JP2002521006A - 受容体様プロテインキナーゼrknおよび植物の成長と収穫量を高めるためのその使用方法 - Google Patents

受容体様プロテインキナーゼrknおよび植物の成長と収穫量を高めるためのその使用方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、受容体様プロテインキナーゼ(RLK)ファミリーのメンバーである受容体様プロテインキナーゼ(RKN)のレベルを高めることにより、植物の成長および収穫量を増大させることができる、という知見に基づくものである。RKNポリペプチドおよびRKNポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが提供され、同時にRKN発現制御配列も提供される。また、対応する野性型植物と比べて、成長および収穫量が増大していることを特徴とする遺伝子改変植物の作出方法も含まれる。植物細胞から作出された植物がモジュレートされた収穫量を示すように、植物細胞を遺伝子改変する方法も提供される。目的の遺伝子産物の発現が、対応する野性型植物と比べて、根において増大していることを特徴とする遺伝子改変植物の作出方法も提供される。本発明はまた、本発明の遺伝子改変植物から得られる植物、植物組織および種子を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の属する技術分野 本発明は、一般的には植物遺伝子操作に関し、より詳細には、受容体様プロテ
インキナーゼおよび本発明の受容体様プロテインキナーゼを用いて成長および収
穫量が増大していることを特徴とする遺伝子操作された植物の作出方法に関する
【0002】発明の背景 各植物種の植物成長には環境条件によって広く差がある。たいていの条件下で
は、植物の最大成長能力は、実現されていない。植物育種により、植物供給源を
個々の器官に向け直して成長を促進できることが示されている。
【0003】 遺伝物質、例えば、DNAまたはRNAの単離および操作、それに続くその物質の植
物または植物細胞への導入を必然的に伴う、植物の遺伝子操作は、近年、植物育
種および農業を著しく変化させた。作物の食物としての価値の増大、高い収穫量
、飼料価値、製造コストの低減、有害な小動物に対する抵抗性、ストレス耐性、
干ばつに対する抵抗性、医薬、化学薬品および生物学的分子の製造並びに他の有
益な特性は、いずれも遺伝子操作技術によって達成される可能性がある。
【0004】 遺伝子発現の操作能力は、形質転換植物での新たな特性を生み出す手段を提供
する。例えば、植物の根系のサイズを増大する能力は、土壌からの栄養分の同化
作用を増大させる。さらに、葉の成長を増大する能力は、太陽エネルギーを同化
する植物の能力を増大させるであろう。明らかに、植物全体またはその特定の標
的器官の成長を制御する能力は、非常に望ましいものであろう。原形質膜に局在
する受容体は、細胞のシグナル伝達において重要な役割を果たしている。最近、
植物細胞も、プロテインキナーゼ活性を有する細胞表面の受容体を有していると
いう証拠が示唆された。植物の受容体様プロテインキナーゼ(RLK)は、哺乳動
物のポリペプチド成長因子受容体と構造的に関連している。これらのタンパク質
は、大きな原形質外ドメイン、膜貫通セグメント、およびプロテインキナーゼ活
性を有する原形質ドメインを有している。殆どの哺乳動物成長因子の受容体プロ
テインキナーゼは、チロシンキナーゼであるが、多くの植物のRLKは、セリン/
スレオニンプロテインキナーゼである。このRLKは、構造的類似性、すなわち、(
1)S−ドメインタンパク質はアブラナ属(Brassica)の自己不適合性遺伝子座の
糖タンパク質に関連付けられ、(2)ロイシンリッチ反復タンパク質は、多数の真
核生物タンパク質中に見出されたタンデム反復モチーフを含み、そして(3)タン
パク質は上皮細胞成長因子様反復を含むことに基づいて3つのカテゴリーに入れ
られてきた。RLKは、トウモロコシなどの単子葉植物中およびアブラナ科などの
双子葉植物中に見出された(総説としては、Walker, J.C., 1994,「高等植物の
受容体様プロテインキナーゼの構造および機能(Structure and function of th
e receptor-like protein kinases of higher plants)」Plant Mol. Biol. 26:
1599-1609を参照されたい)。本発明は、受容体様プロテインキナーゼ(RKN)と
呼ばれる新規なRLKを提供するものである。
【0005】発明の概要 本発明は、植物の成長および収穫量の増大が、RLKファミリーのメンバーであ
る受容体様プロテインキナーゼ(RKN)のレベルを高めることによって達成でき
るという発見に基づいている。
【0006】 1つの実施形態では、実質的に精製されたRKNポリペプチドが提供される。RKN
ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドも、RKN発現制御配列と
して提供される。
【0007】 別の実施形態では、本発明は、(1)植物細胞を、発現制御配列と作動可能に連
結されたRKNポリペプチドをコードする核酸と接触させることによって形質転換
された植物細胞を得て;(2)RKNを発現する形質転換された植物細胞から植物を作
出し;そして(3)収穫量の増大を示す植物を選択することによって、対応する野
生型植物に比べて成長および収穫量が増大していることを特徴とする遺伝子改変
植物の作出方法を提供する。
【0008】 その細胞から生産された植物がモジュレートされた収穫量を有するように植物
細胞を遺伝的に改変する方法も提供される。この方法は、RKNポリペプチドをコ
ードする単離されたポリヌクレオチドを導入し、形質転換された植物細胞をRKN
ポリペプチドをモジュレートさせる条件下で成長させることを含む。
【0009】 さらなる実施形態では、(1)植物細胞を、目的の遺伝子産物をコードする領域
に作動可能に連結されたRKNの発現制御配列を含むポリヌクレオチドと接触させ
て形質転換植物細胞を得て;(2)形質転換された植物細胞から植物を作出し;(3)
その根において目的の遺伝子産物の発現の増大を示す植物を選択することによっ
て、対応する野生型植物に比べてその根において目的の遺伝子産物の発現が増大
していることを特徴とする遺伝子改変植物の作出方法が提供される。
【0010】 病原体に対する抵抗性を付与するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
に作動可能に連結されたRKNの発現制御配列を含む核酸配列を植物細胞のゲノム
中に導入して形質転換された植物細胞を得ることによって、遺伝的に形質転換さ
れた、疾病抵抗性植物の作出方法も提供される。
【0011】 本発明は、本発明の遺伝子改変植物によって作出される植物、植物組織、およ
び種子も提供する。
【0012】好ましい実施形態の説明 本発明は、ロイシンリッチ反復を含むRLKクラスのメンバーである、RKNと呼ば
れる新規なRLKを提供する。
【0013】ポリヌクレオチド、ポリペプチド、ベクター、および宿主細胞 本発明は、実質的に精製されたRKNポリペプチドを提供する。好ましくは、RKN
は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する。本明細書中で用いる語句「実
質的に精製された」とは、天然に結合した他のタンパク質、脂質、炭水化物また
は他の物質を実質的に含まないポリペプチドをいう。当業者であれば、タンパク
質精製の標準技術を用いてRKNを精製することができる。実質的に純粋なポリペ
プチドは、非還元的ポリアクリルアミドゲル上に単一の主要なバンドを形成する
。RKNポリペプチドの純度は、アミノ末端アミノ酸配列分析によっても決定でき
る。
【0014】 「実質的に純粋なポリペプチド」は、それに天然に付随する成分から分離され
たRKNポリペプチドを意味する。通常は、少なくとも60重量%であり、天然にポ
リペプチドと結合する天然有機分子およびタンパク質を含まないとき、ポリペプ
チドは実質的に純粋である。好ましくは、調製物は、少なくとも75重量%、より
好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも99重量%のRKNポリ
ペプチドである。実質的に純粋なRKNポリペプチドは、例えば、自然の供給源(
例えば、植物細胞)からの抽出によって;RKNポリペプチドをコードする組換え
核酸の発現によって;またはタンパク質を化学的に合成することによって得られ
る。純度は、任意の適当な方法、例えば、カラムクロマトグラフィー、ポリアク
リルアミドゲル電気泳動で示される方法により、またはHPLC分析により測定でき
る。
【0015】 タンパク質は、天然の状態でそれに付随する混在物から分離された場合に、天
然の結合成分を実質的に含まないものとなる。すなわち、化学的に合成されるか
または天然に産生される細胞とは異なる細胞系で産生されたタンパク質は、天然
に結合する成分を実質的に含まない。従って、実質的に純粋なポリペプチドは、
真核生物から誘導されたものであるが大腸菌または他の原核生物で合成されたも
のを含む。
【0016】 本発明は、機能性RKNポリペプチド並びにその機能性断片を含む。本明細書中
で用いる語句「機能性ポリペプチド」とは、規定の機能性アッセイによって同定
され、細胞中の特定の生物学的、形態学的、または表現型改変と関連する生物学
的機能または活性を有するポリペプチドをいう。語句「RKNポリペプチドの機能
性断片」とは、RKN活性、例えば、受容体プロテインキナーゼ活性を保持してい
る全てのRKN断片をいう。生物学的に機能性の断片は、例えば、抗体分子に結合
しうるエピトープと同じくらい小さいポリペプチド断片から、細胞内での表現型
変化の特性誘導またはプログラミングに関与し得る大きなポリペプチドまで、そ
のサイズが変化し得る。RKNの機能性断片の例は、RKNのキナーゼドメインを含む
ポリペプチドである(図3および図7を参照されたい)。RKNの別の機能性断片
は、RKNの追加的な原形質リガンド結合ドメインを含むポリペプチドである(図
3を参照されたい)。
【0017】 RKNの一次アミノ酸配列の小さな改変により、本明細書中に記載された改変さ
れていない等価物と比べて実質的に同等な活性を有するタンパク質がもたらされ
得る。そのような改変は、部位特異的突然変異誘発によるような意図的なもので
あってもよいし、自然発生的なものであってもよい。これらの改変によって製造
される全てのポリペプチドは、RKNの生物学的活性が存在している限り本発明に
含まれる。さらに、1個以上のアミノ酸の欠失により、活性を顕著に改変するこ
となく、得られる分子の構造の改変がもたらされ得る。欠失は、より広い有用性
を有することができる、より小さい活性分子の開発を導くことができる。例えば
、RKN活性に必要なアミノ末端またはカルボキシ末端のアミノ酸を除去すること
もできる。
【0018】 RKNポリペプチドは、配列番号2に示される配列と実質的に同じアミノ酸配列
を含む。語句「実質的に同じ(same)」とは、本明細書中に記載されているRKN
の活性、例えば、受容体プロテインキナーゼ活性を保持しているアミノ酸配列を
いう。
【0019】 本発明は、配列番号2に示されるアミノ酸配列もしくはその機能性断片と実質
的に同じアミノ酸配列、または配列番号2と実質的に同一のアミノ酸配列を有す
るポリペプチドを含む。「実質的に同じ」または「実質的に同一(identical)
」とは、基準(reference)アミノ酸配列または核酸配列と、少なくとも60〜80
%、好ましくは85%、より好ましくは90%、最も好ましくは95%の相同性を示す
ポリペプチドまたは核酸を意味する。ポリペプチドとしては、比較配列の長さは
、一般に少なくとも16アミノ酸、好ましくは少なくとも20アミノ酸、より好まし
くは少なくとも25アミノ酸、最も好ましくは35アミノ酸であろう。核酸としては
、比較配列の長さは、一般に少なくとも50ヌクレオチド、好ましくは少なくとも
60ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも75ヌクレオチド、最も好ましくは11
0ヌクレオチドであろう。
【0020】 「実質的に同一」はまた、あるアミノ酸の同じクラスの別のアミノ酸による置
換(例えば、バリンをグリシンに、アルギニンをリジンになど)などの保存的ア
ミノ酸置換によってのみ異なるアミノ酸配列、またはアッセイされるタンパク質
の機能を破壊しないアミノ酸配列中の位置での1個以上の非保存的置換、欠失、
もしくは挿入によってのみ異なるアミノ酸配列をも意味する(例えば、本明細書
中に記載されるような)。好ましくは、そのような配列は、配列番号2とアミノ
酸レベルで少なくとも85%同一、より好ましくは同一である。
【0021】 相同性は、しばしば配列分析ソフトウエア(例えば、ウィスコンシン州53705
、マジソン、ユニバーシティアベニュー1710番地、ユニバーシティ・オブ・ウィ
スコンシン・バイオテクノロジー・センターの遺伝学コンピュータグループ(th
e Genetics Computer Group, University of Wisconsin Biotechnology Center,
1710 University Avenue, Madison, WI 53705)の配列分析ソフトウエアパッケ
ージ(Sequence Analysis Software Package))を用いて測定される。そのよう
なソフトウエアは、種々の置換、欠失、置換、および他の改変に対する相同性の
程度を割り当てることによって類似の配列をマッチさせる。
【0022】 本発明のRKNポリペプチドは、ポリペプチド配列の保存的変異を含む。本明細
書中で用いる語句「保存的変異」とは、生物学的に類似の別の残基によるアミノ
酸残基の置換を示す。保存的変異の例としては、イソロイシン、バリン、ロイシ
