JP2003534562A - 滅菌した光互変性親水性コンタクトレンズ - Google Patents

滅菌した光互変性親水性コンタクトレンズ

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JP2003534562A
JP2003534562A JP2001533862A JP2001533862A JP2003534562A JP 2003534562 A JP2003534562 A JP 2003534562A JP 2001533862 A JP2001533862 A JP 2001533862A JP 2001533862 A JP2001533862 A JP 2001533862A JP 2003534562 A JP2003534562 A JP 2003534562A
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lens
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フォーブル,ハーマン
カールソン,グレゴリー・グレン
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ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト
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Abstract

(57)【要約】 滅菌した親水性光互変性コンタクトレンズ及びアルカリ滅菌溶液を使用して当該レンズを製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、光互変性コンタクトレンズに関し、より詳細には、日光に曝したと
き、可視光線透過率を低下させる、通常は透明で軟水を含有する親水性コンタク
トレンズに関する。
【0002】発明の背景 日光(光互変性効果の活性化の原因である紫外線波長を含む)に曝したとき光
透過度を可逆的に低下させることができる、フレーム付き眼鏡用の硬質プラスチ
ックレンズをはじめとする多様な光互変性製品が公知である。通常、光互変性プ
ラスチック眼鏡レンズは、最も透過性の状態でも完全には透明でなく、装用者を
まぶしい日光から保護するため、有意に暗化することができる。このようなプラ
スチック光互変性眼鏡レンズは、活性化UV照射の不在で、一定期間後に比較的
透明な非活性化状態に戻ることができる。このような硬質プラスチックレンズは
一般に、突出した状態で使用者によって装用されるため、直射日光に曝され、し
たがって、遮るもののない強烈な周囲日光(結像見通し線中にない軸外の光を含
む)を受けて、レンズ透明度における有用なレベルの低下を引き起こすか、又は
活性化することができる。本明細書で使用する「活性化」及び同義語は、可視光
線の範囲で吸収性になる(暗くなる)ことをいう。「非活性化」とは、可視範囲
での可逆的な吸収の損失(光互変性化合物の分子基底状態に戻ること)をいう。
【0003】 例えばWeissbergerシリーズ「Techniques of Organic Chemistry」Wiley
Interscience, New York (1971)のVol. IIIのG. H. Brown (Ed)による「
Photochromism」並びにシリーズ「Studies in Organic Chemistry」Elsevier (1990)のVol. 40のH. Durr及びH. Bouas-Laurent (Ed)による「Photochro
mism: Molecules and Systems」に記載されているように、そのような製品に
使用するための多様な有機光互変性化合物がある。ナフトピラン、スピロインド
リノオキサジン、スピロ(インドレン)ナフトキサジンを含む光互変性スピロオ
キサジン、スピロピラン並びにベンゾピラン及びクロメンが、米国特許第5,0
55,576号、第5,110,922号、第3,567,605号、第5,0
66,818号、第5,238,981号、第5,274,132号、第5,3
69,158号、第5,384,077号、第5,391,327号、第5,4
05,958号、第5,411,679号、第5,429,774号、第5,4
51,344号、第5,458,814号、第5,458,815号、第5,4
64,567号、第5,466,398号、第5,565,147号、第5,5
73,712号、第5,578,252号、第5,585,042号、第5,6
24,757号、第5,637,262号、第5,645,767号、第5,6
50,098号、第5,651,923号、第5,656,206号、第5,6
58,500号、第5,658,501号、第5,674,432号、第5,7
23,072号、第5,278,758号、第5,744,070号、第5,7
70,115号、第5,783,116号、第5,808,063号、第5,8
11,034号、第5,869,658号、第5,879,592号、第5,8
91,368号、第5,936,016号、第5,955,520号、第5,9
61,892号、第5,965,680号、第5,973,093号、第5,9
76,422号、第5,981,634号、第6,019,914号、第6,0
22,495号及び第6,022,497号(引用例として本明細書に取り込む
)に記載されているように、活性光互変性物質の例である。光互変性物質は、特
定の色を出すために単独で使用することもできるし、可視スペクトルにわたって
、より広範囲の透過度低下を提供するために混合することもできる。例えば、米
国特許第5,753,146号及びその中で引用されている参考文献(引用例と
して本明細書に取り込む)に記載されているように、光互変性色のブレンドは、
緑、褐色及び灰色のような自然な色合いを出すのに有用である。スピロインドリ
ノオキサジンは、その良好な着色特性及び耐疲労性の観点で、通常は光互変性青
色及び赤色に有用である。クロメン又はスピロピランもまた有用である。光互変
性黄及びオレンジを出すためのクロメン又はスピロピランの使用が、米国特許第
5,066,818号、第4,931,221号及び第5,543,533号及
び第4,816,584号(すべて引用例として本明細書に取り込む)に記載さ
れている。
【0004】 しかし、光互変性のフレーム付きプラスチック眼鏡は、従来的からある人気の
商品であるが、親水性の光互変性コンタクトレンズは従来、市販されていなかっ
た。例えば、プラスチックコンタクトレンズの調製は、特許文献(例えば、上記
で引用した特許のいくつか及びPCT97/41468、欧州特許第277,6
39並びに米国特許第4,929,693号及び第5,166,345号)に記
載されているが、光互変性コンタクトレンズ、特に親水性の酸素透過性コンタク
トレンズは、実質的な市販状態には達していない。50重量%まで又はより多く
の遊離水を含有する光互変性親水性コンタクトレンズの開発に悪影響を及ぼす重
大な問題が数多くある。まず、光互変性物質は、特に酸素の中で比較的不安定に
なる傾向がある。これらの物質はまた、その使用中に温度上昇とともに性能が低
下し、高温で安定性が低下する傾向を示す。そのような特性は、固形プラスチッ
クの眼鏡レンズの場合には、プラスチックレンズ又はそのコーティングの不活性
マトリックス組成が光互変性物質を保護し、隔離することができるため、容認す
ることもできるが、水和した親水性コンタクトレンズに使用する場合には、相当
な難題を提起する。親水性コンタクトレンズは、角膜に酸素を供給し、二酸化炭
素を除去するために高い気体透過性を有するよう意図的に設計されている。気体
透過性は一般に含水率を増加させるため、約38〜約80%の範囲の高い含水率
を有するレンズが好ましい。しかし、親水性コンタクトレンズの酸素化された水
性環境は、光互変性物質の不安定性を悪化させる傾向を示す。不運にも、眼への
酸素供給の必要性は、光互変性物質における物質の着色形態に対する酸素と光と
の組み合わせ作用によって生じうる主要な劣化機構とは相容れない。
【0005】 コンタクトレンズの使用に特異的なさらなる問題もある。眼の表面は温かいた
め、光互変活性が低下するおそれがある。また、コンタクトレンズは装用者の眉
毛及び眼窩の物理的構造(並びに使用者の周期的なまばたき)によって頭上の直
射日光から部分的に遮蔽されるため、効果的な光互変性反応を生じさせるために
利用できる活性化UVエネルギーの量は、絶えず直射日光に曝される眼鏡レンズ
の場合よりもずっと少ない。一般にコンタクトレンズに入射する反射したUV含
有日光は、一般に眼鏡レンズに入射することができる量の約1/5でしかないと
推定される。したがって、有用なコンタクトレンズを得るためには、プラスチッ
ク眼鏡レンズの場合と比較して高い光互変性効果が必要である。
【0006】 親水性モノマーから親水性コンタクトレンズを製造するために使用される手法
もまた、比較的不安定な光互変性物質をコンタクトレンズに組み込むことに関し
て問題を提起する。親水性コンタクトレンズの製造は通常、ラジカル開始剤を使
用してモノマーを高温で長期間重合させることによって実施され、重合を促進す
るために紫外線処理を含むこともある。不運にも、熱、ラジカル(特に過酸化物
ラジカル)及び紫外線の条件が、化学的に比較的不安定な光互変性物質にとって
有害なこともある。
