JP2003529956A - 複素信号を乗算するための乗算器 - Google Patents

複素信号を乗算するための乗算器

Info

Publication number
JP2003529956A
JP2003529956A JP2001500426A JP2001500426A JP2003529956A JP 2003529956 A JP2003529956 A JP 2003529956A JP 2001500426 A JP2001500426 A JP 2001500426A JP 2001500426 A JP2001500426 A JP 2001500426A JP 2003529956 A JP2003529956 A JP 2003529956A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
complex
multiplier
vlif
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001500426A
Other languages
English (en)
Inventor
ヒエタラ、アレックス
クラト、ナディム
クレマン、パトリック
カービー、クリストファー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Motorola Solutions Inc
Original Assignee
Motorola Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Motorola Inc filed Critical Motorola Inc
Publication of JP2003529956A publication Critical patent/JP2003529956A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F7/00Methods or arrangements for processing data by operating upon the order or content of the data handled
    • G06F7/38Methods or arrangements for performing computations using exclusively denominational number representation, e.g. using binary, ternary, decimal representation
    • G06F7/40Methods or arrangements for performing computations using exclusively denominational number representation, e.g. using binary, ternary, decimal representation using contact-making devices, e.g. electromagnetic relay
    • G06F7/44Multiplying; Dividing
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03DDEMODULATION OR TRANSFERENCE OF MODULATION FROM ONE CARRIER TO ANOTHER
    • H03D3/00Demodulation of angle-, frequency- or phase- modulated oscillations
    • H03D3/007Demodulation of angle-, frequency- or phase- modulated oscillations by converting the oscillations into two quadrature related signals

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Computing Systems (AREA)
  • Computational Mathematics (AREA)
  • Mathematical Analysis (AREA)
  • Mathematical Optimization (AREA)
  • Pure & Applied Mathematics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Superheterodyne Receivers (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Circuits Of Receivers In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 必要信号によって変調される搬送波信号を受信するための無線受信器(20、30、50、60)に使用するための複素乗算器(51)であって、変調された搬送波信号は、中央周波数がチャネル幅と呼ばれる固定周波数によって互いに分離されている複数のチャネルの内1つを占有する。受信器は、チャネル幅の半分の整数倍ではない周波数で第1及び第2信号を生成するための局部発振器(28)を含み、それによって受信された搬送波信号が第1及び第2信号と混合された時、必要信号がチャネル幅の半分より幾分大きいVLIFを中心とする、複素デジタル超長波中間周波数(VLIF)信号が生成される。複素乗算器は、その基底帯域に逓減する前又は間にVLIF信号のI及びQ成分の位相と利得を平衡化するための位相及び利得調整手段から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は複素乗算器に関し、特に、そのような複素乗算器を組み込んだ、携帯
通信装置用の無線受信器に関し、ここで、受信する無線信号は、同相(I)成分
と直角位相(Q)成分を有し、また受信信号の帯域幅と同程度の振幅である中間
周波数(IF)を中心とする複素超長波中間周波数(VLIF)信号に直接逓減
される。
【0002】 発明の背景 セルラ型電話等の携帯通信装置用の従来の無線受信器はスーパヘテロダイン型
がほとんどである。ここで、受信される無線信号は、まず中間周波数(まだ無線
周波数(rf)範囲にある)に逓減され、次に、(I及びQ成分を有する)基底
帯域信号に更に逓減されるが、この信号からその信号に含まれる情報が復元され
る。そのような受信器は堅牢である。しかしながら、直接変換型の受信器や、更
に近年では、超長波IF受信器が提案されているが、これは、比較的高性能であ
り、従って高価でもある、表面弾性波(SAW)や(隣接するチャネルの不要な