ンまたはメチオニンなどの1つの疎水性残基の別のものへの置換、または1つの
極性残基の別のものへの置換、例えば、アルギニンのリジンへの置換、グルタミ
ン酸のアスパラギン酸への置換、またはグルタミンのアスパラギンへの置換など
が挙げられる。また語句「保存的変異」は、置換ポリペプチドに対して生じた抗
体が非置換ポリペプチドとも免疫反応する場合には、非置換親アミノ酸の代わり
に置換アミノ酸を使用することも含む。
【0023】 本発明は、RKNタンパク質をコードするポリヌクレオチドを提供する。これら
のポリヌクレオチドは、RKNをコードするDNA、cDNAおよびRNA配列を含む。RKNを
コードする全てのポリヌクレオチドは、それらがRKN活性を有するポリペプチド
をコードする限り本発明に含まれると理解すべきである。そのようなポリヌクレ
オチドは、天然の、合成の、および意図的に操作されたポリヌクレオチドを含む
。例えば、RKNポリヌクレオチドを、部位特異的突然変異誘発に付すことができ
る。RKNに対するポリヌクレオチド配列はまた、アンチセンス配列およびRKNのド
ミナントネガティブな形態をコードする配列をも含む。本発明のポリヌクレオチ
ドは、遺伝暗号の結果として縮退している配列を含む。20種の天然のアミノ酸が
存在し、その殆どは、1以上のコドンによって特定される。従って、全ての縮退
しているヌクレオチド配列は、そのヌクレオチド配列によってコードされるRKN
ポリペプチドのアミノ酸配列が機能的に変化していない限り、本発明に含まれる
【0024】 本明細書中で具体的に開示されるのは、RKN遺伝子を含むポリヌクレオチド配
列である。好ましいRKNヌクレオチド配列は、配列番号1である。語句「ポリヌ
クレオチド」または「核酸配列」とは、少なくとも10塩基の長さのヌクレオチド
の重合形態をいう。「単離されたポリヌクレオチド」は、ポリヌクレオチドが誘
導される生物の天然のゲノム中で(1つは5'末端、1つは3'末端で)直接隣接し
ている両方のコード配列とは直接には隣接していないポリヌクレオチドを意味す
る。従って、この語句は、例えば、ベクター中に;自立的に複製するプラスミド
もしくはウイルス中に;または原核生物もしくは真核生物のゲノムDNA中に組み
入れられた組換えDNA、または他の配列とは独立した別の分子(例えば、cDNA)
として存在する組換えDNAを含む。本発明のヌクレオチドは、リボヌクレオチド
、デオキシリボヌクレオチド、またはいずれかのヌクレオチドの改変された形態
であり得る。この語句は、DNAの1本鎖および2本鎖形態を含む。
【0025】 RKNをコードするポリヌクレオチドには、配列番号1、RKNのドミナントネガテ
ィブ形態、および配列番号1に相補的な核酸配列が含まれる。相補的配列は、ア
ンチセンスヌクレオチドを含んでいてもよい。配列がRNAであるとき、配列番号
1のデオキシヌクレオチドA、G、C、およびTは、それぞれリボヌクレオチドA、G
、C、およびUによって置換される。本発明はまた、その断片を生理学的条件下で
配列番号2のタンパク質またはRKNの近縁のファミリーメンバーをコードするDNA
に選択的にハイブリダイズさせるのに十分な少なくとも15塩基の長さの、上記核
酸配列の断片を含む。語句「選択的にハイブリダイズする」とは、関連しないヌ
クレオチド配列を排除する中程度または高度にストリンジェントな条件下でのハ
イブリダイゼーションをいう。
【0026】 核酸ハイブリダイゼーション反応では、特定レベルのストリンジェンシーを達
成するのに用いられる条件は、ハイブリダイズされる核酸の性質に依存して変動
するだろう。例えば、核酸のハイブリダイズ領域の、長さ、相補性の程度、ヌク
レオチド配列組成(例えば、GC対AT含量)、および核酸タイプ(例えば、RNA対D
NA)が、ハイブリダイゼーション条件選択において考慮され得る。さらに、核酸
の1つが、例えば、フィルター上に固定されているか否かが考慮される。
【0027】 漸次ストリンジェンシー条件が高くなる例は、次の通りである:およそ室温で
2×SSC/0.1% SDS(ハイブリダイゼーション条件);およそ室温で0.2×SSC/0.1
% SDS(低ストリンジェンシー条件);約42℃で0.2×SSC/0.1% SDS(中程度の
ストリンジェンシー条件);および約68℃で0.1×SSC(高ストリンジェンシー条
件)。洗浄は、これらの条件の1つのみ、例えば、高ストリンジェンシー条件を
用いて行うことができるか、または各条件を、例えば、10〜15分間ずつ、上記列
挙した順序で、列挙した工程のいずれかもしくは全てを繰り返して用いることが
できる。しかしながら、上記のように、最適な条件は、関係する特定のハイブリ
ダイゼーション反応によって変動し、経験的に決定され得る。
【0028】 RKNをコードするDNA配列は、好適な宿主細胞中にDNAを移送することによってi
n vitroで発現させることができる。「宿主細胞」は、その中でベクターが増殖
し、そのDNAが発現できる細胞である。細胞は、植物細胞、または原核細胞もし
くは真核細胞である。この語句はまた、対象の宿主細胞の任意の子孫をも含む。
複製の間に生じる突然変異があり得るため、全ての子孫が親細胞と同一であるも
のではないことが理解される。しかしながら、語句「宿主細胞」を用いるときは
、そのような子孫が含まれる。外来DNAが宿主中に継続的に維持されることを意
味する安定な移送方法は、当業界で公知である。
【0029】 本発明においては、RKNポリヌクレオチド配列は、発現ベクター中に挿入され
ていてもよい。語句「発現ベクター」とは、RKN遺伝子配列の挿入または組込み
によって操作されているプラスミド、ウイルスまたは当業界で公知の他の媒介物
をいう。RKNをコードするポリヌクレオチド配列は、発現制御配列に作動可能に
連結され得る。「作動可能に連結」とは、記載された成分がその意図された様に
機能し得る関係にあるように近接していることをいう。コード配列に作動可能に
連結された発現制御配列は、コード配列の発現が発現制御配列と両立する条件下
で達成されるように連結されている。本明細書で用いる語句「発現制御配列」と
は、該配列が作動可能に連結された核酸配列の発現を調節する核酸配列をいう。
発現制御配列が核酸配列の転写、および適当なときには翻訳を制御し調節すると
き、発現制御配列には、核酸配列に作動可能に連結されている。発現制御配列は
、適当なプロモーター、エンハンサー、タンパク質コード遺伝子の前の開始コド
ン(すなわち、ATG)としての転写ターミネーター、イントロンのためのスプラ
イシングシグナル、適切なmRNAの翻訳をさせる遺伝子の正しいリーディングフレ
ームの維持、および終止コドンを含む。語句「制御配列」は、少なくとも、その
存在が発現に影響し得る構成成分を含むことを意図し、そして、その存在が有利
である追加的な構成成分、例えば、リーダー配列および融合パートナー配列を含
むこともできる。発現制御配列はプロモーターを含んでもよい。
【0030】 「プロモーター」は、転写を指令するのに十分な最小の配列を意味する。また
、本発明は、プロモーター依存性遺伝子発現を、細胞タイプ特異的、組織特異的
に制御可能とするか、または外部シグナルもしくは試薬によって誘導可能とする
のに十分なプロモーターエレメントも含む。そのようなエレメントは遺伝子の5'
または3'領域に位置し得る。
【0031】 任意に、選択マーカーをRKNポリヌクレオチドに連結させることもできる。本
明細書で用いる語句「マーカー」とは、そのマーカーを含む細胞の選択またはス
クリーニングを可能にする特性または表現型をコードする遺伝子をいう。好まし
くは、マーカー遺伝子は、抗生物質耐性遺伝子である。それによって、適当な抗
生物質を用いて、形質転換されていない細胞の中から形質転換された細胞を選択
できる。植物で用いる好適な選択マーカーの例としては、アデノシンデアミナー
ゼ、ジヒドロ葉酸還元酵素、ハイグロマイシン−B−ホスホトランスフェラーゼ
、チミジンキナーゼ、キサンチン−グアニンホスホ−リボシルトランスフェラー
ゼおよびアミノ−グリコシド3'−O−ホスホトランスフェラーゼII(カナマイシ
ン、ネオマイシンおよびG418耐性)が挙げられる。他の好適なマーカーは、当業
者には公知であろう。
【0032】 多様な宿主発現ベクター系を、RKNコード配列の発現に用いることができる。
これらとしては、以下のものに限定されないが、RKNコード配列を含む組換えバ
クテリオファージ核酸、プラスミド核酸またはコスミド核酸発現ベクターによっ
て形質転換された細菌などの微生物;RKNコード配列を含む組換え酵母発現ベク
ターによって形質転換された酵母;RKNコード配列を含む組換えウイルス発現ベ
クター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイル
ス、TMV)によって感染されたかまたは組換えプラスミド発現ベクター(例えば
、Tiプラスミド)によって形質転換された植物細胞系;RKNコード配列を含む組
換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュウロウイルス)によって感染された
昆虫細胞系;またはRKNコード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば
、レトロウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス)によって感染された
動物細胞系、または安定発現のために操作された形質転換動物細胞系が挙げられ
る。
【0033】RKN調節配列 本明細書に使われる用語「RKN発現制御配列」または「RKN調節領域」は、配列番
号3の核酸配列ならびに相補的配列、および配列番号3の核酸配列と少なくとも
約75%の配列同一性、好ましくは少なくとも約85%の配列同一性、さらに好ましく
は約90%の配列同一性を示す配列を意味する。機能的RKN発現制御配列は、植物の
根の細胞のような適当な細胞において、それらと機能しうる形で結合した遺伝子
の発現を促進する能力がある。機能的RKN発現制御配列は、RKNプロモーターを含
む。RKN発現制御配列はまた、プライマー伸長解析により確認することができる
転写開始点(tsp)のようなエレメントも含む。TATAボックス、サプレッサーま
たはサイレンサー、およびエンハンサーのような当業界で周知のエレメント、な
らびに転写因子CTF/NF-1、AP-1、NF-κBおよびNF-ATpと結合するエレメントにお
けるコンセンサス配列は、RKN発現制御配列に含まれる。
【0034】 本発明のポリヌクレオチド配列は、RKN発現制御配列をコードするDNA、cDNAお
よびRNA配列を含む。RKN調節領域の全てもしくは機能的部分をコードする全ての
ポリヌクレオチドも本発明に含まれると理解される。このようなポリヌクレオチ
ドは、天然、合成および意図的に操作されたポリヌクレオチドを含む。その一例
として、RKNプロモーターポリヌクレオチドに部位指定突然変異を施してもよい
。RKN調節領域に対するポリヌクレオチド配列はまた、アンチセンス配列も含む
【0035】 配列番号3は多重活性ドメイン、例えば、図3に示したプロモータードメイン
を含むことも注意すべきである。
【0036】 RKN調節領域は、任意の「目的のヌクレオチド配列」と機能しうる形で連結す
ることができる。「目的のヌクレオチド配列」または「目的のDNA」は、標的細
胞における発現が望まれる(例えば、標的細胞における治療用の細胞生成物のよ
うなタンパク質または他の生物学的分子を産生するために)タンパク質もしくは
他の分子をコードする任意のヌクレオチド配列(例えば、RNAもしくはDNA配列)
またはDNA配列を意味する。目的のヌクレオチド配列は、機能的RKNポリペプチド
およびそれらの断片を含む。目的のヌクレオチド配列はRKNのドミナントネガテ
ィブであってよい。目的のヌクレオチド配列はアンチセンス分子または三重鎖形
成体であってよい。本明細書を通じて用語「目的のDNA」の使用は本発明をデオキ
シリボ核酸に限定することを意味するものではない。
【0037】 RKN調節領域は、「異種核酸配列」と機能しうる形で連結することができる。
本明細書に使われる用語「異種核酸配列」は、レシピエントである植物宿主に外来
の核酸、またはもし元来有する核酸がその原型から実質的に改変されていれば、
宿主に元来有するべき核酸を意味する。 「目的の遺伝子産物」は、対象におけ
る発現が望まれるポリペプチド、RNA分子、または他の遺伝子産物を意味する。
【0038】 「目的の遺伝子産物」は、例えば、細胞形質転換および発現を評価するための
マーカータンパク質としての役割を担うポリペプチド、所望の生物学的活性を有
する融合タンパク質およびポリペプチド、遺伝的欠陥を補完することができる遺
伝子産物、調節および/または発現を目的とするRNA分子、転写因子、および他
の遺伝子産物を含むことができる。「目的の遺伝子産物」は、RKNポリペプチド
、アンチセンス核酸、三重鎖形成剤、およびリボザイムを含む。「目的の遺伝子
」はまた、所望の効果または調節機能を提供するが、必ずしもRNA分子またはポ
リペプチドを自身がコードしないヌクレオチド配列(例えば、トランスポゾン、
イントロン、プロモーター、エンハンサー、スプライスシグナル等)も含む。
【0039】 アンチセンス核酸は、特異的mRNA分子の少なくとも一部分と相補的であるDNA
またはRNA分子である(Weintraub, 1990, Scientific American, 262:40)。細
胞内で、アンチセンス核酸は対応するmRNAとハイブリダイズして、2本鎖分子を
形成する。細胞は2本鎖を形成したmRNAを翻訳しないので、アンチセンス核酸は
mRNAの翻訳を妨害する。約15個のヌクレオチドのアンチセンスオリゴマーは、容
易に合成でき、標的FT産生細胞中に導入された場合には大きい分子より問題を起
こすことが少ないので、好ましい。アンチセンス法を遺伝子のin vitro翻訳を阻
害するために使用することは当業界で周知である(Marcus-Sakura, 1988, Anal.
