JP2003531623A - 植物細胞における免疫グロブリン結合タンパク質アレイ - Google Patents

植物細胞における免疫グロブリン結合タンパク質アレイ

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JP2003531623A JP2001580413A JP2001580413A JP2003531623A JP 2003531623 A JP2003531623 A JP 2003531623A JP 2001580413 A JP2001580413 A JP 2001580413A JP 2001580413 A JP2001580413 A JP 2001580413A JP 2003531623 A JP2003531623 A JP 2003531623A
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Abstract

(57)【要約】 植物または細胞細胞における免疫グロブリン結合タンパク質アレイが提供される。このようなアレイは多重の異なる免疫グロブリン結合タンパク質またはそれらのポリペプチド成分をコードするポリヌクレオチドでトランスフォームされた植物または植物細胞からなる。アレイ中の各トランスフォーマントが1または2以上の免疫グロブリン結合タンパク質を、多重サブユニットを含めて発現できる子孫を産生できるトランスフォーメーション現象の遺伝的なセグレゲーションのための方法もさらに提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は一般的には免疫グロブリン結合タンパク質のアレイに関する。本発明
は、さらに詳しくは、真核細胞中で異種免疫グロブリン結合タンパク質のアレイ
を発現させる方法、このような植物細胞、ならびにこのようなアレイを発現する
トランスフォームされた真核細胞に関する。
【0002】 (発明の背景) 免疫グロブリン分子は様々な生理学的過程において重要な役割を果たしている
。抗体およびそれらの部分を包含するこのような分子は免疫系機能に重要であり
、多くの治療的および診断的な適用が見出されている。所望の結合特性を有する
免疫グロブリン分子の発見は現在の薬物発見の努力における焦点である。
【0003】 免疫グロブリン分子の発見の旧来技術には、ハイブリドマ細胞、他の形態の不
死化B-リンパ球またはファージ感染細菌のアレイにおける免疫グロブリン分子遺
伝子の多重発現が包含される。モノクローナル抗体の発現には、免疫処置動物か
らの個々の抗体産生B-リンパ球を一般に不死化B-リンパ球腫瘍に由来する細胞と
融合させる。ハイブリド細胞のクローンをついでスクリーニングし、無期限に増
殖し、所望の免疫グロブリン分子を分泌する細胞を同定する。ついで、モノクロ
ーナル抗体をコードするポリヌクレオチドを単離して、他の生物体たとえば細菌
、酵母および植物において抗体の全部または部分の発現に使用することができる
。バクテリオファージの表面上に免疫グロブリンを発現する能力は、B-リンパ球
の任意の集団から誘導される重鎖および軽鎖のすべての可能な組み合わせを表す
ことができる免疫グロブリンライブラリーの発生を可能にした。これらのライブ
ラリーは、広範囲の抗原を認識する高い親和性を有する結合部位の同定に有効に
使用されてきた。この技術の重大な欠点は特異的な重鎖および軽鎖結合ペアを同
定するためにはきわめて多数の組換えファージの発生を要求する重鎖および軽鎖
結合部位のランダム化である。ランダムなライブラリーのこのコンビナトリアル
な局面はこれらライブラリーの他の生物体における発現を実行困難にする。新し
い技術には、ヒト抗体を発現するハイブリドーマアレイを発生させるために使用
できる、ヒト染色体セグメントからの抗体を発現するトランスジェニックマウス
が包含される。
【0004】 B-リンパ球、ファージ感染細菌またはトランスジェニック動物において形成さ
れたアレイは、一部の免疫グロブリン分子のスクリーニングには有用であったが
、これらの細胞において、大量の免疫グロブリン分子を製造するに際しては困難
に遭遇することになった。旧来の生物体からの大規模な免疫グロブリン分子の製
造は通常きわめて高価につく。さらに、ファージ感染細菌では所望の様々な免疫
グロブリン分子の構造を提供することはできない。同様にトランスジェニック動
物の有用性は、このような細胞がウイルスまたは他の微生物に感染しやすいこと
から限界がある。
【0005】 経済的理由および他の理由から、免疫グロブリン分子の発見のため、ならびに
工業的、臨床的または研究への適用に用いられる免疫グロブリン分子の最終的生
産のために一次ビヒクルとして遺伝子操作した植物を使用することが望ましいと
考えられる。免疫グロブリン分子の生産のための植物の利点には、低い産生コス
ト、発酵システムに比較して比較的安価な資本投下、動物ウイルスおよびプリオ
ンがないこと、たとえば種子タンパク質のような一定のタンパク質の生化学的バ
ックグランドにおける免疫グロブリン分子の製造、保存および輸送の容易なこと
、および原料物質の無制限なスケールアップの容易性が包含される。ランダムに
ペアにされた重鎖および軽鎖のコンビナトリアルな過程に由来しない結合タンパ
ク質のライブラリーを発現できることも望ましい。
【0006】 免疫グロブリン分子が植物細胞を含む様々な真核宿主中で発現できることが知
られている。広範囲の構造遺伝子が哺乳動物細胞およびウイルスから単離され、
構造遺伝子以外のソースからの転写および翻訳開始ならびに終結調節シグナルに
接合され、これらの調節シグナルが機能性を発揮する植物宿主内に導入されてい
る。個々の免疫グロブリン分子コード核酸でトランスフォームされたそれらの宿
主細胞中には、単子葉植物(たとえば、トウモロコシ、コメおよび小麦)、双子
葉植物(たとえば、タバコ、大豆、アルファルファ、落花生およびArabidopsis
)および低級植物(たとえば、Chlamydomonas)がある。個々の免疫グロブリン
分子をコードする核酸でトランスフォームされた植物は完全に機能性でありかつ
完全にアセンブルされた免疫グロブリンを産生することができる(Hiattら, Nat
ure 342: 76-78, 1989; Firekら, Plant Molecular Biology 23: 861-870, 199
3; Van Engelenら, Plant Molecular Biology 26: 1701-1710, 1994; Maら, Sci
ence 268: 716-719, 1995; Magnusonら, Protein Expression and Purification
7: 220-228, 1996; Schoutenら, Plant Molecular Biology 30: 781-793, 1996
; Fiedlerら, Immunotechnology 3: 205-216, 1997; Verchら, J. Immunol. Met
h. 220: 69-75, 1998; Zeitlinら, Nature Biotechnology 16: 1361-1364, 1998
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. 380: 825-839, 1999; Khoudiら, Biotchnology and Bioengineering 64(2): 1
35-143, 1999; McCormickら, Pro. Natl. Acad. Sci. USA 96: 703-708, 1999;
Russell, Curr.Top.Microbiol. Immunol. 240: 119-138, 1999参照)。
【0007】 以前の植物細胞のトランスフォーメーションでは、トランスフォームする核酸
としては単一の免疫グロブリン分子が導入された。たとえば、タバコ植物は個々
のγまたはκ鎖でトランスフォームされ、免疫グロブリン分子成分を発現する個
々の植物が産生されている。各タバコトランスフォーマントをついで交差受粉し
て単一の抗体を発現する植物を産生させた。この場合2つの成分の間に共有結合
が生成し、結合能力の上昇を生じた。他の例では、抗体分子が単一のベクターを
用いて単一の植物に導入された。このベクターは2つの免疫グロブリン成分鎖を
コードし、植物中に、共有結合で連結された免疫グロブリンの重鎖および軽鎖か
らなる免疫グロブリン分子の形成を生じた。
【0008】 植物細胞は、アレイ中で多様な免疫グロブリン分子を発現させるために用いら
れたことはない。上述のように、植物または植物細胞中に免疫グロブリン分子の
アレイを調製する能力は有用な免疫グロブリン分子の同定を促進し、免疫グロブ
リン分子の発見から単一の生物体におけるフルスケールの製造までの急速な推移
を可能にするものと考えられる。
【0009】 したがって、植物または植物細胞中ならびに他の真核生物体および細胞中に免
疫グロブリン分子のアレイを発生させる方法に関する技術の必要性が残されてい
る。本発明はこれらの必要性を充填し、さらに他の関連する利点を提供するもの
である。
【0010】 (発明の開示) 略述すれば、本発明は真核細胞中に生物学的にまたは生理学的に活性な免疫グ
ロブリン結合タンパク質のアレイを製造する方法を提供する。一部の態様におい
ては、植物細胞中に免疫グロブリン結合タンパク質アレイを製造する方法におい
て、(a)(i)KD<10-6 mole/Lでリガンドに特異的に結合するか、または(ii)
トランスフェクトされた細胞中で1または2以上のポリペプチドと1または2以上の
ジスルフィド結合を形成して、KD<10-6 mole/Lでリガンドに特異的に結合する結
合タンパク質を発生する、異なる免疫グロブリン結合タンパク質(IgBP)ポリペ
プチドをコードする少なくとも2種の異なるポリヌクレオチドのライブラリーに
よって植物細胞集団をトランスフォームする工程(ただしこの場合、IgBPポリペ
プチドは(i)3個の相補性決定領域と交互に4個のフレームワーク領域(たとえ
ば、ヒトまたはマウス)からなり、(ii)ネイティブなIgM, IgG, IgA, IgD, Ig
E, IgY, κまたはλ免疫グロブリン分子のフレームワーク領域に少なくとも75%
、好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する少なくとも1個のペプチド配
列からなり、IgBPポリペプチドはトランスフォーメーション前には植物細胞によ
って検出可能な程度には発現されない)および(b)トランスフォームされた植
物細胞を選択する工程からなり、それからその植物細胞中にIgBPアレイを調製す
る方法を提供する。各IgBPポリペプチドは機能性IgBPであるか、または各IgBP成
分(たとえば、重鎖およびそれらのフラグメント、軽鎖およびそれらのフラグメ
ント、J鎖および分泌成分からなる群より選択される免疫グロブリン分子の部分
)であり、ライブラリー中の他のポリヌクレオチドによりコードされる1または2
以上のIgBP成分へのジスルフィド結合によって機能性IgBPを形成する。一部の特
異的な実施態様においては、このような方法に使用されるライブラリーは少なく
とも10種、100種、1000種または10,000種の異なるポリヌクレオチドからなる。
【0011】 一部の実施態様においては、このような方法はさらに、(c)トランスフォー
ムされた植物細胞を、機能性IgBPが植物細胞によりアセンブルされるような植物
細胞の繁殖を支持する生育メジウム中で生育させる工程からなる。他の特異的な
実施態様においては、このような方法はさらに、(c)トランスフォームされた
植物細胞を生育メジウム上で生育させて植物を形成させる工程および(d)植物
をそれら自体または他の植物と性交配して、子孫が機能性IgBPを形成するのに十
分なIgBP成分をコードするポリヌクレオチドからなるように子孫を発生させる工
程からなる。このような子孫は種子であるか、または機能性IgBPをアセンブルす
る植物または植物細胞であり、IgBPポリペプチドは必ずしも必要ではないが、植
物細胞から分泌される。
【0012】 本発明はさらに、他の態様として、真核細胞(たとえば、植物、昆虫または哺
乳動物細胞)中に重鎖結合タンパク質アレイを製造する方法において、(a)(i
)ネイティブな免疫グロブリン重鎖のμもしくはα鎖の定常領域テールピースと
少なくとも75%同一であるアミノ酸配列からなり、(ii)すべての結合部位は以
下の要件の同一の一つ、すなわち(1)免疫グロブリン軽鎖可変領域の25連続ア
ミノ酸部分と少なくとも75%の同一性、または(2)免疫グロブリン重鎖可変領
域の25連続アミノ酸部分と少なくとも75%の同一性を満足する多重結合部位から
なり、(iii)(1)KD<10-6 mole/Lでリガンドに特異的に結合するか、または(
2)トランスフェクトされた細胞中で1または2以上のポリペプチドと1または2以
上のジスルフィド結合を形成して、KD<10-6 mole/Lでリガンドに特異的に結合す
る重鎖結合タンパク質(CHBP)を発生する、異なるCHBPポリペプチドを各々コー
ドする少なくとも2個の異なるポリヌクレオチドのライブラリーで真核細胞集団
をトランスフォームする工程、および(b)トランスフォームされた細胞を各CHB
Pが少なくとも4個の結合部位からなるCHBPのアセンブリーを可能にするメジウム
上で生育させ、それから真核細胞中CHBPアレイを製造する工程からなる方法を提
供する。ポリヌクレオチドはたとえば、免疫グロブリンαまたはμ鎖をコードす
る。ある種の実施態様においては、細胞はさらに免疫グロブリンJ鎖の配列と少
なくとも75%同一である配列を有するポリペプチドをコードする1または2以上の
ポリヌクレオチドでトランスフォームされる。得られたCHBPは、たとえば4個の
α鎖および1個のJ鎖、12個のμ鎖および/または10個のμ鎖および少なくとも1
個のJ鎖からアセンブルされてもよい。CHBPまたはそれらの成分は、必ずしも必
要ではないが、さらにJ鎖、分泌成分および軽鎖定常領域からなる群より選択さ
れる免疫グロブリン分子の1または2以上の部分から構成されてもよい。CHBPは細
胞の細胞内コンパートメントに蓄積され、細胞から分泌されてもよい。
【0013】 さらに他の態様では、本発明の方法は、(a)ネイティブな重鎖をコードする
ポリヌクレオチドの多重コピーを、ポリヌクレオチドのランダムまたは部位特異
的突然変異が起こり、重鎖変異体のライブラリーが生じるように突然変異誘発物
質に暴露し、(b)真核細胞の集団を重鎖変異体のライブラリーでトランスフォ
ームし、ついで(c)トランスフォームされた細胞を、それぞれのCHBPは少なく
とも4個の結合部位からなるCHBPのアセンブリーが可能なメジウム上で生育させ
、それから真核細胞中にCHBPアレイを調製する工程からなる方法を提供する。
【0014】 さらに、植物CHBPアレイを調製する方法において、(a)各成分は(i)ネイテ
ィブな免疫グロブリン重鎖のμもしくはα鎖の定常領域テールピースと少なくと
も75%同一なアミノ酸配列、および(ii)すべての結合部位は以下の要件の同一
の一つ、すなわち(1)免疫グロブリン軽鎖可変領域の25連続アミノ酸部分と少
なくとも75%の同一性、または(2)免疫グロブリン重鎖可変領域の25連続アミ
ノ酸部分と少なくとも75%の同一性を満足する多重結合部位からなる、トランス
フォームされた細胞中で1または2以上のポリペプチドと1または2以上のジスルフ
ィド結合を形成して、KD<10-6 mole/Lでリガンドに特異的に結合するCHBPを発生
する、異なるCHBP成分を各々コードする少なくとも2種の異なるポリヌクレオチ
ドのライブラリーによって植物細胞集団をトランスフォームする工程、(b)ト
ランスフォームされた植物細胞を生育メジウム上で生育させて植物を形成させ、
(c)植物を少なくとも4個の結合部位からなる機能性CHBPを形成するのに十分な
CHBP成分をコードするポリヌクレオチドからなる子孫を発生させるために性交配
し、それらから植物CHBPアレイを製造する工程からなる方法を提供する。子孫は
種子、または機能性CHBPをアセンブルする植物もしくは植物細胞とすることがで
きる。ある特定の実施態様では、このような方法に用いられるライブラリーは少
なくとも10種、100種、1000種または10,000種の異なるポリヌクレオチドからな
る。CHBPは細胞の細胞内コンパートメントに蓄積され、細胞から分泌されてもよ
い。
【0015】 さらに他の態様では、本発明は、少なくとも1種のCHBPポリペプチドをコード
する、異なるポリヌクレオチドでそれぞれトランスフォームされた少なくとも2
種の真核細胞(たとえば、植物、昆虫または哺乳動物細胞)からなる真核細胞中
CHBPアレイであり、上記ポリペプチドは(a)ネイティブな免疫グロブリン重鎖
のμもしくはα鎖の定常領域テールピースと少なくとも75%の同一性を有するア
ミノ酸配列からなり、(b)すべての結合部位が以下の要件の同一の一つ、すな
わち(i)免疫グロブリン軽鎖可変領域の25連続アミノ酸部分と少なくとも75%
の同一性または(2)免疫グロブリン重鎖可変領域の25連続アミノ酸部分と少な
くとも75%の同一性を満足する多重結合部位からなり、(c)(i)KD<10-6 mole
/Lでリガンドに特異的に結合するか、または(ii)トランスフェクトされた細胞
中の1または2以上のポリペプチドと1または2以上の共有結合を形成してKD<10-6
mole/Lでリガンドに特異的に結合するCHBPを発生するかのいずれかであり、(d
)アレイ中の他のCHBPとはアミノ酸配列で異なり、この場合、細胞は少なくとも
4個の結合部位からなるCHBPをアセンブルする真核細胞中のCHBPアレイを提供す
る。ポリヌクレオチドはたとえば、重鎖およびそれらのフラグメント、軽鎖およ
びそれらのフラグメント、J鎖および分泌成分からなる群より独立に選択される
免疫グロブリン分子のポリペプチド部分をコードする。ある特異的な実施態様で
は、アレイ中の細胞は少なくとも10種、100種、1000種または10,000種の異なる
ポリヌクレオチドをアセンブルする。また、ある実施態様では、このようなアレ
