JP2008149164A - 波面分析を用いた、光学系の客観的な測定および矯正のための装置および方法 - Google Patents
波面分析を用いた、光学系の客観的な測定および矯正のための装置および方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008149164A JP2008149164A JP2008055117A JP2008055117A JP2008149164A JP 2008149164 A JP2008149164 A JP 2008149164A JP 2008055117 A JP2008055117 A JP 2008055117A JP 2008055117 A JP2008055117 A JP 2008055117A JP 2008149164 A JP2008149164 A JP 2008149164A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wavefront
- eye
- optical
- lens
- patient
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61F—FILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
- A61F9/00—Methods or devices for treatment of the eyes; Devices for putting-in contact lenses; Devices to correct squinting; Apparatus to guide the blind; Protective devices for the eyes, carried on the body or in the hand
- A61F9/007—Methods or devices for eye surgery
- A61F9/008—Methods or devices for eye surgery using laser
- A61F9/00802—Methods or devices for eye surgery using laser for photoablation
- A61F9/00804—Refractive treatments
- A61F9/00806—Correction of higher orders
-
- G—PHYSICS
- G16—INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
- G16H—HEALTHCARE INFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR THE HANDLING OR PROCESSING OF MEDICAL OR HEALTHCARE DATA
- G16H40/00—ICT specially adapted for the management or administration of healthcare resources or facilities; ICT specially adapted for the management or operation of medical equipment or devices
- G16H40/40—ICT specially adapted for the management or administration of healthcare resources or facilities; ICT specially adapted for the management or operation of medical equipment or devices for the management of medical equipment or devices, e.g. scheduling maintenance or upgrades
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61F—FILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
- A61F9/00—Methods or devices for treatment of the eyes; Devices for putting-in contact lenses; Devices to correct squinting; Apparatus to guide the blind; Protective devices for the eyes, carried on the body or in the hand
- A61F9/007—Methods or devices for eye surgery
- A61F9/008—Methods or devices for eye surgery using laser
- A61F2009/00844—Feedback systems
- A61F2009/00846—Eyetracking
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61F—FILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
- A61F9/00—Methods or devices for treatment of the eyes; Devices for putting-in contact lenses; Devices to correct squinting; Apparatus to guide the blind; Protective devices for the eyes, carried on the body or in the hand
- A61F9/007—Methods or devices for eye surgery
- A61F9/008—Methods or devices for eye surgery using laser
- A61F2009/00844—Feedback systems
- A61F2009/00848—Feedback systems based on wavefront
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61F—FILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
- A61F9/00—Methods or devices for treatment of the eyes; Devices for putting-in contact lenses; Devices to correct squinting; Apparatus to guide the blind; Protective devices for the eyes, carried on the body or in the hand
- A61F9/007—Methods or devices for eye surgery
- A61F9/008—Methods or devices for eye surgery using laser
- A61F2009/00861—Methods or devices for eye surgery using laser adapted for treatment at a particular location
- A61F2009/00872—Cornea
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- General Business, Economics & Management (AREA)
- Business, Economics & Management (AREA)
- Ophthalmology & Optometry (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Heart & Thoracic Surgery (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Surgery (AREA)
- Vascular Medicine (AREA)
- Medical Informatics (AREA)
- Primary Health Care (AREA)
- Eye Examination Apparatus (AREA)
- Laser Surgery Devices (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
- Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)
- Spectrometry And Color Measurement (AREA)
Abstract
【課題】波面分析により光学系の収差を客観的に測定するための方法および装置を提供する。
【解決手段】眼の視力を向上させる方法は、眼の角膜から角膜質をアブレーティングするのに十分なレーザビームを有するレーザ供給装置を含む。眼の角膜表面の位置に関して、平面波と、眼の網膜領域から射出した波面との間の光路差を検出するために、測定が行われる。光路差と、波面が通過する媒質の屈折率とに基づいて、光学的な矯正値が前記位置に関して、レーザ供給装置に提供される。光学的矯正は、角膜質の屈折率と空気の屈折率との間の差で、光路差を割り算することを含む。レーザビームが角膜表面上の位置に向けられ、角膜質が光学的矯正に応じて前記位置でアブレーションされることにより、その位置で波面は平面波形状に近似される。
【選択図】図2
【解決手段】眼の視力を向上させる方法は、眼の角膜から角膜質をアブレーティングするのに十分なレーザビームを有するレーザ供給装置を含む。眼の角膜表面の位置に関して、平面波と、眼の網膜領域から射出した波面との間の光路差を検出するために、測定が行われる。光路差と、波面が通過する媒質の屈折率とに基づいて、光学的な矯正値が前記位置に関して、レーザ供給装置に提供される。光学的矯正は、角膜質の屈折率と空気の屈折率との間の差で、光路差を割り算することを含む。レーザビームが角膜表面上の位置に向けられ、角膜質が光学的矯正に応じて前記位置でアブレーションされることにより、その位置で波面は平面波形状に近似される。
【選択図】図2
Description
本発明は全般的に見て、光学収差の測定および矯正に関し、さらに具体的には、ヒトの眼の系のような、光学系の客観的な測定および矯正に関する。
実像焦点を有する光学系は視準光を受け取り、これを点に集束することができる。このような光学系は、自然界の、例えばヒトおよび動物の眼に見出すことができ、または、人工の、例えば実験システム、ガイダンスシステムなどに見出すことができる。いずれの場合にも、光学系の収差は系の性能に影響を与えることがある。その例として、ヒトの眼を用いてこの問題を説明する。
理想的な正視眼または完全な眼は、衝突光ビームをその網膜から、水晶体と角膜とを含む眼の光学素子を通して拡散反射する。このような理想的な眼の場合、弛緩状態において、すなわち近視野焦点を提供するように調節していない状態においては、反射光は平面波列として眼から射出する。しかしながら眼は収差を有するのが典型的であり、この収差は眼から射出する反射光の変形または歪曲を引き起こす。収差を有する眼は、衝突光ビームをその網膜から、水晶体と角膜とを通して歪曲波面列として拡散反射する。
改善された視力を患者に提供しようとする数多くの技術がある。このような技術の例には、屈折レーザ手術または角膜内インプラントを用いた角膜の再造形、眼内レンズインプラントを用いた光学系への人工レンズの付加、および精密研磨された眼鏡が含まれる。いずれの場合においても、矯正治療量は、既知の屈折力を有する球面および/または円柱レンズを眼鏡平面(角膜のほぼ1.0〜1.5センチメータ前方)に配置し、どのレンズまたはどのレンズの組み合わせが最もはっきり見えるかを患者に文字通り問うことによって決められるのが典型的である。このことは反射波面の真の歪曲を測定するには不精密である。なぜならば、1)波面全体にわたって単一の球・円柱面の補償しか行われず、2)屈折矯正に関して、視力が不連続な間隔(すなわちジオプター単位)でテストされ、3)光学的矯正を決定するために、患者による主観的な決定が所望される、からである。従って、眼の屈折誤差を測定するためのコンベンショナルな方法は、眼収差を矯正するのに現在利用可能な技術に比べると、かなり不正確である。
眼の屈折誤差を測定する1つの方法が、Penney他による米国特許第5,258,791号明細書「空間解像式の客観的な自動屈折計(Spatially Resolved Objective Autorefractometer)」に開示されている。この明細書は、角膜表面にわたる多くの不連続的な位置で目の屈折を測定するための屈折計の使用について、教示している。この自動屈折計は、光放射のナロービームを眼の表面に供給し、さらに、網膜撮像システムを使用して、網膜のどこにビームが当たるかを検出するように構成されている。システムの光軸に対するビームの伝搬方向の角度と、ビームが眼の角膜表面に当たる近似位置双方が個別に調整可能である。しかしながら、角膜表面が湾曲していることにより、角膜におけるビームの入射点の位置には小さな不確実性または誤差が存在する。角膜表面にわたるそれぞれの入射点毎に、この表面に対応する眼の屈折を、虹彩で屈折させられたビームが中心窩に当たるまでビームが角膜に当たる角度を調整することによって見極めることができる。ビームの伝搬角の調整は、患者によってマニュアルで、または、網膜撮像構成素子を伴うフィードバックループが組み込まれている場合には、自動屈折計によって自動的に達成することができる。
Penneyによる‘791はさらに、適切な角膜表面整形を行って、正視、つまり平行なビームまたは光線が正確に網膜に集束されて視力が完全である場合の正常な眼の状態を提供する上で、自動屈折計の測定を用いることを教示している。このことは、最初に別個の市販されている装置を使用して、角膜表面トポグラフィーを正確に測定することによって、達成される。次いで、各表面基準点における最初の角膜トポグラフィーと、各表面点で測定された屈折と、スネルの屈折の法則とを用いて、数学的な分析が行われて、各基準点における表面輪郭の所望の変化が求められる。種々の基準点における輪郭変化は次いで組み合わされて、角膜表面全体にわたって適用される単一の整形プロフィルに達する。
Penneyの‘791によるアプローチを制限する主な点は、必要とされる屈折変化のスネルの法則分析を行うのに、角膜トポグラフィーの別個の測定が、望まれることである。このことは完全かつ望ましい診断評価を下すのに付加的な時間およびコストを著しく費やす。さらに、屈折変化分析の精度は、トポグラフィーの測定精度および自動屈折計の測定精度とに依存することになる。加えて、トポグラフィーマップの空間的な配向におけるあらゆる誤差が、必要となる矯正プロフィルの精度を格下げする。Penneyの‘791に記載されたような公知のアプローチを制限する別の点は、例えば、角膜表面上のテスト点が順次試験されることである。随意または不随意の試験中の眼球運動は、屈折測定における実質的な誤差をもたらすおそれがある。Penneyの‘791は、瞳孔外部の測定点、つまり、網膜からの戻しが試験シーケンスで特定の間隔を置いて明らかにゼロとなるような、瞳孔に被さる角膜領域の測定点を故意に含むことにより、上記のような眼球運動を検出することを教示している。しかしながらこのようなアプローチも、上記のような瞳孔基準点相互間に、実質的な未検出の眼球運動を許してしまう。
この分野でよく知られた方法およびシステムの一例が、Junzhong Liang他によって、the Journal of the Optical Society of America、第11巻、第7号、1994年7月、第1949〜1957頁で発表された「ハートマン−シャックの波面センサを用いた、ヒトの眼の波収差の客観的な測定(Objective Measurement Of Wave Aberrations of The Human Eye With The Use Of A Hartmann-Shack Wave-Front Sensor)」において開示されている。Liang他は、網膜中心窩上の集束レーザ光スポットを網膜反射させることにより眼から射出する波面を測定することによって眼収差を測定するために、ハルトマン−シャック波面センサを使用することを教示している。目下の波面は、ゼルニケの多項式を用いた波面の推定によって再構築される。
角膜の前方に既知の屈折力を有するレンズを配置し、どのレンズまたはどのレンズの組み合わせがもっともはっきりとした視野を提供するかを患者に問うという不精密な測定技術は、Pennyの‘79に記載されたような自動屈折計を使用するか、または、Liang他によって記載されたような波面センサを使用することにより改善されてきた。空間的に解像された屈折データは、眼の前面の測定された現時点での表面輪郭と組み合わせて、視力を矯正する空間的に解像された新しい詳細な輪郭を算出することを可能にする。しかしながら、この分野で改善された手段となるためには、このような輪郭データを必要とせず、また、適切なレンズに関して患者からのフィードバックを必要とせずに、このような視力矯正が行われなければならない。Liang他は、網膜中心窩上の集束レーザ光スポットの網膜反射により眼から射出した波面を測定することによって眼収差を測定するために、ハルトマン−シャック波面センサを使用することを開示している。平行レーザ光ビームがビームスプリッタとレンズ対とを通過する。このレンズ対は、眼の光学素子によって網膜上の焦点にビームを運ぶ。被検眼球が有しうる近視または遠視が、レンズ対内のレンズの移動によって矯正される。次いで網膜上に集束された光が、拡散反射されて網膜上に配置された点源として作用すると仮定する。反射光は眼を通過し、眼の前方に歪曲波面を形成する。この歪曲波面は眼収差から生じるものである。収差を有する波面は次いで、波面センサに向けられる。
このような測定にとって、網膜上の放射点源は理想的である。しかしながら完全な眼が視準光ビームを受け取る場合、網膜上の可能な限り良好な像は回折を制限されたスポットである。上述のPenny他およびLiang他の例に示したように、また当業者にとっては典型的であるように、平行ビームまたは視準ビームが、眼の光学素子を測定するのに併用されることにより、このような客観的な測定のための、解析を制限されたスポットに到達する。このようにするためには、各患者ごとの設定には、矯正レンズまたは矯正レンズの組み合わせ、および、その患者の特定の視力に合わせたレンズの調節が含まれる。矯正レンズまたは矯正レンズの組み合わせを提供し、また、これらの使用のために設定を行うには、手間や時間がかかり、付加的な費用がかかってしまう。このような矯正用光学素子の必要性をなくし、通常多くの変数を含む光学測定システム内の変数をなくすることが望ましい。さらに、患者からのフィードバックを必要とせずに、眼の光学特性を提供する必要がある。例としては、患者は生きているかまたは死んでいる、野生動物または家畜であるかもしれない。
Liang他によって開示されたハルトマン−シャック波面センサは、円柱レンズの2つの同一層を有している。これらの層は、さらにBilleによる米国特許第5,062,702号明細書に開示されたように、各層のレンズが互いに直角を成すように配置されている。こうして、2つの層は球面小レンズの二次元的なアレイとして作動する。球面小レンズは入射光波を2つの開口に分ける。それぞれの開口を通った光は、レンズアレイの焦点面の焦点に運ばれる。この焦点面には、電荷結合素子(CCD)撮像モジュールが位置している。
Liang他のシステムは、小レンズアレイに光の理想的な平面波を衝突させることによって較正されて、焦点の基準パターンまたは較正パターンがCCD上で結像されるようになっている。理想的な波面は平面状なので、理想的な波面に関連する各スポットは、対応する小レンズの光軸上に配置される。歪曲した波面が小レンズアレイを通過すると、CCD上の像スポットは、理想的な波面によって生成された基準に対してシフトされる。各シフトは局所的な勾配、すなわち、歪曲波面の部分導関数に対して比例する。この部分導関数は、ゼルニクの多項式を使用して、モード波面を推定することによって、歪曲波面を再構築するのに用いられる。
しかしながら、Liang他によって開示されたシステムは、まさしく良好な視力を有する眼にしか有効ではない。かなりの近視を呈する眼は、焦点スポットをCCDでオーバラップさせ、これにより、この状態を有する眼に対して、局所的な勾配を検出することを事実上不可能にする。同様に、かなりの遠視を呈する眼は、焦点スポットを偏向させるので、これらの焦点スポットはCCDには衝突せず、これによりやはりこの状態を有する眼に対して、局所的な勾配を検出することを事実上不可能にする。
