JP2003529315A - 病気の診断および治療のための成分および方法 - Google Patents

病気の診断および治療のための成分および方法

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ティモスィー ジェイ. アイトマン、
ジェイムズ スコット、
ローレンス ダブリュー. スタントン、
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メディカル リサーチ カウンスィル
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ティモスィー ジェイ. アイトマン、
ジェイムズ スコット、
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ここに特定されている配列を含む単離された核酸分子、突然変異体CD36遺伝子、およびこれらのコードされた遺伝子産物、CD36遺伝子突然変異を検出することによる血液または血液産物のスクリーニング方法、CD36遺伝子突然変異の存在または不存在に基づいて血液または血液産物を投与する方法、CD36遺伝子における突然変異の検出に基づいて生物サンプルドナーと受容体とをマッチさせる方法、CD36遺伝子突然変異を検出することによる、寄生体による感染への患者の抵抗性を測定する方法、CD36遺伝子における突然変異の検出による、インシュリン作用、グルコース代謝、脂肪酸代謝、および/またはカテコールアミン作用における欠陥と関連した病気の診断方法、および突然変異を改変することによる病気の治療方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 (発明の分野) この発明は一般に、病気の基礎になるメカニズムの発見に関する。 【0002】 (発明の背景) 冠状心臓病、高血圧、インシュリン非依存性糖尿病、インシュリン抵抗性また
はインシュリン感受性欠如、および肥満は、産業社会における不健康の主な原因
である。炭水化物および脂質代謝の障害は、これらの病気の共通の特徴である(
Evansら、1984、J.Clin.Invest.,74:1515−1
525;Ferranniniら、1987、N.Engl.J.Med.,3
17:350−357;Reaven、1988a、Diabetes,37:
1595−1607;Huntら、1989、Arteriosclerosi ,9:335−344;Kaplan、1989、Arch.Intern. Med. ,149:1514−1520;McGarry、1992、Scie nce ,258:766−770;Cohenら、1996、Science
274:1185−1188;Polonskyら、1995、N.Engl. J.Med. ,334:777−783;Reavenら、1996、N.En gl.J.Med. ,334:374−381)。特に、インシュリンおよびカ
テコールアミン作用の欠陥に関連した炭水化物および脂肪酸代謝における障害は
、インシュリン非依存性糖尿病、代謝症候群X、肥満、家族性脂質異常高血圧、
および家族性複合高脂血症に特徴的なものである(Reaven、1988a、
上記;Reavenら、1988b、Diabetes,37:1020−10
24;MartinおよびJensen、1991、J.Clin.Inves t. ,88:609−613;Huntら、1989、上記;Castro C
abezasら、1993、J.Clin.Invest.,92:160−1
68;Aitmanら、1997、Arterioscler.Thromb. Vasc.Biol. ,17:748−754;Reynisdottirら、
1994、Diabetologia,37:428−435;Reynisd
ottirら、1995、J.Clin.Invest.,95:2163−2
169)。これらの状態は、患者のライフスタイル(例えば食餌および運動)の
修正によっておよび/または薬物療法によって治療可能である。このような状態
の発現の存在またはリスクが早期に発見されれば、患者のそこそこ満足できる生
活に対して全体的なまたはかなりの範囲の妥協が必要になる前に、治療的または
予防的療法を開始することができる。 【0003】 心臓病、高血圧、インシュリン非依存性糖尿病、代謝症候群X、複合高脂血症
、および/または肥満のうちの1つまたはそれ以上のものへの傾向を有する個体
を診断する方法に対するニーズが当業者に存在する。 【0004】 いくつかの寄生体は、宿主細胞の感染ためのリガンドとしてCD36タンパク
質を利用していることが、この技術において示唆されている(Oquendoら
、1989、Cell 58:95)。これの一例は、熱帯マラリア原虫(Pl
asmodium falciparum)、すなわちマラリアの病原因子であ
る。従ってCD36タンパク質の変異型を発現するかまたはCD36の発現に失
敗した宿主は、このような寄生体による感染に対してより大きい抵抗性を有し得
る。CD36タンパク質を欠く個体のかなりな部分が、アジアおよびアフリカ起
源の集団において同定されている。これらの生成発達の歴史は、頻繁なマラリア
感染からの選択圧力によってこの表現型がありふれたものになったことを示唆し
ている。Curtis,B.R.およびAster,R.H.,1996、Tr ansfusion 36:331−334。 【0005】 この技術の測定方法に対しては、熱帯マラリア原虫による感染への抵抗性また
は感受性へのニーズが存在する。 【0006】 見掛けは正常な個体にGPIVが欠けており、従って輸血を受けた時にタンパ
ク質に対する抗体を生産するリスクがある者がいることが示唆されている。Cu
rtisら、1996、上記;Greenwaltら.,1992、Blood 80:1105;Yamamotoら、1990、Blood 76:1698
。 【0007】 組織のスクリーニングおよび供与を目的として、CD36欠失を生じるCD3
6遺伝子突然変異を検出することへのニーズがこの技術に存在する。 【0008】 (発明の要約) 本発明は、インシュリン作用および/またはグルコース代謝および/または脂
肪酸代謝および/またはカテコールアミン作用における欠陥を調節する物質を同
定する方法を提供する。この方法は、インシュリン作用および/またはグルコー
ス代謝および/または脂肪酸代謝および/またはカテコールアミン作用を調節す
る遺伝子の活性が、候補モジュレータの存在下に改変されるかどうかをアッセイ
系において決定するステップを含んでいる。ここにおいて、候補モジュレータの
存在下における遺伝子の活性の改変は、欠陥インシュリン作用および/またはグ
ルコース代謝および/または脂肪酸代謝および/またはカテコールアミン作用を
調節することにおける候補モジュレータの効率の指標となるものである。 【0009】 ここで用いられている「物質」という用語は、次のものを含む群から選ばれる
生化学物質のことを言い、これには、タンパク質、ペプチド、またはアミノ酸;
核酸例えばDNA、例えばゲノム・cDNA・または人工コーディング配列から
誘導されたこれらの全長遺伝子または断片、遺伝子調節要素、mRNA、rRN
A、リボゾームRNA、リボザイム、およびアンチセンスRNAを含むRNA、
オリゴヌクレオチドおよびオリゴリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド
およびリボヌクレオチド;炭水化物;脂質;プロテオグリカンを含むがこれらに
限定されるわけではない。これらの物質は、単離された(精製された)化合物ま
たは粗混合物として、例えば組織、細胞、または細胞溶解産物中に存在している
ことがある。さらにはこのような物質は、自然発生であってもよく、あるいは合
成であってもよい。「物質」という用語はさらに、小さい分子、例えば有機およ
び無機化合物のことをも言う。 【0010】 ここで用いられている「遺伝子」という用語は、エキソンを1つまたはそれ以
上を含んでいる核酸配列のことを言う。このエキソンは、タンパク質またはRN
A分子、イントロン、5’−非翻訳領域、3’−非翻訳領域、および調節配列を
コードすることができる。この調節配列は、転写配列あるいは非転写配列のどち
らかにおいて、このエキソンの5’または3’に位置していてもよい。 【0011】 遺伝子またはタンパク質の発現または活性に関してここで用いられている「調
節する」という用語は、その基礎的発現レベルに対して少なくとも10%だけ、
その遺伝子またはタンパク質の発現(発現が、RNAを通して検出されるか、あ
るいはタンパク質、または遺伝子産物の活性を通して検出されるかによって)を
刺激、強化、あるいはまた増加させるため、あるいは阻害、抑制、降下、あるい
はまた減少させるための、物質(例えば薬剤またはその他の薬理組成物)または
条件(例えば環境変化または遺伝子の突然変異)の作用のことを言う。遺伝子ま
たはタンパク質の発現または活性を調節する物質は、ここでは「モジュレータ」
と呼ばれる。基礎レベルに対する、または、モジュレータまたは候補モジュレー
タと接触させられなかった対照に対する、発現または活性におけるパーセント変
化は、10%よりも大きく、例えば20〜50%、あるいは75〜100%であ
ってもよい。あるいはまたモジュレータは、100%よりも大きい活性または発
現における変更を行うことができる。例えば発現または活性の基礎レベル、また
はこのモジュレータを受入れなかったか、あるいはこのモジュレータによって接
触されなかった対照(すなわち未処理対照)において観察されたレベルの2〜1
0倍、20〜100倍、1000倍、あるいは10,000〜100,000倍
