JP2002514882A - グリシン輸送体をコードするdnaおよびその使用 - Google Patents

グリシン輸送体をコードするdnaおよびその使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳類グリシン輸送体またはヒト・グリシン輸送体をコードする単離された核酸分子、該単離された核酸分子を具備するベクター、このようなベクターを具備する哺乳動物細胞、核酸プローブ、哺乳類グリシン輸送体をコードする核酸分子の配列に対して相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチド、並びに正常もしくは突然変異の哺乳類グリシン輪送体をコードするDNAを発現する非ヒトトランスジェニック動物を提供する。本発明はまた、哺乳類グリシン輸送体またはヒト・グリシン輸送体タンパク、これらに対する抗体、並びにヒト・グリシン輸送体に関連する薬剤化合物を提供する。本発明は更に、リガンド結合の検出方法、発現の検出方法、薬物スクリーニングの方法、並びに哺乳類グリシン輸送体もしくはヒト・グリシン輸送体に関連した異常を緩和するための治療を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 グリシン輸送体をコードするDNAおよびその使用 〔発明の背景〕 本発明は、1991年11月12日に出願された米国特許出願第791,927号の一部係 属出願であり、該親出願の内容は参照として本出願の開示に組み込まれる。 この出願の全体を通して、種々の刊行物が括弧内の略記された引用によって参 照される。これら刊行物の完全な引用は、請求の範囲の直前の明細書末尾に列挙 されている。これら刊行物の全開示が、本発明の属する技術の状態を完全に記述 するために、全体としてこの出願に組み込まれる。 シナップス伝達の本質的な性質は、神経伝達物質の放出に続く作用の迅速な終 了である。カテコールアミン、セロトニンおよび或る種のアミノ酸(例えばγ− アミノ酪酸(GABA)、グルタメート及びグリシン)を含む多くの神経伝達物 質については、前シナプス末端および周囲のグリア細胞内へのこれら伝達物質の 取り込みによって、シナップス作用の迅速な終結が達成される(Bennet et al., 1974;Horn,1990;Kanner and Schuldiner,1987)。神経伝達物質取り込みの阻 害または刺激は、内因性伝達物質の利用可能レベルの調節による、シナップス作 用の強度を調節するための手段を提供する。従って、選択的阻害剤を開発するこ とは、神経障害の治療への新規な治療的アプローチを意味する。 アミノ酸であるグリシンは、脊椎中枢神経系における重要 な神経伝達物質であり、そこで二つの異なった機能を果たす。第一に、グリシン は周知の役割をもった、脊髄、脳幹および網膜における古典的な阻害性神経伝達 物質である(Aprison,1990;Daly,1990;Cories and Palacios,1990)。グリシ ンの阻害作用はグリシン受容体、グリシンによって活性化されるリガンドゲート 塩素イオンチャンネル(llgand-galed chloride channel)によって媒介され、ス トリキニーネによって競争的に阻害される。ストリキニーネによるグリシン性伝 達の阻害は、動物およびヒトにおける発作を起こす。従って、CNSにおけるグ リシンの阻害的役割を増大する薬剤は、過剰な神経的および/または骨格筋的活 性に伴う癲癇または他の神経症状を改善し得るであろう。この仮説は、グリシン 受容体の欠失がマウス(Becker,1990)及びウシ(Gundlach,1990)の或る種の 変異株に見られる遺伝性ミオクローヌスの基礎になっているという発見によって 支持される。 その阻害作用に加えて、グリシンは又、海馬等におけるNMDAでのグルタメ ートの作用を増強することによって、興奮的な神経伝達をも調節する(Johnson and Ascher,1987;概観のためにFletcher et al.,1990を参照されたい)。NM DAクラスのグルタメート受容体は、長期増強(long-termpotentiation)、学習 の細胞モデルにおいて重要な役割を果たすことが知られている(Collingridge a nd Bliss,1987)。最近の実験的証拠は、NMDA受容体におけるグリシン調節 部位の活性化によって認識機能が増強されることを示唆している(Handelmann e t al.,1989)。 従来、グリシン輸送の分子的性質(特に神経系におけるグリシンの二重の役割 に関する性質)は研究されていない。シナップスグリシン輸送体の分子構造を解 明することは、グリシン性の伝達および調節を理解する上で重要なステップであ る。特に我々の興味は、分離された輸送体mRNA類が、阻害性伝達を調節する 取り込みタンパク類(uptaka protains)およびグルタメート性伝達を調節する取 り込みタンパク類をコードするか否か、或いは一つの輸送体が両方の機能を媒介 するか否かを探求することである。 〔発明の概要〕 本発明は、哺乳類グリシン輸送体をコードする単離された核酸分子を提供する 。本発明の一実施例において、核酸分子は、pSVL−rB20a(ATCC受 付番号第75132号)と命名されたプラスミドを具備する。本発明の好ましい実施 例は、ヒト・グリシン輸送体をコードする単離された核酸分子を提供する。本発 明の一つの実施例において、核酸分子は、p Bluescript−hTC27a(AT CC受付番号第 号)と命名されたプラスミドを具備する。 本発明は、哺乳類グリシン輸送体をコードする核酸分子の配列内に含まれる配 列と特異的にハイブリダイズすることができる少なくとも15ヌクレオチドの核 酸分子を具備した核酸プローブを提供する。本発明は又、ヒト・グリシン輸送体 をコードする核酸分子の配列内に含まれる配列と特異的にハイブリダイズするこ とができる少なくとも15ヌクレオチド の核酸分子を具備した核酸プローブを提供する。 本発明は、哺乳類グリシン輸送体をコードするmRNAに特異的に結合して、 該mRNAの翻訳を妨害できる配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを 提供する。本発明は更に、ヒト・グリシン輸送体をコードするmRNAに特異的 に結合して、該mRNAの翻訳を妨害できる配列を有するアンチセンスオリゴヌ クレオチドを提供する。 哺乳類グリシン輸送体に向けられたモノクローナル抗体も又、本発明によって 提供される。更に、ヒト・グリシン輸送体に向けられたモノクローナル抗体も、 本発明によって提供される。 本発明は、哺乳類グリシン輸送体の過剰発現に起因した異常を緩和するのに効 果的な物質の有効量および薬剤的に許容可能なキャリアを含有する薬剤組成物、 並びにグリシン輸送体の過少発現に起因した異常を緩和するのに効果的な物質の 有効量および薬剤的に許容可能なキャリアを含有する薬剤組成物を提供する。 本発明は更に、ヒト・グリシン輸送体の過剰発現に起因した異常を緩和するの に効果的な物質の有効量および薬剤的に許容可能なキャリアを含有する薬剤組成 物、並びにグリシン輸送体の過少発現に起因した異常を緩和するのに効果的な物 質の有効量および薬剤的に許容可能なキャリアを含有する薬剤組成物を提供する 。 本発明は、そのゲノムが哺乳類グリシン輸送体をコードするDNAを具備した トランスジェニック非ヒト哺乳動物であ って、前記DNAは前記グリシン輸送体をコードするmRNAに対して相補的な アンチセンスmRNA中に転写されるように前記ゲノム中に配置されており、該 相補的mRNAは、前記グリシン輸送体をコードするmRNAとハイブリダイズ したときにグリシン輸送体をコードするmRNAの翻訳を低下させる、トランス ジニック哺乳動物を提供する。 本発明は、そのゲノムがヒト・グリシン輸送体をコードするDNAを具備した トランスジェニック非ヒト哺乳動物であって、前記DNAは前記グリシン輸送体 をコードするmRNAに対して相補的なアンチセンスmRNA中に転写されるよ うに前記ゲノム中に配置されており、該相補的mRNAは、グリシン輸送体をコ ードするmRNAとハイブリダイズしたときにグリシン輸送体をコードするmR NAの翻訳を低下させる、トランスジニック哺乳動物を提供する。 本発明は又、そのゲノムが哺乳類グリシン輸送体をコードするDNAを具備し たトランスジェニック非ヒト哺乳動物であって、前記DNAは前記輸送体をコー ドするmRNAに対して相捕的なアンチセンスmRNA中に転写されるように前 記ゲノム中に配置されており、該アンチセンスmRNAは、該輸送体をコードす るmRNAとハイブリダイズすることによって該輸送体をコードするmRNAの 翻訳を防止するような、トランスジニック哺乳動物を提供する。 本発明は又、そのゲノムがヒト・グリシン輸送体をコードするDNAを具備し たトランスジェニック非ヒト哺乳動物であって、前記DNAは前記輸送体をコー ドするmRNAに対 して相補的なアンチセンスmRNA中に転写されるように前記ゲノム中に配置さ れており、該アンチセンスmRNAは、該輸送体をコードするmRNAとハイブ リダイズすることによって該輸送体をコードするmRNAの翻訳を防止するよう な、トランスジニック哺乳動物を提供する。 本発明は、細胞表面の哺乳類グリシン輸送体と特異的に相互作用し且つ結合す る薬剤を同定するための薬剤スクリーニング方法であって、哺乳類グリシン輸送 体をコードする単離されたDNA分子を含み、これによりコードされるタンパク が細胞表面に発現されている哺乳類細胞を複数の薬剤と接触させることと、前記 哺乳類細胞に結合する薬剤を決定することにより、哺乳類グリシン輸送体と特異 的に相互作用し且つ結合する薬剤を同定することとを具備した方法を提供する。 本発明は、細胞表面のヒト・グリシン輸送体と特異的に相互作用し且つ結合す る薬剤を同定するための薬剤スクリーニング方法であって、ヒト・グリシン輸送 体をコードする単離されたDNA分子を含み、これによりコードされるタンパク が細胞表面に発現されている哺乳類細胞を複数の薬剤と接触させることと、前記 哺乳類細胞に結合する薬剤を決定することにより、ヒト・グリシン輸送体と特異 的に相互作用し且つ結合する薬剤を同定することとを具備した方法を提供する。 本発明は又、哺乳類グリシン輸送体を種々のレベルで発現すること生理学的効 果を決定する方法であって、哺乳類グリ シン輸送体の発現を調節する誘導プロモータの使用により哺乳類グリシン輸送体 発現のレベルが変化される、トランスジェニック非ヒト哺乳動物を製造すること を具備した方法を提供する。 本発明は又、ヒト・グリシン輸送体を種々のレベルで発現すること生理学的効 果を決定する方法であって、ヒト・グリシン輸送体の発現を調節する誘導プロモ ータの使用によりヒト・グリシン輸送体発現のレベルが変化される、トランスジ ェニック非ヒト哺乳動物を製造することを具備した方法を提供する。 本発明は更に、哺乳類グリシン輸送体を種々のレベルで発現することの生理学 的効果を決定する方法であって、夫々が異なった量の哺乳類グリシン輸送体を発 現する複数のトランスジェニック非ヒト哺乳動物からなるパネルを製造すること を具備した方法を提供する。 本発明は更に、ヒト・グリシン輸送体を種々のレベルで発現することの生理学 的効果を決定する方法であって、夫々が異なった量のヒト・グリシン輸送体を発 現する複数のトランスジェニック非ヒト哺乳動物からなるパネルを製造すること を具備した方法を提供する。 本発明は、特定の哺乳類グリシン輸送体対立遺伝子の発現に伴う疾患の疾病素 因を診断するための方法であって、a)該疾患に履患している患者のDNAを得 ることと;b)制限酵素のパネルで、該DNAの制限消化を行なうことと;c) 得られたDNAフラグメントをサイジングゲル上で電気泳動 的に分離することと;d)この得られたゲルを、哺乳類グリシン輸送体をコード するDNAと特異的にハイブリダイズでき且つ検出マーカーでラベルされた核酸 プローブに接触させることと;e)検出マーカーでラベルされた哺乳類グリシン 輸送体をコードするDNAにハイブリダイズした標識バンドを検出し、該疾患に 履患した患者のDNAに特異的な独特のバンドパターンを形成することと;f) ステップa〜eによる診断のために得られた、DNAを調製することと;g)ス テップeで得られた前記疾患に履患している患者のDNAに特異的な独特のバン ドパターンと、ステップfで診断のために得られたDNAのバンドパターンとを 比較し、これらパターンが同一であるか又は異なっているかを決定することによ って、パターンが同一であれば該疾患の疾病素因ありと診断することとを具備し た方法を提供する。 本発明は、特定のヒト・グリシン輸送体対立遺伝子の発現に伴う疾患の疾病素 因を診断するための方法であって、a)該疾患に履患している患者のDNAを得 ることと;b)制限酵素のパネルで、該DNAの制限消化を行なうことと;c) 得られたDNAフラグメントをサイジングゲル上で電気泳動的に分離することと ;d)この得られたゲルを、ヒト・グリシン輸送体をコードするDNAと特異的 にハイブリダイズでき且つ検出マーカーでラベルされた核酸プローブに接触させ ることと;e)検出マーカーでラベルされたヒト・グリシン輸送体をコードする DNAにハイブリダイズした標識バンドを検出し、該疾患に履患した患者のDN Aに特異的な独特の バンドパターンを形成することと;f)ステップa〜eによる診断のために得ら れた、DNAを調製することと;g)ステップeで得られた前記疾患に履患して いる患者のDNAに特異的な独特のバンドパターンと、ステップfで診断のため に得られたDNAのバンドパターンとを比較し、これらパターンが同一であるか 又は異なっているかを決定することによって、パターンが同一であれば該疾患の 疾病素因ありと診断することとを具備した方法を提供する。 本発明は、哺乳類グリシン輸送体に結合できることが知られていない物質が、 該哺乳類グリシン輸送体に結合できるか否かを決定するための方法であって、該 哺乳類グリシン輸送体をコードする単離されたDNA分子を有する哺乳動物細胞 と前記物質とを、輸送体に結合することが知られている物質が結合される条件下 で接触させることと、該グリシン輸送体に結合した前記物質の存在を検出するこ とと、これによって前記物質が該哺乳類グリシン輸送体に結合するか否かを決定 することとを具備した方法を提供する。 本発明は、ヒト・グリシン輸送体に結合できることが知られていない物質が、 該ヒト・グリシン輸送体に結合できるか否かを決定するための方法であって、ヒ ト・グリシン輸送体をコードする単離されたDNA分子を有する哺乳動物細胞と 前記物質とを、輸送体に結合することが知られている物質が結合される条件下で 接触させることと、該グリシン輸送体に結合した前記物質の存在を検出すること と、これによって前記物質がヒト・グリシン輸送体に結合するか否かを決定する こととを具備した方法を提供する。 〔図面の簡単な説明〕 図1:ラット・グリシン輸送体のヌクレオチド配列、推定アミノ酸配列および 推定膜トポロジー。 (A);ヌクレオチドは5’から3’への向きに呈示されており、コード領 域は推定開始メチオニンから出発し、終止コドンで終わる番号が付されている。 DNA配列は、シーケナーゼを用いた、変性二重鎖プラスミド鋳型上でのサンガ ーのチェインターミネーション法(1977)によって決定された。 (B);長いオープンリーディングフレームの翻訳による推定アミノ酸配列 (一文字略記法による)が示されている。この輸送体は、先にクローン化された GABA輸送体であるGAT−1(Guastella et al.,1990)と同様のトポロジ ーでモデル化されている。仮定されたN−リンクグリコシレーション部位が黒丸 で示されている。 図2:ラット・グリシン輸送体と、ヒト・ノルエピネフィリン輸送体およびラ ット・GABA輸送体との比較。12の推定α−ヘリカル膜スパンニングドメイ ン(I〜XII)がブラケットで示されている。同一の残基には陰影が付されてい る。グリシンは、ラット・グリシン輸送体である;Gabaは、ラットGABA 輸送体(GAT−1)である;Norepiは、ヒト・ノルエピネフィリン輸送 体である。 図3:クローンrB20aで形質導入されたCOS細胞に よるグリシン輸送。非形質導入COS細胞(対照)またはrB20aで形質導入 されたCOS細胞を、HBS(150 mMのNaClを含む)中、或いはNa+を等 モル量のLiで置換した同様の溶液(Na+フリー)またはClをアセテートで 置換した同様の溶液(グルコン酸カルシウムだけは塩化カルシウムで置換した; Cl-フリー)中における50 nMの[3H]グリシン(sp.act.45Ci/mmole)と共 に10分間インキュベートした。データは、細胞タンパク1mg当たりのcpmと して表されたグリシンの特異的取り込みを(平均値±3回測定のS.D.)示し ている。データは、同様の結果で繰り返された単一の実験から得られたものであ る。 図4:クローン化されたグリシン輸送体の速度論的性質。 (A);グリシン輸送のタイムコース。rB20aで形質導入されたCOS 細胞を、50 nMの[3H]グリシンと共に指定した時間だけインキュベートし、累 積放射活性を測定した。特異的取り込みは、細胞タンパク1mg当たりのpモルと して表されている。データは、同じ結果で繰り返された単一の実験から得たもの である。 (B);グリシン輸送の濃度依存性。rB20aで形質導入されたCOS細 胞を、指定された濃度の[3H]グリシンと共に30秒間インキュベートし、累 積放射活性を測定した。[3H]グリシンの特異的活性は、非ラベル化グリシン で減少された。データは、細胞タンパク1mg当たりのnモルとして表現された特 異的輸送を表しており、該データは同じ結果で繰り返された単一の実験から得た ものである。 図5:グリシン輸送体mRNAのノーザンブロット分析。種々のラット脳領域 および抹消組織から単離された全RNA(30μg/レーン)を、ホルムアルデ ヒド/アガロースゲル上で分離し、32Pラベルされたグリシン輸送体cDNAと ハイブリダイズさせた。6日間の露光後、そのオートラジオグラムを現像した。 左側に、キロ塩基でのサイズ標準が示されている。ハイブリダイズ転写(hybridi zing transcript)は略3.8kbである。RNAレベルは、p1B15と命名されたシクロ フィリンに対するcDNAプローブを用い、ブロットを再プロービングすること によって正規化された。β−アクチンに対するプローブを用いることによって、 同様の結果が得られた。RNAブロットの定量は、デンシトメータ走査によって 行なわれた。 図6:ラット脳におけるグリシン輸送体mRNAのinsituハイブリダイ ゼーション。 (A);ラット脳の冠状断面(coronal section)が、グリシン輸送体mRN Aの3’非翻訳領域に相補的な35S−ラベルされたオリゴヌクレオチドプローブ とハイブリダイズされ、X−OMATフィルムに4日間露光された。