JP2003533229A - てんかんに関係する突然変異 - Google Patents

てんかんに関係する突然変異

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Abstract

(57)【要約】 V287Mトランジションを生成するニコチン性アセチルコリン受容体のβ2サブユニットにおける点突然変異は常染色体性優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)に関連している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、特発性てんかん、特に常染色体性優性夜間前頭葉てんかん(ADN
FLE)に関係するニコチン性アセチルコリン受容体中の突然変異に関する。
【0002】 背景技術 てんかんは人口の約3%がその人生のある時期に冒される多様な脳障害の総称
である(Annegers,1996)。てんかん発作は、中枢神経系のニュー
ロン集団の異常な発火によって起こる挙動の一時的変化と定義することができる
。これは様々な程度の不随意筋収縮を引き起し、意識消失を起こすことも多い。
てんかん症候群は、特徴的な症状、発作のタイプ、原因、発症年齢およびEEG
パターンに基づいて40種類を超えるタイプに分類されている(国際抗てんかん
連盟の分類と用語に関する委員会(1989))。しかし、全ての症候群に共通
する一つの特徴は、不定期かつ予測不可能な形で発作として発現するニューロン
興奮性の持続的増加である。
【0003】 てんかんの病因に対する遺伝子の寄与は患者の約40%に存在すると見積もら
れている(Gardiner,2000)。てんかん発作は、最終的にニューロ
ンの同期性を混乱させる数多くの分子的異常のエンドポイントであると考えられ
るので、てんかんの遺伝的根拠は雑多であると思われる。表現型の一部にてんか
んが含まれるメンデル型遺伝病は200を超える。これらの疾患では、発作は、
脳構造または脳機能の乱れなどといった神経学的疾患が基礎にあることを表す。
対照的に、てんかんがその患者における唯一の症状であるような「純粋な」てん
かん症候群も数多く存在する。これらは特発性と呼ばれ、てんかんの全症例の約
60%を占める。
【0004】 特発性てんかんはさらに部分型と全般型に細分されている。部分(焦点または
局所)てんかん発作は限局的な皮質発射に起因するので、一定の筋群だけが関与
し、意識はなくならないだろう(Sutton,1990)。しかし全般てんか
んでは、EEG発射が焦点を示さず、脳の全皮質下領域が関与する。全般てんか
んがしばしば遺伝するという知見は理解できるが、脳内でおそらく構成的に発現
される遺伝的欠損が部分発作を引き起す機序はよくわからない。主に単一遺伝子
性の病因を持つ稀な家系に関わる遺伝子の研究と単離は、関与する遺伝子のタイ
プおよび疾患過程全般の機序を理解するのに、間違いなく役立つだろう。
【0005】 単純なメンデル形式の遺伝をするこのような形態の特発性部分てんかんの一つ
に、常染色体性優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)と呼ばれるものがある
。1994年(Schefferら,1994)に初めて記載されたこのてんか
んは、睡眠中に起こる前頭葉運動発作の群発を特徴とし、通常、小児期に発症す
る。この病気は臨床的に特異であり、比較的均質である。ただし発作の重症度お
よび詳細な前頭葉発作症状は家系内でも様々である(Haymanら,1997
)。臨床医がADNFLEを知らない場合は、悪夢、夜驚、ヒステリー、睡眠麻
痺、他の睡眠時異常行動、さらには精神障害と誤診されることもよくある。
【0006】 この形態のてんかんを持つ大家系の連鎖解析により、染色体20q13.2上
の遺伝子座が責任遺伝子を含む可能性が最も高いことが確認された(Phill
ipsら,1995)。位置的候補遺伝子法によると、中枢神経系(CNS)の
コリン作動性シナプスにおける化学電気的伝達にニコチン性アセチルコリン受容
体(nAChR)が関与することと、ニューロンのニコチン性アセチルコリン受
容体α4サブユニット(CHRNA4)が前頭皮質の全ての層で発現されるとい
う事実から、CHRNA4は理想的な候補遺伝子だった(Weversら,19
94)。
【0007】 nAChRは最高4種類のサブユニット(α、β、γ、δ)から構成される膜
貫通型五量体である。nAChRは神経系だけでなく骨格筋にも見いだされるが
、神経細胞では2タイプのサブユニット(αおよびβ)だけが同定されている。
ニューロンのnAChRサブユニットをコードする遺伝子は現在までに11種類
(α2〜α9およびβ2〜β4)が様々な種に見いだされており、哺乳類の脳で
最も豊富に存在するnAChRサブタイプは2つのα4と3つのβ2(CHRN
B2)とからなる(Schoepferら,1988;Whitingら,19
91;Sargent,1993)。
【0008】 nAChRの各サブユニットはN末端の長い細胞外ドメインと、膜を横切るの
に十分な長さを持つ4つの疎水性セグメント(M1−M4)とからなっている(
Jacksonによる総説(1999)がある)。これらのサブユニットは一つ
に会合して、中央に水で満たされたポアを持つロゼット状の構造を形成する。こ
の膜貫通ポアは、5つのサブユニットのそれぞれのM2ドメインを構成する5つ
のαヘリックスセグメントによって裏打ちされている。これらのドメインは、神
経伝達物質AChの不在下では膜の中央近くに集合して、チャネルのゲートを形
成しているようである。このゲートは、αサブユニット上の離れた部位にACh
が結合すると開いてイオンがチャネルを通過できるようにし、シナプス間隙から
AChが枯渇するか受容体の脱感作が起こると再び閉じる。このようにM2セグ
メントはチャネルのゲート開閉中にその作用の多くが起こる部位であり、このこ
とは、このドメインが受容体活性化の過程で中心的な役割を果たすことを示して
いる。
【0009】 この遺伝子座への連鎖を示す罹患家族のCHRNA4遺伝子の突然変異解析に
より、コードされているタンパク質の第2膜貫通ドメイン(M2)中の高度に保
存されたアミノ酸であるコドン248のセリンをフェニルアラニンに置き換える
ミスセンス突然変異が確認された(Steinleinら,1995)。この突
然変異は、上記家系の罹患家族21人全員と4人の絶対保因者に存在し、333
人の健常対照被験者にはアミノ酸変化は見いだされなかった。この遺伝子中のも
う1つの突然変異は、同じ形態のてんかんを持つノルウェー人の家系に確認され
た。すなわち776位にロイシンをコードする3つのヌクレオチドの挿入である
(Steinleinら,1997)。このアミノ酸挿入もCHRNA4タンパ
ク質のM2ドメインを変化させていた。対照α4サブユニットまたは突然変異型
α4サブユニットを使ってアフリカツメガエル卵母細胞で再構成されたヒトnA
ChRの生理学的および薬学的研究により、どちらの突然変異も受容体に大きな
変化をもたらすが、その変化は異なることが立証された。S248F突然変異は
主として受容体の脱感作性に影響を及ぼし、ロイシン挿入は活性状態への移行の
確率を増加させた(Bertrandら,1998)。これらの突然変異は受容
体の性質に異なる影響を及ぼすようだったが、どちらの突然変異も、ADNFL
E表現型の原因であるかもしれないカルシウムに対する透過性の低下と脱感作感
受性の増進をもたらす。
【0010】 ADNFLEを持つ他の家系の遺伝的連鎖研究では、被験家系が20q13.
