JP2003530572A - 高速液体クロマトグラフィー・パラメータのモデル化、予測、及び最適化のための方法 - Google Patents

高速液体クロマトグラフィー・パラメータのモデル化、予測、及び最適化のための方法

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Abstract

(57)【要約】 高速液体クロマトグラフィーのパラメータをモデル化する方法について開示する。該方法により、保持時間、ピーク幅、及び分解能を予測することができる。該方法はまた、2つ以上のユーザー可変パラメータに関して、分離の多変量最適化を行うことができる。該方法は、定組成分離及び勾配分離、並びに定組成分離及び勾配分離の任意の組み合わせに適用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (相互参照) 本出願は、米国特許法(35USC)§119(e)に基づき、2000年4
月11日出願の仮特許出願第60/196,184号に次ぐ、優先権を主張する
ものである。
【0002】 (発明の分野) 本発明は、液体クロマトグラフィー(「LC」)分離を予測し、LCパラメー
タを最適化するための方法に関する。より詳細には、本発明は、保持時間及びピ
ーク幅をモデル化し、保持時間、ピーク幅、及び分解能を予測し、2つ以上のユ
ーザー可変パラメータに対して分離の多変量最適化を行うための方法に関する。
該方法は、定組成分離及び勾配分離、並びに定組成分離及び勾配分離の任意の組
み合わせに適用することができる。
【0003】 (発明の背景) 液体クロマトグラフィーの技術 液体クロマトグラフィー(「LC」)は、液体の「移動相」中に移送される成
分(「溶質」)を分離するために用いられる分析技術である。溶質及び適切な溶
媒を含む溶液を、カラム中に充填した又はコーティングした固定相に接触させる
。その後、移動相はカラムを通過する。溶液中の異なる成分は、移動相と固定相
の間のその相互作用の違いのために、異なる速度でカラムを通過し、その結果分
離される。溶質がカラムの出口から溶出するときに、好適な検出器を用いて計量
、特定、又はその両方を行うことができる。時間に対する検出器信号のプロット
を、クロマトグラムと呼ぶ。必要ならば、注目する溶質がカラム又は検出器から
出てくるときに流出液を収集容器に流して、溶質も収集することができる。
【0004】 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、非常に小さい固定相粒子又は多
孔性のモノリシック固定相、及び移動相をカラムに通過させるためのポンプを使
用するLC法である。HPLCにより、従来のLC法よりも高分解能でより速い
分析時間が実現される。HPLCには主たる2つのタイプ、すなわち、順相HP
LC及び逆相HPLCがある。順相HPLCでは、例えば、シリカなどの比較的
極性のある固定相、及び、n−ヘキサン、メチレンクロリド、又はエチルアセテ
ート、又はこのような溶媒の混合物などの低極性溶媒の移動相を使用する。移動
相が2種の溶媒の混合物であるときには、溶質を溶解しにくい方の溶媒を弱成分
又は主成分と呼び、溶質をより強力に溶解する方の溶媒を強成分又はモディファ
イアと呼ぶ。移動相溶液の全体的な強度は、弱成分と強成分の相対的な量を変え
ることによって、連続的に調整することができる。逆相HPLCでは、例えば、
表面結合オクタデシルシリル基をもつシリカなどの相対的に非極性の固定相、及
び、水、メタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、又はこれら溶媒の
混合物などのより極性のある移動相とを使用する。水は主成分として使用される
ことが多く、メタノール、アセトニトリル、又はテトラヒドロフランはモディフ
ァイアとして使用される。第3級、第4級、又はより高い級の混合物など、より
複雑な移動相もまた使用することができる。pH若しくはイオン強度を制御した
り、溶質保持メカニズムを高めたり若しくは妨げたり、又は分離を向上させる特
定の方法で溶質若しくは固定相の一部若しくは全てと相互作用させるために、移
動相中で緩衝液及び他の添加物もまた使用することができる。
【0005】 図1は、典型的な分析規模のHPLCシステムの概略図である。ポンプ100
は弱成分供給源90から弱成分を、ポンプ105は強成分供給源95から強成分
を、混合器110に送り出す。混合器110は、これらの成分が注入器115に
達する時に確実に均一に混合されているようにする。その結果得られる混合器1
10から出てくる溶媒混合物が、移動相である。 溶質を含むサンプルを、注入器115のところで移動相中に導入する。その結
果得られるサンプル及び移動相を含む溶液を、入り口120を通してHPLCカ
ラム125中に移動させる。該溶液がカラム125を通過すると、サンプル中の
溶質が分離される。移動相と溶質を含むカラムからの流出液は、出口130でカ
ラムを出て、検出器140を通過する。カラムからの流出液中の溶質の存在は、
検出器140によって記録される。検出器140は、例えば、屈折率変化の検出
、指定した波長又は多重波長でのUV−VIS吸収、好適な波長の光による励起
後の蛍光発光、又は電気化学的応答によって機能する。質量分析計もまたHPL
C機器に接続することができ、化学構造の情報を提供して分離した溶質の特定に
役立たせることができる。必要ならば、受け取り容器145でカラムからの流出
液を収集することができる。
【0006】 溶質は、固定相と程度の異なる相互作用をするため、それぞれ特有の速度でカ
ラムを通って移動する。さらに、溶質は弱溶媒中にあまり溶解せず、そのため固
定相と強く相互作用するので、移動相が主に弱溶媒であるときには溶質は固定相
とより強く相互作用する傾向にある。同様に、溶質は強溶媒中により溶解するの
で、移動相が主に強溶媒であるときには、溶質は固定相とあまり相互作用しない
傾向にある。
【0007】 クロマトグラフィー・プロトコルの構築方法 HPLCシステムは、例えば、未知の純度のサンプルの組成を分析するため、
又は不純物を除去し所望の生産物を精製するために、分析、分取、及び生産規模
のプロセスで使用される。従来、HPLCのプロトコルを構築する典型的な手順
は、試行錯誤の手法で多くの実験を実施することから成るものであった。該試行
錯誤の手法とは、注目する全溶質ピーク間の適切な分解能を相応の時間内に実現
するまで、重要なユーザー可変パラメータ1つずつ(すなわち、各実験で1つ)
変化させることに関するものであった。該パラメータとしては、例えば、カラム
の長さ及び直径、固定相の粒径、移動相の流量、移動相のモディファイア濃度、
並びにさらに多くのものが挙げられる。HPLCなどの多くの変数をもつシステ
ムに試行錯誤手法を適用すると、多くの室内実験を行うためのリソースを大量に
使用する必要があるため、時間と費用がかかる。全く最適化されていない適切な
分離を実現するプロトコルを構築するには、該手法を用いると数週間かかり得る
ことがよくある。
【0008】 HPLCクロマトグラムの数学モデルを使用して、該手順をいくらか早めるこ
とができる。HPLCクロマトグラムは、ユーザー可変パラメータの値を変えて
収集した実験データから、数学的にモデル化することができる。一旦モデルを構
築すれば、モデル化したパラメータの値を変え、予想されるクロマトグラムを計
算することによって、クロマトグラムを予測することができる。初期の室内実験
からモデルを生成することによって、試行錯誤手法よりも少ない実験を用いてク
ロマトグラムを予測することができる。ただし、以下に述べるモデルを用いると
、さらに相当数の実験をする必要がある。モデルに誤りがあると、結果を検証し
微調整するために、さらなる実験をする必要が生じる。さらに、以下のいずれの
モデルも、3つ以上の運転パラメータを同時に変更する多変量最適化を行うこと
ができない。従って、予測数学モデルを使用していても、分離のための局地的最
適点を得るには、さらなる室内実験が必要である。
【0009】 従って、本発明の目的は、HPLCプロトコルを構築するのに必要な時間、リ
ソース、及び室内実験の数を劇的に減少させるHPLC分離を、モデル化し、予
測し、最適化するための方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、
わずか2〜4個の室内実験を使用して、1日未満で行うことができる、全体的に
最適化されたHPLCプロトコルを構築する方法を提供することである。
【0010】 クロマトグラフィー分離のモデル化方法 クロマトグラムをモデル化する1つの方法は、時間セグメント化数値推定手法
である。R・D・スミス(Smith)、E・G・チャップマン(Chapman)、及びB
・W・ライト(Wright)著「超臨界流体での圧力プログラミング(Pressure Pro
gramming in Supercritical Fluid Chromatography)」分析化学(Analytical C
hemistry)、57:(14)2829〜2836頁(1985年)、及び、H・
スナイダーズ(Snijders)、H・G・ジャンサン(Janssen)、及びC・クレー
