JP2003533277A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 光学系の除去矯正の最適化および関連方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 眼球から発せられた波面に応答する波面解析器であって、基準波と上記波面との間の光経路差を決定する波面解析器と、
上記経路差と、ρは角膜の中心部分から測定されて光学的矯正領域の外側縁部にて1の値に至る正規化半径とした場合にA+Bρ+Cρ2+Dρ3+…+Xρnの形態の補償多項式を使用する径方向依存的除去効率と、に基づき光学的矯正を準備するコンバータと、
角膜物質を除去するに十分な出力を有するレーザ・ビームと、を備え、
上記光学的矯正は、選択された量の上記角膜物質を除去して所望角膜形状変化を生成することで達成される、
眼球の視覚欠陥を矯正する光学的矯正システム。
【請求項2】 上記光学的矯正手段は、眼球から発せられる波面に応答する波面解析器から成り、且つ、
上記の角膜の改変は、基準波と前記波面との間の光経路差により決定される、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】 光放射ビームを生成するエネルギ源と、
上記ビームの経路内に配設されて上記ビームを眼球に通すべく導向する焦点合せ用光学機器とを更に備え、
上記ビームは、上記眼球から発せられる放射の波面として上記眼球の網膜から反射される、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
【表1】
【請求項5】
【表2】
【請求項6】 前記光学的矯正は更に、前記波面が通過する媒体の屈折率に基づく、請求項1記載のシステム。
【請求項7】 眼球の動作を監視すると共に上記動作に応答して前記レーザ・ビームの位置を調節する眼球追跡器を更に備えて成る、請求項1記載のシステム。
【請求項8】 前記コンバータは前記波面のゼルニケ再構築を使用して前記経路差を提供し、且つ、
上記経路差は、角膜物質の屈折率と空気の屈折率との間の差により除算される、請求項1記載のシステム。
【請求項9】 眼球から発せられた波面に応答する波面解析器であって、基準波と上記波面との間の光経路差を決定する波面解析器と、
上記光経路差と、ρは角膜の中心部分から測定されて光学的矯正領域の外側縁部にて1の値に至る正規化半径とした場合にA+Bρ+Cρ2+Dρ3+…+Xρnの形態の補償多項式を使用する除去効率と、に基づき光学的矯正を準備するコンバータと、
パルス化レーザ・ビームを生成し、角膜物質を除去し得る複数個のレーザ・ビーム単射を提供する治療用レーザと、
上記パルス化レーザ・ビームをシフトすべく上記治療用レーザと共に作動するビーム・シフト手段であって、上記複数のレーザ・ビーム単射を、角膜に所望改変を提供して眼球の視覚を改変すべく空間的に分布された複数の除去スポットとして、眼球の角膜表面上で空間的に変位された複数の位置へと導向するビーム・シフト手段と、を備える、
眼球の視覚を改変するシステム。
【請求項10】 前記ビーム・シフト手段は前記光学的矯正に応じた単一回の所定単射パターンを提供する、請求項9記載のシステム。
【請求項11】 前記角膜の表面上に形成される前記複数の除去スポットの各々は略々2.5mmの直径長さにより画成され得る、請求項9記載のシステム。
【請求項12】 前記角膜の表面上に形成される前記複数の除去スポットの各々は略々1.0mmの長さ寸法を含む、請求項9記載のシステム。
【請求項13】 前記角膜の表面上に形成される前記複数の除去スポットの各々は、該スポットに亙り略々ガウス分布により定義された強度特性を備える、請求項9記載のシステム。
【請求項14】 前記角膜の表面上に形成される前記複数の除去スポットの各々は、該スポットに亙り略々平坦な強度特性を備える、請求項9記載のシステム。
【請求項15】 前記光学的矯正は更に、前記波面が通過する媒体の屈折率に基づく、請求項9記載のシステム。
【請求項16】
【表3】
【請求項17】
【表4】
【請求項18】 光放射ビームを生成するエネルギ源と、
上記ビームの経路内に配設されて上記ビームを眼球に通すべく導向する焦点合せ用光学機器とを更に備え、
上記ビームは、上記眼球から発せられる放射の波面として上記眼球の網膜から反射される、請求項9記載のシステム。
【請求項19】 眼球の動作を監視すると共に上記動作に応答して前記レーザ・ビームの位置を調節する眼球追跡器を更に備えて成る、請求項9記載のシステム。
【請求項20】 前記コンバータは前記波面のゼルニケ再構築を使用して前記経路差を提供し、且つ、
上記経路差は、角膜物質の屈折率と空気の屈折率との間の差により除算される、請求項9記載のシステム。
【請求項21】 基準波と眼球から発せられた波面との間の光経路差と、
ρは角膜の中心部分から測定されて光学的矯正領域の外側縁部にて1の値に至る正規化半径とした場合にA+Bρ+Cρ2+Dρ3+…+Xρnの形態の補償多項式を使用する径方向依存的除去効率と、
に基づき光学的矯正を準備するコンバータを備え、
上記光学的矯正は、所望角膜形状変化を生成すべく除去されるべき角膜物質の最適量を決定する上で有用である、
眼球の視覚欠陥を矯正する光学的矯正システム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は光学的収差(optical aberration)の測定および矯正に関し、特に、人間の眼球などの光学系の客観的な測定および矯正を経験的に最適化するシステムおよび方法に関する。
【0002】
関連技術の説明
実像焦点を有する光学系は、平行化された光を受けてそれを一点に焦点合わせし得る。斯かる光学系は、たとえば人間もしくは動物の眼球に見られ、或いは、実験室用システム、誘導システム(guidance system)などの様に人工的とされ得る。いずれの場合にも、光学系における収差(aberration)はシステムの性能に影響する。
【0003】
人間の完全なもしくは理想的な眼球は、衝当する光を、水晶体と角膜とを含む該眼球の光学系を介し該眼球の網膜から拡散的に反射する。斯かる理想的な眼球がリラックスした状態、すなわち近視野焦点を提供すべく対処してはいない状態にて、反射光は一連の平面波として眼球を出射する。しかし実際の眼球は収差を有するのが典型的であり、この収差は眼球を出射する反射光波の変形もしくは歪みを引き起こす。収差の在る眼球は、衝当する光線を該眼球の網膜から、眼球の水晶体および角膜を介して一連の歪み波面として拡散的に反射する。
【0004】
当業界においては、角膜曲率を改変する光屈折式角膜切除法(photorefractive keratectomy(PRK))と、LASIK手術とにより、集光不全に対するレーザ式矯正を実施することが公知である。斯かる方法は典型的には、角膜組織を除去(ablate)すべく、193nmのエキシマ・レーザを使用する。Munnerlyn等(白内障屈折矯正手術ジャーナル、第14巻(1)、第46〜52頁、1998年(Munnerlyn et al. (J. Cataract Refract. Surg. 14(1), 46-52, 1988))は、所望の屈折矯正を達成するために除去されるべき組織の特定体積を決定する式を示した。またFrey(米国特許第5,849,006号)は、小径レーザを用いて所望体積の組織を除去することにより所望の屈折矯正を行う方法を教示している。
【0005】
発明の要約
本発明の目的は、人間の角膜に対する除去矯正(ablative correction)を最適化するシステムおよび方法を提供するにある。