2にあるCHRNA4遺伝子座に対する連鎖を示さないことが示唆されている(
Berkovicら,1995;Phillipsら,1998)。あるADN
FLE家系は15q24(CHRNA3/CHRNA5/CHRNB4遺伝子ク
ラスターの近く)に対する連鎖を示したが、他の家系では15q24も20q1
3.2もその可能性が排除されたことから、ADNFLEの原因となる遺伝子が
少なくとも3種類は存在することが示された。実際、他の少なくとも3形態の単
一遺伝子性特発性てんかんでも、遺伝子座異質性が立証されている。これらのて
んかんには、20q13.2および8qにマッピングされる良性家族性新生児痙
攣(BFNC)(Leppertら,1989;Lewisら,1993)、8
q13−q21および19p13.3にマッピングされる家族性熱性痙攣(Wa
llaceら,1996;Johnsonら,1998)、ならびに19qおよ
び16にマッピングされる良性家族性乳児痙攣(Guipponiら,1997
;Szepetowskiら,1997)が含まれる。BFNCの場合、この疾
患を持つ個体で突然変異していることが見いだされた20q13.2および8q
責任領域に位置する遺伝子は、相同なカリウムチャネルだった(Bierver
tら,1998;Charlierら,1998;Singhら,1998)。
【0011】 発明の開示 本発明者らは、CHRNB2遺伝子座が常染色体性優性夜間前頭葉てんかん(
ADNFLE)に関与することを見いだし、よってnAChRのβサブユニット
を特発性てんかんに関連づけた。
【0012】 本発明は、その一側面として、哺乳類ニコチン性アセチルコリン受容体(nA
chR)の突然変異型βサブユニットをコードする単離されたDNA分子であっ
て、点突然変異、欠失、挿入および再配列からなる群より選択される突然変異事
象が、前記哺乳類ニコチン性アセチルコリン受容体のβサブユニットのM2ドメ
インをコードするヌクレオチドに起こっており、前記突然変異事象が、前記βサ
ブユニットを含む集合した哺乳類ニコチン性アセチルコリン受容体の機能を、て
んかん表現型が生じるように混乱させることを特徴とする単離されたDNA分子
を提供する。
【0013】 前記突然変異事象は点突然変異であることが好ましい。この突然変異により、
通例、バリン残基が置換される。このバリン残基は通例、より嵩高い側鎖および
/または水素原子だけで置換されたβ炭素原子を持つアミノ酸で置換され、なか
でもメチオニンとロイシンは好ましい。このバリン残基は通例、シナプス間隙へ
のチャネルの開口部の近傍にあってイオンチャネルの裏打ちの一部を形成する。
【0014】 前記バリンはNCBIデータベースでの名称を使うとV287(Rempel
ら(1998)の番号付与法ではV262)であって、配列番号1に示すように
塩基1025におけるGからAへのヌクレオチドトランジションの結果として起
こることが有利である。このGからAへのヌクレオチドトランジションによって
NlaIII制限酵素部位が生成する。
【0015】 本発明は、点突然変異、欠失、挿入および再配列からなる群より選択される1
または複数のさらなる突然変異事象が起こっているDNA分子も包含する。この
ようなDNA分子はいずれも、てんかんに関係する上記突然変異を持ち、かつ機
能的であるだろうが、その他の点では、配列番号1に記載のDNA分子とはかな
り異なっていてもよい。
【0016】 本発明のヌクレオチド配列は、当技術分野で受け入れられている方法を用いて
、様々な目的で操作することができる。これらの目的には、例えば遺伝子産物の
クローニング、プロセシングおよび/または発現の改変などが含まれるが、これ
らに限るわけではない。遺伝子断片のPCR再構成および合成オリゴヌクレオチ
ドの使用によって、本発明のヌクレオチド配列の操作が可能になる。例えばオリ
ゴヌクレオチドによる部位特異的突然変異誘発法を使って、新しい制限部位を生
成する突然変異をさらに導入し、発現パターンを変化させ、スプライス変異体を
産生させることなどができる。
【0017】 遺伝コードは縮重しているので、数多くのポリヌクレオチド配列を作成するこ
とができ、その一部は自然界に存在する既知遺伝子のポリヌクレオチド配列とは
極めてわずかな類似性しか持たないだろう。したがって本発明は、考え得るコド
ン選択肢に基づいて組合わせを選択することによって作成することができるポリ
ヌクレオチド配列の異形を、考え得る限り全て包含する。これらの組合わせは本
発明のポリヌクレオチド配列に適用される標準トリプレット遺伝暗号に従って行
われ、それらの異形は全て具体的に開示されたものとみなすべきである。
【0018】 本発明のDNA分子にはcDNA、ゲノムDNA、合成型および混成ポリマー
、センス鎖とアンチセンス鎖の両方が包含され、当業者には理解されるだろうが
、化学的または生化学的に修飾されていてもよいし、非天然ヌクレオチド塩基ま
たはヌクレオチド塩基誘導体を含んでもよい。そのような修飾にはラベル、メチ
ル化、インターカレーター、アルキル化剤、および改変された結合が含まれる。
本発明のポリヌクレオチド配列とは本質的に異なるコドン使用頻度を持つヌクレ
オチド配列を作ることが有利な場合もあるだろう。例えば、特定の原核宿主また
は真核宿主における当該ペプチドの発現速度が増加するように、その宿主が特定
のコドンを利用する頻度に合致するコドンを選択することができる。コードされ
るアミノ酸配列を変化させずにヌクレオチド配列を改変する他の理由としては、
例えば、自然界に存在する突然変異型配列から産生される転写物よりも望ましい
性質(例えば長い半減期)を持つRNA転写物の産生が挙げられる。
【0019】 本発明はもっぱら合成化学によって行われる本発明のDNA配列の製造も包含
する。合成配列は、挿入されたコード配列の適当な宿主における転写および翻訳
制御に必要な要素を含む発現ベクターおよび細胞系に挿入することができる。こ
れらの要素には、調節配列、プロモーター、5’および3’非翻訳領域、ならび
に本発明のポリペプチドをコードする配列の翻訳効率を向上させる特異的開始シ
グナル(ATG開始コドンおよびコザック共通配列など)を含めることができる
。開始コドンおよび上流調節配列を含む完全なコード配列が適当な発現ベクター
に挿入される場合は、さらなる制御シグナルは必要ないだろう。しかしコード配
列またはその断片だけを挿入する場合には、上述のような外来の翻訳制御シグナ
ルがベクターによって用意されるべきである。そのようなシグナルは様々な起源
を持つことができ、天然シグナルでも合成シグナルでもよい。使用する宿主細胞
系に適したエンハンサーを含めることによって発現効率を高めることができる(
Scharfら,1994)。
【0020】 本発明は本明細書に記載する配列の相補鎖である核酸分子も包含する。
【0021】 また本発明は、もう一つの側面として、配列番号1に記載のヌクレオチド配列
を含む単離されたDNA分子を提供する。
【0022】 本発明は、さらにもう一つの側面として、配列番号1に記載のヌクレオチド配
列からなる単離されたDNA分子を提供する。
【0023】 本発明によれば、精製されたポリペプチドまたはタンパク質を本発明のポリヌ
クレオチドまたはその変異体から製造することが可能である。これを行うために
、宿主細胞を上記DNA分子で形質転換することができる。通例、前記宿主細胞
には、本発明のDNA分子を含む発現ベクターがトランスフェクトされる。様々
な発現ベクター/宿主系を利用して、本発明のポリペプチドをコードする配列を
包含し、発現させることができる。これらの発現ベクター/宿主系には、例えば
プラスミドまたはコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌、酵母発現
ベクターで形質転換された酵母、ウイルス発現ベクター(例えばバキュロウイル
ス)に感染させた昆虫細胞系、マウスもしくは他の動物またはヒトの組織細胞系
などがあるが、これらに限るわけではない。哺乳類細胞は、ワクシニアウイルス
発現系を使ってタンパク質を発現させるためにも使用することができる。本発明
は使用する宿主細胞による限定を受けない。
【0024】 本発明のポリヌクレオチド配列またはその変異体は、哺乳類系で組換えタンパ
ク質を長期間にわたって製造することができるように、細胞株で安定に発現させ
ることができる。本発明のポリペプチドをコードする配列は発現ベクターを使っ
て細胞株に形質転換することができ、前記発現ベクターはウイルス複製起点およ
び/または内因性発現要素ならびに選択可能マーカー遺伝子を同じベクター上ま
たは別個のベクター上に含むことができる。選択可能マーカーは選択剤に対する
耐性を付与するものであり、これが存在することにより、導入した配列をうまく
発現させる細胞の成長と回収が可能になる。安定形質転換細胞の耐性クローンは
、その細胞タイプに適した組織培養技術を使って増殖させることができる。
【0025】 また宿主細胞株は、挿入された配列の発現を調節するその能力、または発現さ
れたタンパク質を望ましい形にプロセシングするその能力で選択することができ
る。ポリペプチドのそのような修飾には、例えばアセチル化、糖鎖付加、リン酸
化およびアシル化などがあるが、これらに限るわけではない。「プレプロ」型タ
ンパク質の翻訳後切断を、タンパク質のターゲティング、折りたたみおよび/ま
たは活性を指定するために使用することもできる。翻訳後活性に関して特殊な細
胞機構および特徴的な機序を持っている様々な宿主細胞(例えばCHOまたはH
eLa細胞)は、American Type Culture Collec
tion(ATCC)から入手することができ、外来タンパク質の正しい修飾お
よびプロセシングが確保されるように、それらの細胞を選択することができる。
【0026】 抗体製造などの目的で大量の遺伝子が必要な場合は、このタンパク質の高レベ
ル発現を指示するベクター、例えばT5またはT7誘導性バクテリオファージプ
ロモーターを含むベクターなどを使用することができる。本発明は、上記タンパ
ク質の重要な機能ドメインを含む融合タンパク質の作製および単離における上記
発現系の使用も包含する。これらの融合タンパク質は結合研究、構造研究および
機能研究ならびに適当な抗体の作製に使用される。
【0027】 上記タンパク質を融合タンパク質として発現させ精製するには、適当なcDN
A配列を、別のペプチド(例えばグルタチオンスクシニルトランスフェラーゼ)
をコードするヌクレオチド配列を含むベクターに挿入する。融合タンパク質を原
核細胞または真核細胞から発現させ回収する。次に、融合タンパク質を、融合ベ
クター配列に基づくアフィニティークロマトグラフィーによって精製することが
できる。次に、融合タンパク質の酵素的切断によって、所望のタンパク質を得る
【0028】 本発明ポリペプチドの断片は、固相法を用いる直接ペプチド合成によって製造
することもできる。自動合成はABI431Aペプチドシンセサイザー(Per
kin−Elmer)を使って行うことができる。このタンパク質の様々な断片
を個別に合成した後、それらを組み合わせて完全長分子を製造することができる
【0029】 本発明は、さらにもう一つの側面として、哺乳類ニコチン性アセチルコリン受
容体(nAChR)の突然変異型βサブユニットである単離されたポリペプチド
