JP2003529390A - 治療部位の安定化装置およびその使用方法 - Google Patents

治療部位の安定化装置およびその使用方法

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Abstract

(57)【要約】 手術又は診断手法において、組織の局所を一時的に不動化するのに用いられる可撓性の吸引体(22)および方法を提供する。本発明の装置および方法は特に、心臓組織の局所部位を不動化するのに特に適し、それにより、鼓動心臓のポンプ機能を実質的に悪化させることなく、冠状血管に対し侵襲性が小さい手術又はマイクロ手術を行うことを可能にする。本発明の吸引装置は、真空源(44)と組合わされ、可撓性の拡張可能なリム(10)を備えた環状又は蹄鉄状吸引路(22)を有し、空気が吸引路(22)から引き抜かれたとき治療部位の表面に対し平坦となって外方に拡張するようになっている。この構造により、吸引区域を大きくしつつ治療部位に対し吸引体の圧力が分配され、吸引体による治療部位への損傷、出血を抑制することができる。吸引体(22)は好ましくは柔軟で従順な材料、例えばエラストマーから作られ、心臓の表面に順応可能し、更に全体形状を起伏様にし、心臓表面などの起伏表面に対してもその順応性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、概して体内組織および器官の外科手術に関する。より具体的には、
心臓壁など運動性組織の局所を一時的に不動化し、その部位での治療処置を容易
にするための方法および装置に関する。 (背景技術) 冠状動脈症は西側社会における罹患率および死亡率の主たる原因となっており
、種々の形態で現れる。例えば、冠状動脈症は心臓の種々の部位への不十分な血
流を生じさせる。これはアンギナの不快感や、虚血の危険性につながる。重症の
場合、冠状動脈の血流の急激な阻害は心筋梗塞などの心筋組織への不可逆的損傷
をもたらし、死亡の危険性につながる。
【0002】 冠状動脈症の治療のため多くのアプローチが開発されてきた。軽症の場合は、
医薬を用い、その徴候を単に治療したり、ライフスタイルを改善し、病気の原因
を治療するだけで十分である場合が多い。より重い症状の場合、バルーン血管形
成外科、アテローム切除、レーザ切除、ステントなどの手法を用い、脈管内又は
経皮的に治療することができる。
【0003】 これらのアプローチでも改善されない、若しくは改善の可能性がない場合は、
冠状動脈バイパス移植処置を行う必要がある。この処置は一般に中央胸骨切開に
よる胸部開口、左右胸郭開放、心膜嚢開放などによる心臓への直接的アクセスを
行うことが含まれる。ついで、移植手術に使用される1又はそれ以上の血管が患者
から調達される。これは通常、内乳動脈又は伏在静脈から調達されるが、他の移
植用血管を用いてもよい。
【0004】 通常、心臓-肺バイパス又は心肺バイパスは、外科手術の間、心臓の鼓動を停
止し得るよう施される。これは、通常、動脈および静脈挿管法を伴い、血流を心
肺装置に接続し、体温を約32℃に冷却し、大動脈の横断方向の締付け、冠状動
脈の心停止灌流により、心臓を停止させ、約4℃まで冷却させる。この心臓を停
止させる理由は、一般に、心臓の一定のポンプ作用が心臓に対する外科手術を或
る部位においては困難にし、他の部位においては不可能でないにしても、極めて
困難にするからである。
【0005】 心臓停止が一旦達成されると、移植片が冠状動脈の関連部位に取付けられ、心
肺バイパスからの引き離しが行われ、心臓の再始動およびカニューレ取り外しが
行われ、最後に、胸部が閉じられる。 しかし、心肺バイパスの使用は患者に種々の困難を生じさせ、手術の費用およ
び時間の増加を生じさせる。心肺バイパスにおいて、患者の全ての血液は、本来
、右房に戻されるものが、酸素を血液に供給するシステムに迂回され、二酸化炭
素の除去が行われ、十分な圧力を以って患者の大動脈に戻され、人体への更なる
分配がなされるようになっている。一般に、このシステムは、酸素添加装置、数
個のポンプ、貯液部、血液温度制御システム、フィルター、および流量/圧力/
温度センサーなどの数個の別部材を必要とする。
【0006】 心肺バイパスの使用の間、血液の非内皮的に裏打ちされた表面、すなわち、血
管のものとは異なる表面との生物学的反応により問題が起きることがある。特に
、血液が異物表面と接したとき、炎症性応答を生じさせる実質的に全ての体液お
よび細胞質成分の活性化をもたらし、更に或る種の遅反応性特異的免疫応答を生
じさせる。心肺バイパスを使用した場合の他の問題は、せん断応力損傷による赤
血球および血小板の損失である。更に、心肺バイパスは、ヘパリンなどの抗凝固
剤の使用を要する。それにより、出血の危険性を増大させる。最後に、心肺バイ
パスは、患者への追加の血液投与を時として必要とする。この追加の血液が、患
者以外の者からのものであると、輸血に伴う病気に患者が曝されることになる。
【0007】 このような心肺バイパスの使用に伴う危険性のため、心臓停止および心肺バイ
パスを伴わない冠状動脈バイパス移植手術、すなわち、“オフ・ポンプ冠状動脈
バイパス”(OPCAB)手術として知られるものが試みられている。例えば、
TrappおよびBisarya(Annals Thorac. Surg. 19(1):1-9,1975)は、冠状動
脈への損傷を防止しつつ、縫合糸で十分深く囲み込み、筋肉を組入れ心臓の区域
を吊り下げることにより、バイパス移植の区域を不動化した。より最近では、Fa
nningら(Annals Thorac. Surg. 55:486-489,1993)は安定化縫合糸を用い
、バイパス移植の区域を不動化することを報告している。
【0008】 これらの試みは或る程度の成功をもたらすが、正しく吻合させるためには外科
医の高度の技術が一般に要求される。なぜならば、手術が行われる心臓の表面の
一部を縫合糸を用いて吊り下げるとしても、鼓動しつづける心臓が望ましい範囲
を超えて関連区域内で移動し続けるからである。更に、縫合糸が心筋の破れ、冠
状動脈枝の損傷、又は動脈への結さつ糸の圧力による塞栓症又は局部動脈硬化症
