JP2002517192A - 細胞におけるアポトーシスの誘発方法 - Google Patents

細胞におけるアポトーシスの誘発方法

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ロトバート,カーステン
シュタマー,ヘルマン
ヴェルナー,ディーター
ネールス,ペーター
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ドイチェス クレブスフォルシュンクスツェントルム スチフトゥング デス エッフェントリヒェン レヒツ
ネールス,ペーター
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、細胞、より具体的には、腫瘍細胞においてC1D遺伝子を過剰発現することにより、アポトーシスを誘発する方法に関する。これは、例えば、細胞に、対応する発現構築物を導入すること、または細胞の有するC1D遺伝子の発現の外因性の刺激により生じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、細胞、特に腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘発方法に関する。
【0002】 アポトーシスは、プログラムされた細胞死である。それは、正確な制御の支配
下にあり、アポトーシスを誘導又は阻害することができる。
【0003】 公知のように、アポトーシスは、多数のいわゆるdeathレセプター、すな
わち、それらのリガンドの結合後、アポトーシスシグナル経路を誘導する、CD
95、TNF−RI、DR3、DR4又はDR5などのdeathドメイン(D
D)含有レセプターにより誘導されうる。例えば、CD95レセプターは、CD
95リガンドの結合後に、アダプタータンパク質FADD/MORT1と相互作
用し、その結果、DISC「death誘導シグナル伝達複合体」でのプロテア
ーゼFLICE/カスパーゼ−8の漸増及び活性化を誘導する。FADD及びF
LICEのそれぞれは、deathエフェクタードメイン(DED)を含む。こ
れらのアポトーシスシグナル経路を介したアポトーシスの誘導は、例えば、細胞
毒素(細胞傷害性物質)の投与、照射、ウイルス、増殖因子の除去又は物理学的
な細胞損傷により外部から可能である。しかしながら、これらのアポトーシス誘
導の可能性は、いくらかの欠点を伴う。例えば、細胞増殖抑制剤などの細胞毒素
の投与、又は癌細胞の症例における照射は、耐性の発生と、加えて、アポトーシ
スが実際には誘導されるべきではない正常細胞のダメージとをもたらす。
【0004】 それゆえに、アポトーシスの誘導を行ない、例えば、悪性の増殖と戦い、同時
に前記副作用を減少させる方法を提供することが本発明の目的である。
【0005】 本発明によれば、これは、請求項に規定された主題により達成される。
【0006】 本発明は、動物、具体的には、哺乳動物、より具体的には、ヒトにおいて、ア
ポトーシスの誘導に適したタンパク質があるという本発明者らの見識に基づく。
かかるタンパク質は、約16kDの大きさを有し、今までは、DNA結合タンパ
ク質として特徴付けられていた〔ネールス(Nehls)ら,Nucleic
Acids Research,26,1160−1166頁(1998)〕。
【0007】 本発明者らは、アポトーシスを誘導するのに適したタンパク質(以下、C1D
という)が、あらゆる細胞、腫瘍細胞にも存在し、そこで生物により予め決定さ
れた量で発現することを認識した。C1D遺伝子産物を過剰発現するときはいつ
でも、アポトーシスは、過剰発現細胞において誘導される。しかしながら、特に
腫瘍細胞においては、過剰発現により得られたアポトーシスが望ましい。この過
剰発現それ自体が腫瘍細胞を殺すことができる。さらに、化学療法又は照射など
の慣用の腫瘍療法によりもたらされたアポトーシスを促進することができた。さ
らにアポトーシスは、慣用の治療法により、既に耐性が発生していた腫瘍細胞に
おいて実施され得た。本発明者らは、さらに、アポトーシスが、C1D遺伝子を
過剰発現すること、すなわち、細胞C1D遺伝子産物の濃度を増やすことにより
誘導されうることを見出した。これは、例えば、C1D遺伝子を発現する発現構
築物を用いて細胞をトランスフェクトすることにより、又は内因性C1D遺伝子
の過剰発現を刺激することにより行なわれうる。
【0008】 C1D遺伝子産物は、fig.1若しくは2の配列又はそれとは1若しくは数
個のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含有する。「それとは1若しくは数個のア
ミノ酸が異なるアミノ酸配列」の文言は、C1D(関連)タンパク質をコードし
、そのDNA配列がfig.1又はfig.2のDNAとハイブリダイズするも
のであるいかなるアミノ酸配列をも含む。「ハイブリダイズ」の文言に対して、
下記説明が参照される。
【0009】 DNA、具体的には、cDNAの形態でC1Dをコードする核酸は、本発明の
方法を行なうのに特に好適である。(a)fig.1若しくは2のDNA又はそ
れとは1若しくは数個の塩基対が異なるDNAであり、後者のDNAがfig.
