JP2002508930A - 脳又は心臓の環状ヌクレオチドによってゲーティングされるイオンチャンネル化合物及びその使用 - Google Patents

脳又は心臓の環状ヌクレオチドによってゲーティングされるイオンチャンネル化合物及びその使用

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JP2002508930A
JP2002508930A JP2000525534A JP2000525534A JP2002508930A JP 2002508930 A JP2002508930 A JP 2002508930A JP 2000525534 A JP2000525534 A JP 2000525534A JP 2000525534 A JP2000525534 A JP 2000525534A JP 2002508930 A JP2002508930 A JP 2002508930A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明は、BCNGタンパク質若しくはその一部又はBCNG関連タンパク質若しくはその一部をコードする単離された核酸を提供する本発明は、さらに、ある化合物が、BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質の発現に影響を与えるかどうかをテストする方法も提供する。加えて、本発明は、さらに、ある化合物が、BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質と相互作用できる化合物を同定する方法を提供する。また、本発明はBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質の活性を調節できる化合物を同定する方法も提供する。さらに、本発明は、患者の症状を治療する方法であって、前記症状を治療するのに有効な一定量の前記提供された化合物を前記患者に投与することを備えた方法も提供する。最後に、本発明は、前記提供された化合物と薬学的許容される担体を備えた薬学的組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】
イオンチャンネルは、細胞膜を横切るイオンの流れを調節する多様なタンパク
質群である。神経系では、イオンチャンネル活性は、細胞間のコミュニケーショ
ンのための迅速且つ正確なシステムに進化してきた。各ニューロンの電気的な興
奮特性は、部分的には、ニューロンが発現しているチャンネルのセットによって
決定される。しかしながら、細胞は、生理的な事象又は成長における事象に応じ
て、個別のチャンネルの活性も調節することができ、イオンチャンネルが、多様
な電気的及び生化学的経路を統合する部位であり得るという証拠が増大している
【0002】 インビボでは、イオンチャンネルは、異なる構造及び機能特性を持ったチャン
ネルをコードする幾つかの異なる遺伝子ファミリーから構成される多量体タンパ
ク質であると思われる。一つの遺伝子ファミリーの中では、様々なポア形成サブ
ユニットと補助サブユニットの組み合わせが集合することによって不均一性(h
eterogeneity)が生じる可能性がある(Greene、et al
.,1995)。チャンネル特性は、セカンドメッセンジャーのカスケードによ
って調節され得、キナーゼのような細胞内タンパク質を直接結合することができ
るが、これは、シグナルカスケードをそのエフェクター分子に効率的にターゲッ
ティングするのに重要な方法であり得ることを示唆している。各ニューロンの電
気的特性は、部分的には、それが発現しているイオンチャンネルのセットによっ
て決定される。しかしながら、細胞は、生理的事象又は成長における事象に応じ
て、個別のチャンネルの活性を調節することもできる;ポア形成(α)サブユニ
ットは、補助(β)サブユニット、細胞骨格随伴タンパク質、及びタンパク質キ
ナーゼを含む様々な細胞内タンパク質と相互作用することができる(Green
e、etal., 1995)。補助(β)サブユニットの他に、ポア形成サブ
ユニットは、Gタンパク質、細胞骨格随伴タンパク質及びタンパク質キナーゼを
含む様々な細胞内タンパク質及びセカンドメッセンジャー分子自体と相互作用す
ることができる(Adelman,et al., 1995)。
【0003】 幾つかのクラスのイオンチャンネルは、環状ヌクレオチド(Zagotta,
et al., 1996;Bruggemann et al., 1993
,及びHoshi et al.,1995)、又はCa2+(Adelman
,et al., 1992;Kohler,et al.,1996)のよう
なセカンドメッセンジャー分子を直接結合でき、これらによって調節される。こ
の特性を有するチャンネルは、生化学的カスケードと電気的な活性を直接連関さ
せるので、神経のシグナリングを調節する上での中心的な要素であり得る。環状
ヌクレオチドによってゲーティングされるチャンネル(CNG;cyclic
nucleotide−gated channel)は、視覚と嗅覚のシグナ
ル伝達の両者において異なる役割を果たしている;近年、cAMPとcGMPが
様々な形態のシナプスの可塑性を媒介することが知られている海馬及び脳の他の
領域中にCNGチャンネルが同定されたことは(Krapivinisky,e
t al.,1995;Frey, et al.,1993;Bloshak
ov, et al., 1997; and Arancio, et al
., 1995)、それが、中枢神経内の興奮性の調節にも寄与し得ることを示
唆している(Kingston, et al.,1996及びBradley
,et al., 1997)。
【0004】 最初に単離されたKチャンネルの構造遺伝子は、ショウジョウバエ(Dro
sophila melanogaster)中のシェーカー(Sh)座によっ
てコードされる遺伝子であった(Strong, et al., 1993;
Papazian,et al.,1987)。その配列は、巨大で、いまだ増
えつづけている関連遺伝子のファミリーの原型である(Kamb,et al.
,1987;Warmke,et al., 1994)。まだ分子的な定義を
待たねばならないが、多くの十分に特性決定されたK電流の特性は、このファ
ミリーの他のメンバーが、まだ同定されるであろうことを予測せしめる(Atk
inson,et al.,1991)。
【0005】 初期のKチャンネルスーパーファミリーのメンバーは、機能的な欠損に必要
とされる対立遺伝子の染色体上の位置を決定することによって(ショウジョウバ
エのSh、eag、及びslo;(Papazian, et al.,198
7;Kamb,et al.,1987;Warmke, et al.,19
91;Atkinson, et 1991))、又はウシの網膜のcGMPチ
ャンネルような相対的に豊富なタンパク質を精製した後にクローニングされたが
、Kチャンネルスーパーファミリーの新規メンバーをクローニングするために
最も広く使用された戦略は、これらの配列との相同性によるものである。残念な
ことに、このアプローチは、Kチャンネルスーパーファミリーの系統樹中に存
在するより多様な配列、及び存在の可能性がある新規な枝を同定するのには、あ
まり適していない。アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞中での発現
クローニングによれば、この問題を回避することができる;これは、チャンネル
の既存の、又は容易に検出できる生理的特性を示唆する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本願は、1997年12月23日に出願された米国出願08/997,685
号の一部継続出願である1998年5月28日に出願された米国出願09/08
6,436号の優先権を主張するものであり、その内容は、参照文献として本願
に組み込まれる。
【0007】 本願を通じて、様々な文献が、著者と日付によって引用される。これらの文献
の完全な引用が、配列表と請求の範囲の直前にある明細書の末尾に、アルファベ
ット順で列記されているであろう。これらの文献の開示は、技術水準をより完全
に記載するために、その全体が本願の中に参照文献として組み込まれる。発明の概要 本発明は、BCNGタンパク質又はその一部をコードする単離された核酸を提
供する。本発明は、さらに、BCNG関連タンパク質又はその一部をコードする
単離された核酸を提供する。さらに、本発明は、mBCNG−1(ATCC受付
番号209781)をコードするcDNAを含むベクターを提供する。加えて、
本発明は、さらに、hBCNG−1(ATCC受付番号209827)をコード
するcDNAを含むベクターを提供する。本発明は、単離されたBCNGタンパ
ク質も提供する。さらに、本発明は、単離されたBCNG関連タンパク質も提供
する。
【0008】 本発明は、さらに、BCNGタンパク質若しくはその一部をコードする核酸、
又はBCNG関連タンパク質若しくはその一部、及び担体を含む組成物を提供す
る。加えて、本発明は、さらに、BCNGタンパク質若しくはその一部を含む組
成物、又はBCNG関連タンパク質若しくはその一部、及び担体を含む組成物を
提供する。
【0009】 加えて、本発明は、BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質をコード
する核酸と特異的にハイブリダイズできる核酸プローブを提供する。
【0010】 本発明は、BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質をコードする試料
中の核酸を同定するための方法であって、 (a)試料中で核酸プローブとBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク
質をコードする核酸との間で複合体を形成させることが可能な条件下で、BCN
Gタンパク質又はBCNG関連タンパク質をコードする核酸と特異的にハイブリ
ダイズできる核酸プローブと前記試料を接触させる工程と; (b)工程(a)で形成された複合体の量を決定する工程と; (c)任意の配列を用いて形成された複合体の量と工程(b)で決定された複
合体の量を比較する工程と を備え、BCNG特異的なプローブによって形成された複合体の量のほうが多い
ことが、前記試料中にBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質をコード
する核酸が存在することの指標となる方法を提供する。
【0011】 さらに、本発明は、ある化合物が、BCNGタンパク質又はBCNG関連タン
パク質の発現に影響を与えるかどうかをテストする方法であって、 (a)BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質を発現する試料を化合
物と接触させる工程と; (b)前記試料中のBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質の発現量
を決定する工程と; (c)工程(b)で決定されたBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク
質の発現量を前記化合物の非存在下で決定された量と比較する工程と を備えた方法を提供する。
【0012】 加えて、本発明は、さらに、BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質
と相互作用できる化合物を同定する方法であって、 (a)前記化合物とBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質をコード
する核酸との複合体を形成させることが可能な条件下で、BCNGタンパク質又
はBCNG関連タンパク質を発現している試料を化合物と接触させる工程と; (b)前記化合物と前記BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質との
間で形成された複合体の量を決定する工程と; (c)工程(b)で形成された複合体の量を前記化合物の非存在下で形成され
た量と比較する工程と を備え、前記化合物の存在下で形成された複合体の量のほうが多いことが、BC
NGタンパク質又はBCNG関連タンパク質と相互作用できる化合物の存在の指
標となる方法を提供する。
【0013】 本発明は、BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質活性を調節できる
化合物を同定する方法であって、 (a)BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質を発現している試料を
化合物と接触させる工程と; (b)前記試料中のBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質の活性量
を決定する工程と; (c)工程(b)で決定されたBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク
質の活性量を前記化合物の非存在下で決定された量と比較する工程と を備え、活性の増加又は減少が、BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク
質の活性を調節できる化合物の存在の指標となる方法も提供する。
【0014】 さらに、本発明は、患者の症状を治療する方法であって、前記症状を治療する
のに有効な量の提供された化合物を前記患者に投与することを含む方法も提供す
る。
【0015】 最後に、本発明は、提供された化合物と薬学的に許容される担体とを含む薬学
的組成物を提供する。発明の詳細な記載 本発明は、BCNGタンパク質又はその一部をコードする単離された核酸を提
供する。本発明は、さらに、BCNG関連タンパク質又はその一部をコードする
単離された核酸を提供する。
【0016】 本発明の態様では、BCNGタンパク質は、mBCNG−1(ATCC受付番
号209781)(配列番号1)、mBCNG−2(配列番号5)、mBCNG
−3(配列番号9)、mBCNG−4(配列番号11)、hBCNG−1(AT
CC受付番号209827)(配列番号3)、又はhBCNG−2(配列番号7
)に示された配列によってコードされる。本発明の一態様によれば、前記核酸は
、DNA又はRNAである。本発明の一態様では、前記核酸は、cDNAである
。本発明の一態様によれば、cDNAは、mBCNG−1(ATCC受付番号2
09781号)に対する配列番号1、hBCNG−1に対する配列番号3、mB
CNG−2に対する配列番号5、hBCNG−2に対する配列番号7、mBCN
G−3に対する配列番号9、又はmBCNG−4に対する配列番号11に示され
たヌクレオチド配列を有する。本発明のある態様は、前記核酸を含むベクターで
ある。本発明のある態様によれば、該ベクターは、ウイルス又はプラスミドDN
Aを含む。本発明の一態様は、前記核酸と調節要素を含む。本発明の一態様は、
適切な宿主中に提供された発現ベクターを含んでなる宿主ベクター系である。
【0017】 さらに、本発明は、mBCNG−1をコードするcDNA(ATCC受付番号
209781)を含むベクターを提供する。加えて、本発明は、さらに、hBC
NG−1をコードするcDNAを含むベクターを提供する(ATCC受付番号2
09827)。
【0018】 本発明のある態様では、前記適切な宿主は、細菌細胞、真核細胞、哺乳類細胞
、又は昆虫細胞である。
【0019】 本発明は、単離されたBCNGタンパク質も提供する。さらに、本発明は、単
離されたBCNG関連タンパク質も提供する。
【0020】 本発明の一態様では、BCNGタンパク質は、mBCNG−1に対する配列番
号2(図8A−8B)、mBCNG−2に対する配列番号6(図8A−8B)、
mBCNG−3に対する配列番号10(図8A−8B)、mBCNG−4に対す
る配列番号12(図8A−8B)、hBCNG−1に対する配列番号4(図8A
−8B)、又はhBCNG−2に対する配列番号8(図8A−8B)に示された
アミノ酸配列を有する。本発明の別の態様によれば、BCNG関連タンパク質は
、配列番号2:mBCNG−1(図8A−8B):mBCNG−2に対する配列
番号6(図8A−8B)、mBCNG−3に対する配列番号10(図8A−8B
)、mBCNG−4に対する配列番号12(図8A−8B)、hBCNG−1に
対する配列番号4(図8A−8B)、又はhBCNG−2に対する配列番号8(
図8A−8B)に示されたアミノ酸配列と実質的に相同なアミノ酸配列を有する
【0021】 本発明は、さらに、BCNGタンパク質若しくはその一部をコードする核酸、
又はBCNG関連タンパク質若しくはその一部をコードする核酸と担体とを含む
組成物を提供する。本発明のある態様では、核酸は、実質的に、mBCNG−1
に対する配列番号1、hBCNG−1に対する配列番号3、mBCNG−2に対
する配列番号5、hBCNG−2に対する配列番号7、mBCNG−3に対する
配列番号9、mBCNG−4に対する配列番号11に示されたコード配列、又は
このようなコード配列の一部と実質的に同一のコード配列を含む。
【0022】 加えて、本発明は、さらに、BCNGタンパク質若しくはその一部、又はBC
NG関連タンパク質若しくはその一部と担体とを含む組成物を提供する。
【0023】 本発明のある態様では、BCNGタンパク質は、配列番号2:mBCNG−1
(図8A−8B):mBCNG−2に対する配列番号6(図8A−8B)、mB
CNG−3に対する配列番号10(図8A−8B)、mBCNG−4に対する配
列番号12(図8A−8B)、hBCNG−1に対する配列番号4(図8A−8
B)、hBCNG−2に対する配列番号8(図8A−8B)に示されたアミノ酸
配列を含む。
【0024】 さらに、本発明は、BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質をコード
する核酸と特異的にハイブリダイズし得る核酸プローブを提供する。本発明の一
態様は、提供された核酸と特異的にハイブリダイズし得る核酸プローブである。
本発明の一態様によれば、前記プローブは、配列番号13、配列番号14、配列
番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番
号20、配列番号21、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号
24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号2
9、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34
に示された核酸配列と特異的にハイブリダイズし得る。
【0025】 本発明は、BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質をコードする試料
中の核酸を同定するための方法であって、 (a)試料中で核酸プローブとBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク
質をコードする核酸との間で複合体を形成させることが可能な条件下で、BCN
Gタンパク質又はBCNG関連タンパク質をコードする核酸と特異的にハイブリ
ダイズできる核酸プローブと前記試料を接触させる工程と; (b)工程(a)で形成された複合体の量を決定する工程と; (c)任意の配列を用いて形成された複合体の量と工程(b)で決定された複
合体の量を比較する工程と を備え、BCNG特異的なプローブによって形成された複合体の量のほうが多い
ことが、前記試料中にBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質をコード
する核酸が存在することの指標となる方法を提供する。
【0026】 本発明の一態様では、工程(a)は、さらに、BCNGタンパク質又はBCN
G関連タンパク質をコードする核酸分子を増幅することを含む。本発明の一態様
によれば、該増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、前記試料からの
前記核酸分子を、mBCNG−1(配列番号1)、mBCNG−2(配列番号5
)、mBCNG−3(配列番号9)、mBCNG−4(配列番号11)、hBC
NG−1(配列番号3)、又はhBCNG−2(配列番号7)と特異的にハイブ
リダイズできる少なくとも1つの増幅プライマーに接触させることを含む。本発
明の一態様では、BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質をコードする
前記増幅された核酸分子は、サイズ分画によって検出される。本発明の一態様は
、さらに、サイズ分画によって複合体を単離することを含む。本発明のある態様
によれば、核酸プローブは、検出可能なマーカーでラベルされる。本発明の一態
様では、検出可能なマーカーは、放射能ラベルされた分子、蛍光分子、酵素、リ
ガンド、磁気ビーズである。本発明の一態様によれば、前記プローブは、配列番
号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号
18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号21、配列番号2
2、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27
、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、
配列番号33、又は配列番号34に示されたヌクレオチド配列を含む。本発明の
一態様では、核酸プローブは、mBCNG−1(配列番号1)、mBCNG−2
(配列番号5)、mBCNG−3(配列番号9)、mBCNG−4(配列番号1
1)、hBCNG−1(配列番号3)、又はhBCNG−2(配列番号7)をコ
ードする核酸に特異的にハイブリダイズできる。本発明は、提供された増幅法に
よって同定された、以前には未知であった単離された核酸も提供する。ある態様
では、前記試料は、細胞、又は細胞抽出物、又は細胞溶解物(lysate)、
又は組織試料、又は生物学的液体試料を含む。
【0027】 さらに、本発明は、ある化合物が、BCNGタンパク質又はBCNG関連タン
パク質の発現を調節するかどうかをテストする方法であって、 (a)BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質を発現する試料を化合
物と接触させる工程と; (b)前記試料中のBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質の発現量
を決定する工程と; (c)工程(b)で決定されたBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク
質の発現量を前記化合物の非存在下で決定された量と比較することによって、前
記化合物が、BCNGタンパク質の発現又はBCNG関連タンパク質の発現を調
節するかどうかを決定する工程と を備えた方法を提供する。本発明は、一以上の化合物が、BCNGタンパク質若
しくはBCNG関連タンパク質の活性を調節するかどうか、又はBCNGタンパ
ク質若しくはBCNG関連タンパク質の何れかをコードする核酸の発現を調節か
どうかを決定するために、極めて多くの化合物をスクリーニングするためのこの
ような方法を提供する。
【0028】 加えて、本発明は、さらに、BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質
と相互作用できる化合物を同定する方法であって、 (a)前記化合物と前記BCNGタンパク質又は前記BCNG関連タンパク質
をコードする核酸との複合体を形成させることが可能な条件下で、BCNGタン
パク質又はBCNG関連タンパク質を発現している試料を化合物と接触させる工
程と; (b)前記化合物と前記BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質との
間で形成された複合体の量を決定する工程と; (c)工程(b)で形成された複合体の量を前記化合物の非存在下で形成され
た量と比較する工程と を備え、前記化合物の存在下で形成された複合体の量のほうが多いことが、BC
NGタンパク質又はBCNG関連タンパク質と相互作用できる化合物の存在の指
標となる方法を提供する。
【0029】 本発明は、BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質活性を調節できる
化合物を同定する方法であって、 (a)BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質を発現している試料を
化合物と接触させる工程と; (b)前記試料中のBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質の活性量
を決定する工程と; (c)工程(b)で決定されたBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク
質の活性量を前記化合物の非存在下で決定された量と比較する工程と を備え、活性の増加又は減少が、BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク
質の活性を調節できる化合物の存在の指標となる方法も提供する。
【0030】 本発明は、ここに記載されている化合物スクリーニング法によって、BCNG
タンパク質又はBCNG関連タンパク質の活性又は発現を調節できるものとして
同定される化合物又は組成物も提供する。
【0031】 本発明の一態様は、まず、BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質が
産生される条件下で、発現系の中にBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパ
ク質をコードする核酸を導入し、前記発現系に前記核酸を発現させることを含む
工程(a)である。本発明の別の態様は、工程(b)が、化合物の存在下でチャ
ンネル電流又は細胞内カルシウムレベルを測定することを含む。本発明の別の態
様では、前記発現系は、培養された宿主細胞を含む。
【0032】 本発明の一態様では、BCNGタンパク質は、mBCNG−1(配列番号2)
、mBCNG−2(配列番号6)、mBCNG−3(配列番号10)、mBCN
G−4(配列番号12)、hBCNG−1(配列番号4)、又はhBCNG−2
(配列番号8)のアミノ酸配列又はその一部を含む。本発明の一態様では、前記
試料は、細胞、細胞溶解物(lysate)、又は無細胞翻訳(cell−fr
ee translation)を含む。別の態様では、前記細胞は、心臓細胞
、腎臓細胞、肝細胞、気道上皮細胞、筋肉細胞、神経細胞、グリア細胞、ミクロ
グリア細胞、上皮細胞、単核細胞、腫瘍細胞、哺乳類細胞、昆虫細胞、又はアフ
リカツメガエルの卵母細胞を含む。
【0033】 本発明は、さらに、本明細書のスクリーニング方法によって同定された以前に
は未知であった化合物を提供する。ある態様によれば、前記化合物は、ペプチド
、ペプチド模倣物(peptide mimetic)、核酸、ポリマー、又は
小分子である。該小分子は、有機分子又は無機分子であり得る。前記小分子は、
BCNGタンパク質の分子量よりも小さい分子量を有し得る。本発明の一態様に
よれば、前記化合物は、固相支持体に結合される。本発明の一態様では、前記B
CNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質は、イオンチャンネルタンパク質
又はイオンチャンネルサブユニットタンパク質のサブユニットである。ある態様
では、BCNG関連タンパク質は、細胞中及び細胞間にペースメーカー電流を作
り出すのに必要とされる成分である。本発明のある態様では、前記化合物は、イ
オンチャンネル活性のアゴニスト又はアンタゴニストである。
【0034】 本発明のある態様によれば、前記修飾は、増加したイオン流速又は減少したイ
オン流速である。別の態様によれば、前記修飾は、増加したイオン許容性(pe
rmissivity)又は減少したイオン許容性である。
【0035】 本発明は、さらに、試料中のBCNGタンパク質活性又はBCNG関連タンパ
ク質活性を調節する方法であって、前記試料を提供された化合物と接触させるこ
とを備えた方法も提供する。
【0036】 さらに、本発明は、患者の症状を治療する方法であって、前記症状を治療する
のに有効な量の提供された化合物を患者に投与することを備えた方法も提供する
。前記症状は、異常な症状を含む。前記異常な症状は、記憶の喪失、心臓症状、
肝臓症状、細胞分泌を有する問題、膵臓症状、、脳のペースメーカー症状、又は
非神経細胞中のペースメーカー症状であり得る。
【0037】 本発明は、さらに、提供された化合物と薬学的に許容される担体とを含む薬学
的組成物を提供する。本発明の一態様では、前記担体は、賦形剤、エアロゾル、
局所担体、水溶液、非水溶液、又は固相担体である。
【0038】 本発明は、さらに、患者の症状を治療する方法であって、前記患者の前記症状
を治療するのに有効な量の提供された薬学的組成物を前記患者に投与することを
含む方法も提供する。
【0039】 本発明のある態様では、前記症状は、神経、腎臓、肺、肝臓、又は心血管症状
である。本発明の一態様によれば、前記症状は、てんかん、アルツハイマー病、
パーキンソン病、長QT症候群(long QT syndrome)、洞不全
症候群、加齢に伴う記憶喪失、嚢胞性繊維症、突然死症候群、痛覚過敏、心室又
は心房の不整脈、家族性洞房結節病、又はペースメーカーリズム機能不全である
。本発明のさらなる態様では、前記患者は、ヒトである。患者の疾病を治療する
ためのある種のさらなる方法が、以下で論述されている。長QT病は、活動電位
が通常よりも長く持続する心臓の病気である。洞房結節病は、洞房結節が正常に
機能しない(例えば、心房細動後)後天的な病気である。
【0040】 本発明は、さらに、BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質に特異的
に結合する抗体も提供する。本発明は、さらに、前記抗体を産生し得る細胞を提
供する。本発明は、試料中のBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質を
同定する方法であって、a)前記抗体と前記タンパク質との複合体を形成するこ
とが可能な条件下で、前記試料を抗体と接触させる工程と;b)形成された複合
体の前記量を決定する工程と;c)工程(b)で形成された複合体の量と前記抗
体の非存在下で形成された複合体の量を比較する工程とを備え、前記抗体の存在
下で形成された複合体の量が増加して存在することが、前記試料中に前記タンパ
ク質を同定したことの指標となる方法を提供する。
【0041】 本明細書で用いる、「BCNGタンパク質」という用語は、mBCNG−1、
mBCNG−2、mBCNG−3、mBCNG−4、hBCNG−1又はhBC
NG−2と実質的に類似又は同一のアミノ酸配列を有するタンパク質を含む。B
CNGタンパク質の例は、mBCNG−1、mBCNG−2、mBCNG−3、
mBCNG−4、hBCNG−1又はhBCNG−2である。BCNGタンパク
質は、マウス又はヒト以外の種のmBCNG−1、mBCNG−2、mBCNG
−3、mBCNG−4、hBCNG−1又はhBCNG−2の相同体であり得る
。あるいは、BCNGタンパク質は、マウス、ヒト、又は他の哺乳動物、または
非哺乳動物種のBCNGタンパク質のファミリーの他のメンバーであり得る。B
CNGタンパク質は、イオンチャンネルの内在性(integral)成分又は
サブユニットとして機能し得る。BCNGタンパク質は、イオンチャンネルに付
随する付属タンパク質(accessory protein)又は非機能的タ
ンパク質であり得る。
【0042】 用語「BCNG関連タンパク質」は、本明細書に記載されているBCNGタン
パク質の機能的ドメインの少なくとも1つと実質的な相同性を有するタンパク質
を含む(例3、図11及び図13参照)。例えば、疎水性コアは、このようなド
メインの1つである(例3、「疎水性コア」のサブセクションを参照)。機能的
なドメインの別の例は、S4電圧感受性ドメインである(例3、サブセクション
「S4電圧感受性ドメイン」参照)。機能的なドメインのさらに別の例は、環状
ヌクレオチド結合部位である(例3、サブセクション「環状ヌクレオチド結合部
位」参照)。さらに別の例は、ポアドメインである(例3、サブセクション「ポ
ア」参照)。BCNG関連タンパク質は、このように、イオンチャンネルの内在
性成分又はサブユニットとして機能し得る。BCNG関連タンパク質は、イオン
チャンネルに付随する付属タンパク質又は非機能的タンパク質であり得る。BC
NG関連タンパク質は、BCNGタンパク質又はその一部との配列又は構造的同
一性によって定義される。このため、BCNGタンパク質は、BCNG関連タン
パク質であり、BCNG関連タンパク質は、BCNGタンパク質に限定されない
【0043】 mBCNG−1のアミノ酸配列は、配列番号2として表されている。該配列は
、GenBankデータベースに寄託され、GenBank受付番号AF028
737を与えられた。
【0044】 BCNGタンパク質は、mBCNG−1と実質的な配列の類似性を示す。BC
NG関連タンパク質は、mBCNG−1の実質的な相同性又は機能的関連性を示
す。当業者であれば理解できるように、実質的な配列の相同性には、保存された
アミノ酸置換に対する考慮が含まれる。機能的関連性は、明確な相同性がない領
域によって隔てられた類似性を有する配列のドメイン又は領域から収集され得る
【0045】 本発明は、BCNGタンパク質又はその一部を含む組成物、BCNG関連タン
パク質又はその一部、BCNGタンパク質又はその一部をコードする核酸、BC
NG関連タンパク質又はその一部をコードする核酸、BCNGタンパク質又はそ
の一部に対する抗体、BCNG関連タンパク質又はその一部に対する抗体、BC
NGタンパク質又はBCNG関連タンパク質又は他の任意の記載された本発明の
化合物の何れかの一部に対してアンチセンスである配列を有する核酸を提供する
。該組成物は、さらに、担体を含んでもよい。該担体は、薬学的に許容される担
体であり得る。
【0046】 本明細書で使用する「その一部」とは、全配列未満を含む配列(例えば、アミ
ノ酸配列又はヌクレオチド配列)である。例えば、配列番号2に関していえば、
アミノ酸35〜45がその部分を表している。
【0047】 本明細書で使用する語「特異的にハイブリダイズする」とは、核酸プローブが
、プローブの配列と実質的な相同性を有する核酸配列にハイブリダイズことを意
味する。該配列は、同一又はユニークである必要はない。しかしながら、該配列
は、当業者に理解されるように、配列間で構造又は機能的な関係を示さなければ
ならない。
【0048】 ハイブリダイゼーションは、遺伝子ファミリーの近縁メンバーと遠縁メンバー
とを区別することができる。反応条件は、一つの種のハイブリダイゼーションを
最適し、他の種のハイブリダイゼーションを最小化するように調整できる。
【0049】 マッチングがよくないハイブリッドの場合、ハイブリダイゼーションは、より
低調で、ハイブリダイゼーションカーブは、より低い温度の方に移る。クロスハ
イブリダイゼーションとセルフハイブリダイゼーションの速度定数の比(識別比
)を反応温度に対してプロットすると、S字状曲線が得られる。低温では、その
比は高いが、より高い温度では(完全にマッチしたハイブリッドでは、T−2
0℃に近づくと)、その比は0に近づく。低い温度でインキュベートすることに
よって遠縁配列を区別するのがより容易なはずであり、一方、高い温度でハイブ
リダイズすることによって、近縁の配列を区別するのが容易なはずであるという
ことが予測される点で、この関係は有用である。
【0050】 ファミリーを成す配列の遠縁のメンバーを区別するためには、ハイブリダイゼ
ーションは、より寛大な(緩やかな)基準で起こるべきである。近縁のメンバー
を検出するためには、ハイブリダイゼーションは、厳格な基準で起こるべきであ
る。ファミリーの異なるメンバーは、おそらく、異なる識別対温度曲線を有する
ので、単一の折衷的な基準は有効でないであろう。緩やかな基準でのハイブリダ
イゼーションの後に、段階的によりストリンジェントな条件下で洗浄することは
、あるファミリーの遠縁のメンバーを検出するのに有用であり得るが、近縁のメ
ンバーを同定するのには適していない。これは、おそらく、ハイブリダイゼーシ
ョンと洗浄が異なるパラメーターに依存しているからであろう。ハイブリダイゼ
ーションは、核形成の頻度に依存しているのに対して、洗浄はハイブリッドの熱
的安定性(T)に依存する。このため、ストリンジェントなハイブリダイゼーシ
ョンとその後のストリンジェントな洗浄は、穏やかなハイブリダイゼーションと
ストリンジェントな洗浄より、あるファミリーの近縁のメンバーを検出するのに
優れている。
【0051】 ハイブリダイゼーションの程度は、相補性の程度、ハイブリダイズされる核酸
分子の長さ、及び反応混合物中の条件のストリンジェンシーに依存する。ストリ
ンジェンシー条件は、温度、塩濃度、核酸の濃度、核酸の長さ、核酸の配列、お
よび反応混合物の粘度を含む様々な因子(これらに限定されない)によって影響
を受ける。よりストリンジェントな条件は、効率的なハイブリダイゼーションを
達成するために核酸間のより大きな相補性を要求する。
【0052】 ハイブリダイゼーションの好ましい方法は、ブロットハイブリダイゼーション
である。Sambrookら、1989、Molecular Cloning
:A Laboratory Manual 2nd Ed. for add
itional details regarding blot hybri
dizationを参照。
【0053】 本明細書において使用する核酸プローブとは、ある特定の核酸配列に特異的に
ハイブリダイズする核酸である。該プローブは、固相マトリックスに非特異的に
結合してもよい。核酸プローブは、DNA又はRNAであり得、検出可能なマー
カーでラベルすることができる。このようなラベル手法には、放射性標識、ジゴ
キシゲニン標識、及びビオチン標識が含まれるが、これらに限定されない。DN
Aを標識する周知の方法は、DNAポリメラーゼ、クレノウ酵素、又はポリヌク
レオチドキナーゼを用いた32Pである。さらに、化学的な部分(chemic
al moieties)をピリミジン及びプリン環に付着させる方法(Dal
e, R.N.K. et al., 1973 Proc. Natl. A
cad. Sci. USA 70:2238−42)、化学発光によって検出
することができる方法(Barton, S.K. et al,1992 J
.Am.Chem. Soc.114:8736−40)、及びビオチン化され
た核酸プローブを利用する方法(Johnson,T.K. et al.,1
983 Anal. Biochem. 133:125−131;Erick
son、 P.F. et al., 1982 J.Immunol. Me
thods 51:241−49;Matthaei,F.S. et al.
