JP2003531895A - (2−オキシインドール−3−イリデニル)酢酸誘導体およびその蛋白質キナーゼ阻害剤としての使用 - Google Patents

(2−オキシインドール−3−イリデニル)酢酸誘導体およびその蛋白質キナーゼ阻害剤としての使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は,蛋白質キナーゼの活性を調節し,したがって,蛋白質キナーゼ関連細胞疾患,例えば癌の予防および治療に有用な(2−オキシインドール−3−イリデニル)酢酸誘導体に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】クロス・レファレンス 本出願は,米国仮出願60/201,173(2002年5月2日出願)に基
づく優先権を主張する。この開示はその全体を本明細書の一部としてここに引用
する。
【0002】発明の分野 本発明は,蛋白質キナーゼ(PK)の機能を調節し,およびそれゆえに異常な
PK機能に関係する疾病に対して有効なある種の(2−オキシインドール−3−
イリデニル)酢酸誘導体に関する。
【0003】発明の背景 以下の本発明の背景の記載は,本発明の理解を助けるために提供されるもので
あり、本発明に対する先行技術であるかまたはこれを記載すると認めるものでは
ない。
【0004】 PKは,蛋白質のチロシン,セリンおよびトレオニン残基の水酸基のリン酸化
を触媒する酵素である。この外見上簡単な機能の影響は圧倒的であり,細胞成長
,差別化および増殖,すなわち,PKの機能に依存する一つまたは別の方法の細
胞生命のほぼ全ての側面にわたる。さらに,異常なPK機能は,乾癬のような相
対的に致命的ではない疾病から膠芽腫(脳腫瘍)のように極めて毒性の強い疾病ま
での範囲での障害の支配に関係する。
【0005】 PKは,便宜的には蛋白質チロシンキナーゼ(PTK)とセリン−トレオニン
キナーゼ(STK)の2つのグループに分類される。
【0006】 PTK活性の主要な側面の一つは,成長因子レセプターへの関与である。成長
因子レセプターは細胞表面の蛋白質である。成長因子リガンドの結合によって,
成長因子レセプターは細胞膜の内側表面上の蛋白質と相互作用する活性型に転換
される。次に,レセプターと他の蛋白質のチロシン残基がリン酸化され,様々な
細胞質シグナル分子との複合体を細胞内で形成し,次にこれは細胞分裂(増殖)
、細胞の分化,細胞成長,細胞外微細環境への代謝効果の出現などのような多数
の細胞反応に影響する。さらに詳細な検討については,図面も含めて引用文献と
して本明細書に組み込まれているSchressinger及びUllrich
“Neuron”9;303−391、1992年を参照されたい。
【0007】 PTK活性を有する成長因子はレセプター・チロシン・キナーゼ(RTK)と
して知られている。これは、多様な生物的機能を有する貫膜レセプターの大きな
ファミリーを包含する。現在では,少なくとも19の異なったサブファミリーの
RTKが確認されている。これらの一例は,EGFR(上皮細胞の成長因子レセ
プター),HER2,HER3およびHER4を包含する“HER”RTKと称
されるサブファミリーである。これらRTKは,細胞外グリコシル化リガンド結
合ドメイン,貫膜ドメインおよび蛋白質のチロシン残基のリン酸化を可能にする
細胞内細胞質触媒反応ドメインである。
【0008】 他のRTKサブファミリーは,インスリン・レセプター(IR),インスリン
様成長因子Iレセプター(IGF−1R)およびインスリン・レセプター関連レ
セプター(IPR)から構成される。IRおよびIGF−1Rは,IGF−Iお
よびIGF−IIと相互作用して,2つの完全な細胞外グリコシル化αサブユニ
ット,および細胞膜を交差し,チロシン・キナーゼ・ドメインを含有する2つの
βサブユニットのヘテロ四量体を形成する。
【0009】 第3のRTKサブファミリーは,PDGFRα,PDGFRβ,CSFIR,
c−kitおよびc−fmsを含有する血小板由来成長因子レセプター(PDG
FR)グループと称される。これらのレセプターは,可変数の免疫グロービン様
ループから構成されるグリコシル化細胞外ドメインおよびチロシン・キナーゼ・
ドメインが無関係のアミノ酸配列によって遮断されている細胞内ドメインから成
り立っている。
【0010】 他のグループは,PDGFRサブファミリーに似ているために後者のグループ
に時々包含されるが,胎児肝臓キナーゼ(flk)レセプターサブファミリーで
ある。このグループはキナーゼ・インサート・ドメイン・レセプター胎児肝臓キ
ナーゼ1(KDR/FLK−1,VEGF−R2),flk−1R,flk−4
およびfms様チロシン・キナーゼ1(flt−1)から構成されると考えられ
る。
【0011】 チロシン・キナーゼ成長因子レセプター・ファミリーのさらなる仲間は,線維
芽細胞成長因子(FGF)レセプターサブグループである。このグループは4つ
のレセプター,FGFR1−4および7つのリガンドFGF1−7から構成され
る。きちんと定義されていないが,レセプターは可変数の免疫グロービン様ルー
プを含有する細胞外ドメインおよびチロシン・キナーゼ配列が無関係なアミノ酸
配列で遮断されている細胞内ドメインからなるようである。
【0012】 チロシン・キナーゼ成長因子レセプター・ファミリーの他の仲間は,血管内皮
成長因子(VEGF)レセプターサブグループである。VEGFは,PDGFに
類似する二量体糖蛋白質であるが,インビボで異なる生物学的機能と標的細胞特
異性を有している。特に,VEGFは現在脈管形成と新脈管形成において必須の
役割を果たすと考えられている。
【0013】 公知のRTKサブファミリーのさらに完全なリストは,図面も含めて引用文献
として本明細書に組み込まれているPlowman等の“DN&P”7(6):
334−339,1994年を参照されたい。
【0014】 RTKに加えて,「非レセプター・チロシン・キナーゼ」または「細胞チロシ
ン・キナーゼ」と呼ばれる完全な細胞内PTKのファミリーも存在する。この後
者の命名である省略形“CTK”をここでは使用する。CTKは,細胞外および
貫膜ドメインを含まない。現在,11のサブファミリー(Src,Frk,Bt
k,Csk,Abl,Zap70,Fes,Fps,Fak,JakおよびAc
k)における24以上のCTKが確認されている。Srcサブファミリーは,こ
れまでCTKの最大のグループであるように思われ,Src,Yes,Fyn,
Lyn,Lck,Blk,Hck,FgrおよびYrkを包含する。CTKの詳
細については,Bolenの“Oncogene”,8:2025−2031,
1993年を参照されたい(図面を含め,本明細書中に完全に記載されているよ
うに,本明細書の一部としてここに引用する)。
【0015】 セリン/トレオニン・キナーゼ(STK)は,CTK同様ほとんど細胞内であ
り,いくつかのSTK型レセプター・キナーゼが存在する。STKは最も普通の
細胞質ゾル・キナーゼである。すなわち、細胞質組織や細胞質骨格以外の細胞質
のその部分で機能するものである。細胞質ゾルは,多くの細胞の仲介的代謝およ
び生合成機能が発生する細胞内の領域である。すなわち,リボソームにおいて蛋
白質が合成されるのが細胞質ゾルである。
【0016】 RTK,CTKおよびSTKは,すべて,特に癌を含む発病状態における関与
が示唆されている。PTKに関連する他の発病状態は,限定されないが,乾癬,
肝硬変,糖尿病,新脈管形成,再狭窄,眼の疾病,慢性関節リュウマチや他の炎
症性疾患,自己免疫性疾病のような免疫性疾病,アテローム性動脈硬化症のよう
な心血管疾病,および種々の腎臓疾病である。
【0017】 癌に関しては,腫瘍の発達を推進する過剰な細胞増殖を説明する主要な仮説の
2つは,PKにより制御されることが知られている機能に関連する。すなわち,
悪性の細胞成長は細胞分裂と細胞分化を制御するメカニズムの障害に起因するこ
とが示唆されている。多くのプロトオンコジンの蛋白質生成物が細胞成長と分化
を規制するシグナル伝達経路に関与していることが示された。これらプロトオン
コジンの蛋白質生成物は,上述したように,細胞外成長因子,貫膜成長因子PT
Kレセプター(RTK),細胞質PTK(CTK)および細胞質ゾルSTKを包
含する。
【0018】 PK関連細胞活性と広い範囲のヒトの病気との明らかな関連からみて,PK機
能を調節するための方法を見出す試みに多くの努力が払われたことは驚くべきこ
とではない。この努力のいくつかは,現実の細胞の過程に関与する分子をパター
ン化した大きな分子を用いたバイオミメティックスを含んでいる(例えば,「突
然変異リガンド」(米国特許4,966,849),「溶解可能なレセプターお
よび抗体」(出願番号WO94/10202,KendallおよびThoma
s,Proc.Nat‘l Acad.Sci.,90:10705−09,1
994年;Kim等,Nature,362:841−844,1993年),
「RNAリガンド」(Jelinek等,Biochemistry,33:1
0450−56;Takano等,Mol.Bio.Cell,4:358A,
1993年;Kinesella等,Exp.Cell Res.199:56
−62,1992年;Wright等,J.Cellular Phys.,1
52:448−57),「チロシン・キナーゼ・抑制剤」(WO94/0342
7,WO92/216660,WO91/15495,WO94/14808,
米国特許5,330,992号 ;Mariani等,Proc.Am.Ass
oc.Cancer Res.,35:2268,1994年)。
【0019】 上記に加えて,PK抑制剤として働く小分子を同定することが試みられてきた
。例えば,ビス−単環式,2環式および複素環式アリール化合物(PCT WO
92/20642),ビニレン−アザインドール誘導体(PCT WO 94
/14808)および1−シクロプロピル−4−ピリジルキノロン(米国特許5
,330,992)がチロキシン・キナーゼ抑制剤として記載されている。スチ
リル化合物(米国特許5,217,999),スチリル置換ピリジル化合物(米
国特許5302606),キナゾリン誘導体(EP出願566266A1),セ
レナインドールおよびセレニド(PCT WO94/03427)および3環式
ポリヒドロキシ化合物(PCT WO 92/21660)およびベンジルホス
ホン酸化合物(PCT WO 91/15495)はすべて癌治療のPTK抑制
剤として記載されている。
【0020】発明の要旨 一つの態様として,本発明は一般式(I)で表される化合物またはその薬学的
に受容可能な塩に関する:
【化5】 ここで,Xは,酸素,硫黄および−NH−からなるグループから選択される。 Yは,炭素および窒素からなるグループから選択される。Yが窒素の場合は,R5 は存在しないと理解される。 nは,0,1,2または3である。 R1は,水素およびアルキルからなるグループから選択される。 R2は,水素,ハロゲン,アルキル,シクロアルキル,アリール,ヘテロアリー
ル,ヘテロ脂環式,トリハロアルキル,水酸基,アルコキシ,−C(O)R16
−NR1718および−(CH2r19からなるグループから選択される。 R3およびR4は,それぞれ独立して,水素,ハロゲン,アルキル,トリハロメチ
ル,水酸基,アルコキシ,−NR1718,−C(O)R16,アリール,6員環へ
テロアリール,−S(O)2NR1718,−NR17C(O)218,−NR17C(
O)R18および−NR17C(O)OR18からなるグループから選択される。 R5は,水素,アルキル,ハロゲン,水酸基,アルコキシからなるグループから
選択される。 nが0で,Xが酸素または硫黄の場合は,R6は,水素,アルキルおよびアリー
ルから構成されるグループから選ばれる。 nが0でありXが窒素である場合,R6は水素,アルキルおよびアリールから構
成されるグループから選ばれ,または,R6はXと結合してへテロ脂環式環を形
成する。 nが1,2または3の場合,R6は,水素,アルキル,シクロアルキル,アリー
ル,ヘテロアリール,へテロ脂環式,水酸基,アルコキシ,アリールオキシ,−
C(O)R16および−NR1718からなるグループから選択される。 R7は,次のグループから選択される。
【化6】 ここで,B1,B2,B3,B4およびB5は炭素であり,または B1,B2,B3,B4またはB5の1つは窒素であり,他は炭素であり,または B1およびB2またはB2およびB3またはB3およびB4は窒素であり,他は炭素で
あり,または B1およびB3またはB2およびB4またはB3およびB5は窒素であり,多は炭素で
あり,または B1,B3およびB5は窒素であり,他は炭素である。 R8,R11およびR12は,水素,アルキル,トリハロメチル,水酸基,アルコキ
シ,ハロゲン,−C(O)R16,−(CH2r19,および−NR1718からな
るグループから選択され; R9およびR10は,独立して,水素,アルキル,トリハロメチル,水酸基,アル
コキシ,ハロゲン,−C(O)R16,−(CH2r19および−NR1718から
なるグループから選択され;または R9およびR10は,一緒になって−(CH23−または−(CH24−基を形成
し, B1,B2,B3,B4またはB5のいずれかが窒素である場合は,R8,R9,R10
,R11またはR12は,それぞれ存在しない。 D1は,−NR20−,酸素または硫黄からなるグループから選択される。 D2,D3およびD4は,独立して,炭素および窒素からなるグループから選択さ
れ,D2,D3またはD4は窒素である場合,R13,R14またはR15は,それぞれ
存在しない。 R15は,水素,アルキル,アルコキシ,ハロゲン,−C(CH2s21および−
C(O)R16からなるグループから選択される。 R13およびR14は,独立して,水素,アルキル,アルコキシ,ハロゲン,−(C
2s21および−C(O)R16からなるグループから選択され,または R13およびR14は一緒になって−(CH24−基を形成する。 R16は,水素,水酸基,アルコキシおよび−NR1718からなるグループから選
択される。 R17およびR18は,独立して,水素,アルキル,シクロアルキル,アリールおよ
びヘテロアリールからなるグループから選択され,または R17およびR18は,一緒になって,−(CH24−,−(CH25−,−(CH22O(CH22−および−(CH22N(R20)(CH22−からなるグルー
プから選択される基を形成してもよく, R19は,水酸基,アルコキシ,−NR1718,および−C(O)R16からなるグ
ループから選択され,ここで,R16,R17およびR18は上記のように定義される
。 R20は,水素およびアルキルからなるグループから選択される。 R21は,水酸基,アルコキシ,−NR1718および−C(O)R16からなるグル
ープから選択され,ここで,R16,R17およびR18は上記のように定義される。
また, rおよびsは,独立して,1,2または3である。
【0021】 本発明は,さらに,一般式(I)で表される化合物または塩および薬学的に許
容可能な担体または賦形剤を含む薬学的組成物に関する:
【化7】 ここで,R1−R7,X,Yおよびnは,上記のように定義される。
【0022】 本発明は,さらに,生物において,一般式(I)で表される治療上有効な量の
化合物または塩および薬学的に許容可能な賦形剤を含む薬学的組成物を投与する
ことからなる,該生物の蛋白質キナーゼに関与する病気を治療する方法に関する
【化8】 ここで,R1−R7,X,Yおよびnは,上記のように定義される。特に,蛋白質
キナーゼ関連疾病は,これに限定されるわけではないが,扁平上皮癌,星状細胞
腫,カポジ肉腫,肺癌,膀胱癌,頭首癌,黒色腫,卵巣癌,前立腺癌,乳癌,小
細胞肺癌,神経膠腫,結腸直腸癌,生殖器癌,胃腸癌からなるグループから選ば
れる癌を包含する,レセプター・チロシン・キナーゼ関連疾病,非レセプター・
チロシン・キナーゼ関連疾病およびセリン−トレオニン・キナーゼ関連疾病,ま
たは,糖尿病,自己免疫性疾病,過増殖疾病,再狭窄,線維化症,乾癬,ヒッペ
ル病,変形性背椎症,慢性関節リウマチ,新脈管形成,炎症性疾患,免疫性疾病
および心臓脈管疾患からなるグループから選択される,蛋白質・キナーゼ関連疾
病がある。
【0023】 本発明は,さらに,蛋白質キナーゼ関連疾病が,EGFR関連疾病,PDGF
R関連疾病,IGFR関連疾病およびflk関連疾病から構成されるグループか
ら選択される方法に関する。
【0024】 本発明の他の態様は,PKを本発明の化合物または薬学的に受容可能な塩に接
触させることにより,PKの触媒活性を調節する方法に関する。本発明の化合物
を用いてPKの触媒活性を調節する方法は,インビトロまたはインビボで実施さ
れ得る。特に,触媒活性が本発明によって調節される蛋白質キナーゼは,EGF
,HER2,HER3,HER4,IR,IGF−1R,IRR,PDGFRα
,PDGFRβ,CSFIR,C−Kit,C−fms,Flk−1R,Flk
4,KDR/Flk−1,Flt−1,FGFR−1R,FGFR−2R,FG
FR−3R,FGFR−4R,VGFR,Src,Frk,Btk,Csk,A
bl,ZAP70,Fes/Fps,Fak,Jak,Ack,Yes,Fyn
,Lyn,Lck,Blk,Hck,Fgr,Yrk,CDK2およびRafか
らなるグループから構成される,レセプター・蛋白質チロシン・キナーゼ,細胞
(または非レセプター)チロシン・キナーゼ,セリン・トレオニン・キナーゼか
らなるグループから選択される。
【0025】 本発明の他の態様は,蛋白質キナーゼを発現する細胞を試験化合物および本発
明の化合物に接触させた後同細胞の影響を観察することによって,蛋白質キナー
ゼの触媒活性を調節する化合物を同定する点にある。
【0026】発明の詳細な説明 他に特記しない限り,特許請求の範囲および明細書で使用される次の用語は,
次の意味を有している。
【0027】 ここで使用される場合,「アルキル」という用語は,直鎖および分岐された基
を含む飽和脂肪族炭化水素を意味する。好ましくは,アルキル基は,1−20炭
素原子を有する(例えば「1−20」のような数値範囲が記載される場合は,ア
ルキル基は,1つの炭素原子,2つの炭素原子,3つの炭素原子等,20までの
炭素原子を含む場合があり得る。)さらに好ましくは,炭素原子数1−10の中
程度の大きさのアルキルであることが好ましい。最も好ましくは,炭素原子数1
−4の低級アルキルである。例えば,アルキル基は,メチル,エチル,プロピル
,イソプロピル,ブチル,t−ブチル,ペンチル,へキシルおよびこれに類似す
るものを含む。
【0028】 アルキル基は,置換され,または置換されない。置換されている場合は,置換
基は,好ましくは,次のグループから独立して選ばれる1またはそれ以上,より
好ましくは1−3の置換基である。そのグループは,ハロゲン;水酸基;置換さ
れない低級アルコキシ;1つまたはそれ以上のハロゲン,水酸基,置換されない
低級アルキルもしくは置換されない低級アルコキシで任意に置換されたアリール
;1つまたはそれ以上のハロゲン,水酸基,置換されない低級アルキルもしくは
置換されない低級アルコキシで任意に置換されたアリールオキシ;環中に1−3
の窒素原子を有し,環の炭素原子が1つまたはそれ以上のハロゲン,水酸基,置
換されていない低級アルキルもしくは置換されない低級アルコキシ基で任意に置
換された6員環ヘテロアリール;窒素,酸素,硫黄から選択される1−3の複素
原子を有し,環の炭素原子が1またはそれ以上のハロゲン,水酸基,置換されな
い低級アルキルもしくは置換されない低級アルコキシ基で任意に置換されている
5員環のヘテロアリール;窒素,酸素および硫黄からなるグループから選ばれる
複素原子を有し,当該基における炭素および窒素原子(存在する場合)は1また
はそれ以上のハロゲン,水酸基,置換されていない低級アルキルまたは置換され
ていない低級アルコキシ基で任意に置換されている5または6員環のへテロ脂環
式基;メルカプト;(置換されていない低級アルキル)チオ;1つまたはそれ以
上のハロゲン,水酸基,置換されていない低級アルキルまたは置換されていない
低級アルコキシ基で任意に置換されたアリールチオ;シアノ基,アシル基,チオ
アシル基,O−カルバミル,N−カルバミル,O−チオカルバミル,N−チオカ
ルバミル,C−アミド,N−アミド,ニトロ,N−スルホンアミド,S−スルホ
ンアミド,R22S(O)−,R22S(O)2−,−C(O)OR22,R22C(O
)O−および−NR2223(ここでR22およびR33は,水素,置換されない低級
アルキル,トリハロメチル,置換されていない(C3−C6)シクロアルキル,置
換されていない低級アルケニル,置換されていない低級アルキニル,および,1
またはそれ以上のハロゲン,水酸基,置換されていない低級アルキルもしくは置
換されていない低級アルコキシで任意に置換されていてもよいアリールから構成
されるグループから選択される)から構成される。
【0029】 「シクロアルキル基」は,3−8員の炭素単環,5員/6員もしくは6員/6
員の炭素融合2環式または複環式縮合環(ここで「縮合」環システムとは,シス
テムにおける各環が隣接する炭素原子の組を互いに共有することを意味する)を
表し,ここで,1または2の環は,1以上の2重結合を有していてもよいが,ど
の環も完全に結合したパイ電子システムは有していない。シクロアルキル基の例
としては,これに限定されるわけではないが,シクロプロパン,シクロブタン,
シクロペンタン,シクロペンテン,シクロヘキサン,シクロヘキサジエン,アダ
マンタン,シクロヘプタンおよびシクロへプタトリエンが挙げられる。
【0030】 シクロアルキル基は,置換されるか,または置換されていない。置換される場
合は,置換基は,好ましくは次のグループから独立して選択される1またはそれ
以上,より好ましくは1から3の置換基である。そのグループは,置換されない
低級アルキル;トリハロアルキル;ハロゲン;水酸基;置換されない低級アルコ
キシ;1またはそれ以上のハロゲン,水酸基,置換されない低級アルキルもしく
は置換されない低級アルコキシ基で任意に置換されたアリール;1またはそれ以
上のハロゲン,水酸基,置換されないアルキルもしくは置換されない低級アルコ
キシ基で任意に置換されたアリールオキシ;1−3の窒素原子が環に存在し,環
に存在する炭素がハロゲン,水酸基,置換されない低級アルキル,置換されない
低級アルコキシ基の1またはそれ以上で任意に置換されている6員環へテロアリ
ール;窒素,酸素,および硫黄で構成されるグループから選択される1−3のヘ
テロ原子を有し,基の炭素原子がハロゲン,水酸基,置換されていない低級アル
キルまたは置換されない低級アルコキシ基で任意に置換されている5員ヘテロア
リール;窒素,酸素および硫黄で構成されるグループから選択される1−3のヘ
テロ原子を有し,基の炭素または窒素(もし、存在するならば)がハロゲン,水
酸基,置換されない低級アルキルまたは置換されない低級アルコキシの1または
それ以上で任意に置換されている5員または6員のヘテロ脂環式基;メルカプト
;(置換されていない低級アルキル)チオ;1またはそれ以上のハロゲン,水酸
基,置換されていない低級アルキル,置換されていない低級アルコキシで任意に