マーズ(Cramers)著「温度プログラム式ガスクロマトグラフィー分離の最適化
、1、保持指数からの保持時間及びピーク幅予測(Optimization of temperatur
e-programmed gas chromatographic separations.1.Prediction of retention t
imes and peak widths from retention indices)」クロマトグラフィー分析雑
誌(Journal of Chromatography A)、718:(2)339〜355頁(19
95年12月22日)を参照されたい。該時間セグメント化数値推定手法では、
クロマトグラムに許容される時間をセグメントに分割する。各時間セグメントで
は、溶質が移動する距離を計算し、直前の結果に加えて、溶質が注入されてから
カラムに沿ってどれだけの距離を移動するかを決定する。各時間セグメントの終
わりで、該溶質が移動した距離を全カラムの全長と比較して、溶質がカラム出口
を通過したかどうか判定する。通過していない場合、溶質が溶出するまで、該プ
ロセスは次の後続時間セグメントに続く。溶質がカラム出口を通過したと計算さ
れるセグメントが現れると、該時間セグメント中の補間によって保持時間を推定
することができる。
【0011】 各溶質は、クロマトグラム上にバンド又はピークとして示される。溶質ピーク
の幅は、溶質が占有する移動相の体積(保持に合わせて調節される)、溶質がカ
ラムの軸方向に沿って占有する距離、又は溶質が基準点を通過するのに要する時
間によって同等に表される。各溶質ピークの幅に対する各時間セグメントの寄与
を計算することができる。定組成HPLCでは、この幅の寄与を適切に組み合わ
せて(その2乗の合計の平方根として)、各溶質がカラム出口に達するときの各
溶質ピークの幅を決定してよい。ただし移動相の組成物が分離過程中に変化する
ときには、該幅の寄与の組み合わせは、このように有効なものとはならない。 移動相組成物は、主成分に対してモディファイア濃度を増加させ、その結果該
新しい移動相に接触する全ての溶質の保持を減少させることにより、分離過程中
に強めることができる。該手順は勾配溶離と呼ばれる。これは、時間の関数とし
て、線形又は非線形様式で連続的に、又は階段状に変化してよい。従って、勾配
がプログラムされているときには、移動相における特定の変化は特定の時間にな
されるので、システム中の任意の点での移動相の組成物は時間依存性である。
【0012】 勾配プログラムに従って移動相のいかなる変化がいつ混合器で生成されても、
ある位置で該変化がカラムに及ぼす影響は、新しい移動相を混合器からその位置
まで移送するのに必要な時間だけ遅れる。従って、このような変化の影響は初め
はカラム入り口で実現されるが、新しい移動相を入り口から下流のカラム上の点
に移送するには、さらなる遅れが必要となる。カラム上の異なる位置に新しい移
動相を送達するための時間がこのように異なるため、カラム上の点における移動
相の組成物は、カラム入り口からの距離に依存する。そのため、勾配がプログラ
ムされるときには、前述のような一時的な依存性に加えて、HPLCカラムに沿
う移動相強度に対する空間的依存性が存在する。
【0013】 溶質ピークがカラムを通って移動していくと、渦巻拡散などのような既知の要
因のために、ピークは広がる傾向にある。J・C・ギディングズ(Giddings)著
、「統合分離科学(Unified Separation Science)」、ジョン・ワイリー・アン
ド・サンズ社(John Wiley & Sons,Inc.)(米国ニューヨーク)(1991年)
を参照されたい。ただし、ピークが連続移動相勾配の中央にある間は、ピークの
前縁は、同じピークの尾引き(tailing edge)が暴露される移動相より弱い移動
相に暴露される。従って、ピークが広がる現象が起こらない場合、移動相に対す
る後縁(trailing edge)の速度は、前縁の速度よりも速くなるはずである。該
現象は「ピーク圧縮」と呼ばれ、勾配の空間的成分によるものである。 当該技術分野には、勾配によって生じたピーク圧縮をモデル化することができ
る、時間セグメント化数値推定方法によるHPLCをモデル化するための既知の
方法はない。従って、本発明の目的は、HPLCカラムの挙動をモデル化し、パ
ラメータ変化の結果得られるクロマトグラムを予測するための、従来の方法より
もより正確でより柔軟性のある方法を提供することである。本発明のさらなる目
的は、時間セグメント化数値推定手法の本来の利益を、ピーク圧縮に対する適切
な補正に組み合わせることである。本発明のさらなる目的は、全体的な定組成状
態(移動相変化の割合がゼロの状態に相当する)、線形勾配、任意の形状の非線
形勾配、移動相組成の階段状変化、及びこれらの状態の可能な全ての組み合わせ
を含む、任意の移動相プログラムに適用可能な方法を提供することである。
【0014】 HPLCクロマトグラムをモデル化する他の方法は、ピーク幅を運転パラメー
タに関連付ける経験則に基づくものである(上述の時間セグメント化数値推定な
どの数値方法に代える)。例えば、R・G・ウォルコット(Wolcott)、J・W
・ドーラン(Dolan)、及びL・R・スナイダー(Snyder)著「温度及び移動相
強度の変化による、定組成逆相液体クロマトグラフィー分離の簡便な最適化のた
めのコンピュータ・シミュレーション(Computer simulation for the convenie
nt optimization of isocratic reversed-phase liquid chromatographic separ
ations by varying temperature and mobile phase strength)」クロマトグラ
フィー分析雑誌(Journal of Chromatography A)、869、3〜25頁(20
00年)を参照されたい。
【0015】 しかし、これらのモデル化方法は、積極的にピーク圧縮を補正せず、カラム出
口での保持係数とピーク幅との間の相関に依存するという欠点もまた抱えている
。さらなる経験的な補正もまた適用してよい。これらのモデル化方法は、代数的
な近似及び経験的な期待値に基づくため、時間セグメント化数値推定手法よりも
確度が劣る。これらのモデル化方法は、カラム出口での状態だけを予測できる、
限定的な情報を提供するものである。従って、本発明のさらなる目的は、カラム
中の全ての位置での状態をモデル化するために使用できる、HPLC分離を予測
する方法を提供することである。
【0016】 クロマトグラフィー分離の最適化方法 上述の、HPLC分離のモデル化及び最適化方法の全てが、他の全てのパラメ
ータを固定して、1つ又は2つのパラメータに対する見かけの最適値を決定する
ためにしか使用されないというさらなる欠点を有する。例えば、既知のモデル化
方法を使用すれば、カラム寸法と流量の固定値に対する、定組成モデルでのモデ
ィファイア濃度を最適化できる可能性がある。該手法の誤りは、第1のパラメー
タに対する見かけの最適条件は、一旦別のパラメータを調べて変更すると、適用
できなくなることである。従って、全パラメータに対する真の又は全体的な最適
条件は、わかりにくく、該手法では大量の試行錯誤作業の後でなければ見つけら
れない。多変量最適化とは、全ての注目するパラメータを合わせて変化させ、所
望の結果を実現するためのこれらの全パラメータを合わせた最高の組み合わせを
見つけることを含む。時間セグメント化数値推定手法は、HPLC分離モデルで
多変量最適化を行うに十分な速さと正確さを有する。従って、本発明のさらなる
目的は、2つ以上のHPLCパラメータを、同時に、合わせて予測し、最適化で
きる方法を提供することである。
【0017】 本発明のさらなる目的は、クロマトグラムの過程で当初定組成状態を用い、そ
の後勾配が始まるか、又は勾配プログラムの過程中に勾配変化率が変化する時で
さえも、クロマトグラムの全ピークの保持時間及びピーク幅を正確に予測するこ
とである。適用可能な(及び通常の手法ではない)多変量最適化手順に不適当な
点があり、またこれらの手順が望ましい全体的な最適条件よりも局地的最適点を
見つけやすいために、クロマトグラムの継続区分(勾配プログラム中の主要な変
化に続く)を順次最適化することがより生産的であることがよくある。
【0018】 (発明の概要) 勾配溶離HPLCでは、ピーク圧縮を無視することはできない。本発明の方法
は、勾配溶離HPLC分離をモデル化する他の方法よりも、柔軟性があり正確で
ある。これは本発明の方法が、移動相勾配の空間的成分によって引き起こされる
、ピークの前縁が同じピークの尾引き(tailing edge)よりも弱い移動相に暴露
するピーク圧縮を明らかにするためである。 本発明はHPLC分離をモデル化する方法に関する。本発明は、保持時間及び
ピーク幅をモデル化し、保持時間、ピーク幅、及び分解能を予測し、2つ以上の
ユーザー可変パラメータに関する分離の多変量最適化を実施するための方法を含
む。該方法は、定組成分離及び勾配分離、並びに定組成分離及び勾配分離の任意
の組み合わせに適用することができる。