【0007】 また、親水性コンタクトレンズは、製造後、消費者が使用に備えて滅菌する必
要がある。これは通常、レンズを適切な容器に入れてレンズ滅菌水性溶液中に密
封し、水性溶液中の包装したレンズを、包装したレンズの無菌性を保証するのに
十分な期間、高い滅菌温度に加熱することによって実施する。不運にも、この水
性滅菌法は、水和したコンタクトレンズ組成物に含まれる光互変性化合物にとっ
て有害になることがある。したがって、消費者に利用可能な、商業的に成功した
光互変性眼鏡レンズはあるが、光互変性親水性コンタクトレンズは現在市販され
ていない。
【0008】 幸運にも、多様な理由から、親水性コンタクトレンズは、数週間装用したのち
交換することができる製品として製造することができる。温かい目の表面で使用
される場合に、高い光互変活性を数週間に及ぶ長期にわたり保持するであろう水
和した親水性コンタクトレンズを処方し、製造し、滅菌することができるならば
、光互変性コンタクトレンズ製品に対する商業的必要性は満たされるであろう。
【0009】 したがって、本発明の目的は、光互変性能力を長期間にわたって保持する、包
装された滅菌済み光互変性親水性コンタクトレンズを提供することである。さら
なる目的は、効果的な光互変活性を保持しながら、水和した光互変性親水性コン
タクトレンズを製造し、滅菌する方法を提供することである。本発明のこれらの
目的及び他の目的は、以下の詳細な説明及び添付図面からさらに明白になる。
【0010】 図1は、親水性コンタクトレンズ重合型の側断面図であり、 図2aは、滅菌済みの光互変性親水性コンタクトレンズを含む密封されたブリ
スタパッケージの斜視図であり、 図2bは、図2aのブリスタパッケージの密封された細菌不浸透性の包装材料
内の、水性包装溶液に浸漬したコンタクトレンズの、2−2線から見た側断面図
であり、図3aは、本開示の親水性コンタクトレンズの、特定の紫外線処理には
じめてさらされた直後及びその露光から指定時間を経た後の透過率のグラフであ
る。この図は、光互変活性化の感度と、光活性化刺激の不在で光互変性反応が急
速に非活性化して、その結果、レンズが急速に透明に戻ることとを示す。 図3bは、強力なUV刺激と緩和との反復半時間サイクルに48回付された後
の、本開示の親水性コンタクトレンズの透過率のグラフである。図3aと同様に
、図3bは、特定の紫外線処理に曝された直後の可視光線透過率の低下及びその
照射の中止後の透明への急速な復帰を示す。この図は、急速な可逆性光互変活性
化及び非活性化を保持する間の48サイクルのUV前処理の結果としての比較的
低い疲労(光互変性反応の永久的損失)を示す。
【0011】発明の概要 一般に、本発明は、実質的に透明であり、使用者によって日光中で装用されて
いるとき、透過を可逆的に低下させることができる、滅菌した、水和した親水性
コンタクトレンズ及びそのような親水性光互変性コンタクトレンズを製造する方
法に関する。
【0012】 このような方法によると、実質的に酸を含まない架橋性の親水性モノマー混合
物を1種以上の光互変性コモノマーと共重合させて、光互変性物質及び場合によ
ってはヒンダードアミンを組み込んだ架橋した親水性ポリマーゲルを製造する。
望ましくは、親水性モノマー混合物は、光安定剤コモノマーと、場合によっては
、同じくコモノマーであることが好ましいUV吸収染料とを含むことができる。
モノマー混合物と、光互変性コポリマーと、望ましくは、光安定剤コモノマー及
び/又はUV吸収染料とを含む共重合混合物を、比較的穏やかなラジカル開始条
件下で重合させる。好ましくは、共重合は、コンタクトレンズを直接形成するた
め、適切な型の中、約80℃未満の温度で、実質的な量の不活性溶媒を加えずに
塊状で実施するか、同等な時間、温度条件下で実施する。例えば、重合は、高温
(例えば120℃)で、約半時間未満から秒単位までの短い熱曝露時間、実施す
ることが望ましいことがある。25分未満が考えられ、好ましくは15分以下、
もっとも好ましくは10分以下が考えられる。個々のレンズを型で製造する時間
を短縮することを望む場合、短めの時間が好ましい。
【0013】 その後、共重合した光互変性物質及び安定剤を含有する重合したコンタクトレ
ンズを、水性水和溶液中、水和したコンタクトレンズの総重量に基づいて少なく
とも約38重量%、好ましくは約50重量%〜約80重量%の水の水和レベルま
で水和させる。そして、水和したレンズを、滅菌パッケージに入れて、少なくと
も約7.4、好ましくは約7.5〜約8.2のpHを有する水性包装溶液中に密
封し、少なくとも約121℃の滅菌温度で、通常は約20〜約25分の期間加熱
するか、レンズを完全に滅菌するのに十分な同等な時間、温度条件で加熱するこ
とができる。滅菌中、レンズを実質的に無酸素の雰囲気中(例えば窒素雰囲気中
)に貯蔵し、暗所で滅菌することが好ましいが、必ずしもそうする必要はない。
滅菌処理後に冷却すると、滅菌済みの水和した光互変性親水性コンタクトレンズ
が、密封された細菌不浸透性のパッケージの中に得られる。
【0014】 包装された滅菌済みの親水性コンタクトレンズは、コンタクトレンズの総重量
に基づいて少なくとも約38重量%、好ましくは少なくとも約50重量%の水を
含有し、少なくとも約9×10-11(cc O2 mm)/(cm2 sec mm Hg)の酸
素透過係数Dkを有する。滅菌済みの十分に水和したコンタクトレンズは、非活性
化状態では実質的に透明であるが、使用目的の条件下で、λmaxにおけるその透
過率を少なくとも約20%psi、好ましくは少なくとも約40%可逆的に低下さ
せることができる。「使用目的の条件」とは、コンタクトレンズに到達する日光
への屋外での曝露をシミュレートする0.010〜0.30mW/cm2の放射照度の
UV光への20秒以上の曝露をいう。「実質的に透明」とは、コンタクトレンズ
が、380〜780nmの平均で、入射する可視光線の少なくとも約80%、好ま
しくは少なくとも約90%を、十分に水和した状態のレンズの中央領域に透過さ
せることをいう。
【0015】 コンタクトレンズにおけるわずかな量での永久的な着色として使用することも
考えられる。例えば、ホトクロームが、非活性化状態で存在する場合に、380
〜780nmの範囲の平均透過率が約70%以上になるような量の1種以上の着色
成分(例えばバット染料)のレンズにおける使用である。このような実施態様で
は、光互変性化合物の存在が、ホトクロームがその非活性化状態にあるときのλmax で少なくとも約70%の透過率から、ホトクロームがその活性化状態にある
ときのλmaxで少なくとも約40%の透過率までの切り換えを生じさせる。
【0016】 水和した親水性コンタクトレンズはまた、室温(23℃)及び眼の表面温度(
公称35℃)の両方で効果的な光互変性反応を起こす。滅菌済みの親水性の水和
したコンタクトレンズは、望ましくは、23℃で少なくとも約20%の初期光互
変活性(△Y)を有する。眼の表面の公称温度である35℃で実質的な活性が保
持されるべきである。
【0017】 光互変活性(△Y)は、活性化状態と完全に減衰した状態との間の視感透過率
の差(Y)として定義される。量Yは、ASTM E−308 Colorにしたが
って、CIE 193システムで標準的な観測者によって認められる透過値を表す
。滅菌済みの水和した親水性コンタクトレンズはまた、実質的に透明な状態へ比
較的急速に転換する。
【0018】発明の詳細な説明 上述したように、本発明は、非活性化状態では実質的に透明であるが、使用者
によって装用されているとき、日光に曝されると可視光線透過を可逆的に減少さ
せることができる、滅菌した、水和した光互変性親水性コンタクトレンズに関す
る。本発明はまた、そのような滅菌した、水和した光互変性親水性コンタクトレ
ンズを製造する方法並びに特定の光互変性コンタクトレンズ組成物に関する。
【0019】 このような製造方法により、親水性の架橋性モノマー混合物を光互変性コモノ
マーと共重合させる。重合混合物は、完成されるコンタクトレンズの親水性重合
ゲルに組み込まれる光安定剤コモノマーを含むことが望ましい。重合混合物の組
成は一般に以下を含む。
【0020】
【表1】
【0021】架橋性親水性モノマー混合物 架橋性親水性モノマー混合物は、共重合混合物の主成分であり、通常、無溶媒
基準で架橋性モノマー重合混合物の少なくとも約90重量%を構成する。架橋性
親水性モノマー混合物は一般に、親水性モノマー成分及び架橋性成分を含む。コ
ンタクトレンズ組成物のための多様なビニル重合性及びアリル重合性の親水性モ
ノマー並びに架橋剤が公知であり、組成物が酸成分を実質的に含まない場合、そ
れらを光互変性コンタクトレンズの製造に使用することができる。
【0022】 これに関して、酸性モノマー、例えばアクリル酸及びメタクリル酸が、親水性
コンタクトレンズの性質に対するプラスの貢献の点から、親水性コンタクトレン
ズ配合物の典型的な成分である。このような酸はまた、不純物として、他の従来
のモノマー成分、例えばアクリル酸及びメタクリル酸エステル中に存在すること
ができる。しかし、本発明の親水性レンズが、スピロオキサジンを使用する実施
態様で提供される場合、コモノマー混合物は、カルボン酸成分をはじめとする酸
成分を実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、酸性モノ
マーがモノマー混合物全体の0.25重量%未満、好ましくは0.05重量%未
満(乾量基準)に相当することをいう。
【0023】 特に好ましい親水性モノマーは、当該技術で公知であるような、アクリルアミ