であって、置換、欠失、挿入および再配列からなる群より選択される突然変異事
象がM2ドメインで起こっており、前記突然変異事象が、集合した哺乳類ニコチ
ン性アセチルコリン受容体の機能を、てんかん表現型が生じるように混乱させる
ことを特徴とする単離されたポリペプチドを提供する。
【0030】 通例、前記突然変異はバリン残基が関与する置換であり、バリン残基は一般的
には、より嵩高い側鎖および/または水素原子だけで置換されたβ炭素原子を持
つアミノ酸で置換される。通例、前記バリン残基はメチオニンまたはロイシンで
置換される。
【0031】 上記置換は、配列番号2に示すようにV287Mトランジションであることが
好ましい。
【0032】 本発明の単離されたポリペプチドは、てんかんに関係する突然変異の他にも、
置換、欠失、挿入および再配列からなる群より選択される1または複数の突然変
異を起こしていてもよい。これらの突然変異事象は典型的には保存的置換である
【0033】 さらにもう一つの側面として、本発明は、配列番号2に記載の配列を含む単離
されたポリペプチドを提供する。
【0034】 さらにもう一つの側面として、本発明は、配列番号2に記載のアミノ酸配列か
らなるポリペプチドを提供する。
【0035】 さらにもう一つの側面として、本発明は、少なくとも1つのαサブユニットと
少なくとも1つのβサブユニットとを含む集合した哺乳類ニコチン性アセチルコ
リン受容体である単離されたポリペプチドであって、置換、欠失、挿入および再
配列からなる群より選択される突然変異事象がβサブユニットのM2ドメインで
起こっており、前記突然変異事象が、集合した哺乳類ニコチン性アセチルコリン
受容体の機能を、てんかん表現型が生じるように混乱させることを特徴とする単
離されたポリペプチドを提供する。
【0036】 集合したニコチン性アセチルコリン受容体は、単一のβサブユニットに突然変
異を含んでもよいし、複数のβサブユニットに当然変異を含んでもよい。脳内の
主な機能的nAchRは、2つのα4サブユニットと3つのβ2サブユニットと
からなる五量体分子であり、突然変異事象はどのβ2サブユニットで起こってい
てもよく、また全てのβ2サブユニットで起こっていてもよい。
【0037】 さらにもう一つの側面として、本発明は、哺乳類ニコチン性アセチルコリン受
容体の突然変異型βサブユニットであるポリペプチドを製造する方法であって、
(1)上記のDNA分子を含む発現ベクターでトランスフェクトした宿主細胞を
、ポリペプチド産生に有効な条件で培養する工程、および (2)突然変異型βサブユニットを収集する工程 を含む方法を提供する。
【0038】 突然変異型βサブユニットを野生型βサブユニットおよびニコチン性アセチル
コリン受容体の他のサブユニットと集合させることによって、集合したnACh
Rを収集してもよい。
【0039】 次に、実質的に精製されたタンパク質またはその断片をさらなる生化学的解析
に使用して、例えばタンパク質結晶のX線結晶解析またはNMRなどにより、二
次構造および三次構造を確立することができる。構造の決定により、特定のサブ
ユニットタンパク質を介してnAChRと相互作用する医薬、nAChRタンパ
ク質全体の電荷配置または他のタンパク質との電荷相互作用を変化させる医薬、
または細胞におけるその機能を変化させる医薬の合理的設計が可能になる。
【0040】 これらのタンパク質にてんかん(ADNFLE)に関与する突然変異が同定さ
れたことで、正常型または突然変異型の遺伝子または遺伝子産物をスクリーニン
グしてその存在を検出するための様々なハイブリダイゼーションおよび免疫測定
法などといった他の応用にもnAChRが役立つことは理解されるだろう。
【0041】 本発明により、てんかん、特にADNFLEを処置する治療方法が可能になり
、また、特発性てんかんを診断する方法も可能になる。
【0042】 さらにもう一つの側面として、本発明は、てんかんを処置する方法であって、
ニコチン性アセチルコリン受容体がβサブユニットのM2ドメインに突然変異を
含み、前記突然変異がてんかんの原因となる場合に、そのような処置を必要とす
る対象に、ニコチン性アセチルコリン受容体の選択的アンタゴニストを投与する
ことを含む方法を提供する。
【0043】 さらにもう一つの側面として、本発明は、nAChRがβサブユニットのM2
ドメインに突然変異を含み、前記突然変異がてんかんの原因となる場合の、てん
かん処置用医薬の製造を目的とするnAChRの選択的アンタゴニストの使用を
提供する。
【0044】 一側面として、突然変異型nAChRに特異的に結合する抗体は、アンタゴニ
ストとして直接使用することができ、あるいはnAChRを発現させる細胞また
は組織に医薬を運ぶためのターゲティング機構またはデリバリー機構として間接
的に使用することもできる。
【0045】 さらにもう一つの側面として、本発明は、上記のポリペプチドと免疫反応する
が、野生型ニコチン性アセチルコリン受容体またはそのサブユニットとは免疫反
応しない抗体を提供する。
【0046】 特に、βサブユニットのM2ドメインにてんかんの原因となる突然変異を含ん
でいる集合したnAChRに対する抗体を提供する。当業者には理解されるであ
ろうが、この抗体はモノクローナル抗体でもポリクローナル抗体でもよい。
【0047】 あるいは、一部の突然変異体では、第2の突然変異を内包しているもう1コピ
ーの相同サブユニット遺伝子を導入することによって疾患を予防するか、突然変
異を変化させるか、または別の遺伝子を使って負の効果を遮断することができる
だろう。
【0048】 さらなる一側面として、本発明は、てんかんを処置する方法であって、上記D
NA分子のいずれか一つの相補鎖である単離されたDNA分子であり、かつnA
ChRの突然変異型βサブユニットをコードするmRNAとハイブリダイズする
mRNAをコードする前記単離されたDNA分子を、そのような処置を必要とす
る対象に投与することを含む方法を提供する。
【0049】 さらにもう一つの側面として、本発明は、本発明のDNA分子の相補鎖である
単離されたDNA分子であり、かつnAChRの突然変異型βサブユニットをコ
ードするmRNAとハイブリダイズするmRNAをコードする前記単離されたD
NA分子の、てんかん処置用医薬の製造における使用を提供する。
【0050】 典型的には、nAChRを構成するサブユニットをコードするポリヌクレオチ
ドの相補鎖を発現させるベクターを、対象に投与して、てんかん、特にADNF
LEを処置または予防することができる。アンチセンス法には、アンチセンスオ
リゴヌクレオチドの使用、アンチセンスRNAの注入、およびアンチセンスRN
A発現ベクターのトランスフェクションを含む様々なアプローチを使用すること
ができる。細胞または組織にベクターを導入するには数多くの方法を利用するこ
とができ、それらはインビボ、インビトロおよびエクスビボでの使用に等しく適
している。エクスビボ治療法の場合は、患者から採取した幹細胞にベクターを導
入し、クローン増殖させて、自家移植によって同じ患者に戻すことができる。ト
ランスフェクション、リポソーム注射、またはポリカチオン性アミノポリマーに
よる送達は、当技術分野で周知の方法を用いて達成することができる(例えばG
oldmanら,1997を参照されたい)。
【0051】 さらなる態様として、本発明のアンタゴニスト、抗体、相補配列またはベクタ
ーはいずれも、他の適当な治療薬と組み合わせて投与することができる。適当な
薬剤の選択は、通常の薬学的原理に従って、当業者が行うことができる。治療薬
の併用は相乗的に作用して、上述した様々な障害の処置または予防をもたらすだ
ろう。このようにして、各薬剤の投与量の減らしても治療効果を得ることができ
、よって有害な副作用の可能性を減らすことができる。
【0052】 突然変異型nAChRの選択的アンタゴニストは当技術分野で周知の方法を用
いて製造することができる。特に、突然変異型nAChRを使用することにより
、特発性てんかんの原因となる突然変異型βサブユニットに特異的な抗体を製造
するか、医薬のライブラリーをスクリーニングして突然変異型nAChRを特異
的に結合するものを同定することができる。そのような抗体には、例えばポリク
ローナル、モノクローナル、キメラおよび一本鎖抗体などがあるが、これらに限
るわけではない。
【0053】 抗体を産生させるために、上記のポリペプチドまたはその任意の断片もしくは
オリゴペプチド(ただし本発明の突然変異を含むものとする)であって免疫原性
を持つものを注射することにより、ウサギ、ラット、ヤギ、マウス、ヒトなどを
含む様々な宿主を免疫化することができる。免疫応答を増大させるために様々な
アジュバントを使用することができる。アジュバントには、例えばフロインドア
ジュバント、水酸化アルミニウムなどの無機ゲル、リゾレシチンなどの界面活性
物質があるが、これらに限るわけではない。ヒトに使用されるアジュバントには
、例えばBCG(カルメット−ゲラン菌)およびコリネバクテリウム・パルブム
(Corynebacterium parvum)がある。
【0054】 突然変異型nAChRに対する抗体を誘導するために使用されるオリゴペプチ
ド、ペプチドまたは断片は、少なくとも約5アミノ酸、より好ましくは少なくと
も約10アミノ酸からなるアミノ酸配列を持つことが好ましい。また、これらの
オリゴペプチド、ペプチドまたは断片は、天然タンパク質のアミノ酸配列の一部
と同一であって、小さい天然分子の全アミノ酸配列を含むことが好ましい。nA
ChRアミノ酸の短いストレッチを別のタンパク質(例えばKLH)のものに融
合し、そのキメラ分子に対する抗体を産生させてもよい。
【0055】 突然変異型nAChRに対する抗体は、培養連続継代性細胞系による抗体分子
の産生を可能にする任意の技術を使って製造することができる。これらの技術に
は、例えばハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術、およびEBV
−ハイブリドーマ技術などがあるが、これらに限るわけではない(例えばKoh
lerら,1975;Kozborら,1985;Coteら,1983;Co
leら,1984を参照されたい)。
【0056】 抗体は、リンパ球集団におけるインビボ産生を誘導するか、文献に開示されて
いる免疫グロブリンライブラリーまたは高度に特異的な結合試薬のパネルをスク
リーニングすることによって作製することもできる(例えばOrlandiら,
1989;Winterら,1991)。
【0057】 nAChRに対する特異的結合部位を含む抗体断片も生成させることができる
。例えばそのような断片には、抗体分子のペプシン消化によって生成するF(a
b’)2断片、およびF(ab’)2断片のジスルフィド橋を還元することによ
って生成するFab断片がある。あるいは、Fab発現ライブラリーを構築して
、所望の特異性を持つモノクローナルFab断片を迅速かつ容易に同定できるよ
うにしてもよい(例えばHuseら,1989を参照されたい)。
【0058】 所望の特異性を持つ抗体を同定するためのスクリーニングには、様々な免疫測
定法を使用することができる。確立した特異性を持つポリクローナルまたはモノ
クローナル抗体を使用する競合結合測定法または免疫放射線測定法のプロトコー