【0019】 図2は、200で、本発明の方法を用いたHPLCプロトコルを構築する全体
的な手順を表す。初めに、205で、初期室内実験のデータを収集する。210
で、該データを使用して、好ましくは回帰によって、保持と移動相強度の間の関
係(すなわち数学モデル)を構築する。該モデルにより、215で、必ずしもデ
ータに含まれてはいない移動相強度に対する値での保持時間及びピーク幅を予測
する。R・D・スミス(Smith)、E・G・チャップマン(Chapman)、及びB・
W・ライト(Wright)著「超臨界流体クロマトグラフィーでの圧力プログラミン
グ(Pressure Programming in Supercritical Fluid Chromatography)」分析化
学(Analytical Chemistry)、57:(14)2829〜2836頁(1985
年)、L・R・スナイダー(Snyder)、J・W・ドーラン(Dolan)、及びJ・
R・グラント(Grant)著、「クロマトグラフィー雑誌(J.Chromatogr.)」、1
65(1979年)3、及び、P・J・ショーンメイカーズ(Schoenmakers)著
「クロマトグラフィー選択性の最適化、方法の構築の指針(Optimization of Ch
romatographic Selectivity,a Guide to Method Development)」クロマトグラ
フィー図書雑誌(J.Chromatography Library)、35(1986年)を参照され
たい。220で、モデル中の保持時間及びピーク幅に影響を及ぼす可変パラメー
タに、多変量最適化を行う。H・マートンズ(Martens)及びT・ネス(Naes)
著「多変量較正(Multivariate Calibration)」、ISBN0−471−909
79−3、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons,Ltd.)(
英国チチェスター)(1989年)を参照されたい。次いで、該最適化条件を実
施する。最適化パラメータは、例えば、分析規模又は生産規模のHPLCシステ
ムで、実施することができる。
【0020】 図3は、300で、HPLCシステムをモデル化する好ましい方法を表す。初
めに、305で、定組成実験を行う。310で、定組成実験のデータを用いて、
以下に述べるように保持係数kを計算する。315で、log kと、移動相中
の強成分の体積パーセント(%B)などの1つまたは複数の溶媒パラメータの間
の関係を、データの回帰によって構築する。
【0021】 図4は、400で、サンプル中の溶質ピークに対する保持時間及びピーク幅を
予測する好ましい方法を表す。初めに、サンプルを注入器からカラム入り口まで
送達するのにかかる時間を計算する。405で、該時間内に溶質ピークが広がる
量もまた計算する。J・C・ギディングズ(Giddings)著、「統合分離科学(Un
ified Separation Science)」、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John W
iley & Sons,Inc.)(米国ニューヨーク)(1991年)を参照されたい。次い
で、時間セグメント化数値解析を開始する。410で、クロマトグラフィーのプ
ロセスを、セグメントと呼ばれる短い時間間隔に分割する。第1の時間セグメン
トで、移動相強度、各溶質ピークの広がりに対する寄与、及びピークが移動する
距離を計算する。415で、カラム外容量(すなわち、サンプルをシステム中に
導入する注入器とHPLCカラム入り口の間)に対して予め計算し、存在する場
合には、移動相の勾配によってピーク圧縮に対する補正をしたピーク幅に、広が
りに対する寄与を組み合わせて、累積ピーク幅を得る。
【0022】 次の継続時間セグメントでは、移動相強度をその次の値に増分し、移動相強度
を各ピークの位置で計算する。420で、広がりに対する寄与を計算し、補正し
た累積ピーク幅に組み合わせる。425で、該時間セグメント中にピークが移動
する距離もまた計算し、予め計算した距離に加えて、累積距離を得る。 次に、430で、累積移動距離をカラム長と比較して、溶質ピークがカラム出
口を通過したかどうかを判定する。ピークがカラム出口を通過していない場合、
ピークが溶出するまでステップ420〜430を繰り返す。ピークが溶出してし
まった場合、440で、最後の時間セグメントでの時間、位置、及びピーク幅を
補間して、カラム出口での保持時間及びピーク幅を決定する。全ピークが溶出す
るか、又は許容合計時間に達するまで、435で、該プロセスを繰り返す。 本発明の好ましい実施形態では、その後、モデルに影響を及ぼす運転パラメー
タの許容値を探索し、最適分離を生み出すパラメータの値の組み合わせを見つけ
ることによって、モデルに多変量最適化を行う。多変量最適化は、分離に対する
全体的な最適条件を生み出すパラメータ値の組み合わせ、つまり、全パラメータ
を合わせて検討する最高に可能な溶液を追求するものである。多変量最適化は、
単変量最適化手法(1度に1パラメータに対する見かけの最適条件を見つけるも
の)とは区別しなければならない。
【0023】 多変量最適化は、全パラメータの許容範囲にわたってパラメータを一定の間隔
で体系的に探索する全因子分析を含む、様々な手法を用いて実行してよい。ただ
し、好ましい手法は、コンピュータ表計算ツールを使用して行うものであり、該
ツールは例えば、ステップ4)及び5)の時間セグメント化数値推定計算を行う
ためのマイクロソフトEXCEL(登録商標)、及び最適パラメータ値を見つけ
るためのEXCEL(登録商標)SOLVER ADD−INなどである。 より具体的には、本発明は以下の実施形態に関する。本発明の一実施形態は、
勾配溶離クロマトグラフィー・プログラムでの溶質ピークのピーク幅を予測する
方法に関する。該方法は、 i)時間セグメント化数値解析を行うステップと、 ii)所与の時間セグメント中の溶質ピークの広がりに対する寄与を計算する
ステップと、 iii)クロマトグラフィー・プログラム中に弱成分に対する強成分の量が変
化するときに起こるピーク圧縮に対して、累積ピーク幅を補正するステップと、 iv)次の時間セグメント中で、強成分の量をその次の値に増分するステップ
と、 v)溶質ピークが溶出するまで、ステップi〜ivを繰り返すステップと、 vi)任意選択的に、溶質ピークの累積ピーク幅を表示するステップとを含む
。 該方法はさらに、vii)少なくとも1つの次の溶質ピークに対してステップi
)〜vi)を繰り返すステップを含んでよい。
【0024】 本発明の別の実施形態は、クロマトグラフィー分離の多変量最適化を行う方法
に関する。該方法は、 i)クロマトグラム中の各溶質に対し、ピーク保持と有効溶媒強度の間の関係
を構築するステップと、 ii)所望の分離目標を選択するステップと、 iii)2つ以上のクロマトグラフィー・パラメータを特定するステップと、 iv)クロマトグラフィー・パラメータの許容値を探索し、所望の分離目標を
生み出す値の組み合わせを見つけるステップと を含む。
【0025】 本発明の別の実施形態は、勾配溶離高速液体クロマトグラフィー分離をモデル
化し、予測し、最適化するための方法に関する。該方法は、 1)高速液体クロマトグラフィー・システムの物理的寸法を述べるステップと
、 2)少なくとも2つの定組成分離のデータを収集するステップと、 3)log kで表される保持時間とステップ2)の注目する溶質ピークに対
する%Bの間の関係を構築するステップと、 4)時間セグメント化数値解析プロセスによって、パラメータ変化が注目する
溶質ピークの保持時間に及ぼす影響を予測するステップと、 5)修正時間セグメント化数値推定手法を用いて、パラメータ変化が注目する
溶質のピーク幅に及ぼす影響を予測するステップと、 6)ステップ2)で収集した圧力データから、ステップ4)と5)で調べた流
量を維持するためにカラム入り口で必要な移動相圧力を決定するステップと、 7)ユーザー可変のクロマトグラフィー・パラメータの多変量最適化を行うス
テップと を含む。
【0026】 本発明の別の実施形態は、高速液体クロマトグラフィー分離を予測する方法に
関し、該方法が、 1)I)高速液体クロマトグラフィー・システムの物理的寸法と、 II)少なくとも2つの定組成分離のデータとを含む、データを入力するステ
ップと、 2)分離をモデル化し、予測し、最適化するためにデータを用いて結果を生成
するインターネット・ウェブ・サイトに、ステップ1)で入力したデータを送信
するステップと、 3)ステップ2)で生成した結果を受信するステップと を含む。該方法はさらに、4)ステップ3)で受信した結果を用いて分離を進ま
せることにより、結果を検証するステップを含んでよい。
【0027】 本発明の別の実施形態は、多変量最適化を行う方法に関する。該方法は、 1)少なくとも2つの運転パラメータ間の関係を含む、プロセスの数学モデル
を構築するステップと、 2)該関係に影響を及ぼすモデル中の変数を特定するステップと、 3)少なくとも1つの所望の最終結果を選択するステップと、 4)特定した変数の許容値を探索し、所望の最終結果を生み出す値の組み合わ
