JP2003535035A - ベンゼンジカルボン酸の製造方法 - Google Patents

ベンゼンジカルボン酸の製造方法

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JP2003535035A JP2001539836A JP2001539836A JP2003535035A JP 2003535035 A JP2003535035 A JP 2003535035A JP 2001539836 A JP2001539836 A JP 2001539836A JP 2001539836 A JP2001539836 A JP 2001539836A JP 2003535035 A JP2003535035 A JP 2003535035A
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プラタプ サクスナ マヘンドラ
クマラ グプタ アスホック
クマ− シャラマ サティシュ
プラサド バングワル ディネシュ
バグワン ゴイヤル ハリ
プラサド ラムシュオ
モール サンジブ
ディー.パテル プラカシュ
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ケミンテル(インディア)プライベート リミティッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、溶媒としての酢酸、触媒としてのコバルト塩、および開始剤の存在下に、酸素または空気を使用してキシレン異性体を液相酸化することによって、ベンゼンジカルボン酸を製造する方法に関する。酸化工程の次に、該反応混合物をフラッシュして、揮発性物質を除去し、冷却し、濾過して、固体生成物としての粗ベンゼンジカルボン酸および濾液を得る。該ジカルボン酸固体生成物を再結晶して、少なくとも99%の純度のベンゼンを得る。該濾液は再循環させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、酸素または空気を使用してキシレン異性体を液相酸化することによ
って、ベンゼンジカルボン酸を製造する方法に関する。
【0002】 特定のベンゼンジカルボン酸、即ち、フタル酸、テレフタル酸またはイソフタ
ル酸の製造方法の主な実施態様において、酸素または空気を使用して、液相にお
いて対応するキシレン異性体を酸化する。カルボキシベンズアルデヒド不純物は
、このようにして生成される化合物において大部分が除去される。
【0003】 (背景技術) ベンゼンジカルボン酸は、対応するキシレン異性体の酸化によって工業的に製
造される。フタル酸は、o−キシレンの蒸気相および液相空気酸化によって製造
することができるが、テレフタル酸およびイソフタル酸は、液相法によってのみ
製造することができる。これは主として、対応するフタル酸へのキシレンの変換
および選択性が、蒸気相酸化においてかなり低いからである。
【0004】 一般に知られているテレフタル酸の製造法は、酢酸コバルトを触媒として使用
し、アルデヒドまたはケトンを触媒活性剤として使用して、酸化を補助する遊離
基を系に供給する。活性剤は一般に、触媒と同様の比率で使用される。これらの
方法に使用される多量の活性剤および触媒の故に、酢酸が副生物として生成され
る。従来法における開始剤の消費は、相対的に多いことが知られている。フタル
酸を精製する方法は、エネルギー集約的かつ複雑であることが分かっており、該
方法によれば、第一段階において、反応の中間体として形成された不純物および
触媒を酢酸に溶解するのに充分な時間にわたって、高温において、浸漬室で、濾
過したテレフタル酸を酢酸で先ず浸出する。次に、混合物を冷却し、最終濾過工
程に付す。次に、固体テレフタル酸を昇華し、触媒処理に付して、微量の有機物
および金属を除去する。該方法に使用される多量の活性剤および高エネルギーの
消費、ならびに時間を要する分離工程および精製工程は、従来法の主な短所であ
る。
【0005】 一般に知られているテレフタル酸の他の製造法において、臭化物促進(bro
