JP2003530075A - ヒト7tmタンパク受容体およびそれをコードするポリヌクレオチド - Google Patents

ヒト7tmタンパク受容体およびそれをコードするポリヌクレオチド

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JP2003530075A JP2001521743A JP2001521743A JP2003530075A JP 2003530075 A JP2003530075 A JP 2003530075A JP 2001521743 A JP2001521743 A JP 2001521743A JP 2001521743 A JP2001521743 A JP 2001521743A JP 2003530075 A JP2003530075 A JP 2003530075A
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Abstract

(57)【要約】 ヒトGタンパク共役型受容体と類似性を有するいくつかの新規なヒトタンパク質のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を記載する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、米国仮特許出願60/153,366(1999年9月10日出願
)および60/165,510(1999年11月15日出願)の優先権を主張
し、それらの全体を本明細書に参照として援用する。
【0002】 1.発明の分野 本発明は、タンパク質および膜結合受容体をコードする新規なヒトポリヌクレ
オチドの知見、同定および解明に関する。本発明は、本明細書に記載するポリヌ
クレオチド、宿主細胞発現系、コードされるタンパク質、融合タンパク質、ポリ
ペプチドおよびペプチド、コードされるタンパク質またはペプチドに対する抗体
、ならびに遺伝子工学的に処理された、開示遺伝子を欠如または過剰発現する動
物、もしくはそれらのタンパク質のアンタゴニストおよびアゴニスト、ならびに
開示遺伝子によりコードされるタンパク質の発現または活性を調節する他の化合
物であって、診断、薬物スクリーニング、臨床試験モニタリング、および/また
は生理的障害または行動障害の処置に使用できる化合物を包含する。
【0003】 2.発明の背景 膜受容体タンパク質は、細胞がそれらの周囲を感知し、細胞の機能を制御し、
および生理的な恒常性を維持する機序に統合された成分である。したがって膜受
容体タンパク質は、細胞の生理、化学的コミュニケーションおよび遺伝子発現を
制御する信号伝達経路に関与することがしばしばある。特に関連のある一群の膜
受容体は、一般に非保存親水性ループにより連結した保存7回膜貫通ドメインの
存在を特色とするものである。このような”7TM受容体”には、Gタンパク質
と共役する受容体(GPCR)として知られる受容体のスーパーファミリーが含
まれる。GPCRは一般にGタンパク質を伴う信号伝達経路に関与する。したが
ってGPCRファミリーには療法薬の薬剤ターゲットとして既知である多数の受
容体が含まれる。
【0004】 3.発明の概要 本発明は、新規GPCRsおよび対応する新規GPCRsのアミノ酸配列の知
見、同定および解明に関する。本明細書に初めて記載したGPCRは、細胞膜に
またがる膜貫通タンパク質であり、リガンド結合後の信号伝達に関与する。本明
細書に記載するGPCRは、7TM受容体ファミリーにみられる構造モチーフを
もつ。GPCRmRNA転写物は、とりわけ胎盤、肺、腎臓、肝臓および膵臓、
細胞などにおいて発現している。記載する新規ヒトGPCRsは、1250、1
221、718、1112、1249、1220、717、1111、1250
、1221、718、1112、541、512、8、403、1222、11
93、690、1084、1221、1192、689、1083、1222、
1193、690、1084、および1192のアミノ酸長のタンパク質をコー
ドする(それぞれ、配列番号2、4、6、10、12、14、16、18、20
、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44
、46、48、50、52、54、56、および58参照)。記載するGPCR
sは、(約20−30アミノ酸の)特徴的な7つの膜貫通領域、並びにいくつか
の推定細胞質ドメインを有している。選択的5’領域および配列表中に示すオー
プンリーディングフレームのスプライス部位により明らかなように、記載する新
規GPCRsの転写は、明らかにゲノム内に存在するいくつかの異なったプロモ
ーターの一つから開始することができる。いずれのプロモーターを使用するかに
より、記載する新規GPCRs(NGPCRs)は、タンパク質のアミノ末端領
域で、もしくはその近くでいくつかの異なったアミノ酸配列の一つを有すること
ができる。
【0005】 更に考慮されるのは、慣用的な方法により作られる、記載するNGPCRsの
マウスホモログおよび相当するノックアウトES細胞である(参照、例えばここ
に参照として援用する1998年2月20日に出願されたPCT出願番号PCT
/US98/03243)。従って、本発明の更なる側面は、記載したNGPC
Rsをコードする遺伝子中に遺伝子操作による変異を有するノックアウト細胞お
よび動物を含む。
【0006】 本発明は下記のものを包含する:配列表に示したヌクレオチド、それらのヌク
レオチドを発現する宿主、およびそれらのヌクレオチドの発現生成物、ならびに
:(a)本明細書に記載するGPCRsの哺乳動物相同体(具体的に記載したヒ
トNGPCR、およびヒトNGPCRs遺伝子生成物が含まれる)をコードする
ヌクレオチド;(b)NGPCRsの機能性ドメインに相当する1以上の部分を
コードするヌクレオチド、およびそれらのヌクレオチド配列により特定されるポ
リペプチド生成物[新規領域である細胞外ドメイン(1以上)(ECD)、本明
細書に初めて記載した1以上の膜貫通ドメイン(1以上)(TM)、および細胞
質ドメイン(1以上)(CD)が含まれるが、これらに限定されない];(c)
前記NGPCRsの少なくとも1つのドメインの全部または一部が欠失または変
化した遺伝子工学的に形成した変異体または天然変異体をコードする単離ヌクレ
オチド、およびそれらのヌクレオチド配列により特定されるポリペプチド生成物
(TMの全部または一部が欠失した可溶性受容体、およびCDの全部または一部
が欠失した非機能性受容体が含まれるが、これらに限定されない);(d)他の
ペプチドまたはポリペプチドに融合した融合タンパク質またはそのドメインの1
つ(たとえば細胞外ドメイン)をコードする、NGPCR由来のコード領域を含
むヌクレオチド。
【0007】 本発明は下記のものをも包含する:NGPCRsのアゴニストおよびアンタゴ
ニスト(天然NGPCRと競合する、小型分子、大型分子、変異NGPCRタン
パク質、またはその一部が含まれる)、および抗体、ならびに前記NGPCRの
発現を阻害するために、または前記NGPCR遺伝子の発現を高めるために(た
とえば、前記遺伝子を強力なプロモーター系の制御下におく発現構築体)使用で
きるヌクレオチド配列(たとえばアンチセンス分子およびリボザイム分子、なら
びに遺伝子または調節配列の置換構築体)、ならびにNGPCRトランスジーン
を発現するトランスジェニック動物、または機能性NGPCRを発現しない”ノ
ックアウト体”。
【0008】 さらに本発明は、NGPCR遺伝子の発現および/またはNGPCR遺伝子生
成物の活性を調節する化合物、すなわちそのアゴニストまたはアンタゴニストと
して作用する化合物の同定のために、前記NGPCR遺伝子および/またはNG
PCR遺伝子生成物を使用する方法にも関する。そのような化合物は、生物学的
障害または平衡異常の多様な症状のいずれかを処置するための療法薬として使用
できる。
【0009】 4.配列表および図面の説明 配列表に、前記NGPCRsのポリヌクレオチド配列、およびそれによりコー
ドされるアミノ酸配列を示す。
【0010】 5.発明の詳細な記述 本明細書に初めて記載するヒトNGPCRsは、とりわけ、胎盤、肺、肝臓、
膵臓、脊髄、脾臓、胸腺、リンパ節、副腎、胃、唾液腺、胃、乳腺、甲状腺、心
臓、脳、精巣、腎臓、脂肪、食道、直腸、心膜、気管、および遺伝子トラップヒ
ト細胞において発現する新規なタンパク質である。NGPCRsを発現する組織
を考慮すると、記載するヒトNGPCRsは、とりわけ糖尿病、異常体重もしく
は肥満、アテローム性動脈硬化、心臓病、異常血圧、癌、およびそれらの関連症
状の治療処置のための重要なターゲットであろう。
【0011】 NGPCRsは7TMファミリーの受容体に属する膜貫通タンパク質である。
他のGPCRsと同様に、リガンドが受容体に結合したときに信号伝達が開始さ
れる。天然リガンドの結合を妨害し、またはリガンドを中和もしくは除去し、ま
たはNGPCRへのリガンドの結合を妨害すると、NGPCR仲介による信号伝
達が影響を受ける。7TMタンパク、特にGPCRsは生物学的に重要であるの
で、集中的な科学的および商業的探索の対象となってきた(たとえばUSSN0
8/820,521(1997年3月19日出願)、および08/833,22
6(1997年4月17日出願)参照;両方を全体として本明細書に援用する)
【0012】 本発明は、疾病の診断および/または処置において、受容体の活性もしくは発
現を阻害するアンタゴニストとしての、または受容体の活性を高めもしくは発現
を増大させるアゴニストとしての、前記NGPCRヌクレオチド、NGPCRタ
ンパク質およびペプチドの使用を包含する。本発明は、NGPCRヌクレオチド
、タンパク質またはそのフラグメントに結合してNGPCRアゴニストまたはア
ンタゴニストとして作用する抗体および抗イディオタイプ抗体(Fabフラグメ
ントが含まれる)、好ましくはヒト化モノクローナル抗体、またはその結合性フ
ラグメント、ドメイン、もしくは融合タンパク質をも包含する。
【0013】 特に、以下の各サブセクションに記載する本発明は、下記のものを包含する:
NGPCRの機能性ドメイン(たとえばECD、TMまたはCD)に対応するN
GPCRポリペプチドまたはペプチド;変異、トランケートまたは欠失NGPC
Rs(たとえば1以上の機能性ドメインまたはその一部を失ったNGPCRs、
たとえば△ECD、△TMおよび/または△CD)、NGPCR融合タンパク質
(たとえば、NGPCRまたはNGPCR機能性ドメインが、関連のないタンパ
ク質またはペプチド、たとえば免疫グロブリン定常部、すなわちIgFcに融合
したもの)、それらの生成物をコードするヌクレオチド配列、ならびにそれらの
NGPCR生成物を産生できる宿主細胞発現系。
【0014】 本発明は下記のものをも包含する:NGPCR遺伝子の発現を阻害する化合物
もしくはヌクレオチド構築体(転写因子阻害薬、アンチセンス分子およびリボザ
イム分子、または遺伝子もしくは調節配列置換構築体)、またはNGPCRの発
現を促進する化合物もしくはヌクレオチド構築体(たとえばNGPCRコード配
列が機能可能な状態でプロモーター、プロモーター/エンハンサーなどの発現制
御要素と結合した発現構築体)。本発明は、ヒトNGPCRs(またはその変異
体)を発現するか、あるいは動物の内因性NGPCR遺伝子の発現を阻害または
”ノックアウト”するように遺伝子工学的に処理した宿主細胞および動物にも関
する。
【0015】 NGPCRタンパク質またはペプチド、NGPCR融合タンパク質、NGPC
Rヌクレオチド配列、抗体、アンタゴニストおよびアゴニストは、疾病の診断の
ために変異NGPCRまたは不適正発現したNGPCRsを検出するのに有用と
なりうる。NGPCRタンパク質またはペプチド、NGPCR融合タンパク質、
NGPCRヌクレオチド配列、宿主細胞発現系、抗体、アンタゴニスト、アゴニ
スト、ならびに遺伝子工学的に処理した細胞および動物は、体内における正常な
NGPCR機能の撹乱の症候性発現または表現型発現を処置するのに有効な候補
を同定する薬物スクリーニング(またはコンビナトリアルライブラリーのハイス
ループットスクリーニング)にも使用できる。遺伝子工学的に処理した宿主細胞
および/または動物の使用は、それらの系によりNGPCRのECDに結合する
化合物を同定できるだけでなく、活性NGPCRによる信号伝達に影響を与える
化合物をも同定できるという点で、有利である。
【0016】 記載するNGPCRタンパクの一つの特徴は、タンパクの7TM領域が、骨形
態発生タンパクやいくつかのプロテアーゼなどのような種々の他のタンパク質に
本質的に似ている、大きな上流オープンリーディングフレームを挿入することが
できるタンパクのC末端部分(例えば、配列番号2の約710アミノ酸で始まる
)に一般的に存在するということである。低級生物において、受容体リガンドを
コードするORFsはその同属受容体をコードするORFsと関係していると考
えると、記載する上流ORFsは体内で受容体リガンドとして働くことができる
産物(または分解産物)をコードすることが可能である。従って、本発明の更な
る態様には、記載する新規ポリヌクレオチド配列の少なくとも一部分によりコー
ドされる可溶性タンパク産物もしくはリガンドを含む。
【0017】 最後に、NGPCR生成物(特に可溶性誘導体、たとえばNGPCR ECD
に対応するペプチド、上流ORFまたは1以上のTMドメインを欠如するトラン
ケート型ポリペプチド)、ならびに融合タンパク質生成物(特にNGPCR−I
g融合タンパク質、すなわちIgFcへのNGPCRまたはNGPCRドメイン
、たとえばECD、△TMの融合体)、抗体および抗イディオタイプ抗体(Fa
bフラグメントが含まれる)、アンタゴニストまたはアゴニスト(信号伝達を調
節する化合物が含まれめる;これらはNGPCR仲介による信号伝達経路におけ
る下流ターゲットに作用する可能性がある)を用いて、そのような疾病を処置す
ることができる。たとえば、有効量の可溶性NGPCR ECD、△TM、また
はNGPCR ECDを模倣したECD−IgFc融合タンパク質もしくは抗イ
ディオタイプ抗体(またはそのFab)の投与により、内因性NGPCRリガン
ドが”掃討”または中和され、結合および受容体活性化が阻止され、または低下
するであろう。そのようなNGPCR生成物をコードするヌクレオチド構築体を
用いて、そのような生成物をインビボで発現するように宿主細胞を遺伝子工学的
に処理することができる;遺伝子工学的に処理したこれらの細胞は体内で”バイ
オリアクター”として作用し、NGPCR、NGPCRペプチド、可溶性ECD
もしくは△TMまたはNGPCR融合タンパク質を身体に連続的に供給し、これ
らがNGPCRリガンドを”掃討”または中和する。機能性NGPCR、変異N
GPCR、ならびにアンチセンス分子およびリボザイム分子をコードするヌクレ
オチド構築体は、NGPCR発現を調節する”遺伝子療法”方式にも使用できる
。したがって本発明は、生物学的障害を処置するための医薬配合物および方法を
も包含する。
【0018】 本発明の多様な態様について、以下の各サブセクションにさらに詳細に記載す
る。 5.1 NGPCRポリヌクレオチド 前記ヒトタンパクのcDNA配列および推定アミノ酸配列を配列表に示す。
【0019】 本発明のNGPCRヌクレオチドには下記のものが含まれる:(a)配列表に
示したヒトDNA配列;さらに、配列表に示したDNA配列の相補配列に高緊縮
条件下で[たとえば0.5M NaHPO4、7%ドデシル硫酸ナトリウム(S
DS)、1mM EDTA中、65℃でフィルター結合DNAにハイブリダイゼ
ーション、そして0.1×SSC/0.1% SDS中、68℃で洗浄(Aus
ubel,F.M. et al.編,1989,Current Proto
cols in Molecular Biology,Vol.I,Gree
n Publishing Associates社,およびJohn Wil
y & Sons社,ニューヨーク,p.2.10.3)]ハイブリダイズする
連続した機能性NGPCRオープンリーディングフレーム(ORF)をもち、機
能的に均等な遺伝子生成物をコードする、いかなるヌクレオチド配列も考慮され
る。さらに、配列表に示したアミノ酸をコードおよび発現するDNA配列の相補
配列に中等度緊縮条件下で[たとえば0.2×SSC/0.1% SDS中、4
2℃で洗浄(Ausubel,et al.,1989,前掲]ハイブリダイズ
し、なおかつ機能的に均等なNGPCR遺伝子生成物をコードする、いかなるヌ
クレオチド配列も考慮される。NGPCRの機能均等物には、他の種に存在する
天然NGPCRs、および天然の、または遺伝子工学的に作成した変異NGPC
Rs(部位特異的変異、遺伝子シャッフリング、例えばここで参照として援用す
る米国特許第5,837,458において記載されている試験管内進化によって
)が含まれる。本発明には、開示した配列の縮重核酸変異体も含まれる。
【0020】 更に考慮されるのは、NGPCR ORFsをコードするポリヌクレオチド、
もしくは配列表の核酸配列の相当領域と約99%、95%、90%もしくは約8
5%の相同性もしくは同一な(例えば、GCG配列解析パッケージ(Madison、W
isconsin)を標準的なデフォルト設定により使用して、BLAST配列比較解析
により測定する)ポリヌクレオチドによってコードされるそれらの機能均等物で
ある。
【0021】 本発明には、前記NGPCRヌクレオチド配列にハイブリダイズする、したが
ってその相補配列にハイブリダイズする核酸分子、好ましくはDNA分子も含ま
れる。そのようなハイブリダイゼーション条件は、前記のように高緊縮であって
もよく、または緊縮度がより低くてもよい。核酸分子がデオキシオリゴヌクレオ
