JP2003535573A - 再狭窄の予防用リボザイム - Google Patents

再狭窄の予防用リボザイム

Info

Publication number
JP2003535573A
JP2003535573A JP2001525347A JP2001525347A JP2003535573A JP 2003535573 A JP2003535573 A JP 2003535573A JP 2001525347 A JP2001525347 A JP 2001525347A JP 2001525347 A JP2001525347 A JP 2001525347A JP 2003535573 A JP2003535573 A JP 2003535573A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sequence
seq
binds
rna molecule
molecule according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001525347A
Other languages
English (en)
Inventor
グラスィ,ガブリエレ
クーン,アン,クリスティーネ
カンドルフ,ラインハルド
Original Assignee
エーバーハルト−カルルス−ウニヴェルズィテート テュービンゲン ウニヴェルズィテートクリーニクム
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エーバーハルト−カルルス−ウニヴェルズィテート テュービンゲン ウニヴェルズィテートクリーニクム filed Critical エーバーハルト−カルルス−ウニヴェルズィテート テュービンゲン ウニヴェルズィテートクリーニクム
Publication of JP2003535573A publication Critical patent/JP2003535573A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/11DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
    • C12N15/113Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P41/00Drugs used in surgical methods, e.g. surgery adjuvants for preventing adhesion or for vitreum substitution
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/10Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/10Type of nucleic acid
    • C12N2310/11Antisense
    • C12N2310/111Antisense spanning the whole gene, or a large part of it
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/10Type of nucleic acid
    • C12N2310/12Type of nucleic acid catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes
    • C12N2310/121Hammerhead