mide promoted)コバルトおよびマンガン触媒を、酸化剤としての
空気の存在下に使用する。しかし、該方法は高濃度のカルボキシベンズアルデヒ
ドの不純物を生じる故に、所望の結果が得られない。
【0006】 米国特許第5132480号(1992年)は、180℃〜210℃の温度に
おいて酢酸を溶媒として使用して液相においてコバルトマンガンブロミド触媒の
存在下に高純粋イソフタル酸を2段階で製造する方法を開示し、該方法によれば
、第一段階において、10,000PPMの濃度の3−カルボキシベンズアルデ
ヒドを得、第二段階において、100PPMまたは100PPM未満に減少させ
る。
【0007】 米国特許第5189209号(1992年)は、170℃〜300℃の温度、
15〜50kg/cmの圧力において、1〜50重量%の水を使用して、第V
III族の貴金属触媒の存在下に、水性酢酸中において粗イソフタル酸を液相水
素添加することによって、高純粋イソフタル酸を製造する方法を開示している。
【0008】 米国特許第5371283号(1994年)は、テレフタル酸の製造方法を開
示している。付随する燃焼危険要素を減少させる反応系において、酢酸の存在下
に酸素または酸素高含有ガスを使用する。この方法は、基本的に、テレフタル酸
製造用の特殊な反応器を使用する。
【0009】 米国特許第5770765号(1998年)は、酸化溶液を結晶化することに
よって得られるイソフタル酸を溶解させるために水を溶媒として使用して、m−
キシレンの酸化反応から得られる母液を一連の水素添加工程および酸化工程に付
すことによって、高純度イソフタル酸を製造する方法を開示している。水溶液を
接触水素添加および酸化に付して、中間体不純物を減少させる。該特許において
このように開示されている発明は、イソフタル酸における不純物を減少させる付
加的反応段階を必要とする。
【0010】 米国特許第3974214号(1976年)は、イソフタル酸コバルト触媒の
製造方法を開示し、該方法において、メタトルイル酸のような色付与化合物の生
成を最終生成物において減少させる。これは、反応を2つの反応器で行い、反応
器間の開始剤および触媒の濃度を調節することによって行われる。反応器間のイ
ソフタル酸およびメタトルイル酸の比率を注意深く操作して、最終生成物におい
て0.4%未満のMTAの所望の結果を得ることができる。この方法において、
反応器の第一段階と第二段階の間で、多くの活性剤を添加する(第一段階の終わ
りにおけるMTAと同じ比率)。全てのイソフタル酸が生成されるまで待たずに
、反応の中間におけるMTAの酸化を目的にすることによって、イソフタル酸に
吸蔵される色付与物質の量を減少させることが開示されている。
【0011】 要約すると、キシレン酸化法はこれまで一般に臭化物促進コバルト−マンガン
触媒を使用していた。そのような方法の他の変形法においては、アセトアルデヒ
ドおよび2−ブタノン等のような遊離基生成化合物によって促進されるコバルト
−マンガン触媒を使用する。
【0012】 臭化物促進剤の使用によって装置の腐蝕を生じる故に、前記の全ての方法は明
らかに欠点を有する。該方法は、高い圧力および温度の厳しい条件下に行われる
故に、装置の腐蝕は、製造に必要とされる高コストの耐蝕性材料に加えて、危険
でもある。
【0013】 さらに、分子比(molecular proportions)の有機促進
剤の使用は、副生物としての酢酸の同時かつ不慮の生成を生じ、促進剤は酢酸生
成の高価な原料である故に不経済である。ジカルボン酸生成物は、分離するのが
極めて困難なカルボキシベンズアルデヒドを副生物として含有し、従って、生成
物をモノマーとして使用するのに適さないものにする。さらに、生成物の精製は
、不純物の選択的水素添加または酸化を含み、製造コストを増加させる。
【0014】 従って、腐食性臭素化合物を触媒として使用しない方法は、酸化反応器におけ
るカルボキシベンズアルデヒドおよびメタトルイル酸のような中間体の完全な変
換を確実にし、最終生成物におけるこれらの化合物の低濃度を達成し、従って、
