHプロモーター配列の10ヌクレオチドの各群
を、変異体配列と置き換えた。例えば、M2において、CCCGGGGGGC配
列を、野生型TAATTTTTTA配列の代わりに挿入した。変異の位置および
対応するルシフェラーゼ活性を、表18に示す。
【0231】 選択されたプロモーター変異体のルシフェラーゼ発現を、発現に対する改変プ
ロモーターエレメントの効果がこれらの株の間で一致するか否かを確認するため
に、Enterococcusの3つの臨床株において分析した。CSUC−4
(アッセイされた最初の株)、UCD−3およびUL−178を、分析において
使用した。このM9クローンは、一貫して、試験された変異体の最も高いルシフ
ェラーゼ活性を生じた。他の変異体の間で、M8もまた、誘導に対する一貫した
効果を有した。(表18を参照のこと)。
【0232】 (表18.vanHプロモーター変異体およびレポーター活性)
【0233】
【表18】 各リンカースキャナープロモーター変異体を活性について試験し、アップレギ
ュレーションおよびダウンレギュレーションの両方が観測された。最も大きな減
少は野生型活性の0%までであり、そして最も大きな増加は、野生型活性の17
37%であった。リン酸化VanR(M2−M8)によってフットプリントされ
ることが報告された領域の全ての変異体は、減少した活性を示した。増加した活
性を、ヌクレオチド−30〜+20に広がる変異体(M9−M13)において観
察し、このことは、この領域のレプレッサー結合部位の可能性を示唆する。特に
興味深いのは、M6(配列番号32)およびM8(配列番号33)に対応する推
定アクチベーター配列、ならびにM12(配列番号34)に対応する推定レプレ
ッサー配列である。
【0234】 (実施例5) (アンドロゲンレセプター) ヌクレオチド−6000〜+1100からのアンドロゲンレセプタープロモー
ター(図8A−C、配列番号35)を、GenBank配列を使用するPCRに
よってゲノムDNAからクローニングし、そして後の一過的なトランスフェクシ
ョンのためにpGL3 basic(Promega)にサブクローニングした
【0235】 大きな一連の欠失構築物を、一過的なトランスフェクションの後に、アンドロ
ゲン依存性前立腺細胞株(LNCaP)において作製しそして試験した。
【0236】 欠失構築物を、以下のPCRプライマー対を使用して、作製した:−6000
+1構築物については、(配列番号36)および(配列番号37);−4000
+1構築物については、(配列番号38)および(配列番号39);−2000
+1構築物については、(配列番号40)および(配列番号41);−2000
+1100構築物については、(配列番号42)および(配列番号43);−2
00+1構築物については、(配列番号44)および(配列番号45);−20
0+100構築物については、(配列番号46)および(配列番号47);−4
00+1構築物については、(配列番号48)および(配列番号49);−30
0+1構築物については、(配列番号50)および(配列番号51);−150
+1構築物については、(配列番号52)および(配列番号53);−100+
1構築物については、(配列番号54)および(配列番号55);−50+1構
築物については、(配列番号56)および(配列番号57);−200+125
構築物については、(配列番号58)および(配列番号59);−200+71
構築物については、(配列番号60)および(配列番号61);ならびに−20
0+50構築物については、(配列番号62)および(配列番号63)。
【0237】 以下の欠失構築物を、ルシフェラーゼ活性について試験し、これらの結果を、
括弧の中に、−200+1コントロールの%として表した:−6000+1(3
8%),−4000+1(31%),−2000+1(45%),−400+1
(93%),−300+1(100%),−200+1(100%),−150
+1(109%),−100+1(62%),−50+1(28%),−200
0+1100(100%),−200+1100(459%),+1+1100
(114%),−200+200(562%),−200+150(474%)
,−200+125(314%),−200+100(168%),−200+
71(153%),−200+50(87%)および基本的なプロモーター構築
物(5%)。
【0238】 AR+細胞株LNCaPにおける一過的なトランスフェクションアッセイにお
ける結果は、レプレッサー、ならびにヌクレオチド−150〜−100(ヘモプ
リンストレッチ)、−100〜−50(SP1部位)、および−50〜+1(へ
リックス−ループ−へリックス結合部位)の複数のアクチベーター部位を示す。
【0239】 これらの結果は、以下を示す:(1)未翻訳領域(UTR)(+1〜+110
0)は、最適な活性のための2つの重要な領域(+125と+100との間の部
位および+71と+50との間の部位)を含む;(2)レプレッサー部位が、−