もでさえ、このレベル以上または以下の変更を行うことができる。 【0012】 遺伝子またはタンパク質の発現または活性に関してここで用いられている「基
礎レベル」という用語は、候補調節剤で処理されなかったか、あるいは候補調節
剤またはこの状態に暴露されなかった、あるいはこれに付されなかった対照生物
、細胞、細胞溶解産物、またはその他の系におけるその発現レベル、またはこの
ような処理または暴露前の被験者生物におけるその発現レベルに対する、生物、
細胞溶解産物、またはその他の系におけるその遺伝子またはタンパク質の発現ま
たは活性のレベルのことを言う。 【0013】 ここで用いられている「欠陥」および「欠損症」という用語は、遺伝子または
タンパク質の活性または発現における、または代謝プロセスの効率における増加
または減少であって、この増加または減少が、生物、例えば哺乳類において臨床
的な病気を生じることがあるもののことを言う。 【0014】 欠陥または欠損症は、下記のようなインシュリン抵抗性遺伝子座と関連した遺
伝子、特にCD36遺伝子における突然変異から生じると考えられる。特にヒト
のCD36遺伝子における突然変異は、インシュリン作用、グルコース代謝また
は摂取、脂肪酸代謝または摂取、またはカテコールアミン作用のうちの1つまた
はそれ以上における欠陥と関連した病気の存在またはリスクについて、並びに薬
剤スクリーニングまたは病気治療のための標的について個体を試験するための診
断マーカーとして有用である。 【0015】 CD36遺伝子における突然変異もまた、CD36タンパク質欠失を検出する
のに有用である。このような突然変異の多くは、CD36機能が減少するかまた
はなくなっているタンパク質の発現を結果として生じるか、あるいはこれらは、
端が切り取られたCD36タンパク質の発現を結果として生じるかまたはCD3
6タンパク質の発現をまったく生じない。CD36タンパク質欠失は、少なくと
も30%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくと
も80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、あるいは
少なくとも99〜100%、CD36タンパク質の機能的または物理的減少を結
果として生じる状態である。突然変異は、この突然変異がCD36遺伝子の転写
の改変または阻害、あるいはCD36遺伝子産物のプロセシングまたは翻訳の改
変または阻害を結果として生じるならば、CD36タンパク質の欠失を示すかま
たはこれを結果として生じる。 【0016】 遺伝子またはタンパク質に関してここで用いられている「活性」または「発現
」という用語は、コードされた産物の、または構造的、酵素的、またはその他の
生物機能の、転写、mRNAプロセシングまたは安定性、および翻訳のうちの1
つまたはそれ以上のことを言う。「活性」または「発現」という用語はさらに、
1つまたはそれ以上の遺伝子産物(例えばRNAまたはタンパク質)の、細胞(
例えば構造的要素、酵素、および/または経路のメンバー、例えばシグナルまた
は代謝経路としてのもの)における、または基質または下流標的(例えば遺伝子
を調節するためのタンパク質あるいは核酸分子)に対する作用のことを言うこと
もある。経路の下流要素に対する作用は、直接的(例えば直接タンパク質:タン
パク質、タンパク質:核酸、または核酸:核酸相互作用を通じて)であってもよ
く、あるいは例えば中間分子との相互作用を通して間接的であってもよい。 【0017】 ここで用いられている「改変」という用語は、基礎状態の野生型または対照に
対する、遺伝子またはタンパク質の活性または発現における、少なくとも10%
、好ましくは20%またはそれ以上、例えば30〜50%、75%、100%、
または数倍の変化のことを言う。 【0018】 ここで用いられている「アッセイ系」という用語は、生物、細胞溶解産物、ま
たは細胞を含まない系のことを言う(すなわち、緩衝液またはその他の媒質、例
えば核酸またはペプチドマイクロアレイで、これはアッセイされる生物学的プロ
セスを進行させることができる。例えばin vitro転写および/または翻
訳、酵素反応、またはタンパク質:タンパク質、タンパク質:核酸、または核酸
:核酸結合であり、例えば生理緩衝液またはその他の反応媒質、酵素、酵素基質
、および場合によっては指標化合物、例えば色素または標識を含むものである)
。アッセイ系は、最小限、試験生物、細胞、細胞溶解産物、または細胞を含まな
い系を含んでおり、好ましくはさらに、対照生物、細胞、細胞溶解産物、または
細胞を含まない系を含んでいる。アッセイ系は、自然発生のものであってもよく
、あるいは合成、あるいは研究者が組立てた、あるいは遺伝子工学で作り変えら
れた成分(例えばマイクロアレイ、生化学分子の混合物、これから生じた形質転
換動物または組織または細胞、またはこれから誘導された形質転換またはトラン
スフェクトされた細胞または溶解産物)であってもよい。 【0019】 ここで用いられている「インシュリン作用」という用語は、細胞によるインシ
ュリン媒介グルコース摂取のことを言う。 【0020】 ここで用いられている「グルコース代謝」という用語は、培養あるいは生物中
の細胞によるグルコースの摂取のことを言う。 【0021】 本発明によるグルコース代謝の代謝プロセスにおける欠陥は、少なくとも10
%、好ましくは少なくとも15%の、細胞によって取込まれたグルコースの量の
減少、あるいは基礎的未刺激状態におけるかまたはインシュリンに応答した、細
胞のグルコースの取込みの失敗でさえあると考えられる。 【0022】 ここで用いられている「脂肪酸代謝」という用語は、トリグリセリドのグリセ
ロールおよび脂肪酸への分解のことを言う。 【0023】 本発明による脂肪酸代謝における欠陥は、脂肪細胞からの脂肪酸の分泌におけ
る少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%の減少であると考えられる。 【0024】 ここで用いられている「カテコールアミン作用」という用語は、細胞からの脂
肪酸およびグリセロールの放出によって証明されるような、脂肪酸代謝を誘発す
る脂肪細胞に対するカテコールアミン分子の作用のことを言う。本発明のアッセ
イにおいて特に有用なカテコールアミンは、イソプロテレノールである。 【0025】 本発明によるカテコールアミン作用における欠陥は、少なくとも10%、好ま
しくは少なくとも15%の、脂肪酸代謝へのカテコールアミンの作用への脂肪細
胞の減少した感受性であると考えられる。 【0026】 好ましくはこの遺伝子は、CD36とCd36とから成る群から選ばれる。 【0027】 このアッセイ系において、インシュリン作用および/またはグルコース代謝お
よび/または脂肪酸代謝および/またはカテコールアミン作用における欠失があ
るのが好ましい。 【0028】 同様にさらには、本発明によるインシュリン作用における「欠失」または欠陥
は、少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%の、グルコース代謝に対す
るインシュリンの作用への脂肪細胞の減少した感受性であるとも考えられる。 【0029】 ここで用いられている「インシュリン抵抗性」という用語は、in vitr
oの単離された脂肪組織、骨格筋、または血管組織、またはin vivoでの
動物まるごとにおいて測定された、インシュリン作用における少なくとも10%
、好ましくは15%またはそれ以上の減少のことを言う。in vivo動物の
場合は、次のものを含むがこれに限定されるわけではない群から選ばれるアッセ
イを用いる。すなわち、正常血糖クランプ、インシュリン耐性試験、高血糖クラ
ンプ、静脈内耐糖能試験、およびこれが投与された動物における放射性グルコー
スの分布の測定である。 【0030】 本発明の別の態様は、CD36遺伝子の活性を調節する物質を同定する方法で
あって、候補モジュレータの存在下でのCD36活性における改変を検出するた
めの検出ステップを実施することを含む方法である。ここにおいて改変の検出は
、前記CD36遺伝子の活性を調節することにおける前記候補モジュレータの効
率の指標となるものである。 【0031】 好ましくは前記方法のアッセイ系において、CD36活性の欠失がある。 【0032】 本発明はさらに、インシュリン作用および/またはグルコース代謝および/ま
たは脂肪酸代謝および/またはカテコールアミン作用と関連した病気の治療のた
めの物質を同定する方法であって、CD36遺伝子を含むアッセイ系と候補物質
とを接触させるが、ここにおいてCD36遺伝子がアッセイ系において発現され
るステップ、およびCD36遺伝子を含む第一対照系(ここにおいて遺伝子が第
一対照系において発現され、この第一対照系は候補物質と接触させられていない
)に対して、および第二対照系(ここにおいてCD36遺伝子はこの第二系にお
いて発現されず、この第二系は候補物質と接触させられている)に対しての、ア
ッセイ系における変化を検出するための検出ステップであって、第一および第二
対照系に対するアッセイ系の変化は、この候補物質がこの病気の治療に対して効
果的であることを示しているステップを実施することを含む方法をも包含する。 【0033】 ここで用いられている「病気」という用語は、インシュリン作用、グルコース
代謝または摂取、脂肪酸代謝または摂取、またはカテコールアミン作用の代謝プ
ロセスのうちの1つまたはそれ以上における欠陥から結果として生じる症状の明
白な提示(すなわち不健康)または異常な臨床的指標(例えば生化学的指標)の
発現のことを言う。あるいはまた「病気」という用語は、このような症状または