イ中の各細胞は、各細胞がCHBP成分からなる機能性CHBPをアセンブルするように
異なるCHBP成分をコードする少なくとも2種の異なるポリヌクレオチドでトラン
スフェクトされてもよい。
【0016】 さらに他の態様においては、本発明はカプセル封入されたCHBPのアレイからな
る組成物であって、各CHBPは、(a)ネイティブな免疫グロブリン重鎖のμまた
はα鎖の定常領域テールピースと少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列
からなり、(b)すべての結合部位が以下の要件の同一の一つ、すなわち(i)免
疫グロブリン軽鎖可変領域の25連続アミノ酸部分と少なくとも75%の同一性、ま
たは(ii)免疫グロブリン重鎖可変領域の25連続アミノ酸部分と少なくとも75%
の同一性を満足する少なくとも4個の結合部位からなり、(c)KD<10-6 mole/Lで
リガンドに特異的に結合するか、または(ii)1または2以上のポリペプチドと1
または2以上の共有結合を形成してKD<10-6 mole/Lでリガンドに特異的に結合す
るCHBPを発生するかのいずれかであり、(d)アレイ中の他のCHBPとはアミノ酸
配列で異なる組成物を提供する。
【0017】 さらに本発明は、(a)ネイティブな重鎖をコードするポリヌクレオチドの多
重コピーを、ポリヌクレオチドのランダムまたは部位特異的突然変異が起こり、
重鎖変異体のライブラリーが生じるように突然変異誘発物質に暴露し、(b)真
核細胞の集団を重鎖変異体のライブラリーでトランスフォームし、(c)トラン
スフォームされた細胞を、それぞれのCHBPは少なくとも4個の結合部位からなるCH BPのアセンブリーが可能なメジウム上で生育させ、それから真核細胞中にCHBP
アレイを調製する工程からなる方法を提供する。
【0018】 更なる態様では、本発明は、(a)ネイティブな免疫グロブリン重鎖のμまた
はα鎖の定常領域テールピースと少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列
からなり、(b)すべての結合部位が以下の要件の同一の一つ、すなわち(i)免
疫グロブリン軽鎖可変領域の25連続アミノ酸部分と少なくとも75%の同一性、ま
たは(ii)免疫グロブリン重鎖可変領域の25連続アミノ酸部分と少なくとも75%
の同一性を満足する少なくとも4個の結合部位からなり、(c)(i)KD<10-6 mol
e/Lでリガンドに特異的に結合するか、または(ii)細胞中の1または2以上のポ
リペプチドと1または2以上の共有結合を形成してKD<10-6 mole/Lでリガンドに特
異的に結合するCHBPを発生するかのいずれかであるCHBPを提供する。
【0019】 本発明のこれらのおよび他の態様は以下の詳細な説明および添付図面を参照す
れば明らかになるものと確信する.本明細書に開示されたすべての参考文献は、
それぞれが個々に導入されたようにその全体が引用により本明細書に導入される
【0020】 (図面の簡単な説明) 図1Aおよび1Bは、ヒトおよびマウスの重鎖および軽鎖について代表的なフレー
ムワーク領域(FR)配列を示す表である(配列番号:74〜197)。
【0021】 (発明の詳細な説明) 上述のように、本発明は真核生物または細胞たとえば植物および植物細胞中に
おける免疫グロブリン結合タンパク質(IgBP)ポリペプチドのアレイを目的とす
るものである。このようなアレイ中の各細胞は、1または2以上のIgBPまたはそれ
らのポリペプチド成分をコードする少なくとも1種のポリヌクレオチドでトラン
スフェクトされている(核ゲノムにインテグレートされているかまたは細胞質中
に存在する)。ある種の実施態様においては、各細胞は少なくとも1種の機能性
(すなわち、生物学的に活性な)IgBPをアセンブルできるように1または2以上の
IgBPの多重ポリペプチド成分をコードするポリヌクレオチドからなる。トランス
フォームされた細胞はさらに、生物学的に活性なIgBPからなるが、場合により(
たとえば、トランスフォームされた植物から発生した種子)機能性IgBPは発生さ
れない。本発明を具現化するトランスジェニックアレイは新規なIgBPの発見に有
用である.ある種の実施態様においては、本発明によって提供されるアレイ内の
IgBPは、ランダムにペア化された重鎖および軽鎖のコンビナトリアルな方法から
は誘導されない。本発明の関連においては、植物および他の真核細胞は特異的な
銃鎖アイソタイプとして発現された可変領域(軽鎖または重鎖から)なるIgBPを
アセンブルできることが見出された。
【0022】 ある種の実施態様においては、IgBPアレイはトランスフォームされた性的に繁
殖可能な植物中で高収率に発生させることができる。本発明で提供されるトラン
スジェニック植物は一般的に形態学的には正常であるが、それらの細胞の一部ま
たはすべてには、異種ポリヌクレオチドの1または2以上のコピーが存在する。そ
れぞれの遺伝子産物は植物細胞の実質的にすべてまたは部分中に存在することが
できる(たとえば、それらの産物は細胞タイプ、組織または臓器に局在する)。
トランスジェニックアレイから、細胞の個々の生物体またはクローンが迅速に同
定可能であり、所望のIgBPの大規模生産に必要な経済的な高い収率の方法への容
易なアクセスが可能になる。
【0023】 用語の解説 本発明を詳細に説明する前に、本明細書において使用される一部の用語を定義
する。
【0024】 免疫グロブリン結合タンパク質(IgBP):免疫グロブリン結合タンパク質は(
i)ネイティブな免疫グロブリン分子(たとえば、IgM, IgG, IgA, IgD, IgE, Ig
Y, κまたはλ)の少なくとも1種のフレームワークと少なくとも75%の同一性を
有するアミノ酸配列からなり、かつ(ii)機能性結合タンパク質である免疫グロ
ブリン結合タンパク質である。フレームワーク領域は以下に「免疫グロブリン」
の項で説明する。タンパク質Pは(1)1つの分子がイオン性または芳香族リガン
ドAであればKD(P,A)<10-6 mole/L(好ましくは<10-7 mole/L)であり(式中KD (X,Y)= [X] [Y]/[X:Y])、(2)異なる分子については、イオン種または原子
種BがKD(P,B)>10-4 mole/L であれば機能性結合タンパク質である。このよう
なタンパク質Pは特異的にAに結合するといわれている。免疫グロブリン結合タン
パク質(IgBP)は一般的に以下に定義する結合部位からなるアミノ酸配列の性質
により結合タンパク質として機能する。IgBPは、単一の免疫グロブリン鎖または
そのフラグメント、多重の同一の免疫グロブリン鎖またはそのフラグメント、ま
たは多重の非同一免疫グロブリン鎖またはそのフラグメントから構成されてもよ
い。IgBPには、たとえば単一鎖抗原結合タンパク質、FabおよびFvが包含される
。また、以下にきわめて詳細に論じられる重鎖結合タンパク質(CHBP)も包含さ
れる。
【0025】 IgBPの成分:1または2以上のポリペプチドと1または2以上の共有結合(好まし
くはジスルフィド結合)を形成できるポリペプチドは機能性結合タンパク質を発
生する。成分それ自体は機能性結合タンパク質ではない。 たとえば、マルチマ
ー抗体はIgBPであると考えられ、共有結合によって連結して抗原結合部位を形成
するポリペプチド鎖はIgBP成分であると考えられる。このような成分の例には、
それらに限定されるものではないが、重鎖およびそれらのフラグメント、軽鎖お
よびそれらのフラグメント、J鎖およびそのフラグメント、ならびに分泌成分お
よびそのフラグメントが包含される。
【0026】 IgBPポリペプチド:機能性IgBPおよびIgBP成分の両者を包含する。
【0027】 免疫グロブリン重鎖結合タンパク質(CHBP):(i)免疫グロブリン軽鎖また
は重鎖可変領域の両者ではなくいずれかに由来する(少なくとも25の連続アミノ
酸と少なくとも75%同一)多重結合号部位からなり、かつ(ii)ネイティブな重
鎖定常領域配列1もしくはフラグメントまたはその他の変異体からなり、ただし
このような成分のアミノ酸配列はネイティブな免疫グロブリン重鎖のμまたはα
鎖の定常領域テールピース(以下に定義する)と少なくとも75%の同一性を有す
るIgBPである。1または2以上の重鎖可変領域に由来する結合部位からなるCHBPは
軽鎖可変領域に由来する結合部位からは構成されない。同様に、1または2以上の
軽鎖可変領域に由来する結合部位からなるCHBPは重鎖可変領域に由来する結合部
位からは構成されない。多重CHBP成分は共有結合的に連結して機能性CHBPを発生
してもよく、また単一のポリペプチドでも十分である。代表的なCHBPには、4個
のα鎖および1個のJ鎖、12個のμ鎖、または10個のμ鎖および少なくとも1個のJ
鎖からアセンブルされるタンパク質が包含される。
【0028】 重鎖結合タンパク質(CHBP)成分:1または2以上の他のポリペプチドと1また
は2以上の共有結合(好ましくはジスルフィド結合)を形成することが可能で、
機能性CHBPを発生するポリペプチド。その成分自体は結合タンパク質ではない。
このような成分の例には、それらに限定されるものではないが、重鎖およびそれ
らのフラグメント、ならびにJ鎖およびそのフラグメントが包含される。
【0029】 重鎖結合タンパク質(CHBP)ポリペプチド:CHBP およびCHBP成分の両者が包
含される。
【0030】 免疫グロブリン:抗体として機能する任意の構造的に関連するタンパク質また
は糖タンパク質。ポリペプチドは既知の重鎖、軽鎖、J鎖および関連免疫グロブ
リン配列とのホモロジーに基づいて免疫グロブリン配列からなることが決定され
る(たとえば、Kabatら, Sequence of Immunological Interest, National Inst
itute of Health, Bethesda, MD, 1991参照)。一般的に、免疫グロブリン配列
は既知の免疫グロブリン配列と、定常領域の少なくとも50連続アミノ酸残基にわ
たって少なくとも95%の同一性を有し、免疫グロブリンが定常領域を含み、可変
領域の少なくとも25連続アミノ酸と75%の同一性を有していればよい。免疫グロ
ブリンは多重免疫グロブリン成分から構成されてもよい。このような成分の例に
は、それらに限定されるものではないが、重鎖およびそれらのフラグメント、軽
鎖およびそれらのフラグメント、J鎖およびそのフラグメント、ならびに分泌成
分およびそのフラグメントが包含される。免疫グロブリンは一般的に、ユニーク
なエピトープに対するその結合特異性によって同定される。
【0031】 免疫グロブリンは基本的なドメイン構造の線状組み合わせから構成される。そ
れぞれのドメインは2つのβ-プリーツシートを含有し、一方のβ-シートは4つの
ストランドからなり、他方は3つのβ-ストランドからなる。2個のβ-シートはス
ルフィド結合によって共有結合で連結している。抗体可変領域は3つの相補性決
定領域(CDR)と呼ばれる3つの配列を含有し、これらの中には多数の可変配列と
比較した場合高い可変性を示すアミノ酸配列がある。各CDRに隣接して、4個の可
変性は低いフレームワーク領域(FR)と呼ばれる配列がある。CDRの位置はβ-ス
トランドの間のループと一次的に一致し、逆にCDRは基本ドメイン構造のβスト
ランド自体と関連する。たとえば、CDR1(免疫グロブリンポリペプチドのアミノ
末端に最も近い)はβストランド4-2および3-1の間に位置し、CDR2は3-1および4
-4の間にある。可変領域の3つの標準βシートは軽鎖および重鎖可変領域の間の
接触領域にある。以下の表には可変領域の典型的な構造を例示する。
【0032】 「ネイティブなIgM, IgG, IgA, IgD, IgE, IgY, κまたはλ免疫グロブリン分
子のフレームワーク領域に少なくとも75%同一」であるポリペプチドは一般に、
ネイティブなFR領域に少なくとも75%のアミノ酸同一性を維持している配列から
なる。類似の有意性は、Dayhoffら, Meth. Enzymol. 91: 524-545, 1983によっ
て記載されたAlign プログラムのようなコンピュータープログラムを用いて統計
的に決定することができる、代表的なFR配列は図1A-1Bに示す。他の配列はたと
えばKabatら, Sequences of Immunological Interest, National Institute of
Health, Bethesda, MD, 1991に見出される。
【0033】 表2には、マウスおよびCDRについての代表的なコンセンサス配列を示す。個
々のCDRの特異的な配列はKabatら, Sequences of Immunological Interest, Nat
ional Institute of Health, Bethesda, MD, 1991に見出される。CDRを同定する
一般的なルールは次の通りである。(1)CDR1(軽鎖):スタートはほぼ残基24
であり、前の残基は常にCysであり、後の残基は常にTrpである(通常は、TRP-TY
R-GLNであるが、TRP-LEU-GLN, TRP-PHE-GLN, TRP- TYR-LEUも使用できる;長さ1
0〜17残基;(2)CDR2(軽鎖):スタートはCDR1の末端後常に16残基であり、前
の残基は一般にILE-TYRであるが、またVAL-TYR, ILE-LYS, ILE-PHEも使用できる
;長さは常に7残基(この領域に欠失を有する7FABは例外);(3)CDR3(軽鎖)
:スタートは常にCDR2の末端後常に33残基であり(CDR-L2の末端に欠失を有する
7FABは例外)、前の残基は常にCysであり、後の残基は常にPHE-GLY-XXX-GLY(配
列番号:1)である;(4)CDR1(重鎖):スタートはほぼ残基26(常にCys後4)
であり、前の残基は常にCYS- XXX-XXX-XXX(配列番号:2)であり、後の残基常
にTRPであり、典型的にはTRP-VALであるが、TRP-ILE, TRP-ALAも使用できる;(
5)CDR2(重鎖):スタートは常にCDR1の末端後常に15残基であり、前の残基は
典型的にはLEU-GLU-TRP-ILE-GLY(配列番号:3)であるが、多くの変化たとえば
後の残基はLYS/ARG-LEU/ILE/VAL/PHE/THR/ALA- THR/SER/ILE/ALAである;(6)C
DR3(重鎖):スタートは常にCDR2(CYS後、常に2)の末端後常に33残基であり
;前の残基常にCYS-XXX-XXX(典型的にはCYS-ALA-ARG)であり、後の残基は常に
TRP-GLY-XXX-GLY(配列番号:4)である。
【0034】 免疫グロブリンスーパーファミリー分子:免疫グロブリンまたは免疫グロブリ
ン関連ドメインに有意に類似するドメインサイズおよびアミノ酸残基配列を有す
る分子。類似の有意性は上述のように統計学的に決定される。Kabatらによって
掲げられた免疫グロブリン(Sequences of Immunological Interest, National
Institute of Health, Bethesda, MD, 1991)と75%以上の配列同一性は免疫グ
ロブリンスーパーファミリーのメンバーであることを指示する。また3未満の典
型的なAlign評点は試験された分子が免疫グロブリンスーパーファミリーのメン
バであることを指示する。
【0035】 結合部位:イオン性相互作用、水素結合、Van der Waals相互作用または疎水
性相互作用によってリガンドまたは抗原に接触するアミノ酸残基により構築され
る結合タンパク質の部分。典型的な結合タンパク質中の結合部位は軽鎖および/
または重鎖の可変領域に、さらに特定すれば軽鎖および/または重鎖のCDR中に
存在する。結合部位は1個のポリペプチド以上からなる必要はない。結合部位は
一般に4個のFRおよび3個のCDR配列からなり、これらが表1に示すように交互に交
替する。結合部位内に存在する正確なアミノ酸は一般に結合したリガンドまたは
抗原と結合タンパク質のx-線回析による解析によって決定される。たとえば、Am
itら, Science 233: 4765, 747-53, 1986参照。
【0036】 免疫グロブリン定常領域:可変領域のカルボキシ末端に続く免疫グロブリンポ
リペプチドの部分。これは通常、軽鎖中アミノ酸#108の近傍および重鎖中のアミ
ノ酸#114の近傍にある。定常領域は免疫グロブリンのアイソタイプ名を決定し、
それらに限定されるものではないが、κまたはλ軽鎖定常領域ならびにγ, μ,
α, εおよびδ重鎖定常領域が包含される。重鎖の定常領域はドメインに分割さ
れる。可変領域に続く最初のドメインはCH1と命名される。CH1に続くドメインに
はヒンジ領域、CH2, CH3およびCH4ならびに膜スパニングドメインが包含される
。免疫グロブリン定常領域の例はKabatら, Sequences of Immunological Intere
st, National Institute of Health, Bethesda, MD, 1991に見出される。
【0037】 定常領域のテールピース:テールピース領域はそれぞれ、IgAまたはIgM定常領
域のCH3またはCH4セグメントの後に位置する。テールピースの例を表3に掲げる
。他のテールピース領域は、表3の代表的な重鎖テールピース領域の一つに基づ
いて同定することもできる。一般に、テールピースは表3における配列と少なく
とも50%の同一性がなければならず、終わりから2番目のカルボキシ末端アミノ
酸として常にシステインを含有する。内膜システムを含有する適当な真核細胞中
に共発現される場合、αまたはμ定常領域に結合したテールピース領域は、テー
ルピースの終わりから2番目のシステインとJ鎖中のシステインの間にジスルフィ
ド結合を形成することができる。これらのジスルフィド結合の形成がαまたはμ
定常領域の重合を起こさせることができる。
【0038】 J鎖:Kabatら(Sequences of Immunological Interest, National Institute
of Health, Bethesda, MD, 1991)のJ鎖に配列と実質的に同一な(すなわち、少