なお、歯状 回および海馬形成のCA1,CA2およびCA3領域が顕著にラベルされたこと に注意。 (B);センスオリゴヌクリオチドとハイブリダイズされた平行断面は有意 なラベリングを示さなかった。RNアーゼAで前処理された断面において、ラベ リングは検出されなかった。 図7:ヒト・グリシン輸送体のヌクレオチド配列および椎定アミノ酸配列。ヌ クレオチドは、5’から3’への向きで示されており、またコーディング領域に は推定開始メチオニンから始まる番号が付されている。DNA配列は、シーケナ ーゼを用いた、変性二重鎖プラスミド鋳型上でのサンガーのチェインターミネー ション法(1977)によって決定された。長いオープンリーディングフレームの翻 訳による推定アミノ酸配列(一文字略記法による)が示されている。 〔発明の詳細な説明〕 本発明は、哺乳類グリシン輸送体をコードする単離された核酸分子を提供する 。本発明は更に、ヒト・グリシン輸送体をコードする単離された核酸分子を提供 する。ここで用いる「単離された核酸分子」の語は、天然には存在しない核酸分 子、即ち、天然には生じない形の分子を意味する。このような単離された核酸分 子の例は、哺乳類グリシン輸送体をコードするRNA、cDNAまたは単離され たゲノムDNA分子、並びにヒト・グリシン輸送体をコードするRNA、cDN Aまたは単離されたゲノムDNA分子である。ここで用いる「グリシン輸送体」 の語は、生理学的条件下において、神経伝達物質のグリシンに対して実質的に特 異的であり、飽和され得、グリシンに対して高い親和性を有し(Km=100uM) 、且つ時間およびイオン依存性である分子を意味する。本発明の一つの実施例は 、哺乳類グリシン輸送体をコードする単離された核酸分子である。このような分 子は、図1に示したコ ーディング配列(配列ID番号1)と実質的に同じコーディング配列を有し得る 。図1のDNA分子は、哺乳類グリシン輸送体遺伝子の配列を暗号化している。 好ましい他の実施例は、ヒト・グリシン輸送体をコードする単離された核酸分子 である。このような分子は、図7に示したコーディング配列(配列ID番号5, 6)と実質的に同じコーディング配列を有し得る。図7のDNA分子(配列ID 番号5,6)は、ヒト・グリシン輸送体遺伝子の配列を暗号化している。哺乳類 グリシン輸送体を単離する一つの手段は、当該技術分野において周知の方法を用 いることにより、天然の又は人工的にデザインされたDNAプローブで、哺乳類 ゲノムDNAライブラリーをブロービングすることである。哺乳類グリシン輸送 体を単離する別の手段は、当該技術分野において周知の方法を用いることにより 、哺乳類cDNAライブラリーを天然の又は人工的にデザインされたDNAプロ ーブでプロービングすることである。本発明の好ましい実施例において、哺乳類 グリシン輸送体はヒトタンパクであり、ヒト・グリシン輸送体をコードする核酸 分子はヒトcDNAライブラリーから単離される。本発明の他の実施例において 、ヒト・グリシン輸送体をコードする核酸分子はヒト・ゲノムDNAライブラリ ーから単離される。ラット・グリシン輸送体遺伝子rB20aから誘導されたD NAプローブ類は、この目的のための有用なプローブである。哺乳類グリシン輸 送体をコードするDNAおよびcDNA分子は、ヒト、哺乳類または池の動物源 から相補的ゲノムDNA、cDNAまたはRNAを得るため に、或いは以下に詳細に説明する方法によって、cDNAライブラリー又はゲノ ムライブラリーのスクリーニングにより関連cDNAクローン又は関連ゲノムク ローンを単離するために用いられる。これによって、単離されたクローンの5’ 非翻訳領域からの転写調節因子、並びに単離された遺伝子の3’および5’非翻 訳領域からの他の安定性、プロセッシング、転写、翻訳および組織特異性決定領 域が得られる。 本発明は、一以上のヌクレオチドにおいてグリシン輸送体をコードする核酸分 子の配列とは異なる核酸配列を有し、グリシン輸送体活性を有するタンパクをコ ードしない、単離された核酸分子を提供する。ここで用いる「グリシン輸送体活 性」の語は、当該タンパクのグリシン輸送能力を意味する。このような核酸分子 の一例は、転写されたRNAがタンパクに翻訳されないようにコーディング配列 中に挿入されたイン・フレーム終止コドンを有する単離された核酸分子である。 本発明は、哺乳類グリシン輸送体をコードするcDNA分子であって、図1に 示すコーディング配列(配列ID番号1)と実質的に同じコーディング配列を有 するcDNA分子を提供する。本発明は、ヒト・グリシン輸送体をコードするc DNA分子であって、図7に示すコーディング配列(配列ID番号5,6)と実 質的に同じコーディング配列を有するcDNA分子を提供する。これらの分子お よびその等価物は、上記の手段によって得られた。 本発明はまた、哺乳類グリシン輸送体である単離されたタ ンパクを提供する。本発明の一つの実施例において、該タンパクは、図1に示す アミノ酸配列(配列ID番号3,4)と実質的に同じアミノ酸配列を有する哺乳 類グリシン輸送体タンパクである。本発明の好ましい実施例において、該タンパ クは、図7に示すアミノ酸配列(配列ID番号5,6)と実質的に同じアミノ酸 配列を有するヒト・グリシン輸送体タンパクである。ここで用いる「単離された タンパク」の語は、他の細胞成分を含まないタンパク分子を包含することが意図 されている。単離されたグリシン輸送体を得るための一つの手段は、該輸送体を コードするDNAを、当業者に周知の方法を用いてバクテリア、酵母または哺乳 動物細胞のような適切な宿主の中で発現させ、かかる宿主内で発現された後に、 該輸送体タンパクを再び当業者に周知の方法を用いて回収することである。該輸 送体はまた、それを発現する細胞(特に、以下で詳細に説明する発現ベクターで 形質導入された細胞)から単離される。 本発明はまた、哺乳類グリシン輸送体をコードするDNA、RNAまたはcD NAのような単離された核酸分子を具備したベクターを提供する。本発明はまた 、ヒト・グリシン輸送体をコードするDNA、RNAまたはcDNAのような単 離された核酸分子を具備したベクターを提供する。ベクターの例は、バクテリオ ファージ(例えばラムダファージ)のようなウイルス類、コスミド類、プラスミ ド類(例えばニュージャジー州ピスキャタウエイのファルマシア社から入手でき るpUC18)および他の組換ベクター類である。核酸分子は、 当業者に周知の方法によりベクターゲノム中に挿入される。このようなプラスミ ドの具体的な一例は、図1に示したコーディング配列と実質的に同じコーディン グ配列を有するcDNAを具備し、クローンpSVL−rB20aと命名され、 ATCC受付け番号第75132号として寄託されたプラスミドである。このような プラスミドの他の一例は、ヒト・グリシン輸送体をコードするcDNA(図7に 示したコーディング配列と実質的に同じコーディング配列を有する)を具備した プラスミドである。或いは、これらのベクターを得るために、挿入DNAとベク ターDNAの両者を一つの制限酵素で処理することにより、両方の分子に塩基対 が相互に相補的である末端を生成させ、次いでリガーゼで連結してもよい。或い は、ベクターDNAの制限酵素部位に対応するリンカーを挿入DNAに連結し、 次いで該部位で切断する制限酵素で消化してもよい。また、他の手段も利用可能 である。 本発明はまた、哺乳類グリシン輸送体をコードするDNA分子を具備した、バ クテリア細胞、酵母細胞または哺乳動物細胞内での発現に適用されるベクターで あって、更に、前記バクテリア、酵母細胞または哺乳動物細胞内での前記DNA の発現のために必要な、前記哺乳類グリシン輸送体の発現を許容するように該D NAに対して相対的に配置された調節要素を具備したベクターを提供する。図1 に示したコーディング配列と実質的に同じコーディング配列を有するDNAは、 ベクターに挿入されて哺乳類グリシン輸送体を発現するために有用であり得る。 本発明はまた、ヒト・グリシン輸送体を コードするDNA分子を具備した、バクテリア細胞、酵母細胞または哺乳動物細 胞内での発現に適用されるベクターであって、更に、前記バクテリア、酵母細胞 または哺乳動物細胞内での前記DNAの発現のために必要な、前記ヒト・グリシ ン輸送体の発現を許容するように該DNAに対して相対的に配置された調節要素 を具備したベクターを提供する。図7に示したコーディング配列と実質的に同じ コーディング配列を有するDNAは、ベクターに挿入されてヒト・グリシン輸送 体を発現するために有用であり得る。発現のために必要とされる調節要素には、 RNAポリメラーゼを結合するためのプロモータ配列およびリボゾーム結合のた めの転写開始配列が含まれる。例えばバクテリア発現ベクターには、lacプロ モータのようなプロモータと、転写開始のためのシャインダルガノ配列および開 始コドンAUGとが含まれる(Maniatis,et al.,Molecular Cloning,Cold Spri ng Harbor Laboratory,1982)。同様に、真核細胞発現ベクターには、RNAポ リメラーゼIIのための異種または同種プロモータ、下流のポリアデニル化シグナ ル、開始コドンAUGおよびリボゾーム脱離のための終止コドンが含まれる。こ のようなベクターは商業的に入手し得るし、或いは当該技術において周知の方法 、例えば一般にベクターを構築するための上記方法によって、記述された配列か ら組み立ててもよい。発現ベクターは、該輸送体を発現する細胞を製造するため に有用である。このような細胞の一定の使用について、以下に詳細に説明する。 本発明の一実施例において、プラスミドはバクテリア細胞、 酵母細胞または特に哺乳動物細胞内での発現に適用されるが、この場合の該プラ スミドは、哺乳類グリシン輸送体をコードするDNA分子と、前記バクテリア、 酵母細胞または哺乳動物細胞内での前記DNAの発現のために必要な、前記哺乳 類グリシン輸送体をコードするDNAに対してその発現を可能とするように相対 的に配置された調節要素とを具備する。本発明の他の実施例においても、プラス ミドはバクテリア細胞、酵母細胞または特に哺乳動物細胞内での発現に適用され るが、この場合の該プラスミドは、ヒト・グリシン輸送体をコードするDNA分 子と、前記バクテリア、酵母細胞または哺乳動物細胞内での前記DNAの発現の ために必要な、前記ヒト・グリシン輸送体をコードするDNAに対してその発現 を可能とするように相対的に配置された調節要素とを具備する。適切なプラスミ ドには、哺乳動物細胞内での発現に適用されるプラスミド(例えばpSVL、p cEXV−3)が含まれるが、これに限定されるものではない。哺乳動物細胞内 での発現に適用されるこのようなプラスミドの具体例は、図1に示すコーディン グ配列と実質的に同じコーディング配列を有するcDNAと、哺乳動物細胞内で の該DNAの発現のために必要な調節要素とを具備したプラスミドである。この プラスミドはpSVL−rB20aと命名され、且つATCC受付番号第75132 号の下に寄託されている。哺乳動物細胞内での発現に適用されるこのようなプラ スミドの好ましい実施例は、図7に示すコーディング配列と実質的に同じコーデ ィング配列を有するcDNAと、哺乳動物細胞内での該DNAの発現 のために必要な調節要素とを具備したプラスミドである。このプラスミドはpBl uescript−hTC27aと命名され、且つATCC受付番号第 号の下に寄 託されている。当業者であれば、哺乳類グリシン輸送体またはヒト・グリシン輸 送体をコードするDNA及びこのようなDNAを哺乳動物細胞内で発現するため に必要な調節要素を具備した哺乳動物細胞内での発現に適用される多くのプラス ミが、現存するプラスミドを利用して、これに前記DNAの哺乳動物細胞内での 発現に必要な調節要索を適切に含ませることによって構築され得ることを容易に 認めるであろう。該プラスミドは、発現ベクターおよび一般のベクターについて 説明した上記方法によって、並びに当該技術において周知の他の方法によって構 築され得る。 上記で述べた寄託は、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダ ペスト条約に従い、これを満たすように、メリーランド州20852ロックウイル123 01パークローンドライブのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(A TCC)に対して行なわれた。 本発明は、哺乳類グリシン輸送体をコードするDNA分子を具備した哺乳動物 細胞を提供する。このような細胞は、例えば、哺乳動物細胞内での発現に適用さ れるプラスミドであって、哺乳類グリシン輸送体をコードするDNA分子と、該 哺乳類グリシン輸送体をコードするDNAに対してその発現を可能とするように 相対的に配置された、該DNAの哺乳動物細胞内での発現のために必要な調節要 素とを有するプラス ミドを具備した哺乳動物細胞である。本発明は、ヒト・グリシン輸送体をコード するDNA分子を具備した哺乳動物細胞を提供する。このような細胞は、例えば 、哺乳動物細胞内での発現に適用されるプラスミドであって、ヒト・グリシン輸 送体をコードするDNA分子と、該ヒト・グリシン輸送体をコードするDNAに 対してその発現を可能とするように相対的に配置された、該DNAの哺乳動物細 胞内での発現のために必要な調節要索とを有するプラスミドを具備した哺乳動物 細胞である。多くの哺乳動物細胞をホストとして用いることができ、その中には マウス繊維芽細胞NIH3T3、CHO細胞、HeLa細胞、Ltk-細胞、C os細胞等が含まれるが、これらに限定されるものではない。上記のような発現 ベクターは、リン酸カルシウム沈殿法のような当該技術において周知の方法によ って、哺乳動物細胞に形質導入するために用いられ得る。或いは、これらグリシ ン輸送体をコードするDNAは、哺乳類グリシン輸送体またはヒト・グリシン輸 送体をコードするDNA(例えばcDNAまたはプラスミド)を具備する哺乳動 物細胞を得るために、例えばマイクロインジェクションまたは電気穿孔法によっ て哺乳動物細胞内に導入され得る。 本発明は、哺乳類グリシン輸送体をコードする核酸分子の配列中に含まれる配 列(例えば、図1に示す配列に含まれるコーディング配列)と特異的にハイブリ ダイズすることができる、少なくとも15ヌクレオチドの核酸分子を具備した核 酸プローブを提供する。本発明は更に、ヒト・グリシン輸送 体をコードする核酸分子の配列中に含まれる配列(例えば、図7に示す配列に含 まれるコーディング配列)と特異的にハイブリダイズすることができる、少なく とも15ヌクレオチドの核酸分子を具備した核酸プローブを提供する。ここで用 いる「特異的にハイブリダイズする」との語句は、核酸分子がそれ自身の配列に 対して相補的なヌクレオチド配列を認識し、相補的な塩基対の間の水素結合を介 して二重螺旋セグメントを形成する能力を意味する。核酸プローブ技術は当業者 に周知であり、該当業者は、このようなプローブはその長さが大きく変化し得る こと、及び該プローブの検出を容易にするために放射性アイソトープまたは蛍光 色索のような検出ラベルで標識され得ることを容易に理解するであろう。哺乳類 グリシン輸送体またはヒト・グリシン輸送体をコードする核酸の検出は、対応す グリシン輸送体の発現レベルが変化する何等かの疾患プロセスの診断試験として 有用である。DNAプローブ分子は、全て当該技術において周知の方法を用いて 、先ず哺乳類またはヒトのグリシン輸送体をコードするDNA分子またはそのフ ラグメントをプラスミド若しくはバクテリオファージのような適切なベクターに 挿入し、続いてこれを適切なバクテリアホスト細胞内に挿入し、当該該DNAプ ローブを複製および回収することによって製造される。例えば、該DNAはフェ ノール及びエタノールを用いて細胞溶解物から抽出され、既述したベクター中へ の該DNAの挿入部位に対応する制限酵素で消化され、電気泳動され、得られた ゲルから切り出され得る。このようなDNA分子の一例が、図1 および図7に示されている。該プローブは、「in situ」でのハイブリダイゼー ション又はこの遺伝子ファミリーを発現する組織の位置を捜し出すために有用で あり、或いは種々の生物学的組織におけるこれら遺伝子もしくはそのmRNAの 存在を調べるための他のハイブリダイゼーションアッセイのために有用である。 加えて、哺乳動物またはヒトのグリシン輸送体をコードするDNA分子の配列に 対して相補的な合成オリゴヌクレオチド(DNA合成機で製造されたもの)は、 これら遺伝子またはその関連mRNAのプローブとして有用であり、或いはゲノ ム若しくはcDNAライブラリーの相同性スクリーニングによる関連遺伝子の単 離またはポリメラーゼ・チェイン・リアクションのような増幅技術を用いること による関連遺伝子の単離のために有用である。 本発明はまた、グリシン輸送体をコードするmRNAの存在を検出することに より、細胞表面でのグリシン輸送体の発現を検出する方法を提供する。この方法 は、当該技術において周知の方法を用いて細胞から全mRNAを得ることと、こ うして得られたmRNAを、ハイブリダイズ条件下において、上記で説明した核 酸プローブと接触させることと、該プローブにハイブリダイズしたmRNAの存 在を検出することと、これにより前記細胞による前記グリシン輸送体の発現を検 出することとを具備する。mRNA分子のような標的核酸分子に対するブローブ のハイブリダイゼーションでは、当該技術において周知の技術が用いられる。し かし、本発明の一つの実施例においては、溶解細胞から沈殿によって核酸が抽出 され、mRNA分子のポリA尾部を結合するカラムを用いて、該抽出物からmR NAが単離される(Maniatis,T.et al.,Molecular Clonong;Cold Spring Harb or Laboratory,pp.197-98(1982))。次いで、該mRNAはニトロセルロース 膜上の放射能でラベルされたプローブに曝され、該プローブは相補的なmRNA 配列にハイブリダイズし、これをラベルする。結合は、オートラジオグラフィー 又はシンチレーション計数によって検出され得る。しかし、これらのステップを 実行するための他の方法が当業者に周知であり、上記の議論は単なる一例に過ぎ ない。 本発明は、哺乳類グリシン輸送体をコードするmRNA分子の何れかの配列と 特異的に結合することができる配列を有し、該mRNAの哺乳類グリシン輸送体 への翻訳を妨げるこ とができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。該アンチセンスオリゴ ヌクレオチドは、その配列が図1に示されているcDNA分子の何れかの配列と 特異的に結合できる配列を有し得る。本発明は更に、ヒト・グリシン輸送体をコ ードするmRNA分子の何れかの配列と特異的に結合することができる配列を有 し、該mRNAのヒト・グリシン輸送体への翻訳を妨げることができるアンチセ ンスオリゴヌクレオチドを提供する。該アンチセンスオリゴヌクレオチドは、そ の配列が図7に示されているcDNA分子の何れかの配列と特異的に結合できる 配列を有し得る。