Biochem., 172:289)。
【0040】 転写を停止するためのオリゴヌクレオチドの使用は、該オリゴヌクレオチドが
二重らせんDNAの周囲を捲いて3本鎖らせんを形成するので、三重鎖法(triplex
strategy)として周知である。従って、これらの三重鎖化合物を、選ばれた遺
伝子上の特有な部位を認識するように設計することができる(Maherら, 1991, A
ntisense Res. and Dev., 1(3):227;Helene, C., 1991, Anticancer Drug Desi
gn, 6(6):569)。
【0041】 リボザイムは、DNA制限エンドヌクレアーゼと類似した方法で、他の1本鎖RNA
を特異的に切断する能力をもつRNA分子である。これらのRNAをコードするヌクレ
オチド配列を改変することによって、RNA分子中の特異的ヌクレオチド配列を認
識し、切断する分子を操作することが可能である(Cech, 1988, J. Amer. Med.
Assn., 260:3030)。この手法の大きな利点は、配列特異性があるので、特有の
配列をもつmRNAだけを不活性化することにある。
【0042】 リボザイムには2つの基本型、すなわち、テトラヒメナ(tetrahymena)型(H
asselhoff, 1988, Nature, 334:585)および「ハンマーヘッド(hammerhead)」
型がある。テトラヒメナ型リボザイムは、4塩基の長さの配列を認識するが、「
ハンマーヘッド」型リボザイムは11〜18塩基の長さの塩基配列を認識する。認識
配列が長いほど、該配列が標的mRNA種中だけに存在する可能性が高い。従って、
特異的mRNA種を不活性化するのに、ハンマーヘッド型リボザイムはテトラヒメナ
型リボザイムより好ましく、18個に基づく認識配列は短い認識配列より好ましい
。「機能しうる形で連結された」は、上記のように定義される。「機能しうる形
で挿入された」は、目的のDNAが、導入されたDNAの転写と翻訳を指令するDNA配
列に隣接して位置する(すなわち、目的のDNAによりコードされるポリペプチド
などの産生を容易にする)ことを意味する。
【0043】RKN抗体 本発明のRKNポリペプチドを使って、RKNポリペプチドが免疫反応性を有する、
または該RKNポリペプチドのエピトープと結合する抗体を作製することができる
。RKNの細胞外ドメインに由来するペプチドに対する抗体が好ましい(例えば、
図3に示すドメインに含まれるペプチドなど)。本質的に、異なるエピトープ特
異性をもつモノクローナル抗体の集まりからなる抗体、ならびに明確なモノクロ
ーナル抗体調製物が提供される。
【0044】 ポリクローナル抗体の調製は当業者に周知である。例えば、本明細書に参照に
より組み入れられる、Greenら, 1992, "Production of Polyclonal Antisera(
ポリクローナル抗血清の作製)" in: Immunochemical Protocols(Manson編), 1
〜5頁(Humana Press);Coliganら, 1992, "Production of Polyclonal Antisera
in Rabbits, Rats, Mice and Hamsters(ウサギ、ラット、マウスおよびハムス
ターにおけるポリクローナル抗血清の作製)"Current Protocols in Immunology
2.4.1節を参照されたい。
【0045】 モノクローナル抗体の調製も、同じく従来法どおりである。例えば、本明細書
に参照により組み入れられる、KohlerおよびMilstein, 1975, Nature 256:495;
Coliganら, 2.5.1〜2.6.7節;Harlowら, 1988, Antibody: a Laboratory Manual
, 726頁(Cold Spring Harbor Pub.)を参照されたい。簡単に説明すると、マウ
スに抗原を含有する組成物を注入し、血清サンプルを採取して抗体の産生を確認
し、脾臓を摘出してBリンパ球を得、該Bリンパ球を骨髄腫細胞と融合してハイブ
リドーマを作製し、ハイブリドーマをクローニングし、抗原に対する抗体を産生
する陽性クローンを選択し、そしてそのハイブリドーマ培養から該抗体を単離す
ることによって、モノクローナル抗体を取得することができる。モノクローナル
抗体は、様々な十分に確立された技術によって、ハイブリドーマ培養からの単離
および精製が可能である。このような単離技術は、プロテイン-Aセファロース用
いるアフィニティクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、および
イオン交換クロマトグラフィーを含む。例えば、Coliganら, 2.7.1〜2.7.12節お
よび2.9.1-2.9.3節;Barnesら, 1992, "Purification of Immunoglobulin G(IgG
)(免疫グロブリンGの精製)", Methods in Molecular Biology, Vol. 10. 79〜
104頁(Humana Press)を参照されたい。
【0046】 モノクローナル抗体のin vitroおよびin vivoの増幅は、当業者に周知である
。in vitroの増幅は、ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco's Modified Eagl
e Medium)またはRPMI 1640培地のような適切な培地中で実施でき、場合によっ
ては、ウシ胎児血清のような哺乳動物血清または微量元素および正常マウス腹腔
滲出細胞、脾細胞、胸腺細胞または骨髄マクロファージのような増殖維持のため
の添加物を補給してもよい。in vitro産生は相対的に純粋な抗体調製物を提供し
、かつスケールアップして所望の抗体を大量に得ることができる。大規模なハイ
ブリドーマ培養は、エアリフト反応器内、連続攪拌反応器内、または固定化型も
しくは捕獲型細胞培養器内での均一な懸濁培養により実施することができる。in
vivoの増幅は、細胞クローンをその親細胞と組織適合性を有する哺乳動物、例
えば同系マウスなどに、注入して抗体を産生する腫瘍を増殖させることにより実
施できる。場合によっては、注入の前に炭化水素、特にプリスタンのような油脂
で動物に初回刺激を施す。1〜3週間後に、所望のモノクローナル抗体が動物の体
液から回収される。
【0047】 本発明で使う用語「抗体」は、エピトープ決定因子と結合する能力のある、完全
な形の分子ならびにFab、F(ab')2およびFvのような該分子のフラグメントを含む
。これらの抗体フラグメントは、その抗原または受容体と選択的に結合する能力
を保持しており、次のように定義される: (1) Fab、抗体分子の一価の抗原結合フラグメントを含有する該フラグメントは
、パパイン酵素により完全な形の抗体を消化して作ることができ、1つの完全な
形の軽鎖および1つの重鎖の一部として得られる; (2) Fab'、抗体分子の該フラグメントは、ペプシンを用いて全抗体を処理し、
その後還元することによって、1つの完全な形の軽鎖および重鎖の一部として得
られる;抗体1分子当り2つのFab'フラグメントが得られる; (3) (Fab')2、全抗体をペプシン酵素により処理し、その後の還元なしで得る
ことができる抗体のフラグメント;(Fab')2は2つのジスルフィド結合により一
緒に保持された2つのFab'フラグメントの二量体である; (4) Fv、2つの鎖として発現される軽鎖の可変部および重鎖の可変部を含有す
る遺伝子工学的操作を施したフラグメントとして定義される;および (5) 1本鎖抗体(「SCA」)、適当なポリペプチドリンカーにより遺伝子的に融
合した1本鎖分子として連結された軽鎖の可変部、重鎖の可変部を含有する遺伝
子工学的操作を施した分子として定義される。
【0048】 これらのフラグメントを作る方法は当業界では公知である(例えば、本明細書
に参照により組み入れられるHarlowおよびLane, 1988: Antibodies: a Laborato
ry Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New Yorkを参照すること)。本発
明に使われる用語「エピトープ」は、抗体のパラトープが結合する抗原上の任意の
抗原決定因子を意味する。エピトープ決定因子は通常、アミノ酸または糖側鎖の
ような化学的活性のある表面の分子種からなり、通常、特異的な3次元構造特性
ならびに特異的な電荷特性を有する。
【0049】 本発明の抗体フラグメントは、抗体のタンパク質加水分解により、または該フ
ラグメントをコードするDNAの大腸菌(E.coli)における発現により、調製するこ
とができる。抗体フラグメントは、通常の方法により、完全な形の抗体のペプシ
ンまたはパパインによる消化により得ることができる。例えば、抗体フラグメン
トを、ペプシンを用いる抗体の酵素的切断により作製して、(Fab')2と記され
る5Sフラグメントを得ることができる。このフラグメントはさらにチオール還元
剤および場合によってはジスルフィド結合の切断から生じるスルフヒドリル基に
対するブロッキング基を使って、3.5S Fab'1価フラグメントを作製することが
できる。あるいは、ペプシンを使う酵素的切断は、2つの1価Fab'フラグメント
およびFcフラグメントを直接作製する。これらの方法は、例えば、Goldenberg,
米国特許第4,036,945号および第4,331,647号、ならびにそれらに含まれる参照文
献に記載されている。これらの特許は本明細書にその全文が参照により組み入れ
られる。また、Nisonhoffら, 1960, Arch. Biochem., Biophys, 89:230, Porter
1959, Biochem. J.73:119;Edelmanら, 1967, Methods in Enzymology, Vol.1,
422頁(Academic Press);およびColiganら, 2.8.1〜2.8.10節および2.10.1〜2.