全体的に見て、本発明の目的は、波面分析により光学系の収差を客観的に測定するための方法および装置を提供し、このような測定を光学的に矯正するために用いる。別の目的はさらに、実地での適用に役立つように多量の収差に対処しうるダイナミックレンジを有する、眼収差の客観的な測定を可能にする。本発明のさらに別の目的は、シンプルかつ低廉な構造を有する波面アナライザを使用して眼収差を客観的に測定するための方法および装置を提供する。
本発明の1つの実施態様は、ヒトの眼に存在する収差を客観的かつ詳細に測定するための装置および方法を提供する。この装置によって測定される収差は、伝統的な近視/遠視および乱視に加えて、球面収差およびコマ収差のような「より高次」の現象を含む。装置が収差情報を表すデータを得るとすぐに、このデータは治療システムに伝送される。この治療システムは小さな直径を有する治療用レーザビームを採用してよく、コンピュータ制御式のレーザパルス配置を採用してよく、さらに、アクティブなトラッキングモジュールを採用してよい。これらの治療システムの構成要件は、矯正レーザ手術が、装置によって測定された収差に対処し、理想的にはこの収差をなくすることを可能にする。矯正の他の手段、例えば目下の屈折処置によって得られるレベルを超えた、治療された眼の視力を改善する本発明による実施態様が採用されてよい。
本発明の実施態様によれば、エネルギー源が放射ビームを発生させる。ビームの光路内に配置された光学素子は、拡散リフレクタを形成する後部位を有する集束光学系を通るように、ビームを案内する。ビームは放射波面として、後部位から拡散反射されて戻される。放射波面は集束光学系を通って光学素子に衝突する。光学素子は集束光学系から射出すると、波面と直接対応する波面アナライザに、波面を投影する。波面アナライザは光学素子から投影された波面の光路内に配置され、集束光学系の眼集束の推定として、波面の歪曲を計算する。波面アナライザは、センサデータを分析するプロセッサに接続された波面センサを有しており、これにより、歪曲を含むように波面を再構築する。
本明細書中に記載した本発明の1つの実施態様は、眼収差を測定するために波面感知を利用する。前述のように完全または理想的な眼を考えると、完全な、理想的な正視状態の眼に入射する完全に視準された光ビーム(すなわち平行光線束)は、網膜上の回折を制限された小さなスポットに集束する。このような完全な集束は、入射瞳を通るすべての光線に対して位置に無関係に当てはまる。波面パースペクティブからは、視準光は眼に当たる完全平面波列を表す。光線伝搬の可逆性により、光は、網膜上で形成された照射スポットから、完全平面波列として理想的な眼を出る波面として射出する。本発明の装置は、小さな直径を有する、眼に安全なレーザビームを眼内および中心窩上に投影するためのプローブビーム光路を使用して、上記のような光線反転効果を達成する。放射された網膜から散乱した光は、再放出される波面のための二次的な源として役立つ。プローブレーザビームは適切な中心窩の位置で網膜に当たって、十分に小さなスポットを照射する。光軸に対して整列された基準ターゲットを有する固視用光路が設けられている。このような固視用光路は、患者がターゲットを固視することを可能にする。ビデオ通路が、光軸にセンタリングされた、眼平面のビデオ画像を提供する。眼のビデオ画像は、臨床オペレータが波面測定のために眼を方向付けする補助となる。
本明細書中記載した本発明の実施態様は、ある程度の屈折誤差が存在していても、眼の視覚特性の測定値を簡単に調節する屈折測定システムを提供する。患者が検査中に固定位置にいる時間が減じられるとともに、それぞれの患者の眼の特性に関係なく、測定されるべき眼の網膜に有益な光源が提供される。測定は患者またはオペレータのフィードバックを必要とすることなしに行われるのが望ましい。眼のような光学系の光学特性を測定するための本発明の1つの方法は、眼の網膜に限定された二次的な放射源を提供するために、眼の前面に光学ビームを集束することを含む。この二次的な放射は、眼を通過する放射の反射波面として網膜から射出される。反射波面は、反射波面と連携する歪曲を測定するために、波面アナライザに向けられる。
本発明の1つの方法は、眼の視力を向上させる方法を含む。この方法は、平面波と、眼の網膜領域から射出する波面との間の光路差を検出し、光路差と波面が通過する媒質の屈折率とに基づき、目の視力欠陥を光学的に矯正することにより、波面を平面波の形状に近似することから成る。本明細書中に記載した1つの実施態様は、光学的な矯正システムを有する装置を含み、このシステムは、平面波と波面との間の光路差を検出するために、眼から射出する波面の光路内に配置された波面アナライザと、光路差と波面が通過する媒質の屈折率とに基づいて光学的な矯正を可能にするためのコンバータとから成る。本発明のこのような実施態様により、治療を受けた眼が丁度理想的な正視のように機能できるように、眼を治療することが可能になる。複合反射波面と理想的な平面波との間に差がある場合、光路差(OPD)が波面の各横方向位置に存在する。光線が眼を通って伝播し、或る位置(x,y)で角膜と交差すると考える。この場所で深さdまでのレーザアブレーションを行うと、量(n−n0)dだけ、光路差が減じられる。この場合、nは角膜組織の屈折率であり、n0は1、つまり空気の屈折率に等しい。収差を有する波面全体は、それぞれの(x,y)位置でOPDを測定し、深さプロフィルd(x,y)まで角膜をアブレーティングすることにより矯正されるので、d(x,y)=OPD(x,y)÷(n−1)となる。従って、測定された収差を矯正するための光学収差プロフィルは本質的に、屈折率差により寸法設定されたOPDプロフィルである。本発明の実施態様は、再射出された波面の形状を測定するので、それぞれの角膜位置に対する治療レーザの適切な照射量を、角膜位置と関連するレーザアブレーションの空間的な効力のような係数とともに、光学収差プロフィルから算出することができる。
1つの実施態様の場合、放射は光学的な放射であり、プレートと平面状に配列された光電性セルアレイとを使用して、波面センサが実行される。プレートは概ね不透明であるが、このプレートは、衝突光を選択的に通過させる光透過性開口アレイを有している。プレートは波面光路内に配置されて、波面の部分が光透過性開口を通過するようになっている。平面状に配列されたセルアレイはプレートに対して平行に配置されており、選択された距離だけプレートから間隔を置いて位置している。光透過性開口のうちの1つを通過する波面の各位置は、特定の複数セルをカバーする幾何学的形状を照射する。
本明細書中に記載したように、一例を挙げるならば、本発明の波面光路は、角膜平面から再射出された波面をハルトマン−シャック波面センサの入口面に中継する。センサ上に入射した波面は、鋭敏な電荷結合素子(CCD)カメラと、小レンズアレイを有する光学プレートとによって受け取られる。小レンズアレイは、小レンズアレイ内の各レンズの焦点距離にほぼ等しい距離を置いて、CCD検出器に対して平行に配置されている。小レンズアレイは入射波面を、整合「小波」アレイに分ける。この小波のそれぞれはCCD検出器平面上で小さなスポットに集束する。CCDにおける小波スポット群は、入射波面の形状を再構築するのに用いられる。視準光が垂直(直角)入射で小レンズに当たる場合には、この視準光はCCD面上の、その光軸が交差するスポットに集束することになる。装置の光学素子は、較正光路を用いて、このような視準光を波面センサに提供する。視準光のCCD画像は、毎日の較正プロセスの一部として日常的に得られ、検査データを分析する上での参照のために使用される。
しかしながら、収差を有する反射波面の場合、光は視準基準点から、距離Dxだけずらされたスポットに集束する。小レンズ面とCCD表面との間の距離Dzは正確に知られている。従って測定されたずれ量Dxを既知の伝搬距離Dzで割り算することにより、このレンズ素子の位置における波面の勾配が検出される。同じ計算が平面内のy方向において行われ、波面により放射を受けた小レンズ素子毎に、プロセス全体が適用される。次いで、計算されたDx/DzおよびDy/Dzの勾配データと一致する波面形状を再構築するために、数学的なアルゴリズムが適用される。どの波面センサを使用するかにかかわらず、平面状のセルアレイと不透明のプレートまたは小レンズアレイとの間の距離を変化させて、波面センサの勾配測定ゲインを調節し、これによりシステムのダイナミックレンジを改善することができる。
ダイナミックレンジを向上させるための別の測定が集束光学素子によって可能になる。集束光学素子は、ビームおよび波面の光路内で固定位置で維持された第1および第2のレンズを有している。光学素子は、ビームおよび波面の光路内のレンズ相互間に配列されている。光学素子はレンズ相互間の光路距離を変化させるために調節することができる。光学的矯正が望まれる場合、この歪曲値は光学的矯正手段に反映される。この光学的矯正手段は波面光路内に位置している場合には、波面をほぼ平面波として出現させる。光学的矯正手段は、レンズまたは眼からアブレーティングされた角膜質の形を有することができる。
本発明の実施態様は眼の視力を向上させるための方法を提供する。この方法は、平面波と眼から射出する波面との間の光路を検出し、複数のレーザビームショットを生産し、この複数のレーザビームショットを、平面波と眼から射出する波面との間の光路差に部分的に基づくように眼に加え、平面波と眼から射出する波面との間の光路差を減じるように、眼の角膜から組織を除去することから成り、これにより眼の視力欠陥が低減される。この実施態様の更なる態様は、レーザビームショットのサイズが約1mm未満であるか、約0.5mm未満であるかまたは、レーザビームショットのサイズが変化することを可能にする。
本発明の実施態様は、完全な視力を有する眼に対して−3ジオプターよりも大きい近視矯正、約20/20の視力を有する眼に対して−3ジオプターよりも大きい近視矯正、20/20よりも良好な視力を有する眼に対して−3ジオプターよりも大きい近視矯正、少なくとも20/10の視力を有する眼に対して−3ジオプターよりも大きい近視矯正、完全な視力を有する眼に対して−6ジオプターよりも大きい近視矯正、約20/20の視力を有する眼に対して−6ジオプターよりも大きい近視矯正、20/20よりも良好な視力を有する眼に対して−6ジオプターよりも大きい近視矯正、少なくとも20/10の視力を有する眼に対して−6ジオプターよりも大きい近視矯正、完全な視力を有する眼に対して−8ジオプターよりも大きい近視矯正、約20/40の視力を有する眼に対して−8ジオプターよりも大きい近視矯正、20/40よりも良好な視力を有する眼に対して−8ジオプターよりも大きい近視矯正、少なくとも20/20の視力を有する眼に対して−8ジオプターよりも大きい近視矯正、完全な視力を有する眼に対して+3ジオプターよりも大きい遠視矯正、約20/20の視力を有する眼に対して+3ジオプターよりも大きい遠視矯正、20/20よりも良好な視力を有する眼に対して+3ジオプターよりも大きい遠視矯正、少なくとも20/10の視力を有する眼に対して+3ジオプターよりも大きい遠視矯正、完全な視力を有する眼に対して+6ジオプターよりも大きい遠視矯正、約20/20の視力を有する眼に対して+6ジオプターよりも大きい遠視矯正、20/20よりも良好な視力を有する眼に対して+6ジオプターよりも大きい遠視矯正、少なくとも20/10の視力を有する眼に対して+6ジオプターよりも大きい遠視矯正、完全な視力を有する眼に対して+8ジオプターよりも大きい遠視矯正、約20/40の視力を有する眼に対して+8ジオプターよりも大きい遠視矯正、20/40よりも良好な視力を有する眼に対して+8ジオプターよりも大きい遠視矯正、または、少なくとも20/20の視力を有する眼に対して+8ジオプターよりも大きい遠視矯正を必要とする眼の視力を向上させるための方法を提供する。この方法は、平面波と眼から射出する波面との間の光路差を検出し、複数のレーザビームショットを生産し、この複数のレーザビームショットを、平面波と眼から射出する波面との間の光路差に部分的に基づくように眼に加え、平面波と眼から射出する波面との間の光路差を減じるように、眼の角膜から組織を除去することから成り、これにより眼の視力欠陥が低減される。この実施態様の更なる態様は、レーザビームショットのサイズが約1mm未満であるか、約0.5mm未満であるかまたは、レーザビームショットのサイズが変化することを可能にする。
本発明の実施態様は眼の視力を向上させるための方法を提供する。この方法は、平面波と眼から射出する波面との間の光路を検出し、複数のレーザビームショットを生産し、ボーマン膜を露出させるために眼の上皮を機械的に除去し、前記複数のレーザビームショットを、平面波と眼から射出する波面との間の光路差に部分的に基づくようにボーマン膜に加え、平面波と眼から射出する波面との間の光路差を減じるように、前記複数のレーザビームショットによって、眼から組織を除去することから成り、これにより眼の視力が改善される。
本発明の実施態様は眼の視力を向上させるための方法を提供する。この方法は、平面波と眼から射出する波面との間の光路を検出し、複数のレーザビームショットを生産し、例えばレーザ処置を用いて、眼の支質を露出させるために眼の一部を変位するか、または、角膜の前面からレンティクルを切開して除去し、前記複数のレーザビームショットを、平面波と眼から射出する波面との間の光路差に部分的に基づくように、露出させられた支質に加え、平面波と眼から射出する波面との間の光路差を減じるように、前記複数のレーザビームショットによって、眼から組織を除去し、眼の変位された部分を元に戻すことから成り、これにより眼の視力が改善される。
本発明の別の実施態様は眼の視力を向上させるための方法を提供する。この方法は、平面波と眼から射出する波面との間の光路を検出し、複数のレーザビームショットを生産し、前記複数のレーザビームショットを、2つの異なる焦点ゾーンを形成するように、また、平面波と眼から射出する波面との間の光路差に部分的に基づくように、眼に加え、平面波と眼から射出する波面との間の光路差を減じるように、前記複数のレーザビームショットによって、眼から組織を除去することから成り、これにより眼の視力が改善される。
本明細書中に記載したように、本発明の方法は、+または−3ジオプターよりも大きい矯正を必要とする眼収差を検出し、眼の網膜に光学ビームを向け、眼の網膜から光学ビームを反射させ、反射光学ビームにおける波面の特性を検出し、波面の特性に基づくデータを生成し、このデータによって眼収差を量化する。データはさらに、光学ビームが通過する媒質の屈折率に基づいて生成されてよい。さらにまた、眼の不連続区分に対応する眼収差を量化する、波面の特性に基づくデータが生成されてもよい。
本明細書中に例として記載した眼収差を検出する1つの方法は、プローブビームをプローブビーム光路に沿って眼に向け、固視用画像を固視用画像光路に沿って眼に向け、光源をビデオ画像光路に沿って眼に向け、眼のビデオ画像を生成し、眼に由来する波面を波面光路に沿って案内し、この場合プローブビーム光路と、固視用画像光路と、ビデオ画像光路と、波面光路とが、これらのそれぞれの光路の少なくとも一部に沿って一致し、プローブビーム光路は眼の網膜で終わり、プローブビームは眼の網膜から波面として反射し、ビデオ画像光路に沿って案内された光源によって生成された眼のビデオ画像に少なくとも部分的に基づいたプローブビーム光路に、眼を整列させ、波面を測定し、さらに、波面の測定に基づいた眼収差を表すデータを生成することを含む。さらに、ビデオ画像光路に沿って案内された光源によって生成された眼のビデオ画像に少なくとも部分的に基づいたプローブビーム光路に、眼を整列させる際には、波面は単一のマイクロレンズアレイを通過させられてよい。
眼収差を検出するための1つの装置は、鉛直方向調整部を備えた患者用ヘッドレストを有しており、患者用ヘッドレストは、ベースを備えた光学テーブルと連携する。ベースは、プローブビーム発生装置と、プローブビーム案内用光学素子とを支持しており、プローブビーム案内用光学素子はビームスプリッタとミラーとレンズとから成っており、プローブビーム案内用光学素子は、プローブビームを患者用ヘッドレストに位置決めされた患者の眼に向かって案内することができ、さらに、ベースが光源とミラーとビデオカメラとから成るビデオ画像構成素子を支持しており、ビデオ画像構成素子は患者用ヘッドレストに位置決めされた患者の目の画像を生成することができ、さらに、ベースが固視用ターゲットと光源とレンズとミラーとから成る眼の固視用構成素子を支持しており、固視用構成素子は患者用ヘッドレストに位置決めされた患者の眼が見ることのできるターゲットを発生させることができ、さらに、ベースが波面案内・分析用構成素子を支持しており、波面案内・分析用構成素子はレンズとミラーとマイクロレンズアレイとカメラとデータプロセッサとから成っている。波面案内・分析用構成素子は患者用ヘッドレストに位置決めされた患者の眼から射出する波面を測定し、少なくとも約+1または−1ジオプターから少なくとも+6または−6ジオプターの範囲の前記眼収差を検出することができる。
以下に本発明の実施例を示す添付の図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は多くの形態で実施可能であり、本明細書中に記載した実施例に制限されるものとして解釈すべきではない。むしろこれらの実施例を提供することにより、開示内容が綿密な完成されたものとなり、当業者にとって本発明の範囲が完全に明らかになる。同一符号は一貫して同一エレメントを意味する。
例として、ヒトの眼を診断して矯正することに関連して、本発明について説明する。しかし、本発明の教示内容が適用可能なのは、実像焦点を有するあらゆる光学系であって、この実像焦点が放射集束スポットを光学系の後部位から拡散反射して、光学系を通って放射波面として戻ることができる、またはそのように適合することができる光学系に対してであることは明らかである。従って、本発明は、生死を問わず、ヒトまたは動物の眼、または、あらゆる人工の光学系とともに使用することができる。
本発明の実施例により提供される診断情報と相俟って、または、この診断情報に基づいて用いることができるヒトの眼の矯正には、例えば眼鏡およびレンズの研磨または調製が含まれる。この教示内容は80 Montvale Avenue, Stone, MA 02180, Butterworth Publishersにより発行されたMichael P. Keating, Ph.Dによる「幾何学的、物理的および視覚的な光学素子(Geometric, Physical, and Visual Optics)」(著作権1988年)に記載されたように、当業者にはよく知られている。この文献を参考のために本明細書中に引用し、ここに提示します。ブロードビームエクシマーレーザを使用することにより角膜組織を光アブレートするレーザを使用したレーザ手術は、例えばTrokelによる米国特許第5,163,934号明細書に開示されたレーザ手術、King他による米国特許第5,395,356号明細書に開示された光屈折角膜切除による老視の矯正、および、この分野ではよく知られたラシク(Lasik)処置と関連した、Frey他による米国特許第5,849,006号明細書に記載されたナロービームシステムのように、この分野ではよく知られている。これらの開示内容を本明細書中に参考のため引用し、ここに提示します。
先ず、適切な光学的矯正を求めるために波面分析を用いる方法を、眼のサンプルを参照しながら、および図1A、1Bおよび1Cに示す概略図を補助にして説明する。理想的な眼に関連して前述したように、今度は図1Aを参照すると、理想的な正視眼または完全な眼100は、衝突光ビーム(判りやすくするために図示していない)をその網膜102の後部(すなわち中心窩103)から、水晶体104と角膜106とを含む眼の光学素子を通して反射する。このような理想的な眼100の場合、弛緩状態において、すなわち近視野焦点を提供するように調節していない状態においては、反射光(矢印108で示す)は平面波列として眼100から射出する。平面波のうちの1つが直線110によって示されている。しかしながら、図1Bに示したように、典型的な眼120は通常、収差を有しており、この収差は眼から射出する反射光の変形または歪曲を引き起こす。この場合、収差を有する眼120は、衝突光ビーム(やはり判りやすくするために図示していない)をその網膜122の後部、すなわち中心窩123から、水晶体124と角膜126とを通して反射する。収差を有する眼120では、反射光128は歪曲波面列として眼120から射出する。この歪曲波面列のうちの1つが波線130によって示されている。
次に図1Cを参照すると、便宜上座標系が定義されている。この座標系では、正のxが図平面において上方に、正のyが図平面から外側に、正のzが伝搬方向に沿って右側に向かって延びている。歪曲波面130は、ここでは数学的に見てW(x,y)と記述される。波面130の歪曲を測定する1つの方法は、眼120からの既知の間隔Z0を置いた基準平面131(例えば理想的な波面110と類似の平面)との空間的な隔たりΔzを、波面130の前縁が距離z0を移動するのに伴う歪曲波面130の各(x,y)点で測定することにより行われる。このことは数学的には次のように記述される:
これらのΔz測定値は、例えば、被検眼球120の収差による光路差を定義する。適切な矯正は、これらの光路差を取り除くことから成る。例えば、このような矯正は基準平面131で行われる。