などの合併症を生じさせる。
【0009】 鼓動する心臓の表面への吻合部位を安定させるための縫合糸の使用に関連する
、このような問題を解決するため、”局所心筋圧縮装置“として知られる装置が
開発されている。この場合、吻合が行われる冠状動脈の両側の心筋部位が二股フ
ォーク状器具で圧縮されて動脈および心臓自体に対し圧力が加えられ、処置部位
の安定化が行われるようになっている。この装置の使用は或る程度の成功が認め
られるが、心臓への局所的圧縮の適用は心臓機能の可成りの局所的悪化を生じさ
せ、特に、補足的血液循環のために心肺バイパスが用いられない場合、その傾向
が著しい。更に、この装置は、吻合を意図して局所的に解剖した冠状動脈からの
出血の問題を考慮していない。
【0010】 例えば、局所的心筋圧縮装置の使用によって生じる心臓の圧縮の好ましくない
作用の問題と取組むため、吸引補助装置が開発されている。この装置は、米国特
許No.5,836,311に記載のように、2つのパドルを有し、その夫々は心臓の表面と
接する位置に一連の吸引ポートを有している。これらのパドルは吻合部位である
動脈部位を横切って心臓の表面に適用され、吸引ポートを介して適用される吸引
は鼓動心臓の表面組織を吻合部位にて持上げ、保持し、心臓の鼓動を継続させつ
つ処置部位の動きを抑制するものである。この装置は、従来の開胸環境又は侵襲
性の小さい内視鏡手法のいずれでも使用することができる。しかし、このような
装置を用い、局部的に圧力を適用することは、吸引誘起出血を心臓表面に生じさ
せ、心臓に傷跡を残すことになる。
【0011】 可動性手術部位又はバイオプシー部位(すなわち、治療部位)の安定化の必要
性は、鼓動心臓の場合に限られるものではない。周知のように、内視鏡カテーテ
ル、例えばバイオプシーカテーテルあるいは血管形成カテーテルは、小さな組織
サンプルを切除したり、治療薬又は遺伝子治療で用いられる遺伝子的変性構造物
を注入する場合に使用される。正確な結果を得るために、組織サンプル又は注射
の深さは精密に制御されなければならない。胃、肺および横隔膜のような可動性
の体内部位で内視鏡カテーテルを使用する場合、注射器又は組織採取装置を目標
組織に向けて所望の一定の深さに確実に侵入させることは特に困難である。しか
し、このような治療又は診察手法において治療、診察部位を安定化させるのに役
立つ装置を内視鏡カテーテルの先端部にて使用し得るようにすることにより、上
述のような手法を容易にさせることが可能となるであろう。
【0012】 すなわち、外科手術部位、例えば鼓動心臓の表面などを安定化させ、あるいは
体内治療又は診察部位を内視鏡的に安定化させるのに有用な新規の優れた装置の
開発が求められている。
【0013】 (発明の開示) 患者の鼓動心臓に対するオフ・ポンプ冠状動脈バイパス手術(OPCAB)は
、通常、患者の急速な回復と、仕事への早期の復帰の点において優れているが、
多くの心臓血管外科医はこの手術を行うことにためらいを抱いている。その理由
は、冠状動脈に対する合併症の危険性を回避するのに極めて高度の技術および特
別の能力を必要とするからである。本発明の目的は、冠状動脈の吻合部位などの
外科手術部位を確実に保持し、バイパス手術の間において外科手術部位の動きを
比較的小さくすることができ、それにより、通常の心臓血管手術技能を有する外
科医でも合併症の危険性を極めて少なくしつつ、そのような外科手術を行うこと
を可能にする装置を提供することである。
【0014】 本発明の他の目的は、オフ・ポンプバイパス手術において冠状動脈の吻合部位
を不動状態で保持することができ、心臓への圧縮を原因とする手術の間の心臓機
能の悪化を招くことなく、かつ、装置使用の結果生じる心臓表面の傷跡形成を招
くことのない装置を提供することである。
【0015】 本発明の更に他の目的は、吻合のための冠状動脈の切開部位からの出血を抑制
することにより、バイパス手術において冠状動脈の吻合部位を不動並びに無出血
状態で保持することができる実用的装置を提供することである。
【0016】 すなわち、本発明の目的は、安定化縫合糸の使用を要することなく、鼓動心臓
の区域などの局所的外科部位を一時的に不動化し得る方法および装置を提供する
ことである。
【0017】 本発明の他の目的は、自家移植片を処置部位表面に吻合させるのに使用される
使い捨ての吸引体を提供するものであって、この吸引体は開放機構を具備してな
り、吻合が完了する間、上記吸引体を吻合部位の所定位置に保持することができ
、ついで該開放機構を駆動させて吻合部位から突出している移植片の周りから上
記吸引体を取除くことができる。
【0018】 本発明の更に他の目的は、体内の治療部位を安定化するため、内視鏡カテーテ
ルの先端に取着される吸引装置を提供するものであって、これにより動いている
人体部分への薬剤の注入あるいは動いている人体部分からの組織サンプルの採取
を容易にしようとするものである。
【0019】 本発明の上記およびその他の目的は、組織の局所区域を一時的に不動化するの
に使用される本発明の吸引体および方法により達成される。すなわち、本発明の
可撓性吸引体は、治療部位を露出させるための開口部を規定する環状ベースを含
む吸引路と、該ベースの外側周縁に沿って取着されフレアー状で拡張可能な外側
リムと、該ベースの内側周縁に沿って取着された内側リムと、上記吸引路内に部
分的真空を適用するための吸引ポートと、上記吸引体に設けられた少なくとも1
個の排液孔であって、上記吸引路に部分的真空が保たれている間、治療部位から
液体を除去するためのものとを具備してなる。この吸引装置は負圧源と接続され
ている。
【0020】 好ましい態様において、本発明の吸引路の漏斗状外側リムの先端は十分な可撓
性を有し、この外側リムを治療部位に接触させた状態で吸引体へ部分的真空を適
用することにより、該外側リムが平坦になり治療部位の表面を横切って外側に向
けて拡張する。これにより、吸引路のための柔らかなエッジが形成され、その下
の組織が傷付くのを回避することができる。上記外側リムの拡張が吸引域を拡大
し、部分的真空を増大した組織領域全体に適用することになるので、吸引により
生じる局所的出血(例えば、毛細血管の)を抑制ないし回避することができる。