なくとも80%同一な)ポリペプチド。J鎖はさらに、αまたはμ定常領域のテー
ルピース領域中終わりから2番目のシステインとジスルフィド結合を形成するこ
とが可能で、それによって重合構造たとえばダイマーIgAまたはペンタマーIgMを
形成することができる。J鎖とαまたはμ重鎖定常領域の間のジスルフィド結合
は一般に、分泌過程の間に細胞の内膜システム中に見出される。ジスルフィド結
合の存在は適当な還元剤たとえばジチオスレイトールまたはメルカプトエタノー
ルの存在下または不存在下にポリペプチドを比較することによって測定すること
ができる。ペプチドの比較分析は、Molecular Cloning: A Laboratory Manual,
Sambrookら編, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y. (1
989) および Antibodies: A Laboratory Manual, Harlow & Lane編, Cold Sprin
g Harbor, N.Y. (1988) に記載されたSDSおよびポリアクリルアミドを用いるた
とえば変性ゲル電気泳動によって達成することができる。
【0039】 α鎖:Kabatら(Sequences of Immunological Interest, National Institute
of Health, Bethesda, MD, 1991)のα鎖の定常領域に配列で実質的に同一な(
すなわち、少なくとも90%同一な)ポリペプチド。
【0040】 μ鎖:Kabatら(Sequences of Immunological Interest, National Institute
of Health, Bethesda, MD, 1991)のμ鎖の定常領域に配列で実質的に同一な(
すなわち、少なくとも90%同一な)ポリペプチド。
【0041】 分泌成分:J鎖を含有する重合免疫グロブリンに結合するポリペプチド。分泌
成分はポリ免疫グロブリン受容体に由来する。一部の分泌成分およびポリ免疫グ
ロブリン受容体の配列は同定されている。既知の分泌成分と少なくとも75%の配
列同一性を有し、J鎖を含有する重合免疫グロブリンに対する結合能力を維持す
る他のポリペプチドも分泌成分と考えられる。
【0042】 重鎖:ネイティブな重鎖配列の定常領域に少なくとも90%同一であるアミノ酸
配列およびネイティブな重鎖配列の可変領域に少なくとも75%同一であるアミノ
酸配列からなるポリペプチド(Kabatら, Sequences of Immunological Interest
, National Institute of Health, Bethesda, MD, 1991参照)であり、適当な真
核細胞の内膜システムで軽鎖とともに共発現させた場合、ジスルフィド結合によ
り連結した重鎖-軽鎖複合体、多分抗体を形成できるポリペプチドを意味する。
重鎖は2価の抗体、Fab, Fab'2またはFvの内部に存在する2つのポリペプチドの大
きな方として同定される。重鎖はまた、多価抗体たとえばIgAおよびIgMの成分と
しても見出される。
【0043】 軽鎖:ネイティブな軽鎖配列の定常領域に少なくとも90%同一であり、ネイテ
ィブな軽鎖配列の可変領域に少なくとも75%同一であるポリペプチド(Kabatら,
Sequences of Immunological Interest, National Institute of Health, Beth
esda, MD, 1991参照)であり、適当な真核細胞の内膜システムで重鎖とともに共
発現させた場合、ジスルフィド結合により連結した重鎖-軽鎖複合体、多分抗体
を形成できるポリペプチドを意味する。軽鎖は2価の抗体、Fab, Fab'2またはFv
の内部に存在する2つのポリペプチドの小さな方として同定される。軽鎖はまた
、多価抗体たとえばIgAおよびIgMの成分としても見出される。
【0044】 軽鎖または重鎖可変領域:上述のように、4つのフレームワーク領域(FR)に
隣接する3個の相補性決定領域(CDR)を含有する軽鎖または重鎖の領域。可変領
域は一般に2個のβ-プリーツシートを有し、その一つは4個のβシートから構成
され、それらの一つは3つのβストランドから構成される。抗体においては、3ス
トランドシートは重鎖および軽鎖可変領域の間の一定な領域である。2つのβ-プ
リーツシートはジスルフィド結合により共有結合的に連結されている(この結合
を形成する半シスチンは保存されている)。CDRはβストランド間のループに一
致し、一方、FRはβストランド自体に相関する。軽鎖可変領域から構成されない
IgBPは一般にCDRおよびFRを含むポリペプチドを含有しないが、軽鎖の定常領域
は含有する。
【0045】 IgBPアレイ:それぞれ異なるIgBPまたはそのポリペプチド成分をコードする、
異なるポリヌクレオチドでトランスフォームされた真核細胞または生物体(例え
ば、植物)の集団。それぞれの細胞または生物体はこのようなポリヌクレオチド
少なくとも1種で、好ましくはこのようなポリヌクレオチド少なくとも2種でトラ
ンスフォームされ、したがってアレイは異なるポリヌクレオチドでトランスフォ
ームされた少なくとも2つの生物体または細胞からなる。一般に、それらのポリ
ヌクレオチドによってコードされるIgBPポリペプチドは、トランスフォームされ
ていない細胞または生物体によっては検出可能な程度には発現されない。アレイ
は細胞または生物体の複製が可能な生育表面上に現れる場合がある。アレイはた
とえば植物または植物細胞中に存在し、また種子の形態で保存されることもある
【0046】 双子葉植物(dicot):胚が2つの半種子または子葉を有する顕花植物。双子葉
植物の例には、タバコ、トマト、アルファルファを含む豆果、カシ、メープル、
バラ、ハッカ、カボチャ、ヒナギク、クルミ、サボテン、スミレ、およびキンポ
ウゲが包含される。
【0047】 DNA:デオキシリボ核酸
【0048】 エピトープ:免疫グロブリンによって特異的に認識される分子の部分。それは
また、決定基または抗原決定基とも呼ばれる。
【0049】 真核ハイブリドベクター:そのDNAによって真核細胞中に導入可能なポリペプ
チド(不活性)をコードするDNA分子。
【0050】 Fabフラグメント:一緒に共有結合によって連結し、抗原と特異的に結合でき
る抗体重鎖および抗体軽鎖の活性部分。Fabフラグメントは典型的には、本技術
分野において周知の方法を用いパパインで、実質的に無傷な抗体分子をタンパク
分解的に消化することによって調製される。しかしながら、Fabフラグメントは
また、本技術分野において周知の方法を用い、抗体重鎖および軽鎖の所望部分を
適当な宿主細胞中で発現させることによっても調製できる。
【0051】 Fvフラグメント:一緒に共有結合で連結した抗体重鎖可変領域および抗体軽鎖
可変領域の活性部分からなり、抗原と特異的に結合することができるポリペプチ
ド。Fvフラグメントは、本技術分野において周知の方法を用い、典型的には抗体
重鎖可変領域および軽鎖可変領域の所望部分を適当な宿主細胞中で発現させるこ
とによって調製できる。
【0052】 突然変異誘発:元のポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が1または数個の位
置で変化して実質的に同一の配列のポリヌクレオチド誘導体を製造する方法。突
然変異誘発はたとえば、様々な一般に利用される酵素および突然変異誘発オリゴ
ヌクレオチドを用いてインビトロでのポリヌクレオチドの操作により達成できる
。突然変異誘発はまた、たとえば免疫グロブリンをコードするポリヌクレオチド
に所望の変化を導入するために動物の免疫系を用い、インビボでも達成すること
ができる。たとえば、B細胞の突然変異誘発は元のポリヌクレオチドから突然変
異ポリヌクレオチドを誘導する方法である。
【0053】 挿入:構造遺伝子および任意の付加的DNA配列から構成される、宿主に対して
異種のDNA配列。
【0054】 (選択的)遺伝子マーカー:トランスフォームされた細胞をトランスフォーム
されていない細胞から分離できる手段により表現型特徴をコードするDNA配列。
【0055】 リーダー配列:ポリペプチドに先行する一連の連続アミノ酸。リーダー配列は
分泌過程においてポリペプチドから切断されることがある。
【0056】 シグナル配列:小胞体に結合し、タンパク質の分泌に必須のポリペプチドに結
合するアミノ酸配列をコードするDNA配列。
【0057】 低級植物:非顕花植物、たとえばシダ、裸子植物、球果植物、トクサ、カゲノ
カズラ、ゼニゴケ、マツモ、コケ類、赤藻類、褐藻類、配偶体、シダ類の芽胞体
、および緑藻類(たとえばChlamydomonas)が包含される。
【0058】 単子葉植物(monocot):胚に1個の子葉または種子葉を有する顕花植物。単子
葉植物の例には、ユリ、イネ科、トウモロコシ、コメ、穀類たとえばオート麦、
小麦および大麦、ラン、アイリス、玉葱およびヤシが包含される。
【0059】 オープンリーディングフレーム:順番に読み取った場合、同時に3個(トリプ
レット)が停止コドン配列を含まない核酸配列。停止コdン配列はUAG, UAAおよ
びUGAである。
【0060】 パラトープ:抗体分子の抗原結合部位。
【0061】 植物細胞:その成長を光に依存し、クロロプラストを含有する細胞。
【0062】 受粉:雄花から雌花部分への花粉の移動。「自家受粉」は、同じ植物での雄花
から雌花部分への花粉の移動を意味する。この過程では通常、それから子孫植物
が生育できる種子を産生する。「交差受粉」は一つの植物の雄花部分から他の植
物の雌花部分への花粉の移動である。この過程は生育可能な子孫が生育できる種
子を産生する。
【0063】 ポリペプチドおよびペプチド:隣接する残基のα-アミノおよびカルボキシ基
の間のペプチド結合または2個のシステイン間のジスルフィド結合によって互い
に共有結合によって連結した一連のアミノ酸残基。
【0064】 タンパク質:ポリペプチドにおけるように互いに連結した約50個以上の線状に
並んだアミノ酸残基。
【0065】 プロモーター:遺伝子に発現制御エレメントを提供し、それにRNAポリメラー
ゼが特異的に結合してその遺伝子のRNA合成(転写)を開始するDNA配列またはDN
A配列のグループ。「誘導性プロモーター」とはRNAポリメラーゼの結合および開
始の速度が外的刺激によって調節されるプロモーターである。このような刺激に
は光、熱、好気性ストレス、栄養条件の変化、代謝物の存在または不存在、リガ
ンドの存在、微生物の攻撃、創傷等が包含される。「ウイルス性プロモーター」
はウイルス遺伝子の5'末端の見出されるプロモーターと実質的に類似のDNA配列
を有するプロモーターである。代表的なウイルス性プロモーターは、Huangら, C
ell 27: 245, 1981に記載されたMMTVのP21タンパク質をコードする遺伝子の5'末
端に見出される。「合成プロモーター」は生物学的に誘導されるのではなく、化
学的に合成されたプロモーターである。通常、合成プロモーターはRNAポリメラ
ーゼ開始の効率を至適化する配列変化を導入する。「構成的プロモーター」はRN
Aポリメラーゼの結合および開始がほぼ一定で、外部刺激からは比較的独立して
いるプロモーターである。構成的プロモーターの例には、Poszkowskiら, EMBO J
. 3: 2719, 1989およびOdellら, Nature 313: 810, 1985に記載されたカリフラ
ワーモザイクウイルス35Sおよび19Sプロモーターが包含される。「時間的調節プ
ロモーター」は、ポリメラーゼの結合および開始の速度が、発育中の特定の時期
に調節されるプロモーターである。時間的調節プロモーターの例はChuaら, Scie
nce 244: 174-181, 1989によって示されている。「空間的調節プロモーター」は
RNAポリメラーゼの結合および開始の速度が生物体の特異的な構造たとえば葉、
幹または根中で調節されるプロモーターである。空間的に調節されるプロモータ
ーはChuaら, Science 244: 174-181, 1989によって示されている。「時間空間的
調節プロモーター」はRNAポリメラーゼの結合および開始の速度を生物体の発育
中の特定な時期における特定の構造中で調節するプロモーターである。典型的な
時間的空間的調節プロモーターはChuaら, Science 244: 174-181, 1989によって
記載されている。
【0066】 RNA:リボ核酸。
【0067】 rRNA:リボソームRNA。
【0068】 分泌シグナル:細胞からのポリペプチドの分泌を可能にするポリペプチドに結
合またはそれに含有される一連の連続したアミノ酸。アミノ酸は分泌過程におい
てポリペプチドから切断されても、また切断されなくてもよい。
【0069】 種子:珠皮(単数または複数)に由来する種皮中に封入された生存可能な休止
中の胚。胚は食品貯蔵器官を伴う。
【0070】 単一鎖抗原結合(SCAB)タンパク質:VL配列のカルボキシ末端をVH配列のアミ
ノ末端に連結するペプチドまたはVL配列のアミノ末端をVH配列のカルボキシ末端
に連結するペプチドによって免疫グロブリン重鎖可変領域アミノ酸(VH)に繋が
る免疫グロブリン軽鎖可変領域アミノ酸配列(VL)からなるポリペプチド。
【0071】 単一鎖抗原結合(SCAB)タンパク質コード遺伝子:単一鎖抗原結合タンパク質
をコードする組換え遺伝子。
【0072】 構造遺伝子:ポリペプチドをコードし、適当なプロモーター、停止配列および
任意の他の調節DNA配列が装着され、正しいリーディングフレームを有する遺伝
子。
【0073】 T-DNA:植物に特異的なトランスファーDNAのセグメント。
【0074】 Ti-プラスミド:植物に特異的な腫瘍誘発プラスミド。
【0075】 Ti-DNA:Ti-プラスミドからのDNAのセグメント。
【0076】 トランスフェクション:異種DNAを真核細胞に導入する方法。この方法の結果
、細胞のトランスフォーメーションを生じさせても、させなくてもよい。 トランスフォーメーション:異種DNAが生物体のゲノムまたは細胞質に導入さ
れ、その生物体に以前にはなかった性質の発現を生じさせる方法。加えられる性
質の例には、毒性化学物質に対する抵抗性およびその生物体によって正常には産
生されない異種タンパク質の発現がある。
【0077】 免疫グロブリン結合タンパク質(IgBP)ポリペプチド 上述のように、IgBPはアミノ酸がペプチド結合によって連結された1または2以
上のポリペプチドからなる。一般に、IgBPは(i)ネイティブな免疫グロブリン
分子(たとえば、IgM, IgG, IgA, IgD, IgE, IgY, κまたはλ)の少なくとも1
つのフレームワーク領域と少なくとも75%同一なアミノ酸配列からなり、(ii)
機能性結合タンパク質である。配列同一性は本技術分野の通常の技術を有する者
によって容易に至適化できる様々な周知のアルゴリズムを用いて決定することが
できる。このようなアルゴリズムの一つはDayhoffら, Meth. Enzymol. 91: 524-
545, 1983によって用いられている。上述の機能性結合タンパク質は、KD<10-6 m
ole/L(好ましくはKD<10-7 mole/L)でリガンドに特異的に結合する。KDは周知
のアッセイを用いて容易に決定することができる。
【0078】 IgBPは、単一の免疫グロブリン鎖またはそのフラグメント、多重な同一の免疫
グロブリン鎖またはそれらのフラグメント、または多重な非同一免疫グロブリン
鎖またはそれらのフラグメントから構成されてもよい。IgBPにはたとえば単一鎖
抗原結合タンパク質、FabおよびFvが包含される。他のIgBPは、免疫グロブリン
重鎖の定常領域および任意のソース(たとえば、重鎖または軽鎖、ただし両者で
はない)からの可変領域に由来するアミノ酸残基からなる多重結合部位によって
構成される重鎖結合タンパク質(CHBP)である。好ましい実施態様においては、
可変領域は重鎖から誘導される。CHBPはさらに、他の成分ポリペプチドを連結す
る役割をする1または2以上のJ鎖から構成されてもよい。代表的なCHBPには、4個
のα鎖および1個のJ鎖、12個のμ鎖または10個のμ鎖および少なくとも1個のJ鎖
からアセンブルされたタンパク質が包含される。
【0079】 IgBPは共有結合好ましくはジスルフィド結合によって連結された成分ポリペプ
チドから構築される。好ましい成分は免疫グロブリン分子の1または2以上、たと
えば重鎖およびそれらのフラグメント、軽鎖およびそれらのフラグメント、J鎖
およびそれらのフラグメントならびに分泌成分およびそれらのフラグメントから
なる。成分ポリペプチドはネイティブな免疫グロブリン配列またはそのような配
列の変異体からなることができる。上述のように、「IgBPポリペプチド」は機能
性IgBPまたはIgBP成分である任意のポリペプチドである。
【0080】 アレイの調製には、IgBPポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのライブ
ラリーが一般に使用される。このようなライブラリーは少なくとも2種の異なる
ポリヌクレオチド(好ましくは、少なくとも10種、100種、1000種または10,000
種の異なるポリヌクレオチド)からなり、それぞれ異なるIgBPまたはその成分を
コードする。IgBPは他のIgBPと、IgBPのアミノ酸配列の間に1または2以上の差異
があれば相違する。このような差異はそれぞれの基質、リガンドまたはエピトー
プに対するIgBPの親和性における差異を生じることが好ましい。好ましいライブ
ラリーは元のポリヌクレオチドの変異体をコードする。このようなライブラリー
は、インビトロで起こる突然変異誘発(たとえば一般に利用可能な酵素または突
然変異誘発オリゴヌクレオチドを使用)またはインビボで起こる突然変異誘発(
たとえばB細胞成熟)方法によって元のポリヌクレオチドから誘導することもで
きる。このようなライブラリーは一般に1または2以上のアミノ酸置換および/ま
たは欠失によって元の免疫グロブリンと相違する変異体をコードするポリヌクレ
オチドからなるが、それぞれの変異体は元の免疫グロブリンに対して少なくとも
75%、好ましくは少なくとも95%の同一性を維持する。ある種のこのようなライ