置換されたアリールチオ;シアノ基,アシル基,チオアシル基,O−カルバミル
,N−カルバミル,O−チオカルバミル,N−チオカーバミル,C−アミド,N
−アミド,ニトロ,N−スルホンアミド,S−スルホンアミド,R22S(O)−
,R22S(O)2−,−C(O)OR22,R22C(O)O−および−NR2223
(上記で定義される)から構成される。代表的な例としては,シクロプロピル,
シクロペンチル,シクロへキシルおよびこれらの誘導体が挙げられるが,これに
限定されるものではない。
【0031】 「アルケニル」基は,,少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭
素−炭素2重結合を含む,本明細書で定義されるアルキル基である。例としては
,アルケニル基は,エテニル,プロペニル,イソプロペニル,ブテニル,ペンテ
ニル,へキセニルおよびこれに類するものを含む。
【0032】 「アルキニル」基は,少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭素
―炭素3重結合を含む,本明細書で定義されるアルキル基である。例としては,
アルキニル基は,エチニル,プロピニル,ブチニル,ペンチニル,へキシニルお
よびこれに類するものを含む。
【0033】 「アリール」基は,完全に共役したπ電子系を有し,6−12の環原子を含有
する全て炭素の単環または縮合多環(すなわち,隣接する2つの炭素原子の組を
共有する環)を意味する。アリール基の例としては,フェニル,ナフタレニルお
よびアントラセニルが挙げられるが,これに限定されない。
【0034】 アリール基は,置換されるか,または置換されていない。置換される場合は、
置換基は,好ましくは1またはそれ以上の,より好ましくは1−3の置換基であ
り,該置換基は,置換されていない低級アルキル,トリハロアルキル,ハロゲン
,水酸基,置換されていない低級アルコキシ,メルカプト,(置換されていない
低級アルキル)チオ,シアノ,アシル,チオアシル,O−カルバミル,N−カル
バミル,O−チオカルバミル,N−チオカルバミル,C−アミド,N−アミド,
ニトロ,N−スルホンアミド,S−スルホンアミド,R22S(O)−,R22S(
O)2−,−C(O)OR22,R22C(O)―,−NR2223(R22およびR23
は上で定義したとおりである)から構成されるグループから独立して選択される
【0035】 ここで使用される場合,「へテロアリール」基は,単環または縮合環(隣接す
る1対の原子を共有する環)で、該環には,窒素,酸素および硫黄から選ばれる
1以上の原子を有し,これに加えて,完全に共役したπ電子系を有する基である
。ヘテロアリール基は,5−9個の環原子を含み,このうち1−4個の環原子は
窒素,酸素,およびイオウからなる群より選択される複素原子である。ヘテロア
リールの例には,限定されないが,ピロール,フラン,チオフェン,イミダゾー
ル,オキサゾール,チアゾール,ピラゾール,ピリジン,ピリミジン,キノリン
,イソキノリン,プリンおよびカルバゾールが含まれる。
【0036】 ヘテロアリール基は,置換されるかまたは置換されていない。置換される場合
は,置換基は,好ましくは1以上の,より好ましくは1−3の置換基であり,該
置換基は,置換されない低級アルキル,トリハロアルキル,ハロゲン,水酸基,
置換されない低級アルコキシ,メルカプト,(置換されない低級アルキル)チオ
,シアノ,アシル,チオアシル,O−カルバミル,N−カルバミル,O−チオカ
ルバミル,N−チオカルバミル,C−アミド,N−アミド,ニトロ,N−スルホ
ンアミド,S−スルホンアミド,R22S(O)−,R22S(O)2―,―C(O
)OR22,R22C(O)O−および−NR2223から構成されるグループから独
立して選択され,ここでR22およびR23は上で定義したとおりである。
【0037】 「ヘテロ脂環式」基は,窒素,酸素および硫黄から構成されるグループから選
ばれる1−4のヘテロ原子を当該環に有する単環または縮合環基を表す。ヘテロ
脂環式基は,3−9の原子を環に有する。該環は,1またはそれ以上の2重結合
を有していてもよい。しかし,該環は,完全に共役したπ電子システムを有して
いない。
【0038】 ヘテロ脂環式環は,置換されるか,または置換されない。置換される場合は,
置換基は,好ましくは1以上の,より好ましくは1−3の置換基であり,該置換
基は,置換されない低級アルキル,トリハロアルキル,ハロゲン,水酸基,置換
されない低級アルコキシ,メルカプト,(置換されない低級アルキル)チオ,シ
アノ,アシル,チオアシル,O−カルバミル,N−カルバミル,O−チオカルバ
ミル,N−チオカルバミル,C−アミド,N−アミド,ニトロ,N−スルホンア
ミド,S−スルホンアミド,R22S(O)−,R22S(O)2−,−C(O)O
22,R22C(O)O−,および−NR2223から構成されるグループから独立
して選択され,ここでR22およびR23は上で定義したとおりである。例として,
ヘテロ脂環式基には,限定されないが,モルホリノ,ピペリジニル,ピペラジニ
ル,ピロリジノ等が含まれる。
【0039】 「水酸基」は,−OH基を意味する。
【0040】 「アルコキシ」基は,−O−(置換されないアルキル)および−O−(置換さ
れないシクロアルキル)基を意味する。例としては,アルコキシ基は,メトキシ
,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ,t−ブトキシおよびこれに類するも
のを含み,これに限定されない。
【0041】 「アリールオキシ」とは,本明細書において定義される−O−アリールおよび
−O−ヘテロアリール基の両方を表す。例として,アリールオキシ基には,限定
されないが,フェノキシ,ナフトキシ等が含まれる。
【0042】 「メルカプト」基は,−SH基を意味する。
【0043】 「アルキルチオ」基は,−S(置換されないアルキル)および−S(置換され
ないシクロアルキル)基を意味する。例としては,アルキルチオ基は,メチルチ
オ,エチルチオ,プロピルチオおよびこれに類するものを含み,これに限定され
ない。
【0044】 「アリールチオ」基は,本明細書において定義される−S(アリール)および
−S(ヘテロアリール基)を表す。例として,アリールチオは,フェニルチオ,
ナフチルチオ,ピリジルチオ,およびこれに類するものを包含するが,これに限
定されない。
【0045】 「アシル」基は,−C(O)−R”基を意味し,ここで,R”は,水素,置換
されない低級アルキル基,トリハロメチル;置換されないシクロアルキル;1ま
たはそれ以上の置換されない低級アルキル,トリハロメチル,置換されない低級
アルコキシ,ハロゲンおよび−NR2223基で任意に置換されたアリール;1ま
たはそれ以上の置換されない低級アルキル,トリハロアルキル,置換されない低
級アルコキシ,ハロゲンおよび−NR2223基で任意に置換された(環炭素を介
して結合された)ヘテロアリール;および1以上の置換されない低級アルキル,
トリハロアルキル,置換されない低級アルコキシ,ハロゲンおよび−NR2223 基で任意に置換された(環炭素を介して結合された)ヘテロ脂環式基から選択さ
れる。代表的な例は,アセチル,プロピオニル,トリフルオロアセチル,ベンゾ
イルおよびこれに類するものが挙げられるが,これに限定されない。
【0046】 「アルデヒド」基は,R”が水素であるアシル基を意味する。
【0047】 「チオアシル」基は,R”が本明細書で定義される−C(S)―R”基を意味
する。
【0048】 「エステル」基は,R”が本明細書で定義される−C(O)O−R”を意味し
,ただしR”は水素ではなく,例えば,メトキシカルボニル,エトキシカルボニ
ルおよびこれに類するものである。
【0049】 「アセチル」基は,−C(O)CH3基を意味する。
【0050】 「ハロゲン」基は、フッ素,塩素,臭素またはヨウ素を意味する。
【0051】 「トリハロメチル」基は,−CX3を意味し,ここでXはここで定義されるハ
ロゲン基であり,例えば,トリフルオロメチル,トリクロメチルおよびこれに類
するものを意味する。
【0052】 「トリハロメタンスルホニル」基は,Xは上で定義されるX3CS(=O)2
基を意味し,例として,トリフルオロメチルスルホニルおよびこれに類するもの
が挙げられる。
【0053】 「シアノ」基は,−C≡N基を意味する。
【0054】 「メチレンジオキシ」基は,2つの酸素原子が隣接する炭素原子に結合された
−OCH2O−を意味する。
【0055】 「エチレンジオキシ」基は,2つの酸素原子が隣接する炭素原子に結合された−
OCH2CH2O−を意味する。
【0056】 「S−スルホンアミド」基は−S(O)2NR2223基(R22およびR23はこ
こで定義されるものである)を意味する。例えば,ジメチルアミノスルホニル,
ジエチルアミノスルホニルおよびこれに類するものが挙げられる。
【0057】 「N−スルホンアミド」基は,R22およびR23がここで定義されるものである,
−NR22S(O)223基を意味する。
【0058】 「O−カルバミル」基は,R22およびR23がここで定義されるものである,−
OC(O)NR2223基を意味する。
【0059】 「N−カルバミル」基は,R22およびR23がここで定義されるものである,R22 OC(O)NR23−基を意味する。
【0060】 「O−チオカルバミル」基は,R22およびR23がここで定義されるものである
,−OC(S)NR2223基を意味する。
【0061】 「N−チオカルバミル」基は,R22およびR23がここで定義されるものである
,R22OC(S)NR23−基を意味する。
【0062】 「アミノ」基は,R22およびR23はともに水素である,−NR2223基を意味
する。
【0063】 「C−アミド」基は,R22およびR23がここで定義されるものである,−C(
O)NR2223基を意味する。
【0064】 「N−アミド」基は,R22およびR23がここで定義されるものである,R22
(O)NR23−基を意味する。
【0065】 「ニトロ」基は,−NO2基を意味する。
【0066】 ここで引用した化学式は互変異性および構造的異性を示すかもしれない。例え
ば,ここで記載される化合物は,2−インドリノン成分を−C(=O)X(CH2n6成分に結合する二重結合のまわりにEもしくはZのコンフィギュレーシ
ョンをとることができるか,またはEおよびZの混合物であり得る。本発明は,
RTK,CTKおよび/またはSTK活性を調節する能力を有するあらゆる同位
体,構造的異性体およびこれらの混合物を包含し,1つの同位体や構造的異性体
に限定されるものではない。
【0067】 これに加えて,ここで引用する式は,キラル中心においてRまたはSコンフィ
ギュレーションをとる立体異性をも含む。このように、本発明は,RTK,CT
Kおよび/またはSTK活性を調節する能力を有するあらゆる立体異性型および
これらの対応する鏡像異性(d−およびl−または(+)および(−)異性体)お
よびジアステレオマー並びにこれらの混合物を包含し,いかなる1つの立体異性
体にも限定されない。
【0068】 本発明は,さらに,化学式(I)の化合物のプロドラッグを包含する。
【0069】 「プロドラッグ」は,イン・ビボで親薬剤に転換される薬剤をいう。プロドラ
ッグは,状況により親薬剤より投与しやすいためしばしば有益である。プロドラ
ッグは、例えば,親薬剤がそうではない場合でも,経口投与により生物学的に利
用可能である。プロドラッグは,薬学的組成物においては親薬剤より改良された
溶解性を有しているかもしれない。プロドラッグの例は,水溶性が移動性を決め
る細胞膜の透過を容易にするエステル(「プロドラッグ」)として投与され,水
溶性が有利な細胞内ではカルボン酸に代謝的に加水分解されて活性体となる本発
明の化合物があり得るが,これに限定されるものではない。
【0070】 プロドラッグの他の例は,短いポリペプチド,例えば,ポリペプチドがインビ
ボで加水分解されるかまたは代謝されて活性分子を放出する,本発明の化合物の
カルボキシ基に末端アミノ基を介して結合された2−10のアミノ酸ポリペプチ
ドが挙げられるが,これに限定されるものではない。
【0071】 ここで用いられる「医薬組成物」は,ここに記載される1またはそれ以上の化
合物または生理学的に受容可能な塩またはプロドラッグと,生理学的に受容可能
な担体および賦形剤のような他の化学組成物との混合物をいう。医薬組成物の目
的は,化合物の生物に対する投与を容易にすることである。
【0072】 ここで用いられる場合,「生理学的に/薬学的に受容可能な担体」は,生物に
対する顕著な刺激を与えず,かつ,投与された化合物の生物学的機能や特性を失
わせることのない担体または希釈剤を意味する。
【0073】 「賦形剤」は,医薬組成物に付加されて化合物の投与をさらに容易にする不活
性物質である。賦形剤の例としては,炭酸カルシウム,リン酸カルシウム,各種
糖類およびスターチ,セルロース誘導物,ゼラチン,植物オイルおよびポリエチ
レン・グリコールが挙げられるが,これに限定されるものではない。
【0074】 ここで用いられる場合,「PK」は,レセプター・蛋白質チロシン・キナーゼ
(RTK),非レセプターもしくは細胞性チロシン・キナーゼ(CTK)および
セリン−トレオニン・キナーゼ(STK)である。
【0075】 「方法」という用語は,与えられた仕事を達成するための様式,手段,技術,
手続きであり,化学,薬学,生物学,生化学および医学分野の業者に知られてい
るか,あるいは既知の様式,手段,技術,手続きから容易に達することができる
様式,手段,技術,手続きである。
【0076】 ここで用いられる場合,「調節」または「調節する」との用語は,RTK,C
TKおよびSTKの触媒活性を変えることを意味する。特に,「調節」は,RT
K,CTKおよびSTKの触媒活性の活性化,好ましくは,RTK,CTKまた
はSTKが曝される化合物や塩の濃度に依存してRTK,CTKおよびSTKの
触媒活性を活性化または阻害することであり,より好ましくは,RTK,CTK
およびSTKの触媒活性の阻害を意味する。
【0077】 ここで用いられる場合,「触媒活性」との用語は,RTKおよび/またはCT
Kの直接または間接の影響によるチロシンのリン酸化,またはSTKの直接また
は間接の影響によるセリンまたはトレオニンのリン酸化の速度を意味する。
【0078】 ここで用いられる場合,「接触させる」という用語は,直接的に,例えば,キ
ナーゼ自体と相互作用するか,または間接的に,例えば,キナーゼの触媒活性が
依存する他の分子と相互作用することによって,その化合物がPKの触媒活性に
影響を与えるような様態により,本発明の化合物および目標とするPKを一緒に
することを意味する。このような「接触」は,試験用チューブ,ペトリ皿または
これに類するものにおいて,インビトロで実施することができる。試験用チュー
ブにおいては,接触は化合物および目標のPKのみを含むか,または全細胞を含
み得る。細胞もまた,細胞培養皿で維持または成長され,その環境にある化合物
に接触させてもよい。このような文脈で,PK関連疾病に影響を与える特定の化
合物の能力,例えば,下記で定義される化合物のIC50は,その化合物をインビ
ボでより複雑な生体組織と共に用いることが行われる前に決めることができる。
生物外の細胞については,ダイレクト・セル・ミクロインジェクションおよび多
数の膜透過担体技術を含む,PKを化合物と接触させる多くの方法が存在し,ま
た,当業者に知られている。
【0079】 「インビトロ」は,限定されないが,試験チューブまたは培養手段など,人工
的な環境のなかで行われる手続きを意味する。
【0080】 ここで用いられる場合,「インビボ」とは,限定されないが,マウス,ラット
またはウサギ等の生きた生物で実行される手続きをいう。
【0081】 ここで用いられる場合,「PK関連疾病」,「PK誘導疾病」および「異常な
PK活性」とはすべて,不適切な,すなわち不完全な,あるいはより一般的には
過剰な,PK触媒活性によって特徴づけられる状態を表し,ここで特定のPKは
RTK,CTK,またはSTKでありうる。不適切な触媒活性は,(1)通常P
Kを発現しない細胞内でのPK発現,(2)不要な細胞分裂,細胞分化,および
/または細胞成長へ導く増大したPK発現,または(3)細胞分裂,細胞分化,
および/または細胞成長における不要な減少に導く減少したPK発現,のいずれ
かの結果によって生じる。PKの過剰な活性は特定のPKをコードする遺伝子の
増幅,または増殖,細胞分化,および/または細胞成長疾患と相関しうるレベル
のPK活性の生成(すなわち,PKのレベルの増加に伴い,細胞疾患の1または
それ以上の兆候の激しさが増加する)を意味する。過小活性とは,もちろんこれ
の逆で,PK活性のレベルの減少に伴い細胞疾病の1またはそれ以上の兆候の激
しさの増加を意味する。
【0082】 ここで用いられる場合,「予防する」,「予防している」および「予防」は,
生物が最初の場所でPK関連疾病にかかるのを禁ずる方法を意味する。
【0083】 ここで用いられる場合,「治療する」,「治療している」および「治療」は,
PKが介在する細胞疾患および/またはそれに伴う兆候を緩和するかまたは消滅
させる方法を意味する。特に,癌に関しては,これらの用語は,単純に癌を有す
る個人の期待寿命が延びること,または疾患の1またはそれ以上の兆候が減少す
ることを意味する。
【0084】 「生物」という用語は,少なくとも1つの細胞を有する生命体を意味する。生
きている生物は,例えば,1個の真核細胞程度の単純なものであってもよく,ま
た,人間を含む哺乳類程度の複雑なものであってもよい。
【0085】 ここで用いられる場合,「治療上有効な量」とは,処理している病気の1つま
たはそれ以上の兆候をある程度まで回復させるための投与された化合物の量を意
味する。癌の治療に関して言えば,治療的に有効な量は,(1)腫瘍の大きさを
減少させる,(2)癌の転移を抑制する(すなわち,ある程度まで遅延させる,
好ましくは停止させること),(3)癌の成長を抑制する(すなわち,ある程度
まで遅延させる,好ましくは停止させること),(4)癌に伴う1またはそれ以
上の兆候をある程度まで回復させること(または,好ましくは除去すること)を
意味する。
【0086】 本発明の別の態様においては,蛋白質キナーゼ関連疾病が治療され,または防
止される生物はヒトである。
【0087】 「監視」とは,化合物を特定のPKを発現する細胞と接触させる影響を観察ま
たは検出することを意味する。観察され,検出された影響は,細胞表現型の変化
,PKの触媒活性の変化,またはPKと天然の結合パートナーとの相互作用の変
化であり得る。そのような影響を観察または検出する技術は当該分野では周知で
ある。
【0088】 本発明の最後の局面においては,上記に引用した影響は,細胞表現型における
変化または変化の欠落,上記蛋白質キナーゼの触媒活性における変化または変化
の欠落,または上記蛋白質キナーゼと天然の結合パートナーの相互作用のおける
変化または変化の欠落から選択される。
【0089】 「細胞表現型」は,細胞,組織,または細胞もしくは組織の生物学的機能の表
面上の外観を意味する。細胞表現型の例は,細胞の大きさ,細胞成長,細胞増殖
,細胞分化,細胞生存,アポトーシスおよび栄養吸収もしくは利用などであり,
これらに限定されない。このような表現型の特徴は,本分野で周知の技術により
測定可能である。
【0090】 「天然の結合パートナー」は,細胞において特定のPKに結合するポリペプチ
ドを意味する。天然の結合パートナーは,PK介在のシグナル伝達プロセスにお
いてシグナルを伝搬する役割を果たし得る。天然の結合パートナーとPKとの相
互作用における変化は,PK/天然の結合パートナーの複合体の増加または減少
した濃度として現われ,その結果,シグナル伝達を媒介するPKの能力の変化と
して現れる。
【0091】現在好ましい化合物 発明の概要においては最も広い定義が記載されるが,本発明のある種の化合物
が現在好ましい。
【0092】 本発明の現在好ましい化合物は,R1が水素である,式(I)の化合物である
【0093】 式(I)の化合物の別の好ましい群においては,R1,R2およびR5は水素で
ある。
【0094】 式(I)の化合物の別の好ましい群においては,R1,R2およびR5は水素で
あり,R7
【化9】 [式中,B1,B2,B3,B4およびB5は炭素である] である。
【0095】 上述のすべての特徴を有する化合物において,さらに,R8,R9,R10,R11 およびR12は,独立して,水素,低級アルキル,低級アルコキシ,ハロ,トリハ
ロメチルおよび−NR1718からなる群より選択され,好ましくは,水素,メチ
ル,エチル,メトキシ,クロロ,フルオロ,トリフルオロメチルまたはアミノで
あり,最も好ましくは水素である。
【0096】 式(I)の化合物の別の好ましい群においては,R1,R2およびR5は水素で
あり,R7
【化10】 である。
【0097】 直前の段落に記載される特徴を有する化合物において,D1は−NH−であり
,D2,D3およびD4は炭素である。
【0098】 好ましくは,直前の段落に記載される特徴を有する化合物において,R13およ
びR15は,独立して,水素,低級アルキルおよびハロからなる群より選択され,
好ましくは水素,メチル,クロロ,フルオロ,またはブロモであり,より好まし
くはメチルである。
【0099】 直前の段落に記載される特徴を有する化合物において,R14は,水素および−
(CH2s21からなる群より選択され,ここでR21は−COR16である。好ま
しくは,R14は水素または3−カルボキシプロピルである。
【0100】 直前の段落に記載される特徴を有する化合物において,R2−R5は水素であり
,nは0であり,Xは酸素であり,およびR6は水素であり,またはnは0であ
り,Xは窒素であり,およびR6はアリールまたは−NR2223で任意に置換さ
れていてもよい低級アルキルであり,ここで,R22およびR23は未置換低級アル
キルであり,好ましくは1または2個の置換基,例えば水素,未置換低級アルコ
キシ,ハロ,ヒドロキシ,アミノで置換されたフェニルであり,より好ましくは
1または2個のメトキシ,クロロ,フルオロ,ジメチルアミノ,またはヒドロキ
シ,または2−ジエチルアミノエチルで任意に置換されていてもよいフェニルで
ある。最も好ましくは,−X(CH2n6基は,−OH,3−クロロ−4−フ
ルオロフェニルアミノ,3−フルオロフェニルアミノ,2−クロロフェニルアミ
ノ,2−ジエチルアミノエチルアミノ,3−ジメチルアミノフェニルアミノ,4
−ヒドロキシ−3−(ジエチルアミノメチル)−フェニルアミノ,または3,4
−ジメトキシフェニルアミノである。
【0101】 式(I)の化合物の別の好ましい群においては,Xは酸素であり,nは0であ
り,R6は,水素および低級アルキルからなる群より選択され,好ましくは水素
である。
【0102】 式(I)の化合物の別の好ましい群においては,R1,R2およびR5は水素で
あり,R7
【化11】 [式中,B1,B2,B3,B4およびB5は炭素である] であり,Xは酸素であり,nは0であり,R6は,水素および低級アルキルから