ここで用いる「特異的に結合する」との語句は、核酸配列がそ れ自身の配列に対して相補的なヌクレオチド配列を認識し、相補的な塩基対間の 水素結合を介して二重螺旋セグメントを形成する能力を意味する。アンチセンス オリゴヌクレオチドの特別の例は、ヌクレオチドの化学的類似体を具備するアン チセンスオリゴヌクレオチドである。 本発明はまた、細胞膜を通過して細胞内で哺乳類グリシン輸送体をコードする mRNAと特異的に結合し、その翻訳を阻害することにより哺乳類グリシン輸送 体の発現を低下させるのに有効な量の上記オリゴヌクレオチドと、細胞膜を透過 できる薬剤的に許容可能な疎水性キャリアとを含有する薬剤組成物を提供する。 図1に示したコーディング配列と実質的に同じコーディング配列を有するDNA 分子は、本発明の薬剤組成物のオリゴヌクレオチドとして使用され得る。本発明 はまた、細胞膜を通過して細胞内でヒト・グリシン輸送体を コードするmRNAと特異的に結合し、その翻訳を阻害することによりヒト・グ リシン輸送体の発現を低下させるのに有効な量の上記オリゴヌクレオチドと、細 胞膜を透過できる薬剤的に許容可能な疎水性キャリアとを含有する薬剤組成物を 提供する。図7に示したコーディング配列と実質的に同じコーディング配列を有 するDNA分子は、本発明の薬剤組成物のオリゴヌクレオチドとして使用され得 る。ここで用いた「薬剤的に許容され得るキャリア」の語句は、リン酸緩衝生理 食塩水溶液、水およびエマルジョン(油/水もしくは水/油エマルジョン)、種 々のタイプの湿潤化剤のような何れかの標準的な薬剤キャリアを包含する。該オ リゴヌクレオチドは、mRNAを不活性化する物質(例えばリボザイム)に連結 され得る。細胞膜を透過できる薬剤的に許容可能な疎水性キャリアはまた、選択 された細胞タイプに特異的な輸送体に結合し、これによって選択された細胞タイ プの細胞によって取り込まれる構造を具備し得る。該構造は、細胞タイプに特異 的な輸送体に結合することが知られたタンパク(例えば膵臓細胞を標的とするイ ンスリン分子)の一部であり得る。 本発明はまた、グリシン輸送体の発現を低下させることにより緩和される異常 を治療する方法に関する。この方法は、患者に対して、患者によるグリシン輸送 体の発現を低下させるために有効な量の上記薬剤組成物を投与することを具備す る。本発明は更に、グリシン輸送体活性に関連する異常症状を治療する方法であ って、患者に対して、患者によるグリシン輸送体の発現を低下させるために有効 な量の上記薬剤組成 物を投与することを具備した方法を提供する。このような異常症状の幾つかの例 は、癲癇、ミオクローヌス、痙攣性麻痺、筋肉痙攣、精神分裂病および認識障害 である。 アンチセンスオリゴヌクレオチド薬剤は、これら輸送体をコードするmRNA の翻訳を阻害する。合成オリゴヌクレオチドまたは他のアンチセンス化学構造は 、グリシン輸送体をコードするmRNAに結合し、mRNAの翻訳を阻害するよ うに設計され、患者におけるグリシン輸送体遺伝子の発現を阻害する薬剤として 有用である。本発明は、哺乳類グリシン輸送体の発現レベルを、これら輸送体を コードするmRNAの翻訳を阻害する合成アンチセンスオリゴヌクレオチド薬剤 (SAOD)を使用することによって、治療的に変更するための手段を提供する 。mRNAを認識して特異的に結合するように設計された合成オリゴヌクレオチ ド又は他のアンチセンス化学構造は、DNA、RNAまたは化学的に修飾された 人工核酸の図1に示したヌクレオチド配列の一部に対して相補的であるように構 築される。本発明は更に、ヒト・グリシン輸送体の発現レベルを、これら輸送体 をコードするmRNAの翻訳を阻害する合成アンチセンスオリゴヌクレオチド薬 剤(SAOD)を使用することによって、治療的に変更するための手段を提供す る。mRNAを認識して特異的に結合するように設計された合成オリゴヌクレオ チド又は他のアンチセンス化学構造は、DNA、RNAまたは化学的に修飾され た人工核酸の図7に示したヌクレオチド配列の一部に対して相補的であるように 構築される。このSAODは、注射によ って患者に投与するために、血流中で安定であるように設計される。或いは、患 者から取り出した細胞に対して投与するために、実験室における細胞培養条件に おいて安定であるように設計される。SAODは、細胞の細胞質内に入り込むこ とを目的として、細胞膜を透過できるように設計される。SAODの細胞質内へ の入り込みは、細胞膜透過を可能とする該SAODの物理的および化学的性質( 例えば、小さい疎水性SAOD化学構造を設計することにより達成される)によ って、或いは該SAODを認識してこれを細胞内に輸送する細胞内の特異的な輸 送系によって可能になる。加えて、このSAODは一定の選択された細胞ポピュ レーションにだけ投与されるように設計され得る。これは、SAODを狙い撃ち する細胞の特異的な取り込みメカニズム、即ち、該SAODに結合してこれを一 定の選択された細胞ポピュレーション内にのみ取り込むメカニズムが、該SAO Dを認識することによって達成される。例えば、SAODは、上記のように一定 の細胞タイプにのみ見出される輸送体と結合するように設計され得る。SAOD はまた、標的mRNA配列(図1または図7に示した配列内に含まれる配列に対 応し得る)を認識し、該mRNAに対する相補的な塩基対形成によってこれに選 択的に結合するように設計される。結局のところ、このSAODは次の三つのメ カニズムの何れかによって、標的mRNA配列を不活性化するように設計される :1)標的mRNAに結合して、RNAseI消化のような固有の細胞メカニズム により該mRNAの分解を誘発させる;2)翻訳調節因子また はリボゾームの結合を妨害することにより、標的mRNAの翻訳を阻害する;3 )リボザイム配列または反応性化学基のような、標的mRNAを分解しまたは化 学的に修飾する他の化学構造を含める。合成アンチセンスオリゴヌクレオチド薬 剤は、mRNA標的に向けられたとき、上記の特性を発揮できることが示されて いる(J.S.Cohen,Trends in Pharm.Sci.10,435(1989);H.M.Weintrau b,Sci.Am.January(1990)p.40)。加えて、リボザイムをアンチセンスオリゴ ヌクレオチドに結合させることは、標的mRNAを不活性化するための有望な戦 略である(N.Sarver et al.,Science 247,1222(1990))。注射によって患者に 投与されるように設計されれば、或いは患者の標的細胞を取り出し、実験室でS AODで処理して患者に移植されれば、SAODは効果的な治療剤として働く。 この方法において、SAODは、グリシン輸送体の発現低下によって利益を受け る如何なる臨床的症状においても、患者の特定の標的細胞における輸送体の発現 を低下させるための治療として役立つ。 本発明は、哺乳類グリシン輸送体に向けられた抗体を提供する。この抗体は、 例えば、細胞表面に存在する哺乳類グリシン輸送体のエピトープであって、且つ 図1に示したアミノ酸配列に含まれる哺乳類グリシン輸送体の細胞表面エピトー プのアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有するエピトープに向けられた モノクローナル抗体を包含し得る。本発明は更に、ヒト・グリシン輸送体に向け られた抗体を提供する。この抗体は、例えば、細胞表面に存在するヒト・グリシ ン輸送体のエピトープであって、且つ図7に示したアミノ酸配列に含まれるヒト ・グリシン輸送体の細胞表面エピトープのアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸 配列を有するエピトープに向けられたモノクローナル抗体を包含し得る。アミノ 酸配列は、これによって構築されるタンパク中に疎水性または親水性領域を生成 するか否かを決定するために、当該技術において周知の方法により分折される。 細胞膜タンパクの場合、水性環境においては、親水性領域が細胞表面に位置する 一方、疎水性領域は細胞膜の脂質二重層内に挿入されるタンパク部分を形成する ことが周知である。従って、図1に示した親水性アミノ酸配列に対する抗体は、 上記のように、哺乳類グリシン輸送体の表面エピトーブに結合するであろう。図 7に示した親水性アミノ酸配列に対する抗体は、上記のように、ヒト・グリシン 輸送体の表面エピトープに結合するであろう。哺乳類グリシン輸送体またはヒト ・グリシン輸送体に向けられる抗体は、血清由来の抗体またはモノクローナル抗 体であってよく、当該技術において周知の方法を用いて製造される。例えばモノ クローナル抗体は、ハイブリドーマ技術を用いることにより、免疫化した動物か らの抗体産生B細胞をミエローマ細胞と融合させ、こうして得られた所望の抗体 を産生するハイブリドーマ細胞ラインを選択することによって製造される。NI H3T3細胞またはLtk-細胞のような細胞が、このような抗体を作る免疫原 として用いられ得る。或いは、商業的に入手可能な機械、並びに図1および図7 に示したアミノ酸配列を用いて、合成ペプチドを調製してもよ い。更に別の手段として、cDNA又はそのフラグメントのようなDNAをクロ ーン化して発現させ、得られたポリペブチドを回収して免疫原に用いてもよい。 これら抗体は、単離されたDNAによりコードされる哺乳類グリシン輸送体の存 在を検出するために有用であり、或いは生きた動物、ヒト、動物もしくはヒトか ら単離された生物学的組織もしくは体液中において該輸送体の機能を阻害するた めに有用である。 本発明は、天然に存在する物質がグリシン輸送体に結合するのをブロックする ために有効な量の哺乳類グリシン輸送体に向けられた抗体と、薬剤的に許容可能 なキャリアとを含有する薬剤組成物を提供する。細胞表面に存在する哺乳類グリ シン輸送体のエピトープであって、且つ図1に示したアミノ酸配列に含まれる哺 乳類グリシン輸送体の細胞表面エピトープのためのアミノ酸配列と実質的に同じ アミノ酸配列を有するエピトーブに向けられたモノクローナル抗体は、この目的 のために有用である。 本発明は更に、天然に存在する物質がグリシン輸送体に結合するのをブロック するために有効な量のグリシン輸送体に向けられた抗体と、薬剤的に許容可能な キャリアとを含有する薬剤組成物を提供する。細胞表面に存在する哺乳類グリシ ン輸送体のエピトープであって、且つ図1に示したアミノ酸配列に含まれる哺乳 類グリシン輸送体の細胞表面エピトープのためのアミノ酸配列と実質的に同じア ミノ酸配列を有するエピトープに向けられたモノクローナル抗体は、この目的の ために有用である。 本発明はまた、哺乳類グリシン輸送体の発現を低下させることにより緩和され る患者の異常を治療する方法であって、患者に対して、天然に存在する物質のグ リシン輸送体への結合をブロックするために有効な量の上記薬剤組成物を投与す ることにより、哺乳類グリシン輸送体の過剰発現からもたらされる異常を緩和す ることを具備した方法を提供する。前記抗体の前記輸送体への結合は、該輸送体 が機能するのを阻害することによって過剰発現の影響を中和する。上記のモノク ローナル抗体は、両者共この目的のために有用である。 本発明は更に、ヒト・グリシン輸送体の発現を低下させることにより緩和され る患者の異常を治療する方法であって、患者に対して、天然に存在する物質のグ リシン輸送体への結合をブロックするために有効な量の上記薬剤組成物を投与す ることにより、ヒト・グリシン輸送体の過剰発現からもたらされる異常を緩和す ることを具備した方法を提供する。前記抗体の前記輸送体への結合は、該輸送体 が機能するのを阻害することによって過剰発現の影響を中和する。上記のモノク ローナル抗体は、両者共この目的のために有用である。 加えて、本発明はグリシン輸送体活性の過剰に関連する異常症状を治療する方 法であって、患者に対して、天然に存在する物質のグリシン輸送体への結合をブ ロックするために有効な量の上記薬剤組成物を投与することにより、前記異常症 状を緩和することを具備した方法を提供する。このような異常症状の幾つかの例 は、癲癇、ミオクローヌス、痙攣性麻痺、筋肉痙攣、精神分裂病および認識障害 である。 本発明は、細胞の表面におけるグリシン輸送体の存在を検出する方法であって 、哺乳類グリシン輸送体に向けられた抗体が該輸送体に結合される条件下で、前 記細胞を前記抗体と接触させることと、該細胞に結合した前記抗体の存在を検出 し、これにより前記細胞表面における哺乳類グリシン輸送体の存在を検出するこ ととを具備する方法を提供する。本発明は更に、細胞の表面におけるグリシン輸 送体の存在を検出する方法であって、ヒト・グリシン輸送体に向けられた抗体が 該輸送体に結合される条件下で、前記細胞を前記抗体と接触させることと、該細 胞に結合した前記抗体の存在を検出し、これにより前記細胞表面におけるヒト・ グリシン輸送体の存在を検出することとを具備する方法を提供する。このような 方法は、所定の細胞が該細胞表面にグリシン輸送体の発現を欠いているか否かを 決定するために有用である。結合された抗体は、当該技術において周知の方法に よって検出される。例えば、蛍光マーカーを該抗体に結合し、蛍光顕微鏡下で細 胞サンプルを検査して、抗体の結合を示す細胞上の蛍光を検出する。上記に述べ たモノクローナル抗体類は、この目的のために有用である。 本発明は、哺乳類グリシン輸送体をコードするDNAを発現する、トランスジ ェニック非ヒト哺乳動物を提供する。本発明は又、ヒト・グリシン輸送体をコー ドするDNAを発現する、トランスジェニック非ヒト哺乳動物を提供する。本発 明はまた、トランスジェニック非ヒト哺乳動物であって、哺乳類グリシン輸送体 をコードするDNA(一以上のヌクレオ チドにおいてグリシン輸送体をコードする核酸分子の配列とは異なった核酸配列 を有する)をコードし、且つグリシン輸送体活性を有するタンパクをコードしな いDNAを発現するトランスジェニック非ヒト哺乳動物を提供する。本発明は更 に、トランスジェニック非ヒト哺乳動物であって、ヒト・グリシン輸送体をコー ドするDNA(一以上のヌクレオチドにおいてグリシン輸送体をコードする核酸 分子の配列とは異なった核酸配列を有する)をコードし、且つグリシン輸送体活 性を有するタンパクをコードしないDNAを発現するトランスジェニック非ヒト 哺乳動物を提供する。 本発明はまた、そのゲノムが哺乳類グリシン輸送体をコードするDNAを具備 したトランスジェニック非ヒト哺乳動物であって、前記DNAは前記グリシン輸 送体をコードするmRNAに対して相補的なアンチセンスmRNA中に転写され るように前記ゲノム中に配置されており、該アンチセンスmRNAは、前記グリ シン輸送体をコードするmRNAとハイブリダイズすることによりその翻訳を低 下させるような、トランスジニック哺乳動物を提供する。本発明は更に、そのゲ ノムがヒト・グリシン輸送体をコードするDNAを具備したトランスジェニック 非ヒト哺乳動物であって、前記DNAは前記グリシン輸送体をコードするmRN Aに対して相補的なアンチセンスmRNA中に転写されるように前記ゲノム中に 配置されており、該アンチセンスmRNAは、前記グリシン輸送体をコードする mRNAとハイブリダイズすることによりその翻訳を低下させるような、トラン スジニック哺乳動物 を提供する。該DNAは、発現が誘導され又は特定の細胞タイプに限定され得る ように、追加的に誘導プロモータを具備し、又は追加的に組織特異的な調節要素 を具備し得る。DNAの例は、図1および図7に示したコーディング配列と実質 的に同じコーディング配列を有するDNA分子またはcDNA分子である。トラ ンスジェニック動物の一例は、トランスジェニックマウスである。組織特異性決 定領域の例は、メタロチオネインプロモータ(Low,M.J.,Lechan,R.M.,Hamme r,R.E.et al.Science 231:1002-1004(1986))及びL7プロモータ(ObeTdick ,j.,Smeyne,R,J.,Mann,J,R.,jackson,S .and Morgan,J.I.,Science 248: 223-226(1990))である。 種々の技術を用いて、グリシン輸送体の発現が増大もしくは減少され、または 発現されたグリシン輸送体タンパクのアミノ酸配列が変更されるようなトランス ジェニック動物を創製することによって、哺乳類グリシン輸送体またはヒト・グ リシン輸送体の生理学的役割および行動的役割を解明する動物モデル系が製造さ れる。これら技術の例には次のものが含まれるが、これらに限定されるものでは ない。1)トランスジェニック動物を製造するために、哺乳類グリシン輸送体ま たはヒト・グリシン輸送体をコードするDNAの正常もしくは突然変異バージョ ン、又はこれら遺伝子の相同性動物バージョンを、マイクロインジェクション、 レトロウイルス感染または当業者に周知の他の手段によって、適切な受精胚胎内 に挿入すること(Hogan B.et al..Manipulating the Mouse Embryo,A Laborat ory Manual.Cold Spring Harbor Labor alory(1986))。2)これらグリシン輸送体の構造または発現調節を変えるために 、これら遺伝子の突然変異もしくは正常なヒトもしくは動物バージョンと、トラ ンスジェニック動物における天然の遺伝子座との相同性組換え(Capecchi M.R. Science 244:1288-1292(1989);Zimmer,A.and Gruss,P Nature 338;150-153(198 9))を行なうこと。相同性組換えの技術は当該技術において周知である。これは 天然遺伝子を挿入遺伝子で置き換えるから、天然の輸送体を発現できないが、例 えば、挿入された突然変異輸送体(組換えにより、動物ゲノムの天然輸送体と置 換されたもの)を発現し、当該輸送体の過少発現をもたらす動物を製造するため に有用である。マイクロインジェクションはゲノムに遺伝子を加えるが、遺伝子 を除去することはないから、それ自身の輸送体および追加された輸送体を発現し て、輸送体の過剰発現をもたらす動物を製造するために有用である。 トランスジェニック動物を製造するために用いることができる一つの手段につ いて、マウスを例に説明すれば次の通りである。雌のマウスを交配させ、生じた 受精卵を切開した輸卵管から取り出す。この卵子を、M2培地(Hogan B.et al .,Manipulating the Mouse Embryo,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboralory(1986))のような適切な培地中に保存する。哺乳類グリシン輸送体 をコードするDNAまたはcDNAは、当該技術において周知の方法により、ベ クター(例えば、上記のプラスミドpSVL−rB20a)から精製される。ヒ ト・グリシン輸送体の場合、DNAまた はcDNAは、当該技術において周知の方法により、ベクターpBluescript−h TC27aから精製される。