ド及びメタクリルアミド、N−ビニルモノマー、ヒドロキシアルキルアクリレー
ト及びメタクリレート並びにアクリル酸及びメタクリル酸アルコキシエステルで
ある。
【0024】 好ましい親水性ポリマー組成物は、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミ
ドモノマーから、所望の水分吸収を得るのに適切な量の相溶性の親水性コポリマ
ー及び架橋剤を使用して調製することができる。好ましい親水性ポリマー配合物
はアクリルアミドに基づくが、他の親水性コンタクトレンズ配合物を利用しても
よい。スピロオキサジン系の発色団を使用する本発明の好ましい実施態様では、
他の疎水性コンタクトレンズ配合物はカルボン酸を実質的に含まない。非ヒドロ
キシ末端(non-hydroxy terminated)アルコキシモノマー、例えばアルコキシア
ルキルアクリレート及びメタクリレート、アルキルカルビトールアクリレート及
びメタクリレートの基をわずかな割合で有するアクリル酸又はメタクリル酸のグ
リコールモノエステル(好ましくはグリセリル及びヒドロキシエチルメタクリレ
ート)を使用してもよい。適切な親水性N−ビニル複素環式モノマーは、N−ビ
ニルピロリドン、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニル−ε−カプロラクタム
、N−ビニルピリジン及びN−ビニルグルタルイミドを含む。例えば高めのDk値
といった特化した性質を導入するためには、フッ素及びシロキサン置換基を含有
する重合性ビニル基(アクリレート、スチリルなど)エステル及びアミドを組み
込むこともできる。
【0025】 架橋性親水性モノマー混合物はまた、従来例にしたがって、架橋剤を含む。ア
クリルアミド、メタクリルアミド並びにヒドロキシアクリレート及びメタクリレ
ート系のポリマーに適した架橋剤は、多官能性アクリレート、例えばエチレンジ
アクリレート、エチレンジメタクリレート及び/又はトリメチロールプロパント
リメタクリレートを含む。N−ビニル系のモノマーに適した架橋剤は、アリルア
ルコール、モノアリルイタコネート、トリアリルシアヌレート及びN,N−ジア
リルメラミンによる多塩基酸のエステル化から誘導されるアリルエステルであり
、好ましい架橋性モノマーは、2個のアリル結合に加えて重合性ビニル二重結合
を含むジアリルイタコネートである。例えば、N−ビニル複素環式モノマーを含
む水膨潤性親水性コンタクトレンズは、適切な架橋剤、例えば、アリルアルコー
ルによる多塩基酸のエステル化によって形成される2個以上の重合性二重結合を
含む多官能性アリル架橋単位(例えば、モノアリルイタコネート、ジアリルイタ
コネート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリル
トリメリテート、N,N−ジアリルメラミン及び他の多官能性アリルモノマー)
又はそれらの混合物を含む。モノマーの割合は、ポリマーが水性環境で平衡状態
まで膨潤したとき所望の含水率が得られるように調節する。
【0026】 架橋性モノマーが使用される濃度(モノマーの総重量に基づく重量%)は通常
、所望の機械的性質及び含水率に依存して、約0.01〜約2%の範囲である。
70〜95%の範囲の高い含水率の場合、架橋性モノマーの好ましい濃度範囲は
約0.01〜約0.5%である。疎水性コモノマーが本質的に使用されないか、
非常に低い量でしか使用されない場合、約1〜10%の濃度範囲を使用すること
ができ、約5%が好ましい量である。
【0027】 上述したように、共重合性混合物はまた、コンタクトレンズの吸水能力を調節
するためにわずかな相溶性の疎水性モノマーを含むことができる。適当な疎水性
モノマーは、アクリル酸及びメタクリル酸のオレフィン性不飽和アルキルエステ
ル、例えばメチル、エチル及びブチルメタクリレート及びアクリレートである。
使用される疎水性モノマーの重量%(架橋性モノマーを除くモノマーの総重量%
に基づく)は、ポリマーゲルの所望の含水率に依存する。メチルメタクリレート
が疎水性モノマーとして使用される場合、架橋性モノマーの濃度が0.1〜0.
5%の範囲にあるとき、含水率約30%のポリマーゲルを得るためには約60%
が使用され、含水率約90〜95%のポリマーゲルを得るためには約5〜10%
が使用される。
【0028】 光互変性成分の活性化波長の全範囲で強力に吸収するわけではない、同じくコ
モノマーであることが好ましいUV吸収染料を、コモノマー重合混合物に混合し
てもよい。これらのUV遮断コモノマーは、UVA線のすべてを遮断するわけで
はないベンゾフェノン及びベンゾトリアゾールを含む。これらの長波長「カット
オフ」(すなわち、短めの波長の透過率が入射波長の50%未満に低下するとこ
ろ)は、約360nmであることが望ましい。
【0029】光互変性コモノマー成分 上述したように、共重合混合物の重要な成分は、ビニル(本明細書ではアリル
基を含むものとして用いられる)共重合性光互変性物質、好ましくは、アクリロ
イル、アリル、スチリル、アセナフタレン又はメタクリロイルの懸垂基を有する
1個以上の光互変性クロメン、スピロオキサジン又はスピロピランである。「ビ
ニル共重合性」とは、光互変性物質が、必須成分として、ラジカルポリマー鎖と
でラジカル付加反応を起こすことができ、ラジカル鎖に付加されると、そのもの
がビニル官能基とラジカル付加反応を起こすことができる不飽和基、例えばアク
リロイル、メタクリロイル、ビニル、例えばスチリル及びアセナフタレノイルを
含む)、アリル又はマレイン酸基を有することをいう。
【0030】 ビニル重合性光互変性コモノマー成分は通常、共重合混合物中、共重合混合物
の総重量に基づいて約0.5〜約6重量%、より好ましくは約1.5〜約4重量
%のレベルで存在する。特に有用なビニル重合性ホトクロームブルーコモノマー
は、
【0031】
【化1】
【0032】 である。このコモノマーは、Great Lakes Chemical Italia社製のVariacrol Blue A(登録商標)のD−アクリレート誘導体であるが、他のビニル重合性
誘導体(非メチル化2゜アミンバージョン(non-methylated 2゜amine version
)を含む)を使用してもよい。
【0033】 同様に、Great Lakes Chemical Italia社製のVariacrol Blue D(登録商
標)のD−アクリレート誘導体又はその他のビニル重合性誘導体(非メチル化2
゜アミンバージョンを含む)もまた、好ましいコモノマーである。
【0034】
【化2】
【0035】 光互変性コモノマーは、活性化状態で特定の吸収スペクトルを有する単一化合
物であってもよいし、活性化状態で異なる吸収スペクトルを有する種々のビニル
重合性光互変性化合物の混合物であってもよい。
【0036】 本開示の親水性光互変性コンタクトレンズにおいて黄及びオレンジ成分として
使用することができる光互変性モノマーは、米国特許第5,543,533号に
記載されている、ビニル官能基を有する光互変性物質を含むことができる。他の
光互変性コモノマー、例えばホトクロームブルー成分と混合して、より自然な暗
化、例えば灰色、褐色又は緑色を出すことができるさらなる光互変性コモノマー
の例は、
【0037】
【化3】
【0038】 を含む。このコモノマーは、Great Lakes Chemical Italia社製のVariacrol Red PNO(登録商標)のアクリル酸エステル誘導体であるが、他のビニル重合
性誘導体(非メチル化2゜アミノ化合物を含む)もまた有用であることができる
。光互変性モノマー、例えば上記式のホトクロームブルー、ホトクロームレッド
及びホトクロームイエローのビニル重合性官能基は、例えば、ナフタレン環上、
フェニル環上の他の場所に配置されていてもよいし、例えばアクリル酸エステル
又はアクリルアミドとして、好ましくは柔軟な中間鎖、例えばメロクリアニン系
のアミン基をアクリル酸エステル又はアクリル酸アミド基に結合するC3〜C10
アルカン又はポリ(エチレン)オキシドエーテル鎖によってアミン基に結合され
ていてもよい。
【0039】 同様に、黄活性化(yellow-activable)可能な光互変性コモノマー、例えば以
下のアクリロイルホトクロームイエローが、他の光互変性コモノマーと混合して
、可視吸収スペクトルをより均一にするのに役立つ。
【0040】
【化4】
【0041】 このコモノマーは、Great Lakes Chemical Italia社製のVariacrol Photo L(登録商標)のL−アクリレート誘導体であるが、他のビニル重合性誘導体
も同様に特に有用であることができる。
【0042】 上記化合物は好ましい光互変性コモノマーの例であるが、多様な他のビニル重
合性コモノマーを共重合させて親水性コンタクトレンズポリマーにし、本開示に
したがって滅菌中に保護することができる。特に有用な有機光互変性ビニル重合
性コモノマーは、ビニル重合性官能基で誘導体化されるスピロオキサジン及びオ
キシスピロピランの群に属することができる。好ましい有機光互変性化合物は、
以下の一般式で定義される、ビニル重合官能基及びスピロオキサジン基を有する
化合物である。
【0043】
【化5】
【0044】 式中、R1及びR2は、独立して、水素若しくはハロゲン原子(フッ素、塩素又
は臭素)か、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル(C1〜C5)若しくはハロ