なる群より選択され,好ましくは水素,メチル,またはエチルである。
【0103】 式(I)の化合物の別の好ましい群においては,R1,R2およびR5は水素で
あり,R7
【化12】 [式中,D1は−NH−であり,D2,D3およびD4は炭素である] であり,Xは酸素であり,nは0であり,R6は,水素および低級アルキルから
なる群より選択され,好ましくは水素,メチルまたはエチルである。
【0104】 式(I)の化合物の別の好ましい群においては,Xは窒素であり,nは0であ
り,R6はアリールまたは−NR2223で任意に置換されていてもよい低級アル
キルであり,ここで,R22およびR23は未置換低級アルキルであり,好ましくは
,R6は,1または2個の置換基,例えば水素,未置換低級アルコキシ,ハロ,
ヒドロキシ,またはアミノで置換されているフェニルであり,より好ましくは,
1または2個のメトキシ,クロロ,フルオロ,ジメチルアミノ,またはヒドロキ
シ,または2−ジエチルアミノエチルで任意に置換されていてもよいフェニルで
ある。
【0105】 最も好ましくは−X(CH2n6基は,3−クロロ−4フルオロフェニルア
ミノ,3−フルオロフェニルアミノ,2−クロロフェニルアミノ,2−ジエチル
アミノエチルアミノ,3−ジメチルアミノフェニルアミノ,4−ヒドロキシ−3
−(ジエチルアミノメチル)−フェニルアミノ,または3,4−ジメトキシフェ
ニルアミノであり,R8,R9,R10,R11およびR12は,独立して,水素,低級
アルキル,ヒドロキシ,低級アルコキシ,トリハロメチル,(CH2sNR1718 および−NR1718からなる群より選択され,好ましくはR7
【化13】 であるとき水素である。
【0106】 式(I)の化合物の別の好ましい群においては,R1,R2およびR5は水素で
あり,R7
【化14】 [式中,B1,B2,B3,B4およびB5は炭素である] であり,Xは−NH−であり,nは0であり,R6はフェニルであり,R8,R9
,R10,R11およびR12は,独立して,水素,低級アルキル,ヒドロキシ,低級
アルコキシ,トリハロメチル,−(CH2sNR1718および−NR1718から
なる群より選択される。
【0107】 式(I)の化合物の別の好ましい群においては,R1,R2およびR5は水素で
あり,R7
【化15】 [式中,D1は−NH−であり,D2,D3およびD4は炭素である] であり,Xは−NH−であり,nは0であり,R6はフェニルであり,R8,R9
,R10,R11およびR12は,独立して,水素,低級アルキル,ヒドロキシ,低級
アルコキシ,トリハロメチル,−(CH2sNR1718および−NR1718から
なる群より選択される。
【0108】 式(I)の化合物の別の好ましい群においては,Xは−NH−であり,nは2
,3または4であり,R6は−NR1718である。
【0109】 直前の段落に記載される特徴を有する化合物において,本発明の現在好ましい
別の特徴においては,R17およびR18は,独立して,水素,低級アルキルからな
る群より選択されるか,または一緒になって−(CH24−,−(CH25−,
−(CH22O(CH22−,または−(CH22N(CH3)(CH22−で
ある。
【0110】 最後に,式(I)の化合物の別の好ましい群においては,R1,R2およびR5
は水素であり,R7
【化16】 [式中,D1は−NH−であり,D2,D3およびD4は炭素である] であり,Xは−NR20−であり,nは2,3または4であり,R6は−NR171 8 である。
【0111】表の簡単な説明 表1は,本発明のいくつかの例示的化合物の化学構造を示す。化合物番号は実
施例の節の実施例番号に対応する。すなわち,表1の化合物1の合成は実施例1
に記載される。表1に示される化合物は例示にすぎず,いかなる意味においても
本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0112】 表2は,本発明のいくつかの例示的化合物の生物学的試験の結果を示す。結果
は,IC50,すなわち試験化合物を加えていない対照におけるPKの活性と比較
して標的PKの活性を50%変化させる,試験した化合物のマイクロモル(μM
)濃度で示されている。特に,ここに示される結果は,標的PKの活性を50%
低下させるのに必要な試験化合物の濃度を示す。化合物を評価するために用いら
れたまたは用いることができるバイオアッセイは以下に詳細に記載される。
【0113】 表1
【表1】
【0114】
【表2】
【0115】
【表3】
【0116】有用性 その触媒活性が本発明の化合物により調節されるPKには,蛋白質チロシンキ
ナーゼが含まれ,これには2つのタイプがある:レセプターチロシンキナーゼ(
RTK)および細胞性チロシンキナーゼ(CTK),およびセリン−トレオニン
キナーゼ(STK)である。RTKに媒介されるシグナル伝達は,特定の成長因
子(リガンド)との細胞外相互作用により開始され,次にレセプターが二量化し
,固有の蛋白質チロシンキナーゼ活性が過渡的に刺激され,リン酸化する。この
ことにより,内部シグナル伝達分子用の結合部位が形成され,種々の細胞質シグ
ナリング分子との複合体の形成につながり,これは,適切な細胞応答(例えば,
細胞分裂,細胞外微小環境に及ぼす代謝的効果等)を促進する。Schless
inger and Ullrich,1992,Neuron 9:303−
391を参照。
【0117】 成長因子レセプターのチロシンリン酸化部位がシグナリング分子のSH2(s
rcホモロジー)ドメインの高親和性結合部位として機能することが示されてい
る(Fantl et al.,1992,Cell 69:413−423,
Songyang et al.,1994,Mol.Cell.Biol.1
4:2777−2785),Songyang et al.,1993,Ce
ll72:767−778,およびKoch et al.,1991,Sci
ence 252:668−678)。RTKと会合するいくつかの細胞内基質
蛋白質が同定されている。それらは二つの主要なグループに分けられる:(1)
触媒ドメインを有する基質,および(2)そのようなドメインを欠くが,アダプ
ターとして働き,触媒活性のある分子と会合する基質。Songyang et
al.1993,Cell 72:767−778。レセプターとその基質の
SH2ドメインとの間の相互作用の特異性は,リン酸化されたチロシン残基を直
接取囲んでいるアミノ酸残基によって決定される。SH2ドメインと,特定のレ
セプターのホスホチロシン残基を取り囲んでいるアミノ酸配列との間の結合親和
性の差異は,それらの基質リン酸化のプロファイルに見られる差異と一致してい
る。Songyang et al.1993,Cell 72:767−77
8。これらの知見は,各々のRTKの機能が,その発現パターンならびにリガン
ド利用可能性によるのみならず,特定のレセプターによって活性化される下流の
一連のシグナル伝達経路によっても決定されることを示唆している。したがって
,リン酸化は特異的な成長因子レセプター,ならびに分化因子レセプターによっ
てリクルートされる,シグナリング経路の選択性を決定する重要な段階を提供す
る。
【0118】 STKは,本来細胞質ゾル性であり,しばしばPTK事象についての下流方向
の応答として,細胞内部の生化学に影響を及ぼす。STKは,細胞増殖に導くD
NA合成とそれに続く細胞分裂とを開始する,シグナリング過程に関与すること
が示唆されている。
【0119】 したがって,PKシグナル伝達は,種々の応答の中で特に,細胞増殖,分化,
成長,および代謝をもたらす。異常な細胞増殖は,癌腫,肉腫,神経膠芽細胞腫
,および血管腫等の新生物,白血病,乾癬,動脈硬化症,関節炎,および糖尿病
性網膜炎,および制御されない新脈管形成および/または脈管形成に関連する他
の疾患を含む,広い範囲の疾患および疾病という結果をもたらしうる。
【0120】 本発明の化合物がPKを阻害するメカニズムについての正確な理解は,本発明
の実施のためには必要ではない。しかしながら,本発明においてはいかなる特定
のメカニズムまたは理論にも束縛されるものではないが,化合物はPKの触媒領
域のアミノ酸と相互作用すると考えられている。PKは典型的には2葉構造を有
しており,ATPは,PKの中でアミノ酸が保存されている領域内の,2つの葉
の間の裂け目に結合するように見える。PKの阻害剤は,前記のATPがPKに
結合するのと同じ普遍領域において,水素結合,ファン−デル−ワールス力,お
よびイオン相互作用等の非共有結合によって結合すると考えられる。さらに具体
的には,本発明の化合物の2−インドリノン成分が,通常はATPのアデニン環
によって占められる普遍区域に結合すると考えられている。このように,ある特
定の分子の特定のPKに対する特異性は,2−インドリノンコア上の種々の置換
基と,特定のPKに特異的なアミノ酸ドメインとの間の,付加的な相互作用の結
果として生じるのであろう。すなわち,異なるインドリノン置換基が,特定のP
Kに対する優先的な結合に寄与するかもしれない。異なるATP(または他のヌ
クレオチド)結合部位において活性のある化合物を選択する能力は,本発明の化
合物を,そのような部位を有する任意の蛋白質を標的とするのに有用なものにす
る。したがって本明細書において開示される化合物は,かかる蛋白質についての
インビトロでのアッセイ用としての有用性を有すると同時に,かかる蛋白質との
相互作用を通じてインビボでの治療効果を示すものでありうる。
【0121】 本発明の化合物またはその塩によりその触媒活性が調節されうるレセプター蛋
白質チロシンキナーゼは,限定されないが,EGF,HER2,HER3,HE
R4,IR,IGF−1R,IRR,PDGFRa,PDGFRss,CSFI
R,C−Kit,C−fms,Flk−lR,Flk4,KDR/Flk−1,
Flt−1,FGFR−1R,FGFR−2R,FGFR−3RおよびFGFR
−4Rである。
【0122】 本発明の化合物またはその塩またはプロドラッグと接触することによりその触
媒活性が調節されうる蛋白質チロシンキナーゼはまた,非レセプターまたは細胞
性蛋白質チロシンキナーゼ(CTK)でありうる。すなわちCTK,例えば,限
定されないが,Src,Frk,Btk,Csk,Abl,ZAP70,Fes
,Fps,Fak,Jak,Ack,Yes,Fyn,Lyn,Lck,Blk
,Hck,FgrおよびYrkの触媒活性は,本発明の化合物または塩と接触さ
せることにより調節することができる。
【0123】 本発明の化合物と接触させることによりその触媒活性が調節されるさらにPK
の別のグループは,セリン−トレオニン蛋白質キナーゼ,例えば,限定されない
が,CDK2およびRafである。
【0124】 本発明は,癌腫,カポジ肉腫を含む肉腫,赤芽細胞腫,神経膠芽細胞腫,髄膜
腫,星状細胞腫,黒色腫,および筋芽細胞腫を含む多くの種類の固形腫瘍の治癒
に向けられた治療用アプローチとしての,RTK,CTK,および/またはST
Kを介するシグナル伝達経路を調節する化合物に関する。白血病等の非固形腫瘍
癌の治療または予防もまた本発明により企図される。適応症には,限定されない
が,脳癌,膀胱癌,卵巣癌,胃癌,膵臓癌,結腸癌,血液癌,肺癌,および骨癌
が含まれる。
【0125】 本明細書に記載される化合物がその予防,治療および研究に有用であろう,不
適切なPK活性に関連する疾患のタイプのさらなる例には,限定されないが,細
胞増殖性疾患,繊維性疾患および代謝性疾患が含まれる。
【0126】 本発明により予防,治療またはさらに研究することができる細胞増殖性疾患に
は,癌,血管増殖性疾患およびメサンギウム細胞増殖性疾患が含まれる。
【0127】 血管増殖性疾患とは,異常な脈管形成(血管の形成)および新脈管形成(血管
の拡散)に関連する疾患を表す。脈管形成および新脈管形成は胚発生,黄体形成
,創傷治癒,および臓器再生等の種々の正常な生理学的過程において重要な役割
を果たすが,それらはまた腫瘍を生かしておくために必要な新しい毛細血管をそ
れらが形成させる癌の発生においても中枢的な役割を演じる。血管増殖疾患の他
の例は,新しい毛細血管が関節に侵入して軟骨を破壊する関節炎,および糖尿病
性網膜炎のように,網膜内の新しい毛細血管が硝子体に侵入し,出血させ,さら
に失明を引起す眼性疾患を含む。
【0128】 高い親和性をもってVEGFに結合する2つの構造的に関連するRTKが同定
されている:fms様チロシン1(fit−1)レセプター(Shibuya
et al.,1990,Oncogene,5:519−524;DeVri
es et al.,1992,Science,255:989−991)お
よびKDR/FLK−1レセプター(VEGF−R2としても知られる)。血管
内皮成長因子(VEGF)は,インビトロ内皮細胞成長促進活性を有する内皮細
胞特異的有糸分裂促進物質であることが報告されている(Ferrara&He
nzel,1989,Biochein.Biophys.Res.Comm.
,161:851−858;Vaisman et al.,1990,J.B
iol.Chem.,265:19461−19566)。米国特許出願08/
193,829,08/038,596および07/975,750に記載され
る情報は,VEGFが内皮細胞増殖の原因となるのみならず,正常および病的な
新脈管形成の主要な調節剤であることを強く示唆する。一般に,Klagsbu
rn&Soker,1993,Current Biology,3(10)6
99−702;Houck, et al.,1992,J.Biol.Che
m.,267:26031−26037を参照。
【0129】 正常な脈管形成および新脈管形成は,種々の生理学的プロセス,例えば,胚発
生,創傷治癒,臓器再生等の種々の生理学的過程,および排卵期の黄体における
濾胞形成と妊娠後の胎盤の成長等の女性の生殖過程において重要な役割を果たし
ている(Folkman&Shing,1992,J.BiologicalC
hem.,267(16):10931−34)。制御されない脈管形成および
/または新脈管形成は,糖尿病等の疾病ならびに成長が血管形成に依存する悪性
固形腫瘍に関連づけられてきた(Klagsburn&Soker,1993,
Current Biology,3(10):699−702;Folkha
m,1991,J.Natl.Cancer Inst.,82:4−6;We
idner, et al.,1991,New Engl.J.Med.,3
24:1−5)。
【0130】 新脈管形成および脈管形成の間の内皮細胞増殖および移動におけるVEGFの
推測される役割は,これらのプロセスにおけるKDR/FLK−1レセプターの
重要な役割を示す。真性糖尿病(Folkman,198,XIth Cong
ress of Thrombosis and Haemostasis(V
erstraeta, et al.,eds.),pp.583−596,L
euvenUniversity Press,Leuven)および関節炎等
の疾病,ならびに悪性腫瘍成長は,制御されない新脈管形成により引き起こされ
うる。例えば,Folkman,1971,N.Engl.J.Med.,28
5:1182−1186を参照。VEGFが特異的に結合するレセプターは,そ
のようなプロセスにより引き起こされる異常な細胞成長が関与する脈管形成およ
び/または新脈管形成,および種々の重症の疾病の制御および調節の重要かつ強
力な治療標的である(Plowman, et al.,1994,DN&P,
7(6):334−339)。より詳細には,血管新生におけるKDR/FLK
−1レセプターの高度に特異的な役割のため,これは,血管の制御されない形成
が関与する癌および他の疾病の治療に対する治療方法の選択すべき標的であろう
【0131】 すなわち,本発明の化合物は,新脈管形成および/または脈管形成を阻害また
は促進するために,チロシンキナーゼシグナル伝達,例えばKDR/FLK−1
レセプターシグナル伝達を制御および/または調節することができる。すなわち
,VEGF等のリガンドにより活性化されたときにKDR/FLK−1により伝
達されるシグナルを阻害,妨害または干渉する化合物が提供される。本発明の化
合物はレセプターまたはチロシンキナーゼシグナル伝達経路に沿った他の成分で
作用すると考えられるが,これらはまた,制御されない新脈管形成に起因する腫
瘍細胞に直接作用することができる。
【0132】 一般的な"flk−1"レセプターの,ヒトおよびマウスの同等物の命名は異な
るが,それらは多くの点において交換可能である。マウスのレセプターFlk−
Iと,ヒトにおけるその同等物であるKDRは,細胞内ドメインのうちの93.
4%の配列相同性を共有している。同様に,マウスFlk−1は,マウスVEG
Fと同じ親和性をもってヒトVEGFと結合し,したがっていずれの種に由来す
るリガンドによっても活性化される。Millauerら,1993,Cell
,72:835−846;Quinnら,1993,Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA,90:7533−7537。Flk−Iはまた,293
細胞(ヒト胚性腎臓の線維芽細胞)において同時発現された場合,ヒトRTKの
基質(例えばPLC−γまたはp85)と結合し,続いてチロシンをリン酸化す
る。
【0133】 したがって,Flk−1レセプターに依存したモデルは,KDRレセプターの
理解に直接適用することができる。例えば,マウスのシグナル伝達経路を調節す
る化合物を同定する方法においてマウスFlk−1レセプターを使用することは
,ヒトのシグナル伝達経路を調節するために用いることができる化合物,すなわ
ちKDRレセプターに関連した活性を調節する化合物の同定に直接適用すること
ができる。すなわち,インビトロにおいてKDR/FLK−1の阻害剤として同
定された化学的化合物は,適当なインビボのモデルにおいて確認することが可能
である。インビボでのマウスおよびラット双方の動物モデルは,KDR/FLK
−1に誘導されるシグナル伝達経路に作用する薬剤の臨床上の潜在能力を調べる
ために優れた価値があることが証明されている。
【0134】 すなわち,本発明の化合物は,KDR/FLK−1レセプターの酵素活性を変
化させ,KDR/FLK−1により伝達されるシグナルを妨害することにより,
脈管形成および/または新脈管形成を制御,調節および/または阻害する。別の
観点においては,本発明は,多くの種類の固形腫瘍,例えば,限定されないが,
神経膠芽細胞腫,黒色腫およびカポジ肉腫,および卵巣,肺,乳,前立腺,膵臓
,結腸および類表皮癌腫を治療するための治療方法としての,KDR/FLK−
1媒介性シグナル伝達経路を制御,調節および/または阻害する化合物に関する
。さらに,データは,KDR/Flk−1媒介性シグナル伝達経路を阻害する化
合物の投与はまた,血管腫,再狭窄,および糖尿病性網膜症の治療にも用いうる
ことを示唆する。
【0135】 本発明のさらに別の観点は,他のレセプターが媒介する経路,例えば,flt
−1レセプターを含む経路による脈管形成および新脈管形成の阻害に関する。
【0136】 レセプターチロシンキナーゼに媒介されるシグナル伝達は,特定の成長因子(
リガンド)との細胞外相互作用により開始され,次にレセプターが二量化し,固
有の蛋白質チロシンキナーゼ活性が過渡的に刺激され,自己リン酸化する。この
ことにより,内部シグナル伝達分子用の結合部位が形成され,種々の細胞質シグ
ナリング分子との複合体の形成につながり,これは,適切な細胞応答(例えば,
細胞分裂,細胞外微小環境に及ぼす代謝的効果等)を促進する。Schless
inger and Ullrich,1992,Neuron 9:1−20
を参照。
【0137】 KDR/FLK−1の細胞内領域と,PDGF−βレセプターの細胞内領域(
50.3%の相同性),および/または関連するflt−1レセプターとの緊密
な相同性は,重複したシグナル伝達経路の誘導を示している。例えばPDGF−
βレセプターについては,srcファミリーのメンバー(Twamleyら,1
993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:7696−7
700),ホスファチジルイノシトール−3’−キナーゼ(Huら,1992,
Mol.Cell.Biol.12:981−990),ホスホリパーゼcγ(
Kashishian&Cooper,1993,Mol.Cell.Biol
.,4:49−51),ras−GTPアーゼ活性化蛋白質(Kashishi
anら,1992,EMBOJ.,11:1373−1382),PTP−ID
/syp(Kazulauskasら,1993,Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA,1090:6939−6943),Grb2(Arvid
ssonら,1994,Mol.Cell.Biol.,14:6715−67
26),およびアダプター分子ShcおよびNuk(Nishimuraら,1
993,Mol.Cell.Biol.,13:6889−6896)が,異な
る自己リン酸化部位に関与する領域に結合することが示されている。全般的には
,Claesson−Welsh,1994,Prog.Growth Fac
tor Res.,5:37−54参照のこと。したがって,KDR/FLK−
1により活性化されるシグナル伝達経路は,ras経路(Rozakisら,1
992,Nature,360:689−692),PI−3’−キナーゼ,s
rc介在性,およびplcγ介在性の経路を含むと考えられる。これらの経路の
各々は,内皮細胞におけるKDR/FLK−1の新脈管形成および/または脈管
形成効果において,重大な役割を演じることができる。したがって本発明のまた
さらなる特徴は,本文に述べた有機化合物を,新脈管形成および脈管形成を調節
するべく用いることに関するが,それはかかる過程がこれらの経路によって調節
されるためである。
【0138】 逆に,再狭窄などの,血管の収縮,狭窄,または閉鎖に関連した疾患にも関与
することが示唆されており,本発明の方法により治療または予防することができ
る。
【0139】 繊維性疾患とは,細胞外マトリックスの異常な形成を表す。繊維性疾患の例に
は,肝硬変およびメサンギウム細胞増殖性疾患が含まれる。肝硬変は,肝臓瘢痕
の形成を引き起こす細胞外マトリックスの組成の増加を特徴とする。肝硬変は,
肝臓の硬変等の疾病を引き起こしうる。肝臓瘢痕を引き起こす細胞外マトリック
スの増加はまた,肝炎ウイルス等のウイルス感染に起因する。脂肪細胞は,肝硬
変において主要な役割を果たすようである。示唆されている他の繊維性疾患には
,アテローム性動脈硬化症が含まれる。
【0140】 メサンギウム細胞増殖疾患とは,メサンギウム細胞の異常な増殖により引き起
こされる疾患を表す。メサンギウム増殖疾患には,種々のヒト腎臓疾病,例えば
,糸球体腎炎,糖尿病性腎症,悪性腎硬化症,ならびに血栓性細小血管症候群,
移植拒絶,および糸球体症が含まれる。RTK PDGF−Rは,メサンギウム
細胞増殖の維持に関与することが示唆されている(Floege et al.