2000と−400との間に存在し得る;そして(3)近接プロモーター領域の
活性が、−150と−100との間の配列に由来し(約2倍)、そして−100
と−50との間の配列に由来し(さらに2〜3倍)、そして−50〜+1の配列
に由来する(さらに、4〜5倍)。
【0240】 以下のようなさらなる部位特異的変異体を、作製した:デルタHP(ホモプリ
ンストレッチの40bpの内部欠失)、デルタHP(5’)、デルタHP(3’
)、HLH−us、SPI、HLH−ds、HLH−dsの3’10bp(HL
H−3)、HLH−dsの5’10bp(HLH−5)、ならびにデルタHPお
よびHLH−dsの二重変異体(デルタHP/HLH−ds)(全て、200+
1構築物に関係する)。LNCaP細胞における一過的なトランスフェクション
研究の結果(−200+1コントロールの%として表現される)を、表19に示
す。
【0241】 (表19.プロモーター構築物のルシフェラーゼ活性)
【0242】
【表19】 これらの結果は、以下を示唆する:(1)ホモプリン領域の5’部分は、−1
50〜−100の活性の全てを表す;(2)下流へリックス−ループ−へリック
ス配列の3’領域は、さらに2倍の活性を含む;そして(3)下流へリックス−
ターン−へリックス部位は、1.5倍の活性を含む。
【0243】 特に興味深いのは、HLH−dsおよびHLH−3欠失変異体ならびに5’H
P変異体であり、これらは、アクチベーター部位の存在を示すルシフェラーゼ活
性の有意な減少を生じた。これらの変異体についての対応する野生型配列を、各
々、配列番号64、配列番号65および配列番号66として表す。
【0244】 (実施例6) (Her2) ヒトHer2プロモーターの2000−bpフラグメント(図9、配列番号6
7)を、以下のオリゴヌクレオチドを用いてゲノムDNAからPCR増幅した:
5’−GCACGCGTAAGCTTCAGGCCCCACAAAACCTA−
3’(配列番号68)および 5’−CGCTCGAGCCATGGCTCCGGCTGGACCCGGCTG
GG−3’(配列番号69)。
【0245】 この精製したフラグメントを、乳癌細胞株MCF−7(HER2低発現)およ
びMDA−MB−453(HER2高発現)における一時的なトランスフェクシ
ョンアッセイにおいて使用するために、ベクターpGL3−basic(Pro
mega)のNcoIおよびHindIII部位にサブクローニングした。
【0246】 さらに、いくつかの欠失構築物を、pGL3−Basic中にクローニングさ
れた2kbプロモーターフラグメントを含むHer2ルシフェラーゼレポーター
において作製した。このレポーターを、MCF7およびZR75細胞株に一時的
にトランスフェクトした。表20は、下線で示される改変された配列部分を有す
る各プロモーター構築物についてのレポーター活性を示す。これらの結果は、H
er2プロモーターについての重要な調節部位がヌクレオチド−125と−50
との間に存在することを示す。
【0247】
【表20】 重要な部位をさらに描写するために、一連のリンカースキャナーHer2ルシ
フェラーゼレポーター変異体を、ヌクレオチド−130〜−55から作製した。
10085、9075、8065、および7055と命名したこれらの構築物(
変異した塩基を示す;例えば、10085は−100〜−85の塩基が変異した
ことを示す)をZR75およびMCF7細胞における一時的なトランスフェクシ
ョンにおいて試験した。この結果を野生型プロモーターに対する%活性として表
23に示した。
【0248】 この結果は、−90〜−75の領域がHer2プロモーターの活性に重要であ
ることをはっきりと意味する。
【0249】 Her2プロモーターの種々の領域において変異を作製した。この領域として
、周囲のATリッチ領域が挙げられ、推定TATAボックス(TB「TATAA
GA」)、推定TATAボックス
【0250】
【化3】 、推定TATAボックスの下流のATストレッチ
【0251】
【化4】 、推定ets部位(EP)、周囲のATリッチ領域の二重変異が挙げられ、そし
て推定TATAボックス
【0252】
【化5】 および推定ets部位(TBEP、「GAGGAA」)ならびに−215までの
欠失が挙げられる。配列の変異は下線で示される。
【0253】 ルシフェラーゼレポーター構築物を、レポーターコード配列のすぐ上流の種々
のHer2プロモーター配列を用いて調製した。このレポーターを、MCF7お
よびZR75細胞に一時的にトランスフェクトした。得られたルシフェラーゼ発
現を野生型の%として報告した(表21)。
【0254】
【表21】 これらのデータは、ヌクレオチド−215の上流の配列が調節のために重要で
ないことを示唆する。表21に示されるように、TATAボックスまたはets
部位の変異は、転写における穏やかな減少を引き起こす。このことは、レポータ
ー部位が、TATAボックスのすぐ下流に存在することを示唆する。推定TAT
Aボックスおよび推定ets部位付近の配列を以下に示す。
【0255】