導入遺伝子(trans-gene)の発現を調節する実験的手 段を提供するために、誘導プロモータがDNAのコーディング領域と融合され得 る。その代わりに又はこれに加えて、導入遺伝子の組織特異的発現を可能とする ために、組織特異性の調節要素をコーディング領域に融合してもよい。適切な緩 衝溶液中のDNAをマイクロインジェクション針(ピペットプラー(pipet pulle r)を用いてキャピラリー管から作製され得る)の中に収容し、遺伝子を注入すべ き卵子を凹部スライド(depression slide)内に置く。針を卵子の前核中に挿入し 、DNA溶液を注入する。注入された卵子は、次いで擬妊娠マウス(実際には妊 娠していないが、妊娠を維持するように適切なホルモンによって刺激されたマウ ス)の輸卵管中に移される。その後、卵子は子宮へ移動し、着床し、所定期間だ け発育される。先に述べたように、マイクロインジェクションは卵子細胞中にD NAを挿入する唯一の方法ではなく、ここでは例示の目的のためだけに用いられ ている。 輸送体に特異的な薬剤の正常な作用は、該輸送体を活性化または阻害すること であるから、上記のトランスジェニック動物モデル系は、これらグリシン輸送体 に向けられた薬剤の生物学的活性を試験するために(このような薬剤が入手可能 になる前であっても)有用である。これら動物モデル系は、生きた動物において 、天然遺伝子または導入遺伝子の発現を誘導または阻害して、正常もしくは突然 変異グリシン輸送体 の発現を増大もしくは減少させるので、これらグリシン輸送体を活性化または阻 害する薬剤の可能な治療的適用を予測しまたは評価するために有用である。こう して、これらグリシン輸送体に向けられた薬剤の生物学的活性を、そのような薬 剤が人手可能になる前に評価することを可能とするモデル系が製造される。グリ シン輸送体を過剰産生または過少産生するトランスジェニック動物は、その生理 学的状態によって、グリシン輸送体の過剰産生または過少産生が治療的に有用で あるか否かを示す。従って、トランスジェニックモデル系に基づいて薬剤作用を 評価することは有用である。一つの用途は当該技術において周知の事実、即ち、 抗欝剤のような薬剤は神経伝達物質の取込みをブロックすることにより、シナプ ス間隙における神経伝達物質の量を増大させるという事実に基づいている。この 作用の生理学的結果は、影響された細胞がより少ない輸送体を産生することを刺 激し、結局は過少発現が導かれることである。従って、輸送体を過少発現する動 物は、過少発現をもたらす薬剤の作用が実際に治療的であるか否かを研究するた めのテスト系として有用である。もう一つの用途は、もし過剰発現が異常を導く ことが見出だされれば、下方調節する薬剤またはグリシン輸送体に対するアンタ ゴニストとして作用する薬剤を開発する価値があることが示されること、並びに 、もし有望な治療的適用がこれらモデル系によって明らかにされないときは、こ れらグリシン輸送体に向けられたアゴニスト又はアンタゴニスト薬剤を製造する ことによって、または人間におけるでこれらグリシン輸送体 の発現を増大または減少させる何等かの方法によって、グリシン輸送体の活性化 または阻害が治療的に達成されることである。 本発明によって更に提供されるのは、哺乳類グリシン輸送体を種々のレベルで 発現することの生理学的効果を決定する方法であって、哺乳類グリシン輸送体の 発現を調節する誘導プロモータを使用することにより、その哺乳類グリシン輸送 体発現のレベルが変化されるようなトランスジェニック非ヒト哺乳動物を製造す ることを具備した方法である。本発明は、ヒト・グリシン輸送体を種々のレベル で発現することの生理学的効果を決定する方法であって、ヒト・グリシン輸送体 の発現を調節する誘導プロモータを使用することにより、そのヒト・グリシン輸 送体発現のレベルが変化されるようなトランスジェニック非ヒト哺乳動物を製造 することを具備した方法を提供する。本発明はまた、哺乳類グリシン輸送体を種 々のレベルで発現することの生理学的効果を決定する方法であって、夫々が異な った量の哺乳類グリシン輸送体を発現する複数のトランスジェニック非ヒト哺乳 動物からなるパネルを製造することを具備した方法を提供する。本発明は更に、 ヒト・グリシン輸送体を種々のレベルで発現することの生理学的効果を決定する 方法であって、夫々が異なった量のヒト・グリシン輸送体を発現する複数のトラ ンスジェニック非ヒト哺乳動物からなるパネルを製造することを具備した方法を 提供する。このような動物は、発生によってトランスジェニック動物になるべき 卵細胞中に、哺乳類グリシン輸送体または ヒト・グリシン輸送体をコードする異なった量のDNAを導入することによって 製造され得る。 本発明はまた、哺乳類グリシン輸送体またはヒト・グリシン輸送体の過剰発現 からもたらされる異常を緩和することができる物質を同定するための方法であっ て、少なくとも一つの哺乳類グリシン輸送体またはヒト・グリシン輸送体をコー ドする人為的に導入されたDNA分子を発現するトランスジェニック非ヒト哺乳 動物に物質を投与することと、哺乳類グリシン輸送体またはヒト・グリシン輸送 体の過剰発現の結果としてトランスジェニック非ヒト哺乳動物が示す身体的およ び行動的な異常を、前記物質が軽減するか否かを決定こととを具備する方法を提 供する。ここで使用される「物質」の用語は、化合物または組成物(スクリーニ ングから導かれる天然物または合成物であり得る)を意味する。DNA分子の例 は、図1に示されたコーディング配列と実質的に同じコーディング配列を有する 、哺乳類グリシン輸送体をコードするDNAまたはcDNA分子である。DNA 分子の例は、図7に示したコーディング配列と実質的に同じコーディング配列を 有する、ヒト・グリシン輸送体をコードするDNAまたはcDNA分子である。 本発明は、哺乳類グリシン輸送体またはヒト・グリシン輸送体の過剰発現から もたらされる異常を軽減するために有効な量の上記物質と、薬剤的に許容可能な キャリアとを含有する薬剤組成物を提供する。 本発明は更に、哺乳類グリシン輸送体またはヒト・グリシ ン輸送体の過剰発現の結果からもたらされる異常を治療するための方法であって 、患者に対して、哺乳類グリシン輸送体またはヒト・グリシン輸送体の過剰発現 からもたらされる異常を軽減するために有効な量の上記薬剤組成物を投与するこ とを具備した方法を提供する。 本発明はまた、哺乳類グリシン輸送体またはヒト・グリシン輸送体の過少発現 からもたらされる異常を緩和することができる物質を同定するための方法であっ て、機能しない哺乳類グリシン輸送体またはヒト・グリシン輸送体のみを発現す る上記のトランスジェニック非ヒト哺乳動物に前記物質を投与することと、哺乳 類グリシン輸送体またはヒト・グリシン輸送体の過少発現の結果としてトランス ジェニック非ヒト咄乳動物が示す身体的および行動的な異常を、前記物質が軽減 するか否かを決定こととを具備する方法を提供する。 本発明はまた、哺乳類グリシン輸送体またはヒト・グリシン輸送体の過少発現 からもたらされる異常を軽減するために有効な量の上記物質と、薬剤的に許容可 能なキャリアとを含有する薬剤組成物を提供する。 本発明は更に、哺乳類グリシン輸送体またはヒト・グリシン輸送体の過少発現 の結果からもたらされる異常を治療するための方法であって、患者に対して、哺 乳類グリシン輸送体またはヒト・グリシン輸送体の過少発現からもたらされる異 常を軽減するために有効な量の上記薬剤組成物を投与することを具備した方法を 提供する。 本発明は、特定の哺乳類グリシン輸送体対立遺伝子の発現 に伴う疾患の疾病素因を診断する方法であって:a)該疾患に履患している患者 のDNAを得ることと;b)制限酵素のパネルで前記DNAの制限切断を行うこ とと;c)得られたDNAフラグメントをサイジングゲル上で電気泳動により分 離することと;d)得られたゲルを、哺乳類グリシン輸送体をコードするDNA に特異的にハイブリダイズすることができ、且つ検出マーカーでラベルされた核 酸プローブに接触させることと;e)検出マーカーでラベルされた哺乳類グリシ ン輸送体をコードするDNAにハイブリダイズされている標識バンドを検出し、 該疾患に履患した患者のDNAに特異的な独特のバンドパターンを得ることと; f)ステップa〜eによる診断のために得られた、DNAを調製することと;g )ステップeで得られた前記疾患に履患している患者のDNAに特異的な独特の バンドパターンと、ステップfで診断のために得られたDNAとを比較して、こ れらパターンが同一であるか又は異なっているかを決定することにより、パター ンが同一であれば該疾患の疾病素因ありと診断することとを具備した方法を提供 する。この方法はまた、特定の哺乳類グリシン輸送体対立遺伝子の発現が関与し ている病気を診断するためにも用いられ得る。 本発明は、特定のヒト・グリシン輸送体対立遺伝子の発現に伴う疾患の疾病素 因を診断する方法であって:a)該疾患に履患している患者のDNAを得ること と;b)制限酵索のパネルで前記DNAの制限切断を行うことと;c)得られた DNAフラグメントをサイジングゲル上で電気泳動により分 離することと;d)得られたゲルを、ヒト・グリシン輸送体をコードするDNA に特異的にハイブリダイズすることができ、且つ検出マーカーでラベルされた核 酸プローブに接触させることと;e)検出マーカーでラベルされたヒト・グリシ ン輸送体をコードするDNAにハイブリダイズされている標識バンドを検出し、 該疾患に履患した患者のDNAに特異的な独特のバンドパターンを得ることと; f)ステップa〜eによる診断のために得られた、DNAを調製することと;g )ステップeで得られた前記疾患に履患している患者のDNAに特異的な独特の バンドパターンと、ステップfで診断のために得られたDNAとを比較して、こ れらパターンが同一であるか又は異なっているかを決定することにより、パター ンが同一であれば該疾患の疾病素因ありと診断することとを具備した方法を提供 する。この方法はまた、特定のヒト・グリシン輸送体対立遺伝子の発現が関与し ている病気を診断するためにも用いられ得る。 本発明は、単離されたグリシン輸送体を調製する方法であって、細胞にグリシ ン輸送体の発現を誘導することと、得られた細胞から該輸送体を回収することと 、こうして回収された受容体を精製することとを具備した方法を提供する。単離 されたグリシン輸送体の一例は、図1または図7に示したアミノ酸配列と実質的 に同じアミノ酸配列を有する単離されたタンパクである。例えば、ホルモンのよ うな物質に曝すことによって、細胞に輸送体の発現を誘導できる。次いで、細胞 はホモジナイズされ、該ホモジネートから、例えばグリシン 又は該輸送体に結合することが知られている他の物質を含むアフィニティーカラ ムを使用して、前記受容体が単離される。次に、こうして得られた分画は、これ をイオン交換カラムと接触させて、どの分画が輸送体活性有し又は抗輸送体抗体 と結合するかを決定することによって精製され得る。 本発明は、単離されたグリシン輸送体を製造する方法であって、グリシン輸送 体をコードする核酸を適切なベクター中に挿入することと、得られたベクターを 適切な宿主細胞内に挿入することと、得られた細胞によって生産された前記輸送 体を回収することと、こうして回収された前記輸送体を精製することとを具備し た方法を提供する。単離されたグリシン輸送体の一例は、図1または図7に示し たアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有する単離されたタンパクである 。このグリシン輸送体を製造する方法では、当業者に周知の組換えDNA技術を 使用する。例えば、グリシン輸送体をコードする単離された核酸が、発現ベクタ ーのような適切なベクターに挿入される。適切な宿主細胞(例えばバクテリア細 胞、または酵母細胞のような真核細胞)が、該ベクターで形質導入される。グリ シン輸送体は、アフィニティー精製、クロマトグラフィー、或いは当業者に周知 の他の方法によって培地から単離される。 本発明は、哺乳類グリシン輸送体に結合できることが知られていない物質が、 哺乳類グリシン輸送体に結合できるか否かを決定するための方法であって、哺乳 類グリシン輸送体をコードするDNA分子を有する哺乳動物細胞と前記物質とを 、前記グリシン輸送体に結合することが知られている物質が結合される条件下で 接触させることと、前記グリシン輸送体に結合したリガンドの存在を検出するこ とと、これによって前記物質が前記グリシン輸送体に結合するか否かを決定する こととを具備した方法を提供する。細胞内の前記DNAは、図1に示すコーディ ング配列と実質的に同じコーディング配列を好ましく有することができ、前記哺 乳動物細胞は非神経細胞起源である。非神経系哺乳動物細胞の一例は、Cos7 細胞である。ある物質が哺乳類グリシン輸送体に結合できるか否かを決定するた めの好ましい方法は、表面にグリシン輸送体を発現している形質導入された非神 経系哺乳動物細胞(即ち、天然には何れのタイプのグリシン輸送体を発現せず、 該細胞内に形質導入されたときにのみ該輸送体を発現する)と前記物質、または このような形質導入細胞から誘導された膜プレパレーションと前記物質とを、該 物質のグリシン輸送体へのイン・ビボ結合が支配的であり、これに関連すること が知られている条件下で接触させることと、細胞表面の前記グリシン輸送体に結 合した被検物質の存在を検出することと、これによって前記物質が前記グリシン 輸送体に結合するか否かを決定することとを具備する。この応答系は、適切なホ スト細胞内に単離されたDNAを形質導入することによって得 られる。このようなホスト系は、先在する細胞ラインから単離され、或いは適切 な成分を現存の細胞ラインに挿入することによって創製され得る。このような形 質導入系は、上記物質での哺乳類グリシン輸送体の活性化を研究し又はアッセイ するための完全な応答系を提供する。形質導入系は、公知の薬剤または候補薬剤 と、前記輸送体に結合し且つ放射性試薬、分光学的試薬または他の試薬でラベル された物質との間で競争結合アッセイを行なうための生きた細胞培養体として有 用である。形質導入細胞から単離された輸送体を含む膜プレパレーションもまた 、これら競争結合アッセイのために有用である。形質導入系は、哺乳類グリシン 輸送体の本来の機能を活性化または阻害する治療剤として直接使用され得、また は該治療剤として更に改変され得るような、薬剤開発のための可能性をもった天 然化合物または合成化合物を同定するために有用な「薬剤発見系」を構成する。 該形質導入系はまた、哺乳類グリシン輸送体部位における公知薬剤の親和性およ び効率を測定するためにも有用である。 本発明は、哺乳類グリシン輸送体に特異的に結合できることが知られていない 化合物が、哺乳類グリシン輸送体に特異的に結合できるか否かを決定するための 方法であって、哺乳動物細胞内での発現に適用されるプラスミド(該プラスミド は更に、哺乳類グリシン輸送体を細胞表面に発現させるDNAを含む)を有する 哺乳動物細胞と前記物質とを、前記哺乳類グリシン輸送体に結合することが知ら れているリガンドが結合される条件下で接触させることと、前記哺乳類グリシン 輸送体に結合した化合物の存在を検出すること(結合した化合物の存在は、該化 合物が前記哺乳類グリシン輸送体に特異的に結合できることを示す)とを具備し た方法を提供する。 本発明は、ヒト・グリシン輸送体に特異的に結合できることが知られていない 化合物が、ヒト・グリシン輸送体に特異的に結合できるか否かを決定するための 方法であって、哺乳動物細胞内での発現に適用されるプラスミド(該プラスミド は更に、ヒト・グリシン輸送体を細胞表面に発現させるDNAを含む)を有する 哺乳動物細胞と前記物質とを、ヒト・グリシン輸送体に結合することが知られて いるリガンドが結合される条件下で接触させることと、前記ヒト・グリシン輸送 体に結合した化合物の存在を検出すること(結合した化合物の存在は、該化合物 が前記ヒトグリシン輸送体に特異的に結合できることを示す)とを具備した方法 を提供する。 本発明はまた、細胞表面の哺乳類グリシン輸送体と特異的に相互作用してこれ に結合する薬剤を同定するために、薬剤をスクリーニングする方法であって、細 胞表面における哺乳類グリシン輸送体をコードするDNA分子を含む哺乳動物細 胞を複数の薬剤に接触させることと、前記哺乳動物細胞に結合する薬剤を検出す ることと、これによって哺乳類グリシン輸送体と特異的に相互作用してこれに結 合する薬剤を同定することとを具備する方法を提供する。細胞内の前記DNAは 、図1に示したコーディング配列と実質的に同じコーディング配列を有し得る。 本発明は更に、細胞表面のヒト・グリシン輸送体と特異的に相互作用してこれに 結合する薬剤を同定す るために、薬剤をスクリーニングする方法であって、細胞表面におけるヒト・グ リシン輸送体をコードするDNA分子を含む哺乳動物細胞を複数の薬剤に接触さ せることと、前記哺乳動物細胞に結合する薬剤を検出することと、これによって ヒト・グリシン輸送体と特異的に相互作用してこれに結合する薬剤を同定するこ ととを具備する方法を提供する。細胞内の前記DNAは、図7に示したコーディ ング配列と実質的に同じコーディング配列を有し得る。種々の検出方法が用いら れ得る。前記薬剤は、検出マーカー物質(例えば放射性ラベル、またはビオチン のような非同位体ラベル)と結合させることによって「ラベル」され得る。好ま しくは、前記哺乳動物細胞は非神経細胞起源である。非神経系哺乳動物細胞の一 例は、Cos7細胞である。薬剤候補は、当該技術において周知の放射性リガン ド結合法(その例はここに記載の結合アッセイに示される)を用いて、形質導入 された細胞内で発現されたグリシン輸送体タンパクに対して高い親和性で結合す る化合物を選択することによって同定される。薬剤候捕はまた、一つの特別のグ リシン輸送体サブタイプに高い親和性で結合するが、他の何れのグリシン輸送体 サブタイプまたは他の何れの公知の輸送体部位に対しても高い親和性で結合しな い化合物を同定することによって、選択性をスクリーニングされる。特異的な高 親和性の化合物は、患者に投与された後、主に標的グリシン輸送体部位と相互作 用するので、欲しない副作用をもった薬剤を製造する機会はこのアプローチによ って最小限に抑制される。本発明は、上記の方法によって同定 された薬剤と、薬剤的に許容され得るキャリアとを含有する薬剤組成物を提供す る。ここで用いる「薬剤的に許容され得るキャリア」の用語は、リン酸緩衝生理 食塩水溶液、水およびエマルジョン(油/水もしくは水/油エマルジョン)、種 々のタイプの湿潤化剤のような標準的な薬剤キャリアの何れをも包含する。候補 薬剤が特定の投与経路、例えば経口または注射によって充分に生物学的に利用可 能であることが示され(望ましい治療的利点を得るためには、充分な治療的濃度 が作用部位において充分な時間だけ維持されなければならない)、更に毒性がな いこと及び適切な疾患モデルにおいて治療的に有効であることが示されたならば 、該薬剤は、所望の治療的利点を得るために、該薬剤を生物学的に利用可能とす ると決定された投与経路により、適切な固体処方または溶液処方の形で患者に投 与され得る。 