1若しくは2のDNAとハイブリダイズするものであるDNA、又は (b)縮重遺伝コードを介して(a)のDNAと関連するDNA を含有するDNAが好ましい。
【0010】 fig.1及び2のC1D cDNAの配列データは、下記アクセッション番
号: マウスcDNA: X95591; ヒトcDNA: X95592 の下、遺伝子ライブラリーで入手可能である。
【0011】 「1若しくは数個の塩基対が異なるDNA」の文言は、fig.1又は2のD
NAとハイブリダイズする、C1D(関連)タンパク質をコードするいかなるD
NA配列をも含む。前記DNAは、1若しくは数個の塩基対の付加、欠失、置換
及び/又は逆位あるいは当該技術分野に公知の他の修飾、例えば、オルタナティ
ブスプライシングなどによりfig.1又は2のDNAと異なってもよい。本発
明によれば、「DNA」の文言は、当該DNAの断片をも含む。「断片」の文言
は、元の核酸分子のセグメントを含み、当該断片によりコードされたタンパク質
は、C1Dのアポトーシス誘導性質をさらに含むであろう。また、これは、対立
遺伝子バリアントを含む。当業者は、核酸配列において前記修飾を生じる方法に
精通しており、かかる方法は、分子生物学の標準的な文献、例えばザンブルーク
(Sambrook)ら、モレキュラー クローニング:ア ラボラトリー マ
ニュアル 第2版(Molecular Cloning: A labora
tory manual,2nd edition)、コールド スプリング ハ
ーバー ラボラトリー プレス(Cold Spring Harbor La
boratory Press)、コールド スプリング ハーバー ニューヨ
ーク(Cold Spring Harbor NY)(1989)に記載され
る。
【0012】 また、当業者は、例えば、形態学、多中心クロマチン凝縮、典型的な膜変化及
び内因DNA分解などにより特徴付けられるアポトーシス−典型的細胞死の検出
により、この方法で修飾された核酸配列によりコードされたタンパク質がいまだ
アポトーシスを誘導する生物学的活性を有するかどうか決定することもできる。
【0013】 「...とハイブリダイズするDNA」の文言は、慣用の条件下、具体的には
DNAの融解点より20℃下でfig.1又は2のDNAとハイブリダイズする
DNAをいう。これに関して、「ハイブリダイズ」の文言は、通常のハイブリダ
イズ条件、好ましくは5×SSPE、1% SDS、1×デンハート溶液が溶液
として用いられ、かつハイブリダイゼーション温度が35℃〜70℃の間、好ま
しくは65℃であるハイブリダイゼーション条件をいう。ハイブリダイゼーショ
ンの後、35℃〜70℃の間、好ましくは65℃で、2×SSC、1%SDSで
一度洗浄を行ない、ついで0.2×SSCで洗浄を行なう(SSPE、SSC及
びデンハート溶液の定義について、上記ザンブルークらを参照のこと)。例えば
、上記ザンブルークらに記載されるようなストリンジェントなハイブリダイゼー
ション条件は、特に好ましい。
【0014】 本発明の方法を行なうのに適したC1D遺伝子産物を生産するために、C1D
をコードするDNAを、ベクター又は発現ベクター、例えば、pBlueScr
ipt、pQE8、pUC又はpBr322誘導体などに挿入する。好ましい態
様において、本発明の核酸分子は、真核宿主細胞におけるその発現を可能にする
調節エレメントを有するベクターに機能的に連結される。かかるベクターは、前
記調節エレメントに加えて、例えば、プロモーター、典型的には、複製開始起点
及び形質転換宿主細胞の表現型選択を可能にする特定の遺伝子を含む。真核生物
における発現のための調節エレメントとしては、CMV、SV40、RVS40
プロモーター、及びCMV又はSV40エンハンサーが挙げられる。好適なプロ
モーターのさらなる例示は、メタロチオネインI及びポリヘドリンプロモーター
である。
【0015】 遺伝子治療目的のための好ましい態様において、C1D DNAを含むベクタ
ーは、ウイルス、例えば、アデノウイルス、ワクシニアウイルス又はアデノ依存
パルボウイルス(AAV)などである。レトロウイルスは、特に好ましい。好適