【化6】 さらなる欠失構築物−50を、pGL3−Basic中にクローニングされた
2kbプロモーターフラグメントを含むHer2レポーターにおいて作製し、そ
して−215欠失と比較した。このレポーターを、MCF7およびZR75細胞
株に一時的にトランスフェクトした。これらの結果は、Her2プロモーターに
ついての重要な調節部位が−215〜−50領域に存在することを示す。
【0256】 いくつかのさらなる欠失構築物を、pGL3−Basic中にクローニングさ
れた2kbプロモーターフラグメントを含むHer2ルシフェラーゼレポーター
において作製した。このレポーターを、MCF7およびZR75細胞株に一時的
にトランスフェクトした。表22に示される結果(野生型ルシフェラーゼ活性%
として表わされる)は、−125と−50との間のHer2プロモーターの領域
が重要な調節部位を含むことを示す。
【0257】
【表22】 ZR−75およびMCF−7細胞において重要であることが同定された配列が
また、他の乳癌細胞株においても重要であるか否かを決定するために、さらなる
実験を実施した。ZR−75またはMCF−7細胞のいずれよりも高レベルでH
er2を過剰発現する2つの細胞株SKBR−3(SK)およびBT−474(
BT)を選択した。3つの一時的なトランスフェクション体からのデータの要約
を、ZR−75細胞(ZR)において平行して実施した研究の結果と合わせて、
以下の表23に示す。
【0258】
【表23】 3つの細胞株におけるルシフェラーゼ発現アッセイの比較される結果は、以下
のことを示唆する:(1)Her2プロモーターは、BT−474細胞において
よりもSKBR−3細胞において4〜5倍強く、そしてZR75−1細胞におい
てよりも3〜4倍強い;(2)TATA−Bam変異は、他の2つの細胞株にお
いてよりもSKBR−3細胞においてより小さいアップレギュレーションを生じ
る;(3)CCAATボックスは、ZR75−1(1/2倍低下)またはBT−
474(1/2倍未満の低下)細胞のいずれにおいてよりもSKBR−3(1/
4〜1/5倍減少)においてより重要である;そして(4)CCAATボックス
はHer2の調節に適切な標的であり得る。
【0259】 上記で提供される結果に基づき、Her2の調節された発現のための目的の配
列は、−23〜−19の推定TATAボックスの下流のレプレッサー配列「GA
ATGAAGTT」(配列番号70);アクチベーター要素およびレプレッサー
要素の両方を有する複合調節領域「CGCTTGCTCCCAATC」(配列番
号71)、およびTATAボックス/ets部位「GAGGAAGGTATAA
」(配列番号72)(ここで、ets配列は「GAGGAAG」であり、そして
TATAボックス配列は「TATAA」である)である。
【0260】 (実施例7) (β−ラクタマーゼ(Bla)プロモーター) 以下に示す天然のβ−ラクタマーゼプロモーターP3(配列番号73)は、β
−ラクタマーゼ(bla)のコード配列付近に存在し、ATG翻訳開始コドンに
対して35塩基5’側で転写を開始する。P3プロモーターは、−10領域にP
ribnowボックス(GACAATA)を、そして−35にコンセンサス配列
(TTCAAA)を含む。−35、−10、開始部位、およびリボソーム結合部
位を、それぞれ、5’から3’の順で、以下に下線として示す。
【0261】
【化7】 (天然のβ−ラクタマーゼプロモーターP3、配列番号73) Renillaルシフェラーゼプロモーター構築物を、pACYC177ベク
ター中に調製し、ここで、野生型β−ラクタマーゼプロモーターで駆動されるR
enillaルシフェラーゼ構築物を、pBla−rlucと称した。コントロ
ールのプロモーターがない構築物を、pNull−rlucと称し、そしてルシ
フェラーゼネガティブ構築物を、pBla−blaと称した。
【0262】 天然のP3blaプロモーターのBlaプロモーター変異体(「M#」と称す
る)を、全blaプロモーター配列の塩基対(ヌクレオチド−101から+43
)を合成的に変更することによって作製した。一般的に、変異体を、Quick
Changeによって全Blaプロモーターの異なる位置において6〜12塩
基対の変異を導入することによって、プリンをピリミジンと置換すること(逆も
また同じ)によって、および配列に制限部位を導入することによって、作製した
【0263】 種々のBla変異体のルシフェラーゼ活性を、E.coli XL1 Blu
e複製から調製した溶解物中で測定し、そして野生型pBla−rlucの活性
と比較した。有意に減少したルシフェラーゼ活性を示した変異体としては、−3
5領域(−41〜−30、M6);−10領域(−17〜−6、M8);開始部
位(−5〜+7、M9);および+20〜+31(M11)が挙げられ、これら
は、それぞれ、以下の表24に示すように野生型の24%、29%、15%、お
よび2%に低下したルシフェラーゼ活性を示した。
【0264】 (表24.Blaプロモーター変異体の配列およびルシフェラーゼプロモータ