ブラリーは、元の免疫グロブリンとわずかに1または2以上の点突然変異で相違す
る免疫グロブリン変異体をコードするポリヌクレオチドを含有してもよい。ライ
ブラリー中のポリヌクレオチドは、標的真核細胞のトランスフォーメーション、
およびトランスフォームされた細胞内での結合タンパク質またはその成分の以後
の発現を促進するベクター内に存在することが好ましい。
【0081】 免疫グロブリン結合タンパク質の集団をコードする核酸のソースは多様である
。たとえば、免疫グロブリンは免疫処置された宿主のB細胞に由来する。このよ
うな免疫グロブリン結合タンパク質の集団はそれぞれ異なる免疫グロブリン結合
タンパク質を発現する多重細胞から誘導される。免疫グロブリン結合タンパク質
の集団または可能性のある免疫グロブリン結合タンパク質はまた、免疫グロブリ
ンのユニークな配列の突然変異誘発から誘導することもできる。
【0082】 IgBPの集団をコードするポリヌクレオチドを単離する方法は本技術分野におい
て周知である。たとえば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Sambrook
ら編, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)およ
びAntibodies: A Laboratory Manual, Harlow & Lane編, Cold Spring Harbor,
N.Y. (1988) 参照。上述のように、とくに好ましいポリヌクレオチドは免疫グロ
ブリン重鎖および軽鎖可変領域またはそれらの部分をコードする。このようなポ
リヌクレオチドは、それに対する活性が求められている抗原性リガンド(抗原)
、すなわち予め選択された抗原で免疫処置した脊椎動物好ましくは哺乳動物から
得られる細胞から単離することができる。免疫処置は慣用的に実施し、動物にお
ける抗体力価は所望の親和性または結合活性に相当する免疫処置の段階で決定す
るためにモニターすることができる。部分免疫処置動物は典型的には唯1回免疫
処置を受け、応答が検出された直後にそれらから細胞を収集する。完全に免疫処
置された動物は、通常2ないし3週間間隔で宿主動物に抗原を1または2回以上反復
注射することによって達成されるピークの力価を示す。通常最終チャレンジ後3
〜5日に脾臓を摘出し、免疫グロブリン重鎖および軽鎖をコードする遺伝子を脾
臓中に存在する再配列B細胞から標準操作を用いて単離する。Current Protocols
in Molecular Biology, Ausubelら編, John Wiley and Sons, New York (1987)
およびAntibodies: A Laboratory Manual, Harlow & Lane編, Cold Spring Harb
or, N.Y. (1988)参照。
【0083】 脾臓に加えて、再配列B細胞は特異的抗原に暴露した個体の骨髄からも誘導す
ることができる。たとえば、入院中の患者を通常遭遇しない感染性生物に暴露す
る。多くの場合、これらの患者はB細胞成熟および病原体を中和する抗体を発現
するB細胞の骨髄内沈着を生じる免疫応答を装備する。院内での暴露に加えて、H
IV, HPV, HSVおよびCMVを含む様々な感染に応答して記憶B細胞が沈着する。
【0084】 VHおよびVLポリペプチドをコードする遺伝子はIgA, IgD, IgE, IgGまたはIgM
を産生する細胞、最も好ましくはIgG産生細胞から誘導することができる。クロ
ーン化できる免疫グロブリン可変領域遺伝子からゲノムDNAのフラグメントを調
製する方法は本技術分野において周知である。たとえば、Herrmannら, Methods
in Enzymol. 152: 180-183, 1987; Frischauf, Methods in Enzymol. 152: 183-
190, 1987; および Frischauf, Methods in Enzymol. 152: 199-212, 1987参照
【0085】 免疫グロブリン産物をコードするポリヌクレオチドを単離するのに有用なプロ
ーブにはVHおよびVLの定常部分をコードする配列、VHおよびVLのフレームワーク
をコードする配列ならびに全再配列免疫グロブリン遺伝子の定常領域に対するプ
ローブが包含され、これらの配列は入手可能なソースから得られる。たとえば、
Early & Hood, Genetic Engineering, Setlow & Hollaender編, Vol. 3: 157-18
8, Plenum Publishing Corporation, New York (1981); およびKabatら, Sequen
ces of Immunological Interest, National Institute of Health, Bethesda, M
D (1991) 参照。IgBPのポリペプチドサブユニットまたは成分をコードするポリ
ヌクレオチドは、そのポリペプチドを発現する遺伝子を含有するゲノムDNAまた
はそのポリペプチドをコードするメッセンジャーRNA(mRNA)のいずれかから単
離することができる。配列がイントロンによって分離されているそのポリペプチ
ドをコードするゲノムDNAの近傍における困難性によりmRNAの使用が好ましい。
このような場合、適切なエキソンを含有するDNAフラグメント(単数または複数
)を単離し、イントロンを切断し、エキソンを適切な順序および方向性で一緒に
スプライシングしなければならない。ペプチドまたはタンパク質をコードするmR
NAの単離方法は本技術分野において周知である。たとえば、Current Protocols
in Molecular Biology, Ausubelら編, John Wiley and Sons, New York (1987)
;"Guide to Molecular Cloning Techniques" in Methods in Enzymology, Volu
me 152, Berger & Kimmel編(1987)およびMolecular Cloning: A Laboratory M
anual, Sambrookら編, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor,
N.Y.(1989)参照。
【0086】 ネイティブなIgBPの異なる変異体をコードする多重ポリヌクレオチドを発生さ
せるためには突然変異誘発を使用することができる。ついでこれらを本明細書に
記載の真核細胞または植物細胞もしくは植物のアレイ中に発現させることによっ
て分割することができる。選択された遺伝子のコドンに1または2以上の特異的な
変化が導入された突然変異タンパク質を得ることができる。ついで1個または数
個のポリペプチドを結合性の評価のために発現させる。他の極端な場合には、選
択された遺伝子中の様々な部位におけるコドンの比較的非特異的な変化によるラ
ンダム突然変異誘発が用いられる。植物および植物細胞ならびに他の真核細胞の
アレイは突然変異IgBPの機能的なスクリーニングに使用することができる。好ま
しくは、このようなアレイ内のポリヌクレオチドはネイティブなIgBP配列とは1
または2以上のアミノ酸置換および/または欠失において相違する変異体をコー
ドするが、このような変異体はネイティブなIgBPに対し少なくとも75%、好まし
くは少なくとも95%の同一性を維持する。とくに好ましくは、それぞれのポリヌ
クレオチドが1または2以上の点突然変異でネイティブなIgBPと異なるアレイであ
る。突然変異誘発はまた、抗体の発生時に自然に起こる過程でもある。B細胞の
成熟過程で、抗体をコードする遺伝子は組換えられ、選択され、突然変異を受け
て、同じ抗原に対する特異性を有する抗体をコードする元のポリヌクレオチドに
比較して、抗原に対する親和性の高い抗体をコードする形質細胞が産生される。
【0087】 IgBPの正確なタイプには無関係に、アレイポリヌクレオチドは、標的宿主細胞
に侵入し、その内部で複製が可能なように調製される。ある種のトランスフェク
ション技術では、ポリヌクレオチドは適当な発現ベクター中にクローン化される
。このようなトランスフェクションのためには、ベクターがIgBPを転写すること
が可能であり、標的細胞中に選択可能マーカーを与える限り、任意のベクターが
使用できる。植物中での遺伝子の発現に有用な発現ベクターは本技術分野で周知
であり、Rogersら, Meth. in Enzymol. 153: 253-277, 1987に記載されているAg
robacterium tumefasciensの腫瘍誘発(Ti)プラスミドから誘導されるベクター
が包含される。しかしながら数種の他の発現ベクターが植物中で機能することも
知られている。たとえば、Registerら, Plant Mol Biol. 25: 951-961, 1994; V
erchら, J. Immunol. Meth. 220: 69-75, 1998参照。
【0088】 別法として、一部のトランスフェクション技術では発現ベクターは不必要であ
り、望ましくない。これらの場合には、植物発現制御エレメント(発現カセット
)に連結した遺伝子をコードするポリペプチドを含有する単一または多重DNAフ
ラグメントのいずれかを標的植物細胞に直接導入する。植物細胞をトランスフェ
クトするために使用されるDNAフラグメントには単一または多重ポリペプチドコ
ード遺伝子が包含される。
【0089】 適当な発現ベクターまたはカセットは一般的に発現制御エレメントを含有し、
これらにはプロモーターが含まれる。ポリペプチドコード遺伝子は、プロモータ
ー配列がRNAポリメラーゼの結合および所望のポリペプチドコード遺伝子の合成
を指示できるように発現ベクターまたはカセットに操作性に連結される。ポリペ
プチドコード遺伝子の発現に有用なプロモーターは、誘導性、ウイルス、合成、
構造、時間的に調節された、空間的に調節されたおよび/または空間的時間的に
調節されたプロモーターである。発現ベクターの選択、およびポリペプチドコー
ド遺伝子が操作性に連結されるプロモーターの最終的な選択は所望の機能性(た
とえば、タンパク質発現の場所およびタイミングならびにトランスフォームされ
る宿主細胞)に直接依存する(本技術分野において周知のように)。しかしなが
ら、本発明の実施に有用な発現ベクターまたはカセットは少なくとも、それが操
作性に連結するDNAセグメント中に包含されるポリペプチドコード遺伝子の複製
、および好ましくは発現も指示できることである。
【0090】 好ましい実施態様においては、ポリペプチドコード遺伝子の発現に有用な発現
ベクターまたはカセットは、標的細胞内で有効な選択マーカー、好ましくは薬物
抵抗性マーカーを包含する。別法として、選択マーカーからなる分離ベクターま
たは発現カセットは共トランスフェクトすることができる。好ましい薬物抵抗性
マーカーはその発現がカナマイシン抵抗性を生じる遺伝子である(たとえば、ノ
パリンシンターゼプロモーターを含有するキメラ遺伝子。Rogersら, in Methods
for Plant Molecular Biology, A. Weissbach & H. Weissbach編, Academic Pr
ess Inc, San Diego, Calif. 1988に記載のTn5 ネオマイシンホスホトランスフ
ェラーゼIIおよびノパリンシンターゼ3'非翻訳領域)。有用な植物発現ベクター
には、pMON 530, pKYLX およびpUCが包含される。他の好ましい薬物抵抗性マー
カーはLiberty除草剤に対する抵抗性を付与するホスフィノトリンアセチルトラ
ンスフェラーゼ、PATの遺伝子がある。また、選択マーカーはトランスフェクト
された細胞の成育をメジウム中に存在する別の基質によって可能にする(たとえ
ば、xylA遺伝子、Haldrupら, Plant Mol Bio 37(2): 287-296, 1998)。
【0091】 DNAを、相補性付着末端を介してベクターに操作性に連結する様々な方法が開
発されている。たとえば、相補性ホモポリマートラックは挿入すべきDNAセグメ
ントおよびベクターDNAに付加することができる。ベクターおよびDNAセグメント
はついで相補性ホモダイマーテールの間の水素結合によって連結され、組換えDN
A分子を形成させる。別法として、1または2以上の制限エンドムクレアーゼ部位
を含有する合成リンカーを使用してDNAセグメントを発現ベクターに連結させる
ことができる。合成リンカーはブラント末端DNAセグメントを、大過剰の合成リ
ンカー分子とブラント末端DNA分子のリゲーションを触媒できる酵素たとえばバ
クテリアファージT4 DNAリガーゼの存在下にインキュベートすることにより結合
させる。すなわち、この反応の生成物はそれらの末端に合成リンカー配列を有す
るDNAセグメントである。ついで、これらのDNAセグメントを適当な制限エンドヌ
クレアーゼで切断し、合成リンカーのそれらと適合性のある末端を産生する酵素
で切断した発現ベクター中にリゲートする。様々な制限エンドヌクレアーゼを含
有する合成リンカーは、New England BioLabs, Beverly, MAを含む多くのソース
から市販品を入手することができる。植物または真核細胞発現ベクター中の制限
部位にポリヌクレオチドをリゲートするために必要になるポリヌクレオチド中へ
の適当な制限部位の導入には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用することも
できる。
【0092】 免疫グロブリン結合タンパク質(IgBP)アレイ 上述のようなポリヌクレオチドのライブラリーは、興味ある細胞または生物体
に適当な標準的トランスフェクション技術を使用して真核細胞または生物体(た
とえば、植物または種子)中にアレイを発生させるために用いることができる。
一般に、ライブラリーは、トランスフェクトされていない細胞中には検出可能な
程度には発現されないIgBPポリペプチドをコードする1または2以上のポリヌクレ
オチドを、一部のまたはすべての細胞が含有するように、真核細胞の集団をトラ
ンスフェクトするために使用される。このようなトランスフェクションは、細胞
によるIgBPおよび/またはそれらの成分の産生を可能にする機能性トランスフォ
ーメーションを生じることができる。これらの細胞をついで、IgBPまたはそれら
の成分の複製および機能性発現を可能にする適当なメジウム上で生育させる。任
意に、IgBP成分を発現するトランスフォーマントを性交配して、一部またはすべ
ての子孫集団が機能性IgBPを形成するのに十分なIgBP成分をコードするポリヌク
レオチドを含有する子孫集団を創製してもよい。また任意に子孫集団は、子孫集
団のそれぞれのメンバーが単一の機能性IgBPを発現するように多重IgBPを発現す
るトランスフォーマントの性交配から創製することもできる。IgBPを発現する植
物間または野生型植物とIgBPを発現する植物の間の性交配では様々な子孫種子ま
たは子孫植物中に多様なIgBPの遺伝的な分離を生じる。そのまま、一部の子孫は
単一のIgBPを発現することになる。
【0093】 トランスフォームされた生物体は一般にそれらの細胞中に異種遺伝子が存在す
るほかは形態学的に正常である。遺伝子は一部またはすべての細胞中に1コピー
または多重コピーで存在する。各遺伝子産物は細胞の実質的にすべてまたは部分
に存在することができる(すなわち、産物は細胞タイプ、組織または器官に存在
することができる)。トランスフォームされた細胞は休眠状態で(たとえば、非
発芽種子)でもよく、培養液または無傷の生物体に存在する。
【0094】 トランスジェニック細胞または生物体(たとえば、植物)は一実施態様におい
ては、核ゲノム中にIgBPの多重性をコードする哺乳動物遺伝子(単数または複数
)を導入することにより産生される。他の実施態様においては、導入される遺伝
子(単数または複数)はウイルス感染によって導入されたのちには染色体外に残
存する。それぞれの単一生物体または細胞集団において、IgBPポリペプチド(単
数または複数)をコードする核酸の1または2以上のコピーはゲノム中にインテグ
レートされるかまたは細胞質中に存在する。オープンリーディングフレームの多
重性はトランスフォーメーションに用いられるので、異なる特異性を有するIgBP
をコードする1または2以上の核酸を各細胞または細胞集団に導入することができ
る。植物細胞の核中にインテグレートされた核酸の多重コピーを生じるトランス
フォーメーション技術にはアグロバクテリウム仲介トランスフォーメーション、
バイオリスティックなトランスフォーメーション、エレクトロポレーション、固
体粒子トルージョン、リポフェクション、化学的に誘導されるDNA取り込み、マ
イクロインジェクションまたはマクロインジェクションが包含される。ウイルス
感染は細胞質中で機能的に操作される核酸の多重性を得ることができる。
【0095】 一般的に、組換え免疫グロブリンは、モノクローナル抗体の重鎖および軽鎖可
変領域に相当するDNAフラグメントを単離し、それらを互いに連結させることに
よって、本技術分野の熟練者には周知であり、Molecular Cloning: A Laborator
y Manual, Sambrookら編, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbo
r, N.Y. (1989)記載された標準方法を用いて調製することができる。好ましい
一実施態様においては、重鎖に相当するDNAフラグメントのみが細胞トランスフ
ォーメーションのために適当なベクターの調製に使用される。細胞トランスフォ
ーメーションの他の一例では、組換えDNAフラグメントを、興味ある遺伝子がバ
キュロウイルスポリヘドロン遺伝子の代わりにウイルスゲノムに挿入されるよう
にバキュロウイルストランスファーベクター中に挿入することができる。ついで
、昆虫細胞を感染させるために組換えウイルスを使用すると、興味あるポリペプ
チドの産生を生じる。
【0096】 組換えバキュロウイルスを利用する昆虫細胞をIgBPの産生に使用する利点は、
