JP2003534822A - 移植可能なシャント装置 - Google Patents

移植可能なシャント装置

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JP2003534822A JP2000569859A JP2000569859A JP2003534822A JP 2003534822 A JP2003534822 A JP 2003534822A JP 2000569859 A JP2000569859 A JP 2000569859A JP 2000569859 A JP2000569859 A JP 2000569859A JP 2003534822 A JP2003534822 A JP 2003534822A
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ピー. サンタモア,ウィリアム
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ワイ. フェルプス,デイビッド
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パーカーディア,インコーポレイティド
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Abstract

(57)【要約】 吻合シャント装置(212)は、閉塞した血管の周囲に永久的又は一時的なバイパスを提供する。一実施例では、この装置は、心筋内に位置決めされるようになっているスパイク(216)の形の部分的に中空なステント(218)である。ステント本体(218)内の開口(220)は、近位端の接続部分(224)で終わる迂回管(222)と連通する。開口(220)は、閉塞部から遠い冠状動脈内に位置し、接続部分(224)には静脈又は動脈移植片が取り付けられる。別の実施例(10)は、開口(16)を有する遠位端(14)と、開口(18)を有する近位端(20)とを備えた中空内腔(12)から形成される。使用時に、遠位端は左心室内に常駐し、開口は冠状動脈内にあり、血液が中空内腔(12)を灌流できるようにする。別の実施例では、装置はリベット(512)として形成され、血管同士の間で血液が流れることができるようにする。あらゆる実施例で、閉塞の近位に一つのステント、遠位に一つのステントを取り付けることができ、これら二つを接続して血液が閉塞部周囲を流れることのできるバイパスを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [発明の分野] 本発明は、全体として流体シャント及び灌流に関し、よく詳しくは、比較的細
長く剛性のあるシャント移植体を使用して制約された血管部分をバイパスするた
めの装置及び方法に関する。
【0002】 [発明の背景] 冠状動脈疾患は米国及び世界中で大きな問題となっている。事実、毎年、約1
10万件の「心臓切開」処置が実行され、現在の推定では、約480万人がある
程度のうっ血性心臓疾患にかかっている。
【0003】 冠状動脈その他血管が出来物ないしプラークによって詰まると、その結果とし
て、少なくとも心臓の圧送作用の効率が阻害される。最悪の場合は心臓発作を起
こして死に到る。場合によっては、バルーン血管形成などの最小限の観血的技術
によって、詰まった動脈から詰まりを除くことができる。より困難な場合は、詰
まった血管の外科的バイパスが必要である。
【0004】 バイパス手術では、一つ又は複数の動脈又は静脈部分を身体から取り出し、次
いで大動脈と冠状動脈との間に外科的に挿入する。挿入された血管部分又は移植
片が冠状動脈の詰まった部分のバイパスとして働き、従って心臓に自由な又は障
害のない血流を提供する。米国では毎年、500,000件以上のバイパス処置
が行われている。
【0005】 冠状動脈バイパス移植(CABG)は30年以上にわたって用いられている。
当初、伏在静脈(SV)が冠状バイパスの主要導管だったが、ここ10年ほどの
研究から、SVに比べて、内部胸動脈(ITA)の方が、10年開存率が35−
40%高いことがわかった。実際、SVの10年開存率は50%しかなかった。
1980年代中頃から、ITAだけでなく代替動脈導管の使用が増えている。こ
れら導管は、胃大網動脈(GEA)、下方上腹部動脈(IEA)、及び橈側動脈
(RA)を含み、主に左右ITA両方の補助として用いられている。
【0006】 動脈導管の使用により長期開存率は明らかに改善したが、SVの代わりに動脈
を使用するには、自由移植片、連続吻合、導管対導管吻合など、複雑な技術課題
を必要とすることが多い。動脈導管を用いるのが困難であることの理由の一部は
、これらがSVよりもはるかに脆弱であるため損傷しやすく、寸法が小さいため
移植時の技術的エラーによって完全に又は部分的に閉塞しやすいという事実にあ
る。