チド(”DNAオリゴ体”)である場合、それらの分子は本発明の配列表に初め
て開示した配列の連続領域を含む、特に約16〜約100塩基、約20〜約80
塩基、または約34〜約45塩基の長さのもの、またはそこに示すサイズの任意
の変更または組合わせであり、それらをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)と組み
合わせて用いて、ライブラリーのスクリーニング、クローンの単離、ならびにク
ローニング鋳型および配列決定用鋳型の調製などを行うことができる。あるいは
、そのようなNGPCRオリゴヌクレオチドを、ライブラリーのスクリーニング
および遺伝子発現パターンの評価のためのハイブリダイゼーションプローブとし
て用いることができる(特にマイクロアレイまたはハイスループット”チップ”
方式を用いて)。さらに、一連の前記NGPCRオリゴヌクレオチド配列または
その相補配列を用いて、前記ヌクレオチドをコードするNGPCRの全部または
一部を表すことができる。一般に長さ約16〜約40(または前記範囲のうちの
任意の自然数)ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドが互いに部分的にオーバーラ
ップしてもよく、および/またはオーバーラップしないオリゴヌクレオチドを用
いてNGPCR配列を表すことができる。したがって前記NGPCRポリヌクレ
オチド配列は一般に、それぞれ本明細書の配列表に初めて開示した、少なくとも
約18、好ましくは少なくとも約25ヌクレオチドの長さの別個のオリゴヌクレ
オチド配列を少なくとも約2つまたは3つ含むはずである。そのようなオリゴヌ
クレオチド配列は、配列表中の配列内に存在するいずれかのヌクレオチドから始
まり、前記配列に対してセンス(5’−から−3’へ)配向またはアンチセンス
配向のいずれで進行してもよい。
【0022】 オリゴヌクレオチドプローブに関して、高緊縮条件とは、たとえば6×SSC
/0.05%ピロリン酸ナトリウム中、37℃(14塩基オリゴ体について)、
48℃(17塩基オリゴ体について)、55℃(20塩基オリゴ体について)、
および60℃(23塩基オリゴ体について)での洗浄を表す。これらの核酸分子
は、たとえばNGPCR遺伝子調節に有用なNGPCRアンチセンス分子をコー
ドし、またはそれらの分子として作用することができる(NGPCR遺伝子核酸
配列の増幅反応におけるアンチセンスプライマーを得るために、および/または
アンチセンスプライマーとして)。NGPCR遺伝子調節に関しては、それらの
方法を用いて生物学的機能を調節することができる。さらに、そのような配列を
、同様にNGPCR遺伝子調節に有用なリボザイムおよび/または三重らせん配
列の一部として使用できる。
【0023】 さらに、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、下記を含めた群(これらに限定
されない)から選択される少なくとも1個の修飾塩基部分を含むことができる:
5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨード
ウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボ
キシヒドロキシメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チ
オウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、
ベータ−D−ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデ
ニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、
2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシ
トシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシ
ル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、ベータ−D−マンノシルキ
ューオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル
、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸
(v)、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2−チオシトシ
ン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5
−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−
オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N
−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6−ジアミ
ノプリン。
【0024】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、アラビノース、2−フルオロアラビノー
ス、キシルロースおよびヘキソースを含めた(これらに限定されない)群から選
択される少なくとも1個の修飾糖部分を含むこともできる。
【0025】 さらに他の態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオ
エート、ホスホロジチオエート、ホスホルアミドチオエート、ホスホルアミデー
ト、ホスホルジアミデート、メチルホスホネート、アルキルホスホトリエステル
およびホルムアセタール、またはその類似体よりなる群から選択される少なくと
も1個の修飾リン酸主鎖を含む。
【0026】 さらに他の態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドはα−アノマーオ
リゴヌクレオチドである。α−アノマーオリゴヌクレオチドは、通常のβ−単位
と異なり、鎖が互いに平行に走行する特異的な二本鎖ハイブリッドを相補的RN
Aと形成する(Gautier et al.,1987,Nucl.Acid
s Res.,15:6625−6641)。このオリゴヌクレオチドは2’−
O−メチルリボヌクレオチド(Inoue et al.,1987,Nucl
.Acids Res.,15:6131−6148)、またはキメラRNA−
DNA類似体(Inoue et al.,1987,FEBS Lett.2
15:327−330)である。
【0027】 本発明のオリゴヌクレオチドは、当技術分野で既知の標準法により、たとえば
自動DNA合成装置(たとえばBiosearch,Applied Bios
ystemsなどから市販されているもの)を用いて合成できる。一例として、
ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドはSteinらの方法(1988,Nu
cl.Acids Res.,16:3209)により合成でき、メチルホスホ
ネートオリゴヌクレオチドは制御ポアガラスポリマー支持体を用いて製造できる
(Sarin et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sc
i.U.S.A.,85:7448−7451)など。
【0028】 低緊縮条件は当業者に周知であり、ライブラリーおよび標識配列が由来する個
々の生物に応じて異なるが、推定可能であろう。そのような条件に関する手引き
については、たとえば下記を参照されたい:Sambrook et al.,
1989,Molecular Cloning,A Laboratory
Manual(およびその定期的改訂版),Cold Spring Harb
or Press,ニューヨーク;およびAusubel et al.,19
89,Current Protocols in Molecular Bi
ology,Green Publishing Associatesおよび
Wily Interscience,ニューヨーク。あるいは、適切な緊縮条
件を採用し、またはPCRにより、適切に標識したNGPCRヌクレオチドプロ
ーブを用いてヒトゲノムライブラリーをスクリーニングすることができる。ヒト
ゲノムクローンの同定および解明は、多型性の確認、特定の遺伝子座/対立遺伝
子のゲノム構造の決定、および診断試験の設計に有用である。たとえばヒト遺伝
子のイントロン/エキソン境界に隣接する領域に由来する配列を用いて、エキソ
ン、イントロン、スプライス部位(たとえばスプライスアクセプターおよび/ま
たはドナー部位)内などの変異を検出するための増幅アッセイに用いるプライマ
ーを設計し、これらを診断および薬理遺伝学に使用できる。
【0029】 さらに、本明細書に記載するNGPCR遺伝子生成物内のアミノ酸配列に基づ
いて設計した2つの縮重オリゴヌクレオチドプライマープールを用いてPCRを
行うことにより、目的生物の核酸からNGPCR遺伝子相同配列を単離できる。
反応の鋳型は、NGPCR遺伝子対立遺伝子を発現することが分かっているかま
たは推測される、たとえばヒトまたは非ヒト細胞系または組織(たとえば脳)か
ら調製したmRNAの逆転写により得られる全RNA、mRNAおよび/または
cDNAであってよい。
【0030】 増幅配列が目的NGPCR遺伝子の配列であることを確認するために、PCR
生成物をサブクローニングして配列決定することができる。次いでそのPCRフ
ラグメントを用いて多様な方法で全長cDNAクローンを単離できる。たとえば
増幅フラグメントを標識し、cDNAライブラリー、たとえばバクテリオファー
ジcDNAライブラリーのスクリーニングに使用できる。あるいは、標識フラグ
メントを用いて、ゲノムライブラリーのスクリーニングによりゲノムクローンを
単離することができる。
【0031】 PCR法を利用して、全長cDNA配列を単離することもできる。たとえば標
準法により、適切な細胞源または組織源(すなわち、NGPCR遺伝子を発現す
ることが分かっているかまたは推測されるもの、たとえば脳組織)からRNAを
単離できる。最も5’末端の増幅フラグメントに特異的なオリゴヌクレオチドプ
ライマーを第1鎖合成のプライミングに用いて、RNAについて逆転写(RT)
反応を行うことができる。次いで得られたRNA/DNAハイブリッドを標準的
なターミナルトランスフェラーゼ反応により”テイル形成”し、このハイブリッ
ドをRNase Hで消化し、次いで相補プライマーにより第2鎖合成をプライ
ミングすることができる。こうして、増幅フラグメントの上流のcDNA配列を
容易に単離できる。使用できるクローニング方式の概説については、Sambr
ook et al.,1989(前掲)を参照されたい。
【0032】 変異NGPCR遺伝子のcDNAは、たとえばPCRを用いて単離できる。こ
の場合、第1cDNA鎖は、変異NGPCR対立遺伝子を保有すると推定される
個体において発現することが分かっているかまたは推測される組織から単離した
mRNAに、オリゴ−dTオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせ、この新た
な鎖を逆転写酵素で延長することにより合成できる。次いで正常遺伝子の5’末
端に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを用いて、第2鎖を合成す
る。次いでこれら2プライマーを用いて、生成物をPCRにより増幅させ、所望
により適切なベクター中へクローニングし、当業者に周知の方法でDNA配列分
析を行う。変異NGPCR対立遺伝子のDNA配列を正常なNGPCR対立遺伝
子のものと比較することにより、変異NGPCR遺伝子生成物の機能の喪失また
は変化に関与する変異(1以上)を確認できる。
【0033】 あるいは、変異NGPCR対立遺伝子を保有することが推測されるかもしくは
分かっている個体から得たDNAを用いてゲノムライブラリーを構築することが
でき、または変異NGPCR対立遺伝子を発現することが分かっているかもしく
は推測される組織からのRNAを用いてcDNAライブラリーを構築することが
できる。次いで、正常なNGPCR遺伝子、またはそのいずれか適切なフラグメ
ントを標識してプローブとして用い、そのようなライブラリー中の対応する変異
NGPCR対立遺伝子を同定することができる。次いで、当業者に周知の方法で
変異NGPCR遺伝子配列を含むクローンを精製し、配列分析することができる
【0034】 さらに、たとえば変異NGPCR対立遺伝子を保有することが推測されるかま
たは分かっている個体の、そのような変異対立遺伝子を発現することが分かって
いるかまたは推測される組織より単離したRNAから合成したcDNAを利用し
て、発現ライブラリーを構築できる。この方法で、後記セクション5.3に記載
するように、推定変異組織が形成した遺伝子生成物を発現させ、正常NGPCR
生成物に対して産生された抗体と組み合わせた標準抗体スクリーニング法を用い
てスクリーニングすることができる(スクリーニング法については、たとえばH
arlow,E.and Lane編,1988,”Antibodies:A
Laboratory Manual”,Cold Spring Harb
or Press,コールド・スプリング・ハーバー,参照)。
【0035】 さらに、標識NGPCR融合タンパク質、たとえばアルカリ性ホスファターゼ
−NGPCR(AP−NGPCR)またはNGPCR−AP融合タンパク質を用
いてスクリーニングを行うことができる。NGPCR変異により機能の変化した
遺伝子生成物が発現する場合(たとえばミスセンス変異またはフレームシフト変
異の結果)、NGPCRに対するポリクローナル抗体セットがこの変異NGPC
R遺伝子生成物と交差反応する可能性がある。それらとそのような標識抗体との
反応により検出されるライブラリークローンを当業者に周知の方法で精製し、配
列分析することができる。
【0036】 本発明は、変異NGPCR、NGPCRのペプチドフラグメント、トランケー
トしたNGPCR、およびNGPCR融合タンパク質をコードするヌクレオチド
配列をも包含する。これらには、後記セクション5.2に記載する変異NGPC
Rをコードするヌクレオチド配列;NGPCRの1以上のECD、TMおよび/
またはCDドメイン、あるいはこれらのドメインの一部に対応するポリペプチド
またはペプチド;1または2つのドメインが欠失したトランケートNGPCR、
たとえばTM領域またはTMとCDの両領域を欠如する可溶性NGPCR、ある
いはたとえばCD領域の全部または一部を欠如するトランケートした非機能性N
GPCRが含まれるが、これらに限定されない。融合タンパク質をコードするヌ
クレオチドには、全長NGPCR配列、トランケートしたNGPCR、またはN
GPCRのペプチドフラグメントが下記のような関連のないタンパク質もしくは
ペプチドに融合したものをコードするヌクレオチドを含めることができるが、こ
れらに限定されない:NGPCR ECDを細胞膜に結合させる膜貫通配列;得
られる融合タンパク質(たとえばNGPCR−Ig)の血流中での安定性および
半減期を高めるIg Fcドメイン;またはマーカーとして使用できる酵素、蛍
光タンパク質もしくは発光タンパク質。
【0037】 本発明は下記のものをも包含する:(a)前記NGPCRコード配列および/
またはその相補配列(すなわちアンチセンス)のいずれかを含むDNAベクター
;(b)コード配列の発現を指令する調節要素に機能可能な状態で結合した前記
NGPCRコード配列のいずれかを含むDNA発現ベクター;ならびに(c)宿
主細胞におけるコード配列の発現を指令する調節要素に機能可能な状態で結合し
た前記NGPCRコード配列のいずれかを含む、遺伝子工学的に処理した宿主細
胞。本明細書中で用いる調節要素には、誘導性および非誘導性のプロモーター、
エンハンサー、オペレーター、ならびに発現を誘発および調節することが当業者
に知られている他の要素が含まれるが、これらに限定されない。それらの調節要
素には、下記のものが含まれるが、これらに限定されない:ヒトサイトメガロウ
イルス(hCMV)極初期遺伝子の調節可能なウイルスプロモーター(特にレト
ロウイルスLTRプロモーター)、SV40アデノウイルスの初期または後期プ
ロモーター、lac系、trp系、TAC系、TRC系、ファージAの主オペレ
ーターおよびプロモーター領域、fdコートタンパク質の制御領域、3−ホスホ
グリセリン酸キナーゼ(PGK)のプロモーター、酸性ホスファターゼのプロモ
ーター、ならびに酵母α−接合因子のプロモーター。外来調節要素を組み込んだ
ベクターを、遺伝子活性化または適切な転写因子導入により内因性NGPCR遺
伝子発現を誘導または活性化する遺伝子ターゲティング技術と組み合わせて用い
ることもできる。
【0038】 さらに、本発明配列について考慮される用途には、下記の方法で細胞アッセイ
に使用するための構成的に”オン”状態の変異体を遺伝子工学的に作製すること
、および遺伝子工学的に作製した動物が含まれる:USSN60/110,90
6;60/106,300;60/094,879および60/121,851
:これらをすべて全体として本明細書に援用する。
【0039】 5.2 NGPCRタンパク質及びポリペプチド NGPCRタンパク質、ポリペプチド、およびペプチドフラグメント、変異、
トランケートもしくは欠失形のNGPCR、および/またはNGPCR融合タン
パク質を、多様な用途のために調製することができる。これには、アゴニストあ
