JP2003533426A - 保護被覆をもつ光ファイバプリフォームを製造する方法 - Google Patents
保護被覆をもつ光ファイバプリフォームを製造する方法Info
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Abstract
Description
関する。さらに詳しくは、本発明は製造作業間または工場間の前記物品の積送中
に前記物品を破損誘発性微粒子から保護する方法である。
を線引きすることにより形成される。ファイバプリフォームは様々なプロセスで
形成することができる。外付け法として知られる、そのようなプロセスの1つは
、コアプロファイルを確立するためにシリカ含有スートをアルミナ心棒に堆積さ
せる工程、固結ガラスコアブランクを作成するためにコアプロファイルを固結さ
せる工程、及びガラスコアケーンを作成するために固結ブランクを線引きして直
径を縮小する工程により実施される。コアケーンには次いでスートが堆積され(
オーバークラッド)、固結されて、ファイバプリフォームが作成される。一般に
内付け法として知られる、変形気相成長(MCVD)またはプラズマ励起化学的気
相成長(PCVD)のような別のプロセスは、肉厚ガラスチューブの内面にシリカ
を堆積することにより実施される。次いで、堆積物をもつ肉厚ガラスチューブは
中心軸方向につぶされてガラスコアブランクにされる。シリカ含有スートがコア
ブランクの外面に付加され、固結されて、ファイバプリフォームが形成される。
プリフォームから光ファイバが線引きされる。あるいは、堆積物をもつ肉厚ガラ
スチューブを中心軸方向につぶして、そのままファイバプリフォームにすること
ができる。光ファイバを線引きするためのプリフォームの作成に用いられるまた
別のプロセスは、気相軸付け(VAD)法である。本発明は、少なくとも上記の気
相堆積法の全てへの適用可能性を有する。
ム”という術語は、シリカ含有ガラスをさらに付加する必要なしに、ファイバを
それから線引きできる物品を指す。“コアブランク”及び“コアケーン”は得ら
れるファイバの光学コアの特性の(全てである必要はないが)少なくとも一部を備
える物品を指して用いられる。“コアケーン”は固結コアブランクから線引きさ
れて直径が縮小された、中間製品である。すなわち、コアケーンを形成すること
ができ、その後コアケーンにコア及び/またはクラッドガラス材料をさらに付加
して、固結プリフォームを形成できる製造作業もある。
とが多いであろう。光ファイバの線引き中の破損の低減は、今では50kmより
長い光ファイバを顧客が要求するから特に、製造業における明解な目標である。
つくられる、ファイバプリフォーム、コアブランク、コアケーン、及び/または
ガラスチューブのような、様々な物品のガラス表面上に堆積する無機異質微粒子
(例:ZrO2)に、少なくともある程度は起因すると考えられる。これらのガラ
ス表面は反応性であり、無機質微粒子と不可逆的結合を形成し得る。図2に簡略
に示されるように、無機質微粒子20はガラス表面10上の、OH基のような活
性点と結合してガラス表面10の一部となる。したがって、ファイバ線引き前の
標準的な清浄化の間に容易に微粒子を除去することはできない。これらの微粒子
は、ファイバ線引き中に構造欠陥を生じさせる。例えば、ファイバプリフォーム
、コアブランク、コアケーンまたはガラスチューブのガラス表面上の無機質微粒
子は、線引きプロセス中に生じる、ファイバの外面破損の主原因であると考えら
れる。コアブランク、コアケーン及びガラスチューブのガラス表面上の無機質微
粒子は、ファイバの内部欠陥を引き起すこともあると考えられる。
自然に降ってくるだけでなく、微粒子は静電荷によりガラス表面に引き付けられ
得る。皮肉なことに、静電荷はガラス表面の清浄化作業で発現することが多い。
除去することができる。しかし、フッ酸はガラス表面をエッチングするため中間
製品の寸法を変える。フッ酸は有毒であるため使用するには経費もかかる。した
がって、フッ酸洗浄はファイバ破損の低減に望ましい手法ではない。
リーンルーム内で製造することにより、ファイバ破損を低減することは可能であ
ろう。しかし、これでは費用効率が悪化するであろう。
業間または工場間の積送中に、光ファイバの製造に用いられるシリカ含有物品を
保護し、よって光ファイバの線引き中の破損を阻止する方法を含む。本方法は、
第1の工場または第1の製造作業における光ファイバの製造に用いられるシリカ
含有物品を形成する工程、シリカ含有物品に保護層を施す工程及び、以降の処理
のために、被覆された物品を第2の製造作業に搬送するかまたは被覆された物品
を第2の工場に積送する工程を含む。シリカ含有物品は、例えば、コアブランク