, 1986 Anal. Biochem. 157−123−28)、及び
市販の産物を用いて蛍光によって検出することができる方法を含むシグナルを増
幅するための非放射性手法がある。非放射性標識キットも市販されている。
【0054】 核酸増幅は、Mullis,米国特許第4,683,202号に記載されてお り、参照文献として本明細書に組み込まれる。
【0055】 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)では、増幅反応は、サンプル中に含まれるテ
ンプレート核酸を使用し、一以上のプローブ(「プライマー」)配列と誘導物質
(inducing agents)を使用することができる。
【0056】 増幅、特に伸長を実施するための適切な酵素には、例えば、大腸菌のDNAポ
リメラーゼI、熱安定性Taq DNAポリメラーゼ、大腸菌のDNAポリメラ
ーゼIのクレノウ断片、T4DNAポリメラーゼ、他の入手し得るDNAポリメ
ラーゼ、逆転写酵素、及びヌクレオチドのポリヌクレオチド(型増幅産物である
)への共有結合を促進するであろう他の酵素が含まれる。オリゴヌクレオチドプ
ローブ(プライマー)は、様々な製造業者によって売られている自動化された装
置によって合成することができ、又は商業的に調製されたものであり得る。
【0057】 固相マトリックスは、当業者が入手することができる。固相マトリックスには
、試験管、ビーズ、微粒子、計量棒、プレートなどの形態のポリスチレン、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、又は任意の固相プラスチック材
料が含まれ得る。さらに、マトリックスには、膜、96穴ミクロタイタープレー
ト、試験管、及びエッペンドルフチューブが含まれるが、これらに限定されない
。固相は、ガラスビーズ、ガラスの試験管、及びガラス製の他の任意の適切な形
状も含む。表面が、カルボキシル、アミノ、ヒドラジド、またはアルデヒド基を
担持するように修飾されたプラスチック又はガラスのような機能化された固相も
使用できる。一般的に、このようなマトリックスは、リガンド結合物質が付着で
きる任意の表面を含み、又はそれ自体リガンド付着部位を与える表面を含む。
【0058】 本明細書で、タンパク質の活性又はイオンチャンネル活性の調節に関して使用
される「調節(modulation)」という語は、前記活性のアップレギュ
レーション又はダウンレギュレーションを指す。アップレギュレーションには、
イオンチャネルの場合、増加されたイオンのフローが含まれるが、これに限定さ
れない。ダウンレギュレーションには、イオンチャネルの場合、減少したイオン
のフローが含まれるが、これに限定されない。例えば、活性調節の一形態は、チ
ャネルを介したイオンのフローを阻害し、活性を減少させるチャンネルブロック
タンパク質又は化合物であろう。あるいは、別の調節形態は、チャネルを介した
フローを促進し、活性を増加させるチャネル開放タンパク質又は化合物である。
さらに、チャネルを介したイオンフローの性状は、調節され得る。例えば、タン
パク質又は化合物は、チャネルをカリウムのフローに対して不応になるように変
化させて、別のイオンとともに、又は別のイオンの代わりに、カリウムのフロー
に対して許容可能(permissive)にし得る。調節という語は、遺伝子
発現の増加又は減少を記載するためにも使用される。
【0059】 本発明の方法の何れを実施し、又は本発明の薬学的組成物の何れを調製する場
合にも、「治療的に有効な量」とは、BCNG関連タンパク質の活性又は機能を
調節することができる量である。従って、有効量は、処置される患者、処置され
る条件とともに変化するであろう。投与法には、皮膚、皮下、静脈内、非経口、
経口、局所、又はエアロゾルが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0060】 本明細書で使用される「適切な薬学的に許容される担体」という語には、リン
酸緩衝化生理食塩水溶液、水、油/水エマルジョン、又はトリグリセリドエマル
ジョンのようなエマルジョン、様々なタイプの湿潤剤、錠剤、被覆された錠剤、
及びカプセルのような任意の標準的な薬学的に許容される担体が包含される。化
合物の静脈内及び腹腔内の投与に有用な許容されるトリグリセリドエマルジョン
の例は、商業的にIntralipid(登録商標)として知られているトリグ
リセリドエマルジョンである。
【0061】 典型的には、このような担体は、デンプン、ミルク、糖、ある種のクレー、ゼ
ラチン、ステアリン酸、タルク、植物脂肪、又はオイル、ゴム、グリコール、又
は他の公知の賦形剤のような賦形剤(excipient)を含有する。このよ
うな担体は、芳香及び色素添加剤、又は他の成分を含んでもよい。
【0062】 本発明は、適切な希釈剤(diluent)、防腐剤、可溶化剤、乳化剤、ア
ジュバント、及び/又は担体とともに薬学的組成物も提供する。このような組成
物は、液体又は凍結乾燥若しくはその他の方法で乾燥された調合剤であり、様々
な緩衝液含有物の希釈剤(例えば、Tris−HCl、アセテート、ホスフェー
ト)、pH及びイオン強度、表面への吸収を阻害するためのアルブミン又はゼラ
チンのような添加物、界面活性剤(例えば、トゥイーン20、トゥイーン80、
プルロニックF68、胆汁酸塩)、可溶化剤(例えば、グリセロール、ポリエチ
レングリセロール)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、ニ亜硫酸ナトリウム
)、防腐剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、バルク
物質すなわち張度調整剤(例えば、ラクトース、マニトール)、ポリエチレング
リコールのようなポリマーの化合物への共有結合、金属イオンとの錯化、又はポ
リ乳酸、ポリグリコール酸、ハイドロゲルなど、又はリポソームのようなポリマ
ー性化合物の粒状調製物中又は上への化合物の取り込み、リポソーム、ミクロエ
マルジョン、ミセル、単層又は複層のベジクル、赤血球のゴースト、又はスフェ
ロプラスト上への化合物の取り込みを含む。このような組成物は、化合物又は組
成物の物理的状態、溶解性、安定性、インビボ放出速度、インビボクリアランス
の速度に影響を与えるだろう。
【0063】 制御された又は持続した放出組成物には、脂溶性デポ剤中の調合剤(例えば、
脂肪酸、ワックス、オイル)を含む。本発明には、ポリマーに被覆された粒状組
成物(例えば、ポロキサマー又はポロキサミン)、及び組織特異的な受容体に対
して誘導された抗体、リガンド、若しくは抗原に結合された、又は組織特異的な
受容体のリガンドに結合された化合物も含まれる。本発明の組成物の他の態様は
、粒状形態保護コーティング、プロテアーゼ阻害剤、又は非経口、肺、鼻、及び
口を含む様々な投与経路に対する浸透増強剤を取り込む。
【0064】 投与されると、化合物は、多くの場合、循環中から急速に除去され、それ故、
相対的に短い薬理学的活性を誘導し得る。従って、治療的な有効性を維持するた
めに相対的に大量の生物活性化合物をしばしば投与することが必要とされ得る。
ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコール
の共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、又はポリプロリンのような水溶性ポリマーの共有結
合によって修飾された化合物は、対応する未修飾の化合物に比べて、静脈内投与
後に、血中で実質的により長い半減期を示すことが知られている(Abucho
wski et al.,1981; Newmark et al., 19
82; and Katre et al., 1987)。このような修飾は
、水溶液中での化合物の溶解度を増加させ、凝集をなくし、化合物の物理的及び
化学的安定性を増大させ、化合物の免疫原性及び反応性を大幅に減らし得る。そ
の結果、所望のインビボ生物活性は、未修飾化合物よりも少ない頻度で、又は少
ない用量で、このようなポリマー化合物の付加物(adduct)を投与するこ
とによって達成され得る。
【0065】 PEGは、哺乳動物中で極めて低い毒性を有するので、ポリエチレングリコー
ル(PEG)の化合物への付着は特に有用である(Carpenter et
al., 1971)。例えば、アデノシンデアミナーゼのPEG付加物は、米
国で、重症複合免疫不全症候群を治療するためにヒトに使用することが承認され
ている。PEGの抱合によって得られる第二の利点は、異種化合物の免疫原性と
抗原性を効果的に減少させることである。例えば、ヒトタンパク質のPEG付加
物は、激しい免疫応答を引き起こすリスクなしに他の哺乳動物種の疾病を治療す
るのに使用できるであろう。
【0066】 担体は、化合物に対する、又は該化合物を産生し得る細胞に対する宿主免疫応
答を減少又は防ぐために、ミクロカプセル化デバイスを含む。本発明の化合物は
、リポソームのような膜にミクロカプセル化して搬送してもよい。
【0067】 PEGのようなポリマーは、アミノ末端のアミノ酸のαアミノ基、リシン側鎖
のεアミノ基、システイン側鎖のスルフヒドリル基、アスパラギン酸及びグルタ
ミン酸側鎖のカルボキシル基、カルボキシ末端のアミノ酸のαカルボキシル基、
チロシン側鎖のようなタンパク質中の一以上の反応性アミノ酸残基に、又はある
種のアスパラギン、セリン,又はトレオニン残基に付着した糖鎖の活性化された
誘導体に都合よく付着され得る。
【0068】 タンパクとの直接的な反応に適した多数の活性化された形態のPEGが記載さ
れてきた。タンパク質のアミノ基との反応のための有用なPEG試薬には、カル
ボン酸又はカルボネート誘導体の活性エステル、特に、脱離基が、N−ヒドロキ
シスイシンイミド、p−ニトロフェノール、イミダゾール、又は1−ヒドロキシ
ー2−ニトロベンゼン−4−スルホネートであるものが含まれる。マレイミド又
はハロアセチル基を含むPEG誘導体は、タンパク質の遊離スルフヒドリル基を
修飾するための有用な試薬である。同様に、アミノヒドラジン又はヒドラジド基
を含むPEG試薬は、タンパク質中の炭水化物基の過ヨウソ酸酸化によって生じ
たアルデヒドとの反応に有用である。
【0069】 本発明は、以下に列記されたBCNGタンパク質をコードするcDNAを含む
核酸を提供する。
【0070】 プラスミド名 受付番号 寄託日 mBCNG−1 209781 1998年4月21日 mBCNG−2a 209825 1998年5月1日 mBCNG−2b 209826 1998年5月1日 mBCNG−3a 209824 1998年5月1日 mBCNG−3b 209828 1998年5月1日 hBCNG−1 209827 1998年5月1日 hBCNG−2 209829 1998年5月1日 本発明によって提供される上記プラスミドは、特許手続上の微生物の寄託の国
際的承認に関するブダペスト条約の規定の下で、アメリカン・タイプ・カルチャ
ー・コレクション(ATCC)、10801ブルーバード大学、マナサス、VA
20108−0971、アメリカに寄託された。患者の疾病又は症状の治療 本発明の化合物と組成物は、ペースメーカー機能に関連する疾病又は症状を治
療するために患者に投与し得る。該化合物と組成物は、BCNGタンパク質又は
BCNG関連タンパク質、及びこれ又はその一部をコードする核酸のみならず、
本発明のスクリーニング法によって同定された化合物も含む。例えば、本発明で
有用な化合物は、ペプチド、小分子(有機又は無機)、ペプチド模倣物、又は上
述したその他の化合物であり得る。
【0071】 例えば、本発明の化合物及び組成物は、記憶欠損又は疾患を治療するのに有用
であり得る。このような記憶疾患又は欠損は、脳及び中枢神経系の細胞の異常な
ペースメーキング機能を含み得る。記憶疾患又は欠損は、アルツハイマー病、パ
ーキンソン病、又は加齢に関連した記憶喪失によるものであり得る。
【0072】 本発明は、患者の感覚疾患を治療するための方法であって、本発明の化合物又
は組成物を前記患者に投与することを備えた方法を提供する。このような感覚疾
患には、目(盲目、視力の喪失)、鼻(嗅覚の喪失)、触覚(無感覚)、及び味
覚(味覚能力の欠如)の感覚疾患が含まれる。
【0073】 別の例では、本発明は、聴力疾患に罹患した患者を治療するための方法であっ
て、本発明の化合物又は組成物の量を投与することを含む方法を提供する。BC
NGアイソフォームが、かなりの量で聴覚システムの組織中に発現されているこ
とが以下で示されている。これらの聴覚組織及び細胞中のBCNG遺伝子の制御
によって、聴覚システムの細胞の応答特性を変化させることが可能であり得る。
このように、(例えば、局所化されたウイルスベクター、又はリポソーム担持タ
ンパク質を介して)核酸又はタンパク質を患者に投与すれば、このような聴覚疾
患が治療されるであろう。聴覚疾患は、聾唖、又は聴力の喪失であり得る。
【0074】 別の態様では、本発明は、呼吸を制御するCNS(中枢神経系)領域の欠陥、
又は肺の欠陥の何れかによる呼吸疾患に罹患した患者を治療するための方法であ
って、ある量の本発明の化合物又は組成物を患者に投与することを備えた方法を
提供する。好ましくは、該化合物は、BCNGアイソフォーム、BCNGアイソ
フォームと相互作用する、肺組織及び/又は脳の核に通常発現されている呼吸制
御に重要な化合物(例えば、小分子)を含む。呼吸疾患は、乳児突然死症候群、
又は規則的な呼吸における任意の困難(例えば、息の短さ)であり得る。呼吸疾
患は、喘息であり得る。
【0075】 本発明は、患者の失読症を治療するための方法であって、患者の失読症を治療
するのに有効な量の本発明の化合物又は組成物を患者に投与することを備えた方
法を提供する。本発明は、注意欠陥障害又は学習障害を治療するための方法も提
供する。学習に関連した障害は、視床に存在するイオンチャネルの異常な作用(
増加又は減少の何れか)から生じ得る。脳の該領域は、不眠、注意、及び覚醒に
関与すると考えられる。このような機能の異常な状態を含む疾患は、本発明の化
合物及び薬学的組成物を用いて治療し得る。本発明は、患者の薬物中毒の症状を
治療する方法であって、本発明の組成物を患者に投与することにより、患者のイ
オンチャネル機能を調節し、患者の薬物中毒の症状を治療することを備えた方法
を提供する。
【0076】 本発明は、異常な分泌又は分泌の欠如に罹患した患者において、通常は分泌を
もたらす細胞の分泌を制御する方法であって、前記細胞の分泌を制御するために
治療的有効量の本発明の化合物又は組成物を患者に投与することを備えた方法を
提供する。前記化合物又は組成物は、細胞が分泌をもたらしたときに制御するた
めに、細胞の休止期又は分泌期に制御し得る。前記細胞は、膵臓細胞、肝細胞、
又は脾臓細胞であり得る。
【0077】 本発明は、非ペースメーキング細胞でのリバウンド興奮(excitatio
n)を制御するための方法を提供する。
【0078】 BCNGタンパク質は、痛み及び痛覚過敏の調節に有効である薬物のスクリー
ニングの有用な標的である。発現されたBCNG−1タンパク質の特性に類似し
た特性を有するペースメーカータイプチャネルは、一次求心性感覚ニューロン中
に同定されており、該チャネルは、プロスタグランジンE2、炎症中に放出され
る痛覚過敏誘導物質によって活性化される(Ingram and Willi
ams、1996)。該チャネルは、痛みの知覚と痛い刺激に対する過敏症にお
いて役割を果たすことが提案されてきた。本発明は、患者の痛みを治療する方法
であて、患者にある量の本発明の組成物を投与することを備えた方法を提供する
【0079】 BCNG−2を含む心室筋に発現されたBCNGチャネルのアイソフォームは
、これらの中の異常なペースメーカーによる室及び/又は心房の不整脈を治療す
るのに有効である薬物のスクリーニングの有用な標的である。異常な活性化特性
を有するペースメーカーチャネルは、心不全時における、室を含む心臓の非ペー
スメーキング領域に検出される(Cerbai et al.、1994,19 97)。
【0080】 洞房結節中に発現されたBCNG遺伝子のアイソフォームは、家族性洞房結節
病のような心臓ペースメーカー機能の遺伝病の有用な遺伝学的スクリーニングを
提供することができる。ある種の家族性、遺伝性心臓病には、洞房結節中のペー
スメーカーチャネル機能の欠陥が関与していると考えられている。
【0081】 心臓に発現されたBCNGアイソフォームは、虚血のエピソードの間に、心筋
の損傷を制限することができる改良された薬物をスクリーニングするのに有用で
あろう。化合物ZD7288によるペースメーカーチャネルのブロックは、心筋
の虚血中に梗塞のサイズを小さくすることが示されている(Schlack e
t al.,1998)。
【0082】 BCNG−1チャネルのアイソフォームは、インシュリンの放出を刺激し、又
は阻害する化合物を含む膵臓機能を変化させる薬物のスクリーニングとして有用
であろう。ヒトBCNG−1タンパク質は、膵臓で発現されていることが実証さ
れた(Santoro et al.,1998)。
【0083】 BCNGチャネルのアイソフォームは、腎臓及び肝臓の機能を変化させる薬物
をスクリーニングするのに有用であろう。BCNGアイソフォームは、それらが
、ホルモンの放出及びイオンの輸送機能に寄与し得るこれらの組織中で発現され
る。ペースメーカーチャネル伝導度と類似した、環状ヌクレオチド(cGMP)
によって刺激された1pSのチャネルの活性は、腎臓の上皮細胞に報告された(
Marunada et al.1991)。肝細胞は、細胞の代謝にカップル
された陽イオン透過性チャネルを発現することが示された(Lidosky e
t al.1997)。
【0084】 本発明は、以下の実験の詳細の部で説明される。これらの部は、本発明の理解
を助けるために記されたものであり、その後の請求の範囲に記載された本発明を
如何なる意味においても限定するものではなく、またそのように解してはならな
い。 実験の詳細 例1:N−srcのSH3ドメインでの相互反応性クローニングは、環状ヌク
レオチドーゲーテッドチャンネルに対する相同性を持つ新しい脳−特異的イオン
チャンネル蛋白質を同定する。
【0085】 Srcチロシンキナーゼのニューロン形態と相互作用する分子につきスクリー
ニングすることによってイオンチャンネルの新しいクラスを表すように見える新
規なcDNAが単離された。コードされたポリペプチドmBCNG−1は、環状
ヌクレオチドーゲーテッドチャンネルおよび電圧−ゲーテッドチャンネル、Ea
gおよびH−ergのファミリーにおける蛋白質に遠く関連する。mBCNG−
1はほぼ132kDのグリコシル化蛋白質として専ら脳で発現される。免疫組織
化学分析は、mBCNG−1が、特に錐体ニューロンかご細胞中にて、新皮質、
海馬および小脳におけるニューロンの特異的サブセットで優先的に発現される。
個々のニューロン内では、該mBCNG−1蛋白質は、細胞型に応じて、樹状突
起または軸索末端いずれかに局在する。
【0086】 サザーンブロット分析は、いくつかの他のBCNG−関連配列がマウスゲノム
に存在することを示し、これはイオンチャンネルコーディング遺伝子の全く新し
いサブファミリーの出現を示す。これらの知見は、脳で膜興奮を潜在的に変調す
ることができ、環状ヌクレオチドによる調節に応答することができる、新規クラ
スのイオンチャンネルの存在を示唆する。
【0087】 脳におけるシナプス強度の制御に寄与するシグナル変換経路を規定することは
、重要かつ長い間求められていた目標である。中枢神経系においてSrc−ファ
ミリーのチロシンキナーゼの生化学的標的を同定する努力において、酵母2−ハ
イブリッド系を用いて、Srcキナーゼの神経特異的形態のSH3ドメインと相
互作用できる蛋白質をクローンした(Bruggeら、1985;Martin
ezら、1987)。新しい蛋白質のこのスクリーニングの結果、mBCNG−
1(マウス脳環状ヌクレオチドーゲーテッド−1)が同定され、単離された。
【0088】 mBCNG−1はイオンチャンネル蛋白質として同定され、特徴付けられてお
り、電圧−ゲーテッドカリウムチャンネル、CNGチャンネルおよび植物の内に
向かう整流器に対する配列相同性を呈する。サザーンブロット分析は、これが蛋
白質の新しいファミリーの最初のメンバーであることを示唆する。mBCNG−
1は専ら脳で発現され、新皮質、小脳皮質および海馬中のニューロンのサブセッ
トの突起に優先的に局在する。mBCNG−1の特異的局所化パターンおよび環
状ヌクレオチドとの直接的相互作用の可能性は、それが、細胞間および細胞内シ
グナリングの発現において重要な成分である新しい脳−特異的イオンチャンネル
蛋白質を表し得ることを示唆する。
【0089】 結果 mBCNG−1の単離 mBCNG−1、CNG−関連およびEag−関連イオンチャンネルに対する
相同性を持つ新規cDNAは、酵母2−ハイブリッドスクリーニングにおけるN
−src SH3ドメインでの相互作用性クローニングによってまず単離され、
同定された。該src遺伝子は交互にスプライスされた形態(N−srcまたは
bp60src−c(+))を発現し、これはニューロン細胞に特異的であり、
増大したキナーゼ活性を有する(Bruggeら、1985)。N−src蛋白
質は当該蛋白質のSrc相同性3(SH3)ドメインに対応する領域への6個の
アミノ酸の挿入によって非ニューロン形態(C−srcまたはpp60src− とは異なる(Martinezら、1987)。SH3ドメインは蛋白質間相
互作用のためのモジュールと考えられる(Pawsonら、1995)。従って
、酵母2−ハイブリッドスクリーニング(Fitldsら、1989;Zerv
osら、1993)を用いて、N−src SH3ドメインと選択的に相互作用
するであろう脳特異的蛋白質を同定した。
【0090】 N−src SH3餌(bait)での5×10独立クローンのスクリーニ
ングの結果、融合生成物(pJG−d5)と陽性反応するシグナルが単離された
。このクローンはN−src SH3ドメインとの強力な相互作用を示したが、
c−src,fynまたはabl SH3ドメインとの有意な相互作用を示さな
い蛋白質をコードし、これは、酵母2−ハイブリッド系におけるN−src S
H3ドメインの特異的認識を示す。pJG−d5の配列分析は、それがより大き
な蛋白質のC−末端部分をコードすることを示した。従って、重複するcDNA
クローンをλgt10ライブラリーから単離し、オープンリーディングフレーム
(ORF)が同定され、これは104kDaの予測される分子量を持つ910個
のアミノ酸ポリペプチドをコードした(図1A)。pJG−d5インサートはそ
のC−末端アミノ酸404−910に対応する。
【0091】 予測された蛋白質のN−末端部分は、7つの疎水性ドメインを含む疎水性コア
を含有する(図1B)。これらのドメインは6つの膜貫通ドメイン(S1−S6
)および電圧活性化Kチャンネルのポア領域(P)に対する有意な相同性を示
す(図1C)。疎水性コアに加えて、当該蛋白質のC−末端の半分には推定環状
ヌクレオチド結合部位(CNB)がある(アミノ酸472−602、図1Aおよ
び図1D)。この環状ヌクレオチ結合部位は、環状−ヌクレオチドーゲーテッド
チャンネル中の対応する領域に最も密接に関連する(30%同様性)。細菌異化
産物遺伝子アクチベーター蛋白質(CAP)における結合した環状ヌクレオチド
の近くに存在するアミノ酸はN−src相互作用蛋白質で保存されており、これ
はCNBが機能的であることを示唆する(Weberら、1989)。これらの
特徴に基づいて、新しく同定された蛋白質はmBCNG−1(マウス脳環状ヌク
レオチドーゲーテッドー1)と命名された。
【0092】 すべての周知のKチャンネルスーパーファミリー遺伝子の中で、mBCNG
−1のコア領域はマウスEag蛋白質中の対応する領域に対して最高のアミノ酸
同様性を呈するが、環状ヌクレオチドーゲーテッドチャンネルに対する配列同様
性はこの領域では17%に過ぎない(距離はDNASTARのMegAlign
プログラムによって決定された)。mBCNG−1のS4ドメインは合計して8
個の正に荷電した残基(セリンによって分離された、4つの2グループ)を有し
、これは、再度、環状ヌクレオチドーゲーテッドチャンネルに対するよりも電圧
活性化Kチャンネルに似たものとする(Shおよびeagファミリー)。
【0093】 また、mBCNG−1蛋白質の推定ポア形成領域(図1C)は、Shaker
およびEag−関連チャンネルにおける対応する領域に最も密接に関連する(い
ずれの場合においても30%配列同様性)。しかしながら、それは、電圧活性化
チャンネルで高度に保存された2つの位置において有意な置換を含有する:
GYGトリプレットに続くアスパルテート残基はアラニン(位置352)で置き
換えられ、その位置から−8におけるセリン/トレオニン残基はヒスチジン(位
置344)で置き換えられている。同様の置換が網膜CNG−チャンネルのβー
サブユニットで見い出され、ここに、該アスパルテートに対応する位置はロイシ
ンによって占められ、リシンはその位置から−8において見い出される(Che
nら、1993)。これは、該mBCNG−1蛋白質がそれ自体で電流を通すこ
とができないが、第二の未だ同定されていないポリペプチドと組み合わされて作
用して、機能的ヘテロマルチマーイオンチャンネルを形成できることを示唆する
【0094】 mBCNG−1は132kDa糖蛋白質である。
【0095】 mBCNG−1 cDNA(ATCC受託番号209781)(配列番号:1
)によってコードされた蛋白質を特徴付けるために、予測される細胞質テイル:
アミノ酸594−720(融合蛋白質GST−q1;抗血清αq1)およびアミ
ノ酸777−910(融合蛋白質GST−q2;抗血清αq2)における2つの
別々のドメインに対して抗体を生じさせた。両抗血清は、クローン化mBCNG
−1配列のイン・ビトロ翻訳産物を特異的に免疫沈降させた。
【0096】 マウス脳抽出物のウェスタンブロットにおいてαq1およびαq2抗血清は共
に132kDaの見掛け分子量を持つ散漫なバンドを認識した(図2A)。両抗
原性ドメインを一体化させたGST−融合蛋白質(GST−d5、アミノ酸40
4−910)での抗血清の予備吸着による標識の完全な撤去は、それが天然mB
CNG−1サブユニットを現すことを示す。ウェスタンブロッティングに先立っ
ての脳抽出物のN−グリコシダーゼFでの処理の結果、今や、イン・ビトロ翻訳
されたBCNG−1産物と共に移動する、観察されたバンドの分子量が実質的低
下した)(図2B)。
【0097】 配列分析は、3つのN−グリコシル化コンセンサス部位がmBCNG−1蛋白
質に存在することを示す。これらのうち、Asn327は原形質膜の細胞外部位
の膜貫通ドメインS5およびポア(P)の間に存在すると予測される(図1Aお
よび図1B)。この部位は、ウシ桿状光受容体からのcGMP−ゲーテッドチャ
ンネルのAsn327に対応し、ここにそれはグリコシル化の唯一の部位である
ことが示されている(Wohlfartら、1992)。考え合わせると、これ
らのデータは、クローン化cDNA配列がmBCNG−1遺伝子の全長産物をコ
ードし、mBCNG−1がN−結合糖蛋白質であることを示唆する。
【0098】 mBCNG−1はニューロンで発現される。
【0099】 ノーザンブロット分析は脳からのポリ(A)RNAにおける複数mBCNG
−1転写体の存在を明らかにし、最も豊富な種は3.4、4.4、5.8、およ
び8.2kb長である(図3)。該3.4kb転写体はサイズがクローン化cD
NAに対応する。心臓、脾臓、肺、肝臓、骨格筋、腎臓または精巣で発現は検出
されなかった。mBCNG−1蛋白質の特異的発現はウェスタンブロット分析に
よって確認された。
【0100】 脳内でのmBCNG−1の細胞局所化は、イン・サイチュハイブリダイゼーシ
ョン(図4)によって、および免疫組織化学染色(図5A−5F)によって調べ
た。両方の場合において、最高レベルのmBCNG−1発現が脳皮質、海馬およ
び小脳で検出された。
【0101】 脳皮質において、イン・サイチュハイブリダイゼーションは、新皮質に沿った
連続的な線に分布したmBCNG−1 mRNA層V錐体ニューロン細胞体の強
力な発現を示す(図4)。免疫組織化学分析はこれらの細胞内のmBCNG−1
蛋白質の厳格な細胞下局所化を明らかにする。先端樹状突起の染色(図5A)は
これらの繊維の末端分岐まで伸び、層Iで特に強く、これは錐体ニューロンの末
端樹状突起叢を含有する(図5B)。
【0102】 同様の発現パターンが海馬で認識できた。ここに、該イン・サイチュハイブリ
ダイゼーションは領域CA1およびCA3の錐体細胞体層における強力なmBC
NG−1 mRNA発現を示す(図4)。領域CA3における標識は領域CA1
における標識よりもいくぶん顕著ではない。蛋白質レベルにおいて、最も強いm
RNA免疫染色は、層lacunosum−moleculareに対応する層
において海馬溝に沿って観察される(図5C)。この層は領域CA1における錐
体ニューロンの先端樹状突起の末端分岐を含有する(Raisman、1965
)。さらに、領域CA1およびCA3の層piramadale内でmBCNG