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】動脈硬化症治療、とりわけ狭窄を血管形成手法により処置した後の血管の再狭窄の予防用リボザイムを提供する。 【解決手段】細胞周期関連タンパク質サイクリンEおよびE2F1をコードするmRNA分子に対して向けられる触媒作用RNA分子を提供する。当該触媒作用するRNA分子は、細胞周期停止を誘導し、かつバルーン・ダイラテーション直後に投与すし得る治療遺伝子を用いて血管平滑筋細胞の細胞周期停止を誘導して再狭窄を予防するハンマーヘッドリボザイムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動脈硬化症治療、特に狭窄を血管形成手法により処置した後の血管
の再狭窄の予防に関する。
【0002】
【従来の技術】
冠状動脈硬化性心疾患および他の動脈硬化性心疾患は、先進産業西洋諸国の罹
患率および死亡率の主要な原因となっている。一般には、その他の患者も全て動
脈硬化性血管変化の結果として心血管病を患っている。 手術のほかにも、多くの場合でバイパス形成手術、例えばバルーン・ダイラテ
ーション(PTCA)によって血管収縮または閉塞、すなわち狭窄を機械的に取り除く
血管形成術の重要性が近年大いに高まってきた。この治療法では、新たな血管閉
塞を阻止するために、血管にいわゆるステントを埋植し、その管腔を開存させて
おいて再狭窄を予防する。
【0003】 しかしながら、最新のカテーテル技術およびステント埋植法、また薬理学的処
方にもかかわらず、上記の治療的処置は再狭窄(その発生率は30ないし50%)に
よる実質的な限界がある。この再狭窄の主要な原因は血管平滑筋細胞の異常な一
時的増殖を刺激することにあるとみなされている。それから起こる血管平滑筋細
胞の制御されていない増殖、脈管内膜空間へのそれらの移動、また死滅の減少で
、次ぎには、生じた多数の脈管内膜細胞により狭窄が起こる。こういった多数の
脈管内膜平滑筋細胞はヒト再狭窄組織において、現在一般に認められた解決の糸
口である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
個々の患者の再狭窄には新たな外傷治療、あるいは通常合併症の危険性のある
外科手術介入が必要である。このことが独自に再狭窄を予防するより有効な新規
治療アプローチを必要とする。 さらに、かかる新規治療アプローチによってコストおよび労力を集中する応急
処置および継続管理処置を縮小させることは、世界的に1年に約1000,000の介入
という血管形成回数からみて明らかである。加速的な動脈硬化に関する再狭窄の
典型的特徴に基づき、これらの新規治療アプローチを、同等に有効な第一次予防
によるバイパス/シャント動脈硬化、移植片動脈硬化および臨床的にとりわけ初
期または進行型動脈硬化の治療にも使用することもできる。定義された標的狭窄
の管腔内処置のほか、経皮的非外科的カテーテル術によって梗塞面積を縮小する
、または動脈瘤の形成を妨げることを目的とした梗塞形成血管への保護物質の選
択的投与という選択肢も与えられる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この点について、本発明は細胞周期停止を誘導し、かつバルーン・ダイラテー
ション直後に投与し得る治療遺伝子を用いて血管平滑筋細胞の増殖を阻害する再
狭窄の予防法を提供する。 この治療的アプローチは、バルーン・ダイラテーション後、それによって起こ
るG1期サイクリンの合成による種々の増殖因子の著しい局部的増強が平滑筋細胞
の細胞周期へのリエントリーと、その結果として制御されない増殖をひき起こす
という知見に基づいている。
【0006】 この点について、本願の発明者らはCold Spring Harbor, New York, USAで199
8年9月23日〜27日の会議において細胞周期関連タンパク質サイクリンEまたはE2F
1をコードするmRNA分子に対して向けられるハンマーヘッドリボザイム、すなわ
ち触媒RNA分子の使用をすでに示唆した; Grassi et al., Pathol Res pract 199
8, 194/4: 267 (Abstract 214)。このアプローチは、極めて多様な制御経路に関
与する細胞周期関連タンパク質の産生を妨げることにより有効な増殖抑制が達成
できるという知見に基づいている。
【0007】 これは、サイクリンEが他の産物との相互作用を介して活性型の転写因子E2F1
を放出する調節フィードバック機構のものの中でも、数多くの制御経路の要素で
あるタンパク質サイクリンEおよびE2F1を利用する。E2F1は次ぎに、S期に必要な
産物の遺伝子の転写を活性化し、サイクリンE転写およびそれ自身の遺伝子の転
写の両方を刺激する。従って、サイクリンEおよびE2F1の複合的不活性化が細胞
周期停止を誘導する特に有効な方法である。
【0008】 サイクリンEおよびE2F1の機能および配列については、種々の刊行物、例えばK