、コアケーン、ファイバプリフォーム、内付け法が施されたガラスチューブ、コ
アガラスまたはロッドの外面を覆うガラスを堆積するために用いられるスリーブ
チューブ、または光ファイバの製造における中間物品として用いられるその他の
いずれかのシリカ含有物品とすることができる。保護層が施されるときのシリカ
含有物品は、(未固結シリカスートと対照をなすものとしての)ガラスであること
が好ましい。
への中間物品の積送の前に固結物品に施された、保護層を有する。いかなる特定
の中間体、すなわち、コアブランク、コアケーン、固結プリフォーム等も、特定
の工場においてその中間体をさらに加工する能力が不足しているかまたは欠けて
いるために、別の工場に積送し得ることが、本発明の利点である。すなわち、本
発明の一実施形態にしたがえば、第1の工場でコアケーンを製造し、被覆して、
第2の工場に積送し、さらに処理して固結プリフォームにし、次いで線引きして
光ファイバにすることができる。別の実施形態にしたがえば、製造に必要とされ
るまで、在庫品として、物品を室温で保管することができる。
護層を施して、第2の工場に輸送し、次いで第2の工場で線引きして光ファイバ
にすることができる。被覆に付着しているかもしれないいかなる微粒子も除去す
るため、線引き前にプリフォーム物品を清浄化することが好ましい。本発明には
、ある工場を、ある物品、例えばコアブランク、コアケーン、固結プリフォーム
またはこれらの組合せを製造し、続いて保護層を施し、その後に次の工場に積送
するように特化させ得るという利点がある。これにより、高められた経済性及び
/または品質を得ることができる。さらに、本発明により、(例えば、物品の温
度が約600℃より高く維持される)熱間搬送と同等のままの破損率、またはさ
らに低い破損率でも、作業間または工場間の固結プリフォームの冷間搬送が可能
になる。
10μmより薄く、より好ましくは5μmより薄く、最も好ましくは1μmより
薄い。保護層は、容易に洗浄するかまたは清浄化することができる、極薄で不剥
性の層であることが好ましい。好ましい実施形態において、保護層を、洗浄後、
以降の処理の前に、または処理中に溶発させることが好ましい。
過ぎず、特許請求される本発明を制限するものではないことは当然である。
ともに本発明の原理の説明に役立つ。
すことにより、光ファイバの線引き中のファイバ破損を低減できることが確認さ
れた。例えば、そのような保護層は、それから光ファイバが線引きされるシリカ
含有光ファイバプリフォームの表面に施すことができる。シリカ含有物品は、光
ファイバプリフォームあるいは、コアブランク、コアケーンまたは石英ガラスチ
ューブのような、光ファイバプリフォームの作成に用いるためのその他の固結ガ
ラス中間物品のような固結無水ケイ酸ベースガラス物品であることが好ましい。
シリカ含有ガラス物品が固結プリフォームである場合には、プリフォームは一般
に、酸化ゲルマニウムまたはフッ素のような、屈折率改変ドーパントがドープさ
れたシリカからなるコア領域を含み、コアは、一般にシリカまたはフッ素ドープ
シリカからなるクラッドに囲まれている。
し、光ファイバの線引きまたは以降の物品処理の前のそのような微粒子の除去を
容易にする。以降の処理は、Aのような第1の工場内、あるいは必要に応じて、
例えば、かなりの距離にある第2の工場B,CまたはDで行うことができる(図
13を参照されたい)。必要に応じて、以降の処理には、例えば、同じ工場内で
の異なる製造作業を含めることができる。好ましい実施形態において、保護層は
、光ファイバの光学特性に影響を与えないように、光ファイバの線引きまたは以
降の処理中に、基本的に残渣を全く残さずに、溶発することが好ましい。保護層
の溶発の前に、保護層に付着しているいかなる微粒子も実質的に除去するために
、保護層が洗浄されることが好ましい。あるいは、以降の処理の前に保護層を実
質的に完全に除去することができる。
かなるガラス表面にも施されることが好ましい。保護層は、未固結ガラススート
と対照をなすものとしての、固結または焼結ガラス表面に施されることが好まし
い。本発明の一態様にしたがえば、図3に説明されるように、保護層は第1の工
場で物品に施される。保護層は、第2の工場への搬出及び積送中の汚染から物品
を保護するために、発送前に施される。詳しくは、図3で31と表示されたブロ
ックに示されるように、光ファイバ物品は第1の工場で作成される。この物品は
、コアブランク、コアケーン、固結プリフォーム、固結シリカ含有チューブまた
は、光ファイバの製造に用いられる、その他の同様の中間高純度ガラス物品とす
ることができる。
32において、好ましくは保護層の塗布により、物品が保護層で被覆され、次い
でブロック33に示されるように、いずれかの適切な積送手段により第2の工場