【0007】 しかしながら、このような冠状動脈バイパス手術は、高価で時間がかかり、患
者にとって外傷性のある、非常に侵入的な処置である。手術には患者の胸部の切
開(胸部切開術)が必要で、心臓が拍動していない間にも心臓の手術を継続でき
るよう、患者をバイパスポンプにつなぐ必要がある。静脈移植片は患者の脚から
取るが、これも非常に観血的な処置であり、冠状動脈にバイパス移植片を接合す
る(吻合術)には繊細な外科処置が要求される。外科手術後の入院と回復期間が
長引くことになる。
【0008】 上述のように、もう一つの従来型処置は経皮的管腔冠状血管形成(PTCA)
その他の血管形成術である。しかし、かかる血管処置は、閉塞部の種類又は位置
、又は塞栓形成のリスクにより、必ずしも必要とされない。
【0009】 先行技術で用いられるバイパス技術の一つは、Wilk(米国特許第5,40
9,019号及び第5,429,144号)により教示されるものである。これ
らWilkの文献では、折り畳んだステントの管腔カテーテル搬送という最小限
の観血的方法が教示されるが、このステントはその後、隣接する冠状動脈から心
筋壁を介して導入され、拡張して左心室と隣接する冠状動脈との間にバイパスシ
ャントを提供する。この先行技術は、折り畳んだ小輪郭構成の心筋間バイパスシ
ャントの搬送を教示するが、これは、搬送後に、心筋壁に予め形成したボアでの
橈側拡張を必要とする。ボアは、ステントの設置及び拡張前に、例えば、ドリル
、針、Seldingerワイヤ、拡張ワイヤ又はカテーテルその他装置で形成
される。 そのため、長期開存率を高め、患者にとって身体的に外傷の少ない改善された
バイパス方法に対して継続的なニーズがある。
【0010】 [発明の概要] 本発明は、冠状バイパス手術に通常は付随する胸部切開術その他侵入性処置を
避ける最小限の観血的手順で送達できる灌流、再灌流又はバイパスシステムを提
供するためのシステム及び方法に関する。これはまた、現在のプロセスで必要な
複数の吻合からも医師を解放する。同時に、このシステムは最小限の観血的方法
で実施することができる。又は、吻合手順中に冠状動脈を介して一時的な血流を
提供することもできる。
【0011】 本システムは、血管の詰まった部分の周囲に血流を向けるために用いられる。
一実施例では、閉塞部から遠い位置で心臓の左心室から直接、冠状動脈に血液を
向けるためにシャントを用いる。本発明の一観点によれば、シャントは、剛性の
ある全体として細長いステントを具備し、このステントは単一のスパイクの形を
なし、このスパイクは両端に開口を有すると共に、心筋内に位置決めされるよう
になっている。スパイクは、冠状動脈、心筋及び心臓の左心室の壁を外側空間又
は組織から横切る形で貫通し、冠状動脈から心臓の左心室まで貫通する流路を提
供する。スパイクの遠位端にある開口を左心室に位置決めする。スパイクの近位
端にある開口を冠状動脈に位置決めする。酸素化された血液を左心室から遠位開
口及びスパイクの中空中央部分を介し、近位開口から流出させ、閉塞部から遠い
冠状動脈に圧送する。スパイクを心筋に固定し、心臓の左心室と、閉塞部から遠
い冠状動脈との間の血流に永久的通路を提供する。
【0012】 又は、スパイクを一時的に用いて冠状バイパスのような治療的処置中に冠状動
脈内に血流を維持するようにすることもできる。スパイクを用いて静脈移植片を
搬送し、移植片の吻合が完了するまで閉塞部周囲に血液通路を提供することがで
きる。
【0013】 別の実施例では、第1のアクセス及びシャント組み合わせ装置を用いて狭窄近
位の冠状動脈から血流を向ける。第2のアクセス及びシャント装置を狭窄遠位の
血管に設置し、迂回された血液を受けて血液が下流に継続できるようにする。ア
クセス/シャント組み合わせ装置は、血管へのアクセスを提供しかつシステムを
所定位置に固定するためのスパイク要素を具備する。スパイクは動脈を外から貫
通し、動脈内を完全に移動して冠状動脈に隣接する心筋その他心臓組織に入る。
スパイクは、その遠位端にスパイク、又は単一のもしくは一連の突起を有し、さ
もなければ血管から引き抜かれもしくは外れないように実質的な抵抗を備えるよ
う構成される。前述のように、スパイクは外側空間又は組織から横切る形で血管
を貫通する。スパイクの頂部には、開口及び迂回導管を具備したシャント装置が
取り付けられる。スパイクを固定位置にすると、シャント装置は部分的に血管の
内側に、スパイクを入れた方向から見て部分的に血管の外側に位置する。開口は
血管内に常駐し、血液が開口内に流入し、次いで開口と流体が流通可能に連通し
ている迂回管に移動できるようにする。これにより、アクセス/シャント組み合
わせ装置の迂回管に血液がシャントないし短絡される。
【0014】 迂回管の頂部には、バイパス導管と接合するコネクタ片が取り付けられる。こ
れら要素もまた流体が流通可能に連通し、血液が閉塞部をバイパスしてその遠位
位置に短絡されうるようにする。このような遠位位置には、別の同様のアクセス