安定にトランスフェクトされた哺乳動物細胞または植物細胞系に比較してはるか
に急速にバキュロウイルスシステムが突然変異抗体の産生ならびに他のポリペプ
チド(たとえばJ鎖)を有する免疫グロブリンのコンビナトリアルな発現を可能
にすることである。さらに、昆虫細胞は真核タンパク質を正しく処理し、グリコ
シル化することが示されている。最後に異種タンパク質のバキュロウイルス発現
はウイルス感染後の総細胞性タンパク質の50〜75%を構成することを示し、この
システムは組換え免疫グロブリンのミリグラム量の製造に優れた手段を提供する
【0097】 大量のタンパク質の製造に、バキュロウイルスAutographica California核ポ
リヘドロンウイルス(AcNPV)およびSpodoptera frugiperda(Sf9)細胞におけ
る組換えウイルスストックの使用はSmithら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:
8404-8408, 1985およびSummers & Smith, Bulletin B − Texas Agricultural E
xperiment Station, May, 1987に記載されている。J鎖または軽鎖定常領域に共
有結合で連結した組換え重鎖の好ましい製造方法は、組換え重鎖、J鎖および軽
鎖定常領域をコードするDNAを、Sf9昆虫細胞中のバキュロウイルス発現システム
を介して発現させる方法である。
【0098】 好ましい遺伝子をコードする単離DNAフラグメントはついでバキュロウイルス
トランスファーベクターに挿入する。好ましいトランスファーベクターはpAc360
をベースとする。DNAフラグメントを消化し、本技術分野の熟練者にはよく知ら
れた標準技術を用い、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Sambrookら編
, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)記載さ
れたように、ベクター中のユニークな制限部位にリゲートする。
【0099】 組換えプラスミドベクターはついで、線状化した野生型AcNPVとともにSf9細胞
中に共トランスフェクトする。コトランスフェクションは、市販品を入手できる
(たとえば、Invitrogenから)カチオン性リポソームを用いて達成するのが好ま
しい。ついで、オクルージョンネガティブな組換えウイルスで感染したSf9細胞
を同定し、所望の結合タンパク質の大量が産生される適当な条件下に、所望の量
に生育させることができる。
【0100】 ポリペプチドコード遺伝子を哺乳動物細胞に導入する方法は報告されていて、
一般に本技術分野の熟練者にはよく知られている。このような方法には、それら
に限定されるものではないが、リポソーム-仲介トランスフォーメーション、リ
ン酸カルシウムトランスフェクション、エレクトロポレーション、ジエチルアミ
ノエチルデキストラン担体およびウイルス感染が包含される。特定の真核細胞種
に遺伝子を導入する至適の方法が必ずしも他の種に最も効果的ではないことは自
明の通りである。
【0101】 哺乳動物細胞のトランスフォーメーションにある種のウイルスを使用すること
の利点は、様々な哺乳動物細胞系がウイルス感染の標的である可能性のあること
である。たとえば、組換えシンドビスウイルスは、哺乳動物細胞系ならびに鳥類
、爬虫類、カおよびショウジョウバエ細胞中で、迅速な高レベルの異種タンパク
質の発現が可能になる。ウイルスは宿主タンパク質の合成を阻害し、トランスジ
ェニックタンパク質の迅速な同定および生成を可能にする。
【0102】 単離DNAフラグメントを、プロモーターの下流、ポリ-Aテールの上流の適当な
ポリリンカー部位を含有するベクターに導入する。有用なベクターはpSin Rep5
(Invitrogen)である。組換えベクターはついで、ポリ-Aレールの下流の適当な
制限部位を用いて線状化する。ついで組換えRNAおよびプロモーターならびに興
味ある導入遺伝子のインビボ複製のために非構造的遺伝子を含有するRNA転写体
を(たとえば、SP6プロモーターを用いて)産生させる。ついで、そのRNAを用い
て哺乳動物細胞または他の細胞、たとえばベビーハムスター腎臓(BHK)細胞を
トランスフェクトする。タンパク質の発現は感染4〜72時間後にアッセイするこ
とができる。また、ウイルス粒子を収穫して他の細胞系の感染に使用できる。
【0103】 ある実施態様においては、アレイは免疫グロブリン重鎖および免疫グロブリン
軽鎖をコードするポリヌクレオチドでトランスフォームされた植物または細胞か
らなり、抗体分子を産生することができる。このようなアレイ内では、それぞれ
の植物または植物細胞によって産生される個々の免疫グロブリン重鎖および軽鎖
は互いに会合して、競合的に阻害されるその能力により明らかなように、予め選
択または予め決定された抗原に特異的な抗原結合部位を有するコンフォーメーシ
ョンを取ることが推定される。結合タンパク質が抗原結合タンパク質である場合
には、その親和性または結合活性は一般に105 M-1以上、好ましくは106 M-1以上
であり、とくに好ましくは108 M-1以上である。このような実施態様に使用され
る免疫グロブリンは一般に、それぞれ異なるIgBPを発現する免疫処置宿主のB細
胞から誘導される。
【0104】 同様に、IgBPアレイは免疫グロブリン重鎖の部分および免疫グロブリン軽鎖の
部分をコードするポリヌクレオチドからなる。個々の免疫グロブリン重鎖および
軽鎖部分はそれぞれの植物または植物細胞中で互いに会合して、予め選択または
予め決定された抗原に特異的な抗原結合部位を有するコンフォーメーションを取
ることが推定される。Fabフラグメント上の抗原結合部位は免疫グロブリン分子
上の抗原結合部位に類似の結合親和性または結合活性を有する。同様に、SCABタ
ンパク質上の抗原結合部位は免疫グロブリン分子上の抗原結合部位に類似の結合
親和性または結合活性を有する。また、IgBPアレイは、植物細胞内で会合して予
め選択または予め決定された抗原に特異的な結合部位を有する生物学的に活性な
コンフォーメーションをもつFvフラグメントを形成する免疫グロブリン重鎖およ
び軽鎖フラグメントをコードするポリヌクレオチドから構成されてもよい。個々
のFvフラグメント上の抗原結合部位は免疫グロブリン分子上に存在する抗原結合
部位によって発揮される親和性に類似する親和性または結合活性を有する。
【0105】 ある種の好ましい実施態様内では、IgBPアレイ(好ましくはCHBPアレイ)は植
物、植物細胞および/または種子中に調製される。このようなアレイは慣用的に
トランスフォームされる任意の植物または植物細胞中に調製することができる。
適当な植物タイプには、それらに限定されるものではないが、Arabi dopsis, タ
バコ、アオウキクサ、トウモロコシ、コメおよびChlamydomonasが包含される。
これらのおよび他の植物タイプをトランスフォームする技術は本技術分野におい
て周知であり、アグロバクテリウム仲介植物トランスフォーメーション、プロト
プラストトランスフォーメーション、花粉への遺伝子トランスファー、生殖器官
へのインジェクション、植物細胞に感染するウイルスまたは細菌を用いる遺伝子
トランスファー、DNAおよび固体粒子(たとえば、ガラスビーズ)の存在下に細
胞壁のない植物細胞の機械的崩壊、未成熟胚へのインジェクション、固体粒子ま
たは線維上の植物細胞への加速、またはエレクトロポレーションが包含される。
上述のように、2以上のIgBPをコードするポリヌクレオチドのライブラリーがト
ランスフェクションに使用される。トランスフェクションでは、植物細胞の核ゲ
ノムに1または2以上のポリヌクレオチドの導入を生じる。また、導入されたポリ
ヌクレオチド(単数または複数)はウイルス感染によって導入されたのちには染
色体外に維持される。好ましくは、トランスフェクション技術は、IgBPまたはそ
れらの成分をコードする機能性に操作される多重ポリヌクレオチドを含有する細
胞集団を生じる。このような技術(核ゲノムへのインテグレーションを生じる)
には、アグロバクテリウム仲介トランスフォーメーション、バイオリスティック
トランスフォーメーション、直接DNAトランスファー、線維仲介トランスフォー
メーション、マイクロインジェクション、マクロインジェクションおよびエレク
トロポレーションが包含される。ウイルス感染は植物細胞細胞質内で機能性に操
作されるIgBPコード多重ポリヌクレオチドまたはそれらの成分を生じる。遺伝子
を導入するために至適な方法の選択は一部、特定の植物種に依存する。
【0106】 植物細胞にDNAを導入するためのアグロバクテリウム仲介発現ベクターの使用
は本技術分野において周知である。たとえば、Fraleyら, Biotechnology, 3: 62
9, 1985 およびRogersら, Methods in Enzymology, 153: 253-277, 1987 参照。
さらに、Ti-DNAのインテグレーションは比較的正確な方法であり、ほとんど再配
列を生じない。トランスファーされるDNAの領域は境界配列により決定され、介
入DNAが通常Spielmannら, Mol. Gen. Genet. 205: 34, 1986およびJorgensenら,
Mol. Gen. Genet. 207: 471, 1987に記載されたように植物ゲノムに挿入される
。最近のアグロバクテリウムトランスフォーメーションベクターは大腸菌および
アグロバクテリウム中での複製が可能で、Kleeら, in Plant DNA Infections Ag
ents, T. Hohn & J. Schell 編, Springer-Verlag, New York (1985) pp. 179-2
03 に記載されているように、簡便な操作が可能である。アグロバクテリウム仲
介遺伝子トランスファーのためのベクターにおけるさらに最近の技術的進歩はベ
クター中の遺伝子および制限部位の再配列を改良し、様々なポリペプチドコード
遺伝子を発現できるベクターの構築を促進してきた。Rogersら, Methods in Enz
ymology, 153: 253, 1987に記載されたベクターは、たとえば、挿入されたポリ
ペプチドコード遺伝子の直接発現のためにプロモーターおよびポリアデニル化部
位によって隣接された慣用の多重リンカー領域を有し、本発明の目的に適してい
る。
【0107】 アグロバクテリウム仲介トランスフォーメーションが効率的な植物種において
は、遺伝子トランスファーの簡単明快な性質から、これが第一に選択される方法
となっている(Horschら, Science 227: 1129-1231, 1985; Feldmann & Marks,
Mol. Gen. Genet. 208: 1-9, 1987; Changら, Plant J. 5: 551-558, 1994; Bec
htoldら, Acad. Sci. Paris Science de la Vie 316: 1194-1199, 1993; Hansen
& Chilton, Curr Top Microbiol Immunol 240: 21-57, 1999 参照)。単子葉植
物はアグロバクテリウムの天然の宿主にはほとんどならないように思われる。し
かしながら、トランスジェニック植物は様々な単子葉植物でアグロバクテリウム
を用いて作成することができる(たとえば、Bytebierら, Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 84: 5345, 1987; Hieiら, Plant J. 6(2): 271-282, 1994; Ishidaら, N
at. Biotechnol. 14(6): 745-50, 1996; Hansen & Chilton, Curr Top Microbio
l Immunol 240: 21-57, 1999 参照)。またベクターを使用しないまたは直接DNA
をトランスファーする方法が様々な植物種をトランスフォームするために開発さ
れてきた。たとえば、植物プロトプラストのトランスフォーメーションは、リン
酸カルシウム沈降、ポリエチレングルコール処理、エレクトロポレーション、マ
イクロインジェクションおよびこれらの組み合わせに基づく方法を用いて達成で
きる。たとえば、Potrykusら, Mol. Gen. Genet. 199: 183, 1985; Lorzら, Mol
. Gen. Genet. 199: 178, 1985; Frommら, Nature 319: 791, 1986; Uchiyama,
Mol. Gen. Genet. 204: 204, 1986; Callisら, Gene and Development 1: 1183,
1987; Marcotteら, Nature 335: 454, 1988; Roest & Gilissen, Arch Bot Nee
rl 38: 1-23, 1089; Daveyら, Plant Mol Biol 13: 273- 285, 1989; Shimamoto
ら, Nature 338: 274-276, 1989; およびDattaら, Bio/ Technology 8: 736-740
, 1990 参照。シリコンカーバイド仲介トランスフォーメーションは安定にトラ
ンスフォームされた、繁殖能力のあるトウモロコシ植物(Frammeら, The Plant
Journal for Cell and Molecular Biology 6: 941-948, 1994)、ならびにタバ
コ培養細胞(Kaepplerら, Theoretical and Applied Genetics 84: 560-566, 19
92)、Agrostis alba培養細胞(Asanoら, Plant Cell Reports 13: 243-246, 19
94)およびChlamydomonas reinhardtii(Dunahay, BioTechniques 15: 452-460,
1993)の発生に使用されている。これらのシステムの異なる植物種への適用は
多くの場合、プロトプラストまたはカルスからその特定の植物種の発生能力に依
存する。プロトプラストから穀類発生のための例示的な方法はたとえば、Fujimu
raら, Plant Tissue Culture Letters 2: 74, 1985; Toriyamaら, Theor Appl G
enet 73: 16, 1986; Yamadaら, Plant Cell Rep 4: 85, 1986; Abdullahら, Bio
technology 4: 1087, 1986; Registerら, Plant Mol Bio 25(6): 951-961, 1994
; Blackhall NWら, “Callus Initiation, Maintenance, and Shoot Induction
in Rice," in Plant Culture Protocols, Hall RD編, Humana Press (Totowa, N
J), 1999, pp. 19-30 に記載されている。
【0108】 プロトプラストからの発生に成功できない植物種のトランスフォームには、無
傷の細胞または組織にDNAを導入する他の方法が使用できる。たとえば、未成熟
な胚または外植片からの穀類の発生は、Dasil, Biotechnology 6: 397, 1988の
記載のように行うことができる。さらに、「粒子ガン」または高速マイクロプロ
ジェクタイル技術を使用することができる。このような技術を用いて、細胞壁を
貫通して細胞質に、1ないし数百メートル/分の速度に加速した小さな(0.525μ
m)の表面上でDNAを運搬する(Kleinら, Nature 327: 70, 1987; Kleinら, Proc
. Natl. Acad. Sci. USA 85: 8502, 1988; およびMcCabeら, Biotechnology 6:
923, 1988)。金属粒子は細胞の数層を貫通して浸透し、組織外植片内の細胞の
トランスフォーメーションを可能にする。金属粒子はトウモロコシ細胞のトラン
スフォームに成功し、モデル植物を包含する様々な植物種、たとえばタバコ(Kl
einら, 1988)、ならびに一連の重要な穀類、たとえば大豆(McCabeら, 1988)
、トウモロコシ(Frommら, Bio/technology 8: 833-839, 1990; Gordon-Kammら,
The Plant Cell 2: 603-618, 1990)、コメ(Christouら, Bio/technology 9:
957-962, 1991)、大麦(Wan & Lemaux, Plant Physiology 104: 37-48, 1994)
および小麦(Vasilら, Bio/technology 10: 662-674, 1992; Weeksら, Plant Ph
ysiology 102: 1077-1084, 1993)で植物繁殖能力のある、安定にトランスフォ
ームされた植物が産生されている。組織外植片のトランスフォーメーションはプ
ロトプラストの段階を経て継代の必要性を消失させ、したがってトランスジェニ
ック植物の産生が加速される。
【0109】 DNAはまた、Zhouら, Methods in Enzymology 101: 433, 1983; Hess, Intern
Rev. Cytol. 107: 367, 1987; Luoら, Plant Mol. Biol. Reporter 6: 165, 198
8およびSaundersら, Molecular Biotechnology 3: 181-190, 1995 に記載された
ように花粉への直接DNAトランスファーにより植物中に導入することもできる。
ポリペプチドコード遺伝子の発現は、Penaら, Nature 325: 274, 1987に記載さ
れているように、植物の生殖器官へのDNAのインジェクションによって得られる
。DNAはまた未成熟な胚の細胞に直接インジェクトし、ついでNeuhausら, Theor.