異常な臨床的指標を発生させる遺伝的または環境的リスクまたは傾向のことを言
う。 【0034】 インシュリン作用および脂肪酸代謝または摂取における欠陥と関連した病気に
は、代謝症候群X含むがこれに限定されない通常のインシュリン抵抗性症候群、
および心筋症を含んでいるが、これらに限定されるわけではない。 【0035】 インシュリン作用に関連する病気には、インシュリン非依存性糖尿病(NID
DM)、複合高脂血症(家族性複合高脂血症を含むがこれに限定されない)、お
よび本態性高血圧が含まれるがこれらに限定されない。 【0036】 心筋症に関連した病気には、遺伝性の肥大性、拡張、圧力過負荷、および突発
性心筋症が含まれるがこれらに限定されるわけではない。 【0037】 ここで用いられている「高血圧」という用語は、匹敵し得る年齢、身長、およ
び体重の正常な個体の血圧と比べて、少なくとも10%の安静血圧における上昇
のことを言う。 【0038】 ここで用いられている「インシュリン非依存性糖尿病」という用語は、インシ
ュリン抵抗性、耐糖能異常、および空腹時血糖障害を特徴とする2型糖尿病のこ
とを言う。 【0039】 ここで用いられている「代謝症候群X」という用語は、自然発生高血圧、脂肪
異常血症、インシュリン抵抗性、高インシュリン血症、増加腹部脂肪、および冠
状心臓病のリスクの増加を特徴とする病気のことを言う。 【0040】 ここで用いられている「肥満」という用語は、哺乳類の体重が、年齢および骨
格サイズに基づいて、医学的に推奨されている範囲を少なくとも20%超える状
態のことを言う。 【0041】 ここで用いられている「哺乳類」という用語は、ヒトを含む哺乳類綱の一員の
ことを言う。 【0042】 この発明の別の態様は、インシュリン作用および/またはグルコース代謝およ
び/または脂肪酸代謝および/またはカテコールアミン作用と関連した病気の治
療のための物質を同定する方法であって、CD36遺伝子を含むアッセイ系と候
補物質とを接触させるが、ここにおいてCD36遺伝子がこのアッセイ系におい
て発現されるステップ、およびCD36遺伝子を含む第一対照系(ここにおいて
遺伝子がこの第一対照系において発現され、この第一対照系は候補物質と接触さ
せられていない)に対して、および第二対照系(ここにおいてCD36遺伝子は
この第二系において発現されず、この第二系は候補物質と接触させられている)
に対しての、アッセイ系における変化を検出するための検出ステップであって、
第一および第二対照系に対するアッセイ系の変化が観察されるステップを実施す
るステップ、およびこの病気の臨床的指標を示す動物に候補物質を投与するステ
ップであって、ここにおいて臨床的指標における改良は、この候補物質がこの病
気の治療に対して効果的であることを示しているステップを含む方法である。 【0043】 本発明はさらに、インシュリン作用および/またはグルコース代謝および/ま
たは脂肪酸代謝および/またはカテコールアミン作用と関連した病気の治療のた
めの物質を同定する方法であって、CD36遺伝子を含むアッセイ系と候補物質
とを接触させるが、ここにおいてCD36遺伝子がアッセイ系において発現され
るステップ、およびCD36遺伝子を含む第一対照系(ここにおいて遺伝子が第
一対照系において発現され、この第一対照系は候補物質と接触させられていない
)に対して、および第二対照系(ここにおいてCD36遺伝子はこの第二系にお
いて発現されず、この第二系は候補物質と接触させられている)に対しての、ア
ッセイ系における変化を検出するための検出ステップであって、第一および第二
対照系に対するアッセイ系の変化が観察されるステップを実施するステップ、こ
の病気の臨床的指標を示す動物に候補物質を投与するステップ、臨床的指標にお
ける変化を検出し、臨床的指標における改良が観察される検出ステップを実施す
るステップ、およびこの候補物質と生理学的に適合性のあるキャリアとを含むキ
ットを製造し、これを包装するステップであって、臨床的指標における改良は、
この候補物質がこの病気の治療に対して効果的であることを示しているステップ
を含む方法を提供する。 【0044】 本発明の別の態様は、インシュリン作用および/またはグルコース代謝および
/または脂肪酸代謝および/またはカテコールアミン作用と関連した病気の治療
のための物質を同定する方法であって、CD36タンパク質を含むアッセイ系と
候補物質とを接触させるステップ、および第一対照系(ここにおいて第一対照系
はCD36タンパク質を含んでおり、候補物質と接触させられていない)に対し
て、および第二対照系(ここにおいて第二対照系はCD36タンパク質を含んで
おらず、候補物質と接触させられている)に対しての、アッセイ系における変化
を検出するための検出ステップであって、第一および第二対照系に対するアッセ
イ系の変化は、この候補物質が、この病気の治療に対して効果的であることを示
しているステップを実施するステップを含む方法である。 【0045】 本発明はさらに、インシュリン作用および/またはグルコース代謝および/ま
たは脂肪酸代謝および/またはカテコールアミン作用と関連した病気の治療のた
めの物質を同定する方法であって、CD36タンパク質を含むアッセイ系と候補
物質とを接触させるステップ、第一対照系(ここにおいて第一対照系はCD36
タンパク質を含んでおり、候補物質と接触させられていない)に対して、および
第二対照系(ここにおいて第二対照系はCD36タンパク質を含んでおらず、候
補物質と接触させられている)に対しての、アッセイ系における変化を検出する
ための検出ステップであって、第一および第二対照系に対するアッセイ系の変化
が検出されるステップを実施するステップ、およびこの病気の臨床的指標を示す
動物に候補物質を投与するステップであって、ここにおいて臨床的指標における
改良は、この候補物質がこの病気の治療に対して効果的であることを示している
ステップを含む方法を包含する。 【0046】 本発明の別の態様は、インシュリン作用および/またはグルコース代謝および
/または脂肪酸代謝および/またはカテコールアミン作用と関連した病気の治療
のための物質を同定する方法であって、CD36タンパク質を含むアッセイ系と
候補物質とを接触させるステップ、第一対照系(ここにおいて第一対照系はCD
36タンパク質を含んでおり、候補物質と接触させられていない)に対して、お
よび第二対照系(ここにおいて第二対照系はCD36タンパク質を含んでおらず
、候補物質と接触させられている)に対しての、アッセイ系における変化を検出
するための検出ステップであって、第一および第二対照系に対するアッセイ系の
変化が検出されるステップを実施するステップ、この病気の臨床的指標を示す動
物に候補物質を投与するステップ、臨床的指標における変化を検出するための検
出ステップであって、臨床的指標における改良が検出されるステップを実施する
ステップ、および候補物質と生理学的に適合性のあるキャリアとを含むキットを
製造し、これを包装するステップであって、ここにおいて臨床的指標における改
良は、この候補物質がこの病気の治療に対して効果的であることを示しているス
テップを含む方法である。 【0047】 好ましくは前記方法において、このアッセイ系および対照系は1匹の動物を含
んでいる。 【0048】 この動物は哺乳類であることが好ましい。 【0049】 好ましくはこのアッセイ系および対照系は培養細胞を含んでいる。 【0050】 別の好ましい実施形態において、このアッセイ系および対照系は細胞溶解産物
を含んでいる。 【0051】 好ましくは前記アッセイ系および対照系において、CD36活性の欠失がある
。 【0052】 前記方法はさらに、この病気の臨床的指標を示す動物に候補物質を投与するス
テップ後に、この動物の臨床的指標の改良を検出するための検出ステップを実施
するステップを含むことが好ましい。 【0053】 哺乳類におけるインシュリン作用および/またはグルコース代謝および/また
は脂肪酸代謝および/またはカテコールアミン作用の欠陥に関連した病気を診断
する本発明は、試験哺乳類および正常哺乳類からの生物サンプルにおけるCD3
6の発現レベルを測定するステップ、および 試験哺乳類からの生物サンプルおよび正常哺乳類からの生物サンプルにおいて測
定されたCD36発現のレベルを比較するステップであって、これらのレベル間
の差が、試験哺乳類における病気の存在を示しているステップを含んでいる。 【0054】 好ましくは発現を測定するステップが、CD36mRNAを検出するステップ
を実施することを含んでいる。 【0055】 別の好ましい実施形態において、発現を測定するステップは、CD36タンパ
ク質を検出するステップを実施することを含んでいる。 【0056】 試験哺乳類および正常哺乳類がヒトであるのが好ましい。 【0057】 試験被験者と正常被験者との間でCD36発現レベルにおいて少なくとも2倍
の差が観察されることがさらに好ましい。 【0058】 本発明はさらに、インシュリン抵抗性と関連した病気の治療方法であって、C
D36活性のモジュレータの有効量を、これを必要としている被験者に投与する
ことを含む方法をも提供する。 【0059】 このモジュレータがCD36活性を減少させることが好ましい。 【0060】 別の好ましい実施形態によれば、このモジュレータはCD36活性を増加させ
る。 【0061】 モジュレータがポリペプチドであるのが好ましく、ポリペプチドが、CD36
タンパク質とCD36ペプチドとから成る群から選ばれるのがより好ましく、ポ
リペプチドがヒトのものであるのが非常に好ましい。 【0062】 好ましくはポリペプチドは、[配列ID番号101]、[配列ID番号:10
2]、[配列ID番号:103]、[配列ID番号:104]、[配列ID番号:10