/シャント組み合わせ装置を設置し、短絡された血液が移植片のない構成の動脈
内に再流入して下流に継続できるようにすることができる。当然ながら、単一の
装置を制限部分から遠位で用い、再血管化のために適切な移植片に接続すること
ができる。
【0015】 本発明の装置は、胸部鏡又は別の内視鏡処置を使って最小限の観血的方法で移
植することが望ましい。当然ながら、開腹外科手術その他血管アクセス手段も可
能である。この装置は永久的に移植可能であり、又は、この装置を一時的に用い
て冠状バイパス処置を含む各種外科処置中のパイバスシステムとすることもでき
る。
【0016】 本発明の装置は、胸部鏡その他内視鏡処置を使って最小限の観血的方法で有利
に移植できる。当然ながら、開腹外科手術その他血管アクセスも可能である。 本発明の上述の及びその他の特徴及び利点は、例示的実施例としての以下の詳
細な説明及び添付図面からより完全に理解される。
【0017】 [実施例の詳細な説明] 周知のとおり、冠状動脈は大動脈から分岐し、心臓壁の外面に沿って位置する
。酸素化された血液は、心臓から大動脈に流れ、冠状動脈に流入し、身体の残り
の部分へ流れる。個人によっては、冠状動脈内に出来物が形成されて血液の自由
な流れが阻害され、軽い狭心症から死に至る心臓発作までの範囲で合併症を引き
起こすことがある。冠状動脈内の酸素化された血液の流れを回復させるために、
又は閉塞部周辺に一時的に血流を与えるために、本発明では閉塞部から遠い冠状
動脈内の場所に対する血液の短絡作用を提供する。
【0018】 本発明の一実施例では、1本の中空スパイクを冠状動脈の壁及び心筋を介して
、冠状動脈の下にある心臓の左心室に挿入する。中空スパイクは、スパイク両端
の開口部が冠状動脈内と左心室内とにあるよう位置決めされる。血液は左心室の
開口から中空スパイク内を流れ、閉塞部から離れた冠状動脈に位置する開口から
流出する。
【0019】 図1を参照すると、典型的な心臓、大動脈AO、及び内部に閉塞部BLを有す
る冠状動脈CAの断面図が示される。冠状動脈CAは心臓壁ないし心筋MYOの
外面に沿って位置する。周知のとおり、冠状動脈CAは心臓の左心室LVから圧
送されて大動脈AOを通る酸素化された血液を心臓の筋肉ないし心筋MYOに圧
送する。
【0020】 図1はまた、冠状動脈CA内の閉塞部BLから離間して移植された(又は埋め
込まれた)、本発明のバイパス装置10の一実施例を略図的に示す。以下では、
現時点で好ましい本発明の実施例のみが、特定の図に従ってのみ説明される。従
って、本発明の原理は他の同様の装置及び方法に適用されることが理解される。
例えば、本発明は冠状動脈以外の動脈及び血管の処置に使用することができる。
更に、他の領域の血管バイパスを含む他の種類の閉塞や血管性疾患を処置して動
脈瘤、深静脈血栓症その他石灰化又は狭窄血管等の問題を軽減することができる
。本装置を使って肝臓の詰まった胆管をバイパスしたり、腫瘍から離れてこれを
破壊するため血液を流すことができる。スパイク付き以外の構成を使ったアクセ
ス装置を実施することもできる。従って、以下の説明は限定的に解釈してはなら
ない。
【0021】 図2を参照すると、本発明のバイパス装置10の一実施例がより詳細に示され
る。装置10は、金属又はポリマーなどの生物学的適合材料から形成するのが望
ましい。装置10は、閉塞部BLから遠くのないし離間した冠状動脈CAを貫通
して示される。このスパイク付き装置10の詳細を以下に説明する。やや略図的
な図2に関連して、装置10は、装置中央部12を心筋MYO内に位置決めし、
装置遠位部14を心臓の左心室LV内に移植しながら、冠状動脈CAを完全に貫
通している。
【0022】 各シャント装置10(図2)は、両端16,18に開口を有する中空内腔12
から形成される中央部を備えている。一つの開口16は左心室LVから血液を受
け、これを中空内腔12を介し、冠状動脈CA内に位置する他方の開口18から
短絡する。そのため、スパイク10によって、図2に矢印で示すように酸素化さ
れた血液を左心室LVから直接、冠状動脈CAに流すことが可能になる。
【0023】 スパイク遠位端14は所望ならば、冠状動脈CA、心壁MYO及び左心室LV
への装置10の挿入を助けるために、鈍角(図4B)でも先細(図2)でもよい
。スパイク近位端20は、スパイク10を所定位置に固定して冠状動脈CAから
完全に移動又は通過するのを防止するために、内腔(図2)の直径よりも大きい
頭部22を備えるのが望ましい。この頭部22はまた、スパイク遠位端14によ
って冠状動脈CAに形成される穴を密封する働きもする。そのため、血液はスパ
イク10を通って冠状動脈CA内を下流に、穴開口から外に流出することなく流
れる。所望ならば、装置の頭部22を周辺組織に縫合し、装置10がその正しい
位置から移動しないようにできる。縫合その他の手段24での追加の固定作用を
スパイク中央部12に沿って設けることも望ましい。装置12の心筋MYOへの