【0006】
本発明の更なる目的は、角膜の異方性を考慮するシステムおよび方法を提供するにある。
【0007】
本発明の別の目的は、除去パワーの径方向依存減衰を含むシステムおよび方法を提供するにある。
【0008】
本発明の付加的な目的は、除去アルゴリズムへと容易に適合され得る数学的記述を利用するシステムおよび方法を提供するにある。
【0009】
これらの及び他の目的は、本発明、すなわち、眼球の視覚欠陥を矯正する光学的矯正システムにより達成される。該システムは、眼球から発せられた波面に応答する波面解析器(wavefront analyzer)であって、基準波と上記波面との間の光経路差を決定する波面解析器を備える。上記システムは更に、上記経路差と、径方向依存的除去効率とに基づき光学的矯正を準備するコンバータ(converter)を備える。上記効率補正は、ρは光学領域に特有な正規化半径であって角膜の中心部分から測定されて光学的矯正領域の縁部にて1の値に至る正規化半径とした場合にA+Bρ+Cρ2+Dρ3+…+Xρnの形態の補償多項式を使用する。
【0010】
角膜物質を除去するに十分な出力を有するレーザ・ビームが角膜へと導向される。上記光学的矯正は、該光学的矯正に基づき選択された量の上記角膜物質を除去して所望角膜形状変化を生成することで達成される。
【0011】
本発明の更なる目的および利点と共に構造および作用方法の両者に関して本発明を特徴付ける特徴は、添付図面に関する以下の記述からより良く理解されよう。各図面は例示かつ説明を目的としており、発明限界の定義を意図しないことは明らかに理解される。本発明により達成されるこれらのおよび他の目的および本発明により提供される利点は、添付図面を参照して以下の説明を読むことにより更に十分に明らかとなろう。
【0012】
好適実施例の詳細な説明
以下においては、図1乃至図5を参照して本発明の好適実施例を記述する。
【0013】
眼球の視覚欠陥を矯正するシステムおよび方法は波面解析器を含むが、好適実施例においては、言及することによりその内容が本明細書中に援用される係属中の共有出願第09/664,128号に記述されたのと同様のシステム10(図1)を含む。装置10は、小径レーザ・ビーム14を生成すべく使用される光放射を生成するレーザ12を含む。該レーザ12は、眼球に対して安全な波長および出力の平行化レーザ光線(ビーム14に対する点線で表されている)を生成する。眼科的用途に関し、適切な波長としては可視スペクトルの全ておよび近赤外線スペクトルが挙げられる。たとえば適切な波長は、550nm、650nmおよび850nmの有用な波長を含む略々400〜1,000nmの範囲である。眼球が機能する条件なので概略的には可視スペクトルでの操作が望ましいが、一定用途においては近赤外線スペクトルが利点を呈することもある。たとえば患者の眼球は、測定の実施を患者が認識しなければ更にリラックスされ得る。光放射の波長に関わらず、眼科的用途における出力は眼球安全レベルに制限されねばならない。レーザ放射に関し、適切な眼球安全露出レベルはレーザ製品に対する米国連邦性能規格(U.S. Federal Performance Standard)に見られる。もし眼球以外の光学系に関して分析が実施されるべきであれば、検査波長範囲はそのシステムの企図性能範囲を論理的に包含せねばならない。
【0014】
レーザ光線14の小径平行化コアを選択すべく、使用が望まれるサイズのレーザ・ビーム18以外はレーザ光線14の全てを遮断すべく虹彩絞り16が使用される。本発明に関してレーザ・ビーム18は約0.5〜4.5mmの範囲の直径を有し、たとえば1〜3mmが典型的である。相当に収差のある眼球では小径のビームを使用する一方、僅かな収差のみの眼球は大径ビームにより評価され得る。レーザ12の出力発散に依存し、そのビームの平行化を最適化すべくビーム経路内にレンズが載置され得る。
【0015】
本明細書中で例示的に記述されるレーザ・ビーム18は、焦点合せ用光学段列(focusing optical train)22へのルーティングのために偏光感応ビーム・スプリッタ20を介して通過される偏光ビームであるが、焦点合せ用光学段列22は、(たとえば角膜126、瞳孔125および水晶体124などの)眼球120の光学系を介してレーザ・ビーム18を網膜122へと焦点合わせすべく作用する。尚、白内障処置を受けた患者では水晶体124が存在しないことを理解すべきである。但し、このことは本発明に影響しない。
【0016】
光学段列22は、眼球の視覚が最も鋭くなる眼球の中心窩123にてもしくはその近傍にて小径スポット光としてレーザ・ビーム18を作像する。尚、上記小径スポット光は患者の視覚の別の見地に関する収差を決定すべく網膜122の別の部分から反射され得ることを銘記されたい。たとえば上記スポット光が中心窩123を囲繞する網膜122の領域から反射されるなら、特に患者の周辺視覚に関する収差が評価され得る。全ての場合において、スポット光は網膜122上に近回折制限イメージ(near-diffraction-limited image)を形成するサイズとされ得る。故に、レーザ・ビーム18により中心窩123にて生成される上記スポット光は、約100μmの直径を超えず、典型的には10μm程度である。
【0017】
網膜122からのレーザ・ビーム18の拡散反射は、眼球120を通して戻り通過する光を表す実線24により示される。波面(wavefront)24は光学段列22に対して衝当して該光学段列22を通過し、偏光感応ビーム・スプリッタ20へと衝当する。波面24が網膜122から発散するにつれ、該波面24は反射および屈折によりレーザ・ビーム18に対して偏光解消される。故に波面24は偏光感応ビーム・スプリッタ20にて方向変換され、ハルトマン−シャック(Hartmann-Shack(H-S))波面解析器などの波面解析器26へと導向される。概略的に波面解析器26は波面24の傾斜(slope)を測定し、すなわち、多数の(x, y)直交座標におけるxおよびyに関する偏微分値(partial derivative)を測定する。この偏微分値情報は次に、ゼルニケ多項式の加重級数(weighted series of Zernike polynomials)などの数式表現により元の波面を再構築もしくは近似すべく使用される。
【0018】
入射レーザ・ビーム18およびビーム・スプリッタ20に対する偏光状態は、波面解析器26のセンサ部分に到達する迷光レーザ放射(stray laser radiation)の量を最小化する。一定の状況において上記迷光放射は(たとえば網膜122などの)所望ターゲットから戻る放射と比較して十分に小さいことから、上記偏光仕様は不要である。
【0019】
本発明は広範囲な視覚欠陥に適合し得ることから、視覚的収差の測定に関して新たなレベルのダイナミック・レンジを達成し得る。ダイナミック・レンジの強化は、光学段列22、および/または、波面解析器26の波面センサ部分により達成される。光学段列22は、第1レンズ220、平坦鏡221、ポロ鏡(Porro mirror)222および第2レンズ224を含むが、これらは全てレーザ・ビーム18および波面24の経路に沿って存在する。第1レンズ220および第2レンズ224は、固定位置に維持された同一レンズである。ポロ鏡222は矢印223により示された如く線形移動し、レンズ220および224間の光経路長を変更し得る。但し、本発明は平坦鏡221およびポロ鏡222の上記特定配置構成に限定されるものでなく、且つ、本発明の教示および利点から逸脱することなく他の光学的配置構成が使用され得ることは理解される。
【0020】