大きい経済的可能性を有する。
【0015】 (発明の開示) 本発明の目的は、ベンゼンジカルボン酸生成物へのキシレンの変換および選択
性に不利な影響を与えずに、好適な濃度のコバルト触媒および工程条件を使用す
ることによって、カルボキシベンズアルデヒド副生物の反応性を増加させる改良
された方法を提供することである。従って、この方法において、生成物中のカル
ボキシベンズアルデヒド不純物の大部分が除去され、それによって、反応器の下
流における別の精製工程段階を必要としない。触媒活性剤は、従来法と比較して
極めて少量で使用される。さらに、臭素触媒の使用も避ける。
【0016】 本発明はベンゼンジカルボン酸の製造方法に関し、該方法において、触媒が臭
化物促進剤または有機促進剤を分子比で含有しない。
【0017】 本発明の方法は、供給されるキシレンの5.0〜25モル%の実質的比率のコ
バルト塩を触媒として使用することを含んで成る。塩の酸成分は、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等から選択される。開始
剤は、従来法に使用される開始剤の量と比較してかなり少ない量で使用され、触
媒として使用される金属塩混合物1モルに対して0.01〜1モルの比率のアセ
トアルデヒド、トルアルデヒドまたはケトン、例えば、ブタノン、メチルエチル
ケトン等から選択される。5〜80kg/cmの圧力、100℃〜130℃の
温度において、酢酸溶媒の存在下に、1時間〜6時間にわたって、特定のキシレ
ン異性体を空気または酸素で酸化する。溶媒/キシレンの重量比は、4〜20で
ある。次に、該反応混合物を室温および室圧にフラッシュして、揮発物、例えば
、水および未反応キシレンおよびいくつかの他の化合物を除去し、次に、20℃
〜40℃に冷却し、結晶化粗生成物を濾過するかまたは遠心分離する。粗ベンゼ
ンジカルボン酸生成物は少なくとも97%の純度であり、極微量のカルボキシベ
ンズアルデヒドを含有する。好適な溶媒、例えば、メタノール、エタノール、水
、酢酸等から再結晶することによって、生成物を少なくとも99%に精製する。
補充量の触媒、溶媒および開始剤を添加した後に、溶媒、触媒および中間体を含
有する脱水濾液を再循環させる。
【0018】 機械攪拌機、ガス配給管、還流冷却器、温度計ポケットおよび破裂板(rup
ture disc)を取り付けたステンレス鋼製の300mLのオートクレー
ブで反応を行う。オートクレーブは電気的に加熱され、内部冷却コイルを有する
。該システムは、回分反応器として操作される。流出ガスを氷冷トラップに通し
、次に、冷却(−20℃)トルエン中で泡立たせて、キャリーオーバーm−キシ
レンを捕捉する。
【0019】 キシレンの変換はほぼ完全(98〜100%)であり、得られたジカルボン酸
へのリサイクルベースにおける選択性は、反応したキシレンに基づいて98%よ
り大である。生成物中の不純物としてのカルボキシベンズアルデヒドは、除去さ
れるかまたは顕著に減少される。
【0020】 一連の実験を行って、キシレンの酸化における種々のパラメーターの作用を確
認した。いくつかの関連するパラメーターの作用を、添付の図面に関して示す。
【0021】 図1は、変換および選択性における触媒/キシレンの比率の作用を示すグラフ
である。示されるように、モル比0.1までは、選択性および変換は、触媒/キ
シレンの比率が増加すると共に増加するが、モル比が0.1を越えると、変換お
よび選択性における作用を示さない。従って、使用される最適触媒装填量は、装
填されるキシレン1モルに対して0.1モルである。これらの触媒濃度において
、反応のメカニズムは、Co−Mn−Br触媒系を使用する場合、他方に対立す
るものとしての電子移動であり、最終生成物におけるカルボキシベンズアルデヒ
ドの高濃度に導く遊離基メカニズムを有し、生成された二酸の精製のためにコス
トの高い水素添加工程を必要とする。この工程は、所望の生成物への中間体の完
全な変換を確実にする酸化が生じるように、必要とされる触媒比率を選択するこ
とによって、本発明の方法において完全に避けることができる。