固定によって、スパイク10が正しい位置から移動するのが阻止される。
【0024】 図2に示すように、スパイク12は第1の開口18の反対側の近位端20に第
2の開口25を含むこともできる。この第2の開口25によって、図2に矢印で
示すように冠状動脈CAからの血液の灌流が可能になる。 ここで説明した装置を取り付ける際、医師は閉塞した血管にアクセスするため
に鍵穴タイプの小切開を形成する。胸部鏡又は同様の内視鏡手順によって視野を
取得できる。かかるアクセスは最小限に観血的となる。閉塞領域を見つけたら、
上述の方法で身体にスパイクを移植する。スパイク装置は、手順時間を短縮し出
血を避けるために自動ガン又は針によって導入することが望ましい。当然ながら
スパイクは他の方法でも移植できる。
【0025】 装置を移植するための一つの方法を図3A−Cに示す。まずスパイク30を針
32上に取り付け(図3A)、針32を使って冠状動脈CA、心筋MYO及び左
心室LV(図3B)に穴をあける。次いで、針32を取り除き(図3C)、縫合
34その他好適な方法を使って冠状動脈CAの前方の穴を閉じる。
【0026】 図4A及びBに示す代替方法では、まず冠状動脈CAの壁を切ってフラップF
Lを形成し、スパイク30を担持する針32をフラップFL、冠状動脈CAの反
対側、心筋MYOを順次通って左心室LVに挿入する。針32を引き抜き、スパ
イク30を所定位置に残す。次いで、縫合34その他好適な手段を使ってフラッ
プFLを閉じる。 スパイク30は、移動を防ぎ、左心室LVから冠状動脈CAへの自由な血流維
持を確保するために、前述のように心筋MYOの所定位置に固定するのが望まし
い。
【0027】 又は、図5A及びBに示すように、スパイク30を使って治療手順中に一時的
な血流を与えることができる。例えば、典型的な冠状動脈バイパス手術では、患
者の脚から取った静脈VGの部分を一端で大動脈AOに、他端で冠状動脈CA内
の閉塞部から遠い位置に取り付ける。この外科手術には静脈移植片VGを大動脈
AOと冠状動脈CAとに接合する微妙な手順が要求される。この血管接合は、吻
合として知られている。通常、患者は心肺機械につながれてこの手順中に血液が
酸素化され続けかつ流れ続けるようにされ、血液を冠状動脈CAから迂回して医
師が吻合を完了できるようにされる。
【0028】 本発明の一実施例では、スパイク30を使ってバイパス手術中に冠状動脈CA
の血流を維持する(図5A)。静脈移植片VGは、移植前にステント30の頂部
上に装着される。スパイク30は、静脈移植片VG吻合ポイントで、上述のよう
に移植される。静脈移植片VGは、閉塞部BLから遠い位置で大動脈及び冠状動
脈CAに縫合される。所望ならば、吻合を容易にするために、移植片VGに縫合
を予め設けておくことができる。静脈移植片VGを取り付けたら、スパイク30
を取り除き、大動脈AOから静脈移植片VGを通って冠状動脈CA下流に血流が
生じる。所望ならば、吻合手順中にスパイク30を所定位置に縫合して永久に取
り付けるようにしてもよい。
【0029】 図6は、本発明のバイパス装置110の別の実施例を略図的に示す。この実施
例は、以下に詳細に説明するスパイク付きアクセス/シャント組み合わせ装置1
12及びバイパス導管114によって閉塞部BLの近位・遠位両方に取り付けら
れる。図6を参照すると、心壁HWの外面に沿う冠状動脈CAに閉塞部BL又は
狭窄を有する大動脈AOを含む代表的心臓解剖断面図が示される。周知のとおり
、冠状動脈は左心室LVから圧送された血液を大動脈AOに、心臓の筋肉又は心
筋MYO内に供給する。
【0030】 図6はまた、以下に詳細に説明するスパイク付きアクセス/シャント組み合わ
せ装置112及びバイパス導管114によって閉塞部BLの近位・遠位両方に取
り付けられた本発明のバイパス装置110も略図的に示す。まず、以下では、現
時点で好ましい本発明の実施例のみが、特定の図に従ってのみ説明される。従っ
て、本発明の原理は他の同様の装置及び方法に適用されることが理解される。例
えば、本発明は冠状動脈以外の動脈及び血管の処置に使用することができる。更
に、他の領域の血管バイパスを含む他の種類の閉塞や血管性疾患を処置して動脈
瘤、深静脈血栓症その他石灰化又は狭窄血管等の問題を軽減することができる。
本システムを使って肝臓の詰まった胆管をバイパスしたり、腫瘍から離れてこれ
を破壊するため血液を流すことができる。スパイク付き以外の構成を使ったアク
セス装置を実施することもでき、バイパス導管を一体化し、取り付け可能にし、
又は他の構成にすることができる。本明細書で用いるように「血管」という用語
は、体液が入っているか入ることのできるあらゆる身体器官、血管、空間又は脈
管構造、更に人工の又は既に移植されている部材を含むものとみなされるべきで
ある。従って、以下の説明は限定的に解釈してはならない。
【0031】 図7を参照すると、本発明のバイパス装置110の一実施例がより詳細に示さ
