JP2003532867A - より少ない副作用を有するヌクレオチド合成阻害剤の検出方法 - Google Patents

より少ない副作用を有するヌクレオチド合成阻害剤の検出方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヌクレオチド合成阻害剤をヒトの状態に適合する哺乳動物に有効量で投与し、該哺乳動物の血液中のヌクレオチド合成阻害剤濃度を測定し、該ヌクレオチド合成阻害剤の半減期がN−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−クロトン酸アミドの半減期よりも短いかどうかを確認することによる、改善された治療ウインドウを有するヌクレオチド合成阻害剤の検出方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、より少ない副作用を示すヌクレオチド合成阻害剤の検出方法に関す
る。 新しい医薬の根本的な問題は、許容性と効力との関係にある。有効量と副作用
を示す量との間隔(=治療ウインドウ)が大きいほど、この種の物質の使用には
危険がなく、この物質は患者に対する許容性がより良好である。
【0002】 プリンおよびピリミジン合成阻害剤を含む細胞増殖抑止剤は、これまでの経験
によれば、それらの主要な効果(細胞増殖の抑制)によって副作用も誘発するの
で、比較的に狭い治療ウインドウを有する。この性質が腫瘍学的適応症における
使用の妨げとなることは、免疫学的に限定された疾患の治療におけるよりも少な
い。従って、この種の活性物質の使用は、免疫学的疾患においては著しく制限さ
れる。
【0003】 プリンまたはピリミジン合成を阻害する化合物は、ヌクレオチド合成阻害剤と
呼ばれており(Burkhardt および Kalden;Rheumat. Int. (1997); 17:85-90)
、これらは例えばN−(4−トリフルオロメチルフェニル)−5−メチルイソキサ
ゾール−4−カルボキサミド、N−(トリフルオロメチルフェニル)−2−シアノ
−3−ヒドロキシクロトン酸アミド、2−シアノ−3−シクロプロピル−3−ヒ
ドロキシ−アクリル酸(4−シアノフェニル)−アミドまたはN−(トリフルオロ
メチルフェニル)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−ヘプタ−2−エン−6−イン
−カルボン酸アミドのような化合物、ブレキナル(Brequinar)(6−フルオロ−
2−(2′−フルオロ[1,1′ビフェニル]−4−イル)−3−メチル−4−キノリ
ンカルボン酸)、ミコフェノラートモフェチル(Mycophenolatmofetil)((E)−6
−(1,3−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−6−メトキシ−7−メチル−3−オキソイ
ソベンゾフラン−5−イル)−4−メチル−4−ヘキサノエート)、メトキシト
レキセート(Methotrexat)(CAS-No. 59-05-02)またはミゾリビン(Mizoribine)
(CAS-No. 50924-49-7)である。
【0004】 ヌクレオチド合成阻害剤は、慢性関節リウマチまたは尋常性天疱瘡のような免
疫学的に限定された疾患の処置に適している。 公知のヌクレオチド合成阻害剤の欠点は、胃腸管、骨髄、毛髪その他に対する
副作用である。これらの関係で、新規な医薬の臨床的開発においては極めて遅く
なってから初めて、少ない副作用が見出され、このことは多くの場合に開発の中
断をもたらす。
【0005】 本発明の目的は、ヌクレオチド合成阻害剤が、生体内でその細胞内に存在する
標的にほんの短期間で到達し、そこでヌクレオチド合成をもはや阻害しない濃度
まで短時間以内に再び低下することによって、免疫学的疾患の処置におけるヌク
レオチド合成阻害剤の副作用を強く減少できるという観察を利用することである
。この手段により、免疫系に対する望ましい効果を余儀なく損失することなしに
、ヌクレオチド合成阻害剤の副作用を強く減少させることが可能である。
【0006】 この知見を用いると、免疫学的に限定された疾患の処置において、極めて低い
副作用率で極めて良好な効力を示すヌクレオチド合成阻害剤を短時間以内に開発
することが可能である。
【0007】 本発明の課題は、医薬の研究において物質の早期開発段階で既に、免疫学的適
応症におけるこれらの物質の予期すべき治療ウインドウを、技術的に容易に測定