,1993,Kidney International 43:47S−54
S)。
【0141】 多くの癌は細胞増殖性疾患であり,先に記載されるように,PKは細胞増殖性
疾患と関連づけられてきた。すなわち,PK,例えば,RTKファミリーのメン
バーが癌の発達と関連づけられてきたことも驚くべきことではない。EGFR(
Tuzi et al.,1991,Br.J.Cancer 63:227−
233,Torp et al.,1992,APMIS 100:713−7
19),HER2/neu(Slamon et al.,1989,Scie
nce 244:707−712),およびPDGF−R(Kumabe et
al.,1992,Oncogene,7:627−633)等のこれらのレ
セプターのいくつかは多くの腫瘍において過剰発現され,および/またはオート
クリンループにより持続的に活性化される。事実,ほとんどの一般的かつ重症の
癌においては,これらのレセプターの過剰発現(Akbasak and Su
ner−Akbasak et al.,1992,J.Neurol.Sci
.,111:119−133,Dickson et al.,1992,Ca
ncer Treatment Res.61:249−273,Korc e
t al.,1992,J.Clin.Invest.90,1352−136
0),およびオートクリンループ(Lee and Donoghue,199
2,J.Cell.Biol.,118:1057−1070,Korc et
al.,前掲,Akbasak and Suner−Akbasak et
al.,前掲)が示されている。例えば,EGFRは扁平上皮癌,星状細胞腫
,神経芽細胞腫,頭頚部癌,肺癌,および膀胱癌と関連づけられている。HER
2は乳,卵巣,胃,肺,膵臓,および膀胱の癌と関連づけられている。PDGF
−Rは神経芽細胞腫,黒色腫,ならびに肺,卵巣および前立腺の癌と関連づけら
れている。
【0142】 PDGFRは神経膠芽細胞腫および黒色腫,ならびに肺,卵巣,および前立腺
の癌と関連づけられている。RTK c−metもまた悪性の腫瘍形成と関連づ
けられている。例えば,c−metは種々の癌の中でも,特に結腸直腸,甲状腺
,膵臓,胃,および肝細胞の癌腫およびリンパ腫と関連づけられている。さらに
,c−metは白血病に結びつけられている。c−met遺伝子の過剰発現はま
たホジキン病およびバーキット病の患者において検出されている。
【0143】 IGF−IRは,栄養上の支持およびII型糖尿病に関係づけられていること
に加えて,いくつかの型の癌に関係づけられている。例えば,IGF−Iはいく
つかの型の腫瘍,例えばヒト乳癌の癌腫細胞(Arteaga et al.,
1989,J.Clin.Invest.84:1418−1423),および
小細胞肺腫瘍(Macauley et al.,1990,Cancer R
es.,50:2511−2517)のオートクリン成長刺激因子として示唆さ
れている。さらに,IGF−Iは神経系の正常な成長および分化に完全に関与し
ており,ヒトの神経膠腫のオートクリン刺激因子であるように見える。Sand
berg−Nordqvist et al.,1993,Cancer Re
s.53:2475−2478。細胞増殖におけるIGF−IRとそのリガンド
の重要性は,培養されている多くの細胞型(線維芽細胞,上皮細胞,平滑筋細胞
,Tリンパ球,骨髄性細胞,軟骨細胞,および骨芽細胞(骨髄の幹細胞)がIG
F−Iによって成長するよう刺激されるという事実によってさらに支持される。
Goldring and Goldring,1991,Eukaryoti
c Gene Expression,1:301−326。Basergaお
よびCoppolaは,IGF−IRが形質転換の機構において中心的な役割を
果たしていること,またそれ自体がヒトの広範囲の悪性腫瘍に対する治療的介入
のための好ましい標的となり得ることを示唆している。Baserga,199
5,Cancer Res.,55:249−252,Baserga,199
4,Cell 79:927−939,Coppola et al.,199
4,Mol.Cell.Biol.,14:4588−4595。
【0144】 STKは,特に乳癌を含む多くの型の癌に関与することが示唆されている(C
ance,et al.,Int.J.Cancer,54:571−77(1
993))。
【0145】 異常なPK活性と疾病との関連性は,癌に限られない。例えば,RTKは,疾
病,例えば,乾癬,糖尿病,子宮内膜症,新脈管形成,じゅく状斑の発達,アル
ツハイマー疾病,再狭窄,フォン・ヒッペル−リンダウ症候群,表皮過増殖およ
び神経変性性疾病,加齢性黄斑変性および血管腫と関連づけられている。例えば
,EGFRは,角膜および皮膚の創傷治癒における関与が示唆されている。タイ
プII糖尿病においてインスリン−RおよびIGF−1Rの欠陥が示されている
。特定のRTKとその治療適応症との間のより完全な相関はPlowman e
t al.,1994,DN&P7:334−339に記載されている。
【0146】 先に記載されているように,RTKのみならず,CTK,例えば,限定されな
いが,src,ab1,fps,yes,fyn,lyn,Ick,blk,h
ck,fgrおよびyrk(Bolen et al.,1992,FASEB
J.,6:3403−3409により概説)もまた,増殖および代謝性シグナ
ル伝達経路に関与しており,したがって,本発明にかかる多くのPTK媒介性疾
患に関与することが予測され,このことが実際に示されている。例えば,変異し
たsrc(v−src)は,トリにおいて発癌蛋白質(pp60v-src)である
ことが示されている。さらに,その細胞性ホモログであるプロトオンコジンpp
60c-srcは,多くのレセプターの発癌シグナルを伝達する。腫瘍におけるEG
FRまたはHER2/neuの過剰発現は,悪性細胞に特徴的であるが正常細胞
では見られないpp60c-srcの構成的活性化につながる。一方,c−srcの
発現に欠陥を有するマウスは大理石骨病的表現型を示し,このことは,c−sr
cが破骨細胞機能において鍵となるよう関与していること,および関連する疾患
に関与している可能性を示唆する。
【0147】 同様に,Zap70は,自己免疫疾患に関連するかもしれないT−細胞シグナ
リングにおける関与が示唆されている。
【0148】 STKは,炎症,自己免疫疾患,免疫応答,および過増殖疾患,例えば再狭窄
,繊維症,乾癬,変形性関節症および慢性関節リウマチと関連づけられている。
【0149】 PKはまた,胚着床における関与も示唆されている。すなわち,本発明の化合
物は,そのような胚着床を防止する有効な方法を提供することができ,したがっ
て,産児調節剤として有用であろう。
【0150】 最後に,現在,RTKおよびCTKの両方とも過剰免疫疾患に関与しているこ
とが疑われている。
【0151】投与および医薬組成物 本発明の化合物は,そのままでヒト患者に,または,上述の物質が適当な担体
または賦形剤と混合されている医薬組成物中で投与することができる。薬剤の処
方および投与の手法は,"Remington’sPharmacologic
alSciences,"MackPublishingCo.,Easton
,PA.,の最新版に見いだすことができる。
【0152】投与経路 本明細書において用いる場合,"投与する"または"投与"とは,本発明の化合物
,塩またはプロドラッグ,または本発明の化合物,塩またはプロドラッグを含む
医薬組成物を,PK関連疾患の予防または治療の目的で生物に輸送することを表
す。
【0153】 適当な投与経路には,限定されないが,経口,直腸内,経粘膜,または腸内投
与,または筋肉内,皮下,骨髄内,鞘内,直接心室内,静脈内,硝子体内,腹腔
内,鼻腔内,または眼内注射が含まれる。好ましい投与経路は経口および非経口
である。
【0154】 あるいは,化合物は,全身的方法ではなく局所に,例えば化合物を固形癌内に
直接,しばしばデポ剤または持続放出処方中で注射することにより投与してもよ
い。
【0155】 さらに,薬物はターゲティングされたドラッグデリバリーシステムにおいて,
例えば腫瘍特異的抗体により被覆されたリポソーム中で投与してもよい。リポソ
ームは腫瘍にターゲティングされ,選択的に取り込まれるであろう。
【0156】組成物/処方 本発明の医薬組成物は,当該技術分野においてよく知られる方法,例えば,慣
用の混合,溶解,顆粒化,糖衣作成,研和,乳化,カプセル封入,捕捉,または
凍結乾燥により製造することができる。
【0157】 本発明にしたがって使用するための医薬組成物は,活性化合物を薬剤として使
用することができる製剤に加工することを容易にする賦形剤および補助剤を含む
,1またはそれ以上の生理学的に許容しうる担体を用いて,慣用の方法で処方す
ることができる。適切な処方は,選択される投与経路に依存する。
【0158】 注射用には,本発明の化合物を水性溶液,好ましくはハンクス溶液,リンゲル
溶液,または生理的食塩緩衝液等の生理学的に適合性の緩衝液中で処方すること
ができる。経粘膜投与用には,浸透すべき障壁に適した浸透剤が処方に用いられ
る。そのような浸透剤は当該技術分野において一般に知られている。
【0159】 経口投与のためには,活性化合物を当該技術分野においてよく知られる薬学的
に許容しうる担体と混合することにより化合物を処方することができる。そのよ
うな担体は,本発明の化合物を,治療すべき患者による経口摂取のための錠剤,
丸薬,糖衣剤,カプセル,液体,ゲル,シロップ,スラリー,懸濁液等として処
方することを可能とする。経口で使用するための医薬製剤は,固体賦形剤を用い
て,得られた混合物を任意にすりつぶし,所望の場合には適当な助剤を加えた後
に,顆粒の混合物を加工して,錠剤または糖衣錠コアを得ることができる。適当
な賦形剤には,特に,ラクトース,ショ糖,マンニトール,またはソルビトール
等の糖類;トウモロコシデンプン,小麦デンプン,米デンプン,およびジャガイ
モデンプン等のセルロース製品,ゼラチン,トラガカントゴム,メチルセルロー
ス,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム,および/またはポリビニルピロリドン(PVP)等の増量剤などの賦形剤
が含まれる。所望の場合には,架橋されたポリビニルピロリドン,寒天,または
アルギン酸等の崩壊剤を加えてもよい。その塩,例えばアルギン酸ナトリウムを
用いてもよい。
【0160】 糖衣剤のコアは,適当なコーティングとともに供給される。この目的のために
は,濃縮された糖溶液を用いることができる。これは,アラビアゴム,タルク,
ポリビニルピロリドン,カルボポールゲル,ポリエチレングリコール,および/
または二酸化チタン,ラッカー溶液,および適当な有機溶媒または溶媒混合物を
任意に含むことができる。識別のため,あるいは活性化合物の用量の異なる組合
せを特徴づけるため,染料または色素を錠剤または糖衣剤コーティングに添加し
てもよい。
【0161】 経口で使用することができる医薬組成物は,ゼラチンから作成されるプッシュ
フィットカプセル,ならびにゼラチンおよびグリセロール,ソルビトール等の可
塑剤から作成される密封軟カプセルを含む。プッシュフィットカプセルは,活性
成分を,ラクトース等の増量剤,デンプン等の結合剤,および/またはタルクお
よびステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤,さらに任意に安定剤との混合物中に
含むことができる。軟カプセルにおいては,活性化合物は脂肪油,流動パラフィ
ン,または液体ポリエチレングリコール等の適当な液体中に溶解または懸濁する
ことができる。これらの処方にはさらに安定剤を添加してもよい。
【0162】 吸入による投与用には,本発明に従って用いられる化合物は,噴射剤,例えば
,ジクロロジフルオロメタン,トリクロロフルオロメタン,ジクロロテトラフル
オロエタン,二酸化炭素または他の適当な気体を用いて,加圧されたパックまた
はネブライザーからエアーゾルスプレイの形状で便利に輸送される。加圧された
エアーゾルの場合,用量単位は計量された量を送達するべく備えられたバルブに
より調節することができる。例えば吸入器または注入器において使用するための
ゼラチン製のカプセルおよびカートリッジは,化合物の粉末混合物と,ラクトー
スまたはデンプン等の適当な粉末基剤とを含むよう処方することができる。
【0163】 化合物はまた,例えばボーラス注射または連続注入による非経口投与用に処方
することができる。注射用の処方は,単位用量にて,例えばアンプルにて,ある
いは添加された保存料と共に多用量容器中で提供することができる。組成物は油
性または水性のベヒクル中で,懸濁液,溶液,または乳濁液等の形状をとること
ができ,懸濁剤,安定剤および/または分散剤等の製剤物質を含んでいてもよい
【0164】 非経口投与用の薬剤処方は,水溶性の形態,例えば,限定されないが,塩の形
の活性化合物の水性溶液を含む。さらに,活性化合物の懸濁液は,親油性ベヒク
ル中に製造することができる。適切な親油性ベヒクルには,ゴマ油等の脂肪油,
オレイン酸エチルまたはトリグリセリド等の合成脂肪酸エステル,またはリポソ
ーム等を含む。水性の注射用懸濁液は,カルボキシメチルセルロースナトリウム
,ソルビトール,またはデキストラン等の,懸濁液の粘度を増加させる物質を含
んでいてもよい。任意に,懸濁液はまた,高度に濃縮された溶液の調製を可能に
する,当該化合物の溶解性を増加させる適当な安定剤および/または薬剤を含ん
でいてもよい。
【0165】 あるいは,活性成分は粉体の形態であって,使用前に適当なベヒクル,例えば
発熱物質を含まない滅菌水を用いて構成することができる。
【0166】 化合物はまた,例えばカカオバターまたは他のグリセリド等の慣用の坐剤基剤
を用いて,坐剤または停留浣腸等の直腸用組成物に処方することができる。
【0167】 上述した処方に加えて,化合物はまたデポ製剤として処方することができる。
そのような長時間作用性の処方は,埋込み(例えば皮下または筋肉内への)によ
るか,または筋肉内注射により投与することができる。本発明の化合物は,この
投与経路用に,適当な高分子性または疎水性物質と共に(例えば許容される油剤
中の乳濁液として),イオン交換樹脂と共に,溶けにくい塩等の溶けにくい誘導
体として,処方することができる。
【0168】 本発明の疎水性化合物のための薬学的担体の非限定的例は,ベンジルアルコー
ル,非極性界面活性剤,水混和性有機ポリマーおよび水性相を含む共溶媒系,例
えばVPD共溶媒系である。VPDは,3%(w/v)ベンジルアルコール,8
%(w/v)非極性界面活性剤ポリソルベート80,および65%(w/v)ポ
リエチレングリコール300を純粋エタノール中に作成した溶液である。VPD
共溶媒系(VPD:D5W)は,VPDを5%デキストロースの水溶液中に1:
1で希釈したものである。この共溶媒系は疎水性化合物をよく溶解し,それ自体
,全身投与に際して低い毒性を示す。本来,そのような共溶媒系の比率は,その
溶解性および毒性特性を破壊することなく相当変化させることができる。さらに
,共溶媒成分の種類も変化させることができる。例えば,他の低毒性非極性界面
活性剤をポリソルベート80の代わりに用いることができ,ポリエチレングリコ
ールの分画サイズは様々でありうる。他の生体適合性ポリマー,例えばポリビニ
ルピロリドンをポリエチレングリコールの代わりに用いることができ,他の糖ま
たは多糖類をデキストロースの代わりに用いることができる。
【0169】 あるいは,疎水性の医薬化合物のための他の輸送系を用いてもよい。リポソー
ムおよび乳剤は,疎水的薬剤のための輸送用ベヒクルまたは担体の例としてよく
知られている。さらに,ある種の有機溶媒,例えばジメチルスルホキシドもまた
用いることができるが,しばしば毒性がより高くなる。さらに,化合物は,持続
放出系,例えば治療薬剤を含む固体疎水性ポリマーの準透過性マトリックスを用
いて輸送することができる。種々の持続放出材料が確立されており,当業者には
よく知られている。持続放出カプセルはその化学的性質に応じて,数週間から1
00日を越える期間,化合物を放出する。治療薬剤の化学的性質および生物学的
安定性に応じて,さらに別の蛋白質安定化戦略を用いてもよい。
【0170】 本明細書に記載される医薬組成物は,適当な固体またはゲル相の担体または賦
形剤を含んでいてもよい。そのような担体または賦形剤の例には,限定されない
が,炭酸カルシウム,リン酸カルシウム,種々の糖,デンプン,セルロース誘導
体,ゼラチン,およびポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれる。
【0171】 本発明のPK調節化合物の多くは,本発明の化合物が負にまたは正に荷電した
種を形成する,生理学的に許容しうる塩として提供することができる。化合物が
正に荷電した成分を形成する塩の例には,限定されないが,四級アンモニウム(
本明細書において定義される),四級アンモニウム基の窒素原子が適切な酸と反
応させた本発明の選択された化合物の窒素である塩,例えば,塩酸,硫酸,炭酸
,乳酸,酒石酸,マレイン酸,コハク酸の塩が含まれる。本発明の化合物が負に
荷電した種を形成している塩には,限定されないが,化合物中のカルボン酸基を
適当な塩基(例えば水酸化ナトリウム(NaOH),水酸化カリウム(KOH)
,水酸化カルシウム(Ca(OH)2)等)と反応させることにより形成される
ナトリウム,カリウム,カルシウムおよびマグネシウム塩が含まれる。
【0172】投与量 本発明において使用するのに適した医薬組成物には,活性成分がその意図され
る目的,例えば,PK活性の調節またはPK関連疾患の治療または予防を達成す
るのに有効な量で含まれている組成物が含まれる。より詳細には,治療上有効量
とは,疾病の症状を予防,緩和または改善するのに,または治療している被験者
の生存を長くするのに有効な化合物の量を意味する。
【0173】 治療上有効量の決定は,特に本明細書に提供される詳細な開示に鑑みて,十分
に当業者の能力の範囲内である。
【0174】 本発明の方法において用いられる任意の化合物について,治療上有効な量また
は用量は,最初は細胞培養アッセイから見積もることができる。次に,動物モデ
ルにおいて,培養細胞において決定されたIC50(すなわちPK活性の最大阻害
の半分を達成する試験化合物の濃度)を含む循環濃度範囲を達成するような用量
を処方することができる。次にそのような情報を用いてヒトにおける有用な用量
をさらに正確に決定することができる。
【0175】 本明細書に記載される化合物の毒性および治療有効性は,培養細胞または実験
動物における標準的な薬理学的方法により,例えば対象化合物についてIC50
よびLD50(いずれも本明細書において議論される)を決定することにより,決
定することができる。これらの培養細胞アッセイおよび動物研究から得られるデ
ータは,ヒトにおいて用いるためのある範囲の投与量を処方するために用いるこ
とができる。投与量は,用いる投与形態および用いる投与経路により様々であり
うる。正確な処方,投与経路,および投与量は,個々の医師が,患者の状態を考
慮して選択することができる(例えば,Fingl et al.1975,"
The Pharmacological Basis of Therape
utics",Ch.1,p.1を参照)。
【0176】 投与量および間隔は,個々に,活性成分がキナーゼ調節効果を維持するのに十
分な血漿レベルを与えるよう調節することができる。このような血漿レベルは最
小有効濃度(MEC)と称される。MECは,各化合物について異なるが,イン
ビトロのデータ,例えば,本明細書に記載されるアッセイを用いて,キナーゼの
50−90%の阻害を達成するのに必要な濃度から見積もることができる。ME
Cを達成するのに必要な投与量は,個々の特性および投与経路に依存するであろ
う。HPLCアッセイまたはバイオアッセイを用いて血漿濃度を決定することが
できる。
【0177】 投与間隔もまた,MEC値を用いて決定することができる。化合物は,10−
90%の時間,好ましくは30−90%の時間,最も好ましくは50−90%の
時間,MECより高い血漿レベルを維持する投与計画を用いて投与すべきである
【0178】 局所投与または選択的取り込みの場合には,薬剤の有効な局所濃度は血漿濃度
とは関係ないであろう。当該技術分野において知られる他の方法を用いて,正確
な投与量および間隔を決定することができる。
【0179】 投与される組成物の量は,もちろん,治療中の患者,苦痛の激しさ,投与方法
,および担当医師の判断に依存するであろう。
【0180】包装 組成物は,所望の場合には,活性成分を含む1またはそれ以上の単位用量形を
含んでいてもよいパックまたはディスペンサー装置,例えばFDAに認可された
キット中で提供することができる。パックは,例えば,ブリスターパックなどの
金属またはプラスチック箔を含むことができる。パックまたはディスペンサー装
置には,投与の指示が添付されていてもよい。パックまたはディスペンサー装置
はまた,薬剤の製造,使用,または販売を規制する政府機関によって規定された
形式の,容器に付随した注意書が添付されていてもよく,その注意書はヒトまた
は獣医学的投与用の化合物の形状の当該機関による承認を反映するものである。
そのような注意書は,例えば米国食品医薬品局により処方箋調剤薬として承認さ
れたラベルによるものか,または承認された製品に差込まれたものでもよい。適
合した薬学的担体中に処方された,本発明の化合物を含む組成物もまた製造され
,適当な容器内に配置され,さらに指示された状態の治療のためにラベルを付す
ことができる。ラベル上に示される適切な状態としては,腫瘍の治療,新脈管形
成の阻害,線維症,糖尿病等の治療が挙げられる。
【0181】 本発明の化合物は,上述した疾病および疾患の治療のために,他の化学療法剤
と組み合わせることができる。例えば,本発明の化合物,塩またはプロドラッグ
は,アルキル化剤,例えば,フルオロウラシル(5−FU)単独で,またはさら
にロイコボリンと組み合わせて;または,他のアルキル化剤,例えば,限定され
ないが,他のピリミジン類似体,例えば,UFT,カペシタビン,ゲムシタビン
およびシタラビン,アルキルスルホネート,例えばブルスファン(慢性顆粒球性
白血病の治療に用いられる),イムプロスルファンおよびピポスルファン;アジ
リジン類,例えばベンゾデパ,カルボコン,メツレデパおよびウレデパ;エチレ
ンイミン類およびメチルメラミン類,例えばアルトレタミン,トリエチレンメラ
ミン,トリエチレンホスホルアミド,トリエチレンチオホスホルアミドおよびト
リメチロールメラミン,およびナイトロジェンマスタード類,例えばクロラムブ
シル(慢性リンパ性白血病,原発性マクログロブリン血症および非ホジキンリン