off et al., Cell (1991), volume 66, 1217-1228、Geng et al., Oncogene (19
96), volume 12, 1173-1180、Helin et al., Cell (1992), volume 70, 337-350
、Ohtani et al., PNAS (1995), volume 92, 12146-50によって記載されている
。これらのタンパク質の不活性化によって細胞周期中の血管平滑筋細胞の進行が
有効に妨げられ、細胞周期のG1期からS期への移行が起こらない。
【0009】 種々の技術を遺伝子および/またはその産物の不活性化に利用できるが、しか
しながら触媒RNA分子、すなわちリボザイムを使用すると、一方ではそのリボザ
イムが自身の触媒活性により途中でタンパク質サイクリンEおよびE2F1をコード
するmRNA分子を分解し、他方ではそれらの配列特異的相互作用により、選択的効
果が達成されるという利点がある。 本発明の範囲で使用される触媒RNA分子は、例えばSymons: Small Catalytic R
NAs, Annu Rev BioChem (1992), volume 61, 641-671による総説で記載されたい
わゆるハンマーヘッドリボザイムである。塩基対を介して相補RNA分子と結合し
、部位特異的切断によりそれらを破壊するその能力がゆえ、ハンマーヘッドリボ
ザイムは治療用物質の調製に好適な候補である。
【0010】 原則として、ハンマーヘッドリボザイムは、それらが2つの配列部分、標的RNA
との特異的結合を担う、いわゆる結合アームおよび2つの結合アーム間に配列さ
れる多少なりとも保存された触媒作用配列部分を有するように構築する。この触
媒配列部分は3'および5'末端に2つの保存領域を含んでおり、別の配列部分は少
なくとも部分的に二本鎖であり、少なくとも理論上どのような長さおよび配列を
有してもよく、これらの2領域間に存在している。標的RNAと結合した結果、図1
に示される典型的ハンマーヘッドが形成される。矢印は切断部位を示しており、
ボックスは保存領域を強調している。
【0011】 既に記載したように、ハンマーヘッドリボザイムの特異性は、標的トリプレッ
トの領域で切断されるRNA分子と結合する結合アームの配列により決定される。
よって、標的RNAに対して向けられるリボザイムの結合アームの決定にはまず、
標的RNA分子の一本鎖領域の同定およびその後の結合アーム配列の決定による好
適な切断部位トリプレットの選択もまた必要である。特に、例えばサイクリンE
およびE2F1のmRNAのような比較的長い鎖の複雑なRNA分子の場合、その二次構造
およびリボザイムに自由に接近できる一本鎖領域もまたその配列から容易に誘導
できるわけではないため、結合アーム配列を可能性ある既知のRNA分子の配列か
ら単純に決めることができない。長いRNA分子の二次構造の決定に使用できるコ
ンピューターモデルは存在するが、本願の発明者らはこの方法によりサイクリン
EおよびE2F1のmRNA分子の好適な切断部位が上手く決定できないことを明らかに
した。
【0012】 従って、本発明の発明者らは、実施形態においてさらに詳しく説明するRNアー
ゼ H法を用いてハンマーヘッドリボザイムの好適な切断部位を決定した。可能性
ある標的部位を試験により決定した後、可能性ある結合アーム配列をそこから誘
導し、相当するリボザイムを調製する必要があった。この点について、また有効
なリボザイムの決定が試験に基づいてのみ可能であったため、結合アームの長さ
がリボザイムの触媒活性の効力に非常に重要であることが明らかになった。
【0013】 添付の配列表に挙げた配列、配列番号1および配列番号2、配列番号3および配
列番号4、配列番号5および配列番号6、配列番号7および配列番号8、配列番号9お
よび配列番号10ならびに配列番号11および配列番号12は、サイクリンE mRNAに対
する酵素の結合アーム対を示し、配列番号13および配列番号14、配列番号15およ
び配列番号16ならびに配列番号17および配列番号18の配列は、E2F1 RNAに対する
リボザイムの結合アーム対を示している。これらの結合アーム対を有するリボザ
イムは、本願の発明者らが試験によって示すことができたように、そのmRNA分子
に対して特に優れた触媒作用を有する。
【0014】 結合アームは示された配列の代わりに、各々に記載された配列と結合する配列
と結合する配列を有してもよい。 この点について、第3の触媒配列部分がその3'末端に配列番号19の配列、およ
びその5'末端に配列番号20の配列を有する場合、この第3の配列部分が選択的に
配列番号21の配列を含んでなることが好ましい。 添付の配列表にはサイクリンEに対する試験したリボザイムの配列が配列番号2
2ないし配列番号27として、E2F1に対するものの配列が配列番号28ないし配列番
号30として挙げられている。詳細な説明の表1は、ハンマーヘッドリボザイムに