せを見つけるステップと を含む。 本発明の別の実施形態は、上述の方法を実施するための製造品に関する。
【0028】 本発明の別の実施形態は、高速液体クロマトグラフィープロトコルを構築する
ための方法に関する。該方法は: 1)初期室内実験のデータを収集するステップと、 2)数学モデルが保持を移動相強度に関連付ける、溶質ピークの保持時間及び
ピーク幅を予測するための該モデルを構築するステップと、 3)ステップ2)で構築したモデルを用いて、保持時間及びピーク幅を予測す
るステップと、 4)保持時間及びピーク幅に影響を及ぼす、ユーザー可変パラメータの多変量
最適化を行うステップと、 5)最適化したパラメータを高速液体クロマトグラフィー・システムで実施す
るステップと を含む。
【0029】 (発明の詳細な説明) 定義 変数と添え字 特筆しない限り、%は、体積パーセントを意味する。 Aは、移動相中の弱成分を意味する。 Bは、移動相中の強成分を意味する。 Hは、問題の時間及び位置での平面高さを意味する。 kは、溶質が固定相中に滞在する時間と移動相中に滞在する時間との比である
が、保持係数を意味する。カラム外容量が微々たるものであるとき、定組成状態
下では代数的に、k=(tR−tM)/tMである。カラム外容量を考慮するとき
には、代数的に、 k=(tR−tM)/(tM−tex)である。 k現行セク゛メントは、現行セグメントの保持係数を意味する。 k先行セク゛メントは、現行セグメントの直前のセグメントの保持係数を意味する。 Lは、HPLCカラムの長さを意味する。 Δlは、所与の時間セグメント中に、溶質がHPLCカラムに沿って移動する
距離を意味する。
【0030】 nは、各状態での観測数を意味する。 ピーク圧縮補正式は、次式を意味する:
【0031】
【数2】
【0032】 Rsは、隣接する2ピーク間の分解能を意味し、次式によって計算され、 Rs=2(tR2−tR1)/(wb1+wb2)、式中、添え字1と2はピークを識
別するものである。
【0033】 σは、距離で表される、ピーク標準偏差を意味する。 σ現行セク゛メントは、現行セグメント中で立ち上がる距離で表される、ピーク標準 偏差を意味する。 σ現在ノ合計は、現行セグメントを含む、距離で表される合計のピーク標準偏
差を意味する。 σ前合計は、現行セグメントを除く、距離で表される合計のピーク標準偏差を
意味する。
【0034】 Δtは、所与の時間セグメント中に、溶質が移動する時間を意味する。 tMは、非残留マーカのピークが検出器に達するまでの時間を意味する。 tRは、溶質ピークが検出器に達するまでの時間、すなわち溶質ピークの見か
けの保持時間を意味する。 texは、移動相が固有の流量で、クロマトグラフィー・システム中のカラム外
容量を置換するのに要する時間を意味する。 uは、移動相の速度を意味する。 Vは、保持体積を意味する。 wbは、変曲点から基準線まで外挿することによって、基準線で測定される時
間ユニット中のピーク幅を意味する。ガウスピークに対し、wb=4σx(1+
k)/uであり、式中、kはカラム出口での局値である。
【0035】 用語 「高圧クロマトグラフィー」は、高圧で、圧縮性の溶媒和移動相を用いて実施
されるクロマトグラフィー方法を意味する。 「多変量最適化」は、2つ以上の注目するパラメータを合わせて変化させ、所
望の結果を実現するための、全パラメータを合わせた最高の組み合わせを見つけ
ることを意味する。
【0036】 「ピーク圧縮」は、勾配溶離クロマトグラフィー・プログラムで、他のいかな
る力もない場合に、溶質ピークの後縁(trailing edge)が同じピークの前縁よ
りも、移動相との相対速度がわずかに速く移動することを意味する。これは、勾
配が存在するときに、ピークの後縁(trailing edge)が同じピークの前縁より
も強い移動相に暴露されるためである。しかし、事実上、ピークはカラムを通っ
て移動する時に渦巻拡散及び他の既知の力のために広がる。該広がりに対する寄
与が、移動相勾配によるピーク圧縮の寄与に勝ることがよくあり、その結果、ピ
ークは通常カラムを通り抜けると広がっていく。しかし、ピーク圧縮のために、
勾配溶離クロマトグラフィーでのこのようなピークの広がりは、勾配がない場合
よりも少ない。 「溶媒和ガスクロマトグラフィー」は、カラム出口の圧力が周囲圧力に等しい
又は近い、高圧クロマトグラフィー方法を意味する。
【0037】 (発明の方法) 本発明は、HPLCパラメータをモデル化し、HPLC分離を予測し、HPL
C分離に関与するパラメータを最適化するための方法に関する。該方法は以下の
諸ステップを含む。 ステップ1)は任意選択である。ただし、ステップ4)での保持時間予測の確
度は、HPLCシステムの物理的寸法、特に、カラム外容量及び勾配遅れ容量(
dwell volume)が述べられるときに向上する。当該分野の技術者は、おそらく、
必要以上の実験を行わずに、従来の方法によってカラム外容量及び勾配遅れ容量
(dwell volume)を計算することができる。例えば、L・R・スナイダー(Snid
er)、J・J・カークランド(Kirkland)、及びJ・L・グラッシュ(Glajch)
著、「実用的HPLC方法の構築(Practical HPLC Method Development)」、
第2版、ワイリー社(Wiley)、392頁(1997年)を参照されたい。
【0038】 ステップ2)は、移動相組成(体積%Bで表される)の関数として、一連のク
ロマトグラムに対し様々な%Bの値で、非残留マーカ及び注目する全溶質(すな
わち、少なくとも1つの溶質)に対する保持時間を含むデータを収集するステッ
プを含む。加えて、これらの実験中に圧力データを任意選択的に収集する。 本発明の好ましい実施形態では、ステップ2)は、異なる%Bの値で、2つ以
上の定組成分離のデータを収集することによって実施する。本発明の代替的な実
施形態では、ステップ2)は、2つ以上の勾配溶離分離のデータを収集して実施
する。勾配は線形でなければならず、分離は2つ以上の異なる勾配変化率で行わ
れなければならない。
【0039】 ステップ3)では、各溶質に対して、溶質ピーク保持と有効溶媒強度との間の
関係を構築する。ステップ7)の多変量最適化では、溶質ピーク保持と有効溶媒
強度の間の任意の関係を使用してよい。例えば、溶質ピーク保持は、保持時間、
k、log k、及び保持容量(V)などによって測定することができる。変数
kは、ステップ2)の所与のクロマトグラム中における所与の溶質に対する保持
係数であり、溶質が移動相中に滞在する時間で、固定相中に溶質が滞在する時間
を割った値として定義される。有効溶媒強度には、pH、温度、イオン強度、及
び組成(例えば、%B、%Bが好ましい)などのパラメータによって影響を与え
ることができる。%Bは移動相中の強成分の体積パーセントである。log k
対%Bは、ほぼ線形な関係であるため好ましい。本発明のより好ましい実施形態
では、log kと%Bとの間の関係を各溶質に対して構築する。 ステップ3)は、少なくとも4点のデータにわたる、2次回帰を使用して実施
されることが好ましい。あるいは、3点のデータから正確な2次関係を計算する
ことができるか、3点以上のデータから線形関係を回帰することができるか、又
は2点のデータから正確な線形フィットを計算することができる。該回帰は、異
なる%Bの値の2つ以上の定組成分離から、ステップ2)で収集したデータを用
いて行われる。
【0040】 本発明の代替的な実施形態では、既知の方法を用いて、ステップ2)で線形移
動相勾配を用いて行われた実験から、定組成のk値を推定することができる。P
・J・ショーンメイカーズ(Schoenmakers)著、「クロマトグラフィー選択性の
最適化、方法の構築への指針(Optimization of Chromatographic Selectivity,
A Guide to Method Development)」「クロマトグラフィー図書雑誌(Journal
of Chromatography Library)」、第35巻、エルゼビア科学出版(Elsevier Sc
ience Publishers)(B.V.アムステルダム)、192〜199頁(1972
年)を参照されたい。次いで、これらの推定を用いて、回帰でlog kと%B
との間の関係を導出することができる。同様に、溶質の一部又は全てに対するk
値に影響を及ぼす任意の他のパラメータを、以下の諸ステップで述べるように、
回帰させ、%Bに代えて又は加えて使用してもよい。
【0041】 本発明の好ましい実施形態では、定組成実験のデータを用いた回帰によって、
log kと%Bの間の関係を構築する。ただし、ステップ3)で構築したlo
g kと%Bとの間の任意の関係を用いて、ステップ7)で多変量最適化を行う
ことができる。 ステップ4)では、パラメータ変化が溶質保持時間に及ぼす影響を、時間セグ
メント化数値推定手法を用いて予測する。ステップ4)は、ステップ3)で構築
したlog kと%Bの間の関係を用いて、各溶質ピークに対して実施する。注
入器とカラム入り口の間のカラム外容量を介して溶質を移送するのに必要な時間
を、ステップ1)で述べたシステムの物理的寸法を用いて計算する。ステップ3