ポロ鏡222の“零点”は、眼球120を較正用平行光源に置き換えて完全平面波などの基準波面を提供することで識別される。斯かる光源は、波面解析器26の作像平面をカバーする直径までレーザ・ビームをビーム望遠鏡(beam telescope)で拡開すると共に、平行化されつつある光を波面解析器26が検出するまでポロ鏡222を調節することで実現され得る。ポロ鏡222によりもたらされる光経路長の変化はジオプトリ(diopter)で較正されることにより、近似的球面屈折補正(approximate spherical dioptric correction)が行われ得る。
【0021】
屈折矯正における所望の変化を実施する上で特定のビーム特性(beam profile)の治療効率を実験的に決定すべく、既知の除去特性および既知のレーザ・ビームのフルーエンス特性(laser beam fluence profiles)に関して、生体内における人間の角膜の除去に関するデータが収集された。上記で論じられた波面測定の主観性の正確さおよび必要物は光学的結果を決定すべく使用されたことから、特定の除去特性の実効治療効率を決定すべく使用された。予期された収差内容の変化からの一切の逸脱は、角膜表面に亙る除去の実効性の相対差に起因し得る。
【0022】
近視および遠視の名目的除去特性の両者を使用した臨床データから、一般化された単一の除去実効性関数(ablation effectiveness function)が導かれた。上記データは、その内容が言及することにより本明細書中に援用される米国特許第5,849,006号および第5,632,742号に開示された如きエキシマ・レーザの狭幅ビーム・スキャン・スポットを使用して得られた名目的除去特性から収集された。
【0023】
【表5】
【0024】
角膜深度の所望変化(名目的除去特性)(P desired )を取得し、その名目的除去特性(P desired )を上記除去実効性関数(A+Bρ+Cρ 2 +Cρ 2 +…+Xρ n )により除算する。これにより、除去の際(治療の際)に所望量の除去を行うことができる新たな特性(P input )を得ることができる。
【0025】
特定実施例において上記減衰は、上記除去特性のゼルニケ表現(Zernike description)を算出し、上記レーザ・ビーム投射システムに入力された減衰特性(attenuation profile)により上記ゼルニケ多項式を除算することで達成される:
PInput(ρ, θ)=Pdesired(ρ, θ)/(A+Bρ+Cρ2+Dρ3+…+Xρn)。
【0026】
【表6】
【0027】
図4Bには、0.95−0.3r2−0.25r3+0.3r4という更に複雑な形態を有する上記減衰関数の更に詳細な変形例が示されている。特定の治療レーザ・システムに対して適用される上記特定関数は、ビーム・エネルギなどの、システムのデバイスの仕様に依存し得る。故に上記減衰関数多項式は、特定治療条件に対して成果を最適化すべく調節され得る。
【0028】
好適には上記光学的矯正は更に、上記波面が通過する媒体の屈折率に基づく。特定実施例において上記コンバータは波面のゼルニケ再構築(Zernike reconstruction)を用いて上記経路差を提供すると共に、この経路差は、角膜物質の屈折率と空気の屈折率との間の差により除算される。上記光学的矯正とは眼球の角膜表面曲率の処方的改変(prescribed alteration)であり、且つ、眼球の角膜表面曲率の再構成(reshape)により達成される上記光学的矯正は、角膜の表面全体の結果的な形状形態(topography)に関わらずに上記処方的改変に基づくものである。
【0029】
代表的なレーザ・ビーム投射システム5(図5)すなわちレーザ・ビーム投射および眼球追跡システムは、たとえば、本発明と同一の譲受人により所有されると共にその内容は言及することにより本明細書中に援用される米国特許第5,980,513号に教示されている。システム5のレーザ・ビーム投射部分は、治療レーザ源500、投射用光学機器510、X-Y並進移動式ミラー光学系520、ビーム並進移動制御器(beam translation controller)530、ダイクロイック・ビーム・スプリッタ(dichroic beamsplitter)200およびビーム角度調節用ミラー光学系300を含む。各レーザ・パルスは、好適には対象物すなわち角膜の所望形状が達成される如き分布シーケンス(distributed sequence)にて、除去もしくは侵食されるべき領域の全体に亙る複数の単射(shot)として分布される。上記パルス化レーザ・ビームは好適には角膜表面上において空間的に変位された複数の位置に対して各単射を導向すべくシフトされ、空間的に分布された複数の除去スポットを形成する。これらのスポットの各々は、たとえば2.5もしくは1.0mmの所定直径を有し得ると共に、ひとつのスポットに亙り例えばガウスにより定義された強度分布または略々平坦な分布特性を有し得る。
【0030】
システム5のビーム投射部分の作動時に、レーザ源500は投射用光学機器510に入射するレーザ・ビーム502を生成する。投射用光学機器510は、実施されつつある特定処置の要件に依存してビーム502の焦点までの直径および距離を調節する。
【0031】
投射用光学機器510を出射した後、ビーム502はX-Y並進移動式ミラー光学機器520に衝当し、其処でビーム502は、ビーム並進移動制御器530により制御されるように2本の直交並進移動軸心の各々に沿って個別に並進移動もしくはシフトされる。制御器530は典型的には、実施されつつある特定の眼科的処置に依存してビーム502を2次元的に並進移動もしくはシフトする一群のデータを以てプログラムされたプロセッサである。並進移動のX軸およびY軸の各々は、並進移動ミラーにより個別に制御される。
【0032】
システム5の眼球追跡部分は、眼球移動センサ100、ダイクロイック・ビーム・スプリッタ200およびビーム角度調節用ミラー光学機器300を含む。センサ100は眼球移動の量を決定すると共に、この量を使用してミラー310、320を調節することで眼球移動を追跡する。これを行うためにセンサ100は先ず、ダイクロイック・ビーム・スプリッタ200を透過すべく選択された光エネルギ101-Tを送出する。これと同時に、特定治療処置に従いビーム並進移動を受けた後、ビーム502は、該ビーム502(たとえば193nm波長のレーザ・ビーム)をビーム角度調節用ミラー光学機器300へと反射すべく選択されたダイクロイック・ビーム・スプリッタ200に衝当する。
【0033】
光エネルギ101-Tは、該光エネルギがビーム角度調節用ミラー光学機器300に衝当するときにビーム502に平行である如く整列される。尚、本明細書中で使用される“平行”という語句は光エネルギ101-Tおよびビーム502が一致もしくは共線的とされ得る可能性を含むことは理解される。光エネルギ101-Tおよびビーム502の両者は、光学機器300により相互に一致すべく調節される。故に光エネルギ101-Tおよびビーム502は眼球120に入射するときに平行関係を保持する。また、X-Y並進移動式ミラー光学機器520は光学機器300から独立して並進移動(translation)におけるビーム502の位置をシフトすることから、ビーム502および光エネルギ101-Tの間の平行関係は特定の眼科的処置の全体に亙り維持される。
【0034】