ルは、当技術分野では数多く知られている。そのような免疫測定法では通例、n
AChRとその特異的抗体との複合体形成が測定される。2つの非干渉nACh
Rエピトープと反応するモノクローナル抗体を用いる2サイトモノクローナル免
疫測定法は好ましいが、競合結合測定法も使用することができる。
【0059】 本発明のさらにもう一つの側面によれば、特に精製された突然変異型nACh
Rポリペプチドおよびそれらを発現させる細胞は、様々な技術による候補医薬の
スクリーニングに有用である。ADNFLEなどの特発性てんかんの処置に有用
な治療薬が本発明のポリペプチドに対して結合親和性を示しそうなことは理解さ
れるだろう。そのような技術には、例えば突然変異型nAChRポリペプチドに
対して適切な結合親和性を持つ化合物のハイスループットスクリーニング(例え
ばPCT出願公開WO84/03564参照)があるが、これに限るわけではな
い。前記の技術では、多数の小ペプチド試験化合物を固体基板上で合成し、nA
ChRポリペプチド結合と洗浄によって検定することができる。結合したnAC
hRポリペプチドは、当技術分野で周知の方法によって検出される。この技術の
変形として、本発明の精製ポリペプチドをプレートに直接コーティングして、相
互作用する試験化合物を同定することもできる。本発明では、突然変異型nAC
hRを特異的に結合する能力を持つ中和抗体が突然変異型nAChRへの結合に
関して試験化合物と競合する競合薬物スクリーニング検定の使用も考えられる。
このようにして、抗体を使って、突然変異型nAChRの1または複数の抗原決
定基を共有するペプチドの存在を検出することができる。
【0060】 本発明は、形質転換細胞、トランスフェクト卵母細胞またはトランスジェニッ
ク動物内で本発明のポリペプチドを使って化合物をスクリーニングするのに、と
りわけ有用である。突然変異nAChRを含む培養細胞またはトランスジェニッ
ク動物に特定の薬物を添加または投与し、受容体の電流に対する効果を、野生型
nAChRを含む細胞または動物の電流と比較する。電流をより正常なレベルに
変化させる薬物候補は、nAChRに関連する疾患の処置または予防に役立つ。
【0061】 上記の治療方法はいずれも、そのような治療を必要とする例えばイヌ、ネコ、
ウシ、ウマ、ウサギ、サル、そして最も好ましくはヒトなどの哺乳動物を含む任
意の対象に適用することができる。
【0062】 nAChRをコードするポリヌクレオチド配列はADNFLEなどの特発性て
んかんの診断に使用することができるので、てんかんまたはてんかんに対する素
因の診断に本発明のDNA分子を使用することも考えられる。
【0063】 本発明のもう一つの態様として、診断目的に使用することができるポリヌクレ
オチドには、オリゴヌクレオチド配列、ゲノムDNA、ならびに相補RNAおよ
びDNA分子が包含される。これらのポリヌクレオチドを使用して、生物学的試
料中の遺伝子発現を検出および定量することができる。診断に使用されるゲノム
DNAは体細胞、例えば血中、組織生検、外科標本、または剖検材料中に存在す
る体細胞などから得ることができる。DNAを単離して特定の配列の検出に直接
使用してもよいし、分析に先だってポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増幅して
もよい。同様に、RNAまたはcDNAも、PCR増幅を行ってまたはPCR増
幅を行わずに使用することができる。特異的核酸配列の検出には、特異的オリゴ
ヌクレオチドを使ったハイブリダイゼーション、PCRマッピング、RNアーゼ
保護、および他の様々な方法を使用することができる。例えば、本発明に記載の
CHRNB2サブユニットにおけるGからAへの特異的突然変異には、制限酵素
消化および制限酵素マッピングを使用することができる。このサブユニットのM
2ドメインにおいてGからAへのトランジションが起こるとNlaIII制限部
位が生成する。患者および健常対照から得たDNAは、配列番号3および4に記
載のオリゴヌクレオチドを使って増幅することができる。次に増幅産物をNla
IIIで消化してフィンガープリントを作成し、それを野生型CHRNB2のD
NAフィンガープリントと比較することができる。また、nAChRから得た増
幅産物の直接ヌクレオチド配列決定を使用することもできる。試料アンプリコン
の配列を野生型アンプリコンの配列と比較して、ヌクレオチドの相違の有無を決
定する。
【0064】 さらなる一側面として、本発明は、てんかんの診断における上記ポリペプチド
の使用を提供する。
【0065】 nAChRを構成するタンパク質に基づいて診断測定を行う場合、様々なアプ
ローチが考えられる。例えば診断は、nAChRを形成する正常タンパク質と突
然変異型タンパク質の電気泳動移動度の差をモニターすることによって達成する
ことができる。このようなアプローチは、電荷置換が存在する突然変異体の同定
、または挿入、欠失もしくは置換によって、結果として生じたタンパク質の電気
泳動移動度に、有意な変化が起こっている突然変異体の同定に、とりわけ役立つ
だろう。また診断は、正常タンパク質と突然変異型タンパク質とのタンパク質分
解による切断パターンの相違または様々なアミノ酸残基のモル比の相違に基づく
か、遺伝子産物の機能の変化を実証する機能測定によって行うこともできる。
【0066】 もう一つの側面として、突然変異型nAChRを特異的に結合する抗体をてん
かんの診断に使用したり、完全なnAChRまたはnAChRのアゴニスト、ア
ンタゴニストもしくは阻害剤で処置される患者をモニタリングするための測定法
に使用したりすることができる。診断目的に有用な抗体は、治療薬に関して上述
したものと同じ方法で製造することができる。nAChRに関する診断測定法に
は、抗体とラベルとを利用してヒト体液中または細胞もしくは組織の抽出物中の
突然変異型nAChRを検出する方法が含まれる。抗体は修飾を施してまたは修
飾を施さずに使用することができ、標識はレポーター分子の共有結合または非共
有結合によって行うことができる。
【0067】 突然変異型nAChRの存在を測定するためのプロトコルは、例えばELIS
A、RIAおよびFACSなど、当技術分野では種々知られており、ADNFL
Eなどのてんかんを診断するための基礎になる。突然変異型受容体の発現は、哺
乳類試験対象(好ましくはヒト)から採取した体液または細胞抽出物を、その受
容体に対する抗体と、複合体の形成に適した条件で混合することによって立証さ
れる。複合体形成量は様々な方法、好ましくは光度測定手段によって定量するこ
とができる。突然変異型受容体に特異的な抗体は、前記突然変異型受容体を発現
させる個体にしか結合せず、野生型受容体だけを発現させる個体(すなわち正常
な個体)には結合しない。これはこの疾患を診断するための根拠となる。
【0068】 患者がてんかんであると診断されたら、有効な処置を開始することができる。
これらの処置としては、突然変異型受容体に対する選択的アンタゴニスト、例え
ば上述の抗体または突然変異型相補鎖などの投与を挙げることができる。この治
療は、野生型受容体の導入(特に遺伝子治療法による導入)によって補助するこ
ともできる。通例、適当な完全長nAChRサブユニットまたはその誘導体の断
片を発現させる能力を持つベクターを投与することができる。この発現ベクター
は、正常タンパク質のレベルが正常な受容体形成にとって十分になるように自分
自身の発現を駆動することができなくてはならない。
【0069】 もう1つの治療補助法として、実質的に精製されたnAChRまたはnACh
Rサブユニットポリペプチドと医薬的に許容できる担体とを投与することができ
る。本発明の医薬組成物は、所望の純度を持つnAChRまたはnAChRサブ
ユニットポリペプチドまたはその活性断片もしくは変異体を、許容できる周知の
担体、賦形剤または安定剤と混合することによって製造される。許容できる担体
、賦形剤または安定剤は、使用される投与量および濃度で無毒性であり、例えば
リン酸、クエン酸および他の有機酸などの緩衝剤、アスコルビン酸などの酸化防
止剤、低分子量(約10残基未満)のポリペプチド、血清アルブミン、ゼラチン
または免疫グロブリンなどのタンパク質、ポリビニルピロリドンなどの親水性ポ
リマー、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリジンなどの
アミノ酸、単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノースまたはデキストリン
を含む他の炭水化物、EDTAなどのキレート剤、マンニトールまたはソルビト
ールなどの糖アルコール、ナトリウムなどの塩形成対イオン、および/またはT
ween、Pluronicまたはポリエチレングリコール(PEG)などのノ
ニオン界面活性剤などが挙げられる。
【0070】 本発明のタンパク質、アンタゴニスト、抗体、アゴニスト、相補配列、または
ベクターは、いずれも他の適当な治療薬と組み合わせて投与することができる。
適当な薬剤の選択は、通常の薬学的原理に従って、当業者が行うことができる。
治療薬の併用は相乗的に作用して、上述した様々な障害の処置または予防をもた
らすだろう。このようにして、各薬剤の投与量の減らしても治療効果を得ること
ができ、よって有害な副作用の可能性を減らすことができる。
【0071】 さらなる態様として、本明細書に記載のポリヌクレオチド配列のいずれかに由
来するオリゴヌクレオチド、またはさらに長い断片を、マイクロアレイにおける
ターゲットとして使用することもできる。マイクロアレイは、多数の遺伝子の発
現レベルを同時にモニタリングするためにすることができ、また遺伝子変異体、
突然変異および多型を同定するために使用することもできる。この情報は、遺伝
子機能の決定、疾患の遺伝的根拠の理解、ならびに治療薬の開発およびその活性
のモニタリングに使用することができる。マイクロアレイは、当技術分野で知ら
れる方法を使って製造、使用および解析することができる(例えばSchena
ら,1996;Hellerら,1997を参照されたい)。
【0072】 本発明は、本発明のDNA分子で形質転換された遺伝子改変(ノックアウトま
たはノックイン)非ヒト動物モデルも提供する。これらの動物は、nAChRに
関係する疾患の機序を研究するためのnAChR機能の研究、候補医薬化合物の
スクリーニング、突然変異型nAChRを発現させる外植哺乳類細胞培養の作製
、および考え得る治療的介入の評価に役立つ。
【0073】 本発明の動物モデルでの使用に適した動物種は、例えばラット、マウス、ハム
スター、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ブタならびにサルお
よびチンパンジーなどの非ヒト霊長類であるが、これらに限るわけではない。初
期の研究には遺伝子改変マウスおよびラットが極めて望ましい。マウスやラット
は飼育が比較的容易であり、寿命が短いからである。研究によっては、トランス
ジェニック酵母またはトランスジェニック無脊椎動物が適当で好ましいかもしれ
ない。なぜならこれらは迅速なスクリーニングが可能であり、取り扱いがはるか
に容易だからである。長期の研究には、ヒトに類似していることから非ヒト霊長