)の回帰係数を用いて、ステップ2)で収集されたデータに必ずしも含まれてい
ない%Bの値で、k値を溶質に対して%Bの関数として推定し、次いでクロマト
グラフィー理論から、カラムの長さ及びカラム径、カラム多孔性、並びに移動相
流量などの他のパラメータの影響の予想される効果を適用することによって、カ
ラム上の溶質保持時間を予測する。勾配プログラミング中に、%Bが時間及びカ
ラム上の特定の位置の両方の関数として変化するため、適用可能な%B値及びk
の局値は、各時間セグメントで各溶質に対して個々に計算される。従って、所与
の時間セグメント中に、各溶質がカラムに沿って移動する距離は、
【0042】
【数3】
【0043】 となる。これは、連続か不連続かに関わらず、いかなる勾配にも適用可能であり
、時間セグメント及び問題のピークの位置に対して適切な%Bが決定され、対応
するk値が使用される間は、定組成状態(これは勾配変化率をクロマトグラムを
通してゼロに設定する時に得られる)を含む。現行時間セグメントの終わりでの
ピークが移動した合計距離を、カラムの全長と比較して、ピークが溶出したかど
うかを判定する。溶出していない場合、ピークが溶出したと判定されるまで、該
プロセスを後続の時間セグメントにおいて繰り返す。次いで最後に使用した時間
セグメントを補間して、ピークのカラムからの実際の溶出時間を推定する。該カ
ラム推移時間と移動相がカラム外容量を置換する時間texとを合計すると、溶質
に対する見かけの保持時間tRが得られる。 ピークがカラムを通過する全行程にわたって%Bが一定である場合、その保持
時間は、時間をセグメント化せずに代替的に単一ステップで計算できる: tR=(L×(1+k))/u+tex=tM×(1+k)+tex ステップ5)では、結果として得られる溶質ピーク幅にパラメータ変化が及ぼ
す影響を、修正時間セグメント化数値推定手法を用いて予測する。ステップ5)
はステップ4)と同時に行ってもよい。好ましくは、注入器とカラム入り口の間
のカラム外容量を通る移送によって引き起こされる、ピークの広がりの程度は、
アトウッド(Atwood)とゴーレイ(Golay)の方法(クロマトグラフィー雑誌(J
.Chromatogr.)、218、97〜122頁(1981年)を参照)を用いて計算
する。
【0044】 一旦溶質がカラム入り口に達したら、時間セグメント化数値推定を開始する。
%Bの値を、各時間セグメント中の所与のピークに対して一定と見なし、各々次
の時間セグメント中で、その次の値(各ピークに対する時間及び位置による)に
増分する。所与の時間セグメント中のピークの広がりに対する寄与は、既知の理
論から容易に計算され、簡単には
【0045】
【数4】
【0046】 で表され、式中、Δσは、問題の時間セグメント中のピークの(空間的な)標準
偏差に対する寄与であり、Hは、問題の時間及び位置でのピークに対する平面高
さであり、Δlは、時間セグメント中に溶質がカラムに沿って移動する距離であ
る。Hは、使用時の固有のクロマトグラフィー条件に対し、適切な変数(移動相
速度、粒径、及び拡散係数等)をもつ任意の適用可能な等式から推定する。好適
な等式としては、J・J・ヴァン・デームテル(van Deemter)、F・J・ツイ
デルウェグ(Zuiderweg)、及びクリンケンベルグ(Klinkenberg)著「化学技術
科学(Chem.Eng.Sci.)」、5、271(1956年)、C・ホルバート(Horva
th)及びH・J・リン(Lin)著「クロマトグラフィー科学雑誌(J.Chromatogr.
Sci.)」、149、43(1978年)、及び、G・J・ケネディ(Kennedy)
及びJ・H・ノックス(Knox)著「クロマトグラフィー科学雑誌(J.Chromatogr
.Sci.)」10、149(1972年)を参照されたい。クロマトグラムの過程
中、%Bが一定である場合、各時間セグメントからの広がりを組み合わせて(2
乗の合計の平方根として)、現在位置でのピーク幅を推定してもよい。ただし、
クロマトグラムの過程中に%Bが変化する場合には、現行の時間セグメントから
の寄与に組み合わせる前に、ピーク圧縮補正式(Peak Compression Correction
Equation)又はそれと等価な式を用いて、現行の時間セグメントの前の累積ピー
ク幅を補正しなければならない。ピーク圧縮補正式は、次式で表される:
【0047】
【数5】
【0048】 該ピーク圧縮補正式で、σは距離で表される標準偏差を意味し、kは保持係数
を意味する。本発明の代替的な実施形態では、ピーク圧縮補正式の等価式を使用
する。例えば、本発明の代替的な一実施形態では、ピーク圧縮補正式の任意の代
数的等価物を使用してよく、又は既知の代数恒等式を用いてピーク圧縮補正式の
代数的等価物に変換できる、任意の他の等式を使用してもよい。本発明の別の代
替的な実施形態では、ピーク圧縮補正式を、時間で表される標準偏差、又は体積
で表される標準偏差の点から導出することができる。当該分野の技術者は、必要
以上の実験をせずに、本発明の各実施形態でのピーク圧縮補正式の等価を導出す
ることができるはずである。
【0049】 前合計ピーク幅を補正するのに必要な全ては、現行及び直前の時間セグメント
のk値の情報であるため、時間セグメント化数値推定手法でのピーク幅を推定す
るための該補正は、任意の勾配形状に対して適用可能である。該式は、kが一定
の時(%Bが一定であることを意味する)には、先に述べたように%Bが一定の
時の適切な手法に一致して、2乗の合計の平方根となることもまた注意されたい
。 ステップ6)では、ダルシーの法則(Darcy's law)の比例式を用いて、ステ
ップ2)で測定した圧力から、ステップ4)及び5)の過程で調べた流量をカラ
ム入り口で維持するために必要な移動相圧力を決定する。B・F・カーゲル(Ka
rger)、L・R・スナイダー(Snyder)、及びC・ホルバート(Horvath)著、
「分離科学への手引き(An Introduction to Separation Science)」、ジョン
・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)(米国ニューヨーク)90
頁(1973年)を参照されたい。
【0050】 ステップ7)では、所望の分離目標に達するための、ユーザー可変のクロマト
グラフィー・パラメータの最適値を多変量最適化によって決定する。ステップ7
)は、所望の分離目標を選択するステップと、変化させるユーザー可変のクロマ
トグラフィー・パラメータを特定するステップと、パラメータの許容値を探索す
るステップと、所望の分離目標を生み出すパラメータ値の組み合わせを見つける
ステップとを含む。所望の分離目標は、それをデフォルトとして設定することに
よって選択してよいし(例えば、多変量最適化を実施するためのソフトウェア中
で)、又はユーザーが定義してもよい。例えば、所望の分離目標とは、他の1つ
又は複数の分離目標に到達し又はそれらを上回る一方で、分析時間、又は溶媒使
用量、又は分析コスト(これは溶媒使用量、時間、及び他の条件の関数になる)
を最小限に抑えることであることができる。あるいは、所望の分離目標は、溶質
の検出能を最大限にすること、所与の分析時間内又は所与の溶媒使用量内での分
解能を最大限にすること、定められたレベルの純度でカラム出口での他のサンプ
ル成分からの溶質生産速度を最大限にすること、又は生産コストを最小限に抑え
ることであってもよい。変化させるクロマトグラフィー・パラメータは、それら
をデフォルトとして設定することによって特定してもよく、又はユーザーが定義
してもよい。
【0051】 多変量最適化は、分離に対する全体的な最適条件を生み出すパラメータ値の組
み合わせ、つまり、全パラメータを合わせて検討する最高に可能な溶液を追求す
るものである。多変量最適化は、単変量最適化手法(1度に1パラメータに対す
る見かけの最適条件を見つけるもの)とは区別しなければならない。多変量最適
化は、同時に、1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上のパラ
メータに対して実施することができる。さらに、本発明の多変量最適化は、ユー
ザーによって選択されたクロマトグラフィー・パラメータを変化させて行うこと
ができる。
【0052】 多変量最適化は、全パラメータの許容範囲にわたって、パラメータを一定の間
隔で体系的に探索する全因子分析を含む各種の手法を用いて実行してよい。ただ
し、好ましい手法は、マイクロソフトEXCEL(登録商標)を用いてステップ
4)及び5)の時間セグメント化数値推定計算を行い、EXCEL(登録商標)
SOLVER ADD−INを用いて最適パラメータ値を見つけるものである。
(SOLVERは、全因子分析よりも速いが、時に、所望の全体的な最適条件の
代わりに、局地的最適条件点にあたるパラメータ値を返す可能性がある。従って
、SOLVERを使用する時には、最適化プロセスをいくつかの異なる始点から
繰り返すか、又は、より詳細に調べるための要素空間領域を見つけるために、ス
テップ4)及び5)で述べた、予測能力を初めに用いるコース因子分析を行うこ
とが望ましい。E・ジョセフ・ビロー(Joseph Billo)著「化学者のためのEx