5]、[配列ID番号:106]、[配列ID番号:107]、[配列ID番号:10
8]、[配列ID番号:109]、[配列ID番号:110]、[配列ID番号:11
1]、[配列ID番号:112]、[配列ID番号:113]、[配列ID番号:11
4]、[配列ID番号:115]、[配列ID番号:116]、[配列ID番号:11
7]、[配列ID番号:118]、[配列ID番号:119]、[配列ID番号:12
0]、[配列ID番号:121]、[配列ID番号:122]、[配列ID番号:12
3]、[配列ID番号:124]、[配列ID番号:125]、[配列ID番号:12
6]、[配列ID番号:127]、[配列ID番号:128]および[配列ID番号:
129]から成る群から選ばれる核酸配列によってコードされたアミノ酸配列を
含んでいる。 【0063】 ポリペプチドは、組換え核酸分子によって発現されるのが好ましい。 【0064】 さらには組換え核酸分子が、[配列ID番号101]、[配列ID番号:10
2]、[配列ID番号:103]、[配列ID番号:104]、[配列ID番号:10
5]、[配列ID番号:106]、[配列ID番号:107]、[配列ID番号:10
8]、[配列ID番号:109]、[配列ID番号:110]、[配列ID番号:11
1]、[配列ID番号:112]、[配列ID番号:113]、[配列ID番号:11
4]、[配列ID番号:115]、[配列ID番号:116]、[配列ID番号:11
7]、[配列ID番号:118]、[配列ID番号:119]、[配列ID番号:12
0]、[配列ID番号:121]、[配列ID番号:122]、[配列ID番号:12
3]、[配列ID番号:124]、[配列ID番号:125]、[配列ID番号:12
6]、[配列ID番号:127]、[配列ID番号:128]、[配列ID番号:12
9]、[配列ID番号:132]、[配列ID番号:133] 、[配列ID番号:1
34]、[配列ID番号:135]、[配列ID番号:136]、[配列ID番号:1
37]、[配列ID番号:139] 、[配列ID番号:140]、[配列ID番号:
142] 、[配列ID番号:143]、[配列ID番号:144]、[配列ID番号
:145] 、[配列ID番号:146]、[配列ID番号:147]、[配列ID番
号:148]および[配列ID番号:149]から成る群から選ばれる配列を含ん
でいるのが好ましい。 【0065】 好ましくはこのモジュレータは核酸分子である。 【0066】 核酸分子は、[配列ID番号101]、[配列ID番号:102]、[配列ID
番号:103]、[配列ID番号:104]、[配列ID番号:105]、[配列ID
番号:106]、[配列ID番号:107]、[配列ID番号:108]、[配列ID
番号:109]、[配列ID番号:110]、[配列ID番号:111]、[配列ID
番号:112]、[配列ID番号:113]、[配列ID番号:114]、[配列ID
番号:115]、[配列ID番号:116]、[配列ID番号:117]、[配列ID
番号:118]、[配列ID番号:119]、[配列ID番号:120]、[配列ID
番号:121]、[配列ID番号:122]、[配列ID番号:123]、[配列ID
番号:124]、[配列ID番号:125]、[配列ID番号:126]、[配列ID
番号:127]、[配列ID番号:128]、[配列ID番号:129]、[配列ID
番号:132]、[配列ID番号:133] 、[配列ID番号:134]、[配列I
D番号:135]、[配列ID番号:136]、[配列ID番号:137]、[配列I
D番号:139]、[配列ID番号:140]、[配列ID番号:142]、[配列I
D番号:143]、[配列ID番号:144]、[配列ID番号:145]、[配列I
D番号:146]、[配列ID番号:147]、[配列ID番号:148]および[配
列ID番号:149]から成る群から選ばれる配列を含んでいるのが好ましい。 【0067】 好ましくは核酸分子は、CD36タンパク質とこれらの断片とから成る群から
選ばれるポリペプチドを宿主細胞中に発現する。 【0068】 より好ましくは核酸分子は、前記宿主細胞において自己複製する。 【0069】 宿主細胞は、核酸分子で形質転換されるのが好ましい。 【0070】 好ましくは宿主細胞は、ヒト細胞である。 【0071】 本発明に有利に用いられる宿主細胞には、ヒト細胞心筋細胞、特に左心室細胞
、脂肪細胞、内皮細胞、血管平滑筋細胞、マクロファージ、マクロファージ細胞
系の細胞、末梢単核白血球、および単核白血球細胞系の細胞が含まれるが、これ
らに限定されるわけではない。本発明のスクリーニングアッセイにおいて特に好
ましいものは、マクロファージ、マクロファージ細胞系の細胞、末梢単核白血球
、および単核白血球細胞系の細胞である。 【0072】 好ましくはモジュレータは、ペプチド、ホスホペプチド、小さい有機分子、小
さい無機分子、抗体、および抗体のエピトープ結合断片から成る群から選ばれる
。 【0073】 別の好ましい実施形態において、モジュレータは、アンチセンス核酸分子、リ
ボザイム、および三重螺旋核酸分子から成る群から選ばれる。 【0074】 好ましくはこのモジュレータは、抗―CD36抗体である。 【0075】 このモジュレータは、CD36タンパク質を結合する有機分子であるのが好ま
しい。 【0076】 さらには被験者がヒトであるのが好ましい。 【0077】 本発明はさらに、[配列ID番号:132]、[配列ID番号:133]、[配列
ID番号:134]、[配列ID番号:135]、[配列ID番号:136]、[配列
ID番号:137]、[配列ID番号:139]、[配列ID番号:140]、[配列
ID番号:142]、[配列ID番号:143]、[配列ID番号:144]、[配列
ID番号:145]、[配列ID番号:146]、[配列ID番号:147]、[配列
ID番号:148]および[配列ID番号:149] から成る群から選ばれる核酸
配列を含む単離された核酸配列をも包含している。 【0078】 本発明はさらに、[配列ID番号:5]、[配列ID番号:11]、[配列ID番
号:17]、[配列ID番号:23]、[配列ID番号:29]、[配列ID番号:3
5]、[配列ID番号:41]、[配列ID番号:47]、[配列ID番号:53]、[
配列ID番号:59]、[配列ID番号:65]、[配列ID番号:71]、[配列I
D番号:77]、[配列ID番号:83]、[配列ID番号:87]、[配列ID番号
:167]、[配列ID番号:171]、[配列ID番号:174]および[配列ID
番号:138] から成る群から選ばれた核酸配列を含む、単離された核酸分子を
も提供する。 【0079】 本発明はさらに、[配列ID番号6]、[配列ID番号:12]、[配列ID番
号:18]、[配列ID番号:24]、[配列ID番号:29]、[配列ID番号:3
6]、[配列ID番号:42]、[配列ID番号:48]、[配列ID番号:54]、[
配列ID番号:60]、[配列ID番号:66]、[配列ID番号:72]、[配列I
D番号:78]、[配列ID番号:84]、[配列ID番号:88]、[配列ID番号
:168]および[配列ID番号:141] から成る群から選ばれるアミノ酸配列
を含むポリペプチドをも包含している。 【0080】 この発明の別の態様は、CD36mRNAにハイブリッドするアンチセンスオ
リゴヌクレオチドを含む単離された核酸配列である。 【0081】 本発明は、CD36mRNAにハイブリッドするアンチセンスRNAを発現す
る核酸ベクターを提供する。 【0082】 本発明はさらに、核酸ベクターを含む宿主細胞であって、前記ベクターが、前
記細胞においてアンチセンスRNAを発現し、このアンチセンスRNAがCD3
6mRNAにハイブリッドする宿主細胞をも包含している。 【0083】 好ましくは宿主細胞はヒト細胞である。 【0084】 好ましい実施形態において、ヒト細胞は、心筋細胞、好ましくは左心室細胞、
脂肪細胞、内皮細胞、血管平滑筋細胞、マクロファージ、マクロファージ細胞系
の細胞、末梢単核白血球、または単核白血球細胞系の細胞である。 【0085】 本発明の別の態様は、このような病気のリスクを有すると疑われている個体に
おいて、インシュリン作用および/またはグルコース代謝および/または脂肪酸
代謝および/またはカテコールアミン作用における欠陥と関連した病気の診断方
法であって、Cd36遺伝子における突然変異を検出するための検出ステップを
実施するステップを含んでいる方法である。ここにおいて、この突然変異の検出
は、個体におけるインシュリン作用および/またはグルコース代謝および/また
は脂肪酸代謝および/またはカテコールアミン作用の欠陥と関連した病気の存在
を示している。 【0086】 本発明は、哺乳類におけるグルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュリン作用、
およびカテコールアミン作用の代謝プロセスの1つまたはそれ以上と関連した遺
伝子を同定する方法であって、候補遺伝子が自然発生高血圧ラットのインシュリ
ン抵抗性遺伝子座の染色体位置に位置づけされるかどうかを決定することを含む
方法を提供する。ここにおいて、この遺伝子座への候補遺伝子のマッピングは、
この遺伝子と、グルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュリン作用、およびカテコ
ールアミン作用の代謝プロセスの1つまたはそれ以上との間の関連を示している
。 【0087】 本発明の別の態様は、哺乳類におけるグルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュ
リン作用、およびカテコールアミン作用の代謝プロセスの1つまたはそれ以上と