可能な特性に基づいて正しく確認できることである。 この課題は、ヒトにおける薬物動態学的状態または臨床開発のフェーズIのヒ
トにおける薬物動態学的状態に適合する哺乳動物の血液中のヌクレオチド合成阻
害剤の半減期を測定し、この半減期を公知のヌクレオチド合成阻害剤の半減期と
比較することによって解決される。
【0008】 従って、本発明は、 a)ヌクレオチド合成阻害剤をヒトの状態に適合する哺乳動物に有効量で投与
し、 b)該哺乳動物の血液中のヌクレオチド合成阻害剤濃度を測定し、 c)該ヌクレオチド合成阻害剤がN−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2
−シアノ−3−ヒドロキシクロトン酸アミドの半減期よりも短い半減期を示すか
どうかを確認することを特徴とする、より少ない副作用を示すヌクレオチド合成
阻害剤の検出方法に関する。
【0009】 ヌクレオチド合成阻害剤は、インビトロでプリンまたはピリミジン合成を阻害
する化合物である。「半減期」という用語は、血漿中のヌクレオチド合成阻害剤
濃度が半分になる時間を意味する。
【0010】 薬物動態学的比較研究に適する哺乳動物は、例えばマウス、ラット、ウサギ、
イヌ、サルまたはブタである。ヒトにおける半減期を測定することが好ましい。
半減期は、使用する動物およびヌクレオチド合成阻害剤に応じて著しく異なる。
N−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2−シアノ−3−ヒドロキシクロトン
酸アミドの半減期は、例えばラットでは約4〜8時間であり、ヒトでは350時
間以下である。150時間未満、好ましくは40時間未満のヒト血漿中の半減期
を示すヌクレオチド合成阻害剤が好ましい。
【0011】 本発明方法の利点は、ヌクレオチド合成阻害剤の予期すべき治療ウインドウを
、血漿中の半減期の測定によって、医薬開発の極めて早い段階までに速やかに確
認できることである。一方でそうしないと、医薬の用量範囲は、数週間から数年
の治療期間に広範囲の臨床検査によって初めて判明する。従って、医薬物質の開
発を著しく促進することができる。
【0012】 下記の実施例では、免疫系に対するヌクレオチド合成阻害剤の望ましい効果に
関して、より長い半減期を有する物質が、より短い半眼期を有するよりも優れて
いることが証明される。
【0013】実施例1 N−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2−シアノ−3−ヒドロキシクロトン
酸アミド(以下、化合物1)の用量−効果の関係 化合物1の用量−効果関の係を、アジュバント誘導関節炎のモデル(Pearson
C.M. および Wood F.D. の方法; Arth. Rheum. 2:44 (1995) および Taurog J.D
., Argentieri D.C. ら, Meth. Enzymol. 162:339 (1988))において作成した。
足の腫脹、一般化した関節炎症状の形成(スコア指数)、体重増加および動物の
生存を測定した。
【0014】 1%カルボキシメチルセルロース溶液(CMC)中の化合物1を、実験の開始
から第21日に終了するまで経口投与した。コントロールグループには、活性物
質を含まない1%CMCの相当量を与えた。約210gの体重を有する6匹の雄
ルイスラットを各実験グループに用いた。 表1に21日後の結果を示す。負の数値は、それぞれの測定パラメーターの悪
化を示す。
【0015】
【表1】
【0016】 ラットにおけるアジュバント誘導関節炎モデルでは、ヒトにおけるリウマチ性
形態の範囲から生じる自己免疫疾患に相当する自己免疫反応が観察される。 この実験では、化合物1は、ラットにおいて毎日1回2.5mg/kgの用量から
、極めて良好な効果を示すことが証明される。2.5mg/kg未満の用量では、効
果が強く低下する。1mg/kg/日の化合物1では、効果を全く確認することがで
きない。
【0017】実施例2 ラットにおける化合物1の血漿レベル 化合物1を検出するために、選択的HPLC−MS/MS法を用いた。血漿か
らの化合物1の定量測定を下記のように行った: 採取した血漿に内部標準物の溶液を加え、次いで0.1mのNaOH溶液およ
び1mlのジエチルエーテルを加えた。この混合物を激しく振盪し、有機相を捨て
た。水相に0.5NのHCl溶液を加え、アナライトおよび内部標準物を1mlの
ジエチルエーテルで抽出した。有機相を蒸発濃縮し、アセトニトリルおよび水の