10.4節も参照されたい。
【0050】 重鎖を分離して1価の軽鎖-重鎖フラグメントを作るなどの、抗体を切断する
他の方法、フラグメントのさらなる切断、または他の酵素的、化学的もしくは遺
伝子工学的技術も、該フラグメントが完全な形の抗体により認識される抗原と結
合する限りにおいて使うことができる。
【0051】 例えば、FvフラグメントはVHおよびVL鎖の会合を含んでなる。この会合は、In
barら, 1972, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 69:2659に記載されるように非共有
結合である。あるいは、可変鎖は分子間ジスルフィド結合による連結、またはグ
ルタルアルデヒドのような化学薬品による架橋が可能である。例えば、Sandhu(
前掲)を参照すること。好ましくは、Fvフラグメントはペプチドリンカーにより
連結されたVHおよびVL鎖を含んでなる。これらの1本鎖抗原結合タンパク質(sF
v)は、オリゴヌクレオチドにより連結されたVHおよびVLドメインをコードするD
NA配列を含んでなる構造遺伝子を構築することによって調製する。該構造遺伝子
を発現ベクター中に挿入し、続いて該ベクターを大腸菌(E.coli)のような宿主細
胞中に導入する。該組換え宿主細胞は、2つのVドメインを架橋するリンカーペ
プチドをもつ1本のポリペプチド鎖を合成する。sFvを作る方法は、例えば、Whi
tlowら, 1991, Methods: a Companion to Methods in Enzymology, Vol.2, 97頁
;Birdら, 1988, Science 242:423〜426;Ladnerら, 米国特許第4,946,778号;P
ackら, 1993, Bio/Technology 11:1271〜77;およびSandhu(前掲)に記載され
ている。
【0052】 抗体フラグメントのもう一つの形態は、1つの相補性決定領域(CDR)をコー
ドするペプチドである。CDRペプチド(「最小認識単位」)は、目的の抗体のCDR
をコードする遺伝子を構築することにより得ることができる。このような遺伝子
は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を使って抗体産生細胞のRNAから該可変部を
合成することにより調製する。例えば、Larrickら, 1991, Methods:a Companion
to Methods in Enzymology, Vol.2, 106頁を参照すること。
【0053】 本発明のRKNポリペプチドと結合する抗体は、目的の小さいペプチドを免疫抗
原として含有する完全な形のポリペプチドまたは断片を使って調製することがで
きる。動物の免疫に使うポリペプチドまたはペプチドは、翻訳したcDNAからまた
は化学合成によって得ることができ、もし所望であれば担体タンパク質とコンジ
ュゲートすることができる。化学的にペプチドと結合している、このような一般
的に使われる担体は、キーホール・リンペット・ヘモシアニン(keyhole limpet
hemocyanin)(KLH)、サイログロブリン、ウシ血清アルブミン(BSA)、およ
び破傷風トキソイドを含む。その後、係る結合したペプチドを使って動物(マウ
ス、ラット、またはウサギ)を免疫感作する。
【0054】 もし所望であれば、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体は、例えば、抗
体を産生させるのに用いたポリペプチドまたはペプチドが結合しているマトリッ
クスに結合させ、溶出することによって、さらに精製することができる。当業者
は、ポリクローナル抗体ならびにモノクローナル抗体の精製および/または濃縮
のための、免疫学技術において一般的な様々な技術に精通しているであろう(例
えば、参照により組み入れられる、Coliganら, 1991, Unit 9, Current Protoco
ls in Immunology, Wiley Interscienceを参照すること)。
【0055】 また、エピトープを模倣するモノクローナル抗体を作製するために、抗イディ
オタイプ技術を利用することも可能である。例えば、第1モノクローナル抗体に
対して作られた抗イディオタイプモノクローナル抗体は、第1モノクローナル抗
体が結合するエピトープの「イメージ」である超可変部に結合ドメインを有する
であろう。
【0056】遺伝子工学的に改変された植物およびその作製の方法 他の実施様態においては、本発明は、遺伝子工学的に改変されてない植物(例
えば、野生型)と比較して収率が増加していることを特徴とする遺伝子工学的に
改変された植物を作製する方法を提供する。用語「収率」または「植物収率」は、
増加した作物成長、および/または増加したバイオマスを意味する。好ましい実
施様態においては、収率の増加は、成長率の増加および根のサイズの増大によっ
てもたらされる。他の実施様態においては、収率の増加は、シュートの成長に由
来する。本発明の方法は、少なくとも1つのRKNをコードしかつプロモーターと
機能しうる形で連結されている核酸配列を植物細胞中に導入して形質転換した植
物細胞を取得し、RKNポリペプチドの発現が可能な条件下で、形質転換した植物
細胞から植物を作製し、その後、収率の増加を示す植物を選択するステップを含
んでなる。該植物は単子葉植物または双子葉植物のいずれであってもよい。単子
葉植物の例は限定されるものでないが、アスパラガス、トウモロコシ(fieldお
よびsweet corn)、オオムギ、コムギ、コメ(例えばJaponicaまたはIndica)、
モロコシ、タマネギ、キビ(pearl millet)、ライムギおよびオートムギを含む
。双子葉植物の例は、限定されるものでないが、トマト、タバコ、ワタ、アブラ
ナ、マメ(field beans)、ダイズ、ジャガイモ、ブドウ、イチゴ、ペッパー(p
epper)、レタス、エンドウマメ、アルファルファ、クローバ、アブラナ科作物
類もしくはBrassica oleracea(例えば、キャベツ、ブロッコリ、カリフラワ、
コモチキャベツ(brussel sprouts))、ダイコン、ニンジン、ビート、ナス、
ホウレンソウ、キュウリ、西洋カボチャ(squash)、メロン、カンタループ、ヒ
マワリ、および様々な鑑賞用植物を含む。樹木種は、ポプラ、マツ、セコイア、
スギ、ナラ等を含む。
【0057】 本明細書に使われる用語「遺伝子工学的改変」は、1以上の異種核酸配列を1以
上の植物細胞に導入して、生殖適性を有する、生存可能な植物を提供することを
意味する。本明細書に使われる用語「遺伝子工学的に改変された」は、以上のプロ
セスを通じて作製された植物を意味する。本発明の遺伝子工学的に改変された植
物は、自家受粉または同じ種の他の植物との他家受粉が可能であり、外来遺伝子
は生殖系列に組み込まれて、農業的に有用な植物品種に挿入され、または育種さ
れることができる。本明細書に使われる用語「植物細胞」は、プロトプラスト、生
殖体産生細胞、および完全な植物体に再生する細胞を意味する。従って、完全な
植物体に再生する能力のある多重な植物細胞を含んでなる種子は、「植物細胞」
の定義に含まれる。
【0058】 本明細書で用いるように、「植物」という用語は、例えば植物全体、植物の部
分、植物細胞または植物組織のような植物細胞群の何れかを指す。苗木もまた「
植物」の意味に包含される。本発明に包含される植物は、形質転換技術を施すこ
とが可能な全ての植物、例えば被子植物、裸子植物、単子葉植物および双子葉植
物である。
【0059】 「異種核酸配列」という用語は、上記で定義した。関心のある全ての核酸配列
を本発明で用いることができる。例えば、この用語は、宿主の種内で生成する核
酸を包含し、このような配列は宿主において天然または野生型のプロモーターと
は異なるプロモーターに操作可能に結合される。本発明の広い方法において、R
KNポリペプチドをコードする少なくとも一つの核酸配列が、好適なプロモータ
ーと結合される。上昇したRKN発現のためには、RKNポリヌクレオチドの二
つ以上のコピーを植物中に導入することが望ましい場合がある。例えば、複数コ
ピーの遺伝子は、植物中でのRKNポリペプチドの生成を増大させる効果を有し
、より大きな根の生長を可能にするであろう。
【0060】 本発明の遺伝子的に改変された植物は、RKNをコードする少なくとも一つの
核酸配列を含むベクターを、植物細胞中に導入することにより作出される。効果
的であるためには、一旦植物中に導入されたならば、RKN核酸配列は、植物細
胞中でRKNの転写を引き起こすのに有効なプロモーターと操作可能に結合され
なければならない。加えて、植物細胞中でも認識されるポリアデニル化配列また
は転写制御配列も、同様に採用することができる。挿入されるべき核酸配列を担
持するベクターはまた、一つまたはそれ以上の選択可能なマーカー遺伝子を含有
し、従って本明細書で説明するように、培養物中の形質転換されなかった細胞か
ら形質転換された細胞を選択できるようにすることが好ましい。
【0061】 本発明におけるRKNポリヌクレオチドの発現は、いくつかのプロモーターに
より誘導できる。RKNの内因性または天然のプロモーターを遺伝子の転写調節
のために利用することができるか、あるいは外来の調節配列である異種プロモー
ターを利用することができる。植物発現ベクターに関して、好適なウイルス性プ
ロモーターとしては、CaMVの35S RNAおよび19S RNAプロモータ
ー(Brissonら、1984, Nature, 310:511; Odellら、1985, Nature, 313:810);フ
ィグウオルト(Figwort)モザイクウィルス(FMV)からの完全長転写プロモー
ター(Gowdaら、1989, J, Cell Biochem, 13D:301)およびTMVに対するコート
タンパク質プロモーター(Takamatsuら、1987, EMBO J. 6:307) が挙げられる。
あるいは、リブロースビスリン酸カルボキシラーゼの小さいサブユニット(ss
RUBISCO)からの光誘導性プロモーター(Coruzziら、1984, EMBO J. 3:16
71; Broglieら、1984, Science, 224:838)のような植物プロモーター;マンノピ
ン(mannopine)シンターゼプロモーター(Veltenら、1984, EMBO J. 3:2723);ノ
パリン(nopaline)シンターゼ(NOS)およびオクトピンシンターゼ(0CS)
プロモーター(アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefac
iens)の腫瘍誘導性プラスミド上に担持されている)、または熱ショックプロモ
ーター、例えば大豆hsp17.5-Eまたはhsp17.3-B(Gurleyら、1986, Mol. Cell. Bi
ol., 6:559; Severinら、 1990, Plant Mol. Biol. 15:827)を用いてもよい。
【0062】 本発明において有用なプロモーターとしては、天然の構成的および誘導的なプ
ロモーターの双方、ならびに遺伝子工学的に操作されたプロモーターが挙げられ
る。CaMVプロモーターは構成的プロモーターの例である。最も有用であるた
めには、誘導的プロモーターは、1)インデューサーの非存在下で低い発現を与
え、2)インデューサーの存在下で高い発現を与え、3)植物の正常な生理機能
を妨げない誘導機構を使用し、4)他の遺伝子の発現に影響を与えないべきであ
る。植物に有用な誘導的プロモーターの例としては、化学的手段で誘導されるも
の、例えば銅イオンで活性化される酵母メタロチオネインプロモーター(Mettら
、1993, Proc. Natal. Acad. Sci., U.S.A., 90:4567);置換ベンゼンスルホン
アミドにより活性化されるIn2-1およびIn2-2レギュレーター配列、例えば除草剤
の毒性緩和剤(Hersheyら、1991, Plant Mol. Biol., 17:679);およびグルココ
ルチコイドにより誘導されるGRE調節配列(Schenaら、1991, Proc. Natal. Ac
ad. Sci., U.S.A., 88:10421)が挙げられる。他の構成的および誘導的プロモー
ターは双方とも当業者に公知であろう。
【0063】 選択された特定のプロモーターは、有効量の構造遺伝子産物、例えばRKNポ
リペプチドの生成をもたらすのに充分な発現を引き起こし、植物バイオマスの増
加、それ故に収率の増加を生じさせることができるべきである。本発明のベクタ
ー構築物に用いられるプロモーターは、必要に応じて、それらの制御特性に影響
を与えるように改変されていてもよい。
【0064】 組織特異的プロモーターもまた、本発明に利用することができる。組織特異的
プロモーターの一例は、苗条分裂組織中で活性なプロモーターである(Atanassov
aら、1992, Plant J., 2:291)。トランスジェニック植物に有用な他の組織特異
的プロモーター、例えばcdc2aプロモーターおよびcyc07プロモーターは、当業者
に公知であろう(例えばItoら、 1994, Plant Mol. Biol., 24:863; Martinezら
、1992, Proc. Natal. Acad. Sci. USA, 89:7360; Medfordら、 1991, Plant Ce
ll, 3:359; Teradaら、 1993, Plant Journal, 3:241; Wissenbachら、 1993, P
lant Journal, 4:411参照)。発現を特定の植物部分に制限するか、または特定
の刺激に応答して制限するプロモーター(例えばパタチンプロモーターまたはA
DPグルコースピロホスホリラーゼの大きいまたは小さいサブユニットのための
プロモーター)が知られている。発現を制限するこれらのプロモーター、例えば
発現を根に向けるものは、RKNと操作可能に結合させて、発現を主として塊茎
に向けることができるであろう。本発明に有用なこのような多くの植物部分特異
的プロモーターは、当業者に公知であろう。