ゲンアルキル、アルコキシ(C1〜C5)、ニトロ若しくはシアノ、カルボキシル
、カルボキシアルキル、カルボニルから選択される基を表し、 R3及びR4は、独立して、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル(C1〜C5)基
基、フェニル又はベンジルを表すか、R3とR4とが、それらが結合する炭素原子
で一緒になって、シクロアルキル(C5〜C8)基を形成し、 R5は、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(C1〜C5)基、アルキルフェニル、
ベンジル又はアリルアルコキシを表すが、環窒素とでアミドを形成するビニル重
合性基、例えばアクリロイル若しくはメタクリロイル基又はR5基が付く環窒素
とで第三級アミンを形成する、より離間した官能基( space-apart functionali
ty)、例えばメタクリロイル若しくはアクリロイルエステルを表すこともでき、
【0045】
【化6】
【0046】 R6は、水素原子又は直鎖状若しくは分岐鎖状の(C1〜C5)アルキル基又は
基−NR8、R9を表し、 R8は、直鎖状若しくは分岐鎖状の(C1〜C5)アルキル基、フェニル又はベ
ンジルであり、 R9は、水素であるか、R8と同じ意味を有し、あるいは、R8とR9とが、それ
らが結合する窒素原子で一緒になって、酸素及び窒素から選択されるさらなるヘ
テロ原子を含むことができる5〜12員の環構造を形成し、 R7は、水素若しくはハロゲン原子(フッ素、塩素又は臭素)又は直鎖状若し
くは分岐鎖状のC1〜C5アルキル、シアノチオアルキル、エステル部分に炭素原
子1〜3個を有するエステルカルボキシレート基を表すか、位置7′、8′、9
′又は10′の一つでCH基がNによって置換されていることができる芳香族又
は縮合複素環核を表す。R7基は、光互変性基の開環官能基から離れているため
、ビニル重合性官能基にとって特に望ましい位置である。R7ビニル重合性基は
、好ましくは、特に好ましいコモノマーとして前記したようなアクリロイル又は
メタクリロイルエステル基である。R1、R2、R6又はR7はまた、ビニル重合官
能性を提供するため、スチレニル基であることが望ましい。R1、R2、R5、R6 又はR7の少なくとも一つはビニル重合性官能基を有するべきである。
【0047】 本発明にしたがって使用するためのビニル重合性基をさらに含む、スピロオキ
サジンの群に属する好ましい光互変性化合物の例は、1,3,3,4,5又は1
,3,3,5,6−ペンタメチルスピロ(インドリン−2,3′−(3H)−ナ
フト−(2,1−b)−(1,4)−オキサジン、1,3,3−トリメチルスピ
ロ(インドリン−2,3′−(3H)ナフト−(2,1−b)−(1,4)−オ
キサジン、1,3,3−トリメチルスピロ(インドリン−6′−(1−ピペリジ
ン)−2,3−(3H)ナフト−(2,1−b)−(1,4)−オキサジン、1
,3,3−トリメチルスピロ(インドリン−6′−(1−モルホリン)−2,3
′−(3H)−ナフト−(2,1−b)−(1,4)−オキサジン)、1,3,
3,4,5−又は1,3,3,5,6−ペンタメチルスピロ(インドリン−6′
−(1−ピペリジン)−2,3′−(3H)−ナフト−(2,1−b)−(1,
4)−オキサジン)及び1,3,3−トリメチルスピロ(インドリン−6′−(
1−ピペリジン)−9′−(メトキシ)−2,3′−(3H)ナフト(2,1−
b)(1,4−オキサジン)である。
【0048】 より一般的には、先に論じたようなビニル重合性基を、一般式(I)で定義さ
れるスピロインドリノオキサジンの群に属する光互変性化合物に提供することも
可能である。
【0049】
【化7】
【0050】 式中、Rは、水素原子;直鎖状若しくは分岐鎖状の(C1〜C5)アルキル基;
フッ素、塩素、臭素又はヨウ素から選択されるハロゲン原子、ヒドロキシ基、(
1〜C5)アルコキシ基、(C1〜C5)カルボキシアルキル基、シアノ基の1〜
5個で置換されている同様な(C1〜C5)アルキル基;(C2〜C5)アルケニル
基;フェニル基;スチレニル若しくはアセナフチル(ビニル重合性)基又はベン
ジル基を表すか;ビニル重合性基、例えばアクリロイル又はメタクリロイルエス
テル又はアミド基(橋掛け基、例えばアルコキシ、ポリアルコキシ又は脂肪族鎖
を有するか有しない)を表す。
【0051】 R1〜R4は、例えば、同じであっても異なってもよく、水素原子;直鎖状若し
くは分岐鎖状の(C1〜C5)アルキル基;フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選
択されるハロゲン原子、ヒドロキシ基、(C1〜C5)アルコキシ基、(C1〜C5 )カルボキシアルキル基、シアノ基の1〜5個で置換されている同様な(C1
5)アルキル基;(C2〜C5)アルケニル基;ベンジル基;フッ素、塩素、臭
素及びヨウ素から選択されるハロゲン原子;ヒドロキシ基;(C1〜C5)アルコ
キシ基若しくはポリアルコキシ基;アミノ基;モノアルキル(C1〜C5)アミノ
基;ジアルキル(C1〜C5)アミノ基;シクロアルキル(C3〜C10)アミノ基
;ピペリジン、ピペラジン若しくはモルホリン基;カルボキシ基;カルボキシア
ルキル(C1〜C5)基;カルボキシアルケニル(C1〜C5)基;カルボキシアミ
ド基;置換カルボキシアミドN−アルキル(C1〜C5)基;置換カルボキシアミ
ドN,N−ジアルキル(C1〜C5)基;シアノ基;ニトロ基;スルホン基;(C1 〜C5)アルキルスルホン基;ベンゼンスルホン基、p−トルエンスルホン基、
p−クロロトルエンスルホン基から選択されるアリールスルホン基;フェニル、
スチレニル、ビフェニル、ナフチル基から選択されるアリール基であることがで
き、 R5及びR6は、同じであっても異なってもよく、それぞれ独立して、直鎖状も
しくは分岐鎖状の(C1〜C5)アルキル基;フェニル又はスチレニル基であるか
;R5とR6とが、それらが結合する炭素原子とで一緒になって、シクロアルキル
(C4〜C7)基を表し、 R7は、水素原子;直鎖状若しくは分岐鎖状の(C1〜C5)アルキル基;フェ
ニル若しくはスチレニル基;フッ素、塩素又は臭素から選択されるハロゲン原子
;(C1〜C5)アルコキシ基;又はフェノキシ基を表し、 Aは、核上又は側鎖中に少なくとも1個のカルボキシル官能基(C−−O)を
含む、以下に示す式(II)、(III)、(IV)、(V)又は(VI)で定義するこ
とができる単環式又は多環式のアレーン基を表し、
【0052】
【化8】
【0053】 式中、R8は、水素原子;塩素及び臭素から選択されるハロゲン原子;直鎖状
若しくは分岐鎖状の(C1〜C5)アルキル基;(C2〜C5)アルケニル基;単環
式若しくは多環式アリール基、又はフェニル、ナフチル、アントラシル、フラニ
ル、ピロリル、チオフェニル、キノリル及びピロリルから選択されるヘテロアリ
ール基であるか;ハロゲン原子(フッ素、塩素及び臭素)、直鎖状若しくは分岐
鎖状のアルキル(C1〜C5)基、ヒドロキシ基、アルコキシ(C1〜C5)基、ニ
トロ基、シアノ基、アミノ、モノアルキル(C1〜C5)アミノ基、ジアルキル(
1〜C5)アミノ基、ピペリジン基、ピペラジン基又はモルホリン基から選択さ
れる基1〜4個で置換されている同様なアリール又はヘテロアリール基を表し、 R10〜R13の二つの隣接する点が、一般式(I)におけるオキサジン核との縮
合位置を表し、他のものはR1〜R4と同じ意味を有し、 R9及びR14〜R19は、R1〜R4と同じ意味を有する。好ましくは、式(I)
中、 Rは、メチル、エチル、ベンジル、2−アリル、2−ヒドロキシエチル又は2
−カルボキシメチルエチル基を表し、 R1〜R4は、同じであっても異なってもよく、それぞれ独立して、水素原子、
フッ素、塩素若しくは臭素原子又はメチル、イソプロピル、トリフルオロメチル
、ヒドロキシメチル、ベンジル、ヒドロキシ、メトキシ、アミノ、ピペリジノ、
モルホリノ、カルボキシル、カルボキシメチル、N,N−ジメチルカルボキシア
ミド、シアノ、ニトロ若しくはフェニル基を表し、 R5及びR6は、同じであっても異なってもよく、それぞれ独立して、メチル又
はフェニル基を表すか、それらが結合する炭素原子とで一緒になって、シクロヘ
キシル基を表し、 R7は、水素原子、塩素原子又はフェニル、メチル若しくはメトキシ基を表し
、 Aは、式(II)〜(VI)の基の一つであり、 式中、 R8は、水素原子又はメチル、イソプロピル、フェニル、p−N,N−ジメチ
ルアミノフェニル、p−シアノフェニル、p−ニトロフェニル、p−メトキシフ
ェニル、ナフチル、2−チオフェニル、2−フラニル若しくは4−ピリジル基を
表し、 R10〜R13の二つの隣接する点が、一般式(I)におけるオキサジン核との縮
合位置を表し、他のものは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素、塩素若しく
は臭素原子又はメチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル
、ベンジル、ヒドロキシ、メトキシ、アミノ、ピペリジノ、モルホリノ、カルボ
キシル、カルボキシメチル、N,N−ジメチルカルボキシルアミド、シアノ、ニ
トロ若しくはフェニル基を表し、 R9及びR14〜R19は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素、塩素若しくは