れる。装置110は、金属又はポリマーなどの生物学的適合材料から形成するの
が望ましい。一対のアクセス/シャント組み合わせ装置112を閉塞部BLの近
位及び遠位に示す。これらスパイク付き装置112の詳細は以下に説明し、図9
及び10と関連して示す。やや略図的な図7に関連して、各アクセス/シャント
装置112は冠状動脈CAを外側から完全に貫き、装置112のスパイク付き部
分116を心壁HWの壁内に残して移植する。スパイク付き部分116は、冠状
動脈CAの貫通動作だけでなく、組織を貫通して、動脈の固定化及び安定化作用
も提供する。スパイク付き部分116は組織内にとどめるか、又は遠位装置に示
すように組織を通って左心室LVまで完全に通過させることができる。
【0032】 各アクセス/シャント装置112(図9)は、開口120を有するシャント部
分118を備え、この開口は近位装置の場合は冠状動脈CAから血液を受け取っ
てスパイク付き部分116及び開口120に関し近位に取り付けられた迂回管1
22に短絡する。迂回管122は開口120と流体が流通可能に連通して冠状動
脈CAからの血流が、図7に矢印で示すように、開口120内及び迂回管122
内に流れるようにする。迂回管122に関して近位にコネクタ片124が取り付
けられるが、これも迂回管122と流体が流通可能に連通する。閉塞部BLから
遠位のアクセス/シャント組み合わせ装置112は同様の方法で構築してもよく
、又は図7に矢印で示すのと逆向きに血液を流す別の構成にしてもよい。中空の
バイパス導管114(図8)は、図7に示すように装置112の二つのコネクタ
部分124に取り付けられ、血液が閉塞部BLをバイパスできるようにする。導
管114は患者又はドナーから取った静脈もしくは動脈移植片、人工静脈移植片
、又は金属もしくはポリマー製のものを含む他の生物学的適合管から構築するこ
とができる。これら接続部分はすべて、以下により詳細に説明するように出血を
避けるべく液密である。図7は、完全なバイパスシステムを組み立てることがで
きる方法を図解するために、コネクタ部分124から若干外れている導管部分1
14を示す。
【0033】 図8は、バイパスシステムの最終取り付けの場合のように、コネクタ部分12
4(図示せず)上に完全にプレス嵌め又はスナップ嵌めされたバイパスシステム
110の導管部分114を示す。
【0034】 図9は、アクセス/シャント組み合わせ装置112をより詳細に示す。遠位ス
パイク部分116は、上述のように、冠状動脈CAを完全に通って周囲組織に貫
通することで冠状動脈CAへのアクセスを提供する。一つ又は複数の突起を有す
る突起付き遠位部分126は、装置全体を固定する。血管内に常駐する近位シャ
ント部分118は開口120を具備し、血液が図9に矢印で示すように、開口1
20内に、かつ、開口120に関して近位に取り付けられた迂回管122内に、
開口120から直角に流れるようにする。近位シャント部分118は、所望なら
ば先細にして冠状動脈CAを通り心臓壁内に到るまでの装置112の挿入を助け
るようにすることができる。迂回管122の頂部には、上述のようにバイパス導
管114を受けるためのコネクタ管124を取り付ける。コネクタ管124は、
バイパスに液密的なプレス嵌め作用を提供するために円錐台形状である。好まし
い実施例では、装置の構造に生物学的適合布帛又はメッシュ(図示せず)を組み
込む。この布帛又はメッシュは、出血を防ぐために血管を密封するのを助け、内
皮細胞が装置112を浸潤させて周囲組織に組み込ませるのを可能にする構造を
提供する。
【0035】 同様に、図9は、二重の目的に役立つ装置112の逆U字形サドル部分128
を示す。このサドル部分128は、アクセス/シャント組み合わせ装置110を
動脈内に取り付けたときに動脈上に嵌り、それによって動脈を安定させる。更に
、このサドル装置128は突起付き遠位先端126によって形成される冠状動脈
CAの穴を自己密封するためのフランジとしても作用する。従って、血液は迂回
管122内を流れ、穴開口から外に出ない。所望ならば、サドル部分128にル
ープを加え、装置を心筋に縫合して装置が正しい位置から移動するのを防ぐこと
ができるようにしてもよい。
【0036】 図10は、平面フランジ130が動脈の安定と動脈の穴の自己密封とを行う図
9のスパイク付きアクセス/シャント装置の代替実施例である。図11、12及
び13は、装置112の実施例の3つの追加図を示す。図11は、円形構成を有
する装置112を示す。図12は、装置112の挿入を助ける先細構成を有する
装置112を示す。図13は、可能性のある移動の問題に役立ちうる、動脈の保
持に役立つカラー又はサドル132を有する装置112を示す。
【0037】 ここで説明した装置を取り付ける際、医師は閉塞した血管にアクセスするため
に鍵穴タイプの小切開を形成する。胸部鏡又は同様の内視鏡手順によって視野を
取得できる。かかるアクセスは最小限に観血的となる。閉塞領域を見つけたら(
