JP2003534082A - カバンの三次元ポケット構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 カバン（１０）が、２つの容積ポケットを画成した主収納用扉（２０）を具備している。容積ポケット（２６）が収納用扉の頂部を横切って延長しており、かつ第２の容積ポケット（３８）が収納用扉の底部及び主要部分を横切って延長している。逆Ｕ字状パネル（２０）、細長いパネル（３６）、及び第２の細長いパネル（４０）のような細長いパネルがすべて、補強用のフォーム層を具備しており、矩形のパネル（２８）及び（３４）と共に、収納用扉上に全体として切頭されたピラミッド形状を画成している。単一の織物隔壁パネル（４４）が、材料や縫製が最少限の量で済むようして、第１および２のポケットを分離する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （発明の背景） 本発明は、一般的にはカバンに関し、詳細には、ほぼ織物の正面パネルを有し
、主収納室の主出し入れ用扉上に個別に出し入れ可能なポケットを取り付けられ
ている、いわゆるアップライトのカバンに関する。さらに詳細には、本発明は、
そのようなポケットと、それらのポケットが配列される扉を、公知の織物構造材
料で組み立てるための簡単な方法に関する。

【０００２】 図１、２及び３に例示されている従来の形式のカバンでは、カバン全体が一般
的に六面のボックス形状をなしており、主又は正面壁が、主収納室の正面にジッ
パーで付着された、自己ヒンジ式扉を具備している。この扉は、少なくとも２つ
の上下のポケットを有している。それらのポケットはそれぞれ、ジッパー式の主
出し入れ用扉に縫い付けられた周囲レール部材によって組み立てられており、各
レールは、エッジ・ビーディング等を用いてレールにステッチ付けされた織物材
料のポケット正面を有している。さらに、ポケットの正面を通して（図１の下方
扉に示されているように）又は図１及び２の上方ポケットに示されているように
レールの上方部分に沿って、ジッパー式に開け閉めできる。図２は、各ポケット
・レールが実質的に一定の深さ寸法を有していて、同様の平行六面体の形状を有
する収納ポケットを形成している従来の構成の側面図を示している。上方ポケッ
トと下方ポケットの間の空間は本質的にレール材料の２倍の厚さ有しており、そ
れらの間には狭い間隙がある。上方ポケットと下方ポケットは両方とも、上述し
たようにエッジ・ビーディングによって、それらの最も外側のエッジに画成され
る。従来のカバンの背面は、カバンの最下コーナーに示されている固定軸車輪で
カバンを転がすための上方に延伸可能なハンドル機構を具備している点で、本発
明のカバンと類似している。

【０００３】 （発明の概要） このような従来のカバンは大きな収納容積を有したポケットを提供するが、そ
れらの独別に画成されたポケットを形成するための縫い付け及び切断作業は、か
なり複雑である。本発明は、作製が簡単で理解と操作が容易な視覚的にかつ機能
的に異なった２つのポケットをアップライト型カバンの主収納扉上に画成する簡
単な作製技法を教示する。したたって、開示されるカバンの改良点は、アップラ
イト型カバンの主出し入れ用扉によって担持された第１のポケットを具備してお
り、この第１のポケットは、出し入れ用扉の頂部エッジを横切ってかつその頂部
エッジの両側における出し入れ用扉の実質的な部分の下方において最外側エッジ
に沿って付着されたほぼ逆Ｕ字状の織物パネルと、この第１のポケットの三次元
の形状を形成するために、このＵ字状パネルの食い込み部に固定されたこの第１
のポケットのための扉パネルによって構成されている。この第１のポケットは、
カバンの外側から出し入れできる。この第１のポケットの下には、出し入れ用扉
の全幅寸法にわたって延長しておりかつそれの上方エッジにおいて第１のポケッ
トの下方エッジに固着された第２のポケットがある。したがって、第２のポケッ
トは、この第１のポケットとともに、出し入れ用扉の全周にわたって延長しかつ
主出し入れ用扉に収納容積を画成する直立した側面を形成する。