【0022】 図2は、本発明の方法の所定の圧力におけるイソフタル酸へのm−キシレンの
変換および選択性を示すグラフである。
【0023】 図3は、イソフタル酸へのm−キシレンの変換および選択性における温度の作
用を示すグラフである。110℃より高い温度において変換は100%であるが
、この温度より高い温度におけるコバルト触媒の失活によって、アジピン酸への
選択性は120℃を越えると急激に減少する。
【0024】 図4は、イソフタル酸へのm−キシレンの変換および選択性における、開始剤
/触媒の比率の作用を示すグラフである。低濃度の開始剤を使用した場合でも、
変換は本質的に完全であることが見い出された。しかし、選択性は、開始剤濃度
の増加と共に増加する。1.0の開始剤/触媒の比率において生成された特定の
フタル酸の実測値は0.05kgであり、従来法で使用される開始剤の量よりか
なり少ない。
【0025】 従って、本発明は、下記の工程: 5〜80kg/cmの圧力および100〜150℃の温度において、酢酸溶
媒、キシレン供給量の5.0〜25モル%の比率のコバルト塩触媒、および該触
媒1モルに対して0.05〜1モルの比率の開始剤の存在下に、オートクレーブ
においてキシレン異性体を空気または酸素で1〜6時間にわたって酸化して、反
応混合物を形成する工程; 該反応混合物をフラッシュして、揮発性物質を除去し、次に、20〜40℃に
冷却し、濾過/遠心分離に付して、固体生成物としての粗ベンゼンジカルボン酸
および濾液を得る工程; メタノール、エタノール、水または酢酸から選択される溶媒の存在下に、該粗
ベンゼンジカルボン酸を再結晶して少なくとも99%の純度のベンゼンジカルボ
ン酸を得る工程; を含んで成るキシレン異性体の液相酸化によってベンゼンジカルボン酸を製造す
る方法を提供する。
【0026】 さらに、本発明は、下記の工程: 5〜80kg/cmの圧力および100〜150℃の温度において、酢酸溶
媒、キシレン供給量の5.0〜25モル%の比率のコバルト塩触媒、および該触
媒1モルに対して0.05〜1モルの比率の開始剤の存在下に、オートクレーブ
においてキシレン異性体を空気または酸素で1〜6時間にわたって酸化して、反
応混合物を形成する工程; 該反応混合物をフラッシュして、揮発性物質を除去し、次に、20〜40℃に
冷却し、濾過/遠心分離に付して、固体生成物としての粗ベンゼンジカルボン酸
および濾液を得る工程; メタノール、エタノール、水または酢酸から選択される溶媒の存在下に、該粗
ベンゼンジカルボン酸を再結晶して少なくとも99%の純度のベンゼンジカルボ
ン酸を得る工程; 1%未満の水、該溶媒、該触媒および該中間体ならびに有機物および未反応キ
シレンを含有する濾液を再循環させる工程; を含んで成るキシレン異性体の液相酸化によってベンゼンジカルボン酸を製造す
る方法を提供する。
【0027】 下記の実施例は、本発明を例として説明するものにすぎず、本発明の範囲を限
定するものではないと理解すべきものとする。
【0028】 (実施例) 実施例1 21.2gのm−キシレン、150gの氷酢酸、5.0gの酢酸コバルト(I
I)および1.2gの2−ブタノンを、300ccの撹拌ステンレス鋼オートク
レーブに100cc/分で装填した。酸素をスパージャー管で泡立たせ、混合物
を125℃、35kg/cmの圧力において酸化した。1分間につき100c
cの酸素を4時間にわたって含有物にスパージングし、次に、反応混合物を1気
圧で35℃にフラッシュし、冷却し、次に、遠心分離した。得られた固体粗生成
物は29.1gであり、98.5%のイソフタル酸、1.4%のm−トルイル酸
および約100PPMのみの3−カルボキシベンズアルデヒドを含有していた。
80.3%のm−トルイル酸、12.5%のイソフタル酸および7.2%の不明
成分から成る3.6gの有機生成物を含有する濾液を再循環させる。粗生成物を
水から再結晶して、15PPM未満の3−カルボキシベンズアルデヒドを含有す
る28.5g、99.9%のイソフタル酸を得た。
【0029】 実施例2 21.2gのm−キシレン、160gの氷酢酸、4.0gの酢酸コバルト(I