関連した遺伝子を同定する方法であって、哺乳類ゲノムにおける候補遺伝子の位
置をマッピングして地図位置を与えるステップ、およびこのようにして得られた
地図位置と、自然発生高血圧ラットのインシュリン抵抗性遺伝子座の地図位置と
を比較するステップであって、ここにおいて地図位置の一致が、この遺伝子と、
グルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュリン作用、またはカテコールアミン作用
の代謝プロセスの1つまたはそれ以上との間の関連を示しているステップを含む
方法である。 【0088】 本発明はさらに、哺乳類におけるグルコース代謝、脂肪酸代謝、およびカテコ
ールアミン活性の代謝プロセスの1つまたはそれ以上と関連した遺伝子を同定す
る方法であって、候補遺伝子が、インシュリン抵抗性遺伝子座1、2、3、およ
び4のうちの1つの染色体位置に位置づけされるかどうかを決定することを含む
方法をも包含する。ここにおいてこれらの遺伝子座のうちの1つへの候補遺伝子
のマッピングは、この遺伝子と、グルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュリン作
用、およびカテコールアミン作用の代謝プロセスの1つまたはそれ以上との間の
関連を示している。 【0089】 本発明はまた、哺乳類におけるグルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュリン作
用、およびカテコールアミン作用の代謝プロセスの1つまたはそれ以上と関連し
た遺伝子を同定する方法であって、哺乳類ゲノムにおける候補遺伝子の位置をマ
ッピングして地図位置を与えるステップ、およびこのようにして得られた地図位
置と、インシュリン抵抗性遺伝子座1、2、3、および4のうちの1つまたはそ
れ以上の地図位置とを比較するステップであって、ここにおいて地図位置の一致
が、この遺伝子と、グルコース代謝、脂肪酸代謝、またはカテコールアミン活性
の代謝プロセスの1つまたはそれ以上との間の関連を示しているステップを含む
方法を提供する。 【0090】 ここで用いられている「自然発生高血圧ラットのインシュリン抵抗性遺伝子座
(Insulin−Resistance locus of a Spont
aneously Hypertensive Rat)」という用語は、グル
コース代謝または脂肪酸代謝、インシュリン作用またはカテコールアミン作用の
1つまたはそれ以上における欠陥が位置する染色体セグメント、遺伝的連鎖群、
または遺伝子のことを言い、このセグメント、連鎖群、または遺伝子は、各々次
に定義されているインシュリン抵抗性遺伝子座1、2、3、および4を含むがこ
れに限定されない群から選ばれる。例えば自然発生高血圧ラット(SHR)に特
徴的なグルコース代謝または脂肪酸代謝、インシュリン作用またはカテコールア
ミン作用の1つまたはそれ以上における欠陥は、ラットゲノムに見られる。 【0091】 ここで用いられている「インシュリン抵抗性遺伝子座1、2、3、および4」
という用語は、前記のような自然発生高血圧ラットのインシュリン抵抗性遺伝子
座のことを言い、これには、自然発生高血圧ラットおよびヒトを含む哺乳類のイ
ンシュリン抵抗性遺伝子座1、インシュリン抵抗性遺伝子座2、インシュリン抵
抗性遺伝子座3、およびインシュリン抵抗性遺伝子座4、下記のようなこれらの
ラット遺伝子座の同族体が含まれる。 【0092】 ここで用いられている「インシュリン抵抗性遺伝子座1」という用語は、D4
Arb13、D4Ae2、およびD4Rt8マーカー(以後「D4」という名称
を伴わずに言及される)を含んでいるラットの染色体4のほぼ4センチモルガン
(cM)にわたっている連鎖ピークを有しており、かつこの連鎖ピークの両側に
約10cMを包含する、前記のような高血圧ラットのインシュリン抵抗性遺伝子
座であって、この遺伝子座には、グルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュリン作
用、およびカテコールアミン作用における自然発生高血圧ラットの欠陥が位置し
ているもののことを言う。観察された表現型の原因となる遺伝子は、テロメアか
ら離れた方向において、染色体の末端(これは連鎖ピークから2〜3cMである
)と連鎖ピークから約7cMの部位との間に位置していてもよい。「インシュリ
ン抵抗性遺伝子座1」という用語はまた、この遺伝子座がラットゲノムのインシ
ュリン抵抗性遺伝子座1に(例えばシンテニー(synteny)または核酸配
列の類似性によって)対応している、別の哺乳類における染色体遺伝子座のこと
をも言う。 【0093】 センチモルガン(cM)におけるあらゆる測定値に関してここで用いられてい
る「約」および「ほぼ」という用語は、挙げられている数値の上下の10%幅の
ことを言う。 【0094】 ここで用いられている「インシュリン抵抗性遺伝子座2」という用語は、D1
2Mit8とD12Mgh1マーカーとの間の、またはこれらを含む染色体12
のほぼ20cMにわたる連鎖ピークを有しており、最も強い連鎖が、D12Mi
t8マーカーに近位のこの部位の4cMにあり、かつこの連鎖ピークの両側に1
0cMを包含する前記のような自然発生高血圧ラットのインシュリン抵抗性遺伝
子座であって、この遺伝子座には、グルコース代謝における自然発生高血圧ラッ
トの欠陥が位置しているもののことを言う。この観察された表現型の原因となる
遺伝子は、連鎖ピークの両末端の5cM以内または2cM以内にさえ位置してい
てもよい。「インシュリン抵抗性遺伝子座2」という用語はまた、この遺伝子座
がラットゲノムのインシュリン抵抗性遺伝子座2に(例えばシンテニーまたは核
酸配列の類似性によって)対応している、別の哺乳類における染色体遺伝子座の
ことをも言う。 【0095】 ここで用いられている「インシュリン抵抗性遺伝子座3」という用語は、D7
Cebr179s7マーカーにおいて連鎖ピークを有し、かつこの連鎖ピークの
両側に15cMを包含する、ラットの染色体7上の前記のような自然発生高血圧
ラットのインシュリン抵抗性遺伝子座であって、この遺伝子座には、グルコース
代謝における自然発生高血圧ラットの欠陥が位置しているもののことを言う。観
察された表現型の原因となる遺伝子は、この連鎖ピークの両端の10cM以内ま
たは5cM以内にさえ位置していてもよい。「インシュリン抵抗性遺伝子座3」
という用語はまた、この遺伝子座が、ラットゲノムのインシュリン抵抗性遺伝子
座3に(例えばシンテニーまたは核酸配列の類似性によって)対応している、別
の哺乳類における染色体遺伝子座のことをも言う。 【0096】 ここで用いられている「インシュリン抵抗性遺伝子座4」という用語は、D1
6Mit3マーカーにおいて連鎖ピークを有し、かつ、この連鎖ピークの両側に
10cMを包含しているラットの染色体16上の前記のような自然発生高血圧ラ
ットのインシュリン抵抗性遺伝子座であって、この遺伝子座には、グルコース代
謝における自然発生高血圧ラットの欠陥が位置しているもののことを言う。観察
された表現型の原因となる遺伝子は、この連鎖ピークの両端の5cM以内または
2cM以内にさえ位置していてもよい。「インシュリン抵抗性遺伝子座4」とい
う用語はまた、この遺伝子座がラットゲノムのインシュリン抵抗性遺伝子座4に
(例えばシンテニーまたは核酸配列の類似性によって)対応している、別の哺乳
類における染色体遺伝子座のことをも言う。 【0097】 ここで用いられている「シンテニー」という用語は、進化時間の間ずっと2つ
の集団または種の間に保持される遺伝子の染色体位置のことを言い、従って一方
の集団または種の遺伝子は、他方の集団または種における同族遺伝子のものに対
応する、確立されたマーカーに関連する位置において見られる。 【0098】 インシュリン抵抗性遺伝子座1、2、3、および4に関してここで用いられて
いる「核酸の類似性」という用語は、少なくとも60%、好ましくは70%、よ
り好ましくは80%の配列の同一性を示す配列のことを言う。 【0099】 ここで用いられている「染色体位置に位置する」という語句は、候補遺伝子と
マーカーとの間の統計的に有意な連鎖のことを言い、このマーカーは、自然発生
高血圧ラットのインシュリン抵抗性遺伝子座の中にあってもよく、インシュリン
抵抗性遺伝子座1、2、3、または4のうちの1つの中にあってもよく、あるい
は別のマーカーであってもよく、従っておそらくは候補遺伝子およびマーカーは
、互いの15、好ましくは10、より好ましくは5、最も好ましくは2センチモ
ルガン(cM)の距離以内にある。このような結果は、下記のように遺伝的連鎖
解析または放射ハイブリッドマッピングによって得ることができる。「染色体位
置に位置する」という語句はまた、例えば原位置での核酸ハイブリッド形成のよ
うな技術に基づく染色体上の遺伝子の非蓋然論的位置推定であって、染色体上の
遺伝子の物理的位置を示すシグナルが観察されるもののことを言う。 【0100】 候補遺伝子は、この候補遺伝子とインシュリン抵抗性遺伝子座との間の連鎖解
析が、lodスコア3を結果として生じるなら、あるいは放射ハイブリッドパネ
ルを用いたマッピングがlodスコア4を結果として生じるなら、自然発生高血
圧ラットのインシュリン抵抗性遺伝子座またはインシュリン抵抗性遺伝子座1、
2、3、または4のうちの1つの染色体地図位置に位置すると言われている。マ
ーカーの染色体地図位置と、自然発生高血圧ラットのインシュリン抵抗性遺伝子
座および/または本発明によるインシュリン抵抗性遺伝子座1、2、3、または
4のうちの1つまたはそれ以上のその地図位置とを比較するために、表現型、例
えばグルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュリン作用、またはカテコールアミン
作用における欠陥を、新しい遺伝子マーカー(すなわち候補遺伝子)に位置する
場合、この表現型と候補遺伝子との間の連鎖解析は、第一組の遺伝的交雑または
第一血統分析において、P値<10−4を結果として生じなければならず、第一
組の両方の結果を確認するために実施された第二組の交雑または第二血統分析に
おいて、P値<5×10−2を結果として生じなければならない。 【0101】 ここで用いられている「一致する」という用語は、第二遺伝子またはその他の
マーカーに対して候補遺伝子の15センチモルガン(cM)の距離内へのマッピ
ングのことを言う。好ましくはこの候補遺伝子は、第二遺伝子または他のマーカ
ーの10cM以内、より好ましくは5cM以内、または2cM以内にさえ位置決
定される。 【0102】 代謝プロセスの欠陥と病気状態との間の関係に関してここで用いられている「
関連」という用語は、この欠陥が病気の発現を引き起こすかまたはそれに寄与し
ているにせよ、病気の結果であるにせよ、あるいはこの病気の原因でもなく、こ
の病気によってもたらされたものでもなく、単にこれに伴っているのが観察され
ているだけであるにせよ(例えばこの欠陥と病気の両方が、共通のメカニズムに
よって互いから独立して生じるにしても)、この欠陥と病気との一致のことを言
う。 【0103】 前記方法はさらに、グルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュリン作用、および
カテコールアミン作用の代謝プロセスの1つまたはそれ以上への候補遺伝子の作
用を測定するステップをも含んでいるのが好ましい。 【0104】 さらには、この測定が、遺伝子を含む核酸分子を細胞または生物の中に導入す
るステップ、生物の生物サンプルまたは生物それ自体において、細胞または生物
における、および核酸分子を欠く対照細胞または生物における、グルコース摂取
、非エステル化脂肪酸分泌、インシュリン作用、またはカテコールアミン作用の
1つまたはそれ以上のレベルをアッセイするステップ、およびこれらのレベルを
比較するステップを含むことが好ましい。ここにおいてこれらのレベルにおける
差は、グルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュリン作用、およびカテコールアミ
ン作用の代謝プロセスの1つまたはそれ以上への遺伝子の作用を示している。 【0105】 遺伝子は正常であってもよく、あるいは欠陥があってもよいと考えられる。正
常および欠陥遺伝子のどちらも入手可能な場合、各々がもう一方とは別に細胞ま
たは生物に導入された時に、正常遺伝子と欠陥遺伝子との相対的作用が比較され
、アッセイされ得る。 【0106】 遺伝子が導入された細胞または生物および対照細胞または生物におけるグルコ
ース摂取、非エステル化脂肪酸分泌、インシュリン作用、またはカテコールアミ
ン作用の1つまたはそれ以上のレベルに関してここで用いられている「差」とい
う用語は、少なくとも20%、好ましくは30%、非常に好ましくは45%、よ
り好ましくは50〜75%、最も好ましくは100%、あるいはさらには100
%以上、例えば2倍またはそれ以上、100,000倍までの変化のことを言う
。 【0107】 特に好ましい実施形態において、細胞または生物は、グルコース代謝、脂肪酸
代謝、インシュリン作用、およびカテコールアミン作用の前記代謝プロセスの1
つまたはそれ以上において欠陥を有する。 【0108】 本発明はさらに、グルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュリン作用、またはカ
テコールアミン作用の1つまたはそれ以上と関連する遺伝子の同定方法において
、遺伝子の染色体地図位置と、自然発生高血圧ラットのインシュリン抵抗性遺伝
子座の1つまたはそれ以上の地図位置とを比較することを含む改良をも包含する
。ここにおいてこれらの地図位置間の一致は、この遺伝子と、グルコース代謝、
脂肪酸代謝、およびカテコールアミン活性の代謝プロセスの1つまたはそれ以上
との関連を示している。 【0109】 この発明はまた、グルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュリン作用、またはカ
テコールアミン作用の1つまたはそれ以上と関連する遺伝子の同定方法において
、遺伝子の染色体地図位置と、インシュリン抵抗性遺伝子座1、2、3、および
4のうちの1つまたはそれ以上の地図位置とを比較することを含む改良をも包含
する。ここにおいてこれらの地図位置間の一致は、この遺伝子と、グルコース代
謝、脂肪酸代謝、およびカテコールアミン活性の代謝プロセスの1つまたはそれ
以上との間の関連を示している。 【0110】 本発明の別の態様は、哺乳類におけるグルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュ
リン作用、およびカテコールアミン作用の代謝プロセスの1つまたはそれ以上に
おける欠陥と関連する病気の診断方法であって、哺乳類からの生物サンプルを、
自然発生高血圧ラットのインシュリン抵抗性遺伝子座にリンクする遺伝子におけ
る突然変異または多形性の存在についてアッセイすることを含む方法である。こ
こにおいて、遺伝子における突然変異の存在は、病気の存在を示している。 【0111】 本発明はまた、哺乳類におけるグルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュリン作
用、およびカテコールアミン作用の代謝プロセスの1つまたはそれ以上における
欠陥と関連する病気の診断方法であって、哺乳類からの生物サンプルを、インシ
ュリン抵抗性遺伝子座1、2、3、および4のうちの1つにリンクする遺伝子に
おける突然変異または多形性の存在についてアッセイすることを含む方法を提供
する。ここにおいて、遺伝子における突然変異の存在は、病気の存在を示してい
る。 【0112】 この突然変異は、Il6、Nos3、Slc4α2、Psmc2、Fgl2、
PgyI、Cd36、およびCacna2を含む群から選ばれるラット遺伝子、
GnaiI、Pgy2、Pgy3、Sri、Hgf、Htr5a、Cdk5、D
pp6、Plk、Tyms、Fgfr3、Adra2c、Pparg、ERTD
363、およびCd36を含む群から選ばれるマウス遺伝子、またはヒトIPF
−1およびCD36に対応する遺伝子、並びに本発明によるインシュリン抵抗性
遺伝子座の染色体地図位置に位置決定されるその他の哺乳類遺伝子の中にあり、
これらの遺伝子は最小でも数百の数になると考えられる。 【0113】 好ましくはこの病気は、インシュリン非依存性糖尿病、代謝症候群X、肥満、
家族性脂質異常高血圧、複合高脂血症(家族性複合高脂血症を含むがこれに限定
されない)、および本態性高血圧を含む群から選ばれる。 【0114】 本発明はまた、SHRラット(染色体4)におけるインシュリン抵抗性遺伝子
座―1に位置する突然変異体または多形性遺伝子、および遺伝子における突然変
異または多形性の発見をベースとしている。従って本発明は次の核酸配列を考察
している。 【0115】 [配列ID番号5]、[配列ID番号:11]、[配列ID番号:17]、[配列
ID番号:23]、[配列ID番号:29]、[配列ID番号:35]、[配列ID番
号:41]、[配列ID番号:47]、[配列ID番号:53]、[配列ID番号:5
9]、[配列ID番号:65]、[配列ID番号:71]、[配列ID番号:77]、[
配列ID番号:83]および/または[配列ID番号:87] のヌクレオチド配列
の1つまたはそれ以上に示されているヌクレオチド配列を含む単離された核酸で
ある。 【0116】 同様にこの発明には、前記核酸配列によってコードされたポリペプチド配列も
包含されている。 【0117】 これらの核酸は、本発明によればここに記載されている突然変異を検出するた
めの核酸プローブとして有用である。ここで有用なハイブリッド形成プローブは
、10〜11ヌクレオチド(例えば突然変異体ヌクレオチドが中心ヌクレオチド
である場合、突然変異体ヌクレオチドの両側に5ヌクレオチドを包含する配列)
、15ヌクレオチド、20ヌクレオチド、25ヌクレオチド、30〜40ヌクレ
オチド程度の小さいものであってもよく、あるいはそれ以上、例えば75、80
、90、100、150、200、300、400、500、または1000ヌ
クレオチドであってもよい。ハイブリッド形成プローブは、突然変異体核酸にハ
イブリッドするが、緊縮条件下に野生型核酸にはハイブリッドされないならば(
下記参照)、あるいはもしこれが核酸のある一定のストレッチにおいて単一のヌ
クレオチド差を識別するならば、有用であろう。 【0118】 本発明はまた、哺乳類におけるグルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュリン作
用、およびカテコールアミン作用の代謝プロセスの1つまたはそれ以上における
欠陥と関連する病気の診断方法であって、哺乳類からの生物サンプルを、インシ
ュリン抵抗性遺伝子座1にリンクする遺伝子における突然変異または多形性の存
在についてアッセイすることを含む方法をも考察している。ここにおいて、遺伝
子における突然変異の存在は、病気の存在を示している。 【0119】 好ましくはこの病気は、哺乳類におけるグルコース代謝、脂肪酸代謝、インシ
ュリン作用、およびカテコールアミン作用の代謝プロセスの1つまたはそれ以上
における欠陥と関連しており、哺乳類からの生物サンプルを、インシュリン抵抗
性遺伝子座1にリンクする遺伝子によってコードされたタンパク質のアミノ酸配