【0065】 本発明の核酸構築物に用いられるプロモーターは、必要に応じて、それらの制
御特性に影響を与えるように改変することができる。例えばCaMV 35Sプ
ロモーターは、光の非存在下でssRUBISCOの発現を示すssRUBIS
CO遺伝子の一部に連結させて、葉では活性であるが根では不活性であるプロモ
ーターを作製することができる。得られたキメラプロモーターは本明細書で説明
するように用いることができる。従って、この説明の目的で、「CaMV 35
S」プロモーターという表現は、CaMV 35Sプロモーターの変異体、例え
ばオペレーター領域との連結、ランダムなまたは制御された突然変異誘発などの
手段で誘導されたプロモーターを包含する。さらに、該プロモーターは、遺伝子
発現の上昇を助けるために複数の「エンハンサー配列」を含有するように変更さ
れていてもよい。
【0066】 あるいは、利用されるプロモーターは、真菌感染のような病気に応答してRK
Nの特異的発現をもたらすように選択することができる。真菌病原体による植物
の感染は、(1)フェニルアラニンアンモニアリアーゼ、カルコンシンターゼ、
4−クマレートcoAリガーゼおよびクマリン酸4−ヒドロキシラーゼのような
フェニルプロパノイド代謝に関連する酵素、(2)ヒドロキシプロリンに富む糖
タンパク質、グリシンに富むタンパク質およびペルオキシダーゼのような植物細
胞壁を修飾するタンパク質、(3)キチナーゼおよびグルカナーゼのような真菌
細胞壁を分解する酵素、(4)タウマチン様タンパク質、または(5)これまで
に機能が知られていないタンパク質をコードする防御関連または病原関連(PR
)遺伝子を活性化させる。防御関連またはPR遺伝子は多数の植物種から単離さ
れ、特性決定されている。これらの遺伝子のプロモーターは、トランスジェニッ
ク植物が病原体、特にPiのような真菌病原体に攻撃されたときに、このような
植物中でのRKN発現を得るために使用することができる。選択された特定のプ
ロモーターは、RKNの充分な発現を引き起こすことができ、有効量のポリペプ
チドの産生をもたらすべきである。
【0067】 場合により、挿入すべき核酸配列に選択可能なマーカーを結合させることがで
きる。「マーカー」という用語は、上記で定義した。好ましくは、マーカー遺伝
子は抗生物質耐性遺伝子であり、適切な抗生物質を用いて、形質転換されていな
い植物細胞の中から形質転換された植物細胞を選択することができる。好適な選
択可能なマーカーの例としては、アデノシンデアミナーゼ、ジヒドロフォレート
レダクターゼ、ハイグロマイシン−B−ホスホトランスフェラーゼ、チミジンキ
ナーゼ、キサンチン−グアニンホスホ−リボシルトランスフェラーゼおよびアミ
ノ−グリコシド3'−O−ホスホトランスフェラーゼII(カナマイシン、ネオマ
イシンおよびG418耐性)が挙げられる。他の好適なマーカーは当業者に公知
であろう。
【0068】 植物細胞の形質転換のために本発明で採用されるベクターは、プロモーターに
操作可能に結合されたRKNポリペプチドをコードする核酸配列を含む。本発明
に係る形質転換方法を実施するために、最初に好適なベクターを構築し、これを
植物細胞中に適切に導入することが必要である。本明細書で利用されるベクター
の構築に関する詳細は植物遺伝子工学の当業者に公知である。
【0069】 本発明に利用されるRKN核酸配列は、アグロバクテリウム・チューメファシ
エンスのTiプラスミド、根誘発(Ri)プラスミドおよび植物ウイルスベクタ
ーを用いて植物細胞中に導入することができる(このような技術の概説に関して
は、例えばWeissbach & Weissbach, 1988, Methods for Plant Molecular Biolo
gy, Academic Press, NY, Section VIII, pp421-463;およびGrierson & Corey,
1988, Plant Molecular Biology、第2版、Blackie, London, Ch. 7-9およびHor
schら、1985, Science, 227:1229を参照されたい。両者は参照により本明細書に
組み入れられるものとする。)。アグロバクテリウムのTiまたは根誘発(Ri
)プラスミドから誘導された植物形質転換ベクターに加えて、代わりとなる形質
転換方法を利用してもよく、その例としては、リポソーム、エレクトロポレーシ
ョン、遊離核酸取り込みを増加させる化学物質の使用、ウイルスまたは花粉を用
いた形質転換、およびバイオリスティック形質転換の使用が挙げられる。
【0070】 当業者は、RKNポリヌクレオチド配列を比較的無傷の状態で導入するのに適
当なベクターを選択することができるであろう。従って、導入された核酸配列を
担持する植物を作出させる如何なるベクターであっても充分であろう。裸の核酸
小片を使用したとしても、効率は低いが、本発明の特性を賦与することが期待さ
れるであろう。ベクターの選択、またはベクターを使用するかどうかは、典型的
には選択される形質転換方法によって導かれる。
【0071】 本発明に係る植物の形質転換は、植物分子生物学の当業者に公知の様々な方法
のうちの本質的に何れによっても行うことができる(例えばMethods of Enzymol
ogy, Vol. 153,1987, WuおよびGrossman(編)、Academic Press参照、これは参照
により本明細書に組み入れられるものとする)。本明細書で用いられるように、
「形質転換」という用語は、RKN核酸配列の導入により宿主植物の遺伝子型を
変更することを意味する。
【0072】 例えばRKN核酸配列は、上記で簡単に述べたようにTiプラスミドを含有す
るアグロバクテリウム・チューメファシエンスを利用して植物細胞内に導入する
ことができる。形質転換ビヒクルとしてA. チューメファシエンス培養物を用い
る際に、アグロバクテリウムの非腫瘍形成性株をベクター担体として用い、従っ
て形質転換された組織の正常な非腫瘍形成性の識別を可能にすることが有利であ
る。また、アグロバクテリウムはバイナリーTiプラスミド系を担持していること
も好ましい。このようなバイナリー系は、1)トランスファー核酸(T−DNA
)を植物中に導入するために必須である毒性領域を有する第一のTiプラスミド
、および2)キメラプラスミドを含む。後者は、転移されるべき核酸に隣接する
野生型TiプラスミドのT−DNA領域の少なくとも一つの境界領域を含有する
。バイナリーTiプラスミド系は、植物細胞を形質転換するのに有効であること
が示されている(De Framond, 1983, Biotechnology, 1:262; Hoekema, et al.,
1983, Nature, 303:179)。このようなバイナリー系は、より古い方法であるアグ
ロバクテリウムのTiプラスミドへの組み込みを必要としないので好ましい。
【0073】 本発明に係る形質転換におけるアグロバクテリウムの使用を包含する方法とし
ては、1)アグロバクテリウムと培養単離プロトプラストとの共培養;2)アグ
ロバクテリウムを用いた植物細胞または組織の形質転換;または3)アグロバク
テリウムを用いた種子、頂端部または分裂組織の形質転換が挙げられるか、これ
らに限定されるものではない。
【0074】 加えて、遺伝子の転移は、Bechtoldら(1993, C.R. Acad. Sci. Paris, 316:11
94)によって説明され、本明細書の実施例において例示されたように、アグロバ
クテリウムによるインプランタ形質転換によって行うことができる。このアプロ
ーチは、アグロバクテリウム細胞の懸濁液の真空浸潤または浸液に基づいている
【0075】 RKNポリヌクレオチドを植物細胞中に導入するための好ましい方法は、この
ような植物細胞、外植片、分裂組織または種子を、上記のような形質転換された
アグロバクテリウム・ツメファシエンスに感染させることである。この技術分野
で公知の適当な条件下において、形質転換植物細胞を生長させて、苗条、根を形
成させ、そして植物にまでさらに発育させる。
【0076】 あるいは、機械的または化学的手段を用いてRKNポリヌクレオチドを植物細
胞中に導入することができる。例えば核酸は、マイクロピペットを用いたマイク
ロインジェクションにより植物細胞中に機械的に転移させることができる。ある
いは核酸は、細胞により取り込まれる遺伝子材料との沈殿複合体を形成するポリ
エチレングリコールを用いることにより植物細胞中に転移させることができる。
【0077】 RKNポリヌクレオチドはまた、エレクトロポレーションにより植物細胞中に
導入することもできる(Frommら、1985, Proc. Natal. Acad. Sci., U.S.A., 82:
5824、これは参照により本明細書に組み入れられるものとする)。この技術にお
いて、植物プロトプラストは、関連する核酸配列を含有するベクターまたは核酸
の存在下でエレクトロポレーションされる。高い電界強度の電気的インパルスは
、膜を可逆的に透過できるようにし、核酸の導入を可能にする。エレクトロポレ
ート処理された植物プロトプラストは細胞壁を再形成し、分割し、植物カルスを
形成する。形質転換遺伝子を有する形質転換植物細胞の選択は、本明細書で説明
したように表現型マーカーを用いて行うことができる。
【0078】 RKNポリヌクレオチドを植物細胞中に導入するための別の方法は、導入され
るべき核酸を有する小粒子(核酸はこのような粒子のマトリックス内またはその
表面上の何れかに含有されている)による高速弾道貫通法である(Kleinら、1987
, Nature 327:70)。ボンバードメント(bombardment)形質転換法もまた、Sanford
ら(1991, Techniques 3:3-16)およびKleinら(1992, Bio/Techniques 10:286)に
記載されている。典型的には新たな核酸配列の一つの導入だけが必要であるが、
この方法は特に複数の導入のためにも提供される。
【0079】 カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)もまた、植物細胞中に核酸を導入
するためのベクターとして用いることができる(米国特許第4,407,956号)。C
aMVウイルス核酸ゲノムは、細菌中で増殖させることのできる組換え核酸分子
を生じさせる親細菌プラスミド中に挿入される。クローニングの後、組換えプラ
スミドを再びクローニングし、望ましい核酸配列(例えばRKN配列)の導入に
よりさらに改変してもよい。次いで組換えプラスミドの改変されたウイルス部分
が親細菌プラスミドから切り出され、植物細胞または植物に接種するために用い
られる。
【0080】 本明細書で用いられるように、「接触」という用語は、植物細胞中にRKNを
導入する全ての手段を指し、例えば上記のような化学的および物理的な手段が挙
げられる。好ましくは接触は、上記のようなRKNをコードする核酸で形質転換
されたアグロバクテリウム・ツメファシエンスを介して、核酸またはベクターを
植物細胞(例えば、外植片、分裂組織または種子)中に導入することを指す。
【0081】 通常、形質転換された植物細胞は再生され、形質転換プロセスから全植物体を
得る。形質転換の直接産物は、「トランスジェノート(transgenote)」と呼ばれ
る。ここで用いられる「成長」または「再生」という用語は、植物細胞、植物細
胞の一群、植物部分(種子を含む)、または植物小片(例えばプロトプラスト、
カルスまたは組織部分)から全植物体を成長させることを意味する。
【0082】 プロトプラストからの再生は種間で異なるが、一般的にこのプロセスは最初に
プロトプラストの懸濁液を供給することによって開始される。ある種においては
、植物の形成はプロトプラスト懸濁液から誘導することができ、次いで成熟させ
、天然植物として発芽させる。その培地は一般的に、成長および再生に必要な種
々のアミノ酸およびホルモンを含有するであろう。利用されるホルモンの例とし
ては、オーキシンおよびサイトカイニンが挙げられる。培地にグルタミン酸およ
びプロリンを添加することが、特にトウモロコシおよびアルファルファのような
植物種にとって有利な場合がある。効果的な再生は、培地、遺伝子型、および培
養歴に依存するであろう。これらの変動要素を制御するならば、再生は再現可能
である。
【0083】 再生は植物のカルス、外植片、器官または部分からも生じる。形質転換は、器
官または植物部分の再生に関連して行うことができる(Methods in Enzymology,
1987, Vol. 118およびKleeら, 1987, Annual Review of Plant Physiology. 36
:467参照)。Horschら, 1985, Science, 227:1229の、葉のディスク−形質転換
−再生方法を利用する場合、ディスクを選択培地上で培養し、次いで約2−4週
間でシュートを形成させる。成長するシュートをカルスから切り取り、適当な根
誘導性選択培地に移植する。発根した植物小片は、根が生じた後できるだけ早く
土壌に移植する。該植物小片は成熟に達するまで必要に応じて植え替えを行って
良い。
【0084】 栄養繁殖性の作物においては、成熟したトランスジェニック植物は、複数の同
一植物を作出するために、切断物または組織培養技術の利用により繁殖させる。
望ましいトランスジェノートの選択を行い、新種を得て、商業的使用のために栄
養繁殖させる。種子繁殖性作物においては、成熟したトランスジェニック植物を
自家交雑させてホモ接合体の同系繁殖植物を作出する。得られた同系繁殖植物は
、新たに導入された外来遺伝子を含有する種子を産生する。これらの種子を成長
させて、選択された表現型、例えば増加した収穫量を生ずる植物を作ることがで
きる。
【0085】 花、種子、葉、枝、根、果実等のような再生された植物から得られる部分は、
これらの部分が上記のように形質転換された細胞を含むならば、本発明に包含さ
れる。再生された植物の子孫および変種、および突然変異体もまた、これらの部
分が導入された核酸配列を含むならば、本発明の範囲に包含される。
【0086】 野生型植物と比較して増加した収穫量を示す植物は、目視観察により選択する
ことができる。本発明の好ましい実施態様において、増加した収穫量は増加した