−1免疫反応性が検出され:しかしながら、染色は錐体細胞体には存在せず、む
しろそれを囲む繊維に存在する(図5D)。これらの繊維は錐体ニューロンに会
合したかご細胞叢を現すようである。
【0103】 また、小脳における免疫染色はかご細胞発現に特徴的なパターンを示す。小脳
皮質において、かご細胞は終末分岐に活気を与え、「pinceau」として知
られている区別される構造中のピルキニエ細胞軸索の初期セグメントに接触する
(Palayら、1974)。図5Eおよび図5Fに示されるように、これらの
構造はαq1およびαq2抗血清によって強く標識され、他方、染色はプルキニ
エ細胞体を排除する。かくして、かご細胞においてmBCNG−1蛋白質は軸索
に選択的に局所化されるようであり、神経末端で特に豊富である。いくつかの脳
幹核の強い標識がイン・サイチュハイブリダイゼーションによって観察され(図
4)、免疫反応性の領域が嗅球を含めた他の脳領域で観察された。
【0104】 mBCNG−1はKチャンネル遺伝子の新しいサブファミリーを規定する。
【0105】 これまでに特徴付けられているイオンチャンネル配列のほとんどは進化に関係
するマルチジーンファミリーのメンバーである。mBCNG−1に関連するより
多くの配列が存在するか否かを調べるために、マウスゲノムDNAサザーンブロ
ットを種々のストリンジェンシー条件下で分析した(図6)。
【0106】 プローブ(B1−T)は、膜貫通ドメインS5、PおよびS6を含めたmBC
NG−1の疎水性コア領域で設定され;当該蛋白質のC−末端部分における反復
領域を排除した。B1−Tプローブの融点した8℃(図6A)融点から33℃下
(図6B)のハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーを低下させた結
果、ブロットの各レーンで多数の追加のハイブリダイゼーションシグナルが検出
された。Kチャンネルスーパーファミリーにおける周知の配列はいずれもこれ
らの条件下でハイブリダイズするmBCNG−1に対する十分な相同性を有しな
い。これは、mBCNG−1が非常に大きな群の関連遺伝子の最初の周知のメン
バーであることを示唆し、これは電圧−ゲーテッドKチャンネルスーパーファ
ミリーにおける新しい分岐を現す。
【0107】 考察 電圧−ゲーテッドカリウム(VGK)チャンネルは関連遺伝子の大きくて依然
として拡大しつつあるスーパーファミリーを構成する(Strongら、199
3:WarmekおよびGonetzky、1994)。VGKファミリーにお
ける新しい遺伝子をクローンニングするための最も広く使用された戦略は、少数
の最初のメンバー(ショウジョウバエからのSh、eagおよびslo)(Pa
pazianら、1987;Kambら、1987;Warmkeら、1991
;Atkinsoら、1991)、ウシ網膜からのcGMP−チャンネル(Ka
uppら、1989))に対する相同性によってなされてきた。あいにくと、こ
のアプローチはより発散した配列を同定するのには十分に適していない。アフリ
カツメガエル卵母細胞における発現クローニングはこの問題を回避できるが、こ
れはチャンネルの予め存在するかまたは容易に検出できる生理学的特徴を意味す
る。
【0108】 標的蛋白質の構造または活性の先験的知識を要しない別のクローニング戦略は
蛋白質間相互作用によってKチャンネルにつきスクリーニングすることである
。N−srcのSH3ドメインを餌として用い、Kチャンネルスーパーファミ
リーの新しい分岐を構成するように見える蛋白質mBCNG−1を得た。mBC
NG−1は、電圧−ゲーテッド+チャンネルのモチーフを呈する(6つの膜貫通
スパンニングドメイン、高度に塩基性のS4およびP領域)(Strongら、
1993、Warmkeら、1994および図1A−1D)。6つの膜貫通ドメ
インおよびポアー様領域(Warmkeら、1994)の存在によって否定され
る、電圧活性化Kチャンネルスーパーファミリーメンバーに対するその同様性
にかかわらず、mBCNG−1は他の周知の配列のすべてからのかなりの発散を
示す。mBCNG−1の環状ヌクレオチド結合部位はCNGチャンネルに存在す
る部位と非常に似ているが(30%)、S4および従前のものはShakerお
よびEagにおける対応する領域に非常に密接に関連する。総じて、疎水性コア
領域における最高の同様性はマウスEag蛋白質に対するものである(22%)
。かくして、mBCNG−1はKチャンネルスーパーファミリーの新しい分岐
を構成するようである。
【0109】 Kおよび先祖環状ヌクレオチド結合部位の間の融合は、植物および動物の間
の進化的分離に先だって起こったようである(Warmkeら、1994)。こ
の共通の先祖からの発散は、一方において、Eag−関連チャンネルおよび植物
の内向き整流器(これは、元のCNB配列からの進行する片寄りを示しつつ、電
圧活性化Kチャンネルの特徴のより多くを維持した)および、他方において、
CNG−チャンネル(これは、環状ヌクレオチド結合部位に対してより進化した
拘束を示し、他方、それは電圧活性化およびK選択性を喪失した)に至ったで
あろう。mBCNG−1の特徴は、それが、電圧−ゲーテッドKチャンネルお
よび環状ヌクレオチドーゲーテッドチャンネルの間の進化的リンクを現す先祖分
子に近いままであったであろう。
【0110】 嗅覚および網膜CNG−チャンネルについての出現するパターンおよびmBC
NG−1の推定ポア形成領域の非コンセンサス配列は、アフリカツメガエル卵母
細胞でのmBCNG−1発現に続いての検出可能な電流の欠如がヘテロマルチマ
ーチャンネルのβサブユニットを表すmBCNG−1によるものであることを示
唆する(Chenら、1993;Limanら、1994;Bradleyら、
1994)。事実、該データはマウスゲノムにおける多数のBCNG−関連配列
の存在を示し、1以上のこれらの遺伝子が、活性チャンネルの形成に必要なさら
なるサブユニットをコードし得たことを示す。
【0111】 mBCNG−1蛋白質は、脳のみで、特に大脳、海馬および小脳皮質内の主要
なクラスのニューロンのうちの2つ:錐体ニューロンおよびかご細胞で発現され
る。この分布は、大脳および海馬錐体ニューロンで発現される、N−srcとの
mBCNG−1のイン・ビボ相互作用に合致するであろう(Sugrueら、1
990)。mBCNG−1およびN−src SH3ドメインの間の観察される
相互作用は、その生理学的重要性およびプロリンリッチの領域の役割がそうであ
るように興味がある。最近発見されたWWドメイン(Sudolら、1996;
Staubら、1996)を特に考慮すると、他の因子がmBCNG−1のプロ
リンリッチ領域を標的とすることができる可能性も考慮されるべきである。
【0112】 mBCNG−1の変化した細胞下局所化(錐体細胞における樹状突起およびか
ご細胞における軸索)は、mBCNG−1が、おそらくは、細胞型に応じてシナ
プス前またはシナプス後膜興奮性を調節することによってニューロンの異なる集
団で異なる役割を演じ得ることを示唆する。同様の分布がKチャンネルサブユ
ニットKv1.2につき示されている(Shengら、1994;Wangら、
1994)。Kv1.2は、重複するが異なる発現パターンを有するいくつかの
他のShaker型サブユニットとでヘテロマルチマーKチャンネルを形成し
、発散した機能的特徴を持つある範囲のコンダクタンスを生起させる。
【0113】 海馬錐体細胞の樹状突起におけるmBCNG−1の存在は特に興味がある;c
AMPはこれらの細胞における長期シナプス増強のいくつかの形態の確立に重要
であることが示されている(Freyら、1993、Bolshakovら,1
997;Thomasら、1996)。mBCNG−1の構造的な特徴は、環状
ヌクレオチド結合によって直接的に変調されるK導電性活性を予測させる。興
味あることに、同様の特徴を有する電流が領域CAの海馬錐体ニューロンで規
制されており(Pedarzaniら、1995)、そこではmBCNG−1が
高度に発現される。この電流(I)は、cAMPレベルに応答してニューロン
興奮性を調節することによって、海馬活性のノルアドレナリン変調に寄与すると
考えられる。mBCNG−1はこのタイプの電流の原因であるチャンネルの形成
に参画し得た。
【0114】 実験手法 mBCNG−1の酵母2ハイブリッド相互作用クローニング 2−ハイブリッドスクリーニングは公表された手法に従って行った(Zerv
osら、1993);使用した試薬はプラスミドpEG202,pJG4−5,
pJK103およびSaccharomyces cerevisiae株EG
Y48を含んだ(MATa trp1 ura3 his3 LEU2::pL
exAop6−LEU2)。
【0115】 該餌はプラスミドpEG202中のN−srcのSH3ドメインをサブクロー
ニングすることによって創製され、マウスN−src配列からのアミノ酸83−
147を含有する(Martinezら、1987)。cDNA融合ライブラリ
ーは、成体C57BL/6雄マウスの全脳からのポリ(A)RNAを用い、プ
ラスミドpJG4−5にて構築し;該cDNAは製造業者の指示に従って、ラン
ダムヘキサマーおよびGIBCO−BRL SUPERScript II合成
キットを用いて合成した。>1.5kbの平均cDNAサイズを持つ2つの画分
から構築されたライブラリーのみ(合計1×10独立クローン)を2ハイブリ
ッドスクリーニングで用いた。0.3%SeaPrepアガロース(FMC)中
でライブラリー増幅を行って複雑性の変化を回避した。
【0116】 ライブラリーのスクリーニングでは、まず、Saccharomycds c
erevisiae株EGY48を餌プラスミドpEG202−Nsrcおよび
レポータープラスミドpJK103で共形質転換した。得られた株をHIS3お
よびURA3マーカーでの選択下で維持し、引き続いて、プラスミドpJG4−
5中のマウス脳cDNAライブラリー形質転換した。この記載はより正確である
が、置き換えられるべきである。というのは、形質転換ミックスは、0.3%S
eaPrepアガロース(FMC)を含有するUraHisTrpブルコ
ース培地中で2日間増殖させたからである;次いで、細胞を収穫し、Ura
isTrpLeu−ガラクトース上で平板培養した。フィルターリフトア
ッセイ(BreedeおよびNasmith,1985)を用い、Leu+コロ
ニーをβーガラクトシダーゼ活性につきスクリーニングした。陽性反応融合産物
を単離し、独立酵母株への再形質転換による特異性につきテストした。融合産物
pJGd5はmBCNG−1のC−末端部分に対応する(アミノ酸404−91
0;図8参照)。
【0117】 mBCNG−1の全長クローニング mBCNG−1 cDNAの5’末端領域の単離では、pJG−d5配列に由
来するネステッドオリゴヌクレオチドを用いてpJG4−5ライブラリに対して
2ラウンドのPCRを行った。最初のラウンドにおける下流プライマーは:5’
−AGAGGCATAGTAGCCACCAGTTTCC−3’(配列番号:1
3)(d5.RL,mBCNG−1配列のアミノ酸456−463に対応する;
図8参照)であった。第2ラウンドにおける下流プライマーは:5’−CCGC
TCGAGGCCTTGGTATCGGTGCTCATAG−3’(配列番号:
14)(d5.N2、mBCNG−1のアミノ酸424−430および付加され
たXhoIvに対応)であった。上流プライマーはB42酸性パッチ中のEco
RI部位の5’側に位置する、pJG4−5ベクター配列:5’−GAAGCG
GATGTTAACGATACCAGCC−3’(配列番号:15)(B42)
またはADHターミネーター中のEcoRI部位の3’側に位置する、5’−G
ACAAGCCGACAACCTTGATTGGAG−3’(配列番号:16)
(ter)においてデザインされた2つのオリゴヌクレオチドのいずれかであっ
た。
【0118】 PCRサイクリングは以下のごとくに行った:1×(2分、94℃);25×
(45秒、94℃:30秒、58℃;3分、72℃);1×(10分、72℃)
【0119】 反応のこのシリーズから得られた最長増幅産物は700bp DNA断片であ
り、これはmBCNG−1配列からのアミノ酸204−430を含有した(図8
参照)。この断片をサブクローンし、再度精製し、プローブとして用いて、高ス
トリンジェンシー条件(50%ホルムアミド、5×SSC(1×SSC=0.1
5M塩化ナトリウム/0.015クエン酸ナトリウム、pH7)、5×デンハル
ト(1×デンハルト=0.02%フィコール/0.2%ポリビニルピロリドン/
0.02%ウシ血清アルブミン)、0.5%SDS、100mg/mlサケ精子
DNA中で、65℃における一晩のハイブリダイゼーション)にて、λgt10
中のマウス脳cDNAライブラリ(CLONTECH、カタログ番号ML300
0a)をスクリーニングした。洗浄:10分、2×SSC/0.1%SDSにて
室温、続いて、0.2×SSC/0.1%SDSにて65℃で30分を2回。
【0120】 陽性反応クローンは、さらに、下流プライマーとしてオリゴヌクレオチドd5
.RL(配列番号:13)を用いるPCRによってスクリーニングした。上流プ
ライマーは2つの以下のベクターオリゴヌクレオチド:λgt10配列中のEc
oRI部位の5’側に位置する、5’−GAGCAAGTTCAGCCTGGT
TAAGTCC−3’(配列番号:17)(15’.N2)、または該EcoR
I部位の3’側に位置する、5’−GTGGCTTATGAGTATTTCTT
CCAGGG−3’(配列番号:18)(13’.N2)の内のいずれかであっ
た。PCRサイクリングは前記したごとくに行った。
【0121】 得られた産物をサブクローンし、配列決定した。最長伸長はmBCNG−1配
列のアミノ酸1−463を含有した(図8参照);クローンpJG−d5に含有
されるインサートを含むこのインサートの重複領域(アミノ酸405−463)
はBgl II部位を含み、これを用いて、発現実験のためにプラスミドpSD
64TF中のmBCNG−1 cDNAの5’および3’断片を接合させた。
【0122】 インビトロ・転写(MESSAGE MACHINE,Ambion,Aus
tin,TX)および翻訳イン・ビトロExpress,Stratagene
【0123】 ノーザン/サザーンブロットハイブリダイゼーション 示されたアミノ酸6−131(λgt10−由来5’配列)および594−7
20(pJG−5由来3’配列)に対応するPCRで生成したcDNA断片を用
いて、Multiple Tissue Northern Blot(CLO
NTECH,7762−1)をプローブした。
【0124】 サザーンブロットでは、記載されているごとく(Sambrook,1989
),mBCNG−1配列のアミノ酸270−463に対応するPCRで生成した
cDNA断片(B1−T)を用いてマウスGeno−Blot(CLONTEC
H、7650−1)をプローブした。ブロットを65゜でハイブリダイズさせ(
5×標準セラインシトレート1×SSC=0.15M塩化ナトリウム/0.01
5Mクエン酸ナトリウム,水溶液中pH7緩衝液)、図面の脚注に記載したごと
くに洗浄した。洗浄条件は示した通りであった。式Tm=81.5℃+16.6
(logM)+0.41(%GC)−(675/L)(M=カチオン濃度であり
、Lは塩基対で現したプローブの長さである)に従って、B1−Tプローブにつ
いての融点(TM)を計算した。
【0125】 抗体の生産、抽出物および免疫化学およびイン・サイチュハイブリダイゼーシ
ョン グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)−融合蛋白質は、プラスミド
pGEX−lomebole(Pharmacia)中でq1(mBCNG−1
蛋白質のアミノ酸594−720に対応)またはq2(mBCNG−1蛋白質の
アミノ酸777−910に対応)(図1A参照)をサブクローニングし、続いて
実質的には記載されているごとく(FrangioniおよびNeel,199
3)誘導および精製することによって生成させた。融合蛋白質をリン酸緩衝化生
理食塩水(PBS)で溶出させて、フロイントのアジュバント(Pierce)
との1:1懸濁液としてウサギに注射した。抗血清を調製し、実質的には記載さ
れているごとくにテストした(Grantら、1995)。
【0126】 ウェスタンブロット分析では記載されているごとく(Grant,1995)
、マウス脳抽出物を10%SDS−PAGE上で分離し、PVDF膜(Immo
bilon−P,Millipore)に電気ブロットした。ブロッキングおよ
び抗体インキュベーションはTBST(10mMトリスpH7.5、150mM
NaCl,0.1%Tween−20)+2%BSA中で行った。αq1およ
びαq2抗血清は1:1000希釈で用いた。アルカリ性ホスフォターゼ(Bi
o−Rad)にカップリングした2次抗−ウサギ抗体を1:5000希釈で用い
、NBT/BCIP(Boehringer Mannheim)中でのインキ
ュベーションによってバンドを可視化した。全脳抽出物は記載されているごとく
に調製した(Grant,1995)。N−グリコシダーゼ処理では、2%SD
Sを抽出物に添加し、10分間沸騰させることによって蛋白質を変性させた;反
応は50mM NaP(pH7.2),25mM EDTA、0.5%トリトン
−×100、0.2%SDS、1mg/ml蛋白質および20U/ml N−グ
リコシダーゼF(Boehringer)中、37℃で1時間行った。
【0127】 免疫組織化学では、50mM NHCl/PBS中でクエンチしたマウス脳
(4%パラフォルムアルデヒド/PBS中で固定)の20μm低温槽セクション
をブロックし(10%ヤギ血清、0.1%ヤギ血清、PBS中0.1%サポニン
)、次いで(ブロッキング溶液中に1:400希釈した)αq1またはαq2抗
血清に暴露した。PBSプラス0.1%サポニン中で洗浄した後、ブロッキング
溶液中に1:200希釈したCy3−コンジュゲーテッドヤギ抗−ウサギF(a
b’)2断片(Jackson Immunoresearch Labs)と
共にセクションをインキュベートした。
【0128】 (35S)チオ−sATPおよびターミナルトランスフェラーゼ(Boehr
inger Mannheim)を用いて3テイリングによって5×10
pm/μgの特異的活性まで標識したオリゴヌクレオチドプローブを用い、実質
的に記載されているごとくに(Mayfordら,1995)イン・サイチュハ
イブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーションは37℃で行った。ス
ライドを0.2×SSC中にて60℃で洗浄し、2週間フイルムに暴露した。
【0129】 例2:BCNG遺伝子ファミリー導入の同定 緒言 BCNGファミリー(mBCNG−1)における元の配列は、例1に記載され
た餌としてのn−Srcトリプシンキナーゼと共に酵母2−ハイブリッド相互作
用クローニングを用いてマウス脳cDNAライブラリーから単離した。この蛋白
質のDNAおよびアミノ酸配列は、各々、配列番号:1および配列番号:2であ
る。 mBCNG−1に相同な領域をコードする3つのさらなるマウスおよび2つの
ヒトcDNAクローン(受託番号209781)を単離した。全長mBCNG−
1産物につきスクリーニングしつつ、マウス遺伝子([mBCNG−2[ATC
C受託番号209825および209828]およびmBCNG−3[ATCC
受託番号209824および209828])の2つを表す部分的cDNAクロ
ーンを単離し、ならびに2つのヒト遺伝子(hBCNG−1[ATCC受託番号
209827]およびhBCNG−2[ATCC受託番号209829])はク
エリーとしてmBCNG−1の蛋白質配列(配列番号:2)を用い、ESTデー
タベース相同性サーチにより同定した。引き続いて、ライブラリースクリーニン
グまたはRT−PCRスクリーニングによって、同定されたcDNAクローンの
さらなる伸長を得た。同定されたマウスおよびヒトBCNG配列の模式図を図7
A−7Bに表す。
【0130】 以下に記載する3つのさらなるマウス蛋白質は、84−88%の配列同様性を
有し、相互に密接に関連するが、Eag−関連チャンネル(22%同様性)およ
び環状フクレオチド−ゲーテッドチャンネル(17%同様性)を含む、カリウム
チャンネルスーパーファミリーの全ての他の周知のメンバーと非常に遠い関連で
ある。
【0131】 ノーザンブロット分析は、これらのクローンの各々につき組織分布の個々のパ
ターンを示した(図9参照)。mBCNG−1の発現は脳に制限されているよう
であるが(図9A)、mBCNG−2(図9B)およびmBCNG−3(図9C
)は脳ならびに心臓で発現される。mBCNG−3についてのハイブリダイゼー
ションシグナルは骨格筋および肺からのポリARNAでも検出される。
【0132】 これらのクローンの区別される配列および組織分布は、BCNGクローンが、
心臓および脳に圧倒的に局所化する、特徴的な電圧感知よび環状ヌクレオチド結
合モチーフを持つ、イオンチャンネル蛋白質のファミリーを表すことを明らかと
する。
【0133】 結果 mBCNG−2の最初の断片(mBCNG2a[ATCC受託番号20982
5])は、mBCNG−1の5’伸長を単離するために設計されたネステッドP
CR反応産物としてクローン化された(Santoroら,1997)。この断
片は、2つのPCR産物の重複する領域における配列相違のためmBCNG−1
からの区別される遺伝子産物を表すようである。この相違はほとんど第3塩基コ
ドン置換であった。この断片を用いてマウス脳λgt10ライブラリーをスクリ
ーニングし;mBCNG−1と同様であるがそれから区別される蛋白質のN−末
端部分を得た(クローン11−λ1、mBCNG−2bと命名[ATCC受託番
号209826])。同一λgt10ライブラリースクリーニングから、弱く反
応するプラークも同定され、これは対応するインサート(クローン15−7、m
BCNG−3aと命名[ATCC受託番号209824])のサブクローニング
および配列決定に際して、BCNGファミリーの第3の区別される遺伝子(mB
CNG−3)を表すことが示された。配列番号:5はmBCNG−2DNA配列
を表し、他方、配列番号:6はmBCNG−2アミノ酸配列を表す。配列番号:
9はmBCNG−3DNA配列を表し、他方、配列番号:10はmBCNG−3
アミノ酸配列を表す。
【0134】 マウスおよびヒトESTデータベースにおけるBLASTサーチは、2つのマ
ウスBCNG遺伝子(M41−EST、M28−EST)および2つのヒトBC
NG遺伝子(H57−EST、H61−EAT)の断片であるように見える4つ
のEATクローンを明らかとした。
【0135】 M41−EST配列は、環状ヌクレオチド結合部位を重複する、BCNG−様
遺伝子の3’断片を表すようであった。この配列におけるオリゴヌクレオチド(
オリゴ41REV[配列番号:24])およびBCNGクローンの5’部分の保
存された領域におけるオリゴヌクレオチド(オリゴB123[配列番号:23]
)を合成し、これを用いてマウスRNAからRT−PCR産物を得た。M41−
ESTクローンの5’末端およびmBCNG−2cDNA(クローン11−λ1
、mBCNG−2bと命名[ATCC受託番号209826])の3’末端と重
複するRT−PCR産物セクションの配列決定は、M41−ESTがmBCNG
−2の3’末端を表すことを確立した。
【0136】 また、M28−ESTは、環状ヌクレオチド結合部位の3’末端領域を含めた
、BCNG−様遺伝子の断片を含有するようであった。M28配列に基づく縮重
オリゴヌクレオチドはかく命名され(オリゴ28REV[配列番号:25])、
マウスRNAに対するRT−PCR反応でB123オリゴヌクレオチド[配列番
号:23]と一緒に使用された。得られた産物は、クローン15−7の3’領域
との重複によって判断して、mBCNG−3の延長を表すようであるが、配列決
定は、M28−ESTクローンとの重複領域における差異を明らかとした。かく
して、M28−ESTは、mBCNG−4と命名されたさらにもう1つのBCN
G−様遺伝子を表す。配列番号:11はmBCNG−4DNA配列を表し、他方
、配列番号:12はmBCNG−4アミノ酸配列を表す。M28−ESTクロー
ンの完全な配列決定は、クローンの3’末端のみがBCNG配列と整列すること
を明らかとし;632位の5’側の配列はイントロンを表すようであり、停止コ
ドンは869位に存在する(図1参照)。
【0137】 これらのESTおよびBCNG遺伝子ファミリーの間の対応性を図7A−7B
に模式的に示し、表Iに示す。クローンはIMAGEコンソルティウムから得た
。クローンは以下のように使用した。
【表1】
【0138】 表Iは、(ここに命名された)普通名称、これらのESTおよびBCNG遺伝
子間の可能な対応性、GeneBank受託番号およびこれらのクローンにつき
I.M.A.G.E.コンソルティウムおよびゲノムシステムによって使用され
るクローン識別番号をリストする。
【0139】 保存されたBCNGチャンネルファミリーの予測されるアミノ酸配列。
【0140】 mBCNG−2(配列番号:6)、mBCNG−3(配列番号:10)および
mBCNG−4(配列番号:12)でコードされた蛋白質につき得られた推定さ
れた統合アミノ酸配列は図8A−8Bに示され、これはmBCNG−1の全長配
列(配列番号:2)(Santoroら,1997)(GeneBank受託番
号:AF28737)に対して整列させた。同定された配列の全て(mBCNG
−4を除く)は、電圧−ゲーテッドカリウムチャンネルのモチーフを含有する(
JanおよびJan,1997)。かくして、それらは、細胞内アミノ末端、6
つの推定膜貫通スパンニングドメイン(S1−S6)、および長細胞質カルボキ
シ末端を持つチャンネルサブユニットにつきコードするようである。他の電圧−
ゲーテッドチャンネルで電圧センサーとして働くようであるS4ドメインは、9
つの正に荷電した塩基性残基を含有し、いずれの他の電圧−ゲーテッドチャンネ
ルよりもそうである。加えて、3つのコドンは、S5およびS6膜貫通セグメン
トを連結させる高度に保存されたポア形成P領域を含有する。このPループは電
圧−ゲーテッドKチャンネルのP領域に相同であり、特に、Kチャンネル署名配
列トリプレットGYGを含有し、これは、該クローンがL選択的イオンチャンネ
ルをコードするであろう(Heginbothamら,1994)。
【0141】 BCNG蛋白質の長細胞質テイルは、cAMP−およびcGMP−依存性蛋白
質キナーゼおよび異化産物活性化蛋白質、CAP、細菌cAMP結合蛋白質(S
habbおよびCorbin,1992)の環状ヌクレオチド(CNB)に相同
である120アミノ酸のストレッチを含有する。BCNG環状ヌクレオチド−含
有ドメインは、視覚および嗅覚シグナル変換に関与する環状ヌクレオチド−ゲー
テッドチャンネルの結合ドメインと最も似ている(ZagottaおよびSie
gelbam,1996)。電圧−ゲーテッドチャンネルファミリーの他のメン
バーはCNB部位を含有すると報告されているが、これらの推定部位は、機能的
環状ヌクレオチド−結合蛋白質で見いだされた鍵となる保存された残基の多くを
欠く(Tibbsら,1998)。驚くべきことに、これらの鍵となる残基はB
CNGチャンネルファミリーで保存され、これは、これらの結合部位が機能する
ようであることを示唆する。
【0142】 ある種のペースメーカーチャンネルは心臓プルキニエ繊維チャンネル(Cha
ngら,1991)のごときPKAリン酸化によって調節することができるが、
他方、他のペースメーカーチャンネルは洞房節チャンネルのごときcAMPによ
って直接的に調節されるようである(DiFramcescoおよびTorto
ra,1991)。マウス(およびヒト)BCNG−1およびBCNG−2は、
PKAリン酸のためのコンセンサス部位(図8B、矢印)内にあるその細胞質カ
ルボキシ末端においてセリン残基を含有するのは興味深い。mBCNG−4はこ
の部位を含有せず、異なる組織におけるチャンネルの異なる変調特性についての
可能な説明を供する。可能なリン酸化部位についての特に驚くべきことは、それ
が、環状ヌクレオチド結合部位、リガンド結合ポケットの鍵となる部分を形成す
るC−ラセン内にあるということである(WeberおよびSteiz,198
7)。杆体および嗅覚環状ヌクレオチド−ゲーテッドチャンネルについての研究
は、以前に、C−ラセンがリガンド−選択性およびリガンド−ゲーティングの効
率で重要な役割を演じることを示した(Gouldingら,1994;Var
numら,1995)。かくして、このセリンのリン酸化は、環状ヌクレオチド
がある種のペースメーカーチャンネルのゲーティングをそれで変調する効率に影
響し得る。
【0143】 マウス蛋白質は相互に密接に関連し、84−86%の同様性を有する(図7C
)。顕著には、mBCNG−2およびmBCNG−3は、いずれかがmBCNG
−1に対するよりも相互により密接に関連する(89%同様)。限定された整列
が示し得る限り(図7の脚注参照)、mBCNG−4は該群における最も遠く関
連する蛋白質であるように見える。