臭素原子又はメチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、
ベンジル、ヒドロキシ、メトキシ、アミノ、ピペリジノ、モルホリノ、カルボキ
シル、カルボキシメチル、N,N−ジメチルカルボキシアミド、シアノ、ニトロ
若しくはフェニル基を表す。
【0054】 ビニル重合性官能基と誘導体化することができる光互変性化合物の例は、 1,3,3−トリメチル−8′−オキシフェニルスピロインドリノ−〔2.3
′〕(3H)−ナフト〔2,1−b〕−1,4−オキサジン、 1,3,3−トリメチルスピロインドリノ−[2.3′〕(3H)−ベンゾ(
a−)アントラセン−(7′,12′)−ジオン−〔3,4−b〕−1,4−オ
キサジン及び 1,3,3−トリメチル−8′−オキシフェニル−6′−ピペリジニルスピロ
インドリノ−〔2.3′〕(3H)−ナフト−〔2,1−b〕−1,4−オキサ
ジンである。
【0055】 親水性コンタクトレンズ配合物における共重合のために重合性ビニル基を供給
されることができる他の光互変性化合物は、1989年12月12日出願のイタ
リア特許出願第22.659a/89に記載された、以下の一般式で定義するこ
とができるスピロオキサアゼピンオキサジンの群に属するものを含む。
【0056】
【化9】
【0057】 式中、Xは、窒素原子又はCH基を表し、 Rは、水素原子;直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基;フッ素、塩素、臭素
及びヨウ素から選択されるハロゲン原子1〜5個で置換されている同様なアルキ
ル(C1〜C5)基;アルコキシ(C1〜C5)基;カルボキシアルキル(C1〜C5 )基;シアノ基;アルケニル(C2〜C6)基;フェニル基又はベンジルを表し、 R1〜R12は、同じであっても異なってもよく、それぞれ独立して、水素原子
;直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル(C1〜C5)基;アルケニル(C2〜C5
基;ベンジル基;フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択されるハロゲン原子;
ヒドロキシ基;アルコキシ(C2〜C5基);アミノ基;モノアルキル(C1〜C5 )アミノ基;ジアルキル(C2〜C5)アミノ基;シクロアルキル(C3〜C7)ア
ミノ基;カルボキシル基;カルボキシアルキル(C1〜C5)基;カルボキシアミ
ド基;置換カルボキシアミドN−アルキル(C1〜C5)若しくは置換N,N−ジ
アルキル(C1〜C5)基;シアノ基又はニトロ基を表すか、 R9、R10、R11及びR12の間の二つの隣接する点が一緒になって、置換基な
しの又はR1〜R12に関して記載した置換基から選択される置換基1〜3個を有
する縮合ベンゼン核を表す。
【0058】 好ましくは、式(VII)中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、R1〜R8
、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、 R9〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、メトキシ基又はニトロ基を表し
、あるいは、二つの隣接する点が一緒になって、置換基なしの又はメトキシ、ニ
トロ及びカルボキシメチル基から選択される置換基1〜3個を有する縮合ベンゼ
ン核を表す。基R及びR1〜R10の少なくとも一つは、先に論じたように、ビニ
ル重合性官能基、例えばメタクリロイル若しくはアクリロイルエステル又はアミ
ド基か、又はスチレニル若しくはアセナフタレン基であるべきである。
【0059】 ビニル重合官能基を供給されることができる好ましい光互変性化合物の具体例
は、 10−メチルスピロジベンゾ(b,f)−1,4−オキサゼピン−11,3′
−(11h)ナフト(2,1−b)−(1,4−オキサジン)、 10−メチル−8′−メトキシ−6′−ニトロスピロジベンゾ(b,f)−1
,4−オキサゼピン−11,2′−(11h)ベンゾ(2,1−b)(3H)ピ
ラノ、 10−メチル−8′−メトキシスピロジベンゾ(b,f)−1,4−オキサゼ
ピン−11,3′−(11h)ナフト(2,1−b)−(1,4−オキサジン)
及びこれらのスピロジベンゾ化合物のギ酸エステルである。
【0060】 同様に、包装された滅菌した光互変性親水性レンズを製造するために、塩基性
pH条件下で共重合させることができる他の有用な共重合性光互変性物質は、置
換又は非置換のベンゾピラノ縮合ナフトピランであり、例えば以下を含む。
【0061】
【化10】
【0062】 式中、R、R1又はR2の少なくとも一つ(好ましくはR)は、上述したような
、光互変性部分に直接又は間接的(コンタクトレンズモノマーとの共重合を妨げ
ない中間部分を介して)に結合することができる付加重合性基、例えばアクリロ
イル、メタクリロイル、ビニル(スチレニルを含む)又はアリル基を含む。ベン
ゾピラノ縮合〔2,1−b〕ナフトピランは、米国特許第6,022,495号
に記載のようにして調製することができ、例えばナフトピラン環の酸素原子に対
してオルトの位置に多様な置換基を有することができ、例えば2,10−ジヒド
ロ〔2〕ベンゾピラノ〔4′,3′:3,4〕ナフト−〔2,1−b〕−ピラン
並びに3,8−ジヒドロ〔2〕ベンゾピラノ〔3′,4′:5,6〕−ナフト〔
2,1−b〕ピランである。R及び/又はR1基は、一緒になって、環、例えば
オキソ基を形成することもでき、それぞれが水素、(C1〜C6)アルキル、(C3 〜C7)シクロアルキル、アリル、フェニル、一及び二置換フェニル、ベンジル
又は一置換ベンジルであることもできる。それぞれのフェニル及びベンジル基の
置換基は、(C1〜C6)アルキル又は(C1〜C6)アルコキシであることができ
る。好ましくは、R1及びR2(付加重合性基でない場合)は、水素、(C1〜C4 )アルキル、(C3〜C6)シクロアルキル、フェニル、一若しくは二置換フェニ
ル、ベンジル及び一置換ベンジルであることができる。それぞれの好ましいフェ
ニル及びベンジル基の置換基は、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキ
シ、クロロ又はフルオロであることができる。
【0063】 R2置換基は、非置換、一置換、二置換及び三置換アリール基、フェニル及び
ナフチル、非置換、一置換及び二置換複素芳香族基ピリジル、フラニル、ベンゾ
フラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イ
ル、ベンゾチエン−3−イルであることができ、それぞれのアリール及び複素芳
香族の置換基は、フェニル、フェニル(C1〜C3)アルキル、ジ(C1〜C6)ア
ルキルアミノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピリル、(C1〜C6)アルキル、(C1 〜C6)クロロアルキル、(C1〜C6)フルオロアルキル、(C1〜C6)アルコ
キシ、モノ(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C4)アルキル、アクリルオキシ、メ
タクリルオキシ、クロロ又はフルオロである。
【0064】 置換又は非置換の付加共重合性インデノ縮合ナフトピランは、望ましくは黄〜
オレンジの色を有することができ、光互変性コモノマーとして使用することもで
きる、以下に示すホトクロームである。
【0065】
【化11】
【0066】 同様に、以下に示す置換又は非置換の付加共重合性フルオレナフテノピランも
また、光互変性コモノマーとして単独で又は他のホトクロームと組み合わせて滅
菌済みの親水性コンタクトレンズに使用することができる光互変性化合物である
【0067】
【化12】
【0068】 他の置換された共重合性ナフトピランは一般に、以下のような化合物を含む。
【0069】
【化13】
【0070】 式中、R又はR2の一つは、ビニル重合性親水性コンタクトレンズモノマー、
例えばヒドロキシエチルメタクリレート及びアクリルアミドと共重合することが
できるビニル又はアリル基であり、種々のR、R1及びR2基は、先に記載したと
おりである。
【0071】ヒンダードアミン光安定剤コモノマー さらに本発明にしたがって、光互変性成分のためのビニル共重合性の立体障害
アミン光安定剤を共重合混合物に供給することが望ましい。特に望ましい立体光
安定剤コモノマーは、アクリル又はメタクリル官能基を有するヒンダード環式第
三級アミン、例えばUvacryl 80(商標)(Great Lakes Chemical Italia社
)のメタクリロイルエステルヒンダード環式第三級アミン誘導体である。
【0072】
【化14】
【0073】 通常HALSと呼ばれる他の適切なヒンダードアミン安定剤は、ビニル共重合
性コモノマーとして調製することができ、本開示のレンズにおける共重合にも適
切でありうる。例えば、マレイン酸によるヒンダード第三級ピペリジン基のエス
テル化によって調製することができる同様なヒンダードアミンである。
【0074】
【化15】
【0075】 ビニル重合性ヒンダードアミン光安定剤成分は通常、共重合混合物中に、乾量
基準で全モノマー混合物の量に基づいて約0.25〜約4重量%、より好ましく
は、約1〜約2重量%のレベルで存在する。種々の他のビニル重合性ヒンダード
アミン(HALS)を使用してもよい。