IF信号を全て遮断する一方で、必要なIF信号を通過させることが可能な)水
晶帯域通過フィルタ(AMPS、NADC、又は他の狭帯域システムの場合)、
及びスーパヘテロダイン型の受信器において必要な2つのrf局部発振器の内1
つを無くすことによりコストを抑えるためである。
【0003】 直接変換型の受信器は、受信された無線信号を基底帯域信号に直ちに逓減する
ことによってIF段を完全に除去する。しかしながら、そのような受信器は、基
底帯域信号と干渉する非常に大きな不要dc成分の情報の影響を受ける。このd
c成分は、必要信号と共に受信器アンテナで受信局部発振器からのリーク、並び
に受信器に含まれる増幅器やミキサのオフセットによって、大部分が形成されて
いる。
【0004】 この課題を克服するために、超長波IF受信器が提案されているが、この超長
波IF受信器は、まず、チャネル幅の半分に等しい(すなわち、必要信号の半値
幅の)IFを中心とした周波数となるように受信信号を逓減し、次に、基底帯域
に再度逓減する。このように、最初の逓減が行われる時でも形成されているdc
成分は、必要信号の(周波数的に)最も端の部分に位置している。ここで、dc
成分が必要信号の最も端の部分に位置しているために、不要なdc成分は、必要
信号に含まれている情報を(大きく)失うことなく、dc成分を適切にフィルタ
処理することによって比較的容易に除去できるべきである。
【0005】 しかしながら、そのような装置の課題は、隣接チャネルやその隣りのチャネル
からの虚像信号が、必要信号と干渉する不要雑音として基底帯域に現れることで
ある。そのような虚像信号は、第1逓減と、I及びQ信号のアナログデジタル変
換との間にあるI及びQ経路のアナログ成分における不平衡に起因する。
【0006】 発明の概要 本発明の第1の側面によると、提供される複素乗算器は、同相(I)成分と直
角位相(Q)成分を有する第1入力複素信号と第2入力複素信号を乗算し、前記
第1入力信号と第2入力信号の積である出力複素信号を生成するための複素乗算
器であって、第1信号のI及びQ成分の内1つの利得を他の成分に対して調整す
るための利得調整乗算器と、第1信号のI及びQ成分の内1つの位相を他の成分
に対して調整するための位相調整加算器と、を含む。
【0007】 前記複素乗算器はデジタル複素乗算器であり、また前記第1入力信号と第2入
力信号及び前記出力信号は全て対応するサンプリング周波数(fs)を有するデ
ジタル信号であることが好ましい。
【0008】 前記複素乗算器(今後、利得と位相の整合がなされるように前記第1入力信号
のI及びQ成分を平衡化するその能力の故に複素乗算器又は複素平衡乗算器と呼
ぶ)は、超長波中間周波数VLIFを示すVLIF信号を受信するための直角位
相生成器を含み、これによって、相対的な利得と位相調整の後、前記第1入力複
素信号は逓減され、前記直角位相生成器は前記VLIF信号から前記第2入力複
素信号を生成するようになっていることが好ましい。更に、前記直角位相生成器
はまた、前記位相調整加算器を含み、前記位相調整加算器は第2入力信号の1つ
以上の成分における位相を調整するように機能することが好ましい。
【0009】 前記VLIF信号は、外部構成要素(制御用デジタル信号処理装置やVLIF
局部発振器等)から直角位相生成器へ送信される実数(複素数に対して)信号で
あってもよく、あるいは、前記VLIF信号は、直角位相生成器自身によって内
部的に(例えば、内部メモリや内部発振器等から)生成されてもよい。
【0010】 1つの実施形態において、前記複素平衡乗算器は、2次以上の次数の利得調整
乗算器と2次以上の次数の位相調整加算器を有する。前記複素平衡乗算器は、加
算モードと累積モードとの間で切替え可能であり、また前記第1 入力信号のサン
プリング周波数より大きいクロック速度で動作する加算器配列を組み込み、これ
によって、各複素乗算の2次以上の次数項を算出し、新規の乗算器を必要とせず
前記第1入力信号の単一サンプリング期間中に1次項に累積することが好ましい
【0011】 本発明の第2の側面によれば、必要rf信号を受信し、前記必要信号の帯域幅
と同じ程度の大きさである中間周波数(IF)を中心とする必要複素VLIF信
号にその信号を逓減するためのrfミキサ段と、前記複素VLIF信号をデジタ
ル複素VLIF信号に変換するためのアナログ/デジタル変換器と、前記デジタ
ル複素VLIF信号を基底帯域へ逓減するための、前述の複素乗算器から構成さ
れている無線受信器が提供される。
【0012】 前記必要VLIF信号が中心とする前記IFは、前記チャネル幅の半分より1
0から20パーセント大きい範囲にあることが好ましい。このようなIFの選択
は、特に複素変調方式において優れた利点がある。この変調方式において、各記
号は、EDGE(強化データ速度GSM展開)として知られる展開規格に必要な
2つ以上のビットを表し、また、これらの変調方式に用いられる米国内の規格に
対応して、本発明の発明者らは驚くべきことに重大な情報が信号の端部(その信
号の中央からチャネル幅のプラス/マイナス半分まで)に含まれており、その損
失は容認し難い程大きなビットエラー率やブロックエラー率になり得ることを発
見した。チャネルのまさにその端部に重大な情報が含まれている複素変調方式の
例は8QPSK(8位置直角位相偏移変調)であり、ここでは各記号は3ビット
を表す。チャネル幅という用語は、当業者によっては充分理解されるように、隣
接するチャネルの対応する点間の周波数上の隔たりを意味する。例えば、GSM
においては、チャネル隔たり量は200KHzである。
【0013】 前記VLIF信号は、好適にはフラクショナル−N位相同期ループ(frac
Npll)である局部発振器によって生成されることが好ましい。前記frac
Npllは、多累積型fracNpllであることが好ましい。
【0014】 本発明による複素乗算器の利点は、克服すべきチャネル幅の半分より大きいV
LIFの使用に関連する困難を可能にすることである。この困難は、VLIFを
増加するにつれて、アナログ/デジタル変換器(adc)の帯域幅を増加しなけ
ればならないことであり、これによって、adcによって容認される負交互チャ
ネルの量が増加し、また、必要な信号の帯域に虚像として出現し、除去すべきこ
のチャネル量が増加する。第1次あるいは更に第2次の位相と利得調整手段を備
えることによって、1つ(第1次調整手段の場合)あるいは更に2つ以上(第2
次以上の高次の調整手段である場合)の特定の周波数に対して、虚像排除をゼロ
に設定することが可能である(すなわち、複素乗算器を通過した後、雑音として
基底帯域信号において出現する虚像成分量がほぼゼロであるように設定する)。
このようにして、調整手段の適切な設定によって、負交互チャネルの影響(これ
は事実上多くのシステムにおいて両隣接チャネルよりはるかに大きい)を最小化