パ腫の治療において用いられる),シクロホスファミド(ホジキン病,多発性骨
髄腫,神経芽細胞腫,乳癌,卵巣癌,肺癌,ウイルムス腫瘍および横紋筋肉腫の
治療において用いられる),エストラムスチン,イフォスファミド,ノベムブリ
チン,プレドニムスチンおよびウラシルマスタード(原発性血小板増加症,非ホ
ジキンリンパ腫,ホジキン病および卵巣癌用);およびトリアジン類,例えばダ
カルバジン(軟組織肉腫用)と組み合わせることができる。
【0182】 同様に,本発明の化合物はまた,他の抗代謝化学療法剤,例えば,限定されな
いが,葉酸類似体(例えば,メトトレキセート(急性リンパ性白血病,絨毛癌腫
,菌状息肉腫,乳癌,頭頸部癌および肺癌,骨形成性肉腫の治療に用いられる)
およびプテロプテリン),プリン類似体,例えばメルカプトプリンおよびチオグ
アニン(急性顆粒球性白血病,急性リンパ性白血病および慢性顆粒球性白血病の
治療に用いられる)と組み合わせて用いて,有益な効果を示すと予測される。
【0183】 さらに,本発明の化合物は,天然産物化学療法剤,例えば,限定されないが,
ビンカアルカロイド(例えばビンブラスチン(乳癌および精巣癌に用いられる)
,ビンクリスチン,ビンデシン),エピポドフィロトキシン類(例えばエトポシ
ド,テニポシド(両方とも精巣癌およびカポジ肉腫の治療に用いられる)),抗
生物質化学療法剤(例えばダウノルビシン,ドキソルビシン,エピルビシン,マ
イトマイシン(胃癌,子宮頸癌,結腸癌,乳癌,膀胱癌および膵臓癌に用いられ
る),ダクチノマイシン,テモゾロミド,プリカマイシン,ブレオマイシン(皮
膚癌,食道癌および尿生殖器管癌に用いられる)および酵素的化学療法剤,例え
ばL−アスパラギナーゼと組み合わせて有効性を示すと予測される。
【0184】 上述に加えて,本発明の化合物は,白金配位錯体(例えばシスプラチン),置
換尿素(例えばヒドロウレア),メチルヒドラジン誘導体(例えばプロカルバジ
ン),副腎皮質抑制剤(例えばミトーテン,アミノグルテチミド),ならびにホ
ルモンおよびアンタゴニスト,例えばアドレノコルチコステロイド(例えばプレ
ドニゾン),プロゲスチン(例えばヒドロキシプロゲステロンカプロネート),
エストロゲン(例えばジエチルスチルベストロール),抗エストロゲン(例えば
タモキシフェン)およびアンドロゲン(例えばテストステロンプロピオネート)
,およびアロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール)と組み合わせて用いて
,有益な効果を示すと予測される。
【0185】 最後に,本発明の化合物の組み合わせは,ミトザントロンまたはパクリタキセ
ルとの組み合わせにおいて,固形腫瘍癌または白血病,例えば,限定されないが
,急性骨髄性(非リンパ球)白血病の治療に特に有効であることが予測される。
【0186】合成 本発明の化合物は,化学の技術分野においてよく知られる手法を用いて容易に
製造することができる。当業者には,本発明の化合物を形成するために他の合成
経路が利用可能であり,以下の記載は例示のためにのみ提供され,限定ではない
ことが理解されるであろう。さらに,そのような他の合成経路も本発明の範囲内
である。
【0187】A.一般的合成方法 以下の一般的方法論を用いて,本発明の化合物を製造することができる。本発
明の化合物を作成する他の方法は,本明細書の記載に基づいて当業者には明らか
になるであろう。そのような方法は本発明の範囲内である。
【0188】 方法A:オキシインドールとアルキルアリールグリオキシレートとの縮合 1等量のオキシインドール,1等量のアルキルアリールグリオキシレートおよ
び過剰の粉末NaOHの混合物を,トルエン中で,水を除去するためにディーン
スターク装置を用いて,TLCにより反応が完了したことが示されるまで(約8
−24時間)還流する。反応混合物を1.5NHClで酸性にし,次に0℃で1
時間撹拌する。形成した沈殿物を濾過し,MeOH/H2O中で砕き,乾燥して
,縮合生成物を得る。
【0189】方法B:アミド化 方法Aで得られたカルボキシインドリノンをDMF(0.3M)に溶解し,撹
拌しながら,これに1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミド塩酸塩(EDAC,1.5等量),1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(
HOBt,1.5等量)および最後にトリエチルアミン(TEA,2等量)を加
える。2等量の適当なアミンを加え,反応液を室温で一夜撹拌する。反応混合物
を濃縮し,残渣に2N炭酸ナトリウムを加える。得られた沈殿物を濾過し,希H
Clおよび水で洗浄し,次にMeOH/H2Oから再結晶させて,アミドを得る
【0190】 以下に本発明の例示的化合物の合成を記載する。化合物およびこれを得るため
に用いた方法のいずれも,いかなる意味においても本発明の範囲を限定するもの
と解釈すべきではない。
【0191】実施例1 (2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデン)−フェニル酢酸 オキシインドール(390mg,3mmol)を,方法Aを用いてエチルフェ
ニルグリオキシレート(540mg)と縮合させて,200mg(25%)の表
題化合物を黄色固体として得た。1 H−NMR(360MHz,DMSO−d6)δ13.31(brs,1H,
COOH),10.65(s,br,1H,NH),7.45−7.55(m,
5H),7.17(t,J=7.7Hz,1H),6.83(d,J=7.7H
z,1H),6.68(t,J=7.7Hz,1H),6.52(d,J=7.
7Hz,1H) MS−EI m/z 265[M]+
【0192】実施例2 (3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−(2−オキソ−1,2−ジ
ヒドロインドール−3−イリデン)−酢酸 CH2Cl2中の塩化メチルオキザリル(3.8g)を,2,4−ジメチルピロ
ール(3g,31.6mmol)およびTEA(6mL)のCH2Cl2(150
mL)中の混合物に,0℃で撹拌しながらゆっくり加えた。1時間撹拌した後,
反応液を後処理し,得られた固体をカラムクロマトグラフィー(1:4酢酸エチ
ル:ヘキサン)に供し,次に再結晶(1:6酢酸エチル:ヘキサン)して,5.
2g(91%)の3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−オキソ酢酸
メチルエステルを得た。 1HNMR(360MHz,DMSO−d6)δ11.66(brs,1H,N
H),5.92(s,1H),3.84(s,3H,OCH3),2.21(s
,3H,CH3),2.11(s,3H,CH3) MS m/z 181.9[M+H]+ オキシインドール(390mg,3mmol)を方法Aを用いて3,5−ジメチ
ル−1H−ピロール−2−イル)−オキソ酢酸メチルエステル(550mg)と
縮合させて,表題化合物を定量的収率で得た。1 H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ14.53(brs,1H,
NH),14.80(brs,1H,COOH),11.03(brs,1H,
NH),7.45(d,J=7.4Hz,1H),7.12(t,J=7.4H
z,1H),6.88−6.95(m,2H),6.03(s,1H),2.3
(s,3H,CH3),2.23(s,3H,CH3) MS−EI m/z 282[M]+
【0193】実施例3 N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−2−(3,5−ジメチル−1H−
ピロール−2−イル)−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−
イリデン)−アセトアミド (3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−(2−オキソ−1,2−
ジヒドロインドール−3−イリデン)−酢酸(90mg)を方法Bを用いて3−
クロロ−4−フルオロアニリン(90mg)と反応させて,表題化合物を得た。 MS−EI m/z 409[M]+
【0194】実施例4 2−(3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−N−(3−フルオロフ
ェニル)−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデン)−
アセトアミド (3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−(2−オキソ−1,2−
ジヒドロインドール−3−イリデン)−酢酸(90mg)を方法Bを用いて3−
フルオロアニリン(35mg)と反応させて,25mg(21%)の表題化合物
を得た。 MS−EI m/z 375[M]+
【0195】実施例5 N−(2−クロロフェニル)−2−(3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−
イル)−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデン)−ア
セトアミド (3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−(2−オキソ−1,2−
ジヒドロ−インドール−3−イリデン)−酢酸(90mg)を方法Bを用いて2
−クロロアニリン(80mg)と反応させて,28mg(22%)の表題化合物
を得た。 MS−EI m/z 391[M]+
【0196】実施例6 N−(2−ジエチルアミノエチル)−2−(3,5−ジメチル−1H−ピロール
−2−イル)−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデン
)−アセトアミド (3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−(2−オキソ−1,2−
ジヒドロインドール−3−イリデン)−酢酸(90mg)を方法Bを用いてN,
N−ジエチルエチレンジアミン(48mg)と反応させて,37mg(46%)
の表題化合物を得た。1 H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ14.62(brs,1H,
NH),10.96(brs,1H,NH),8.71(m,1H,CONHC
2),7.32(d,J=7.8Hz,1H),7.08(m,1H),6.
85−6.90(m,2H),6.0(d,J=2.1Hz,1H),3.36
(m,2H,CH2),2.44−2.55(m,6H,3xCH2),2.30
(s,3H,CH3),2.18(s,3H,CH3),0.92(t,J=7.
2Hz,6H,N(CH2CH32) MS−EI m/z 380[M]+
【0197】実施例7 N−(3−ジメチルアミノフェニル)−2−(3,5−ジメチル−1H−ピロー
ル−2−イル)−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデ
ン)−アセトアミド (3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−(2−オキソ−1,2−
ジヒドロインドール−3−イリデン)−酢酸(90mg)を方法Bを用いて3−
ジメチルアミノアニリンジヒドロクロリド(85mg)と反応させて,32mg
(25%)の表題化合物を得た。 MS−EI m/z 400[M]+
【0198】実施例8 N−(3−ジエチルアミノメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−(3,5−
ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ
インドール−3−イリデン)−アセトアミド (3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−(2−オキソ−1,2−
ジヒドロインドール−3イリデン)−酢酸(90mg)を方法Bを用いて4−ア
ミノ−アルファジエチルアミノ−o−クレゾールジヒドロクロリド(110mg
)と反応させて,25mg(17%)の表題化合物を得た。 MS−EI m/z 458[M]+
【0199】実施例9 N−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(3,5−ジメチル−1H−ピロー
ル−2−イル)−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデ
ン)−アセトアミド (3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−(2−オキソ−1,2−
ジヒドロ−インドール−3−イリデン)−酢酸(90mg)を方法Bを用いて3
,4−ジメトキシアニリン(110mg)と反応させて,50mg(37%)の
表題化合物を得た。1 H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ14.7(brs,1H,N
H),11.03(brs,1H,NH),10.86(brs,1H,NH)
,7.4(d,1H),7.34(s,1H),7.24(d,1H),7.1
6(t,1H),6.96(d,1H),6.88(d,1H),6.77(t
,1H),6.03(s,1H),3.74(s,3H,OCH3),3.71
(s,3H,CH3),2.32(s,3H,OCH3),2.13(s,3H,
CH3) MS−EI m/z 417[M]+
【0200】実施例10 N−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロイ
ンドール−3−イリデン)−2−フェニルアセトアミド (2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデン)−フェニル−
酢酸(85mg)を方法Bを用いて3,4−ジメトキシアニリン(110mg)
と反応させて,10mg(8%)の表題化合物を得た。1 H−NMR(300MHz,DMSO−d6)810.64(brs,1H,
NH),10.33(brs,1H,NH),7.54(m,5H),7.31
(m,1H),7.1−7.2(m,2H),6.86.89(m,2H),6
.66(t,1H),6.42(d,1H),3.70(s,6H,2xOCH3 ) MS−EI m/z 400[M]+
【0201】実施例11 (5−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデン)−フ
ェニル酢酸 5−ブロモオキシインドール(640mg)を方法Aを用いてメチルフェニル
グリオキシレート(540mg)と反応させて,470mg(45%)の表題化
合物を得た。1 H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ10.37(brs,1H,
NH),7.37−7.44(m,5H),7.13(dd,J=1.7&8.
1Hz,1H),6.88(d,J=8.1Hz,1H),6.27(d,J=
1.7Hz,1H)
【0202】実施例12 2−(5−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデン)
−N−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−フェニル−アセトアミド (5−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデン)フ
ェニル−酢酸(70mg),3,4−ジメトキシアニリン(63mg),4−ジ
メチルアミノピリジン(25mg),ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP,9
0mg)およびTEA(1滴)のDMF(2mL)中の混合物を一夜還流した。
反応混合物を濃縮し,次に水性炭酸塩で希釈した。形成した沈殿物を希HClお
よび水で洗浄し,次に乾燥して,16mgの表題化合物を得た。1 H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ10.89(brs,1H,
NH),10.41(brs,1H,NH),8.23(d,1H),7.55
−7.65(m,2H),7.38(dd,2H),7.16(d,1H),6
.9(m,2H),6.81(d,1H),6.66(m,1H),6.61(
m,1H),3.71(s,3H,OCH3),36.4(s,3H,OCH3) MS−EI m/z 478/480 [M−1およびM+1]+
【0203】生物学的評価 任意の与えられた一群の化合物において,生物学的活性のスペクトルが得られ
るであろうことが理解されるであろう。好ましい態様においては,本発明は,R
TK,CTK,およびSTK活性を調節する能力を示す,新規な(2−オキシイ
ンドール−3−イリデニル)酢酸誘導体に関する。以下のアッセイを用いて,最
適な程度の所望の活性を示す化合物が選択される。
【0204】A.アッセイ方法 以下のアッセイを用いて,活性のレベルおよび本発明の種々の化合物が1また
はそれ以上のPKに及ぼす影響を決定することができる。任意のPKについて,
当該技術分野においてよく知られる手法を用いて同じように同様のアッセイを設
計することができる。
【0205】 本明細書に記載されるアッセイのいくつかは,ELISA(酵素結合イムノソ
ルベントサンドイッチアッセイ)フォーマットで行う(Voller, et
al.,1980,"Enzyme−Linked Immunosorben
t Assay,"Manual of Clinical Immunolo
gy,2ded.,Rose and Friedman,Am.Soc.Of
Microbiology,Washington,D.C.,pp.359
−371)。一般的方法は以下のとおりである:試験キナーゼを発現する(天然
にまたは組換え的に)細胞に化合物を導入し,選択された時間が経過した後,試
験キナーゼがレセプターである場合には,レセプターを活性化することが知られ
ているリガンドを加える。細胞を溶解させ,溶解物を酵素的リン酸化反応の基質
を認識する特定の抗体で予め被覆したELISAプレートのウエルに移す。細胞
溶解物の非基質成分を洗い流し,ホスホチロシンを特異的に認識する抗体で基質
上のリン酸化の量を検出し,試験化合物と接触していない対照細胞と比較する。
【0206】 特定のPKについてのELISA実験を実施するための現在好ましいプロトコ
ルを以下に記載する。しかし,他のRTK,ならびにCTKおよびSTKに対す
る化合物の活性を決定するためにこれらのプロトコルを適合させることは,十分
に当業者の技術の範囲内である。本明細書に記載される他のアッセイは試験キナ
ーゼの活性化に応答して作成されたDNAの量を測定するものであり,これは増
殖性応答の一般的尺度である。このアッセイの一般的方法は以下のとおりである
:試験キナーゼを発現する(天然にまたは組換え的に)細胞に化合物を導入し,
選択された時間が経過した後,試験キナーゼがレセプターである場合には,レセ
プターを活性化することが知られているリガンドを加える。少なくとも一夜イン
キュベートした後,DNA標識試薬,例えば5−ブロモデオキシウリジン(Br
dU)またはH3−チミジンを加える。抗BrdU抗体を用いて,または放射活
性を測定することにより標識DNAの量を検出し,試験化合物と接触していない
対照細胞と比較する。
【0207】GST−FLK−1バイオアッセイ このアッセイは,ポリ(glu,tyr)ペプチドにおけるGST−Flkl
のチロシンキナーゼ活性を分析する。
【0208】材料および試薬: 1.Corning96−ウエルELISAプレート(Corningカタログ
No.5805−96). 2.ポリ(glu,tyr)4:1,lyophilizate(Sigmaカ
タログ#P0275). 3.ポリ(glu,tyr)(pEY)被覆アッセイプレートの調製:100μ
lPBS中の2μg/ウエルのポリ(glu,tyr)(pEY)を加え,室温
で2時間保持するか,4℃で一夜保持する。プレートをよく覆って蒸発を防ぐ。 4.PBS緩衝液:1Lにつき,0.2gKH2PO4,1.15gNa2HPO4 ,0.2gKClおよび8gNaClを約900mlのdH2O中で混合する。
すべての試薬が溶解したとき,HClでpHを7.2に調節する。dH2Oで総
容量を1Lとする。 5.PBST緩衝液:1LのPBS緩衝液に1.0mlTween20を加える
。 6.TBB−ブロッキング緩衝液:1Lにつき,1.21gTRIS,8.77
gNaCl,1mlTWEEN−20を約900mlのdH2O中で混合する。
HClでpHを7.2に調節する。10gBSAを加え,撹拌して溶解させる。
dH2Oで総容量を1Lとする。濾過して粒子状物質を除去する。 7.1%BSA,PBS中:1x作業溶液を作成するためには,10gBSAを
約990mlのPBS緩衝液に加え,撹拌して溶解させる。PBS緩衝液で総容
量を1Lに調節し,濾過して,粒子状物質を除去する。 8.50mMHepespH7.5. 9.sf9組換えバキュロウイルストランスフォーメーションから精製したGS
T−Flklcd(SUGEN,Inc.)。 10.4%DMSO,dH2O中 11.10mMATP,dH2O中 12.40mMMnCl2 13.キナーゼ希釈緩衝液(KDB):10mlHepes(pH7.5),1
ml5MNaCl,40μlの100mMオルトバナジン酸ナトリウムおよび0
.4mlの5%BSA(dH2O中)を88.56mlのdH2O中で混合する。 .14.NUNC96−ウエルV底ポリプロピレンプレート,Applied
Scientificカタログ#AS−72092 15.EDTA:14.12gエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を約70m
ldH2Oに混合する。EDTAが溶解するまで10NNaOHを加える。pH
を8.0に調節する。dH2Oで総容量を100mlに調節する。 16.1抗体希釈緩衝液:10mlのPBS緩衝液中5%BSAを89.5ml
のTBSTと混合する。 17.西洋ワサビペルオキシダーゼとコンジュゲートした抗ホスホチロシンモノ
クローナル抗体(PY99HRP,Santa Cruz Biotech). 18.2,2’−アジノビス(3−エチルベンズチアゾリン−6−スルホン酸(
ABTS,Moss,Cat.No.ABST). 19.10%SDS.