1:1混合物に吸収させた。この溶液10μlをHPLC装置に注入した。
【0018】 このHPLC装置は Lichrospher C-18HD カラムを含んでいた。1ml/分の流
速で、アセトニトリル+(酢酸アンモニウム溶液[10モル])67+33の移動
剤の組み合わせを用いてアナライトおよび内部標準物を溶離し、続いて質量分析
法で選択的に検出した(LC−MS/MS分析法)。血漿プローブの分析中に校
正プローブを随伴させた。 異物代謝の同一状況を予知するために、薬力学的実験のように化合物1をアジ
ュバント関節炎動物だけに投与した。関節炎は実施例1と同様に誘導した。動物
の体重は平均210gであり、各グループは6匹の雄ルイスラットからなってい
た。尾先端の切断により血液を採取した。
【0019】 コレスチルアミンによる化合物1の血漿レベルに対する影響を研究した。化合
物1を、アジュバント関節炎に対して薬力学的効果を示す最低用量である2.5m
g/kg/日で投与した。コレスチルアミンとの組み合わせ療法においては、化合
物1の投与後4時間に1000mgのコレスチルアミンを投与した。コントロール
動物には、活性物質を含まない1%CMCを相当する時点で与えた。コレスチル
アミンによる化合物1の薬物動態学に対する影響を、コレスチルアミンと共にま
たはこれなしで、化合物1の1回投与後ならびに慢性投与により研究した。化合
物1の最終投与後2、4、6、8、24および48時間に血液サンプルを採取し
た。
【0020】 表2は、コレスチルアミンと共におよびこれなしで1回投与後の化合物1の薬
物動態学的パラメーターを示し;表3は、コレスチルアミンと共におよびこれな
しで慢性投与後の化合物1の薬物動態学的パラメーターを示す。
【0021】
【表2】
【0022】 「曲線下の範囲」(AUC)という用語は、時間に対して記録した医薬物質の
濃度レベルの下の面積を意味する。AUCは、生体が物質にさらされる程度を反
映する。「慢性投与」という用語は、少なくとも一定の化合物1の血中レベルを
生じさせる時間にわたって、化合物1を投与することを意味する。この一定の血
中レベル(「定常状態」)は、一様な取り込みにより約4〜5半減時間後に得ら
れる。
【0023】
【表3】
【0024】 4時間後にコレスチルアミンを投与したか否かとは無関係に、化合物1の投与
後から最初の4時間の時点までに同一のピーク血中レベルに達することが証明さ
れた。しかしながら、コレスチルアミンの投与により、化合物1の血中レベルは
より遅い時点で強く低下した。 この実験から、コレスチルアミンの投与により、予めブロックされなかった吸
収期の後で、化合物1の血中レベルを明らかに低下させうると結論することがで
きる。曲線下の範囲(AUC)は、1回投与では30%だけ、複数回投与では4
0%だけ減少する。
【0025】実施例3 実施例3では、コレスチルアミンを4時間の時間間隔で投与することにより、
化合物1の最低用量の効果が低下するかどうかを研究した。これをアジュバント
関節炎モデルで研究した。このモデルは実施例1と同様に作成した。化合物1を
、1%カルボキシメチルセルロース中で2.5mg/kg/日の用量で、研究の開始
から終了まで毎日経口投与した。コレスチルアミンは、化合物1の投与後4時間
に1%カルボキシメチルセルロース中で同様に経口投与した。相当するコントロ
ールグループには、化合物1を1%カルボキシメチルセルロース溶液中で同様に
経口投与した。 表4に結果を示す:
【0026】
【表4】
【0027】 実施例3では、免疫系に対する化合物1の望ましい効果が、長時間持続する比
較的に一定した血中レベルのためであるのかどうか、または短期間生じる化合物
1の血中レベル(ピーク血中レベル)がこの効果を規定するのかどうかを研究し
た。
【0028】 このために、化合物1を2.5mg/kg/日の最低有効量で(実施例1参照)毎
日1回経口投与した。相当する比較グループには、生じた吸収期後の化合物1の
血中レベルの低下を促進させるために、化合物1の投与後4時間にコレスチルア
ミンを投与した。これによって、免疫学的に限定された病理学的過程に対する種
々の長さの時間持続する化合物1の血中レベルの効果を、ラットのアジュバント
誘導関節炎モデルで研究した。化合物1の投与後4時間にコレスチルアミンを投
与したか否かとは無関係に、アジュバント誘導関節炎に対する化合物1の効果に
は差異がないことが証明された。
【0029】 化合物1の最低有効量において、投与後4時間の血中レベルの低下は化合物1