列における改変の存在についてアッセイすることを含んでいる。ここにおいて、
遺伝子によってコードされた改変アミノ酸配列の存在は、病気の存在を示してい
る。 【0120】 好ましくはこの病気は、インシュリン非依存性糖尿病、代謝症候群X、肥満、
家族性脂質異常高血圧、および複合高脂血症(家族性複合高脂血症を含むがこれ
に限定されない)を含む群から選ばれる。 【0121】 好ましくは突然変異は、[配列ID番号87]のヌクレオチド位置378、3
97、507、521、522、533、552、553、554、601、6
19、620、641、742、791、および871から成る群から選ばれる
。 【0122】 好ましくはアミノ酸配列は、[配列ID番号87]のヌクレオチド位置378
、397、507、521、522、533、552、553、554、601
、619、620、641、742、791、および871から成る群から選ば
れる突然変異によってコードされる。 【0123】 ここで用いられている「核酸」という用語は、RNAまたはDNAのことを言
い、これは二本鎖または一本鎖であってもよく、線状または円形であってもよい
。本発明において用いられる核酸分子は、線状RNAまたはDNA断片、細菌プ
ラスミド、エピソームベクター、人工染色体、およびウイルスまたはレトロウイ
ルス染色体を含む群から選ばれてもよい。 【0124】 ここで用いられている「生物」という用語は、細胞生物、例えば原核生物また
は真核生物のことを言う。本発明に用いられる生物は、多細胞生物、例えば前記
のような哺乳類であると考えられる。さらには本発明に用いられる細胞は、真核
細胞、好ましくは哺乳類細胞であると考えられる。 【0125】 ここで用いられている「生物サンプル」という用語は、1つの生物まるごと、
またはその組織、細胞、または成分の部分集合のことを言う(例えば体液、これ
には血液、血清、血漿、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、羊水、羊膜索
血、尿、膣液、および精液が含まれるがこれらに限定されるわけではない)。「
生物サンプル」とはさらに、1つの生物まるごと、またはその組織、細胞、また
は成分の部分集合、またはこれらの1画分または一部分から調製されたホモジネ
ート、溶解産物、または抽出物のことを言う。最後に「生物サンプル」とは、媒
質、例えば細胞成分例えば核酸分子を含む、生物がその中で繁殖された栄養肉汁
またはゲルのことをも言う。 【0126】 本発明の核酸分子に関してここで用いられている「導入する」という用語は、
その分子での細胞または生物の形質転換、トランスフェクション、または感染の
ことを言う。 【0127】 ここで用いられている「突然変異」という用語は、遺伝子産物の量またはコー
ドされた産物の生物活性の損失または減少、あるいはこれの増加された、あるい
は新規の、または改変された機能を生じる、前記のような遺伝子における欠陥の
ことを言う。このような突然変異は、単一または多塩基置換、挿入、または欠失
、あるいはまた、これが正常に存在する位置以外の染色体位置への遺伝子の転座
を含むこともある。 【0128】 CD36遺伝子産物における「減少」とは、ここに開示されているいくつかの
アッセイの1つによって測定された場合、CD36遺伝子産物(CD36タンパ
ク質)の少なくとも50%、60%、75%、80%、90%、95%、および
98〜100%もの減少のことを言う。 【0129】 ここで用いられている「多形性」という用語は、1つの集団の大多数のメンバ
ー、あるいはまた少数派のメンバーにおいて存在することがある遺伝子の核酸配
列の対立遺伝子変異型のことを言う。多形性はサイレント(すなわちアミノ酸置
換またはその他の既知の対立遺伝子変異型に対して遺伝子調節における変化を結
果として生じないもの)であってもよく、あるいは異なるアミノ酸をコードして
もよく、あるいはその他の対立遺伝子変異型に対して遺伝子調節の変化を結果と
して生じてもよい。 【0130】 前記方法に従って同定された遺伝子は、薬剤スクリーニングアッセイにおける
標的として用いることができると考えられる。ここにおいて、試験される薬剤は
、インシュリン抵抗性遺伝子座にリンクされている遺伝子の活性の調節を通して
、グルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュリン作用、およびカテコールアミン作
用の代謝プロセスの1つまたはそれ以上の候補モジュレータである。前記候補薬
剤の存在下におけるこのような遺伝子の活性の変化は、この薬剤が、グルコース
代謝、脂肪酸代謝、インシュリン作用、およびカテコールアミン作用の代謝プロ
セスの1つまたはそれ以上の効果的モジュレータであり、これらのプロセスの1
つまたはそれ以上の崩壊または機能異常に関連した病気の治療に用いることがで
きることを示していると予想される。特にこのような病気のモデルになる動物に
おけるこのような物質の試験、および病気関連の指標(例えばグルコース摂取、
非エステル化脂肪酸分泌、インシュリン作用、またはカテコールアミン作用)に
おける改良についての動物のモニターであり、ここにおいて、候補薬剤の不存在
に対しての候補薬剤の存在下におけるこのような指標の改良は、薬剤の効率の指
標となるものである。このようなアッセイにおいて特に有利であると考えられて
いる標的遺伝子は、次のものを含む群から選ばれてもよい。すなわち、ラットI
l6、Nos3、Slc4α2、Psmc2、Fgl2、PgyI、Cacna
2、およびCd36、マウスGnaiI、Pgy2、Pgy3、Sri、Hgf
、Htr5a、Cdk5、Dpp6、Plk、Tyms、Fgfr3、Adra
2c、Pparg、およびERTD363、およびヒトIPF−lおよびCD3
6である。あるいはまた前記方法によって同定され得るその他の遺伝子も用いる
ことができる。 【0131】 本発明はさらに、[配列ID番号179]、[配列ID番号:181]、[配列
ID番号:183]、[配列ID番号:185]、[配列ID番号:187]、[配列
ID番号:190]、[配列ID番号:191]、[配列ID番号:192]、[配列
ID番号:193]、[配列ID番号:194]、[配列ID番号:195]、[配列
ID番号:196]、[配列ID番号:197]、[配列ID番号:198]、[配列
ID番号:199]、[配列ID番号:200]、[配列ID番号:201]、[配列
ID番号:202]、[配列ID番号:203]、[配列ID番号:204]、[配列
ID番号:205]、[配列ID番号:207]および[配列ID番号:209] か
ら成る群から選ばれる配列を含む単離された核酸分子をも提供する。 【0132】 本発明はまた、[配列ID番号179]、[配列ID番号:181]、[配列I
D番号:183]、[配列ID番号:185]、[配列ID番号:187]、[配列I
D番号:190]、[配列ID番号:191]、[配列ID番号:192]、[配列I
D番号:193]、[配列ID番号:194]、[配列ID番号:195]、[配列I
D番号:196]、[配列ID番号:197]、[配列ID番号:198]、[配列I
D番号:199]、[配列ID番号:200]、[配列ID番号:201]、[配列I
D番号:202]、[配列ID番号:203]、[配列ID番号:204]、[配列I
D番号:205]、[配列ID番号:207]および[配列ID番号:209] に示
されている突然変異の1つまたはそれ以上を有する突然変異体CD36遺伝子を
も包含する。 【0133】 本発明はさらに、[配列ID番号179]、[配列ID番号:181]、[配列
ID番号:183]、[配列ID番号:185]、[配列ID番号:187]、[配列
ID番号:190]、[配列ID番号:191]、[配列ID番号:192]、[配列
ID番号:193]、[配列ID番号:194]、[配列ID番号:195]、[配列
ID番号:196]、[配列ID番号:197]、[配列ID番号:198]、[配列
ID番号:199]、[配列ID番号:200]、[配列ID番号:201]、[配列
ID番号:202]、[配列ID番号:203]、[配列ID番号:204]、[配列
ID番号:205]、[配列ID番号:207]および[配列ID番号:209] に
よってコードされた突然変異の1つまたはそれ以上を有する突然変異体CD36
タンパク質をも包含する。 【0134】 本発明はさらに、生物サンプルにおけるCD36タンパク質欠失を検出する方
法であって、CD36遺伝子における突然変異の検出ステップを含む方法をも提
供する。前記突然変異が、[配列ID番号179]、[配列ID番号:181]、
[配列ID番号:183]、[配列ID番号:185]、[配列ID番号:187]、
[配列ID番号:190]、[配列ID番号:191]、[配列ID番号:192]、
[配列ID番号:193]、[配列ID番号:194]、[配列ID番号:195]、
[配列ID番号:196]、[配列ID番号:197]、[配列ID番号:198]、
[配列ID番号:199]、[配列ID番号:200]、[配列ID番号:201]、
[配列ID番号:202]、[配列ID番号:203]、[配列ID番号:204]、
[配列ID番号:205]、[配列ID番号:207]および[配列ID番号:20
9] から成る群から選ばれる配列に対応すると考えられる。 【0135】 本発明は、個体のヒトCD36遺伝子における突然変異の存在または不存在を
決定する方法であって、個体の生物サンプルと、長さが少なくとも10ヌクレオ
チドのプローブであって、このプローブが次のものから成る群から選ばれる配列
において提示されている突然変異に対応する突然変異を含むものとを接触させる