【0021】 本発明は、更に、本発明の吸引体を利用した治療ないし治療部位の安定化のた
めの方法を提供する。すなわち、本発明の方法は、本発明の吸引体を治療部位の
表面に、その外側リムの先端が治療部位に向くようにして配置し、十分な部分的
真空を吸引ポートを介して吸引路に適用し、外側リムを扁平にし外側に向けて延
出させながら上記吸引体を治療部位に取着させ、それにより治療部位を安定化さ
せることからなる。1態様として、吸引体は、更に、吸引体の外部に取着された
着脱自在なハンドルを有し、該ハンドルが変形可能であり、かつ、吸引体との関
連で一定の方向にロック可能となっている。他の態様として、吸引体は、注射カ
テーテル又はバイオプシカテーテルのような内視鏡カテーテルの先端に取付け可
能な大きさとなっている。
【0022】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明の前述の側面および他の側面は、添付図面とともに本発明の詳細な説明
を参照して理解されるであろう。
【0023】 本発明は治療部位の表面を安定化させるための可撓性吸引体を提供するもので
あって、この吸引体は硬質プラスチック又はゴムではなく、エラストマーのよう
な柔軟で馴染みの良い材料から作られている。好ましくは、この吸引体はシリコ
ーン、ウレタン又はその混合物などからなるものである。この吸引体が可撓性を
有することから、治療部位に対し圧縮力を加えなくとも、吸引路内に部分的な真
空を形成、保持させることにより、平らでない凹凸状の治療部位の形状に対して
も容易に順応し、べったりくつき易い。
【0024】 本発明の吸引体は吸引路を具備し、この吸引路は、治療部位を露出させるため
の開口部を規定する環状ベースと、このベースの外側周縁に沿って取着されフレ
アー状で拡張可能な外側リムと、このベースの内側周縁に沿って取着された内側
リムと、上記吸引路内に部分的真空を確立するための吸引ポートとを有し、吸引
体は更に、吸引路に部分的真空が保持された状態で、治療部位からの流体を除去
するための少なくとも1個の排液孔を有する。この吸引路は総括的形状および柔
軟性を有し、従って、吸引体を治療部位に配置、固定させ、吸引ポートを介して
吸引路に部分的真空(例えば、約100mmHgないし約600mmHg)を向けさせたとき、
十分な部分的真空がその内部で、形成、確立されて、吸引体が治療部位に固着さ
れた状態でへばりつくことになる。
【0025】 一般に、吸引体は起伏状(contoured)というよりは、全体として平
坦状のものであり、例えば、ベースと、内側および外側リムの先端部が面内に横
たわっている。しかし、他の例として、吸引体の治療部位と接する部分が凹凸又
は起伏をなす治療部位(例えば、ヒトの心臓の外面など)と適合するように全体
として起伏をなすものであってもよい。この場合の、典型的起伏形状としては、
凸面、弓形、湾曲などを挙げることができる。
【0026】 好ましくは、本発明の吸引体は、更に吸引体を開口させたり、吸引体を治療部
位から除去するための開放機構を具備する。この吸引体は、心臓表面の吻合部位
に取着させるのに特に適し、そのベース内の開口部は、冠状動脈バイパス移植片
を吻合部位に取着させるのに十分な大きさのものである。例えば、吸引体のベー
スにより規定される開口部の形状は、円形、楕円形、四角形などであってもよい
。現時点においては、このベースの形状は、環状、例えば円形のもの、又は楕円
形のものが好ましい。円形の場合、その開口部は一般に、直径が約1mmないし約25
mmの範囲とすることが好ましく、この場合、吸引体はドーナッツ形のものとして
考える。楕円形の場合、短軸が約1mmないし約15mmの範囲、長軸が約2mmないし約
25mmの範囲で選択される。
【0027】 本発明の他の態様において、可撓性吸引体が総括的形状として、蹄鉄形をなし
ている。この態様において、可撓性吸引体は、蹄鉄形ベースを含み、治療部位を
露出させる開口部を規定する吸引路と、このベースの周縁に沿って形成された連
続的リムと、吸引路内に部分的真空を適用するための吸引ポートと、部分的真空
が吸引路に保たれた状態で、流体を治療部位から除去するための少なくとも1つ
の排液孔とを具備してなる。ここで、ベースの外側周縁に沿って設けられたリム
の部分は漏斗状をなし、拡張可能になっている。このベースが蹄鉄形の場合、開
口部の寸法は楕円形ベースにより形成されたものとほぼ同一であるが、図7から
図9に25で示すように、楕円形は長手軸の1端部で開口し、上記の吸引路の内
側および外側リムが蹄鉄形状の端部の周りに現われる。 この装置の治療部位への適用により傷又は傷跡が形成されるのを極力、回避す
るため、吸引路の外側リムは高い柔軟性を有し、治療部位表面に対し順応するよ
うにし、それにより、外側リムを治療部位と接触させた状態で部分的真空を吸引
体に適用することにより外側リムが平坦になり治療部位の表面を横切って外側に
向けて拡張されるようにする。本発明の吸引体のこの特長は外側リムの厚みが、
該ベースへの取着点よりも外側リムの先端に向けて実質的に薄くなるようにする
ことにより高められる。一般に、外側リムの厚みは、ベースへの取着点から該リ
ムの先端に向けて漸次減少するようにし、ベースから外側リムの先端への距離が
内側リムのものよりも大きいものとする。それにより、外側リムの先端を治療部
位に当てた状態で吸引体を治療部位に対し保持させ、部分的真空を吸引ポートを
介して吸引路に適用すると、吸引路に発生した吸引力により、吸引体が治療部位
に向けて引張られ、可撓性の外側リムの先端部が平らになり、治療部位の表面に
沿って拡張し、ついで外側リムよりも可撓性および順応性が劣る内側リムが治療
部位の表面と接触するようになる。この高い可撓性を有する外側リムの平坦化お
よび拡張性により、吸引路内の部分的真空により生じた治療部位に対する吸引体
の力が、外側リムが比較的硬く、可撓性が小さいものと比較して、吸引体のより
広い区域に亘って分布されることなる。その結果、治療部位での毛細血管又は組
織への損傷を小さくすることができる。
【0028】 吸引体を治療部位へ取着させた場合の外側リムの平坦化および外方拡張性によ