に積送される。代表的な積送手段には、いずれかの営利すなわち私営の貨物急送
業者、公的小荷物運送提供機関あるいはその他の公的運送提供機関がある。本明
細書で用いられる“第2の工場”という術語は、特定の国の中またはその国の外
の別の場所に所在する別の工場を意味する。例えば、図13に示されるように、
保護層を備える様々な物品を、特定の工場の特定の生産能力、生産ニーズ及び機
能に応じて、A,B,CまたはDと表示された様々な工場の内のいずれか2つま
たはそれより多くの間で積送することができる。
に、ファイバプリフォームに施すことができる。光ファイバプリフォーム上に降
着する微粒子の数は、ファイバプリフォーム形成後可能な限り速やかにファイバ
プリフォームに保護層を施すことにより最小限に抑えることができる。ファイバ
プリフォームから光ファイバを線引きする直前に、これらの破損誘発性微粒子は
ファイバプリフォーム上の保護層から、例えば、イソプロピルアルコールを含ま
せた通常のクリーンルーム拭布で微粒子を拭い取るか、過冷却CO2で微粒子を
吹き飛ばすか、または水のような液体で微粒子を流し去るか、あるいは微粒子を
除去するに適するその他のいずれかの清浄化法により、除去(清浄化)することが
できる。したがって、微粒子は光ファイバの線引き中にファイバプリフォーム上
に存在しないであろうし、よって光ファイバ内の破損源とはならないであろう。
微粒子の除去に続いて、保護層は線引き炉内の熱に遭って溶発する。あるいは、
保護層は、適切な溶剤で洗浄することにより炉に挿入する前に実質的に完全に除
去することができる。
粒子の結合を防止することにより、微粒子の除去の容易性を高めることが好まし
い。詳しくは、例えば、共有結合、イオン結合またはファンデルワールス力によ
る結合により、保護層がガラス表面の活性点と結合することが好ましいと考えら
れる。図1に示されるように、保護層30がガラス表面10上の活性点と結合す
るから、無機質微粒子20は保護層30上にとどまるに過ぎず、そのような活性
点と結合することはない。活性点には、例えばSiMOx化合物を形成するであ
ろう原子団を含めることができ、ここでMは金属である。そのようなSiMOx 化合物を形成するであろう原子団の例には、OH,SiOH,及びGeOH基が
ある。
度除去できることが好ましく、実質的に完全に除去されることが好ましい。例え
ば、保護層は、ファイバプリフォームを水または保護層の除去に適するその他の
溶剤で洗浄することによりファイバプリフォームから除去できる、ポリビニルア
ルコールまたはヒドロキシメチルセルロースのような水溶性高分子材の形態で作
成することができる。
できるように、保護層はプリフォームの加熱過程中に溶発する。したがって、本
実施形態においては、プリフォームを線引き炉に挿入する前に保護層を除去する
必要はない。保護層は、光ファイバの複合要素とならないように、線引きプロセ
スの十分早期に熱で消散されるべきである。線引き中の炉の温度は一般に約14
00℃から2000℃である。保護層は、900℃より低い温度で溶発すること
が好ましく、約500℃より低い温度で溶発することがより好ましい(ほとんど
の高分子材は500℃より低い温度で消散するはずであるが、炭素は600℃〜
900℃の間で消散するであろう)。保護層は、炉への挿入直前に清浄化され、
炉内で溶発することが好ましい。
明細書で用いられる、有害な無機質残渣という術語は、破損源として作用するで
あろういかなる残渣も指す。そのような無機質残渣は、ガラスに溶解せず、代わ
りにガラス構造の一部を形成することが多いであろう。保護層は、有機質残渣ま
たはいかなる炭素含有種も残さないことがさらに好ましい。
。これにより、ファイバプリフォームへの微粒子の引付けが防止される。
に関する上述の望ましい基準を満たす保護層を提供するであろう。これらの材料
の多くは、上述した補助的な望ましい性質も提供する。
、シリカ含有物品上に自己集合単分子層を形成する有機材料が現在好ましい。こ
のタイプの有機材料は、好ましくは、炭化水素またはフルオロカーボン官能基を
有し、シランモノマー及びオリゴマーのようなシランを含む。例には、炭化水素
シラン、フルオロカーボンシラン、エポキシ官能シラン、アクリレート官能シラ
ン、アミン官能シラン、チオール官能シラン、フェニル官能シラン、及びこれら
のいずれかの組合せがある。炭化水素シラン(例:C18H37-Si(OR)3)
及びフルオロカーボンシラン(例:C3〜10Fn-CH2CH2-Si(OR)3)
は、それぞれ、上述の好ましい要件を満たす有機材料の特定の例である。
えばC18H37N(CH3)3ClまたはC17H35CO2Naがある。前者
はガラスが負に帯電している場合に現在好ましく、一方後者はガラスが正に帯電