I)および0.5gのパラアルデヒドを、130℃、30kg/cmにおいて
オートクレーブで150cc/分の酸素で3時間にわたって処理した。反応混合
物を1気圧で35℃にフラッシュし、冷却し、次に、濾過した。得られた固体生
成物28.8gは、98.3%のイソフタル酸、1.6%のm−トルイル酸およ
び約120PPMのみの3−カルボキシベンズアルデヒドを含有していた。再結
晶後、生成物の濃度は99.9%であり、15PPM未満の3−カルボキシベン
ズアルデヒドを含有していた。濾液は、84.5%のm−トルイル酸、12.3
%のイソフタル酸および3.2%の不明成分から成る4.5gの有機生成物を含
有していた。
【0030】 実施例3 21.2gのp−キシレン、200gの氷酢酸、6.0gの酢酸コバルト(I
I)および0.4gの2−ブタノンの混合物を、120℃、20kg/cm
おいてオートクレーブでスパージャー管を使用して酸素(100cc/分)で4
時間にわたって処理した。反応混合物を1気圧で35℃にフラッシュし、冷却し
、濾過した。粗(98.6%)テレフタル酸の収量は30.2gであった。15
.29%のテレフタル酸、75.8%のトルイル酸および約9.0%の不明成分
から成る有機生成物4.5gを含有する濾液を再循環させる。粗生成物を結晶化
して、15PPM未満の4−カルボキシベンズアルデヒドを含有する99.9%
の純度のテレフタル酸を得た。
【0031】 実施例4 21.2gのm−キシレン、200gの氷酢酸、5.2gの酢酸コバルト(I
I)および1.0gの2−ブタノンの混合物を、ガススパージャーを取り付けた
オートクレーブで130℃、40kg/cmにおいて空気(500cc/分)
で5時間にわたって酸化した。反応混合物を濾過して、30.1gの粗(98.
1%)イソフタル酸を得た。濾液を、21.2gのm−キシレン、0.25gの
補充酢酸コバルト(II)および0.4gの2−ブタノンと一緒に、130℃、
40kg/cmにおいて500cc/分の空気で5時間にわたって酸化した。
反応混合物を350ccで濾過して、32.5gの粗(98.5)イソフタル酸
を得た。これを水から再結晶して、31.5g、99.9%の純度のイソフタル
酸を得た。生成物は15PPM未満の3−カルボキシベンズアルデヒドを含有し
ていた。
【0032】 従って、ベンゼンジカルボン酸の前記の製造方法は、溶媒の存在下のキシレン
の液相酸化を含み、該方法において、コバルト触媒を極めて低い濃度の活性剤と
一緒に使用する。臭素に基づく化合物のような腐蝕性の開始剤/活性剤は存在し
ない。触媒濃度は、反応条件において電子移動経路によって酸化が起こるように
選択される。これは、トルイル酸およびカルボキシベンズアルデヒドのような中
間体を極めて迅速にフタル酸に変換するのを補助し、それによって、最終生成物
におけるこれらの化合物の濃度を減少させる。従って、フタル酸の精製は容易で
あり、水素添加または他のエネルギー集約的工程を含まず、水または好適な溶媒
からの再結晶を含む。
【0033】 前記の開示は、本発明を説明するものにすぎず、いかなる方法においても本発
明の範囲を限定するものであると理解すべきではない。
【手続補正書】特許協力条約第19条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年11月6日(2000.11.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法によって製造され
るベンゼンジカルボン酸。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年11月17日(2001.11.17)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】 (実施例) 実施例1 21.2gのm−キシレン、150gの氷酢酸、5.0gの酢酸コバルト(I
I)および1.2gの2−ブタノンを、300ccの撹拌ステンレス鋼オートク