上記ビーム角度調節用ミラー光学機器は、個別に回転するミラー310、320から成る。ミラー310は矢印314により示された如く軸心312の回りで回転可能である一方、ミラー320は矢印324に示された如く軸心322の回りで回転可能である。軸心312および322は相互に直交している。この様にして、ミラー310は第1平面内(たとえば高さ方向)において光エネルギ101-Tおよびビーム502を掃引(sweeping)し得る一方、ミラー320は上記第1平面に直交する第2平面内(たとえば方位方向)において光エネルギ101-Tおよびビーム502を個別に掃引し得る。ビーム角度調節用ミラー光学機器300を出射すると、光エネルギ101-Tおよびビーム502は眼球120に衝当する。
【0035】
ミラー310、320の移動は典型的には、サーボ制御器/モータ駆動器316および326により達成される。概略的に駆動器316および326は、眼球移動センサ100からの測定エラーが大きいときには迅速に反応し得ると共に、低周波数(DC)から約100ラジアン/秒までの極めて大きな利得(gain)を提供することで定常状態(steady-state)および過渡的エラー(transient error)の両者を実質的に排除し得ねばならない。
【0036】
より詳細には眼球移動センサ100は、瞳孔の中心(または、医師が選択した瞳孔の中心からのオフセット)とミラー310が指向された箇所との間のエラーの測定値を提供する。
【0037】
眼球120から反射された光エネルギ101-Rは、光学機器300およびビーム・スプリッタ200を介して戻り進行し、センサ100にて検出される。センサ100は、反射エネルギ101-Rの変化に基づき眼球移動の量を決定する。センサ100により、眼球移動の量を表すエラー制御信号がビーム角度調節用ミラー光学機器300へとフィードバックされる。上記エラー制御信号は、該エラー制御信号をゼロへと操作すべくミラー310および320の移動もしくは再整列を制御する。これを行う際に、光エネルギ101-Tおよびビーム502は眼球移動と一致すべく移動される一方、瞳孔の中心に対するビーム502の実際位置はX-Y並進移動式ミラー光学機器520により制御される。
【0038】
ビーム・スプリッタ200の特性を利用すべく、光エネルギ101-Tの波長は治療用レーザ・ビーム502と異なる波長とすべきである。上記光エネルギは好適には、眼球120に対する外科医の視界に干渉したり視界を遮断しないように、可視スペクトル外に位置すべきである。更に、本発明が眼科的手術処置で使用されるならば、光エネルギ101-Tは米国規格協会(ANSI)により規定された如く“眼球に安全”とされねばならない。上記要件は種々の光波長が満足するが、たとえば光エネルギ101-Tは、900nmの波長領域における赤外線光エネルギから成り得る。この領域における光は上述の基準を満足し、更には、容易に入手し得る経済的で手頃な光源により生成される。斯かる光源の別のものは、4KHzで作動する高パルス反復速度のGaAs 905nmレーザであり、該レーザは10nJの50-nsパルスから成るANSI規定の眼球安全パルスを生成する。また、小径スポット(<2.5mm)を使用するとともに100〜1,000mJ/cm2の範囲のフルーエンスの193nm除去を使用する角膜除去システムも使用され得る。ひとつの好適実施例は、1.0mm未満のスポット(spot<1.0mm)と400〜600mJ/cm2のピーク・フルーエンスとを利用する。
【0039】
以上より本発明は、除去効率関数を否定(negate)もしくは無効化(cancel)し得る補償用補正関数(compensating correction function)を提供することにより、角膜除去体積の実際の所望形状の実現を許容して理想的な光学的結果を達成するシステムおよび方法を提供することが理解され得る。
【0040】
上記説明においては、簡潔さ、明確さ及び理解のために一定の語句が使用されたが、斯かる語句は先行技術の要件を越えるべく不要な限定を意味するものでない、と言うのも、斯かる語句は本明細書中において説明目的で使用されると共に広範囲に解釈されることが意図されるからである。更に、本明細書中で図示かつ記述された装置の実施例は例示的であり、発明の範囲は構成の厳密な詳細まで限定されるものではない。
【0041】
本発明を記述して来たが、当業者であれば自明な、本発明の好適実施例の作用および用途、それにより獲得される有利で新規かつ有用な成果、新規で有用な構造、ならびに、それらの合理的な物理的均等物は、添付の請求の範囲に示される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、視覚的収差を決定するシステムの概略図である。
【図2】
図2は、近視眼に対して所望された除去深度と達成された除去深度とを径方向位置の関数として示したグラフである。
【図3】
図3は、遠視眼に対して所望された除去深度と達成された除去深度とを径方向位置の関数として示したグラフである。
【図4A】
図4Aは本発明の除去効率関数のグラフであり、rmax=3.25mmとして1−0.3r2をプロットしている。
【図4B】
図4Bは本発明の除去効率関数のグラフであり、rmax=3.25mmとして0.95−0.3r2−0.25r3+0.3r4をプロットしている。
【図5】
図5は、眼球に対して除去レーザ・ビームを投射するシステムの概略図である。
【発明の名称】 光学系の除去矯正の最適化および関連方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 眼球から発せられた波面に応答する波面解析器であって、基準波と上記波面との間の光経路差を決定する波面解析器と、
上記経路差と、ρは角膜の中心部分から測定されて光学的矯正領域の外側縁部にて1の値に至る正規化半径とした場合にA+Bρ+Cρ2+Dρ3+…+Xρnの形態の補償多項式を使用する径方向依存的除去効率と、に基づき光学的矯正を準備するコンバータと、
角膜物質を除去するに十分な出力を有するレーザ・ビームと、を備え、
上記光学的矯正は、選択された量の上記角膜物質を除去して所望角膜形状変化を生成することで達成される、
眼球の視覚欠陥を矯正する光学的矯正システム。
【請求項2】 上記光学的矯正手段は、眼球から発せられる波面に応答する波面解析器から成り、且つ、
上記の角膜の改変は、基準波と前記波面との間の光経路差により決定される、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】 光放射ビームを生成するエネルギ源と、
上記ビームの経路内に配設されて上記ビームを眼球に通すべく導向する焦点合せ用光学機器とを更に備え、
上記ビームは、上記眼球から発せられる放射の波面として上記眼球の網膜から反射される、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
【表1】
【請求項5】
【表2】
【請求項6】 前記光学的矯正は更に、前記波面が通過する媒体の屈折率に基づく、請求項1記載のシステム。
【請求項7】 眼球の動作を監視すると共に上記動作に応答して前記レーザ・ビームの位置を調節する眼球追跡器を更に備えて成る、請求項1記載のシステム。
【請求項8】 前記コンバータは前記波面のゼルニケ再構築を使用して前記経路差を提供し、且つ、
上記経路差は、角膜物質の屈折率と空気の屈折率との間の差により除算される、請求項1記載のシステム。
【請求項9】 眼球から発せられた波面に応答する波面解析器であって、基準波と上記波面との間の光経路差を決定する波面解析器と、
上記光経路差と、ρは角膜の中心部分から測定されて光学的矯正領域の外側縁部にて1の値に至る正規化半径とした場合にA+Bρ+Cρ2+Dρ3+…+Xρnの形態の補償多項式を使用する除去効率と、に基づき光学的矯正を準備するコンバータと、
パルス化レーザ・ビームを生成し、角膜物質を除去し得る複数個のレーザ・ビーム単射を提供する治療用レーザと、