の効果の低下を引き起こさないので、この効果はもっぱらピーク血中レベルのた
めであり、化合物1の持続する血中レベルのためではないと結論づけることがで
きる。 実施例2および3により、N−(4−トリフルオロメチルフェニル)−5−メチ
ルシロキサゾール−4−カルボキサミド(Leflunomide)の効果には短期間のピ
ーク血中レベルだけが必要であり、Leflunomide の効力には持続する血中レベル
が寄与しないというヒトの臨床からの観察が確認された。
【0030】実施例4 免疫学的に限定された疾患である尋常性天疱瘡に罹患した患者において、N−
(4−トリフルオロメチルフェニル)−5−メチルシロキサゾール−4−カルボキ
サミド(Leflunomide)を用いた治療では、この自己免疫疾患症状は実際に完全
に消失したが、患者は永続的な下痢に悩まされた。この下痢はクオリティオブラ
イフにマイナスの影響を与える。この副作用の問題に基づいて、1日当たり20
mgのLeflunomideの一定用量を用いた2年以上の治療の後で、この治療をやめて
みた。この場合、Leflunomideの中止後4日に、自己免疫疾患である尋常性天疱
瘡の実質的な再発が観察された。しかしながら、この期間中にLeflunomide治療
の副作用は消失しなかった。
【0031】 この観察は、Leflunomide の活性代謝産物である化合物1がヒトにおいて約1
4日の半減期を有するので、予想外であった。さらにこの患者では、Leflunomid
e の活性代謝産物の血中レベルは、しばしば70mg/L〜85mg/Lの比較的に
高い範囲で測定された。リウマチ様関節炎を患い、Leflunomide で処置された患
者の検査は、32mg/Lを越える化合物1の血中レベルを示した。この観察から
、この患者に存在した比較的にゆっくりと低下する化合物1の血中レベルが実際
に副作用の原因であるが、免疫系に対する望ましい効果の原因ではないと結論す
ることができる。
【0032】 さらに、これらの観察は、免疫系に対する Leflunomide の望ましい効果が、
吸収後の化合物1および/または Leflunomide の短時間の比較的に低い局所的
なピーク濃度によって引き起こされ、化合物1の高い一定の血中レベルによって
引き起こされるのではないことを示す。
【0033】 これらの観察から、良好に許容されるヌクレオチド合成阻害剤は、ほんの短時
間でその作用部位に到達すべきであり、従って著しい副作用を生じることなく、
この阻害剤がその作用部位で免疫系に対してその望ましい効果を発揮できること
が明らかである。驚くべきことに、より長く作用部位に滞留すると、免疫系に対
する効力の上昇には寄与せず、望ましくない副作用の増加をもたらす。 この効果は、Leflunomide および/または化合物1のようなヌクレオチド合成
の阻害剤であり、生体内で作用部位の短い滞留期間(半減期)を示す物質を用い
て得ることができる。
【0034】実施例5 実施例5は、パルス様に生じる化合物1の血中レベルと比較した、化合物1の
一定の血中レベルの許容性を示す。一定の血中レベルを得るために、試験動物に
ミニ注入ポンプを皮下インプラントした。このミニ注入ポンプに化合物1の15
%エタノール溶液2mlを入れ、28日間にわたり連続的に送出した。2.5、5
、10および25mg/kg/日の用量を用いた。比較のために、同じ日量の化合物
1を経口投与で与えた動物に、ベヒクル(水中の15%エタノール)だけを充填
したミニ注入ポンプをインプラントした。化合物1をミニ注入ポンプで与えた動
物には、さらに1%カルボキシメチルセルロース溶液を経口投与した。ランニン
グパラメーターとしては、動物の生存を採用した。さらに第5日および第27日
に、化合物1の血中レベルを測定するために採血した。化合物1を経口投与した
動物からは、投与後4時間に採血した。グループの大きさは6匹の動物であり、
体重が約210gの雄ルイスラットを用いた。前に行った実験と同様に、第5日
に動物にアジュバント関節炎を誘導した。 表5に結果を示す。
【0035】
【表5】
【0036】 実施例5は、化合物1の一定の血中レベルが短期間生じる高い血中レベルより
も許容性が低いことを示す。 化合物1の一定の血中レベルを得るために、動物にミニ注入ポンプを皮下イン
プラントし、このポンプで動物に化合物1を28日間にわたり連続的に供給した
。これによって、化合物1の一定の血中レベルが得られ、従ってヒトにおいて観