蛍光透視鏡などによって)、アクセス/シャント組み合わせ装置112の一方又
は両方を上述の方法で動脈に取り付ける。スパイク付き装置は、手順時間を短縮
し出血を避けるために、スパイク付き装置112及び導管114を同時に移植す
る自動ガンによって導入することが望ましい。又は、出血を制御できる場合はス
パイクを個々に導入することができる。
【0038】 装置を所定位置に縫合して永久的バイパスとすることができる。又は、装置を
一時的に移植してバイパス手術中の冠状動脈内の血流を維持するようにすること
ができる。装置は上述のように移植する。静脈移植片は、一端を大動脈に、他端
を閉塞部から離れた場所で冠状動脈に吻合することにより所定位置に縫合する。
装置は吻合中、大動脈から、閉塞部から遠い場所における冠状動脈に血流を提供
する。 静脈移植片を通る血流を確立したら、本発明のバイパス装置を取り外すことが
できる。
【0039】 図14は、アクセス/シャント組み合わせ装置212の更に別の実施例を示す
。遠位スパイク部分216は、上述のように、冠状動脈を周囲組織まで完全に貫
通することで、冠状動脈へのアクセスを提供する。一つ又は複数の突起を有する
突起付き遠位部分226は装置全体を固定する。血管に常駐する近位シャント部
分218は開口220を具備し、血液が開口220内に、かつ、開口220に関
して近位に取り付けられた迂回管222内に、開口220から直角に流れるよう
にする。近位シャント部分218は、所望ならば先細にして冠状動脈を通り心臓
壁内に到るまでの装置212の挿入を助けるようにすることができる。迂回管2
22の頂部には、上述のようにバイパス導管を受けるためのコネクタ管224を
取り付ける。コネクタ管224は、バイパスに液密的なプレス嵌め作用を提供す
るために円錐台形状である。好ましい実施例では、装置の構造に生物学的適合布
帛又はメッシュ(図示せず)を組み込む。この布帛又はメッシュは、出血を防ぐ
ために血管を密封するのを助け、内皮細胞が装置212を浸潤させて周囲組織に
組み込ませるのを可能にする構造を提供する。平面フランジ230は大動脈を安
定させ、大動脈内の穴を自己密封するのに役立つ。
【0040】 図15は、アクセス/シャント組み合わせ装置312の更に別の実施例を示す
。遠位スパイク部分316は、他の実施例に関して上述したのと同様に、装置全
体を固定するための一つ又は複数の突起を有する突起付き遠位部分326を有す
る。血管に常駐する近位シャント部分318は開口320を具備し、血液が迂回
管322内に流入できるようにする。近位シャント部分318は先細にすること
ができる。迂回管322の頂部は、上述のようにバイパス導管を受けるための先
細コネクタ部分324を形成する。コネクタ部分324は円錐台形状であっても
よい。好ましい実施例では、上述のように装置の構造に生物学的適合布帛又はメ
ッシュ(図示せず)を組み込む。平面フランジ330は動脈の安定と、動脈内の
穴の自己密封とに役立つ。平面フランジには、その周辺に分散して、少なくとも
一つの保持部材323を取り付け、この保持部材はバイパス導管と係合するため
にその端部にある回り止めを備えることができる。回り止めは、バイパス導管を
迂回管322のコネクタ部分324に機械的に保持するために、フック、クラス
プ、割リング、パッドその他の形式にすることができる。
【0041】 ここで図16を参照すると、図14のシャント装置212が断面で示され、こ
こで同様の特徴には同じ参照番号が付される。この図は、患者の冠状動脈CAな
どの動脈に挿入された装置212を示し、動脈内の閉塞部BLを更に示す。例え
ば静脈又は動脈移植片からなるバイパス導管214をフランジ230上の迂回管
222のコネクタ管224に固定する。任意には、アクセスポート又は穴を、部
分232において開口220に対向するシャント本体に沿って設け、総流量を増
大させると共に、バイパスされる血管を流れる血液灌流を維持するようにするこ
とができる。図は動脈CAに直角に挿入された装置212を示すが、装置212
の幾何形状によっては、その性能に影響することなく角度を持たせて挿入するこ
とができる。有利にも、この特徴により、血管への直角のアクセスが必ずしも利
用可能又は便利でない外科手術中に、装置をより柔軟に適用できるようになる。
図17は図16に似た図を提示し、冠状動脈CAに灌流するために患者の心筋M
YOに移植したスパイク装置の突起226を示す。
【0042】 並列式バイパス装置412を図18に示す。この装置では、遠位スパイク部分
416は他の実施例に関して上述したものと同様であり、装置を固定するために
一つ又は複数の突起を有する突起付き遠位部分426を有する。血管に常駐する
近位シャント部分418は開口420を具備し、迂回管422内に血液が流入で
きるようにする。開口420はシャント部分418を通過し、迂回管がシャント
部分418の両側と連通できるようにする。近位シャント部分418は先細でも