るいはアンタゴニストとしての使用、抗体産生、診断アッセイにおける試薬とし
て、NGPCRに関連した他の細胞遺伝子生成物の同定、精神的、生物学的また
は医学的な障害および疾病の療法処置に有用な医薬として使用できる化合物のス
クリーニングのためのアッセイにおける試薬としての用途が含まれるが、これら
に限定されない。
【0040】 配列表に、前記NGPCR遺伝子によりコードされるアミノ酸配列を開示する
。前記NGPCRsは、翻訳開始部位に一致するDNA配列コンテクストにイニ
シエーターメチオニンをもち、これに膜結合タンパクに典型的な疎水性のシグナ
ル配列が続く。本明細書に示す配列データは、NGPCRsの選択的スプライシ
ングによるもの(それは組織特異的であるか、あるいは組織特異的でない)が存
在することを示している。
【0041】 本発明のNGPCRアミノ酸配列には、配列表に示したヌクレオチドによるア
ミノ酸配列、ならびにその類似体および誘導体が含まれる。さらに、他の種に由
来する対応するNGPCR相同配列も本発明に包含される。事実、前記セクショ
ン5.1に記載したNGPCRヌクレオチドがコードするいかなるNGPCRタ
ンパク質も本発明の範囲に含まれ、配列表に示したアミノ酸配列の全部またはい
ずれかの新規部分をコードする新規ポリヌクレオチド配列も同様に本発明に含ま
れる。遺伝子コードの縮重性は周知であり、したがって配列表に示した各アミノ
酸はそのアミノ酸をコードしうる周知の核酸”トリプレット”コドン(または多
くの場合コドン類)の一般的代表例である。したがって、本明細書で意図するよ
うに、配列表に示したアミノ酸配列は、遺伝子コード(たとえば”Molecu
lar Cell Biology”,1986,J.Darnellら編,p
.109,表4−1参照,Scientific American Book
s,ニューヨーク州ニューヨーク;本明細書に参考として援用)を合わせて考慮
すると、そのようなアミノ酸配列をコードしうる核酸配列の種々の変形および組
合わせすべてのうちの一般的代表例である。
【0042】 本発明は、多数の基準のいずれかにより判定して、セクション5.1に記載し
たヌクレオチド配列がコードするNGPCRに機能的に均等なタンパク質をも包
含する。これらの基準には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:N
GPCRのリガンドを結合する能力;適切な細胞タイプにNGPCR均等物が存
在する場合に、均等もしくは相補的な信号伝達経路、細胞代謝の変化(たとえば
イオンフラックス、チロシンリン酸化など)、または表現型における変化(たと
えば生化学的、生物物理学的または顕示表現型の軽減、阻止または遅延)。その
ような機能的に均等なNGPCRタンパク質には、前記セクション5.1に記載
したNGPCRヌクレオチド配列がコードするアミノ酸配列内のアミノ酸残基の
付加体または置換体であって、ただしサイレント変化を生じ、したがって機能的
に均等な遺伝子生成物を産生するものが含まれるが、これらに限定されない。ア
ミノ酸置換は、関与する残基の極性、電荷、溶解度、疎水度、親水度および/ま
たは両親媒性の類似性に基づいて行うことができる。たとえば非極性(疎水性)
アミノ酸残基にはアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェ
ニルアラニン、トリプトファンおよびメチオニンが含まれ;極性中性アミノ酸に
はグリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギンおよび
グルタミンが含まれ;正に荷電した(塩基性)アミノ酸にはアルギニン、リシン
およびヒスチジンが含まれ;負に荷電した(酸性)アミノ酸にはアスパラギン酸
およびグルタミン酸が含まれる。
【0043】 NGPCR DNAにランダム変異を行わせ(当業者に周知のランダム変異誘
発法を用いて)、得られた変異NGPCRの活性を調べることができるが、NG
PCRコード配列の部位特異的変異を工学的に形成して(当業者に周知の部位特
異的変異誘発法を用いて)、機能の向上した(たとえばターゲットリガンドに対
する結合アフィニティーがより高い、および/または信号伝達能がより高い)、
または機能の低下した、および/または信号伝達能の低下した、変異NGPCR
を形成することができる。そのような分析の出発点のひとつは、異種間で保存さ
れているアミノ酸配列モチーフを同定するために、開示したヒト配列とたとえば
他の哺乳動物由来の対応する遺伝子/タンパク質配列とをアラインさせることに
よる。種々の位置で非保存変化を工学的に行って、機能、信号伝達能、または両
方を変更することができる。あるいは、機能の変更が望まれる場合、保存領域(
すなわち同一アミノ酸)の欠失または非保存変更を工学的に行うことができる。
たとえば種々の保存された膜貫通ドメインの欠失または非保存変更(置換または
挿入)。
【0044】 選択した宿主細胞における発現、スケールアップなどに、より適したNGPC
Rを形成するために、NGPCRコード配列に対する他の変異を行うことができ
る。たとえばジスルフィド橋を排除するためにシステイン残基を欠失させるか、
または他のアミノ酸と置換することができ;たとえばN−結合部位を過剰グリコ
シル化することが知られている酵母宿主からより容易に採集および精製される均
質な生成物を発現させるために、N−結合グリコシル化部位を変更または排除す
ることができる。この目的で、ECD中にあるいずれか1以上のグリコシル化認
識配列(N−X−SまたはN−X−T)の第1もしくは第3アミノ酸の一方また
は両方の位置における多様なアミノ酸置換、および/またはECD中のいずれか
1以上のそのような認識配列の第2位置におけるアミノ酸欠失は、この修飾され
たトリペプチド配列におけるNGPCRのグリコシル化を阻止するであろう(た
とえばMiyajima et al.,1986,EMBO J.,5(6)
:1193−1197)。
【0045】 NGPCRの1以上のドメインに対応するペプチド(たとえばECD、TM、
CDなど)、トランケートまたは欠失NGPCR(たとえばECD、TM、CD
を欠失したNGPCR)、および融合タンパク質(全長NGPCR、NGPCR
ペプチドまたはトランケートNGPCRが、関連のないタンパク質に融合したも
の)も本発明の範囲に含まれ、本明細書に開示するNGPCR遺伝子ヌクレオチ
ドおよびNGPCRアミノ酸配列に基づいて設計することができる。そのような
融合タンパク質には、NGPCRタンパク質もしくはペプチドを安定化してイン
ビボでの半減期を延長するIgFc融合体;または融合タンパク質を細胞膜に固
定してECDを細胞表面に提示するいずれかのアミノ酸配列に対する融合体;ま
たはマーカー機能を与える酵素、蛍光タンパク質もしくは発光タンパク質への融
合体が含まれるが、それらに限定されない。
【0046】 NGPCRポリペプチドおよびペプチドを化学的に合成できる(たとえばCr
eighton,1983,Proteins:Structures and
Molecular Principles,W.H.Freeman &
Co.,ニューヨーク,参照)が、NGPCR由来の大型ポリペプチド、全長N
GPCRsは、NGPCR遺伝子配列および/またはコード配列を含む核酸の発
現に関して当技術分野で周知の方法を用いる組換えDNA法で有利に製造するこ
とができる。そのような方法を用いて、セクション5.1に記載したNGPCR
ヌクレオチド配列ならびに適切な転写および翻訳制御シグナルを含む発現ベクタ
ーを構築できる。これらの方法には、たとえばインビトロ組換えDNA法、合成
法およびインビボ遺伝子組換え法が含まれる。たとえばSambrook et
al.,1989(前掲)およびAusubel et al.,1989(
前掲)に記載の方法を参照。あるいは、NGPCRヌクレオチド配列がコードす
る転写体の全部または一部に対応するRNAを、たとえば合成装置で化学的に合
成することができる。たとえば”Oligonucleotide Synth
esis”,1984,Gait,M.J.編,IRL Press,オックス
フォード,に記載の方法を参照;その全体を参考として本明細書に援用する。
【0047】 多様な宿主発現ベクター系を利用して、本発明のNGPCRヌクレオチド配列
を発現させることができる。NGPCRペプチドまたはポリペプチドが可溶性誘
導体(たとえばECDに対応するNGPCRペプチド;TMおよび/またはCD
を欠失したトランケートまたは欠失NGPCR)であれば、ペプチドまたはポリ
ペプチドを培養物から、すなわちNGPCRペプチドまたはポリペプチドが宿主
により分泌されない場合は宿主細胞から、NGPCRペプチドまたはポリペプチ
ドが分泌される場合は培地から、採集することができる。しかしそのような発現
系には、NGPCRまたはその機能均等物をin situで、すなわち細胞膜
に固定した状態で発現する、工学的に処理した宿主細胞も包含される。そのよう
な発現系からのNGPCRの精製または富化は、適切な界面活性剤および脂質ミ
セル、ならびに当業者に周知の方法を用いて行うことができる。しかし、NGP
CRの構造特性および機能特性を維持するだけでなく、たとえば薬物スクリーニ
ングアッセイにおいて生物学的活性を評価することが重要である場合、そのよう
な工学的に処理した宿主細胞自体を使用できる。
【0048】 本発明の目的に使用できる発現系には下記のものが含まれるが、それらに限定
されない:NGPCRヌクレオチド配列を含む組換えバクテリオファージDNA
、プラスミドDNAもしくはコスミドDNA発現ベクターで形質転換した微生物
、たとえば細菌(たとえば大腸菌(E.coli)、枯草菌(B.subtil
is));NGPCRヌクレオチド配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転
換した酵母(たとえばサッカロミセス(Saccharomyces)、ピチア
(Pichia));NGPCR配列を含む組換えウイルス発現ベクター(たと
えばバキュロウイルス)を感染させた昆虫細胞系;NGPCRヌクレオチド配列
を含む組換えウイルス発現ベクター(たとえばカリフラワーモザイクウイルス,
CaMV;タバコモザイクウイルス,TMV)を感染させた、もしくは組換えプ
ラスミド発現ベクター(たとえばTiプラスミド)で形質転換した植物細胞系;
または哺乳動物細胞のゲノムに由来するプロモーター(たとえばメタロチオネイ
ンプロモーター)または哺乳動物ウイルスに由来するプロモーター(たとえばア
デノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を
含む組換え発現構築体を宿した哺乳動物細胞系(たとえばCOS、CHO、BH
K、239、3T3)。
【0049】 細菌系では、発現するNGPCR生成物について意図する用途に応じて、多数
の発現ベクターを有利に選択できる。たとえばNGPCRタンパク質の医薬組成
物を調製するために、あるいはNGPCRタンパク質に対する抗体を産生させる
ために、そのようなタンパク質を大量に製造したい場合、容易に精製される融合
タンパク質生成物の高レベル発現を指令するベクターが望ましいことがある。そ
のようなベクターには下記のものが含まれるが、それらに限定されない:大腸菌
発現ベクターpUR278(Ruther et al.,1983,EMBO
J.,2:1791)、この場合、NGPCRコード配列を個々に、融合タン
パク質が産生されるようにlacZコード領域と読み枠を一致させて、ベクター
にライゲートさせることができる;pINベクター(Inouye & Ino
uye,1985,Nucleic Acids Res.,13:3101−
3109;Van Heeke & Schuster,1989,J.Bio
l.Chem.,264:5503−5509)など。pGEXベクターを用い
て、外来ポリペプチドをグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)との融
合タンパク質として発現させることもできる。一般にそのような融合タンパク質
は可溶性であり、溶解細胞からグルタチオン−アガロースビーズへの吸着、次い
で遊離グルタチオンの存在下での溶離によって、容易に精製できる。PGEXベ
クターがトロンビンまたはXa因子プロテアーゼ開裂部位を含むように設計し、
これにより、クローン化したターゲット遺伝子の生成物をGST部分から放出さ
せることができる。
【0050】 昆虫系では、Autographa californica核ポリヒドロー
シスウイルス(nuclear polyhidrosis virus)(A
cNPV)を外来遺伝子発現のためのベクターとして用いる。このウイルスをS
podoptera frugiperda細胞内で増殖させる。NGPCR遺
伝子コード配列を個々にウイルスの非必須領域(たとえばポリヘドリン遺伝子)
内へクローン化し、AcNPVプロモーター(たとえばポリヘドリンプロモータ
ー)の制御下におく。NGPCR遺伝子コード配列の挿入に成功すると、ポリヘ
ドリン遺伝子が不活性化され、ノンオクルーデッド(non−occluded
)組換えウイルス(すなわち、ポリヘドリン遺伝子がコードするタンパク質性コ
ートをもたないウイルス)が産生されるであろう。次いでこれらの組換えウイル
スをSpodoptera frugiperda細胞の感染に用い、ここで挿
入遺伝子を発現させる(たとえばSmith et al.,1983,J.V
irol.46:584;Smith,USP4,215,051参照)。
【0051】 哺乳動物宿主細胞の場合、多数のウイルス性発現系を利用できる。アデノウイ
ルスを発現ベクターとして用いる場合、目的とするNGPCR遺伝子ヌクレオチ
ド配列をアデノウイルス転写/翻訳制御複合体、たとえば後期プロモーターおよ
び三部分(tripartite)リーダー配列にライゲートさせることができ
る。次いでこのキメラ遺伝子をインビトロまたはインビボ組換えによりアデノウ
イルスゲノムに挿入する。ウイルスゲノムの非必須領域(たとえば領域E1また
はE3)に挿入すると、感染宿主においてNGPCR遺伝子生成物を発現しうる
生存可能な組換えウイルスが得られる(たとえばLogan & Shenk,
1984,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:3655−
3659参照)。挿入したNGPCRヌクレオチド配列の効率的翻訳には、特異
的開始シグナルが必要な可能性もある。これらのシグナルには、ATG開始コド
ンおよび隣接配列が含まれる。それ自身の開始コドンおよび隣接配列を含む全N
GPCR遺伝子またはcDNAを適切な発現ベクターに挿入する場合、追加の翻
訳制御シグナルは必要ないかもしれない。しかしNGPCRコード配列の一部の
みを挿入する場合、外因性翻訳制御シグナル(おそらく、ATG開始コドンを含
む)を供給しなければならない。さらに、挿入配列全体を確実に翻訳するために
は、開始コドンが目的コード配列の読み枠と一致しなければならない。これらの
外因性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、天然および合成のいずれでも、多
様な由来のものであってよい。適切な転写エンハンサー要素、転写ターミネータ
ーなどを取り込ませることにより、発現効率を高めることができる(Bittn
er et al.,1987,Methods in Enzymol.,1
53:516−544)。
【0052】 さらに、挿入配列の発現を調節し、または遺伝子生成物を目的とする特定の様
式で修飾およびプロセシングする、宿主細胞系統を選ぶことができる。タンパク
質生成物のそのような修飾(たとえばグリコシル化)およびプロセシング(たと
えば開裂)は、タンパク質の機能にとって重要である。異なる宿主細胞は、タン
パク質および遺伝子生成物の翻訳後プロセシングおよび修飾に特徴的かつ特異的
な機序をもつ。発現した外来タンパク質の適正な修飾およびプロセシングを確実
にするために、適切な細胞系または宿主系を選ぶことができる。このために、一
次転写体の適正なプロセシング、遺伝子生成物のグリコシル化およびリン酸化の
ための細胞機構をもつ真核宿主細胞を使用できる。そのような哺乳動物宿主細胞
にはCHO、VERO、BHK、HeLa、COS、MDCK、293、3T3
、WI38、特に脈絡叢細胞系が含まれるが、これらに限定されない。
【0053】 組換えタンパク質の長期高収率産生のためには、安定な発現が好ましい。たと
えば前記NGPCR配列を安定に発現する細胞系を工学的に作成することができ
る。ウイルス複製起点を含む発現ベクターを用いるのではなく、適切な発現制御
要素(たとえばプロモーター、エンハンサー配列、転写ターミネーター、ポリア
デニル化部位など)により制御されるDNA、および選択性マーカーで宿主細胞
を形質転換することができる。外来DNAの導入後、工学的に処理した細胞を富
化培地で1〜2日間増殖させ、次いで選択培地に切り替える。組換えプラスミド
内の選択性マーカーが選択に対する耐性を与え、細胞はそのプラスミドを細胞の
染色体に安定に組み込むことができ、増殖してフォーカスを形成する。次いでこ
れをクローン化し、細胞系に拡張することができる。この方法は、目的NGPC
R生成物を発現する細胞系を工学的に作成するのに有利に使用できる。このよう
な工学的に作成した細胞系は、NGPCR遺伝子生成物の内因活性に影響を与え
る化合物のスクリーニングおよび評価に特に有用である。
【0054】 多数の選択系を使用でき、これには下記のものが含まれるが、これらに限定さ
れない:単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler,et al.