ついて記載された最も好ましい定数範囲にあるこれらのリボザイムの速度定数を
示している。
【0015】 好適な標的細胞特異的輸送系により触媒RNA分子を標的細胞に導入することは
原則として可能であるが、上記触媒RNA分子をコードする配列部分を含んでなる
、このDNA分子を使用することがさらに有利である。このDNA配列部分はベクター
プラスミドの一部であってもよいし、またはベクター、好ましくは遺伝子治療に
使用するアデノウイルスベクターを作製するために用いてもよい。 他の方法に比べ、組換えアデノウイルスによる外来DNAの導入には特に、アデ
ノウイルスを標的細胞に高率で感染させるおよび挿入突然変異生成誘発の危険性
がないという利点がある。
【0016】 複製不能アデノウイルス構築物を使った、原則として体細胞遺伝子治療の心血
管病への適用可能性については、例えばBarr et al., J. Cell Biochem (1993),
volume 17D, 192によって記載されている。 一般には、このように選択的導入系または細胞特異的遺伝子発現のいずれかに
より治療効果が達成でき、平滑筋細胞で排他的に発現され、かつ高い発現率を有
するプロモーターにより、治療的遺伝子の組織特異的発現による選択的かつ有効
な発現が達成される。
【0017】 この点について、本発明はまた新規な触媒RNA分子もしくは新規なDNA分子また
は新規なベクタープラスミド各々を含んでなる治療組成物に関する。 特異的ベクターまたはベクタープラスミドを調製するために、本発明はさらに
新規なRNA分子をコードする少なくとも1つの配列部分を有する新規なDNA分子を
含むキットに関する。 一般には、本発明は血管平滑筋の増殖を抑制することによって再狭窄を予防す
るための、新規な触媒作用RNA分子、新規なDNA分子および/または新規なベクタ
ープラスミドの使用に関する。
【0018】 上記の、さらに下記で示される特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく、各
々の場合に示された組合せにおいてだけでなく、その他の組合せでまたはそれら
単独でも使用できることは明らかである。 以下、好ましい実施形態を記載し、本発明のさらなる特徴および利点を示す。 以下、添付の図面により実施例を説明する。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施例1 ハンマーヘッドリボザイムの構造 図1は、例えばSymonsにより初めて記載された刊行物に見られるハンマーヘッ
ドリボザイムの基本構造を示している。 図1は、基質(標的mRNA)とハイブリダイズしたリボザイムを示している。これ
によって基質およびリボザイム間に二本鎖領域が形成され、その領域間に矢印で
示される切断部位が基質側に見られる。リボザイム側に「結合アーム」である2
つの配列部分IおよびIIの間に触媒領域IIIを含んでなり、この領域IIIはボック
スで強調した保存領域および可変領域を含んでなる。
【0020】 同様に、基質側では標的トリプレットNUHをボックスで示している。Nは4つの
ヌクレオチドのいずれかを表し、HはヌクレオチドA、UおよびCのいずれかを表し
、YはピリミジンおよびRがプリンを表している。 リボザイムの触媒配列部分は、その3'末端に添付の配列表の配列番号19の配列
、およびその5'末端に配列番号20の配列を含んでなる。添付の配列表の配列番号
21は触媒配列部分IIIの一例であり、また例えば定義されたヌクレオチドを有す
る第3の配列部分IIIの二本鎖領域およびループ領域を示すものである。
【0021】 標的mRNAに対する図1のリボザイムの特異性は、示されるように結合アームIお
よびIIが基質上の標的トリプレットNUHをフランクするよう選択されるべきそれ
らの特異的配列によるものである。 実施例2では結合アーム配列を決定する方法を説明する。 実施例2 リボザイムに接近可能なサイクリンEおよびE2F1切断部位のRNアーゼ Hマッピン
グ ハンマーヘッドリボザイムに接近可能なサイクリンEおよびE2F1の切断部位は
、試験に基づいた方法を適用しなければならないため、サイクリンE(Koff et al
., loc. cit., Geng et al., loc. cit.)およびE2F1(Helin et al., loc. cit.)
の既知のmRNA配列からまたはこれらのmRNAの数学的折り畳みモデルから直接決定
することはできない。
【0022】 よって、接近可能な切断部位は、Zarinkar et al., Nature Struct Biol (199
6), volume 3, 432およびLapham et al., RNA (1996), volume 2, 289によって
記載されたRNアーゼ Hマッピング法を使用して決定した。このため、完全に無作
為な9量体オリゴデオキシヌクレオチドを5'末端を放射性同位元素標識した標識R