【0076】 他の光互変性疲労安定剤を滅菌済みの光互変性コンタクトレンズの製造におい
て共重合させてもよい。これに関して、少量のビニル重合性紫外線及び/又はヒ
ンダードフェノール酸化防止剤をレンズ配合物に使用してもよい。例えば、以下
に示すようなビニル共重合性ヒンダード酸化防止剤化合物及び/又は非対称ジア
リールオキサルイミドUV吸収化合物を提供することができる(式中、R基は、
例えば、米国特許第5,770,115号に準ずることができる)。
【0077】
【化16】
【0078】 しかし、これらの物質を加えるとしても、その量は比較的少量にすべきである
。立体障害フェノール酸化防止剤でさえ、重合反応を妨害するおそれがあるが、
UV吸収成分の量及び吸収波長スペクトルは、装用者が使用中のレンズのUV光
互変活性化を実質的に妨害すべきではない。
【0079】共重合手順 上述したように、共重合混合物は、比較的穏やかな共重合条件下で重合させる
。これに関して、過酸化物ラジカル開始剤の実質的不在で、比較的穏やかなラジ
カル発生剤、例えばアゾイソブチルニトリル(AIBN)及び2,2′−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル(例えばVazo 52(登録商標)DuPontの穏
やかなラジカル開始剤製品)を比較的低レベルで使用することができる。
【0080】 共重合は、ラジカル開始剤の有効性を最大限にし、必要なラジカル開始剤の量
を最小限にするため、さらなる溶媒なしに塊状で実施することが好ましい。他の
穏やかな非酸化性ラジカル発生剤、例えば穏やかな酸化還元系及び可視光線増感
剤を用いたラジカル発生剤を使用してもよい。
【0081】 共重合は、実質的に無酸素又は酸素を減少させた環境、例えば少なくとも95
%が窒素であり、酸素が5重量%未満である窒素雰囲気で実施することが好まし
い。また、ホトクローム物質を保護するため、重合を少なくとも部分的に暗所(
UV及び可視光線のない環境)で実施することが望ましいかもしれない。共重合
は、図1に示すような個々のコンタクトレンズ型の中で実施することが望ましい
が(米国特許第5,316,700号を参照)、シリンダ又は他の容器の中で実
施して付形物、例えば固形ロッドを製造し、それを従来例にしたがってスライス
し、コンタクトレンズに成形してもよい。重合は、成形する個々のコンタクトレ
ンズごとに、通常、約50〜約90℃の範囲の温度で2〜5時間実施することが
できる。通常、固形ロッド重合の場合、共重合は、モノマーの総重量(乾量基準
)に基づいて約0.03〜約0.10重量%のAIBN、Vazo 52又は他の穏や
かな非過酸化物ラジカルを使用して、約30〜約45℃の範囲の温度で実施する
ことができる。重合時間は通常、約6〜約48時間の範囲であることができる。
上述したように、高温で短時間の硬化では、重合時間は、120℃以上の温度で
10分未満になる。
【0082】水和及び滅菌手順 共重合した光互変性物質及び安定剤を含有する形成した重合コンタクトレンズ
は、水性水和溶液中で、水和したコンタクトレンズの総重量に基づいて少なくと
も約38重量%、好ましくは約50重量%〜約80重量%の水の範囲で水和させ
る。水和溶液はまた、水溶性成分をレンズから浸出させる機能を果たすことがで
きる。レンズを水和させるときの温度は、好ましくは約80℃未満、通常は約1
5〜30℃の範囲である。レンズの水和は通常、約10〜約200分間実施する
ことができる。水和及び浸出溶液は主に水であるが、一般に、少量のさらなる物
質、例えば静菌剤及び緩衝剤、例えばナトリウム又はカリウムの炭酸塩、リン酸
塩、炭酸水素塩及び/又はホウ酸塩を含有する。水和溶液は、約7.0〜約9.
0の範囲、好ましくは約7.0〜約8.2の範囲、より好ましくは約7.0〜約
7.8の範囲のpHを有することが望ましい。
【0083】 その後、水和したレンズを、滅菌パッケージに入れて、少なくとも約7.2、
好ましくは約7.5〜約8.2の範囲のpHを有する滅菌用水性包装溶液中に密
封する。包装溶液のpHは、必要に応じて又は適宜、生理的に許容しうるアルカ
リ又はアルカリ土類金属の炭酸水素塩、ホウ酸塩及び/又はリン酸塩、例えばナ
トリウム又はカリウムの炭酸水素塩、ホウ酸塩及び/又はリン酸塩若しくはそれ
らの混合物及び/又はエチレンジアミンテトラアセテート(EDTA、例えば二
ナトリウム塩)又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(「トリス」)で
調節することができ、少なくとも華氏約121度の滅菌温度でレンズを完全に滅
菌するのに十分な期間、加熱することができる。コンタクトレンズを水和させる
ために使用される水和溶液を滅菌処理で使用することもできるが、水和したコン
タクトレンズを水性水和液から取り出すか引き離すかし、少なくとも約7.2、
好ましくは約7.2〜8.5の範囲のpHを有する別の水性滅菌包装溶液に再び
投入することが好ましい。そして、水和したレンズ及び包装溶液を適切な滅菌パ
ッケージに密封する。これに関して、例えば、レンズは、レンズを保護し、消費
者がはじめて開封するまでレンズの無菌性を維持するシールしたブリスタパッケ
ージ中で滅菌してもよい。高pH包装溶液は、レンズとともに、図2a及び2b
に示すようなコンタクトレンズブリスタパッケージ20のコップ状の受け部に配
置することができる。ブリスタパック20は、米国意匠特許第352,237号
で示され、Wesley Jessen社によって同社のFreshLook(商標)コンタクトレン
ズ製品の包装に使用されているような従来のコンタクトレンズパッケージであっ
てもよい。包装及び滅菌処理では、高pH水性包装溶液21を、水和したコンタ
クトレンズ23とともに、熱可塑性プラスチックフィルムとして形成された包装
受け部22に配置する。従来例にしたがって、熱可塑性フィルム及びアルミニウ
ム箔を適切な接着シーラントとともに含むことができるシール層24をキャリヤ
受け部22の上に配置し、シールして、コンタクトレンズ23及び水性滅菌溶液
を密封チャンバ25の中に固定してもよい。コンタクトレンズブリスタパッケー
ジ20そのものは、別のコンタクトレンズを含む細菌不浸透性のプラスチックパ
ッケージの中にシールしてもよい。
【0084】 コンタクトレンズブリスタパッケージ20及び包装は、それぞれが外部雰囲気
及び細菌との接触に対して密封シールを提供することが望ましい。コンタクトレ
ンズキャリヤ及び密封パッケージへのコンタクトレンズの包装には、不活性ガス
、例えば窒素を使用することが望ましい。コンタクトレンズキャリヤ中でコンタ
クトレンズを包囲する雰囲気は、滅菌工程で存在する酸素の量を減らすため、酸
素が5重量%未満、窒素が少なくとも95%であることができる。また、包装さ
れたレンズの貯蔵寿命を延ばすように作用することができる、生理的に許容しう
る酸化抑制剤、例えばアスコルビン酸(例えばそのナトリウム又はカリウム塩)
を包装溶液に含めてもよい。
【0085】 上述したように、水性滅菌溶液は、周囲貯蔵温度(約20℃)で少なくとも約
7.4、好ましくは約7.4〜約8.2以上の範囲のpHを有することが重要で
ある。滅菌溶液は主に水であるが、適切なアルカリ緩衝剤、例えばアルカリの炭
酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、ホウ酸塩又はそれらの混合物をも含有する。ナト
リウム及びカリウムの炭酸塩又は炭酸水素塩及びトリス(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタン(「トリス」)が特に好ましいpH調節剤である。
【0086】 トリエチルアミンは、水性滅菌溶液へのトリエチルアミン1重量%の添加によ
ってpH調節剤としての試験を行ったが、滅菌処理で炭酸水素ナトリウム添加物
を使用するよりもトリエチルアミン添加物を使用した場合により大きな変色が生
じた。pHを7.12未満に低下させたり、滅菌中のレンズの光互変性に悪影響
を及ぼしたりしない限り、静菌剤、水溶性ポリマー及び他の典型的な親水性レン
ズ貯蔵成分、例えばホウ酸ナトリウムを少量で含めてもよい。通常、水性滅菌溶
液は、水和したコンタクトレンズとの平衡状態で所望のpHを提供するのに十分
な約0.05〜約0.20重量%の緩衝剤を含有する。
【0087】 比較的高いpH、例えば約7.8を超えるpHで光互変性コンタクトレンズを
滅菌する場合、滅菌処理後、密封パッケージ内のpHの低下に備えることが望ま
しい。例えば、pH8.2のアルカリ炭酸塩又は炭酸水素塩の包装溶液を使用す
る場合、滅菌後、貯蔵、出荷及び消費者による最終的使用に備えて、包装溶液の
pHを7.12〜7.8の範囲に低下させることが望ましい。これに関して、例
えば、シールされたコンタクトレンズパッケージの少なくとも一部を、二酸化炭
素に対して限られた程度の透過性しか有しないプラスチックシート又はフィルム
から形成し、シールされた滅菌済みのコンタクトレンズパッケージを、溶液のp
Hが例えば7.12〜8.5、好ましくは7.12〜7.8の範囲になるまで、
二酸化炭素雰囲気に貯蔵することが望ましい。
【0088】 シールされた滅菌済みのコンタクトレンズの光互変性貯蔵安定性の維持に関し
て、それらのコンタクトレンズをパッケージに入れて7.2を超えるpHを有す
る水性溶液中に保持することが望ましい。包装は、例えば包装フィルムにUV吸
収剤を組み込むことにより、UV線をろ波することが好ましい。好ましくは、密