している場合に好ましい。
ることができる。
のような例には、アクリレートポリマー及びポリビニルアルコールがある。
イソプロパノールまたはアセトンのような別の溶剤と混合し、この溶液をファイ
バプリフォーム上に吹き付けるかまたは塗布することにより、あるいは溶液中に
ファイバプリフォームを浸漬することにより、ファイバプリフォームに与えるこ
とができる。溶液は0.01%から2%の有機材料を含有することが好ましい。
うな高分子材には、ポリビニルアルコールまたはヒドロキシメチルセルロースの
ような水溶性高分子材;ポリブチルメタクリレートのような熱可塑性高分子材;
水中分散架橋ポリブチルメタクリレートラテックスのようなラテックスベース高
分子材;エポキシまたはウレタンのような熱硬化性高分子材;アクリレート及び
エポキシのようなUV硬化性高分子材がある。
セルロースの場合のようにポリマーまたはモノマーを水に溶かすか;またはポリ
ブチルメタクリレートの場合のアセトンのような適当な有機溶剤に溶かすことに
より;あるいは、エポキシ、ウレタンまたはアクリレートのモノマーまたはオリ
ゴマーをガラス表面に与え、引き続いて熱またはUV光によりこれらの材料を硬
化させることによるような、様々な技法で与えることができる。
に対して満たすであろう。炭素は、気相成長法のような通常の技法でファイバプ
リフォームに与えることができる。例えば、不活性雰囲気内でメタン、アセチレ
ンまたはその他の炭素化合物を熱分解させて、炭素をファイバプリフォームのガ
ラス表面上に堆積させることができる。
より好ましくは5μmより薄く、最も好ましくは1μmより薄い。保護層は非常
に薄く、よって不剥性であることが最も好ましい。
LF-8291)を1%の水溶液として作成した。いくつかのファイバプリフォー
ムを被覆し、次いでプラント環境に数時間置いた。次いで、光ファイバに線引き
する直前に、イソプロピルアルコールを含ませたクリーンルーム拭布でファイバ
プリフォームを拭った。
に保護層に付着した埃を除去しただけである。イソプロピルアルコールを含ませ
た拭布はシラン保護層を除去しない。代わりに、シラン層は、ファイバ線引きプ
ロセスで用いられる高温により、プロセスの初期段階中に溶発した。ファイバに
対して行ったTOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法)分析は線引き
されたファイバ製品上にシラン残渣が全くないことを示し、本保護被覆プロセス
を用いることによるファイバの特性に有害な影響は全く見られなかった。他方で
、上述した保護シラン被覆を用いると、このタイプのファイバで通常予想される
破損率と比較して、特に保護層をもたない冷間搬送と比較したときに、破損率が
かなり小さくなった。
ための、ファイバプリフォーム上への保護層の提供に関して本発明を説明した。
しかし、保護層は、破損誘発性部粒子から保護される中間製品を形成するため、
光ファイバの製造に用いられるその他のシリカ含有物品に提供することもできる
。例えば、シリカ含有物品を、外付け法で用いられるコアケーンセグメントまた
はコアブランクとすることができる。別の例として、シリカ含有物品を内付け法
で用いられるガラスチューブとすることができる。
照をなすものとしての)固結または焼結ガラスの表面に、保護層がなければファ
イバ線引きプロセス中にファイバ破損源となり得る微粒子から物品を保護するに
十分に連続的である、好ましくは薄い被覆を提供するに十分な量で、与えられる
ことが好ましい。本明細書で用いられる、“中間物品”という術語は、それから
ファイバが線引きされるいかなる物品も含めて光ファイバを製造するために用い
られるいかなる中間物品も意味するが、ファイバ自体は意味しない。上記の保護
層は、少なくとも、異質微粒子により生じる破損を防止するにクリティカルな領
域上に与えられることが好ましい。そのようなクリティカルな領域の例は、その
上にコアガラスまたはクラッドガラスすなわちガラススートがさらに付加される
、コアケーン上の領域である。シリカ含有物品の少なくともクリティカルな領域
を完全にまたは実質的に覆う保護層を用いることにより、シリカ含有物品と接触
する無機質微粒子による破損をかなり少なくすることができる。保護層は、ファ
イバプリフォームについて上述した技法と同様の技法により、上記その他の中間
製品から除去することができる。例えば、以降の処理の前に溶剤を用いて保護層
をある程度または完全に除去することができる。
ク31を、室温または室温近くまで冷却させる工程;物品の表面32に保護層を
施す工程;次いで、物品(例えばコアブランク)を、第2の製造作業のために第1
の工場(例えば工場A−図13を参照されたい)内の別の部門、作業単位または場