出願人は個々の輸送体サブタイプのタンパクを同定し、また治療のための薬理 学的化合物を同定する方法を記載した。特定の輸送体サブタイプに向けられた薬 理学的化合物は、効果的で且つ副作用が最小限である新しい治療を提供する。 神経系グリシン輸送体の分子構造の解明は、グリシン作動性神経伝達を理解す る上で重要なステップである。この出願の開示は、グリシン輸送体をコードする ラット脳由来cDNAクローンの単離、アミノ酸配列および機能的発現を報告し ている。この出願の開示は更に、グリシン輸送体をコードするヒト脳由来cDN Aクローンの単離、アミノ酸配列および機能的発現を報告している。これら輸送 体の同定は、グリシ ン作動性伝達および神経調節の基礎をなす分子的機構の解明において重要な役割 を果たし、また新規な治療剤の開発を補助するに違いない。 グリシン輸送体をコードする相補的DNAクローン(rB20aと称する)が ラット脳から単離され、その機能的特性が哺乳動物細胞において試験された。r B20aのヌクレオチド配列は、638アミノ酸のタンパク(膜スパンニングド メインに一致する高度に疎水性な12の領域を含む)を予言する。50nmの[3H ]グリシンと共にインキュベートしたとき、rB20aで暫定的に形質導入され たCOS細胞は、形質導入されない対照細胞の50倍も多くの放射活性を蓄積す る。rB20aによってコードされる輸送体はグリシンに対する高い親和性を示 し(Km=100uM)、細胞外のナトリウムおよび塩素イオンに依存する。加え て、グリシン輸送体をコードする相補的DNAクローン(hTC27aと称する )がヒト脳から単離された。グリシン輸送体の構造および機能の分析によって、 認識増強剤として有用であり、また癲癇および他の精神病の治療に有用な薬剤を 開発するためのモデルが提供される。 本発明は、新しい輸送体タンパク、そのアミノ酸配列、並びにその哺乳類遺伝 子およびヒト遺伝子を初めて同定している。この発見により提供される情報およ び実験手段は、この新しい輸送体タンパク、その関連mRNA分子またはその関 連ゲノムDNAのための新しい治療薬および新しい治療もしくは診断試験を生み 出すために有用である。この発見により 提供される情報および実験手段は、この新しい輸送体タンパク、その関連mRN A分子またはその関連ゲノムDNAのための新しい治療薬および新しい治療もし くは診断試験を生み出すために有用であろう。 より詳細には、本発明はグリシン輸送体をコードする哺乳類cDNAクローン およびゲノムクローンの最初の単離に関する。rB20aとして特定された、輸 送体の新しい哺乳類遺伝子が同定され、特徴付けられた。また、一連の関連cD NAクローンおよび関連ゲノムクローンが単離された。更に、哺乳類グリシン輸 送体が、Ccs7細胞をプラスミドpSVL−rB20aで形質導入することに より、該細胞内で発現された。コードされたタンパクの薬理学的な特性が決定さ れ、これら特性によって、該タンパクはグリシン輸送体に分類される。この哺乳 類グリシン輸送体を細胞表面に発現する哺乳動物の細胞ラインが構築され、該グ リシン輸送体を研究するために用いられる十分に定義された初めての培養細胞ラ インが確立された。 本発明は更に、グリシン輸送体をコードするヒトcDNAクローン及びゲノム クローンの最初の単離に関する。ここでhTC27aとして特定される、ヒト輸 送体のための新規なヒト遺伝子が同定され、特徴付けられた。 本発明は、以下に示す実験の詳細を参照することによって更によく理解される であろう。しかし、以下で詳述される個々の実験は単なる例示であり、上記で説 明され且つ後記の請求の範囲に定義される本発明を限定することを意味しない。 当業者はこのことを容易に承認するであろう。 〔実験の詳細〕 <材料および方法> ラットグリシン輸送体のクローニングおよびシークエンシング:ラムダZAP II ベクター(Stratagene,La Jolla,CA)中のラットの脳cDNAライブラリーが、ラ ットのGABA輸送体cDNAのコード領域に相当する重なりプローブを使用し て、低い厳密性でスクリーニングされた(Guaslella et al.1990)。ランダムに プライムされたラット脳のcDNAから、GABA輸送体をコードしているPC R生成物を生じさせるために、正確なプライマーが使用された。三組の(プライ マーによる)生成物が、全コード領域を示すように、ラットのGABA輸送体c DNAのヌクレオチドの配列から三組のプライマーが創製された(Guaslella et al.1990)。プライマーセット1は、862bpのPCR生成物を産生するために、ヌ クレオチド-125から-109から派生するセンスオリゴヌクレオチドとして、および ヌクレオチド721から737から派生するアンチセンスオリゴヌクレオチドとして作 成され;プライマーセット2は、821bpのPCR生成物を産生するために、ヌク レオチド613から629および1417‐1433から夫々派生するセンスおよびアンチセン スオリゴヌクレオチドから構成され;プライマーセット3は、559bpのPCR生 成物を得るために,ヌクレオチド1318から1334および1860‐1876から生じるセン スおよびアンチセンスオリゴヌクレオチドか ら夫々構成される。559bpPCR生成物はゲル精製され、サブクローンされ、配 列決定されて、その独自性が確認された。その他のものは、ゲル精製されて直接 プローブとして使用された。三つのプローブは全て、無作為プライミンングの方 法により32Pで標識された(Feinberg and Volgelstein,1983)。ハイブリダイゼ ーションが、25%フォルムアミド、10%硫酸デキストラン、5X SSC(1X SSCは ,0.15M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウム)、1XのDenhardt’s(0 .02%ポリビニルピロリドン、0.02%Ficollおよび0.02%子牛血清アルブミン)お よび100μg/mlの超音波破砕されたサーモン精子DNAを含む溶液中において4 0℃で行われた。濾紙が、40℃において0.1%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含 む0.1X SSCで洗浄され、一枚の増感スクリーンーの存在下で、コダックXARフィ ルムに-70℃で露光させた。プローブにハイブリダイスしているラムダファージ は、プラーク精製され、正確に適合しているものを排除するために同じプローブ 混合物で、高い厳密性をもってスクリーニングされた。候補クローンは、f1ヘル パーファージによるin-vivo切り出しによりファージミド(phagemids)に変換され た。pBluescrip1の二本鎖cDNAのヌクレオチド配列が、シークエナーゼ(U .S.Biochemical Corp.,Cleaveland,Ohio)を使用してサンガーのデイデイオ キシ ヌクレオチド チェインターミネータ法(Sanger,1977)により分析された 。 発現:二つのcDNAクローン(合わせるとグリシン輸送体遺伝子の全コード 領域に亘り、5’の未翻訳配列の63塩 基対および3’の未翻訳配列の189塩基対を含む)が同定された。これらの二つの クローンは、内部のNcol部位で連結することにより完全な長さのクローン(rB20a と命名)に構築され、次いで真核細胞発現ベクターpSVL(Pharmacia LKB Biotech nology,Piscataway,NJ)にクローン化された。COS細胞の一時的トランスフェ クションが、DMSOと共にDEAE-デキストランを使用して、若干改良を加えたLopat a et al.(1984)の方法に準拠して実施された。COS細胞は、6‐ウエルプレート (37℃、5%CO2)内において、10%子牛血清、100U/m|ペニシリンG、および100μl /ml硫酸ストレプトマイシンを捕充した高グルコースDulbecco改良イーグル培地 中で成育された。細胞は、常法に従い、トランスフェクションの二日後に輸送研 究のために使用された。 輸送研究:グリシン輸送を測定するために、6‐ウエルプレート(ウエル直径 35mm)で成育されたCOS細胞がHEPES緩衝生理食塩水(HBS,NaCl 150mM,HEPES 2 0mM,CaCl21mM,グルコース10mM,KCl 5mM,MgCl21mM,pH7.4)で3回洗浄し、3 7℃の水浴中において平衡化された。10分後に培地を除去し、[3H]グリシン( New England Nuclear,sp.activity=45Ci/mmol)を含む溶液およびHBS中に必要 とされる薬剤を添加した(1.5ml/well)。プレートは37℃で10から20分間イン キュベートされ、HBSで急速に三回洗浄された。細胞は、0.05%ナトリウムデオキ シコレート/0.1N Na0H(1ml/well)で溶解され、0.5mlのアリコートが除去され 、1NのHClで中和され、放射線活性がシンチレーション 計測によって測定された。溶解細胞アリコート中の蛋白質が、ブラッドロード試 薬(Bradford Reagent;Biorad,Richmond,CA)により、メーカ指示書に準拠して 定量された。非特異的取り込みが、並行ウエル中1mMの無標識グリシンで測定さ れ、これを全取り込み量(非競合)から差し引いて、特異的取り込み量を得た。 データは全て特異的取り込みを示す。 ノーザレン ブロット分析:RNAzol(Cinna/Biotecx LaboraloriesInc.;Hous ton,TX)を使用し、メーカーの概説書に従って、全細胞性RNAがラット組織 より単離された。不活性化されたRNAサンプル(-30μg)が、3.3%のホルムア ルデヒドを含む1.2gアガロースゲル中で分離された。RNAsは、10X SSC中で一晩 の毛細管ブロッテイングによって、ニトロセルロース膜に移された(Schleicher and Schuell,Keene,NH)。ノーザレンブロットは洗浄され、真空下で2時間8 0℃でベーキングされた。予備ハイブリダイゼーションが、50%のホルムアミド、 2X SSC、1X Denhardt’s、0.1%SDS、20mMリン酸ナトリウムおよび10mM EDTAを 含む溶液中で1時間、65℃で行なわれた。ブロットは、125μg/mlの超音波破砕 されたサケ精子DNAを含むプレハイブリダイゼーション混合物中において、42 ℃で一晩、32Pで標識されたDNAプローブ(無作為にプライムされた)とハイ ブリダイスされた。ブロットは、65℃において、2XSSC/1% SDSと0.1X SSC/1% SD S中で順次洗浄され、次いで-90℃において、一つの増感スクリーンを用いてコダ ックXAR-5フィルムを最高一週間露光させた。In Situ ハイブリダイゼーション:雄のSprague-Dawleyラット(Charles River) を軌首し、その脳をイソペンタン中で急速冷凍した。切片をクライオスタット上 で切断し、ポリLリジンで被覆されたカバースリップ上に解凍載置し(Thawmount ed)、使用するまで-80℃で貯蔵した。組織は4%パラフォルムアルデヒド中で固定 され、5mMのジチオトレイトール(DTT)で処理され、アセチル化され(0.1Mのト リエタノールアミン中0.25%無水酢酸)、次いで脱水された。組織は50%のホル ムアミド、4X SSC(0.6M NaCl/0.06Mクエン酸ナトリウム)、1X Denhardt’s溶液 (0.2%ポリビニルピロリジン,0.2% Ficoll,0.2%子牛血清アルブミン)、50mM DTT、500μg/mlのサケ精子DNA、500μg/ml酵母tRNA、10%硫酸デキストランを 含む溶液中で予備ハイブリダイズされ(1時間、40℃)、次いで同様の溶液中で 一晩、35S‐標識されたアンチセンスオリゴヌクレオチド(45mers)とハイブリダ イズされた。洗浄および脱水の後、切片をコダックX-OMAT ARフィルム上に-20℃ 4日間並置した。ハイブリダイゼーション信号の特異性を証明するために、ハイ ブリダイゼーションに先だって、類似組織を100μg/mlのRNase Aで前処理した( 37℃で30分)。グリシン輸送体の領域(膜通過ドメインIIIおよびIV間のループ 部分、3’未翻訳部分)を分離するように設計された二つの異なるオリゴヌクレ オチドが、同一パターンのハイブリダイゼーションを示した。スクリーニング用ヒトcDNAライブラリーを確認するためのPCRの使用: hGlyclneのための、ラットPCRプライマーの配列は、5’‐(ATGGCTGTGGCTCA CGGACCTGTGG)及び5’-(TGAAGACTTGACTCCTCGAATGAGGCAGAG)であった。PCR反応 は、20mM Tris(pH8.3)、50mM KCl、1.5mM MgCl2、0.001%ゼラチン、2mM dNTP ’s、各プライマの1μM、Taqポリメラーゼ、及びラムダファージライブラリ、 水または対照プラスミドのアリコートを含む緩衝液中において、94℃で2分、50 ℃で2分および72℃で3分からなるサイクルを40サイクルで実施された。PCR 産生物は1.2%アガロースゲル中での電気泳動で分離され、ナイロン膜(ゼータプ ローブGT;Blo-Rad Laboratories,Richmond,CA)にブロットされ、25%のホル ムアミド、10%の硫酸デキストラン、5X SSC、1X Denhardt’s、100μg/mlの超音 波破砕サケ精子DNAを含む溶液中において40℃で一晩、32Pで標識されたオリゴ ヌクレオチドプローブ(45mersの重なり)とハイブリダイズされた。オリゴヌク レオチドの配列は、ラット・グリシン輸送体のアミノ酸204-226に対応した。ブ ロットは低い厳密性(0.1X SSC,40℃)で洗浄され、コダックXARフィルムを最 高3日間、一つの増感スクリーンを用いて-70℃で露光させた。 ヒトクローンの単離およびシークエンシング: hGlycineを含むことが確認さ れているラムダZAPベクターまたはラムダZAP IIベクター(Stratagene,La Joll a,CA)中のヒトcDNAライブラリーが、厳密性を下げてスクリーニングさ れた(25%のホルムアミド、40℃ハイブリダイゼーション;0.1X SSC,40℃洗浄 )。ハイブリダイズするラムダファージはプラーク精製され、f1ヘルパーファー ジによるin vivo切り出しによってファージミドに変換された。pBluescript中 の二本鎖cDNAsのヌクレオチド配列が、シークエナーゼ(U.S.Biochemical Corp.,Cleaveland,Ohio)を使用し、サンガーのデイデイオキシヌクレオチドチ ェインターミネーション法(Sanger,1977)によって分析された。 <結果> グリシン輸送体をクローン化するために、ラット脳cDNAライブラリが、ラ ットGABA輸送体をコードするプローブを用いて、低い厳密性でスクリーンさ れた(Guaslella et al.,1990)。単離された48のクローンのうちの10クローンが 、高厳密性ではないが低い厳密性で、GABA輸送体プローブとハイブリダイズ したことが同定された。DNA配列分析によって、これらのクローンの内の7つ が重複した断片を含むことが明らかになった。このクローンの内の二つは、1917 塩基対の読み取り枠と共に2.2kbの配列(rB20a)を構成していることがわかった。 ラットGABA輸送体とこれら配列との比較により、55‐60%のヌクレオチドが コード領域内で一致することが分かった。GenbankおよびEMBLデータベースの調 査によって、このヌクレオチド配列が新規であること、最も緊密に関係している 配列の二つはラットのGABA輸送体(Gualella et al.,1990)およびヒトノル エピネフリン輸送 体(Pacholczyk ee al.,1991)であることが証明された。 ヌクレオチドおよび推定アミノ酸配列、並びにrB20aによってコードされた蛋 白の膜トポロジーの提案が図1に示めされている。位置1のATG開始コドンか ら位置1917の終始コドンに亘る読み取り枠は、約72,000の相対分子量(Mr)を有す る、長さ638アミノ酸の蛋白をコードすることが出来る。ハイドロパシー(hydrop athy)分析では、膜スパンニングセグメントに相当し得る12の疎水性ドメイン がある事が示された(データ不表示)。我々は細胞中に両末端をもち、GABA (Guaslella et al.)およびノルアドレナリン(Pacholczyk et al.,1991)輸送 体用に提案される膜トポロジーと同様に、グリシン輸送体の模型を作成した。6 つの可能なAsn連結グリコシル化部位のうちの4つは、第3および第4の膜貫 通ドメインの間のループ(細胞外と予想される)に見られる。GABA輸送体と 並べて比較することにより、45%のアミノ酸同一性(保存的置換では68%の相同性 )が明らかになった。ヒト・ノルエピネフリン輸送体(Pacholczyk et al.1991) とrB20aとの比較では、同程度(42%)のアミノ酸同一性(図2)を示した。これら のデータによって、該新規配列は脳で発現される新規な輸送体をコードしている ことが示唆された。この可能性を探索するために、この配列が哺乳類発現ベクタ (pSVL)に入れ、COS細胞にトランスフェクトし、種々の放射線標識した神経 伝達物質およびアミノ酸の輸送についてスクリーニングした。 rB20aで一時的にトランスフェクトされたCOS細胞(COS /rB20a)は、トランスフェクトされていない対照細胞よりも[3H]グリシンを多 く蓄積した(図3)。低濃度の[3H]グリシン(50‐100nM)と共に20分のインキ ュベーション(37℃)を行なっている間、特異的取り込みは対照(平均±SEM、n=6 被験体)の54±6倍を凌ぐ増加を示した;代表的な実験を図3に示す。特異的取 り込みは、対照において全取り込みの45±4%を、トランスフェクトされた細胞に おいて全取り込みの87±1%(平均士SEM,n=6)を夫々示した。また、両者の場 合の非特異的取り込みの絶対濃度は類似していた。トランスフェクトされた細胞 で高パーセンテージの特異的取り込みが観察されることは、rB20aの発現の結果 として増大された取り込みが飽和可能であることを実証している。[3H]グリ シンの取り込みが、当該挿入物を欠くプラスミドまたは無関係な挿入物を含むプ ラスミドでのトランスフェクションによって増加しなかったこと(表示なし)は 、上記の取り込み増加がrB20aに特異的であって、膜の非特異的パーターベーシ ョンに起因するものではない事を示している。更に、rB20aの発現は[3H]GA BA、[3H]ヒスタミン、[3H]グルタミン酸、[3H]チロシン、[3H]ノ ルエピネフリン、[3H]5−HT、[3H]ドーパミンの取り込みを有意に変化 させなかった(データ表示なし)。