することができる。
【0015】 ある周波数又は複数の周波数において完全に虚像を排除するための調整手段の
設定(以下校正と呼ぶ)は、工場での調整として実施するか、又は無線受信器に
対して充分な処理用出力が利用可能な場所で、既知の信号(例えば、ミッドアン
ブル)を検出する間に無線受信器によって自動的に行うか、又は両方の手法を組
み合わせ用いることによって、工場での初期校正を行った後、その無線受信器に
対応したプロセッサによって定期的にその校正状態をチェックし、必要ならば調
整を行うことができる。この校正は、無線受信器の多くの異なる動作期間に対し
て個別に実施することが好ましい。例えば、利得調整乗算器の設定は自動利得制
御(AGC)の多数の異なるレベルに対して実施し、位相調整加算器の設定は多
くの異なるチャネル又はチャネルの範囲に対して実施してもよい。
【0016】 adcは過サンプリングシグマ・デルタadcの形態を取ることが好ましい。 無線受信器は、有利な点として信号送信用の送信回路を含む集積回路上に構成
することが好ましい。無線受信器と送信回路は、局部発振器等、多くの構成要素
を共有することが理想的である。
【0017】 図面の詳細な説明 本発明が更に良く理解されるように、次に、添付の図面を参照して実施形態を
例としてのみ説明する。 図1において示すデジタル超長波中間周波数(DVLIF)受信器1は、無線
周波数(RF)部10、超長波中間周波数(VLIF)部30、及び基底帯域部
60から構成されており、RF部10とVLIF部30の間にRFミキサ段20
が配置され、VLIF部30と基底帯域部60の間にデジタルVLIFミキサ段
50が配置されている。RF部10は、アンテナ12、RF帯域通過受信フィル
タ14、及び増幅器16から構成される。RFミキサ段20は、同相(I)RF
ミキサ22、直角位相(Q)RFミキサ24、90°RF移相器26、及びRF
局部発振器(LO)28から構成される。VLIF部30は、I及びQのIF増
幅器31、32、I及びQ低域通過エイリアシングフィルタ33、34、I及び
Qシグマ・デルタ変調器35、36、更にI及びQデジタル低域通過フィルタ3
7、38から構成される。デジタルVLIFミキサ段50は、デジタルIFミキ
サとして動作する複素平衡乗算器51、及びIFのLO52から構成される。当
業者には理解されるように、基底帯域部60は、勿論更にデジタル信号等を復号
するためのデジタル処理要素からも構成されるが、低域通過I及びQデジタル選
択フィルタ61と62からのみ構成されているものとして示す。
【0018】 ここで、図1の受信器の基本的動作について述べる。基本的にアンテナ12は
、アンテナに入射する全無線信号を捕らえ、その無線信号は、対象の周波数範囲
外にある全信号をフィルタ処理する受信フィルタ14に送られる。例えば、受信
器がGSM受信器用である場合、受信フィルタ14は、GSM周波数範囲の90
0MHzプラスマイナス10%程度以内にない、アンテナによって受信される、
全無線信号の大きさを大幅に減衰させる。次に、RF混合段20に入力される前
に、受信器フィルタ14からの出力が増幅器16によって増幅される。
【0019】 RF混合段20において、増幅器16から出力される信号は、VLIFに逓減
される。RFのLO28は、そのRF信号の周波数と受信器が受信しようとする
チャネルの中央周波数との差が所定の所望のVLIFに等しいような周波数を有
するRF信号を生成する。90°移相器26の目的は、逓減された信号のI及び
Q成分を、I及びQのRFミキサ22、24から出力できるようにすることであ
る。増幅器16により出力された信号のI及びQ成分を生成することによって、
その信号を、(そのI及びQ成分に対応する)実数と虚数成分を有する複素信号
として見なすことが可能となり、このようにして、負周波数を有する信号と正周
波数を有する信号とを各々区別することができる。
【0020】 I及びQのRFミキサ22、24各々によって出力されたI及びQ信号は、I
及びQ増幅器31、32と、I及びQ低域通過エイリアシングフィルタ33、3
4各々に入力される。これらの構成要素の目的は、(逓減される際に)高域すぎ
て、(逓減される際に、ほぼdcとチャネル幅の間にある)対象の信号に属さな
い、アンテナに届く信号の周波数成分を全て取り除くことである。実際には、フ
ィルタ33、34は単純なものである(すなわち、複雑ではない)ために、負隣
接チャネルに含まれる信号も通す(これは、RFのLO28によって生成される
RF信号周波数のほぼ反対側の、必要チャネルに隣接して位置するチャネルであ
る)。更に、実際の(すなわち、理想的ではない)フィルタは、カットオフ点が
それほど鮮明ではないために、(必要信号の歪を回避するために)フィルタ33
、34もまた、正隣接チャネル(必要チャネルとしてRFのLO28によって生
成されるRF信号の周波数の同じ側において、必要チャネルに隣接して位置する
チャネル)と負交互チャネル(RFのLO28によって生成される周波数の反対
側において必要チャネルの1つおいて隣に位置するチャネル、すなわち上述した
負隣接チャネルに隣接するチャネル)両方の大部分を通過させる。
【0021】 次に、フィルタ33、34から出力される信号は、I及びQシグマ・デルタ変
調器35、36に入力される。シグマ・デルタ変調器35、36は、当業者には
理解されるように、入力アナログ信号にプラスして大量の高周波雑音に相当する
デジタル信号を生成する。従って、シグマ・デルタ変調器35、36によって出
力されるデジタル信号は、デジタル低域通過フィルタ37、38を通過するが、
このデジタル低域通過フィルタ37、38の目的は、反エイリアシング低域通過
フィルタ33、34が通過させるアナログ信号(すなわち、必要チャネル、負隣
接チャネル、及び正隣接チャネルと負交互チャネル部分)をデジタル表現のまま
にしておくために、シグマ・デルタ変調器35、36によって生成される高周波
雑音をほとんど除去することである。
【0022】 次に、これらの信号は、デジタルVLIFミキサ段50に入力される。この段
の主な機能は、必要信号を基底帯域に更に逓減する(すなわち、中心周波数をd
c周波数とする)ことである。しかしながら、本発明においてはIQ平衡化機能
も担う。IQ平衡化とは、RF混合段20とVLIF部30のアナログ区間を通
過する信号のI成分とQ成分の間の振幅と位相のばらつきの補償をすることを意
味する。RF混合段20とVLIF部30は、I(22、31、33、35)及
びQ(24、32、34、36)経路各々にあるアナログ成分(すなわち、更に
厳密には、それらを通過する信号に対するアナログ成分に応じて)に差異が生じ
るために導入される。これらの不平衡が補償されない場合、必要信号と同じ基底
帯域において雑音として現れる必要信号以外の信号の不必要な虚像成分が生じる