所望の矯正治療(例えば角膜組織アブレーション、人工レンズ付加)に応じて、各(x,y)座標で除去または付加される物質量を、その物質の屈折率が既知のものであるならば、直接算出することができる。眼内レンズインプラントまたは放射状角膜切開のような多くの処置のために、適切な最終処置に関するフィードバック情報を提供するように、処置の間に波面分析を繰り返し行うことができる。
図示の例で見ると、歪曲波面130と理想的な波面110との間の差Δz(x,y)は眼の収差の結果である。このような収差の矯正は、負のΔz(x,y)の基準面131における光路差を導入することから成る。治療のアプローチが例えばレーザアブレーションによる角膜126の表面からの組織の除去から成る場合、基準面131の位置の選択肢の一つとしては、角膜126の表面に対して接線方向の位置(すなわちz=0の位置)が挙げられる。このことは図1Dに概略的に示されている。図1Dでは、角膜126の曲率が図面を見やすくするために大きく誇張されている。次いで、本発明と同一の出願人による、またその開示内容を参考のために本明細書中に引用しここに提示する、米国特許第5,980,513号、同第5,849,006号および同第5,632,742号の各明細書に記載されているような、レーザビーム供給・眼球トラッキングシステムによって、角膜126に沿って各(x,y)座標で不連続にアブレーションが行われる。
図示の例で見ると、歪曲波面130と理想的な波面110との間の差Δz(x,y)は眼の収差の結果である。このような収差の矯正は、負のΔz(x,y)の基準面131における光路差を導入することから成る。治療のアプローチが例えばレーザアブレーションによる角膜126の表面からの組織の除去から成る場合、基準面131の位置の選択肢の一つとしては、角膜126の表面に対して接線方向の位置(すなわちz=0の位置)が挙げられる。このことは図1Dに概略的に示されている。図1Dでは、角膜126の曲率が図面を見やすくするために大きく誇張されている。次いで、本発明と同一の出願人による、またその開示内容を参考のために本明細書中に引用しここに提示する、米国特許第5,980,513号、同第5,849,006号および同第5,632,742号の各明細書に記載されているような、レーザビーム供給・眼球トラッキングシステムによって、角膜126に沿って各(x,y)座標で不連続にアブレーションが行われる。
あらゆる(x,y)直交座標における適切な角膜アブレーション深さは、小さな誤差範囲内で、次のように表される:
この場合、ncは角膜組織の屈折率または1.3775である。以下に詳細に記載した方法は、先ず、波面130の局所的な勾配を、すなわちδW(x,y)/δxおよびδW(x,y)/δyを、基準平面131における直交するxおよびy方向の多数の点で測定し、次いで試験に基づいて測定された値とできる限り良好に一致する勾配を有するW(x,y)の数学的記述を生成することによって、Δz(x,y)を算出する。このような勾配δW(x,y)/δxの1つをやはり図1Dに示す。このことを行う上で、歪曲波面130が基準平面131で測定されるのに対し、湾曲した角膜表面から射出された波面130は基準平面131の真後ろにあるという事実により、小さな誤差が導入される。例えば、湾曲した角膜表面に対する、測定平面(すなわち基準平面131)の各(x,y)位置でのx方向の側方変位は誤差Ex(x,y)である。湾曲した光学表面を伴うあらゆる矯正にとって、同様の誤差が顕在的となる。誤差は一般的に、接触点からの両(x,y)変位および局所的な波面誤差に伴って増大することになる。
屈折手術に対しては、この誤差は無視できるほどに小さい。誤差Ex(x,y)の大きさは、任意の座標で測定されたそれぞれの測定位置(x,y)、例えばその位置を角膜126の原点に投影することによる(x0,y0)に対応して、見出すことができる。このことをまた図1Dを参照して数学的に説明する。例えば誤差が図平面、つまりy=y0によって定義された平面内にあると仮定する。ただし、この平面は、y次元の誤差を含むように分析を拡張するために、数学的に真直ぐ前方に延びている。角膜表面から基準平面へのz0基準平面における(x0,y0)で測定された波面131の伝搬をトレースする線Lの量化は次の通りである:
図平面における角膜表面をS(x0,y0)によって記述すると、該当する波面131に対応する原点はL(x)とS(x0,y0)との交差点を見つけることにより見出すことができる。数学的には、L(x’)=S(x0,y0)を満足させる値x’を見出す。次いで誤差Ex(x0,y0)はEx(x0,y0)=x’−x0として与えられる。y方向の誤差を考慮するために分析を拡張することにより、同様の表現がEyに対して与えられる。この場合、Ey(x0,y0)=y’−y0である。これらの横方向での誤差は、これが顕著な場合には、量Ex(x,y)およびEy(x,y)によって各(x,y)座標で算出された収差矯正値を側方に変位することによって補償することができる。
ヒトの角膜の場合、横方向での誤差はほとんどの環境下では無視できるものとなる。誤差は、角膜組織と基準平面131とが接触する原点でゼロとなる。ヒトの眼の場合、組織は、ほぼ7.5〜8.0mmの曲率半径を有するように、ほぼ球面状に形成されている。矯正治療半径は3mmを超えないのが典型的であり、局所的な波面の曲率半径は50mm(20ジオプター屈折誤差)を超えることはまずない。局所的な波面の50mmの曲率半径に対応する3mmの治療半径における横方向での誤差Eは、40μm未満である。
ある一定の眼科的処置の場合、有益なフィードバック情報を提供するために、矯正処置中、繰り返し波面分析を用いることができる。このような利用の一例としては、白内障手術が挙げられる。この手術の場合、波面分析は、眼内レンズインプラント(IOL)の配置に続いて眼上で行うことができる。この分析は、適切な屈折力のIOLが挿入されたかどうか、または、異なる屈折力のIOLを使用すべきかどうかを識別する補助となる。繰り返し行う波面分析の別の例としては、角膜移植手術が挙げられる。このような手術の場合、眼の角膜が、その周囲で機械的な張力を変えることにより意図的に歪曲される。ここでは、繰り返し行われる波面分析は、角膜の周りの各点で導入された張力変化の度合いを正確にするのに用いられ、これにより器具が、最良の視力のための最適な表面曲率を得ることを可能にする。
上述のような矯正処置と適合性を有する波面分析を行うために、平面状の波面または理想的な波面110の対応成分に対する波面130の成分の空間的な隔たり量が測定される。本発明の装置および方法は、重度の近視または遠視のような重度の欠陥を呈する眼を含む、著しい収差を有する眼120に関しても、このような隔たりが客観的かつ正確に測定されることを可能にする。
本発明の位置の評価または測定のためには、患者の瞳孔は、理想的には約6mm以上、つまり低照度におけるヒトの瞳孔の典型的なサイズまで拡張されているべきである。拡瞳が少ないかまたは拡瞳が全くない場合でも、評価または測定することができる。こうして、眼は角膜の最も広い面積を使用している間に評価されるので、このような測定から生じたあらゆる矯正は、患者の眼の最も広く利用可能な角膜面積を考慮することになる。日光での角膜の利用は少なくなる。日光中では瞳孔はかなり小さくなり、例えば3ミリメータオーダになる。薄暗く照明された室内のような低照度環境で、本発明の測定の一部を行うことにより、自然に拡瞳させることができる。拡瞳は薬剤の使用によって誘導することもできる。
次に図2を参照すると、本発明の装置10の一つの実施例の簡略化された概略図が示されている。装置10は、小さな直径を有するレーザビーム14をもたらすのに使用される光学放射を発生させるために、レーザ12を有している。レーザ12は、眼に安全な波長および力を有する視準レーザ光ビーム(ビーム14は破線で示されている)を発生させる。眼科的に適用するために、適切な波長は可視スペクトル全体と近赤外スペクトルとを含む。例えば適切な波長は、約400〜1000ナノメータの範囲内にあって、550,650,850の有効波長を含んでいてよい。これらの有効波長は眼が作動する条件なので、可視スペクトル内での操作が一般的に所望されるのに対し、近赤外スペクトルはある一定の用途に利点を提供する。例えば、患者が測定が行われていることを知らなければ、患者の眼はより弛緩することができる。光放射の波長にかかわりなく、眼科的な適用においては、眼の安全レベルに力が制限されなければならない。レーザ放射に関して、眼に安全な適切な照射レベルは、レーザ製品に対する米国連邦性能基準に見出すことができる。分析が眼以外の光学系で実施される場合には、検査波長範囲は装置の目標性能範囲を論理的に組み込むべきである。
レーザ光ビーム14の小さな直径を有する視準コアを選択するために、アイリス絞り16が使用され、これにより、使用に際して所望されるサイズのレーザビーム18以外のレーザ光ビーム14すべてを遮蔽する。本発明の場合、レーザビーム18は約0.5〜4.5ミリメータの範囲内の直径を有することになる。この直径は例えば1〜3ミリメータであるのが典型的である。重度の収差を有する眼はより小さな直径のビームを使用するのに対し、わずかな収差しか有さない眼は、比較的大きな直径のビームで評価することができる。レーザ12の出力発散度に応じて、後で説明するように、ビームの視準を最適化するように、ビーム光路内にレンズを位置決めすることができる。
一例として説明するように、レーザ18は、集束光学列22に案内するための偏光感知ビームスプリッタ20を通過させられた偏光ビームである。この光学列は、レーザビーム18を眼120の光学素子(例えば角膜126、瞳孔125および水晶体124)を通して、網膜122に集束させるために動作する。白内障処置を受けた患者に水晶体124が存在しない場合があることは明らかである。しかしながらこのことが本発明に影響を与えることはない。図2に示した例の場合、光学列22はレーザビーム18を眼の中心窩123でまたはその近くで、小さな光スポットとして結像する。この中心窩では眼の視覚が最も鋭敏になる。なお、小さな光スポットを別の網膜122部位から反射させて、視覚の別の方位に関連する収差を検出することもできる。例えば、光スポットが中心窩123を取り囲む網膜122部位から反射されると、特に周縁視に関連する収差を評価することができる。いずれの場合でも、光スポットは、近回折に制限された像を網膜122上に形成するために寸法設定することができる。こうして、中心窩122でレーザビーム18によって形成された光スポットの直径はほぼ100マイクロメートル以下であり、10マイクロメータオーダであるのが典型的である。
網膜122から戻されたレーザビーム18の拡散反射が図2に実線24によって示されている。この実線は、眼120を通って戻された放射を示している。歪曲波面130として図1Bに関連して前述した波面24は、光学列22に衝突してこの光学列を通過させられて、偏光感知ビームスプリッタ20に衝突する。波面24が網膜122から射出されるにつれて、波面24は反射および屈折により、レーザビーム18に対して減偏向される。従って波面24は偏向感知ビームスプリッタ20で転回されて、波面アナライザ26、例えばハルトマン−シャック(H−S)波面アナライザに向けられる。一般的に、波面アナライザ26は波面24の勾配、すなわち、図1Cおよび1Dに関連して前述したように、多数の(x,y)直交座標でxおよびyに関連した部分導関数を測定する。次いで部分導関数情報は、重み付けされた一連のゼルニケ多項式のような数学的表現で、元の波面を再構築するかまたは元の波面に近似するのに使用される。
入射レーザビーム18およびビームスプリッタ20の偏光状態は、波面アナライザ26のセンサ部分に達する迷レーザ放射量を最小限に抑える。ある一定の状況では、目標ターゲットから戻ってくる放射と比較すると、迷放射を十分に小さくすることができるので、偏光についての詳述は不要である。
本発明は幅広い範囲の視力欠陥に適応することができ、眼収差を測定する上でダイナミックレンジの新しいレベルを達成することができる。ダイナミックレンジの向上は、光学列22および/または波面アナライザ26の波面センサ部分で達成される。引き続き図2を参照すると、光学列22は第1のレンズ220と、フラットなミラー221と、ポロミラー222と、第2のレンズ224とを有している。これらすべてはレーザビーム18および波面24の光路に沿って位置している。第1のレンズ220および第2のレンズ224は、固定位置に維持された同一のレンズである。ポロミラー222は矢印223で示したような線形運動を行うことができ、これにより、レンズ220および224相互間の光路距離を変えることができる。しかしながら、本発明は、フラットミラー221およびポロミラー222の特定の配置に限定されるものではなく、後で例として説明するような他の光学的配置が、本発明の教示内容および利点から逸脱するものではないことは明らかである。
ポリミラー222の「ゼロ位置」は、図1Aに関連して前述した完全平面波110のような基準平面を提供するための視準光の、後で別の例として説明するような較正源を、図2に示した目120の代わりに置くことによって識別される。このような較正源は、レーザビームによって実現することができる。このレーザビームは、波面アナライザ26が光を視準されたものとして検出するまで、波面アナライザ26の結像平面およびポリミラー222の調整をカバーする直径に、ビームテレスコープによって拡張される。なお、ポロミラー222によって実施された光路距離の変化は、下でさらに詳しく説明するように、近似球面屈折矯正を可能にするように、ジオプターを較正することができる。
装置10のダイナミックレンジはさらに、図3および図4に示したような、改善された波面センサ装置28を設けることによって改善される。波面アナライザ26は、貫通孔34のアレイを備えた不透明な結像プレート32と、平面状の光電性セルアレイ36、例えば電荷結合素子(CCD)セル38と、CCDセル38の平面状のアレイ36と協働するプロセッサ40とを有している。プレート32と平面状のアレイ36との組み合わせは、本発明の1つの実施例を提供する。プレート32は、平面状のアレイ36に対して平行に、離間距離Fによって平面状のアレイ36から間隔を置いて保持されている。さらに下で説明するように、離間距離Fは信号ゲインに応じて調整するように変化させることができる。これを行うために、平面状のアレイ36は、位置決め装置42に接続されている。この位置決め装置42は例えば、矢印43で示したように離間距離Fを変化させるために、プレート32に対して平面状のアレイ36を移動調節する精密な運動可能性を有するコンベンショナルなモータ駆動式の線形ポジショナである。孔34に関連して、それぞれの孔34は等しいサイズおよび形状を有している。この場合形状はその製造しやすさに基づき、円形が典型的である。一例として説明すると、孔34のアレイには方形のアレイ形状が使用される。ただし、他のアレイ形状の使用も、本発明の教示内容を逸脱しない。
波面24が矢印25によってプレート32に衝突すると、波面24の一部が図4に関連して示したように、孔34を通過して平面状のアレイ36を照射する。まず、このようなそれぞれの波面部分25によって形成される、結果として生じる画像は、各孔34の正の影である。しかし、それぞれの孔34の直径Dと、光源(例えば波面24)の波長λと、プレート32と平面状のアレイ36との間の離間距離Fとによって定義されたものとして、回折が生じる。下でさらに詳しく説明するように、特定の患者に基づいたゲインを調整するために、位置決め装置42により、Fの値が変えられる。
なお、孔34を備えたプレート32の性能は、光電性材料、例えばフォトリソグラフィックフィルムから製作されたソリッドなプレートまたはフィルムを使用して達成されてもよい。この場合、孔34のアレイの代わりに、衝突時に光が透過する、成形された光透過性開口のアレイが配置される。このようなプレートまたはフィルムの残りは、光を通さない。このような実施例は、光透過性開口が、あらゆる所望の形状に合致するように簡単に製作されることを可能にする。
どのように各波面部分25が発生するかにかかわらず、本発明は、較正波面、例えば上述の平面状の波面から生じる波面部分112に対する各波面部分25の角偏向量を測定する。光の較正波面または平面状の波面は波面部分112においてプレート32に対して垂直または直角を成して衝突し、平面状のアレイ36上のジオメトリックなスポット114を照射する。これとは対照的に、上述のような歪曲波面を表す波面24に関して説明を続けると、波面部分25は較正波面部分112に対して大きな角偏向を呈する。この角偏向により、波面部分25は平面状のアレイ36上の、スポット114からオフセットしているジオメトリックなスポット27を照射する。本発明の場合、オフセット量はスポット114および27の、セントロイド116および29に対してそれぞれ測定される。平面状のアレイ36の2つの寸法において、セントロイド29はアレイ36のxおよびyの両方向で偏向させられるのが典型的である。こうしてxおよびy方向のそれぞれにおける角偏向がΔx/FおよびΔy/Fによってそれぞれ与えられる。
再度図2に戻ると、1つの実施例におけるレンズ220および224は上述のように同一である。しかしながらある用途では、波面センサにおける波面を拡大または縮小することが望ましい場合がある。このことは、異なる焦点距離を有するレンズ220および224を使用し、従って装置10の寸法を調整することにより、達成することができる。眼科的な評価のためには、装置の物体平面は理想的には、角膜表面に対して接線方向にあるべきである。このことは種々の手段によって達成することができる。こうして、光学列22の物体表面の各点は、角膜126上の同じ点にほぼ対応する。しかし、角膜126は湾曲しているので、わずかな側方変位が生じることになる。波面アナライザ26の図4に関連して前述したプレート32、または、あらゆる波面センサ部分の結像平面は、レンズ220の焦点平面に位置決めされる。このようにすると対物平面は常に、角膜126から射出する波面像と直接対応して、プレート32上に結像される。このことはレンズ220および224相互間の光路距離には無関係に言えることである。この構造のいくつかの利点の1つは、角膜の6ミリメータの中央円形領域に対応する面積を結像するために、きわめて良好な平面状の光電性セルアレイが市販されていることである。
プレート32(波面アナライザのいずれかの波面センサ部分の結像平面)は波面24を複数の波面片に分ける。この波面片はそれぞれ別個に、平面状のアレイ36の伝搬方向に関連して測定することができる。一例として説明する実施態様の場合、光学列22は物体平面における像を拡大または縮小することはないので、物体平面における点は、光学列の結像平面における同じ点に対応する。ポロミラー222がそのゼロ位置に設定されている場合、物体平面に向かって移動している、波面24の各部分の検出は、波面アナライザ26の結像平面において正確に再現される。例えば物体平面内の在る位置における1つの波面部分が、物体平面に対して直角を成す光軸に対して、20°の角度で光軸から離反するように移動している場合、結像平面における同じ位置での波面部分もやはり20°の角度で光軸から離反するように移動することになる。
なお、近視の人物は、プレート32によって分離された波面部分/波面片が平面状のアレイ36の中心に向かって収束するように、波面を形成することになる。遠視の人物は、プレート32によって分離された波面片が発散するように、波面を形成することになる。こうして、顕著な視力欠陥を有する人物は、評価するのが難しくなる。なぜならば、波面部分が平面状のアレイ36でオーバラップする(近視)か、または、平面状のアレイからこぼれてしまう(遠視)おそれがあるからである。
本発明において、このような重度の収差を補償するための5つの方法を例として説明する。第1の方法は、著しく小さな光電性セル38と、著しく大きな孔34(または別の透過性の開口)を備えた波面センサを利用することである。このようにすると、Fに対する小さな値を用いて、許容できる精度で各波面片を測定することができる。第2の方法は、プレート32に対する離間距離Fを変えるために、光軸に沿って平面状のアレイ36を移動することである。重度の収差を有する人物に対しては、投影された波面部分をよく分離された状態で平面状のアレイに維持するために、平面状のアレイ36はプレート32に密接するように位置決めされる。軽度の収差を有する人物に対しては、より精度の高い測定を行うために、プレートに対する離間距離Fを増大するように、平面状のアレイ36が移動される。プレート32に対する離間距離Fを変えるために平面状のアレイ36を移動することの利点は、どの位置に対しても波面分析が簡単に達成されることである。本発明を用いた、重度の収差を補償するさらに別の方法は、レンズ220および224相互間の光路距離を変えることである。ポロミラー222を移動しても、波面がプレート32に当たる場所に影響を与えることはないが、しかし、波面部分がプレート32を通過する際の角偏向、つまり、Δx/FおよびΔy/Fを変えることになる。レンズ220および224相互間の光路距離を減じることによって、波面部分が平面状のアレイ36の中心に向かって引き付けられ、これにより遠視の補償が行われることになる。レンズ220および224相互間の光路距離を増大することにより、波面部分が平面状のアレイ36のエッジに向かって広げられ、近視の補償が行われることになる。各波面片と連携する角偏向が変えられる度合いは、波面片の光軸からの距離とポロミラー222のゼロ位置からの移動量との線形関数である。重度の収差を補償する第4の方法は、この項で後で詳しく論じるように、中間焦点平面の位置に、特定の球・円柱面の度を有する1つまたは複数のトライアルレンズを挿入することである。このことにより、波面から低次の収差が減じられるかまたは除去されるので、CCDセル38におけるスポットの変位が最小限に抑えられ、正確な評価が行われる。特定のレンズ付加の効果は、次いで、最終的な波面再構築に含まれる。第5の方法は、眼における波面に対して、波面センサにおける波面の倍率を増大することである。このことは、中継式の光学構造中のレンズを適切に選択することにより達成される。波面の倍率を増大することによって、波面の勾配が均一に減じられ、これにより、CCDの各点の変位が減じられる。