[3H]グリシンの輸送は、Na+をLi+(図3 )またはコリン(不表示)で置換するか、或いはCl-をアセテートおよびグルコ ネートで置換すると≧95%低下する(図3)。この様に、rB20aによってコードさ れたグリシン輸送体は、クロー ン化されたGABA輸送体に対してと同じように(Guastella et al.,1990)、Na+ およびCl-を絶対的に必要とする。これらのデータを総合すると、rB20aがナト リウムおよび塩素依存性の飽和可能なグリシン輸送体をコードしていることが示 される。 rB20a/COS細胞における50nM[3H]グリシンの取り込みの速度論が図4Aに示 される。[3H]グリシンの特異的蓄積は、最初の数分間は直線的であり、約5 分で飽和に達した。グリシンのクローン化輸送体に対する親和性を測定するため に、rB20aでトランスフェクトされたCOS細胞を種々の濃度の[3H]グリシン と共にインキュベートし、その放射活性の特異的蓄積を測定した。代表的実験が 図4Bに示されているが、図4Bでは、キャリア媒介されたプロセスについて予 想されたように、取り込みがグリシンの高濃度で飽和したことがわかる。このデ ータの非直線的回帰分析によって、123μMのKMと、28nM/分/1mg蛋白のVmax が示された(2実験の平均)。 rB20aのよってコードされる輸送体の薬理学的特異性を調べるために、我々は 、[3H]グリシンの取り込みについてrB20aでトランスフェクトされたCOS細 胞と競合する様々な薬剤の能力を調査した(表1)。 表1rB20a によってトランスフェクトされたCOS-7細胞における[3H]取り込みの薬学的 特異性 aグリシン輸送体をコードするrB20aでトランスフェクトされたCOS-7細胞は、5 0nMの[3H]グリシンおよび表示さ れた化合物と共に10分(37℃)インキュベートされた。非特異的取り込みが1mM グリシンで測定された。データは特異的[3H]グリシン取り込みのパーセント置 換で示す。 グリシンは、種々の組織における多重アミノ酸輸送システムの基質である。そ れ故、先に同定されたシステムに対するこのクローン化された輸送体の関係を決 定ことが重要であった。システムAの基質であるα-(メチルアミノ)イソ酪酸酸( 1mM)も、システムASCの基質であるL-セリン(lmM)も、[3H]グリシンの取り込 みに対して有意には競合しなかった。サルコシン(N-メチルグリシン)に阻害さ れた特異的[3H]グリシン輸送は、10μM,100μM,1mMで夫々、23%,64%,100% であり、約50μMのIC50と合致した。グリシンのエチルエステル及びメチルエス テルは阻害能力がグリシンよりも弱く、1mMにおいて夫々32%および42%だけ、特 異的輸送を阻害した。10μM,100μMでは阻害はみられなかった。他の試験に供 した薬剤は、[3H]グリシンの取り込みについて競合しなかった。これらのデータ は、rB20aがグリシンに特異的な輸送体をコードしている事を示している。 グリシン輸送体をコードするmRNAの分布を決定するために、我々はラット 脳の種々の領域および周辺組織から単離した全RNAのノーザレンブロット分析 を実施した(図5)。高い厳密性でグリシン輸送体cDNAとハイブリダイズす る単一の転写物(約3.8kb)が、全脳、中脳、後脳、小脳および脊椎等の全中枢神 経系サンプル中に存在し、前脳には低量存 在していた。シクロフィリン(Danielsonet al.,1988)をコードするcDNA での再プロービングによりRNA量を正規化したところ、脊椎および小脳中にお けるグリシンmRNAの調整量は、後脳および中脳で見られる量とほぼ等しい事 がわかった。この転写物は、脾蔵、腎臓または大動脈では検出されなかった。非 常に弱い信号が肝臓で検出されたが、これは関連遺伝子との交差ハイブリダイゼ ーションか、或いはグリシン輸送体mRNAの超低レベル発現を反映している。 これらのデータは、グリシン輸送体mRNAが主に神経系で発現される事を示唆 している。 グリシン輸送体の局剤化をより詳細に測定するために、ラット中枢神経系の冠 状切片において、特異的アンチセンスプローブのin-situハイブリダイゼーショ ンが行なわれた(図6)。グリシン輸送体mRNAは全脳レベルで観察されたが 、その分布はかなりの領域的不均一を示した。中程度から高程度のmRNAが脊 椎領域、脳幹領域、および中脳領域で検出され、この領域においては、阻害的神 経伝達におけるグリシンの役割が十分に実証される。淡蒼球および視床下部は中 程度に標識されたが、視床および線条(Siriatum)では弱く標識され、黒質は標識 されなかった。新皮質は、全てのロストロコーダル(rostrocaudal)レベルで、弱 く拡散した標識を示した。臭覚球の僧帽細胞層および小脳の顆粒層では、濃厚な 標識がみられた。驚いたことに、海馬形成の錐体細胞層(歯状円形CA1,CA2,CA 3)で高濃度の標識が観察されたか(図6)、この領域では通常のグリシン受容 体が無いかまたは少ない (Malosio et al.,1991,van den Pol and Gorcs,1988)。海馬における標識 パターンは、むしろNMDAレセプターにおけるグリシン可変部のパターンに相 当している(Monoghan,1990)。 ヒト・グリシン輸送体をコードするcDNAクローン(hGlycine)を得るため に、我々は、ヒトcDNAライブラリにおいてhGlycineの有無を検出する、ラ ット・グリシン輸送体cDNAのヌクレオチド配列に基づくPCRプライマーを 使用した。PCRは、ラットとヒトの配列間の誤適合を誘うために、アニーリン グ温度を下げて実施された(実験法参照);ラット・グリシン輸送体配列に相当 する放射線標識されたオリゴヌクレオチドとの低い厳密性でのハイブリダイゼー ションによって、増幅されたhGlycine配列が検出された。ヒト側頭皮質cDNA ライブラリ(Stratagene)が、同じプローブによって、低い厳密性で同定およびス クリーニングされ、その結果、hGlycineのコード領域の主要部分を含む部分的c DNAクローン(hTC27a)が単離された。該クローンからのhGlycineヌクレオチド 配列と、長い読取り枠の翻訳に基づく推定アミノ酸配列が図7に示される。該配 列は、コード領域(312アミノ酸)の936塩基対、および5’未翻訳領域の45塩基対 を含む。ラット・グリシン輸送体アミノ酸配列との比較によって、該クローンに よってコードされる領域(開始メチオニン(N-末端)およびヒトグリシン輸送体の 予想される膜貫通ドメイン1‐5を含む)に亘って、95%の同一性のあることがわ かった。ラットと比較すると、ヒト配列にお いては翻訳開始位置が異なるため、ヒトグリシン輸送体のN-末端は14の付加的ア ミノ酸を含む事が予想される。 <考察> シナプス間伝達の重要性にもかかわらず、神経伝達物質輸送体の分子的性質に ついての我々の理解は、神経伝達物質レセプターの理解に比較して遅れている。 グリシン輸送体をコードするcDNAクローンの我々による同定は、GABA輸 送体(Guaslella et al..,1990)、ノルエピネフリン輸送体(Pacholczy et al. ,1991)、ドーパミン輸送体(Kllly et al.,1991,Shimada et al.,1991)、お よびセロトニン輸送体(Blakely et al.,1991;Hoffman et al.,1991)の最近の クローニングと共に、このクラスの膜蛋白の構造的特質を決定するための枠組み を提供する。 ラット脳からクローン化されたグリシン輸送体は、輸送体族の他のメンバーと 類似する典型的な配列を示す。グリシン輸送体アミノ酸配列を、GABAおよび ノルエピネフリン輸送体(図2)の配列と並べて比較すると、該族内において高 度に保存された多数のドメインがある事がわかる。基質特異性が異なるにもかか わらず、GABA担体とノルエピネフリン担体の間では半分以上の残基が共通し ており、これらの残基はグリシン輸送体にも存在している。これらの大半は、ク ローン化された5つの輸送体すべてに共通している。このような領域が、基質認 識に直接に関係しているとは思えない。むしろ、これら領域は共通の輸送機能に 奉仕しているようだ。 神経伝達物質輸送体を、助長されたグルコース担体(Kayano et al.,1990)のよ うな他の同様にモデル化された栄養輸送体から区別する特徴は、膜通過ドメイン 3および4の間の細胞外の大ループ(幾つかのグリコシル化可能部位を有する) である。該ループおよび膜通過ドメイン9‐11におけるアミノ酸配列は、他の多 くの領域におけるアミノ酸配列よりも一層多様化しており、これらドメインが基 質認識特異性に貢献する可能性を提起している。 信号伝達に加えて、グリシンは、神経組織および非神経組織の両者における蛋 白のアミノ酸構成成分として機能する。ノーザンブロット分析によって、該クロ ーン化グリシン輸送体が神経に特異的であることが示唆され、従って、該輸送体 は“sysiem gly”、即ち肝細胞(Chrislensen and Handlogten,1981;Moseley e t al.,1988)および赤血球細胞(Felipe et al.,1990)等の非神経細胞に存在す るグリシン特異的輸送系から区別される。クローン化グリシン輸送体の薬理学的 特異性(表1)は、培養グリア細胞(Zefra and Gimenez,1989)に存在する高親 和性のグリシン輸送体にみられる特異性、並びに脊椎(Lopez-Corcuera and Arag on,1989)から単離された再構成輸送体と類似しており、通常のアミノ酸輸送体 系システムAおよびシステムASC(Christensen,1984)(グリシンばかりでな く他のアミノ酸も輸送する)とは明らかに区別される。更に、該クローン化され た輸送体のグリシンとの親和性(Km=123μM)は、グリア細胞培養に存在する 高親和性輸送体(95μM,Zefra and Gimenez,1989)の親 和性とほぼ同一であり、ラット脳シナプトソーム中の高親和性輸送体(50μM;Ma yor et al.,1981)とは2倍異なるだけである。総合すると、これらのデータは 神経伝達におけるクローン化グリシン輸送体の役割を支持しており、これは他の 神経伝達物質との高度の構造的類似性に合致する。神経特異的で高度に親和性の グリシン輸送体の同定は、選択的でかつ中枢作用性のグリシン取り込み阻害剤を 創製し得ることを示唆している。 グリシン輸送体mRNAの局剤化研究によって、mRNAは、脊椎および脳幹 に存在している(ここでは古典的な阻害に関与すると思われる)ばかりでなく、 古典的なグリシン阻害レセプターが無いかあるいは低量でしか存在しない思われ る海馬および皮質(Malosio et al.,1991;Van den Pol and Gorcs,1988)におい ても、大規模に発現されることが解明された。むしろ、これらの領域はNMDA レセプターに関連したグリシン結合部位を多く含んでおり(Monoghan,1990;Mori yoshi et al.,1991;Kumar et al.,1991)、グリシン輸送体がNMDAレセプタ ーを調整し、記憶保存のような認識プロセスを調節することに関与しているであ ろうことを示唆している。海馬形成に高濃度のグリシン輸送体mRNAが関与す るという我々知見は、細胞外空間におけるグリシンの内因性レベルが該輸送体に よって調節され得ることを示唆している。グリシンの濃度を調節し、それによっ てNMDAレセプターの機能的有効性を調節する能力は、高度の神経系プロセス を調整するために重要であろう。 近年、Smith et al.(1992)によってクローン化された物と類似しているが同 一ではないグリシン輸送体cDNAが、ラット(Guastella et al.,1992)及びマ ウス(Liu et al.,1992a)の両者からクローン化された。これらのイソ形体は、 択一的なスプライシングに起因し得るものであり、組織特異的発現を調整する手 段を提供できるであろう。グリシン輸送体に加えて、先にクローン化された神経 伝達物質輸送体との有意な配列相同性を示す別の輸送体が幾つかクローン化され た。最近、GABA輸送体GAT-1のマウス相同体に相当するcDNAおよび遺伝 子クローンが報告された(Liu et al.,1992)。我々は最近、ラットの脳から、新 規な二つの高親和性GABA輸送体(GAT-2,GAT-3と命名)をクローニングし、 発現させたことを報告した(Borden et al.,1992)。Borden et al.(1992)によ って報告されたラットGAT-3配列と100%のアミノ酸同一性を示す、ラット脳由来 のβ‐アラニン感受性GABA輸送体がClark et al.,(1992)によってクローン 化された。高親和性のL-プロリン輸送体がFremeau et al.,(1992)によって報告 されたが、これは興奮性神経伝達物質におけるL‐プロリンの役割を支持してい る。コリン輸送体として同定されたラットcDNAが、Mayser et al.,(1992) によって報告された。Smith et al.,(1992a)によって報告されたラット・タ ウリン輸送体のアミノ酸配列と90%同一であるタウリン輸送体cDNAが、犬の 腎臓細胞から最近クローン化された(Uchida et al.,1992)。最後に、マウスの GABA輸送体をコードするcDNAが、Lopez-Corcuera et al.,(1992)によって最近クローンされた;このcDNAにコードされる輸 送体は、犬のベタイン輸送体(Yamaguchiet al.,1992)と88%同一である。 薬剤の開発プロセスにおけるヒト遺伝子産物の使用は、他の種の遺伝子産物( これらは同じ薬理学的特徴を示さない)を凌ぐ顕著な利点を提供する。阻害的ア ミノ酸輸送体の領域において、このヒトをターゲットとするドラッグデザインへ のアブローチを容易にするために、我々は、ラット脳の高親和性グリシン輸送体 (Smith et al.,1992)のヌクレオチド配列を使用して、ヒト・グリシン輸送体を クローン化した。ヒト脳グリシン輸送体のクローニングおよび発現は、その薬理 学的特徴をラットのグリシン輸送体の薬理学的特徴と比較すること可能にし、ま た、ヒト治療剤としてのグリシン取り込み阻害剤の作用機構を理解し、予想する ための手段を提供する。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】平成5年12月6日(1993.12.6) 【補正内容】 請求の範囲 1.哺乳類グリシン輸送体をコードする、単離された核酸分子。 2.前記核酸分子がヒト・グリシン輸送体をコードする、請求項1に記載の核 酸分子。 3.前記核酸分子がDNA分子である、請求項1に記載の単離された核酸分子 。 4.前記DNA分子がcDNA分子である、請求項3に記載の単離されたDN A分子。 5.前記DNA分子がゲノムDNAから誘導される、請求項3に記載のDNA 分子。 6.請求項3のDNA分子を具備するベクター。 7.プラスミドベクターである、請求項6に記載のベクタ 。 8.バクテリア細胞内でのグリシン輸送体の発現に適用される請求項6に記載 のベクターであって、グリシン輸送体をコードする前記DNAのバクテリア細胞 内での発現のために必要な調節因子を具備し、該調節因子は前記DNAに対して その発現を可能とするように位置付けられているベクター。 9.酵母細胞内でのグリシン輸送体の発現に適用される請求項6に記載のベク ターであって、グリシン輸送体をコードする前記DNAの酵母細胞内での発現の ために必要な調節因子を具備し、該調節因子は前記DNAに対してその発現を可 能とするように位置付けられているベクター。 10.哺乳動物細胞内でのグリシン輸送体の発現に適用さ れる請求項6に記載のベクターであって、グリシン輸送体をコードする前記DN Aの哺乳動物細胞内での発現のために必要な調節因子を具備し、該調節因子は前 記DNAに対してその発現を可能とするように位置付けられているベクター。 11.哺乳動物細胞内でのグリシン輸送体の発現に適用される請求項7に記載 のベクターであって、グリシン輸送体をコードする前記DNAの哺乳動物細胞内 での発現のために必要な調節因子を具備し、該調節因子は前記DNAに対してそ の発現を可能とするように位置付けられているベクター。 12.pSVL−rB20aと命名された請求項11に記載のプラスミド(A TCC受付番号第75132号)。 13.pBluescript−hTC27aと命名された、請求項11に記載のプラス ミド(ATCC受付番号第75342号)。 14.請求項7に記載のプラスミドを具備する哺乳動物細胞。 15.前記哺乳動物細胞がCos7細胞である請求項14に記載の哺乳動物細 胞。 16.請求項12に記載のプラスミドを具備するCos7細胞。 17.哺乳類グリシン輸送体をコードする核酸分子の配列中に含まれる配列と 特異的にハイブリダイズすることができる、少なくとも15ヌクレオチドの核酸 分子を具備した核酸プローブ。 18.ヒト・グリシン輸送体をコードする核酸分子の配列中に含まれる配列と 特異的にハイブリダイズすることができ る、少なくとも15ヌクレオチドの核酸分子を具備した核酸プローブ。 19.前記核酸がDNAである、請求項17に記載の核酸プローブ。 20.請求項17に従う核酸プローブの混合物であって、夫々のプローブは、 所定の位置で互いに異なる配列を有している混合物。 21.哺乳類グリシン輸送体をコードするmRNAに特異的に結合できる配列 を有し、該mRNAの翻訳を妨害するアンチセンスオリゴヌクレオチド。 22.ヒト・グリシン輸送体をコードするmRNAに特異的に結合できる配列 を有し、該mRNAの翻訳を妨害するアンチセンスオリゴヌクレオチド。 23.ヌクレオチドの化学的類縁体を具備する請求項21に記載のアンチセン スオリゴヌクレオチド。 24.請求項21に従うアンチセンスオリゴヌクレオチドの混合物であって、 夫々のオリゴヌクレオチドは所定の位置で互いに異なる配列を有している混合物 。 25.哺乳類グリシン輸送体の発現を検出する方法であって、細胞または組織 からRNAを得ることと、こうして得られたRNAを、ハイブリダイズ条件下に おいて請求項17の核酸プローブと接触させることと、該プローブにハイブリダ イズしたmRNAの存在を検出すること(該プローブにハイブリダイズしたmR NAの存在は哺乳類グリシン輸送体の発現を示す)と、これにより前記哺乳類グ リシン輸送体の発現 を検出することとを具備する方法。 26.ヒト・グリシン輸送体の発現を検出する方法であって、細胞または組織 からRNAを得ることと、こうして得られたRNAを、ハイブリダイズ条件下に おいて請求項18の核酸プローブと接触させることと、該プローブにハイブリダ イズしたmRNAの存在を検出すること(該プローブにハイブリダイズしたmR NAの存在はヒト・グリシン輸送体の発現を示す)と、これによりヒト・グリシ ン輸送体の発現を検出することとを具備する方法。 