【0144】 2つのヒトBCNG遺伝子のクローニング H57−ESTおよびmBCNG−1の間の高度な同様性は、このESTがm
BCNG−1のヒト同族体(hBCNG−1と命名)の3’末端領域を表すよう
であることを示唆した。この推定に基づき、hBCNG−1を増幅するためにP
CRオリゴヌクレオチドプライマーを合成した(図7参照)。1つのプライマー
はマウスBCNGクローンの5’末端における配列(オリゴMB1−3[配列番
号:26])よりなるものであり、第2のプライマーはH57−ESTにおける
配列(オリゴH57.C[配列番号:27])に基づくものであった。(図7参
照)。ヒト脳ポリARNAを用いて、予測された長さの単一の強力なRT−P
CR産物を得た。ヒト心臓ポリARNAからバンドは得られなかった。元のE
STクローンのおよびRT−PCR産物の配列決定の完了に際して、hBCNG
−1配列の2247bpが得られた(配列番号:3)(図7参照)。コードされ
たhBCNG蛋白質の予測されるアミノ酸配列(配列番号:4)を図8に示す。
顕著には、S6膜貫通セグメントを通ってS1から伸びる、hBCNG−1蛋白
質の308アミノ酸長のコア領域はmBCNG−1に対して100%同様である
【0145】 H61−EST配列はmBCNG−2に対して顕著な配列同様性を示し、事実
、mBCNG−2蛋白質のヒト同族体をコードし得た。従って、H61−EST
クローン内の配列を用いて、ヒト脳λgt10 cDNAライブラリーをプロー
ブした(図7参照)。H61−ESTクローンの配列およびλgt10クローン
を組合せ、hmBCNG−2配列の1792bpを得た(配列番号:7)(図7
参照)。コードされたhBCNG−2蛋白質の予測されるアミノ酸配列を配列番
号:8に示す(図8参照)。hBCNG−2蛋白質の308アミノ酸長コア領域
はmBCNG−2に対して98%同様である(図7C参照)。
【0146】 BCNG mRNA発現の組織分布 ノーザンブロット分析は、同定されたクローンの各々についての組織分布の個
々のパターンおよび転写体における高い対応性および相同なマウスおよびヒトク
ローンの間の局所化パターンを示す(図9および10)。mBCNG−1の発現
は脳に制限されているようであるが(図9、およびSantoroら,1997
)、mBCNG−2およびmBCNG−3は脳ならびに心臓で発現される(図9
)。mBCNG−3についてのハイブリダイゼーションシグナルは、骨格筋およ
び肺からのポリARNAでも検出される。組織分布の区別されるパターンがm
BCNG−4につき明らかにされ、これは、主として肝臓で発現されるようであ
るが、脳、肺および腎臓にも存在する(図9D)。
【0147】 相同なマウスおよびヒトBCNG遺伝子は機能的に同様なようである。という
のは、それらは、ノーザンブロット分析によって明らかにされるように、非常に
同様の組織発現のパターンを呈するからである。図10は、hBCNG−1配列
内に設計されたプローブがヒト脳ポリARNAにおいて4つの転写体を認識し
たことを示す。このパターンはmBCNG−1のノーザンブロットで観察された
ものと非常に似ている(図9およびSantoroら,1997)。ヒト筋肉お
よび膵臓で弱いハイブリダイゼーションシグナルがhBCNG−1に検出される
。hBCNG−2配列に基づいたプローブを用いるノーザンブロット分析は、m
BCNG−2の発現パターンと高度に合致する発現パターンを示した(図10;
図9と比較されたし)。豊富な3.4kb転写体が脳で検出され、同転写体は心
臓にも存在する。
【0148】 マウス脳内のmBCNG−1の分布の分析(Santoroら,1997)は
、mBCNG−1の最高の発現が皮質、海馬および小脳で起こることを明らかと
した。さらに、mBCNG−1蛋白質は錐体ニューロンならびにこれらの領域内
のかご細胞の軸索末端に特異的に局所化する(例1参照)。また、異なる脳領域
内のhBCNG−1 mRNA分析のノーザンブロット分析は、遺伝子の分化的
発現を示し、最高レベルは皮質構造(海馬および扁桃;図10)に存在する。h
BCNG−2は全ての脳構造においてより均一レベルの高発現を示し、これは、
より普遍的な役割を示唆する。特に、脳梁−由来RNAにおける強力なハイブリ
ダイゼーションシグナルは膠細胞内でのhBCNG−2の発現を示し得る。
【0149】 実験手法 ライブラリースクリーニングおよびRT−PCRクローニング 組換えDNA手法を含めたEscherichia coli、ラムダファー
ジおよび核酸の標準的な操作は実質的に記載されているごとくに行った(Sam
brookら,1989)。
【0150】 mBCNG−2のクローニング pJG4−5ライブラリーで行ったネステッドPCR反応(例1、mBCNG
−1の全長クローニング参照)から、予測されるmBCNG−1配列と同様であ
るが同一ではない配列を有する増幅産物を単離した。かくして、それは、mBC
NG−2と命名された、mBCNG−1に密接に関連する異なる遺伝子を表すと
帰結された。同一された断片(「dA」)は、mBCNG−2配列からのアミノ
酸234−430をコードした(mBCNG−1によるナンバリング、図8参照
)。
【0151】 次に行ったのは、上流プライマーとしてのオリゴ:5’−TGGGAAGAG
ATATTCCACATGACC−3’(配列番号:19)(7.SEQ1、m
BCNG−1配列のアミノ酸270−277に対応;図8参照)、および下流プ
ライマーとしてのオリゴd5.RL(配列番号:13)を用い、マウス脳および
心臓に由来するポリARNAに対する一連のRT−PCR反応であった。心臓
ポリARNAから600bp産物が得られ、サブクローンし、配列決定し、m
BCNG−2と同一であることが示された。PCRサイクリング:1×(2分、
94℃);25×(50秒、94℃;40秒、52℃;1.5分、72℃);1
×(10分、72℃)。
【0152】 上流プライマーとしてのオリゴ:5’−TACGACCTGGCAAGTGC
AGTGATGCGC−3’(配列番号:20)(ASEQ2、mBCNG−2
配列のアミノ酸278−286に対応、mBCNG−1に従ったナンバリング;
図8参照)、および下流プライマーとしての5’−AGTTCACAATCTC
CTCACGCAGTGGCCC−3’(配列番号:21)(HRL.2、mB
CNG−2配列のアミノ酸444−452に対応、mBCNG−1に従ったナン
バリング;図8参照)を用い、mBCNG−2配列に由来するPCRプローブ2
(プローブ「dA」)にて、高ストリンジェンシーにて(例1、mBCNG−1
の全長クローニング参照)においてClontechマウス脳λgt10ライブ
ラリーをスクリーニングした。
【0153】 下流プライマーとしてのオリゴヌクレオチド:5’−CTGGTGGATAT
ATCGGATGAGCCG−3’(配列番号:22)(BE−ASE、mBC
NG−2配列のアミノ酸262−269に対応、mBCNG−1に従ったナンバ
リング;図8参照)および上流プライマーとしての2つのラムダ由来オリゴヌク
レオチド(15’.N2(配列番号:17)または13’.N2(配列番号:1
8))のいずれかを用い、陽性反応クローンをさらにPCRによってスクリーニ
ングした(例、mBCNG−1の全長スクリーニング参照)。より長い延長産物
を生じるクローンをサブクローンし、配列決定し、かくして、アミノ酸304ま
での(mBCNG−1に従ったナンバリング;図8参照)mBCNG−2配列の
N−末端部分が得られた。
【0154】 EST−M41についての配列を得た後、上流プライマーとしてのオリゴヌク
レオチド:5’−CAGTGGGAAGAGATTTTCCACATGACC−
3’(配列番号:23)(B123、BCNG配列のアミノ酸269−277に
対応、mBCNG−1に従ったナンバリング;図8参照)および下流プライマー
としての5’−GATCATGCTGAACCTTGTGCAGCAAG−3’
(配列番号:24)(41REV、mBCNG−2配列のアミノ酸590−59
8に対応、mBCNG−1に従ったナンバリング;図8参照)を用い、マウス脳
および心臓ポリARNA双方に対してさらなるラウンドのRT−PCRを行っ
た。両RNA調製物から予測された長さの延長産物が得られ、サブクローンし、
配列決定し、mBCNG−2のλgt10由来5’断片およびEST由来3’断
片を連結した。
【0155】 PCRサイクリングは以下の通りに行った:1×(2分、94℃);25×(
45秒、94℃、30秒、55℃);2×(10分、72℃);1×(10分、
72℃)。
【0156】 mBCNG−3のクローニング mBCNG−2についてのλgt10ライブラリースクリーニング(前記参照
)から、一つの陽性反応クローンが得られ(#15)、これは終始弱いハイブリ
ダイゼーションシグナルを与えるように見えた。このインサートをオリゴヌクレ
オチド15.N2(配列番号:17)および13.N2(配列番号:18)で増
幅し、サブクローンし、配列決定し、mBCNG−3と呼ばれる、mBCNG−
1およびmBCNG−2双方から異なる、第3のBCNG−関連配列を表すこと
が示された。同定された断片は、アミノ酸319までのmBCNG−3配列のN
−末端部分(mBCNG−1に従うナンバリング;図8参照)をコードした。
【0157】 EST−M28についても配列を得た後、上流プライマーとしてのオリゴヌク
レオチドB123、および下流プライマーとしての縮重オリゴヌクレオチド:5
’−CACCKCRTTGAAGTGGTCCACGCT−3’(配列:25)
(28REV、該BCNG配列のアミノ酸5554−561に対応、mBCNG
−1に従うナンバリング;図8参照)を用い、マウス脳および心臓ポリARN
A双方に対してRT−PCRを行った。予測された長さの延長産物が両RNA調
製物から得られ、サブクローンし配列決定した。λgt10 #15クローンの
既知の3’末端との重複によって判断して、両者はmBCNG−3の配列の延長
を表した。PCRサイクリングは:1×(2分、94℃);25×(45秒、9
4℃、30秒、55℃、2分、72℃);1×(10分、72℃)で行った。
【0158】 hBCNG−1のクローニング EST−H57についての配列が得られた後、上流プライマーとしてのオリゴ
ヌクレオチド:5’−ATGTTCGGSAGCCAGAAGGCGGTGGA
G−3’(配列:26)(MB1−3,BCNG配列のアミノ酸102−110
に対応、mBCNG−1に従うナンバリング;図8参照)、および下流プライマ
ーとしての5’−CAGCTCGAACACTGGCAGTACGAC−3’(
配列番号:27)(H57.C,hBCNG−1配列のアミノ酸537−544
に対応、mBCNG−1に従うナンバリング;図8参照)を用い、ヒト脳ポリA RNAに対してRT−PCR反応を行った。予測された長さの単一の延長産物
が得られ、サブクローンし、配列決定し、hBCNG−1クローンの5’延長を
表すことが示された。
【0159】 PCRは以下のごとくに行った:1×(2分、94℃);25×(45秒、9
4℃、20秒、58℃、3分、72℃);1×(10分、72℃)。
【0160】 hBCNG−2のクローニング EST−H61についての配列が得られた後、上流プライマーとしてのオリゴ
ヌクレオチド:5’−AACTTCAACTGCCGGAAGCTGGTG−3
’(配列番号:2)(H61.A,hBCNG−2配列のアミノ酸452−45
9に対応、mBCNG−1に従うナンバリング;図8参照)、および該EST−
H61 DNAについての下流プライマーとしての5’−GAAAAAGCCC
ACGCGCTGACCCAG−3’(配列番号:29)(H61.F,hBC
NG−2配列のアミノ酸627−634に対応、mBCNG−1に従うナンバリ
ング;図8参照)を用いてPCRプローブを作成した。この断片を用いて高スト
リンジェンシー条件(前記参照)において、λgt10においてヒト脳海馬cD
NAライブラリ(CLONTECH,カタログ番号HL3023a)をスクリー
ニングした。下流プライマーとしてのオリゴヌクレオチド;5’−CACCAG
CTTCCGGCAGTTGAAGTTG−3’(配列番号:30)(H61.
C,hBCNG−2配列のアミノ酸452−459に対応、mBCNG−1に従
うナンバリング;図8参照)および上流プライマーとしてのオリゴヌクレオチド
15’.N2(配列番号:17)または13’.N2(配列番号:18)のいず
れかを用い、陽性反応クローンをPCRによってさらにスクリーニングした。最
長増幅産物を生じるクローンをサブクローンし、配列決定し、かくして、アミノ
酸587(mBCNG−1に従うナンバリング;図8参照)までのhBCNG−
2配列のN−末端領域が得られた。
【0161】 ノーザンブロット マウス遺伝子発現実験では、Mouse Multiple Tissue
Northern Blot(CLONETECH,カタログ番号7762−1
)を以下のPCR産物でプローブした:mBCNG−1については、オリゴq0
.5’(5’−GCGAATTCAAACCCAACTCCGCGTCCAA−
3’)(配列番号:31)およびq0.3’(5’−CCTGAATTCACT
GTACGGATGGAT−3’)(配列番号:32)を用いて得られたプロー
ブ「q0」。mBCNG−1配列のアミノ酸6−131に対応する増幅産物(図
7および図8参照)。mBCNG−2については、オリゴASEQ2/HRL.
2(前記参照)を用いて得られたプローブ「dA」。mBCNG−3については
、オリゴ15.N2/13.N2(前記参照)を用いて得られたプローブ「15
−7」;ラムダファージDNA(クローン#15)に対して直接行った増幅。m
BCNG−4については、EST−M28 DNAからゲルー精製EcoRI/
BglII制限断片(400bp)といてプローブ「M28」が得られた。mB
CNG−4配列のアミノ酸529−607に対応する断片(mBCNG−1に従
うナンバリング;図8参照)、プラスmBCNG−4 3’UTRの180ヌク
レオチド(非翻訳領域;配列番号:11)。
【0162】 ヒト遺伝子発現実験では、Human Multiple Tissue N
orthern Blot(CLONETECH,カタログ番号7760−1)
またはHuman Multiple Tissue Northern Bl
ot(CLONETECH,カタログ番号7750−1)を以下のPCR産物で
プローブした:hBCNG−1については、オリゴH57.A(5’−GTCG
TACTGCCAGTGTTCGAGCTG−3’)(配列番号:33)および
H57.B(5’−GGTCAGGTTGGTGTTGTGAAACGCG−3
’)(配列番号:34)を用いて得られたプローブH57。hBCNG−1配列
のアミノ酸537−800に対応する断片(mBCNG−1に従うナンバリング
;図8参照)。hBCNG−2については、オリゴH61.A(配列番号:28
)およびH61.F(配列番号:29)(前記参照)を用いて得られたプローブ
「H61」。
【0163】 ハイブリダイゼーションは、全て、製造業者のプロトコルハンドブックに示さ
れたごとく、ExpressHyb溶液中にて、68℃で1時間行った。洗浄は
以下のごとくに行った:2×SSC/0.1%SDS中にて室温で10分間、続
いて0.2×SSC/0.1%SDS中にて65℃で30分間を2回。0.5%
SDS/HO中にて5分間沸騰させることによってフィルターを引き続いての
ハイブリダイゼーションの間にストリップした。
【0164】 配列の整列およびESTデータベースサーチ 整列および距離の計算は、全て、示されたペプチド配列についてのMegAl
ign(DNASTAR)で行った。
【0165】 mBCNG−1ポリペプチド配列(当該蛋白質のC−末端領域に存在するグル
タミン反復を回避するためのアミノ酸1−720)およびTBLASTNプログ
ラムを用い、ESTデータベースサーチをBLAST(NCBI)で行った。
【0166】 例3 マウスおよびヒトBCNGチャンネル遺伝子の生理学的および薬理学的
重要性 緒言 BCNG遺伝子ファミリーの予測される蛋白質のユニークな構造特徴および組
織分布は、それらが心臓および脳のペースメーカー電流(種々に呼ばれるI
またはIq)をコードすることを示唆した。あるいは、それは、心臓、腎臓
、肝臓および中枢神経系の機能で重要な他のーおそらくは同定されていないーイ
オン電流の成分であるらしいことが示唆された。予測されるBCNG蛋白質のユ
ニークな構造特徴(通常のイオン伝導性ポア(P)ドメイン、高度に保存された
環状ヌクレオチド結合(CNB)部位および高度に保存されかつ高度に荷電され
たS4電圧センサー)は、それらが、ポア、環状ヌクレオチド結合部位および電
圧−依存性ゲーティング装置を標的とする複数薬物介入を戦略に対して感受性で
有り得ることを示した。
【0167】 BCNG蛋白質の分析ならびに予測される構造および一般的特徴 BCNG遺伝子の予測されるアミノ酸配列は、それらが電圧−ゲーテッドイオ
ンチャンネルスーパーファミリーのメンバーであることを明らかとした。具体的
には、BCNG蛋白質は、電圧−ゲーテッドKチャンネル(Pongsら、1
995)および環状ヌクレオチドーゲーテッドチャンネル、Na,KおよびC
aに対して浸透性である非選択的カチオンチャンネル(ZagottaおよびS
ibgelbaum,1996)を含むチャンネルのスーパーファミリーに対す
る同様性を示す。図11に模式的に示したように、BCNG蛋白質は、細胞質N
およびC末端を持つ6つの膜貫通スパンニングαーラセン、高度に塩基性の第4
の膜貫通ドメイン(S4)およびポア(p)領域を有することが予測される。こ
れらのモチーフの各々は電圧−ゲーテッド+ファミリーのメンバーで見いだされ
る。加えて、BCNG蛋白質は、C−末端によく保存された環状ヌクレオチド結
合部位を有する。相同モチーフは電圧−ゲーテッドKチャンネルのいくつかで
見いだされるが、それらのチャンネル中の環状ヌクレオチド結合部位はよく保存
されておらず、結合部位は機能するという証拠はほとんどない。事実、BCNG
チャンネルの環状ヌクレオチド結合部位は、それらの活性化を駆動するのに環状
ヌクレオチドの結合を使用する環状ヌクレオチドゲーテッドチャンネルで見いだ
された部位に最も相同である。さらに、BCNGチャンネルのPループは電圧活
性化Kチャンネルおよび環状ヌクレオチドゲーテッドチャンネルで見いだされ
たものに相同であるが、BCNGチャンネルに対してユニークであるイオン伝導
特性を生じるらしいアミノ酸配列のいくつかの非保存的変化がある。かくして、
BCNGチャンネルは、それらが区別される生理学的および薬理学的特性を有す
ることを示唆する多数の点において、全ての従前に同定されているチャンネルか
ら区別されているように見える。電圧−ゲーテッドKチャンネル、環状オリゴ
ヌクレオチド−ゲーテッドチャンネルおよびBCNGチャンネルの配列における
これらの同様性および非同様性ならびにBCNGチャンネル機能特性についての
予測される結果を以下により詳しく議論する。
【0168】 結果 疎水性コア BCNGチャンネルのコアは6つの膜貫通αーラセン配列(S1−S6)およ
びポア形成Pループを有すると予測される。この帰属はテトラマーKチャンネ
ル(およびテトラマー環状ヌクレオチドーゲーテッドチャンネル)の単一サブユ
ニットまたは偽テトラマーNaおよびCaチャンネルにおける単一反復に対して
相同である。この相同性は、BCNGチャンネルが(電圧−非依存性であるが構
造的に類似の環状ヌクレオチドーゲーテッドチャンネルも含む)電圧−ゲーテッ
ドKチャンネルスーパーファミリーのメンバーであることを示唆する。電圧−
ゲーテッドKチャンネルおよび環状ヌクレオチドーゲーテッドチャンネルにつ
いて観察されるごとく(Chenら、1993;Bradleyら、1994;
LimanおよびBack,1994;Linら、1996)、ヘテロもしくは
ホモマルチマー構造において4つのかかるポリペプチドより構成されるようであ
る。しかしながら、mBCNG−1は、全ての他の周知のKチャンネルおよび
環状ヌクレオチドーゲーテッドチャンネル配列からかなりの発散を示す。前記し
たごとく、疎水性コア領域における最高の相同性は、マウスEag(22%アミ
ノ酸類似性)−縮重したおそらくは非機能的な環状ヌクレオチド結合部位War
imkeおよびGanclekyを有する電圧−ゲーテッドKチャンネルに対
するものである。このコア領域にわたって、mBCNG−1は、電圧非依存性環
状ヌクレオチドーゲーテッドチャンネルに対する17%同一性を示す。
【0169】 対照的に、BCNG遺伝子によってコードされることが予測される蛋白質は相
互に対して高い相同性を示す(>80%,例1および2参照)。事実、マウスB
CNG−1およびヒトBCNG−1はコア領域にわたって同一である。同様に、
mBCNG−2およびhBCNG−2はコア領域にわたって98%同一である。
かくして遺伝子のBCNGファミリーは、環状ヌクレオチド結合によって調節し
得るKチャンネルスーパーファミリーの新しい分岐を構成するようである。か
かる配列保存を示すメンバーを持つ遺伝子ファミリーの存在は、重要な生物学的
機能を強く示唆する。
【0170】 S4電圧−感知ドメイン 第4膜貫通ラセン中の各第3位置における正に荷電したアルギニンおよびリシ
ン残基の存在は、電圧−依存性ゲーティングの署名配列である(Hille,1
992;Catterall,1992、図12参照)。電圧−非依存性環状ヌ
クレオチド−ゲーテッドチャンネルにおいて、S4は、負に荷電した酸性アミノ
酸によって置き換えられ、またはトリアド反復フレームの外にある負に荷電した
残基のいくつかで縮重している。これらの変化は、環状ヌクレオチドーゲーテッ
ドチャンネルのS4における正味の正の電荷の3−4まで減少させた。負に荷電
した残基のこの導入は、環状ヌクレオチドーゲーテッドチャンネルがもはや電圧
には応答しないという理由の基礎となるであろう。しかしながら、また、環状ヌ
クレオチドーゲーテッドチャンネルにおけるいくつかの他の構造的変化の結果と
して電圧−感受性が失われ、S4構造における発散は単に正の荷電を保持するた
めの進化的圧力の喪失の反映であり得る。
【0171】 BCNGチャンネルのS4は、貧弱ではあるが、電圧−ゲーテッドKチャン
ネルShakerおよびeag中の対応する領域に最も密接に関連する(mBC
NG−1はShakerおよびeagのS4に対して30%相同である)。BC
NGチャンネルのS4中のアルギニンに代えてセリンを含ませることによる妨害
にもかかわらず、BCNG配列は、電圧−ゲーテッドKチャンネルスーパーフ
ァミリーのいずれの他のメンバーよりも正に荷電した残基を含有する(図12参
照)。BCNG−1のS4ドメインは、9つまでの正に荷電した残基を有し(1
つの他のアルギニンの代わりにセリンによって分離された5つのうちの1つの群
および4つのうちの1つの群)、これは再度それを環状ヌクレオチドーゲーテッ
ドチャンネルに対するよりも電圧活性化Kチャンネル(Shおよびeagファ
ミリー)に対してより似たものとする。かかる高度に荷電されたS4の保持は、
これらのチャンネルのゲーティングが電圧感受性であることを強く示唆する。
【0172】 環状ヌクレオチド結合部位 環状ヌクレオチドは、細胞シグナリングに関与する蛋白質の多様なファミリー
の活性を調節する。これらは転写因子(細菌異化産物活性化蛋白質、CAP)、
cAMP−およびcGNP−依存性蛋白質キナーゼ(PKAおよびPKG)およ
び視覚および嗅覚シグナル変換に関与する環状ヌクレオチドーゲーテッド(CN
G)イオンチャンネルを含む(ShapbおよびCorbin,1992;Za
gottaおよびSiegelbaum,1996)。これらの蛋白質のエフェ
クタードメイン内の明白な発散にもかかわらず、環状ヌクレオチド結合部位は共
通の構造体を保有するようである。CAP(WeberおよびSteitz、1
987)および組換えウシPKA R1αサブユニット(Suら、1995)の
結晶構造の溶液は、それらの環状ヌクレオチド結合部位が、αラセン(Aラセン
)、8ストランドβーロール、およびさらに2つのαーラセン(BおよびC)か
ら形成され、C−ラセンは結合ポケットの裏面を形成することを示した。これら
の環状ヌクレオチド結合部位の内の1つを含むほぼ120個のアミノ酸のうち、
全てのCAP、PKA、PKGおよび環状ヌクレオチドゲーテッドチャンネルに
おいて6つが不変である。かくして、不変残基は、これらの多様な蛋白質のCN
P部位の折り畳みおよび/または機能において重要でーかつ保存されたー役割を
演じることが示唆される(ShabbおよびCorbin,1992;Zago
ttaおよびSiegelbaum,1996;WeberおよびSteitz
,1987;Suら、1995;KumarおよびWeber、1992;Sc
ottら、1996)。事実、CAP(WeberおよびSteitz、198
7)および組換えウシR1α(Suら、1995)の結晶構造は、グリシンがβ
ーロール内のターンにあり、他方、グルタメートおよびアルギニンがヌクレオチ
ドのリボースーホスフェートとで結合を形成することを明らかにする。
【0173】 興味深いことにこれらの残基のうちの3つのみー2つのグリシンおよび該アル
ギニンーが、CNB部位モチーフを担持するが、環状ヌクレオチド(KAT1(
Hoshi,1995)およびショウジョウバエEGG(dEAG)(Brug
gemanら、1993)の直接的結合によってそのゲーティングが有意には変
調できないより遠く関連する電圧−ゲーテッドチャンネルの内で保存されている
ようである(図11参照) かくして、植物チャンネルKAT1において、最初のグリシンはアスパラギン
に突然変異されており、アラニンはトレオニンに変化されている。dEAGにお
いて、グルタメートはアスパルテートに変化されている。さらに、βー7中の高
度に保存されたRXA配列に対するdEAGの整列は不確かである。しばしば、
dEAG βー7内のSAA配列は、RXAコンセンサス配列と整列し、これは
、アルギニンが失われセリンで置き換えられていることを示唆する。RALはR
XAコンセンサス配列と整列し、これは、アルギニンは保持されているが、アラ
ニンはロイシンで置き換えられていることを示すであろう。いずれの整列が考慮
されるかにかかわらず、KAT1、dEAGおよび関連チャンネルの結合部位配
列が、全て、機能的環状ヌクレオチド結合部位についてのコンセンサスモチーフ
からの偏りを示すことが明らかである。この構造的発散と歩調を合わせるにおい
ていずれかのクローン化EAGは直接的環状ヌクレオチド結合に対して感受性で
あるという唯1つの報告がある(Bruggermannら、1993)。しか
しながら、この結果は確認されておらず今日では人工物であると考えられている
。植物チャンネルKAT1のゲーティングが環状ヌクレオチド変調に対して感受
性が弱いであろうといういくつかの証拠がある(Hoshi,1995)。
【0174】 図13は、結合部位および環状ヌクレオチドの間の臨界的相互作用を示すbR
ET1の環状ヌクレオチド結合部位の模式的表示を示す。
【0175】 第3(またはC)αーラセンがチャンネル活性化に際してアゴニストまで移動
し、プリン環とのさらなる好都合な接触を形成することを最近の証拠は示してい
る。事実、cAMPに対するcGMPによるbRET1の選択的活性化は、C
α−ラセン、D604中の残基によってかなり決定される(Varnunら、1
995)。この酸性残基は、環窒素上の水素およびcGMPプリン環のアミノ基
とで2つの水素結合を形成すると考えられる。cGMP選択的bRET1チャン
ネルとは異なり、cAMPまたはcGMPによって同等に良く活性化される(f
OLF1,Gouldingら、1992;Gouldingら、1994)ま
たはcAMPによる活性化に好影響する(rOLF1と共発現されるrOLF2
、Liman&Buck,1994;Bradlayら、1994)環状ヌクレ
オチドーゲーテッドチャンネルは、ここにおける酸性残基を有さず、むしろ、極
性または疎水性アミノ酸を有する(Varnumら、1995)。D604の中
和の結果、cGMPとの好都合な水素結合を形成する能力が失われcAMPのプ
リン環上の孤立電子対との不都合な相互作用が喪失し、かくして、cAMPおよ
びcGMPの間で非選択的になり、またはcAMPにつき選択的とさえなるこの
位置に疎水性または極性残基を担持するチャンネルを説明する。
【0176】 BCNG蛋白質のC−末端において、これらの環状ヌクレオチド結合部位に相
同なほぼ120アミノ酸の配列がある。驚くべきことに、全ての機能的な環状ヌ
クレオチド結合部位で全く保存されていることが示されている6つの残基が同定
されたBCNG蛋白質の全てで保存されている。BCNGチャンネルの環状ヌク
レオチド結合部位は、電圧−非依存性で環状ヌクレオチドーゲーテッドチャンネ
ルに存在する機能的部位と非常に似ている(30%)。チャンネル遺伝子で見い
だされる環状ヌクレオチド結合部位を蛋白質キナーゼにおけるそれと比較すると
、BCNGチャンネル部位は、いずれかの他のイオンチャンネルのそれよりも同
様である(酵母cAMP−依存性蛋白質キナーゼに対して25%同様性)。これ
らのデータは、BCNG遺伝子が、その活性が環状ヌクレオチドの直接的な結合
によって変調される蛋白質をコードすることを強く示唆する。さらに、BCNG