NAとともにインキュベートすると、相補塩基対合がクローズド領域、いわゆるス
テムではなく、オープンRNA構造、すなわち一本鎖「ループ」でのみ起こった。R
Nアーゼ HがかかるRNA/DNAハイブリッドを切断する能力に基づき、かつRNアーゼ
H切断部位に依存して、その長さが原則としてリボザイムに接近可能なオープン
領域のそれらの位置に反映するRNA断片の混合物が得られる。
【0023】 次いで、RNアーゼ H断片の長さを電気泳動により決定した後、配列特異的オリ
ゴデオキシヌクレオチドの使用により可能性あるリボザイム切断部位を確認する
ことができた。 サイクリンEでは、RNアーゼ Hマッピングを、クラスI転写物の2つのエキソン(
エキソンIおよびII)の不在下でのみ互いに異なるクラスIIIおよびクラスI転写物
を用いて行った。
【0024】 E2F1転写物でも異なる長さの2つのRNAを用いたが、末端切断型転写物には生理
学的重要性はない。 試験により決定されたサイクリンEおよびE2F1のオープンRNA領域を種々のコン
ピューターによる折り畳み解析と比較して、試験によりマッピングした切断部位
と推定構造との最適な一致が見つけられないことが明らかになった。 実施例1に記載した標的トリプレットNUHの情報からオープンRNA領域の種々の
結合アームIおよびIIを決定した後、これらを以下の実施例3で説明されるように
試験ハンマーヘッドリボザイムの作製に使用した。
【0025】 これらの試験で、結合アームの長さがこのように合成されたリボザイムの触媒
作用の有効性の決定因子の1つであることがわかり、得られたリボザイムが可能
性ある切断部位を認識して切断することが全くできないことがさらにわかった。 試験により確認された結合アーム対IおよびIIを添付の配列表に、配列番号1お
よび配列番号2、配列番号3および配列番号4、配列番号5および配列番号6、配列
番号7および配列番号8、配列番号8および配列番号9、配列番号9および配列番号1
0、配列番号11および配列番号12、配列番号13および配列番号14、配列番号15お
よび配列番号16ならびに配列番号17および配列番号18の配列として示している。
奇数の配列番号を有する配列は各々、5'末端の結合アームを示し、偶数の配列番
号を有する配列はリボザイムの3'末端の結合アームを表している。 実施例3 ハンマーヘッドリボザイム活性の決定 配列番号1ないし18の結合アームおよび配列番号21の触媒作用配列を基に、添
付の配列表に配列番号22ないし配列番号30としてその配列が挙げられている9つ
のハンマーヘッドリボザイムを作製した。
【0026】 転写されたE2F1のRNA、クラスIサイクリンEおよびクラスIIIサイクリンEを32P
-UTPの存在下、関連リボザイムとともにインキュベートし、速度定数Kcat/Km(104 M-1-1)を測定して活性を決定した。配列番号22ないし30の配列を有するハン
マーヘッドリボザイムのインビトロ活性を、図2に含められた表1に示している。 実施例4 複製不能アデノウイルスの構築 実施例2および3の触媒RNA分子をコードするDNA分子をアデノウイルスベクター
にクローニングし、その組換えアデノウイルスを突然変異または欠失により複製
不能にした。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ハンマーヘッドリボザイムの概略構造を示す。
【図2】 試験したハンマーヘッドリボザイムの実測速度定数を含む表を示す。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月18日(2002.4.18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】 これらの試験で、結合アームの長さがこのように合成されたリボザイムの触媒
作用の有効性の決定因子の1つであることがわかり、得られたリボザイムが可能
性ある切断部位を認識して切断することが全くできないことがさらにわかった。 試験により確認された結合アーム対IおよびIIを添付の配列表に、配列番号1お
よび配列番号2、配列番号3および配列番号4、配列番号5および配列番号6、配列
番号7および配列番号8、配列番号9および配列番号10、配列番号11および配列番
号12、配列番号13および配列番号14、配列番号15および配列番号16ならびに配列
番号17および配列番号18の配列として示している。奇数の配列番号を有する配列
は各々、5'末端の結合アームを示し、偶数の配列番号を有する配列はリボザイム
の3'末端の結合アームを表している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カンドルフ,ラインハルド ドイツ連邦共和国,D−72379 ヘヒンゲ ン,ウンダー ドーマッカー 49番地 Fターム(参考) 4B024 AA01 CA04 CA12 EA02 FA02 HA08 HA11 4C084 AA02 AA13 DC50 NA14 ZA452

