JP2003531702A - ゴルフクラブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 クラブヘッド（１０）は、金属によって構成され且つ本質的に中空である楕円形状の本体（１２）を有している。クラブヘッド（１０）は、打撃面（１４）とソールプレート（１６）とを有している。ゴルファーによるゴルフボールの打撃を容易にするために、シャフト（１８）が本体（１２）から延びているホーゼル（１９）に嵌合されている。第二の実質的に垂直な壁（２０）が、クラブ（１０）の本体（１２）を横切って延びており且つ打撃面（１４）に近接している。壁（２０）は、本体の空洞の内側面に嵌合する形状とされている。壁（２０）の全周は、溶接か壁を本体（１２）と一体鋳造することによって、固着されている。この壁は、本体（１２）の上方部分（２２）、下方部分（２４）並びに側部（２６）及び（２８）に固着されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （発明の背景） 本発明は、ゴルフクラブの構造に関し、より特定すると、補強材すなわち第二
の壁を中空のゴルフクラブヘッド内に組み込むことに関する。

【０００２】 （発明の背景） ゴルフクラブ（パター以外）は、典型的には、アイアン及びウッドと称される
。（シャフトの長さ以外の）違いは、ボールを打撃するように設計されたヘッド
にある。アイアンは、金属（鋼）製のブレードのような形状とされ且つウッドと
比較して正確で且つより短い距離用として使用される。ウッドのヘッドは、幾分
楕円形になされているが、平らな前方打撃面を有している。ウッドは、元来は木
材によって作られていたが、最近では、金属によって作られてメタルウッドと称
されている。本発明は、メタルウッドに関する。

【０００３】 メタルウッドは、以前の木材によるものと同様に、幾分楕円形状をしている。
しかしながら、これは中実ではなく中空である。その目的は、シャフトとヘッド
との間の重量の適当なバランスを提供することである。更に別の目的は、ヘッド
の構造内に所望の重量分布を提供することである。より大きなヘッドはより軽い
材料を必要とし、逆に軽い材料はより大きなヘッドを必要とする。典型的には、
打撃面は、ボールを、最も少ない量の速度損失によって打撃面から跳ね返らせる
ために、軟らかくない（硬質）金属でできている。ヘッドの外殻（打撃面から後
方へと延びている）は、所望通りにより軽くして当然のことながら所望レベルの
構造の完全性を維持しながら重量分布を形成するために、より軟らかい金属又は
単に同じ金属のより薄い部分によって形成しても良い。

【０００４】 上記した制約内で、最少の速度損失、従って、ゴルフボールを打ったときの最
大距離をもたらすクラブヘッドを形成することがクラブの製造者に望まれている
。本発明は、このような目的のためのものである。

【０００５】 （発明の簡単な説明） 本発明は、クラブヘッドの打撃面の後方に隔てられて設けられる第二の壁すな
わち補強壁を提供している。このような第二の壁を設けることにより、実際に跳
ね返り速度の損失が少なくなることが、実験により判明した。更に、この第二の
壁は、打撃面に近接して、しかしながら、同打撃面から一定の間隔を維持して配
置することにより、速度の損失が更に改良されることが判明した。３ｍｍ又はそ
れ以下の程度の距離が所望の結果をもたらすと考えられているけれども、製造上
の制限によって、約６ミリメートル（ｍｍ）の理想的な距離が決定されている。
クラブヘッドの長さの約半分より狭い間隔が、跳ね返り速度の損失に何らかの効
果をもたらすであろう。

【０００６】 たくさんの構造的な配列を含むこれまでに行われた実験は、第二の壁の使用に
よって顕著に効果を達成して来たけれども、かかる効果をもたらす物理的特性は
、全体的には理解されていない。以下の説明は、膨大な量の試験結果から引き出
されたものであるが、それにも拘わらず理論的である。

【０００７】 硬質合金からなる面を使用することは、衝撃の吸収を付けるためには重要であ
る。マルエージ鋼のような硬質合金材料は、打撃面材料として望ましいタイプの
金属であると考えられている。マルエージ鋼は、約４７ＨＲＣの硬度を有すると
理解されている。しかしながら、その他の満足のいく材料も使用可能である。満
足のいく金属の選択は、不所望な脆性を避けながら十分な弾力性を提供するよう
に、硬度及び／又は厚みに基づいて決定することができる。有害なエネルギ吸収
特性であると考えられる可塑性が最少であることも好ましい。