類が望ましいだろう。
【0074】 突然変異型nAChRの動物モデルを作出するには、いくつかの方法を使用す
ることができる。これらの方法としては、例えば相同動物遺伝子における特異的
突然変異の生成、相同組換えによる野生型ヒト遺伝子および/またはヒト化動物
遺伝子の挿入、野生型もしくは突然変異型プロモーター配列または人工プロモー
ター配列を用いたゲノムコンストラクトまたはミニ遺伝子cDNAコンストラク
トとしての突然変異型(単一または多重)ヒト遺伝子の挿入、または相同組換え
による内因性遺伝子の人工改変断片の挿入が挙げられる。改変には、突然変異型
停止コドンの挿入、DNA配列の欠失、またはCreリコンビナーゼなどの酵素
によって認識される組換え配列(lox p部位)の包含などがある。
【0075】 好ましいトランスジェニックマウスを作出するために、標準的な卵母細胞マイ
クロインジェクション技術または胚性幹細胞へのトランスフェクションもしくは
マイクロインジェクションを用い、突然変異型の特定nAChRサブユニットを
マウス生殖系列に挿入することができる。あるいは、内因性nAChRサブユニ
ット遺伝子を不活化または置換することが望ましい場合には、胚性幹細胞を使っ
た相同組換えを適用することもできる。
【0076】 卵母細胞注入の場合は、1または複数コピーの突然変異型nAChRサブユニ
ット遺伝子を、受精直後のマウス卵母細胞の前核に挿入することができる。次に
、この卵母細胞を偽妊娠養母に再移植する。次に、生産マウスを、特定のヒトサ
ブユニット遺伝子配列の存在に関する尾DNAの分析によって、組み込まれた遺
伝子についてスクリーニングすることができる。導入遺伝子は、YAC、BAC
、PACまたは他の染色体DNA断片として注入された完全なゲノム配列である
か、天然プロモーターまたは異種プロモーターを持つcDNAであるか、または
コード領域および最適な発現に必要であることがわかった他の配列の全てを含む
ミニ遺伝子であることができる。
【0077】 さらにもう一つの側面によれば、本発明は、候補医薬化合物のスクリーニング
を目的とする遺伝子改変非ヒト動物の使用を提供する。
【0078】 本明細書では多数の従来技術刊行物を参照するが、この参照は、これらの文書
がオーストラリアまたは他の国において当技術分野に共通する一般知識の一部を
形成するという自白を構成するものでないことは、明瞭に理解されるだろう。
【0079】 本明細書および本願特許請求の範囲の全体を通して、「を含む」という用語は
、文脈上別段の必要がない限り、非排他的な意味で使用される。
【0080】 図面の簡単な説明 本発明の好ましい形態を一例として下記の実施例および添付の図面を参照して
説明する。 図1は、突然変異型CHRNB2アミノ酸287(mで示す)を持つ家族を示
すスコットランド人家系の系統図である。 図2は、c1025G→Aトランジションを示すCHRNB2のDNA配列の
トレースである。上側のクロマトグラムは突然変異を示し、下側のクロマトグラ
ムは対照配列を示す。 図3は、M2 CHRNB2ドメインにおけるホモロジーの比較が可能なよう
に様々な遺伝子の整列を示す図である。アミノ酸287を四角い枠で囲んである
。 図4は、図Aの左側は、2つのα4サブユニットと3つのβ2サブユニットと
が集合することによって生成するニューロンα4β2ヘテロ五量体型受容体を表
す図である。右側は、α4β2を、2つの潜在的ACh結合部位を持つ五量体と
して表した図である。「β2」はV287Mアミノ酸置換を表す。ACh受容
体は突然変異型β2サブユニットを含まずに集合するか(α4β2野生型受容体
)、または1、2もしくは3個の突然変異型β2サブユニットを含んで集合す
ることができる。図Bの上側は、適用するACh濃度(水平方向のバー)を4ま
たは5段階に連続して増加させることによって惹起された電流トレースを表す図
である。各バー上の値は細胞に適用したAChの濃度を示す。下側は、ACh親
和性の相違をlog−logプロットで強調した図である。電流(上側の図で測
定されたもの)の絶対値の対数Log(−I)をACh濃度の対数(Log[A
Ch])の関数としてプロットしてある。−Iと[ACh]の単位はそれぞれn
AおよびnMである。値は平均±SEMであり、n=9(α4β2)、n=17
(α4β2)およびn=10(α4[β2+β2])である。実線は全デー
タポイントの最適な線形回帰である。図Cの上側の図は、野生型または突然変異
型β2サブユニットを発現させる卵母細胞で記録された代表的な巨視的電流であ
る。4種類のACh濃度(0.1、0.2、0.8および8μM)によって誘発
された電流を重ね合わせてある。細胞は−100mVに保持し、120秒に1回
、AChに曝露した(10秒)。バーはACh適用を示す。下側の図はα4β2
、α4β2およびα4(β2+β2)に関するACh活性化曲線である。用
量反応曲線は各細胞の最大電流強度に対して規格化した。値は平均±SEMであ
る。各ACh濃度について3〜8回の独立した測定の平均をとった。
【0081】 発明実施の形態 実施例1:罹患家族の臨床診断 正常知能の白人女性である発端者(V−1;図1)は11歳の時に夜間発作を
呈した。これらの発作の典型は睡眠中に呼吸困難を感じて目覚めることである。
これは数秒間しか続かず、その後は息が止まっているように見え、呻吟する。時
にはすぐに回復して、泣いたり叫んだりする。また、場合によっては、左腕が強
直性伸展を起こしてボールのように丸くなることもある。これは数分間続き、こ
のエピソード全体が、典型的には15分ほどの間隔で一晩中繰り返される。彼女
は上記の事象を全て明確に記憶している。このような事象は昼間の睡眠中にも起
こる。
【0082】 ビデオEEG遠隔測定では、EEGトレースは筋アーチファクトによって著し
く不明瞭になったものの、発作中に変化は認められなかった。発作間欠期には、
右中心頭頂部にいくらかシャープな乱れが時折記録された。
【0083】 彼女の発作は当初はカルバマゼピンで十分に抑制されたが、再発し、さらなる
抑制には多少の困難が伴うようになった。現在はフェニトインとトピラメートの
併用により、彼女の発作は起こらなくなっている。
【0084】 この家系には、他にも4世代にわたって9人の罹患家族がいる。これらの個体
における症状は軽度だったために治療を受けることがなかったか、またはカルバ
マゼピンで症状を容易に抑制することができた。一部の家族では発作が自発的に
寛解したが、81歳で最高齢の生存家族(II−2;図1)は、フェニトインを
服用しているが、発作が時折起こる状態が続いている。
【0085】 実施例2:CHRNB2の突然変異解析 上記家系の8人の家族(患者6人、絶対保因者1人および罹患していないその
妻)から同意を得た上で採取したDNAの直接シークエンシングによって、CH
RNB2遺伝子の第2膜貫通ドメインをスクリーニングした(図1)。Wyma
nおよびWhiteの方法(1980)を改良した方法で、末梢血試料からDN
Aを抽出した。抽出したDNAの増幅に使用したCHRNB2特異的プライマー
を配列番号3および4に示す。これらのプライマーはCHRNB2遺伝子のうち
M2ドメインを含む468塩基対のセグメントを増幅する。PCR反応系は67
mMトリス−HCl(pH8.8)、16.5mM(NHSO、6.5
μM EDTA、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、10%D
MSO、0.17mg/ml BSA、10mMβ−メルカプトエタノール、1
5μg/mlの各プライマー、100U/mlのTaq DNAポリメラーゼお
よび10μg/mlのゲノムDNAを含んだ。PCR反応は、94℃で60秒、
60℃で90秒、および72℃で90秒を10サイクルした後、94℃で60秒
、55℃で90秒および72℃で90秒を25サイクル実施した。続いて72℃
で10分間の最終伸長反応を行った。
【0086】 PCR増幅したテンプレートはQiaQuick PCR preps(Qi
agen)を使って製造者の方法に従って配列決定用に精製した。精製したCH
RNB2 PCR断片を配列決定するために使用したプライマーは最初の増幅段
階に使用したプライマー(配列番号3および4)と同一である。各配列決定反応
につき、25ngのプライマーと100ngの精製PCRテンプレートとを使用
した。どの配列決定反応にも、BigDyeシークエンシングキット(ABI)
を製造者の仕様書に従って使用した。生成物をABI377シークエンサーにか
け、EditViewプログラムを使って解析した。
【0087】 この配列決定法により、発端者および突然変異の存在が明らかになった他の家
族(図1)では、CHRNB2のM2ドメイン中にG→Aトランジションが見つ
かった。突然変異型CHRNB2遺伝子のヌクレオチド配列は配列番号1によっ
て表される。c1025G→A突然変異(図2)により、NCBIデータベース
での名称を使うと287位、Rempelら(1998)の番号付与法では26
2位にある高度に保存されたバリンが、メチオニンで置換される。アミノ酸配列
は配列番号2によって表される。すべての患者および罹患していない絶対保因者
はこの突然変異を持っていた。
【0088】 CHRNサブユニットには、特に4つの膜貫通ドメイン中に、大きな種間およ
びサブユニット間ホモロジーがある。CHRNBサブユニットCHRNB2、C
HRNB3およびCHRNB4は全て脳内で発現される。CHRNB3のM2ド
メインには他の2つと59%のホモロジーしかなく、ラットのインビトロ研究に
より、単独でCHRNAサブユニットと同時発現させると、CNRNB3は機能
的な受容体に集合しないことがわかる。したがってβ3型サブユニットは、ニコ
チンおよびアセチルコリン以外のリガンドによって開閉されるイオンチャネルに
おいて、その機能を果たすのだろう(Willoughbyら,1993)。C
HRNB2とCHRNB4のM2ドメイン同士はほとんど完全なホモロジーを持
ち、特にバリン287はこれらのサブユニットで完全に保存されているだけでな
く、他の多くの種でも保存されている(図3)。筋肉でのみ発現されるCHRN
B1はこの位置にロイシンを持つ。これは、バリン287が脳における正常なイ
オンチャネル機能にとって不可欠であることを示しているのかもしれない。V2
87M突然変異はイオンポアを裏打ちするM2ドメインの細胞外末端近くに位置
する(図4A)。バリン287は開状態および閉状態のイオンチャネルのポアに
面しており(Devilliers−Thieryら,1993)、バリン28
7をメチオニンで置換すると、Ach親和性が見かけ上10倍増加する。
【0089】 実施例3:V287M突然変異の確認−制限酵素解析 上記G→AトランジションによってNlaIII制限部位が生成する。配列番
号3および4で表されるプライマーを使用すると、正常対立遺伝子中に存在する
4つのNlaIII部位を含む468塩基対の断片が増幅される。この正常アン
プリコンをNlaIIIで消化すると318、78、54、9および9塩基対の
断片が生成するだろう。しかし上記G→Aトランジションを含むアンプリコンを
NlaIIIで消化した場合には、273、78、54、45、9および9塩基