Appl. Genet. 75: 30, 1987およびBenbrookら, in Proceedings Bio Expo. 198
6, Butterworth, Stoneham, Mass. Pp. 27-54, 1986に記載されているように乾
燥した胚を再水和する。
【0110】 トランスフォーメーションの方法には無関係に、トランスフォームされた植物
細胞は一般に適当なメジウム上で生育させる。細胞は分化を促進しないメジウム
上で生育させてもよく(たとえばカルスとして)、また植物が繁殖するように飼
育させてもよい。たとえばChlamydomonasのような一部の低級植物種は繁殖を要
求せず、選択可能なマーカーの発現のために選択直後、適当なメジウム中での生
育の結果として免疫グロブリン結合タンパク質を発現することができる。広範囲
の植物細胞タイプに適当なメジウムは本技術分野の熟練者には周知である。一般
的に、トランスフォームされた細胞は選択マーカーの発現に基づいて選択され、
免疫グロブリン結合タンパク質をコードする少なくとも1種のトランスフェクト
されたポリヌクレオチドを含有するそれらの細胞のみの成育を可能にする。
【0111】 重鎖結合タンパク質を発現する非コンビナトリアルなアレイは、たとえばMaxB
acのバキュロウイルス発現システム(Invitrogen)を用いて発生させる。略述す
れば、昆虫細胞を組換えプラスミド(単数または複数)および線状化Bac-and Blue
DNAとコトランスフェクトする。適当な感染時間後にウイルスの上清液を収穫し
、組換えプラークを製造業者によって推薦された技術を用いて、アガールプレー
ト上に表示させるために使用する。また、重鎖結合タンパク質を、シンドビス発
現システム(Invitrogen)を用いて発生させ、ベビーハムスター腎臓(BHK)細
胞におけるポリペプチドの発現および他の多様な真核細胞系に感染させることが
できるウイルス粒子の産生を可能にする。
【0112】 単一植物プロトプラストまたは多様な外植片おいずれからの植物の発生も本技
術分野において周知である。たとえばMethods for Plant Molecular Biology, A
. Weissbach & H. Weissbach編, Academic Press, Inc. (San Diego, CA, 1988)
。この発生および生育過程には、トランスフォーマント細胞および苗条の選択、
トランスフォーマント苗条の発根および土壌中での苗木の生育の工程が包含され
る。
【0113】 葉外植片からAgrobacterium tumefasciensによって導入された異種遺伝子を含
有する植物の繁殖はHorschら, Science 277: 1229-1231, 1985に記載されたよう
にして達成することができる。この操作では、Fraleyら, Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 80: 4803, 1983 に記載されたように、トランスフォーマントは選択剤の
存在下トランスフォームされる植物種における苗条の繁殖を誘発するメジウム中
で生育させる。この操作では通常2〜4週以内に苗条を産生し、これらのトランス
フォーマントの苗条はついで選択マーカーおよび細菌の増殖を防止する抗生物質
を含む適当な発根誘発メジウムに移す。選択マーカーの存在下に発根したトラン
スフォーマントの苗条は植物の苗木を形成し、ついで土壌に移植して根の生成を
促す。これらの操作は使用した植物種に応じて変動するが、このような変動はホ
ン技術分野において周知である。
【0114】 アレイはトランスフォームされた植物から発生させた種子のセットで構成され
てもよい。このような種子はIgBPを発現する植物に発芽する可能性を有するが、
種子が休眠中の場合には(種子の発生時に一部の発現は起こるが)、一般に発現
は起こらない。それでもこのような種子のセットはアレイと考えられる。
【0115】 アレイ内では、IgBPまたはそれらの成分は細胞から分泌されるか、または1も
しくは2以上の細胞内コンパートメントに蓄積される。分泌されるタンパク質は
細胞壁によって含有されるかまたは含有されない。ChlamydomonasのCW15突然変
異体はたとえば細胞壁を発現せず、リーダー配列を含むIgBPは所望の特性につい
て生育メジウムの一部をアッセイすることによって同定される。高級植物におい
ては、分泌されたIgBPは一般的に細胞壁によって含有され、アポプラスト水中に
蓄積される。所望のIgBPは、様々な標準的機械的技術(たとえば、乳鉢および乳
棒によるホモジナイズ)を用いて細胞壁の破壊後にアッセイすることができる。
【0116】 ある種の実施態様においては、植物細胞中のIgBPのアレイは植物細胞の子孫集
団(すなわち、IgBP成分を発現するトランスフォーマントの性交配から得られた
植物細胞)から誘導される。このようなアレイでは、一部または全部の子孫集団
がIgBP成分をコードするポリヌクレオチドを含有し、したがって機能性IgBPがア
レイ中で発現する。このようなアレイでは、有用なIgBP成分ポリヌクレオチドは
、自然発生的に第一のポリペプチドと会合して生物学的に機能性のIgBPを形成す
る第二のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが包含される。このような
IgBP成分の例には、抗体の重鎖および軽鎖がある。
【0117】 植物種の異なるメンバーの性交配は1865年にMendelによって詳細に記載されて
いる(Mendelの原論文の英語翻訳は他者による意見およびMendelの文献目録とと
もにExperiments in Plant Hybridization, Edinburgh, Scotland, Oliver Boyd
編, 1965に見出される)。植物が顕花植物である場合、性交配には植物の1集団
からの生存能ある花粉を性的に適合性ある植物種の他の集団における柱頭との接
触が包含される。植物が光合成単細胞生物(たとえばChlamydomonas)である場
合、性交配には+および−交配型の細胞の融合、ついで減数分裂および四分子の
形成が包含される。性交配からの子孫は種子または四分子からなることができる
【0118】 トランスフォームされた植物細胞の性交配から生じた子孫は、ある実施態様に
おいては、子孫の一部または全部が単一のIgBPをコードするポリヌクレオチドを
含有するアレイに分割される。略述すれば、多重IgBPをコードするポリヌクレオ
チドを発現するトランスフォームされた細胞は性的に交配して子孫集団を産生す
ることができる。高級植物では、性交配には上述のように受粉が包含される。花
粉のソースは同一植物(自家受粉)または他の植物(交差交配)のいずれであっ
てもよい。ある場合には、種子の発生に発現分は要求されない。得られた子孫集
団は様々なIgBPまたはそれらの成分をコードするポリヌクレオチドの遺伝的分離
現象を含有する。一部の子孫は単一IgBPをコードするポリヌクレオチドを含有す
る。
【0119】 ハプロイド生物たとえばChlamydomonasでは、多重結合現象の分割はまた、分
子遺伝学的技法によっても達成される。IgBPをコードする核酸はサザンブロッテ
ィングによって同定し、既知のプライマーを用いるPCRによって単離することが
できる。単離された核酸はついで、ハプロイド植物細胞の再トランスフォーメー
ションに使用し、IgBPをコードする分割された核酸を提供する二次的なアレイを
産生させることができる。この方法では、IgBPをコードするベクターDNAを、発
現カセットの境界領域に相補性のオリゴヌクレオチドを用いて増幅させる。増幅
されたDNAは、Chlamydomonas細胞の新しい集団の再トランスフォーメーションの
ための発現ベクター中へのリゲーションに理想的に適している。この集団からの
トランスフォーマントは異なるIgBPの含量が比較的少なく、したがって各核酸が
トランスフォームされた個々の細胞によってユニークに発現されるトランスフォ
ームされた細胞の集団が発生する可能性が高い。
【0120】 免疫グロブリン結合タンパク質アレイ組成物 本発明はまた、封入されたIgBPのアレイからなる組成物を提供する。たとえば
、IgBPは植物細胞、植物細胞壁、腸溶性コーティング、コーティング等内に封入
される。とくに好ましい組成物は各100 ngのIgBPについて10,000 g以下の植物材
料を含有する。このような組成物は通常、各10 gのIgBPについて少なくとも100
ngの植物材料を含有する。さらに好ましい実施態様においては、組成物は各1 mg
のIgBPについて10,000 g以下の植物材料からなるが、各1 gのIgBPについて少な
くとも100 ngの植物材料、さらに好ましくは各500 mgのIgBPについて少なくとも
1 mgの植物材料からなる。
【0121】 組成物にはさらに、クロロフィル、相乗化合物、医薬、薬用植物および/また
は様々な薬剤に由来する化合物のような物質を含有させることもできる。
【0122】 免疫グロブリン結合タンパク質のアレイをスクリーニングするアッセイ 本発明によって提供されるトランスジェニックアレイは、所望の特性を有する
IgBPの発見に有用である。本発明によって提供されるトランスジェニックアレイ
から、個々の真核生物体または真核細胞のクローンが迅速に同定され、所望のIg
BPの大規模な産生のための経済的な、高収率の方法への容易なアクセスが可能に
なる。
【0123】 上述のように、本発明のトランスジェニックアレイには植物がとくに好ましい
宿主生物である。それぞれIgBPまたはIgBPの成分を発現する2つの植物細胞集団
の間で性交配を実施した場合、子孫の一部または全部は多重IgBP成分からなる機
能性IgBPを発現することができる。このような子孫は多重ポリペプチドユニット
を有するIgBPの機能性のスクリーニングにとくに有用である。
【0124】 さらに詳しくは、一旦繁殖された植物は土壌中での飼育に適合し、葉の小さな
切片を除去してIgBPの存在についてアッセイすることができる。また、植物は自
家受粉または交配受粉のいずれかによって種子を得て、IgBPの発現のアッセイを
個々の種子または種子の部分について実施することができる。トランスフォーマ
ントが個々の細胞である場合(たとえばChlamydomonas)には、細胞を固体また
は液体メジウム中で生育させ、アッセイを実施するのに十分な量を得ることがで
きる。アッセイは免疫学的(たとえばELISA)でも、機能的でもよい。機能的ア
ッセイにはたとえば、固体支持体に固定化された同種因子に対するIgBPの結合が
包含される。IgBPが抗体の場合には同種因子は抗原である。IgBPのコピー数なら
びに一次トランスフォーマント中に発現した異なるIgBP数の定量のためのアッセ
イには、サザンブロッティングおよび細胞性RNAに由来するクローン化cDNAのDNA
配列決定が包含される。これらのアッセイに関する記述は、Antibodies: A Labo
ratory Manual, Harlow & Lane編, Cold Spring Harbor, N.Y. (1988)および M
olecular Cloning: A Laboratory Manual, Sambrookら編, Cold Spring Harbor
Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)にみられる。
【0125】 以下の実施例は例示を提供するものであり、本発明を限定するものではない。
【0126】 (実施例) 実施例1 骨髄中のB細胞に由来する免疫グロブリン重鎖コード遺伝子および免疫グロブ
リン軽鎖コード遺伝子のトウモロコシにおける単離および発現 この実施例は植物細胞中に免疫グロブリン結合タンパク質のアレイの調製に用
いる代表的な免疫グロブリン結合タンパク質成分の製造を例示する。
【0127】 地方病院でドナーから骨髄(約107細胞)を入手した。ドナーは(a)それ以前
の2ヶ月以内にClostridium-difficile-関連の下痢があったことおよび(b)血漿
中にトキシン中和抗体を有することに基づいて選択された。骨髄は下痢がさらに
抗生物質療法を行わないで解消したこの集団のサブセットから得られた。
【0128】 骨髄細胞を冷PBSで何回も洗浄し、ついで混合したFITC-標識Clostridium-diff
icileトキシンAおよびトキシンBとインキュベートした。この操作はB細胞の表面
上に抗トキシンAまたは抗トキシンBを発現するB細胞の同定に使用された。Clost
ridium-difficileトキシンは、Lyerlyら, Infect Immun 35: 1147- 50, 1982 に
記載されたようにClostridium-difficileの培養液から調製した。
【0129】 トキシンの蛍光標識は製造業者(Pierce)によって提供された操作を用いてフ
ルオレセインイシチオシアナートとの反応によった。混合したFITC-標識Clostri
dium-difficileトキシンAおよびトキシンBと骨髄細胞のインキュベーションはHo
venら, J. Immunol. Methods 117: 2275-84, 1989 記載の操作によった。フィコ
エリスリン-接合抗-ヒトIgによる二重染色でタグされた細胞はB細胞であること
が示された。
【0130】 選択された骨髄細胞からの総RNAを、QIAamp RNA Blood Mini Kitシステム(Qi
agen)を用い、提供された指示書に従って調製した。
【0131】 免疫グロブリン(IgG1)転写体の保存的3'および5'領域に相補性のオリゴヌク
レオチドを使用する単離RNAのPCR増幅はAntibody Engineering, Carl A, Borreb
aeck編, W. H. Freeman and Company, New York, NY, 1995 に以前記載されたよ
うに実施した。オリゴヌクレオチドプライマーは増幅されたポリヌクレオチドの
各端にユニークな制限部位を導入し、植物発現ベクターへのリゲーションが可能
になった。免疫グロブリンポリヌクレオチドの増幅部分は代表的なFR1領域をコ
ードする5'末端から停止コドンをコードする3'末端にまで及んだ。さらに、適当
な5'および3'制限部位が増幅の過程で導入された。したがって、増幅された重お
よび軽ポリヌクレオチド鎖は、各末端コドンの外側に導入された制限部位ととも
にRNAの5'末端における最初の6コドンおよび定常領域の最後の6コドンに相当し
た。ソートされた細胞からの二重鎖増幅cDNAにより構成されるこの免疫グロブリ
ン結合タンパク質アレイは二重鎖cDNAの末端を適当な粘着末端をベクターへのリ
ゲーションのために変換して(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Samb
rookら編, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY, 1989)
、製造業者(New England BioLabs)のプロトコールに従って制限エンドヌクレ
アーゼで消化することにより、植物発現ベクターに挿入するために調製した。
【0132】 ベクターは、Ishidaら, Nature Biotechnology 14: 745-750, 1996ならびにRe
gisterら, Plant Mol Biol 25: 951-961, 1994に記載されているようにユニーク
なプロモーターおよびノパリンシンターゼターミネーターを用いて重鎖および軽
鎖の両者を発現することを可能にした。
【0133】 ベクターはさらに、増幅免疫グロブリン挿入のための各部位の上流にシグナル
配列をコードするポリヌクレオチド(MDWTGRFLFVVAAATGVQS;配列番号:73)を
含有した。このシグナル配列はKabatのデータベース(Kabatら, Sequences of I
mmunological Interest, National Institute of Health, Bethesda, MD, 1991
)から誘導され、重鎖および軽鎖両者の初期ポリペプチドと植物細胞の内膜シス
テムとの会合を可能にした。さらに、ベクターはシグナル配列コード領域のすぐ
下流に多重クローニング部位を含有した。ついで増幅領域を、シグナル配列、多
様な可変領域および全γ定常領域から構成される重鎖ポリヌクレオチド、および
シグナル配列、多様な軽鎖可変領域および全κ定常領域から構成される軽鎖ポリ
ヌクレオチドをコードするベクター中にリゲートした。
【0134】 ついで、ベクターの組換え集団を用いて、Ishidaら, Nature Biotechnology 1
4: 745-750, 1996 に記載されたようにして Agrobacterium tumefasciens をト
ランスフォームした。トランスフォームされたAgrobacteriumを用いて、ついで
未成熟のトウモロコシ胚を感染させ、続いてIshidaらの記載のようにトウモロコ
シ植物の選択および繁殖を行った。IgBPポリペプチド(すなわちIgBPおよび/ま
たはIgBP成分)を産生する植物細胞の得られたアレイは約1000の植物から構成さ
れた。
【0135】 様々なIgBPポリペプチドのアレイ中の位置を限局するため、葉組織のサンプル
を各植物から採取した。それぞれのトランスフォーマントにおけるIgBPの存在、
IgBPの機能性、およびIgBP成分の多様性を特性づけるために様々なアッセイを実
施した。IgBP成分(γ鎖またはκ鎖)は96ウエルプレート中ELISAによって検出
した。プレート1セット中ではIgBP成分の捕捉は固定化ヤギ抗-ヒトκ鎖抗体との
反応により、検出は西洋ワサビペルオキシダーゼ接合ヤギ抗-ヒトκ鎖抗体によ
った。他のプレートのセットではIgBP成分の捕捉は固定化ヤギ抗-ヒトγ鎖抗体
との反応により、検出は西洋ワサビペルオキシダーゼ接合ヤギ抗-ヒトγ鎖抗体
によった。第三のセットのプレートでは、IgBP成分の捕捉は固定化ヤギ抗-ヒト
γ鎖抗体との反応により、検出は西洋ワサビペルオキシダーゼ接合ヤギ抗-ヒト
κ鎖抗体によった。捕捉IgBPの検出は以前に記載された操作(Antibodies: A La
boratory Manual, Harlow & Lane編, Cold Spring Harbor, NY, 1988)によった
。結果は大部分の植物がγおよびκ鎖を共発現することを証明した。
【0136】 葉材料はさらに、発現したIgBPがトキシンAまたはトキシンBタンパク質に結合
する能力について評価した。これらのアッセイではELISAプレートを、IgBPを捕
捉するためにトキシンAまたはBいずれかによりコーティングした。ELISAの操作
は一般的に以前記載された操作(Hiattら, Nature 342: 76-78, 1989)に従った
。葉の抽出液をELISAウエル中でインキュベートして、可能性のある免疫グロブ
リン結合タンパク質を固定化トキシンと反応させた。約1000の植物の全アレイを
上述のようにスクリーニングすると、機能性抗-トキシンA抗体を発現する10の植
物および機能性抗-トキシンB抗体を発現する5の植物が同定された。これらの結
果から、総ポリヌクレオチド集団の20%以上が抗-トキシンA重鎖または軽鎖をコ
ードするものと考えられた。同様に、総集団の14%以上が抗-トキシンB重鎖また
は軽鎖をコードした。ソートされた細胞に由来するポリヌクレオチドの残り66%
は、無関係な免疫グロブリンをコードするものと思われる。
【0137】 機能性抗-トキシンを発現する植物中に含まれる免疫グロブリン結合タンパク
質成分の多様性を評価するため、γまたはκ転写体を、先に記載されたようにし
て(Antibody Engineering, Carl A, Borrebaeck編, W. H. Freeman and Compan
y, New York, NY, 1995) 細菌トランスフォーメーションベクター中にクローン
化した。それぞれの細菌コロニーに由来するプラスミドをついで、先に記載され
たように(DNA Sequencing: From Experimental Methods to Bioinformatcs, L.