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞周期関連タンパク質サイクリンEまたはE2F1をコードするmRNA分子に対し
    て向けられる触媒作用するRNA分子。
  2. 【請求項2】 mRNA分子と結合する第1の配列部分、mRNA分子と結合する第2の配列部分、およ
    び第1と第2の配列部分の間にあり、かつ結合したmRNA分子の部位特異的切断を触
    媒する第3の配列部分を有する、請求項1に記載のRNA分子。
  3. 【請求項3】 第1の配列部分が配列番号1の配列または配列番号1の配列と結合する配列と結
    合する配列を有し、かつ第2の配列部分が配列番号2の配列または配列番号2の配
    列と結合する配列と結合する配列を有する、請求項2に記載のRNA分子。
  4. 【請求項4】 第1の配列部分が配列番号3の配列または配列番号3の配列と結合する配列と結
    合する配列を有し、かつ第2の配列部分が配列番号4の配列または配列番号4の配
    列と結合する配列と結合する配列を有する、請求項2に記載のRNA分子。
  5. 【請求項5】 第1の配列部分が配列番号5の配列または配列番号5の配列と結合する配列と結
    合する配列を有し、かつ第2の配列部分が配列番号6の配列または配列番号6の配
    列と結合する配列と結合する配列を有する、請求項2に記載のRNA分子。
  6. 【請求項6】 第1の配列部分が配列番号7の配列または配列番号7の配列と結合する配列と結
    合する配列を有し、かつ第2の配列部分が配列番号8の配列または配列番号8の配
    列と結合する配列と結合する配列を有する、請求項2に記載のRNA分子。
  7. 【請求項7】 第1の配列部分が配列番号9の配列または配列番号9の配列と結合する配列と結
    合する配列を有し、かつ第2の配列部分が配列番号10の配列または配列番号10の
    配列と結合する配列と結合する配列を有する、請求項2に記載のRNA分子。
  8. 【請求項8】 第1の配列部分が配列番号11の配列または配列番号11の配列と結合する配列と
    結合する配列を有し、かつ第2の配列部分が配列番号12の配列または配列番号12
    の配列と結合する配列と結合する配列を有する、請求項2に記載のRNA分子。
  9. 【請求項9】 第1の配列部分が配列番号13の配列または配列番号13の配列と結合する配列と
    結合する配列を有し、かつ第2の配列部分が配列番号14の配列または配列番号14
    の配列と結合する配列と結合する配列を有する、請求項2に記載のRNA分子。
  10. 【請求項10】 第1の配列部分が配列番号15の配列または配列番号15の配列と結合する配列と
    結合する配列を有し、かつ第2の配列部分が配列番号16の配列または配列番号16
    の配列と結合する配列と結合する配列を有する、請求項2に記載のRNA分子。
  11. 【請求項11】 第1の配列部分が配列番号17の配列または配列番号17の配列と結合する配列と
    結合する配列を有し、かつ第2の配列部分が配列番号18の配列または配列番号18
    の配列と結合する配列と結合する配列を有する、請求項2に記載のRNA分子。
  12. 【請求項12】 第3の配列部分がその3'末端に配列番号19の配列、およびその5'末端に配列番
    号20の配列を有する、請求項2ないし11のいずれか一項に記載のRNA分子。
  13. 【請求項13】 第3の配列部分が配列番号21の配列を有する、請求項12に記載のRNA分子。
  14. 【請求項14】 配列番号22の配列を有する、請求項1に記載のRNA分子。
  15. 【請求項15】 配列番号23の配列を有する、請求項1に記載のRNA分子。
  16. 【請求項16】 配列番号24の配列を有する、請求項1に記載のRNA分子。
  17. 【請求項17】 配列番号25の配列を有する、請求項1に記載のRNA分子。
  18. 【請求項18】 配列番号26の配列を有する、請求項1に記載のRNA分子。
  19. 【請求項19】 配列番号27の配列を有する、請求項1に記載のRNA分子。
  20. 【請求項20】 配列番号28の配列を有する、請求項1に記載のRNA分子。
  21. 【請求項21】 配列番号29の配列を有する、請求項1に記載のRNA分子。
  22. 【請求項22】 配列番号30の配列を有する、請求項1に記載のRNA分子。
  23. 【請求項23】 請求項1ないし22のいずれか一項に記載のRNA分子をコードする少なくとも1
    つの配列部分を有する、DNA分子。
  24. 【請求項24】 請求項1ないし22のいずれか一項に記載のRNA分子をコードする少なくとも1
    つのDNA配列部分、およびそのDNA配列部分の前に挿入されたプロモーターを有す
    る、ベクタープラスミド。
  25. 【請求項25】 請求項1ないし22のいずれか一項に記載のRNA分子、もしくは請求項23に
    記載のDNA分子、または請求項24に記載のベクタープラスミドを有する、治療
    組成物。
  26. 【請求項26】 請求項23に記載のDNA分子を含む、キット。
  27. 【請求項27】 遺伝子治療用のベクターを作製するための請求項1ないし22のいずれか一項
    に記載のRNA分子および/または請求項23に記載のDNA分子の使用。
  28. 【請求項28】 血管形成処置した血管の再狭窄を抑制するための請求項1ないし22のいずれ
    か一項に記載のRNA分子および/もしくは請求項23に記載のDNA分子ならびに/
    または請求項24に記載のベクタープラスミドの使用。
JP2001525347A 1999-09-22 1999-09-22 再狭窄の予防用リボザイム Pending JP2003535573A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/EP1999/007049 WO2001021789A1 (de) 1999-09-22 1999-09-22 Ribozyme zur restenose-prävention