上記パルス化レーザ・ビームをシフトすべく上記治療用レーザと共に作動するビーム・シフト手段であって、上記複数のレーザ・ビーム単射を、角膜に所望改変を提供して眼球の視覚を改変すべく空間的に分布された複数の除去スポットとして、眼球の角膜表面上で空間的に変位された複数の位置へと導向するビーム・シフト手段と、を備える、
眼球の視覚を改変するシステム。
【請求項10】 前記ビーム・シフト手段は前記光学的矯正に応じた単一回の所定単射パターンを提供する、請求項9記載のシステム。
【請求項11】 前記角膜の表面上に形成される前記複数の除去スポットの各々は略々2.5mmの直径長さにより画成され得る、請求項9記載のシステム。
【請求項12】 前記角膜の表面上に形成される前記複数の除去スポットの各々は略々1.0mmの長さ寸法を含む、請求項9記載のシステム。
【請求項13】 前記角膜の表面上に形成される前記複数の除去スポットの各々は、該スポットに亙り略々ガウス分布により定義された強度特性を備える、請求項9記載のシステム。
【請求項14】 前記角膜の表面上に形成される前記複数の除去スポットの各々は、該スポットに亙り略々平坦な強度特性を備える、請求項9記載のシステム。
【請求項15】 前記光学的矯正は更に、前記波面が通過する媒体の屈折率に基づく、請求項9記載のシステム。
【請求項16】
【表3】
【請求項17】
【表4】
【請求項18】 光放射ビームを生成するエネルギ源と、
上記ビームの経路内に配設されて上記ビームを眼球に通すべく導向する焦点合せ用光学機器とを更に備え、
上記ビームは、上記眼球から発せられる放射の波面として上記眼球の網膜から反射される、請求項9記載のシステム。
【請求項19】 眼球の動作を監視すると共に上記動作に応答して前記レーザ・ビームの位置を調節する眼球追跡器を更に備えて成る、請求項9記載のシステム。
【請求項20】 前記コンバータは前記波面のゼルニケ再構築を使用して前記経路差を提供し、且つ、
上記経路差は、角膜物質の屈折率と空気の屈折率との間の差により除算される、請求項9記載のシステム。
【請求項21】 基準波と眼球から発せられた波面との間の光経路差と、
ρは角膜の中心部分から測定されて光学的矯正領域の外側縁部にて1の値に至る正規化半径とした場合にA+Bρ+Cρ2+Dρ3+…+Xρnの形態の補償多項式を使用する径方向依存的除去効率と、
に基づき光学的矯正を準備するコンバータを備え、
上記光学的矯正は、所望角膜形状変化を生成すべく除去されるべき角膜物質の最適量を決定する上で有用である、
眼球の視覚欠陥を矯正する光学的矯正システム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は光学的収差(optical aberration)の測定および矯正に関し、特に、人間の眼球などの光学系の客観的な測定および矯正を経験的に最適化するシステムおよび方法に関する。
【0002】
関連技術の説明
実像焦点を有する光学系は、平行化された光を受けてそれを一点に焦点合わせし得る。斯かる光学系は、たとえば人間もしくは動物の眼球に見られ、或いは、実験室用システム、誘導システム(guidance system)などの様に人工的とされ得る。いずれの場合にも、光学系における収差(aberration)はシステムの性能に影響する。
【0003】
人間の完全なもしくは理想的な眼球は、衝当する光を、水晶体と角膜とを含む該眼球の光学系を介し該眼球の網膜から拡散的に反射する。斯かる理想的な眼球がリラックスした状態、すなわち近視野焦点を提供すべく対処してはいない状態にて、反射光は一連の平面波として眼球を出射する。しかし実際の眼球は収差を有するのが典型的であり、この収差は眼球を出射する反射光波の変形もしくは歪みを引き起こす。収差の在る眼球は、衝当する光線を該眼球の網膜から、眼球の水晶体および角膜を介して一連の歪み波面として拡散的に反射する。
【0004】
当業界においては、角膜曲率を改変する光屈折式角膜切除法(photorefractive keratectomy(PRK))と、LASIK手術とにより、集光不全に対するレーザ式矯正を実施することが公知である。斯かる方法は典型的には、角膜組織を除去(ablate)すべく、193nmのエキシマ・レーザを使用する。Munnerlyn等(白内障屈折矯正手術ジャーナル、第14巻(1)、第46〜52頁、1998年(Munnerlyn et al. (J. Cataract Refract. Surg. 14(1), 46-52, 1988))は、所望の屈折矯正を達成するために除去されるべき組織の特定体積を決定する式を示した。またFrey(米国特許第5,849,006号)は、小径レーザを用いて所望体積の組織を除去することにより所望の屈折矯正を行う方法を教示している。
【0005】
発明の要約
本発明の目的は、人間の角膜に対する除去矯正(ablative correction)を最適化するシステムおよび方法を提供するにある。
【0006】
本発明の更なる目的は、角膜の異方性を考慮するシステムおよび方法を提供するにある。
【0007】
本発明の別の目的は、除去パワーの径方向依存減衰を含むシステムおよび方法を提供するにある。
【0008】
本発明の付加的な目的は、除去アルゴリズムへと容易に適合され得る数学的記述を利用するシステムおよび方法を提供するにある。
【0009】
これらの及び他の目的は、本発明、すなわち、眼球の視覚欠陥を矯正する光学的矯正システムにより達成される。該システムは、眼球から発せられた波面に応答する波面解析器(wavefront analyzer)であって、基準波と上記波面との間の光経路差を決定する波面解析器を備える。上記システムは更に、上記経路差と、径方向依存的除去効率とに基づき光学的矯正を準備するコンバータ(converter)を備える。上記効率補正は、ρは光学領域に特有な正規化半径であって角膜の中心部分から測定されて光学的矯正領域の縁部にて1の値に至る正規化半径とした場合にA+Bρ+Cρ2+Dρ3+…+Xρnの形態の補償多項式を使用する。
【0010】
角膜物質を除去するに十分な出力を有するレーザ・ビームが角膜へと導向される。上記光学的矯正は、該光学的矯正に基づき選択された量の上記角膜物質を除去して所望角膜形状変化を生成することで達成される。
【0011】
本発明の更なる目的および利点と共に構造および作用方法の両者に関して本発明を特徴付ける特徴は、添付図面に関する以下の記述からより良く理解されよう。各図面は例示かつ説明を目的としており、発明限界の定義を意図しないことは明らかに理解される。本発明により達成されるこれらのおよび他の目的および本発明により提供される利点は、添付図面を参照して以下の説明を読むことにより更に十分に明らかとなろう。
【0012】
好適実施例の詳細な説明
以下においては、図1乃至図5を参照して本発明の好適実施例を記述する。
【0013】
眼球の視覚欠陥を矯正するシステムおよび方法は波面解析器を含むが、好適実施例においては、言及することによりその内容が本明細書中に援用される係属中の共有出願第09/664,128号に記述されたのと同様のシステム10(図1)を含む。装置10は、小径レーザ・ビーム14を生成すべく使用される光放射を生成するレーザ12を含む。該レーザ12は、眼球に対して安全な波長および出力の平行化レーザ光線(ビーム14に対する点線で表されている)を生成する。眼科的用途に関し、適切な波長としては可視スペクトルの全ておよび近赤外線スペクトルが挙げられる。たとえば適切な波長は、550nm、650nmおよび850nmの有用な波長を含む略々400〜1,000nmの範囲である。眼球が機能する条件なので概略的には可視スペクトルでの操作が望ましいが、一定用途においては近赤外線スペクトルが利点を呈することもある。たとえば患者の眼球は、測定の実施を患者が認識しなければ更にリラックスされ得る。光放射の波長に関わらず、眼科的用途における出力は眼球安全レベルに制限されねばならない。レーザ放射に関し、適切な眼球安全露出レベルはレーザ製品に対する米国連邦性能規格(U.S. Federal Performance Standard)に見られる。もし眼球以外の光学系に関して分析が実施されるべきであれば、検査波長範囲はそのシステムの企図性能範囲を論理的に包含せねばならない。