例えば、平面状のアレイ36に衝突する光スポット27のセントロイド29を正確に検出するために、スポットサイズに対するセル38の微細構造が設けられる。各スポットは複数のセル38をカバーする。別の1つの孔34のによって生じるスポットに対して明白に各スポット27のセントロイド29を検出するのに使用される1つの方法は、各孔34に特定数のセル38を割り当てる。「割り当てられた区域」は図5に示したように、例えば太い格子線39によって指定される。格子線39がセル38相互間の実際の物理的境界ではなく、単に、複数のセル38を含む特定の指定区域を示しているにすぎないことは明らかである。本発明の教示により与えられるアレイ36のこのような区分けを必要としない他のセントロイドの計画が利用されることが予想される。セントロイドを識別して相関させる別の方法は、この項において後で説明する。
例えば、本発明は、図3に関連して説明したプレート32の代わりに、図6に示すような、同一の球面小レンズ33から成る二次元的なアレイを配置する波面アナライザで実施することもできる。このような実施例の場合、小レンズアレイ33は位置決め装置42によって操作可能であってよく、これにより離間距離Fは、破線35で示す、小レンズアレイ33の焦点面を定義する焦点距離fとは無関係になる。小レンズアレイ33の副開口を通過させられた各波面部分37は、サイズ(例えば直径)を減じられるが、しかし、離間距離Fが焦点距離fと等しい場合のようには、必ずしも平面状のアレイ36で最小焦点にもたらされるとは限らない。この実施例による構造の作動中、小レンズアレイ33は、平面状のアレイ36上に十分な強度を提供し、さらに最大の精度でセントロイド29の偏向検出用の実質的に複数のセル38を照射するための、区域それぞれの波面部分に光を集中するように位置決めされる。
波長センサの構造には無関係に、プロセッサ40は、波面24によって生成された各スポット27のそれぞれ二次元的なセントロイド29を算出する。対応孔34(または小レンズアレイ33の副開口)と連携する指定区域ごとの較正スポットのセントロイドに対してシフトされた二次元的なセントロイドの量が、離間距離Fによって割り算されることにより、波面の局所的な勾配のマトリックス、すなわち、孔34の中心の(x,y)座標におけるδW(x,y)/δxおよびδW(x,y)/δyを生成する。論議を簡略化するために、これらをそれぞれ、P(x,y)=δW(x,y)/δxおよびQ(x,y)=δW(x,y)/δyによって表す。
図1Bおよび2に関連して上述したように、歪曲波面130および24を算出するための部分導関数データを使用するのには、数多くの方法が存在する。許容可能な1つのアプローチは、前記の「Journal of the Optical Society of America paper」において Liang他によって記載されたアプローチである。このアプローチでは、波面への近似計算は、ゼルニケ多項式を使用して行われる。これは、M. BornおよびE. Wolfによる、「Principles of Optics」(Pergamon Press、英国、オックスフォード、1964年)のような多くの光学のテキストに記載された標準的な分析技術である。一例としてゼルニケ多項式アプローチをここに説明する。ただし歪曲波面に近似する上で、他の数学的アプローチが使用できることが理解されるべきである。また、歪曲波面に近似する上で、他の数学的アプローチが使用できることは、当業者であるならば明らかである。例えばこのようなアプローチは、フーリエ級数およびテイラー級数の使用を含んでよい。
手短に述べるならば、波面W(x,y)は個々の多項式の重み付けされた和として表現される。この場合、Ciは重み付け係数であり、Zi(x,y)は数次までのゼルニケ多項式である。和の上限は、真の波面に近似するために使用されるゼルニケ多項式の数、すなわち最高次の関数である。mが使用される最高次数である場合、
となる。任意の次数nまでのゼルニケ多項式の導関数は、前述のBornおよびWolfによる上記論文のような多くの光学のテキストに記載されている。図4および図5に関連して前述したようなスポット27,114のセントロイド29,116をそれぞれ検出するための1つの可能な方法、および、ゼルニケの重み付け係数の算出を以下に説明する。各孔34の中心の単位法線の方向は、セル38上のスポットのセントロイドに基づいている。
このような各スポットは強度を変化させる複数のセルを照射するので、各スポットの中心を見出すには、振幅に重み付けする、セントロイドの標準的な算出法を用いることができる。例えば有効なスポット相互間のCCD表面に達する擬似光から生じる背景ノイズから、各セントロイドを明確に線引きするために、適合された空間的なフィルタのような標準的な数学的技術を、セントロイド識別に先立ってCCDデータに適用することができる。
個々のスポットを識別し、これらの幾何学的形状を相関させるための別の方法について説明する。装置は、波面センサの入射面で特定の開口の中心に対して、光軸が整列されるように構成されている。この開口は、入射面の中心に、または、中心の近くに配置されている。眼に入射するプローブビームもシステム光軸に対して整列されている場合、光線の可逆的な性質により、光スポットは常に、整列された開口のすぐ後ろに見られることになる。すなわち、波面収差には関係なく、CCDセンサ上のこのような位置で、スポットが常に見られ、このスポットは上方に位置する開口に常に対応することになる。すぐ隣接するスポットはこれらの「ゼロ勾配」位置からわずかに変位される。1つのスポットが中心の基準スポットからより大きく移動するのにつれて、一般的により大きなスポット変位が生じることになる。この知識を利用すると、CCDにおけるすべてのスポットを識別し、これらのジオメトリックな関係を確立することは比較的簡単なプロセスである。
次いで、理想的な視覚および正視に対応する完全な視準光ビームのセントロイドからのセントロイドの変位が算出され、この値が各サンプル位置で波面勾配を検出するのに用いられる。視準光ビームに対応するセントロイドの位置は、患者の検査に先立つ較正ステップで直接測定されるか、または、波面センサ構造に基づいて算出された基準パターンから取り出されてもよい。
個々の照射中の不適切な眼球整列または眼球運動をチェックするのに、複合的な照射が使用されてよい。照射中の眼球運動を、複合的な照射を獲得することによってうまく分析できない場合には、図2に示したように、眼球トラッカー25を付加することによって、装置10を増強することができる。眼球トラッカー25の1つの可能な配置状態が図2に示されている。ただし、眼球トラッカー25を装置10内の別の場所に配置できることは明らかである。このような眼球トラッカーの1つが、本発明と同一出願人による上述の米国特許第5,980,513号明細書に開示されている。このようにして、ある程度の眼球運動中でも波面分析が行われる。
個々のセルの相対感度を検出するために、一度だけの較正照射を用いることもできる。このことは、プレート32が除去された状態で、均一な視準光内で行われる。次いで、個々のセルの応答が記録される。それぞれの光透過性開口(例えば孔34)毎に、視準された場合のセントロイドは、特定の孔に対する専用の原点として作用する。各孔毎の原点から、(この座標系で認められたような)波面24によって生じたセントロイドへのシフトは、その孔に対応する波面の方向によって検出される。Δx(m,n)が(m,n)番目のセントロイドのx成分であり、Fがプレートとの隔たりである場合、(m,n)番目のセントロイドに対応するP値は次の通りである:
Qに対応する表現は次の通りである:
このように、それぞれのP(m,n)およびQ(m,n)は、各孔34の(x,y)座標に対応するxおよびyに関連して、W(x,y)の部分導関数を表す。次いで、元の波面のm次ゼルニケ近似計算のために、検査によって検出されたPおよびQの値が、以下のような適切なCi重み付け係数を算出するための次の等式に使用される:
上記等式における左辺に位置する実際の波面勾配と、右辺に位置するゼルニケ近似値との間の誤差を最小化するために、最小二乗法approx(m,n)/δzachを使用することによって、重み付け係数に最適な値が得られる。
セントロイド(xc’、yc’)を算出するための1つの可能なアプローチの場合、各孔34には、アレイ36または(im,n±Δi,jm,n±Δj)の指定領域が割り当てられる。このような多数の光電性セルから成る正方形体は、隣接する孔の像が決して侵略しあわず、また、この孔からのすべての照射が含まれるほど十分に大きい。この正方形体は4Δi*Δj個のセルを含む。
アレイ36が指定されたCk,1=(xc(i,j),yc,(i,j)),k,1=0...2Δ1,2Δjであり、中心の空間がΔx=Δy=dである場合、測定されたセル応答はV(k,1)であり、相対応答性はR(k,l)であり、i,jの関数としてのx成分xcは
によって表され、i,jの関数としてのy成分ycは
によって表される。
次いで、(xc0(i,j),yc0(i,j))が(i,j)孔に対応する「原点セントロイド」であり、すなわち、直角の視準光で形成されており、(xcw(i,j),ycw(i,j))が、測定されるべき波面に見出された対応セントロイドである場合、セントロイドの相対シフト(xcr(i,j),ycr(i,j))は、
とみなされる。
値P(i,j)およびQ(i,j)は
および
から検出される。プレート32の孔中心アレイに対応する表面部分導関数P(i,j)およびQ(i,j)は、次に、元の波面W(x,y)を記述するために、適切なゼルニケ多項式重み付け係数を算出するのに使用される。このことを、孔34の7x7正方アレイによって説明する。ただし、他のサイズおよび形状の孔アレイも使用できることは明らかである。
第1に、1x98行列(すなわち列ベクトル)PQ(k)が
として形成され、この場合jはi毎に循環する。すなわち、PQ(18)=P(2,5)である。
次いで、(xc0(i,j),yc0(i,j))が(i,j)孔に対応する「原点セントロイド」であり、すなわち、直角の視準光で形成されており、(xcw(i,j),ycw(i,j))が、測定されるべき波面に見出された対応セントロイドである場合、セントロイドの相対シフト(xcr(i,j),ycr(i,j))は、
値P(i,j)およびQ(i,j)は
第1に、1x98行列(すなわち列ベクトル)PQ(k)が
行列PQは遷移行列TMで左側から掛け算され、これにより、次のような行列Cを得る。
この場合、TMは98幅、14高さの行列であり、Cは1幅、14高さの行列または列ベクトルである。Cは行列Ckk=1,...,14であり、これにより、最小二乗法誤差まで、
およびTMは所与の開口、例えば6ミリメータの瞳開口に対して算出される。等式(19)中の関数Zk(x,y)はゼルニケ多項式である。これらのシーケンスに関しては標準的な規則はない。従って、行列TMを引き出すのに選択された設定値Ckを形成するためには、同じシーケンスを用いることが重要である。これらは同じ次数の群内で生じる。次数は、項の総数が次数に伴って増大するような、群内の最高べき指数である。例えば4次の分析では、4を含む4までの次数が使用される(それ未満のZ0−z方向における群の基準位置を記述する定数1である次数0の単一項)。波面24はzに沿って(光の速度で)移動するので、このような「ピストン項」はZにおける任意のオフセットのみを記載し、この項は無視されてよい。最小の5つの次数(0,1,...,4)は、ピストン項を含む15の関数を含んでいる。
従ってこの例の場合、Ckの14個の値が、14個のゼルニケ多項式の係数として算出される。一例として、TMを算出するのに使用されるこのような次数の1つをここに示す。
次数4によるゼルニケ(X,Y)多項式拡張
多項式次数0
Z(0) +1
dZ(0)/dx 0.0
dZ(0)/dy 0.0
多項式次数1
Z(1) +y
dZ(1)/dx 0.0
dZ(1)/dy +1
Z(2) +x
dZ(2)/dx +1
dZ(2)/dy 0.0
多項式次数2
Z(3) −1+2y2+2x2
dZ(3)/dx +4x
dZ(3)/dy +4y
Z(4) +2xy
dZ(4)/dx +2y
dZ(4)/dy +2x
Z(5) −y2+x2
dZ(5)/dx +2x
dZ(5)/dy −2y
多項式次数3
Z(6) −2y+3y3+3x2y
dZ(6)/dx +6x
dZ(6)/dy −2+9y2+3x2
Z(7) −2x+3xy2+3x3
dZ(7)/dx −2+3y2+9x2
dZ(7)/dy +6xy
Z(8) −y3+3x2y
dZ(8)/dx +6xy
dZ(8)/dy −3y2+3x2
Z(9) −3xy2+x3
dZ(9)/dx −3y2+3x2
dZ(9)/dy −6xy
多項式次数4
Z(10) +1−6y2+6y4−6x2+12x2y2+6x4
dZ(10)/dx −12x+24xy2+24x3
dZ(10)/dy −12y+24y3+24x2y
Z(11) −6xy+8xy3+8x3y
dZ(11)/dx −6y+8y3+24x2y
dZ(11)/dy −6x+24xy2+8x3
Z(12) +3y2−4y4−3x2+4x4
dZ(12)/dx −6x+16x3
dZ(12)/dy +6y−16y3
Z(13) −4xy3+4x3y
dZ(13)/dx −4y3+12x2y
dZ(13)/dy −12xy2+4x3
Z(14) +y4−6x2y2+x4
dZ(14)/dx −12xy2+4x3
dZ(14)/dy +4y3−12x2y
多項式次数0
Z(0) +1
dZ(0)/dx 0.0
dZ(0)/dy 0.0
多項式次数1
Z(1) +y
dZ(1)/dx 0.0
dZ(1)/dy +1
Z(2) +x
dZ(2)/dx +1
dZ(2)/dy 0.0
多項式次数2
Z(3) −1+2y2+2x2
dZ(3)/dx +4x
dZ(3)/dy +4y
Z(4) +2xy
dZ(4)/dx +2y
dZ(4)/dy +2x
Z(5) −y2+x2
dZ(5)/dx +2x
dZ(5)/dy −2y
多項式次数3
Z(6) −2y+3y3+3x2y
dZ(6)/dx +6x
dZ(6)/dy −2+9y2+3x2
Z(7) −2x+3xy2+3x3
dZ(7)/dx −2+3y2+9x2
dZ(7)/dy +6xy
Z(8) −y3+3x2y
dZ(8)/dx +6xy
dZ(8)/dy −3y2+3x2
Z(9) −3xy2+x3
dZ(9)/dx −3y2+3x2
dZ(9)/dy −6xy
多項式次数4
Z(10) +1−6y2+6y4−6x2+12x2y2+6x4
dZ(10)/dx −12x+24xy2+24x3
dZ(10)/dy −12y+24y3+24x2y
Z(11) −6xy+8xy3+8x3y
dZ(11)/dx −6y+8y3+24x2y
dZ(11)/dy −6x+24xy2+8x3
Z(12) +3y2−4y4−3x2+4x4
dZ(12)/dx −6x+16x3
dZ(12)/dy +6y−16y3
Z(13) −4xy3+4x3y
dZ(13)/dx −4y3+12x2y
dZ(13)/dy −12xy2+4x3
Z(14) +y4−6x2y2+x4
dZ(14)/dx −12xy2+4x3
dZ(14)/dy +4y3−12x2y
ゼルニケ多項式の配列を選択することによって、等式19中のCkの解釈が定義され、従ってTM行列中の項の次数が定義される。従って、TM行列は選択が行われた後で計算される。TM行列の展開の例を以下に説明する。
なお第4次の分析は一例に過ぎず、単なる可能性に過ぎない。ゼルニケ分析はあらゆる次数まで行うことができる。次数が高ければ高いほど、テスト点全体にわたる結果がより正確になる。しかしながら、テスト点全体にわたる正確な多項式フィットが必ずしも望ましいわけではない。このようなフィットは、面自体が偶然、面のフィッティングに用いられる次数以下の次数を有する正確な多項式でない限りは、離間した点での正確なフィットを強制することは、しばしばフィッティング点相互間の激しい変動を引き起こすという、典型的な妨害特性を有している。すなわち、多項式の面のフィッティングに際しては、限定された数の点での正確なフィットが、全体的な機能にとって平均フィットを悪化させる。
波面のゼルニケ再構築から、Δz(x,y)光路差情報を算出することは、ゼルニケ近似値から乗数を引き算することにより、単純に達成される。定数値は所望のΔz(x,y)に関連することになる。収差を矯正するために選択された方法(例えばレーザアブレーション、レンズ付加など)に応じて、例えば、ゼロに等しいΔz(x,y)に最大値、中間値または最小値を設定することが望ましい。
遷移行列TMの展開を、以下にプレート32の7x7孔アレイを例にとって説明する。それぞれの点(xi,yj)において、法線の成分の正接はP(xi,yj)およびQ(xi,yj)である。この場合、
および
である。
これらを等式(11)と組み合わせると、
および
となり、それぞれが49(i,j)の組み合わせに適合可能である。これらは互いに組み合わされて、98個の要素の高さを有する単一列ベクトル、すなわち、98x1行列にされる。2つの行列Ck(14高さx1幅)およびMk(i,j)(14幅x98高さ)を定義すると、
となり、この場合x導関数は最初の49行であり、y導関数は最後の49行である。次いで等式(19)が行列等式として書き換えられ、
となり、この場合Mの上側49行がδW(xi,yj)/δyである。
これらを等式(11)と組み合わせると、
等式(25)における表現は、14のCのアレイによって記述された面に、ゼルニケ係数による法線成分を与える。これらの成分は正しいが、しかし、このような係数アレイによって実際の面全体が記述できることが保証されるわけではない。従って、記述が許容範囲内にある、すなわち、最小二乗法による誤差検出後に残る誤差を許容すると仮定すると、等式(26)が、両者とも既知である数学的な行列Mと測定されたベクトルPQとに関連して、列ベクトルCを潜在的に定義することが考えられる。最小化条件下で解答をもたらす方法は次の通りである。まず、等式(25)が左辺においてMTで掛け算され、Mの移項は
のようになり、この場合、
正方対称行列、例えば(それぞれの要素が98個の積の和であるような)14x14のディメンションを有する行列である。このような行列は、その係数の行列式がゼロでない限り、逆数を有している。逆数はゼルニケ多項式だけに基づいており、係数はすべて互いに無関係なので、行列は非ゼロである。従って、逆数S-1が定義される。次に、等式(25)が左辺において、S-1で掛け算され、
となる。次いで、(測定値とは無関係な)数学的な遷移行列は
であり、測定されたPQからの「ベストフィット」Cアレイを、単純な行列掛け算によって形成することができる。
眼を明白に評価するために、波面24により平面状のアレイ36を照射するすべてのスポットが平面状のアレイ上に同時に入射する。眼球運動の影響を減じることが望ましい場合には、パルシングまたはシャッタリング式のレーザ源、あるいは、眼球トラッカーが使用されてよい。
臨床的な用途に適した本発明の実施形態を図7に一例として示し、全体的に符号11によって示す。装置10に関連して上述したものと同じ構成エレメントには、同一符号を使用する。ビームスプリッタ20と光学列22との間には、二色性ビームスプリッタ52が間挿されており、二色性ビームスプリッタ52は固視用ターゲット光学素子60と監視用光学素子70とを装置11内に導入している。これらの光学素子60,70は、50/50ビームスプリッタ54によって光学的に互いに分離されている。固視用ターゲット光学素子は眼120に、ターゲットの形状で可視光を提供する。固視用ターゲット60によって発生させられた可視光は、二色性ビームスプリッタ20によって反射され、光学列22を通して案内される。
固視用ターゲット光学素子60は種々の形式で実行することができる。例えば図示の実施例は、可視光源61と、光ディフューザ62と、ターゲット63と、視野絞り64と、レンズ65と、アイリス66とを有している。可視光源61および光ディフューザ62は、固視用ターゲット63を均一に照射するために使用される。視野絞り64、、レンズ65およびアイリス66は、眼120によって見るのに際して、固視用ターゲット63の所望の画像を患者に与えるために、光学列22と相俟って使用される。
監視用光学素子70は、技術者が眼の評価処置を見て、記録するのを可能にする。監視用光学素子70の種々の実施が可能であるが、このような実施形態の一例を図7に示す。監視用光学素子70はフィールドレンズ71と、レンズ72と、アイリス73と、レンズ74と、カメラ75とを有している。監視および/または撮影の目的で眼を照射するために、眼120の正面にはリング・イルミネータ80が配置されている。