封された滅菌済みのコンタクトレンズの包装は、入射するUVA及びUVB線の
、パッケージ全体で積分して少なくとも95%(そうでなければ透過してレンズ
に達する)を吸収する。
【0089】滅菌処理 続いて、約7.4を超えるpHを有する水性滅菌溶液に入れて密封されたコン
タクトレンズを、レンズを完全に滅菌するため、オートクレーブ中、少なくとも
約121℃の温度で、少なくとも約25分間又は同等な温度、時間条件で滅菌す
る。しかし、高温は光互変性物質にとって有害であるため、十分な滅菌を提供す
るのに必要な最小値を超える時間、温度滅菌処理(適切な工程安全要因を含む)
は実施しないことが賢明である。また、ホトクローム物質の劣化を最小限にする
ため、滅菌を暗所で実施することが望ましい。
【0090】 上述したように、滅菌済みのコンタクトレンズは、非活性化状態では実質的に
透明であるが(例えば、「ハンドリングティント」として働くのに十分なだけの
色合いを含む)、使用目的の条件下では、可視スペクトルにわたってその透過率
を少なくとも約30%可逆的に低下させることができる。これらの条件は、頭上
の直射日光から遮蔽され、最大入射UV光束が直射日光の約1/5である、約3
5℃の水性環境を含む。
【0091】 親水性の含水コンタクトレンズは、屋外使用条件下、室温(23℃)で少なく
とも約30%の初期光互変活性を有することが望ましい。親水性の含水コンタク
トレンズはまた、少なくとも2週間の長期使用に適した耐疲労性を有し、日光中
での70時間の使用にわたって少なくとも25%の光互変活性を保持することを
特徴とする。
【0092】 本発明の種々の態様を一般に記載したが、次に、以下に示す実施例に関して本
発明を説明する。
【0093】実施例1 親水性レンズモノマーの無溶媒ブレンドと、官能性のアクリル系光互変性化合
物と、官能性のビニル重合性アクリル系光安定剤とを以下の割合で混合すること
により、一連の親水性光互変性コンタクトレンズ配合物を調製した。
【0094】
【表2】
【0095】重合手順 架橋剤を含むモノマー混合物、ビニル重合性光互変性化合物、ビニル重合性光
安定剤及び開始剤をフラスコに計量し、混合した。この混合物約0.2mlをコン
タクトレンズ注型カップの凹型枠に配した。凸型枠を凹型枠に圧入して、モノマ
ーを注型カップの光学面の間に挟んだ状態にした。レンズをオーブンに入れ、窒
素雰囲気下75℃で3時間硬化させた。注型カップを取り出し、その両枠を分け
た。型を変形させることによってレンズを取り出した。このレンズを約10mlの
水和溶液に45分間入れておいた。この間にレンズは膨潤し、水和したレンズの
最新重量に基づいて約57〜62重量%の含水率を有するヒドロゲルを形成した
。水和したレンズを水和溶液から取り出し、標準包装溶液約5mlを含むバイアル
に入れた。炭酸水素ナトリウム飽和水性溶液10滴を加えた。ボトルを、圧着し
たアルミニウムキャップによって所定位置に保持されるゴムストッパでシールし
た。バイアルを125℃のアルミニウムブロックヒータに20分間入れることに
よってレンズを滅菌した。バイアルへの熱伝導が非常に速やかに起こるよう、バ
イアルをブロック内のキャビティに嵌め込んだ。そして、バイアルを取り出し、
冷たい水道水を流してかけることによって冷ました。
【0096】 Hewlett Packard HP8452A分光光度計を使用して、非活性化形態及び活性化
形態のUV可視スペクトルを23℃で記録することにより(レンズ面で1.5mW
/cm2の放射照度を有するUVAランプの放射線で60秒間活性化)、実験8にし
たがって製造したレンズの光互変性を測定した。
【0097】 実施例1の実験8にしたがって製造した、その中央領域で約0.09mmの厚さ
を有する第一の水和した光互変性コンタクトレンズを石英キュベットに入れ、中
央領域の透過率を分光光度計で試験した。このレンズは、周囲温度で暗所に貯蔵
されていたものであり、それまでUV線に曝したことがないものであった。まず
UVAへの曝露の前にレンズの中央領域の透過率を計測して、図3aに「活性化
なし」として示す透過率ベースライン曲線32を得た。次に、レンズをUVA灯
からのUV線に60秒間曝した。1.5mW/cm2の放射照度のUVA線に60秒間
露光させた直後に計測した可視光線透過スペクトルを図3aに曲線34(Tゼロ
)として示した。約610nmでの吸収ピークは20%未満の透過率を示したが、
これは、60秒間のUVA曝露により、ベースライン32の90%を超える透過
率からこのレベルまで低下したものであった。さらなるUVA曝露なしで10秒
後にレンズの透過率を再び計測し、その透過率データを曲線36(10秒)で示
した。さらなるUVA露光なしでさらに10秒後にレンズの透過率を再び計測し
、UVA活性化から20秒後の透過率を曲線38(20秒)によって示した。同
様に、活性化UVA曝露の30秒後に透過率を再び計測し、その透過率データを
曲線40で示した。曲線32、34、36及び38のデータは、実施例の実験8
の光互変性親水性コンタクトレンズの初期光互変感度及び比較的速やかな非活性
化を示す。
【0098】 実施例1の実験8にしたがって製造した、約0.09mmの中央領域の厚さを有
する第二の水和した光互変性コンタクトレンズを48サイクルのUVA線への露
光によって前処理した後、その活性化及び非活性化反応を計測した。レンズを、
モデルXX−15L UVA灯(UVP社、San Gabriel, CA)からの放射照度約1
.98mW/cm2の照射15分と、その後、そのような照射なしの15分からなる半
時間サイクルに48回付した。したがって、この24時間のUV処理は、レンズ
を活性化させる、全部で12時間のUVA線オン時間と、レンズを非活性化させ
る、全部で12時間のオフ状態とにレンズを付すものである。続いて、前処理し
たレンズを石英キュベットに入れ、図3aの試験に使用したレンズの場合と同じ
方法で分光光度計で試験した。UVA曝露の前にレンズの透過率を計測して、図
3aに「活性化なし」として示す透過率ベースライン曲線を得た。1.5mW/cm2 のUVA線に60秒間曝露させた直後に計測した可視光線透過スペクトルを図3
bに曲線Tゼロとして示した。約610nmでの吸収ピークは約20%の透過率を
示したが、これは、図3aのレンズの透過率よりもわずかに高いだけであり、良
好な耐疲労性を示した。10秒後(さらなるUVA曝露なし)にレンズの透過率
を再び計測し、その透過率データを曲線36で示した。さらなるUVA曝露なし
でさらに10秒後にレンズの透過率を再び計測し、UVA活性化から20秒後の
透過率を曲線38によって示した。同様に、活性化UVA曝露の30秒後に透過
率を再び計測し、その透過率データを曲線40で示した。このデータは、実施例
の実験8の光互変性親水性コンタクトレンズの比較的速やかな非活性化、速やか
な非活性化及びレンズ配合物の耐疲労性を示した。
【0099】実施例2 黄ホトクローム 実施例1に記載したようにして、ビニル重合性黄ホトクロームを含有するレン
ズを製造し、滅菌した。滅菌後、変色は認められず、光互変反応は完全なままで
あった。
【0100】 実施例3 実質的に酸を含まない親水性レンズモノマーの無溶媒ブレンドと、可視光線領
域にわたって異なる吸収特性を有する共重合性アクリル系光互変性化合物のブレ
ンドと、官能性のビニル重合性アクリル系ヒンダードアミン安定剤とを以下の割
合で混合することにより、一連の親水性光互変性コンタクトレンズ配合物7種を
調製した。
【0101】
【表3】
【0102】 各実験1〜7の、EGDMA架橋剤、ビニル重合性光互変性化合物混合物、ビ
ニル重合性ヒンダードアミン安定剤及び穏やかなラジカル開始剤であるVazo 64
(登録商標)を含む重合混合物をフラスコに計量し、混合した。
【0103】 実験1〜7の各混合物約0.2mlを、図1に示すようなコンタクトレンズ注型
カップの凹型枠に配した。凸型枠を凹型枠に圧入して、モノマーを注型カップの
光学面の間で挟んだ状態にした。レンズをオーブンに入れ、窒素雰囲気下75℃
で3時間硬化させた。注型カップを取り出し、その両枠を分け、レンズを取り出
した。レンズを約10mlの水性水和溶液に45分間入れておいた。この間にレン
ズは膨潤し、水和したレンズの総重量に基づいて約55〜65重量%の含水率を
有するヒドロゲルを形成した。水和したレンズを水和溶液から取り出し、標準包
装溶液約5mlを含むバイアルに入れた。炭酸水素ナトリウム飽和水性溶液10滴
を加えた。ボトルを、圧着したアルミニウムキャップによって所定位置に保持さ
れるゴムストッパでシールした。バイアルを125℃のアルミニウムブロックヒ
ータに20分間入れることによってレンズを滅菌した。バイアルへの熱伝導が非
常に速やかに起こるよう、バイアルをブロック内のキャビティに嵌め込んだ。そ
して、バイアルを取り出し、冷たい水道水を流してかけることによって冷ました
【0104】 実験1〜7のレンズは、光互変反応を有し、活性化状態で、1種のホトクロー
ムしか使用しないレンズと比較して中性の色を有していた。
【0105】実施例4 実施例1と同様にして、ジメチルアクリルアミド(0.5082)、メチルメ
タクリレート(0.4152)、エチレングリコールジメタクリレート(0.0
095)、Vaso(登録商標)64(DuPont、0.0004)、ホトクロームD(0
.0600)及びアミン誘導体化したUvacryl(商標)80(Great Lakes Chemi
cal Italia社、0.0067)の組成を有する光互変性レンズを調製した。同