所に、あるいは以降の作業プロセスが物品31に施される第2の工場(例えば工
場B)に搬送する工程を含めることができる。例えば、物品がコアブランク46
であれば、コアブランク46を、コアブランク46が線引きされて実質的に連続
なコアケーン62にされる、図6に示されるような、再線引き炉48に搬送する
ことができる。再線引き炉48は、例えば、工場Aの異なる部分にあるいは別の
工場B,CまたはD(図13)に配置することができる。示される工場の位置及び
数は説明のために過ぎないことに注意すべきである。工場の数及びそれらの位置
は、営業上または製造上必要とされる、任意の数及び場所とすることができる。
したがって、本発明にしたがって考えられる実施形態の1つにおいて、固結され
た物品は、コアケーン62に線引きするために別の工場B,CまたはDに積送す
ることができるコアブランク46である。
引き炉48には一般に、温度が約1800℃から2100℃の範囲の高温ゾーン
41がある。ブランク46が高温ゾーン41内に降下すると、溶融ガラスのスト
ランドがプリフォーム46から垂下し、冷却区画50を通過する。開口40の閉
止を補助するため、プリフォーム46の上端(図示せず)に真空が与えられる。炉
48の下方に配置された非接触測定装置52が、再線引き炉48から延びる連続
ケーン62の直径“d”を測定する。連続ケーン62は、適切な直径“d”の連
続ケーン62を線引きするに適する張力を与える、一組の牽引ホイール60を通
して送られる。例えば適切な制御装置59が、例えば、(矢印63で示される)降
下送り速度、牽引ホイール60の(矢印61で示される)線引き速度またはその他
のパラメータを制御できる。制御装置59への入力は、非接触センサ52により
線63で与えられるデータに基づく連続ケーン62の直径であることが好ましい
。必要に応じて、その他の入力も与えることができる。あらかじめ定められた長
さのケーン62が牽引ホイールを通過すると、火炎トーチのようなカッター64
が作動し、連続ケーン62を切断して、あらかじめ定められた長さの、図7に最
善に示され、図4のブロック34で説明されるような、コアケーンセグメント6
5を形成する。
れるか、あるいは(図4,12及び13に示されるように)異なる工場で行われる
かに関わらず、本明細書で上述したように、図4のブロック35で、コアケーン
セグメント65に保護層を与えることが好ましい。次の製造作業が(B,Cまた
はDのような)別の工場で行われる場合には、被覆されたコアケーン65が、図
4のブロック36に示されるように、いずれかの実際的積送手段により第2の工
場に積送される。積送手段の例には、急送業者、小荷物またはその他の公的運送
提供機関がある。
盤装置66に装着され、回転させられることが好ましい。スート堆積を開始する
前に、バーナー53を数回通過させて保護層を溶発させることが好ましい。保護
層を溶発させる前に、好ましくは既に説明したように拭うことにより、ケーン6
5を清浄化することがさらに好ましい。次いで、1つまたは複数のメタンバーナ
ー53から放射される火炎に1つまたはそれより多くのシリカ前駆体を投入する
ことにより、ブロック37(図4)に示されるように、追加のスート67がケーン
65上に堆積される。堆積されたスートから、スートクラッド層68が形成され
る。末端バーナー63が、ケーン65のそれぞれの末端における応力を等化し、
末端におけるスート層68のフレーキングを防止するに役立つ。コア及び/また
はクラッドスートの堆積により所望の屈折率プロファイルを得るために、複数の
ドーパントを前駆体に含め得ることは当然である。ガラスコアセグメント65を
保護するために上の実施例1で用いたものと同じシランを用いる好ましい実施形
態においては、外付け法による追加のコアまたはクラッドガラススートの堆積中
に、材料が溶発する。
10)内に置かれ、塩素乾燥され、通常の態様におけるヘリウム含有雰囲気内で
固結されて、図11に最善に示され、図4のブロック38で説明されるように、
固結光ファイバプリフォーム72にされる。プリフォーム72は、室温または室
温近くまで冷却されると、本明細書で説明される保護層で改めて被覆されること
が好ましい。プリフォーム72を、以降の処理のため、特定の工場内の別の部門
、作業単位または場所にあるいは別の工場に冷間搬送しなければならない場合に
は、保護層がプリフォーム72の表面の微粒子汚染を防止するであろう。保護層
を利用する固結プリフォームの冷間搬送により、破損率を従来技術で利用される
熱間搬送と同等に、またはそれより良好にさえ、することができる。
リフォーム72が竪型線引き炉74内に置かれ、通常の技法を用いて固結プリフ
ォーム72から光ファイバ76が線引きされる。支持ロッド79で支持されたプ