り、吸引領域の面積が、硬質プラスチック又は硬質ゴムなどの非順応性材料で作
られた吸引体の場合と比較して、著しく増大されることになる。本発明の吸引体
の吸引領域は、一般に約0.1cmないし約10cmの範囲、特に約3.5cmないし約
6.0cmの範囲とすることができる。
【0029】 従来の装置との比較における、この吸引領域の面積の増大は、部分的真空源に
よる所定組織領域への真空圧の適用を軽減させることができる。それにより、本
発明の吸引体による吸引領域での例えば毛細血管などにおける局所的吸引出血の
発生の危険性を少なくすることができる。本発明の吸引体による真空圧(すなわ
ち、組織の単位面積当たり)の範囲は、約100mmHgないし約600mmHg、好ましくは
約250mmHgないし約450mmHgの範囲であり、これは吸引領域の大きさ、部分真空源
の真空圧の程度により左右される。いずれにしても、最少真空圧は被験者の収縮
期圧を超えるものである。
【0030】 好ましい態様において、吸引体は環状のものであり、吸引体を開口させたり、
吸引体を治療部位から除去するための開放機構を更に具備してなる。例えば、こ
の開放機構は、吸引体を通って部分的に延びた溝を有し、この溝の両側で吸引体
に対し反対方向の力を吸引体に対し加えたとき、吸引体が溝にて治療部位等から
除去されるようになっている。この開放機構の構造が如何なるものであったとし
ても、吸引体および開放機構の総体的構造が以下のようなものであることは重要
である。すなわち、この開放機構が駆動されるまで、この開放機構が吸引路の形
状および一体性を損なうものであってはならない(すなわち、吸引路内の所望の
真空圧を維持する能力)。環状ベースを有する吸引体に開放機構を含めることに
より、吻合が完了する間において吸引体を吻合部位に正しく保持させることでき
るという利点が得られる。ついで、この開放機構が駆動され、吸引体がその環状
開口部を通って突出する移植片の周りから取除かれる。
【0031】 好ましい他の態様において、本発明の吸引体は、更に頭頂部を有し、この頭頂
部がベースの吸引路とは反対側の外側周縁に沿って配置されている。この頭頂部
は上記外側リムと比較して柔軟性および順応性が比較的小さく、上記の少なくと
も1つの排液孔、好ましくは複数の排液孔を配置させる支持体を提供するのに有
用である。例えば、この頭頂部における複数の排液孔は互いに離間する複数のス
ロットであってもよい。これら排液孔は吸引体が取着された状態でも、吸引体の
開口部にガス流(例えば、圧縮空気)を注入することにより治療部位の表面から
の流体(例えば、血液)の除去を可能にする。この開口部内にて外科手術が行わ
れている間において治療部位から流体を除去し得る機能により、治療部位におけ
る外科医の洞察力を高めることができる。好ましくは、吸引体は透明又は半透明
とし、吸引体が取着された状態でも、治療部位の視認性を高められるようにする
【0032】 この頭頂部は吸引体の外に着脱自在なハンドルを取着させるための1又はそれ
以上の取着部位を提供するのに有用である。好ましい態様において、このハンド
ルは取付け用付属物を有する器具であり、これはとして知られている(“mini
CABG(登録商標)”使い捨て安定化部材の名でUS Surgical社から入手可能
)。この取付け部位は可撓性安定化部材の取付け用付属物を受理し得るようにな
っている。例えば、取付け用付属物が二股フォークの形状のものであるとすると
、この取付け部位は頭頂部に設けられた複数の孔(例えば、ドリル孔)であり、
可撓性安定化部材の二股フォーク状付属物の歯を受理すべく離間して設けられて
いる。この着脱自在なハンドルは治療部位に吸引体を位置させ、部分的真空を吸
引路に導入し吸引路内に真空を形成させる間、吸引体を保持するのに有用である
。或る態様において、このハンドルは従順性(すなわち、折り曲げ可能)のもの
であって、吸引体を治療部位の任意の位置に配置させるのに役立つ。例えば、鼓
動心臓の表面に配置させることができ、また、吸引体を所望の位置に配置させた
のち、固定位置にロックさせることもできる。更に、固定位置にロックさせたの
ち、吸引を維持させつつ、ハンドルを一時的に外部部材(例えば、静止部材)、
例えば手術テーブルあるいは胸骨又は肋骨開創器に取着させておくことができ、
これにより手術部位および吸引体の安定化をいっそう図ることができる。
【0033】 1つの態様として、吸引ポートが外側リム内にて傾斜して設けられ、吸引体を
それに取着させたとき、吸引チューブが手術領域から離れた方向に向けられ、外
科医の操作上の便宜を図るようにしている。例えば、一例として、吸引体が円形
の場合、図5に示すように、外側リム内の吸引ポートが二方向に傾斜している。
つまり、吸引体の中央を通過する半径のいずれかの側に対し傾斜し、かつ、外側
リムのベースへの取着点から見て下方向に傾斜している。このように、部分的真
空を吸引ポートに導入するためのチューブは吸引ポート内に挿入されたとき、吸
引体から延びた吸引チューブの部分が、外科医の手および機器が操作されている
空間区域から離れる方向に向けられる。 本発明の好ましい実施態様が図1から図6に示されている。この実施態様にお
いて、吸引体22は全体的に円形をなし、吸引路2は治療部位を露出させる円形
開口部6を規定する円形ベース4から構成されており、この円形ベース4の外側
周縁14に沿ってフレアー状で拡張可能な外側リム10が取着され、内側リム1
2が円形ベース4の内側周縁16に沿って取着され、吸引ポート18が外側リム
10内に配置されている。吸引ポート18は吸引チューブ46を受理し得るよう
になっている。この吸引チューブ46は部分的真空源44(すなわち、負圧)と
連通しており、これを介して空気が吸引路2から引き抜かれ、部分的真空を確立
するようになっている。
【0034】 頭頂部28、すなわち、外側リム10とは反対側でベース4の外側周縁を囲む
上縁部は複数の排液孔20および取着部位23,24のための場所を提供してい
る。便宜上、取着部位23,24は吸引ポート18を中心として対称的に配置さ
れている。吸引ポート18は小さなドリル孔(直径、約1.5mm)であって、病院