根形成の結果である。この増加した根形成は、砂漠状態のような乾燥した不毛の
地域、または干ばつ状態下の地域のような水の供給が制限されている地域での成
長にとって特に重要である。本発明は、本発明の方法により作出した植物、なら
びに植物組織および種子を包含する。
【0087】 また別の実施態様において、本発明は、野生型の植物と比較して増加した収穫
量を有することを特徴とする遺伝子改変植物を作出する方法を提供する。この方
法は、RKNポリペプチドをコードする少なくとも一つの核酸配列を植物細胞中
に導入して、形質転換された植物細胞を得ること;形質転換された植物細胞をR
KNポリペプチドの発現を可能にする条件下で成長させて、増加した収穫量を有
する植物を得ることを含む。環境条件およびプロモーター誘導条件のような条件
は、種間で異なるが、種内では同一であるべきである。
【0088】 別の態様において、本発明は、感受性植物を、RKNプロモーター誘導量のR
KN遺伝子発現を誘導する作用物質と接触させることにより、増加した収穫量を
有することを特徴とする植物を作出する方法を提供する。この方法において、R
KN遺伝子発現の誘導により、その作用物質と接触させていない植物と比較して
増加した収穫量を有する植物が作出される。
【0089】 「感受性植物」は、その内在性RKN遺伝子を利用して増加した収穫量を得る
ように誘導され得る植物を指す。「プロモーター誘導量」という用語は、作用物
質と接触させていない植物細胞中でのRKN発現を上回るようにRKN遺伝子発
現を高めるのに必要な該作用物質の量を指す。例えば、転写因子または化学物質
を用いて、RKN天然プロモーターからの遺伝子発現を高めることができる。あ
るいはRKNプロモーターは誘導に対して感受性のある異種プロモーターであっ
てもよい。本発明の方法では、内在性RKNプロモーターまたは組み換え作製さ
れたRKNプロモーターを含む細胞を接触させることを想定している。
【0090】 別の実施態様において、本発明は、目的の遺伝子産物をコードする少なくとも
一つの核酸配列を植物細胞中に導入して、形質転換された植物細胞を得ることに
より、遺伝子非改変植物(例えば野生型植物)と比較して、その根において目的
の遺伝子産物の発現が増加していることを特徴とする遺伝子改変植物を作出する
方法を提供する。この方法において、目的の核酸配列はRKN発現制御配列と作
動可能に連結される。形質転換された植物細胞から、該植物の根において目的の
遺伝子産物の発現を可能にする条件下で植物を作ることができる。
【0091】 「目的の遺伝子産物」は上記で定義した。目的の遺伝子産物としては、病原体
に対する抵抗性を与えるポリペプチドが挙げられるが、これに限定されるもので
はない。「病原体」は、特定の生物学的原因物質である。植物病原体としては、
バクテリア、ウイルス、菌類、線虫および昆虫が挙げられる。病原体に対する抵
抗性を与える物質の例は、バクテリアに対する抵抗性を与える抗生物質、または
菌類に対する抵抗性を与える抗菌剤が挙げられる。植物の病原性物質に対する抵
抗性を与える目的の好適な遺伝子は、当業者に周知である。本発明に用いる遺伝
子の例は、種々の菌類、卵菌類およびバクテリアである病原体の増殖を阻害する
MiAMP (Marcus, J.P.ら, 1997, Eur. J. Biochem. 244:743-9);バクテリア感染
に対する抵抗性を与えうるNramp またはOsNramp1 (Belouchi, A.ら, 1995, Plan
t Mol. Biol. 29:1181-1196);トマトにおいてシュードモナス・シリンガエ(Pse
udomonas syringae)に対する抵抗性を与えるPto (Martin, G.G.ら, 1993, Scien
ce 262:1432-1436);および植物ウイルスPVS、PVXおよびPVYに対する
抵抗性を与えるラット2-5A シンセターゼ(Truve, E.ら, 1994, Arch. Virol. Su
ppl. 9:41-50)がある。場合により、選択可能のマーカーを挿入されるべき核酸
配列に結合させてもよい。
【0092】 上記の開示は本発明を一般的に説明している。より完全な理解は、以下の特定
の実施例を参照することにより得ることができるが、これらの実施例は説明の目
的でのみ本明細書に提供されており、決して本発明の範囲を限定するものではな
い。
【0093】実施例 実施例1 RKN遺伝子のクローニング 1. イネBACライブラリースクリーニング RKN遺伝子のクローニングのために用いたクローニング方法は、図1に示さ
れている。イネBACライブラリーをスクリーニングするためのプローブとして
、9つの不完全LPRを含むイネcDNAクローンの1130bp断片を用いた(親切
にもDepartment of Plant Pathology, University of California, DavisのTom
Holstenにより提供された(説明についてはWangら, 1995参照))。BACスクリ
ーニングのために用いたハイブリダイゼーションの条件は、本明細書にまとめた
提供者のプロトコルに従った。メッシュスクリーンにより分離した10片の膜を
、100mlのプレハイブリダイゼーション溶液(7% SDS, 0.5 Na2PO4, pH=7.2,
1mM EDTA)中で65℃で少なくとも2時間プレハイブリダイズさせた。ランダム
標識を用いてプローブを調製し、変性させ、上記溶液に加えた。ハイブリダイゼ
ーションは65℃で一夜行った。ハイブリダイズした膜を500mlの洗浄溶液
(40mM Na2PO4, pH=7.2, 0.1% SDS)中で室温で簡単にすすぎ、次いで65℃で1
0−20分間洗浄した。その膜をX線フィルムに曝露した。次いで陽性と同定さ
れたコロニーをUniversity of California, Davisから取り寄せた。
【0094】2. BACクローンからのRKN遺伝子クローニングおよび配列決定 この技術分野でルーチンな手法(Maniatis, 1989参照)を用いて、BACクロ
ーンからプラスミドを調製した。プラスミドDNAを単離し、幾つかの異なる制
限酵素を用いて制限消化を行った。得られた生成物をアガロースゲル電気泳動に
より分離し、cLRRプローブにハイブリダイズさせた(サザンブロット分析)
。プローブとハイブリダイズした重複バンドを単離し、pBluescript KS(-)ベク
ター(Strategene, La Jolla, CA)中にクローニングした。サブクローニングは、
cLRRプローブを用いたサザンブロット分析により確認した。3.5kp BamHI断
片および5.0kb HindIII断片を最終的に単離し、BACクローンからpBluescript
KS(-)中にサブクローニングした。これら二つの断片を、ネスティッド欠失のセ
ットの作成(Ausubelら, 1987)、または合成オリゴヌクレオチドウオーキングの
何れかにより順番に並べて、それらの誘導体クローンの末端配列を、DNA配列
決定キットバージョン2.0 (USB Corporation, Cleveland, OH)を用いたジデオキ
シ鎖停止法(Sangerら, 1977; Del Salら, 1989)により決定した。一次配列決定
データを、LaserGeneプログラム(DNASTAR Inc., Madison, WI)を用いて解析した
。RKN遺伝子のポリヌクレオチド配列(配列番号1)は、図2に示されている。
推定されたアミノ酸配列(配列番号2)は、図4に示されている。データベース検
索は、BLASTプログラム(Altschulら,1990)によりU.S. National Center for Bio
technology Information を使用して行い、周辺領域および膜範囲領域であり得
るアミノ酸配列(図3および5)の解析にALOM (Kleinら, 1995)を用いた。相同
タンパク質も同定した(図6および7)。
【0095】結果 1. RKN遺伝子の単離および配列決定 9つの不完全LRRを含有するイネcDNAクローンの1130bp断片をプローブ
として用いて、U.C. DavisからのイネBACライブラリー(Wangら, 1995)をス
クリーニングし、125kbの平均DNA挿入サイズを有する5つの陽性BACクロ
ーンを単離した。このプローブはさらに、EcoRI、BamHI、HindIIIおよびNotIに
より消化した5つのBACクローンのサザンブロット分析に用いた。該プローブ
にハイブリダイズしたバンドに相当する幾つかの断片を単離し、サブクローニン
グし、配列決定した。DNA配列決定分析は、4804 bp HindIII断片が、RKN
遺伝子と名づけた新規の富ロイシン反復配列受容体キナーゼ様タンパク質をコー
ドすることを示した。このRKN遺伝子は、2979 塩基対の単一の大きなオープ
ンリーディングフレームを有するが(図2)、それは243塩基対の一つのイント
ロンによって中断されており、105.4 kDaの推定分子量を有する993 アミノ酸の
ポリペプチドをコードする。前記遺伝子は1196 bpの5’非翻訳領域および386 b
pの3’非翻訳領域を含有している。
【0096】2. RKNは、植物における種々の受容体プロテインキナーゼに類似した、推定
上の富ロイシン反復配列/受容体プロテインキナーゼをコードする RKN遺伝子の推定993アミノ酸配列(図4)は、富ロイシン反復配列(LR
R)受容体キナーゼと呼ばれるタンパク質のファミリーの典型的な構造を示した
(図3)。それは、おそらく新たに合成されたポリペプチドをER膜内に移動さ
せる(van Heijne, 1990)シグナルペプチドとして機能する23-アミノ酸の疎水性
セグメントを有し、またその後に続くホモ−またはヘテロ二量体の形成に関連す
るであろう43-アミノ酸を有する。アミノ酸75-615は主たる細胞外ドメインを構
成し、これは保存的に隔てられたシステインの対に隣接した10の潜在的N-グリ
コシル化部位(N-X-T/S)を有する24-アミノ酸の富ロイシン反復配列(LRR)の
22の不完全コピーを含有していた。また、RKN遺伝子には、荷電アミノ酸に
富んだ二つの停止−転移配列に隣接した推定上の膜貫通ドメイン(アミノ酸619-
636)も存在する。アミノ酸660-993によってコードされた配列は、推定上の細胞
内プロテインキナーゼ触媒ドメインを含有する。この領域は、殆ど全ての真核生
物プロテインキナーゼに存在する11のサブドメインの全て、および全ての不変
アミノ酸残基を含有する。サブドメインVI中のHRDIKPSNおよびサブドメインVIII
中のGSCGYIAPEの配列は、チロシンキナーゼよりはむしろセリン/スレオニンキ
ナーゼとして機能することを強く示すものである(Hanks および Quinn, 1991)。
【0097】3. RKNはイネにおける単一コピー遺伝子である LRR20−22、膜貫通ドメインおよびキナーゼサブドメインI-VIIIを含む
RKN由来の1.15 kb BamHI/XbaI DNA断片(アミノ酸528-874)を単離し、イ
ネゲノム中のRKN遺伝子のコピー数を決定するためのプローブとして用いた。
Taipei 309 のイネゲノムを、4つの異なる制限酵素(HindIII、XbaI、EcoRIお
よびBamHI)で消化し、高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下
でプローブとのサザンブロットを行った。各レーンには一本のバンドだけが検出
された。この一本のバンドはHindIIIで消化されたレーンにおいて4.8 kbサイズ
で正確に出現した。これはRKNの推定上のサイズと一致する。他方の三つの制
限酵素のうちの一つの制限部位は、RKN遺伝子中に存在していた。サザンブロ
ットの結果は、RKN遺伝子がイネゲノムにおいて単一コピーとして存在するこ
とを示唆している。
【0098】実施例2 RKNは機能性セリン/トレオニンプロテインキナーゼである 方法 1.突然変異体の作製 この実験で使用する方法は、Sambrookら(1989)により記載のプロトコールおよ
びQun Zhu(1995)による変法に基づいて実施した。簡単に説明すると、標的断片
をpBluescript(KS−)中にクローニングし、dut-ung-大腸菌RZ1032株(Quantum
Biotechnologies Inc., Quebec, Canada)中に形質転換して一本鎖DNAを作製し
た。適切な突然変異体を含むリン酸化オリゴヌクレオチドは、T4 DNAポリメラー
ゼを使用して該一本鎖DNAとアニーリングを行って第2鎖DNAを合成し、そしてギ
ャップをT4 DNAリガーゼを用いて修復した。突然変異体を含有する構築物を、ヌ
クレオチド配列解析により確認した。
【0099】2.タンパク質発現および精製 RKN遺伝子のキナーゼドメイン全体をコードするDNA断片(イントロンなし)を
、in vitro突然変異誘発法により作製し、ベクターpET-29aのS-TagおよびHis-Ta
g(Novagen, Inc., Madison, WJ)と読み枠を合わせて、EcoRV部位とXhoI部位と
の間にクローニングした。該ベクターには、迅速なアッセイを行うためのN末端
に融合した切断可能なS-Tag配列、および迅速なアフィニティー精製を行うため
のC末端に融合したHis-Tagが含まれる。得られたpETKと呼ばれる融合構築物は、
DNA配列決定により確認し、S-Tag-キナーゼ-His-Tag融合タンパク質の発現のた
めに細菌性BL21(DE3)中に形質転換した。新たにストリークしたプレートから
の一つのコロニーを、適切な抗生物質を含むLB 3ml中に接種し、振とうしながら
30℃で一晩インキュベートした。次に1mlの該一晩培養液を同じ抗生物質を含むL
B 50ml中に移し、インキュベーションを継続した。OD600値が0.4〜1に達した時
点で、IPTGを最終濃度が0.4mMになるよう添加し、インキュベーションをさらに3
〜4時間継続した。この細胞は遠心分離を5000×g、4℃で5分間行って回収し、1m
l当り0.5mgのライソザイムを含有する冷結合バッファー(20mM Tris-HCl, pH=7.