【０００４】 （好ましい実施例の詳細な説明） 図４には、詳述するように本発明の構成によって得られたカバン１０の顕著な
審美性と形状が示されている。本発明のカバンは、１対の車輪１２（１つが図示
されている）と、それらの車輪上に休止したままでカバンを直立状態に固定する
ためのグライド１４と、カバンの背面の下方エッジに取り付けられた、カバンを
車輪１２で引張るための引き上げハンドル１６を具備した全体としてアップライ
ト型カバン構造を有していることに注目されたい。このカバンはまた、主収納用
扉２０とカバンの残部との間においてカバンの全垂直周囲のまわりで実質的に連
続しているエッジ・ビーディング１８をも具備している。主収納用扉２０は、カ
バンの残部に自体でヒンジ付けされていて、３つの側面のまわりでジッパー１１
によって釈放可能に閉塞されるようになされており、かつ独特の構成と全体形状
を有している。エッジ・ビーディング１８から図４において前方に位置決めされ
た部分は、独特に見えるだけでなく、独特な形状に構成されている。頂部からは
じめて、主収納用扉２０は、エッジ・ビーディング１８の上方部分とジッパー２
４の間において、扉の各側の下方で扉の頂部を横切って扉２０の全高さ寸法の約
３分の１から４分の１だけ延長した逆Ｕ字状の織物片２２で構成された第１のポ
ケット２６を具備している。このジッパーは、出し入れ用扉２０上に形成され、
その扉から突出しており、かつその扉によって担持された第１のポケット２６を
選択的に開放する。第１のポケットは、上方のコーナーで丸められかつ逆Ｕ字状
織物パネル２２の食い込み部内に位置決めされた細長い矩形の織物パネルよりな
る出し入れ用扉２８を有している。この第１の扉の下方には、周囲のエッジ・ビ
ーディング１８の一方の側から他方の側までカバンの全幅を横切って延長した好
ましくは単一のパネル３０がある。このパネル３０は、若干外方に滑らかに湾曲
して、両端部に比較的広い部分３２を画成する比較的狭い中央部分を有している
。この細長いパネルのすぐ下には、第２のポケット３８の正面と、その第２のポ
ケットに出し入れするためのジッパー付き扉３４を形成する大きい矩形の織物パ
ネル３４がある。大きい矩形の織物扉パネル３４と細長いパネル３０の間には、
主出し入れ用扉２０によって担持された第２のポケット３８の第２のジッパー付
き開口３６がある。この矩形の織物パネルは、エッジ・ビーディング１４の一部
分からエッジ・ビーディング１８の他の部分まで、出し入れ用扉を全体的に横切
って延長することが好ましい。しかし、細長いパネル２８とは異なり、矩形の織
物パネル３４は、それの上方および下方の縁部に沿って各縁部の実質的に近傍で
狭くなっている、あるいはテーパーしている。最後のまたは下方のＵ字状の細長
いパネル４０が出し入れ用扉の底部分を閉塞している。この下方のＵ字状パネル
は、詳細に説明するように、公知の縫製技術でもって、それの下方縁部に沿って
エッジ・ビーディング１８の下方部分に固着されている。下方のＵ字状パネル４
０は、そのＵ字の端部がエッジ・ビーディング１８でテーパーした全体としてア
ップライトのＵ字形状を有している。