の手術室で見られるように、吸引チューブの端部を受理し得るようになっている
。例えば、手術室で入手できる標準的な吸引チューブは外径が10mm、内径が6.5
から7.0mmのものである。当業者に公知のようにアダプターを用いて標準的チュ
ーブのサイズを減少させ、一般的に実質的に小径の吸引体の吸引ポートと流体連
通を図るようにしてもよい。所望により、使い捨てタイプの吸引貯蔵部、例えば
Medi-vac(登録商標)システム(Baxter Healthcare,Deerfield,IL)を吸引源
と本発明の吸引体との間に介在させ吸引体により収集された流体を捕捉するよう
にしてもよい。
【0035】 図5に示すように、吸引ポートが、吸引体の中央を通過する半径のいずれかの
側に傾斜し、かつ、外側リムのベースへの取着点から見て下方向に傾斜している
。この結果、吸引チューブ46を吸引ポートに取着させ部分的真空を吸引路2に
導入するとき、吸引チューブが吸引体から下方向、かつ、側方に延びることにな
る。 この例においては、吸引路2は完全にドーナツ形空間ではなく、内側リム12
と同じ高さを有し、ベース4に沿って漏斗状の外側リム10と内側リム12との
間に延出する補強部材30により遮られている。漏斗状の外側リムの垂直高さ(
ベースの面からその先端までの高さ)は内側リムの高さよりも大きい。外側リム
はその厚みが徐々に薄くなっていて、ベースへの取着点で最も厚く、先端部が最
も薄くなっている。更に、図10に示すように、吸引体を治療部位に対し保持さ
せ、外側リム7の先端を治療部位に当て、部分的真空を吸引ポートを介して吸引
路に導入すると、吸引路で発達した部分的真空により、吸引体が治療部位に向け
て引張られ、そのとき、可撓性の外側リムの先端部が平らになり、内側リムが治
療部位の表面と接触するようになるまで治療部位の表面に沿って外側に拡張する
。従って、吸引により治療部位の表面に取着されたとき、外側リムの先端は、治
療部位に取着される前の外側リムにより描かれる円形よりも実質的に大きい周縁
の円を描くものとなる。
【0036】 図3、5および6に示すように、吸引体は、幅が約0.25mmないし約0.75mmの溝
からなる開放機構を含む。この溝は薄板8(例えば、最も薄い部分で約0.1mm)を
除いて吸引体22および補強部材30を貫通して設けられている。この開放機構
は、引路の一体性および形状を保持するため完全な状態を保つ外側リムの外側に
設けられている。開放タブ32が溝34の両側の頭頂部に配置され、ピンセット
(開放タブに対し反対方向の力を適用し得る機能的に均等な器具)により容易に
掴むことができるようになっていて、吸引体を溝34で分離させ得るようになっ
ている(すなわち、外側リムの外側表面の薄板を破断することにより)。図3、
5および6に示すような構造および開放機構を有するエラストマーからなる本発
明の吸引体は、治療部位に適用したとき吸引路の一体性が保持され、600mmHg以
下の部分的真空が吸引ポートに適用されるようになっている。
【0037】 図2、4および6は、吸引体22の頭頂部28における取着部位23,24の位
置を示しており、これは着脱自在なハンドル36の取付け用付属物38を受理す
るためのものである。これら取付け用付属物38は、この場合、それぞれ2つの
取付け歯を有する可撓性安定化部材として示されている。この着脱自在なハンド
ルは、取付け用付属物38を取着部位23,24に挿入することにより吸引体の
外側表面に取着される。ここで示すように、取着部位23,24は頭頂部に位置
する対をなす孔の2つのセットであって、各対の孔が対向して設けられ、従って、
各対が協同して2つの歯(すなわち、取付け用付属物)の1つをそれぞれ受理す
るようにしている。
【0038】 他の実施態様において、本発明の吸引体は内視鏡カテーテルの先端部に取着し
得るようなサイズのものとなっている。すなわち、当業者に周知のように、治療
薬(例えば、薬剤又は遺伝子治療用組成物)を体内部位に導入したり、固体腫瘍
などの診断用組織、液体を体内表面から採取するために用いられる。本発明の吸
引装置と関連で使用されるカテーテルの例については、米国特許第4,766,907号
、第5,626,609号、第5,151,086号、第5,420,698号、第5,441,507号に開示されて
いる。多くのこのようなカテーテルは針又はトロカールをカテーテルの先端部に
て摺動自在に収容し、カテーテルを一旦、体内の所望の位置まで挿入させたのち
、オペレータにより針又はトロカールが体内の表面を貫通して治療部位まで挿入
され、物質(例えば、治療薬)を注入したり、そこから物質(例えば、組織学的
分析のための固体腫瘍サンプル)を回収したりする。すなわち、内視鏡用吸引体
の場合、吸引路のベースの開口部は針又はトロカールが内視鏡カテーテルの内部
から、そこを通過して治療部位内に導入し得る大きさとなっている。
【0039】 このような治療用又は診断用内視鏡手法において、針又はトロカールが治療部
位の表面を正確な深さまで貫通することが重要である。治療部位が可動性の部位
、例えば、心臓、胃、食道、肺である場合、針又はトロカールの治療部位までの深さ
に正確に制御することは困難である。この問題は本発明の適当な大きさの吸引体
を内視鏡カテーテルの先端(例えば、吸引チューブをカテーテル内のルーメンの
長さに合わせて)に取着させたのち、そのカテーテルを体内の所定部位まで挿入
することにより解決することができる。カテーテルが一旦、体内部位まで挿入さ
れると、吸引体が所望の治療部位と接するよう移動され、上述のように吸引体の
吸引路に対し真空が適用される。それにより、吸引体が治療部位にへばりつき、
その先端部が治療部位に十分な安定性を以って保持され、その結果、内視鏡カテ
ーテル内の針又はトロカールが確実に操作され、薬剤を所望の深さに注入させた
り、治療部位内の所定深さからサンプルを採取することができる。このように、
本発明を内視鏡用吸引体として適用した場合、“安定化”の意味は、吸引体が治
療部位の動きを十分に制御し治療部位の動きを実際に小さくすることを意味する
よりは、内視鏡カテーテルが治療部位に対し、例え、治療部位が動いていても、