cel:総合的指針(Excel for Chemists:A Comprehensive Guide)」、ジョン
・アンド・サンズ社(John & Sons, Incorporated)(1997年1月)、及び
、P・ブラットナー(Blattner)及びL・ウーリッヒ(L.Ulrich)著「マイクロ
ソフトExcel2000使用特別版(Special Edition Using Microsoft Exce
l 2000)」、キュー(Que)(1998年12月)を参照されたい。)通例、規
定の許容可能な最低限の分解能で、モデル化したピークを分離するために必要な
最短の時間を探索する。非現実的な溶液とならないように、制約が課される(例
えば、入り口圧力及び流量は機器の最大限の能力を超えることはできず、移動相
のモディファイア濃度(%B)は0〜100%でなければならず、カラム寸法は
現実的な値に限定される)。先に述べた計算によって保持時間及びピーク幅の推
算値が与えられるので、分解能はユーザー可変パラメータの関数として、既知の
方法によって容易に計算することができる。注目するピークと隣接ピークの間の
分解能の点から、分離目標を特定することができる。定組成クロマトグラムに対
し、通常の変化するパラメータは、カラム長、固定相粒径、移動相流量、及び%
Bであるが、必要ならばモデル中に含まれる任意の他のパラメータを変化させて
もよい。勾配溶離クロマトグラムに対しては、勾配形状を述べるために、初期ホ
ールド時間、クロマトグラフィー機器の勾配遅れ容量(dwell volume)、又はプ
ログラム速度などのような追加パラメータが必要となる。L・R・スナイダー(
Snyder)、J・J・カークランド(Kirkland)、及びJ・L・グラッシュ(Glaj
ch)著「実用的HPLC方法の構築(Practical HPLC Method Development)」
、第2版、ワイリー(Wiley)、392頁(1997年)を参照されたい。
【0053】 上述の方法について、HPLCと共に具体的に述べてきたが、ピーク圧縮の影
響は勾配溶離を含む他のクロマトグラフィー分離方法に影響を及ぼすことができ
る。従って、ピーク圧縮補正式は、もし分離方法が溶媒和移動相を採用すれば、
勾配を含む他のクロマトグラフィー分離方法にも適用することができる。例えば
、ピーク圧縮補正式は、統合クロマトグラフィー法、高温高速液体クロマトグラ
フィー、亜臨界流体クロマトグラフィー、及び超臨界流体クロマトグラフィーに
適用することができる。ピーク圧縮補正式はまた、高圧クロマトグラフィー(例
えば、溶媒和ガスクロマトグラフィー)法にも適用することができるが、流体移
動相の圧縮性が増加すると、さらなる補正が必要になる。 さらに、上述の多変量最適化はまた、事実上、いかなるクロマトグラフィー分
離法にも適用することができる。多変量最適化を適用できるクロマトグラフィー
分離の例としては、上述の全てのクロマトグラフィー、及び、薄層クロマトグラ
フィー、ゲル浸透クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、及びイ
オンクロマトグラフィーが挙げられる。
【0054】 本発明で開示した多変量最適化の方法はまた、1つより多い運転パラメータを
有する、数学的にモデル化が可能な生産規模又は分析規模のプロセス(上述のク
ロマトグラフィー・プログラムに加えて)に適用することができる。図5は、5
00で、多変量最適化のための一般に適用可能な方法を表す。該方法は、 1)505で、プロセスの、少なくとも2つの運転パラメータ間の関係を含む
数学モデルを構築するステップと、 2)510で、該関係に影響を及ぼすモデル中の変数を特定するステップと、 3)515で、少なくとも1つの所望の最終結果を選択するステップと、 4)520で、特定した変数に対する許容値を探索し、所望の最終結果を生み
出す値の組み合わせを見つけるステップとを含む。 一般に適用可能な方法に従って最適化することができるプロセスの例としては
、ガスクロマトグラフィー、蒸留、反応蒸留、バッチ反応、セミ−バッチ反応、
及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0055】 製造品:プログラム製品 本発明は、例えばコンピュータ・システムを動作させて、上述の方法中の方法
ステップを行うための、機械可読命令のシーケンスを実行することによって実施
することができる。図6は、コンピュータ・システム600を表す。該コンピュ
ータ・システム600は、以下のシステム・コンポーネント、すなわち、主メモ
リ620(例えば、ランダム・アクセス・メモリ(「RAM」))に接続された
メイン又は中央演算処理装置(「CPU」)630、ディスプレイ・アダプタ6
40、補助記憶インターフェース650、及びネットワーク・アダプタ660を
含む。これらのシステム・コンポーネントは、システム・バス670を使用して
相互接続する。
【0056】 CPU630は、例えば、インテル社(Intel Corporation)(米国カリフォ
ルニア州サンタクララ)製のペンティアム(登録商標)(PENTIUM(登録
商標))プロセッサであることができる。ただし、本発明はいかなるプロセッサ
の製造元にも限定されるものではなく、コプロセッサ又は補助プロセッサなど、
別のタイプのプロセッサを使用して実行してよい。補助記憶アダプタ650を使
用して、大容量記憶デバイス(ハード・ディスク・ドライブ610など)をコン
ピュータ・システム600に接続する。プログラムが、必ずしも全て同時にコン
ピュータ・システム600上に存在する必要はない。実際、コンピュータ・シス
テム600がネットワーク・コンピュータであり、そのためサーバ上に存在する
機構に、又は機構の一部にアクセスするための、オン・デマンドのシッピング機
構に依存していることはあり得るケースである。ディスプレイ・アダプタ650
は、ディスプレイ・デバイス(図示せず)を直接コンピュータ・システム600
に接続するために使用する。ネットワーク・アダプタ660は、コンピュータ・
システム600を他のコンピュータ・システムに接続するために使用する。
【0057】 機械可読命令は、ハード・ディスク・ドライブ610及び主メモリ620など
、信号担持媒体の様々なタイプに存在し得る。本発明は、方法ステップを行うた
めに、CPU630などのデータ処理装置によって実行可能な、機械可読命令の
プログラムを実施する信号担持媒体を含む、プログラム製品に関する。該機械可
読命令は、C、及びC++などのような、多数の既知のプログラミング言語のう
ちの任意のものを含んでよい。 本発明は、任意のタイプのコンピュータ・システム上で実施してよく、図6に
示すコンピュータ・システムのタイプに限定されるものではない。本発明につい
て、完全な機能的コンピュータ・システムに関連して述べてきたが、本発明の機
構を種々の様式のプログラム製品として流通することができ、流通のために使用
する信号担持媒体の特定のタイプを考えずに、本発明が同様に適合することは、
当該分野の技術者には理解できる。
【0058】 本発明はさらに、上述の方法を行うための製造品に関する。これらの製造品は
、上述の方法中の方法ステップを行うためのデータ処理装置によって、実行可能
な機械可読命令のプログラムを実行する信号担持媒体を含むプログラム製品であ
る。該信号担持媒体は、例えば、デジタル及びアナログの通信回線及び無線など
の伝送タイプ媒体、フロッピー(登録商標)・ディスク及びCD−ROM(すな
わち、リード・オンリー・メモリ)などの記録可能媒体、又はインターネット上
のウェブ・サイトであることができる。 本発明の好ましい実施形態では、コンピュータ使用可能媒体は、インターネッ
ト上のウェブ・サイトであり、コンピュータ可読プログラムコード手段は、ウェ
ブ・サイトに格納されたソフトウェアである。ユーザーは(例えば、手数料を取
って)、パーソナル・コンピュータを使用して、ウェブ・ページを介してウェブ
・サイトにアクセスし、データを入力することができる。するとソフトウェアが
、ユーザーのデータに対して上述の1つ以上の方法を行い、分析結果をユーザー
のパーソナル・コンピュータに返送する。
【0059】 本発明の代替的な実施形態では、ウェブ・サイトのソフトウェアは、インター
ネットからユーザーのパーソナル・コンピュータにダウンロード可能であってよ
く、その結果、顧客は、パーソナルコンピュータ上でデータを入力し、これらの
方法を実行することができるようになる。
【0060】 使用方法 本発明はさらに、上述の方法を用いてHPLCプロトコルを構築する方法に関
する。HPLCプロトコルを構築するための方法は、 1)初期室内実験のデータを収集するステップと、 2)溶質ピークの保持時間及びピーク幅を予測するための数学モデルを構築す
るステップであって、該モデルによって保持を移動相強度に関連付けるステップ
と、 3)ステップ2)で構築したモデルを用いて、保持時間及びピーク幅を予測す
るステップと、 4)保持時間及びピーク幅に影響を及ぼす、ユーザー可変パラメータの多変量
最適化を行うステップと、 5)高速液体クロマトグラフィー・システムで最適化したパラメータを実施す