Alphey, Bios Scientific Publishers, Oxford, England, 1977)自動DNA配列
決定に付した。様々な植物から誘導された配列から、ある場合には2セット以上
のIgBP成分が単一のトランスフォーマントで発現された。
【0138】 異なるIgBPをコードする、異なるポリヌクレオチドを異なる植物子孫植物にセ
グレゲートするため、多重IgBPポリペプチドを発現するトランスフォーマントを
自家受粉して種子セットを産生させた。得られた種子のアレイを個々の苗木に生
育させ、この時点で葉の部分を除去し、上述のように機能性IgBPの存在について
アッセイした。重鎖および軽鎖は同じベクター上に共発現するので、遺伝的セグ
レゲーションは同じベクターから発現する機能性抗-トキシン重鎖および軽鎖を
同定できる可能性がある。これは、抗-トキシンを発現する母体植物がアグロバ
クテリウムのトランスフォーメーション時に同じ核にコインテグレートされる、
異なるベクター上に重鎖および軽鎖ポリヌクレオチドから抗体を形成できるので
、有用である。抗-トキシン抗体を発現する15植物中14が、アレイの一部のメン
バーで抗-トキシン抗体を発現する子孫アレイを産生し、同じベクターからの重
鎖および軽鎖の共発現を指示する。抗-トキシン抗体を含まない子孫を産生する
単一の母体植物は、トランスフォーメーション時にコインテグレートするが、子
孫にセグレゲートされる、異なるベクターから、抗-トキシン重鎖および軽鎖ポ
リヌクレオチドを発現するものと推測される。この観察はトランスフォーメーシ
ョン時に核に2以上のベクターを導入するアグロバクテリウムの既知の能力と一
致する。
【0139】 実施例2 免疫グロブリン重鎖コード遺伝子およびJ鎖コード遺伝子のトウモロコシにお
ける単離および発現 この実施例は植物細胞中に免疫グロブリン重鎖結合タンパク質のアレイの発生
に用いる代表的な免疫グロブリン重鎖結合タンパク質成分の製造を例示する。
【0140】 RNAは実施例1に記載したように調製した。単離RNAの増幅には、免疫グロブリ
ン重鎖(IgG1)転写体の可変領域の保存的3'および5'領域に相補性のオリゴヌク
レオチドを用いて、Antibody Engineering, Carl A, Borrebaeck編, W. H. Free
man and Company, New York, NY, 1995 に以前記載されたように実施した。オリ
ゴヌクレオチドプライマーは増幅されたポリヌクレオチドの各端にユニークな制
限部位を導入し、植物発現ベクターへのリゲーションが可能になった。免疫グロ
ブリンポリヌクレオチドの増幅部分は代表的なFR1領域をコードする5'末端から
停止コドンをコードする3'末端にまで及んだ。さらに適当な5'および3'制限部位
が増幅の過程で導入された。したがって、増幅された重鎖および軽鎖ポリヌクレ
オチド鎖は、各末端コドンの外側に導入された制限部位とともにRNAの5'末端に
おける最初の6コドンおよび定常領域の最後の6コドンに相当した。ソートされた
細胞からの二重鎖増幅cDNAにより構成されるこの免疫グロブリン重鎖結合タンパ
ク質アレイは、二重鎖cDNAの末端をベクターへのリゲーションのため適当な粘着
末端にへの変換(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Sambrookら編, Co
ld Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY, 1989)、製造業者(N
ew England BioLabs)のプロトコールに従って制限エンドヌクレアーゼによる消
化によって植物発現ベクター中への挿入のために調製した。J鎖をコードする合
成ポリヌクレオチドをさらに、上述のようにPCR増幅により植物ベクターにリゲ
ートするために調製した。最後に、IgG-Aハイブリド重鎖の定常領域(Maら, Sci
ence 268: 716-719)をPCRによって増幅し、上に増幅した可変領域から下流の植
物ベクターにリゲートするため適当な制限部位を含有させた。
【0141】 実施例1のように、ベクターはIshidaら, Nature Biotechnology 14: 745-750
, 1996 ならびにRegisterら, Plant Mol Biol 25: 951-961, 1994に記載されて
いるように2つのユニークなプロモーターおよびノパリンシンターゼターミネー
ターを用いて2つのオープンリーディングフレームの発現を可能にした。
【0142】 ベクターはさらに、増幅DNAの挿入のための部位の上流、第一のプロモーター
の下流にシグナル配列をコードするポリヌクレオチド(MDWTGRFL FVVAAATGVQS;
配列番号:73)を含有した。このシグナル配列はKabatのデータベース(Kabatら
, Sequences of Immunological Interest, National Institute of Health, Bet
hesda, MD, 1991)から誘導され、重鎖の初期ポリペプチドと植物細胞の内膜シ
ステムとの会合を可能にした。さらに、ベクターは第一のプロモーター部位にお
けるシグナル配列コドンからすぐ下流、および第二のプロモーター部位からすぐ
下流に多重クローニング部位を含有した。増幅重鎖定常領域を、最初に第一のプ
ロモーター部位におけるシグナル配列から下流のベクター中にリゲートした。シ
グナル配列と重鎖定常の間に位置する残った制限部位は上に調製された増幅重鎖
可変領域のリゲーションに使用した。増幅されたJ鎖(シグナル配列を含む)は
第二のプロモーターから下流にリゲートした。得られたベクターはシグナル配列
、多様な可変領域および全γ-αハイブリド定常領域(Maら, Science 268: 716-
719)ならびにシグナル配列を含有するJ鎖ポリヌクレオチドから構成される重鎖
ポリヌクレオチドをコードする。
【0143】 ついで、ベクターの組換え集団を用いて、上述のようにしてAgrobacterium tu
mefasciens をトランスフォームした。繁殖した葉材料を、ヒトα抗体定常領域
を認識する抗体の捕捉および検出をいずれも1セットのELISAプレートで実施する
ほかは上述のように評価した。他のセットのELISAプレートでは、捕捉は抗-α抗
体で、検出は抗-J鎖抗体で実施した。トキシンAまたはトキシンBへの結合の評価
は上述のように、葉抽出液をELISAウエル中でインキュベートして、可能性のあ
る重鎖結合タンパク質と固定化トキシンのを反応させた。約1000の植物の全アレ
イを上述のようにスクリーニングすると、トキシンAの機能性バインダーを発現
する50の植物と、トキシンBの機能性バインダーを発現する40の植物が同定され
た。これらの結果から、軽鎖可変領域を含まない単離結合タンパク質への非コン
ビナチリアルなアプローチでは、重鎖および軽鎖のランダムペアリングを包含す
るコンビナトリアルなアプローチに比較して結合タンパク質を発現するトランス
フォーメーション現象の比率は高いことがわかる。これらの結合タンパク質を検
出する能力はそれらのポリマー分子構造へのアセンブリーにより、トキシンに対
する結合活性を上昇させるように思われる。
【0144】 実施例3 高級植物の性交配による結合タンパク質成分から機能性免疫グロブリン結合タ ンパク質のアレイの製造 この実施例は異なる免疫グロブリン結合タンパク質成分を発現する植物集団か
ら、機能性免疫グロブリン結合タンパク質を発現する植物のアレイの発生を例示
する。
【0145】 上述のように、B細胞集団由来の重鎖および軽鎖をコードするcDNAを、異なる
植物集団における重鎖および軽鎖の発現を可能にするベクターに別個にクローン
化した。上述の操作は、重鎖または軽鎖(免疫グロブリン結合タンパク質成分)
のアレイを発現する植物トランスフォーマントを発生させるために実施した。免
疫グロブリン結合タンパク質のアレイを形成させるため、軽鎖トランスフォーマ
ントからの花粉を用いて重鎖トランスフォーマントを受粉し種子セットを産生さ
せた。種子をついで個々の苗木に生育させ、上述のように免疫グロブリン結合タ
ンパク質の同定のための分析に付した。実施例1に類似の結果が得られ、重鎖お
よび軽鎖を異なるベクターにクローニングし、ついで植物を異種交配することに
よるそのランダムなアソートメントは、重鎖および軽鎖の同じベクターへのクロ
ーニング、ついで一次トランスフォーメントにおけるアセンブリーに匹敵するこ
とを指示する。
【0146】 実施例4 Chlamydomonas reinhardtii での免疫グロブリン結合タンパク質アレイ この実施例はChlamydomonas reinhardtii における免疫グロブリン結合タンパ
ク質の製造を例示する。
【0147】 A. トランスフォーメーション技術:細胞は以前に記載されたように(Kindle,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 1228-1232, 1990)、グラスビーズプロトコ
ールを用いてトランスフォームした。いかに記載のトランスフォーメーション操
作はアルギノスクシネートライアーゼ(ARG7, Debuchyら, EMBO J. 8: 2803-280
9, 1989)を選択マーカー遺伝子として使用し、トランスフォーマントはアルギ
ニンを補充しないメジウム上でアルギニン原栄養株として選択した。細胞(arg- , CW-15株、細胞壁を欠く)を最初、一定の強い光線の下で、非選択メジウム中
、中対数期まで生育させた。約5×107細胞を300μLのメジウムに再懸濁し、つい
で150μLの20% PEG-8000(5%最終濃度)および0.3 gの酸洗浄、熱滅菌ガラス
ビーズを加えた。試験プラスミドDNA 10μgをpARG7.8 DNA(ARG7を含むプラスミ
ドDNA)10μgとともに細胞に加え、ついで混合物をボルテックスミキサーにより
最高のセッティングで10秒間攪拌した。または、5 mgの熱滅菌シリコンカーバイ
ドのホイスカーを用いて、90秒間ボルテックス攪拌した(Dunahay, BioTechnniq
ues 15: 452-460, 1993)。トランスフォーメーション混合物をついで選択アガ
ールプレートに広げた。プレートを光線下に置くと、7〜10日後には肉眼でコロ
ニーが観察された。用いたプラスミドDNAは使用前にすべて線状化した。PARG7.8
DNA単独によるトランスフォーメーションを常に対照として包含させた。
【0148】 B. 免疫グロブリン結合タンパク質アレイの発現:上に選択したB細胞からPCR
によって単離したIgGアレイ(抗-トキシンAおよびB)を細菌ベクター(pBluescr
ipt)に導入した。これらのベクターは細菌のトランスフォームに使用し、免疫
グロブリン結合タンパク質成分をコードするポリヌクレオチド(γおよびκ鎖)
のライブラリーを発生させた。100ポリヌクレオチド(50γ鎖および50κ鎖)の
可変領域を自動配列分析によって決定した。これらのポリヌクレオチドそれぞれ
の可変領域はChlamydomonasのコドンバイアスを反映するように合成した。合成
戦略は各DNAの末端にユニークなSacおよびXho制限部位を導入した。同様に、単
一のκ定常領域およびγ定常領域(Kabatらに由来する配列)はChlamydomonasコ
ドンバイアスで合成した。合成κおよびγ定常領域DNAを最初に制限し、別個のX
ho-EcoRI制限pBluescriptベクターにリゲートして合成免疫グロブリン定常領域
ポリヌクレオチドを含有する別個のベクターを創製した。これらのベクターをク
ローン化し、精製し、ついでSac- Xho制限合成可変領域DNAのレシピエントとし
て使用し、完全長のγおよびκコードポリヌクレオチドの多様な可変領域および
定常領域をコードする別個のγおよびκポリヌクレオチドのアレイを創製した。
これらのベクターを用いて細菌をトランスフォームし、そのプラスミドを精製し
、自動配列決定を用いてアレイからなる元の100可変領域を同定した。これらの
プラスミドを混合し、Sac-EcoRI制限フラグメントをpARG7ベクターにサブクロー
ンした。pARG7はKabatのデータベースに由来する単一の配列(MDWTGRFL FVVAAAT
GVQS;配列番号:73)をSac-EcoRI部位の上流に含有した。リゲーション産物は
、シグナル配列と共発現可能な完全長重鎖および軽鎖ポリヌクレオチドを創製し
、細胞の内膜システムにポリペプチドの合成を指示した。アガールプレート上の
コロニーはニトロセルロースリフトアッセイを用いて、抗体の発現について試験
した。ニトロセルロースの円板をコロニー含有アガールプレート上に置き、ペー
パーに十分な抗体を吸収させると機能的な検出が可能になる。
【0149】 実施例5 昆虫細胞における重鎖結合タンパク質遺伝子の発現 この実施例は機能性重鎖結合タンパク質を発現する昆虫細胞のアレイの発生を
例示する。
【0150】 上述のようにB細胞に由来する重鎖およびJ鎖PCR産物をさらに操作して昆虫細
胞中での発現を可能にした。一般的に、上述のように選択されたB細胞からの二
重鎖cDNAは昆虫発現ベクター中に挿入するため、制限エンドヌクレアーゼにより
製造業者(New England BioLabs)のプロトコールに従って消化することにより
適当な粘着末端に変換(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Sambrookら
編, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY, 1989)して調
製した。ベクター(p2Bac, Invitrogen)はそれぞれPP10およびPPHプロモーター
ならびに適当なポリアデニル化配列(それぞれBGHおよびPH, Invitrogen)を用
いて重鎖およびJ鎖の両者の発現を可能にした。ベクターはさらに、Kabatのデー
タベース(Kabatら, Sequences of Immunological Interest, National Institu
te of Health, Bethesda, MD, 1991)から誘導されるシグナル配列をコードする
ポリヌクレオチドを含有し、重鎖およびJ鎖の初期ポリペプチドと昆虫細胞の内
膜システムとの会合を可能にした。シグナル配列はさらに重鎖エレメントを導入
するために便利な制限部位を含有する第一のポリリンカーからすぐ上流に位置す
る。第一のポリリンカーから下流に、ヒトμ重鎖の定常領域をコードするポリヌ
クレオチドを挿入した。PCR増幅によって得られたμ重鎖領域は、RNAの最後の5
アミノ酸および3'末端における停止コドン、ならびに定常領域の最初の6コドン
をコードするコドンに相当する。トキシンAまたはBを認識する結合部位に重鎖部
分をコードする重鎖V領域DNAはシグナルおよび定常領域の導入後、第一のポリリ
ンカー中にリゲートした。適当な制限3'および5'末端を含有するシグナル配列を
含む全J鎖をコードするポリヌクレオチドを、第二のポリリンカー部位へのリゲ
ートを可能にするため、最後にベクターに導入した。したがって、ベクターは、
シグナル配列、可変領域およびμ定常領域から構成される重鎖ポリヌクレオチド
をコードし、J鎖ポリヌクレオチドはシグナル配列およびヒトJ鎖の全コード領域
からなる。ユニークなプロモーター(pMelBac A中PPH, Invitrogen)から下流に
ヒトκ軽鎖の定常領域および昆虫シグナル配列をコードするベクターがさらに構
築された。
【0151】 得られた組換えベクターならびに線状化AcNPV BV DNA(Pharmingen)を使用し
製造業者に推薦された操作を用いてSf昆虫細胞を共感染させて、アガールプレー
ト上にウイルスプラークのアレイを発生させた。各プラークはユニークな重鎖結
合タンパク質をコードするビリオンならびにユニークな重鎖結合タンパク質自体
を含有する可能性があった。プラークの約1000個のウイルス粒子を用いて、High
Five(登録商標, Invitrogen)昆虫細胞を96ウエルプレート中(ウエルあたり
約106細胞)に感染させた。72時間感染後細胞および上清を収穫し、総容量を1 m
Lとし、その10〜100μLについて組成および機能性を分析した。所望の重鎖およ
び結合機能性の同定には、本技術分野の熟練者に周知の様々な技術、たとえばEL
ISA, イムノブロッティング、ウエスタンブロッティング、免疫沈降等を利用し
た。これらはすべて、Harlow & Lane, “Using Antibodies: A Laboratory Manu
al", Cold Spring Harbor, New York, 1999に記載されている。
【0152】 ELISAによるそれぞれの上清の抗原結合能の分析では、トキシンAまたはトキシ
ンBのいずれかを認識する重鎖結合タンパク質の集団が同定された。トランスフ
ォームされた昆虫細胞を含有するウエルの約5%がトキシンAを認識する、検出可
能な結合タンパク質を発現し、3%がトキシンBを認識する結合タンパク質を発現
した。これらの結果は表2の結果に類似する。
【0153】 実施例6 哺乳動物における重鎖結合タンパク質遺伝子の発現 この実施例は機能性重鎖結合タンパク質を発現する哺乳動物のアレイの発生を
例示する。
【0154】 上述のようにB細胞に由来する重鎖およびJ鎖PCR産物をさらに操作してベビー
ハムスター(BHK)細胞中での発現を可能にした。一般的に、実施例1に記載のB
細胞からの二重鎖cDNAは実施例6に記載のようにヒトμアイソタイプとして発言
するように操作し、さらに上述の方法を使用してシンドビス発現ベクターに挿入
されるように操作した。ベクター(pSinRep5, Invitrogen)はしたがって、PSG
プロモーターおよび適当なポリアデニル化配列を用いて重鎖およびJ鎖の発現を
可能にした。ベクターはしたがって、重鎖およびJ鎖の両者を共発現できる可能
性があった。
【0155】 ベクター集団を適当な制限酵素で消化した。得られた組換え線状化ベクターを
用い、シンドビス発現システムキットを使用してキャップされたRNA転写体を発
生させた。この転写体をついでBHK細胞の感染に使用した。ついで、組換えウイ
ルス粒子を含む感染細胞からの上清メジウムを用いて、発現した重鎖結合タンパ
ク質を同定した。所望の重鎖結合タンパク質の同定は上述の技術を用いて実施で
きる。
【0156】 ELISAによる各上清の抗原結合能の分析では、トキシンAまたはトキシンBのい
ずれかを認識する重鎖結合タンパク質の集団が同定された。また、トランスフォ
ームされたBHK細胞を含有するウエルの約4%がトキシンAを認識する、検出可能
な結合タンパク質を発現し、3%がトキシンBを認識する結合タンパク質を発現し
た。これらの結果は表2の結果に類似する。
【0157】 以上、本明細書に記載の本発明の特異的な実施態様について、例示の目的で詳
細に説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な修飾