しっかりと保持されることを意味するものである。
【0040】 吸引体にて発達する負圧は、任意の吸引圧において、吸引体の吸引表面の大き
さに対し逆比例するから、本発明の内視鏡用吸引体の小さなサイズは、例えば、
心臓の表面の吻合部位に対し取着するのに適したサイズの吸引体の場合のように
、より大きいサイズの吸引体で用いるのに適した吸引圧と比較して、可成り高い
吸引圧を吸引体内に発達させる。すなわち、本発明の内視鏡用吸引体において、
漏斗状の拡張性の外側リムは、治療部位に対する不要な損傷を防止するのに特に
有用である。
【0041】 本発明は更に、本発明の吸引体を利用して治療部位の安定化を図る方法を提供
するものである。
【0042】 すなわち、本発明の方法は、吸引体を治療部位の表面に保持するものであって
、吸引体が吸引路を有し、 ここで、吸引路が、 治療部位を露出させるための開口部を規定する環状又は蹄鉄形ベースと、 該ベースの外側周縁に沿って取着されフレアー状で拡張可能な外側リムと、 該ベースの内側周縁に沿って取着された内側リムと、 上記吸引路内に部分的真空を確立するための吸引ポートと、 吸引体が吸引路に部分的真空が保持された状態で、治療部位からの流体を除去
し得るようにした少なくとも1つの排液孔と、 を具備してなり、 該吸引体を、その外側リムの先端が治療部位に向くようにして保持し、 十分な部分的真空を吸引ポートを介して吸引路に適用し、外側リムを扁平にし
外側に向けて延出させながら上記吸引体を治療部位に取着させ、それにより治療
部位を安定化させる方法である。この吸引体、特に外側リムが、可撓性の構造の
ものであるため、吸引路への部分的真空を適用することにより、吸引路内に部分
的真空が確立され、それにより、吸引体の外側リムが平坦になり、外側に向けて
拡張することになる。
【0043】 好ましい実施態様において、吸引路の外部に取付けられた変形性着脱自在なハ
ンドルを外科医が握ることにより吸引体を保持することができる。これは可撓性
安定化部材として周知の器具(“mini CABG(登録商標)”安定化部材の名
でUS Surgical社から入手可能)と同様である。好ましくは、この方法は更に、
部分的真空を吸引路に適用し、吸引体を治療部位にへばりつけさせた状態で、ハ
ンドルを吸引体との関連で一定方向にロックする工程を具備する。所望により、
ハンドルは外部部材、例えば手術テーブルあるいは肋骨開創器に取着させておく
ことができ、これにより手術の間、吸引体の安定化をいっそう図ることができる
。この本発明の好ましい例において、吸引体に取着させたハンドルは治療部位を
引き上げるのには使用されない。なぜならば、治療部位を下層の組織から引き離
すことにより、敏感な治療部位にストレスを与え、組織を恒久的に損傷させるこ
とが見出されたからである。本発明の特別な利点は、敏感な治療部位、例えば鼓
動心臓の表面を本発明の吸引体を用いて安定化させることができることであり、
この方法は心臓の表面を、下層の心臓筋肉組織内の深部の筋肉萎縮部から引き離
すことはない。
【0044】 本発明の方法を、図10に示す代表的なOPCAB手術との関連で説明する。第1に、
本発明の吸引体22を冠状動脈40の吻合部位8に配置、保持させる。この場合、
吸引路2により囲まれた円形開口部6を通して吻合部位が見えるようにして、吸
引体22の外部に取着された可撓性安定化部材としての着脱自在なハンドル36
が用いられる。吸引体を配置する場合、吸引路の双方のリムが冠状動脈40の基
端および先端の双方を横切るようにすることに注意すべきである。吸引体を心臓
の表面に対して保持させた状態で、吸引源44に接続させた吸引チューブ46を
、十分な部分的真空が吸引路に確立されるまで吸引体の吸引ポートに接続させ、
吸引体を鼓動心臓の表面にへばりつくようにさせる。それにより、鼓動心臓を圧
迫させる必要なく、開口部8内で動脈での血流を停止させる。同時に、鼓動心臓
の動きにも拘らず、処置部位が安定的に保持させる。この場合、吸引体に取着さ
れたハンドルを引き上げ治療部位を持上げることを要しない。実際に、吸引体によ
り処置部位に適用された吸引力のため、吻合部位が開口部8内で多少、上昇する(
すなわち、部分的に押出される)。
【0045】 次に、孔42が開口部8内に露出した冠状動脈40の部分に外科用メスを用いて
形成され、図10に示すように内部胸動脈48(ぎょう骨動脈、下部胃大網動脈
又は伏在静脈)が孔42に導かれ、縫合糸50を用いて冠状動脈に吻合される。
ところで、内部胸動脈48は先端部(図示しない)で閉塞され、吻合の形成の間
、動脈48での血流が阻止される。吻合が確実に形成されたとき、吸引路内の圧
力が例えば吸引チューブ46の吸引ポート18からの切り離しにより大気圧に戻
される。ついで、吸引体が心臓の表面および冠状動脈40から離され、冠状動脈
40での血流が継続される。内部胸動脈48内の血流も継続され、冠状動脈40
の先端側を通って流れる。血流が一旦、再度、確立されると、図2、図3および図
5に示すように溝34の両側の頭頂部28上の開放タブ32を握ることにより(
例えば、ピンセットで)吸引体内の開放機構が駆動され、この開放タブに反対方
向の力を加えることにより吸引体が溝34で分離される。この手術は胸部を縫合
する最終工程により終了する。
【0046】 本発明の吸引体および方法を利用したOPCAB手術は、開胸から始まって胸部の
縫合まで平均約90ないし180分で完了する。従って、患者の疲労および外科
医並びに看護婦などの助手の負担を著しく軽減させることができる。
【0047】 手術を更に容易にするため、本発明の方法は、治療部位で吸引体の環状開口部
内に蓄積した血液などの流体を除去する工程を含む。この場合、吸引体を取除く
ことなく、例えばガス流を治療部位に向けて流し、吸引体に設けられた少なくと
も1つの排液孔を介し流体を治療部位から吹き飛ばすことにより、流体を除去す
ることができる。
【0048】 本発明の方法においては、吸引体を用い約0.1cmないし約10cmの範囲、好
ましくは約3.5cmないし約6.0cmの範囲の表面積に亘って部分的真空を適用す
る。それにより、治療部位の表面に局所的吸引出血が形成されるのを抑制するこ
とができる。