【０００８】 打撃面の高い弾力性／低い可塑性の相対的な特性を維持することは、所望の性
能を達成するための目標である。しかしながら、薄い金属殻内に打撃面を包み込
むことは、この目的を駄目にする傾向がある。薄い金属殻は、例えば、ウェイト
のバランスを採るために望ましいと考えられている。しかしながら、面自体が衝
撃力を外殻へと伝え、外殻で衝撃の吸収が起こると考えられる。第二の壁を配置
することによって、包囲する外殻への衝撃力の伝達を著しく制限する補強効果を
提供すると考えられている。二つの壁間の距離が大きくなればなるほど、不所望
な吸収が益々大きくなる。壁間の短い距離を維持することによって、面材料の跳
ね返り作用が維持される。既に示したように、６ｍｍの距離は、例えば、ホーゼ
ルの配置並びにソールすなわち地面プレート及び打撃面を、（例えば、溶接、ろ
う付け等によって）外殻に固定するための理想的な製造上の制限である。しかし
ながら、ヘッドの長さの５０％程度及び面プレートから３ｍｍ又はそれ以下まで
面プレートに近づけることによって効果が得られる。

【０００９】 本発明は、添付図面を参照しながら言及している以下に示す好ましい実施形態
の詳細な説明を参考にすると、より良く理解されるであろう。 好ましい実施形態の説明 クラブヘッド１０とシャフト１８とを含んでいるゴルフクラブを示している図
１を参照する。クラブヘッド１０は、同じ形状の他のクラブヘッドよりも大きな
発射速度を付与する打撃力をゴルフボールに付与する形状とされている。クラブ
ヘッド１０は、木ではなく金属によって作られており、クラブヘッド１０によっ
て打たれると、ゴルフボールの発射速度を高める内部構造を有している。

【００１０】 クラブヘッド１０は、金属構造であり且つ本質的に中空である本体１２（楕円
形状の本体）を有している。クラブヘッド１０は、打撃面１４と、ソールプレー
ト１６（クラブヘッドの底面）とを有している。ゴルファーによるゴルフボール
の打撃を容易にするために、シャフト１８が、本体１２から延びているホーゼル
１９に嵌合されている。

【００１１】 クラブヘッド１０の本体１２の構造を更に示している図３及び４を参照する。
これらの図に示されているように、第二のほぼ垂直な壁２０が、クラブヘッド１
０の本体１２を横切って延びており且つ打撃面１４に近接している。壁２０は、
本体の空洞の内側面に嵌合する形状とされている。壁２０の全周は、壁を本体１
２と共に溶接するか一体鋳造することによって固定される。この壁は、本体１２
の上方部分２２，下方部分２４並びに側部２６及び２８に固着されている。

【００１２】 種々の形状に対して実施された試験から、壁２０は、クラブヘッドの本体１２
の打撃面１４に近接して取り付けられたときに最も有益な結果をもたらすことが
わかった。例として、壁の代替的な取り付け位置が図面に示されており且つ壁２
０’、２０’’及び２０’’’として示されている。第二の壁２０’及び２０’
’は高い発射速度を提供するために示されているけれども、打撃面１４に近接し
た壁２０は、最も有益な結果をもたらす。壁２０’’の位置は、（本体の空洞の
長さの約５０％の位置にあり、）効果が最も少ない。面からの距離が９ｍｍ以下
であるのが好ましいと考えられる。一体とされた製造上の考慮すべき点と性能上
の考慮すべき点のためには６ｍｍが理想的であると考えられ、一方、これより狭
い間隔は、これと等しいか又はより良い性能を提供すると考えられている。面１
４にほぼ平行でより後方に配置された垂直壁が望ましいけれども、ある方向に幾
分角度が付けられた壁２０によって有利な結果が達成されるであろう。壁２０の
このような角度付けは、実質的に垂直であると考えられている。