。このことが発生するしくみについては以下で更に詳述する。デジタルVLIF
ミキサ段50は、複素平衡乗算器51とIFのLO52から構成されるものとし
て示していることに留意されたい。完全なVLIFミキサ段50は、IQ平衡化
を提供するための素子を含み、以下でわかるように、どの成分にこれらを対応付
けるかという厳密な選択にはやや任意的な面もあるが、本発明の目的のために、
IFのLOとは対照的に、これらは複素平衡乗算器の一部を形成するものと見な
される。更に、以下で詳述する実施形態には、複素平衡乗算器のハードウェア型
の具体例を示すが、(100万命令/秒(MIPS)という点から言えば)非常
に処理性能が高く適切にプログラム化されたデジタル信号処理装置あるいは不特
定演算及び論理演算用装置とメモリを有していることは、当業者にとって明らか
であろう。このことについては、図4と5において以下で更に検討する。
【0023】 デジタルVLIFミキサ段50から出力された信号は、必要信号を含むチャネ
ル外の全ての雑音成分を除去する目的を有するI及びQデジタル低域通過選択的
フィルタ61、62に入力される。次に、通常、これらのフィルタからの出力は
、等化、音声復号化等、フィルタ61、62によって出力されるI及びQ信号に
デジタル信号処理を行うようになっているデジタル信号処理装置に送られる。
【0024】 次に、図2において、図1の受信器の信号応答例について述べる。図2の第1
の周波数スペクトル図は、RFのLO28によって生成される単一トーン信号1
10を表す点線と共に、各々900.2MHzと900.0MHzを中心とする
必要信号100と負隣接信号99を示す。これらの信号は典型的なGSM信号を
表すが、このように各信号99、100はGMSKスペクトルを有し、そのチャ
ネル幅は200KHzである。本発明における1つの側面の好適な実施形態によ
れば、必要信号は、逓減される際、チャネル幅の半分より若干大きく、好適には
、チャネル幅の半分の1.1乃至1.2倍の間のVLIFを中心となるように、
RFのLO信号110の周波数が選択される。従って図2において、RFのLO
信号110は、周波数900.085MHzにあるものとして示す。このように
してRFのLO信号110の周波数を選択することによって、必要信号100は
、RFミキサ段50によって逓減される際、115KHzのVLIFを中心とす
る。本発明に基づくRFのLOの特に好適な選択によれば、13MHz/24*
435/2048に対応する115.051KHzのVLIFを中心とする必要
信号を、この周波数が多重累算器フラクショナル−N位相同期ループ(MACC
FRAC−N PLL)周波数合成器によって生成できるように、発生させる
ものである。そのような周波数合成器はこの技術分野では既知のものであり、例
えば、米国特許番号第5、111、162号、「“周波数分割器用AFCと変調
機能付きデジタル周波数合成器”ヒータラ(Hietala)ら」に記載されて
いる。
【0025】 図2の第2の周波数スペクトル図(図2B)に、必要信号100が115KH
zのVLIFを中心とするようにVLIFに逓減された後の信号99、100を
示す。負隣接信号もまた、−85KHzを中心とするVLIFに逓減される(こ
こでは、これらの信号を複素信号と見なしており、このことによって、負周波数
と正周波数を区別できることに留意されたい)。また図2Bには、IM2(2次
相互変調)と呼ばれる実質的なdc信号120を示す。IM2信号は、アンテナ
12によって検出され、RFミキサ段20で本質的にそれ自身と再結合するRF
のLOからのリークと、アナログミキサ22、24における2次非線形性成分と
の組み合わせによって生成される雑音である。またフィルタ33、34による影
響をフィルタ応答曲線130によって図2Bに示す。フィルタ33、34は実在
のフィルタであり、各々の周波数応答は、dcに関して対称である。必要信号1
00のクリッピングと歪みを回避するために、フィルタの折点周波数は、215
KHzを越えて設定される。このことによって、これらのフィルタ33、34は
(−185KHzを大きく越えることのない)ほぼ全ての負隣接チャネル99を
通過させる。
【0026】 また図2Bには、負隣接信号虚像99´と必要信号虚像100´と呼ぶことが
できる虚像信号99´、100´をいくつか示す。負隣接信号虚像99´は+8
5KHzを中心とし、一方必要信号虚像100´は−115KHzを中心とする
。これらの虚像信号は、I経路とQ経路間の不平衡に起因し、そしてまたその不
平衡は、異なるI及びQ経路に含まれるアナログ成分の(最も厳密には、そのよ
うな成分の周波数応答の)不平衡に起因する。
【0027】 図2の最後の周波数スペクトル図(図2C)には、必要信号100、負隣接信
号99、及びIM2(120)を示し、虚像99´、100´信号は、必要信号
100がこの時点で基底帯域にあり(すなわち、dcを中心とし)、デジタル形
式となるように、デジタルVLIFミキサ段50によって更に逓減されている。
負隣接信号は更に逓減されて、−200KHzを中心とし、一方IM2信号は、
−115KHzに位置している。IM2信号が、必要信号の中心から115KH
z離れて位置しているということは、この信号を、低域通過フィルタあるいはノ
ッチフィルタのいずれかによって、必要信号100にクリッピング又は歪みを生
じさせることなくフィルタ処理できるため、本発明による受信器にとって大きな
利点である。また図2Cには、負隣接信号虚像99´がこの時点で−30KHz
を中心とし、必要信号虚像100´がこの時点で−230KHzを中心とするよ
うに、−115KHzだけ逓減された虚像信号99´、100´も示す。これら
の虚像信号はまた、VLIFミキサ段50のI、Q平衡化の結果、図2Bから大
きさが低減されたものとして示す。このI、Q平衡化は、VLIFミキサ段50
の第2の機能である。実際には、VLIFミキサ段50のI、Q平衡化は、特定
の周波数において(あるいはいくつかの個別周波数において)ほぼ完全に実行さ
れるが、解り易くするために、また最適な周波数又は複数の周波数がどのような
状態であるかをより良く理解するために、VLIFミキサ段のノッチによる影響
は、図2cと3Cには示していない。明らかに、必要信号虚像100´は、(±
100KHzを大きく上回ることのない)必要信号100から充分に分離されて
おり、従って、この周波数においてVLIFミキサ段の平衡化を最大化する価値
は無いが、負隣接チャネル虚像99´が−30KHzを中心とし、雑音として必
要信号において現れることになるため、負隣接信号虚像99´の中央周波数にお
いてVLIFミキサ段の平衡化を最大化することには価値がある。
【0028】 次に、図3において、図1における受信器の信号応答の第2例についてこれか
ら述べるが、ここでは、必要信号100と負隣接99信号の代わりに、900.