なレトロウイルスの例示は、MoMuLV、HaMuSV、MuMTV、RSV
又はGaLVである。遺伝子治療の目的のために、本発明の核酸分子を、コロイ
ド分散物の形態で標的細胞に送達することもできる。前記コロイド分散物は、例
えば、リポソーム又はリポプレックスを含有する〔マンニーノ(Mannino
)ら、Biotechniques 6(1988),682〕。
【0016】 当該技術分野で公知の一般的な方法は、発現ベクター、及び特に遺伝子治療ベ
クターの構築のために用いられ得、前記核酸分子及び適切な制御配列を含む。こ
れらの方法は、例えば、上記ザンブルークらに記載のイン・ビトロ組換え技術、
合成方法及びイン・ビボ組換え方法を含む。したがって、当業者は、本発明のD
NAをどのように発現ベクターに挿入するかを知っている。また、当業者は、こ
のDNAを他のタンパク質又はペプチドと組み合わせて挿入でき、そのため、本
発明のDNAを融合タンパク質の形態、例えば、他の部分がGFP〔エクオリア
ビクトリア(Aequorea Victoria)の緑色蛍光タンパク質〕
である融合タンパク質の形態で発現させうるという事実にも精通する。
【0017】 C1D遺伝子の発現のために、前記発現ベクターを宿主細胞に導入する。前記
宿主細胞は、培養物と生存生物との両方で、動物細胞、好ましくは、哺乳動物細
胞を含む。動物細胞L、3T3、FM3A、CHO、COS、Vero及びHe
Laが好ましい。前記ベクターを用いることにより、これらの宿主細胞を形質転
換し、生じた形質転換を検出し、本発明の核酸を発現させる方法は、当該技術分
野で公知である。
【0018】 また、当業者は、形質転換細胞及びトランスフェクト細胞を培養できる条件を
知る。当業者は、本発明のDNAにより発現されたタンパク質及び融合タンパク
質を単離し、精製する方法にも精通する。
【0019】 本発明の方法を行なうために、C1D DNAを発現ベクター、特に遺伝子治
療ベクター及び細胞、好ましくは腫瘍細胞に好ましい態様で導入する。これは、
C1Dタンパク質の発現が生じる、細胞に内在するタンパク質に加えてアポトー
シスの誘導をもたらす場所である。当業者が精通する条件下でベクターを細胞に
導入する。イン・ビボ遺伝子治療に対して、「K.W.カルバー(Culver
)、ジーン セラピー,ア ハンドブック フォァ フィジシャンズ(Gene
Therapy,A Handbook for Physicians),
メアリー アン リバート インコーポレーティッド(Mary Ann Li
bert,Inc.),ニューヨーク(New York),1994」及び「
P.L.チャン(Chang),ソナティック ジーン セラピー(Sonat
ic Gene Therapy),シーアールシー プレス(CRC Pre
ss),ロンドン(London),1995」が参照される。
【0020】 他の好ましい態様において、細胞に内在するC1D遺伝子は、例えば、内因性
C1Dプロモーターの外因的な刺激により刺激され、発現を増加する。遺伝子の
5’隣接配列は、プロモーターと呼ばれ、転写因子と協同して遺伝子の発現をも
たらすRNAポリメラーゼIIの開始点として働く。多くの遺伝子、及びさらに
C1Dにおいて、この過程は、外因因子により誘導又は刺激されうる。遺伝子の
特異的発現をもたらす因子は、大変多く、かつ低分子無機物質(塩、金属イオン
)及び低分子有機物質〔ペプチド、核酸基礎単位(nucleic acid
building blocks)、生物起源のアミン、ステロイド)を介して
、物理的因子(光、熱、低温など)から高分子物質(血清、増殖因子、免疫刺激
因子)までの範囲にわたる。C1D遺伝子の特異的な刺激物質は、例えば、BA
C(微生物人工染色体)クローンなどに存在する5’隣接配列をレポーター遺伝
子、例えば、CAT又はEGFPなどと組み合わせ、レポーター遺伝子発現及び
/又は外因因子によるその刺激について、任意にハイスループット法によりそれ
らを調べることにより認識される。
【0021】 したがって、本願は、慣用のシグナル経路を介するのではなく、特定の遺伝子