チャンネルは、全て、cGMP選択的bRET1チャンネルでD604が見いだ
される位置においてイソロイシン残基を有する。かくして、BCNGはcAMP
選択的であることが示唆される。
【0177】 ポア Na,CaまたはK選択的ファミリーを、およびそのコンダクタンスが1−2
のオーダーの大きさだけ変化するこれらのファミリー内のチャンネルの存在を生
起させた機能的発散にもかかわらず、電圧−ゲーテッドスーパーファミリーの全
てのメンバーのポアは関連する(Itillic 1992;例えば、図14参
照)。チャンネルのイオン透過特性に寄与する残基については多くが知られてお
り、これは、BCNG蛋白質の透過特性についての予測を可能とする(Mack
innon,1991;Heginbothemら、1994)。
【0178】 総じて、mBCNG−1のP領域は、貧弱ではあるが(30%)、K選択的S
hakerおよびeagチャンネルにおける対応領域に非常に密接に関連する。
Pループ中のGYGモチーフの存在に基づいて、BCNG蛋白質はK選択的であ
ると予測されるであろう。しかしながらBCNG Pループは、他の電圧活性化
チャンネルで高度に保存されているいくつかの位置で置換を含有する。これ
らの変化は図14(これは、全ての他の主要なKチャンネルファミリーからのチ
ャンネルに対するmBCNG−1の整列を示す)および図8(これは、すべての
現在クローン化されているBCNG配列の整列を示す)で見ることができる。G
YGトリプレットに続くアスパルテート残基は、マウスおよびヒトBCNG−1
においてアラニン(352位)で、これまでに同定されている他のBCNGチャ
ンネルにおいてアルギニンによって置き換えられる。その位置(mBCNG−1
中の残基344)からのセリン/トレオニン残基8残基N−末端は、BCNG配
列の全てにおいてヒスチジンで置き換えられる。アスパルテートから6残基N−
末端に、極性残基の代わりに疎水性ロイシン残基が導入される。加えて、アスパ
ルテートからマイナス12の位置、図14で整列させた他のチャンネルの全てに
おいて芳香族残基によって占められた部位において、リシン残基がBCNG配列
の全てに導入される(図8および図14)。
【0179】 BCNGサブユニットのP領域で観察されるアミノ酸置換は、当該チャンネル
がそのK選択性を喪失したことを必ずしも示さない(例えば、リシンはK選択性
ShawチャンネルのP領域に存在する、図14参照)。Kチャンネルコンセン
サス配列からの実質的な偏りは、BCNG蛋白質が、NaおよびKの間を十分に
選択しないチャンネルのファミリーを生じさせかねないことを示唆しーBCNG
チャンネルが非選択的Iペースメーカー電流をコードするという仮説に合致す
る。
【0180】 考察 BCNG構造の重要性 植物および動物門双方で見いだされる多数のKチャンネル上の環状ヌクレオ
チド結合部位の存在は、先祖Kチャンネルおよび先祖環状ヌクレオチド結合部
位の間の融合が植物および動物の進化的分離に先立って起こったようであること
を示唆する(WarakeおよびGanetzky,1994)。事実、これら
の部位の多くが縮重し、非機能的であるという知見はこの解釈を支持する。この
共通の先祖からの発散は、一方において、Eag−関連チャンネル(EAG、E
RG、ELK)(WarnkeおよびGanetsky,1994)および植物
内向き整流器(AKTおよびKAT)に導き、(これは、元の環状ヌクレオチド
結合部位配列からの暫時の偏りを示しつつ、電圧活性化Kチャンネルの特徴の
より多くを維持し)、他方において、CNG−チャンネルに導き、(これは、そ
れらが電圧活性化およびK+選択性喪失しつつ、環状ヌクレオチド結合部位に対
するより高い進化的拘束を示す)(Andersonら、1992;Sente
nacら、1992)。BCNG−1の特徴は、それが電圧−ゲーテッドK
ャンネルおよび環状ヌクレオチドーゲーテッドチャンネルの間の進化的リンクを
表す先祖分子に近いままであったであろうことを示唆する。これは、mBCNG
−1の環状ヌクレオチド結合部位が特に酵母cAMP−依存性蛋白質キナーゼに
おいて蛋白質キナーゼに存在する結合部位に対する最も近い相同性を示し(25
%)、他方、チャンネルドメインが、環状ヌクレオチド結合部位を有さず、かく
して、おそらくは遺伝子融合事象の前に生起したShaker遺伝子によってコ
ードされた電圧−依存性チャンネルに最も密接に関連するという観察によって支
持される。mBCNG−1の環状ヌクレオチド結合部位は、環状ヌクレオチドー
ゲーテッドチャンネルに存在する部位に最も相同であり、これは、再度、これら
がおそらく共通の先祖から生起し、双方において、環状ヌクレオチド結合部位を
維持する圧力があったことを示す、なぜならば、それは蛋白質の機能に寄与した
からである。かくして、BCNG−1はKチャンネルスーパーファミリーの新
しい分岐に貢献するようである。
【0181】 生理学的重要性 イオンチャンネルは、全ての興奮性細胞の電気的活性の基礎となる中枢的成分
であり、イオン興奮性細胞で重要な輸送機能を果たす。イオンチャンネルの新規
なDCNGファミリーのメンバーは、脳および心筋ならびに骨格筋、肺、肝臓、
膵臓および腎臓双方において発現される。そのアミノ酸配列より、BCNGチャ
ンネル遺伝子ファミリーのメンバーは、脳および心臓ならびに他の組織の電気生
理学的活性で重要な新規役割を有するようである。この見解は、まず、BCNG
チャンネル蛋白質につきコードするmRNAが心臓および脳双方で発現されると
いう発見に基づく。第2に、BCNGチャンネルの推定一次アミノ酸配列が、そ
れらが電圧−ゲーテッドチャンネルファミリーのメンバーであるが、ほとんどの
電圧−ゲーテッドチャンネルとは異なり、BCNGチャンネルがそのカルボキシ
末端において機能的環状ヌクレオチド結合ドメインであるように見えるものを含
むことを示す。
【0182】 4つのマウスBCNGチャンネル遺伝子のノーザンブロットは、発現パターン
において興味深い差異を示す(図3、図9および図10参照)。mBCNG−1
は脳で選択的に発現される。ウェスタンブロットは、mBCNG−1が蛋白質レ
ベルにてやはり高度に発現され、この発現がマウス脳を通じて広く分布すること
を確認する(図2参照)。mBCNG−2は脳および心臓で発現される。mBC
NG−3は脳、心臓、肺および骨格筋で発現される。mBCNG−4は脳、肝臓
および腎臓で発現される。かくして、各遺伝子は、アミノ酸レベルではかなり同
様であるものの、区別される発現のパターンを示し、これは各々がユニークな生
理学的機能を有することを意味する。これは、BCNGファミリーの2つのヒト
メンバー、hBCNG−1およびhBCNG−2がマウス同族体と同様の発現パ
ターンを示すという発見によって生み出された。かくして、hBCNG−1は脳
において選択的に発現され(膵臓においては弱いハイブリダイゼーション)、他
方、hBCNG−2は脳および心臓で発現される。特定の器官系内においてさえ
、異なる遺伝子は異なる発現パターンを示す。かくして、脳hBCNG−1は他
の脳領域におけるよりも海馬および脳梁でより高度に発現される。対照的に、h
BCNG−2は全ての脳領域で高度に発現される。
【0183】 BCNGアミノ酸配列および組織分布に基づいて、チャンネルが、膜脱分極に
よって活性化され、環状ヌクレオチドの直接的結合によって変調される電圧−ゲ
ーテッドカリウムチャンネル、または心臓(DiFrancescoおよびTo
rta,1991)および脳の種々の領域(Sterideら、1993)にお
いて自然発生電気活性の基礎となる過分極−活性化ペースメーカーチャンネルの
いずれかをコードすると仮定された。この後者の仮定は、BCNG遺伝子と同様
に、ペースメーカーが脳および心臓の双方で発現されるという発見に基づく。さ
らに、ペースメーカーチャンネルは、電圧および当該チャンネル上の細胞質部位
への環状ヌクレオチドの直接的結合によってゲートされる非選択的カチオンチャ
ンネルであることが知られている(DiFrancescoおよびTorta,
1991;PedarzaniおよびStorm,1995Larkmanおよ
びKelly,1997,McCormickおよびPage,1990)。今
日、ペースメーカーチャンネルの性質に関する生化学または分子生物学的情報は
ない。しかしながら、組織分布およびペースメーカーチャンネルとBCNGチャ
ンネルの間の提案されたゲーティングメカニズムにおける同様性は、BCNG遺
伝子が、ペースメーカーチャンネルを含む1以上のサブユニットをコードするこ
とを示唆した。
【0184】 ペースメーカーチャンネルは心臓組織および中枢ニューロン双方において電気
生理学的レベルで研究されてきた。両方の場合において、細胞膜電圧が−40m
Vよりも負にされるとチャンネルは活性化される。これらの非選択的チャンネル
はNaおよびKイオン双方に対して透過性である。しかしながら、これらのチ
ャンネルが開く負の膜電位範囲において、その主な効果は正に荷電したナトリウ
ムを細胞外環境から細胞に侵入させ、細胞膜をより正になるようにすることであ
る。これは、結局は細胞膜電圧を閾値に到達せしめ、細胞は作動電圧をファイア
ーする(図15参照)。環状AMP(cAMP)は膜電圧およびチャンネル活性
化の間の関係をシフトさせ、膜が脱分極するとより迅速にチャンネルにスイッチ
をいれることが知られている。これはペースメーカー脱分極の速度を増大させ、
自然発生活動電位ファイアリングの速度を増大させる。心臓がより速く拍動させ
るエピネフリン(アドレナリン)の能力に基礎を置くのはこの効果である。ペー
スメーカー電流に対するcAMPの効果は2つの別々の分子メカニズムを介して
起こるようである。まず、cAMPは酵素、cAMP−依存性プロテインキナー
ゼ(PKA)を活性化し、蛋白質リン酸化のレベルの増大に導く。第2に、cA
MPはペースメーカーチャンネルの細胞質領域に直接的に結合し、蛋白質リン酸
化観察されるものと同様の効果を生じると考えられる。cAMPのかかる直接的
作用は心臓および脳双方で報告されている(DiFrancescoおよびTo
rta,1991;PedarzaniおよびStorm,1995)。
【0185】 それらが新規な電圧−ゲーテッドおよび環状ヌクレオチドーゲーテッドカリウ
ムチャンネルにつきコードするというBCNGチャンネルについての別の機能は
、イオンー導電性ポアを一列に並べ、よって、チャンネルのイオン選択性を決定
することが知られているアミノ酸領域によって示唆される。このS5−S6ルー
プは、ほとんどすべての電圧−ゲーテッドKチャンネルで保存されている3ア
ミノ酸モチーフGYGを含有する(Heginbothamら、1994)。B
CNGチャンネルS5−S6ループは、GYGモチーフを含めた他のカリウムチ
ャンネルのそれとのアミノ酸同様性を示す。これは、BCNGチャンネルがK 選択的であり得ることを示唆する。しかしながら、BCNGチャンネルが他のK チャンネルと比較してK−選択性が低いことを示し得るBCNGおよび他のK チャンネルの間の配列に多数の驚くべき差異があり、これは、BCNGチャン
ネルがNaおよびK双方に対して透過性である非選択的カチオンペースメーカ
ーチャンネルにつきBCNGチャンネルがコードするという見解と合致する。
【0186】 海馬錐体細胞の樹状突起におけるmBCNG−1の存在は特に興味深い。とい
うのはcAMPは、これらの細胞における長期シナプス増強のいくつかの形態の
確立で重要であることが示されているからである(Freyら、1993;Bo
shakovら、1997;HuangおよびKandel,1994;Tho
masら、1996)。mBCNG−1の構造的特徴は、環状ヌクレオチド結合
によって直接的に変調されるK伝導活性を予測する。
【0187】 興味深いことには、mBCNG−1が高度に発現される場合、同様の特徴を持
つ電流が領域CA1の海馬錐体ニューロンにおいて記載されてきた(Warmk
eら、1991)。この電流(IΩ)は、cAMPレベルに応答してニューロン
興奮性を調節することによって海馬活性のノルアドレナリン作動性変調に寄与す
ると考えられる。BCNG−1はこのタイプの電流の原因であるチャンネルの形
成に参画することができる。
【0188】 電気シグナリングにおけるBCNGチャンネルの広い組織分布およびありそう
な重要な生理学的役割に基づくと、これらのチャンネルと相互作用する薬物は、
多数の神経学的病気、精神病および心臓病ならびに骨格筋、肝臓および腎臓のご
とき組織の全身病で潜在的に治療用途がある。
【0189】 神経学的病気: 海馬におけるこれらのチャンネルの高い発現および自然発生ペースメーカー発
生における潜在的役割に基づくと、それらは癲癇の治療用の有用で新規な標的な
り得る。例えば、これらのチャンネルをブロックすることによって、発作の重症
度を妨げまたは減少させることができる。老化関連記憶不足、発作−誘導記憶喪
失およびアルツハイマー病のごとき海馬ニューロン喪失に関連する病気において
、ペースメーカーチャンネル活性を増強した薬物は海馬においてニューロン活性
を増加させることによって治療で使用することができる。これらのチャンネルは
基礎神経節および線条においても発現されるので、それらはパーキンソン病およ
びハンチントン病において潜在的な標的となり得る。BCNGチャンネルは視床
で高度に発現され、他方、ペースメーカーチャンネルは刺激で重要な自然発生活
動電位を生じるのに重要であることが示されてきた。かかるチャンネルの標的化
は注意不足障害を治療する助けとなり得る。
【0190】 精神病: 脳梁におけるhBCNG−1の高レベルの発現を仮定すれば、これらのチャン
ネルは、種々の情動障害および不安に関与する薬物用の標的となり得る。辺縁系
におけるそれらの高い発現は、それらが精神分裂症の治療で潜在的に有利で有
り得ることを示唆する。
【0191】 心臓病: 心臓におけるBCNG−2チャンネルの発現は、それらがある種の心臓不整脈
の治療用の有用な標的となり得ることを示唆する。これらの遺伝子がペースメー
カーチャンネルをコードし得るという仮定に基づくと、BCNGチャンネルはペ
ースメーカーチャンネル活性を増強する薬物を介して徐脈型不整脈および増強さ
れた自律性によるある種の頻拍性不整脈双方を治療するための潜在的な標的とな
るであろう。もしBCNGチャンネルがペースメーカーチャンネルでないとして
も、それらは心臓電気活性において重要な役割を演じるようであり、おそらくは
活動電位再分極に寄与し、かくして、依然として薬物開発のための魅力的な標的
であろう。
【0192】 多数の薬物、トキシンおよび内因性化合物は種々のタイプのイオンチャンネル
と相互作用することが示されている。これらの薬物は局所麻酔剤として、および
心臓不整脈、高血圧、癲癇および不安の治療において有用であることが判明した
。これらの薬物はポアブロッカー、アロステリックモジュレーターおよび競合的
アンタゴニストを含めたいくつかのクラスに分けられる(表II参照)。BCN
Gチャンネルはそれらを非常に魅力的な薬物とするいくつかのユニークな特徴を
表す。まず、脳特異的遺伝子(BCNG−1)および脳および心臓双方で発現さ
れる遺伝子(BCNG−2、3)がある。かくして、BCNGは脳または心臓に
つき特異的な薬物を生じ得る。第2に、BCNGチャンネルのポア領域は他の既
知のカリウムチャンネルのそれからのかなりの発散を示す。かくして、BCNG
チャンネルを選択的に変化させるが、他のタイプの電圧−ゲーテッドKチャン
ネル無しですませるポアーブロッキング薬物を生じる。第3に、環状ヌクレオチ
ドー結合部位は、BCNGチャンネルのオープニングに関してもう1つの重要な
標的を解明する。特異的環状ヌクレオチドアナログをデザインすることによって
、チャンネルオープニングを増大させる合成アゴニスト、またはチャンネルオー
プニングを減少させるアンタゴニストいずれかをデザインすることが可能である
。イオンチャンネルについてのほとんどの入手可能な薬物はチャンネルオープニ
ングを減少させ、比較的少数のものがチャンネルオープニングを増加させる。B
CNGチャンネルのオープニングを増加または減少させる能力は、治療的に有効
な化合物に対してかなりの可能性を提供する。例えば、ウシ光受容体CNGチャ
ンネルにおいては、Rp−cGMPSはチャンネルオープニングのアンタゴニス
トであり、他方、Sp−cGMPSはアゴニストである(KranerおよびT
ibbs、1996)。さらに、BCNGチャンネルの環状ヌクレオチド結合部
位のアミノ酸配列は、プロテインキナーゼの環状ヌクレオチド結合部位および嗅
覚および光受容体ニューロンの環状ヌクレオチドーゲーテッドチャンネルに関し
てかなりの発散を示す。かくして、BCNGチャンネルを特異的に標的とする環
状ヌクレオチドアナログをデザインすることができる。
【表2】
【0193】 それらのアミノ酸配列から、これらのチャンネルは、それらを薬物開発のため
の先験的に魅力的な標的とする3つの重要な生理学的特性を有するようである。
まず、それらのゲーティングは電圧−依存的であり、かくして、それは電圧−ゲ
ーティングメカニズムの変調に対して感受性であるべきである。第2に、それら
はそのC−末端に環状ヌクレオチド結合ドメインを保有し、おそらくは、そのゲ
ーティングは環状ヌクレオチドの直接的結合によって変調されるであろう。第3
に、BCNGチャンネルのポア形成ドメインの異常な配列はチャンネルのイオン
伝導特性が選択的に標的とされるようにすべきである。
【0194】 もし、チャンネルのゲーティングが電圧−センサーマシーナリーおよび環状ヌ
クレオチド結合部位の双方に関与するならば、低い効率および低い選択性を持つ
2つの化合物を組み合わせてBCNGチャンネルを選択的に標的化することがで
きるような調和した薬物法となるであろう。かくして、種々の環状ヌクレオチド
結合ポケットに対して同様に弱い効果を有するものと組み合わせた多くの電圧−
活性化チャンネルに対して弱い薬理学的効果を単独で有するであろう1つの化合
物を一緒に適用することができる。BCNGチャンネルを予測される例外として
、これらの構造要素の双方を機能的に組み合わせる分子のクラスは現在知られて
いないので、かかる方法はBCNGサブユニットを含有するチャンネルの高度に
効率的で選択的な標的化に導くようである。BCNGサブタイプに対する選択的
介入も可能なはずである。
【0195】 薬物を介するこれらのチャンネルの調節は、癲癇および心臓不整脈と多様な病
気に関連する電気的活性を調節するためのユニークな機会を提供する。さらに、
これらのチャンネルの環状ヌクレオチド結合ドメインは、チャンネル機能を上昇
調節または下降調節するために新規で特異的な環状ヌクレオチドアゴニストまた
はアンタゴニストを開発するのに使用することができるユニークな薬理学的標的
を提供する。
【0196】 薬物は選択性を達成するためにCMGとカップリングさせて、電圧−依存性ゲ
ーティングを変調することができる。
【0197】 mBCNG−1、mBCNG−2、mBCNG−3、mBCNG−4、hBC
NG−1およびhBCNG−2を発現する細胞系は、チャンネルと相互作用する
化合物についての迅速なスクリーニングの期待を提供する。環状ヌクレオチド結
合ドメインと相互作用する薬物を同定するために、この領域を細菌において選択
的に発現させ、ついで精製させることができる。ついで、精製された蛋白質断片
を標準的なリガンド結合アッセイで用いて、高い親和性にて結合する環状ヌクレ
オチドアナログを検出することができる。
【0198】 種々のBCNG遺伝子を発現する哺乳動物細胞系の全細胞パッチクランプを用
いて、チャンネルオープニングまたはポアを通じてのイオン浸透に対する薬物の
機能的効果をテストする。BCNGチャンネルがCNGチャンネルに似ている場
合、それらはカルシウムに対する有意な透過性を呈する。これは高スルプットス
クリーニングを可能とし、ここに、チャンネルの機能は細胞内カルシウム濃度を
イメージングすることによって評価される。チャンネルオープニングを増加させ
る薬物は内部カルシウムの増加させる。
【0199】 例4: アフリカツメガエル卵母細胞におけるmBCNG−1の機能的発現は天然ペー
スメーカー電流と同様の過分極−活性化カチオン電流を明らかにする。[脳の過
分極−活性化「ペースメーカー」チャンネルをコードする遺伝子の同定] 緒言 心臓および脳におけるペースメーカー活性の精製は、環状ヌクレオチドによっ
て直接的に調節される過分極−活性化カチオンチャンネルによって媒介される。
我々は、従前に、カルボキシー末端環状ヌクレオチド結合ドメインを含有するマ
ウス脳(mBCNG−1)からの電圧−ゲーテッドKチャンネルファミリーの新
規メンバーをクローン化し、(Santoroら、1997)、従って、それが
ペースメーカーチャンネル用の候補遺伝子であることを提案した。mBCNG−
1の異種発現は、それが、脳においてペースメーカーチャンネルから区別され、
心臓におけるものと同様の特性を持つチャンネルにつき事実コードすることを示
す。mBCNG−1に密接に関連した3つのさらなるマウス遺伝子および2つの
ヒト遺伝子は、脳および心臓を含めた異なる組織においてmRNA発現のユニー
クなパターンを呈し、これらのチャンネルは広く発現された遺伝子ファミリーを
構成することを示す。
【0200】 心臓および脳双方の電気活性はペースメーカーとして作用する特別化された細
胞に依存し筋肉活性、ある種の律動自立機能および特定の挙動状態を制御するこ
とができる活動電位の律動的自然発生ファイアリングを生じる。正常神経または
筋肉細胞において、ペースメーカー活性は細胞に固有であって、シナプス入力と
は独立した活動電位の自然発生ファイアリングによって特徴付けられる。ペース
メーカー活性の欠陥は遺伝した(Spellberg,1971)および獲得さ
れた(BiggerおよびReiffel,1979)心臓不整脈双方に至り、
また、種々の神経学的病気の基礎となり得る。
【0201】 これらの場合の多くにおいて、ペースメーカー活性は、ナトリウムおよびカリ
ウム双方に対して透過性であって、心臓(DiFrancesco、1993)
および脳(Pape,1996)双方に存在する過剰分局活性化チャンネルによ
って生じる。かかるカチオン透過性チャンネルは最初心臓洞房節細胞で記載され
(Brownら、1979;YanagiharaおよびIrisawa、19
80;BrownおよびDiFrancesco、1980;DiFrance
sco、1986)、ここにそれらをIまたはIと呼ぶ。それらはそれ以来
心臓プルキニエ繊維(DiFrancesco、1981)、心室筋肉(Yuら
、1993)、および末梢(MayrおよびWestbrook,1983)お
よび中枢神経(HalliwellおよびAdams,1982,レビューにつ
いてはPapp,1996参照)において記載されており、ここにそれらをI またはIと言う。心臓の洞房節細胞、最良の実験された例において、このペー
スメーカーチャンネルは心房および心室の律動的ファイアリングおよび鼓動を駆
動する(Brownら、1979;YanagiharaおよびIrisawa
、1980;BrownおよびDiFrancesco、1980;しかし、I
risawaら、1993参照)。事実、アセチルコリンおよびノルエピネフリ
ンが心臓律動に対してその古典的な作用を発揮するのはこのペースメーカーチャ
ンネルの変調を介してである。
【0202】 脳においては、視床リレーニューロンにおけるペースメーカーチャンネル活性
の変調は睡眠−覚醒サイクルの間に刺激を調節するのに重要である(Papeお
よびMcCormick,1989;McCormickおよびBal,199
7)脳幹核におけるペースメーカー活性は呼吸のリズムに寄与するようである(
JohonsonおよびGetting、1991;Dekin,1993)。
最後に、高等皮質領域におけるペースメーカー活性は、ニューロン集団の活性を
同調させる(MaccaferriおよびMcBain,1996,Strat
aら、1997)、知覚表示の別々の分析成分を一緒に結合させるために提案さ
れた同調(SingerおよびGray、1995)で重要で有り得る内因性発
振に寄与すると考えられる。ペースメーカー活性におけるこのチャンネルの役割
はその最良に特徴付けられた作用で有り得るが、それは非ペースメーキング細胞
における以下の過剰分局応答に続いて反動興奮に寄与し(Fainら、1978
;AttwellおよびWilson,1980;WollmuthおよびHi
lle、1992;HalliwellおよびAdams、1982;Maye
rおよびWestbrook,1983)、さらなる機能的役割を有し得る。
【0203】 ペースメーカーチャンネルの1つの顕著な特徴は、その活性が第2メッセンジ
ャーcAMPを介して作用する神経伝達物質およびホルモンによって変調できる
ことである(Tsien,1974;DiFrancescoおよびTorto
rra,1991)。cAMPレベルの上昇は、正の方向の2−10mVによる
ペースメーカーチャンネル活性化の電圧−依存性をシフトさせる。その結果、チ
ャンネルは、固定された負の電位への再分極化に際してより迅速かつより完全に
活性化する。事実、βアドレナリン作動性アゴニストに応答しての心拍の増加(
Brownら、1979)および迷走神経刺激の間の心拍数の低下(DiFra
ncescoら、1989;Zazaら、1996)の原因であるペースメーカ
ー電流の活性化を変調させるのはcAMPの能力である。興味深いことには、c
AMPの効果は洞房節細胞(DiFrancescoおよびTortorra,
1991)およびニューロン(PebarzamiおよびStorm,1995
;IngramおよびWilliams、1996)双方においてチャンネルへ
のその直接的結合を介して媒介されるようである。対照的に、Iは心臓プルキ
ニエ細胞においてPKA−依存性蛋白質リン酸化によって調節される(Cahn
gら、1991)。
【0204】 ペースメーカー活性は、細胞に固有であって、シナプス入力とは独立した神経
または筋肉細胞における活動電位の自然発生ファイアリングによって特徴付けら
れる。この自然発生ファイアリングは、過分極−活性化ペースメーカーチャンネ
ルのスイッチを入れることに関与すると考えられる遅いペースメーカー脱分極に
よって生じる(DiFrancesco、1993)。かかるカチオンー透過性
チャンネルはまず心臓洞房節細胞で記載され(Brownら、1979;Yan
agiharaおよびIrisawa、1980;BrownおよびDiFra
ncesco、1980;DiFrancesco、1986)、ここに、それ
らはIまたはIと呼ばれた。それらはそれ以来シナプスプルキニエ繊維(D
iFrancesco、1981)、心室筋肉(Yuら、1993)、および末
梢(MayerおよびWestbrook,1983)および中枢ニューロン(
HalliwellおよびAdams、1982;レビューについてはPape
、1996参照)双方において記載されており、ここに、それらはIまたはI と言う。
【0205】 ほとんどの電圧−ゲーテッドチャンネルとは異なり、ペースメーカーチャンネ
ルは、膜が活動電位の間に脱分極すれば閉じ、膜が負の電圧へと再分極する場合
にのみ開く。活動電位の再分極に際してのこれらのチャンネルのオープニングは
正に荷電したナトリウムイオンの流入を許し、自然発生ペースメーカー脱分極に
寄与する。もしこの脱分極が十分な振幅であれば、それは第2の活動電位をトリ
ガーすることができ、反復的、律動的な電気的活性に至るペースメーキングにお
けるこれらのチャンネルの役割を支持する多くの証拠があるが(DiFranc
esco、1993;1995;Pape,1996)、それらの正確な定量的
寄与は依然として論争中である(Irisawaら、1993;Vassall
e,1995)。
【0206】 ペースメーカーチャンネルの1つの顕著な特徴は、その活性が第2メッセンジ
ャーcAMPを介して作用する神経伝達物質およびホルモンによって変調できる
ことである(Tsien、1974;DiFrancescoら、1986)。
cAMPレベルの上昇は、正の方向の5−10mVによるペースメーカーチャン
ネル活性化の電圧−依存性をシフトさせる。その結果、固定された負の電位への
再分分極に際してチャンネルはより迅速かつより完全に活性化する。事実、βー
アドレナリン作動性アゴニストに応答しての心拍の増加(Brownら、197
9)およびAChがムスカリン受容体刺激を通じて作用してcAMPレベルを減
少させる場合の迷走神経刺激の間の心拍の低下(DiFrancescoら、1
989;Zazaら、1996)の原因であるペースメーカー電流の活性化をス
ピードアップするのはcAMPの能力である。興味深いことには、cAMPのこ
の効果は洞房節細胞(DiFrancescoおよびTortorra,199
1;DiFrancescoおよびMangoi,1994;Boisら、19
97)およびニューロン(PebarzaniおよびStorm,1995;I
ngramおよびWilliams、1996)双方においてチャンネルへのそ
の直接的結合を通じて媒介されるように見える。対照的に、Iは心臓プルキニ
エ細胞におけるPKA−依存性蛋白質リン酸化によって調整される(Chang