【0014】
レーザ光線14の小径平行化コアを選択すべく、使用が望まれるサイズのレーザ・ビーム18以外はレーザ光線14の全てを遮断すべく虹彩絞り16が使用される。本発明に関してレーザ・ビーム18は約0.5〜4.5mmの範囲の直径を有し、たとえば1〜3mmが典型的である。相当に収差のある眼球では小径のビームを使用する一方、僅かな収差のみの眼球は大径ビームにより評価され得る。レーザ12の出力発散に依存し、そのビームの平行化を最適化すべくビーム経路内にレンズが載置され得る。
【0015】
本明細書中で例示的に記述されるレーザ・ビーム18は、焦点合せ用光学段列(focusing optical train)22へのルーティングのために偏光感応ビーム・スプリッタ20を介して通過される偏光ビームであるが、焦点合せ用光学段列22は、(たとえば角膜126、瞳孔125および水晶体124などの)眼球120の光学系を介してレーザ・ビーム18を網膜122へと焦点合わせすべく作用する。尚、白内障処置を受けた患者では水晶体124が存在しないことを理解すべきである。但し、このことは本発明に影響しない。
【0016】
光学段列22は、眼球の視覚が最も鋭くなる眼球の中心窩123にてもしくはその近傍にて小径スポット光としてレーザ・ビーム18を作像する。尚、上記小径スポット光は患者の視覚の別の見地に関する収差を決定すべく網膜122の別の部分から反射され得ることを銘記されたい。たとえば上記スポット光が中心窩123を囲繞する網膜122の領域から反射されるなら、特に患者の周辺視覚に関する収差が評価され得る。全ての場合において、スポット光は網膜122上に近回折制限イメージ(near-diffraction-limited image)を形成するサイズとされ得る。故に、レーザ・ビーム18により中心窩123にて生成される上記スポット光は、約100μmの直径を超えず、典型的には10μm程度である。
【0017】
網膜122からのレーザ・ビーム18の拡散反射は、眼球120を通して戻り通過する光を表す実線24により示される。波面(wavefront)24は光学段列22に対して衝当して該光学段列22を通過し、偏光感応ビーム・スプリッタ20へと衝当する。波面24が網膜122から発散するにつれ、該波面24は反射および屈折によりレーザ・ビーム18に対して偏光解消される。故に波面24は偏光感応ビーム・スプリッタ20にて方向変換され、ハルトマン−シャック(Hartmann-Shack(H-S))波面解析器などの波面解析器26へと導向される。概略的に波面解析器26は波面24の傾斜(slope)を測定し、すなわち、多数の(x, y)直交座標におけるxおよびyに関する偏微分値(partial derivative)を測定する。この偏微分値情報は次に、ゼルニケ多項式の加重級数(weighted series of Zernike polynomials)などの数式表現により元の波面を再構築もしくは近似すべく使用される。
【0018】
入射レーザ・ビーム18およびビーム・スプリッタ20に対する偏光状態は、波面解析器26のセンサ部分に到達する迷光レーザ放射(stray laser radiation)の量を最小化する。一定の状況において上記迷光放射は(たとえば網膜122などの)所望ターゲットから戻る放射と比較して十分に小さいことから、上記偏光仕様は不要である。
【0019】
本発明は広範囲な視覚欠陥に適合し得ることから、視覚的収差の測定に関して新たなレベルのダイナミック・レンジを達成し得る。ダイナミック・レンジの強化は、光学段列22、および/または、波面解析器26の波面センサ部分により達成される。光学段列22は、第1レンズ220、平坦鏡221、ポロ鏡(Porro mirror)222および第2レンズ224を含むが、これらは全てレーザ・ビーム18および波面24の経路に沿って存在する。第1レンズ220および第2レンズ224は、固定位置に維持された同一レンズである。ポロ鏡222は矢印223により示された如く線形移動し、レンズ220および224間の光経路長を変更し得る。但し、本発明は平坦鏡221およびポロ鏡222の上記特定配置構成に限定されるものでなく、且つ、本発明の教示および利点から逸脱することなく他の光学的配置構成が使用され得ることは理解される。
【0020】
ポロ鏡222の“零点”は、眼球120を較正用平行光源に置き換えて完全平面波などの基準波面を提供することで識別される。斯かる光源は、波面解析器26の作像平面をカバーする直径までレーザ・ビームをビーム望遠鏡(beam telescope)で拡開すると共に、平行化されつつある光を波面解析器26が検出するまでポロ鏡222を調節することで実現され得る。ポロ鏡222によりもたらされる光経路長の変化はジオプトリ(diopter)で較正されることにより、近似的球面屈折補正(approximate spherical dioptric correction)が行われ得る。
【0021】
屈折矯正における所望の変化を実施する上で特定のビーム特性(beam profile)の治療効率を実験的に決定すべく、既知の除去特性および既知のレーザ・ビームのフルーエンス特性(laser beam fluence profiles)に関して、生体内における人間の角膜の除去に関するデータが収集された。上記で論じられた波面測定の主観性の正確さおよび必要物は光学的結果を決定すべく使用されたことから、特定の除去特性の実効治療効率を決定すべく使用された。予期された収差内容の変化からの一切の逸脱は、角膜表面に亙る除去の実効性の相対差に起因し得る。
【0022】
近視および遠視の名目的除去特性の両者を使用した臨床データから、一般化された単一の除去実効性関数(ablation effectiveness function)が導かれた。上記データは、その内容が言及することにより本明細書中に援用される米国特許第5,849,006号および第5,632,742号に開示された如きエキシマ・レーザの狭幅ビーム・スキャン・スポットを使用して得られた名目的除去特性から収集された。
【0023】
【表5】
【0024】
角膜深度の所望変化(名目的除去特性)(P desired )を取得し、その名目的除去特性(P desired )を上記除去実効性関数(A+Bρ+Cρ 2 +Cρ 2 +…+Xρ n )により除算する。これにより、除去の際(治療の際)に所望量の除去を行うことができる新たな特性(P input )を得ることができる。
【0025】
特定実施例において上記減衰は、上記除去特性のゼルニケ表現(Zernike description)を算出し、上記レーザ・ビーム投射システムに入力された減衰特性(attenuation profile)により上記ゼルニケ多項式を除算することで達成される:
PInput(ρ, θ)=Pdesired(ρ, θ)/(A+Bρ+Cρ2+Dρ3+…+Xρn)。
【0026】
【表6】
【0027】