の過剰発現を介してアポトーシスを誘導する可能性を最初に提供する。これは、
多くの疾患、特に、腫瘍性疾患に対し格別顕著でありうる。腫瘍細胞が、正常細
胞よりも、より感度よく、C1Dの過剰発現に応答するという事実は、特に有利
であることが証明された。したがって、正常細胞に対しては副作用がないが、腫
瘍細胞は、確実な細胞死をこうむる。
【0022】 本発明を下記実施例により説明する。
【0023】 実施例1:C1D遺伝子の発現によるアポトーシスの誘導 − pcDNA 3−C1D発現構築物 Bluescriptベクター〔KS+,ストラタジーン(Stratage
ne)社〕にクローン化され、かつヒト又はマウスC1DをコードするcDNA
をPCRにより増幅した。これに関し、下記プライマー: ヒトcDNAに関し: プライマー フォワード: 5'-GGGGTACCATGGCAGGTGAAGAAATTAATGAAGACTAT プライマー リバース: 5'-GGGTCGACTTAACTTTTACTTTTTCCTTTATTGGCAAC (figure 1の塩基118から塩基540のヌクレオチド配列の増幅をも
たらす) マウスcDNAに関し: プライマー フォワード: 5'-GGGGTACCATGGCAGGTGAAGAAATGAATGAAGATTAT プライマー リバース: 5'GGGTCGACGTGTTTGCTTTTCCCTTTATTAGCCACTTT (figure 2の塩基78から塩基500のヌクレオチド配列の増幅をもた
らす) を用いた。
【0024】 これらのプライマーにより、ATG開始コドンの前にKpn制限部位を導入し
、かつ終止コドンの前に(終止コドンを省くように)Sal I制限部位を導入
した。クロンテック(Clontech)社のPCRキット(K1906−1)
により、製造者の説明書に従い、50μl容量のキット成分: 水 38.8μl 10×緩衝液 5μl 酢酸Mg 2.2μl プライマー フォワード 1μl(1μM) プライマー リバース 1μl(10μM) C1Dテンプレート 5μl(500ng) 50× dNTP 1μl キット ポリメラーゼ 1μl 中、サイクルプログラム: 1)最初の変性 94℃,1分 2)変性 94℃,30秒 3)アニーリング伸長 68℃,3分 4)最後の伸長 68℃,3分 5)冷却 4℃ ステップ2)/3)を35回行なう で行なった。
【0025】 Kpn I/Sal Iを用いた増幅バッチの制限消化の後、Bluescr
iptベクター(Kpn I/Sal I−前処理)に最初に再クローン化した
。Kpn I/Not Iを用いてBluescriptベクターから断片を切
り出したのち、配列を、相応じて前処理したpcDNA 3ベクター〔インビト
ロジェン(InVitrogen)社〕にクローン化することができた。
【0026】 −pcDNA 3−C1D−EGFP発現構築物 連続的なリーディングフレームを有するC1DとGFP〔エクオリア ビクト
リア(Aequorea Victoria)の緑色蛍光タンパク質〕との間の
融合をpBluescriptレベルで実施した。この目的のために、前記pB
luescript−(Kpn I)−C1D−(Sal I)−プラスミドを
、Sal I/Hind IIIによる消化により開環した。
【0027】 EGFP〔クロンテック(Clontech)社;EGFPは、「エンハンス
ド緑色蛍光タンパク質」を意味し、クロンテック社により製造された、励起/発
光に関して改良された性質を有する変異体である〕をPCRにより増幅した。こ
のPCRにおいて、下記プライマー: プライマー フォワード: 5'-GGGTCGACATGGTGAGCAAGGGCGAGGAGCTGTTC プライマー リバース: 5'-CCAAGCTTTGGAATTCTAGAGTCGCGGCCGCTTTA を用い、5’末端にSal I部位及び3’末端にHind III部位(以下
、終止コドンという)を挿入した。PCRは、前記のように同様に行なった。
【0028】 Sal I及びHind IIIを用いたPCR増幅産物の消化後、それらを
、調製したBluescript−(Kpn I)−C1D−(Sal I).