ら、1991)。
【0207】 ペースメーカー機能およびメカニズムの強い生理学的特徴付けにもかかわらず
、ペースメーカー脱分極を生じさせる原因である過分極、活性化カチオンチャン
ネルの分子性質は未だ同定されていない。いくつかの理由で、我々は、ペースメ
ーカーチャンネルに対する1つの候補遺伝子が、Srcの神経特異的イソ形態の
SH3ドメインとのその相互作用に基づいてマウス脳cDNAライブラリーから
元来はクローン化されたmBCNG−1であろうことを疑った(Santoro
ら、1997)。まず、mBCNG−1(Santoroらによって元々はBC
NG−1と呼ばれた)の推定アミノ酸配列はそれが、異常ポアを持つ以外は、電
圧−ゲーテッドKチャンネルのスーパーファミリーのメンバーであることを明ら
かにする(JanおよびJan、1997)。第2に、カルボキシ末端は、プロ
テインキナーゼのCNBドメイン(ShabbおよびCorbim、1992)
および環状ヌクレオチドーゲーテッドチャンネル(ZagottaおよびSie
gelblum,1996)と相同である保存された環状ヌクレオチドー結合(
CNB)ドメインを有する。これは、そのゲーティングが環状ヌクレオチドによ
って直接調節することができるのを示唆する。第3に、mBCNG−1 mRN
Aおよび蛋白質は共に脳で広く発現される。
【0208】 mBCNG−1は、電圧−ゲーテッドKチャンネル(JanおよびJan、1
997)のスーパーファミリーのメンバーにつきコードする、ペースメーカーチ
ャンネルについての候補遺伝子であった(Santoroら、1997)。この
チャンネルは、Srcの神経特異的イソ形態(n−Src)のSH3ドメインと
のその相互作用に基づいてマウス脳cDNAライブラリから元来はクローン化さ
れた。チャンネル蛋白質およびmRNAは脳で広く発現される。mBCNG−1
の推定アミノ酸配列(配列番号:2)(元来は、SantoroらによってBC
NG−1と呼ばれた)は、カルボキシ末端、プロテインキナーゼのCNBドメイ
ンに相同な環状ヌクレオチドー結合ドメイン(ShabbおよびCorbin、
1992)および環状ヌクレオチドーゲーテッドチャンネル(Zagottaお
よびSiegelbaum,1996)を含有する。mBCNG−1が、環状ヌ
クレオチドおよび脳におけるその広い分布によって直接的に調節することができ
る電圧−ゲーテッドチャンネルのサブユニットにつきコードするように見える事
実に基づき、mBCNG−1は過剰−活性化カチオン電流のサブユニットにつき
コードすることが示唆された(Santoroら、1997)。
【0209】 ここに、我々は、アフリカツメガエル卵母細胞におけるmBCNG−1の機能
的発現を報告する。パッチクランプレコーディングは、この遺伝子が、その4つ
の鍵となる特性において脳の内因性ペースメーカーチャンネルと同一であり、ま
た、心臓のそれに対してかなりの同様性を担持する過分極−活性化カチオンチャ
ンネルをコードすることを示す。さらに、我々は、マウス脳からのBCNGファ
ミリーの3つのさらなるメンバーを報告する(mBCNG−2、3、4)。また
、これらの3つのさらなるクローンは心臓を含めた種々の組織で発現される。こ
の遺伝子の潜在的臨床的重要性のため、我々は、高度に保存され、mBCNG−
1およびmBCNG−2に対して同様の発現パターンを示す2つのヒトクローン
を特徴付けた。かくして、BCNGチャンネル遺伝子は脳のペースメーカーチャ
ンネルをコードするのみならず、それらは心臓を含めた種々の組織で広く発現さ
れるチャンネルのファミリーをコードし得る。
【0210】 結果 mBCNG−1、電圧−ゲーテッドKチャンネルのスーパーファミリーの新規
メンバーをコードする遺伝子の位置および推定アミノ酸配列は、脳に存在する過
分極−活性化ペースメーカータイプのチャンネルをコードするのではないかとい
うことを我々に示唆した。この考えを直接的にテストするために、我々は、アフ
リカツメガエル卵母細胞で発現されるmBCNG−1 cDNAを合成し、無細
胞膜パッチで発現されたチャンネルの機能的特性を分析した。天然脳ペースメー
カーチャンネルは4つの区別される特性を有する:1)それは、過分極による遅
い反応速度で活性化され、2)それはNaに対するKにつき弱く選択するカチオ
ンチャンネルであり、3)それはBaではなく外部Csによってブロックされ、
および4)それは細胞内cAMPによって直接的に変調される。mBCNG−1
の発現は、後記で示すごとく、これらの4つの特性の各々を持つチャンネルを生
じさせる。
【0211】 アフリカツメガエル卵母細胞におけるmBCNG−1の機能的発現は、天然ニ
ューロンペースメーカー電流と同様の過分極−活性化カチオン電流を明らかにす
る。
【0212】 mBCNG−1 cRNAを注入した卵母細胞から得られたパッチは、天然ニ
ューロンペースメーカーで観察されたものに似た過分極−活性化電流を呈する。
膜が−40mVの保持電位から−80mV未満のテスト電位に過分極されると、
これらの電流は活性化される(図16A、16B)。低い負の電位での比較的遅
い時間経過にて内方電流にスイッチが入るが、その活性化速度は増大するレベル
の過分極でスピードアップする(図16A、16E、16F)。保持電位(−4
0mV)への復帰に際して、電流は比較的素早く脱活性化し、減衰する内方テイ
ル電流を生じる(図16C)。
【0213】 −130mVへの過分極過程は、典型的には、>50の異なるパッチの内で−
20pAないし−200pAの電流を活性化し、それより我々は記録した(5p
A未満の電流を持つパッチはしばしば観察されたが分析できなかった)。かかる
電流は未注入卵母細胞またはウシ杆体光受容体CNGチャンネル、cGMPによ
って活性化される電圧−非依存性チャンネルをコードするcRNAを注入した卵
母細胞では観察されなかった。Iの単一チャンネルコンダクタンスは1psの
辺りであるので(DiFrancesco,1986)、我々は、これらのパッ
チ(〜1−2μm膜領域)が典型的には50−1500mBCNG−1チャン
ネルを含有し、これはかなりのレベルの発現を示すと見積もった。低電流密度(
<2pA)を呈する患者における識別される単一チャンネル電流の不存在は、天
然ペースメーカーチャンネルの小さな単一チャンネルコンダクタンスを呈するm
BCNG−1チャンネルと合致する。
【0214】 過分極に際しての活性化の経時および保持電位への復帰に際しての脱活性化の
経時は、共に、天然細胞におけるI電流で報告されているものと同様の特徴的
なシグモイド反応速度を示す(図16C、16E)(DiFrancesco、
1984)。最初のラグに続き、活性化の経時は単一の指数関数によって近似さ
れ(図16E)、その時定数は−105mVにおける290±37ms(平均値
±s.e.m.,n=5)から−130mVにおける98±14ms(n=5)
まで減少する(図16F,表III)。
【表3】
【0215】 表III. mBCNG−1の物理的特性の要約 対照。ボルツマン方程式からの定常状態活性化パラメーター:V1/2および
傾きについての平均値はテイル−電流活性化曲線に適合する;−130および−
105mVへの過程についての活性化の時定数。cAMP。定常状態活性化曲線
のV1/2および傾きに対するcAMPの平均効果。cAMP前および洗浄後の
1/2値を平均することによって測定したV1/2におけるシフト、次いで、
この平均値をcAMPの存在下(1、30または3000μM)におけるV1/ 値から差し引く。傾きはcAMPの存在下での平均傾きを与える。2mM C
s。CsによるmBCNG−1電流の平均パーセントブロック。第2および第3
の線は各測定についての標準誤差および実験数を示す。
【0216】 活性化の定常状態電圧−依存性は、種々のテスト電圧に対する膜の過分極によ
って測定した(図16C)。−40mVの保持電位への復帰に際しての減衰内方
テイル電流の相対的大きさは、先行する過分極の間の電流の分率活性化の尺度を
与える。ピークテイル電流振幅はテスト電圧についてのシグモイド依存性を示す
(図16D)。それらは−80mVに対して負の電位で活性化し始め、−110
および−120mVの間への過程で最大活性化に達する。ボルツマン方程式のこ
の関係への適合(実験手法参照)は、mBCNG−1が半最大活性化される電圧
(V1/2=−99.9±0.8mV、n=5)ならびに電圧および活性化の間
の関係の傾き(−6.0±0.7mV、n=5についてのe−倍変化)の見積も
りを生じる。
【0217】 mBCNG−1電流はKおよびNaによって運ばれる。
【0218】 天然ペースメーカーチャンネルはNaよりもKについて選択性が弱く、Naお
よびKの生理学的グラジエント下でほぼ−30mVの典型的な逆電位を呈する。
mBCNG−1電流がカチオン導電性チャンネルによって事実媒介されることを
示すために、我々は、対称Cl濃度であるがその生理学的グラジエントを近似す
るKおよびNaの非対称の条件下でこれらの電流の逆電位を測定した(図17A
,17C)。我々は、mBCNG−1電流の逆電位は予測される値と非常に近い
−31.8±1.6mV(n=4)で起こることを見いだした(図17A−C)
。添加したCaの不存在下で前記測定が得られたので、我々は、次に、電圧−ゲ
ーテッドカルシウムチャンネルと同様に、外部Caの存在下でこれらのチャンネ
ルがCa−選択的チャンネルに変換できる可能性を検討した(HessおよびT
sien、1983)。しかしながら、我々は、1mM Caの外部NaCl溶
液への添加は、Ca−選択的チャンネルで予測されるであろう、逆電位のいずれ
の正のシフトも引き起こさないことを見いだした(−34.9±3mV、n=2
)。
【0219】 我々はmBCNG−1電流について測定した逆電位は、塩化物イオンによって
運ばれる電流について予測される0mVの値から明らかに区別される。この点は
重要である。というのはアフリカツメガエル卵母細胞が、発現のそのレベルがc
RNAの発現に際して変化し得る内因性過分極−活性化Clチャンネルを含有す
るからである(Tzounopolousら、1995)。mBCNG−1チャ
ンネルを通じての電荷キャリアまたはmBCNG−1電流の我々の測定を汚染す
る電流いずれかとしてのClの役割をさらに除外するために、我々はアスパルテ
ート、すなわちほとんどのClチャンネルを透過しないアニオンによって内部C
lを置き換えた。これはCl平衡電位を−78mVにシフトさせると予測される
。(天然Iチャンネルについて以前に報告されているもの(Fraceら、1
992)と同様に)Cl置換はmBCNG−1電流の大きさを変化させたが、そ
れは逆電位において負のシフトを引き起こさなかった(図17B,17C;液体
接合電位またはKイオン活性の変化によるであろう小さな正の電圧シフトが有る
得る)。かくして、mBCNG−1は、事実、天然IおよびI電流と同様に
、KおよびNaに対して透過性である過分極−活性化カチオンチャンネルをコー
ドすると結論された。測定された逆電位およびGoldman−Hodgkin
−Katz方程式に基づいて、該チャンネルは、天然ペースメーカーチャンネル
における比率と同様に、Naに対するよりもKに対して4倍透過性である。
【0220】 mBCNG−1電流は外部Baによってではなく外部Csによってブロックさ
れる。
【0221】 過分極−活性化チャンネルのいくつかの他のタイプからそれを区別するペース
メーカーチャンネルの特徴は、比較的低い濃度の細胞外Csによるブロックに対
するその感受性である(DiFrancesco、1982;Nomaら、19
83)。同時に、ペースメーカーチャンネルは外部Baによるブロックに対して
比較的非感受性である(DiFrancesco、1982)。我々は、mBC
NG−1チャンネルが、外部カチオンに対するその感受性において天然ペースメ
ーカーチャンネルに類似していることを見いだした。かくして、mBCNG−1
電流は、外部−外パッチの細胞外表面に適用された場合に2mM Csイオンに
よってほとんど完全にブロックされる(図18A−18B;平均%阻害=92.
4±2.5,n=6)。この効果についての用量応答曲線は、IC50が200
μMであり、ヒル係数が−1であることを示す(図18C)。Csのブロッキン
グ作用とは対照的に、内向き整流器Kチャンネルおよび過分極活性化Clチャン
ネルをブロックする、外部溶液への1mM Baの添加はほとんど効果がなかっ
た(図18A−B;平均パーセント阻害=0±5%,n=3)。mBCNG−1
チャンネルがCsによってかなりブロックされるという事実は、我々の電流測定
が外因性卵母細胞Clチャンネル(BaRISH,1983;Tzounopo
lousら、1995)またはストレッチー活性化カチオンチャンネル(Yan
gおよびSachs,1990)(そのいずれも外部Csによってブロックされ
ない)によっていずれかの有意な程度まで汚染されないことを示す。
【0222】 mBCNG−1チャンネルはcAMPによって直接的に変調される。
【0223】 天然ペースメーカーチャンネルについての以前の研究は、無細胞内側−外パッ
チへのcAMPおよび/またはcGMPの直接的適用が、活性化曲線のより正の
電位へのシフトのため、最大下過分極によって惹起されたI電流のサイズを増
加させることができることを示した(DiFrancescoおよびTorto
ra、1991)。我々はmBCNG−1チャンネルでの定性的な同様の効果を
観察した(図19A−C)。かくして、内側−外パッチの内部表面へのcAMP
の浴適用に応答して、100mVへの過程の間に内向き電流の大きさの可逆的な
増加がある。電流の該増加は1μM、30μMまたは3mM cAMPに応答し
て観察される(図19A,図19B)。
【0224】 cAMPのこの効果は、2mVだけのこれらのチャンネルの定常状態活性化曲
線の小さいが再現性のある正のシフトによる(図19C;平均=1.8±0.3
mV,n=5)。cAMPのこの効果は小さいが、それは5パッチのうち5つで
終始観察され、統計学的に有意であることが判明した(P<0.001;対T−
検定)。さらに、cAMPの洗浄後に我々が十分な活性化曲線を記録することが
できた4つのパッチにおいて、シフトは可逆的であることが示された。また、5
つの別々の実験からの個々の活性化曲線を平均して、cAMPの存在または不存
在下いずれかで平均活性化曲線が得られる場合、電圧シフトが観察される(図1
9C)。平均手順は、異なるパッチ内での対照活性化曲線における小さな変動の
ためcAMPの効果を曖昧にする傾向があるが、曲線間の差異は依然として有意
である(P<0.05;一方を反復して測定する二方向ANOVA、F(3,6
)=11.56)。さらに、我々はここでcAMPで観察したシフトは、海馬(
PedarzaniおよびStorm,1995)、すなわちmBCNG−1が
高度に発現される領域(Santoroら、1997)におけるペースメーカー
チャンネルで観察されたシフトとほとんど同一である。内部溶液にはATPまた
はGTPがなかったので、cAMPは直接的にはチャンネルへの結合によって作
用するようである。
【0225】 前記観察に基づいて、我々は、mBCNG−1発現に際して観察される過分極
−活性化電流が、天然脳ペースメーカーチャンネルと同様に、電圧−依存性、イ
オン選択性、イオンブロッキング特性および二次メッセンジャー変調にてのペー
スメーカーチャンネルの発現を表すと結論した。
【0226】 BCNG遺伝子のファミリーの同定 mBCNG−1は脳でのみ発現されるので、我々は、他の関連遺伝子が心臓を
含めた異なる組織で発現し得るのではないかと考えた。我々は、mBCNG−1
に相同な領域をコードする3つのさらなるマウスおよび2つのヒト遺伝子につき
部分的cDNAクローンを単離した。2つのマウス遺伝子(mBCNG−2およ
びmBCNG−3)を表す部分的cDNAクローンは、全長mBCNG−1産物
につきスクリーニングしつつ単離し、第4のマウス遺伝子(mBCNG−4)な
らびに2つのヒト遺伝子(hBCNG−1およびhBCNG−2)は、クエリー
としてのmBCNG−1の蛋白質配列を用い、ESTデータベース相同性サーチ
により同定した。同定されたcDNAクローンのさらなる延長は、引き続いて、
ライブラリスクリーニングまたはRT−PCRクローニングによって得られた。
これまでに同定されたマウスおよびヒトBCNG配列の模式図を図7A−7Bに
掲げる。
【0227】 保存されたBCNGチャンネルファミリーの予測されるアミノ酸配列 mBCNG−2、mBCNG−3およびmBCNG−4がコードする蛋白質に
つきこれまで得られた、推定された、統合的部分配列を図8A−8Bに示し、m
BCNG−1の従前に報告されている全長配列に対して仮に整列させた(San
toroら、1997)。同定された配列の全て(mBCNG−4を除く)は、
S1−S6膜貫通セグメント、荷電S4電圧−センサーおよびポアーライニング
Pループを含めた、電圧−ゲーテッドカリウムチャンネルの保存されたモチーフ
を含有する(JanおよびJan、1997)。加えて、全てのBCNGファミ
リーメンバーは、そのカルボキシ末端に保存された環状ヌクレオチド−結合ドメ
インを含有する。mBCNG−1およびmBCNG−2が共にPKAリン酸化に
対すコンセンサス部位内にあるその細胞質カルボキシ末端に存在するセリン残基
を含有し(図7A−7B,矢印)、他方、mBCNG−4はこの部位を含有しな
いのは興味深い。異なるチャンネル上のPKA部位の存在または不存在は、なぜ
に、心臓プルキニエ繊維チャンネルがPKAリン酸化によって調節され(Cha
ngら、1991)、他方、洞房節チャンネルがcAMPによって直接調節され
る(DiFrancescoおよびTortora、1991)かを説明するこ
とができる。
【0228】 3つのマウス蛋白質は相互に密接に関連し、疎水性コア領域にわたって84−
86%の同様性を有する(アミノ酸111ないし419、mBCNG−1に従っ
てナンバリング)。注目すべきは、mBCNG−2およびmBCNG−3はいず
れかがmBCNG−1に対するよりも相互により密接に関連する(89%同様)
。限定された整列が示すことができる限り、mBCNG−4は群中で最も遠く関
連する蛋白質であるように見え(アミノ酸529ないし592)、mBCNG−
1に対して79%の同様性を有する。S1からS6膜貫通セグメンントを通って
延びる、hBCNG−1蛋白質の308アミノ酸長コア領域はmBCNG−1に
対して100%同一であり、他方、hBCNG−2蛋白質のコア領域はmBCN
G−2に対して98%同様である。
【0229】 BCNG mRNA発現の組織分布 ノーザンブロット分析は、個々のクローンの各々についての組織分布の個々の
パターンおよび転写体における高い対応性および相同マウスとヒトクローンとの
間の局在を示した(図9A、図9B、図10A−D)。区別されるアミノ末端プ
ローブ(プローブ「q0」;Santoroら、1997)を用いて以前に報告
されているごとく、mBCNG−1の発現はかなり脳に限定されているようであ
る(図9A−D;プローブ「q1」,図7−B参照)。対照的に、mBCNG−
2およびmBCNG−3は脳および心臓で発現される(図9A−D)。また、m
BCNG−3についてのハイブリダイゼーションシグナルは骨格筋および肺から
のポリARNAで検出される。組織分布の区別されるパターンがmBCNG−
4で明らかにされ、これは肝臓で主として発現されるようであるが、脳、肺およ
び腎臓にも存在する(図9A−D)。
【0230】 相同なマウスおよびヒトBCNG遺伝子は機能的には類似するようである。と
いうのは、それらはノーザンンブロット分析によって明らかにされるごとく非常
に似た組織発現パターンを呈するからである。図10A−Dは、mBCNG−1
ノーザンンブロットで観察されるものと同様に、hBCNG−1配列内に設計さ
れたプローブがヒト脳ポリARNAにおける4つの転写体を認識したことを示
す(図9A−9DおよびSantoroら、1997)。また、ヒト筋肉および
膵臓において弱いハイブリダイゼーションシグナルがhBCNG−1につき検出
される。hBCNG−2配列に基づくプローブを用いるノーザンンブロット分析
は、mBCNG−2の発現パターンとかなり合致する発現パターンを示した(図
10A−D;図9A−9Dと比較されたし)。豊富な3.4kd転写体が脳で検
出され、同転写体は心臓にも存在する。
【0231】 マウス脳内でのmBCNG−1の分布の分析(Santoroら、1997)
は、mBCNG−1の最高発現が皮質、海馬および小脳で起こることを明らかに
した。また、異なる脳領域内のhBCNG−1 mRNAのノーザンンブロット
分析は遺伝子の異なる発現を示し、最高レベルは皮質構造に存在する(海馬およ
び扁桃;図10A−D)。hBCNG−2は全ての脳構造でより均一なレベルの
高い発現を示し、これはより不変的な役割を示す。特に、脳梁−由来のRNAに
おける強力なハイブリダイゼーションシグナルは神経節細胞内でのhBCNG−
2の発現を示し得る。
【0232】 もし心臓で発現されたBCNG−2およびBCNG−3遺伝子が事実ペースメ
ーカーチャンネルをコードするならば我々は、それらが、ペースメーカーチャン
ネル活性が報告されている心臓組織で発現されることを予測するであろう。洞房
節は心臓の一義的なペースメーキング組織であるが、潜在的なペースメーカー活
性は心房(Thuringerら、1992;Zhouら、1992)および心
室(Yuら、1993;Robinsonら、1997)筋肉双方で見いだされ
る。しかしながら、該節の外側の領域におけるチャンネルの活性化の電圧−依存
性は、通常は、非常に過分極した非生理学的電位までシフトする。心臓を通じて
のペースメーカーチャンネルの広く分布した出現のこの観察に従い、我々は、m
BCNG−1ではなくmBCNG−2およびmBCNG−3を共に増幅するプラ
イマーが心室、心房および洞房節mRNAからRT−PCR産物を生じることを
見いだした(図20A)。心臓のこれらの領域の各々内におけるmBCNG−2
およびmBCNG−3の相対的発現を確立するために、我々はRT−PCR産物
に体してサザーンブロット分析を行った。mBCNG−2またはmBCNG−3
を特異的に認識するプローブでのハイブリダイゼーションは、RT−PCR産物
、従って分析された心臓領域内の支配的種はmBCNG−2であることを示す(
図20B,C)。
【0233】 考察 脳についてのペースメーカーチャンネル遺伝子の同定 同定されたBCNG遺伝子の区別される配列および分布は、BCNG産物が、
電圧−感知および環状ヌクレオチドー結合についての特徴的モチーフを持つ、イ
オンチャンネル蛋白質のファミリーを表すことを明らかにする。これらの遺伝子
は圧倒的に脳および心臓に位置する。アフリカツメガエル卵母細胞で発現させる
と、mBCNG−1チャンネルは、その特性が心臓におけるペースメーカー電流
(I)のそれに密接に対応する過分極−活性化カチオンチャンネルを生起させ
る。我々は、心臓で発現されたBCNGチャンネルファミリーのメンバーが心臓
ペースメーカーチャンネルをコードするという直接的証拠を有しないが、組織分
布およびこれらの部分的cDNAクローンと全長mBCNG−1との配列同様性
は、それらが心臓チャンネルを十分にコードし得ることを示唆する。
【0234】 電圧−ゲーテッドKチャンネルファミリーのメンバーは、一般に、4つのポア
ー形成サブユニットから構成されるテトラマーである(Mackinon,19
91)。mBCNG−1 cRNAはそれ自身における機能的チャンネルの発現
に至るが、複数BCNG遺伝子の存在は、天然チャンネルがヘテロマルチマーで
あり得ることを示唆する。加えて、BCNGチャンネルサブユニットは、該チャ
ンネルの機能を修飾する補助的非ポア形成βサブユニットと会合できる。mBC
NG−1はそれがさらなるサブユニットと組み合わされた場合にcAMPによっ
てより潜在的に変調される可能性がある。あるいは、cAMPが異なるBCNG
ファミリーメンバーを変調する効率に固有の差異があり得る。この後者の可能性
を裏付けて、BCNG−1が圧倒的に発現される(図10A−D、Santor
oら、1997)海馬ニューロンにおけるIのcAMP−依存性シフトは2−
3mVにすぎず(PedarzaniおよびStorm,1995)、ここに観
察された該シフトとほとんど同一である。これは、洞房節におけるIについて
報告されている10mVシフト(DiFrancescoおよびTortora
、1991)および知覚ニューロンにおけるIの4−6mVシフト(Ingr
amおよびWilliams、1966)とは対照的である。また、mBCNG
−1の比較的迅速な活性化反応速度はそれを、より遅く活性化する心臓チャンネ
ルに対するよりも迅速に活性化された海馬チャンネル(Hallwellおよび
Adams,1982;Maccaferriら、1993;Pedarzan
iおよびStorm,1995)に対してより同様とする。それは、cAMP効
率の差異が、BCNG−1およびBCNG−2サブユニットの環状ヌクレオチド
結合ドメイン内のPKAコンセンサス部位におけるセリン残基のリン酸化状態に
関連し得る興味深い可能性である。
【0235】 古典的電圧ゲーテッドチャンネルからの2つの重要な差異はmBCNG−1チ
ャンネルにその特徴的な特性を与える。
【0236】 BCNGチャンネルおよび他の電圧−ゲーテッドKチャンネル間の配列同様性
にもかかわらず、2つの重要な機能的差異がある。まず、ほとんどの電圧−ゲー
テッドKチャンネルは通常は脱分極によって活性化される。mBCNG−1の反
対の電圧−依存性極性が、かなり荷電した塩基性S4−電圧−感知ドメインの存
在にもかかわらず起こる。第2に、Kチャンネルファミリーのほとんどのメンバ
ーはNaイオンよりもKイオンについて少なくとも100倍選択的であるが、天
然ペースメーカーチャンネルと同様に、mBCNG−1チャンネルはカリウムー
対−ナトリウムにつき4倍選択的であるに過ぎない。しかしながら、BCNGチ
ャンネルは他のK選択的チャンネルのP領域と同様であるP領域を含有する。我
々は、これらの差異の可能なメカニズムを以下に考察する。
【0237】 S4セグメントの存在にもかかわらず脱分極よりもむしろ膜過分極に際してど
のようにしてBCNGチャンネルが活性化できるのであろうか?電圧−依存性活
性化の同様の逆転極性が、植物のS4−含有KAT1電圧−ゲーテッドカリウム
チャンネルで報告されている(Schachtmanら、1994)。KAT1
およびmBCNG−1チャンネルの電圧−ゲーティング特性を説明することがで
きる1つの比較的簡単なメカニズムが、通常は迅速に活性化し、次いで脱分極に
際して迅速に不活化されるShaker KチャンネルについてのMillar
およびAldrichの研究(1996)によって提案されている。これらの著
者は、活性化ゲーティング反応を非常に負の電位(静止電位より十分未満)にシ
フトするS4点突然変異がShaker Kチャンネルを過分極−活性化チャン
ネルに形質転換したことを示した。静止電位の近くの電圧では、突然変異体チャ
ンネルの活性化ゲートは開いた立体配置であっても、チャンネルは不活化反応に
より閉じている。活性化ゲートを閉じるのに十分には負でない中程度の過分極は
、不活化ゲートを開かせることによってチャンネルを開く。過分極に際してのB
CNGチャンネルの開口は不活化の同様の除去を反映し得た。
【0238】 mBCNG−1チャンネルのより低いK選択性は、P領域における鍵となる位
置でのいくつかの非保存的変化を反映できた。かくして、該チャンネルはKチャ
ンネル選択性配列の主要な一部を形成するGYGモチーフを含有するものの、G
YGトリプレットに対して2残基だけN末端側にある保存されたトレオニン残基
はBCNGチャンネルにおいてはシステインに変化している。この保存されたト
レオニンは、細菌kcsaチャンネルのX−線結晶構造におけるK選択性フィル
ターの一部を形成することが示されている(Doyleら、1998)。さらに
、(GYGトリプレットに対して直ぐ)C末端側の高度に保存されたアスパルテ
ートはBCNGクローンにおいてはアラニンまたはアルギニンである。
【0239】 ペースメーカー電流の病気における役割 翻訳後修飾によるBCNGチャンネル機能の変化、遺伝子発現の変化、または
遺伝的突然変異は、自動性の遺伝したまたは獲得した神経学的障害または病気の
基礎であり得るか?BCNG遺伝子がCNSおよび、恐らくは、心臓ペースメー
カーチャンネルをコードするという我々の同定にて、今や、ある種のファミリー
洞律動病(Spellberg,1971)がペースメーカーチャンネルにおけ
る一次的欠陥によるものか否かを決定することができる。また、ペースメーカー
チャンネル機能における欠陥が、心房細動、洞頻脈および徐脈に関連する病的洞
症候群(BiggerおよびReiffel,1979)、および心不全に関連
する心室不整脈(Cebalら,1994;1997)のごとき心臓の後天性病
気に貢献し得る。
【0240】 領域的特異的チャンネルをコードする多重遺伝子の存在は、例えば、脳ペース
メーカーチャンネルよりもむしろ心臓を特異的に標的化するであろう治療剤を開
発する興味深い可能性を提供する。その結果、刺激および恐らくは知覚意識につ
いての脳におけるペースメーカー活性の重要性はこれらの脳チャンネルを薬理学