対の断片が生成するだろう。318塩基対と273塩基対のバンドは2%アガロ
ースゲルで容易に検出することができるので、この系は罹患家族における突然変
異の存在を確認する仕組みになる。
【0090】 実施例4:V287突然変異の確認−SSCP解析 CHRNB2 M2ドメイン中に見いだされる観察されたアミノ酸置換が研究
対象家系の罹患家族に特異的であることを確認するために、102人の匿名オー
ストラリア献血者から集めたDNAに対して、一本鎖高次構造多型解析を行った
。対照ドナー試料から得たDNAと罹患家族から得たDNAのPCR増幅に使用
したプライマーは配列番号4および5によって表される。これらのプライマーに
より、以下の条件で、220塩基対の産物が増幅された。すなわちPCR反応系
は67mMトリス−HCl(pH8.8)、16.5mM(NHSO
6.5μM EDTA、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、1
0%DMSO、0.17mg/ml BSA、10mMβ−メルカプトエタノー
ル、15μg/mlの各プライマー、200μCi/ml [α−32P]dC
TP、100U/mlのTaq DNAポリメラーゼおよび10μg/mlのゲ
ノムDNAを含んだ。PCR反応は、94℃で60秒、60℃で90秒、および
72℃で90秒を10サイクルした後、94℃で60秒、55℃で90秒および
72℃で90秒を25サイクル実施した。続いて72℃で10分間の最終伸長反
応を行った。次に、反応が完了したPCR反応系を等体積のホルムアミドローデ
ィング緩衝液(96%ホルムアミド、1mM EDTA、0.1%ブロモフェノ
ールブルー;0.1%キシレンシアノール)と混合し、95℃に3分間加熱した
後、氷で急冷した。次に5μlの各試料を10%(49:1)ポリアクリルアミ
ド、5%グリセロールおよびTBEを含むゲルに充填した。そのゲルを700ボ
ルト、室温で20時間泳動し、乾燥し、X線フィルムに露出した。
【0091】 バンドシフトが確認されたが、シフトはG→Aトランジションを持つ家族だけ
に観察され、102個の対照DNA試料にはいずれにも観察されなかった。SS
CP解析によって検出されたバンドシフトはG→Aトランジションだけに関連づ
けることができる。なぜならPCR産物中に他の塩基変化は検出されなかったか
らである。このヌクレオチド変化が罹患家族だけに認められ、健常対照群には認
められなかったという事実から、この変化は機能上の意義を持つことが示唆され
る。
【0092】 実施例5:V287M突然変異の機能上の意義 β2 V287M突然変異がα4β2nAChRの生理学的性質に及ぼす効果
を明らかにするために、NelsonおよびLong(1989)に記載のPC
R法に従って、β2コード配列にV287Mアミノ酸置換を導入した。411塩
基対のNheI/PmlI突然変異導入カセットを配列決定して、V287M突
然変異の存在を確認した。標準的方法に基づいて、ステージVまたはVIのアフ
リカツメガエル卵母細胞を単離し、2ngのDNA溶液を核注入した(Bert
randら,1991)。α4β2、α4β2V287Mおよびα4(β2+β
2V287M)受容体の機能的再構成を行うために、CHRNA4(Monte
ggiaら,1995)、CHRNB2およびCHRNB2−V287Mサブユ
ニットをコードするcDNAをそれぞれ1:1、1:1および2:1:1のモル
比で混合した。DNA注入後は、88mM NaCl、1mM KCl、2.4
mM NaHCO、0.8mM MgSO、0.3mM Ca(NO 、0.4mM CaCl、10mM HEPES−NaOH(pH7.4)を
含む標準Barth溶液中で卵母細胞を2〜3日間18℃に保ち、カナマイシン
(20μg/ml)、ペニシリン(100μg/ml)およびストレプトマイシ
ン(100μg/ml)を補足した。
【0093】 巨視的電流は、GENECLAMP500増幅器(Axon Instrum
ents)を使って、2電極電圧固定法により、18℃で記録した。ホウケイ酸
塩電極に3M KClを充填し、卵母細胞に、82.5mM NaCl、2.5
mM KCl、2.5mM CaCl、1mM MgCl、0.5μM硫酸
、5mM HEPES−NaOH(pH7.4)を含む溶液を連続的に灌流適用
した。以降の実験にはAch(Fluka)をこの溶液に希釈して使用した。重
力によって落ちる溶液を、コンピュータ制御の電磁弁を通して、記録槽に適用し
た。どの実験でも保持電位は−100mVとした。
【0094】 飽和濃度のAchに曝露すると、α4β2含有受容体およびα4β2V287
M含有受容体は強い電流(>5μA)を与えた。しかし低濃度のAchでは、こ
れら2タイプの受容体の間に相違が観察された。α4β2V287Mサブユニッ
トを含む卵母細胞の場合、信頼できるイオン電流(81±24nA、n=18)
を活性化するには3nM Achで既に十分であったが、野生型受容体では同じ
ような強度の電流(65±22nA、n=9)を誘発するのに50nM Ach
が必要だった(図4B)。
【0095】 これらの相違をさらに特徴づけるために、非脱感作濃度またはわずかに脱感作
濃度のAchを4または5段階に分けて連続して増加させながら適用することに
よって誘発した電流を記録した。代表的な電流の記録結果を図4Bの上側に図に
示す。図4Bの下側の図は、Achが誘発した電流(絶対値)の対数対アゴニス
ト濃度の対数のプロットを表し、予想される線形関係を示している。α4β2V
287MはAch感度が野生型受容体よりも約1桁高く、突然変異型受容体の方
がAchに対して感受性が高いという初期の定性的観察結果が確認された。
【0096】 Ach感度をさらに調べるために、対照受容体と突然変異型受容体の両方につ
いて、用量反応関係を広い濃度範囲にわたって決定した。図4C(上図)は、0
.1、0.2、0.8および8μMの外部Achによって誘発される電流を重ね
合わせたものである。Ach感度は、ピーク電流をアゴニスト濃度の対数に対し
てプロットすることによって決定した(図4C、下図)。α4β2活性化曲線を
よく観察すると、これらは2つのヒルの式の和によって最もうまく記述されるこ
とが示唆される(下記参照、図4Cの実線、下図)。Ach活性化曲線の大半は
二相性で高親和性成分と低親和性成分があるらしく、そのため、Ach用量反応
関係は、2つの実験的なヒルの式の和、すなわち I=Imax{[a/(1+EC50H/[ACh])nH]+(1−a)/(
1+EC50L/[ACh]nL)} にもっともうまくフィッティングされる(式中、ImaxはACh適用によって
誘発される最大電流の強度であり、EC50は半値電流活性化に必要なACh濃
度であり、[ACh]はAchの濃度であり、nはヒル係数である)。高親和性
成分と低親和性成分に関係するパラメーターは、それぞれHおよびLによって示
される。パラメータaは、当該濃度範囲における高親和性成分の全電流反応に対
する相対的寄与であり、高親和性部位の割合として表される。表1にこれらのパ
ラメーターの値を示す。データフィットに使用したモデルの範囲内でα4β2V
287M受容体はEC50の減少を示すと共に、高親和性成分の相対的寄与の増
加も示した。したがってlog−logプロットと用量反応曲線はどちらも、β
2V287M突然変異に関係する見かけのACh親和性の増大の説明になってい
る。
【0097】 野生型受容体と突然変異型受容体とでは、ピーク電流とプラトー電流の比に、
大きな相違はなかった。このことはV287M突然変異が脱感作性に著しい変化
をもたらさないことを示している。
【0098】 本研究の罹患家族はβ2遺伝子に関してヘテロ接合なので、これらの個体から
得られる細胞は全て、おそらくは野生型サブユニットと突然変異型サブユニット
の両方を発現させるだろう。したがって、野生型β2サブユニットと突然変異型
β2サブユニットの両方を同じ卵母細胞に同時注入した場合の効果を調べる実験
は不可欠である。その結果、同じバッチの卵母細胞内では、飽和ACh濃度によ
って誘発される電流は、強度の点では識別することができなかった。対照的に、
見かけのACh親和性については明白な相違が観察された。高EC50値と低E
C50値はどちらも3つのV287Mβ2サブユニットを含む受容体と同等だっ
た(表1)。また、α4(β2+β2V287M)は、α4β2V287Mと同
様に、log−logプロットで、より高い親和性を示した(図4B)。
【0099】 これらの知見は、ADNFLEの常染色体性優性形式の遺伝と合致する。図4
Aは、野生型サブユニットと突然変異型サブユニットの両方が1つの細胞内で発
現されると、4種類のサブユニットの組合わせが考えられることを示している。
これによれば、受容体の75%は突然変異型β2サブユニットを含むことになる
ので、突然変異の優性効果は容易に説明することができる。突然変異型β2サブ
ユニットをヘテロ接合体的またはホモ接合体的な組合わせで発現させる卵母細胞
は極めて似た性質を示すので、受容体複合体内にただ一つのβ2突然変異が存在
するだけで、V287M置換に関係する性質を付与するには十分なのだろう。
【0100】 実施例6:nAChRおよび受容体サブユニットの解析 nAChRおよび受容体サブユニットの構造と機能は以下の方法を使って決定
される。
【0101】 分子生物学的研究 nAChRが全体としてまたは個々のサブユニットを介して既知タンパク質ま
たは未知タンパク質を結合する能力を調べることができる。酵母ツーハイブリッ
ドシステムなどの手法を使って、機能的パートナーを発見し同定することができ
る。酵母ツーハイブリッド法の背後にある原理は、多くの真核転写活性化因子が
、酵母のものを含めて、2つの不連続なモジュラードメインからなっていること
である。第1のドメインはプロモーター配列に結合するDNA結合ドメインであ
り、第2のドメインはDNA結合部位の下流にある遺伝子を転写するようにRN
AポリメラーゼII複合体に指示する活性化ドメインである。どちらのドメイン
も単独では転写を活性化することができないので、転写活性化には両方のドメイ
ンが必要である。酵母ツーハイブリッド法では、興味ある遺伝子またはその一部
(ベイト(BAIT))を、それがDNA結合ドメインを持つペプチドへの融合
物として発現されるような形でクローニングする。第2の遺伝子または遺伝子群
、例えばcDNAライブラリー由来の遺伝子など(ターゲット(TARGET)
)は、活性化ドメインへの融合物として発現されるようにクローニングする。興
味あるタンパク質がその結合パートナーと相互作用すると、DNA結合ペプチド
と活性化ドメインとが一カ所に集まり、レポーター遺伝子の転写を開始する。第
1のレポーター遺伝子は相互作用タンパク質を含む酵母細胞を選択することにな
る(このレポーターは普通、選択培地での成長に必要な栄養遺伝子である)。第
2のレポーターは確認のために使用され、相互作用タンパク質に反応して発現さ
れるものの、普通、成長には必要でない。
【0102】 nAChRと相互作用する遺伝子およびタンパク質の性質も研究することがで
きるので、これらのパートナーを創薬のターゲットとすることもできる。
【0103】 構造研究 nAChR組換えタンパク質は細菌、酵母、昆虫および/または哺乳類細胞で