..(Hind III)プラスミドに連結することができた。その後、融合カ
セット(Kpn I)−C1D−EGFP−(NotI)をBluescrip
tベクターから、対応する消化により切り出し、相応じて前処理したpcDNA
3 ベクター(Kpn I/Not I)に再クローン化した。
【0029】 −腫瘍細胞におけるベクターのトランスフェクション 上記で得られた発現ベクターを、エールリッヒ腹水腫瘍の細胞におけるエレク
トロポレーション(ポッター(Potter)ら,Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA,81,7161−7165頁 (1984)又はリポフェ
クション(SuperFect Transfection Reagent
Handbook,キアジェン(Qiagen)社,ヒルデン(Hilden)
,02/97,1997)により他から分離(separate)した。トラン
スフェクト(生細胞)を顕微鏡(蛍光光学システム)で観察し、撮影した(fi
g.3)。
【0030】 トランスフェクションの約12時間後、細胞核において、20−60%が弱い
緑色蛍光を有する(示していない)。このことは、融合タンパク質が最初に穏や
かな発現をすることを言及する。形態学的観点から、なんら特徴を見出すことが
できない。ベクター構築物のトランスフェクションの約24時間後、融合タンパ
ク質の凝集が個々の細胞内に生じた(fig.3左側)。また、これらの凝集は
、位相差写真において観察され得る(fig.4)。さらなる時間経過において
、これらの凝集は、より強くなり(fig.3左から右)、位相差写真(fig
.4)は、アポトーシスが行なわれた細胞の典型的な写真に対応する。
【0031】 同時にトランスフェクトされた細胞の全部が、同時に前記写真の融合タンパク
質の過剰発現率を示したのではない。また、fig.3の左側などの細胞は、4
8−72時間後でさえ観察されたが、他の細胞は、既にその終点に達していた(
fig.3,右側)。このことは、培地の細胞が、「部分的にずれた様式で」ア
ポトーシス過程に入ることを示す。十分に高いトランスフェクション率では、培
地の全細胞、すなわちトランスフェクトされなかったものまでも最終的な解析に
おいて死滅する。これは、直ちに開始トランスフェクション率に依存する。トラ
ンスフェクト細胞のアポトーシスにより、培地中の非トランスフェクト細胞に有
害な因子が放出され、かつそのうえ最後に、これらの非トランスフェクト細胞の
致死をもたらす(いわゆる「傍観者効果」)。
【0032】 GFP〔エクオリア ビクトリアの緑色蛍光タンパク質〕が、トランスフェク
ト細胞と非トランスフェクト細胞とを区別化すること又は過剰発現を可視化する
ことにのみ用いられたことに注意されたい。GFP発現単独は、細胞形態学又は
細胞の生存能への影響がない。GFP融合タンパク質は、基本的に、機能的遺伝
子産物に同等の機能的な性質(及びさらに細胞内分布)を有する。したがって、
図に示されたアポトーシスの過程は、C1D機能に基づく。示された形態学(及
び細胞数の減少)は、C1D配列のみを含む構築物による(例えば、前記pcD
NA 3−C1D発現構築物による)対照実験においてもたらされた。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 Fig.1は、ヒト由来のC1DのDNA及びアミノ酸配列を示す。
【図2】 Fig.2は、マウス由来のC1DのDNA及びアミノ酸配列を示す。
【図3】 fig.3は、エールリッヒ腹水腫瘍の細胞におけるC1Dの過剰発現により
誘発されるアポトーシス過程の時間経過を示す(蛍光顕微鏡;励起:480nm
;発光:520nm)。
【図4】 fig.4は、エールリッヒ腹水腫瘍の細胞におけるC1Dの過剰発現により
誘発されるアポトーシス過程において生じる形態学的特徴の例である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,G M,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 シュタマー,ヘルマン ドイツ連邦共和国 ドッセンハイム デー −69221 リンゼンビュール 3 (72)発明者 ヴェルナー,ディーター ドイツ連邦共和国 ハイデルベルク デー −69118 ノイアー ヴェーク 22 (72)発明者 ネールス,ペーター ドイツ連邦共和国 ミュンヒェン デー− 80339 ヴェステンシュトラーセ 125

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C1D遺伝子の過剰発現により、細胞におけるアポトーシス
    を誘導する方法。
  2. 【請求項2】 細胞が、腫瘍細胞である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 C1D遺伝子産物が、fig.1若しくは2のアミノ酸配列
    及び/又はそれとは1若しくは数個のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含有する
    ものであり、後者のアミノ酸配列のDNA配列がfig.1又は2のDNAにハ
    イブリダイズするものである、請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 細胞を、 (a)fig.1若しくは2のDNA又はそれとは1若しくは数個の塩基対が異
    なるDNAであり、後者のDNAがfig.1若しくは2のDNAとハイブリダ
    イズするものであるDNA、又は (b)縮重遺伝コードを介して(a)のDNAと関連するDNA を含有した発現ベクターを用いてトランスフェクトする、請求項1〜3いずれか
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】 細胞に内因的に含まれるC1D遺伝子を刺激する、請求項1
    〜3いずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 細胞外因子により、内因性のC1D遺伝子のプロモーターを
    刺激する、請求項5記載の方法。
JP2000552267A 1998-06-03 1999-06-02 細胞におけるアポトーシスの誘発方法 Pending JP2002517192A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

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