【0209】方法: 1.Corning96−ウエルELISAプレートを無菌PBS中の2μgの
ポリEYペプチドで,材料および試薬の工程3に記載されるように被覆する。 2.プレートを逆さにすることにより未結合液体をウエルから除去する。TBS
Tで1回洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽くたたいて,過剰の液体を
除去する。 3.100μlの1%BSA(PBS中)を各ウエルに加える。振盪しながら室
温で1時間インキュベートする。 4.工程2を繰り返す。 5.ウエルを50mMHEPES(pH7.5)(150μl/ウエル)に浸漬
する。 6.試験化合物を96−ウエルポリプロピレンプレート中でdH2O/4%DM
SOで所望の最終アッセイ濃度の4倍に希釈する。 7.25μlの希釈試験化合物をELISAプレートに加える。対照ウエルには
,25μlのdH2O/4%DMSOを加える。 8.25μlの40mMMnCl2および4xATP(2μM)を各ウエルに加
える。 9.25μlの0.5MEDTAを陰性対照ウエルに加える。 10.GST−Flklを0.005μg(5ng)/ウエルでKDBで希釈す
る。 11.50μlの希釈酵素を各ウエルに加える。 12.振盪しながら室温で15分間インキュベートする。 13.50μlの250mMEDTA(pH8.0)を加えることにより反応を
停止する。 14.TBSTで3回洗浄し,プレートをペーパータオル上で軽くたたいて過剰
の液体を除去する。 15.抗体希釈緩衝液中で1:5,000に希釈した100μl/ウエルの抗ホ
スホチロシンHRPコンジュゲートを加える。振盪しながら室温で90分間イン
キュベートする。 16.工程14と同様に洗浄する。 17.100μlのrtABTS溶液を各ウエルに加える。 18.振盪しながら10−15分間インキュベートする。泡を除去する。 19.20μlの10%SDSを各ウエルに加えることにより反応を停止する。 20.DynatechMR7000ELISAリーダーで,試験フィルタ41
0nM,参照フィルタ630nMで結果を読む。
【0210】PYK2BIOアッセイ このアッセイを用いて,ELISAアッセイにおいて,HAエピトープタグ付
け全長pyk2(FL.pyk2−HA)のインビトロキナーゼ活性を測定する
【0211】材料および試薬: 1.Corning96−ウエルElisaプレート. 2.12CA5モノクローナル抗HA抗体(SUGEN,Inc.) 3.PBS(ダルベッコリン酸緩衝化食塩水(Gibcoカタログ#450−1
300EB) 4.TBST緩衝液:1Lにつき,8.766gNaCl,6.057gTRI
Sおよび1mlの0.1%TritonX−100を約900mldH2O中で
混合する。pHを7.2に調節し,容量を1Lとする。 5.ブロッキング緩衝液:1Lにつき,100g10%BSA,12.1g10
0mMTRIS,58.44g1MNaClおよび10mLの1%TWEEN2
0を混合する。 6.sf9細胞溶解物からのFL.pyk2−HA(SUGEN,Inc.). 7.4%DMSO,MilliQueH2O中 8.10mMATP,dH2O中 9.1MMnCl2. 10.1MMgCl2. 11.1Mジチオスレイトール(DTT). 12.10Xキナーゼ緩衝液リン酸化:5.0ml1MHepes(pH7.5
),0.2ml1MMnCl2,1.0ml1MMgCl2,1.0ml10%T
ritonX−100を2.8mldH2O中で混合する。使用直前に0.1m
l1MDTTを加える。 13.NUNC96−ウエルV底ポリプロピレンプレート. 14.500mMEDTA,dH2O中 15.抗体希釈緩衝液:100mLにつき,1mL5%BSA/PBSおよび1
mL10%Tween−20を88mLTBS中で混合する。 16.HRP−コンジュゲート化抗PtyrPY99),Santa Cruz
BiotechCat.No.SC−7020. 17.ABTS,Moss,Cat.No.ABST−2000. 18.10%SDS.
【0212】方法: 1.Corning96ウエルELISAプレートを100μlPBS中の0.
5μg/ウエルの12CA5抗HA抗体で被覆する。4℃で一夜保存する。 2.プレートを逆さにすることにより未結合HA抗体をウエルから除去する。プ
レートをdH2Oで洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽くたたいて,過
剰の液体を除去する。 3.150μlのブロッキング緩衝液を各ウエルに加える。振盪しながら室温で
30分間インキュベートする。 4.プレートをTBS−Tで4回洗浄する。 5.溶解物をPBS中で希釈する(1.5μg溶解物/100μlPBS)。 6.100μlの希釈溶解物を各ウエルに加える。室温で1時間振盪する。 7.工程4と同様に洗浄する。 8.50μlの2Xキナーゼ緩衝液を捕捉pyk2−HAを含むELISAプレ
ートに加える。 9.25μlの4%DMSO中400μM試験化合物を各ウエルに加える。対照
ウエルには4%DMSOのみを用いる。 10.25μlの0.5MEDTAを陰性対照ウエルに加える。 11.25μlの20pMATPをすべてのウエルに加える。振盪しながら10
分間インキュベートする。 12.25μlの500mMEDTA(pH8.0)をすべてのウエルに加える
ことにより反応を停止する。 13.工程4と同様に洗浄する。 14.100μlのHRPコンジュゲート化抗Ptyr(1:6000に希釈,
抗体希釈緩衝液中)を各ウエルに加える。振盪しながら室温で1時間インキュベ
ートする。 15.プレートをTBSTで3回,PBSで1回洗浄する。 16.100μlのABST溶液を各ウエルに加える。 17.必要ならば,20μlの10%SDSを各ウエルに加えることにより発色
反応を停止する。 18.ELISAリーダーで,試験フィルタ410nM,参照フィルタ630n
Mでプレートを読む。
【0213】FGFR1バイオアッセイ このアッセイを用いて,ELISAアッセイでFGF1−Rのインビトロキナ
ーゼ活性を測定する。
【0214】材料および試薬: 1.Costar96−ウエルElisaプレート(Corningカタログ#
3369). 2.ポリ(Glu−Tyr)(Sigmaカタログ#P0275). 3.PBS(Gibcoカタログ#450−1300EB) 4.50mMHepes緩衝液溶液. 5.ブロッキング緩衝液(5%BSA/PBS). 6.精製GST−FGFR1(SUGEN,Inc.) 7.キナーゼ希釈緩衝液:500μlの1MHepes(GIBCO),20μ
lの5%BSA/PBS,10μlの100mMオルトバナジン酸ナトリウムお
よび50μlの5MNaClを混合する。 8.10mMATP 9.ATP/MnCl2リン酸化ミックス:20μlのATP,400μlの1
MMnCl2および9.56mlのdH2Oを混合する。 10.NUNC96−ウエルV底ポリプロピレンプレート(Applied S
cientificカタログ#AS−72092). 11.0.5MEDTA. 12.0.05%TBST 500μlのTWEENを1リットルのTBSに加える。 13.ウサギポリクローナル抗ホスホチロシン血清(SUGEN,Inc.). 14.ヤギ抗ウサギIgGペルオキシダーゼコンジュゲート(Biosourc
e,カタログ#ALI0404). 15.ABTS溶液. 16.ABTS/H22溶液.
【0215】方法: 1.Costar96ウエルELISAプレートを1μg/ウエルの100μl
PBS中ポリ(Glu,Tyr)で被覆する。4℃で一夜保存する。 2.被覆したプレートをPBSで1回洗浄する。 3.150μlの5%BSA/PBSブロッキング緩衝液を各ウエルに加える。
振盪しながら室温で1時間インキュベートする。 4.プレートをPBSで2回,次に50mMHepesで1回洗浄する。プレー
トをペーパータオル上で軽くたたいて過剰の液体および泡を除去する。 5.25μlの0.4mM試験化合物(4%DMSO中),または4%DMSO
単独(対照)をプレートに加える。 6.精製GST−FGFR1を希釈緩衝液(5μキナーゼ/50μlKDB/ウ
エル)で希釈する。 7.50μlの希釈キナーゼを各ウエルに加える。 8.25μl/ウエルの新たに調製したATP/Mn++(0.4ml1MMn
Cl2,40μl10mMATP,9.56mldH2O,新たに調製)を加える
ことによりキナーゼ反応を開始する 9.これは迅速なキナーゼ反応であり,ATPの添加と同様の様式で25μlの
0.5MEDTAを加えることにより停止しなければならない。 10.プレートを新たなTBSTで4回洗浄する。 11.抗体希釈緩衝液を作成する:50mlにつき,5mlの5%BSA,25
0μlの5%ミルクおよび50μlの100mMバナジン酸ナトリウムを混合し
,0.05%TBSTで最終容量とする。 12.100μl/ウエルの抗ホスホチロシン(1:10000希釈,ADB中
)を加える。振盪しながら室温で1時間インキュベートする。 13.工程10と同様に洗浄する。 14.100μl/ウエルのBiosourceヤギ抗ウサギIgGペルオキシ
ダーゼコンジュゲート(1:6000希釈,ADB中)を加える。振盪しながら
室温で1時間インキュベートする。 15.工程10と同様に洗浄し,次にPBSで洗浄して泡および過剰のTWEE
Nを除去する。 16.100μlのABTS/H22溶液を各ウエルに加える。 17.振盪しながら10−20分間インキュベートする。泡を除去する。 18.DynatechMR7000Elisaリーダーで,試験フィルタ41
0nM,参照フィルタ630nMでアッセイを読む。
【0216】EGFRバイオアッセイ このアッセイを用いて,ELISAアッセイにおいてFGF1−Rのインビト
ロキナーゼ活性を測定する。
【0217】材料および試薬: 1.Corning96−ウエルElisaプレート. 2.SUMO1モノクローナル抗EGFR抗体(SUGEN,Inc.). 3.PBS 4.TBST緩衝液 5.ブロッキング緩衝液:100mlにつき,5.0gカーネーションインスタ
ント無脂ミルクを100mlPBSと混合する。 6.A431細胞溶解物(SUGEN,Inc.). 7.TBS緩衝液: 8.TBS+10%DMSO:1Lにつき,1.514gTRIS,2.192
gNaClおよび25mlDMSOを混合物し,dH2Oで総容量1リットルと
する。 9.ATP(アデノシン−5’−三リン酸,ウマ筋肉,SigmaCat.No
.A−5394),1.0mM溶液,dH2O中。この試薬は,使用直前に作成
し氷上に保持しなければならない。 10.1.0mMMnCl2. 11.ATP/MnCl2リン酸化ミックス:10mlを作成するには,300
μlの1mMATP,500μlのMnCl2および9.2mlのdH2Oを混合
する。使用直前に調製し,氷上に保持する。 12.NUNC96−ウエルV底ポリプロピレンプレート. 13.EDTA. 14.ウサギポリクローナル抗ホスホチロシン血清(SUGEN,Inc.). 15.ヤギ抗ウサギIgGペルオキシダーゼコンジュゲート(Biosourc
eCat.No.ALI0404). 16.ABTS. 17.30%過酸化水素 18.ABTS/H22. 19.0.2MHCl.
【0218】方法: 1.Corning96ウエルELISAプレートをウエルあたり100μlP
BS中の0.5μgのSUM01で被覆する。4℃で一夜保存する。 2.プレートを逆さにして液体を除去することにより未結合SUMO1をウエル
から除去する。dH2Oで1回洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽くた
たいて,過剰の液体を除去する。 3.150μlのブロッキング緩衝液を各ウエルに加える。振盪しながら室温で
30分間インキュベートする。 4.プレートを脱イオン水で3回,次にTBSTで1回洗浄する。プレートをペ
ーパータオル上で軽くたたいて,過剰の液体および泡を除去する。 5.溶解物をPBS中で希釈する(7μg溶解物/100μlPBS)。 6.100μlの希釈溶解物を各ウエルに加える。室温で1時間振盪する。 7.プレートを上述の4と同様に洗浄する。 8.120μlのTBSを捕捉EGFRを含むELISAプレートに加える。 9.試験化合物をTBS中に1:10で希釈し,ウエル中に入れる。 10.13.5μlの希釈試験化合物をELISAプレートに入れる。対照ウエ
ルには10%DMSO中13.5μlのTBSを加える。 11.振盪しながら室温で30分間インキュベートする。 12.15μlのリン酸化ミックスを陰性対照ウエルを除くすべてのウエルに加
える。最終ウエル容量は約150μlであり,各ウエル中3μMATP/5mM
MnCl2の最終濃度となるはずである。振盪しながら5分間インキュベートす
る。 13.振盪しながら16.5μlのEDTA溶液を加えることにより反応を停止
させる。さらに1分間振盪する。 14.脱イオン水で4回,TBSTで2回洗浄する。 15.ウエルあたり100μlの抗ホスホチロシン(1:3000希釈,TBS
T中)を加える。振盪しながら室温で30−45分間インキュベートする。 16.上述の4と同様に洗浄する。 17.100μlのBiosourceヤギ抗ウサギIgGペルオキシダーゼコ
ンジュゲート(1:2000希釈,TBST中)を各ウエルに加える。振盪しな
がら室温で30分間インキュベートする。 18.上述の4と同様に洗浄する。 19.100μlのABTS/H22溶液を各ウエルに加える。 20.振盪しながら5−10分間インキュベートする。泡を除去する。 21.必要ならば,100μlの0.2MHCl/ウエルを加えることにより反
応を停止させる。 22.DynatechMR7000ELISAリーダーでアッセイを読む:試
験フィルタ410nM,参照フィルタ630nM。
【0219】PDGFRバイオアッセイ このアッセイを用いて,ELISAアッセイにおいてFGF1−Rのインビト
ロキナーゼ活性を測定する。
【0220】材料および試薬: 1.Corning96−ウエルElisaプレート 2.28D4C10モノクローナル抗PDGFR抗体(SUGEN,Inc.)
. 3.PBS. 4.TBST緩衝液. 5.ブロッキング緩衝液(EGFRバイオアッセイと同じ). 6.PDGFR−発現NIH3T3細胞溶解物(SUGEN,Inc.). 7.TBS緩衝液. 8.TBS+10%DMSO. 9.ATP. 10.MnCl2. 11.キナーゼ緩衝液リン酸化ミックス:10mlにつき,250μl1MTR
IS,200μl5MNaCl,100μl1MMnCl2および50μl10
0mMTritonX−100を十分なdH2O中で混合して,10mlとする
。 12.NUNC96−ウエルV底ポリプロピレンプレート. 13.EDTA. 14.ウサギポリクローナル抗ホスホチロシン血清(SUGEN,Inc.). 15.ヤギ抗ウサギIgGペルオキシダーゼコンジュゲート(Biosourc
eCat.No.ALI0404). 16.ABTS. 17.過酸化水素,30%溶液. 18.ABTS/H22. 19.0.2MHCl.
【0221】方法: 1.Corning96ウエルELISAプレートをウエルあたり100μlの
PBS中0.5μg28D4C10で被覆し,4℃で一夜保存する。 2.プレートを逆さにして液体を除去することにより未結合28D4C10をウ
エルから除去する。dH2Oで1回洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽
くたたいて過剰の液体を除去する。 3.150μlのブロッキング緩衝液を各ウエルに加える。振盪しながら室温で
30分間インキュベートする。 4.プレートを脱イオン水で3回,次にTBSTで1回洗浄する。プレートをペ
ーパータオル上で軽くたたいて,過剰の液体および泡を除去する。 5.溶解物をHNTG中で希釈する(10μg溶解物/100μlHNTG). 6.100μlの希釈溶解物を各ウエルに加える。室温で60分間振盪する。 7.プレートを工程4に記載されるように洗浄する。 8.80μlの作業キナーゼ緩衝液ミックスを捕捉PDGFRを含むELISA
プレートに加える。 9.試験化合物を96−ウエルポリプロピレンプレート中でTBS中で1:10
に希釈する。 10.10μlの希釈試験化合物をELISAプレートに加える。対照ウエルに
は,10μlのTBS+10%DMSOを加える。振盪しながら室温で30分間
インキュベートする。 11.10μlのATPを陰性対照ウエルを除くすべてのウエルに直接加える(
最終ウエル容量は約100μlであり,各ウエルは20μMATPであるはずで
ある)。振盪しながら30分間インキュベートする。 12.10μlのEDTA溶液を各ウエルに加えることにより反応を停止する。 13.脱イオン水で4回,TBSTで2回洗浄する。 14.ウエルあたり100μlの抗ホスホチロシン(1:3000希釈,TBS
T中)を加える。振盪しながら室温で30−45分間インキュベートする。 15.工程4と同様に洗浄する。 16.100μlのBiosourceヤギ抗ウサギIgGペルオキシダーゼコ
ンジュゲート(1:2000希釈,TBST中)を各ウエルに加える。振盪しな
がら室温で30分間インキュベートする。 17.工程4と同様に洗浄する。 18.100μlのABTS/H22溶液を各ウエルに加える。 19.振盪しながら10−30分間インキュベートする。泡を除去する。 20.必要ならば,100μl/ウエルの0.2MHClを加えることにより反
応を停止させる。 21.DynatechMR7000ELISAリーダーで,試験フィルタ41
0nM,参照フィルタ630nMでアッセイを読む。
【0222】細胞性HER−2キナーゼアッセイ このアッセイを用いて,全細胞におけるHER−2キナーゼ活性をELISA
フォーマットで測定する。
【0223】材料および試薬: 1.DMEM(GIBCOカタログ#11965−092). 2.ウシ胎児血清(FBS,GIBCOカタログ#16000−044),水浴
中で56℃で30分間熱不活性化する。 3.トリプシン(GIBCOカタログ#25200−056). 4.L−グルタミン(GIBCOカタログ#25030−081) 5.HEPES(GIBCOカタログ#15630−080). 6.成長培地:500mlDMEM,55ml熱不活性化FBS,10mlHE
PESおよび5.5mlL−グルタミンを混合する。 7.血清飢餓培地:500mlDMEM,2.5ml熱不活性化FBS,10m
lHEPESおよび5.5mlL−グルタミンを混合物する。 8.PBS. 9.平底96−ウエル組織培養マイクロタイタープレート(Corningカタ
ログ#25860). 10.15cm組織培養皿(Corningカタログ#08757148). 11.Corning96−ウエルELISAプレート. 12.NUNC96−ウエルV底ポリプロピレンプレート. 13.Costarトランスファーカートリッジ,Transtar96(Co
starカタログ#7610)用 14.SUMO1:モノクローナル抗EGFR抗体(SUGEN,Inc.). 15.TBST緩衝液. 16.ブロッキング緩衝液:5%カーネーションインスタントミルク,PBS中
17.EGFリガンド:EGF−201,Shinko American,J
apan.。粉体を100μlの10mMHClに懸濁する。100μlの10
mMNaOHを加える。800μlのPBSを加え,エッペンドルフチューブに
移し,使用するまで−20℃で保存する。 18.HNTG溶解緩衝液:保存5XHNTG用には,23.83gHepes
,43.83gNaCl,500mlグリセロールおよび100mlTrito
nX−100および十分なdH2Oを混合して1Lの溶液とする。1XHNTG
*用には,2mlHNTG,100L0.1MNa3VO4,250μl0.2M
Na427および100μlEDTAを混合する。 19.EDTA. 20.Na3VO4.保存溶液を作成するためには,1.84gNa3VO4を
90mldH2Oと混合する。pHを10に調節する。電子レンジで1分間沸騰
させる(溶液は透明になる)。室温に冷却する。pHを10に調節する。pHが
10で安定するまで加熱/冷却のサイクルを繰り返す。 21.200mMNa4P2O7. 22.ホスホチロシン特異的ウサギポリクローナル抗血清(抗Ptyr抗体,S
UGEN,Inc.). 23.アフィニティー精製抗血清,ヤギ抗ウサギIgG抗体,ペルオキシダーゼ
コンジュゲート(Biosourceカタログ#ALI0404). 24.ABTS溶液. 25.30%過酸化水素溶液. 26.ABTS/H22. 27.0.2MHCl.
【0224】方法: 1.Corning96ウエルELISAプレートをPBS中1.0μg/ウエ
ルのSUM01で被覆する。最終容量100μl/ウエル。4℃で一夜保存する
。 2.使用の日に,被覆緩衝液を除去し,プレートをdH2Oで3回,TBST緩
衝液で1回洗浄する。このアッセイにおいては,特に記載しない限り,すべての
洗浄はこのように行う。 3.100μlのブロッキング緩衝液を各ウエルに加える。プレートを振盪しな
がら室温で30分間インキュベートする。使用直前にプレートを洗浄する。 4.このアッセイにはEGFr/HER−2キメラ/3T3−C7細胞株を用い
る。 5.80−90%コンフルエントの皿を選択する。トリプシン処理により細胞を
回収し,1000rpmで室温で5分間遠心分離する。 6.細胞を血清飢餓培地に懸濁し,トリパンブルーで計数する。90%より高い
生存度が必要である。細胞を血清飢餓培地に2,500細胞/ウエルの密度で,
90μl/ウエルで96ウエルマイクロタイタープレートに播種する。播種した
細胞を37℃,5%CO2で一夜インキュベートする。 7.播種の2日後にアッセイを開始する。 8.試験化合物を4%DMSOに溶解する。次に試料をプレート上で直接血清飢
餓DMEMでさらに希釈する。典型的には,この希釈は1:10またはそれより
高い。次にすべてのウエルを細胞プレートにさらに1:10希釈して加える(1
0μlの試料および培地を90μlの血清飢餓培地に加える。最終DMSO濃度
は1%以下でなければならない。標準的連続希釈を用いてもよい。 9.5%CO2,37℃で2時間インキュベートする。 10.保存EGF(16.5μM)を暖めたDMEMで150nMに希釈するこ
とによりEGFリガンドを調製する。 11.100μl/ウエルに十分な量のHNTG*を新たに調製する。氷上に置
く。 12.試験化合物とともに2時間インキュベートした後,調製したEGFリガン
ドを細胞に50μl/ウエルで加える。最終濃度は50nMである。陽性対照ウ
エルには同量のEGFを加える。陰性対照にはEGFを加えない。37℃で10
分間インキュベートする。 13.試験化合物,EGF,およびDMEMを除去する。細胞をPBSで1回洗
浄する。 14.HNTG*を細胞に100μl/ウエルで移す。氷上に5分間置く。この
間にブロッキング緩衝液をELISAプレートから除去し,洗浄する。 15.細胞をマイクロピペッターでプレートから掻き取り,HNTG*溶解緩衝
液を繰り返し吸引分配することにより細胞材料をホモジナイズする。溶解物を,
被覆しブロッキングし洗浄したELISAプレートに移す。あるいは,Cost
arトランスファーカートリッジを用いて溶解物をプレートに移す。 16.振盪しながら室温で1時間インキュベートする。 17.溶解物を除去し,洗浄する。新たに希釈した抗Ptyr抗体(1:300
0,TBST中)をELISAプレートに100μl/ウエルで加える。 18.振盪しながら室温で30分間インキュベートする。 19.抗Ptyr抗体を除去し,洗浄する。新たに希釈したBIOSOURCE
抗体をELISAプレートに加える(1:8000,TBST中,100μl/
ウエル)。 20.振盪しながら室温で30分間インキュベートする。 21.BIOSOURCE抗体を除去し,洗浄する。新たに調製したABTS/
22溶液をELISAプレートに100μl/ウエルで加える。 22.振盪しながら5−10分間インキュベートする。泡を除去する。 23.100μl/ウエルの0.2MHClを加えて反応を停止する。 24.DynatechMR7000ELISAリーダーで,試験フィルタセッ
ト410nMおよび参照フィルタ630nMでアッセイを読む。
【0225】CDK2/サイクリンAアッセイ このアッセイを用いて,シンチレーションプロキシミティーアッセイ(SPA
)におけるヒトcdk2/サイクリンAのインビトロセリン/トレオニンキナー
ゼ活性を測定する。
【0226】材料および試薬: 1.Wallac96−ウエルポリエチレンテレフタレート(flexi)プレ
ート(Wallacカタログ#1450−401). 2.Amersham Redivue[γ33P]ATP(Amershamカ
タログ#AH9968). 3.Amershamストレプトアビジン被覆ポリビニルトルエンSPAビーズ
(Amershamカタログ#RPNQ0007)。ビーズはPBS中でマグネ
シウムまたはカルシウムなしで20mg/mlで再構成しなければならない。 4.Sf9細胞から精製した活性化cdk2/サイクリンA酵素複合体(SUG
EN,Inc.). 5.ビオチニル化ペプチド基質(Debtide).ペプチドビオチン−X−P
KTPKKAKKLをdH2Oに5mg/mlの濃度で溶解する。 6.ペプチド/ATP混合物:10mlにつき,9.979mldH2O,0.