生産し、結晶解析およびNMR研究に使用することができる。タンパク質の分子
モデリングと共に、構造に基づく創薬を容易にすることができる。
【0104】 実施例7:nAChRサブユニットに対するポリクローナル抗体の作製 ADNFLEにおけるnAChRのβ2サブユニット中の突然変異を同定し、
よってこの受容体がてんかんに関与することが確認されたので、突然変異型タン
パク質を特異的に結合し、突然変異型タンパク質と正常タンパク質とを識別する
ように、抗体を作製することができる。突然変異したエピトープに特異的な抗体
は、医薬で処置した細胞をスクリーニングしてその医薬の治療能力を評価する細
胞培養アッセイに、とりわけ有用である。
【0105】 ポリクローナル抗体を製造するために、特定のnAChRサブユニットアミノ
酸配列に相同な短いペプチドを設計することができる。そのようなペプチドは長
さが通例10〜15アミノ酸である。これらのペプチドは、モノクローナル抗体
産生などのさらに後続の実験で異種間相互作用が起こらないように、マウスオル
ソログに対して最もホモロジーの低い領域に設計すべきである。次に、PIER
CE(商標)キット(PIERCE)などの市販のキットと共に提供される標準
的プロトコールを用いて、合成ペプチドをビオチン(スルホ−NHS−LCビオ
チン)に結合することができる。次に、ビオチン化ペプチドを溶液中のアビジン
との複合体とし、各ペプチド複合体につき2匹のウサギを、投与間隔3週間の4
回の抗原投与(1回につき200μg)によって免疫化する。最初の投与ではフ
ロイント完全アジュバントと混合するが、それ以降の投与ではフロイント不完全
アジュバントと混合する。免疫化が完了した後、ウサギから試験採血し、元のペ
プチドの連続希釈液を使ったドットブロット法によって血清の反応性を検定する
。ウサギが免疫前血清と比較して有意な反応性を示したら、そのウサギを屠殺し
、以降の実験のために免疫血清を分離することができるように、血液を集める。
【0106】 この手順を繰り返して野生型の受容体サブユニットに対する抗体を作製する。
これらの抗体は、突然変異型nAChRサブユニットに対する抗体と共に、様々
な組織における突然変異型の存在および相対レベルを検出するために使用される
【0107】 実施例8:nAChRサブユニットに特異的なモノクローナル抗体の作製 nAChRサブユニットに対するモノクローナル抗体は以下の方法で作製する
ことができる。無傷のnAChRサブユニットタンパク質またはnAChRサブ
ユニットペプチド(野生型または突然変異型)を含む免疫原を、フロイントアジ
ュバントと混合して、マウスに注射する。各マウスには10〜100μgの免疫
原を4回注射する。4回目の注射後にマウスから採取した血液試料を、上記免疫
原に対する抗体の存在について調べる。免疫マウスを屠殺し、脾臓を摘出し、単
細胞浮遊液を調製する(HarlowおよびLane,1988)。これらの脾
細胞はリンパ球の供給源として役立ち、そのリンパ球を永久に増殖する骨髄腫パ
ートナー細胞と融合する(KohlerおよびMilstein,1975)。
細胞を96穴プレートに2×10細胞/ウェルの密度で播種し、個々のウェル
を増殖に関して調べる。次に、これらのウェルを、ELISAまたはRIAによ
り、野生型または突然変異型サブユニットターゲットタンパク質を使って、nA
ChRサブユニット特異抗体の存在について試験する。陽性ウェルの細胞を増殖
させ、サブクローニングして、モノクローナル性を樹立し、確認する。所望の特
異性を持つクローンをマウスで腹水として増殖、成長させた後、プロテインAセ
ファロースを使ったアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグ
ラフィーまたはこれらの技術の変形および併用によって精製を行う。
【0108】 産業上の利用可能性 本発明はADNFLEなどの特発性てんかんの診断および処置を可能にするも
のである。
【表1】
【参考文献】
【図面の簡単な説明】
【図1】 突然変異型CHRNB2アミノ酸287(mで示す)を持つ家族を示すスコッ
トランド人家系の系統図である。
【図2】 c1025G→Aトランジションを示すCHRNB2のDNA配列のトレース
である。上側のクロマトグラムは突然変異を示し、下側のクロマトグラムは対照
配列を示す。
【図3】 M2 CHRNB2ドメインにおけるホモロジーの比較が可能なように様々な
遺伝子の整列を示す図である。
【図4】 図Aの左側は、2つのα4サブユニットと3つのβ2サブユニットとが集合す
ることによって生成するニューロンα4β2ヘテロ五量体型受容体を表す図であ
る。右側は、α4β2を、2つの潜在的ACh結合部位を持つ五量体として表し
た図である。図Bの上側は、適用するACh濃度(水平方向のバー)を4または
5段階に連続して増加させることによって惹起された電流トレースを表す図であ
る。各バー上の値は細胞に適用したAChの濃度を示す。下側は、ACh親和性
の相違をlog−logプロットで強調した図である。図Cの上側の図は、野生
型または突然変異型β2サブユニットを発現させる卵母細胞で記録された代表的
な巨視的電流である。下側の図はα4β2、α4β2およびα4(β2+β
2)に関するACh活性化曲線である。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 43/00 111 4C085 A61P 25/08 C07K 14/705 4H045 43/00 111 16/28 C07K 14/705 C12N 1/15 16/28 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12Q 1/02 1/21 1/68 A 5/10 C12P 21/08 C12Q 1/02 C12N 15/00 ZNAA 1/68 5/00 A // C12P 21/08 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB, GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,I N,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD, MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG, US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ベルコヴィック, サミュエル, フラン ク オーストラリア, ビクトリア 3161, コールフィールド ノース, ポロ パレ ード 7 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA63 CA04 DA02 EA04 GA11 HA11 4B063 QA19 QQ43 QR32 QR55 QS34 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA13 4B065 AA90X AA92X AA99Y AB01 AC14 BA02 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 AA13 AA17 BA01 BA08 BA22 BA23 BA44 CA18 DC50 NA14 ZA061 ZC422 4C085 AA14 BB11 CC03 CC21 DD21 DD62 EE01 4H045 AA10 AA11 AA30 BA10 CA45 DA50 EA21 FA74

Claims (68)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳類ニコチン性アセチルコリン受容体(nAchR)の突
    然変異型βサブユニットをコードする単離されたDNA分子であって、点突然変
    異、欠失、挿入および再配列からなる群より選択される突然変異事象が、前記哺
    乳類ニコチン性アセチルコリン受容体のβサブユニットのM2ドメインをコード
    するヌクレオチドに起こっており、前記突然変異事象が、βサブユニットを含む
    集合した哺乳類ニコチン性アセチルコリン受容体の機能を、てんかん表現型が生
    じるように混乱させることを特徴とする単離されたDNA分子。
  2. 【請求項2】 前記突然変異事象が点突然変異である請求項1に記載の単離
    されたDNA分子。
  3. 【請求項3】 前記点突然変異の結果としてバリン残基が置換される請求項
    2に記載の単離されたDNA分子。
  4. 【請求項4】 前記点突然変異の結果としてバリン残基がより嵩高い側鎖お
    よび/または水素原子だけで置換されたβ炭素原子を持つアミノ酸で置換される
    請求項3に記載の単離されたDNA分子。
  5. 【請求項5】 前記点突然変異の結果としてバリン残基がメチオニンまたは
    ロイシンで置換される請求項4に記載の単離されたDNA分子。
  6. 【請求項6】 前記点突然変異の結果としてβ2サブユニットのV287が
    置換される請求項5に記載の単離されたDNA分子。
  7. 【請求項7】 前記点突然変異が、β2サブユニットでV287Mトランジ
    ションが起こるように、塩基1025におけるGからAへのヌクレオチドトラン
    ジションである請求項6に記載の単離されたDNA分子。
  8. 【請求項8】 配列番号1に記載のヌクレオチド配列を含む請求項7に記載
    の単離されたDNA。
  9. 【請求項9】 点突然変異、欠失、挿入および再配列からなる群より選択さ
    れる1または複数のさらなる突然変異事象が起こっている請求項1〜7のいずれ
    か一項に記載の単離されたDNA分子。
  10. 【請求項10】 前記1または複数のさらなる突然変異事象がβサブユニッ
    ト内に保存的アミノ酸置換をもたらす点突然変異である請求項9に記載の単離さ
    れたDNA分子。
  11. 【請求項11】 配列番号1に記載のヌクレオチド配列を含む単離されたD
    NA分子。
  12. 【請求項12】 配列番号1に記載のヌクレオチド配列からなる単離された
    DNA分子。
  13. 【請求項13】 哺乳類ニコチン性アセチルコリン受容体(nAchR)の
    突然変異型βサブユニットである単離されたポリペプチドであって、置換、欠失
    、挿入および再配列からなる群より選択される突然変異事象がM2ドメインで起
    こっており、前記突然変異事象が、集合した哺乳類ニコチン性アセチルコリン受
    容体の機能を、てんかん表現型が生じるように混乱させることを特徴とする単離
    されたポリペプチド。
  14. 【請求項14】 前記突然変異事象が置換である請求項13に記載の単離さ
    れたポリペプチド。
  15. 【請求項15】 バリン残基の置換が起こっている請求項14に記載の単離
    されたポリペプチド。
  16. 【請求項16】 前記バリン残基がより嵩高い側鎖および/または水素原子
    だけで置換されたβ炭素原子を持つアミノ酸で置換される請求項15に記載の単
    離されたポリペプチド。