次に図9〜11を参照して、装置10の実施例を、まず装置300から説明する。改善された装置300は、患者検査ステーションとして構成されている。このステーションは、前述のように、患者302が眼120の測定に際して快適に位置決めされるのを可能にする。技術者が装置300を操作する便宜を図るために、コンピュータモニタ、マウスおよびキーボードが、本発明のこの実施例に対応する別個のカート上に配置されている。装置300は、プラットフォーム306を備えたハウジング304を有している。プラットフォーム306は、剛性を有するフレーム308によって支持されている。フレーム308は、臨床現場での運搬および組み付けを容易にするためのホイール310と、装置を支持フロア314に固定するためのロッキング・レベリング脚部312とを有している。装置が位置決めされるとすぐに、組み込まれたレベリング脚部312が利用され、これにより、安定的な定置のフレーム308、ひいてはプラットフォーム306を提供する。
再び図9〜11を参照すると、患者302は装置300の患者用端部316に、頭がヘッドレスト318にもたれた状態で座る。ヘッドレストは調整アセンブリ320を使用して、プラットフォーム306に対して左右方向(X方向)、上下方向(Y方向)、または前後方向(Z方向)に調節可能である。ヘッドレスト318はプラットフォーム306の下面に取り付けられている。図12に示し、さらに詳しく説明するように、この下面は光学素子を載置するための光学テーブルを形成する。ハウジング304は取り外し可能な光学テーブルカバー322を有している。この光学テーブルカバーは、ハウジング内部に支持された光学素子を保護する。光学テーブルカバー322は、光学素子への認証されていないアクセスを防止するために、キーを有するロックでプラットフォーム306に固定されている。図9および10に示したように、プラットフォーム306は4つの箇所307で、剛性を有するフレームにボルト固定されている。フレーム308はまた、電子回路324とコンピュータ326とを支持している。コンピュータ326は、図6に関連して前述したプロセッサ40と、コンピュータキーボードのためのコネクタプレートと、モニタと、マウスとを有している。フレーム308はまた、プラットフォーム306によって支持された光学素子を制御する電子回路を収容する上側区分328と、無停電電源装置(UPS)と絶縁変圧器とを収容する下側区分330とを有している。
再び図9〜12を参照すると、カバー322内部には、3つのポートが位置決めされている。これらのポートは、眼120の波面測定を実施可能にする検査用ポート332と、ハウジング304内部に支持されたランプ336が、内部ビデオカメラ338による視覚化に際して眼を照射することを可能にする2つの眼照射用ポート334とを有している。さらに、調整アセンブリ320は位置センサ321を有している。位置センサは、基準センターライン位置319の左側または右側に変位したヘッドレスト318の位置を検出するために、x方向変位を感知する。感知された変位を示す信号が、適切な眼120(例えば右目または左目)が測定されていることを自動的に記録するために、コンピュータ326に供給される。
再び図12を参照すると、プラットフォーム306は、装置300による測定に際して、患者が眼120を位置決めできるような光学テーブルを提供する。プラットフォーム面はほぼ約61cm(約2ft)×約122cm(約4ft)の大きさを有しており、市販のカスタマイズされた精密ハードウェアマウントの組み合わせを使用して、光学素子が表面に固定されている。すべての透過性光学素子は、選択されたプローブビーム波長に合わせて最適化された表面反射防止膜を有している。光学的な構成は、5つの別個の光路を有している。これらの光路は一例として本明細書中に説明するような光学素子を共有している。再び図12を参照すると、第1の光路340、つまり、便宜上図12Aに別個に示した固視用ターゲット画像光路が、装置300に着席した患者に、固視用ターゲット画像を表示する。患者が格子パターンを有するターゲット網線344の中心を見ることによって、患者の視軸を光軸342に整列させる。再び図12を参照すると、第2の光路346、つまり、便宜上図12Bに別個に示したビデオ画像光路は、角膜平面のビデオ画像を捉える。このことは技術者が検査に際して眼120を整列させ、ビデオ画像に重ねられたソフトウェア網線を使用して、それぞれの測定中に眼の正確な位置を記録する補助となる。再び図12を参照すると、第3の光路348、つまり、便宜上図12Cに別個に示されたプローブレーザ光路は、プローブレーザビーム350を眼120内に、光軸342に沿って送る。図2および図7に関連して前述したように、ここでは符号350で示されたプローブレーザ14は、角膜表面に集束される前に、眼に安全な強度に減衰され、線形に偏光される。再び図12を参照すると、第4の光路352、つまり、便宜上図12Dに別個に示された、最射出された波面光路は、ここでは符号354で示された、図2の反射波面24を搬送し、波面センサ356に向かって案内する。このことを達成するために、第1および第2の無焦点中継段358,360は、反射波面354を眼120の角膜平面から、波面センサ356の入射面に透過する。最後に、再び図12を参照すると、第5の光路362、つまり、便宜上図12Eに別個に示された較正波面光路は、センサ356に通じる波面透過光路内に視準レーザ光を注入する。図9に関連して前述した、コンピュータ326内部で動作可能なソフトウェアは、視準光波面センサ出力データを使用して、患者の測定に先立って装置300を較正する。
図12および12Aを続けて参照すると、ここでは固視光路として説明した第1の光路340は、基準画像を患者に提供するので、患者が基準ターゲット366の網線344を固視すると、眼120は適正に整列される。ターゲット照射ランプ368が、固視用ターゲット366にバックライトを施す。この固視用ターゲット画像は、50/50ビームスプリッタ370とレンズ372と、50/50ビームスプリッタ374,376における反射とを介した透過と、無焦点中継段358のレンズ複合体ならびに偏光ビームスプリッタ378を介した透過とによって、患者の眼120に達する。さらに、670nmでの波面測定を妨害するおそれがある、620〜790nmを上回る放射を除去するために、ターゲット照射ランプ368の上方に、スペクトルフィルタが配置されている。第1の中継段358のレンズ複合体は、逆の順序で取り付けられた同一のレンズ素子を有している。それぞれのレンズ複合体は、色消しダブレットが間挿された、2つのメニスカスレンズ素子から成っている。レンズ複合体は統一倍率無焦点中継段として、一列で働く。
偏向ビームスプリッタ378と、第1の無焦点段358と、ビームスプリッタ374,376と、レンズ372のうちの1つのレンズ380とを含む光学素子は、プラットフォーム306の表面上の所定の場所に機械的に固定されている。レンズ372のうちのレンズ対382と、ビームスプリッタ370と、固視用ターゲット366と、照射ランプ368とを含む光学素子はすべて、1つの精密線形並進段に取り付けられており、この光路の光軸342に沿って運動することができる。これらの光学素子の並進は、患者の視力に合わせて固視ターゲット366の焦点合わせを行い、眼120に存在するあらゆる近視/遠視を補償する。患者の検査中、眼の無限焦点平面をわずかに超えてターゲットを配置するために、焦点並進段が調整される。このことは、眼120によって調整を促進せずに、患者が網線パターンを比較的明白に見ることを可能にする。ビームスプリッタ378,376,374は、さらに詳しく説明するように、光軸342内の他の光路相互間のインタフェースとして役立つ。ビームスプリッタ370は、整列の目的に含まれる。ビームスプリッタ370の左側の縁部の中心に取り付けられた光検出器384は、光軸に沿って固視用ターゲットに向かって透過された光を感知する。
図12および12Bを再び参照すると、第2の光路346は眼120のビデオ画像を検査平面で捉える。このことは臨床オペレータ/技術者が患者を整列させる補助となり、波面測定中の実際の眼の変位を測定することを可能にする。前述のように、照射ランプ336が眼120を照射する。眼の像は、偏光ビームスプリッタ378とレンズ複合体358と50/50ビームスプリッタ376の反射とを介した透過、50/50ビームスプリッタ374とミラー386からの反射とを介した透過、およびレンズ388を介した透過によって、ビデオカメラ338に搬送される。これら全ての光学素子は、プラットフォーム306の表面の所定の場所に固定されている。例えば第2の光路346は、眼平面で直径約22mmのビデオ視野を、〜64mmの限界解像度とともに提供する。前述のように、多数のフィルタが各眼照射ランプ336の正面に配置されて、眼120に達する放射のスペクトル帯域を減じる。例えばこのようなフィルタは、〜455nmを下回る波長で光を除去するためのブルーフィルタ(眼の安全のため)、〜920nmを上回る波長で光を除去するための赤外フィルタ(眼の安全のため)、および、波長範囲620nm〜790nmを上回る光を除去するための拒絶フィルタ(670nmでの波長測定の妨害を防止するため)を含む。
続いて図12および図12Cを参照すると、第3の光路348は、図1A〜1Dに関連した前述したように、眼に安全なレーザ放射で、患者の網膜の小さなスポットを放射する。網膜122の中心窩123上に放射された網膜スポットは、上述のように、センサ356によって測定される再射出波面130の原点である。出力ビーム、つまりダイオードレーザ390からのプローブビーム350は、線形偏光器および減衰器392とレンズ394とシャッタ396とミラー398からの反射と偏光ビームスプリッタ378内の反射とを介した透過によって、患者の眼120に達する。これらのすべての素子は所定の位置に固定されている。
本発明の1つの実施例の場合、ダイオードレーザ390の出力は本質的に視準されており、レンズ394によって眼120の角膜表面上に集束される。1999年3月24日付けの出願番号09/274,672の「ヒトの眼の視力欠陥を測定するための装置および方法(Apparatus And method For measuring Vision Defects Of a Human Eye)」に記載され、本明細書中に参照のため引用しここに提示しますが、投影されたプローブレーザビーム350、つまり、ダイオードレーザ390からの視準光は、図1Bに一例を図示したように、眼120の角膜126の前面に集束するための長い焦点距離レンズ394によって案内され、眼120の瞳孔および水晶体124を通過して、中心窩123上の小さな測定可能なスポットとして網膜122上に達する。1つの実施例の場合、レンズ394は、焦点を変えて、所望のように焦点位置を移動するためのズームレンズから成っている。角膜126上に集束することによって、測定値は角膜の曲率に最小限に依存する。しかし、角膜表面に近い他の位置が許容可能である。
回折および種々の収差の存在に対して、本発明は、大抵の場合存在する、角膜からの収差効果を回避する。眼120の水晶体は、角膜126の収差効果と比較すると、比較的小さな収差効果しかもたらさない。さらに、レンズ394の選択に関しては、短い焦点距離を有するレンズを選択すると、ビーム350の入射角が比較的大きくなり、角膜126の表面における焦点が良好になり、角膜からの収差効果が少なくなる。小さな入射角は角膜126上の焦点を大きくするが、しかし、一層望ましいことに、網膜122上のより小さなスポットを提供する。このスポットのサイズは、波長および始点サイズおよび選択されたレンズ394の焦点距離に関連することになる。一例を挙げるならば、ほぼ1/2メータおよび100mmのレンズを含む本発明の実施例が効果的に使用された。
偏光器392はプローブビーム350をs状態に線形偏光する(例えば図12の平面から出るように)。偏光ビームスプリッタ378の所定の角度を成して形成された内面はs偏光を反射するので、眼120に入射する光はs偏光される。偏光器392に対して所定の角度を成して、線形偏光器400が設けられており、この線形偏光器400は、減衰器と連携して働くことにより、眼120に供給されるプローブビーム出力を例えば10μW未満に減衰する。ダイオードレーザ390は、外部の電気的なトリガ信号402によりトリガされる。眼測定のための公称照射継続時間は700msである。シャッタ396は、プローブレーザビーム350による眼の過照射に対する付加的な安全装置として設けられている。シャッタ396は通常の場合は閉じられており、レーザトリガ信号402に同期された別個の電気的なトリガ信号404によって開かれる。
例えば、プローブビームによる各照射毎の1回の網膜照射は、10μW x 0.7s=7μJである。単一の患者検査期間中に、最高10回までの繰り返し測定が行われてよい。このような照射は、レーザの安全使用に関する米国規格(ANSI Z136.1−1993、ニューヨーク州、ニューヨーク、米国規格協会)に定義された安全制限内にある。このような基準において、400〜700nmの波長範囲および18x10-6〜10秒のパルス継続時間範囲でレーザビームを見る「イントラビーム」のための最大許容照射量(MPE)は、1.8*t3/4mJ/cm2(tはパルス持続時間(秒))である。眼のための限界開口は直径約7mmと鑑定されている。その結果、許容可能な単一パルスのエネルギーは、0.6927*t3/4mJである。単一の0.7秒パルスの場合、MPEは530μJであり、これはここに記載した装置の場合、1パルス当たりの供給エネルギーよりもほぼ2オーダだけ大きいものである。繰り返しの照射の安全性を得るために、付加的な計算が行われる。規格に記載された該当する計算は、単一パルスMPEをn-1/14で掛け算する。この場合、nは照射継続時間Tmaxにおけるパルスの総数である。本発明の装置の場合、10パルスの安全限界は530μJ/パルス x 10-0.25=298μJ/パルスであり、この値は、眼内に集束される実際のパルスエネルギーよりもなおも40倍だけ大きい。
図12および12Dに示したように、第4の光路352は、図1Bで符号130で示した、眼120から射出した波面354を波面センサ356に搬送する。波面センサについては、波面分析の一例としてハルトマン−シャックセンサを使用して説明した。プローブビーム35放射に応答して、眼120によって再射出された波面354は、偏光ビームスプリッタ378と第1の無焦点中継段358のレンズ複合体と50/50ビームスプリッタ376とトライアルレンズホルダ408と第2の無焦点中継段360のレンズ複合体とミラー410からの反射とを介した透過、ならびに、図6に関連して符号33で前述したようなマイクロレンズアレイ412を介した透過によって、CCDカメラ406に搬送される。図12Fおよび図12Gに示した交換可能なトライアルレンズホルダ408を除いて、これらすべての光学素子はプラットフォーム306の表面の所定の位置に固定されている。
偏光ビームスプリッタ378は、p状態の線形偏光だけを透過する。眼120の角膜表面から反射されたプローブビーム350の放射は入射したs状態の偏光を維持することになり、ビームスプリッタ378によって明らかに透過されることはない。これとは対照的に、眼120の網膜から反射された光、つまり当該波面354を形成する光は、大きく減偏光される。この光のp偏光部分は、ビームスプリッタ378によって透過される。こうしてビームスプリッタ378は、さもなければ波面測定を複雑にしてしまう角膜表面反射を選択的に抑制する。眼120の角膜平面を原点とする波面は、統一倍率を有するトライアルレンズホルダ408の平面に移行される。トライアルレンズホルダ408の平面は、中間瞳平面を提供し、トライアルレンズ平面に理想的なNジオプターレンズ409を配置するために使用される(図12F及び12G参照)。これにより、他の収差含有率を変えずに、Nジオプターにより波面354の球面曲率を変えることができる。予め選択された形式で全体的な波面曲率を減じる/除去できることにより、測定精度を格下げすることなしに、波面測定のダイナミックレンジが拡大される。一例として説明したように、2ジオプターずつ増大する−16ジオプター〜+8ジオプターの範囲で球面屈折力を変えることができるトライアルレンズ409a〜409mが、ホルダ408の回転ホイール407に設けられている。ホイールの回転軸は光軸342に対して平行であるが、しかしこの光軸からオフセットしている。ホイールを回すと、予め選択された複数のトライアルレンズのうちの1つがトライアルレンズ平面に配置される。ホイールは、選択されたレンズを適正に光路内に合わせる、精密な機械的な戻り止めを有している。
トライアルレンズホルダ408の位置にはさらに、レンズ位置のわずかに前方に狭帯域光学フィルタが配置されている。このフィルタは670μm波長の放射(プローブビーム波長)のための最大透過と、約10mnの帯域幅(半値全幅)とを有している。このフィルタは、(固視用ターゲット照射、眼照射などからの)擬似光を波面光路から拒絶するのに使用される。一例として記載した1つの実施例の場合、第2の無焦点中継段360のそれぞれのレンズは3つのレンズ素子、すなわち2つのメニスカスレンズと、間挿された色消しダブレットとから成っている。しかしながらこれらのレンズは同一ではなく、これらの組み合わされた作用により、通過する波面130を拡大する。トライアルレンズホルダ408の位置における波面354は、1.22の倍率で、マイクロレンズアレイ412の表面上に結像される。このように1.22倍に定義された波面像の倍率は、結像平面における各点毎の波面勾配を同じ1.22倍で減じる。このことは装置の測定のダイナミックレンジを拡張し、やはりこの場合、精度を低くすることはない。さらにこのような倍率はより多くの素子、つまりマイクロレンズアレイ412に設けられた、図6に関連して前述したようなCCDセル38に波面を分配し、これにより、波面センサ356によって提供される勾配測定数を増大する。ミラー410は、装置の素子をプラットフォーム306の寸法内に適合するために設けられている。さらに、ミラー410はまた、マイクロレンズアレイ412とCCDカメラ406との組み合わせのための光学的な整列の調整を可能にする。上述のように、例えば図3〜6を参照すると、マイクロレンズアレイは、マイクロレンズから成る正方形アレイを有している。これらのマイクロレンズは入射波面を二次的な「小波」から成る横方向アレイに分ける。これらの小波はCCDカメラの検出器面に集束される。CCDカメラはマイクロレンズアレイ対して平行に位置決めされており、カメラの1つの焦点距離はアレイの後方に位置している。CCD画像における集束小波のパターンは、入射波面の形状を算出するのに用いられる。
図12および12Eに示したように、較正ビーム光路362はハルトマン−シャック波面センサ356に視準ビーム364を供給する。視準ビーム364のための波面データは、実際の眼測定値から収差を有する波面354を再構築する上での基準として使用される。視準された基準ビーム364のための源は、ビーム拡大器416に接続されたダイオードレーザ414から成っている。本明細書中に記載した本発明の1つの実施例の場合、基準のために使用されるダイオードレーザ414はプローブビーム光路348のために使用されるダイオードレーザ390と同一である。視準された基準ビーム364は、偏光器/減衰器418と負レンズおよび開口420と開口および正レンズ422とミラー424からの反射とを介した透過、開口426と偏光ビームスプリッタ378内の反射とを介した透過、第1の無焦点中継段358と50/50ビームスプリッタ376とトライアルレンズホルダ408と第2の無焦点中継段360とミラー410からの反射とを介した透過、および、マイクロレンズアレイ412を介した透過によって、CCDカメラ406に搬送される。トライアルレンズホルダ408を除いて、これらすべての光学素子は、プラットフォーム306の表面の所定の位置に固定されてよい。
偏光器および減衰器418の光学素子は2つの線形偏光器と、ニュートラル・デンシティ・フィルタを有している。ダイオードレーザ414から隔たった線形偏光器は、偏光ビームスプリッタ378内の最大反射のために、s状態のレーザ放射を偏光する。ダイオードレーザ414に近い線形偏光器は、レーザ出力を減衰するために、偏光器378に対して部分的に「交差」させられている。ニュートラル・デンシティ・フィルタはさらにビームを減衰するので、CCDカメラ406に達するレーザ出力は、センサ356の較正にとって最適となる。素子418,420の正レンズおよび負レンズは、ダイオードレーザ出力を拡張し、視準された基準ビーム364を形成する。素子418,420の介在する開口は、最も均一な強度を有する、拡張ビームの中心部分だけを透過する。ミラー424は、装置300の寸法全体を減じるために設けられている。開口426は角膜平面と共役し、最大限拡瞳された眼によって再射出された波面354とほぼ同じ面積を、視準された基準ビーム364がマイクロレンズアレイ上412で照射するように構成されている。