2MHzと899.8MHzの各々を中心とする必要信号100と負交互信号9
8がアンテナ12に届いているものとして、(RFのLO28によって生成され
る単一トーン信号110を表す破線も共に)示す。勿論、実際の環境で動作する
場合、必要信号100は、負隣接信号と負交互信号の両方を含む他の多くの信号
と共に受信されるが、理解し易いように、図2と図3では、必要信号の他に、一
度に1つの信号だけについて考える。
【0029】 負交互信号98は、必要信号100から400KHzだけ間隔を置いている。
GSM規格によれば、GSMネットワークのセルラ構造を再利用条項の結果、交
互チャネルは、その総出力が必要信号100の総出力より最大41dB大きい信
号を含むことができるため、負交互信号98を、必要信号100に比べて非常に
大きいものとして示す。
【0030】 図3の第2の周波数スペクトル図(図3B)から解かるように、逓減された負
交互信号98の大部分がフィルタ33、34(その周波数応答については、フィ
ルタ応答曲線130によって図3に再度示す)によってフィルタ処理されるが、
それでもフィルタ33、34を通過する残りの負交互信号98の信号出力は依然
として著しく大きい。この主な理由は、負交互信号が、その出力がフィルタの働
きによって低減された後であってもなお著しく大きいほど必要信号よりも大きい
ためだけである。更にこれらの信号は全て、各々の信号強度周波数分布に関して
は正規分布をなすことから、また負交互信号はかなり大きいことから、その割り
当てられたチャネル外の成分(すなわち、負隣接チャネル内に分布している成分
)もまた、受信器を設計する際考慮しなければならない大きな雑音を表す。
【0031】 図3の第3の周波数スペクトル図から解かるように、受信器のI経路とQ経路
の間の不平衡が妥当な程度である場合、また複素平衡乗算器51によっていかな
る平衡化も行われない場合、比較的大部分の負交互信号虚像98´が、基底帯域
への変換後、必要チャネルに出現する(虚像信号98´、100´は、図3Bに
も実際含むべきであったが、わかり易くために割愛したことに留意されたい)。
図3Cと図2Cを比較することによって、負交互虚像98´が潜在的に引き起こ
す必要チャネル内の不要雑音量は、負隣接信号虚像99´のそれよりも多いこと
は明らかである。更に、2つの虚像は異なる周波数でピークを示すことも明らか
である(ここでも、1つだけ又はいくつかの別個の周波数において影響を及ぼす
VLIFミキサ段の平衡化による影響について、図3Cには示さない)。従って
、複素平衡乗算器は、少なくとも負交互信号虚像、また理想的には負交互及び負
隣接信号虚像両方の影響を最小化するように、IQ平衡化を実行できることが好
ましい。図4には、1次複素平衡乗算器500を示す。この複素平衡乗算器50
0は、直角位相生成器510、Q経路利得調整手段520、第1、第2、第3、
及び第4乗算器531、532、533、534、及び第1並びに第2加算/減
算器541、542から構成される。直角位相生成器510は、位相信号Osd
の形式でIFのLO52からVLIF信号を受信し、また入力と、出力cos(
Osd)、sin(Osd)、cos(Osd+β)、及びsin(Osd+β
)信号としてプログラム可能なQ経路位相補正βを受信するが、これらは第1、
第2、第3、及び第4乗算器531、532、533、534各々の第2入力に
印加され、更にその第1と第2乗算器531、532は、各々の第1入力に印加
されるデジタルI経路信号Iin(図1のデジタルIフィルタ37からの出力)
を有し、一方その第3と第4乗算器533、534は、各々の第1入力に印加さ
れるデジタルQ経路信号Qin(図1のデジタルQフィルタ38からの出力)を
有する。第1と第4乗算器531、534の出力は、デジタル基底帯域I信号I
outを出力する第1加算/減算器541への入力として印加され、一方第2と
第3乗算器532、533の出力は、デジタル基底帯域Q信号Qoutを出力す
る第2加算/減算器542への入力として印加される。
【0032】 複素平衡乗算器500の作用によって、以下の数式1において示すように、入
力信号Iin、Qin、及びOsdから、出力I及びQ信号IoutとQout
が生成される。
【0033】
【数1】 数式1からわかるように、I経路とQ経路の間で、利得が1/Adだけ又位相
が−βだけ相対的に不平衡であることによって、Qinが要求されているものと
異なる場合、複素平衡乗算器500の効果は、所望通りに不平衡を補正すること
である。残念ながら、この経路間の不平衡は周波数に関して一定ではない。従っ
て、図1の複素平衡乗算器500は、単一周波数においてI及びQ経路を厳密に
平衡させることしかできない。これらの経路に含まれるアナログ成分の差異によ
って生じる経路間の不平衡について完全に記述するためには、不平衡が、以下の
数式2によって与えられる有限インパルス応答(FIR)を有するフィルタによ
って引き起こされるものと見なす必要がある。
【0034】
【数2】 明らかに、そのようなFIRの影響に対処するためには、以下の数式3によっ
て与えられる応答を有するフィルタ又は同等の装置を提供する必要がある。
【0035】
【数3】 数式3から、複素平衡乗算器500によって提供される1次補償は、Hbalanc e の第1項に対応していることは明らかである。より高次の補償又は平衡化を提
供するために、FIRを有する専用のデジタルフィルタを提供して、所望の次数
まで不平衡を補償することができる。しかしながら、デジタルVLIFミキサ段
50内に含まれる複素乗算器のいくつかの素子を再利用することが好ましい。
【0036】 図5に、いくつかの部分を再利用して、2つ以上の周波数においてI経路とQ
経路の間の不平衡を補償できる2次以上のFIRを実行できる複素平衡乗算器6
00を示す(一般的に言えば、2次FIRは、ちょうど2つの特定の周波数にお
いて不平衡を補償でき、一方3次FIRは、3つの特定の周波数において補償で
きる等について留意されたい)。具体的に、図5には、4次複素平衡乗算器を示
すが、この構成に修正を加えて、この構成のFIRの次数を変え、その主たる制
約条件が、入力I及びQ信号のサンプル周波数に相当する再利用素子に利用可能
なクロック速度であることが、読み手には容易に明らかとなるであろう。
【0037】 複素平衡乗算器600は、Qin記憶レジスタ601とそれに対応付けられる多
重化手段602と、直角位相生成器610と位相補正βi 記憶レジスタ611と
、Q経路利得調整手段620と利得調整ADi記憶レジスタ621と、第1、第2
、第3、及び第4乗算器631、632、633、634と、第1と第2加算/
減算器641、642と、Iout 及びQout 記憶レジスタ651、652と、第
1と第2スイッチ661、662とから構成される。
【0038】 複素平衡乗算器600の動作については以下の通りである。複素平衡乗算器6
00へ入力されるI及びQ信号は、デジタルサンプリングされた値の形式をとる
。Iin0 とQin0 の値が時刻t=0においてIinとQinの値である場合、サンプ
リングされた値Iin0 、Qin0 、Qin-1、Qin-2、Qin-3について考えると、Qin-1 は時刻t=−Ts におけるQinの先行サンプリング値であり、Qin-2の値は
時刻t=−2Ts においてQin、等々であり、ここでTs はサンプリング周波数
s の逆数である。Qin記憶装置601は、Qinに先行する3つのサンプル値、