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003535573A true JP2003535573A (ja) 2003-12-02

Family

ID=8167447

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001525347A Pending JP2003535573A (ja) 1999-09-22 1999-09-22 再狭窄の予防用リボザイム

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP1214408A1 (ja)
JP (1) JP2003535573A (ja)
CA (1) CA2385228A1 (ja)
WO (1) WO2001021789A1 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5834440A (en) * 1994-03-07 1998-11-10 Immusol Incorporated Ribozyme therapy for the inhibition of restenosis

Also Published As

Publication number Publication date
EP1214408A1 (de) 2002-06-19
CA2385228A1 (en) 2001-03-29
WO2001021789A1 (de) 2001-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hu et al. Cellular senescence in cardiovascular diseases: a systematic review
JP2019055990A (ja) 疾患の処置のためのトリシクロ−dnaアンチセンスオリゴヌクレオチド、組成物及び方法
TWI231312B (en) Novel dumbbell decoy oligodeoxynucleotides and use thereof
JPH10500309A (ja) リボザイムを用いて再狭窄および癌を治療するための方法および組成物
JP2015518714A (ja) 遺伝子発現を調節するための組成物及び方法
EA029094B1 (ru) Антисмысловые соединения, нацеленные на коннексины, и способы их применения
WO1997011720A1 (en) Methods for treating cancers and restenosis with p21
US20060263422A1 (en) Pharmaceutical composition containing decoy and use of the same
Muller The role of proto-oncogenes in coronary restenosis
US11246965B2 (en) Compositions and methods for reducing neointima formation
JPWO2005093067A1 (ja) シノビオリン遺伝子のプロモーターに対するデコイ核酸
JPH1052264A (ja) N‐ras発現阻害剤およびその方法
JPH09509324A (ja) 増殖阻止ホメオボックス遺伝子
Conte Molecular engineering of vein bypass grafts
EP1803811B1 (en) Chimeric (double) decoy
WO2000032765A2 (en) Ribozyme therapy for the treatment and/or prevention of restenosis
EP1206527A1 (en) Treatment of inflammatory or malignant disease using dnazymes
US20110065772A1 (en) Treatment of rheumatoid arthritis
JP2003535573A (ja) 再狭窄の予防用リボザイム
Murrell et al. The role of c-jun in PDTC-sensitive flow-dependent restenosis after angioplasty and stenting
US7662794B2 (en) DNA enzyme to inhibit plasminogen activator inhibitor-1
US7078390B1 (en) Ribozymes to growth factor originating in human platelet
JP2003512442A (ja) 癌の治療法
WO2012072850A2 (es) Compuestos para el tratamiento de daños cardiacos tras isquemia/reperfusión
Phylactou et al. Potential therapy paradigms for Marfan syndrome

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20041001