27.in situハイブリダイゼーションにより細胞または組織における哺乳類 グリシン輸送体の発現を検出する方法であって、前記細胞または組織を、ハイブ リダイズ条件下において請求項17の核酸プローブと接触させることと、該プロ ーブにハイブリダイズしたmRNAの存在を検出すること(該プローブにハイブ リダイズしたmRNAの存在は哺乳類グリシン輸送体の発現を示す)と、これに より哺乳類グリシン輸送体の発現を検出することとを具備する方法。 28.in situハイブリダイゼーションにより細胞または組織におけるヒト・ グリシン輸送体の発現を検出する方法であって、前記細胞または組織を、ハイブ リダイズ条件下において請求項18の核酸プローブと接触させることと、該プロ ーブにハイブリダイズしたmRNAの存在を検出すること(該プローブにハイブ リダイズしたmRNAの存在はヒト・グリシン輸送体の発現を示す)と、これに よりヒト・グリシン輸送体の発現を検出することとを具備する方法。 29.遺伝子ライブラリーからグリシン輸送体以外の輸送体をコードする遺伝子 を単離する方法であって、前記ライブラリーをハイブリダイズ条件下で請求項1 7のプローブと接触させることと、該プローブがハイブリダイズする遺伝子を単 離することとを具備する方法。 30.請求項28に記載の方法であって、更に、前記ライブラリーを具備する DNAを同時に、ハイブリダイズ条件下において、前記第一のプローブがハイブ リダイズする遺伝子DNAの相補鎖DNA配列にハイブリダイズできる配列を具 備した第二の核酸プローブと接触させることと、両方のプローブがハイブリダイ ズした遺伝子配列を処理して該遺伝子配列の多重コピーを生成させることと、増 幅された遺伝子配列を単離することと、単離された遺伝子配列をプローブとして 用いることにより、増幅されたDNA配列がハイブリダイズする遺伝子を遺伝子 ライブラリーから単離することとを具備した方法。 31.請求項29または30に記載の方法で単離された遺伝子。 32.合成遺伝子であって、請求項1の単離された核酸分子と、これに付着し て前記合成遺伝子から転写されるRNA分子の数を増大させる少なくとも一つの 調節因子とを具備する合成遺伝子。 33.合成遺伝子であって、請求項1の単離された核酸分子と、これに付着し て前記合成遺伝子から転写されるRNA分子の数を減少させる少なくとも一つの 調節因子とを具備す る合成遺伝子。 34.単離された哺乳類グリシン輸送体タンパク。 35.前記哺乳類グリシン輸送体タンパクがヒト・グリシン輸送体である、請 求項34に記載の輸送体タンパク。 36.請求項34の哺乳類グリシン輸送体を製造する方法であって、細胞に前 記哺乳類グリシン輸送体の発現を誘導することと、得られた細胞から該哺乳類グ リシン輸送体を回収することとを具備した方法。 37.請求項34の哺乳類グリシン輸送体タンパクを製造する方法であって、 前記哺乳類グリシンをコードする核酸分子を適切なベクターに挿入することと、 得られたベクターを適切なホスト細胞に挿入することと、得られた細胞により産 生された前記哺乳類グリシン輸送体を回収することとを具備した方法。 38.請求項35のヒト・グリシン輸送体を製造する方法であって、細胞に前 記ヒト・グリシン輸送体の発現を誘導することと、得られた細胞から前記ヒト・ グリシン輸送体を回収することとを具備した方法。 39.請求項35のヒト・グリシン輸送体タンパクを製造する方法であって、 前記ヒト・グリシンをコードする核酸分子を適切なベクターに挿入することと、 得られたベクターを適切なホスト細胞に挿入することと、得られた細胞により産 生された前記ヒト・グリシン輸送体を回収することとを具備した方法。 40.哺乳類グリシン輸送体もしくは該哺乳類グリシン輸 送体のタンパクフラグメントに向けられた抗体。 41.ヒト・グリシン輸送体もしくは該ヒト・グリシン輸送体のタンパクフラ グメントに向けられた抗体。 42.前記抗体がモノクローナル抗体である請求項40に記載の抗体。 43.前記抗体がモノクローナル抗体である請求項41に記載の抗体。 44.請求項42に記載のモノクローナル抗体であって、該抗体が哺乳類細胞 表面グリシン輸送体のエピトープ(哺乳類グリシン輸送体の細胞表面エピトープ のアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有する)に向けられたモノクロナ ル抗体。 45.請求項43に記載のモノクローナル抗体であって、該抗体がヒト・細胞 表面グリシン輸送体のエピトープ(ヒト・グリシン輸送体の細胞表面エピトープ のアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有する)に向けられたモノクロナ ル抗体。 46.ヒト・グリシン輸送体の過剰発現に起因した異常を緩和するのに効果的 な物質の有効量と、薬剤的に許容可能なキャリアとを含有する薬剤組成物。 47.ヒト・グリシン輸送体の過少発現に起因した異常を緩和するのに効果的 な物質の有効量と、薬剤的に許容可能なキャリアとを含有する薬剤組成物。 48.細胞膜を通過して細胞内で哺乳類グリシン輸送体をコードするmRNA と特異的に結合し、その翻訳を阻害する ことにより哺乳類グリシン輸送体の発現を低下させるのに有効な量の請求項22 のオリゴヌクレオチドと、細胞膜を透過できる薬剤的に許容可能な疎水性キャリ アとを含有する薬剤組成物。 49.請求項48に記載の薬剤組成物であって、前記ヌクレオチドがmRNA を不活性化する物質に連結されている薬剤組成物。 50.請求項49に記載の薬剤組成物であって、mRNAを不活性化する前記 物質がリボザイムである薬剤組成物。 51.請求項49に記載の薬剤組成物であって、細胞膜を透過できる薬剤的に 許容可能な前記疎水性キャリアが、選択された細胞タイプに特異的な輸送体に結 合し、該選択された細胞タイプの細胞によって取り込まれる構造を具備している 薬剤組成物。 52.天然に存在する基質のグリシン輸送体への結合をブロックするために有 効な量の請求項41の抗体と、薬剤的に許容可能なキャリアとを含有する薬剤組 成物。 53.請求項1の核酸分子を具備するトランスジェニック非ヒト哺乳動物。 54.そのゲノムが請求項1の核酸分子を具備したトランスジェニック非ヒト 哺乳動物であって、前記核酸分子は、前記グリシン輸送体をコードするmRNA に相補的で且つ前記グリシン輸送体をコードするmRNAとハイブリダイズする ことによりその翻訳を低下させるアンチセンスmRNA中に転写されるように、 前記ゲノム中に配置されているトランス ジェニック非ヒト哺乳動物。 55.請求項53のトランスジェエニック非ヒト哺乳動物であって、前記核酸 分子が更に誘導プロモータを具備するトランスジェエニック非ヒト哺乳動物。 56.請求項53に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物であって、前記 核酸分子が更に組織特異的調節要素を具備するトランスジェニック非ヒト哺乳動 物。 57.前記トランスジェニック非ヒト哺乳動物がマウスである、請求項53に 記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。 58.ヒト・グリシン輸送体の発現レベルを変化させることの生理学的効果を 決定する方法であって、そのヒト・グリシン輸送体の発現レベルが、ヒト・グリ シン輸送体の発現を調節する誘導プロモータを使用することによって変化され得 るトランスジェニック非ヒト哺乳動物を製造することを具備した方法。 59.ヒト・グリシン輸送体を種々のレベルで発現することの生理学的効果を 決定する方法であって、夫々が異なった量のヒト・グリシン輸送体を発現する複 数のトランスジェニック非ヒト哺乳動物からなるパネルを製造することを具備し た方法。 60.ヒト・グリシン輸送体に特異的に結合できることが知られていない化合 物が、ヒト・グリシン輸送体に特異的に結合できるか否かを決定するための方法 であって、哺乳動物細胞内での発現に適用されるプラスミド(該プラスミドは更 に、ヒト・グリシン輸送体を細胞表面に発現させるDNAを含む)を有する哺乳 動物細胞と前記化合物とを、ヒト・グリシン輸送体に結合することが知られてい るリガンドを結合される条件下で接触させることと、前記ヒト・グリシン輸送体 に結合した化合物の存在を検出すること(結合した化合物の存在は、該化合物が 前記ヒトグリシン輸送体に特異的に結合できることを示す)とを具備した方法。 61.請求項60に記載の方法であって、前記哺乳動物細胞が非神経細胞であ る方法。 62.請求項61に記載の方法であって、前記非神経細胞がCOS7細胞であ る方法。 63.細胞表面のヒト・グリシン輸送体と特異的に相互作用してこれに結合す る薬剤を同定するために、化合物をスクリーニングする方法であって、哺乳動物 細胞内での発現に適用されるプラスミド(該プラスミドは更に、細胞表面におけ るヒト・グリシン輸送体をコードするDNA分子を含む)を具備する哺乳動物細 胞を複数の化合物に接触させることと、前記哺乳動物細胞の表面に発現されたヒ ト・グリシン輸送体に結合する化合物を検出することと、これによってヒト・グ リシン輸送体と特異的に相互作用してこれに結合する化合物を同定することとを 具備する方法。 64.請求項63に記載の方法であって、前記哺乳動物細胞が非神経細胞であ る方法。 65.請求項64に記載の方法であって、前記非神経細胞がCOS7細胞であ る方法。 66.哺乳動物細胞表面のヒト・グリシン輸送体に結合できることが知られて おらず、且つこのような結合を行なうことができ、又はこのような結合を行なう リガンドの結合を妨けることができる化合物を同定する方法であって、哺乳動物 細胞内での発現に適用されるプラスミド(該プラスミドは更に、ヒト・グリシン 輸送体を前記哺乳動物細胞の細胞表面に発現させるDNAを含む)を有する哺乳 動物細胞を前記化合物に接触させることと、該化合物がヒト・グリシン輸送体に 結合し、又はそのような結合を行なうリガンドの結合を妨げるか否かを決定する ことと、これにより該化合物を、ヒト・グリシン輸送体と相互作用してこれに結 合する化合物として、またはこのような結合を行なうリガンドによるグリシン受 容体への結合を妨げる化合物として同定することを具備した方法。 67.請求項66に記載の方法であって、前記哺乳動物細胞が非神経細胞であ る方法。 68.請求項63の方法により同定された薬物と、薬剤的に許容され得るキャ リアとを含有する薬剤組成物。 69.細胞表面グリシン輸送体の発現を検出する方法であって、細胞から全m RNAを得ることと、こうして得られたmRNAを、ハイブリダイズ条件下で請 求項17の核酸プローブと接触させることと、該プローブにハイブリダイズした mRNAの存在を検出すること(該プローブにハイブリダイズしたmRNAの存 在は前記細胞表面グリシン輸送体の発現を示す)と、これにより前記細胞による 前記グリシン輸送体 の発現を検出することとを具備する方法。 70.患者の異常を治療する方法(前記異常はグリシン輸送体の発現を低下さ せることにより緩和される)であって、患者に対して、患者におけるグリシン輸 送体の発現を低下させるために有効な量の請求項48の薬剤組成物を投与するこ とを具備した方法。 71.グリシン輸送体活性の過剰に関連する異常症状を治療する方法であって 、患者に対して、患者におけるグリシン輸送体の発現を低下させるために有効な 量の請求項48の薬剤組成物を投与することを具備した方法。 72.請求項71に記載の方法であって、前記異常症状が癲癇である方法。 73.請求項71に記載の方法であって、前記異常症状がミオクローヌスであ る方法。 74.請求項71に記載の方法であって、前記異常症状が痙攣性麻痺である方 法。 75.請求項71に記載の方法であって、前記異常症状が筋肉痙攣である方法 。 76.請求項71に記載の方法であって、前記異常症状が精神分裂病である方 法。 77.請求項71に記載の方法であって、前記異常症状が認識障害である方法 。 78.哺乳類グリシン輸送体の発現を低下させることにより緩和される異常を 治療する方法であって、患者に対して、天然に存在する基質の前記グリシン輸送 体への結合をブロッ クするために有効な量の請求項52の薬剤組成物を投与し、これにより哺乳類グ リシン輸送体の過剰発現からもたらされる異常を緩和することを具備した方法。 79.グリシン輸送体活性の過剰に関連する異常症状を治療する方法であって 、患者に対して、天然に存在する基質の前記グリシン輸送体への結合をブロック するために有効な量の請求項52の薬剤組成物を投与することにより、前記異常 症状を緩和することを具備した方法。 80.請求項79に記載の方法であって、前記異常症状が癲癇である方法。 81.請求項79に記載の方法であって、前記異常症状がミオクローヌスであ る方法。 82.請求項79に記載の方法であって、前記異常症状が痙攣性麻痺である方 法。 83.請求項79に記載の方法であって、前記異常症状が筋肉痙攣である方法 。 84.請求項79に記載の方法であって、前記異常症状が精神分裂病である方 法。 85.請求項79に記載の方法であって、前記異常症状が認識障害である方法 。 86.細胞の表面における哺乳類グリシン輸送体の存在を検出する方法であっ て、前記細胞と請求項40の抗体とを、該抗体の前記輸送体への結合を可能とす る条件下で接触させることと、該細胞に結合した前記抗体の存在を検出し、これ により前記細胞表面における哺乳類グリシン輸送体の存在を 検出することとを具備する方法。 87.哺乳類グリシン輸送体の過剰発現からもたらされる異常を緩和すること ができる物質を同定するための方法であって、請求項53のトランスジェニック 非ヒト哺乳動物に物質を投与することと、哺乳類グリシン輸送体の過剰発現の結 果として前記トランスジェニック非ヒト哺乳動物が示す身体的および行動的な異 常を、前記物質が軽減するか否かを決定こととを具備する方法。 88.哺乳類グリシン輸送体の過剰発現からもたらされる異常を治療する方法 であって、患者に対して、哺乳類グリシン輸送体の過剰発現によりもたらされる 異常を緩和するのに有効な量の請求項46の薬剤組成物を投与することを具備し た方法。 89.哺乳類グリシン輸送体の過少発現からもたらされる異常を緩和すること ができる物質を同定するための方法であって、請求項54のトランスジェニック 非ヒト哺乳動物に物質を投与することと、哺乳類グリシン輸送体の過少発現の結 果として前記トランスジェニック非ヒト哺乳動物が示す身体的および行動的な異 常を、前記物質が軽減するか否かを決定こととを具備する方法。 90.哺乳類グリシン輸送体の過少発現からもたらされる異常を治療する方法 であって、患者に対して、哺乳類グリシン輸送体の過少発現によりもたらされる 異常を緩和するのに有効な量の請求項47の薬剤組成物を投与することを具備し た方法。 91.特定の哺乳類グリシン輸送体対立遺伝子の発現に伴う疾患の疾病素因を 診断する方法であって、 a)該疾患に履患している患者のDNAを得ることと、 b)制限酵素のパネルで前記DNAの制限切断を行うことと、 c)得られたDNAフラグメントをサイジングゲル上で電気泳動により分離す ることと、 d)得られたゲルを、哺乳類グリシン輸送体をコードするDNAに特異的にハ イブリダイズすることができ、且つ検出マーカーでラベルされた核酸プローブに 接触させることと、 e)検出マーカーでラベルされた哺乳類グリシン輸送体をコードするDNAに ハイブリダイズされている標識バンドを検出し、該疾患に履患した患者のDNA に特異的な独特のバンドパターンを形成することと、 f)ステップa〜eによる診断のために得られた、DNAを調製することと、 g)ステップeで得られた前記疾患に履患している患者のDNAに特異的な独 特のバンドパターンと、ステップfで診断のために得られたDNAとを比較して 、これらバターンが同一であるか又は異なっているかを決定することにより、パ ターンが同一であれば該疾患の疾病素因ありと診断することとを具備した方法。 92.請求項91に記載の方法であって、特定の哺乳類グリシン輸送体対立遺 伝子の発現に付随する疾病が診断される方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ボーデン、ローレンス・エー アメリカ合衆国、ニュージャージー州 07601、ハッケンサック、アパートメント 3エー、プロスペクト・アビニュー 345 (72)発明者 ブランチェック、テレサ アメリカ合衆国、ニュージャージー州 07666、ティーネック、マーテンス・アビ ニュー 541 (72)発明者 ハーティッグ、ポール・アール アメリカ合衆国、ニュージャージー州 08540、プリンストン、セイヤー・ドライ ブ 104 (72)発明者 ウエインシャンク、リチャード・エル アメリカ合衆国、ニューヨーク州 10024、 ニューヨーク、アパートメント 2エー、 ウエスト・エイティーセブンス・ストリー ト 302 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.哺乳類グリシン輸送体をコードする、単離された核酸分子。 2.前記核酸分子がヒト・グリシン輸送体をコードする、請求項1に記載の核 酸分子。 3.前記核酸分子がDNA分子である、請求項1に記載の単離された核酸分子 。 4.前記DNA分子がcDNA分子である、請求項3に記載の単離されたDN A分子。 5.前記DNA分子がゲノムDNAから誘導される、請求項3に記載のDNA 分子。 6.一以上のヌクレオチドにおいて、グリシン輸送体をコードする核酸分子の 配列とは異なる核酸配列を有し、グリシン輸送体活性を有するタンパクをコード しない、単離された核酸分子。 7.前記核酸分子がDNA分子である、請求項6に記載の核酸分子。 8.前記DNA分子がcDNA分子である、請求項7に記載の核酸分子。 9.請求項3に記載のDNA分子を具備するベクター。 10.プラスミドベクターである、請求項9に記載のベクター。 11.バクテリア細胞内での発現に適用される請求項9に記載のベクターであ って、グリシン輸送体をコードする前記DNAのバクテリア細胞内での発現のた めに必要な調節因子 を具備し、該調節因子は前記DNAに対してその発現を可能とするように位置付 けられているベクター。 12.酵母細胞内での発現に適用される請求項9に記載のベクターであって、 グリシン輸送体をコードする前記DNAの酵母細胞内での発現のために必要な調 節因子を具備し、該調節因子は前記DNAに対してその発現を可能とするように 位置付けられているベクター。 13.哺乳動物細胞内での発現に適用される請求項9に記載のベクターであっ て、グリシン輸送体をコードする前記DNAの哺乳動物細胞内での発現のために 必要な調節因子を具備し、該調節因子は前記DNAに対してその発現を可能とす るように位置付けられているベクター。 14.哺乳動物細胞内での発現に適用される請求項10に記載のプラスミドで あって、グリシン輸送体をコードする前記DNAに対してその発現を可能とする ように位置付けられた、哺乳動物細胞内での前記DNAの発現のために必要な調 節因子を具備したプラスミド。 