すなわちQin-1、Qin-2、Qin-3を記憶する。それに対応付けられる多重化手段
602は、その内いずれか1つを選択して利得調整手段620に受け渡す出力を
形成できる4つの入力(すなわち、Qin0 、Qin-1、Qin-2、Qin-3)を有する
。利得調整手段620は、その2つの入力に現れる2つの値、すなわち、多重化
手段602からの出力と、利得調整係数AD0、AD1、AD2、AD3を記憶する利得
調整ADi記憶レジスタ621からの出力を共に乗算する。
【0039】 直角位相生成器610は、入力として信号Osdを受信し、又位相補正βi
憶レジスタ611からの出力を受信する。直角位相生成器610により出力され
た信号は、速度fs で出力されたcos(Osd)とsin(Osd)であり、
速度4fs で出力されたcos(Osd+βi )とsin(Osd+βi )であ
る。信号cos(Osd)、sin(Osd)、cos(Osd+β)、及びs
in(Osd+β)は、第1、第2、第3、及び第4乗算器631、632、6
33、634の第2入力に各々印加され、更に、第1と第2乗算器631、63
2は、各々の第1入力に印加されるデジタルI経路信号Iin0 (図1のデジタル
Iフィルタ37からの出力)を有し、一方第3と第4乗算器633、634は、
各々第1入力に印加される利得調整手段620の出力を有する。第1乗算器63
1の出力は、第1スイッチ661の第1端子に印加され、第2乗算器632の出
力は、第2スイッチ662の第1端子に印加され、第3乗算器633の出力は、
第2加算/減算器642への入力として印加され、更に第4乗算器634の出力
は、第1加算/減算器641への入力として印加される。第1加算/減算器64
1の出力は、Iout 記憶レジスタ651に印加され、第2加算/減算器642の
出力は、Qout 記憶レジスタ652に印加される。Iout 記憶レジスタ651の
出力は、複素平衡乗算器600のIout 出力を形成し、更に第1スイッチ661
の第2端子にフィードバックされる。Qout 記憶レジスタ652の出力は、複素
平衡乗算器600のQout 出力を形成し、更に第2スイッチ662の第2端子に
フィードバックされる。第1スイッチ661は、その第1端子又は第2端子のい
ずれかを、第1加算/減算器641への入力に接続するよう機能する。第2スイ
ッチ662は、その第1端子又は第2端子のいずれかを、第2加算/減算器の入
力に接続するよう機能する。スイッチ661、662のいずれかが、各加算/減
算器への入力を、スイッチの第2端子に接続している場合、現行の合計を各記憶
レジスタに記憶した状態で、各記憶レジスタと共に加算/減算器が、累算器とし
て機能することが読み手には明らかであろう。
【0040】 次に、複素平衡乗算器600からの所望の出力が以下の数式4によって与えら
れるとする。
【0041】
【数4】 この数式によって与えられるIout 及びQout 信号を達成するために、複素平
衡乗算器は、サンプリング周期Ts ごとに4つのサイクルで動作する。第1サイ
クルにおいて、項Iin0 *ejOsdとjQin0 *AD0*ej β0 *ejOsdが計算さ
れる。これを行うために、多重化手段602は、その出力としてQin0 を受信す
る各第1入力を選び、利得調整記憶レジスタ621は、次に利得調整手段620
においてQin0 と乗算される利得調整定数AD0を出力してQin0 *AD0を生成す
る。また位相調整記憶レジスタ611は直角位相生成器610によって用いられ
るβ0 を出力して、ejOsdとej(β0+Osd)の実数(cos)と虚数(sin)成
分を各々生成する。これらの成分は、乗算器631乃至634においてIin0
びQin0 と適切に乗算され、その実数項と虚数項は共に、加算/減算器641と
642において適切に加算されて(Iin0 +jQin0 *AD0*ej β0 )*ejO sd の実数部と虚数部を各々生成する。次に、これらはIout 及びQout 記憶レジ
スタ651、652に各々記憶され、第1サイクルが終了する。
【0042】 第2サイクル中、第1と第2スイッチ661、662は、記憶レジスタ651
、652の出力が加算/減算器641、642の第1入力にフィードバックされ
るように、第2状態に各々切り替えられる。また、多重化手段602は、Qin
憶レジスタ601からその出力としてQin-1を受信するその第2入力を選び、利
得調整記憶レジスタ621は、利得調整手段620にAD1を出力し、そして位相
調整装置611は、乗算器633と634において利得調整手段620(すなわ
ち、Qin-1*AD1)の出力と乗算されるej(β1+Osd)の実数と虚数の成分を生成
する直角位相生成器610にβ1 を出力し、記憶レジスタ652と651各々に
記憶される値に累積されるjQin-1*AD1*ej(β1+Osd)項の虚数部と実数部を
生成する。次に、新規合計は第3と第4サイクルに備えてレジスタ652と65
1に復元される。
【0043】 第3と第4サイクルは、数式4に必要な成分が全て計算されて、そこで信号Iout とQout が有効となるまで、同じようにして第2サイクルに進み、スイッチ
661と662は、第1位置に各々戻り、そしてIin、Qin、及びOsdの新規
サンプル値は、複素平衡乗算器600の入力部で受信される。
【0044】 これまでの説明で読み手にとって明らかなように、本発明によって無線受信器
構造を可能にする複素平衡乗算器が提供されるが、この構造は、高価なSAWフ
ィルタと第2のrf局部発振器が無いことで直接変換受信器という利点を有し、
又それにもかかわらず、毎秒20000乃至30000記号程度の速度で(ここ
で、隣接及び交互チャネルは、GSM規格又は同様な規格に基づいて、必要信号
の大きさを大幅に上回る大きさを有する雑音が含まれても良い)記号を送信する
2次以上の変調を有する(すなわち、記号当り2ビット以上の)狭帯域の(例え
ば200KHz)無線信号を受信することができる。複素平衡乗算器によって、
チャネル幅の半分の1.1倍と1.2倍の間にある周波数を中心とするVLIF
に必要信号を逓減する局部発振器を用いてことができる。本発明に基づく複素平
衡乗算器を用いて、VLIFの基底帯域逓減を実行することによって、このVL
IFを選択した結果、負交互虚像チャネルから基底帯域で必要信号チャネル内に
発生する新規雑音量が最小限に抑えられる。最適には、予めプログラムして不要
な虚像信号からの雑音の影響を最小限に抑えた2つ以上の周波数においてほぼ完
全に虚像を除去できる2次以上の平衡化複素乗算器が用いられる。
【0045】 図4と5の複素平衡乗算器は、実現可能な具体例としてのみ例示したものであ
り、他の具体例は、当業者には容易に明らかであろう。例えば、直列の具体例を
用いて2次以上の調整手段を生成する代わりに、より多くの実数乗算器を用いて
1次項と並列に、より高次な項を生成する並列の具体例を用いることができる。
もう1つの選択肢として、該当するIQ平衡化動作をそこに組み込んだ状態で、
所望の複素乗算を実行するように適切にプログラムされた非専用デジタル信号処
理装置(dsp)又はマイクロ制御装置を単に用いることもできる。明らかに、
GSMやEDGE等の用途の場合、(今日の標準であるMIPSの点で)非常に
高性能のデジタル信号処理装置が必要であり、現時点では解決手段として魅力は
ないが、明らかに、dspが更に安価になり続け、又より高性能となった場合、
将来は実用的な解決手段となるに違いない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づく無線受信器のブロック図である。