るステップと を含む。
【0061】 本発明はさらに、HPLCプロトコルを構築するための製造品を使用する方法
に関する。該方法は、 1)データを入力するステップであって、該データが、 I)高速液体クロマトグラフィー・システムの物理的寸法と、 II)少なくとも2つの定組成分離のデータであって、該データが、 a)%Bで表される移動相組成の関数としての、非残留マーカに対する保
持時間と、 b)%Bで表される移動相組成の関数としての、少なくとも1つの注目す
る溶質ピークに対する保持時間と、 c)移動相圧力とを含むデータと を含み、 定組成分離が、異なる%Bの値で行われる、データを入力するステップと、 2)ステップ1)で入力されたデータをインターネットのウェブ・サイトに送信
するステップであって、該ウェブ・サイトが、データを用いて、 I)ステップ1)の注目する溶質ピークに対してlog kで表される保持
時間と%Bとの間の関係を構築するステップであって、該関係をステップ1)で
入力したデータの回帰によって構築するステップと、 II)時間セグメント化数値解析プロセスによって、パラメータ変化が注目
する溶質ピークの保持時間に及ぼす影響を予測するステップであって、該時間セ
グメント化数値解析プロセスが、 i)時間セグメント化数値解析を行うステップであって、 所与の時間セグメント中に、強成分が一定の量で存在すると推定されるステップ
と、 ii)所与の時間セグメント中に溶質ピークがカラムに沿って移動する距
離を計算し、その距離を溶質ピークがカラムに添って移動した合計距離に加える
ステップと、 iii)次の時間セグメント中で、強成分の量をその次の値に増分するス
テップと、 iv)溶質ピークが溶出するまで、ステップi)〜iii)を繰り返すス
テップと を含む、影響を予測するステップと、 III)修正時間セグメント化数値推定手法を用いて、パラメータ変化が注
目するピークのピーク幅に及ぼす影響を予測するステップであって、該推定手法
が、 i)時間セグメント化数値解析を行うステップであって、 所与の時間セグメント中に、強成分が一定の量で存在すると推定されるステップ
と、 ii)所与の時間セグメント中の溶質ピークの広がりに対する寄与を計算
するステップと、 iii)クロマトグラフィー・プログラム中に、弱成分に対する強成分の
量が変化する時に生じる、ピーク圧縮に対する累積ピーク幅を補正するステップ
と、 iv)次の時間セグメント中で、強成分の量をその次の値に増分するステ
ップと、 v)溶質ピークが溶出するまで、ステップi)〜iv)を繰り返すステッ
プと を含む、影響を予測するステップと、 IV)ステップ2)で収集した圧力データから、ステップ4)及び5)で調
べた流量をカラム入り口で維持するために必要な、移動相圧力を決定するステッ
プと、 V)ユーザー可変のクロマトグラフィー・パラメータの多変量最適化を行う
ステップであって、該多変量最適化が、 i)所望の分離目標を選択するステップと、 ii)クロマトグラフィー・パラメータを特定するステップと、 iii)クロマトグラフィー・パラメータの許容値を探索し、所望の分離
目標を生み出す値の組み合わせを見つけるステップとを含む方法によって実施さ
れる、多変量最適化を行うステップとを含むプロセスによって、分離をモデル化
し、予測し、最適化した結果を生成する、データを送信するステップと、 3)ステップ2)で生成された結果を受信するステップと を含む。
【0062】 ステップ3)で得られた結果は、4)ステップ3)で受信した結果を用いて分
離を実行させることによって結果を検証するステップ、によって検証することが
できる。
【0063】 (実施例) これらの実施例は、当該分野の技術者に本発明を説明しようとするものであっ
て、特許請求の範囲で述べた本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきでは
ない。 全ての操作は、ウォーターズ(Waters)(登録商標)アライアンス・モデル(
Alliance Model)2690HPLCシステムで行う。カラムはウォーターズ(Wa
ters)(登録商標)シンメトリー(Symmetry)C−18であり、その寸法は4.
6mm×150mmで、梱包直径は5μmである。温度は27℃である。検出器
は、ウォーターズ(Waters)996フォトダイオード・アレー・ディテクター(
Photodiode Array Detector)で、210及び254nmでモニターする。
【0064】 実施例1 移動相組成は、ミリポア社(Millipore,Inc.)のMilli−Q(登録商標)
プラス(Plus)精製システムから得られる水(弱溶媒A)、及びメタノール(強
溶媒B)である。添加物は使用しない。試験溶質は、メチルパラベン及びエチル
パラベンである。それぞれを、水/メタノールが80/20の体積混合物中に、
1ミリリットル当り50マイクログラムの濃度で溶解させる。HPLCシステム
のカラム外容量は、適切な寸法を測定することによって決定し、勾配遅れ容量(
dwell volume)は、「実用的HPLC方法の構築(Practical HPLC Method Deve
lopment)」第2版、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons
,Inc.)(米国ニューヨーク)10章、392〜394頁(1997年)のスナ
イダー(Snyder)他の方法を用いて決定する。1.00mL/分の流量で、19
回の定組成分離を行う。所与の%Bでの各溶質に対する平均保持時間及び標準偏
差をデータから計算し、表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】 tMの値は、非残留マーカとして硝酸アンモニウムを用いて決定する。これら
のデータから、log kの値を決定し、%B及び(%B)2に対して回帰させ
、log k=a+b(%B)+c(%B)2の形を用いて、各溶質に対し係数
a、b、及びcを決定する。次いで、45、55、及び65%の%B値を用いて
メチル及びエチルパラベンの保持時間を予測し、これらの予測値を実験的試行と
比較することによって、予測したlog k(及び保持時間)の値での該等式の
確度を評価する。移動相中の45、55、及び65%メタノールで予測したtR
の2乗平均平方根誤差は、両方の溶質に対し0.007分である。 4.55×10-6cm2/sの溶質拡散係数の値を用いてピーク幅を予測し、
表1の各%Bで測定した平均ピーク幅と比較する。予測値と測定平均幅との間の
最大偏差は0.015分(又は0.9秒)である。これは問題の特定のピーク幅
の10%に等しい。
【0067】 実施例2 参照実施例1からのデータ及びモデルを使用して、4つの異なる勾配変化率の
勾配条件下で実行した、メチルパラベン及びエチルパラベンに対する保持時間及
びピーク幅を予測する。開始条件は、注入の開始時に、2.5、5、10、及び
20%/分の勾配で、1.5mL/分で30%メタノールをポンプで送り出す。
各勾配変化率で3つのHPLC実験を実施し、各3組の保持時間を平均し、これ
らの結果を予測値と比較する。予測値と、測定保持時間平均との間の最大偏差は
、0.03分(又は2秒)である。 溶質拡散係数4.55×10-6cm2/sの値を用いて、ピーク幅もまた予測
し、実験で測定した値と比較する。予測値と測定幅の最大時間偏差は、0.01
分(又は0.6秒)で、これは対象ピークの測定幅の0.3%にあたる。最大相
対偏差は、7%である。
【0068】 実施例3 移動相組成Aとして水を、移動相組成Bとしてメタノールを使用する。流量は
1mL/分である。システムに対する測定ホールドアップ時間は、1.743分
である。カラム外容量によって引き起こされるホールドアップ時間の測定値に対
する寄与は、システム・コンポーネントの寸法と流量から、0.074分と決定
する。以下の表2に表す、次のデータを定組成的に収集する。
【0069】
【表2】
【0070】 20%B試行に対して測定された最低分解能は、ベンジルアルコールとフェノ
ールのピーク間の1.9であるが、上記条件には、2.0以上の分解能で全ピー
クを分解するものはない。これらのデータから、log kの値を、%B及び(
%B)2に対し、形式log k=a+b(%B)+c(%B)2(係数は表3で
得られる)を用いて決定し回帰させる。
【0071】
【表3】
【0072】 時間セグメント化数値推定を、マイクロソフトEXCEL(登録商標)を用い
て行って、パラメータ変化が、結果として得られるクロマトグラムに及ぼす影響
を決定する。次いで、カラム長、流量、及び%Bの最高の組み合わせを、マイク
ロソフトEXCEL(登録商標)中のSOLVER機能を用いて決定して、最短
時間内に安息香酸のピークを溶出させるための定組成条件を最適化する。全ピー
クに対する分解能は、少なくとも2.0である必要があり、流量は最大2mL/
分に制約される。次の条件を最適条件(すなわち、全制約を満たし、最終注目す
るピークに対して最短保持時間を与える)と決定する:カラム長、22.19c
m;流量、2.00mL/分;%B、20.29。これらの条件によって、表4
の最適化結果を予測する。
【0073】
【表4】