一例として説明した本発明の実施例と併用するのに適した光学素子を、表1に例示する。装置300の電気的な構成素子の構成は図13に関連して示した。破線で示したボックス428は、これまで説明してきた素子を支持するプラットフォーム306を示す。コンピュータモニタ、キーボードおよびマウスを除いて、他のすべての電気的な素子は、光学テーブルの下に位置するフレーム内部に配置されている。ダイヤグラム中のスイッチは、図9に関連して前述したように、オペレータ/技術者がアクセスしやすいように、電子回路324のフロントパネル430にすべて配置されている。病院施設からの電力は絶縁変圧器によって引き出される。この絶縁変圧器は無停電電源装置(UPS)に給電する。UPSは、フレーム308内で支持された3つの電源ストリップに給電する。3つの電源ストリップと同様に、ホストコンピュータ326は自蔵式のオン/オフスイッチを有している。1つの電源ストリップ432はシャッタコントローラ434に給電する。シャッタコントローラは信号404と、それぞれ5VDCと9〜15VDCの両方の出力供給が可能な2つの2種給電部436と、ホストコンピュータ326と、コンピュータモニタ438と、第3の電源ストリップ440とを介して、プローブレーザシャッタ396に指令を送る。一方の2種給電部は、2つの患者照射ランプ336に5VDCの電力を供給し、ターゲット照射ランプ368に9VDCの電力を供給する。第2の2種給電部は、両ダイオードレーザ390,414に5VDCの電力を供給する。ユーザがアクセス可能な3位置スイッチ442は、センタスイッチ位置が「オフ」の状態で、システムオペレータ/技術者がプローブレーザ390または較正レーザ414に給電することを可能にする。
第3の電源ストリップ444がCCD電子コントローラ446に給電する。電源ストリップ440は、プラットホーム上のフレーム内に配置された冷却ファン448に給電する。
説明の便宜上、一例を挙げると、CCD制御電子回路434を作動状態にしたまま、オペレータ/技術者が先ず各電子素子を作動させることによって、装置300を起動させることができる。次いで、オペレータは3位置スイッチ442を介して較正レーザ414を作動させる。これに続いて、オペレータは較正波面測定値を求めるようにコンピュータ326に指令する。コンピュータ326がこの指令をCCD制御電子回路446に転送すると、この指令が所定の露光を行うようにCCDカメラ406を作動させる。CCD制御電子回路446はまた、図12に関連して上述したトリガ信号402,404を、プローブレーザ390およびプローブレーザシャッタ396に伝送する。但し、この時点ではプローブレーザ390は給電されていないから、プローブビーム350は供給されない。較正CCDデータがコンピュータ326のCPUに伝送され、後に行われる分析に備えて記憶される。較正が終了すると同時に較正レーザ414がスイッチオフされる。
説明の便宜上、一例を挙げると、CCD制御電子回路434を作動状態にしたまま、オペレータ/技術者が先ず各電子素子を作動させることによって、装置300を起動させることができる。次いで、オペレータは3位置スイッチ442を介して較正レーザ414を作動させる。これに続いて、オペレータは較正波面測定値を求めるようにコンピュータ326に指令する。コンピュータ326がこの指令をCCD制御電子回路446に転送すると、この指令が所定の露光を行うようにCCDカメラ406を作動させる。CCD制御電子回路446はまた、図12に関連して上述したトリガ信号402,404を、プローブレーザ390およびプローブレーザシャッタ396に伝送する。但し、この時点ではプローブレーザ390は給電されていないから、プローブビーム350は供給されない。較正CCDデータがコンピュータ326のCPUに伝送され、後に行われる分析に備えて記憶される。較正が終了すると同時に較正レーザ414がスイッチオフされる。
次いで、オペレータ/技術者は患者測定を開始する。2種電圧用電源回路436の出力スイッチ442をプローブレーザ設定の位置に合わせる。この時点で、プローブレーザ390は次のトリガ信号を待って作動する“待機”状態にある。次いでオペレータは、図9〜11に関連して上記したように、例えば、コンピュータモニタに表示されるビデオカメラ338からの画像に従って、患者を装置300内に正しく位置させる。患者を正しく位置させたら、オペレータは、図2−7に関連して上述したように、波面データを得るようコンピュータに指令する。コンピュータ326がCCD制御電子回路446にしかるべき指令を転送すると、この指令がプローブレーザ396をトリガして発射させ、シャッタ制御回路434をトリガしてプローブレーザシャッタ396を開放し、CCDカメラ406を露光させる。CCDカメラ画像データはコンピュータ326に返送される。コンピュータ326は、例えば、図8に関連して上述したような矯正手術に利用される患者波面プロフィルを算出するため、患者および較正データを分析するソフトウェアを含む。データ採取が完了したら、オペレータはCCD制御電子回路446から順次、電子回路の作動を停止させる。装置300に組み込まれるソフトウェアは、例えば、以下のことを含んでいて:技術者が患者情報の入力と記憶とに必要とされる操作、および所要の測定を行うことを可能にするグラフィカルユーザインターフエース(GUI);患者情報、測定値よびハードウェア動作状態の記憶およびトラッキングを可能にするデータベースおよびファイルシステムインターフェース;所要の測定を正確にかつ安全に行うために必要な電気光学的および電気機械的構成素子の制御;および患者の眼を測定して得られる収差(光路差)の数学的記述を作成するための測定データの処理である。このような収差の数学的記述は、例えば、最適屈折率手術処置を行う際にLADARVision(登録商標名)システムが利用でき、このシステムはサミット テクノロジー社(Summit Technology, Inc.)を親会社とするオートノマス テクノロジー社(Autonomous Technology Corporation)から入手可能である。
他の例として、患者測定および装置構造に関する情報がMicrosoft Access(商標名)7.0データベースにおける複数の表に記録されている。これに対する合法的なインターフェースは、マイクロソフト ジェット エンジン(Microsoft Jet Engine)に対するマイクロソフト ファウンデーション クラス(Microsoft Foundation Classes:MFC)ラッパに基づく。フレームワークはデータベース中の記録を作成、検索および更新するためのストラクチャードクエリーランゲージ(構造的問い合わせ言語)(SQL)を生成させる。データへのアクセスにマイクロソフトアクセスアプリケーションの使用は不要である。本発明の1つの実施例では、データベースに下記データを記憶することができる:患者情報‐氏名、アドレス、カルテ番号など;測定情報-幾何的形状、測定日時など;およびシステム情報‐ハードウェア通し番号およびキーハードウェアパラメータ。
また、パスワード保護モードと非パスワード保護モードの2つの動作レベルを有するソフトウェアを開発することもできる。パスワード保護モードでは、技術者/オペレータが、非パスワード保護モードからはアクセスできないシステムのセットアップおよび保守に必要なシステム構造情報および構成要件にアクセスする。患者に関するすべての記述項および測定可能性は非パスワード保護モードから入手することができる。個々の患者を詳細に識別し、トラッキングできるために必要なデータはすべてグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を介して入力され、マイクロソフトアクセスデータベースに記憶される。「患者データ」メニューアイテムを選択すると、データスクリーンに患者情報が表示され、技術者はこのスクリーンを利用して新しい患者データを入力したり、既存の情報を検索、編集することができる。記憶したり、検索したりできる患者データには、典型的に下記の項目が含まれる:氏名、アドレス、カルテ番号、生年月日、電話番号、性別、顕在性および調節麻痺屈折率、頂点距離およびセンタリング情報。
センタリング処置によって測定され、患者記録の一部として記憶されるセンタリング情報は、角膜縁の中心に対する収斂瞳孔の中心位置を表す。この情報は、測定のために患者を整列させる、即ち、患者の視線を装置300の光軸342と整列させるのに利用される。センタリング処置を行う際には、装置300と併用されるデータベースに記入されてはいるが、センタリング処置を受けたことのないすべての患者の一覧表が表示される。モニターはセンタリング処置に関する情報を含むすべての患者情報または所与の期間に入力された患者情報を表示する。所与の患者および眼に対してセンタリングを行うためには、マウスで所要の患者および眼をクリックすることによって該当の患者を選択する。図14を参照してセンタリング処置の1例を説明する。患者を選択したら、図12に関連して上述したように、装置300の固視用ターゲット366を見詰めるように患者を指導する。
既に述べたように、患者302が装置300の光軸342に視線を一致させることができるように、固視用ターゲット366を利用する。視線を確実に固定するには、ターゲットが鮮明に見えることが必要である。しかし、ターゲットに眼を凝らす時に、患者が調節しようとしないように配慮しなければならない。調節しようとすれば、ターゲットが患者の無限遠焦点面よりも光学的に近い位置にあるかのような結果となる。患者が調節すると、即ち、眼球の水晶体が形状を変えて合焦度を高めようとすると、波面測定中、眼球が極度の近視であるかのような状態となる。この事態を回避するため、ターゲットが患者の遠視野焦点よりも光学的にやや遠い位置に来るように、固視用ターゲット光学系を調節する。即ち、個々の患者にとって、ターゲットは比較的はっきりと見えるもののシャープな合焦状態ではないということになる。最初、患者は画像の鮮明度を高めるため調節しようとするが、結局は最もリラックスした(非調節)状態でこそ画像が最も鮮明に見えることに気づく。この技術がいわゆる“雲霧法(fogging)”であり、臨床評価の際に検眼士が行う手法である。測定時に眼球を拡張するのに使用される点眼液も、水晶体の調節能力を抑制することによって、有効な波面測定を可能にする。
図14に示すように、患者の眼の画像をフリーズする。2組の網線450、452を使用して、収斂瞳孔および角膜縁のそれぞれの中心454、456を位置検知する。一方の網線450が収斂瞳孔458の周界に重なり、他方の網線452が角膜縁460に重なるように各網線450、452を移動させ、かつサイズ設定すればよい。中心位置が正しく検知されたら、その情報をデータベースに記憶させる。所要人数の患者に対してこの処置を行ってから、センタリング処置を開始する。
眼球の屈折率誤差の測定およびこれに対応する光路差の算出における幾つかの手順を、図15を参照しながら説明する。例えば、基準測定462を行う手順が含まれる。眼球120の測定値を比較すると共に装置300の整列状態をチェックするため、図12に関連して上述したように、視準レーザ光364を使用して基準測定を行う。オペレータはソフトウェアに従って1日の初めに少なくとも1回の基準測定を行い、1日の終わりにもう1回行う。さらなる基準測定が、必要に応じてオペレータにより行なわれる。患者測定を行う際には、データベース中の測定記録が、どの基準測定値がそれぞれの測定値と対応するか、即ち、どの基準画像が測定前の最新画像と対応するかを識別する。サンプル基準画像を視認するためには、「基準測定実施(Perform Reference Measurement)」スクリーンを設ければよい。
次のステップは、測定すべき患者および眼球を選択するステップ464である。測定すべき患者および眼球は“患者選択”ダイアログスクリーンから選択すれば良い。その患者にセンタリング処置を行ったことがあるかどうかを示すチェックマークと一緒にすべての患者が表示されねばならない。センタリング処置を受けたことのない患者が選択された場合、オペレータはこのことを知らされ、測定を行うことはできない。センタリング処置を受けた患者/眼球が選択された場合、オペレータが測定の実施とチェックに必要なGUIボタンを含む測定実施ダイアログが表示される。
次のステップは、ビデオカメラおよび網線を利用して眼球を整列させるステップ466である。測定を行う前に、眼球の視線が光軸342とできる限り正確に整列するように装置300を操作する。収縮瞳孔454の中心を、視線に対する凡その解剖学的標識点として使用する。測定の際に眼球120が拡張すると、この中心を直接検出することはできない。しかし、各患者に対して行うセンタリング処置が角膜縁460に対する収斂瞳孔454の中心を画定するから、角膜縁の位置を利用することによって眼球120を所要の位置に位置決めすることができる。
図16から明らかなように、眼球120の角膜縁460が網線468と整列した状態で眼球120が所要の位置に来るように、適当な量だけ光軸からずれた位置にこの網線468が表示される。患者が固視用ターゲット366を見詰めている間、角膜縁460が網線468と整列するように患者を適正に位置決めするのがオペレータの責任である。
次いで、測定を行う。眼球120を正しく整列させたら、オペレータは“取得”ボタンを押すことによって患者の眼の波面測定を行う。システムは取得指令に対して下記のように応答する:
1.ビデオ画像をフリーズする
2.プローブビームレーザを作動させる
3.プローブビームが眼球に到達できるように外部シャッタを開く
4.CCDシャッタが開き、CCDが再射出波面に対して露光される(1−4が同時に行われるのが普通である)
5.CCDシャッタが閉じ、露光が完了する
6.CCDデータがコンピュータに伝送される
7.外部シャッタが閉じ、プローブビームがターンオフされる
ソフトウェアは引き続きCCD電子回路の状態およびカメラの温度をチェックし、すべてが正常に作用している場合にだけ測定が可能となる。
1.ビデオ画像をフリーズする
2.プローブビームレーザを作動させる
3.プローブビームが眼球に到達できるように外部シャッタを開く
4.CCDシャッタが開き、CCDが再射出波面に対して露光される(1−4が同時に行われるのが普通である)
5.CCDシャッタが閉じ、露光が完了する
6.CCDデータがコンピュータに伝送される
7.外部シャッタが閉じ、プローブビームがターンオフされる
ソフトウェアは引き続きCCD電子回路の状態およびカメラの温度をチェックし、すべてが正常に作用している場合にだけ測定が可能となる。
眼球と装置との幾何的関係は適正と認められるか、または拒絶される472。眼球120が光軸342と完全に整列する必要はないが(些細な不整合はソフトウェアによって補正される)、できるだけ正確に整合することが望ましい。眼球120を測定前に整列させても、制御不能な眼球運動(例えば、ピクつきや固視の乱れ)が露光時に整列を最適でない状態にする恐れがある。整列が適正であることをチェックするため、測定時に眼球のビデオ画像をフリーズする。オペレータは網線を角膜縁と整列させ、GUIの“幾何的関係チェック”ボタンを押す。整列が不適格であることをソフトウェアが判断すると、オペレータはこれを知らされ、必要に応じてあらためて露光が行われる。例えば、図17から明らかなように、適正な測定では、角膜縁460が円Bと整合する。実際には、眼球120は露光中に位置ずれしており、角膜縁460は円Aと整合状態にあった。これら2つの状態の差をA’B’で表す。A’B’の長さに基づいて、画像の合否をソフトウェアが判断する。
オペレータが眼球の回転状態を記録するのもこの時点においてである。波面測定に先立ち、図18に示すように角膜周縁に「X」パターン474に配列された4本の線分474から成るパターンを、機械的計器を利用して眼球に配置する。パターン476は互いに45°の角度で交差する2対の共線的線分474から成る。各線分474は長さが4mm、共線的線分は7mmだけ分離している。フリーズ状態のビデオ画像では、角膜リング網線が実際の角膜縁と整列すると同時に、このパターンと一致するX網線がフリーズ状態画像中のアイマークと整列する。配向情報が角膜縁位置情報と一緒にソフトウェアによって記憶される。
次のステップとして、図15に示すように、CCD画像を処理し、採用、記憶または拒絶される478。測定の幾何的条件が適性なら、CCD画像の品質は高いと考えられる。しかし、果たして高いかどうかをチェックすることが望ましい。ソフトウェアは画像を処理し、オペレータが検討するためのオートスケールされた画像を提供する。画像が適正でないとソフトウェアが判断すると、オペレータがこれを知らされ、あらためて露光が行われる。何らかの理由で画像が不適格であるとユーザが判断した場合、この段階で画像を手動で拒絶することができる。不適格な画像の例を図19に示す。この例では、画像の大部分が不鮮明であり、瞳孔の一部だけの波面データしか得られない。ここで不適格というのは、本発明の手術処置に望まれる正確な測定結果をもたらす画像とは考えられないということを意味する。但し、いかなる意味でも利用できないということではない。
有効な測定が行われたら、等式を参照して上述したように、波面130の局部勾配を測定するのが次のステップ480である。ソフトウェアは図4−6に関連して述べたように、CCDアレイ38における光束116を計算し、対応の基準セントロイド29からこのセントロイド116のそれぞれまでの距離を求めねばならない。セントロイドは、どの画素を処理すべきかを先ず計算し、これらをまとめてクラスタとすることによって得られる。次いで、各クラスタの強度重み付けセントロイドを算出する。図20に示すように、クラスタ484の計算されたセントロイド482を「X」でマークした近視眼からの画像の例を示す。図21はクラスタ484の1つの拡大図であり、セントロイド482だけでなく、クラスタ484のためのセントロイド循環に使用される画素486をも示す。セントロイドアルゴリズムで処理されるCCD画素488をドットでマークしてある。このアルゴリズムは、例えば、CCD画像のノイズを発生させる迷光信号を除去する空間フィルタを使用することによってセントロイドを分離する。光束位置を算出前にこのようなフィルタリングを行うことが望ましい。
フィルタリングを怠ると、画像のノイズが原因となってクラスタのセントロイドが困難に成り、下記の問題を生ずる:実データを含まない個々の画素が該当データを含む画素よりも明るくなり、画像のくもりが、隣接画素とは明るさが著しく異なる不規則なプロフィルを有する有効データクラスタを生み、ヘーズまたはバックノイズが実データよりも高いか、または画像全体にわたって不均一となり、有効データの強度が画像全体にわたって不均一になり、眼球の異なる部分からの散乱が画像のスプリアス信号を生み、眼球の高い偏差が有効データのクラスタを著しく歪曲させるおそれがある。空間フィルタは周囲の画素を考慮する重み付け平均化技術を利用してビットマップ中の各画素の明るさを計算し直すことを可能にする。特定の実施例においては、有効データに中心合わせされると最大値を出力し、個々の明るい画素またはその小グループの作用を低下させ、有効プロフィルを平滑化し、バックグラウンドノイズまたはヘーズからの有効データ抽出を容易にするように構成されている。本発明の1つの実施例に採用されるフィルタは正方形(nxn)であり、各画素に割り当てられた実数値(正および負)を含む。このフィルタは高く、しかし測定可能な収差レベルを有する眼球から得られる画像と最適にマッチするように構成されている。例えば、フィルタの断面を図23Aに示す。このようなフィルタを利用することの効果として、図23Bに示すような画像を図20に示すような画像に、例えば、クラスタセントロイドの識別および算出ができ、画像を鮮明にする。フィルタを採用することにより、採用しなければノイズを伴い、処理し難い品質であろうと思われる画像を処理し、所要の波面情報を計算することができる。
各セントロイドの中心は明るさに基づく標準的重心アルゴリズムを利用して計算する。図22には、対応の基準セントロイド490位置と共にクラスタおよびセントロイドを示す。同図の中抜き円は基準セントロイドの位置を示す。線分はこれらを連携のサンプルセントロイド482と結ぶ。基準および測定セントロイド490,482間の距離と、図6に関連して述べたレンズアレイ33およびCCD平面36間の距離から、局部傾斜を計算する。これらの局部傾斜と、倍率などのような装置設定情報が得られると、瞳孔平面における局部傾斜を、さらに被測定眼球の光路差を算出することができる。
次に、波面の記述(492)を行う。既に述べたように、再構成波面は一連のゼルニケ多項式で表される。眼球120の局部傾斜測定箇所数(即ち、サンプルポイント数)は波面を記述する多項式中の項数よりもはるかに多い。表面を正確に記述する係数を見つけるため、最小二乗フィット計算を行う。使用される多項式の次数は、球・円柱屈折力(2次)だけでなく、コマ(3次)レベルおよび球面収差(4次)をも記述することができる。
眼球に関して計算されたゼルニケ係数および対応の波面再構成493の例を図24Aに示す。図24Aに示す波面の場合、波面から計算された球・円柱屈折力は−1.60/−1.13x150.4である。フォロプタ検査を行う検眼士によって得られる対応値は(角膜平面に換算して)−1.47/−1.19x150であった。球・円柱屈折力の標準測定値はその計算値とほぼ一致するが、高度の収差も存在する。図24Bは図24Aと同じ大きさでこの高度の収差495を示す。