,1977,Cell,11:223)、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボ
シルトランスフェラーゼ(Szybalski & Szybalski,19
62,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,48:2026)、お
よびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy,et al.,1
980,Cell,22:817)遺伝子を、それぞれtk-、hgprt-また
はaprt-細胞に使用できる。代謝拮抗物質耐性を下記の遺伝子の選択の基礎
として用いることもできる:dhfr、これはメトトレキセートに対する耐性を
与える(Wigler,et al.,1980,Natl.Acad.Sci
.USA,77:3567;O’Hare,et al.,1981,Proc
.Natl.Acad.Sci.USA,78:1527);gpt、これはミ
コフェノール酸に対する耐性を与える(Mulligan & Berg,19
81,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,78:2072);n
eo、これはアミノグリコシドG−418に対する耐性を与える(Colber
re−Garapin,et al.,1981,J.Mol.Biol.,1
50:1);およびhygro、これはハイグロマイシンに対する耐性を与える
(Santerre,et al.,1984,Gene,30:147)。
【0055】 あるいは、発現する融合タンパク質に特異的な抗体を利用することにより、い
かなる融合タンパク質も容易に精製できる。たとえばJanknechtらが記
載した系は、ヒト細胞系において発現した非変性融合タンパク質を容易に精製で
きる(Janknecht,et al.,1991,Proc.Natl.A
cad.Sci.USA,88:8972−8976)。この系では、目的遺伝
子をその遺伝子のオープンリーディングフレームが翻訳可能な状態で6ヒスチジ
ン残基からなるアミノ末端タグに融合するように、ワクシニア組換えプラスミド
内へサブクローニングする。組換えワクシニアウイルスを感染させた細胞からの
抽出物をNi2+・ニトリロ酢酸−アガロースカラムに装填し、ヒスチジンタグ付
きタンパク質をイミダゾール含有緩衝液で選択的に溶離する。
【0056】 NGPCR遺伝子生成物をトランスジェニック動物において発現させることも
できる。蟯虫、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ブタ、ミニブタ、鳥類、
ヤギおよび非ヒト霊長類、たとえばヒヒ、サルおよびチンパンジーなどを含めた
(これらに限定されない)任意の種の動物を用いて、NGPCRトランスジェニ
ック動物を作成することができる。
【0057】 NGPCRトランスジーンを動物に導入してトランスジェニック動物の創始系
を作成するための、当技術分野で既知の任意の方法を使用できる。そのような方
法には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:前核マイクロインジェ
クション(Hoppe,P.C.およびWagner,T.E.,1989,U
SP4,873,191);レトロウイルス仲介による生殖系細胞への遺伝子伝
達(Van der Putten et al.,1985,Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA,82:6148−6152);胚性幹細胞に
おける遺伝子ターゲティング(Thompson et al.,1989,C
ell,56:313−321);胚のエレクトロポレーション(Lo,198
3,Mol.Cell.Biol.,3:1803−1814);および精子仲
介遺伝子伝達(Lavitrano et al.,1989,Cell,57
:717−723)など。そのような方法の概説については、Gordon,1
989,Transgenic Animals,Intl.Rev.Cyto
l.,115:171−229参照;この全体を参考として本明細書に援用する
【0058】 本発明は、それらのすべての細胞にNGPCRトランスジーンを保有するトラ
ンスジェニック動物、およびそれらのすべての細胞ではなく一部の細胞にこのト
ランスジーンを保有する動物、すなわちモザイク動物または体細胞トランスジェ
ニック動物を提供する。トランスジーンは単一トランスジーンとして、またはコ
ンカテマー中に、たとえば頭−頭縦列または頭−尾縦列で組み込まれてもよい。
トランスジーンは、たとえばLasko et al.,1992,Proc.
Natl.Acad.Sci.USA,89:6232−6236の教示に従っ
て、特定の細胞タイプに選択的に導入され、活性化されてもよい。そのような細
胞タイプ特異的活性化に必要な調節配列は、目的とするその細胞タイプに依存し
、当業者に自明であろう。
【0059】 NGPCR遺伝子トランスジーンを染色体の内因性NGPCR遺伝子部位に組
み込みたい場合、遺伝子ターゲティングが好ましい。要約すると、そのような方
法を用いたい場合、内因性NGPCR遺伝子のヌクレオチド配列に染色体配列と
の相同組換えにより組み込ませ、その機能を撹乱するために(すなわちノックア
ウト動物)、内因性NGPCR遺伝子に相同な若干のヌクレオチド配列を含むベ
クターを設計する。
【0060】 トランスジーンを特定の細胞タイプに選択的に導入し、これによりその細胞タ
イプにおいてのみ内因性NGPCR遺伝子を不活性化することもできる:たとえ
ばGu et al.,1994,Science,265:103−106の
教示による。そのような細胞タイプ特異的活性化に必要な調節配列は、目的とす
るその細胞タイプに依存し、当業者に自明であろう。
【0061】 トランスジェニック動物が作成されると、標準法により組換えNGPCR遺伝
子の発現を評価することができる。サザンブロット分析またはPCR法により初
期スクリーニングを行って動物組織を分析し、トランスジーンの組込みが行われ
たかどうかをアッセイすることができる。トランスジェニック動物の組織におけ
るトランスジーンのmRNA発現レベルも、その動物から得た組織試料のノーザ
ンブロット分析、in situハイブリダイゼーション分析、およびRT−P
CRを含めた方法(これらに限定されない)を用いて評価することができる。N
GPCR遺伝子発現組織の試料を、そのNGPCRトランスジーン生成物に特異
的な抗体を用いて免疫細胞化学的に評価することもできる。
【0062】 5.3 NGPCRタンパク質に対する抗体 1以上のNGPCRのエピトープ、またはNGPCRの保存変異体のエピトー
プ、またはNGPCRのペプチドフラグメントを特異的に認識する抗体も、本発
明に包含される。そのような抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗
体(mAb)、ヒト化またはキメラ抗体、一本鎖抗体、Fabフラグメント、F
(ab’)2フラグメント、Fab発現ライブラリーにより産生されるフラグメ
ント、抗イディオタイプ(抗−Id)抗体、および前記のいずれかのエピトープ
結合性フラグメントが含まれるが、それらに限定されない。
【0063】 本発明の抗体は、たとえば生物試料中のNGPCRの検出に使用でき、したが
って患者を異常な量のNGPCRについて調べる診断法または予後判定法の一部
として使用できる。そのような抗体を、たとえば後記セクション5.5に記載の
化合物スクリーニング法と組み合わせて、NGPCR遺伝子生成物の発現および
/または活性に対する被験化合物の作用を評価するのにも利用できる。さらに、
そのような抗体を遺伝子療法と組み合わせて用い、たとえば正常な、および/ま
たは工学的に処理したNGPCR発現細胞を患者に導入する前に評価することが
できる。そのような抗体をさらに、異常NGPCR活性の阻害のために使用でき
る。したがって、そのような抗体を体重障害の処置方法の一部として利用できる
【0064】 抗体産生のためには、NGPCR、NGPCRペプチド(たとえばこの受容体
の機能性ドメイン、ECD、TMまたはCDに対応するもの)、トランケートN
GPCRポリペプチド(1以上のドメイン、たとえばTMまたはCDが欠失した
NGPCR)、NGPCRの機能均等物、またはNGPCRの変異配列を注射す
ることにより、種々の宿主動物を免疫化することができる。数例を挙げると、そ
のような宿主動物にはウサギ、マウスおよびラットが含まれるが、これらに限定
されない。宿主の種に応じて、免疫応答を高めるために種々のアジュバントを使
用でき、これにはフロイントアジュバント(完全および不完全)、鉱物塩、たと
えば水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウム、界面活性物質、たとえばリ
ゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油エマルショ
ン、ならびに潜在的に有用なヒトアジュバント、たとえばBCG(Bacill
e Calmette−Guerin)およびCorynebacterium
parvumが含まれるが、これらに限定されない。あるいは、キーホールリ
ンペット(keyhole limpet)ヘモシアニン、破傷風毒素、ジフテ
リア毒素、卵アルブミン、コレラ毒素、またはそのフラグメントなどの分子との
組合わせまたは結合により免疫応答を高めることができる。ポリクローナル抗体
は免疫化動物の血清から得られる不均一な抗体分子集団である。
【0065】 特定の抗原に対する均一な抗体集団であるモノクローナル抗体は、連続した培
養細胞系により抗体分子を産生するいかなる方法によっても得ることができる。
これらには下記の方法が含まれるが、これらに限定されない:Kohlerおよ
びMilsteinのハイブリドーマ法(1975,Nature,256:4
95−497;およびUSP4,376,110)、ヒトB細胞ハイブリドーマ
法(Kosbor et al.,1983,Immunology Toda
y,4:72;Cole et al.,1983,Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA,80:2026−2030)、およびEBV−ハイブリ
ドーマ法(Cole et al.,1985,Monoclonal Ant
ibodies and Cancer Therapy,Alan R.Li
ss社,pp.77−96)。そのような抗体は、IgG、IgM、IgE、I
gA、IgDおよびそのいずれかのサブクラスを含めた、いかなる免疫グロブリ
ンクラスであってもよい。本発明のmAbを産生するハイブリドーマをインビト
ロまたはインビボで培養することができる。インビボで高力価のmAbを産生で
きるので、これは現在好ましい産生方法である。
【0066】 さらに、”キメラ抗体”(Morrison et al.,1984,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.,81:6851−6855;Neube
rger et al.,1984,Nature,312:604−608;
Takeda et al.,1985,Nature,314:452−45
4)の産生のために開発された、適切な抗原特異性をもつマウス抗体分子からの
遺伝子を適切な生物学的活性をもつヒト抗体分子からの遺伝子とスプライシング
することによる方法を使用できる(USP6,075,181および5,877
,397参照;それらの全体を本明細書に援用する)。キメラ抗体は、異なる部
分が異なる動物種に由来する分子、たとえばネズミmAb由来の可変部とヒト免
疫グロブリン定常部をもつものである。
【0067】 あるいは、一本鎖抗体の産生のために記載された方法(USP4,946,7
78;Bird,1988,Science,242:423−426;Hus
ton et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA,85:5879−5883;およびWard et al.,1989,
Nature,334:544−546)を、NGPCR遺伝子生成物に対する
一本鎖抗体の産生に適合させることができる。一本鎖抗体は、Fv部のH鎖およ
びL鎖フラグメントをアミノ酸橋により結合させ、一本鎖ポリペプチドにするこ
とにより形成される。
【0068】 特異的エピトープを認識する抗体フラグメントは、既知の方法で形成できる。
たとえばそのようなフラグメントには、抗体分子のペプシン消化により調製でき
るF(ab’)2フラグメント、およびF(ab’)2フラグメントのジスルフィ
ド橋を還元することにより調製できるFabフラグメントが含まれるが、これら
に限定されない。あるいは、Fab発現ライブラリーを構築して(Huse e
t al.,1989,Science,246:1275−1281)、目的
とする特異性をもつモノクローナルFabフラグメントを迅速かつ容易に同定す
ることができる。
【0069】 次いでNGPCRに対する抗体を、当業者に周知の方法を用いて、与えられた
NGPCRを”模倣”した抗イディオタイプ抗体を産生させることができる(た
とえばGreenspan & and Bona,1993,FASEB J
.7(5):437−444;およびNissinoff,1991,J.Im
munol.,147(8):2429−2438参照)。たとえば、NGPC
R ECDに結合してNGPCRのリガンドが結合するのを競合阻害する抗体を
用いて、NGPCR ECDを”模倣”する、したがってリガンドに結合して中
和する抗イディオタイプ抗体を産生させることができる。そのような中和性の抗
イディオタイプ抗体またはそのような抗イディオタイプ抗体のFabフラグメン
トは、NGPCRシグナリング経路を伴う療法に使用できる。
【0070】 5.4 NGPCRに関連する異常性の診断 NGPCR機能関連障害の診断および予後評価、ならびにそのような障害の素
因をもつ対象の確認のために、多様な方法を採用できる。
【0071】 そのような方法は、たとえばセクション5.1に記載したNGPCRヌクレオ
チド配列、およびセクション5.3に記載したNGPCR抗体などの試薬を利用
できる。具体的には、そのような試薬を、たとえば下記のために使用できる:(
1)NGPCR遺伝子変異の存在の検出、または特定の表現型に関するNGPC
R mRNAの発現過剰もしくは発現不足の検出;(2)特定の表現型に関する
NGPCR遺伝子生成物の過剰もしくは不足の検出;および(3)NGPCRが
仲介する信号伝達経路における撹乱または異常の検出。
【0072】 本明細書に記載する方法は、たとえば本明細書に記載する少なくとも1つの特
異的NGPCRヌクレオチド配列またはNGPCR抗体試薬を含むプレパッケー
ジ診断用キットを用いて行うことができ、これをたとえば臨床下で、体重異常障
害を示している患者の診断に簡便に使用できる。
【0073】 NGPCR変異を検出するために、ゲノム核酸の出発源として任意の成核細胞