【図2】 受信器への入力の例として必要GMSK信号と単一負隣接チャネ
ルGMSK信号を用いて、図1の無線受信器によって実行される信号処理を示す
図である。
【図3】 受信器への入力の例として必要GMSK信号と単一負チャネル交
互GMSK信号を用いて、図1の無線受信器によって実行される信号処理を示す
図である。
【図4】 図1の受信器における使用に適した1次複素平衡乗算器のブロッ
ク図である。
【図5】 図1の受信器における使用に適したもう1つの複素平衡乗算器を
示す、図4と同類のブロック図である。
【手続補正書】
【提出日】平成14年11月1日(2002.11.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 OA(BF,BJ,CF,CG, CI,CM,GA,GN,GW,ML,MR,NE,S N,TD,TG),AL,AM,AT,AU,AZ,B A,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU ,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW, MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 クレマン、パトリック スイス国 CH−1030 ビュシニー シェ マン ドゥ ラ ポティュア 111 (72)発明者 カービー、クリストファー アメリカ合衆国 60126 イリノイ州 エ ルムハースト イー マディソン ストリ ート 120 Fターム(参考) 5K004 AA05 FG00 FH00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同相(I)成分と直角位相(Q)成分を有する第1入力複素
    信号と第2入力複素信号を乗算し、前記第1入力信号と第2入力信号の積である
    出力複素信号を生成するための複素乗算器であって、 第1信号のI及びQ成分の内1つの利得を他の成分に対して調整するための利
    得調整乗算器と、 第1信号のI及びQ成分の内1つの位相を他の成分に対して調整するための位
    相調整加算器と、を含むことを特徴とする複素乗算器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の複素乗算器であって、 前記複素乗算器はデジタル複素乗算器であり、また前記第1入力信号と第2入
    力信号及び前記出力信号は全て対応するサンプリング周波数(fs)を有するデ
    ジタル信号であることを特徴とする複素乗算器。
  3. 【請求項3】 前述の請求項のいずれか1つに記載の複素乗算器であって、 超長波中間周波数VLIFを示すVLIF信号を受信するための直角位相生成
    器を含み、これによって、相対的な利得と位相調整の後、前記第1入力複素信号
    は逓減され、前記直角位相生成器は前記VLIF信号から前記第2入力複素信号
    を生成するようになっていることを特徴とする複素乗算器。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の複素乗算器であって、 前記直角位相生成器は、前記位相調整加算器を含み、 前記位相調整加算器は第2入力信号の1つ以上の成分における位相を調整する
    ように機能することによって、前記第1 入力信号のI及びQ成分の1 つにおける
    位相を調整することを特徴とする複素乗算器。
  5. 【請求項5】 前述の請求項のいずれか1つに記載の複素乗算器であって、 前記利得調整乗算器は2次以上の次数の利得調整乗算器であり、また前記位相
    調整加算器は2次以上の次数の位相調整加算器であることを特徴とする複素乗算
    器。
  6. 【請求項6】 前述の請求項のいずれか1つに記載の複素乗算器であって、
    更に、 加算モードと累積モードとの間で切替え可能であり、また前記第1 入力信号の
    サンプリング周波数より大きいクロック速度で動作する加算器配列から構成され
    、これによって、各複素乗算の2次以上の次数項を算出し、新規の乗算器を必要
    とせず前記第1入力信号の単一サンプリング期間中に1次項に累積することを特
    徴とする複素乗算器。
  7. 【請求項7】 無線受信器であって、 必要rf信号を受信し、前記必要信号の帯域幅と同じ程度の大きさである中間
    周波数(IF)を中心とする必要複素VLIF信号にその信号を逓減するための
    rfミキサ段と、 前記複素VLIF信号をデジタル複素VLIF信号に変換するためのアナログ
    /デジタル変換器と、 前記デジタル複素VLIF信号を基底帯域へ逓減するための、前述の請求項の
    いずれか1つに記載の複素乗算器から構成されていることを特徴とする無線受信
    器。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の無線受信器であって、 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の複素乗算器の、前記利得調整乗算器と
    前記位相調整加算器は、基底帯域周波数スペクトル端に近い周波数で完全な平衡
    に近い状態を提供するようになっており、これによって、負交互チャネルからの
    虚像信号量が最小化されることを特徴とする無線受信器。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8のいずれかに記載の無線受信器であって、 前記必要VLIF信号が中心とする前記IFは、前記チャネル幅の半分より1
    0から20パーセント大きい範囲にあることを特徴とする無線受信器。
  10. 【請求項10】 請求項7、8又は9のいずれかに記載の無線受信器であっ
    て、局部発振器は、フラクショナル−N位相同期ループ周波数合成器であること
    を特徴とする無線受信器。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の無線受信器であって、前記フラクショ
    ナル−N位相同期ループ周波数合成器2つ以上の累積器を組み込んでいることを
    特徴とする無線受信器。
  12. 【請求項12】 請求項7乃至11のいずれか1つに記載の無線受信器であ
    って、前記アナログ/デジタル変換器は、過サンプリングされるシグマ・デルタ
    のアナログ/デジタル変換器の形態を取ることを特徴とする無線受信器。
  13. 【請求項13】 請求項7乃至12のいずれか1つに記載の無線受信器であ
    って、集積回路として形成されることを特徴とする無線受信器。
JP2001500426A 1999-06-01 2000-06-01 複素信号を乗算するための乗算器 Pending JP2003529956A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP99401319.1 1999-06-01
EP99401319A EP1058378B1 (en) 1999-06-01 1999-06-01 Multiplier for multiplying complex signals
PCT/EP2000/005148 WO2000074230A1 (en) 1999-06-01 2000-06-01 Multiplier for multiplying complex signals