リフォーム72が加熱コイル80を有する炉の高温ゾーン78に挿入される。プ
リフォーム72の下端が溶融し、(図示されていない牽引ホイールで)張力を印加
することによりファイバ76をプリフォーム72から線引きすることができる。
保護層を既に述べたようにして除去することができ、あるいは炉の熱で溶発させ
得ることに注意すべきである。通常の作業と同様に、ファイバは次いで被覆され
、スプールに巻き取られる。
れる保護層は、ファイバプリフォームに対する保護層に関して上述した基準を満
たすことが好ましい。もちろん、製造プロセスにおいてこれらのシリカ含有物品
から保護層が溶発するかまたは除去される時点は相異なる。
溶発させようとする場合、保護層は物品の以降の処理中に溶発することが好まし
い。例えば、外付け法においては、コアブランクを線引きしてコアケーンにする
間にコアブランク上の保護層が溶発することが有利であろう。同様に、コアケー
ンセグメント上の保護層は、コアケーンセグメント上へのスート堆積中に溶発す
ることが有利であろう。
さらにガラススートが付加される前のそのような物品の保護に優れた実用性を示
す。そのような実施形態においては、ガラスコアケーンが例えば同じ工場内また
は別の工場で処理されることになるまで、コアケーンを保護するためにコアケー
ン上に保護層を施すことができる。コアケーン上に追加のスートが付加されると
きに、コアケーンは初めに有機保護被覆を除去するために加熱されることが好ま
しく、その後に追加のガラススートがコアケーンセグメント上に堆積されて、オ
ーバークラッドスートブランクが形成される。次いでこのブランクを通常の手段
で固結させて、それから光ファイバを線引きできる、固結プリフォームをつくる
ことができる。
図11)は、図10に示されるような炉70内で約1450℃から1600℃の
間の温度で固結された後に、室温または室温近くまで冷却される。プリフォーム
72は拭われて清浄化され、本明細書に説明されるように保護層が施される。プ
リフォーム72は次いで、製造要求によりプリフォーム72からファイバを線引
きするための線引き炉への移動の指示があるまで、在庫品として室温で一時的に
保管される。必要に応じて、次のファイバへの線引きのためにプリフォームを別
の工場に積送することができる。プリフォーム72は、線引き炉への挿入の前に
拭い清浄化または被覆除去を行うことができる点で有利である。このことには、
いかなる破損誘発性微粒子も除去するという有益な効果がある。プリフォームを
室温まで冷却し、その後に以降の処理(例えばファイバへの線引き)を行うという
上記の全プロセスは、本明細書で“冷間搬送”と称される。
ブの内径(ID)面及び外表面に保護層を施すことが有利であろう。これは、ID
面を綿棒で拭き、OD(外径)面を拭って、これらの面上に保護層を形成すること
により達成されることが好ましい。堆積直前の口焼きまたはその他のチューブ前
処理行程中に、あるいは追加のスートの初層がまさに堆積されている間に、保護
層が溶発することが有利であろう。同様に、コアブランク、コアケーンまたはガ
ラスチューブから保護層を除去しようとする場合には、再線引きまたは追加のス
ートの堆積のような、次の処理の前にまたはその間に保護層を除去することが好
ましい。本発明をロッドインチューブコンポーネントに用い、コンポーネントを
融合させるための次のプロセス中に溶発させ得ることは明らかであろう。
な改変及び変形がなされ得ることが、当業者には明らかであろう。詳述及び実施
例は単なる例示と見なされるべきであり、本発明の真の範囲は特許請求の範囲で
示されているとされる。
部分断面図を示す
る
す
示す
の旋盤装置の一部の部分断面図を示す
Claims (46)
- 【請求項1】 光ファイバ物品の作成方法において: (a) 第1の工場において固結された、光ファイバの製造に用いることができ
るシリカ含有物品を形成する工程; (b) 被覆された固結物品を形成するために、前記固結されたシリカ含有物品
に保護層を施す工程;及び (c) 以降の処理のために前記被覆された固結物品を第2の工場に積送する工
程; を含むことを特徴とする方法。 - 【請求項2】 前記以降の処理が前記第2の工場において前記保護層を清浄
化する工程または洗浄する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 前記以降の処理が前記第2の工場においてスートプリフォー
ムを形成するために前記物品に追加のシリカ含有スートを与える工程を含むこと
を特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の方法において: (a) 固結光ファイバプリフォームを形成するために前記第2の工場において