を使用できる。NGPCR遺伝子発現またはNGPCR遺伝子生成物を検出する
ためには、NGPCR遺伝子が発現する任意の細胞タイプまたは組織、たとえば
脳もしくは脂肪細胞の細胞を使用できる。
【0074】 核酸ベースの検出法を下記セクション5.4.1に記載する。ペプチド検出法
を下記セクション5.4.2に記載する。 5.4.1 NGPCRヌクレオチドおよび転写体の検出 NGPCR遺伝子内の変異は、多数の方法で検出できる。任意の成核細胞に由
来する核酸をそのようなアッセイ法の出発点として使用でき、当業者に周知の標
準核酸調製法に従って単離できる。
【0075】 点変異、挿入、欠失および染色体再配列を含めたNGPCR遺伝子構造に関す
る異常を検出するために、生物試料のハイブリダイゼーションアッセイまたは増
幅アッセイにDNAを使用できる。そのようなアッセイ法には、サザン分析、一
本鎖コンホメーション多型分析(SSCP)、およびPCR分析が含まれるが、
これらに限定されない。
【0076】 NGPCR遺伝子特異性変異を検出するためのそのような診断法はたとえば、
患者試料または他の適切な細胞源に由来する試料から得た、組換えDNA分子、
クローン化遺伝子、またはその縮重変異体を含めた核酸を、セクション5.1に
記載した組換えDNA分子、クローン化遺伝子、またはその縮重変異体を含めた
1以上の標識核酸試薬と、これらの試薬がNGPCR遺伝子内のそれらの相補配
列に特異的にアニールするのに好ましい条件下で、たとえば接触およびインキュ
ベートすることを伴う。好ましくは、これらの核酸試薬の長さは少なくとも15
〜30ヌクレオチドである。インキュベーション後、核酸:NGPCR分子ハイ
ブリッドから、アニールしていない核酸をすべて除去する。次いでハイブリダイ
ズした核酸の存在(そのような分子が存在する場合)を検出する。このような検
出方式を用いて、目的とする細胞タイプまたは組織に由来する核酸を、たとえば
膜またはプラスチック表面(マイクロタイタープレートまたはポリスチレンビー
ズの表面など)などの固体支持体に固定化することができる。この場合、インキ
ュベーション後、セクション5.1に記載したタイプのアニールしていない標識
核酸試薬は容易に除去される。残りのアニールした標識NGPCR核酸試薬の検
出は、当業者に周知の標準法によって容易に行われる。NGPCR遺伝子変異の
有無を判定するために、核酸試薬がアニールしたNGPCR遺伝子配列を、正常
なNGPCR遺伝子配列から予想されるアニーリングパターンと比較することが
できる。
【0077】 患者試料または他の適切な細胞源中のNGPCR遺伝子特異的核酸分子を検出
するための別の診断法は、それらをたとえばPCRにより増幅させ(実験様式は
Mullis,K.B.,1987,USP4,683,202に述べられてい
る)、次いで増幅分子を当業者に周知の方法で検出することを伴う。NGPCR
遺伝子変異の有無を判定するために、得られた増幅配列を、増幅核酸が正常なN
GPCR遺伝子コピーのみを含有していた場合に予想されるものと比較すること
ができる。
【0078】 さらに、周知の遺伝子型判定法を実施して、NGPCR遺伝子変異をもつ個体
を確認できる。そのような方法には、たとえば制限断片長多型(RFLP)の採
用が含まれる。これは、用いる特異的制限酵素に対する認識部位の1つにおける
配列の相違を伴うものである。
【0079】 さらに、NGPCR遺伝子変異の確認に利用できる改良されたDNA多型分析
法の記載があり、これは制限酵素部位間にある、個数の変動する短鎖縦列反復D
NA配列の存在を利用する。たとえばWeber(USP5,075,217、
その全体を参考として本明細書に援用する)は、(dC−dA)n(dG−dT
n短鎖縦列反復配列ブロック中の断片長多型に基づくDNAマーカーを記載し
ている。(dC−dA)n(dG−dT)nブロックの平均距離は30,000〜
60,000bpであると推定される。このように近接したマーカーは高頻度の
同時遺伝(co−inheritance)を示し、遺伝子変異、たとえばNG
PCR遺伝子内の変異の確認、ならびにNGPCR変異に関連する疾病および障
害の診断にきわめて有用である。
【0080】 Caskeyら(USP5,364,759、その全体を参考として本明細書
に援用する)も、短い3および4ヌクレオチド反復配列を検出するためのDNA
プロファイリングアッセイを記載している。この方法は、目的とするDNA、た
とえばNGPCR遺伝子を抽出し、抽出したDNAを増幅させ、反復配列を標識
してその個体のDNAの遺伝子型地図を作成することを含む。
【0081】 NGPCR遺伝子発現レベルも、NGPCR転写の検出および測定によりアッ
セイできる。たとえばNGPCR遺伝子を発現することが分かっているかまたは
推測される細胞タイプまたは組織(たとえば脳)からRNAを単離し、前記のよ
うなハイブリダイゼーション法またはPCR法により検査することができる。単
離細胞は細胞培養物または患者に由来するものであってよい。培養物から採取し
た細胞の分析は、細胞ベースの遺伝子療法の一部として用いる細胞を評価するの
に、または化合物がNGPCR遺伝子の発現に与える影響を調べるために、必要
な工程であろう。そのような分析により、NGPCR遺伝子の発現パターンの量
的および質的観点(NGPCR遺伝子発現の活性化または不活性化を含む)を共
に明らかにすることができる。
【0082】 そのようなNGPCR検出方式の1態様においては、目的とするRNAからc
DNAを合成する(たとえばRNA分子からcDNAへの逆転写による)。次い
でcDNA内の配列を核酸増幅反応、たとえばPCR増幅反応などの鋳型として
用いる。この方法の逆転写工程および核酸増幅工程に合成開始試薬として用いる
核酸試薬(たとえばプライマー)は、セクション5.1に記載したNGPCR核
酸試薬から選ばれる。このような核酸試薬の好ましい長さは、少なくとも約9〜
30ヌクレオチドである。増幅生成物の検出のために、放射性または非放射性標
識ヌクレオチドを用いて核酸増幅を行うことができる。あるいは、標準的な臭化
エチジウム染色法、他のいずれかの適切な核酸染色法、または配列決定法により
、生成物を視覚化できるのに十分な増幅生成物を調製することができる。
【0083】 さらに、そのようなNGPCR遺伝子発現アッセイを”in situ”で、
すなわち生検または切除により得た患者組織の組織切片(固定および/または凍
結したもの)について直接に行うことができ、したがって核酸精製は必要ない。
セクション5.1に記載したような核酸試薬を、そのようなin situ法の
プローブおよび/またはプライマーとして使用できる(たとえばNuovo,G
.J.,1992,”PCR In situ Hybridization:
Protocols and Applications”,Raven Pr
ess,ニューヨーク,参照)。
【0084】 あるいは、十分な量の適切な細胞を得ることができれば、標準ノーザン分析を
行って、NGPCR遺伝子のmRNA発現レベルを測定できる。 5.4.2 NGPCR生成物の検出 前記セクション5.3で考察した、野生型もしくは変異NGPCR生成物に対
して、またはその保存変異体もしくはペプチドフラグメントに対して形成された
抗体も、本明細書に記載するように診断および予後判定に使用できる。そのよう
な診断法は、NGPCR遺伝子発現レベルの異常、あるいはNGPCRの構造の
異常、および/または時間的、組織、細胞もしくは細胞下でのNGPCRの存在
位置の異常を検出するのに使用でき、たとえば生検組織についてインビボまたは
インビトロで実施できる。
【0085】 たとえばNGPCR ECDのエピトープに対する抗体をインビボで用いて、
体内でのNGPCR発現のパターンおよびレベルを検出できる。体内で発現した
NGPCRへの結合をX線、CAT−走査またはMRIなどの方法で視覚化する
ために、そのような抗体を、たとえば放射線不透過性化合物その他の適切な化合
物で標識し、被験者に注射することができる。抗原結合領域の最小部分を含む標
識抗体フラグメント、たとえばFabまたは一本鎖抗体が、この目的で、血液−
脳関門の通過を促進し、脳で発現したNGPCRsの標識を可能にするために好
ましい。
【0086】 さらに、その存在を検出できるNGPCR融合タンパク質またはNGPCR結
合タンパク質を投与してもよい。たとえば放射線不透過性化合物その他の適切な
化合物で標識したNGPCR融合タンパク質またはNGPCR結合タンパク質を
投与し、標識抗体について前記に述べたようにインビボで視覚化することができ
る。さらに、そのようなNGPCR融合タンパク質(たとえばアルカリ性ホスフ
ァターゼ−NGPCR(AP−NGPCR)またはNGPCR−AP融合タンパ
ク質)をインビトロ診断法に利用できる。
【0087】 あるいは、前記の免疫アッセイまたは融合タンパク質検出アッセイをインビト
ロで生検試料および切除試料に利用して、NGPCR発現パターンを評価するこ
とができる。そのようなアッセイ法はNGPCR ECDを規定する抗体の使用
に限定されず、NGPCRの任意のドメイン、たとえばECD、TMおよび/ま
たはCDのエピトープに対する抗体の使用も含めることができる。これらの標識
抗体それぞれ、または全部を用いることにより、NGPCRの翻訳および細胞表
面への細胞内輸送に関する有用な情報が得られ、プロセシングの欠陥を確認する
ことができる。
【0088】 分析する組織または細胞タイプには、一般にNGPCR遺伝子を発現すること
が分かっているかまたは推定されるもの、たとえば脳細胞が含まれる。本発明に
用いるタンパク質単離法は、たとえばHarlowおよびLaneが記載したも
の(Harlow,E.and Lane,D,1988,”Antibodi
es:A Laboratory Manual”,Cold Spring
Harbor Laboratory Press,ニューヨーク州コールド・
スプリング・ハーバー)であってよい;その全体を本明細書に参考として援用す
る。単離細胞は細胞培養物または患者に由来するものであってよい。培養物から
採取した細胞の分析は、細胞ベースの遺伝子療法の一部として使用できる細胞を
評価するのに、あるいは化合物がNGPCR遺伝子の発現に与える作用を調べる
ために、必要な工程であろう。
【0089】 たとえば、前記セクション5.3に記載した本発明に有用な抗体または抗体フ
ラグメントを用いて、NGPCR生成物またはその保存変異体もしくはペプチド
フラグメントの存在を定量的および定性的に検出することができる。これはたと
えば、光学顕微鏡、フローサイトメトリーまたは蛍光測定検出と連結した、蛍光
標識抗体を用いる免疫蛍光法(このセクションの後記参照)により行うことがで
きる。このような方法は、そのようなNGPCR遺伝子生成物が少なくとも一時
的に細胞表面に発現する場合、特に好ましい。
【0090】 本発明に有用な抗体(またはそのフラグメント)またはNGPCR融合もしく
は結合タンパク質はさらに、組織学的に、免疫蛍光、免疫電子顕微鏡または非免
疫アッセイ法において、NGPCR遺伝子生成物またはその保存変異体もしくは
ペプチドフラグメントのin situ検出に、あるいはNGPCR結合のアッ
セイに(標識NGPCR−リガンド融合タンパク質の場合)使用できる。
【0091】 in situ検出は、患者から組織検体を摘出し、それに本発明の標識抗体
または融合タンパク質を付与することにより行うことができる。抗体(またはフ
ラグメント)または融合タンパク質は、生物試料に標識抗体(またはフラグメン
ト)を積層することにより付与するのが好ましい。このような方法を用いること
により、NGPCR生成物または保存変異体もしくはペプチドフラグメントの存
在、あるいはNGPCRの結合だけでなく、被験組織におけるそれの分布をも測
定することができる。本発明を用いて多様な組織学的方法(たとえば染色法)を
このようなin situ検出の達成のために改変しうることは、当業者に自明
であろう。
【0092】 NGPCR遺伝子生成物またはその保存変異体もしくはペプチドフラグメント
の免疫アッセイ法および非免疫アッセイ法は、一般に試料、たとえば生物学的流
体、組織抽出物、採取したばかりの細胞、または細胞溶解物(細胞培養において
インキュベートしたもの)を、NGPCR遺伝子生成物またはその保存変異体も
しくはペプチドフラグメントを同定しうる検出可能な標識抗体の存在下でインキ
ュベートし、結合した抗体を当技術分野で周知の多数の方法のいずれかで検出す
ることを含む。
【0093】 細胞、細胞粒子または可溶性タンパク質を固定化しうる固相支持体またはキャ
リヤー、たとえばニトロセルロースまたは他の固体支持体に、生物試料を接触さ
せて固定化してもよい。次いで支持体を適切な緩衝液で洗浄した後、検出可能な
状態に標識したNGPCR抗体またはNGPCRリガンド融合タンパク質で処理
する。次いで固相支持体を緩衝液で再度洗浄して、結合していない抗体または融
合タンパク質を除去する。次いで固体支持体に結合した標識の量を、常法により
検出することができる。
【0094】 ”固相支持体またはキャリヤー”とは、抗原または抗体に結合しうるいかなる
支持体をも表すものとする。周知の支持体またはキャリヤーには、ガラス、ポリ
スチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラー
ゼ、天然および修飾セルロース、ポリアクリルアミド、斑れい岩(gabbro
)および磁鉄鉱が含まれる。本発明の目的には、キャリヤーの性質はある程度可
溶性であるか、あるいは不溶性であってよい。支持体材料は、結合分子が抗原ま
たは抗体に結合しうる限り、実質的に任意の可能な構造形状をもつことができる
。たとえば支持体の形状は、ビーズのような球状、または試験管の内面もしくは
棒の外面のような円筒形であってもよい。あるいは、表面がシート、試験片など
のように平坦であってもよい。好ましい支持体には、ポリスチレンビーズが含ま
れる。当業者には抗体または抗原を結合させるのに適した他の多数のキャリヤー
が知られており、またはルーティン実験によりこれらを確認することができる。
【0095】 あるロットのNGPCR抗体またはNGPCRリガンド融合タンパク質の結合
活性は、周知の方法で測定できる。当業者は、ルーティン実験を用いて各測定に
有効かつ最適なアッセイ条件を判定できるであろう。
【0096】 抗体に関して、NGPCR抗体を検出可能な状態に標識できる方法の1つは、
これを酵素に結合させ、酵素免疫アッセイ(EIA)に用いるものである(Vo
ller,A.,”The Enzyme Linked Immunosor
bent Assay(ELISA)”,1978,Diagnostic H
orizons,2:1−7,Microbiological Associ
ates Quarterly Publication,メリーランド州ウォ
ーカースビル;Voller,A.et al.,1978,J.Clin.P
athol.,31:507−520;Butler,J.E.,1981,M
eth.Enzymol.,73:482−523;Maggio,E.(編)
,1980,Enzyme Immunoassay,CRC Press,フ