レーブに100cc/分で装填した。酸素をスパージャー管で泡立たせ、混合物
を125℃、35kg/cmの圧力において酸化した。1分間につき100c
cの酸素を4時間にわたって含有物にスパージングし、次に、反応混合物を大気 で35℃にフラッシュし、冷却し、次に、遠心分離した。得られた固体粗生成物
は29.1gであり、98.5%のイソフタル酸、1.4%のm−トルイル酸お
よび約100PPMのみの3−カルボキシベンズアルデヒドを含有していた。 液は 80.3%のm−トルイル酸、12.5%のイソフタル酸および7.2%の
不明成分から成る3.6gの有機生成物を含有していた。粗生成物を水から再結
晶して、15PPM未満の3−カルボキシベンズアルデヒドを含有する28.5
g、99.9%のイソフタル酸を得た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】 実施例2 1.2gのm−キシレン、160gの氷酢酸、4.0gの酢酸コバルト(II
)および0.5gのパラアルデヒドを、130℃、30kg/cmにおいてオ
ートクレーブで150cc/分の酸素で3時間にわたって処理した。反応混合物
大気で35℃にフラッシュし、冷却し、次に、濾過した。得られた固体生成物
28.8gは、98.3%のイソフタル酸、1.6%のm−トルイル酸および約
120PPMのみの3−カルボキシベンズアルデヒドを含有していた。再結晶後
、生成物の濃度は99.9%であり、15PPM未満の3−カルボキシベンズア
ルデヒドを含有していた。濾液は、84.5%のm−トルイル酸、12.3%の
イソフタル酸および3.2%の不明成分から成る4.5gの有機生成物を含有し
ていた。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】 実施例3 21.2gのp−キシレン、200gの氷酢酸、6.0gの酢酸コバルト(I
I)および0.4gの2−ブタノンの混合物を、120℃、20kg/cm
おいてオートクレーブでスパージャー管を使用して酸素(100cc/分)で4
時間にわたって処理した。反応混合物を大気で35℃にフラッシュし、冷却し、
濾過した。粗(98.6%)テレフタル酸の収量は30.2gであった。濾液は 15.29%のテレフタル酸、75.8%のトルイル酸および約9.0%の不明
成分から成る有機生成物4.5gを含有していた。粗生成物を結晶化して、15
PPM未満の4−カルボキシベンズアルデヒドを含有する99.9%の純度のテ
レフタル酸を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マヘンドラ プラタプ サクスナ インド国,ウッタルプラデシ,デラダン− 248005,モクハンプラ,インディアン イ ンスティチュート オブ ペトロレアム (カウンセル オブ サイエンティフィッ ク アンド インダストリアル リサー チ) (72)発明者 アスホック クマラ グプタ インド国,ウッタルプラデシ,デラダン− 248005,モクハンプラ,インディアン イ ンスティチュート オブ ペトロレアム (カウンセル オブ サイエンティフィッ ク アンド インダストリアル リサー チ) (72)発明者 サティシュ クマ− シャラマ インド国,ウッタルプラデシ,デラダン− 248005,モクハンプラ,インディアン イ ンスティチュート オブ ペトロレアム (カウンセル オブ サイエンティフィッ ク アンド インダストリアル リサー チ) (72)発明者 ディネシュ プラサド バングワル インド国,ウッタルプラデシ,デラダン− 248005,モクハンプラ,インディアン イ ンスティチュート オブ ペトロレアム (カウンセル オブ サイエンティフィッ ク アンド インダストリアル リサー チ) (72)発明者 ハリ バグワン ゴイヤル インド国,ウッタルプラデシ,デラダン− 248005,モクハンプラ,インディアン イ ンスティチュート オブ ペトロレアム (カウンセル オブ サイエンティフィッ ク アンド インダストリアル リサー チ) (72)発明者 ラムシュオ プラサド インド国,ウッタルプラデシ,デラダン− 248005,モクハンプラ,インディアン イ ンスティチュート オブ ペトロレアム (カウンセル オブ サイエンティフィッ ク アンド インダストリアル リサー チ) (72)発明者 サンジブ モール インド国,プネー411005,シヴァジナガ, ムンバイ−プネ ロード,4,サファリ パーク ガレリア,3フロアー フツリカ ペトロケミカルズ プライベート リミ ティッド (72)発明者 プラカシュ ディー.