00125ml"コールド"ATP,0.010mlDebtideおよび0.0
10mlγ33P−ATPを混合する。ウエルあたり最終濃度は,0.5μM"コ
ールド"ATP,0.1μgDebtideおよび0.2μCiγ33P−ATP
である。 7.キナーゼ緩衝液:10mlにつき,8.85mldH2O,0.625ml
TRIS(pH7.4),0.25ml1MMgCl2,0.25ml10%N
P40を混合し,使用直前に0.025ml1MDTTを新たに加える。 8.10mMATP,dH2O中 9.1MTris,HClでpHを7.4に調節する。 10.1MMgCl2. 11.1MDTT. 12.PBS(Gibcoカタログ#14190−144). 13.0.5MEDTA. 14.停止溶液:10mlにつき,9.25mlPBS,0.005ml100
mMATP,0.1ml0.5MEDTA,0.1ml10%TritonX1
00および1.25mlの20mg/mlSPAビーズを混合する。
【0227】方法: 1.試験化合物の溶液を5%DMSO中に所望の最終濃度の5倍で調製する。各
ウエルに10μlを加える。陰性対照用には,10μlの5%DMSO飲みをウ
エルに加える。 2.5μlのcdk2/サイクリンA溶液を2.1ml2xキナーゼ緩衝液で希
釈する。 3.20μlの酵素を各ウエルに加える。 4.10μlの0.5MEDTAを陰性対照ウエルに加える。 5.キナーゼ反応を開始させるため,20μlのペプチド/ATP混合物を各ウ
エルに加える。振盪せずに1時間インキュベートする。 6.200μlの停止溶液を各ウエルに加える。 7.少なくとも10分間保持する。 8.プレートを約2300rpmで3−5分間回転させる。 9.Triluxまたは類似のリーダーを用いてプレートを計数する。
【0228】 METトランスリン酸化アッセイ このアッセイを用いて,基質のmetトランスリン酸化のアゴニスト/アンタ
ゴニストを同定する手段として,ポリ(グルタミン酸:チロシン(4:1))基
質のホスホチロシンレベルを測定する。
【0229】材料および試薬: 1.Corning96−ウエルElisaプレート,Corningカタログ
#25805−96. 2.ポリ(glu,tyr)4:1,Sigma,Cat.No;P0275. 3.PBS,Gibcoカタログ#450−1300EB 4.50mMHEPES 5.ブロッキング緩衝液:25gのウシ血清アルブミン,SigmaCat.N
oA−7888,を500mlPBSに溶解し,4μmフィルターを通して濾過
する。 6.Metキナーゼドメインを含む精製GST融合蛋白質,Sugen,Inc
. 7.TBST緩衝液. 8.10%水性(MilliQueH2O)DMSO. 9.10mM水性(dH2O)アデノシン−5’−三リン酸,SigmaCat
.No.A−5394. 10.2Xキナーゼ希釈緩衝液:100mlにつき,10mL1MHEPES,
pH7.5,0.4mL5%BSA/PBS,0.2mL0.1Mオルトバナジ
ン酸ナトリウムおよび1mL5M塩化ナトリウムを88.4mLdH2O中で混
合する。 11.4XATP反応混合物:10mLにつき,0.4mL1M塩化マンガンお
よび0.02mL0.1MATPを9.56mLdH2O中で混合する。 12.4X陰性対照混合物:10mLにつき,0.4mL1M塩化マンガンを9
.6mLdH2O中に混合する。 13.NUNC96−ウエルV底ポリプロピレンプレート,Applied S
cientificカタログ#S−72092 14.500mMEDTA. 15.抗体希釈緩衝液:100mLにつき,10mL5%BSA/PBS,0.
5mL5%カーネーションインスタントミルク,PBS中,および0.1mL0
.1Mオルトバナジン酸ナトリウムを88.4mLTBST中で混合する。 16.ウサギポリクローナル抗ホスホチロシン抗体,Sugen,Inc. 17.ヤギ抗ウサギ西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート化抗体,Bio
source,Inc. 18.ABTS溶液:1Lにつき,19.21gクエン酸,35.49gNa2
HPO4および500mgABTSを十分なdH2O中で混合し,1Lとする。 19.ABTS/H22:15mLABST溶液と2μlH22を使用の5分前
に混合する。 20.0.2MHCl
【0230】方法: 1.ELISAプレートを100μlPBS中2μgのポリ(Glu−Tyr)
で被覆し,4℃で一夜保存する。 2.プレートを150μlの5%BSA/PBSで60分間ブロッキングする。 3.プレートをPBSで2回,50mMHepes緩衝液,pH7.4で1回洗
浄する。 4.50μlの希釈キナーゼをすべてのウエルに加える。 (精製キナーゼはキナーゼ希釈緩衝液中で希釈する。最終濃度は10ng/ウエ
ルとなるはずである)。 5.25μlの試験化合物(4%,DMSO中)または対照にはDMSO単独(
4%,dH2O中)をプレートに加える。 6.キナーゼ/化合物混合物を15分間インキュベートする。 7.25μlの40mMMnCl2を陰性対照ウエルに加える。 8.25μlのATP/MnCl2混合物を他のすべてのウエル(陰性対照を除
く)に加える。5分間インキュベートする。 9.25μlの500mMEDTAを加えて反応を停止させる。 10.プレートをTBSTで3回洗浄する。 11.抗体希釈緩衝液中で1:10,000に希釈した100μlのウサギポリ
クローナル抗Ptyrを各ウエルに加える。振盪しながら室温で1時間インキュ
ベートする。 12.プレートをTBSTで3回洗浄する。 13.BiosourceHRPコンジュゲート化抗ウサギ抗体を抗体.希釈緩
衝液中に1:6,000で希釈する。100μl/ウエルを加え,振盪しながら
室温で1時間インキュベートする。 14.プレートをPBSで1回洗浄する。 15.100μlのABTS/H22溶液を各ウエルに加える。 16.必要ならば,100μl/ウエルの0.2MHClを加えることにより発
色反応を停止させる。 17.DynatechMR7000elisaリーダーで,試験フィルタ41
0nM,参照フィルタ630nMでプレートを読む。
【0231】IGF−1トランスリン酸化アッセイ このアッセイを用いて,基質のgst−IGF−1トランスリン酸化のアゴニ
スト/アンタゴニストを同定するために,ポリ(グルタミン酸:チロシン)(4
:1)中のホスホチロシンレベルを測定する。
【0232】材料および試薬: 1.Corning96−ウエルElisaプレート. 2.ポリ(Glu−tyr)(4:1),SigmaCat.No.P0275
. 3.PBS,Gibcoカタログ#450−1300EB. 4.50mMHEPES5.TBBブロッキング緩衝液:1Lにつき,100g
BSA,12.1gTRIS(pH7.5),58.44g塩化ナトリウムおよ
び10mL1%TWEEN−20を混合する。 6.IGF−1キナーゼドメインを含む精製GST融合蛋白質(Sugen,I
nc.) 7.TBST緩衝液:1Lにつき,6.057gTris,8.766g塩化ナ
トリウムおよび0.5mlTWEEN−20を混合し,dH2Oで1リットルと
する。 8.4%DMSO,Milli−QH2O中. 9.10mMATP,dH2O中. 10.2Xキナーゼ希釈緩衝液:100mLにつき,10mL1MHEPES(
pH7.5),0.4mL5%BSA,dH2O中,0.2mL0.1Mオルト
バナジン酸ナトリウムおよび1mL5M塩化ナトリウムを混合し,dH2Oで1
00mLとする。 11.4XATP反応混合物:10mLにつき,0.4mL1MMnCl2およ
び0.008mL0.01MATPおよび9.56mLdH2Oを混合する。 12.4X陰性対照混合物:0.4mLの1M塩化マンガンを9.60mLdH2 Oと混合する。 13.NUNC96−ウエルV底ポリプロピレンプレート. 14.500mMEDTA,dH2O中. 15.抗体希釈緩衝液:100mLにつき,10mL5%BSA(PBS中),
0.5mL5%カーネーションインスタント無脂ミルク(PBS中)および0.
1mL0.1Mオルトバナジン酸ナトリウムを88.4mLTBSTと混合する
。 16.ウサギポリクローナル抗ホスホチロシン抗体,Sugen,Inc. 17.ヤギ抗ウサギHRPコンジュゲート化抗体,Biosource. 18.ABTS溶液. 20.ABTS/H22:使用の5分前に15mLABTSを2μlH22と混
合する。 21.0.2MHCldH2O中.
【0233】方法: 1.ELISAプレートを2.0μg/ウエルのポリ(Glu,Tyr)4:1
(SigmaP0275)100μlPBSで.被覆する。プレートを4℃で一
夜保存する。 2.プレートをPBSで1回洗浄する。 3.100μlのTBBブロッキング緩衝液を各ウエルに加える。プレートを振
盪しながら室温で1時間インキュベートする。 4.プレートをPBSで1回,50mMHepes緩衝液pH7.5で2回洗浄
する。 5.25μlの4%DMSO中の試験化合物(10mM試験化合物の100%D
MSO中の保存溶液をdH2Oで希釈することにより得る)をプレートに加える
。 6.10.0ngのgst−IGF−1キナーゼ(50μlキナーゼ希釈緩衝液
中)をすべてのウエルに加える。 7.25μlの4XATP反応混合物をすべての試験ウエルおよび陽性対照ウエ
ルに加えることによりキナーゼ反応を開始させる。25μlの4X陰性対照混合
物をすべての陰性対照ウエルに加える。振盪しながら室温で10分間インキュベ
ートする。 8.25μlの0.5MEDTA(pH8.0)をすべてのウエルに加える。 9.プレートをTBST緩衝液で4回洗浄する。 10.ウサギポリクローナル抗ホスホチロシン抗血清を,100μlの抗体希釈
緩衝液中1:10,000の希釈ですべてのウエルに加える。振盪しながら室温
で1時間インキュベートする。 11.プレートを工程9と同様に洗浄する。 12.100μlのBiosource抗ウサギHRPを抗体希釈緩衝液中1:
10,000の希釈ですべてのウエルに加える。振盪しながら室温で1時間イン
キュベートする。 13.プレートを工程9と同様に洗浄し,さらにPBSで1回洗浄して,泡およ
び過剰のTween−20を減少させる。 14.100μlのABTS/H22を各ウエルに加えることにより発色させる
。 15.約5分後,試験フィルタ410nm,参照フィルタ630nmでELIS
Aリーダーを読む。
【0234】BRDU取り込みアッセイ 以下のアッセイは,選択されたレセプターを発現するよう遺伝子工学的に改変
された細胞を使用して,DNA中へのBrdU取り込みを決定することにより,
リガンド−誘導性DNA合成の活性に及ぼす目的化合物の影響を評価する。 以下の材料,試薬および方法は,以下のBrdU取り込みアッセイのそれぞれに
ついて一般的である。特定のアッセイにおける変更は特に記載される。
【0235】材料および試薬: 1.適当なリガンド. 2.工学的に改変した適当な細胞. 3.BrdU標識試薬:10mM,PBS(pH7.4)中(Boehring
er Mannheim,Germany). 4.FixDenat:固定溶液(即使用可)(Boehringer Man
nheim,Germany). 5.抗−BrdU−POD:マウスモノクローナル抗体,ペルオキシダーゼとコ
ンジュゲート化(Boehringer Mannheim,Germany)
. 6.TMB基質溶液:テトラメチルベンジジン(TMB,Boehringer
Mannheim,Germany). 7.PBS洗浄溶液:1XPBS,pH7.4. 8.アルブミン,ウシ(BSA),画分V粉体(Sigma Chemical
Co.,USA).
【0236】一般的方法: 1.細胞を8000細胞/ウエルで,10%CS,2mMGln,DMEM中で
96ウエルプレートに播種する。細胞を37℃で5%CO2で一夜インキュベー
トする。 2.24時間後,細胞をPBSで洗浄し,次に無血清培地(0%CSDMEM,
0.1%BSA)中で24時間血清飢餓とする。 3.第3日に,適当なリガンドおよび試験化合物を細胞に同時に加える。陰性対
照ウエルには無血清DMEM,0.1%BSAのみを加える。陽性対照細胞には
リガンドを加えるが試験化合物は加えない。試験化合物は,無血清DMEM中で
リガンドとともに96ウエルプレート中で調製し,連続希釈して7種類の試験濃
度とする。 4.リガンド活性化の18時間後,希釈BrdU標識試薬(1:100,DME
M中,0.1%BSA)を加え,細胞をBrdU(最終濃度=10μM)ととも
に1.5時間インキュベートする。 5.標識試薬とともにインキュベートした後,デカントし逆さにしたプレートを
ペーパータオル上で軽くたたくことにより培地を除去する。FixDenat溶
液を加え(50μl/ウエル),プレートをプレート振盪器で室温で45分間イ
ンキュベートする。 6.デカントし逆さにしたプレートをペーパータオル上で軽くたたくことにより
FixDenat溶液をよく除去する。ミルク(5%脱水ミルク,PBS中,2
00μl/ウエル)をブロッキング溶液としてを加え,プレートをプレート振盪
器で室温で30分間インキュベートする。 7.デカントすることによりブロッキング溶液を除去し,ウエルをPBSで1回
洗浄する。抗−BrdU−POD溶液(1:200希釈,PBS中,1%BSA
)を加え(50μl/ウエル),プレートをプレート振盪器で室温で90分間イ
ンキュベートする。 8.デカントし,ウエルをPBSで5回すすぐことにより抗体コンジュゲートを
よく除去し,プレートを逆さにし,ペーパータオル上で軽くたたくことにより乾
燥する。 9.TMB基質溶液を加え(100μl/ウエル),プレート振盪器で室温で2
0分間,発色が光学的検出に十分となるまでインキュベートする。 10.試料の吸収をDynatechELISAプレートリーダーで410nm
で測定する("デュアル波長"モード,参照波長として490nmでフィルターを
読む)。
【0237】EGF−誘導性BrdU取り込みアッセイ 材料および試薬: 1.マウスEGF,201(ToyoboCo.,Ltd.,Japan). 2.3T3/EGFRc7.
【0238】EGF−誘導性Her−2−推進性BrdU取り込みアッセイ 材料および試薬: 1.マウスEGF,201(ToyoboCo.,Ltd.,Japan). 2.3T3/EGFr/Her2/EGFr(EGFrおよびHer−2キナー
ゼドメイン).
【0239】EGF−誘導性Her−4−推進性BrdU取り込みアッセイ 材料および試薬: 1.マウスEGF,201(ToyoboCo.,Ltd.,Japan). 2.3T3/EGFr/Her4/EGFr(EGFrおよびHer−4キナー
ゼドメイン).
【0240】PDGF−誘導性BrdU取り込みアッセイ 材料および試薬: 1.ヒトPDGFB/B(Boehringer Mannheim,Germ
any). 2.3T3/EGFRc7.
【0241】FGF−誘導性BrdU取り込みアッセイ 材料および試薬: 1.ヒトFGF2/bFGF(GibcoBRL,USA). 2.3T3c7/EGFr
【0242】 IGF1−誘導性BrdU取り込みアッセイ 材料および試薬: 1.ヒト,組換え(G511,Promega Corp.,USA) 2.3T3/IGFlr.
【0243】インスリン−誘導性BrdU取り込みアッセイ 材料および試薬: 1.インスリン,結晶,ウシ,亜鉛(13007,GibcoBRL,USA)
. 2.3T3/H25.
【0244】HGF−誘導性BrdU取り込みアッセイ 材料および試薬: 1.組換えヒトHGF(Cat.No.249−HG,R&DSystems,
Inc.USA). 2.BxPC−3細胞(ATCCCRL−1687).
【0245】方法: 1.細胞をRPMI10%FBS中で96ウエルプレートに9000細胞/ウエ
ルで播種する。細胞を37℃で5%CO2中で一夜インキュベートする 2.24時間後,細胞をPBSで洗浄し,次に100μlの無血清培地(RPM
I,0.1%BSA)中で24時間血清飢餓とする。 3.第3日に,リガンド(1μg/mlでRPMI,0.1%BSA中で調製;
最終HGF濃度200ng/ml)および試験化合物を含有する25μlを細胞
に加える。陰性対照ウエルには25μlの無血清RPMI,0.1%BSAのみ
を加える。陽性対照細胞にはリガンド(HGF)を加えるが試験化合物は加えな
い。試験化合物は,96ウエルプレートで,リガンドを含む無血清RPMI中で
その最終濃度の5倍で調製し,一連の希釈を作成して7種類の試験濃度とする。
典型的には,試験化合物の最高最終濃度は100μMであり,1:3希釈を用い
る(すなわち,最終試験化合物濃度範囲は0.137−100μMである)。 4.リガンド活性化の18時間後,12.5μlの希釈BrdU標識試薬(1:
100,RPMI,0.1%BSA)を各ウエルに加え,細胞をBrdU(最終
濃度は10pM)とともに1時間インキュベートする。 5.一般的方法と同じ。 6.一般的方法と同じ。 7.デカントすることによりブロッキング溶液を除去し,ウエルをPBSで1回
洗浄する。抗−BrdU−POD溶液(1:100希釈,PBS中,1%BSA
)を加え(100μl/ウエル),プレートを室温でプレート振盪器で90分間
インキュベートする。 8.一般的方法と同じ。 9.一般的方法と同じ。 10.一般的方法と同じ。
【0246】HUV−EC−Cアッセイ このアッセイを用いて,PDGF−R,FGF−R,VEGF,aFGFまた
はFlk−1/KDR(これらはすべてHUV−EC細胞により天然に発現され
ている)に対する化合物の活性を測定する。
【0247】第0日 1. HUV−EC−C細胞(ヒト臍静脈内皮細胞,(American Ty
pe Cuture Collection;カタログNo.1730CRL)
を洗浄し,トリプシン処理する。ダルベッコリン酸緩衝化食塩水(D−PBS;
Gibco BRL;カタログNo.14190−029から入手)で2回,約
1ml/10cm2組織培養フラスコで洗浄する。非酵素細胞解離溶液(Sig
ma 化学 Company;カタログNo.C−1544)中で0.05%ト
リプシン−EDTAでトリプシン処理する。0.05%トリプシンは,0.25
%トリプシン/1mMEDTA(Gibco;カタログNo.25200−04
9)を細胞解離溶液中で希釈することにより作成する。約1ml/25−30c
2組織培養フラスコで37℃で約5分間トリプシン処理する。細胞をフラスコ
からはがした後,等量のアッセイ培地を加え,50ml滅菌遠心分離管(Fis
her Scientific;カタログNo.05−539−6)に移す。 2. 50ml滅菌遠心分離管中にアッセイ培地を加えることにより,細胞を約
35mlのアッセイ培地で洗浄し,約200gで10分間遠心分離し,上清を吸
引し,35mlのD−PBSに再懸濁する。D−PBSでさらに2回洗浄し,細
胞を約1ml/組織培養フラスコ15cm2のアッセイ培地に再懸濁する。アッ
セイ培地は,F12K培地(Gibco BRL;カタログNo.21127−
014)+0.5%熱不活性化ウシ胎児血清からなる。Coulter Cou
nter(商標)(Coulter Electronics,Inc.)で細
胞を計数し,アッセイ培地を細胞に加えて0.8−1.0x105細胞/mlの
濃度とする。 3. 細胞を96ウエル平底プレートに100μl/ウエルまたは0.8−1.