ロリダ州Boca Raton;Ishikawa,E.et al.(編),
1981,Enzyme Immunoassay,化学書院,東京)。抗体に
結合した酵素を、分光測光法、蛍光測定法または視覚的手段で検出できる部分を
生じるように、適切な基質、好ましくは色素原基質と反応させる。抗体を検出可
能な状態に標識するために使用できる酵素には下記のものが含まれるが、これら
に限定されない:マレイン酸デヒドロゲナーゼ、スタフィロコッカスヌクレアー
ゼ、デルタ−5−ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ、
アルファ−グリセロリン酸デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、
西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グ
ルコースオキシダーゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレア
ーゼ、カタラーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラー
ゼおよびアセチルコリンエステラーゼ。検出は、酵素に対する色素原基質を用い
る比色法により行うことができる。検出は、基質の酵素反応の程度を同様に調製
した標準品と対比する視覚的比較により行うこともできる。
【0097】 検出は、他の多様な免疫アッセイ法のいずれかを用いて行うこともできる。た
とえば抗体または抗体フラグメントを放射性標識することにより、ラジオイムノ
アッセイ(RIA)を用いてNGPCRを検出できる(たとえばWeintra
ub,B.,Principles of Radioimmunoassay
s,Seventh Training Course on Radioli
gand Assay Techniques,The Endocrine
Society,1986年3月,参照,これを参考として本明細書に援用する
)。放射性同位体は、ガンマ計数器もしくはシンチレーション計数器の使用また
はオートラジオグラフィーなどの手段で検出できる。
【0098】 抗体を蛍光化合物で標識することもできる。蛍光標識抗体を適正な波長の光で
照射すると、蛍光によりその存在を検出できる。最も一般的に用いられる蛍光標
識用化合物には、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリ
トリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒドおよびフ
ルオレサミンがある。
【0099】 抗体を、蛍光発光金属、たとえば152Euまたはランタニド系列の他の金属で
、検出可能な状態に標識することもできる。これらの金属を、ジエチレントリア
ミン五酢酸(DTPA)またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)などの金属
キレート化基で抗体に結合させることができる。
【0100】 抗体を、化学発光化合物に結合させることにより、検出可能な状態に標識する
こともできる。次いで化学反応中に生じる発光の存在を検出することにより、化
学発光−タグ付き抗体の存在を判定する。特に有用な化学発光標識用化合物の例
は、ルミノール、イソルミノール、セロマチック(theromatic)アク
リジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩およびシュウ酸エステル
である。
【0101】 同様に生物発光化合物を用いて本発明の抗体を標識することができる。生物発
光は生物系にみられるタイプの化学発光であり、この場合は触媒タンパク質が化
学発光反応の効率を高める。生物発光タンパク質の存在は、発光の存在を検出す
ることにより判定できる。標識のために重要な生物発光化合物はルシフェリン、
ルシフェラーゼおよびエクオリンである。
【0102】 5.5 NGPCRの発現または活性を調節する化合物のスクリーニングアッ セイ 以下のアッセイ法は、NGPCRs(NGPCRのECDまたはCDが含まれ
るが、これらに限定されない)と相互作用する(たとえば結合する)化合物、N
GPCR(NGPCRのECDまたはCDが含まれが、これらに限定されない)
と相互作用するタンパク質と相互作用する(たとえば結合する)化合物、NGP
CR仲介による信号伝達に関与する膜貫通または細胞内タンパク質とNGPCR
の相互作用を妨害する化合物、およびNGPCR遺伝子の活性を調節する(すな
わちNGPCR遺伝子発現レベルを調節する)か、またはNGPCRのレベルを
調節する化合物の同定のために設計されたものである。さらに、NGPCR遺伝
子調節配列(たとえばプロモーター配列)に結合してNGPCR遺伝子発現を調
節する化合物を同定するアッセイ法も使用できる。たとえばPlatt,K.A
.,1994,J.Biol.Chem.,269:28558−28562参
照;その全体を本明細書に援用する。
【0103】 本発明によりスクリーニングできる化合物には下記のものが含まれるが、これ
らに限定されない:ペプチド、抗体およびそのフラグメント、ならびに他の有機
化合物(たとえばペプチド模倣体)であって、NGPCRのECDに結合して天
然リガンドが開始させる活性を模倣するもの(すなわちアゴニスト)または天然
リガンドが開始させる活性を阻害するもの(すなわちアンタゴニスト);NGP
CRのECD(またはその一部)を模倣し、天然リガンドに結合して”中和”す
る、ペプチド、抗体およびそのフラグメント、ならびに他の有機化合物。
【0104】 そのような化合物には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:ペプ
チド、たとえば可溶性ペプチド、これには下記のものが含まれるが、これらに限
定されない:ランダムペプチドライブラリー(たとえばLam,K.S.,et
al.,1991,Nature,354:82−84;Houghten,
R.,et al.,1991,Nature,354:84−86参照);以
下のものからなるコンビナトリアルケミストリー由来の分子ライブラリー:D−
および/またはL−立体配置のアミノ酸、ホスホペプチド(ランダムまたは部分
変性同義(degenerate)、指向性(directed)ホスホペプチ
ドライブラリーが含まれるが、これらに限定されない;たとえばSongyan
g,Z.,et al.,1993,Cell,72:767−778参照)、
抗体(ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、抗イディオタイプ、キメラま
たは一本鎖抗体、ならびにFab、F(ab’)2およびFab発現ライブラリ
ーのフラグメント、ならびにそのエピトープ結合性フラグメントが含まれるが、
これらに限定されない)、および小型の有機または無機分子。
【0105】 本発明によりスクリーニングできる他の化合物には下記のものが含まれるが、
これらに限定されない:血液−脳関門を通過して適切な細胞(たとえば脈絡叢、
視床下部など)に侵入し、NGPCR遺伝子もしくはNGPCR信号伝達経路に
関与する他のいずれかの遺伝子の発現に影響を与える(たとえば遺伝子発現に関
与する調節領域または転写因子との相互作用により)ことができる小型の有機分
子;またはNGPCRの活性に影響を与える(たとえばCDの酵素活性を阻害ま
たは増強することにより)か、もしくはNGPCR信号伝達経路に関与する他の
いずれかの細胞内因子の活性に影響を与える化合物。
【0106】 コンピューターによるモデリングおよび探索法により、NGPCRの発現また
は活性を調節しうる化合物の同定、または既に同定されている化合物の改良を行
うことができる。そのような化合物または組成物が同定されると、活性部位また
は領域が同定される。そのような活性部位は一般にリガンド結合部位である可能
性がある。活性部位は当技術分野で既知の方法により、たとえばペプチドのアミ
ノ酸配列から、核酸のヌクレオチド配列から、または関連化合物もしくは組成物
とそのリガンドとの複合体の研究から同定できる。後者の場合、化学的方法また
はX線結晶学的方法を用いてその因子上の複合体形成リガンドがある位置を見い
だすことにより、活性部位を見いだすことができる。
【0107】 次いで活性部位の三次元幾何学的構造を決定する。これは完全分子構造を決定
できる既知の方法で行うことができ、これにはX線結晶学的方法が含まれる。他
方、固相または液相NMRを用いて、特定の分子内距離を決定できる。構造決定
のための他の任意の実験法を用いて、部分的または完全な幾何学的構造を求める
ことができる。幾何学的構造は複合体形成した天然または合成リガンドを用いて
判定することもでき、これは判定した活性部位構造の精度を高める。
【0108】 判定した構造の精度が不完全または不十分である場合、その構造を完成させ、
またはその精度を高めるために、コンピューターベースの数値モデリング法を採
用できる。認識されている任意のモデリング法を採用でき、これには特定の生体
ポリマー(タンパク質または核酸など)に特異的なパラメター化モデル、分子運
動のコンピューター処理に基づく分子動態モデル、サーマルアンサンブルに基づ
く統計学的機構モデル、または混合モデルが含まれる。大部分のタイプのモデル
について構成原子間および基間の力を表す標準分子力場が必要であり、これは物
理化学において既知の力場から選択できる。実験で得た不完全なまたは精度の低
い構造は、これらのモデリング法によるコンピューター処理で得た、より完全か
つ正確な構造に対する拘束となる可能性がある。
【0109】 活性部位の構造を実験、モデリングまたはその組合わせにより決定した後、化
合物を含むデータベースをそれらの分子構造についての情報と合わせて検索する
ことにより、候補となる調節化合物を同定できる。このような検索により、決定
した活性部位構造と調和し、かつ活性部位を規定する基と相互作用する構造をも
つ化合物を求める。このような検索は手動で行うこともできるが、好ましくはコ
ンピューター支援による。この検索で見いだしたこれらの化合物は潜在NMR調
節化合物である。
【0110】 あるいはこれらの方法を用いて、既知の調節化合物またはリガンドから改良さ
れた調節化合物を同定できる。新規組成に適用した前記の実験的方法およびコン
ピューターモデリング法を用いて既知化合物の組成を修飾し、修飾の構造効果を
判定できる。次いで変更した構造を化合物の活性部位構造と比較して、調和また
は相互作用が改良されたかどうかを判定する。この方法でたとえば側鎖基の変更
による系統的な組成変化を迅速に評価して、改良された特異性または活性をもつ
修飾された調節化合物を得ることができる。
【0111】 さらに、NGPCRならびに関連のトランスダクション因子および転写因子の
活性部位の同定に基づく、調節化合物の同定に有用な他の実験的方法およびコン
ピューターモデリング法は、当業者に自明であろう。
【0112】 分子モデリングシステムの例は、CHARMmおよびQUANTAプログラム
(Polygen Corporation、マサチュセッツ州ウォルサム)で
ある。CHARMmはエネルギー最小化および分子動態の機能をもつ。QUAN
TAは分子構造の構築、グラフモデリングおよび分析を行う。QUANTAは、
分子相互の行動の相互構築、修飾、視覚化および分析を行うことができる。
【0113】 多数の報文に特定のタンパク質と相互作用する薬物のコンピューターモデリン
グについて概説されている:たとえばRotivinen,et al.,19
88,Acta Pharmaceutical Fennica,97:15
9−166;Ripka,New Scientist,54−57(1988
年6月16日);McKinaly and Rossmann,1989,A
nnu.Rev.Pharmacol.Toxiciol.,29:111−1
22;Perry and Davies,OSAR:Quantitativ
e Structure−Activity Ralationships i
n Drug Design,pp.189−193(Alan R.Liss
社,1989);Lewis and Dean,1999,Proc.R.S
oc.Lond.,236:125−140および141−162;ならびに核
酸成分に対するモデル受容体に関してはAskew,et al.,1989,
J.Am.Chem.Soc.,111:1082−1090。化学物質をスク
リーニングしてグラフ表示する他のコンピュータープログラムを、BioDes
ign社(カリフォルニア州パサデナ)、Allelix社(カナダ国オンタリ
オ州ミシソーガ)およびHypercube社(オンタリオ州ケンブリッジ)な
どの会社から入手できる。これらは主に特定のタンパク質に特異的な薬物に適用
するために設計されているが、領域が同定されればDNAまたはRNAの領域に
特異的な薬物の設計にも適用できる。
【0114】 結合を変化させる化合物の設計および生成に関して前記に述べたが、既知化合
物のライブラリーをスクリーニングすることもできる。これには、天然または合
成の化学物質、およびタンパク質などの生物活性物質をスクリーニングして、阻
害薬または活性化薬を求めることが含まれる。
【0115】 NGPCRsに結合する化合物を同定し、生細胞内でそのような結合に伴って
変化する活性を評価するために、細胞ベースの系も使用できる。そのようなアッ
セイに特に有用な道具の1つは緑色蛍光タンパク質であり、これはたとえば特に
USP5,625,048に記載されており、これを本明細書に援用する。その
ような細胞アッセイに使用できる細胞には白血球、または白血球由来の細胞系、
リンパ球、幹細胞(胚性幹細胞を含む)などが含まれるが、これらに限定されな
い。さらに、目的の機能性NGPCRを発現して被験リガンドまたは天然リガン
ドによる活性化に応答するように(化学的変化もしくは表現型の変化により測定
)または他の宿主細胞遺伝子の誘導に応答するように遺伝子工学的に処理した発
現宿主細胞(たとえばB95細胞、COS細胞、CHO細胞、OMK細胞、線維
芽細胞、Sf9細胞)を、アッセイの最終点として使用できる。
【0116】 本明細書に記載したアッセイ法などにより同定された化合物は、たとえばNG
PCR遺伝子生成物の生物学的機能を高めるのに有用である。そのような化合物
を、多様な生理的障害または精神障害の処置のために療法有効量で患者に投与で
きる。療法有効量とは、生物学的症状または顕性症状の軽減、阻止、抑制または
変化を生じるのに十分な化合物量を表す。
【0117】 そのような化合物の毒性および療法有効性は、細胞培養または実験動物におい
て医薬標準法、たとえばLD50(集団の50%に対して致死的な量)およびED50 (集団の50%において療法上有効な量)により判定できる。毒性と療法有効
性の用量比が治療指数であり、比率LD50/ED50として表すことができる。大
きな治療指数を示す化合物の方が好ましい。有害な副作用を示す化合物も使用で
きるが、罹患していない細胞に与える損傷の可能性を最小限に抑えることにより