一に調製した5個のレンズを実施例1のように水和させ、乾燥したレンズの水和
後に、それぞれ以下の溶液に移した。
【0106】 A.0.2M炭酸水素ナトリウム、pH8.19まで炭酸ナトリウムを添加 B.0.2Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、pH8.19までHC
lを添加 C.四ホウ酸ナトリウム(〜0.18Mホウ素)、pH8.17までHClを添
加 D.0.2M Na2HPO4、pH8.14までHClを添加 E.標準包装溶液、公称pH7.4(非常に低い炭酸水素塩濃度)
【0107】 溶液A、B、C及びD中のレンズを121℃で25分間オートクレーブ処理し
たが、溶液E中のレンズはオートクレーブ処理しなかった。レンズを含有する溶
液で得られたpH値を次のように計測した。
【0108】
【表4】
【0109】 実験A〜Eそれぞれで、400uW/cm2UVAで120秒後の620nmにおける
透過%値を、初期値、室温で11週間の貯蔵後及び4℃で11週間の冷蔵後に計
測した。
【0110】
【表5】
【0111】 注:サンプルBを除き、11週間名目透過%値(%T)は、一部のレンズに存在
した曇りのため、いくらか誤りを招くものであった。
【0112】 11週間後のレンズの物理的外観:大部分が、表面を清浄するだけでは除くこと
ができない曇りを含んでいた。 観察結果:
【0113】
【表6】
【0114】 これらの試験から、炭酸水素ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム及びトリス緩衝
剤が、光互変性レンズを保護するのに効果的であり、トリス緩衝剤が最良の性能
を有すると思われる。多様な関連する生物学的緩衝剤を同様に使用することもで
きる。
【0115】 装置及び方法の特定の実施態様に関して本発明を説明したが、本開示に基づい
て多様な変形及び応用を加えることができ、それらが請求の範囲に含まれるとい
うことが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 親水性コンタクトレンズ重合型の側断面図である。
【図2a】 滅菌済みの光互変性親水性コンタクトレンズを含む密封されたブリスタパッケ
ージの斜視図である。
【図2b】 図2aのブリスタパッケージの密封された細菌不浸透性の包装材料内の、水性
包装溶液に浸漬したコンタクトレンズの、2−2線から見た側断面図である。
【図3a】 本開示の親水性コンタクトレンズの、特定の紫外線処理にはじめてさらされた
直後及びその露光から指定時間を経た後の透過率のグラフである。
【図3b】 強力なUV刺激と緩和との反復半時間サイクルに48回付された後の、本開示
の親水性コンタクトレンズの透過率のグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220/56 C08F 220/56 4J100 224/00 224/00 226/06 226/06 C08J 7/02 CEY C08J 7/02 CEYA // B29L 11:00 B29L 11:00 C08L 33:00 C08L 33:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AU,BA,BB, BG,BR,CA,CN,CR,CU,CZ,DM,E E,GD,GE,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KP,KR,LC,LK,LR,LT,LV, MA,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,R O,SG,SI,SK,TR,TT,UA,UZ,VN ,YU,ZA Fターム(参考) 2H006 BB03 BB08 BB10 BC07 BE02 4F073 AA09 AA24 BA18 EA11 EA55 4F204 AA21 AB04 AE10 AH74 AR06 EW02 EW06 4J011 GA05 4J015 AA04 4J100 AD03Q AL03P AL08R AL08S AL09P AL39S AL62Q AL63Q AL92Q AM19P AQ06P AQ08P AQ12P AQ21Q BC43R BC53R BC65R BC65S BC79R CA04 CA05 CA06 EA03 FA03 FA18 GC00 JA34

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に透明であり、使用者によって日光中で装用されてい
    るとき透過率を可逆的に低下させることができる、滅菌した、水和した親水性コ
    ンタクトレンズを製造する方法であって、 架橋性の親水性コンタクトレンズモノマー混合物と、1種以上のビニル重合性
    光互変性コモノマーとを、穏やかなラジカル開始条件下で共重合させて、1種以
    上の光互変性コモノマーを必ず組み込む架橋した親水性ポリマーゲルを製造する
    工程と、 共重合した1種以上の光互変性コモノマーを含有するコンタクトレンズを、水
    性水和溶液中で、水和したコンタクトレンズの総重量に基づいて少なくとも約3
    8重量%の水の水和レベルまで水和させる工程と、 水和したコンタクトレンズを、滅菌パッケージに入れて、有効量の保護アルカ
    リ緩衝剤を含有し、少なくとも約7.2のpHを有する水性滅菌溶液中に密封し
    、滅菌パッケージ内の水性滅菌溶液中の水和したコンタクトレンズを、滅菌パッ
    ケージ内のレンズを完全に滅菌するのに十分な期間、滅菌温度に加熱する工程と
    、 滅菌溶液中の水和したコンタクトレンズを冷却して、滅菌済みの水和した光互
    変性親水性コンタクトレンズを、密封された細菌不浸透性のパッケージ内に得る
    工程と を含む方法。
  2. 【請求項2】 前記光互変性コモノマーが、クロメン、スピロオキサジン、
    スピロピラン、ベンゾピラン、ナフトピラン又はそれらの混合物であり、前記滅
    菌溶液のpHが約7.8〜約8.4の範囲である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記共重合工程が、前記コンタクトレンズモノマー混合物及
    び前記1種以上のビニル重合性光互変性コモノマーと、1種以上の光互変性コモ
    ノマーのための1種以上のビニル重合性光安定剤との共重合をさらに含み、前記
    アルカリ緩衝剤が、ナトリウム又はカリウムの炭酸塩、ホウ酸塩、炭酸水素塩又
    はリン酸塩を含む、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記モノマー混合物が、ジメチルアクリルアミド、メチルメ
    タクリレート及びエチレンジメタクリレートを含み、共重合を、適切な型の中で
    、アゾビスイソブチルニトリルラジカル開始剤を使用して、コンタクトレンズモ
    ノマー混合物を実質的に完全に重合させるのに必要な量に対して実質的に過剰な
    ラジカル開始剤を使用することなく、約80℃未満の温度で実施して、コンタク
    トレンズを直接形成する、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記滅菌溶液のpHが約7.6〜約8.5の範囲である、請
    求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】 レンズ形の架橋したビニルポリマーヒドロゲルと、ヒドロゲ
    ル中で必ず共重合した1種以上のビニル共重合光互変性モノマーとを含み、前記
    ヒドロゲルが、コンタクトレンズの総重量に基づいて少なくとも約38〜約74
    重量%の水を含み、非活性化状態では、400〜700nmの可視スペクトルでの
    平均で、レンズの中央領域に入射する可視光線の透過率が少なくとも約80%で
    あり、日光への屋外での曝露をシミュレートする0.3mW/cm2のUV光放射照度
    で60秒間曝露すると、可視スペクトルにおけるその透過率を少なくとも約40
    %可逆的に低下させることができる、包装された滅菌済みの親水性コンタクトレ
    ンズ。
  7. 【請求項7】 少なくとも2週間の長期使用に適した耐疲労性を有し、70
    時間の屋外使用の後で初期光互変活性の少なくとも半分を保持することを特徴と
    する、請求項6記載の包装された滅菌済みの親水性コンタクトレンズ。
  8. 【請求項8】 前記ヒドロゲルが、共重合したジメチルアクリルアミド、メ
    チルメタクリレート及びエチレンジメタクリレートのコポリマーを含み、前記レ
    ンズが、パッケージ内で約7.6〜約8.2の範囲のpHを有する水性溶液中に
    密封されている、請求項6記載の包装された滅菌済みの親水性コンタクトレンズ
  9. 【請求項9】 前記レンズが、約7.5〜約8.5の範囲のpHを有するア
    ルカリ滅菌溶液と接した状態で包装されている、請求項6記載の包装された滅菌
    済みの親水性光互変性コンタクトレンズ。
  10. 【請求項10】 前記滅菌溶液が、炭酸水素カリウム及び/又はトリス緩衝
    成分を含む、請求項8記載の包装された滅菌済みの親水性光互変性コンタクトレ
    ンズ。
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