よい。迂回管422の頂部は、動脈又は静脈移植片などのバイパス導管と連通す
るための第2の開口421を有するコネクタ部分を形成する。上記のように、装
置の構造に生物学的適合布帛又はメッシュ(図示せず)を組み込むことができる
。平面フランジ430は、動脈を安定させ、動脈内の穴を自己密封するのに役立
つ。同様に、フランジ434を迂回管422の端部に設けて動脈内又は静脈移植
片内の穴を自己密封するようにする。
【0043】 図19は、図18の装置と同様の代替実施例412’を示す。図19の装置は
、シャント部分418’の片側のみを延びる開口420’を有する。当然ながら
、本実施例及び前述の実施例の開口は、所望の用途、採用される血管の向き、解
剖学的特徴又は閉塞などの位置に応じて選択的に位置決めされかつサイズ決めさ
れうることが理解されるべきである。
【0044】 図20は図18及び19に示す実施例と同様の更に別の実施例412”を示す
が、開口420,421間にフランジがなく、平滑な過渡領域430”がある点
で異なっている。シャント本体418”は緩やかな先細であるように示される。
【0045】 更に、図21に「リベット」タイプの実施例512を示す。この実施例では、
スパイクの代わりに中空シャント本体518を、導入後に展開される血管を一つ
又は複数の保持部材540によって血管の壁に保持する。この実施例について図
23を参照して更に説明する。
【0046】 図22は、スパイク付き端部を心筋MYO内に常駐させつつ患者に取り付けた
図19に示すシャント装置412’の切取略図である。冠状動脈CA及びバイパ
ス移植片414は、シャント412’の開口420’,421によって流体が流
通可能に連通されるよう配置されて示される。当然ながら、この図は本明細書で
説明する並列式即時吻合装置すべてを例示するものである。更に、冠状動脈CA
の追加の灌流を可能にするために位置436に穴を設けてもよく、開口420’
は装置412,412”のように、両側を通過するようにしてもよい。更に、本
明細書で上述したように、装置は角度を持たせて取り付けることができる。
【0047】 図23は、保持部材540が展開されている、患者内に取り付けて図21に示
す「リベット」タイプのシャント装置512の切取略図である。フランジ534
は、切開を密封し、静脈又は動脈でありうるバイパス移植片514に対し保持面
を維持する。開口520は中空ステント本体518内に、開放端542で終わる
流路を開ける。この例示的な配置では、開放端542は冠状動脈CA内に常駐す
る。「リベット」タイプ装置は、目立ちにくく、脈管構造内の材料量を最少限に
し、心筋には何もなく、有利である。「リベット」は、全ての実施例のうちで、
流れについての制約が最も低く、乱流の可能性が最も低い。
【0048】 例示のために、図14に示すタイプの吻合シャント装置の寸法を高さ12.5
mm、本体幅約2mm、フランジ直径約2.8mm、迂回管の内径約1.4mm
にできることが確認されている。スパイクの寸法を、幅約2.1mmから先細に
なる高さ約3mmにすることができる。開口の寸法を直径約1.4mmにし、開
口の全周に約0.10mm半径の縁を設けることができる。図18に示すタイプ
の吻合シャント装置の寸法を、高さ12.65mm、本体幅約2.8mm、フラ
ンジの直径約3.4mm、迂回管の内径約2.0mmにすることができる。スパ
イクの寸法を、幅約2.6mmから先細になる高さ約3mmにすることができる
。開口の寸法を直径約2.0mmとし、開口の全周に約0.10mm半径の縁を
設けることができる。
【0049】 従って、本バイパス装置及び方法は、血管閉塞の現行の処置を大きく改善する
。参照を容易にするために本明細書では各種解剖学的特徴を説明したが、本明細
書に説明する即時吻合装置の他の使用も予測され、本明細書の開示が冠状動脈な
どでの使用に厳格に限定されると解釈してはならないことが理解されるべきであ
る。本発明は、血管吻合が必要とされる幅広い使用に適用可能である。更に本発
明は、従来の胸部切開又は「開胸」手順から、最小限に観血的な直接冠状動脈バ
イパス(MIDCAB)アプローチまで、幅広い外科技術中に適用可能である。 本発明はその実施例について示し説明したが、その形式及び詳細の各種他の変
更、追加及び省略は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のバイパス装置の一実施例を示す、冠状動脈に閉塞部を有する
心臓の縮小断面図である。
【図2】 図2は、心筋内に移植された図1の発明の装置の第1実施例の拡大斜視図であ
り、心臓の冠状動脈、心筋及び左心室の切取図である。
【図3】 図3A−Cは、図1の装置を移植するための方法を示す図である。
【図4】 図4A−Bは、図1の装置を移植するための代替方法を示す図である。
【図5】 図5A−Bは、冠状バイパス手順中のステントの一時的利用を示す図である。