副作用を少なくするために、それらの化合物が罹患組織をターゲティングする送
達システムを設計するように配慮すべきである。
【0118】 細胞培養アッセイおよび動物試験から得たデータを、ヒトに使用するための用
量範囲の設定に利用できる。それらの化合物の用量は、毒性がほとんどまたは全
くないED50を含む循環濃度範囲内にあることが好ましい。用量は、この範囲内
で、用いる剤形および採用する投与経路に応じて変更できる。本発明方法に用い
るいずれの化合物についても、まず細胞培養アッセイにより療法有効量を推定で
きる。動物モデルにおいて、細胞培養において測定したIC50(すなわち最大の
症状阻害の半分を達成する被験化合物濃度)含む循環血漿濃度を達成するように
設定する。そのような情報を利用して、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決
定できる。血漿濃度は、たとえば高速液体クロマトグラフィーにより測定できる
【0119】 本発明に従って使用する医薬組成物は、常法により1以上の医薬的に許容でき
るキャリヤーまたは賦形剤を用いて配合できる。たとえば本発明化合物およびそ
れらの生理学的に許容できる塩類および溶媒和物を、吸入もしくは吹入れ(口ま
たは鼻から)、または経口、口腔、非経口、頭蓋内、くも膜下または直腸投与に
より投与できる。
【0120】 経口投与のためには、医薬組成物は常法により、たとえば下記の医薬的に許容
できる賦形剤を用いて、たとえば錠剤またはカプセル剤の形をとることができる
:結合剤(たとえばプレゲル化したトウモロコシデンプン、ポリビニルピロリド
ンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(たとえば乳糖、微結
晶セルロースまたはリン酸水素カルシウム);滑沢剤(たとえばステアリン酸マ
グネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(たとえばバレイショデンプンまた
はグリコール酸デンプンナトリウム);または湿潤剤(たとえばラウリル硫酸ナ
トリウム)。錠剤を当技術分野で周知の方法によりコーティングできる。経口投
与用の液体製剤はたとえば液剤、シロップ剤または懸濁液剤の形をとるか、ある
いは使用前に水または他の適切なビヒクルで調製するための乾燥製剤として供給
することができる。そのような液体製剤は常法により、たとえば下記の医薬的に
許容できる添加剤を用いて調製できる:沈殿防止剤(たとえばソルビトールシロ
ップ、セルロース誘導体または水素化食用脂肪);乳化剤(たとえばレシチンま
たはアラビアゴム);非水性ビヒクル(たとえばアーモンド油、油性エステル、
エチルアルコールまたは分画した植物油);および保存剤(たとえばp−ヒドロ
キシ安息香酸メチルもしくはプロピル、またはソルビン酸)。製剤は緩衝塩類、
着香剤、着色剤および甘味剤を適宜含有してもよい。
【0121】 経口投与用製剤は、有効化合物の制御放出に適するように配合することもでき
る。 口腔投与のためには、組成物は常法により配合した錠剤またはカプセル剤の形
をとることができる。
【0122】 吸入による投与のためには、本発明により使用する化合物をエアゾルスプレー
製剤の形で加圧パックまたは噴霧器から、適切な噴射剤、たとえばジクロロジフ
ルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二
酸化炭素または他の適切なガスを用いて送達するのが好都合である。加圧エアゾ
ル剤の場合、計量された量を送達する弁を設けることにより投与単位を決定でき
る。化合物および適切な粉末基剤(たとえば乳糖またはデンプン)の粉末ミック
スを収容した、吸入器または吹入れ器に使用するための、たとえばゼラチン製の
カプセルまたはカートリッジを調製できる。
【0123】 本発明化合物を注射、たとえばボーラス注射、または連続注入による非経口投
与用に配合できる。注射用配合物は単位投与剤形で、たとえばアンプルまたは多
数回分の容器に入れ、保存剤を添加して供給することができる。組成物は油性ま
たは水性ビヒクル中の懸濁液剤、液剤または乳剤の形をとることができ、配合用
剤、たとえば沈殿防止剤、安定剤および/または分散剤を含有してもよい。ある
いは有効成分は適切なビヒクル、たとえば発熱物質を含有しない無菌水で使用前
に調製するための粉末状であってもよい。
【0124】 本発明化合物を直腸用組成物、たとえば坐剤または貯留浣腸剤、たとえば一般
的な坐剤基坐剤(たとえばカカオ脂または他のグリセリド)を含有するものとし
ても配合できる。
【0125】 上記配合物のほか、本発明化合物はデポー製剤としても配合できる。そのよう
な長時間作用型配合物は埋込み(たとえば皮下または筋肉内)または筋肉注射に
より投与できる。たとえば本発明化合物を適切なポリマーまたは疎水性材料と共
に(たとえば許容できる油中の乳剤として)、もしくはイオン交換樹脂と共に、
または貧溶性誘導体、たとえば貧溶性塩として配合することができる。
【0126】 本発明組成物は、有効成分を含有する1以上の単位剤形を入れたパックまたは
ディスペンサー器具として提供することもできる。パックはたとえば金属箔また
はプラスチック箔を含むPTPパックなどを含む。パックまたはディスペンサー
器具には投与指示書を添付することができる。
【0127】 5.5.1 NGPCRsに結合する化合物のインビトロスクリーニングアッ セイ NGPCR(NGPCRのECDまたはCDを含むが、これらに限定されない
)と相互作用する(たとえば結合する)ことができる化合物を同定するためにイ
ンビトロ系を設計できる。同定した化合物は、たとえば野生型および/または変
異NGPCR遺伝子生成物の調節に有用であり;NGPCRの生物学的機能を誘
導するのに有用であり;正常なNGPCR相互作用を撹乱する化合物の同定に利
用でき;あるいはそれ自体がそのような相互作用を撹乱する。
【0128】 NGPCRに結合する化合物の同定に用いるアッセイ法の原理は、NGPCR
と被験化合物の反応混合物を調製し、これら2成分が相互作用するのに十分な条
件下でそれに十分な時間、結合させるものであり、こうして形成された複合体を
分離し、および/または反応混合物中で検出できる。用いるNGPCR種は、ス
クリーニングアッセイの目標に応じて異なる。たとえば天然リガンドのアゴニス
トを目的とする場合、全長NGPCR、または可溶性トランケートNGPCR、
たとえばTMおよび/またはCDを分子から欠失させたもの、ECDに対応する
ペプチド、または1以上のNGPCR ECDが、アッセイ系に利点をもたらす
タンパク質もしくはポリペプチド(たとえば標識、生成複合体の単離など)に融
合したものを含む融合タンパク質を使用できる。細胞質ドメインと相互作用する
化合物を目的とする場合、NGPCR CDに対応するペプチド、およびNGP
CR CDを含む融合タンパク質を使用できる。
【0129】 スクリーニングアッセイは多様な方法で実施できる。たとえばそのようなアッ
セイを実施するための1方法は、NGPCRタンパク質、ポリペプチド、ペプチ
ドもしくは融合タンパク質、または被験物質を固相に固定し、反応終了時に固相
に固定されているNGPCR/被験化合物複合体を検出する。そのような方法の
1態様においては、NGPCR反応体を固相表面に固定し、固定しない被験化合
物を直接または間接的に標識する。
【0130】 実施に際しては、固相としてマイクロタイタープレートを用いるのが好都合で
ある。固定される成分を共有結合または非共有結合のいずれにより固定化しても
よい。非共有結合は、固相表面をタンパク質でコーティングし、乾燥させるだけ
で達成できる。あるいはタンパク質を固体表面に固定するために、固定化すべき
タンパク質に特異的な固定化抗体、好ましくはモノクローナル抗体を使用できる
。この表面は予め調製して保存しておくことができる。
【0131】 アッセイを実施するためには、固定した成分を含有するコーティング面に、固
定化されていない成分を添加する。反応終了後、形成された複合体が固体表面に
固定化された状態を維持する条件下で、未反応成分を除去(たとえば洗浄による
)する。固体表面に固定された複合体の検出は多数の方法で実施できる。先に固
定化しない成分を予め標識した場合、表面に固定化された標識が検出されると複
合体が形成されたことを示す。先に固定化しない成分を予め標識していなければ
、表面に固定された複合体を検出するために間接標識を使用できる。たとえば先
に固定化されない成分に特異的な標識抗体を使用する(この抗体を標識抗−Ig
抗体で直接または間接的に標識できる)。
【0132】 あるいは反応を液相で実施し、反応生成物を未反応成分から分離し、複合体を
検出することができる。検出には、たとえばNGPCRタンパク質、ペプチドも
しくは融合タンパク質または被験化合物に特異的な、溶液中に形成された複合体
を結合させるための固定化抗体、および固定化された複合体を検出するための、
可能性のある複合体の他方の成分に特異的な抗体を用いる。
【0133】 あるいは細胞ベースのアッセイを用いて、NGPCRと相互作用する化合物を
同定することができる。このためには、NGPCRを発現する細胞系、またはN
GPCRを発現するように遺伝子工学的に処理された(たとえばNGPCR D
NAの形質転換またはトランスダクションによる)細胞系(たとえばCOS細胞
、CHO細胞、線維芽細胞など)を使用できる。被験化合物と、たとえば宿主細
胞が発現したNGPCRのECDとの相互作用を、天然リガンドとの比較または
競合により測定できる。
【0134】 5.5.2 NGPCRsと相互作用する細胞内タンパク質のアッセイ NGPCRと相互作用する膜貫通タンパク質または細胞内タンパク質の同定の
ためには、タンパク質−タンパク質相互作用を検出するのに適した任意の方法を
使用できる。使用できる従来法には、細胞溶解物または細胞溶解物およびNGP
CRから得たタンパク質を免疫共沈法、架橋法、および勾配またはクロマトグラ
フィーカラムにより同時精製して、NGPCRと相互作用する、細胞溶解物中の
タンパク質を同定する方法がある。これらのアッセイに用いるNGPCR成分は
、全長NGPCR、膜固定領域を欠如する可溶性誘導体(たとえばトランケート
NGPCR:TMを欠失した結果、ECDがCDに融合したものを含むトランケ
ート分子が生成)、NGPCRのCDに対応するペプチドまたはCDを含有する
融合タンパク質であってよい。細胞内タンパク質が単離されると、これを同定し
、次いでそれが相互作用するタンパク質を同定するための標準法と組見合わせて
使用できる。たとえば、NGPCRと相互作用する細胞内タンパク質のアミノ酸
配列の少なくとも一部を、当業者に周知の方法、たとえばエドマン分解法により
確認できる(たとえばCreighton,1983,”Proteins:S
tructure and Molecular Principles”,p
p.34−49参照,W.H.Freeman & Co.,ニューヨーク)。
得られたアミノ酸配列は、そのような細胞内タンパク質をコードする遺伝子配列
のスクリーニングに使用できるオリゴヌクレオチド混合物を作製するための指針
として採用できる。スクリーニングは、たとえば標準ハイブリダイゼーション法
またはPCR法により実施できる。オリゴヌクレオチド混合物の作製法およびス
クリーニング法は周知である(たとえばAusubel et al.,前掲;
およびPCR Protocols:A Guide to Methods
and Applications,1990,Innis,M.,et al
.編,Academic Press社,ニューヨーク,参照)。
【0135】 さらに、NGPCRと相互作用する膜貫通タンパク質または細胞内タンパク質
をコードする遺伝子を同時同定する方法を採用できる。これらの方法には、たと
えばλgt11ライブラリーの抗体検査のための周知の方法と同様にして、標識
NGPCRタンパク質、あるいはNGPCRポリペプチド、ペプチド、または融
合タンパク質、たとえばマーカー(たとえば酵素、蛍光タンパク質、発光タンパ
ク質、または色素)もしくはIg−Fcドメインに融合したNGPCRポリペプ
チドもしくはNGPCRドメインを用いて、発現ライブラリーを検査する方法が
含まれる。
【0136】 インビボでタンパク質相互作用を検出する1方法である2ハイブリッドシステ
ム(two−hybrid system)について詳述するが、これは説明の
ためのものにすぎず、限定ではない。このシステムの1形式が報告されており(
Chien,et al.,1991,Proc.Natl.Acad.Sci
.USA,88:9578−9582)、Clontech(カリフォルニア州
パロ・アルト)から市販されている。
【0137】 要約すると、そのようなシステムを用いてハイブリッドタンパク質をコードす
る2種類のプラスミドを構築する:一方のプラスミドは、転写活性化タンパク質
のDNA結合性ドメインをコードするヌクレオチドが、NGPCR、またはNG
PCRポリペプチド、ペプチドもしくは融合タンパク質をコードするNGPCR
ヌクレオチド配列に融合したものからなり;他方のプラスミドは、未知タンパク
質をコードするcDNAに融合した転写活性化タンパク質の活性化ドメインをコ
ードするヌクレオチドが、このプラスミドにcDNAライブラリーの一部として
再結合したものからなる。このDNA結合性ドメイン融合プラスミドおよびcD
NAライブラリーを、その調節領域に転写活性化タンパク質の結合部位を含むレ
ポーター遺伝子(たとえばHBSまたはlacZ)を含む酵母サッカロミセス・
セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の株に形質
転換する。いずれか一方のハイブリッドタンパク質だけでレポーター遺伝子の転
写を活性化することはできない:DNA結合性ドメインハイブリッドが活性化で
きない理由は、それが活性化機能をもたないためであり、活性化ドメインハイブ
リッドが活性化できない理由は、それが活性化タンパク質結合部位に局在できな
いためである。これら2つのハイブリッドタンパク質の相互作用により機能性活
性化タンパク質が再構成され、レポーター遺伝子が発現する。これをレポーター
遺伝子生成物のアッセイにより検出する。
【0138】 この2ハイブリッドシステムまたは関連方法を用いて活性化ドメインライブラ
リーをスクリーニングし、”おとり(bait)”遺伝子生成物と相互作用する
タンパク質を求めることができる。限定ではないが、たとえばNGPCRをおと
り遺伝子生成物として使用できる。活性化ドメインをコードするDNAに、全ゲ
ノまたはcDNA配列を融合させる。このライブラリー、およびDNA結合性ド
メインに融合したおとりNGPCR遺伝子生成物のハイブリッドをコードするプ
ラスミドを、酵母レポーター株に同時形質転換し、得られた形質転換体をスクリ
ーニングして、レポーター遺伝子を発現しているものを求める。限定ではないが
、たとえばおとりNGPCR遺伝子配列、たとえばNGPCRのオープンリーデ
ィングフレーム(またはNGPCRの1ドメイン)をベクター中へ、GAL4タ
ンパク質のDNA結合性ドメインをコードするDNAに翻訳時融合するようにク