前記スートプリフォームを固結させる工程;及び (b) 前記固結光ファイバプリフォームに改めて保護層を施す工程; をさらに含むことを特徴とする方法。 - 【請求項5】 前記以降の処理が前記物品に追加のシリカ含有スートを与え
る工程の前に前記保護層を実質的に完全に除去する工程を含むことを特徴とする
請求項3記載の方法。 - 【請求項6】 前記実質的に完全に除去する工程が前記層を溶発させる工程
を含むことを特徴とする請求項5記載の方法。 - 【請求項7】 前記実質的に完全に除去する工程が前記層を洗浄除去する工
程を含むことを特徴とする請求項5記載の方法。 - 【請求項8】 固結プリフォームを含むガラス物品を線引き炉内に入れ、前
記ガラス物品から光ファイバを線引きすることにより、前記第2の工場において
前記被覆された固結物品から光ファイバを作成する工程をさらに含むことを特徴
とする請求項1記載の方法。 - 【請求項9】 前記固結されたシリカ含有物品を形成する工程が、コアケー
ンセグメントを形成する工程を含み、前記保護層が前記コアケーンセグメントに
施されることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項10】 前記固結されたシリカ含有物品を形成する工程が: (a) スートブランクを形成する工程; (b) コアブランクを形成するために前記スートブランクを固結させる工程; (c) コアケーンセグメントを形成するために前記コアブランクを線引きする
工程; (d) スートプリフォームを形成するために前記コアケーンセグメントに追加
のシリカ含有スートを与える工程;及び (e) 固結光ファイバプリフォームを含む固結されたシリカ含有物品を形成す
るために前記スートプリフォームを固結させる工程であって、前記保護層は前記
コアケーンセグメントまたは前記固結光ファイバプリフォームの内の少なくとも
1つに施されるものである工程; を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項11】 前記施す工程及び積送する工程に続いて、前記固結光ファ
イバプリフォームから光ファイバを線引きする追加工程をさらに含むことを特徴
とする請求項1記載の方法。 - 【請求項12】 前記保護層が炭素を含むことを特徴とする請求項1記載の
方法。 - 【請求項13】 前記保護層が有機材料を含むことを特徴とする請求項1記
載の方法。 - 【請求項14】 前記保護層が、水溶性高分子材、熱可塑性高分子材、ラテ
ックスベース高分子材、熱硬化性高分子材及びUV硬化性高分子材の内の少なく
とも1つを含むことを特徴とする請求項13記載の方法。 - 【請求項15】 前記保護層がシランを含むことを特徴とする請求項13記
載の方法。 - 【請求項16】 前記保護層が、炭化水素シラン、フルオロカーボンシラン
、エポキシ官能シラン、アクリレート官能シラン、アミン官能シラン、チオール
官能シラン、フェニル官能シランの内の少なくとも1つを含む有機材料を含むこ
とを特徴とする請求項13記載の方法。 - 【請求項17】 前記保護層が、アルキルアンモニウム化合物、アリールア
ンモニウム化合物またはワックスの内の少なくとも1つを含むことを特徴とする
請求項13記載の方法。 - 【請求項18】 前記保護層が、アクリレートポリマー及びポリビニルアル
コールの内の1つを含むことを特徴とする請求項13記載の方法。 - 【請求項19】 前記保護層が10μmより薄い層厚を有することを特徴と
する請求項1記載の方法。 - 【請求項20】 前記保護層が5μmより薄い層厚を有することを特徴とす
る請求項19記載の方法。 - 【請求項21】 前記保護層が1μmより薄い層厚を有することを特徴とす
る請求項20記載の方法。 - 【請求項22】 前記保護層が不剥性であることを特徴とする請求項1記載
の方法。 - 【請求項23】 前記積送する工程に続いて、前記保護層からいかなる微粒
子も除去するために前記物品を清浄化する工程をさらに含むことを特徴とする請
求項1記載の方法。 - 【請求項24】 前記以降の処理の前に前記固結されたシリカ含有物品から
前記保護層を実質的に完全に除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項
1記載の方法。 - 【請求項25】 前記保護層が前記以降の処理の間に溶発させられることを
特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項26】 前記保護層が前記第2の工場における在庫システムに保管
されることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項27】 光ファイバの製造方法において: (a) 第1の工場において固結光ファイバプリフォームを形成する工程; (b) 被覆された固結プリフォームを形成するために、前記第1の工場におい
て、前記プリフォームに保護層を施す工程; (c) 前記被覆された固結プリフォームを第2の工場に積送する工程; (d) 洗浄または溶発により前記保護層を除去する工程;及び (e) 前記第2の工場において前記プリフォームから光ファイバを線引きする
工程; を含むことを特徴とする方法。 - 【請求項28】 光ファイバの製造方法において: (a) 第1の工場において固結コアケーンセグメントを形成する工程; (b) 被覆された固結コアケーンセグメントを形成するために、前記第1の工
場において、前記固結コアケーンセグメントに保護層を施す工程; (c) 前記被覆された固結コアケーンセグメントを第2の工場に積送する工程
; (d) 前記保護層を実質的に完全に除去する工程; (e) 前記第2の工場においてスートプリフォームを形成するために前記固結
コアケーンセグメント上にスートを堆積する工程; (f) 固結プリフォームを形成するために前記スートプリフォームを固結させ
る工程;及び (g) 前記固結プリフォームから光ファイバを線引きする工程; を含むことを特徴とする方法。 - 【請求項29】 光ファイバの製造方法において: (a) 工場内の第1の製造作業において、光ファイバの製造に用いることがで
きる固結されたシリカ含有物品を形成する工程; (b) 前記固結されたシリカ含有物品を室温または室温近くまで冷却する工程
; (c) 被覆された固結物品を形成するために前記固結されたシリカ含有物品に
保護層を施す工程;及び (d) 第2の製造作業のために前記工場内の第2の場所に前記被覆された固結
物品を輸送する工程; を含むことを特徴とする方法。 - 【請求項30】 前記第1の製造作業がコアブランクの形成を含み、前記保
護層が前記コアブランクに施されることを特徴とする請求項29記載の方法。 - 【請求項31】 前記第2の製造作業がコアケーンセグメントの形成を含み
、前記保護層が前記コアケーンセグメントに施されることを特徴とする請求項2
9記載の方法。 - 【請求項32】 前記第1または第2の製造作業が固結プリフォームの形成
を含み、前記保護層が前記固結プリフォームに施されることを特徴とする請求項
29記載の方法。 - 【請求項33】 前記保護層が、前記第2の製造作業の前に、前記層の表面
上の微粒子を除去するために清浄化されることを特徴とする請求項29記載の方
法。 - 【請求項34】 前記保護層が、前記第2の製造作業の前に、実質的に完全
に溶発させられることを特徴とする請求項29記載の方法。 - 【請求項35】 前記保護層が前記第2の製造作業の前に溶発させられ、溶
発後には有害な残渣を本質的に残さないことを特徴とする請求項29記載の方法
。 - 【請求項36】 前記保護層が炭素を含むことを特徴とする請求項29記載
の方法。 - 【請求項37】 前記保護層が有機材料を含むことを特徴とする請求項29
記載の方法。 - 【請求項38】 前記保護層が、水溶性高分子材、熱可塑性高分子材、ラテ
ックスベース高分子材、熱硬化性高分子材及びUV硬化性高分子材の内の少なく
とも1つを含むことを特徴とする請求項37記載の方法。 - 【請求項39】 前記保護層が、炭化水素シラン、フルオロカーボンシラン
、エポキシ官能シラン、アクリレート官能シラン、アミン官能シラン、チオール
官能シラン、フェニル官能シランの内の少なくとも1つを含むことを特徴とする
請求項37記載の方法。 - 【請求項40】 前記保護層が、アルキルアンモニウム化合物、アリールア
ンモニウム化合物またはワックスの内の少なくとも1つを含むことを特徴とする
請求項37記載の方法。 - 【請求項41】 前記保護層が、アクリレートポリマーまたはポリビニルア
ルコールの内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項37記載の方法。 - 【請求項42】 前記保護層が10μmより薄い層厚を有することを特徴と
する請求項29記載の方法。 - 【請求項43】 前記保護層が5μmより薄い層厚を有することを特徴とす
る請求項42記載の方法。 - 【請求項44】 前記保護層が1μmより薄い層厚を有することを特徴とす
る請求項43記載の方法。 - 【請求項45】 前記保護層がシランを含むことを特徴とする請求項29記
載の方法。 - 【請求項46】 前記保護層が不剥性であることを特徴とする請求項29記
載の方法。
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