ー活性)
【0265】
【表24】 変異体M6(−41〜−30;配列番号75)および変異体M21(−35〜
−30)のルシフェラーゼ活性によって、それぞれ24%および28%へのルシ
フェラーゼ活性における低下によって示されるように、−35領域がプロモータ
ー活性に重要であることが明らかになった。変異体M8(−17〜−6;配列番
号76)および変異体M30(−8〜−3)のルシフェラーゼ活性によって、2
9%または24%へのルシフェラーゼ活性の低下によって示されるように、−1
0pribnowボックス領域もまた、重要であることが明らかになった。ルシ
フェラーゼ活性に重要な2つのさらなる領域は、それぞれ、15%および2%へ
のルシフェラーゼ活性の低下によって示されるように、開始領域(M9;配列番
号77)およびリボソーム結合部位領域(M11;配列番号78)である。
【0266】 改変BlaMTプロモーターの−101〜+35領域の配列(配列番号74)
を以下に示し、小文字は、天然のP3 Blaプロモーター配列に対する変異を
示す。
【0267】
【化8】 (改変BlaMTプロモーター、配列番号74)。
【0268】 (表25.pBlaMTおよび変異pBlaMT構築物の配列)
【0269】
【表25】 表25は、種々の変異BlaMTプロモーター構築物の位置および配列を示す
。小文字は、pBlaMT配列に対する変異を示し、下線は、潜在的な化合物結
合部位の位置を示す。共有に係るPCT公開番号WO 00/52179に詳述
されるように、種々のpBlaMT変異体構築物(例えば、pBlaMT、pB
laMT(+1)、pBlaMT(−35)およびpBlaMT(−10))中
の開始部位の直ぐ下流の配列がDNA結合化合物によって標的化された場合、各
プロモーターの活性がアップレギュレートされた。
【0270】 本明細書中に示すデータは、種々のプロモーターの調節領域の分析を提供し、
そして一旦プロモーターの調節領域が同定されると、この調節領域が、調節領域
に作動可能に連結したコード配列の調節された発現をもたらすために、細胞因子
(ネイティブに提供されるか、または外因的に提供される)および化合物の両方
によって標的化され得ることを示す。
【0271】 (表26.配列表)
【0272】
【表26】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1Aは、HBVコアプロモーターの配列を示す。
【図1B】 図1Bは、図に示される配列位置で下線を引いて示される種々のDNA応答エ
レメント(HNF1、HNF3、Sp1およびTBP)の配列を有するHBV
pre−S1プロモーター領域の配列を示す。
【図2】 図2は、図に示される、HNF3−wt、TBP−wt、TBP−mut、H
NF−1−wt、HNF1−mおよびHNF1−21x配列についての、試験化
合物のネトロプシン(netropsin)二量体(21x)の結合優先度を示
す、種々のHBV preS1プロモーター構築物とのハイブリダイゼーション
安定化アッセイ(HSA)の結果を示す。
【図3】 図3は、図に下線を引いて示される、種々のDNA応答エレメント(NF1、
2c、EF−C、NF−1およびX−PBP)の配列を有するHBV Xプロモ
ーター領域の配列を示す。
【図4】 図4は、GenBank登録番号L09054のヌクレオチド316〜216
1に対応する、−1745〜+155の野生型サイクリンD1プロモーターの配
列を示す。
【図5】 図5A〜Cは、ヌクレオチド1〜2395の番号が付けられた全長ヒトCD4
0L配列の配列を示し、ここで、ヌクレオチド10〜1919は、−1860〜
+49として同定されるヒトCD40Lプロモーター配列に対応する。
【図6】 図6は、野生型vanHプロモーターの配列を示す。
【図7】 図7は、vanHプロモーター変異体M2〜M21の配列を示し、ここで、図
に示される本来のvanHプロモーター配列中の10ヌクレオチドの各群は、変
異配列で置換された(例えば、M2において、CCCGGGGGGC配列が、野
生型TAATTTTTTA配列の代わりに挿入された)。
【図8】 図8A〜Cは、−6000〜+1100の野生型アンドロゲンレセプタープロ
モーターの配列を示す。