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003529956A true JP2003529956A (ja) 2003-10-07

Family

ID=8241991

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001500426A Pending JP2003529956A (ja) 1999-06-01 2000-06-01 複素信号を乗算するための乗算器

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP1058378B1 (ja)
JP (1) JP2003529956A (ja)
KR (1) KR100764522B1 (ja)
AU (1) AU4926900A (ja)
BR (1) BRPI0011052B1 (ja)
DE (1) DE69926611T2 (ja)
WO (1) WO2000074230A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE60308539T2 (de) 2003-12-29 2007-01-04 Freescale Semiconductor, Inc., Austin Niedrigzwischenfrequenzempfänger
FR2872649B1 (fr) * 2004-07-02 2006-09-29 Eads Telecom Soc Par Actions S Procede et dispositif de melange de signaux radio numeriques
US8036625B1 (en) 2006-07-11 2011-10-11 Marvell International Ltd. Method and apparatus for mixing a signal

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4688096A (en) * 1986-06-25 1987-08-18 Rca Corporation Demodulation phase error compensation circuitry as for an automatic deghosting system
US5999802A (en) * 1993-06-04 1999-12-07 Rca Thomson Licensing Corporation Direct conversion tuner
US5619202A (en) * 1994-11-22 1997-04-08 Analog Devices, Inc. Variable sample rate ADC
US5828955A (en) * 1995-08-30 1998-10-27 Rockwell Semiconductor Systems, Inc. Near direct conversion receiver and method for equalizing amplitude and phase therein
US5802463A (en) * 1996-08-20 1998-09-01 Advanced Micro Devices, Inc. Apparatus and method for receiving a modulated radio frequency signal by converting the radio frequency signal to a very low intermediate frequency signal
US5878089A (en) * 1997-02-21 1999-03-02 Usa Digital Radio Partners, L.P. Coherent signal detector for AM-compatible digital audio broadcast waveform recovery
US5777521A (en) * 1997-08-12 1998-07-07 Motorola Inc. Parallel accumulator fractional-n frequency synthesizer

Also Published As

Publication number Publication date
KR20020035484A (ko) 2002-05-11
DE69926611T2 (de) 2006-06-14
DE69926611D1 (de) 2005-09-15
KR100764522B1 (ko) 2007-10-09
BR0011052A (pt) 2002-06-11
WO2000074230A1 (en) 2000-12-07
EP1058378B1 (en) 2005-08-10
BRPI0011052B1 (pt) 2015-06-16
EP1058378A1 (en) 2000-12-06
AU4926900A (en) 2000-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6597748B1 (en) Method and apparatus for receiving a signal
US7676210B2 (en) Method for performing dual mode image rejection calibration in a receiver
US7627302B2 (en) Apparatus and method for digital image correction in a receiver
US7151917B2 (en) Apparatus and method for deriving a digital image correction factor in a receiver
US8903347B2 (en) Simplified high frequency tuner and tuning method
EP0649580B1 (en) A digital frequency conversion and tuning scheme for microwave radio receivers and transmitters
US8170494B2 (en) Synthesizer and modulator for a wireless transceiver
EP1067674B1 (en) Apparatus and method for receiving and processing a radio frequency signal
EP0999645A1 (en) Data converter
US5703527A (en) Frequency modulated signal demodulator circuit and communication terminal equipment
JP2007513562A (ja) バンドパスサンプリング受信器及びサンプリング方法
US6347123B1 (en) Low-current sample rate converter
JP2003529956A (ja) 複素信号を乗算するための乗算器
JP3383318B2 (ja) デジタル変調波の復調装置
JP3134801B2 (ja) 共用受信機