【０００５】 パネルのすべて、すなわち逆Ｕ字状パネル２２、第１の扉２８、細長いパネル
３６、矩形の織物パネル３４、及び第２のＵ字状パネル４０は、三次元の切頭ピ
ラミッドを形成する形状となされており、主出し入れ用扉の周囲のまわりにおけ
る、すなわち、エッジ・ビーディング１８と平行した各矩形縁部に沿った円滑に
ターパーした縁部と、全体として若干球根状の正面を有している。細長いパネル
３０は、実質的に矩形の織物パネルによって画成された第２のポケット３８から
実質的な距離のところに、比較的小さい細長いポケット２６を画成していること
が分かる。実際に、図５から分かるように、これらの２つのポケットによって画
成されている収納容積は分離されていないが、単一の織物壁４４を共用している
。これは従来の構造にくらべて大きな利点である。この構造の独特の特徴は、垂
直にかつエッジ・ビーディング１８の垂直部分に平行に延長した縁部を完全に無
くしている点である。これは、織物パネルのそれぞれが互いに付着されかつ上述
したような全体として三次元の切頭ピラミッド形状を形成するような形状になさ
れているからである。これは、全体の出し入れ用パネル構造の上方に起立してい
るが若干傾斜した上壁及び下壁をそれぞれ画成するだけでなく、全体の構造の垂
直の直立した側壁を少なくとも部分的に画成する役割を果たす上端部における逆
Ｕ字状パネル２０、第２の細長いパネル３０、第２のＵ字状パネル４０、および
扉２０の他端部におけるそれらのパネル３０及び４０の間の矩形パネル３４の形
状によって特に助長される。断面図５は、パネル２８と、パネル３０及び３４の
典型的な形状を示している。主パネル２８（したがって３４）が、外方に、特に
それの横方向側面の方へと、どのように湾曲されるかに注目されたい。この湾曲
は、逆Ｕ字状パネル２２の垂直方向に延長した部分と共に、テーパーしていて形
の整ったポケットを形成しており、そのポケットは、パネル２２の直立部分とパ
ネル２８の湾曲した部分によって形成された実質的な容積を有している。この場
合にも、第１のポケットとそのポケットを形成するパネルに関して示されている
が、同じ現象が主収納用扉の事実上すべての部分で生ずる。例えば、パネル３４
が出し入れ用扉２０の両側においてビーディング１８まで屈曲するが、後述する
ように、この湾曲または屈曲は、パネル３０及び４０のテーパーした形状と、そ
れらのパネルを形成している剛直化部材とによって助長される。

【０００６】 図５及び６には、ステッチ・ラインは、それらの断面図では、種々の重畳した
パネル縁部に切り込んだ短いラインとして概略的に示されていることに注目され
たい。したがって、細長いパネル３０の端部分と、矩形の織物パネル３４の対応
した端部分とが、出し入れ用パネルの左右の垂直部分に沿った直立壁にも寄与す
る。

【０００７】 前述のように図を詳細に参照すると、この断面の驚くべき特徴は、図１、２及
び３に示された従来のカバンとは異なり、上方ポケット２６と下方ポケット３８
との間には単一の隔壁又はパネル４４しか存在していない。このようにして、カ
バンによって占有されるすべての容積が、強く視覚的に分離されたポケットの空
間をほとんど無駄にしないで、旅行者の品物を収容することができる。さらに、
容積の大きい上ポケットと下ポケットを構成し、しかもこれらのポケットを画成
しかつ機能的に分離するために使用される織物材料は最少限の量ですむ。

【０００８】 この明細書中に詳述されているように、主出し入れ用ジッパー１１が、従来の
縫製技術を用いて、カバンの主レール４８と出し入れ用扉構造との間に縫い付け
あれていることに特に注目されたい。逆Ｕ字状パネル２２は、内側および外側の
織物層で構成されており、それら２つの織物パネルに間には、公知の組成を有す
る薄い可撓性のポリマー・フォームまたはポリマー・シート材が捕捉されている
。この逆Ｕ字状パネル２２の積層構造もまた、ポケットの扉２８、細長いパネル
３０、及び第２の細長いパネル４０を特徴づけている。このフォーム構造は、通
常は別個のレール及びエッジ・ビーディング構造によって果たされる多くの機能
を、これらの細長くて比較的広がりのある織物のパネル２８および３４に発揮さ
せるためのソフトでしかも構造的な特徴を、これらのパネルに与えている。対照
的に、背後に第２の大きいポケットが形成されている矩形の織物パネル３４は、
フォーム・パネルによって必ずしも補強されない。これは、コストを軽減するた
めと、開いたとき及び物品を詰め込んだときに、このパネルを伸縮できるように
するためである。さらに、このように適切に構造的に改良された細長いパネル３
０及び第２の細長いパネル４０は、カバン店で見た目を良くするのに適したよう
に矩形の織物パネル３４の形を整えるように作用する。