【図6】 図6は、冠状動脈に閉塞部を有する心臓の縮小断面図であり、本発明のバイパ
ス装置の第2実施例を更に示す図である。
【図7】 図7は、冠状動脈内の閉塞部の拡大断面図であり、図6のスパイク付きバイパ
ス装置の第2実施例をより詳細に示す図である。
【図8】 図8は、本発明の第2実施例によるスパイク付きバイパス装置及び導管の斜視
図である。
【図9】 図9は、スパイク付き遠位先端を有する単一のシャント装置からなる本発明の
第3実施例の拡大図である。
【図10】 図10は、遠位端にスパイクを有するシャント装置からなる本発明の第4実施
例の斜視図である。
【図11】 図11は、本発明の第5実施例によるシャント装置の斜視図である。
【図12】 図12は、本発明の第6実施例によるシャント装置の斜視図である。
【図13】 図13は、本発明の第7実施例によるシャント装置の斜視図である。
【図14】 図14は、本発明の第8実施例によるシャント装置の斜視図である。
【図15】 図15は、本発明の第9実施例によるシャント装置の斜視図である。
【図16】 図16は、冠状動脈閉塞部と図14によるシャント装置との拡大断面図である
【図17】 図17は、患者の冠状動脈閉塞部及び心筋と図14によるシャント装置との拡
大断面図である。
【図18】 図18は、本発明の第10実施例によるシャント装置の斜視図である。
【図19】 図19は、本発明の第11実施例によるシャント装置の斜視図である。
【図20】 図20は、本発明の第12実施例によるシャント装置の斜視図である。
【図21】 図21は、本発明の第13実施例によるシャント装置の斜視図である。
【図22】 図22は、患者の冠状動脈及び心筋と図19によるシャント装置との拡大断面
図である。
【図23】 図23は、患者の冠状動脈と図21によるシャント装置との拡大断面図である
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 ホール,トッド エー. アメリカ合衆国,ケンタッキー 40026, ゴーシェン,クレストビュー ウェイ 1111 (72)発明者 ブリーフズ,ナンシー エム. アメリカ合衆国,ニューハンプシャー 03060,ナシュア,ホライズン サークル 3 (72)発明者 フェルプス,デイビッド ワイ. アメリカ合衆国,ケンタッキー 40223, ルイビル,シャディー レーン 904 Fターム(参考) 4C097 AA15 BB01 CC01 【要約の続き】 る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者の身体血管同士を流体が流通可能に連通させるための移
    植可能な体液シャント装置において、該移植可能な体液シャント装置が、 近位端及び遠位端を有する全体として細長いシャント本体を具備し、該シャン
    ト本体は、剛性のある生物学的適合材料から形成され、該シャント本体が、 近位の第1の開口と、該第1の開口から前記シャント本体に沿って長手方
    向に離間した少なくとも一つの第2の開口と、 予め定められた形状を有しかつ該第1の開口と該少なくとも一つの第2の
    開口とを流体が連通可能に連通させる迂回管と、 を有し、 使用時に、前記第1の開口が第1の血管内に配置されかつ前記少なくとも一つ
    の第2の開口が第2の血管内に配置されるように、前記移植可能な体液シャント
    装置が患者に移植される、移植可能な体液シャント装置。
  2. 【請求項2】 前記シャント本体がその遠位端にスパイク部分を更に具備し
    た請求項1に記載の移植可能な体液シャント装置。
  3. 【請求項3】 前記シャント本体がその遠位端に拡張可能な保持部材を更に
    具備した請求項1に記載の移植可能な体液シャント装置。
  4. 【請求項4】 前記移植可能な体液シャント装置が心筋間血液灌流を行い、
    前記第2の開口が前記シャント本体の前記遠位端に隣接すると共に、使用時には
    患者の左心室内に配置される請求項1に記載の移植可能な体液シャント装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の開口が前記シャント本体の前記近位端に隣接する
    と共に、使用時には患者の冠状動脈内に配置される請求項4に記載の移植可能な
    体液シャント装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の開口が使用時に患者の冠状動脈内に位置し、前記
    スパイク部分が心筋内に配置される請求項2に記載の移植可能な体液シャント装
    置。
  7. 【請求項7】 前記第1の開口が前記シャント本体の前記近位端に隣接し、
    前記第1の開口が静脈内又は動脈移植片内に配置される請求項6に記載の移植可
    能な体液シャント装置。
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