【図9】 図9は、野生型Her2プロモーターの配列を示す。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB, GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,I N,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD, MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 スタール, ダグラス ビー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94040, マウンテン ビュー, ボニタ アベニ ュー 1197 (72)発明者 タム, アルバート ダブリュー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94122, サン フランシスコ, 10ティーエイチ アベニュー 1871 (72)発明者 ローランス, メガン イー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94110, サン フランシスコ, ショットウェル ストリート 1020 (72)発明者 ミシェロッティ, エミル エフ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94404, フォスター シティ, マーリン アベ ニュー 1181 (72)発明者 ベリガン, マーク ディー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94037, モンタラ, ピー.オー. ボックス 370532 (72)発明者 ラター, デレック アール. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94541, ハイワード, イースト アベニュー 1945 (72)発明者 トーマス, リタ エル. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94062, ウッドサイド, ハイ ロード 1050 (72)発明者 コンパチス, アナ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94587, ユニオン シティ, アルバラド ブー ルバード 4469 (72)発明者 シェパード, リアナ ティー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94065, レッドウッド シティ, カディズ サ ークル 34 (72)発明者 リム, ムーン ヤング アメリカ合衆国 カリフォルニア 94065, レッドウッド シティ, リド サーク ル 10 (72)発明者 ブルース, トーマス ダブリュー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92009, カールスバッド, シィアーウォーター ズ ドライブ 6880 Fターム(参考) 4B024 AA01 CA01 DA02 EA04 GA14 HA17 4B063 QA01 QA05 QA19 QQ08 QQ22 QR57 QS36 QX02 4B065 AA01X AA90X AA93X AA96X AB01 BA03 BB02 BB12 BB37 CA44

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サイクリンD1プロモーターについての単離された核酸調節
    配列であって、該調節配列が、該調節配列を含むサイクリンD1プロモーターに
    作動可能に連結されている遺伝子の発現を調節する能力によって特徴付けられる
    、核酸調節配列。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の調節プロモーター配列であって、ここで、
    該配列が、配列番号5、配列番号6、および配列番号8からなる群から選択され
    る、調節プロモーター配列。
  3. 【請求項3】 CD40Lプロモーターについての単離された核酸調節配列
    であって、該調節配列が、該調節配列を含むCD40Lプロモーターに作動可能
    に連結されている遺伝子の発現を調節する能力によって特徴付けられる、核酸調
    節配列。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の調節プロモーター配列であって、ここで、
    該配列が、配列番号12、配列番号13、配列番号14、および配列番号15か
    らなる群から選択される、調節プロモーター配列。
  5. 【請求項5】 HBVプロモーターについての単離された核酸調節配列であ
    って、該調節配列が、該調節配列を含むHBVプロモーターに作動可能に連結さ
    れている遺伝子の発現を調節する能力によって特徴付けられる、核酸調節配列。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の調節プロモーター配列であって、ここで、
    前記HBVプロモーターが、コアプロモーター、preS1プロモーター、また
    はXプロモーターである、調節プロモーター配列。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の調節プロモーター配列であって、ここで、
    該配列が、配列番号20または配列番号21として示されるHBVコアプロモー