9, 0.5M NaCl, 5mM イミダゾール)の0.2培養容量中に再懸濁した。該細胞を氷
上で30分間、結合バッファー中でインキュベートし、続いて該サンプルをその粘
性がなくなるまで超音波処理した。その溶解物を遠心分離して破砕片を取り除き
、その上清を0.45ミクロンの膜を通して濾過した。続いて可溶性のタンパク質を
、製造業者のプロトコール(pET System manual, Novagen Inc., Madison, WI)
を使用してHis結合樹脂上を泳動させた。結合したタンパク質を溶出バッファー
(20mM Tris-HCl, pH=7.9, 0.5M NaCl, 1M イミダゾール)を用いて溶出し、1ml
アリコートに回収した。粗タンパク質抽出物もしくは精製タンパク質の濃度は、
Bio-Radタンパク質アッセイキットにより測定するか、またはSDS−ポリアクリル
アミドゲル(SDS-PAGE)を実施した。
【0100】3.ウェスタンブロットアッセイ 粗タンパク質もしくは精製タンパク質を、12%SDS-PAGEゲル電気泳動を使用し
て分画し、標準ウェスタンブロッティングプロトコール(Sambrook, 1989)を用
いてPVDF膜上に移行させた。続いてS-Tag融合タンパク質発現を、S-Tag融合タン
パク質に非常に特異的なSプロテインHRPコンジュゲート(Novagen Inc., 製品69
047-1)を使用して分析した。SプロテインHRPコンジュゲートの化学発光検出の
ために、SuperSignal CL-HRP基質キットを製造業者のプロトコール(Novagen In
c.)に従って使用した。
【0101】4.自己リン酸化プロテインキナーゼアッセイ キナーゼ活性分析のための各反応において約1〜5μgのタンパク質を使用した
。キナーゼ活性分析は、30μlの容量のアッセイ混合物(10mM Tris-HCl、pH=7.0
、0.35mM DTT、10mM MgCl2-10μCi-ATPを含む)中で実施した。該混合物を30℃
で30分間インキュベートした。その反応をSDS-PAGEサンプルバッファーの添加に
より停止させ、12%SDS-ポリアクリルアミドゲル中に分画した。続いて放射活性
ゲルをオートラジオグラフィーにかけた。
【0102】結果 RKNが機能性プロテインキナーゼをコードしているかどうか判定するために、
イントロンを含むキナーゼドメイン全体をpBluescript中にクローニングした。
続いてサブドメインVIII内のイントロンを、スプライシング位置で2つのSmaI部
位の挿入により欠失させ、該スプライシング部位を部位特異的突然変異誘発法に
よりさらに突然変異させて、元の配列であるCCAGAGに戻した。最終的に、イント
ロンを含まず11個のサブドメイン全てを含有するキナーゼドメインを、ベクター
pET-29aのEcoRV部位とXhoI部位との間で、S-TagおよびHis-Tagと読み枠を合わせ
て融合し、大腸菌BL21(DE3)中で発現させた。該融合タンパク質は、12%SDS-P
AGEゲル上でSプロテインHRPコンジュゲートにより検出し、41kDaの発現分子量を
有することが判明した。該融合タンパク質をIPTG誘導を行わずに最小レベルで発
現させた。発現レベルは、上記培養液を0.4mMのIPTGの誘導下において室温でイ
ンキュベートした場合には、上昇した。該融合タンパク質をアフィニティー精製
し、その精製タンパク質バンドをクーマシーブルーで染色した12%SDS-PAGEで可
視化した。in vitroキナーゼアッセイにおいて(32P)ATPとの精製融合タンパク質
のインキュベーションを行うことにより、自己リン酸化のバンドが41kDa付近に
現れることが示され、このことは該キナーゼが自己リン酸化能があることを示唆
している。キナーゼアッセイ反応において、Trisバッファーの代わりにNaHPO4
ッファーを使用した場合には、自己リン酸化機能は全くなかった。
【0103】実施例3 トランスジェニック植物における機能分析 方法 1. トランジェニック植物の作製 トランスジェニック植物は、図10に図示した構築物を用いて、図9に示すよう
に作製した。標準的な方法を用いて、トランスジェニック植物が得られた。
【0104】2. GUS活性アッセイ トランスジェニック幼植物の根、茎および葉の組織をGUS抽出バッファー(50 m
M NaPO4 pH=7.0, 10 mM β-メルカプトエタノール, 10 mM Na, EDTA, 0.1% ラウ
リルサルコシンナトリウム, 0.1% Triton X-100)中に別々に抽出した。GUS活性
を、対応するβ-グルクロニドに由来する4−メチルウンベリフェロンの産生を、
Jefferson, R. A. (1987)に記載の発蛍光アッセイプロトコルに従って蛍光定量
することによってアッセイした。タンパク質濃度は、Bradford (1976)に記載の
方法によって測定し、GUS活性は、タンパク質1 mgにつき、1分あたりの産生物量
p molで表した。
【0105】結果 1. 構築物 イネにおけるRKN遺伝子の機能を解析するために、いくつかの構築物を作製し
てTaipei 309を形質転換し、トランスジェニックイネにおけるRKNの機能を調査
した。5'未翻訳領域とN-末端アミノ酸70個および5'未翻訳領域とN-末端アミノ酸
84個を含む2つの断片(-1033〜+373および-1033〜+415)を、それぞれHindIII/Xm
aIおよびHindIII/HincIIによる制限酵素消化によって得た。この2つの断片をp
BI101.3(Jefferson, R. A., 1987)のHindIII/SmaI部位に別々に結合し、インフ
レームRKNプロモーター::GUS遺伝子融合体1および2を得た。この2つのRKNプ
ロモーター::GUS遺伝子融合体を用いて、GUS活性を試験することによって、トラ
ンスジェニックイネにおけるプロモーターの機能を調査した。トランスジェニッ
クイネにおいてRKN遺伝子を過剰発現させるために、CaMV 35Sプロモーターの-90
〜-800のエンハンサー領域を、RKN遺伝子の転写部位の-166上流に位置するBgIII
部位に挿入し、35S::RKN遺伝子融合体を得た。
【0106】2. トランスジェニックイネにおけるRKNプロモーター::Gus融合体活性のアッセ
イネRKN遺伝子の5'-フランキング領域 (-1033〜+373および-1033〜+415)を、
ノパリン合成酵素遺伝子のターミネーターに連結したGUS遺伝子コード領域に結
合させ、RKN遺伝子の発現パターンを特定的に測定した。遺伝子融合体を、ハイ
グロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子を含むプラスミドpMON410ととも
に、生分解法(Method of Enzymology, 1987)を用いてTaipei 309イネゲノムに同
時導入した。pMON410単独でイネゲノムを形質転換したものを対照として用いた
。ハイグロマイシン耐性カルスのいくつかの独立の系が、これらの各形質転換に
おいて再生された。トランスジェニック幼植物の根、茎および葉を別々に抽出し
、GUS活性について定量分析した。結果は、対照とその他2つの遺伝子融合形質転
換体との間の、茎同士および葉同士では、GUS活性において差異がないことを示
した。しかし、図13に示すように、遺伝子融合体2は対照系の6倍のGUS活性を有
し、遺伝子融合体1は対照系の3倍のGUS活性を有し、これはRKN遺伝子が該植物
の根において機能性であることを示唆している。
【0107】3. イネにおける35S::RKN遺伝子の発現パターン RKN遺伝子の転写部位の-166上流に位置するCaMV 35Sプロモーターの-90〜-800
のエンハンサー領域および全RKNコード領域を含む35S::RKN遺伝子融合体をTaipe
i 309イネゲノム中に、pMON410とともに生分解法を用いて導入し、再生させた。
トランスジェニック幼植物および野生型Taipei 309の根、茎および葉に由来する
RNAを抽出し、RKN遺伝子転写産物の蓄積をノーザンブロットアッセイによってモ
ニターした(図11参照)。LRR 20-22、膜貫通ドメインおよびキナーゼサブドメ
インI-VIII(アミノ酸528-874)をカバーするRKNに由来する1.15 kbのBamHI/XbaI
断片を、サザンブロットのために、およびノーザンブロットハイブリダイゼーシ
ョンにおいて用いた。該転写産物は、野生型イネにおいてはほとんど検出されな
かったが、全長3.5 kbのRKN遺伝子転写産物が、35S::RKN トランスジェニックイ
ネから抽出したRNAにおいて見られた。異なる器官(葉、茎および根)に由来するR
KN遺伝子のRNA発現レベルは、35S::RKN トランスジェニックイネではほとんど同
じであった。
【0108】実施例4 転写開始部位および翻訳開始部位 方法 1. プライマー伸長アッセイ 推定の翻訳開始部位ATGの35bp上流のヌクレオチドに相補的な26-merのオリゴ
ヌクレオチドRKN-PE 5' GGAGGAGTCGAAGGGAGGAGATGGCC 3' (配列番号4)を合成し
た。RKN-PEの5'末端を、プライマー伸長分析のために、T4ポリヌクレオチドキナ
ーゼによって32P-ATPで標識した(Sambrookら、1989)。35S::RKN遺伝子融合形質
転換体の幼植物サンプルから調製した全RNA 30 μgを空気乾燥し、7 μlの滅菌T
Eバッファー(10 mM Tris-HCl. pH=8.3, 1 mM EDTA)中に再懸濁した。続いて、1
μlの標識RKN-PEプライマー(約7×10-3 pmol)、2 μlの5×アニーリングバッフ
ァー(10 mM Tris-HCl, pH=8.3, 1 mM EDTA, 1.25 M KCl)を添加した。55℃にて3
0分間アニーリングした後、アニーリング混合物を短時間のマイクロ遠心分離に
かけ、さらに30分間55℃でアニーリングした。第2のアニーリングに続いて、20
mM Tris-HCl, pH=8.3, 10 mM MgCl2, 100 μg/ml アクチノマイシンD, 5 mM DT
T, 0.33 mM dNTPsおよび10ユニットの鳥類骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素(
Life Science, Inc., Florida)を含有する伸長溶液23μlを該混合物に添加した
。37〜39℃にて1時間インキュベートした後、プライマー伸長産物を、0.5M NH4-
アセテートを含む300μlの100% EtOHを用いて沈殿させた。4℃にて15分間のメイ
クロ遠心分離にかけた後、ペレットを70% EtOHで洗浄して、真空乾燥した。乾燥
したペレットを8μlの100%ホルムアミドに十分に再懸濁し、続いて、2μlのロ
ードバッファー(85% ホルムアミド, 10 mM NaOH, 0.05% ブロモフェノールブル
ー, 0.05% キシレンシラノール(xylenc cylanol))と混合した。全サンプルを8%
配列決定用ゲル上に分配した(Sambrookら、1989)。この工程の間、配列決定反応
は、対応するプライマー(オリゴRKN-PE)および鋳型(RKNプラスミド)を用いて塩
基配列決定法によって行い、プライマー伸長(参照として使用)と同時に配列決
定用ゲル上にロードした。放射性の産物をXARフィルム(Kodak)を用いたオートラ
ジオグラフィーによって検出した。
【0109】結果 35S::RKN トランスジェニック幼植物の異なる器官から単離されたRNAを使用し
、プライマー伸長分析によって転写開始部位の決定した。第1ATGの下流69〜42
残基に位置するアンチセンスDNA鎖の配列と同一の26-merのオリゴヌクレオチド
を合成し、プライマー伸長アッセイにおいて使用した。ある主要産物がすべての
サンプルにおいて得られ(長さ100ヌクレオチド)、これは、直列反復配列ATGGCCA
TGGCC (配列番号5)内の第2の「A」の位置に一致した。この位置を+1として指定
した。105 bp離れて、2つの推定の翻訳開始コドン(ATG)が存在した。双方が同
じリーディングフレームにおいて存在し、双方がATG上流の-3 bpの位置にプリン
(G)を有し、このプリンは真核生物における翻訳の開始にとって好ましい要素で
あった(Kozak, 1989)。しかし、疎水性プロットは、第2のATGが翻訳開始コドン
である可能性が最も高いことを示した。なぜなら、第2のATGに由来するNH2末端
が、シグナルペプチドの特徴である23の疎水基をコードするからである(von Hei
jie, 1990)。
【0110】実施例5 35S::RKN遺伝子融合体トランスジェニックイネの表現型:トランスジェニック植
物における根の成長速度の増大 方法 トランスジェニック植物は、上記のようにして得た。乾燥した成熟種子を室温
で水に2〜3日浸し、続いて発芽させるために37℃で一晩インキュベートした。発
芽した種子を、16時間 明所/8時間 暗所のサイクルのもと、28℃の容器内の水
の表面上の膜に移し成長させた。根の長さを1日おきに測定した。
【0111】結果 この実験では粒子ボンバードメント法を使用して、35S::RKN遺伝子融合体を担
持するトランスジェニックイネを作製した。この方法が成功するかどうかは、カ
ルスの再生効率に依存していた。ボンバードメント材料は、選択培地上で、続い
て前再生培地上で成長させ、そして再生培地に移した。一般的に、カルスは再生
培地上にて2〜4週間で再生してシュートを作出し、続いて再生したシュートを1/
2 MS培地(Lim 1993)に移すと根を作出した。
【0112】 35S::RKN遺伝子融合構築物をpMON410とともにイネカルス中に同時形質転換し
、カルスは通常の方法で再生された。pMON単独で形質転換したカルスを対照とし
て使用した。35S::RKN遺伝子融合構築物で形質転換したカルスを再生培地に移す
と、カルスは対照と比べて非常に速く再生した(図12参照)。再生したシュート
は、対照の2〜4週間に比べて、1週間で作出し始めた。さらに、35S::RKN遺伝子
融合体を含むカルスは再生倍地で即座に根を作出し、この根は非常に速く成長し
た。この実験を2回繰り返したところ、表現型は各実験で同一であった。この結
果は、イネのRKN遺伝子の過剰発現により、根の作出およびカルスの再生を増強
できることを示した。
【0113】 本発明は、現在のところ好ましい実施形態を参照して説明したが、本発明の精
神を逸脱することなく種々の改変を施しうることが理解されなければならない。
従って、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、受容体様プロテインキナーゼ(RKN)の単離に用いられるクローニン