察されるような化合物1の長い半減期をシミュレートした。 比較グループとしては、同じ日量の化合物1で処置したが、この物質をミニ注
入ポンプによるのではなくて経口投与した動物を用いた。経口投与した化合物1
は、実施例2で測定されたように、約4〜8時間の短い半減期を示した。
【0037】 この実験では、より短い半減期を有する化合物1の許容性(経口投与した化合
物1)を、より長い半減期を有する化合物1の許容性(ポンプにより一定の無限
半減期で投与した化合物1)と比較した。2.5mg/kg/日、5mg/kg/日、1
0mg/kg/日および25mg/kg/日の用量を用いた。許容性の尺度としては、処
置で生き残った動物の数を採用した。さらに、許容性を観察された血中レベルに
関して比較した。
【0038】 ミニ注入ポンプで25mg/kg/日の化合物1を与えた動物では、93%の動物
が死んだ。これに対して、25mg/kg/日の用量を経口投与した動物は全て生き
残った。この実験は、化合物1の一定の血中レベルが、同じ日量の物質負荷にお
いて、短期間生じて再び低下する化合物1の血中レベルよりも本質的に劣った許
容性を有することを示す。
【0039】 ミニ注入ポンプによる動物の血中レベルは、実験開始後の第5日および終了時
でほぼ等しかった。注入ポンプによる動物は、設定された用量に応じて2.34
μg/ml、4.18μg/mlおよび6.72μg/mlの化合物1の血漿値を示した。
25mg/kgの用量グループでは動物の状態が劣っていたため、これらの動物から
は採血しなかった。 しかしながら、より低い用量グループにおける値から、化合物1をミニ注入ポ
ンプで与えた25mg/kg/日の用量グループでは、15μg/ml以下の血中レベ
ルを持続できたであろうと推定することができる。
【0040】 化合物1を経口投与した動物は、9.66μg/ml、18.01μg/ml、34.
35μg/mlおよび80.50μg/mlの本質的に高い血漿値を示した。 従って、これらの血中レベルの比較は、化合物1を経口投与した動物がミニ注
入ポンプによる動物よりも本質的に高い血中レベルを有する(約4〜5倍高い)
ことを示す。 従って、実施例5は、パルス様に生じる血中レベルが一定の血中レベルよりも
4〜5倍高い場合でさえも、化合物1の一定の血中レベルがパルス様に生じる血
中レベルよりも本質的に許容性が劣ることを示す。
【0041】 この結果は、ヒトで観察される化合物1の一定血中レベルがその副作用の原因
であるという最初の臨床観察と一致する。 実施例5は、化合物1の効力を有するが短い半減期を示す物質が、長い半減期
を有する物質よりも本質的に良好な許容性を有することを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 イュルゲン・リントナー ドイツ連邦共和国35041マルブルク.ハー ゼルヘッケ60 (72)発明者 ブルクハルト・ハーゼ ドイツ連邦共和国65719ホーフハイム.ケ ーニヒシュタイナーシュトラーセ28 Fターム(参考) 2G045 AA29 AA40 CA25 CA26 CB17 DA12 DA13 DA14 FB06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)ヌクレオチド合成阻害剤を哺乳動物に有効量で投与し、 b)該哺乳動物の血液中のヌクレオチド合成阻害剤濃度を測定し、 c)該ヌクレオチド合成阻害剤がN−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2
    −シアノ−3−ヒドロキシクロトン酸アミドの半減期よりも短い半減期を示すか
    どうかを確認することを特徴とする、より少ない副作用を示すヌクレオチド合成
    阻害剤の検出方法。
  2. 【請求項2】 マウス、ラット、ウサギ、イヌ、サルまたはブタからなる群
    からの哺乳動物を用いることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 ヌクレオチド合成阻害剤をヒトに有効量で投与することを特
    徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ヒト血漿中のヌクレオチド合成阻害剤の半減期が150時間
    未満、好ましくは40時間未満であることを特徴とする、請求項3に記載の方法
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