【0049】 本発明の方法の1例において、本発明に係る適当なサイズの吸引体が、体内部
位に治療薬を注入したり、体内部位から診断情報を採取するために用いられる内
視鏡カテーテルの先端部に取着される。例えば、レーザー又は他の治療又は診断
用光線を吸引体のベースの開口部を介して治療部位表面に当てながら、吸引体を
治療部位に光学繊維カテーテルの先端を保持させるのに使用することができる。
その他、本発明の吸引体を、針又はトロカールを先端に摺動自在に収容したカテ
ーテルの先端部に取着させ、治療部位の表面の下方に物質を注入したり、そこか
ら物質を回収するのに用いることができる。カテーテルを操作して一旦、体内の
所望の位置まで挿入させたのち、吸引を適用して、吸引体を治療部位の表面にへ
ばりつけさせ、ついで、オペレータにより針又はトロカールを体内の表面を貫通
させて治療部位まで挿入し、吸引体の開口部を介して、物質(例えば、治療薬)
を注入したり、そこから物質(例えば、組織学的分析のための固体腫瘍サンプル
)を回収したりする。吸引体の作用を介してカテーテルを治療部位に強固に取着
させることができるから、治療部位が動きのある体内表面に位置していたとして
も、針又はトロカールを治療部位の所定深さまで侵入させることができる。
【0050】 本発明の方法の本例は、カテーテルの針又はトロカールを所定の深さまで侵入
させることができ、それにより、回収された診断サンプルから得られる情報の信
頼性を向上させたり、薬剤、例えば血管形成薬(すなわち、心臓内で新規な血管
の発達を向上させる薬剤)を最も適当な深さまで注入させることができ、治療上
の効果の達成を確実にすることができるという利点が得られる。 当業者に明らかなように、本発明をその趣旨および範囲から逸脱することなく
、種々変更し得ることができる。従って、本発明は明細書に開示されたものの他、
請求の範囲で示された範疇の全ての態様を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ドーナッツ形吸引体を着脱自在なハンドルの歯に装着させた状態を示す斜視図
【図2】 本発明の吸引体の上面図。
【図3】 本発明の吸引体の底面図。
【図4】 図2の4−4線から見た本発明の吸引体の側面図。
【図5】 図3の5−5線に沿う本発明の吸引体の断面図。
【図6】 図2の6−6線から見た本発明の吸引体の側面図。
【図7】 本発明の蹄鉄形吸引体の上面図。
【図8】 本発明の蹄鉄形吸引体の底面図。
【図9】 図7の9−9線から見た本発明の蹄鉄形吸引体の側面図。
【図10】 着脱自在なハンドルをヒトの心臓の表面の吻合部位に取着させた状態の本発明
の形吸引体を示す斜視図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カーペンター,ケネス,ダブリュ. アメリカ合衆国 92014 カリフォルニア 州,デル マー,デマヨ ロード 2144 Fターム(参考) 4C060 CC32 CC33 GG21 GG23 MM24 MM25 MM26

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 治療部位の表面を安定化させるための可撓性吸引体であって
    、該吸引体が吸引路を具備してなり、該吸引路が、 治療部位を露出させるための開口部を規定する環状又は蹄鉄形ベースと、 該ベースの外側周縁に沿って取着されフレアー状で拡張可能な外側リムと、 該ベースの内側周縁に沿って取着された内側リムと、 上記吸引路内に部分的真空を確立するための吸引ポートと、 を具備してなる吸引体。
  2. 【請求項2】 上記吸引体が環状をなし、吸引体を開口させたり、吸引体を
    治療部位から除去するための開放機構を更に具備してなる請求項1記載の吸引体
  3. 【請求項3】 該開放機構が吸引体を通って部分的に延びた溝を有し、該溝
    の両側で吸引体に対し反対方向の力を吸引体に対し加えたとき、吸引体が該溝で
    治療部位から除去されるようになっている請求項2記載の吸引体。
  4. 【請求項4】 該溝が該吸引路の一体性を阻害しない請求項3記載の吸引体
  5. 【請求項5】 該治療部位が心臓の表面の吻合部位であり、該ベースの開口
    部の大きさは、それを通して冠状動脈バイパス移植片を吻合部位に取着させるの
    に十分なものである請求項1記載の吸引体。
  6. 【請求項6】 該環状ベースが円形で円形開口部を規定している請求項1記
    載の吸引体。
  7. 【請求項7】 円形開口部の直径が約1mmないし約25mmの範囲である請求項
    6記載の吸引体。
  8. 【請求項8】 円形開口部の直径が約15mmないし約20mmの範囲である請求項
    6記載の吸引体。
  9. 【請求項9】 該環状ベースが楕円形で該ベース中に楕円形開口部を規定し
    ている請求項5記載の吸引体。
  10. 【請求項10】 該楕円形開口部の短軸が約1mmないし約20mmの範囲であり
    、該楕円形開口部の長軸が約2mmないし約25mmの範囲である請求項9記載の吸引
    体。
  11. 【請求項11】 該外側リムの厚みが、該ベースへの取着点から該リムの先
    端に向けて漸次変化し、該ベースから外側リムの先端への垂直距離が該内側リム
    のものよりも大きい請求項1記載の吸引体。
  12. 【請求項12】 該ベースと吸引路が蹄鉄形である請求項1記載の吸引体。
  13. 【請求項13】 該外側リムの先端部が十分に可撓性のものであり、該外側
    リムを治療部位と接触させた状態で部分的真空を吸引体に適用することにより該
    外側リムが平坦になり治療部位の表面を横切って外側に向けて拡張するものであ
    る請求項1記載の吸引体。
  14. 【請求項14】 該吸引装置の吸引領域が約0.1cmないし約10cmの範囲
    の面積を有する請求項1記載の吸引体。
  15. 【請求項15】 該吸引体がエラストマーから形成されたものである請求項
    1記載の吸引体。
  16. 【請求項16】 該エラストマーが、シリコーン又はウレタンである請求項
    15記載の吸引体。