光路差(OPD)に関しては、屈折率差(角膜−空気)による光路差プロフィルOPD(x,y)を計量するだけでは正しいアブレーションプロフィルを計算することはできない。本発明は、説明の便宜上誇張して図25に示すように、角膜に対して接線方向の平面において波面測定を行いながら、湾曲角膜表面に対する治療を可能にする。波面光路の結像平面は小レンズアレイプレートである。波面光路の物体平面は基準平面494である。この著しく誇張された近視の場合、眼球120の横方向位置aから射出する光線496は横方向位置bにおいて検出される。センサーデータから再構成された波面は位置bにおいてこの光線の傾斜を有する。このことは基準平面494における波面についても同様であるが、この波面を測定するだけで角膜位置bにおいてアブレーション治療を行うとすれば、不完全な結果に終わるであろう。即ち、治療効果は小さい。角膜の曲率半径は典型的には7.5mm程度(大抵の眼球では7〜8mm)である。角膜頂点から横方向3mmの位置においては、角膜表面から基準表面までの距離は〜0.63μmに過ぎない。10ジオプター近視の場合、a=3.0mmにおいて角膜から射出する光線はb=2.98mmにおいて基準平面と交差する。この例における、aとbとの差は20μmに過ぎない。このように微少な幾何的影響なら矯正可能であるが、角膜頂点からの半径方向距離が増大するに従って測定値にたいする影響が次第に大きくなる。治療プロフィルの精度を高めるには、下記のように湾曲形状に対する補正を行えばよい:
1.基準平面における各測定点で波面傾斜を計算する。
2.角膜が公称曲率半径(〜7.5mm)を有すると想定する。
3.基準平面で測定された波面傾斜を、公称湾曲角膜に投影する。上記基準平面の位置bにおいて或る傾斜を有するように波面を測定する。全く数学的な処理によって、光線が角膜から射出する点aを算出する。
4.算出された角膜位置において測定された傾斜に基づいて波面を再構成する。この波面をアブレーションプロフィルの決定に利用する。
1.基準平面における各測定点で波面傾斜を計算する。
2.角膜が公称曲率半径(〜7.5mm)を有すると想定する。
3.基準平面で測定された波面傾斜を、公称湾曲角膜に投影する。上記基準平面の位置bにおいて或る傾斜を有するように波面を測定する。全く数学的な処理によって、光線が角膜から射出する点aを算出する。
4.算出された角膜位置において測定された傾斜に基づいて波面を再構成する。この波面をアブレーションプロフィルの決定に利用する。
上述のように、波面測定に際しては、患者を装置300に対して正しく位置決めする。測定すべき眼球120は正しい位置にあって、適正な方向を向く。眼球位置決めの許容誤差分析に基づき、本発明のこの実施例装置300は下記のような患者位置情報を提供する:
被検眼球は+/−1mmの精度で装置の長手方向(z)軸に沿った正しい位置を占めることができる。
被検眼球を+/−1mmの精度で装置に対して側方に(即ち、x−y方向に)正しく位置させることができる。
被検眼球を+/−0.5°の精度で装置に対して斜めに(即ち、視線と装置光軸とが角度を形成するように)正しく位置させることができる。
+/−1°の精度でスクリーン上の網線を角膜縁の外側に配した一連のマークと整列させることによって、装置に対する眼球の回転方向(即ち、zを中心とする回転方向)を記録することができる。
被検眼球は+/−1mmの精度で装置の長手方向(z)軸に沿った正しい位置を占めることができる。
被検眼球を+/−1mmの精度で装置に対して側方に(即ち、x−y方向に)正しく位置させることができる。
被検眼球を+/−0.5°の精度で装置に対して斜めに(即ち、視線と装置光軸とが角度を形成するように)正しく位置させることができる。
+/−1°の精度でスクリーン上の網線を角膜縁の外側に配した一連のマークと整列させることによって、装置に対する眼球の回転方向(即ち、zを中心とする回転方向)を記録することができる。
患者の位置決めが完了したら、波面感知技術によって眼球を有効に検査することができる。ことができる。実施例の装置は、予想される屈折率誤差範囲にわたって眼球を測定するのに充分なダイナミックレンジを有する。しかも、この装置は複雑な収差を検出し、アブレーション治療の基礎となるのに充分な精度でこの収差を検出する。
下記のリストは、例えば、本発明の装置によって得られる臨床波面測定に関する範囲および精度パラメータを示す。但し、このリストは説明のためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
1.球面屈折度は+6〜−15ジオプターの範囲で、円柱屈折度は0〜−6ジオプターの範囲で、波面を測定できる。
2.コマおよび球面収差を測定できる。
3.8mm径までの瞳孔ゾーンにおいて屈折誤差を測定できる。
4.空気中0.042μmRMSまでの精度範囲内で屈折誤差をそくていできる。
1.球面屈折度は+6〜−15ジオプターの範囲で、円柱屈折度は0〜−6ジオプターの範囲で、波面を測定できる。
2.コマおよび球面収差を測定できる。
3.8mm径までの瞳孔ゾーンにおいて屈折誤差を測定できる。
4.空気中0.042μmRMSまでの精度範囲内で屈折誤差をそくていできる。
ショットパターンの計算はLADARVision(登録商標名)によって行う。上記のように算出されるゼルニケ係数が、他のすべての測定および患者情報と共にLADARVision(登録商標名)に組み込まれ、LADARVision(登録商標名)システムパラメータと併用されて、ショットの最適数および最適位置が算出される。
治療レーザスポットパターンの算出を目的とする本発明の1つの実施例は、角膜表面上のアブレーション有効性分布を含む。この実施例は手術後の収差を極力小さくするように、屈折手術アブレーションプロフィルを最適化する。1つの治療プロフィルでは、手術前収差の情報を上回る情報を考慮に入れる。波面測定装置の使用が従来のエクシマーアブレーションプロフィルに関する知見を広げたことはいうまでもない。レーザ手術の前後に複数の患者を分析した結果、レーザアブレーション効果が半径方向に対称的に減衰するというモデルが得られた。本発明の1つの実施例はこの減衰関数に対処する。図26Aおよび26Bに示すように、レーザアブレーションを利用して意図した角膜奥部の変化と、達成された変化との間には相違がある。図26Aは近視眼球に対する手術の目標プロフィルと達成プロフィルを示し、図26Bは遠視眼球に対する手術の目標プロフィルと達成プロフィルを示す。図26Aおよび26Bのアブレーション深度と標準化ラジアルプロフィルとの関係グラフは複数の手術の分析結果を表している。ラジアル位置とは無関係な一定の減衰が観察された。この減衰がゼロの例もある。また、減衰関数は半径方向に対称であることも判明した。この関数は下記等式で表すことができる:
アブレーション効率(ρ)=A{1+Bρ2+Cρ2}
但し、ρは標準化ラジアル位置であり、A,B、およびCは減衰関数を表す係数である。減衰関数は、例えば、図26Cのグラフで表すことができる。そこで、本発明の実施例では、従来知られていなかった効率または減衰関数を取り入れて、所期の成果が得られるように治療プロフィルを変更する。例えば、角膜奥部における所要の変化(例えば、公称アブレーションプロフィル)を減衰関数で除算することによって達成できる。即ち、新しいプロフィルが得られ、アブレーションを行った結果、所要のプロフィルが得られることになる。1つのアプローチとして、アブレーションプロフィルを表す上述のゼルニケ多項式を算出し、これを減衰関数で除算することにより、アブレーションレーザシステムと併用すべきアブレーションプロフィルを表す変更ゼルニケ多項式を算出する。例えば、PDESIREDが所期の角膜奥部変化(即ち、達成アブレーションプロフィル)、PINPUTがアブレーションレーザシステムに入力すべきプロフィルをそれぞれ表すとして、PINPUTは下記のように定義することができる:
PINPUT(ρ、θ)=PDESIRED÷A{1+Bρ2+Cρ4}
アブレーション効率(ρ)=A{1+Bρ2+Cρ2}
但し、ρは標準化ラジアル位置であり、A,B、およびCは減衰関数を表す係数である。減衰関数は、例えば、図26Cのグラフで表すことができる。そこで、本発明の実施例では、従来知られていなかった効率または減衰関数を取り入れて、所期の成果が得られるように治療プロフィルを変更する。例えば、角膜奥部における所要の変化(例えば、公称アブレーションプロフィル)を減衰関数で除算することによって達成できる。即ち、新しいプロフィルが得られ、アブレーションを行った結果、所要のプロフィルが得られることになる。1つのアプローチとして、アブレーションプロフィルを表す上述のゼルニケ多項式を算出し、これを減衰関数で除算することにより、アブレーションレーザシステムと併用すべきアブレーションプロフィルを表す変更ゼルニケ多項式を算出する。例えば、PDESIREDが所期の角膜奥部変化(即ち、達成アブレーションプロフィル)、PINPUTがアブレーションレーザシステムに入力すべきプロフィルをそれぞれ表すとして、PINPUTは下記のように定義することができる:
PINPUT(ρ、θ)=PDESIRED÷A{1+Bρ2+Cρ4}
図6において、波面アナライザ26からの出力、例えば、等式(19)のゼルニケ拡張は種々の方法で利用することができる。例えば、眼科治療の経過または効果を連続的または周期的にモニタするのにこの出力を利用することができ、これをe−メールなどを介して伝送したり、ディスクに記憶させたりすることができる。また、眼球の測定およびこれに基づく手術は同じ場所で行わなくてもよい。出力は眼球120の光学的矯正法の開発にも利用できる。光学的矯正により、収差のある波面130がほぼ平坦な波面110の様相を呈する。既に述べたように、光学的矯正は種々の形で行うことができる。いずれの場合にも、波面アナライザ26の出力がプロセッサ90に入力され、プロッセサは等式(19)のゼルニケ拡張を光学的矯正の実行に適した形に変換する。あるいはまた、図6に関連して上述したように、プロセッサ90を波面アナライザ26のプロセッサ40で兼ねてもよい。
等式(19)の拡張からあらかじめ選択されたゼルニケ係数とプロセッサ90とを併用することによって、レンズグラインダ92のための標準球・円柱矯正値を求め、光学レンズ、例えば、めがねレンズ、コンタクトレンズなどを製造することができる。
本発明の1つの実施例では、プロセッサ90は、角膜126の屈折率−空気の屈折率、即ち、1によって、収差のある波面130のゼルニケ再構成に手を加え、角膜126のそれぞれ対応の位置(x,y)でアブレーション手術すべき角膜質の量を計算する。角膜質の量に関するこの情報を、典型的にはアイトラッキング能力を有するレーザビーム発射システム94と併用することができる。アイトラッカーを含むレーザビーム発射システム94は、図7に示すように、装置11の光軸と整列するように配置する。アイトラッカー部の作用下に装置11は不要な眼球運動に応答することができる。システム94は典型的にはアブレーション用レーザ光のショートパルスまたは「ショット」を角膜126に集束させて各位置における角膜質を所定厚さtだけ切除する。これを略示するのが図8であり、角膜126の未矯正面を126A,アブレーション後の矯正済みの面を126Bでそれぞれ示した。本発明では、アブレーション厚さtは測定される角膜の孔、例えば、眼球測定中の瞳孔拡張に合わせた6mmの孔における厚さである。所定の治療用円孔の外側に部分アブレーションされたテーパ過渡域を設けることによって角膜湾曲の極端な変化を極力防止し、退行を軽減することができる。レーザビーム発射システム94は厚さtを切除することによって光学的矯正を達成し、その結果、矯正された角膜表面126Bが得られる。なお、光学的矯正は究極的な角膜トポグラフィとは無関係であり、角膜質を切除することによって、眼球120のあらゆる視覚収差を考慮に入れた光学的矯正を達成する。視覚は角膜湾曲以外の多様な要因にも左右されるから、角膜表面の形状は矯正値とは関係ない場合もあるだけに、このことは重要である。従って、最適視覚を保証する最善の角膜表面というものは存在せず、眼球の他の表面の誤差を補償できるということである。即ち、本発明はコンベンショナルな球および/円柱矯正とは異なる角膜表面矯正を提供するものである。
図12との関連で説明したように、本発明の装置300は第1および第2無焦点中継段358,360を含む。波面の範囲を広く取ることの有益性を保つため、屈折率誤差の大きい患者にも適応できるように波面センサ356のダイナミックレンジを広げる手段として、他方、波面傾斜データを記録するための、フォーマットの小さい低コストのカメラを組み込むことができる手段として、装置300とは異なる態様の、図27Aに示す装置500を提供する。
例えば、レンズアレイを図27Bに示すように配置、構成してもよく、その場合、図12の装置300の一部は光軸342中に第1および第2無焦点段358,360を含み、波面センサ356は図6に関連して既に述べたように一定距離だけ互いに離間するマイクロレンズアレイおよびCCDカメラから成る。無焦点中継段を通るこの光路はマイクロレンズアレイに、即ち、実際の波面センサ356の入射面に角膜平面502の像を結ぶ。この結像は単一の無焦点段によって達成できる。図12に関連して述べたように、装置300は挿入点としての中間結像平面と、トライアルレンズのためのホルダ408を含む。理論上は、第1結像面において光軸342に球面レンズを配置することで、焦点ずれした波面誤差を排除することができる。その結果として、装置300のダイナミックレンジを広げることができるかもしれない。しかし、反復的に極めて高い精度で第1結像面にレンズを位置決めできる可動機構にトライアルレンズが接近する。従って、ダイナミックレンジに関して新たな手段を開発することが必要である。
これを達成するための1つの方法として、上記無焦点段360により、マイクロレンズアレイにおいて角膜平面像を拡大する。波面の拡大は波面傾斜を小さくするから、CCD上の集束光スポットの変位が少なくなる。装置300の第2無焦点段360と併用される倍率は約1.2であり、所要の屈折誤差をカバーするのに充分である。装置300の使用範囲を広げるには1.5以上の倍率が望ましい。しかし、角膜平面を拡大するだけでは孔の大きい波面センサが必要になるという難点がある。即ち、レンズアレイもCCDカメラも、拡大された平面部分をカバーできる大きい断面積を備えることが必要となる。このことはレンズアレイにとって大した問題ではない。しかし、大判のCCDカメラは極めて高価であり、限られた数のメーカーからしか入手できない。
この問題を解決するため、図27Aに示すような改良装置500を提供する。角膜平面502はこれを所定の量だけ拡大する無焦点段506を介して基準平面504に結像される。小レンズアレイ412を基準平面504に配置する。眼球120からの光線の集束スポットが小レンズアレイ焦点面504に形成される。CCD検出器を基準平面504に対面させるのではなく、光学素子列508を挿入することによって、CCD検出器が対面している別の平面、即ち、最終結像面510にアレイ焦点面413を結像させる。図12および27Bに関連して述べた無焦点中継段358,360は必ずしも設ける必要はない。但し、最終結像面510におけるアレイ焦点面は拡大させる。これにより、波面センサにおける受光素子として小型の、比較的安価な、有効面積を備えたカメラを使用することが可能になる。倍率など、光学的構成の細部は、所与のカメラおよびレンズアレイ仕様で最大限の性能が得られるように調整することができる。
本発明の利点は多様である。眼の収差を測定するための完全に客観的なアプローチを提示する。このアプローチは広範囲の視覚異常に対して有効である。従って、本発明は広範囲の臨床目的に極めて有用である。例えば、算出されたゼルニケ係数を、完全に客観的なレンズ処方またはレーザアブレーションで達成可能な角膜矯正の開発に応用できる。さらにまた、いずれの波面センサ実施例も、波面偏向に関して公知技術よりもはるかに高い精度を可能にする。また、本発明のセンサは、センサの結像平面と光感セルのアレイ平面との間の離間距離を調節することによって、ゲインを簡単に調節することができる。
本発明の客観的測定は、「患者」がコンベンショナルな眼の診断において要求されるフィードバックを提供できないような種々の応用範囲に極めて有用である。例えば、本発明を利用して、幼児、動物、死亡状態の被検体、構成された光学系などのように明確なコミンュケーション能力のない患者の眼を評価するのに利用できる。なぜなら、本発明は「被検体」からの分析を必要としない客観的分析だからである。必要なのは眼に対する正しい光学的アクセスが得られるように被検体の眼を正しく位置決めすることだけである。
本発明は、ゼルニケ係数が個々の眼に固有であることが立証されれば、識別の領域にも応用されるであろう。また、本発明は積極的な識別が望ましい法の施行、クレジットカード/バンクセキュリティなどの分野に極めて有用であろう。
特定の実施例に基づいて本発明を以上に説明したが、当業者には明らかなように、多様な変更や改良を加えることができる。従って、後記する請求の範囲を逸脱しない限り、上述した以外の態様で本発明を実施することができる。
10 装置
26 波面アナライザ
28 波面センサ装置
30 胞球トラッカ
40 プロセッサ
42 位置決め装置
26 波面アナライザ
28 波面センサ装置
30 胞球トラッカ
40 プロセッサ
42 位置決め装置
Claims (3)
- 眼の視力欠陥を矯正するための光学的矯正装置(300)において、該光学矯正装置が:
光学放射ビームを発生させるためのエネルギー源と;
ビームを眼(120)を通して案内するために、ビーム光路内に配置された集束光学素子であって、ビームが、眼から射出する放射の波面(130)として、眼の網膜から反射されて戻されるようになっている集束光学素子と;
平面波(110)と波面との間の光路差を検出するために、眼の角膜(126)から射出する波面光路内に配置された波面アナライザ(26)と;
光学的矯正を行なうためのアブレーションプロフィールを提供するプロセッサ(40,90)と;を具備していて、
前記プロセッサ(40,90)が:
測定された光路差からアブレーションプロフィールを算出するための算出手段と;
湾曲した角膜形状のためにレーザアブレーションの有効性分布を補償するべく、半径方向に対称な減衰函数を前記算出されたアブレーションプロフィールに適用するための演算手段と;を備えており、
前記半径方向に対称な減衰函数が:
式 A{1+Bρ2 +Cρ4 }(但し、ρは標準化ラジアル位置であり、A,B、およびCは減衰函数を表わす実験的に求められた係数)で表わされる、
眼の視力欠陥を矯正するための光学的矯正装置。 - 前記演算手段は、前記アブレーションプロフィールを前記減衰函数により除算するようになっている、請求項1に記載の光学的矯正装置。
- 前記プロセッサが、さらにアブレーションプロフィールを表わすゼルニケ多項式を算出する手段を備えていて、前記適用するための手段が前記ゼルニケ多項式を前記減衰函数で除算する手段を備えている、請求項1に記載の光学的矯正装置。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US56666800A | 2000-05-08 | 2000-05-08 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001581679A Division JP2003532476A (ja) | 2000-05-08 | 2001-05-03 | 波面分析を用いた、光学系の客観的な測定および矯正のための装置および方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008149164A true JP2008149164A (ja) | 2008-07-03 |
Family
ID=24263884
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001581679A Withdrawn JP2003532476A (ja) | 2000-05-08 | 2001-05-03 | 波面分析を用いた、光学系の客観的な測定および矯正のための装置および方法 |
JP2008055117A Pending JP2008149164A (ja) | 2000-05-08 | 2008-03-05 | 波面分析を用いた、光学系の客観的な測定および矯正のための装置および方法 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001581679A Withdrawn JP2003532476A (ja) | 2000-05-08 | 2001-05-03 | 波面分析を用いた、光学系の客観的な測定および矯正のための装置および方法 |
Country Status (12)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP1210003B1 (ja) |
JP (2) | JP2003532476A (ja) |
AT (1) | ATE272355T1 (ja) |
AU (1) | AU7481601A (ja) |
BR (1) | BR0106431A (ja) |
CA (1) | CA2376111C (ja) |
DE (1) | DE60104633T2 (ja) |
DK (1) | DK1210003T3 (ja) |
ES (1) | ES2223874T3 (ja) |
MX (1) | MXPA01013365A (ja) |
PT (1) | PT1210003E (ja) |