  17. 【請求項17】 前記バリン残基がメチオニンまたはロイシンで置換される
    請求項16に記載の単離されたポリペプチド。
  18. 【請求項18】 前記バリンがβ2サブユニットのV287である請求項1
    7に記載の単離されたポリペプチド。
  19. 【請求項19】 置換がβ2サブユニットにおけるV287Mトランジショ
    ンである請求項18に記載の単離されたポリペプチド。
  20. 【請求項20】 配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む請求項19に記載
    の単離されたポリペプチド。
  21. 【請求項21】 置換、欠失、挿入および再配列からなる群より選択される
    1または複数のさらなる突然変異事象が起こっている請求項13〜19に記載の
    単離されたポリペプチド。
  22. 【請求項22】 前記1または複数の突然変異事象が保存的置換である請求
    項21に記載の単離されたポリペプチド。
  23. 【請求項23】 配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む単離されたポリペ
    プチド。
  24. 【請求項24】 配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる単離されたポリ
    ペプチド。
  25. 【請求項25】 少なくとも1つのαサブユニットと少なくとも1つのβサ
    ブユニットとを含む集合した哺乳類ニコチン性アセチルコリン受容体である単離
    されたポリペプチドであって、置換、欠失、挿入および再配列からなる群より選
    択される突然変異事象がβサブユニットのM2ドメインで起こっており、前記突
    然変異事象が、前記集合した哺乳類ニコチン性アセチルコリン受容体の機能を、
    てんかん表現型が生じるように混乱させることを特徴とする単離されたポリペプ
    チド。
  26. 【請求項26】 前記突然変異事象が置換である請求項25に記載の単離さ
    れたポリペプチド。
  27. 【請求項27】 バリン残基の置換が起こっている請求項26に記載の単離
    されたポリペプチド。
  28. 【請求項28】 前記バリン残基がより嵩高い側鎖および/または水素原子
    だけで置換されたβ炭素原子を持つアミノ酸で置換される請求項27に記載の単
    離されたポリペプチド。
  29. 【請求項29】 前記バリン残基がメチオニンまたはロイシンで置換される
    請求項28に記載の単離されたポリペプチド。
  30. 【請求項30】 前記バリンがβ2サブユニットのV287である請求項2
    9に記載の単離されたポリペプチド。
  31. 【請求項31】 置換がβ2サブユニットにおけるV287Mトランジショ
    ンである請求項30に記載の単離されたポリペプチド。
  32. 【請求項32】 β2サブユニットが配列番号2に記載のアミノ酸配列を含
    む請求項31に記載の単離されたポリペプチド。
  33. 【請求項33】 置換、欠失、挿入および再配列からなる群より選択される
    1または複数のさらなる突然変異事象が起こっている請求項25〜32に記載の
    単離されたポリペプチド。
  34. 【請求項34】 前記1または複数の突然変異事象が保存的置換である請求
    項33に記載の単離されたポリペプチド。
  35. 【請求項35】 置換、欠失、挿入および再配列からなる群より選択される
    さらなる突然変異事象が少なくとも1つのさらなるβサブユニットのM2ドメイ
    ンで起こっており、前記さらなる突然変異事象が、前記集合した哺乳類ニコチン
    性アセチルコリン受容体の機能を、てんかん表現型が生じるように独立して混乱
    させる、請求項25〜34のいずれか一項に記載の単離されたポリペプチド。
  36. 【請求項36】 前記集合したニコチン性アセチルコリン受容体が複数のβ
    2サブユニットを含み、そのうちのいずれか一つまたは全てに同一の突然変異事
    象が起こっている、請求項35に記載の単離されたポリペプチド。
  37. 【請求項37】 前記集合したニコチン性アセチルコリン受容体が、3つの
    うちのいずれか1つまたは全てにV287M突然変異を含む3つのβ2サブユニ
    ットと、2つのα4サブユニットとからなる請求項36に記載の単離されたポリ
    ペプチド。
  38. 【請求項38】 哺乳類ニコチン性アセチルコリン受容体の突然変異型βサ
    ブユニットであるポリペプチドを製造する方法であって、 (1)請求項1〜12のいずれか一項に記載のDNA分子を含む発現ベクターで
    トランスフェクトした宿主細胞を、ポリペプチド産生に有効な条件で培養する工
    程、および (2)突然変異型βサブユニットを収集する工程 を含む方法。
  39. 【請求項39】 突然変異型βサブユニットと、哺乳類ニコチン性アセチル
    コリン受容体の他のサブユニットとを、哺乳類ニコチン性アセチルコリン受容体
    に集合させ、集合した受容体を収集する工程をさらに含む請求項38に記載の方
    法。
  40. 【請求項40】 請求項13〜37のいずれか一項に記載のポリペプチドと
    免疫反応するが、野生型ニコチン性アセチルコリン受容体またはそのサブユニッ
    トとは免疫反応しない抗体。
  41. 【請求項41】 モノクローナル抗体である請求項40に記載の抗体。
  42. 【請求項42】 てんかんを処置する方法であって、ニコチン性アセチルコ
    リン受容体がβサブユニットのM2ドメインに突然変異を含み、前記突然変異が
    てんかんの原因となる場合に、そのような処置を必要とする対象に、ニコチン性
    アセチルコリン受容体の選択的アンタゴニストを投与することを含む方法。
  43. 【請求項43】 選択的アンタゴニストが抗体である請求項42に記載の方
    法。
  44. 【請求項44】 抗体がモノクローナル抗体である請求項43に記載の方法
  45. 【請求項45】 前記対象に野生型ニコチン性アセチルコリン受容体を導入
    する工程をさらに含む請求項42〜44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 【請求項46】 野生型ニコチン性アセチルコリン受容体が遺伝子療法によ
    って導入される請求項45に記載の方法。
  47. 【請求項47】 野生型ニコチン性アセチルコリン受容体が実質的に精製さ
    れた野生型ニコチン性アセチルコリン受容体またはニコチン性アセチルコリン受
    容体βサブユニットポリペプチドを投与することによって導入される請求項45
    に記載の方法。
  48. 【請求項48】 ニコチン性アセチルコリン受容体がβサブユニットのM2
    ドメインに突然変異を含み、前記突然変異がてんかんの原因となる場合の、てん
    かん処置用医薬の製造におけるニコチン性アセチルコリン受容体の選択的アンタ
    ゴニストの使用。
  49. 【請求項49】 てんかんを処置する方法であって、請求項1〜12に記載
    のDNA分子のいずれか一つの相補鎖である単離されたDNA分子であり、かつ
    ニコチン性アセチルコリン受容体のβサブユニットがM2ドメイン中にてんかん
    の原因となる突然変異を含む場合にそのβサブユニットをコードするmRNAと
    ハイブリダイズするmRNAをコードする前記単離されたDNA分子を、そのよ
    うな処置を必要とする対象に投与することを含む方法。
  50. 【請求項50】 野生型ニコチン性アセチルコリン受容体を前記対象に導入
    する工程をさらに含む請求項49に記載の方法。
  51. 【請求項51】 請求項1〜12のいずれか一項に記載のDNA分子の相補
    鎖である単離されたDNA分子であり、かつニコチン性アセチルコリン受容体の
    βサブユニットがM2ドメイン中にてんかんの原因となる突然変異を含む場合に
    そのβサブユニットをコードするmRNAとハイブリダイズするmRNAをコー
    ドする前記単離されたDNA分子のてんかん処置用医薬の製造における使用。
  52. 【請求項52】 てんかんの診断を目的とする請求項1〜12のいずれか一
    項に記載の単離されたDNA分子の使用。
  53. 【請求項53】 てんかんの診断における請求項13〜37のいずれか一項
    に記載のポリペプチドの使用。
  54. 【請求項54】 てんかんの診断における請求項40または41に記載の抗
    体の使用。
  55. 【請求項55】 てんかんを診断する方法であって、 (1)てんかんが疑われる対象からDNAを得る工程、 (2)前記DNAのニコチン性アセチルコリン受容体のβサブユニットのDNA
    配列を、野生型ニコチン性アセチルコリン受容体の対応するβサブユニットのD
    NA配列と比較する工程 を含む方法。
  56. 【請求項56】 各DNA断片を配列決定して配列を比較する請求項55に
    記載の方法。
  57. 【請求項57】 DNA断片を制限酵素解析にかける請求項55に記載の方
    法。
  58. 【請求項58】 DNA断片をSSCP解析にかける請求項55に記載の方
    法。
  59. 【請求項59】 てんかんを診断する方法であって、 (1)てんかんが疑われる対象からニコチン性アセチルコリン受容体を得る工程
    、および (2)前記受容体のβサブユニットを野生型ニコチン性アセチルコリン受容体の
    対応するβサブユニットと比較する工程 を含む方法。
  60. 【請求項60】 候補医薬のスクリーニングにおける請求項13〜37のい
    ずれか一項に記載のポリペプチドの使用。
  61. 【請求項61】 ハイスループットスクリーニング技術を使用する請求項6
    0に記載の使用。
  62. 【請求項62】 請求項1〜12のいずれか一項に記載の単離されたDNA
    分子で形質転換された遺伝子改変非ヒト動物。
  63. 【請求項63】 動物がラット、マウス、ハムスター、モルモット、ウサギ
    、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ブタならびにサルおよびチンパンジーなどの非ヒ
    ト霊長類からなる群より選択される請求項62に記載の遺伝子改変非ヒト動物。
  64. 【請求項64】 動物がマウスである請求項63の遺伝子改変非ヒト動物。
  65. 【請求項65】 候補医薬化合物のスクリーニングにおける請求項62〜6
    4のいずれか一項に記載の遺伝子改変非ヒト動物の使用。
  66. 【請求項66】 候補医薬のスクリーニングにおける請求項1〜12のいず
    れか一項に記載のDNA分子で形質転換された細胞の使用。
  67. 【請求項67】 請求項1〜12のいずれか一項に記載のDNA分子で形質
    転換された宿主細胞。
  68. 【請求項68】 請求項1〜12のいずれか一項に記載のDNA分子を含む
    発現ベクター。
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