ローニングすることができる。これらのコロニーを精製し、レポーター遺伝子発
現に関与するライブラリープラスミドを単離する。次いでDNA配列決定法を用
いて、ライブラリープラスミドがコードするタンパク質を同定できる。
【0139】 おとりNGPCR遺伝子生成物と相互作用するタンパク質をそれから検出する
細胞系のcDNAライブラリーは、当技術分野でルーティンに実施されている方
法で調製できる。本明細書に記載したシステムによれば、たとえばcDNAフラ
グメントをベクター中へ、GAL4の転写活性化ドメインに翻訳時融合するよう
に挿入することができる。このライブラリーを、おとりNGPCR遺伝子−GA
L4融合プラスミドと共に、GAL4活性化配列含有プロモーターにより誘発さ
れるlacZ遺伝子を含む酵母株中へ同時形質転換することができる。cDNA
によりコードされ、GAL4転写活性化ドメインに融合し、おとりNGPCR遺
伝子生成物と相互作用するタンパク質が活性GAL4タンパク質を再構成し、こ
れによりHIS3遺伝子の発現を誘発する。HIS3を発現したコロニーは、ヒ
スチジンを欠如する半固体寒天培地を入れたペトリ皿上で増殖することにより検
出できる。次いでこれらの株から当技術分野でルーティンに実施されている方法
でcDNAを精製し、おとりNGPCR遺伝子と相互作用するタンパク質の製造
および単離に使用できる。
【0140】 5.5.3 NGPCR/細胞内高分子またはNGPCR/膜貫通高分子の相 互作用を妨害する化合物のアッセイ この考察のために、NGPCRと相互作用する高分子を”結合パートナー”と
呼ぶ。これらの結合パートナーは、NGPCR信号伝達経路に関与すると思われ
る。したがってそのような結合パートナーの相互作用を妨害または撹乱する化合
物を同定することが望ましい。これらの化合物は、NGPCR活性を調節してN
GPCR活性に関連する障害を抑制するのに有用であろう。
【0141】 NGPCRとその結合パートナーまたはパートナー類との相互作用を妨害する
化合物の同定に用いるアッセイ系の基本原理は、前記のセクション5.5.1お
よび5.5.2に記載したNGPCRタンパク質、ポリペプチド、ペプチドまた
は融合タンパク質、および結合パートナーを含有する反応混合物を調製し、両者
が相互作用して結合するのに十分な条件下でそれに十分な時間反応させて、複合
体を形成させるものである。化合物の阻害活性を試験するために、被験化合物が
存在する反応混合物と存在しないものを調製する。被験化合物は最初から反応混
合物に含有させてもよく、NGPCR部分およびその結合パートナーの添加後に
添加してもよい。対照反応混合物は、被験化合物なしで、またはプラシーボと共
にインキュベートされる。次いでNGPCR部分と結合パートナーの複合体の形
成を検出する。対照反応において複合体が形成され、被験化合物を含有する反応
混合物においては形成されない場合、その化合物はNGPCRと相互作用性結合
パートナーの相互作用を妨害することを示す。さらに、被験化合物および正常N
GPCRタンパク質を含有する反応混合物における複合体形成を、被験化合物お
よび変異NGPCRを含有する反応混合物における複合体形成と比較することも
できる。この比較は、変異NGPCRまたは変異させたNGPCRとの相互作用
を特異的に撹乱しかつ正常NGPCRとの相互作用を撹乱しない化合物を同定し
たい場合に重要である。
【0142】 前記NGPCRと結合パートナーの相互作用を妨害する化合物のアッセイは、
不均質方式または均質方式で実施できる。不均質アッセイは、NGPCR部分生
成物または結合パートナーを固体に固定し、反応終了時に固相に固定された複合
体を検出することを伴う。均質アッセイにおいては、反応全体を液相で実施する
。いずれの方法でも、被験化合物について異なる情報を得るために反応体の添加
順序を変更できる。たとえば、競合により相互作用を妨害する被験化合物は、被
験化合物の存在下で反応を実施することにより同定できる:すなわちNGPCR
部分および相互作用性結合パートナーの前またはそれらと同時に、被験物質を反
応混合物に添加する。あるいは既に形成された複合体を撹乱する被験化合物、た
とえばより高い結合定数をもち複合体から成分の1つを排除する化合物は、複合
体が形成された後の反応混合物に被験化合物を添加することにより試験できる。
各種の方式について以下に簡単に記載する。
【0143】 不均質アッセイ系においては、NGPCR部分または相互作用性結合パートナ
ーのいずれかを固体表面に固定し、固定しない種を直接または間接的に標識する
。実施に際しては、マイクロタイタープレートを用いるのが好都合である。固定
する種を共有結合または非共有結合のいずれによって固定化してもよい。非共有
結合は、固相表面をNGPCR遺伝子生成物または結合パートナーでコーティン
グし、乾燥させるだけで達成できる。あるいはその種を固体表面に固定するため
に、固定化すべき種に特異的な固定化抗体を使用できる。この表面は予め調製し
て保存しておくことができる。
【0144】 アッセイを実施するためには、コーティング面に、被験化合物の存在下または
不存在下で、固定化された種のパートナーを接触させる。反応終了後、未反応成
分を除去(たとえば洗浄による)すると、形成された複合体が固体表面に固定化
されたまま残る。固体表面に固定された複合体の検出は多数の方法で実施できる
。固定化されない種を予め標識した場合、表面に固定化された標識が検出される
と複合体が形成されたことを示す。固定化されない成分を予め標識していなけれ
ば、表面に固定された複合体を検出するために間接標識を使用できる。たとえば
最初に固定化されない種に特異的な標識抗体を使用する(この抗体を標識抗−I
g抗体で直接または間接的に標識できる)。反応成分の添加順序に応じて、複合
体形成を阻害する被験化合物または既に形成された複合体を撹乱する被験化合物
を検出できる。
【0145】 あるいは反応を液相で、被験化合物の存在下または不存在下に実施し、反応生
成物を未反応成分から分離し、複合体を検出することができる。検出には、たと
えば結合成分の一方に特異的な、溶液中に形成された複合体を固定するための固
定化抗体、および固定化された複合体を検出するための、可能性のある複合体の
他方のパートナーに特異的な標識抗体を用いる。この場合も、液相への反応成分
の添加順序に応じて、複合体形成を阻害する化合物または既に形成された複合体
を撹乱する化合物を検出できる。
【0146】 本発明の他の態様においては、均質アッセイを用いる。この方法では、NGP
CR部分と相互作用性結合パートナーの予め形成した複合体を調製する。その際
、NGPCRまたはその結合パートナーのいずれか一方を標識するが、標識が発
する信号は複合体形成により消失する(たとえばRubensteinのUSP
4,109,496参照;この方法を免疫アッセイに用いている)。既に形成さ
れた複合体から一方の種を排除する競合性の被験物質を添加すると、バックグラ
ウンドより高い信号が発生する。こうして、NGPCR/相互作用性結合パート
ナーの相互作用を撹乱する物質を同定できる。
【0147】 具体的態様においては、NGPCR融合体を固定化のために調製できる。たと
えばNGPCRまたはペプチドフラグメント(たとえばCDに対応するフラグメ
ント)をグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)遺伝子に、pGEX
−5X−1などの融合ベクターにより、得られる融合タンパク質においてその結
合活性が維持されるように融合させる。相互作用性結合パートナーを精製し、前
記セクション5.3に記載したルーティンに実施される方法でモノクローナル抗
体を産生させる。この抗体を、たとえば当技術分野でルーティンに実施されてい
る方法により放射性同位体125Iで標識する。不均質アッセイにおいては、たと
えばGST−NGPCR融合タンパク質をグルタチオン−アガロースビーズに固
定する。次いで、相互作用性結合パートナーを被験化合物の存在下または不存在
下に、相互作用および結合が起きる条件下で添加する。反応期間の終了時に結合
していない物質を洗い去り、標識モノクローナル抗体をこの系に添加し、複合体
形成した成分に結合させる。グルタチオン−アガロースビーズに結合したままの
放射能の量を測定することにより、NGPCR遺伝子生成物と相互作用性結合パ
ートナーの相互作用を検出できる。被験化合物により相互作用が効果的に阻害さ
れると、測定放射能が低下するであろう。
【0148】 あるいは、GST−NGPCRタンパク質と相互作用性結合パートナーを液体
中、固体グルタチオン−アガロースビーズの不存在下で混合することができる。
被験化合物は、これらの種を相互作用させる途中または相互作用の後のいずれに
添加してもよい。次いでこの混合物をグルタチオン−アガロースビーズに添加し
、結合していない物質を洗い去る。この場合も、標識抗体を添加し、ビーズに結
合した放射能を測定することにより、NGPCR/結合パートナー相互作用の阻
害度を検出できる。
【0149】 本発明の他の態様においては、NGPCRの結合性ドメインおよび/または相
互作用もしくは結合パートナーに対応するペプチドフラグメントを、一方または
両方の全長タンパク質の代わりに用いて、これらと同じ方法を採用できる(結合
パートナーがタンパク質である場合)。当技術分野でルーティンに実施されてい
る多数の方法のいずれかを用いて、結合性部位を同定および単離できる。これら
の方法には、一方のタンパク質をコードする遺伝子の変異誘発、および同時免疫
沈降アッセイにおける結合撹乱のスクリーニングが含まれるが、これらに限定さ
れない。次いで、複合体中の第2種をコードする遺伝子における代償変異を選択
する。各タンパク質をコードする遺伝子の配列分析により、相互作用性結合に関
与するタンパク質領域に対応する変異が明かになる。あるいは一方のタンパク質
を前記方法で固体表面に固定し、それの標識された結合パートナーと相互作用さ
せて結合させる。この結合パートナーは、タンパク質分解酵素、たとえばトリプ
シンで予め処理されている。洗浄後、結合ドメインを含む比較的短い標識ペプチ
ドが固体材料と結合したまま残り、これを単離してアミノ酸配列決定法により同
定できる。同様に、細胞内結合パートナーをコードする遺伝子が得られれば、そ
のタンパク質のペプチドフラグメントを発現するように短い遺伝子セグメントを
遺伝子工学的に処理し、次いでこれらの結合活性を試験し、精製または合成する
ことができる。
【0150】 限定ではないが、たとえば前記に従ってGST−NGPCR融合タンパク質を
形成し、これをグルタチオン−アガロースビーズに結合させることにより、NG
PCR遺伝子生成物を固体材料に固定することができる。相互作用性結合パート
ナーを放射能同位体、たとえば35Sで標識し、タンパク質分解酵素、たとえばト
リプシンで開裂させる。次いで開裂生成物を固定GST−NGPCR融合タンパ
ク質に添加し、結合させる。結合していないペプチドを洗い去った後、標識され
ている結合物質(細胞内結合パートナー結合ドメインである)を周知の方法で溶
離、精製し、アミノ酸配列を分析する。こうして同定したペプチドを合成により
製造し、または組換えDNA法を用いて適切な促進性タンパク質に融合させるこ
とができる。
【0151】 本発明の範囲は本明細書に記載した具体的態様により限定されない。これらの
態様は本発明の個々の態様を説明するために示したにすぎず、機能的に均等な方
法および成分は本発明の範囲に含まれる。実際に、本明細書に例示および記載し
たもののほか本発明の種々の変更が、以上の記載および添付の図面からから当業
者に明らかになるであろう。そのような変更も本発明の範囲に含まれる。本明細
書に引用したすべての参考文献、引用文献、特許および特許出願の全体を参考と
して援用する。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61P 3/04 48/00 3/10 A61P 3/04 9/00 3/10 9/10 9/00 9/12 9/10 35/00 9/12 C12N 15/00 ZNAA 35/00 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 ネールス,ミヒャエル ドイツ国デ−82131 ストックドルフ,ポ ール−ケラー−シュトラーセ 6 (72)発明者 フレドリッチ,グレン アメリカ合衆国テキサス州77004,ヒュー ストン,ハーマン・ドライブ 2207,ブレ ランド・アンド・ブレランド (72)発明者 スコヴィール,ジョン アメリカ合衆国テキサス州77024,ヒュー ストン,キングスブルック・ドライブ 8222,ナンバー 543 (72)発明者 ザンブロウィッチ,ブライアン アメリカ合衆国テキサス州77382,ザ・ウ ッドランズ,ファイアーツォーン・プレイ ス 18 (72)発明者 サンズ,アーサー・ティー アメリカ合衆国テキサス州77382,ザ・ウ ッドランズ,ブリストール・ベンド・サー クル 163 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA12 DA13 DA36 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 BA63 CA04 HA01 HA03 HA11 HA17 4C084 AA02 AA13 BA01 BA08 BA23 BA35 BA44 CA53 CA56 CA59 NA10 NA13 NA14 ZA362 ZA422 ZA452 ZA702 ZB262 ZC352 4C085 AA13 AA14 AA15 BB11 BB31 CC21 CC22 CC23 EE01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1に記載の新規NGPCR配列中の少なくとも24
    連続塩基のヌクレオチド配列を含む、単離核酸分子。
  2. 【請求項2】 (a)配列番号:2に示すアミノ酸配列をコードし;かつ (b)緊縮条件下で配列番号:1のヌクレオチド配列またはその相補配列にハ
    イブリダイズする ヌクレオチド配列を有する、単離核酸分子。
  3. 【請求項3】 (a)配列番号4に示すアミノ酸配列をコードし;かつ (b)緊縮条件下で配列番号3のヌクレオチド配列またはその相補配列にハイ
    ブリダイズする ヌクレオチド配列を有する、単離核酸分子。
  4. 【請求項4】 (a)配列番号40に示すアミノ酸配列をコードし;かつ (b)緊縮条件下で配列番号39のヌクレオチド配列またはその相補配列にハ
    イブリダイズする ヌクレオチド配列を有する、単離核酸分子。
  5. 【請求項5】 (a)配列番号58に示すアミノ酸配列をコードし;かつ (b)緊縮条件下で配列番号57のヌクレオチド配列またはその相補配列にハ
    イブリダイズする ヌクレオチド配列を有する、単離核酸分子。
  6. 【請求項6】 配列番号:2に示すアミノ酸配列をコードする単離ポリヌクレ
    オチドを含む発現ベクター。
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