的操作のための興味深い標的とするであろう。最後に、脳および心臓双方におけ
る電気的活性でのペースメーカーチャンネルの正確な役割に関する論争は、今や
、マウス遺伝学の強力なアプローチに適用すべきである。
【0241】 実験手法 ライブラリースクリーニングおよびRT−PCRクローニング 組換えDNA手法を含めたEscherichia coli、ラムダファー
ジおよび核酸の標準的操作は実質的に記載されているごとくに行った(Samb
rookら、1989)。
【0242】 mBCNG−2 cDNAの最初の断片は、全長mBCNG−1 cDNAを
単離するために設計したPCR反応の産物としてクローン化した(Santor
oら,1997)。この断片はmBCNG−2配列の234−430に対応し(
ここのおよび全体を通じてナンバリングはmBCNG−1に従う、図8A−8B
参照)、これを用いて、高ストリンジェンシーにてマウス脳λgt10ライブラ
リー(CLONTECH(登録商標) ML 3000a)をスクリーニングし
、mBCNG−2のN−末端一部を得た(クローン11−λ1)。同一λgt1
0ライブラリースクリーニングから、弱く反応するプラークも同定され(クロー
ン15−7)、これは引き続いて第3の区別される遺伝子を表すことが示された
(mBCNG−3)。
【0243】 マウスおよびヒトESTデータベースにおけるBLASTサーチは、2つのマ
ウスBCNG遺伝子(M41−EST,gb AA023393;M28−ES
T,gb AA238712)および2つのヒトBCNG遺伝子(H57−ES
T,gb H45591;H61−EST,gb N72770)の断片である
ように見える4つのESTクローンを明らかとした。これらの配列内にオリゴヌ
クレオチドを設計し、BCNGクローンの保存された領域において設計されたオ
リゴヌクレオチドと一緒に使用してマウスまたはヒトポリARNAからのRT
−PCR産物を得た(後記参照)。RT−PCR産物を配列決定し、重複した領
域を比較して、ESTおよび周知のBCNGクローンの間の対応性を確立した(
図5参照)。M28−ESTクローンは従前に同定されたBCNG cDNAか
らの第4の区別される遺伝子を表すようであった。M28−ESTクローンの完
全な配列決定は、該クローンの3’末端のみがBCNG配列と整列することを明
らかとした;632位の5’側の配列はイントロンを表すようであり、停止コド
ンは869位に存在する。
【0244】 ヒト脳λgt10ライブラリー(CLONTECH(登録商標)、HL 30
22a)はH61−ESTクローン(プローブ「H61」;後記および図7A−
C参照)に由来する断片でスクリーニングし、位置番号587におけるアミノ酸
までのhBCNG−2配列のN−末端領域を得た。
【0245】 以下のオリゴヌクレオチドにてSuperScript Preamplif
ication System(GIBCO−BRL(登録商標))を用い、マ
ウス脳およびマウス心臓(CLONTECH(登録商標)、6616−1および
6611−1)からのポリARNA調製物につきRT−PCR反応を行った(
94℃での45秒、55℃での30秒間および72℃での2分間を25回)。 B123 5’CAGTGGGAAGAGATTTTCCACATGACC3’
(配列番号23)(アミノ酸269−288に対応)および41REV5’GA
TCATGCTGAACCTTGTGCAGCAAG3’(配列番号24)(ア
ミノ酸590−598に対応)または28REV5’CACCKCRTTGAA
GTGGTCCACGCT3’(配列番号25)(アミノ酸554−561に対
応) ヒト遺伝子については、以下のオリゴヌクレオチドを用い、ヒト脳およびヒト
心臓(CLONTECH(登録商標)、6516−1および6533−1)から
のポリARNAにつき反応を行った(94℃における45秒、58℃における
20秒、および72℃における72分の25回)。
【0246】 MB1−3 5’ATGTTCGGSAGCCAGAAGGCGGTGGAG
3’(配列番号26)(アミノ酸102−110に対応)およびH57.C 5
’CAGCTCGAACACTGGCAGTACGA3’(配列番号27)(ア
ミノ酸537−544に対応) BCNG−2/3転写体の心臓領域局所化については、オリゴヌクレオチドを
用い、ウサギ心臓の心室、心房または洞房節から単離されたポリARNAで反
応を行った。
【0247】 BCNG−2/F2 5’GAGCAGGAGCGCGTCAAGTCGGC
G3’(配列番号35)(アミノ酸112−119に対応)およびBCNG−2
/R2 5’GAAGATGTAGTCCACGGGGGATGGA3’(配列
番号36)(アミノ酸218−225に対応) 異なるファミリーメンバー内の認識の特異性を決定するために。同一オリゴヌ
クレオチドを、mBCNG−1、2または3cDNAをコードしたプラスミドD
NAで用いた(図9Aの脚注参照)。これらのプラスミドはランダムプライミン
グ(STRATAGENE(登録商標))によって標識し、サザーンブロット分
析のためのプローブとして用いた。
【0248】 ノーザンブロット マウス遺伝子発現実験では、マウス多重組織ノーザンブロット(CLONTE
CH(登録商標)、7762−1)を、mBCNGクローンの以下の領域を表す
PCR産物でプローブした(図7A−7Bにおける模式的表示および図8A−8
Bにおけるアミノ酸ナンバリング参照)。 mBCNG−1:プローブ「q1」(アミノ酸594−720に対応;Sant
oroら,1997); mBCNG−2:プローブ「dA」(アミノ酸234−430に対応) mBCNG−3:プローブ「15−7」(スタートから319位までのmBCN
G−3配列に対応) mBCNG−4:プローブ「M28」(mBCNG−4配列のアミノ酸529−
607プラスmBCNG−4 3’UTRの180ntに対応;このプローブは
EST−M28 DNAからのゲル精製EcoRI/BglII制限断片400
bpとして得られた。) ヒト遺伝子発現実験では、ヒト複数組織ノーザンブロット(CLONTECH
(登録商標)、7760−1)またはヒト脳複数組織ノーザンブロット(CLO
NTECH(登録商標)、7750−1)を以下のPCR産物でプローブした。 hBCNG−1:プローブ「H57」(537−800に対応) hBCNG−2:プローブ「H61」(452−634に対応) ハイブリダイゼーションは製造業者のプロトコルハンドブックに示されたごと
く、全て、68℃にて、1時間、EXPRESSHYB(登録商標)溶液(CL
ONTECH(登録商標))中で行った。ブロットを2×SSC/0.1%SD
S中、室温にて10分間洗浄し、続いて0.2×SSC/0.1%SDS中、6
5℃にて30分間2回洗浄した。0.5%SDS/H2O中で5分間沸騰するこ
とによって、フィルターを引き続いてのハイブリダイゼーションの間にストリッ
プした。
【0249】 電気生理学的記録 mBCNG−1をpSD64TR発現ベクターにサブクローンしした。SP6
RNAポリメラーゼ(Message Machine(登録商標)、Amb
ion(登録商標))を用いてRNAをBamHI−線状化DNAから転写し、
従前に記載されているごろく(Gouldingら、1992)調製したアフリ
カツメガエルの卵母細胞に注入した。
【0250】 パッチクランプ記録は、cRNA注入3−7日後に無細胞内側−外および外側
パッチから成した。データは、Axopatch200Aまたは200B積分パ
ッチクランプ増幅器(Axon Instruments(登録商標),USA
)を用いて獲得した。これらの実験の全てにおける保持電位は−40mVであっ
た。簡単のために、用いた溶液の略語記載のみを、テキストおよび図面の簡単な
記載で与え、十分な記載を以下に与える。
【0251】 KCl−EGTA溶液は:107mM KCl,5mM NaCl,10mM
HEPES(pH 7.4,KOH),1mMEGTAを含有した。NaCl
−EGTA溶液は107mM NaCl,5mM KCl,10mM HEPS
(pH7.4,MaOH)、1mM EGTAを含有した。KCl/NaCl−
EGTAおよびKCl/NaCl−CaCl2溶液は:各々、1mM EGTA
または1mM CaCl2いずれかと共に82mM KCl,30mM NaC
l,10mM HEPES(pH7.4,KOH)を含有した。いくつかの実験
において、我々は、Clを以下のKAspartate−EGTA溶液中のアス
パルテートで置き換えた:107mM K−Aspartate、5mM Na
Cl、10mM HEPES(pH7.4,KOH),1mM EGTA。適当
な場合、NaClのイソーオスモル置換によって細胞内溶液にNa−cAMPを
含ませ、他方、各々、NaClまたはCaCl2のイソ−浸透圧置換によって示
された細胞外溶液にCsClおよびBaCl2を含ませた。3M KCl寒天ブ
リッジ電極によって、Ag−AgCl接地ワイアを浴溶液に結合した。最大の補
償接合電位は3.4mVであると測定された。電圧はこの相殺を説明するように
修正されなかった。全ての記録は室温(22−24℃)で得た。
【0252】 pClamp(登録商標)ソフトウェア(v 6.0,AXON INSTR
UMENTS(登録商標),N=8)およびPentium 100 mHz
PCコンピュターまたはPulseソフトウェア(v 8.11,Heka,N
=10)およびMACINTIOSH CENTRIS 650コンピューター
を用い、P/Nプロトコルを使用して電圧クランププロトコルを適用して補償さ
れない直線リークおよびキャパシタンスを差し引いた。特に示さない限り、デー
タは1.25kHz(8極Besselフィルター、Frequency De
vices902)においてローパス濾過し、TL−1 DMAインターフェイ
ス(AXON INSTRUMENTS(登録商標))またはITC−16イン
ターフェイス(INSTRUTECH CORP.(登録商標))いずれかを用
い2.5kHzでデジタル化した。分析は、pClamp(v 6.0,AXO
N INSTRUMENTS(登録商標))、Pulse(v 8.11,He
ka)またはSigmaplot(v 4.0 SPSS Inc.)を用いて
行った。
【0253】 電流−電圧の関係は、3秒電圧段階において定常状態電流を測定することによ
って得た(電流は2.5秒ないし2.95秒の間で平均した)。定常状態活性化
曲線は、−40mVへの引き続いての脱分極電圧段階に際して観察されたテイル
電流の振幅から決定した(電流は−40mVへの復帰に続く4−10ミリ秒の間
を平均した)。電流値は過分極段階電圧に対してプロットし、ボルツマン方程式
: I(V)=A+A/{1+exp[−(V−V1/2)/傾き]」} [式中、A1はオフセットであり、A振幅であり、VはmVで表した電圧であ
り、V1/2は活性化中点電圧である] に適合させた。データおよび適合させたボルツマン関数を、次いで、該適合の
最大振幅に正規化した。活性化時定数は、最初のラグ後に電流の上昇相に単一の
指数関数を適合させることによって決定した。
【0254】 異なるイオン条件下で逆電位を測定するために、−40mVに保持した内側−
外パッチを300ミリ秒の間に−130mVにステップさせ、次いで5mV増分
にて−60ないし+20mVの範囲の一連のテスト電位にステップバックさせた
。テイル電流のテイル振幅は、テスト電位への段階後、2および4ミリ秒の間の
データを平均することによって測定した。外部CsおよびDaに対するmBCN
G−1電流の感度は、外側−外パッチクランプ立体配置を用い、−130mVへ
の1秒ステップの終わりにおいて定常状態電流値を測定することによって決定し
た(電流は800ミリ秒ないし990ミリ秒の間を平均した)。これらの一連の
実験の双方において、Sylgardで電極を被覆してピペットキャパシタンス
を最小化し、データは2.5kHzで濾過し、5kHzでサンプリングした。
【0255】 カルシウムを添加しないEGTA(1mM)を内部溶液に含ませることによっ
て、卵母細胞膜(Barish、1983)中の内因性Ca−活性化Clチァン
ネルからの汚染を最小化した。また卵母細胞はその大きな単一チャンネルコンダ
クタンンス(60pS)によって認識することができるストレッチー活性化カチ
オンチャンネルを含有する(YangおよびSachs、1990)。かかるチ
ャンネル活性を含有するパッチは実験しなかった。
【0256】 例5:BCNGチャンネルサブユニットおよび候補蛋白質の共発現 BCNG蛋白質またはBCNG−関連蛋白質はヘテロマルチマー蛋白質を形成
することができる。新規なBCNGサブユニットの機能的役割を解明するために
、新規なBCNGサブユニットを重複する組織分布を有するBCNGサブユニッ
トと共発現させる。電圧−ゲーテットKチャンネルおよび環状ヌクレオチドー
ゲーテットチャンネルは共にヘテロマルチマーを形成する。ある場合には、サブ
ユニットは完全に区別される蛋白質とで複合体を形成することができる(例えば
、MinkとでKvLQT1−(Barhaminら、1996);Minkと
でHERG(McDonaldら、1997);スルホニル尿素受容体とでIr
K6.1およびIrK6.2(Isomotoら、1996;Inagakiら
、1996)。BCNG蛋白質はMinkまたはERG様サブユニットのごとき
サブユニットで組み立てることができる。候補蛋白質は、重複した組織分布およ
び既知の機能的特性に基づく見込みをベースとして選択される。例えば、Kv1
.2は細胞下レベルにおいてさえmBCNG−1での重複分布を示す(Shen
gら、1994;Wang他、1994)。
【0257】 ポリAmRNAとの共発現 もしもう1つの蛋白質がBCNGチャンネル蛋白質とで機能的ヘテロマルチマ
ーを形成できるならば、(ノーザンブロット分析によって示されるごとく)適当
なBCNGサブユニットが発現される組織(例えば、心臓、脳、筋肉または腎臓
)からのサイズ分画mRNAとの共発現の結果、BCNG RNAを組織からの
mRNAと一緒に注入した場合、電気生理学的電流中にユニークな電流が生じる
【0258】 発現されたBCNGチャンネルの機能的特性を修飾するサブユニットをクロー
ンするための別の戦略は、BCNG遺伝子に由来するヌクレオチドプローブを用
いる適当なライブラリーの低ストリンジェンシー相同性スクリーニングまたはB
CNG遺伝子に基づく縮重オリゴヌクレオチドを用いるゲノムまたはcDNAか
らのPCR増幅を含む。
【0259】 同定されたBCNGファミリーメンバーとで組み立てることができる他のチャ
ンネルサブユニット蛋白質を担持するためのさらにもう一つの方法は、酵母2ハ
イブリッド系を用いることである(FieldsおよびSoug,1989)。
この系をまず用いて、n−SRG SH3ドメインとのその相互作用に基づいて
mBCNG−1をクローンする(例1参照)。BCNGチャンネル蛋白質からの
保存された細胞質N−およびC−末端ドメインを酵母2ハイブリッド系において
「餌」として用いる。N−およびC−末端断片を適当なプラスミド(例えば、p
EG202)にサブクローンする(Zervosら、1983)。BCNGファミリーメンバーの配列:マウス及びヒトのBCNGクローンのDN A及び予測されるアミノ酸配列 マウスの配列 mBCNG−1のDNA及び予測されるアミノ酸配列 これらのマウスの配列は、得られたオリジナルのDNA及び予測されたアミノ
酸配列とGenBank受付番号AF028737のDNA及びアミノ酸配列で
ある。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 mBCNG−1の一次構造を示す図(mBCNG−1 cDNAによってコー
ドされる推定アミノ酸配列(配列番号2)。Kチャンネルの6つの膜貫通ドメ
イン(S1−S6)及びポア(P)と相同な7つの疎水性ドメインが示されてい
る( )。推定環状ヌクレオチド結合部位(CNB)が、(− − −)によっ
てマークされており、C末端のプロリン(...)、推定細胞外局在部()を
有するコンセンサスNグリコシル化部位もマークされている)。
【図2】 mBCNG−1の一次構造を示す図(mBCNG−1の推定アミノ酸配列のK
yteとDoolittleのハイドロパチープロット。該プロフィールは、7
アミノ酸のウィンドウサイズで、KyteとDoolitteleの方法によっ
て作成した。一番上の線の上にある数字は、mBCNG−1配列中の位置を示し
ている。S1〜S6に対応する疎水性領域とP領域は、ゼロ線より下にあるが、
N−グリコシル化部位()は、S5とPの間の疎水性領域にある。数字(一番
上の線)は、mBCNG−1配列中の位置を示している。7残基のウィンドウサ
イズで作成されたプロフィール。)。
【図3】 mBCNG−1の推定P領域とショウジョウバエEag(DEAG)、マウス
Eag(MEAG)、ヒトErg(HERG)の推定P領域、ウシ網膜CNGチ
ャンネル(BRET−1)のαサブユニット、及びヒト網膜CNGチャンネル(
HERT−2)のβサブユニットとを複数並置した図(矢印は、残基344と3
52をマークしている(例1参照))、及びBCNG−1の(CNB)とラット
の嗅覚CNGチャンネル(ROLF−1)、ウシcGMP依存性プロテインキナ
ーゼ(PKG)、ウシcAMP依存性タンパク質キナーゼ(PKA)、及び大腸
菌のカタボライトアクチベータータンパク質(CAP)の対応する部位とを並置
した図(実線は、CAPの二次構造エレメントのαヘリックス(α)及びβスト
ランド(β)エレメントを示しており、アスタリスクは、CAP結晶構造中でc
AMP分子と近接して存在していると思われる特定のアミノ酸を示している)。
【図4】 mBCNGは、132kDaのグリコシル化されたタンパク質である。マウス
脳抽出物中のBCNG−1タンパク質のウェスタンブロット分析を示す図(スト
リップごとに全脳SDS抽出物10μgをロードした後、αq1(1)若しくは
αq2(3)抗血清でプローブし、又はGST−d5融合タンパク質を予め吸着
させた抗血清αq1(2)若しくはαq2(4)でストリップ2をプローブした
。矢印は、ネイティブmBCNG−1タンパク質に対応する特定のシグナルの位
置をマークしている。)、及びαq1抗血清を用いた、全脳抽出物(1)、N−
グリコシダーゼFで前処理した全脳抽出物(2)、及びインビトロ翻訳されたm
BCNG−1タンパク質(3)に対するウェスタンブロットを示す図(分子量標
準の位置が、左側に示されている。mBCNG−1に対する抗血清でテストされ
、マウス脳中のmBCNG−1タンパク質の広範な発現を示している、表記され
ている各脳組織からのタンパク質10μgを含有するウェスタンブロットも示さ
れている。)。
【図5】 αq1との反応性を示す図、及びαq2との反応性を示す図。
【図6】 様々なマウス組織におけるmBCNG−1発現のノーザンブロット分析を示す
図(以下の各組織から得たポリ(A)RNA2μgを使用した:心臓(H)、
脳(B)、脾臓(S)、肺(Lu)、肝臓(Li)、骨格筋(M)、腎臓(K)
、及び精巣(T)をロードした。mBCNG−1配列のアミノ酸6−131をコ
ードするDNA断片を用いて、該フィルターをプローブした。アミノ酸594−
720に対応するプローブは、同じバンドを認識し、λgt10及びpJG4−
5ライブラリーから単離されたcDNA断片が、隣接するmRNA配列から得ら
れたことが確認された。分子量標準の位置は、左側に示されている。)。
【図7】 脳中でのmBCNG−1発現のインシチュハイブリダイゼーション分析を示す
図(mBCNG−1配列のアミノ酸648−657に対応するmRNA領域に対
して誘導されたアンチセンスオリゴヌクレオチドでプローブしたマウス脳の側矢
状切片。略号:nCtx,新皮質;Hp,海馬;Crb,小脳;BrSt,脳幹
)。
【図8】 脳中でのmBCNG−1発現の免疫組織化学分析を示す図(マウス脳の側矢状
切片は、αq1とαq2抗血清で染色された。二つの異なる抗血清を用いて検出
されたmBCNG−1発現のパターンは同一であり、両ケースともに、GST−
d5融合タンパク質に血清を予め吸着させることによって、染色は、完全に消滅
した。)大脳皮質でのmBCNG−1の免疫反応性を示す図、海馬でのmBCN
G−1免疫反応性を示す図(図5C−5D)(図5Cでは、矢印は、海馬溝の位
置を示している;CA、CA領域、及び歯状回(DG)がラベルされている
。)、及びCA領域の錐体層の詳細を示す図(図5D)。
【図9】 小脳でのmBCNG−1の免疫反応性を示す図(図5A、図5C、図5E:6
0×;図5B、図5D、図5F:100×拡大)。
【図10】 マウスのゲノムDNAのサザンブロット分析を示す図(マウスゲノムDNA4
μgを各レーンにロードした後、EcoRI(1)、HindIII(2)、B
amHI(3)、PstI(4)、又はBglII(5)で消化した。高(図6
A)及び(図6B)低ストリンジェンシーで、BCNG−1配列のアミノ酸26
9−462をコードするDNA断片を用いて、該フィルターをプローブした。分
子量標準の位置が、左側に示されている。)。
【図11】 マウスとヒトのBCNGクローンを図示した図、6つの膜貫通ドメイン(S1
−S6)、ポア領域(P)、環状ヌクレオチド結合部位(CNB)、及びポリグ
ルタミン伸長部(Q)を含む長C末端テールを有するmBCNG−1の予想構造
(Santoro et al.,1997)。3つの他のマウス及び2つのヒ
トBCNG遺伝子の部分cDNAクローンによってコードされる予想配列が、仮
のmBCNG−1への並置に示されている。両側に矢印が付いた配列上の線は、
断片が、cDNA(λgt10又はpJG4−5)、RT−PCR反応、又はE
STデータベースから得られたかどうかを示している。両側に矢印が付いた配列
の下の破線は、ここで使用したプローブの位置を示している(実験の詳細の部の
例1−5参照)。mBCNG−4の5‘領域中のハッチングされたボックスは、
M28−ESTクローン中のイントロン候補の位置を示す。)。
【図12】 マウスとヒトのBCNG遺伝子との配列類似性のパーセントを示す図(並置は
、アミノ酸111−419(番号は、mBCNG−1に従っている、図8参照)
に対応し、膜貫通ドメインS1−S6を含むタンパク質のコア領域のみを比較す
ることによって行った。mBCNG−4配列は、この並置には含まれていなかっ
た。しかしながら、入手可能なmBCNG−4の環状ヌクレオチド結合ドメイン
配列内部(mBCNG−1に従って、aa529−592と番号を付した、図8
参照)に限定した並置では、mBCNG−1に対して79%の類似性を示してい
る。)
【図13】 マウスとヒトのBCNGタンパク質の並置、4つのマウス(mBCNG−1、
2、3、及び4)に対する予想アミノ酸配列と2つのヒト遺伝子(hBCNG−
1及び2)を仮に並置した図(タンパク質の推定構造特性(膜貫通領域候補、ポ
ア領域、及び環状ヌクレオチド結合部位)が示されている(図5も参照)。(−
)は、mBCNG−1と同一の残基を示す。他には、多様な残基が、報告されて
いる。(.)は、並置された配列中のギャップ(又は欠失)を示している。配列
の末端の()は、停止コドンを示している。327位の上の()は、mBC
NG−1のN−グリコシル化部位をマークしている。矢印は、BCNG−1及び
BCNG−2中に存在する単一のコンセンサスPKAリン酸化部位をマークして
いる)。
【図14】 マウスとヒトのBCNGタンパク質の並置、4つのマウス(mBCNG−1、
2、3、及び4)に対する予想アミノ酸配列と2つのヒト遺伝子(hBCNG−
1及び2)を仮に並置した図(タンパク質の推定構造特性(膜貫通領域候補、ポ
ア領域、及び環状ヌクレオチド結合部位)が示されている(図5も参照)。(−
)は、mBCNG−1と同一の残基を示す。他には、多様な残基が、報告されて
いる。(.)は、並置された配列中のギャップ(又は欠失)を示している。配列
の末端の()は、停止コドンを示している。327位の上の()は、mBC
NG−1のN−グリコシル化部位をマークしている。矢印は、BCNG−1及び
BCNG−2中に存在する単一のコンセンサスPKAリン酸化部位をマークして
いる)。
【図15】 マウスBCNG遺伝子発現のノーザンブロット分析(以下の各マウス組織:心
臓(He)、脳(Br)、脾臓(Sp)、肺(Lu)、肝臓(Li)、骨格筋(
M)、腎臓(K)、及び精巣(T)から得たポリARNA2μgを含有する複
数組織ノーザンブロットを表記のBCNG遺伝子に対応するDNA断片にハイブ
リダイズさせた。分子サイズマーカーは、左側に示されている。)。
【図16】 ヒトBCNG遺伝子発現のノーザンブロット分析を示す図(以下の各組織:心
臓(He)、脳(Br)、胎盤(Pl)、肺(Lu)、肝臓(Li)、骨格筋(
Mう)、腎臓(K)、及び膵臓(Pa)から得たポリARNA2mgを含有す
る複数ヒト組織ノーザンブロットを表記のBCNG遺伝子に対応するDNA断片
にハイブリダイズさせた(図10A−B);以下の各組織:扁桃体(Am)、尾
状核(Cn)、脳梁(CC)、海馬(Hi)、全脳(Br)、黒質(SN)、視
床下核(Sn)、及び視床(Th)から得たポリARNA2μgを含有する複
数のヒト脳組織ブロットをプローブするために、同じ断片を使用した。分子サイ
ズマーカーは、左側に示されている。)。
【図17】 ボルテージゲーティッドK+チャンネルと環状ヌクレオチドゲーティッドチャ
ンネルとの相同性に基くBCNGチャンネルタンパク質の一般構造を示す図。
【図18】 典型的なボルテージゲーティッドKチャンネルシェーカー及び環状ヌクレオ
チドゲーティッドチャンネルbRET1のS4電圧感受領域とmBCNG−1の
S4配列(配列番号2)を並置した図(四角に囲ってある残基は、一以上のS4
配列中に存在する正に帯電したアミノ酸である。星印は、bRET1配列中に存
在する負に帯電した酸性側鎖を有するアミノ酸の位置を示している。)。
【図19】 カタボライトアクチベーティングタンパク質(CAP、Aiba et al
.,1982;Cossart & Gicquel、1982)の機能的環状
ヌクレオチド結合部位、組換えウシR1αのA及びB部位(PKAa及びPKA
b、Titani et al.,1984)、ウシ網膜チャンネルαサブユニ
ット(bRET1、Kaupp、et al.,1989)、及びナマズの嗅覚
αサブユニット(fOLF1、Goulding et al.,1992)の
機能的環状ヌクレオチド結合部位の配列とショウジョウバエのEther−a−
gogo(dEAG、Warmke et al.,1991)、シロイヌナズ
ナのK輸送タンパク質(KAT1、Anderson et al,1992)
、及びmBCNG−1(配列番号2)(本明細書に記載されている)の推定環状
ヌクレオチド結合部位の配列とを並置した図(その機能的な能力が、明確に確認
されている結合部位の全てを横切って完全に保存された6つの残基が、アスタリ
スクによってマークされている。環状ヌクレオチドとイオン結合を形成している
保存されたアルギニンは、矢印でラベルされたR559によって示されている。
cGMAの結合に対して、cAMPへの活性化の共役に影響を与えることが示さ
れた三番目のαヘリックス(C)中の残基は、矢印を付したD604によって示
されている(bRET1中のcGMP選択的な置換)。
【図20】 結合部位と環状ヌクレオチドとの不可欠な相互作用を示しているbRET1の
環状ヌクレオチド結合部位を示した図(結合ポケットの該モデルは、CAPとウ
シR1αの結晶構造に基づいている。cGMPが、伸長又はアンチ型で、アルギ
ニン559(bRET1のナンバリング)及び該cGMP選択的チャンネル中の
D604と好ましい接触を形成しているプリン環とイオン結合を作っている環状
化ホスフェートと結合している様子が示されている。)。
【図21】 典型的なボルテージゲーティッドKチャンネルシェーカー及び環状ヌクレオ
チドゲーティッドチャンネルbRET1のPループポア形成領域とmBCNG1
のS4配列を並置した図(並置されたチャンネルは、mBCNG−1(配列番号
2)、シェーカー(SHAK、Papazian et al.,1987;K
amb et al.,1988,SHAW Wei, et al.,199
0)、カルシウム活性化Kチャンネル(MSLO、Pallanck及びGan
etzky、1994)、植物内向き整流物質(inward rectifi
er)(AKT Sentenac et al.,1992)、ショウジョウ
バエとマウスのether−a−gogo(DEAG,Warmke et a
l.,1991;MEAG,Warmke and Ganetzky、199
4)、ヒトether−a−gogo関連遺伝子(HERG、Warmke a
nd Ganetzky、1994)、ウシ網膜αサブユニット(bRET1、
Kaupp et al.,1989)、及びヒト網膜βサブユニット(HRE
T−2、Chen et al.,1993)である。矢印は、BCNGチャン
ネルが、K選択的チャンネルに通常みられるモチーフの配列中の顕著で、潜在的
に重要な変化を示している位置をマークしている。
【図22】 ペースメーカーニューロンの反復的な発火、及びそれがリズムのある発火パタ
ーンの生成及び調節に関わっていることを示す図(図15A;活動電位後の過分