WO (1) | WO2001085016A2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016511652A (ja) * | 2013-01-28 | 2016-04-21 | ノバルティス アーゲー | 角膜架橋用装置 |
JP2018149324A (ja) * | 2013-03-13 | 2018-09-27 | オプティメディカ・コーポレイションOptimedica Corporation | レーザ手術システム |
US10470932B2 (en) | 2013-03-13 | 2019-11-12 | Optimedica Corporation | Free floating patient interface for laser surgery system |
Families Citing this family (26)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19938203A1 (de) | 1999-08-11 | 2001-02-15 | Aesculap Meditec Gmbh | Verfahren und Vorrichtung zur Korrektur von Sehfehlern des menschlichen Auges |
KR100603543B1 (ko) | 1999-10-21 | 2006-07-24 | 테크노라스 게엠베하 옵탈몰로지쉐 시스템 | 광학 치료용 홍체 인식 및 추적 |
EP2008576B1 (en) * | 2001-03-15 | 2011-05-11 | AMO WaveFront Sciences, LLC | Topographic wavefront analysis system and method of mapping an optical system |
US6582079B2 (en) | 2001-06-05 | 2003-06-24 | Metrologic Instruments, Inc. | Modular adaptive optical subsystem for integration with a fundus camera body and CCD camera unit and improved fundus camera employing same |
US6595642B2 (en) | 2001-08-31 | 2003-07-22 | Adaptive Optics Associates, Inc. | Ophthalmic instrument having Hartmann wavefront sensor with extended source |
CN100442006C (zh) | 2002-05-30 | 2008-12-10 | 维思克斯公司 | 跟踪扭转的眼睛的方向和位置 |
US7320517B2 (en) | 2002-12-06 | 2008-01-22 | Visx, Incorporated | Compound modulation transfer function for laser surgery and other optical applications |
US8342686B2 (en) | 2002-12-06 | 2013-01-01 | Amo Manufacturing Usa, Llc. | Compound modulation transfer function for laser surgery and other optical applications |
DE10314944A1 (de) | 2003-04-02 | 2004-10-14 | Carl Zeiss Meditec Ag | Beleuchtungs- und Bestrahlungseinheit für ophthalmologische Geräte |
US7458683B2 (en) | 2003-06-16 | 2008-12-02 | Amo Manufacturing Usa, Llc | Methods and devices for registering optical measurement datasets of an optical system |
US7175278B2 (en) * | 2003-06-20 | 2007-02-13 | Visx, Inc. | Wavefront reconstruction using fourier transformation and direct integration |
US7226443B1 (en) * | 2003-11-07 | 2007-06-05 | Alcon Refractivehorizons, Inc. | Optimization of ablation correction of an optical system and associated methods |
US7343099B2 (en) | 2004-02-12 | 2008-03-11 | Metrologic Instruments, Inc. | Free space optical (FSO) laser communication system employing fade mitigation measures based on laser beam speckle tracking and locking principles |
US7481536B2 (en) | 2004-02-19 | 2009-01-27 | Amo Manufacturing Usa, Llc | Methods and systems for differentiating left and right eye images |
US7296893B2 (en) * | 2004-03-03 | 2007-11-20 | Visx, Incorporated | Transformation methods of wavefront maps from one vertex distance to another |
US7547102B2 (en) | 2004-03-03 | 2009-06-16 | Amo Manufacturing Usa, Llc | Wavefront propagation from one plane to another |
EP3269296A1 (en) | 2008-12-01 | 2018-01-17 | Perfect Vision Technology (HK) Ltd. | Methods and devices for refractive correction of eyes |
RU2015121427A (ru) * | 2012-11-07 | 2016-12-27 | Клэрити Медикал Системз, Инк. | Устройство и способ для работы последовательного датчика волнового фронта большого диоптрийного диапазона реального времени |
AU2014354762B2 (en) | 2013-11-26 | 2019-03-07 | Johnson & Johnson Surgical Vision, Inc. | System and method for measuring dysphotopsia |
CN104398236B (zh) * | 2014-12-17 | 2015-12-16 | 天津市索维电子技术有限公司 | 一种大视场眼底成像装置 |
WO2018078439A2 (en) | 2016-10-25 | 2018-05-03 | Amo Groningen B.V. | Realistic eye models to design and evaluate intraocular lenses for a large field of view |
US10739227B2 (en) | 2017-03-23 | 2020-08-11 | Johnson & Johnson Surgical Vision, Inc. | Methods and systems for measuring image quality |
US11282605B2 (en) | 2017-11-30 | 2022-03-22 | Amo Groningen B.V. | Intraocular lenses that improve post-surgical spectacle independent and methods of manufacturing thereof |
US10864075B2 (en) | 2017-12-31 | 2020-12-15 | Rxsight, Inc. | Intraocular lens visualization and tracking system |
CN112905952A (zh) * | 2021-02-09 | 2021-06-04 | 南京信息工程大学 | 一种用于任意孔径光学元件波前梯度数据重构方法 |
WO2023074579A1 (ja) * | 2021-10-27 | 2023-05-04 | 株式会社ニデック | 眼屈折測定装置、および眼屈折測定プログラム |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998053881A1 (en) * | 1997-05-27 | 1998-12-03 | Visx, Incorporated | Systems and methods for imaging corneal profiles |
JPH1172312A (ja) * | 1997-08-28 | 1999-03-16 | Asahi Optical Co Ltd | 面形状測定装置 |
WO1999027334A1 (en) * | 1997-11-21 | 1999-06-03 | Autonomous Technologies Corporation | Objective measurement and correction of optical systems using wavefront analysis |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5163934A (en) | 1987-08-05 | 1992-11-17 | Visx, Incorporated | Photorefractive keratectomy |
US5062702A (en) | 1990-03-16 | 1991-11-05 | Intelligent Surgical Lasers, Inc. | Device for mapping corneal topography |
US5258791A (en) | 1990-07-24 | 1993-11-02 | General Electric Company | Spatially resolved objective autorefractometer |
US5395356A (en) | 1993-06-04 | 1995-03-07 | Summit Technology, Inc. | Correction of presbyopia by photorefractive keratectomy |
US5849006A (en) | 1994-04-25 | 1998-12-15 | Autonomous Technologies Corporation | Laser sculpting method and system |
-
2001
- 2001-05-03 AT AT01941464T patent/ATE272355T1/de active
- 2001-05-03 MX MXPA01013365A patent/MXPA01013365A/es active IP Right Grant
- 2001-05-03 WO PCT/US2001/014448 patent/WO2001085016A2/en active IP Right Grant
- 2001-05-03 DK DK01941464T patent/DK1210003T3/da active
- 2001-05-03 EP EP01941464A patent/EP1210003B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2001-05-03 PT PT01941464T patent/PT1210003E/pt unknown
- 2001-05-03 CA CA002376111A patent/CA2376111C/en not_active Expired - Fee Related
- 2001-05-03 JP JP2001581679A patent/JP2003532476A/ja not_active Withdrawn
- 2001-05-03 DE DE60104633T patent/DE60104633T2/de not_active Expired - Lifetime
- 2001-05-03 ES ES01941464T patent/ES2223874T3/es not_active Expired - Lifetime
- 2001-05-03 BR BR0106431-2A patent/BR0106431A/pt not_active Application Discontinuation
- 2001-05-03 AU AU74816/01A patent/AU7481601A/en not_active Abandoned
-
2008
- 2008-03-05 JP JP2008055117A patent/JP2008149164A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998053881A1 (en) * | 1997-05-27 | 1998-12-03 | Visx, Incorporated | Systems and methods for imaging corneal profiles |
JPH1172312A (ja) * | 1997-08-28 | 1999-03-16 | Asahi Optical Co Ltd | 面形状測定装置 |
WO1999027334A1 (en) * | 1997-11-21 | 1999-06-03 | Autonomous Technologies Corporation | Objective measurement and correction of optical systems using wavefront analysis |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016511652A (ja) * | 2013-01-28 | 2016-04-21 | ノバルティス アーゲー | 角膜架橋用装置 |
JP2018149324A (ja) * | 2013-03-13 | 2018-09-27 | オプティメディカ・コーポレイションOptimedica Corporation | レーザ手術システム |
US10470932B2 (en) | 2013-03-13 | 2019-11-12 | Optimedica Corporation | Free floating patient interface for laser surgery system |
US10736780B2 (en) | 2013-03-13 | 2020-08-11 | Amo Development, Llc | Laser eye surgery system |
US10736779B2 (en) | 2013-03-13 | 2020-08-11 | Amo Development, Llc | Laser eye surgery system |
US10751217B2 (en) | 2013-03-13 | 2020-08-25 | Amo Development, Llc | Free floating patient interface for laser surgery system |
US11478380B2 (en) | 2013-03-13 | 2022-10-25 | Amo Development, Llc | Laser eye surgery system |
US11534340B2 (en) | 2013-03-13 | 2022-12-27 | Amo Development, Llc | Free floating patient interface for laser surgery system |
US11759361B2 (en) | 2013-03-13 | 2023-09-19 | Amo Development, Llc | Free floating patient interface for laser surgery system |
US11857462B2 (en) | 2013-03-13 | 2024-01-02 | Amo Development, Llc | Laser eye surgery system |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
PT1210003E (pt) | 2004-11-30 |
JP2003532476A (ja) | 2003-11-05 |
WO2001085016A3 (en) | 2002-03-21 |
CA2376111A1 (en) | 2001-11-15 |
CA2376111C (en) | 2009-02-17 |
MXPA01013365A (es) | 2003-09-04 |
DE60104633D1 (de) | 2004-09-09 |
BR0106431A (pt) | 2002-04-09 |
DE60104633T2 (de) | 2005-10-13 |
EP1210003B1 (en) | 2004-08-04 |
ATE272355T1 (de) | 2004-08-15 |
WO2001085016A2 (en) | 2001-11-15 |
EP1210003A2 (en) | 2002-06-05 |
ES2223874T3 (es) | 2005-03-01 |
AU7481601A (en) | 2001-11-20 |
DK1210003T3 (da) | 2004-12-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6497483B2 (en) | Apparatus and method for objective measurement of optical systems using wavefront analysis | |
JP2008149164A (ja) | 波面分析を用いた、光学系の客観的な測定および矯正のための装置および方法 | |
US20050124983A1 (en) | Method for determining and correcting vision | |
JP3621044B2 (ja) | 波面分析を用いた光学系の客観測定と補正 | |
US6271915B1 (en) | Objective measurement and correction of optical systems using wavefront analysis | |
US6270221B1 (en) | Apparatus and method for measuring vision defects of a human eye | |
KR100797857B1 (ko) | 맞춤식 각막 프로파일링 | |
US7303281B2 (en) | Method and device for determining refractive components and visual function of the eye for vision correction | |
US6598975B2 (en) | Apparatus and method for measuring vision defects of a human eye | |
JP4017400B2 (ja) | ハルトマン−シャック画像を改善するための空間フィルターとその方法 | |
MXPA00004897A (en) | Objective measurement and correction of optical systems using wavefront analysis |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100727 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100722 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110201 |