図4Bには、0.95−0.3r2−0.25r3+0.3r4という更に複雑な形態を有する上記減衰関数の更に詳細な変形例が示されている。特定の治療レーザ・システムに対して適用される上記特定関数は、ビーム・エネルギなどの、システムのデバイスの仕様に依存し得る。故に上記減衰関数多項式は、特定治療条件に対して成果を最適化すべく調節され得る。
【0028】
好適には上記光学的矯正は更に、上記波面が通過する媒体の屈折率に基づく。特定実施例において上記コンバータは波面のゼルニケ再構築(Zernike reconstruction)を用いて上記経路差を提供すると共に、この経路差は、角膜物質の屈折率と空気の屈折率との間の差により除算される。上記光学的矯正とは眼球の角膜表面曲率の処方的改変(prescribed alteration)であり、且つ、眼球の角膜表面曲率の再構成(reshape)により達成される上記光学的矯正は、角膜の表面全体の結果的な形状形態(topography)に関わらずに上記処方的改変に基づくものである。
【0029】
代表的なレーザ・ビーム投射システム5(図5)すなわちレーザ・ビーム投射および眼球追跡システムは、たとえば、本発明と同一の譲受人により所有されると共にその内容は言及することにより本明細書中に援用される米国特許第5,980,513号に教示されている。システム5のレーザ・ビーム投射部分は、治療レーザ源500、投射用光学機器510、X-Y並進移動式ミラー光学系520、ビーム並進移動制御器(beam translation controller)530、ダイクロイック・ビーム・スプリッタ(dichroic beamsplitter)200およびビーム角度調節用ミラー光学系300を含む。各レーザ・パルスは、好適には対象物すなわち角膜の所望形状が達成される如き分布シーケンス(distributed sequence)にて、除去もしくは侵食されるべき領域の全体に亙る複数の単射(shot)として分布される。上記パルス化レーザ・ビームは好適には角膜表面上において空間的に変位された複数の位置に対して各単射を導向すべくシフトされ、空間的に分布された複数の除去スポットを形成する。これらのスポットの各々は、たとえば2.5もしくは1.0mmの所定直径を有し得ると共に、ひとつのスポットに亙り例えばガウスにより定義された強度分布または略々平坦な分布特性を有し得る。
【0030】
システム5のビーム投射部分の作動時に、レーザ源500は投射用光学機器510に入射するレーザ・ビーム502を生成する。投射用光学機器510は、実施されつつある特定処置の要件に依存してビーム502の焦点までの直径および距離を調節する。
【0031】
投射用光学機器510を出射した後、ビーム502はX-Y並進移動式ミラー光学機器520に衝当し、其処でビーム502は、ビーム並進移動制御器530により制御されるように2本の直交並進移動軸心の各々に沿って個別に並進移動もしくはシフトされる。制御器530は典型的には、実施されつつある特定の眼科的処置に依存してビーム502を2次元的に並進移動もしくはシフトする一群のデータを以てプログラムされたプロセッサである。並進移動のX軸およびY軸の各々は、並進移動ミラーにより個別に制御される。
【0032】
システム5の眼球追跡部分は、眼球移動センサ100、ダイクロイック・ビーム・スプリッタ200およびビーム角度調節用ミラー光学機器300を含む。センサ100は眼球移動の量を決定すると共に、この量を使用してミラー310、320を調節することで眼球移動を追跡する。これを行うためにセンサ100は先ず、ダイクロイック・ビーム・スプリッタ200を透過すべく選択された光エネルギ101-Tを送出する。これと同時に、特定治療処置に従いビーム並進移動を受けた後、ビーム502は、該ビーム502(たとえば193nm波長のレーザ・ビーム)をビーム角度調節用ミラー光学機器300へと反射すべく選択されたダイクロイック・ビーム・スプリッタ200に衝当する。
【0033】
光エネルギ101-Tは、該光エネルギがビーム角度調節用ミラー光学機器300に衝当するときにビーム502に平行である如く整列される。尚、本明細書中で使用される“平行”という語句は光エネルギ101-Tおよびビーム502が一致もしくは共線的とされ得る可能性を含むことは理解される。光エネルギ101-Tおよびビーム502の両者は、光学機器300により相互に一致すべく調節される。故に光エネルギ101-Tおよびビーム502は眼球120に入射するときに平行関係を保持する。また、X-Y並進移動式ミラー光学機器520は光学機器300から独立して並進移動(translation)におけるビーム502の位置をシフトすることから、ビーム502および光エネルギ101-Tの間の平行関係は特定の眼科的処置の全体に亙り維持される。
【0034】
上記ビーム角度調節用ミラー光学機器は、個別に回転するミラー310、320から成る。ミラー310は矢印314により示された如く軸心312の回りで回転可能である一方、ミラー320は矢印324に示された如く軸心322の回りで回転可能である。軸心312および322は相互に直交している。この様にして、ミラー310は第1平面内(たとえば高さ方向)において光エネルギ101-Tおよびビーム502を掃引(sweeping)し得る一方、ミラー320は上記第1平面に直交する第2平面内(たとえば方位方向)において光エネルギ101-Tおよびビーム502を個別に掃引し得る。ビーム角度調節用ミラー光学機器300を出射すると、光エネルギ101-Tおよびビーム502は眼球120に衝当する。
【0035】
ミラー310、320の移動は典型的には、サーボ制御器/モータ駆動器316および326により達成される。概略的に駆動器316および326は、眼球移動センサ100からの測定エラーが大きいときには迅速に反応し得ると共に、低周波数(DC)から約100ラジアン/秒までの極めて大きな利得(gain)を提供することで定常状態(steady-state)および過渡的エラー(transient error)の両者を実質的に排除し得ねばならない。
【0036】
より詳細には眼球移動センサ100は、瞳孔の中心(または、医師が選択した瞳孔の中心からのオフセット)とミラー310が指向された箇所との間のエラーの測定値を提供する。
【0037】
眼球120から反射された光エネルギ101-Rは、光学機器300およびビーム・スプリッタ200を介して戻り進行し、センサ100にて検出される。センサ100は、反射エネルギ101-Rの変化に基づき眼球移動の量を決定する。センサ100により、眼球移動の量を表すエラー制御信号がビーム角度調節用ミラー光学機器300へとフィードバックされる。上記エラー制御信号は、該エラー制御信号をゼロへと操作すべくミラー310および320の移動もしくは再整列を制御する。これを行う際に、光エネルギ101-Tおよびビーム502は眼球移動と一致すべく移動される一方、瞳孔の中心に対するビーム502の実際位置はX-Y並進移動式ミラー光学機器520により制御される。
【0038】
ビーム・スプリッタ200の特性を利用すべく、光エネルギ101-Tの波長は治療用レーザ・ビーム502と異なる波長とすべきである。上記光エネルギは好適には、眼球120に対する外科医の視界に干渉したり視界を遮断しないように、可視スペクトル外に位置すべきである。更に、本発明が眼科的手術処置で使用されるならば、光エネルギ101-Tは米国規格協会(ANSI)により規定された如く“眼球に安全”とされねばならない。上記要件は種々の光波長が満足するが、たとえば光エネルギ101-Tは、900nmの波長領域における赤外線光エネルギから成り得る。この領域における光は上述の基準を満足し、更には、容易に入手し得る経済的で手頃な光源により生成される。斯かる光源の別のものは、4KHzで作動する高パルス反復速度のGaAs 905nmレーザであり、該レーザは10nJの50-nsパルスから成るANSI規定の眼球安全パルスを生成する。また、小径スポット(<2.5mm)を使用するとともに100〜1,000mJ/cm2の範囲のフルーエンスの193nm除去を使用する角膜除去システムも使用され得る。ひとつの好適実施例は、1.0mm未満のスポット(spot<1.0mm)と400〜600mJ/cm2のピーク・フルーエンスとを利用する。