【００１３】 打撃面１４に近接して本体２０に固着されている第二の壁２０は、ゴルフボー
ルを打つときに、打撃面１４の撓みを減らし、（それによって、飛距離を伸ばす
）。上方部分２２及び下方部分２４に結合されている壁２０は、打撃面１４がゴ
ルフボールを打つときに、上方部分２２及び下方部分２４の撓みを減らす。すな
わち、撓みは、面１４と壁２０との間の部分に限定される。同様に、本体１２の
側部２６，２８に結合されている壁２０は、本体１２の側部２６，２８の撓みを
減らす。部分２２，２４及び側部２６，２８の撓みが少ないことによって、ゴル
フボールを打つときに、打撃面１４のためのより堅固な曲がることのない支持が
提供される。

【００１４】 この好ましい実施形態においては、部分２２及び側部２６，２８を含んでいる
クラブ１０の本体１２は、鋳造によって作られる。打撃面１４（必ずではないが
、マルエージ鋼のような硬質で可塑性が低い材料によって作られているのが好ま
しい）と、ソールプレート１６（部分２４を含んでいる）とは、例えば溶接によ
って、本体１２に固着される。従って、打撃面１４は、本体１２と異なる材料に
よって作ることができる。本体は、例えば、硬度が異なるばかりでなくその代わ
りとして面１４に比して厚みが薄いことにより、可塑性が低く且つ撓み特性が低
くても良い。

【００１５】 当業者は、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく、変形及び変更を
施しても良いことを認識するであろう。従って、本発明は、記載され図示された
実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲によって決定されるべきで
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のゴルフクラブの斜視図である。

【図２】 図１のゴルフクラブのクラブヘッドの頂面図である。

【図３】 図１の線３−３に沿って見た断面図である。

【図４】 図２の線４−４に沿って見た断面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＯ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ， ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，Ｉ Ｓ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ， ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，Ｐ Ｔ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ， ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 ガイ・マウント，ザ・サード アメリカ合衆国オレゴン州97759，シスタ ーズ，スリー・クリークス・ロード 67367 Ｆターム(参考） 2C002 AA02 AA07 CH01 CH06 LL01 MM07 PP02 PP03 SS02

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 メタルウッドのゴルフクラブであって、 前方の実質的に垂直な打撃面と、空洞の長さを規定する内部空洞を画成する楕
   円形状の本体と、を有する金属ヘッドであって、前記打撃面は前記楕円形状の本
   体に固着されており、同打撃面の壁は、跳ね返り時の速度の損失を最小にするた
   めに、硬質合金によって作られている、金属ヘッドと、 前記打撃面の壁から嵌め込まれ、前記打撃面の壁の後方で且つ前記空洞の長さ
   の半分以下の距離だけ同打撃面の壁から隔てられた位置において、実質的に全周
   が前記楕円形の本体に固着されている実質的に垂直な第二の壁と、を含むメタル
   ウッドのゴルフクラブ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のメタルウッドのゴルフクラブであって、 前記第二の壁が、約９ｍｍ以下の距離だけ前記打撃面から隔てられている、メ
   タルウッドのゴルフクラブ。
3. 【請求項３】 請求項１に記載のメタルウッドのゴルフクラブであって、 前記第二の壁が、約６ｍｍの距離だけ前記打撃面から隔てられている、メタル
   ウッドのゴルフクラブ。
4. 【請求項４】 メタルウッドのゴルフクラブであって、 硬質合金の実質的に垂直な打撃面と、金属によって作られた楕円形状の本体で
   あって、同本体の内側面によって形成された断面形状を有する内側空洞を画成し
   ている楕円形状の本体と、前記打撃面に近接し且つ同打撃面から内方へ隔てられ
   た位置において前記内側空洞の形状に合致する外周を有する嵌め込まれた補強壁
   と、を含み、同補強壁が、その外周において前記本体の内側面に連続的に固着さ
   れ、それによって、打撃面上の衝撃の吸収を、前記補強壁と打撃面との間の前記
   本体の部分に限定させている、メタルウッドのゴルフクラブ。
5. 【請求項５】 請求項４に記載のメタルウッドのゴルフクラブであって、 前記本体の頂部及び側部と前記補強壁とが、成形行程において一体に形成され
   る、メタルウッドのゴルフクラブ。
6. 【請求項６】 請求項４に記載のメタルウッドのゴルフクラブであって、 シャフトを支持するためのホーゼルが、実質的に前記打撃面と補強壁との間の
   位置で、前記本体に固着されている、メタルウッドのゴルフクラブ。