0x104細胞/ウエルで加える;37℃,5%CO2で約24時間インキュベー
トする。
【0248】第1日 1. 試験化合物の2倍滴定を別々の96ウエルプレート中に作成する。一般に
,50μMから0μMまで。上述の第0日,工程2と同じアッセイ培地を用いる
。滴定は,90μl/ウエルの試験化合物を200μM(4X最終ウエル濃度)
で特定のプレートカラムの最上のウエルに加えることにより行う。試験化合物保
存液濃度は通常DMSO中20mMであるため,200μMの薬剤濃度は2%D
MSOを含む。 したがって,DMSO濃度を一定に保持しながら薬剤を希釈するために,アッ
セイ培地中(F12K+0.5%ウシ胎児血清)2%DMSOとした希釈剤を,
試験化合物滴定の希釈剤として用いる。この希釈物をカラム中の残りのウエルに
60μl/ウエルで加える。カラムの最上ウエル中の120μlの200μM試
験化合物希釈物から60μlを採取し,カラムの第2のウエル中の60μlと混
合する。このウエルから60μlを採取し,カラム中の第3のウエル中の60μ
lと混合し,2倍滴定が完了するまでこれを続ける。最後から2番目のウエルが
混合されたとき,このウエル中の120μlの60μlを採取し,これを廃棄す
る。最後のウエルには薬剤非含有対照として60μlのDMSO/培地希釈物を
加える。以下のアッセイの,滴定する試験化合物の三重のウエルに十分な9つの
カラムを作成する:(1)VEGF(Pepro Tech Inc.,から入
手,カタログNo.100−200,(2)内皮細胞成長因子(ECGF)(酸
性繊維芽細胞成長因子またはaFGFとしても知られる)(Boehringe
r Mannheim Biochemicaから入手,カタログNo.143
9600);または(3)ヒトPDGF B/B(1276−956,Boeh
ringer Mannheim,Germany)およびアッセイ培地対照。
ECGFはヘパリンナトリウムを有する調製物として得た。 2. 50μl/ウエルの試験化合物希釈物を,第0日からのHUV−EC−C
細胞0.8−1.0x104細胞/100μl/ウエルを含む96ウエルアッセ
イプレートに移し,37oC,5%CO2で約2時間インキュベートする。 3. 三重に,80μg/mlVEGF,20ng/mlECGF,または各試
験化合物の条件に対する培地対照を50μl/ウエルで加える。試験化合物につ
いては,成長因子濃度は所望の最終濃度の4倍である。第0日,工程2からのア
ッセイ培地を用いて,成長因子の濃度を調節する。37℃,5%CO2で約24
時間インキュベートする。各ウエルに50μlの試験化合物希釈物,50μlの
成長因子または培地,および100μlの細胞を加え,総量200μl/ウエル
とする。すなわち,すべてをウエルに加えたとき,4倍濃度の試験化合物および
成長因子は1倍となる。
【0249】第2日 1. 3H−チミジン(Amersham;カタログNo.TRK−686)を
1μCi/ウエル(RPMI培地+10%熱不活性化ウシ胎児血清中で調製した
100μCi/ml溶液を10μl/ウエル)で加え,37℃,5%CO2で約
24時間インキュベートする。RPMIはGibco BRLから入手する,カ
タログNo.11875−051第3日 1. プレートを−20℃で一夜凍結する。第4日 1. プレートを融解し,96ウエルプレート回収器(Tomtec Harv
ester96(登録商標))でフィルターマット(Wallac;カタログN
o.1205−401)上に回収する;Wallac Betaplate(商
標)液体シンチレーション計数機で計数する。
【0250】実施例3.インビボ動物モデル A.異種移植片動物モデル ヒト腫瘍が無胸腺マウス(例えば,Balb/c,nu/nu)中で異種移植
片として成長する能力は,ヒト腫瘍の治療に対する生物学的応答を研究するのに
有用なインビボモデルを提供する。ヒト腫瘍の無胸腺マウスへの最初の成功的な
異種移植(Rygaard and Povlsen,1969,Acta P
athol.Microbial.Scand.77:758−760)以来,
多くの異なるヒト腫瘍細胞株(例えば,乳房,肺,尿生殖器,胃腸,頭頸部,神
経膠芽細胞腫,骨,および悪性黒色腫)が移植され,ヌードマウス中での成長に
成功してきた。以下のアッセイを用いて,本発明の種々の化合物の活性,特異性
および効果のレベルを決定することができる。3種類の一般的アッセイ,すなわ
ち細胞/触媒,細胞/生物学的およびインビボアッセイが化合物の評価に有用で
ある。細胞/触媒アッセイの目的は,TKが細胞中の既知の基質上のチロシンを
リン酸化する能力に及ぼす化合物の影響を判定することである。細胞/生物学的
アッセイの目的は,細胞中でTKにより刺激される生物学的応答に及ぼす化合物
の影響を判定することである。インビボアッセイの目的は,特定の疾患,例えば
癌の動物モデルにおける化合物の影響を判定することである。
【0251】 皮下異種移植片実験に適した細胞株としては,C6細胞(神経膠腫,ATCC
#CCL107),A375細胞(黒色腫,ATCC#CRL1619),A4
31細胞(類表皮癌腫,ATCC#CRL1555),Calu6細胞(肺,A
TCC#HTB56),PC3細胞(前立腺,ATCC#CRL1435),お
よびEGFR,PDGFR,IGF−1Rまたは任意の他の試験キナーゼを過剰
発現するように遺伝子工学処理されたSKOV3TP5細胞およびNIH3T3
繊維芽細胞が挙げられる。以下のプロトコルを用いて異種移植片実験を行うこと
ができる。
【0252】 雌無胸腺マウス(BALB/c,nu/nu)はSimonsen Labo
ratories(Gilroy,CA)から入手する。すべての動物は,クリ
ーンルーム条件下で,マイクロアイソレーターケージでアルファドライ敷きわら
で維持する。動物には,滅菌齧歯類食および水を任意に与える。
【0253】 細胞株は,適当な培地(例えば,MEM,DMEM,Ham'sF10,また
はHam'sF12プラス5%−10%ウシ胎児血清(FBS)および2mMグ
ルタミン(GLN))中で成長させる。すべての細胞培養培地,グルタミン,お
よびウシ胎児血清は,特に断らない限り,Gibco Life Techno
logies(Grand Island,NY)から購入する。すべての細胞
は,90−95%空気および5−10%CO2の湿潤環境下で37℃で成長させ
る。すべての細胞株は,週に2回,定期的に継代し,Mycotect法(Gi
bco)により判定して,マイコプラズマについては陰性である。
【0254】 細胞は,コンフルエント,またはそれに近い状態で,0.05%トリプシン−
EDTAで回収し,450xgで10分間ペレット化する。ペレットを滅菌PB
Sまたは培地(FBSなし)中に懸濁して特定の濃度とし,細胞をマウス(1群
あたり,8−10匹のマウス,2−10x106細胞/動物)の後側腹部内に移
植する。腫瘍成長は,ベニエカリパスを用いて3−6週間にわたり測定する。腫
瘍体積は,とくに記載のないかぎり,長さx幅x高さの積として計算する。P値
は,スチューデントt−テストを用いて計算する。50−100μlの賦形剤(
DMSO,またはVPD:D5W)中の試験化合物は,通常は移植後の第1日か
ら初めて,異なる濃度でIP注入により輸送することができる。
【0255】B.腫瘍侵襲モデル 以下の腫瘍侵襲モデルが開発されており,KDR/FLK−1レセプターを選
択的に阻害すると同定された化合物の治療的価値および有効性を評価するために
用いることができる。
【0256】方法 8週齢のヌードマウス(雌)(Simonsen Inc.)を実験動物とし
て用いる。腫瘍細胞の移植は,層流フード内で行うことができる。麻酔用に,キ
シラジン/ケタミンカクテル(100mg/kgケタミンおよび5mg/kgキ
シラジン)を腹膜内に投与する。中線切開を行って,腹腔を露出して(約1.5
cmの長さ),容量100μlの培地中の107個の腫瘍細胞を注入する。細胞
は,膵臓の十二指腸葉または結腸の漿膜下に注入する。腹膜および筋肉を6−0
絹連続縫糸により縫合し,皮膚は創傷クリップを用いて縫合する。動物は毎日観
察する。
【0257】分析 動物の全体的所見により2−6週間後,マウスを殺し,局所腫瘍の種々の臓器
(肺,肝臓,脳,胃,脾臓,心臓,筋肉)への転移を調べ,分析する(腫瘍サイ
ズ,侵襲の程度,免疫化学,およびインサイチオハイブリダイゼーション測定等
)。
【0258】追加のアッセイ 本発明の化合物を評価するために用いることができる追加のアッセイには,限
定されないが,bio−flk−1アッセイ,全細胞におけるEGFレセプター
−HER2キメラレセプターアッセイ,bio−srcアッセイ,bio−lc
kアッセイおよびrafのリン酸化機能を測定するアッセイが含まれる。これら
のアッセイのそれぞれのプロトコルは,米国特許出願09/099,842(図
面を含め本明細書の一部としてここに引用する)に見いだすことができる。
【0259】細胞毒性の測定 治療用化合物は,細胞毒性効果を示すよりもレセプターチロシンキナーゼ活性
においてより強力でなければならない。化合物の有効性および細胞毒性の尺度は
,治療指数,すなわち,IC50/LD50を決定することにより得ることができる
。IC50(50%の阻害を達成するのに必要な用量)は,本明細書に記載される
もの等の標準的な手法を用いて測定することができる。LD50(50%の毒性を
もたらす用量)もまた,放出されるLDHの量を測定することにより(Korz
eniewski and Callewaert,1983,J.Immun
ol.Methods,64:313,Decker and Lohmann
−Matthes,1988,J.Immunol.Methods,115:
61),または動物モデルにおける致死用量を測定することにより,標準的な手
法により測定することができる(Mossman,1983,J.Immuno
l.Methods,65:55−63)。より大きい治療指数を有する化合物
が望ましい。治療指数は,2より高くあるべきであり,好ましくは少なくとも1
0,より好ましくは少なくとも50である。
【0260】B.実施例−生物学的活性 本発明の化合物のインビボ効力の例が表2に示される。
【表4】
【0261】 本発明の化合物,方法および医薬組成物が,PK活性を調節するのに有効であ
り,したがって,RTK−,CTK−,およびSTK−関連疾患に対する治療薬
剤として有効であることが予測されることが理解されるであろう。
【0262】 当業者は,本発明は,その目的を実施し,記載される結果および利点,ならび
に本明細書に固有のものを得るのによく適合していることを容易に理解するであ
ろう。本明細書に記載される分子複合体および方法,手順,処理,分子,特定の
化合物は,現在のところ好ましい態様の代表的なものであり,例示的なものであ
って,本発明の範囲を限定することを意図するものではない。当業者は,特許請
求の範囲において定義される本発明の精神の中に包含される変更および他の用途
をなすであろう。
【0263】 当業者は,本発明の範囲および精神から逸脱することなく,本明細書に開示さ
れる本発明に対して置換基の変更および改変をなすことができることを容易に理
解するであろう。
【0264】 本明細書において言及されるすべての特許および刊行物は,本発明の属する技
術分野の技術者のレベルを示す。すべての特許および刊行物は,それぞれの刊行
物が特定的に個々に本明細書の一部としてここに引用されることと同じ程度に,
本明細書の一部として引用される。
【0265】 本明細書に例示的に記載されている発明は,本明細書に特定的に開示されてい
ない任意の要素または限定なしでも適切に実施することができる。すなわち,例
えば,本明細書における各例において,"・・・を含む","・・・から本質的に
なる"および"・・・からなる"との用語は,他の2つのいずれかと置き換えるこ
とができる。本明細書において用いた用語および表現は,説明の用語として用い
るものであり,限定ではない。そのような用語および表現の使用においては,示
されかつ記載されている特徴またはその一部の等価物を排除することを意図する
ものではなく,特許請求の範囲に記載される本発明の範囲中で種々の変更が可能
であることが理解される。すなわち,好ましい態様および任意の特徴により本発
明を特定的に開示してきたが,当業者には本明細書に記載される概念の変更およ
び変種が可能であり,そのような変更および変種も特許請求の範囲に定義される
本発明の範囲内であると考えられることが理解されるべきである。
【0266】 さらに,発明の特徴および局面がマーカッシュグループの用語で記載されてい
る場合,当業者は,本発明が,マーカッシュグループのメンバーの個々のメンバ
ーまたはサブグループに関してもまた記載されていることを認識するであろう。
例えば,Xが,臭素,塩素およびヨウ素からなる群より選択されるとして記載さ
れている場合,Xが臭素である特許請求の範囲およびXが臭素および塩素である
特許請求の範囲も完全に記載されている。
【0267】 他の態様は特許請求の範囲の範囲内である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/06 A61P 17/06 19/02 19/02 29/00 29/00 101 101 35/00 35/00 37/06 37/06 43/00 111 43/00 111 C07D 403/06 C07D 403/06 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CO,CU,CZ,DE,DK,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ウェイ,チャン・チェン アメリカ合衆国 94404 カリフォルニア 州 フォスター シティ,コモンズ レイ ン 39 Fターム(参考) 4C063 AA01 BB03 CC06 DD04 EE01 4C086 AA01 AA02 AA03 BC13 GA07 MA01 MA04 NA14 ZA36 ZA89 ZA96 ZB02 ZB11 ZB15 ZB26 ZC20 ZC35 4C204 BB01 BB09 CB03 DB18 DB22 DB30 FB01 GB01 GB24

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 [式中, Xは,酸素,イオウおよび−NH−からなる群より選択され; Yは,炭素および窒素からなる群より選択され,ただし,Yが窒素であるとき,
    5は存在しないことが理解され; nは,0,1,2または3であり; R1は,水素およびアルキルからなる群より選択され; R2は,水素,ハロ,アルキル,シクロアルキル,アリール,ヘテロアリール,
    ヘテロ脂環式,トリハロアルキル,ヒドロキシ,アルコキシ,−C(O)R16
    −NR1718,および−(CH2r19からなる群より選択され; R3およびR4は,独立して,水素,ハロ,アルキル,トリハロメチル,ヒドロキ
    シ,アルコキシ,−NR1718,−C(O)R16,アリール,6員環ヘテロアリ
    ール,−S(O)2NR1718,−NR17S(O)218,−NR17C(O)R18 ,および−NR17C(O)OR18からなる群より選択され; R5は,水素,アルキル,ハロ,ヒドロキシ,およびアルコキシからなる群より
    選択され; nが0でありXが酸素またはイオウであるとき,R6は水素,アルキル,および
    アリールからなる群より選択され; nが0でありXが窒素であるとき,R6は,水素,アルキル,およびアリールか
    らなる群より選択され,またはR6はXと一緒になってヘテロ脂環式環を形成し
    ; nが1,2または3であるとき,R6は水素,アルキル,シクロアルキル,アリ
    ール,ヘテロアリール,ヘテロ脂環式,ヒドロキシ,アルコキシ,アリールオキ
    シ,−C(O)R16,および−NR1718からなる群より選択され; R7は 【化2】 [式中, B1,B2,B3,B4およびB5は,炭素であるか,または B1,B2,B3,B4またはB5の1つは窒素であり,他のものは炭素であり,ま
    たは B1およびB2またはB2およびB3またはB3およびB4は窒素であり,他のものは
    炭素であり,または B1およびB3またはBおよびB4またはB3およびB5は窒素であり,他のものは
    炭素であり,または B1,B3およびB5は窒素であり,他のものは炭素であり; R8,R11およびR12は,独立して,水素,アルキル,トリハロメチル,ヒドロ
    キシ,アルコキシ,ハロ,−C(O)R16,−(CH2r19,および−NR1718からなる群より選択され; R9およびR10は,独立して,水素,アルキル,トリハロメチル,ヒドロキシ,
    アルコキシ,ハロ,−C(O)R16,−(CH2r19,および−NR1718
    らなる群より選択され;または R9およびR10は,一緒になって,−(CH23−または−(CH24−基を形
    成し,ただし,B1,B2,B3,B4またはB5のいずれかが窒素であるとき,そ
    れぞれR8,R9,R10,R11またはR12は存在しないことが理解され; D1は,−NR20−,酸素,またはイオウからなる群より選択され; D2,D3およびD4は,独立して,炭素および窒素からなる群より選択され,た
    だし,D2,D3またはD4が窒素であるとき,それぞれR13,R14またはR15
    存在しないことが理解され; R15は,独立して,水素,アルキル,アルコキシ,ハロ,−(CH2s21,お
    よび−C(O)R16からなる群より選択され; R13およびR14は,独立して,水素,アルキル,アルコキシ,ハロ,−(CH2
    s21,および−C(O)R16からなる群より選択され;または R13およびR14は,一緒になって−(CH24−基を形成してもよい] からなる群より選択され; R16は,水素,ヒドロキシ,アルコキシ,および−NR1718からなる群より選
    択され; R17およびR18は,独立して,水素,アルキル,シクロアルキル,アリール,お
    よびヘテロアリールからなる群より選択され;または R17およびR18は,一緒になって,−(CH24−,−(CH25−,−(CH22O(CH22−,および−(CH22N(R20)(CH22−からなる群よ
    り選択される基を形成してもよく; R19は,ヒドロキシ,アルコキシ,−NR1718,および−C(O)R16からな
    る群より選択され,ここで,R16,R17およびR18は上で定義したとおりであり
    ; R20は,水素およびアルキルからなる群より選択され; R21は,ヒドロキシ,アルコキシ,−NR1718,および−C(O)R16からな
    る群より選択され,ここで,R16,R17およびR18は上で定義したとおりであり
    ;および rおよびsは,独立して,1,2または3である] の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
  2. 【請求項2】 R1が水素である,請求項1記載の化合物または塩。
  3. 【請求項3】 R2およびR5が水素である,請求項2記載の化合物または塩
  4. 【請求項4】 R7が 【化3】 [式中,B1,B2,B3,B4およびB5は炭素である] である,請求項3記載の化合物または塩。
  5. 【請求項5】 R8,R9,R10,R11およびR12が,独立して,水素,低級
    アルキル,低級アルコキシ,ハロ,トリハロメチルおよび−NR1718からなる
    群より選択される,請求項4記載の化合物または塩。
  6. 【請求項6】 R7が 【化4】 である,請求項3記載の化合物または塩。
  7. 【請求項7】 D1が−NH−であり;および,D2,D3およびD4が炭素で
    ある,請求項6記載の化合物または塩。
  8. 【請求項8】 R13およびR15が,独立して,水素,低級アルキルおよびハ
    ロからなる群より選択される,請求項7記載の化合物または塩。
  9. 【請求項9】 R14が,水素および−(CH2s21からなる群より選択さ
    れる,請求項8記載の化合物または塩。
  10. 【請求項10】 Xが酸素であり;nが0であり;および,R6が,水素お
    よび低級アルキルからなる群より選択される,請求項1記載の化合物または塩。
  11. 【請求項11】 Xが酸素であり;nが0であり;およびR6が,水素およ
    び低級アルキルからなる群より選択される,請求項4記載の化合物または塩。
  12. 【請求項12】 Xが酸素であり;nが0であり;およびR6が,水素およ
    び低級アルキルからなる群より選択される,請求項7記載の化合物または塩。
  13. 【請求項13】 Xが−NH−であり;nが0であり;R6がフェニルであ
    り;およびR8,R9,R10,R11およびR12が,独立して,水素,低級アルキル
    ,ヒドロキシ,低級アルコキシ,トリハロメチル,−(CH2sNR1718およ
    び−NR1718からなる群より選択される,請求項1記載の化合物または塩。
  14. 【請求項14】 Xが−NH−であり;nが0であり;R6がフェニルであ
    り;およびR8,R9,R10,R11およびR12が,独立して,水素,低級アルキル
    ,ヒドロキシ,低級アルコキシ,トリハロメチル,−(CH2sNR1718およ
    び−NR1718からなる群より選択される,請求項4記載の化合物または塩。
  15. 【請求項15】 Xが−NH−であり;nが0であり;R6がフェニルであ
    り;およびR8,R9,R10,R11およびR12が,独立して,水素,低級アルキル
    ,ヒドロキシ,低級アルコキシ,トリハロメチル,−(CH2sNR1718およ
    び−NR1718からなる群より選択される,請求項7記載の化合物。
  16. 【請求項16】 Xが−NH−であり,;nが2,3または4であり;およ
    びR6が−NR1718である,請求項1記載の化合物または塩。
  17. 【請求項17】 R17およびR18が,独立して,水素,低級アルキルからな
    る群より選択されるか,または一緒になって−(CH24−,(CH25−,−
    (CH22O(CH22−,および−(CH22N(CH3)(CH22−を形
    成する,請求項16記載の化合物または塩。
  18. 【請求項18】 Xが−NH−であり;nが2,3または4であり;および
    ,R6が−NR1718である,請求項7記載の化合物。
  19. 【請求項19】 請求項1記載の化合物または塩および薬学的に許容しうる
    担体または賦形剤を含む医薬組成物。
  20. 【請求項20】 生物において蛋白質キナーゼ関連疾患を治療する方法であ
    って,前記生物に治療上有効量の請求項1記載の化合物または塩を投与すること
    を含む方法。
  21. 【請求項21】 前記蛋白質キナーゼ関連疾患が,レセプターチロシンキナ
    ーゼ関連疾患,非レセプターチロシンキナーゼ関連疾患およびセリン−トレオニ
    ンキナーゼ関連疾患からなる群より選択される,請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記蛋白質キナーゼ関連疾患が,EGFR関連疾患,PD
    GFR関連疾患,IGFR関連疾患およびflk関連疾患からなる群より選択さ
    れる,請求項20記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記蛋白質キナーゼ関連疾患が,扁平上皮癌,星状細胞腫
    ,カポジ肉腫,肺癌,膀胱癌,頭頚部癌,黒色腫,卵巣癌,前立腺癌,乳癌,小
    細胞肺癌,神経膠腫,結腸直腸癌,尿生殖器癌および胃腸癌からなる群より選択
    される癌である,請求項20記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記蛋白質キナーゼ関連疾患が,糖尿病,自己免疫疾患,
    過増殖疾患,再狭窄,繊維症,乾癬,フォン・ヒッペル−リンダウ症候群,変形
    性関節症,慢性関節リウマチ,新脈管形成,炎症性疾患,免疫学的疾患および心
    血管疾患からなる群より選択される,請求項20記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記生物がヒトである,請求項20記載の方法。
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