グ戦略を説明する図である。
【図2】 図2は、RKN遺伝子のポリヌクレオチド配列(配列番号1)である。
【図3】 図3は、RKN遺伝子の構造および予測されるタンパク質のドメインを示す。
【図4】 図4は、RKNポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号2)である。
【図5】 図5は、RKNタンパク質中のLRRリピートのアラインメントを示す。
【図6】 図6aおよび6bは、RKNと、RKNに相同なタンパク質との間のLRR領域の配列
アラインメントを示す。
【図7】 図7は、RKNの原形質キナーゼドメインと、植物中の他の受容体様プロテイン
キナーゼドメインとの相同性アラインメントを示す。
【図8】 図8は、イネ由来のゲノムDNAのHindIII、XbaI、EcoRIおよびBamHI消化物のサ
ザンブロットを示す。
【図9】 図9は、RKN遺伝子を有するトランスジェニック植物を作出するための戦略を
示す。
【図10】 図10は、トランスジェニック植物の作出に用いられる構築物を示す。
【図11】 図11は、35S::RKN形質転換体の幼植物から抽出されたRNAのノーザンブロッ
トを示す。
【図12】 図12は、35S::RKN形質転換体での根の形成の増大を示す写真である。野生型
植物での根の形成を比較のために示す。
【図13】 図13は、3種の形質転換体系から単離された、根におけるRKNプロモーター:
:GUS融合物活性を示す。
【図14】 図14は、RKNキナーゼの自己リン酸化を示す。
【図15】 図15は、3種の受容体様プロテインキナーゼであるRKN、Xa21、およびBRI1
の比較を示す。シグナルペプチド、システイン対、ロイシンジッパーモチーフ、
膜貫通ドメイン、キナーゼドメイン、および70アミノ酸島状構造(70 amino-aci
d island)の位置を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 9/12 9/12 5/00 A 15/09 ZNA 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (71)出願人 10010 North Torrey Pi nes Road,La Jolla,C alifornia 92037,Unite d States of America (72)発明者 ズ,クン アメリカ合衆国 92122 カルフォルニア 州,サン ディエゴ,デコロ 19番 4158 (72)発明者 ラム,クリストファー,ジェイ. アメリカ合衆国 92122 カルフォルニア 州,サン ディエゴ,フェアリー ドライ ブ 6444 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD06 AD07 CA06 CA17 CA19 CB02 CD02 CD07 CD09 CD14 CD17 4B024 AA08 AA11 BA10 BA63 BA79 CA02 CA07 CA09 DA01 DA05 DA06 EA01 EA04 FA02 FA10 GA11 GA19 GA25 GA27 HA13 HA14 4B050 CC01 CC04 CC05 DD13 FF03E FF14E LL03 LL05 LL10 4B065 AA26X AA88X AA88Y AB01 AC14 BA02 BA16 BA25 BD01 BD14 BD15 BD18 CA29 CA53 4H045 AA11 CA31 DA75 EA50 FA71

Claims (66)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に精製されたRKN受容体様プロテインキナーゼポリペ
    プチド。
  2. 【請求項2】 配列番号2に示されるアミノ酸配列またはその保存的変異体
    を含む、請求項1記載のポリペプチド。
  3. 【請求項3】 配列番号2と少なくとも60%同一であるアミノ酸配列を有す
    る、実質的に精製されたポリペプチド。
  4. 【請求項4】 配列番号2の断片または類似体である、実質的に精製された
    ポリペプチド。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のRKNポリペプチドをコードする、単離された
    ポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 配列番号2に示されるアミノ酸配列をコードする、請求項5
    記載のポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 配列番号1に示される配列またはその縮重変異体を含む、請
    求項6記載のポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 次の配列: a) 配列番号1、 b) TがUであってもよい、配列番号1、 c) 配列番号1に相補的な核酸配列、 d) 配列番号2に示されるRKNをコードするDNAとハイブリダイズする、長さが 少なくとも15塩基の上記a)、b)またはc)の断片、 からなる群より選択される、単離されたポリヌクレオチド。
  9. 【請求項9】 発現制御配列と作動可能に連結されている、請求項5記載の
    ポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 発現制御配列がプロモーターである、請求項9記載のポリ
    ヌクレオチド。
  11. 【請求項11】 プロモーターが組織特異的である、請求項10記載のポリ
    ヌクレオチド。
  12. 【請求項12】 請求項8記載のポリヌクレオチドを含有する発現ベクター
  13. 【請求項13】 選択マーカーをさらに含有する、請求項12記載のベクタ
    ー。
  14. 【請求項14】 前記選択マーカーが抗生物質耐性を賦与する、請求項13
    記載のベクター。
  15. 【請求項15】 ウイルスベクターである、請求項12記載のベクター。
  16. 【請求項16】 プラスミドである、請求項12記載のベクター。
  17. 【請求項17】 前記プラスミドがアグロバクテリウム・ツメファシエンス
    (Agrobacterium tumefaciens)のTiプラスミドである、請求項16記載のベクタ
    ー。
  18. 【請求項18】 前記プラスミドがアグロバクテリウム・ツメファシエンス
    (Agrobacterium tumefaciens)のRiプラスミドである、請求項16記載のベクタ
    ー。
  19. 【請求項19】 請求項12記載のベクターを含有する宿主細胞。
  20. 【請求項20】 請求項1記載のタンパク質と結合するか、または該タンパ
    ク質の抗原性断片と結合する抗体。
  21. 【請求項21】 機能性RKN発現制御配列を含むポリヌクレオチド。
  22. 【請求項22】 前記RKN発現制御配列が配列番号3の配列またはその機能
    性断片を含む、請求項21記載のポリヌクレオチド。
  23. 【請求項23】 前記RKN発現制御配列が配列番号3の配列を含む、請求項
    21記載のポリヌクレオチド。
  24. 【請求項24】 異種タンパク質をコードする核酸配列と作動可能に連結さ
    れた機能性RKN発現制御配列を含むポリヌクレオチド配列。
  25. 【請求項25】 前記異種タンパク質が選択マーカーである、請求項24記
    載のポリヌクレオチド。
  26. 【請求項26】 請求項21記載のポリヌクレオチドを含有する発現ベクタ
    ー。
  27. 【請求項27】 プラスミドである、請求項26記載のベクター。
  28. 【請求項28】 前記プラスミドがアグロバクテリウム・ツメファシエンス
    (Agrobacterium tumefaciens)のTiプラスミドである、請求項27記載のベクタ
    ー。
  29. 【請求項29】 前記プラスミドがアグロバクテリウム・ツメファシエンス
    (Agrobacterium tumefaciens)のRiプラスミドである、請求項27記載のベクタ
    ー。
  30. 【請求項30】 ウイルスベクターである、請求項26記載のベクター。
  31. 【請求項31】 請求項26記載のベクターを含有する宿主細胞。
  32. 【請求項32】 対応する野性型植物と比べて、成長および収穫量が増大し
    ていることを特徴とする遺伝子改変植物の作出方法であって、 a) 植物細胞に、発現制御配列と作動可能に連結されたRKNポリペプチドをコー
    ドする核酸を接触させて、形質転換された植物細胞を取得し、 b) RKNの発現を可能とする条件下で、該形質転換植物細胞から植物を作り、 c) 収穫量の増加を示す植物を選択する、 ことを含んでなる方法。
  33. 【請求項33】 遺伝子改変植物が根の成長の増加を示す、請求項32記載
    の方法。
  34. 【請求項34】 発現制御配列がプロモーターである、請求項32記載の方
    法。
  35. 【請求項35】 前記接触が物理的手段による、請求項32記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記接触が化学的手段による、請求項32記載の方法。
  37. 【請求項37】 植物細胞がプロトプラスト、配偶子産生細胞、および全植
    物体へと再生される細胞からなる群より選択される、請求項32記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記核酸がT-DNA由来ベクター中に含まれる、請求項32
    記載の方法。
  39. 【請求項39】 請求項32記載の方法により作出された植物。
  40. 【請求項40】 請求項32記載の方法により作出された植物に由来する植
    物組織。
  41. 【請求項41】 請求項32記載の方法により作出された植物から得られる
    種子。
  42. 【請求項42】 植物細胞から作出された植物が野性型植物と比べてモジュ
    レートされた収穫量を示すように、該植物細胞を遺伝子改変する方法であって、 a) 請求項5記載のRKNポリヌクレオチドを植物細胞に導入して、形質転換され
    た植物細胞を取得し、 b) 該形質転換植物細胞を受容体様プロテインキナーゼ(RKN)ポリペプチドのモ
    ジュレーションを可能とする条件下で成長させて、モジュレートされた収穫量を
    示す植物を作出する、 ことを含んでなる方法。
  43. 【請求項43】 前記モジュレートされた収穫量が増加した収穫量である、
    請求項42記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記増加した収穫量が植物における受容体様プロテインキ
    ナーゼ(RKN)の発現を増強することにより達成される、請求項43記載の方法。
  45. 【請求項45】 野性型植物と比べて収穫量が増大していることを特徴とす
    る植物の作出方法であって、感受性植物に、薬剤を接触させていない植物におけ
    るRKN発現以上にRKN遺伝子発現を高めるのに必要な、RKNプロモーター誘導量の
    薬剤を接触させることを含んでなる方法。
  46. 【請求項46】 前記薬剤が転写因子である、請求項45記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記薬剤が化学薬剤である、請求項45記載の方法。
  48. 【請求項48】 請求項42記載の方法により作出された植物に由来する植
    物組織。
  49. 【請求項49】 請求項42記載の方法により作出された植物から得られる
    種子。
  50. 【請求項50】 目的の遺伝子産物の発現が、対応する野性型植物と比べて
    、根において増大していることを特徴とする遺伝子改変植物の作出方法であって
    、 a) 植物細胞に、目的の遺伝子産物をコードする領域と作動可能に連結されたR
    KNの発現制御配列を含むポリヌクレオチドを接触させて、形質転換された植物細
    胞を取得し、 b) 該形質転換植物細胞から植物を作り、 c) 目的の遺伝子産物の発現が根において増大している植物を選択する、 ことを含んでなる方法。
  51. 【請求項51】 RKNの発現制御配列がRKNのプロモーターである、請求項5
    0記載の方法。
  52. 【請求項52】 RKNの発現制御配列が配列番号3の配列またはその機能性
    断片を含む、請求項50記載の方法。
  53. 【請求項53】 前記接触が物理的手段による、請求項50記載の方法。
  54. 【請求項54】 前記接触が化学的手段による、請求項50記載の方法。
  55. 【請求項55】 植物細胞がプロトプラスト、配偶子産生細胞、および全植
    物体へと再生される細胞からなる群より選択される、請求項50記載の方法。
  56. 【請求項56】 前記核酸がT-DNA由来ベクター中に含まれる、請求項50
    記載の方法。
  57. 【請求項57】 請求項50記載の方法により作出された植物。
  58. 【請求項58】 請求項50記載の方法により作出された植物に由来する植
    物組織。
  59. 【請求項59】 請求項50記載の方法により作出された植物から得られる
    種子。
  60. 【請求項60】 遺伝子的に形質転換された疾病抵抗性植物の作出方法であ
    って、植物細胞のゲノムに、(1)RKNの発現制御配列、および(2)該配列と作動可
    能に連結された、病原体に対する抵抗性を賦与するポリペプチドをコードするポ
    リヌクレオチド、を含む核酸配列を導入して、形質転換された植物細胞を取得す
    ることを含んでなる方法。
  61. 【請求項61】 RKNの発現制御配列が配列番号3の配列またはその機能性
    断片である、請求項60記載の方法。
  62. 【請求項62】 前記病原体が細菌病原体である、請求項60記載の方法。
  63. 【請求項63】 前記病原体が真菌病原体である、請求項60記載の方法。
  64. 【請求項64】 請求項60記載の方法により作出された植物。
  65. 【請求項65】 請求項60記載の方法により作出された植物に由来する植
    物組織。
  66. 【請求項66】 請求項60記載の方法により作出された植物から得られる
    種子。
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