が可能なことは自明であると確信する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aおよび1Bは、ヒトおよびマウスの重鎖および軽鎖について代表的なフレー
ムワーク領域(FR)配列を示す表である(配列番号: 74〜197)。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA41 CA04 DA01 EA04 GA11 4B065 AA83X AA88X AA90X AA94Y AB01 AC14 BA02 CA25 CA46 4H045 AA11 AA20 CA40 DA76 EA50 FA72 FA74

Claims (66)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物細胞における免疫グロブリン結合タンパク質アレイの製
    造方法において、 (a)(i)KD<10-6 mole/Lでリガンドに特異的に結合するか、または(ii)ト
    ランスフェクトされた細胞中で1または2以上のポリペプチドと1または2以上のジ
    スルフィド結合を形成して、KD<10-6 mole/Lでリガンドに特異的に結合する結合
    タンパク質を発生する、異なる免疫グロブリン結合タンパク質(IgBP)ポリペプ
    チドをコードする少なくとも2種の異なるポリヌクレオチドのライブラリーによ
    って植物細胞集団をトランスフォームする工程(ただしこの場合、IgBPポリペプ
    チドは(i)3個の相補性決定領域と交互に4個のフレームワーク領域からなり、
    (ii)ネイティブなIgM, IgG, IgA, IgD, IgE, IgY, κまたはλ免疫グロブリン
    分子のフレームワーク領域に少なくとも75%の配列同一性を有する少なくとも1
    個のペプチド配列からなり、IgBPポリペプチドはトランスフォーメーション前に
    は植物細胞によって検出可能な程度には発現されない)、および(b)トランス
    フォームされた植物細胞を選択し、それから植物細胞中にIgBPアレイを調製する
    工程からなる方法。
  2. 【請求項2】 各IgBPポリペプチドは機能性IgBPである「請求項1」記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 各IgBPポリペプチドは、ライブラリー中の他のポリヌクレオ
    チドによってコードされる1または2以上のIgBP成分へのジスルフィド結合により
    機能性IgBPを形成するIgBP成分である「請求項1」記載の方法。
  4. 【請求項4】 さらに、以下の工程:(c)トランスフォームされた植物細
    胞を、機能性IgBPが植物細胞によってアセンブルされるように植物細胞の複製を
    支持する生育メジウム上で生育させる工程からなる「請求項1」記載の方法。
  5. 【請求項5】 さらに、以下の工程:(c)トランスフォームされた植物細
    胞を生育メジウム上で生育させて植物を形成させる工程、および(d)植物をそ
    れら自体または他の植物と性交配して、子孫が機能性IgBPを形成するのに十分な
    IgBP成分をコードするポリヌクレオチドからなるように子孫を発生させる工程か
    らなる「請求項1」記載の方法。
  6. 【請求項6】 子孫は種子である「請求項5」記載の方法。
  7. 【請求項7】 子孫は機能性IgBPをアセンブルする植物または植物細胞であ
    る「請求項5」記載の方法。
  8. 【請求項8】 ライブラリーは少なくとも10種の異なるポリヌクレオチドか
    らなる「請求項1」記載の方法。
  9. 【請求項9】 ライブラリーは少なくとも100種の異なるポリヌクレオチド
    からなる「請求項1」記載の方法。
  10. 【請求項10】 ライブラリーは少なくとも1000種の異なるポリヌクレオチ
    ドからなる「請求項1」記載の方法。
  11. 【請求項11】 ライブラリーは少なくとも10,000種の異なるポリヌクレオ
    チドからなる「請求項1」記載の方法。
  12. 【請求項12】 成分は、重鎖およびそれらのフラグメント、軽鎖およびそ
    れらのフラグメントならびにJ鎖および分泌成分からなる群より選択される免疫
    グロブリン分子の1または2以上の部分からなる「請求項3」記載の方法。
  13. 【請求項13】 ポリペプチドはネイティブなIgM, IgG, IgA, IgD, IgE, I
    gY, κまたはλ免疫グロブリン分子のフレームワーク領域と少なくとも95%のア
    ミノ酸同一性を維持している「請求項1」記載の方法。
  14. 【請求項14】 フレーム領域はヒトのものである「請求項1」記載の方法
  15. 【請求項15】 フレーム領域はネズミのものである「請求項1」記載の方
    法。
  16. 【請求項16】 トランスフォーメーション工程はアグロバクテリウム仲介
    トランスフォーメーション、化学的に誘導されるDNA取り込み、エレクトロポレ
    ーション、固体粒子イントゥルージョン、バイオリスティクス、マイクロインジ
    ェクション、マクロインジェクション、リポフェクションまたはウイルス感染に
    よって実施される「請求項1」記載の方法。
  17. 【請求項17】 IgBPポリペプチドは植物細胞から分泌される「請求項1」
    記載の方法。
  18. 【請求項18】 植物細胞は双子葉植物細胞である「請求項1」記載の方法
  19. 【請求項19】 植物細胞はタバコまたはArabidopsis植物細胞である「請
    求項18」記載の方法。
  20. 【請求項20】 植物細胞は単子葉植物細胞である「請求項1」記載の方法
  21. 【請求項21】 植物細胞はトウモロコシ、アオウキクサまたはコメ植物細
    胞である「請求項20」記載の方法。
  22. 【請求項22】 植物細胞は低級植物細胞である「請求項1」記載の方法。
  23. 【請求項23】 植物細胞は緑藻類細胞である「請求項22」記載の方法。
  24. 【請求項24】 植物細胞はChlamydomonas rheinhardtiiである「請求項23
    」記載の方法。
  25. 【請求項25】 真核細胞中に重鎖結合タンパク質アレイを製造する方法に
    おいて、(a)(i)ネイティブな免疫グロブリン重鎖のμまたはα鎖の定常領域
    テールピースと少なくとも75%同一であるアミノ酸配列からなり、(ii)すべて
    の結合部位は以下の要件の同一の一つ、すなわち(1)免疫グロブリン軽鎖可変
    領域の25連続アミノ酸部分と少なくとも75%の同一性、または(2)免疫グロブ
    リン重鎖可変領域の25連続アミノ酸部分と少なくとも75%の同一性を満足する多
    重結合部位からなり、(iii)(1)KD<10-6 mole/Lでリガンドに特異的に結合す
    るか、または(2)トランスフェクトされた細胞中で1または2以上のポリペプチ
    ドと1または2以上のジスルフィド結合を形成してKD<10-6 mole/Lでリガンドに特
    異的に結合する重鎖結合タンパク質(CHBP)を発生する、異なるCHBPポリペプチ
    ドを各々コードする少なくとも2個の異なるポリヌクレオチドのライブラリーに
    より真核細胞集団をトランスフォームし、(b)トランスフォームされた細胞を
    各CHBPが少なくとも4個の結合部位からなるCHBPのアセンブリーを可能にするメ
    ジウム上で生育させ、それらから真核細胞中CHBPアレイを製造することからなる
    方法。
  26. 【請求項26】 ポリヌクレオチドは免疫グロブリンαまたはμ鎖をコード
    する「請求項25」記載の方法。
  27. 【請求項27】 細胞はさらに免疫グロブリンJ鎖の配列と少なくとも75%
    同一である配列を有するポリペプチドをコードする1または2以上のポリヌクレオ
    チドでトランスフォームされる「請求項25」記載の方法。
  28. 【請求項28】 各CHBPは4個のα鎖および1個のJ鎖からアセンブルされる
    「請求項25」記載の方法。
  29. 【請求項29】 各CHBPは12個のμ鎖からアセンブルされる「請求項25」記
    載の方法。
  30. 【請求項30】 各CHBPは10個のμ鎖および少なくとも1個のJ鎖からアセン
    ブルされる「請求項25」記載の方法。
  31. 【請求項31】 CHBPまたはその成分はさらに、J鎖、分泌成分および軽鎖
    定常領域からなる群より選択される免疫グロブリン分子の1または2以上の部分か
    らなる「請求項25」記載の方法。
  32. 【請求項32】 細胞は植物細胞である「請求項25」記載の方法。
  33. 【請求項33】 細胞は昆虫細胞である「請求項25」記載の方法。
  34. 【請求項34】 細胞は哺乳動物細胞である「請求項25」記載の方法。
  35. 【請求項35】 植物CHBPアレイの製造方法において、(a)各成分は(i)
    ネイティブな免疫グロブリン重鎖のμもしくはα鎖の定常領域テールピースと少
    なくとも75%同一なアミノ酸配列、および(ii)すべての結合部位は以下の要件
    の同一の一つ、すなわち(1)免疫グロブリン軽鎖可変領域の25連続アミノ酸部
    分と少なくとも75%の同一性、または(2)免疫グロブリン重鎖可変領域の25連
    続アミノ酸部分と少なくとも75%の同一性を満足する多重結合部位からなり、ト
    ランスフォームされた細胞中で1または2以上のポリペプチドと1または2以上のジ
    スルフィド結合を形成して、KD<10-6 mole/Lでリガンドに特異的に結合するCHBP
    を発生する、異なるCHBP成分を各々コードする少なくとも2種の異なるポリヌク
    レオチドのライブラリーによって植物細胞集団をトランスフォームする工程、(
    b)トランスフォームされた植物細胞を生育メジウム上で生育させて植物を形成
    させ、(c)少なくとも4個の結合部位からなる機能性CHBPを形成するのに十分な
    CHBP成分をコードするポリヌクレオチドからなる子孫を発生させるように性交配
    し、それらから植物CHBPアレイを製造する工程からなる方法。
  36. 【請求項36】 子孫は種子である「請求項35」記載の方法。
  37. 【請求項37】 子孫は機能性CHBPをアセンブルする植物または植物細胞で
    ある「請求項35」記載の方法。
  38. 【請求項38】 ライブラリーは少なくとも10種の異なるポリヌクレオチド
    からなる「請求項25または35」記載の方法。
  39. 【請求項39】 ライブラリーは少なくとも100種の異なるポリヌクレオチ
    ドからなる「請求項25または35」記載の方法。
  40. 【請求項40】 ライブラリーは少なくとも1000種の異なるポリヌクレオチ
    ドからなる「請求項25または35」記載の方法。
  41. 【請求項41】 ライブラリーは少なくとも10,000種の異なるポリヌクレオ
    チドからなる「請求項25または35」記載の方法。
  42. 【請求項42】 ポリヌクレオチドは、ネイティブな免疫グロブリン重鎖の
    μまたはα鎖の定常領域テールピースに少なくとも95%のアミノ酸同一性を維持
    するポリペプチドをコード「請求項25または35」記載の方法。
  43. 【請求項43】 トランスフォーメーション工程はアグロバクテリウム仲介
    トランスフォーメーション、化学的に誘導されるDNA取り込み、エレクトロポレ
    ーション、固体粒子イントゥルージョン、バイオリスティクス、マイクロインジ
    ェクション、マクロインジェクション、リポフェクションまたはウイルス感染に
    よって行われる「請求項25または35」記載の方法。
  44. 【請求項44】 結合タンパク質は細胞の細胞内コンパートメントに蓄積さ
    れる「請求項25または35」記載の方法。
  45. 【請求項45】 結合タンパク質は細胞から分泌される「請求項25または35
    」記載の方法。
  46. 【請求項46】 植物細胞は双子葉植物細胞である「請求項32または35」記
    載の方法。
  47. 【請求項47】 植物細胞はタバコまたはArabidopsis植物細胞である「請
    求項46」記載の方法。
  48. 【請求項48】 植物細胞は単子葉植物細胞である「請求項32または35」記
    載の方法。
  49. 【請求項49】 植物細胞はトウモロコシ、アオウキクサまたはコメ植物細
    胞である「請求項48」記載の方法。
  50. 【請求項50】 植物細胞は低級植物細胞である「請求項32または35」記載
    の方法。
  51. 【請求項51】 植物細胞は緑藻類細胞である「請求項50」記載の方法。
  52. 【請求項52】 植物細胞はChlamydomonas rheinhardtiiである「請求項51
    」記載の方法。
  53. 【請求項53】 少なくとも1種のCHBPポリペプチドをコードする、異なる
    ポリヌクレオチドでそれぞれトランスフォームされた少なくとも2種の真核細胞
    からなる真核細胞中CHBPアレイであり、上記ポリペプチドは(a)ネイティブな
    免疫グロブリン重鎖のμもしくはα鎖の定常領域テールピースと少なくとも75%
    の同一性を有するアミノ酸配列からなり、(b)すべての結合部位が以下の要件
    の同一の一つ、すなわち(i)免疫グロブリン軽鎖可変領域の25連続アミノ酸部
    分と少なくとも75%の同一性または(2)免疫グロブリン重鎖可変領域の25連続
    アミノ酸部分と少なくとも75%の同一性を満足する多重結合部位からなり、(c
    )(i)KD<10-6 mole/Lでリガンドに特異的に結合するか、または(ii)トラン
    スフェクトされた細胞中の1または2以上のポリペプチドと1または2以上の共有結
    合を形成してKD<10-6 mole/Lでリガンドに特異的に結合するCHBPを発生するかの
    いずれかであり、(d)アレイ中の他のCHBPとはアミノ酸配列で異なり、この場
    合、細胞は少なくとも4個の結合部位からなるCHBPをアセンブルする上記真核細
    胞中のCHBPアレイ。
  54. 【請求項54】 ポリヌクレオチドは、重鎖およびそれらのフラグメント、
    軽鎖およびそれらのフラグメントならびにJ鎖および分泌成分からなる群より独
    立に選択される免疫グロブリン分子のポリペプチド成分をコードする「請求項53
    」記載の結合タンパク質アレイ。
  55. 【請求項55】 細胞は植物細胞である「請求項53」記載の結合タンパク質
    アレイ。
  56. 【請求項56】 細胞は昆虫細胞である「請求項53」記載の結合タンパク質
    アレイ。
  57. 【請求項57】 細胞は哺乳動物細胞である「請求項53」記載の結合タンパ
    ク質アレイ。
  58. 【請求項58】 植物細胞はトウモロコシ、コメ、アオウキクサ、タバコお
    よびChlamydomonasからなる群より選択される「請求項55」記載の結合タンパク
    質アレイ。
  59. 【請求項59】 少なくとも10種の異なる結合タンパク質がアレイ中の細胞
    によってアセンブルされる「請求項53」記載の結合タンパク質アレイ。
  60. 【請求項60】 少なくとも100種の異なる結合タンパク質がアレイ中の細
    胞によってアセンブルされる「請求項53」記載の結合タンパク質アレイ。
  61. 【請求項61】 少なくとも1000種の異なる結合タンパク質がアレイ中の細
    胞によってアセンブルされる「請求項53」記載の結合タンパク質アレイ。
  62. 【請求項62】 少なくとも10,000種の異なる結合タンパク質がアレイ中の
    細胞によってアセンブルされる「請求項53」記載の結合タンパク質アレイ。
  63. 【請求項63】 アレイ中の各細胞はそれぞれ少なくとも2種の異なるポリ
    ヌクレオチドによりトランスフェクトされ、各ポリヌクレオチドはそれぞれの細
    胞がCHBP成分からなる機能性CHBPをアセンブルするように異なるCHBP成分をコー
    ドする「請求項53」記載の結合タンパク質アレイ。
  64. 【請求項64】 カプセル封入されたCHBPのアレイからなる組成物であり、
    各CHBPは、(a)ネイティブな免疫グロブリン重鎖のμまたはα鎖の定常領域テ
    ールピースと少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、(b)す
    べての結合部位が以下の要件の同一の一つ、すなわち(i)免疫グロブリン軽鎖
    可変領域の25連続アミノ酸部分と少なくとも75%の同一性、または(ii)免疫グ
    ロブリン重鎖可変領域の25連続アミノ酸部分と少なくとも75%の同一性を満足す
    る少なくとも4個の結合部位からなり、(c)KD<10-6 mole/Lでリガンドに特異的
    に結合するか、または(ii)細胞中の1または2以上のポリペプチドと1または2以
    上の共有結合を形成してKD<10-6 mole/Lでリガンドに特異的に結合するCHBPを発
    生するかのいずれかであり、(d)アレイ中の他のCHBPとはアミノ酸配列で異な
    る上記組成物。
  65. 【請求項65】 真核細胞中に重鎖結合タンパク質アレイを製造する方法に
    おいて、(a)ネイティブな重鎖をコードするポリヌクレオチドの多重コピーを
    、ポリヌクレオチドのランダムまたは部位特異的突然変異が起こり、重鎖変異体
    のライブラリーが生じるように突然変異誘発物質に暴露し、(b)真核細胞集団
    を重鎖変異体のライブラリーでトランスフォームし、(c)トランスフォームさ
    れた細胞を、それぞれのCHBPは少なくとも4個の結合部位からなるCHBPのアセン
    ブリーが可能なメジウム上で生育させ、それから真核細胞中にCHBPアレイを調製
    する工程からなる方法。
  66. 【請求項66】 (a)ネイティブな免疫グロブリン重鎖のμもしくはα鎖
    の定常領域テールピースと少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列からな
    り、(b)すべての結合部位が以下の要件の同一の一つ、すなわち(i)免疫グロ
    ブリン軽鎖可変領域の25連続アミノ酸部分と少なくとも75%の同一性、または(
    ii)免疫グロブリン重鎖可変領域の25連続アミノ酸部分と少なくとも75%の同一
    性を満足する少なくとも4個の結合部位からなり、(c)(i)KD<10-6 mole/Lで
    リガンドに特異的に結合するか、または(ii)細胞中の1または2以上のポリペプ
    チドと1または2以上の共有結合を形成してKD<10-6 mole/Lでリガンドに特異的に
    結合するCHBPを発生するかのいずれかであるCHBP。
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