【０００９】 第１のポケットと第２のポケットの間には、第２のポケット３８への出し入れ
用ジッパー３６の上縁部を形成するシームに沿って、出し入れ用扉の背面パネル
４９に縫い付けられた単一の織物隔壁が存在している。第１のポケットに対する
Ｕ字状ジッパー２４は、この隔壁パネルに届くことができるように容易に開ける
。これは、このポケットが、直ちに取り出されなければならない傘や雑誌等のよ
うな物品のための好ましい収納スペースとなるような場合に、特に重要である。
対照的に、第２のポケットは第１のポケットよりもはるかに深く、トレンチコー
トあるいはレインコート、セーター等のような単一の物品に対して適している。
したがって、このポケットは、図示のように、はるかに深くてもよく、収容能力
の少ないジッパー開口３６によって出し入れできる。

【００１０】 あるいは、下ポケット３８は、３つのパネル３４，３６及び４０に代わる形状
となされた剛直な積層織物パネル３４Ａ（図８）によって画成されうる。ここで
、第２のポケット３８への出し入れは、主出し入れ用扉２０の背面側においてパ
ネル４９を通じてなされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 １対の突出したポケットを有する従来のカバンまたはカップライ
ト型のカバンを示している。

【図２】 従来のポケット構成の側面図である。

【図３】 従来のカバンの背面図である。

【図４】 本発明のポケット及び主収納用扉構造を有するカバンの斜視図で
ある。

【図５】 図４の線５−５に沿った断面図である。

【図６】 図４の線６−６に沿った断面図である。

【図７】 図４のポケット構造の一部分の拡大図である。

【図８】 他のポケット構造を示す、図６に類似した断面図である。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハンドルと、主収納コンパートメントと、この主収納コンパートメントに対す
   る主出し入れ用扉を具備したカバンであって、 前記主出し入れ用扉によって担持され、その出し入れ用扉の上縁端を横切るよ
   うに主縁端に沿って、前記出し入れ用扉の両側において前記上縁端から実質的な
   距離に付着されたほぼ逆Ｕ字状の織物パネルで構成された少なくとも第１のポケ
   ットと、 前記Ｕ字状パネルの食い込み部に固着されてカバンの外側から出し入れできる
   第１のポケットの三次元形状を形成する前記第１のポケットのための扉パネルと
   、 前記出し入れ用扉の全幅にわたって延長しておりかつ上縁部に沿って前記第１
   のポケットの下縁部に固定して付着されており、前記第１のポケットと共に、前
   記出し入れ用扉の周辺から延長しておりかつ前記主出し入れ用扉に収納容積を画
   成する直立側部を形成している第のポケットを具備しているカバン。
2. 【請求項２】 前記第２のポケットが、前記第１のポケットの下縁部に固着されかつ前記出し
   入れ用扉の全幅にわたって延長した矩形の織物パネルと、前記出し入れ用扉から
   直立しており、前記織物パネルの下縁部に固着され、かつ上縁部に沿って前記矩
   形の出し入れ用パネルの下縁部に固着された第２の細長いパネルによって少なく
   とも部分的に画成されている、請求項１のカバン。
3. 【請求項３】 ジッパーが前記扉パネルを前記Ｕ字状のパネルの食い込み部に連結しており、
   前記ジッパーは、前記扉パネル及び前記Ｕ字状パネルによって部分的に画成され
   た第１のポケットへの出し入れを可能にする、請求項１のカバン。
4. 【請求項４】 下方部分に取り付けられた１対の車輪をさらに具備している、請求項１のカバ
   ン。
5. 【請求項５】 全体的に１つの平面内で延長しておりかつ収納用扉の周囲に固着された収納用
   扉背面パネルと、その背面パネルから前記第１のポケットの下縁部における交差
   部まで延長した織物パネルをさらに具備しており、前記背面パネル及び前記扉パ
   ネルと、前記矩形の織物パネルと、及び前記Ｕ字状パネル、前記第２の細長いパ
   ネル、及び逆Ｕ字状パネルの少なくとも一部分の間に第１のポケット及び第２の
   ポケット容積が画成されている、請求項２のカバン。
6. 【請求項６】 前記逆Ｕ字状パネルがこのパネルを補強するためのポリマー・フォームの層を
   具備しており、かつ前記細長いパネル及び前記第２の細長いパネルは、補強用フ
   ォーム・ポリマーの層を具備している、請求項１のカバン。
7. 【請求項７】 実質的に図示されたカバンの構造。