【0074】 (第1のピークである、ベンジルアルコールに対するRsは、非保持ピーク(
表には示さず)と対比して計算する)次いで、前述のように最適値を再計算する
。ただしカラム長は、最適長さに最も近い一般的なカラム長である20cmに固
定する。次の条件を、20cmカラム長に対する最適条件と決定する:流量、1
.61mL/分;%B、20.33。これらの条件によって、表5の結果を予測
する。
【0075】
【表5】
【0076】 メチルパラベン及びエチルパラベンの保持を短縮するために%B勾配を用いる
可能性を、%B勾配を述べるためのモデルに適切なパラメータを与えて調べる。
注入7分後に起こるようにプログラムされた、20.33%から55%への%B
のステップ変化が、有効に機能することがわかった。勾配遅れ容量(dwell volu
me)及びカラムのホールド・アップ時間による勾配遅れの後、該ステップは、注
入後8.94分、すなわち安息香酸ピークが溶出した直後にカラム出口に到着す
る。%Bの値の該ステップは、定組成状態を伴うよりも早く残りのピークを溶出
させ、その結果全体の分析時間を短縮する。表6の結果は、要求される分解能を
全て満たし、合計分析時間は約10分と予測される。
【0077】
【表6】
【0078】 (発明の効果) 当該分野の技術者には明らかなように、本発明は、HPLCプロトコルを構築
し最適化するために必要な時間及びリソースを劇的に減少させる。HPLC分離
は、わずか2〜4程度の室内実験のデータを用いて、モデル化及び最適化するこ
とができる。全体的に最適化したHPLCプロトコルは、数時間以内に構築する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 分析規模のHPLCシステムの概略図である。
【図2】 HPLCプロトコルを構築する手順の流れ図である。
【図3】 HPLCをモデル化するための好ましい方法の流れ図である。
【図4】 ピーク幅及び保持時間を修正時間セグメント化数値推定する流れ
図である。
【図5】 多変量最適化を行う方法の流れ図である。
【図6】 本発明を実施するために使用することができるコンピュータ構造
の図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 チャンジュン リー アメリカ合衆国 45069 オハイオ州 ウ エスト チェスター タイラーズ クロッ シング 6464 Fターム(参考) 4D017 DA03 EA05 EB10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 勾配溶離クロマトグラフィー・プログラムにおいて溶質ピー
    クのピーク幅を予測する方法であって、 i)所与の時間セグメント内で強成分が一定の量で存在すると推定される
    、時間セグメント化数値解析を行うステップと、 ii)所与の時間セグメント内の溶質ピークの広がりに対する寄与を計算
    するステップと、 iii)クロマトグラフィー・プログラム中に弱成分に対する強成分の量
    が変化するときに起こる、ピーク圧縮について累積ピーク幅を補正するステップ
    と、 iv)次の時間セグメント中の強成分の量をその次の値に増分するステッ
    プと、 v)溶質ピークが溶出するまで、ステップi〜ivを繰り返すことと、 vi)任意選択的に、溶質ピークの累積ピーク幅を表示するステップと を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 与えられた時間セグメントにおける累積ピーク幅が、 【数1】 であって、式中、 kが保持係数を表し、及びσが距離で表されるピーク標準偏差である式;その代
    数的等価物、クロマトグラフィー理論の既知の恒等式を用いてその代数的等価物
    に変換することができる等式;並びにピーク標準偏差が時間又は体積で表される
    その導出物から成る群から選択される等式によって計算されることを特徴とする
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 勾配が、移動相組成の線形勾配、任意の形状の非線形勾配、
    階段状変化、それらの組み合わせ、及び1つまたは複数の前記勾配と定組成条件
    の組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする請求項1又は2のいず
    れか1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】 クロマトグラフィー・プログラムが、高速液体クロマトグラ
    フィー・プログラム、統合クロマトグラフィー・プログラム、高温高速液体クロ
    マトグラフィー・プログラム、亜臨界流体クロマトグラフィー・プログラム、超
    臨界流体クロマトグラフィー・プログラム、及び高圧クロマトグラフィー・プロ
    グラムから成る群から選択されることを特徴とする請求項1、2、又は3のいず
    れか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 ステップiii)が、所与の時間セグメント中に溶質ピーク
    が移動する距離を計算するステップ、及び該距離を溶質ピークが移動する全距離
    に加えるステップをさらに含むことを特徴とする請求項1、2、3、又は4のい
    ずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 vii)最終時間セグメントで補間を行い溶質ピークの保持時間を推定す
    るステップ をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 viii)少なくとも1つの継続する溶質ピークに対して工程i)〜vi
    i)を繰り返すステップ をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 勾配溶離高速液体クロマトグラフィー分離をモデル化し、予
    測し、最適化するための方法であって、 1)高速液体クロマトグラフィー・システムの物理的寸法を述べるステッ
    プと、 2)少なくとも2つの定組成分離のデータを収集するステップであって、
    そのデータが、 a)%Bで表される移動相組成の関数としての、非残留マーカに対する
    保持時間と、 b)%Bで表される移動相組成の関数としての、少なくとも1つの注目
    する溶質ピークの保持時間と、 c)移動相圧力と を含み、 該定組成分離を異なる%Bの値で行うステップと、 3)注目する溶質ピークについて、log kで表される保持時間及びス
    テップ2)の%Bの間の関係を構築するためのステップであって、該関係を工程
    2)で収集したデータの回帰によって構築するステップと、 4)時間セグメント化数値解析プロセスによって、パラメータ変化が注目
    する溶質ピークの保持時間に及ぼす影響を予測するステップであって、 i)所与の時間セグメント中に強成分が一定の量で存在すると推定され
    る、時間セグメント化数値解析を行うことと、 ii)所与の時間セグメント中に溶質ピークがカラムに沿って移動する
    距離を計算し、該距離を溶質ピークがカラムに沿って移動する全距離に加えるこ
    とと、 iii)次の時間セグメント中の強成分の量を、その次の値に増分する
    ことと、 iv)溶質ピークが溶出するまで工程i)〜iii)を繰り返すこと を含むステップと、 5)請求項1、2、3、4、5、6、又は7の方法を用いて、パラメータ
    変化が注目する溶質のピーク幅に及ぼす影響を予測することと、 6)ステップ2)で収集したデータから、ステップ4)及び5)で調べた
    流量を維持するために、カラム入り口において必要な移動相圧力を決定するステ
    ップと、 7)ユーザー可変のクロマトグラフィー・パラメータの多変量最適化を行
    うステップであって、多変量最適化が、 i)所望の分離目標を選択すること、 ii)クロマトグラフィー・パラメータを特定すること、 iii)クロマトグラフィー・パラメータの許容値を探索し、所望の分
    離目標を生み出す値の組み合わせを見つけること を含む方法によって行われる多変量最適化するステップと を含む方法。
  9. 【請求項9】 所望の分離目標が、分析時間を最小限に抑えること、溶媒使
    用を最小限に抑えること、溶質検出能を最大限にすること、所与の分析時間内の
    分解能を最大限にすること、所与の溶媒使用限界内の分解能を最大限にすること
    、他の成分から所望の純度レベルで溶質を生産する速度を最大限にすること、及
    び生産コストを最小限に抑えることから成る群から選択される、請求項8に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、又は9によるク
    ロマトグラフィー分離をモデル化する方法工程を行うために、データ処理装置で
    実行可能な機械可読命令のプログラムを実施する信号担持媒体を備えた製造物品
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