  17. 【請求項17】 着脱自在なハンドルを該吸引体の外側表面に取着させるた
    めの少なくとも1つの取着部位を更に有する請求項1記載の吸引体。
  18. 【請求項18】 更に頭頂部を有し、該頭頂部が該ベースの1側の周縁に沿
    って配置され、該吸引路が該ベースの他側の周縁に沿って配置されている請求項
    1記載の吸引体。
  19. 【請求項19】 複数の取着部位が該頭頂部に配置されている請求項18記
    載の吸引体。
  20. 【請求項20】 該ハンドルが可撓性を有する安定化部材であり、取着部位
    が該頭頂部に設けられた孔部であり、可撓性安定化部材の歯部を受理するように
    なっている請求項19記載の吸引体。
  21. 【請求項21】 該吸引体が、吸引路に部分的真空が保持された状態で、治
    療部位からの流体を除去するための少なくとも1個の排液孔を更に具備する請求
    項1記載の吸引体。
  22. 【請求項22】 該吸引体が頭頂部に設けられた複数の排液孔を更に具備し
    、吸引路に部分的真空が保持された状態で、治療部位からの流体を除去し得るよ
    うになっている請求項18記載の吸引体。
  23. 【請求項23】 該吸引路が該ベースの周縁の周りに部分的にのみ延びてい
    る請求項1記載の吸引体。
  24. 【請求項24】 該吸引ポートが該外側リム内に配置されている請求項1記
    載の吸引体。
  25. 【請求項25】 該吸引ポートが該外側リムの取着点から該ベースに向けて
    、下方かつ側方に傾斜している請求項24記載の吸引体。
  26. 【請求項26】 該吸引体が透明ないし半透明である請求項1記載の吸引体
  27. 【請求項27】 該吸引体が起伏を有する(contoured)請求項1
    記載の吸引体。
  28. 【請求項28】 該吸引体が内視鏡カテーテルの先端に装着し得るようにな
    っている請求項1記載の吸引体。
  29. 【請求項29】 該内視鏡カテーテルが物質を治療部位に注入したり、治療
    部位から組織又は流体を除去するためのものであり、該吸引体のベースの開口部
    の大きさが、針又はトロカールを該内視鏡カテーテルの内部から治療部位に向け
    て通過させ得る寸法のものである請求項28記載の吸引体。
  30. 【請求項30】 治療部位を安定化させるための方法であって、 吸引体を治療部位の表面に保持し、 ここで、吸引路が、 治療部位を露出させるための開口部を規定する環状又は蹄鉄形ベースと、 該ベースの外側周縁に沿って取着されフレアー状で拡張可能な外側リムと、 該ベースの内側周縁に沿って取着された内側リムと、 上記吸引路内に部分的真空を確立するための吸引ポートと、 を具備してなり、 該吸引体の外側リムの先端が治療部位に押し当てられ、 十分な部分的真空を吸引ポートを介して吸引路に適用することにより上記吸引
    体を治療部位に取着させ、それにより治療部位を安定化させる方法。
  31. 【請求項31】 該吸引体の外側リムが平坦になり、外側に向けて拡張し、
    部分的真空が該吸引路内に確立されている請求項30記載の方法。
  32. 【請求項32】 該吸引体の保持が、該吸引路の外部に取着された変形可能
    、かつ、着脱自在なハンドルによりなされる請求項30記載の方法。
  33. 【請求項33】 該ハンドルを該吸引体との関連で一定方向にロックする工
    程を更に具備する請求項30記載の方法。
  34. 【請求項34】 該ハンドルを外部部材に一時的に固定する工程を更に具備
    する請求項33記載の方法。
  35. 【請求項35】 該安定化が治療部位の表面に張力を適用することを含む請
    求項30記載の方法。
  36. 【請求項36】 部分的真空の適用により該ベースの開口部を介して治療部
    位を部分的に押出す請求項30記載の方法。
  37. 【請求項37】 該治療部位が鼓動心臓の表面の冠状動脈の吻合部位であり
    、該安定化が鼓動心臓の治療部位の動きを実質的に減少させることを含む請求項
    30記載の方法。
  38. 【請求項38】 吸引路に部分的真空が保持された状態で、該吸引体が治療
    部位からの流体を除去し得るようにした少なくとも1つの排液孔を更に具備し、
    この少なくとも1つの排液孔を介して該治療部位からの流体を除去する工程を更
    に具備する請求項30記載の方法。
  39. 【請求項39】 流体の除去が、ガス流を治療部位に適用することにより該
    流体を該排液孔を介して吹き払うことを含む請求項38記載の方法。
  40. 【請求項40】 該開口部の大きさが、治療部位の外科的手法を、吸引体を
    治療部位に取着させた状態で該開口部を介して行える寸法である請求項30記載
    の方法。
  41. 【請求項41】 該吸引体が更に開放機構を具備し、該開放機構を駆動させ
    て該吸引体を治療部位から除去させる工程を更に含む請求項30記載の方法。
  42. 【請求項42】 該吸引体が約0.1cmないし約10cmの範囲の表面積に亘
    って部分的真空を適用するものである請求項30記載の方法。
  43. 【請求項43】 治療部位表面での局所的吸引出血の形成が最小化される請
    求項30記載の方法。
  44. 【請求項44】 吸引体がカテーテルの先端部に取着され、 治療部位へ物質を注入する工程、又は吸引体の開口部を介して治療部位から物
    質を回収する工程をさらに具備する請求項30記載の方法。
  45. 【請求項45】 該カテーテルがその先端部にて摺動自在に収容した針又は
    トロカールを具備し、吸引体のベースの開口部が、針又はトロカールを該カテー
    テルの内部から治療部位に向けて所定深さまで侵入させ、かつ、そこから該カテ
    ーテル内に引き戻すことを可能にしている請求項44記載の方法。
  46. 【請求項46】 治療部位が、被験者の心臓、胃、食道、又は肺の表面に位
    置している請求項42記載の方法。
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