    ター配列である、調節プロモーター配列。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の調節プロモーター配列であって、ここで、
    該配列が、配列番号23または配列番号24として示されるHBV preS1
    プロモーター配列である、調節プロモーター配列。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の調節プロモーター配列であって、ここで、
    該配列が、配列番号26、配列番号27および配列番号28からなる群から選択
    されるHBV Xプロモーター配列である、調節プロモーター配列。
  10. 【請求項10】 バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)プロモーターについ
    ての単離された核酸調節配列であって、該調節配列が、該調節配列を含むVRE
    プロモーターに作動可能に連結されている遺伝子の発現を調節する能力によって
    特徴付けられる、核酸調節配列。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の調節プロモーター配列であって、ここ
    で、該配列が、配列番号32、配列番号33、および配列番号34からなる群か
    ら選択される、調節プロモーター配列。
  12. 【請求項12】 アンドロゲンレセプター(AR)プロモーターについての
    単離された核酸調節配列であって、該調節配列が、該調節配列を含むARプロモ
    ーターに作動可能に連結されている遺伝子の発現を調節する能力によって特徴付
    けられる、核酸調節配列。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の調節プロモーター配列であって、ここ
    で、該配列が、配列番号64、配列番号65、および配列番号66からなる群か
    ら選択される、調節プロモーター配列。
  14. 【請求項14】 HER2プロモーターについての単離された核酸調節配列
    であって、該調節配列が、該調節配列を含むHER2プロモーターに作動可能に
    連結されている遺伝子の発現を調節する能力によって特徴付けられる、核酸調節
    配列。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の調節プロモーター配列であって、ここ
    で、該配列が、配列番号70、配列番号71、および配列番号72からなる群か
    ら選択される、調節プロモーター配列。
  16. 【請求項16】 β−ラクタマーゼ(Bla)プロモーターについての単離
    された核酸調節配列であって、該調節配列が、該調節配列を含むBlaプロモー
    ターに作動可能に連結されている遺伝子の発現を調節する能力によって特徴付け
    られる、核酸調節配列。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の調節プロモーター配列であって、ここ
    で、該配列が、配列番号77または配列番号78として示されるBlaプロモー
    ター配列である、調節プロモーター配列。
  18. 【請求項18】 請求項2、4、7、8、9、11、13、15、および1
    7のいずれか1項のプロモーター調節核酸配列を含む、ベクター。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載のベクターであって、該ベクターが、 (i)該ベクターで形質転換されている宿主細胞によって認識されるプロモータ
    ーおよび制御配列に作動可能に連結されている、前記プロモーター調節核酸配列
    ;ならびに (ii)自系遺伝子産物または異種遺伝子産物をコードする導入遺伝子 を含む発現ベクターである、ベクター。
  20. 【請求項20】 前記導入遺伝子が、レポーター遺伝子である、請求項19
    に記載のベクター。
  21. 【請求項21】 請求項20のベクターを含む、宿主細胞。
  22. 【請求項22】 前記宿主細胞が、原核生物細胞である、請求項21に記載
    の宿主細胞。
  23. 【請求項23】 前記宿主細胞が、真核生物細胞である、請求項21に記載
    の宿主細胞。
  24. 【請求項24】 前記宿主細胞が、哺乳動物細胞である、請求項21に記載
    の宿主細胞。
  25. 【請求項25】 細胞中で遺伝子発現を調節する方法であって、該方法は、
    (i)請求項19に記載の発現ベクターを細胞中に導入する工程、 (ii)前記プロモーター調節配列を、細胞因子またはDNA結合化合物に曝露
    し、前記導入遺伝子の調節された発現を生じる工程;および (iii)該導入遺伝子の発現を検出する工程 を包含する、方法。
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