15.pSVL−rB20aと命名された請求項14に記載のプラスミド(A TCC受付番号第75132号)。 16.p Bluescript−hTC27aと命名された、請求項14に記載のプラ スミド(ATCC受付番号第 号)。 17.請求項10に記載のプラスミドを具備する哺乳動物細胞。 18.前記哺乳動物細胞がCos7細胞である請求項17に記載の哺乳動物細 胞。 19.請求項15に記載のプラスミドを具備するCos7細胞。 20.哺乳類グリシン輸送体をコードする核酸分子の配列中に含まれる配列と 特異的にハイブリダイズすることができる、少なくとも15ヌクレオチドの核酸 分子を具備した核酸プローブ。 21.ヒト・グリシン輸送体をコードする核酸分子の配列中に含まれる配列と 特異的にハイブリダイズすることができる、少なくとも15ヌクレオチドの核酸 分子を具備した核酸プローブ。 22.前記核酸がDNAである、請求項20に記載の核酸プローブ。 23.請求項20に従う核酸プローブの混合物であって、夫々のプローブは、 所定の位置で互いに異なる配列を有している混合物。 24.哺乳類グリシン輸送体をコードするmRNAに特異的に結合できる配列 を有し、該mRNAの翻訳を妨害するアンチセンスオリゴヌクレオチド。 25.ヒト・グリシン輸送体をコードするmRNAに特異的に結合できる配列 を有し、該mRNAの翻訳を妨害するアンチセンスオリゴヌクレオチド。 26.ヌクレオチドの化学的類縁体を具備する請求項24に記載のアンチセン スオリゴヌクレオチド。 27.請求項24に従うアンチセンスオリゴヌクレオチドの混合物であって、 夫々のオリゴヌクレオチドは、所定の位 置で互いに異なる配列を有している混合物。 28.哺乳類グリシン輸送体の発現を検出する方法であって、細胞または組織 からRNAを得ることと、こうして得られたRNAを、ハイブリダイズ条件下に おいて請求項20の核酸プローブと接触させることと、該プローブにハイブリダ イズしたmRNAの存在を検出すること(該プローブにハイブリダイズしたmR NAの存在は哺乳類グリシン輸送体の発現を示す)と、これにより前記哺乳類グ リシン輸送体の発現を検出することとを具備する方法。 29.ヒト・グリシン輸送体の発現を検出する方法であって、細胞または組織 からRNAを得ることと、こうして得られたRNAを、ハイブリダイズ条件下に おいて請求項21の核酸プローブと接触させることと、該プローブにハイブリダ イズしたmRNAの存在を検出すること(該プローブにハイブリダイズしたmR NAの存在はヒト・グリシン輸送体の発現を示す)と、これによりヒト・グリシ ン輸送体の発現を検出することとを具備する方法。 30.in situハイブリダイゼーションにより細胞または組織における哺乳類 グリシン輸送体の発現を検出する方法であって、前記細胞または組織を、ハイブ リダイズ条件下において請求項20の核酸プローブと接触させることと、該プロ ーブにハイブリダイズしたmRNAの存在を検出すること(該プローブにハイブ リダイズしたmRNAの存在は哺乳類グリシン輸送体の発現を示す)と、これに より哺乳類グリシン輸送体の発現を検出することとを具備する方法。 31.in situハイブリダイゼーションにより細胞または組織におけるヒト・ グリシン輸送体の発現を検出する方法であって、前記細胞または組織を、ハイブ リダイズ条件下において請求項21の核酸プローブと接触させることと、該プロ ーブにハイブリダイズしたmRNAの存在を検出すること(該プローブにハイブ リダイズしたmRNAの存在はヒト・グリシン輸送体の発現を示す)と、これに よりヒト・グリシン輸送体の発現を検出することとを具備する方法。 32.遺伝子ライブラリーからグリシン輸送体以外の輸送体をコードする遺伝 子を単離する方法であって、前記ライブラリーをハイブリダイズ条件下で請求項 20のプローブと接触させることと、プローブがハイブリダイズする遺伝子を単 離することとを具備する方法。 33.請求項31に記載の方法であって、更に、前記ライブラリーを具備する DNAを同時に、ハイブリダイズ条件下において、前記第一のプローブがハイブ リダイズする遺伝子DNAの相補鎖DNA配列にハイブリダイズできる配列を具 備した第二の核酸プローブと接触させることと、両方のプローブがハイブリダイ ズした遺伝子配列を処理して該遺伝子配列の多重コピーを生成させることと、増 幅された遺伝子配列を単離することと、単離された遺伝子配列をプローブとして 用いることにより、増幅されたDNA配列がハイブリダイズする遺伝子を遺伝子 ライブラリーから単離することとを具備した方法。 34.請求項32または33に記載の方法で単離された遺 伝子。 35.合成遺伝子であって、請求項1の単離された核酸分子と、これに付着し て前記合成遺伝子から転写されるRNA分子の数を増大させる少なくとも一つの 調節因子とを具備する合成遺伝子。 36.合成遺伝子であって、請求項1の単離された核酸分子と、これに付着し て前記合成遺伝子から転写されるRNA分子の数を減少させる少なくとも一つの 調節因子とを具備する合成遺伝子。 37.単離された哺乳類グリシン輸送体タンパク。 38.前記哺乳類グリシン輸送体タンパクがヒト・グリシン輸送体である、請 求項37に記載の輸送体タンパク。 39.請求項37の哺乳類グリシン輸送体を製造する方法であって、細胞に哺 乳類グリシン輸送体の発現を誘導することと、得られた細胞から哺乳類グリシン 輸送体を回収することとを具備した方法。 40.請求項37の哺乳類グリシン輸送体タンパクを製造する方法であって、 哺乳類グリシンをコードする核酸分子を適切なベクターに挿入することと、得ら れたベクターを適切なホスト細胞に挿入することと、得られた細胞により産生さ れた哺乳類グリシン輸送体を回収することとを具備した方法。 41.請求項38のヒト・グリシン輸送体を製造する方法であって、細胞にヒ ト・グリシン輸送体の発現を誘導することと、得られた細胞からヒト・グリシン 輸送体を回収することとを具備した方法。 42.請求項38のヒト・グリシン輸送体タンパクを製造する方法であって、 ヒト・グリシンをコードする核酸分子を適切なベクターに挿入することと、得ら れたベクターを適切なホスト細胞に挿入することと、得られた細胞により産生さ れた前記ヒト・グリシン輸送体を回収することとを具備した方法。 43.哺乳類グリシン輸送体もしくは該哺乳類グリシン輸送体のタンパクフラ グメントに向けられた抗体。 44.ヒト・グリシン輸送体もしくは該ヒト・グリシン輸送体のタンパクフラ グメントに向けられた抗体。 45.前記抗体がモノクローナル抗体である請求項43に記載の抗体。 46.前記抗体がモノクローナル抗体である請求項44に記載の抗体。 47.請求項45に記載のモノクローナル抗体であって、前記抗体が哺乳類細 胞表面グリシン輸送体のエピトープ(哺乳類グリシン輸送体の細胞表面エピトー プのアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有する)に向けられたモノクロ ナル抗体。 48.請求項46に記載のモノクローナル抗体であって、前記抗体がヒト・細 胞表面グリシン輸送体のエピトープ(ヒト・グリシン輸送体の細胞表面エピトー プのアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有する)に向けられたモノクロ ナル抗体。 49.ヒト・グリシン輸送体の過剰発現に起因した異常を 緩和するのに効果的な物質の有効量と、薬剤的に許容可能なキャリアとを含有す る薬剤組成物。 50.ヒト・グリシン輸送体の過少発現に起因した異常を緩和するのに効果的 な物質の有効量と、薬剤的に許容可能なキャリアとを含有する薬剤組成物。 51.細胞膜を通過して細胞内で哺乳類グリシン輸送体をコードするmRNA と特異的に結合し、その翻訳を阻害することにより哺乳類グリシン輸送体の発現 を低下させるのに有効な量の請求項25のオリゴヌクレオチドと、細胞膜を透過 できる薬剤的に許容可能な疎水性キャリアとを含有する薬剤組成物。 52.請求項51に記載の薬剤組成物であって、前記ヌクレオチドがmRNA を不活性化する物質に連結されている薬剤組成物。 53.請求項52に記載の薬剤組成物であって、mRNAを不活性化する物質 がリボザイムである薬剤組成物。 54.請求項52に記載の薬剤組成物であって、細胞膜を透過できる薬剤的に 許容可能な疎水性キャリアが、選択された細胞タイプに特異的な輸送体に結合し 、該選択された細胞タイプの細胞によって取り込まれる構造を具備している薬剤 組成物。 55.天然に存在する基質がグリシン輸送体に結合するのをブロックするため に有効な量の哺乳類グリシン輸送体に向けられた抗体と、薬剤的に許容可能なキ ャリアとを含有する薬剤組成物。 56.請求項1の核酸分子を具備するトランスジェニック非ヒト哺乳動物。 57.請求項6の核酸分子を具備するトランスジェニック非ヒト哺乳動物。 58.そのゲノムが請求項1の核酸分子を具備したトランスジェニック非ヒト 哺乳動物であって、前記核酸分子は前記グリシン輸送体をコードするmRNAに 対して相補的なアンチセンスmRNA中に転写されるように前記ゲノム中に配置 されており、該アンチセンスmRNAは、前記グリシン輸送体をコードするmR NAとハイブリダイズすることによりその翻訳を低下させるトランスジェニック 非ヒト哺乳動物。 59.請求項56のトランスジェエニック非ヒト哺乳動物であって、前記核酸 分子が更に誘導プロモータを具備するトランスジェエニック非ヒト哺乳動物。 60.請求項56または57に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物であ って、前記核酸分子が更に組織特異的調節要素を具備するトランスジェニック非 ヒト哺乳動物。 61.前記トランスジェニック非ヒト哺乳動物がマウスである、請求項56に 記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物。 62.ヒト・グリシン輸送体の発現レベルを変化させることの生理学的効果を 決定する方法であって、ヒト・グリシン輸送体の発現を調節する誘導プロモータ を使用することにより、そのヒト・グリシン輸送体の発現レベルが変化され得る トランスジェニック非ヒト哺乳動物を製造することを具備し た方法。 63.ヒト・グリシン輸送体を種々のレベルで発現することの生理学的効果を 決定する方法であって、夫々が異なった量のヒト・グリシン輸送体を発現する複 数のトランスジェニック非ヒト哺乳動物からなるパネルを製造することを具備し た方法。 64.ヒト・グリシン輸送体に特異的に結合できることが知られていない化合 物が、ヒト・グリシン輸送体に特異的に結合できるか否かを決定するための方法 であって、哺乳動物細胞内での発現に適用されるプラスミド(該プラスミドは更 に、ヒト・グリシン輸送体を細胞表面に発現させるDNAを含む)を有する哺乳 動物細胞と前記物質とを、ヒト・グリシン輸送体に結合することが知られている リガンドが結合される条件下で接触させることと、前記ヒト・グリシン輸送体に 結合した化合物の存在を検出すること(結合した化合物の存在は、該化合物が前 記ヒトグリシン輸送体に特異的に結合できることを示す)とを具備した方法。 65.請求項64に記載の方法であって、前記哺乳動物細胞が非神経細胞であ る方法。 66.請求項65に記載の方法であって、前記非神経細胞がCOS7細胞であ る方法。 67.細胞表面のヒト・グリシン輸送体と特異的に相互作用してこれに結合す る薬剤を同定するために、化合物をスクリーニングする方法であって、哺乳動物 細胞内での発現に適用されるプラスミド(該プラスミドは更に、細胞表面におけ るヒト・グリシン輸送体をコードするDNA分子を含む)を具備する哺乳動物細 胞を複数の化合物に接触させることと、前記哺乳動物細胞の表面に発現されたヒ ト・グリシン輪送体に結合する薬剤を検出することと、これによってヒト・グリ シン輸送体と特異的に相互作用してこれに結合する化合物を同定することとを具 備する方法。 68.請求項67に記載の方法であって、前記哺乳動物細胞が非神経細胞であ る方法。 69.請求項68に記載の方法であって、前記非神経細胞がCOS7細胞であ る方法。 70.哺乳動物細胞表面のヒト・グリシン輸送体に結合できることが知られて いない化合物あり、且つこのような結合を行ない、或いはこのような結合を行な うリガンドの結合を妨げることができる化合物を同定する方法であって、哺乳動 物細胞内での発現に適用されるプラスミド(該プラスミドは更に、ヒト・グリシ ン輸送体を前記哺乳動物細胞の細胞表面に発現させるDNAを含む)を有する哺 乳動物細胞を前記化合物に接触させることと、該化合物がヒト・グリシン輸送体 に結合し、又はそのような結合を行なうリガンドの結合を妨げるか否かを決定す ることとにより、該化合物を、ヒト・グリシン輸送体と相互作用してこれに結合 する化合物として、またはこのような結合を行なうリガンドによるグリシン受容 体への結合を妨げる化合物として同定することを具備した方法。 71.請求項70に記載の方法であって、前記哺乳動物細 胞が非神経細胞である方法。 72.請求項67の方法により同定された薬剤と、薬剤的に許容され得るキャ リアとを含有する薬剤組成物。 73.細胞表面グリシン輸送体の発現を検出する方法であって、細胞から全m RNAを得ることと、こうして得られたmRNAを、ハイブリダイズ条件下で請 求項20の核酸プローブと接触させることと、該プローブにハイブリダイズした mRNAの存在を検出すること(該プローブにハイブリダイズしたmRNAの存 在は細胞表面グリシン輸送体の発現を示す)と、これにより前記細胞による前記 グリシン輸送体の発現を検出することとを具備する方法。 74.グリシン輸送体の発現を低下させることにより緩和される患者の異常を 治療する方法であって、患者に対して、患者におけるグリシン輸送体の発現を低 下させるために有効な量の請求項51の薬剤組成物を投与することを具備した方 法。 75.グリシン輸送体活性の過剰に関連する異常症状を治療する方法であって 、患者に対して、患者におけるグリシン輸送体の発現を低下させるために有効な 量の請求項51の薬剤組成物を投与することを具備した方法。 76.請求項75に記載の方法であって、前記異常症状が癲癇である方法。 77.請求項75に記載の方法であって、前記異常症状がミオクローヌスであ る方法。 78.請求項75に記載の方法であって、前記異常症状が 痙攣性麻痺である方法。 79.請求項75に記載の方法であって、前記異常症状が筋肉痙攣である方法 。 80.請求項75に記載の方法であって、前記異常症状が精神分裂病である方 法。 81.請求項75に記載の方法であって、前記異常症状が認識障害である方法 。 82.哺乳類グリシン輸送体の発現を低下させることにより緩和される異常を 治療する方法であって、患者に対して、天然に存在する基質の前記グリシン輸送 体への結合をブロックするために有効な量の請求項55の薬剤組成物を投与し、 これにより哺乳類グリシン輸送体の過剰発現からもたらされる異常を緩和するこ とを具備した方法。 83.グリシン輸送体活性の過剰に関連する異常症状を治療する方法であって 、患者に対して、天然に存在する基質のグリシン輸送体への結合をブロックする ために有効な量の請求項55の薬剤組成物を投与することにより、前記異常症状 を緩和することを具備した方法。 84.請求項83に記載の方法であって、前記異常症状が癲癇である方法。 85.請求項83に記載の方法であって、前記異常症状がミオクローヌスであ る方法。 86.請求項83に記載の方法であって、前記異常症状が痙攣性麻痺である方 法。 87.請求項83に記載の方法であって、前記異常症状が 筋肉痙攣である方法。 88.請求項83に記載の方法であって、前記異常症状が精神分裂病である方 法。 89.請求項83に記載の方法であって、前記異常症状が認識障害である方法 。 90.細胞の表面における哺乳類グリシン輸送体の存在を検出する方法であっ て、前記細胞と請求項43の抗体とを、該抗体の前記輸送体への結合を可能とす る条件下で接触させることと、該細胞に結合した前記抗体の存在を検出し、これ により前記細胞表面における哺乳類グリシン輸送体の存在を検出することとを具 備する方法。 91.哺乳類グリシン輸送体の過剰発現からもたらされる異常を緩和すること ができる物質を同定するための方法であって、請求項56のトランスジェニック 非ヒト哺乳動物に物質を投与することと、哺乳類グリシン輸送体の過剰発現の結 果として前記トランスジェニック非ヒト哺乳動物が示す身体的および行動的な異 常を、前記物質が軽減するか否かを決定こととを具備する方法。 92.哺乳類グリシン輸送体の過剰発現からもたらされる異常を治療する方法 であって、患者に対して、哺乳類グリシン輸送体の過剰発現によりもたらされる 異常を緩和するのに有効な量の請求項49の薬剤組成物を投与することを具備し た方法。 93.哺乳類グリシン輸送体の過少発現からもたらされる異常を緩和すること ができる物質を同定するための方法であ って、請求項57または58のトランスジェニック非ヒト哺乳動物に物質を投与 することと、哺乳類グリシン輸送体の過少発現の結果として前記トランスジェニ ック非ヒト哺乳動物が示す身体的および行動的な異常を、前記物質が軽減するか 否かを決定こととを具備する方法。 94.哺乳類グリシン輸送体の過少発現からもたらされる異常を治療する方法 であって、患者に対して、哺乳類グリシン輸送体の過少発現によりもたらされる 異常を緩和するのに有効な量の請求項50の薬剤組成物を投与することを具備し た方法。 95.特定の哺乳類グリシン輸送体対立遺伝子の発現に伴う疾患の疾病素因を 診断する方法であって、 a)該疾患に履患している患者のDNAを得ることと、 b)制限酵素のパネルで前記DNAの制限切断を行うことと、 c)得られたDNAフラグメントをサイジングゲル上で電気泳動により分離す ることと、 d)得られたゲルを、哺乳類グリシン輸送体をコードするDNAに特異的にハ イブリダイズすることができ、且つ検出マーカーでラベルされた核酸プローブに 接触させることと、 e)検出マーカーでラベルされた哺乳類グリシン輸送体をコードするDNAに ハイブリダイズされている標識バンドを検出し、該疾患に履患した患者のDNA に特異的な独特のバンドパターンを形成することと、 f)ステップa〜eによる診断のために得られた、DNA を調製することと、 g)ステップeで得られた前記疾患に履患している患者のDNAに特異的な独 特のバンドパターンと、ステップfで診断のために得られたDNAとを比較して 、これらパターンが同一であるか又は異なっているかを決定することにより、パ ターンが同一であれば該疾患の疾病素因ありと診断することとを具備した方法。 96.請求項95に記載の方法であって、特定の哺乳類グリシン輸送体対立遺 伝子の発現に付随する疾病が診断される方法。
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