【0039】
以上より本発明は、除去効率関数を否定(negate)もしくは無効化(cancel)し得る補償用補正関数(compensating correction function)を提供することにより、角膜除去体積の実際の所望形状の実現を許容して理想的な光学的結果を達成するシステムおよび方法を提供することが理解され得る。
【0040】
上記説明においては、簡潔さ、明確さ及び理解のために一定の語句が使用されたが、斯かる語句は先行技術の要件を越えるべく不要な限定を意味するものでない、と言うのも、斯かる語句は本明細書中において説明目的で使用されると共に広範囲に解釈されることが意図されるからである。更に、本明細書中で図示かつ記述された装置の実施例は例示的であり、発明の範囲は構成の厳密な詳細まで限定されるものではない。
【0041】
本発明を記述して来たが、当業者であれば自明な、本発明の好適実施例の作用および用途、それにより獲得される有利で新規かつ有用な成果、新規で有用な構造、ならびに、それらの合理的な物理的均等物は、添付の請求の範囲に示される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、視覚的収差を決定するシステムの概略図である。
【図2】
図2は、近視眼に対して所望された除去深度と達成された除去深度とを径方向位置の関数として示したグラフである。
【図3】
図3は、遠視眼に対して所望された除去深度と達成された除去深度とを径方向位置の関数として示したグラフである。
【図4A】
図4Aは本発明の除去効率関数のグラフであり、rmax=3.25mmとして1−0.3r2をプロットしている。
【図4B】
図4Bは本発明の除去効率関数のグラフであり、rmax=3.25mmとして0.95−0.3r2−0.25r3+0.3r4をプロットしている。
【図5】
図5は、眼球に対して除去レーザ・ビームを投射するシステムの概略図である。
Claims (23)
- 眼球から発せられた波面に応答する波面解析器であって、基準波と上記波面との間の光経路差を決定する波面解析器と、
上記経路差と、ρは角膜の中心部分から測定されて光学的矯正領域の外側縁部にて1の値に至る正規化半径とした場合にA+Bρ+Cρ2+Dρ3+…+Xρnの形態の補償多項式を使用する径方向依存的融除効率と、に基づき光学的矯正を準備するコンバータと、
角膜物質を融除するに十分な出力を有するレーザ・ビームと、を備え、
上記光学的矯正は、選択された量の上記角膜物質を除去して所望角膜形状変化を生成することで達成される、
眼球の視覚欠陥を矯正する光学的矯正システム。 - 上記光学的矯正手段は、眼球から発せられる波面に応答する波面解析器から成り、且つ、
上記の角膜の改変は、基準波と前記波面との間の光経路差により決定される、
請求項1記載のシステム。 - 光放射ビームを生成するエネルギ源と、
上記ビームの経路内に配設されて上記ビームを眼球に通すべく導向する焦点合せ用光学機器とを更に備え、
上記ビームは、上記眼球から発せられる放射の波面として上記眼球の網膜から反射される、請求項2記載のシステム。 - 前記光学的矯正は更に、前記波面が通過する媒体の屈折率に基づく、請求項1記載のシステム。
- 眼球の動作を監視すると共に上記動作に応答して前記レーザ・ビームの位置を調節する眼球追跡器を更に備えて成る、請求項1記載のシステム。
- 前記光学的矯正は眼球の角膜表面曲率の処方的改変であり、且つ、
眼球の角膜表面曲率の再構成により達成された上記光学的矯正は、角膜の表面全体の結果的な形状形態に関わらずに上記処方的改変に基づく、請求項1記載のシステム。 - 前記コンバータは前記波面のゼルニケ再構築を使用して前記経路差を提供し、且つ、
上記経路差は、角膜物質の屈折率と空気の屈折率との間の差により除算される、請求項1記載のシステム。 - 眼球から発せられた波面に応答する波面解析器であって、基準波と上記波面との間の光経路差を決定する波面解析器と、
上記光経路差と、ρは角膜の中心部分から測定されて光学的矯正領域の外側縁部にて1の値に至る正規化半径とした場合にA+Bρ+Cρ2+Dρ3+…+Xρnの形態の補償多項式を使用する融除効率と、に基づき光学的矯正を準備するコンバータと、
パルス化レーザ・ビームを生成し、角膜物質を融除し得る複数個のレーザ・ビーム単射を提供する治療用レーザと、
上記パルス化レーザ・ビームをシフトすべく上記治療用レーザと共に作動するビーム・シフト手段であって、上記複数のレーザ・ビーム単射を、角膜に所望改変を提供して眼球の視覚を改変すべく空間的に分布された複数の融除スポットとして、眼球の角膜表面上で空間的に変位された複数の位置へと導向するビーム・シフト手段と、を備える、
眼球の視覚を改変するシステム。 - 前記ビーム・シフト手段は前記光学的矯正に応じた単一回の所定単射パターンを提供する、請求項10記載のシステム。
- 前記角膜の表面上に形成される前記複数の融除スポットの各々は略々2.5mmの直径長さにより画成され得る、請求項10記載のシステム。
- 前記角膜の表面上に形成される前記複数の融除スポットの各々は略々1.0mmの長さ寸法を含む、請求項10記載のシステム。
- 前記角膜の表面上に形成される前記複数の融除スポットの各々は、該スポットに亙り略々ガウス分布により定義された強度特性を備える、請求項10記載のシステム。
- 前記角膜の表面上に形成される前記複数の融除スポットの各々は、該スポットに亙り略々平坦な強度特性を備える、請求項10記載のシステム。
- 前記光学的矯正は更に、前記波面が通過する媒体の屈折率に基づく、請求項10記載のシステム。
- 光放射ビームを生成するエネルギ源と、
上記ビームの経路内に配設されて上記ビームを眼球に通すべく導向する焦点合せ用光学機器とを更に備え、
上記ビームは、上記眼球から発せられる放射の波面として上記眼球の網膜から反射される、請求項10記載のシステム。 - 眼球の動作を監視すると共に上記動作に応答して前記レーザ・ビームの位置を調節する眼球追跡器を更に備えて成る、請求項10記載のシステム。
- 前記光学的矯正は眼球の角膜表面曲率の処方的改変から成り、且つ、
眼球の角膜表面曲率の再構成により達成された上記光学的矯正は、角膜の表面全体の結果的な形状形態に関わらずに上記処方的改変に基づく、請求項10記載のシステム。 - 前記コンバータは前記波面のゼルニケ再構築を使用して前記経路差を提供し、且つ、
上記経路差は、角膜物質の屈折率と空気の屈折率との間の差により除算される、請求項10記載のシステム。 - 基準波と眼球から発せられた波面との間の光経路差と、
ρは角膜の中心部分から測定されて光学的矯正領域の外側縁部にて1の値に至る正規化半径とした場合にA+Bρ+Cρ2+Dρ3+…+Xρnの形態の補償多項式を使用する径方向依存的融除効率と、
に基づき光学的矯正を準備するコンバータを備え、
上記光学的矯正は、所望角膜形状変化を生成すべく除去されるべき角膜物質の最適量を決定する上で有用である、
眼球の視覚欠陥を矯正する光学的矯正システム。
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