極中のIh活性化とを示している。これは、非選択的な陽イオン電流なので、こ
れらの電圧では、内向き電流を運び、次の活動電位の発火に対する閾値まで、細
胞の脱分極をもたらす:図15B;洞房結節−心臓のペースメーカー領域の心筋
細胞の活性に対する交感及び迷走刺激の作用を示している。ノルエピネフリン(
NE)は、Ihの活性化をより脱分極された電位の方にシフトさせる。該シフト
は、活性電位の発火閾値への復帰を加速する。このため、発火速度の活性化がも
たらされる。対照的に、アセチルコリン(ACh)は、Ihの活性化をより過分
極された電位にシフトさせる。このため、電流は、再分極フェーズの間に、遅れ
て通電し、閾値への復帰を遅延させる−細胞の発火速度は、このため遅れるであ
ろう。Ihの活性化特性におけるこれらの変化は、AChコリンがその濃度を低
下させ、NEがその濃度を増加させるcAMP濃度の変化によるものであると考
えられており、cAMP濃度の変化は、Ihの活性化特性を変化させることが示
されている(「Principles of Neurla Science」
by Kandel、Schwartz、and Jessell 1991)
【図23】 mBCNG−1発現が、ネイティブの神経ペースメーカー電流に似た過分極−
活性化された電流を生じることを示す図(−40mVの固定電圧から−60〜―
130mVの範囲の5mVずつ増加する電位への3sの過分極によって発生した
電流(図16A);過分極ステップの最後の定常電流とパッチ電圧との関係を示す
図(図16B);様々な試験電圧への過分極後の−40mVへの復帰時に記録さ
れた尾電流。尾電流を強調するために拡大された時間軸に対して示された記録(
図16C);過分極ステップ時の尾電流の大きさと電圧との平均的な関係。各パ
ッチに対して、尾電流データが、ボルツマンの方程式へのフィッティングから得
られた最大尾電流の大きさに対して標準化されている(例4、実験の詳細の部参
照)。次に、5つのパッチに対して、標準化された尾電流を平均した。平均V1
/2=−100.0mV、傾き=5.8mV(図16D))。
【図24】 mBCNG−1発現が、ネイティブの神経ペースメーカー電流に似た過分極−
活性化された電流を生じることを示す図(mBCNG−1電流の活性化の経時変 化。5kHZでデータを採取し、初期のラグを考慮して、−105〜ー130m
Vの電圧段階中の電流を単指数関数によってフィッティングした(滑らかな線)
活性化と電圧の平均時定数との関係。上記の実験では、細胞外溶液は、KCl/
NaCl/CaCl2(例4、実験操作参照))であり、細胞内溶液は、KCl /NaCl−EGTAであった)。
【図25】 mBCNG−1が、ナトリウムよりもカリウムに対して弱い選択性を示す陽イ
オンチャンネルであることを示す図(mBCNG−1電流を活性化するために−
130mVまで0.3秒のステップを与えた後に、様々な試験電位への脱分極ス
テップ時に得られた尾電流。試験電位は、5mVの増加で、−60mV〜+20
mVの範囲であった(交流電流のトレースの隣に示されている)。細胞外溶液は
、NaCl−EGTAであったのに対して、細胞内溶液は、KCl−EGTAで
あった(図17A)。槽内を低Cl、Kアスパラギン酸−EGTA溶液にスイッ
チした後に、逆電位(reversal potential)を測定するために
、類似の尾電流プロトコールを使用した(図17B)。)。
【図26】 mBCNG−1が、ナトリウムよりもカリウムに対して弱い選択性を示す陽
イオンチャンネルであることを示す図(尾期間中の膜電圧の関数としての尾電流
の大きさ。白抜きの記号は、槽中のKCl−EGTA溶液を用いて決定された電
流の大きさを表している(○、初期の測定、Erev=−32.8±2.5、n
=3;□、Kアスパラギン酸−EGTA溶液の洗浄除去後、Erev=−31.
2±1.6、n=3)。黒丸は、Kアスパラギン酸溶液の存在下でなされた測定
を表している(Erev=−28.2±1.6、n=4)。3つのパネル全てで、
ゼロ電流レベルが、水平破線によって示されている)。
【図27】 ネイティブのペースメーカーチャンネルと同様に外部CsによってmBCNG
−1チャンネルはブロックされるが、外部Baによってはブロックされないこと
を示す図(アイトサイド−アウトパッチからのmBCNG−1電流記録。図18
A〜Bでは、固定電離(−40mV)での電流と130mVへの過分極に応答した
電流とは、重なっている。アイトサイド−アウトパッチからのmBCNG−1電
流記録。固定電離(−40mV)での電流とー130mVへのステップに応答した
電流とは重なっている。細胞外表面が、KCl/NaCl−CaCl2溶液(対 照又は2mM CsClで等張的にNaClを置換した溶液、又は1mM Ba
Cl2でCaCl2を置換した溶液に晒されたときには、順次の記録を得た。細
胞内溶液は、KCl/NaCl−EGTAであった。)
【図28】 CsによるmBCNG−1電流の阻害に対する用量応答関係を示す図(データ は、6つのパッチからの平均である(各濃度において全て測定したわけではない
)。実線は、ヒルの方程式(I/Imax=1/{1+(IC50/[Cs]) }、ここで[Cs]は、Cs濃度であり、IC50は、Csの半最大阻害濃度
であり、nは、ヒル係数であり、Iは、Csの存在下での電流であり、Imax
は、阻害されていない電流である)へのフィッティングを示している。)フィッテ
ィングにより、201μMのIC50と1.08のヒル係数を得る。)。
【図29】 mBCNG−1チャンネルが、細胞質のcAMPによって直接調節されること
を示す図(細胞内溶液中に1μMのcAMPが存在していない、又は存在してい
る下での、−100mVへの過分極に応答したインサイドアウトパッチからのm
BCNG−1電流記録(KCl−EGTA)。細胞外溶液は、KCl−CaCl
2であった(図19A)。30μMのcAMPの非存在及び存在下での別のパッ
チからの記録(Aと同じ溶液)。
【図30】 mBCNG−1チャンネルが、細胞質のcAMPによって直接調節されること
を示す図((左側のパネル)図Aに示されたパッチに対する1μMのcAMPの
非存在及び存在下での尾電流活性化曲線。図1Dに記載されているように、デー
タを分析し、プロットした。以下のパラメーター:0μM cAMP:V1/2 =−100mV、傾き=5.4mV、及びItail、max=−33.8pA
;1μM cAMP:V1/2=−98mV、傾き=5.3、及びItail、 max =−33.7pAを用いたボルツマンの関係によるカーブフィッティング
。(右側のパネル)cAMPの非存在(白塗り丸)及び存在(白抜き丸)下での、
パッチに対する平均尾電流活性化曲線。データは、5パッチからの平均。cAM
P、V1/2=−98.3mV、傾き=6mVに対して、cAMP濃度は、1〜
3000μMの範囲。)。
【図31】 mBCNG−2が、心臓の洞房結節に発現されていることを示す図(ウサギの
心臓の心室、心房、心房結節からのポリA+RNA試料は、mBCNG−2又は
3転写物の存在について、RT−PCRによってテストした。レーン:1)分子
量マーカー;2)逆転写酵素の非存在下で実施した反応;3)心室RNA;4)
心房RNA;5)洞房結節のRNA);6)mBCNG−1 cDNAを含有す
るプラスミド上でのPCR反応;7)mBCNG−2 cDNAを含有するプラ
スミド上でのPCR反応;8)mBCNG−3 cDNAを含有するプラスミド
上でのPCR反応。分子サイズマーカーは、左側に示されている。右側の矢印は
、予想される340bpの増幅産物を示している(図20A)。mBCNG−2
に対するプローブを用いた、Aに示されたゲルのサザンブロット分析(図20B
)。mBCNG−3に対するプローブを用いたAのゲルのサザンブロット分析(
図20C)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61P 9/00 4C076 A61P 9/00 25/08 4C084 25/08 25/16 4H045 25/16 25/28 25/28 C07K 14/47 C07K 14/47 16/18 16/18 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12Q 1/02 5/10 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/53 M 33/50 33/566 33/53 C12P 21/02 C 33/566 21/08 // C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA 21/08 5/00 B A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),AU,CA,J P,MX (72)発明者 カンデル、エリック・アール アメリカ合衆国、ニューヨーク州 10471 リバーデイル、シグマ・プレイス・ナン バー9 (72)発明者 サントロ、ビーナ イタリア国、アイ−00186 ローマ、ビ ア・デル・コルソ 12 (72)発明者 バーチ、デュサン アメリカ合衆国、ニューヨーク州 10027 ニューヨーク、リバーサイド・ドライブ 560、アパートメント・ナンバー17ディ ー (72)発明者 シーゲルバウム、スティーブン アメリカ合衆国、ニューヨーク州 10025 ニューヨーク、ウエスト・ワンハンドレ ッドサーティーンス・ストリート 605 (72)発明者 ティブス、ギャレス アメリカ合衆国、ニューヨーク州 10025 ニューヨーク、ウエスト・ワンハンドレ ッドフィフティーンス・ストリート 601、 アパートメント・ナンバー102エー (72)発明者 グラント、セス イギリス国、イーエイチ9−2エヌダブリ ュ、エジンバラ、ファインドホーン・プレ イス 58、フラット1エフ2 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 AA40 CB01 DA12 DA13 DA14 DA36 DA77 FA36 FB01 FB02 FB03 FB07 FB08 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 DA02 EA04 GA11 GA18 HA01 HA12 HA15 4B063 QA01 QA18 QQ20 QQ42 QQ79 QR56 QR62 QR77 QR80 QS25 QS34 QX04 QX07 4B064 AG01 AG27 CA02 CA05 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA57X AA90X AA93Y AB01 AC14 BA02 BA25 CA24 CA44 CA46 4C076 AA12 AA13 AA24 AA36 AA42 AA53 BB01 BB22 CC01 CC11 CC15 CC16 CC17 DD27 DD41 DD67 EE38 EE42 EE53 EE55 EE58 FF04 FF15 FF16 FF21 4C084 AA17 MA13 MA17 NA14 ZA022 ZA062 ZA152 ZA162 ZA362 4H045 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA76 DA86 EA20 EA21 EA50 FA74

Claims (62)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 BCNGタンパク質又はその一部をコードする単離された核
    酸。
  2. 【請求項2】 BCNG関連タンパク質又はその一部をコードする単離され
    た核酸。
  3. 【請求項3】 前記BCNGタンパク質が、mBCNG−1(ATCC受付
    番号209781)(配列番号1)、mBCNG−2(配列番号5)、mBCN
    G−3(配列番号9)、mBCNG−4(配列番号11)、hBCNG−1(A
    TCC受付番号209827)(配列番号3)、又はhBCNG−2(配列番号
    7)に示された配列によってコードされる請求項1の核酸。
  4. 【請求項4】 前記核酸が、DNA又はRNAである請求項1又は2の核酸
  5. 【請求項5】 前記核酸がcDNAである請求項1又は2の核酸。
  6. 【請求項6】 前記cDNAが、mBCNG−1(ATCC受付番号209
    781号)に対する配列番号1、hBCNG−1に対する配列番号3、mBCN
    G−2に対する配列番号5、hBCNG−2に対する配列番号7、mBCNG−
    3に対する配列番号9、又はmBCNG−4に対する配列番号11に示されたヌ
    クレオチド配列を有する請求項5の核酸。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2の核酸を含むベクター。
  8. 【請求項8】 前記ベクターがウイルス又はプラスミドDNAを含む請求項
    7のベクター。
  9. 【請求項9】 請求項1又は2の核酸と調節要素を含む発現ベクター。
  10. 【請求項10】 適切な宿主中に請求項9の発現ベクターを含む宿主ベクタ
    ー系。
  11. 【請求項11】 mBCNG−1(ATCC受付番号209781)をコー
    ドするcDNAを含むベクター。
  12. 【請求項12】 hBCNG−1(ATCC受付番号209827)をコー
    ドするcDNAを含むベクター。
  13. 【請求項13】 前記適切な宿主が、細菌細胞、真核細胞、哺乳類細胞、又
    は昆虫細胞である請求項10の宿主ベクター系。
  14. 【請求項14】 単離されたBCNGタンパク質。
  15. 【請求項15】 単離されたBCNG関連タンパク質。
  16. 【請求項16】 前記BCNGタンパク質が、mBCNG−1に対する配列
    番号2(図8A)、mBCNG−2に対する配列番号6(図8A)、mBCNG
    −3に対する配列番号10(図8A)、mBCNG−4に対する配列番号12(
    図8A)、hBCNG−1に対する配列番号4(図8A)、hBCNG−2に対
    する配列番号8(図8A)又はその一部と実質的に同一のアミノ酸配列を有する
    請求項14のタンパク質。
  17. 【請求項17】 前記BCNG関連タンパク質が、mBCNG−1配列番号
    2(図8A)、mBCNG−2に対する配列番号6(図8A)、mBCNG−3
    に対する配列番号10(図8A)、mBCNG−4に対する配列番号12(図8
    A)、hBCNG−1に対する配列番号4(図8A)、hBCNG−2に対する
    配列番号8(図8A)又はその一部と実質的に同一のアミノ酸配列を有する請求
    項14のタンパク質。
  18. 【請求項18】 BCNGタンパク質若しくはBCNG関連タンパク質、又
    はその一部をコードする核酸と担体を含む組成物。
  19. 【請求項19】 前記核酸が、mBCNG−1に対する配列番号1、hBC
    NG−1に対する配列番号3、mBCNG−2に対する配列番号5、hBCNG
    −2に対する配列番号7、mBCNG−3に対する配列番号9、mBCNG−4
    に対する配列番号11に示されたコード配列又はその一部と実質的に同じコード
    配列を含む請求項18の組成物。
  20. 【請求項20】 BCNGタンパク質若しくはBCNG関連タンパク質、又
    はその一部と担体を含む組成物。
  21. 【請求項21】 前記BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質が、
    配列番号2mBCNG−1(図8A)、mBCNG−2に対する配列番号6(図
    8A)、mBCNG−3に対する配列番号10(図8A)、mBCNG−4に対
    する配列番号12(図8A)、hBCNG−1に対する配列番号4(図8A)、
    hBCNG−2に対する配列番号8(図8A)に示されたアミノ酸配列又はその
    一部と実質的に同一のアミノ酸配列を含む請求項20の組成物。
  22. 【請求項22】 BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質をコード
    する核酸と特異的にハイブリダイズし得る核酸プローブ。
  23. 【請求項23】 請求項1の核酸と特異的にハイブリダイズできる核酸プロ
    ーブ。
  24. 【請求項24】 前記プローブが、以下の配列番号13、配列番号14、配
    列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列
    番号20、配列番号21、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番
    号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号
    29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号3
    4、配列番号35、配列番号36から選択された配列を含む請求項22の核酸プ
    ローブ。
  25. 【請求項25】 BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質をコード
    する試料中の核酸を同定する方法であって、 (a)試料中で核酸プローブとBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク
    質をコードする核酸との間で複合体を形成させることが可能な条件下で、BCN
    Gタンパク質又はBCNG関連タンパク質をコードする核酸と特異的にハイブリ
    ダイズできる核酸プローブと前記試料を接触させる工程と; (b)工程(a)で形成された複合体の量を決定する工程と; (c)任意の配列を用いて形成された複合体の量と工程(b)で決定された複
    合体の量を比較する工程と を備え、BCNG特異的なプローブによって形成された複合体の量のほうが多い
    ことが、前記試料中にBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質をコード
    する核酸が存在することの指標となる方法。
  26. 【請求項26】 工程(a)が、さらに、BCNGタンパク質又はBCNG
    関連タンパク質をコードする核酸分子を増幅することを含む請求項25の方法。
  27. 【請求項27】 前記増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応に適した条件下で、前
    記試料からの前記核酸分子を、mBCNG−1(配列番号1)、mBCNG−2
    (配列番号5)、mBCNG−3(配列番号9)、mBCNG−4(配列番号1
    1)、hBCNG−1(配列番号3)、又はhBCNG−2(配列番号7)と特
    異的にハイブリダイズできる少なくとも1つの増幅プライマーに接触させること
    を含む請求項26の方法。
  28. 【請求項28】 前記BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質をコ
    ードする前記増幅された核酸分子が、サイズ分画によって検出される請求項26
    の方法。
  29. 【請求項29】 さらに、サイズ分画によって複合体を単離することを含む
    請求項25の方法。
  30. 【請求項30】 前記核酸プローブは、検出可能なマーカーでラベルされる
    請求項25の方法。
  31. 【請求項31】 前記検出可能なマーカーが、放射能ラベルされた分子、蛍
    光分子、酵素、リガンド、磁気ビーズである請求項30の方法。
  32. 【請求項32】 前記プローブが、以下の配列番号13、配列番号14、配
    列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列
    番号20、配列番号21、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番
    号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号
    29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、又は配列番
    号34、配列番号35、配列番号36から選択された配列を含む請求項25の方
    法。
  33. 【請求項33】 前記核酸プローブが、mBCNG−1(配列番号1)、m
    BCNG−2(配列番号5)、mBCNG−3(配列番号9)、mBCNG−4
    (配列番号11)、hBCNG−1(配列番号3)、又はhBCNG−2(配列
    番号7)と特異的にハイブリダイズできる請求項25の方法。
  34. 【請求項34】 請求項25の方法によって同定された以前には未知であっ
    た単離された核酸。
  35. 【請求項35】 ある化合物が、BCNGタンパク質又はBCNG関連タン
    パク質の発現に影響を与えるかどうかをテストする方法であって、 (a)BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質を発現する試料を化合
    物と接触させる工程と; (b)前記試料中のBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質の発現量
    を決定する工程と; (c)工程(b)で決定されたBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク
    質の発現量を前記化合物の非存在下で決定された量と比較する工程と を備えた方法。
  36. 【請求項36】 BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質と相互作
    用できる化合物を同定する方法であって、 (a)前記化合物とBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質をコード
    する核酸との複合体を形成させることが可能な条件下で、BCNGタンパク質又
    はBCNG関連タンパク質を発現している試料を化合物と接触させる工程と; (b)前記化合物と前記BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質との
    間で形成された複合体の量を決定する工程と; (c)工程(b)で形成された複合体の量を前記化合物の非存在下で形成され
    た量と比較する工程と を備え、前記化合物の存在下で形成された複合体の量のほうが多いことが、BC
    NGタンパク質又はBCNG関連タンパク質と相互作用できる化合物の存在の指
    標となる方法。
  37. 【請求項37】 BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質活性を調
    節できる化合物を同定する方法であって、 (a)BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質を発現している試料を
    化合物と接触させる工程と; (b)前記試料中のBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質の活性量
    を決定する工程と; (c)工程(b)で決定されたBCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク
    質の活性量を前記化合物の非存在下で決定された量と比較する工程と を備え、活性の増加又は減少が、BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク
    質の活性を調節できる化合物の存在の指標となる方法。
  38. 【請求項38】 工程(a)が、まず、BCNGタンパク質又はBCNG関
    連タンパク質をコードする核酸を発現システムに導入して、BCNGタンパク質
    又はBCNG関連タンパク質が産生される条件下で、前記発現システムに前記核
    酸の発現せしめることを備えた請求項37の方法。
  39. 【請求項39】 工程(b)が、化合物の存在下でチャネル電流又は細胞内
    カルシウムレベルを測定することを備えた請求項37の方法。
  40. 【請求項40】 前記発現システムが、培養された宿主細胞を含む請求項3
    8の方法。
  41. 【請求項41】 請求項35、36、又は37の方法によって同定される以
    前は未知であった化合物。
  42. 【請求項42】 前記BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質が、
    、mBCNG−1(配列番号2)、mBCNG−2(配列番号6)、mBCNG
    −3(配列番号10)、mBCNG−4(配列番号12)、hBCNG−1(配
    列番号4)、又はhBCNG−2(配列番号8)又はその一部を含む請求項25
    、35、36、又は37の方法。
  43. 【請求項43】 前記試料が、細胞、細胞溶解物、又は無細胞翻訳を含む請
    求項25、35、36、又は37の方法。
  44. 【請求項44】 前記細胞が、心臓細胞、腎臓細胞、肝細胞、気道上皮細胞
    、筋肉細胞、神経細胞、グリア細胞、ミクログリア細胞、上皮細胞、単核細胞、
    腫瘍細胞、哺乳類細胞、昆虫細胞、又はアフリカツメガエルの卵母細胞である請
    求項43の方法。
  45. 【請求項45】 請求項35、36、又は37の方法によって同定された以
    前は未知であった化合物。
  46. 【請求項46】 前記化合物が、ペプチド、ペプチド模倣物、核酸、ポリマ
    ー、又は小分子である請求項35、36、又は37の方法。
  47. 【請求項47】 前記化合物が、固相支持体に結合されている請求項35、
    36、又は37の方法。
  48. 【請求項48】 前記BCNGタンパク質又はBCNG関連タンパク質が、
    イオンチャネルタンパク質又はイオンチャネルサブユニットタンパク質である請
    求項25、35、36、又は37の方法。
  49. 【請求項49】 前記化合物が、イオンチャネル活性のアゴニスト又はアン
    タゴニストである請求項35、36、又は37の方法。
  50. 【請求項50】 前記調節が、増加したイオンのフロー速度又は減少したイ
    オンのフロー速度である請求項37の方法。
  51. 【請求項51】 前記調節が、増加したイオンの許容性又は減少したイオン
    の許容性である請求項37の方法。
  52. 【請求項52】 試料中のBCNG又はBCNG関連タンパク質活性を調節
    する方法であって、前記試料を請求項41の化合物と接触させる方法。
  53. 【請求項53】 患者の症状を治療する方法であって、前記患者に、前記症
    状を治療するのに有効な、ある量の請求項41の化合物を投与することを備えた
    方法。
  54. 【請求項54】 請求項41の化合物と薬学的許容される担体とを備えた薬
    学的組成物。
  55. 【請求項55】 前記担体が、賦形剤、エアロゾル、局所担体、水溶液、非
    水溶液、又は固相担体である請求項54の薬学的組成物。
  56. 【請求項56】 患者の症状を治療する方法であって、前記患者の前記症状
    を治療するのに有効な、ある量の提供された薬学的組成物を前記患者に投与する
    ことを備えた方法。
  57. 【請求項57】 前記症状が、神経、腎臓、肺、肝臓、又は心血管症状であ
    る請求項53又は56の方法。
  58. 【請求項58】 前記症状が、てんかん、アルツハイマー病、パーキンソン
    病、長QT症候群、洞不全症候群、加齢に伴う記憶喪失、嚢胞性繊維症、突然死
    症候群、又はペースメーカーリズム機能不全である請求項57の方法。
  59. 【請求項59】 前記患者がヒトである請求項53又は56の方法。
  60. 【請求項60】 請求項14又は15のタンパク質に特異的に結合する抗体
  61. 【請求項61】 請求項60の抗体を産生することができる細胞。
  62. 【請求項62】 試料中の請求項14又は請求項15のタンパク質を同定す
    る方法であって、 a)請求項58の抗体と前記タンパク質との複合体を形成することが可能な条
    件下で、前記試料を前記抗体と接触させる工程と; b)形成された複合体の前記量を決定する工程と; c)工程(b)で形成された複合体の量と前記抗体の非存在下で形成された複
    合体の量を比較する工程とを備え、 前記抗体の存在下で形成された複合体の量が増加して存在することが、前記試
    料中に前記タンパク質を同定したことの指標となる方法。
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