パテル インド国,グラジャート スラト394210 ウドーナ ピー.ビー.ナンバー 1213 アダッシュ ケミカル アンド フェルテ ィリザーズ リミティッド Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB84 AC46 AD15 AD17 BA20 BA32 BA93 BB14 BB17 BB31 BC10 BC11 BC14 BC19 BC34 BD42 BD52 BE30 4H039 CA65 CC30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キシレン異性体の液相酸化によるベンゼンジカルボン酸の製
    造方法であって、下記の工程: 5〜80kg/cmの圧力および100〜150℃の温度において、酢酸溶
    媒、前記キシレン供給量の5.0〜25モル%の比率のコバルト塩触媒、および
    前記触媒1モルに対して0.05〜1モルの比率の開始剤の存在下に、オートク
    レーブにおいてキシレン異性体を空気または酸素で1〜6時間にわたって酸化し
    て、反応混合物を形成する工程; 前記反応混合物をフラッシュして、揮発性物質を除去し、次に、20〜40℃
    に冷却し、濾過/遠心分離に付して、固体生成物としての粗ベンゼンジカルボン
    酸および濾液を得る工程; メタノール、エタノール、水または酢酸から選択される溶媒の存在下に、前記
    粗ベンゼンジカルボン酸を再結晶して少なくとも99%の純度のベンゼンジカル
    ボン酸を得る工程を含んで成る方法。
  2. 【請求項2】 キシレン異性体の液相酸化によるベンゼンジカルボン酸の製
    造方法であって、下記の工程: 5〜80kg/cmの圧力および100〜150℃の温度において、酢酸溶
    媒、前記キシレン供給量の5.0〜25モル%の比率のコバルト塩触媒、および
    前記触媒1モルに対して0.05〜1モルの比率の開始剤の存在下に、オートク
    レーブにおいてキシレン異性体を空気または酸素で1〜6時間にわたって酸化し
    て、反応混合物を形成する工程; 前記反応混合物をフラッシュして、揮発性物質を除去し、次に、20〜40℃
    に冷却し、濾過/遠心分離に付して、固体生成物としての粗ベンゼンジカルボン
    酸および濾液を得る工程; メタノール、エタノール、水または酢酸から選択される溶媒の存在下に、前記
    粗ベンゼンジカルボン酸を再結晶して少なくとも99%の純度のベンゼンジカル
    ボン酸を得る工程; 1%未満の水、前記溶媒、前記触媒および前記中間体ならびに有機物および未
    反応キシレンを含有する前記濾液を再循環させる工程を含んで成る方法。
  3. 【請求項3】 前記コバルト塩の酸成分を、酢酸、プロピオン酸、酪酸、フ
    タル酸、イソフタルまたはテレフタル酸等から選択する請求項1または2に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 前記開始剤を、触媒として使用される金属塩混合物1モルに
    対して0.05〜1モルの比率のアセトアルデヒド、トルアルデヒドまたはケト
    ン、例えば、ブタノン、メチルエチルケトンから選択する請求項1または2に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法によって製造され
    るベンゼンジカルボン酸。
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