ステップと、[配列ID番号179]、[配列ID番号:181]、[配列ID番
号:183]、[配列ID番号:185]、[配列ID番号:187]、[配列ID番
号:190]、[配列ID番号:191]、[配列ID番号:192]、[配列ID番
号:193]、[配列ID番号:194]、[配列ID番号:195]、[配列ID番
号:196]、[配列ID番号:197]、[配列ID番号:198]、[配列ID番
号:199]、[配列ID番号:200]、[配列ID番号:201]、[配列ID番
号:202]、[配列ID番号:203]、 [配列ID番号:205]、[配列ID
番号:207]および[配列ID番号:209] サンプル中における突然変異の存
在または不存在を検出するステップとを含む方法をも包含する。 【0136】 このような突然変異の存在または不存在は、ここに開示されている感染病に対
して保護を与える遺伝的状態を示し得る。 【0137】 本発明は、哺乳類への投与のための組織のスクリーニング方法であって、これ
によってこの組織のサンプルが、CD36遺伝子における突然変異について試験
される方法を包含する。この組織サンプルは、前記突然変異の存在または不存在
に基づいて標識される。 【0138】 好ましくは標識された組織は保存される。 【0139】 より好ましくはこの組織は、血液、または血小板を含む血液産物である。 【0140】 前記突然変異は、[配列ID番号179]、[配列ID番号:181]、[配列
ID番号:183]、[配列ID番号:185]、[配列ID番号:187]、[配列
ID番号:190]、[配列ID番号:191]、[配列ID番号:192]、[配列
ID番号:193]、[配列ID番号:194]、[配列ID番号:195]、[配列
ID番号:196]、[配列ID番号:197]、[配列ID番号:198]、[配列
ID番号:199]、[配列ID番号:200]、[配列ID番号:201]、[配列
ID番号:202]、[配列ID番号:203]および[配列ID番号:204] か
ら成る群から選ばれる配列に対応するのが好ましい。 【0141】 本発明はさらに、ドナーと受容体とをマッチさせる方法をも包含する。ドナー
または受容体からの生物サンプルは、CD36遺伝子における突然変異であって
、前記突然変異がCD36遺伝子産物の欠失を結果として生じるものについて試
験される。ドナーと受容体とをマッチさせ、これによって、もしもこの受容体が
CD36遺伝子産物の欠失を結果として生じる突然変異を有しているならば、同
様にCD36遺伝子産物の欠失を有するドナーが選ばれる。 【0142】 好ましくは生物サンプルは血液である。 【0143】 より好ましくは突然変異は、[配列ID番号179]、[配列ID番号:18
1]、[配列ID番号:183]、[配列ID番号:185]、[配列ID番号:18
7]、[配列ID番号:190]、[配列ID番号:191]、[配列ID番号:19
2]、[配列ID番号:193]、[配列ID番号:194]、[配列ID番号:19
5]、[配列ID番号:196]、[配列ID番号:197]、[配列ID番号:19
8]、[配列ID番号:199]、[配列ID番号:200]、[配列ID番号:20
1]、[配列ID番号:202]、[配列ID番号:203]および[配列ID番号:
204] から成る群から選ばれる配列に対応する。 【0144】 本発明の別の態様は、CD36遺伝子における突然変異について患者を試験す
ることによって寄生体による感染への患者の抵抗性を測定する方法であって、こ
の突然変異が寄生体による感染への抵抗性を示すものである方法である。 【0145】 好ましくはこの寄生体は、熱帯マラリア原虫である。 【0146】 より好ましくは突然変異は、[配列ID番号179]、[配列ID番号:18
1]、[配列ID番号:183]、[配列ID番号:185]、[配列ID番号:18
7]、[配列ID番号:190]、[配列ID番号:191]、[配列ID番号:19
2]、[配列ID番号:193]、[配列ID番号:194]、[配列ID番号:19
5]、[配列ID番号:196]、[配列ID番号:197]、[配列ID番号:19
8]、[配列ID番号:199]、[配列ID番号:200]、[配列ID番号:20
1]、[配列ID番号:202]、[配列ID番号:203]、および[配列ID番号
:204] から成る群から選ばれる配列に対応する。 【0147】 本発明はさらに、寄生体感染の治療方法をも提供する。CD36遺伝子発現の
阻害剤を含む製薬組成物は、これを必要としている患者に投与される。 【0148】 好ましくはこの阻害剤は、CD36mRNAにハイブリッドするアンチセンス
オリゴヌクレオチドである。 【0149】 感染を引き起こす寄生体は熱帯マラリア原虫であるのが好ましい。 【0150】 本発明はさらに、哺乳類におけるインシュリン作用および/またはグルコース
代謝および/または脂肪酸代謝および/またはカテコールアミン作用における欠
陥に関連した病気を診断する方法をも包含する。CD36遺伝子における突然変
異が検出され、これによって前記突然変異は、[配列ID番号179]、[配列
ID番号:181]、[配列ID番号:183]、[配列ID番号:185]、[配列
ID番号:187]、[配列ID番号:190]、[配列ID番号:191]、[配列
ID番号:192]、[配列ID番号:193]、[配列ID番号:194]、[配列
ID番号:195]、[配列ID番号:196]、[配列ID番号:197]、[配列
ID番号:198]、[配列ID番号:199]、[配列ID番号:200]、[配列
ID番号:201]、[配列ID番号:202]、[配列ID番号:203]および[
配列ID番号:204] から成る群から選ばれる配列に対応する。 【0151】 好ましくはこの病気は、インシュリン抵抗性、耐糖能異常、2型真性糖尿病、
複合高脂血症、本態性高血圧、心筋症、および冠状心臓病から成る群から選ばれ
る。 【0152】 本発明はさらに、CD36遺伝子における突然変異を有すると決定された被験
者におけるインシュリン作用および/またはグルコース代謝および/または脂肪
酸代謝および/またはカテコールアミン作用の欠陥に関連した病気の治療方法を
も提供する。この方法は、CD36活性を増加させるモジュレータの投与を提供
する。この突然変異の結果として、CD36遺伝子産物の欠失を生じ、これは[
配列ID番号179]、[配列ID番号:181]、[配列ID番号:183]、[
配列ID番号:185]、[配列ID番号:187]、[配列ID番号:190]、[
配列ID番号:191]、[配列ID番号:192]、[配列ID番号:193]、[
配列ID番号:194]、[配列ID番号:195]、[配列ID番号:196]、[
配列ID番号:197]、[配列ID番号:198]、[配列ID番号:199]、[
配列ID番号:200]、[配列ID番号:201]、[配列ID番号:202]、[
配列ID番号:203]および[配列ID番号:204] から成る群から選ばれる
配列に対応する。 【0153】 好ましくはモジュレータはポリペプチドである。 【0154】 より好ましくはこのポリペプチドは、CD36タンパク質とCD36ペプチド
とから成る群から選ばれる。 【0155】 さらにより好ましくは、このポリペプチドはヒトのものである。 【0156】 このポリペプチドは、[配列ID番号101]、[配列ID番号:102]、[
配列ID番号:103]、[配列ID番号:104]、[配列ID番号:105]、[
配列ID番号:106]、[配列ID番号:107]、[配列ID番号:108]、[
配列ID番号:109]、[配列ID番号:110]、[配列ID番号:111]、[
配列ID番号:112]、[配列ID番号:113]、[配列ID番号:114]、[
配列ID番号:115]、[配列ID番号:116]、[配列ID番号:117]、[
配列ID番号:118]、[配列ID番号:119]、[配列ID番号:120]、[
配列ID番号:121]、[配列ID番号:122]、[配列ID番号:123]、[
配列ID番号:124]、[配列ID番号:125]、[配列ID番号:126]、[
配列ID番号:127]、[配列ID番号:128]および[配列ID番号:129
] から成る群から選ばれる核酸配列によってコードされたアミノ酸配列を含むの
が好ましい。 【0157】 さらにはこのポリペプチドは、組換え核酸分子によって発現されるのが好まし
い。 【0158】 さらにより好ましくは、組換え核酸分子は[配列ID番号:101]、[配列I
D番号:102]、[配列ID番号:103]、[配列ID番号:104]、[配列I
D番号:105]、[配列ID番号:106]、[配列ID番号:107]、[配列I
D番号:108]、[配列ID番号:109]、[配列ID番号:110]、[配列I
D番号:111]、[配列ID番号:112]、[配列ID番号:113]、[配列I
D番号:114]、[配列ID番号:115]、[配列ID番号:116]、[配列I
D番号:117]、[配列ID番号:118]、[配列ID番号:119]、[配列I
D番号:120]、[配列ID番号:121]、[配列ID番号:122]、[配列I
D番号:123]、[配列ID番号:124]、[配列ID番号:125]、[配列I
D番号:126]、[配列ID番号:127]、[配列ID番号:128]、[配列I
D番号:129]、[配列ID番号:132]、[配列ID番号:133]、[配列I
D番号:134]、[配列ID番号:135]、[配列ID番号:136]、[配列I
D番号:137]、[配列ID番号:139]、[配列ID番号:140]、[配列I
D番号:142]、[配列ID番号:143]、[配列ID番号:144]、[配列I
D番号:145]、[配列ID番号:146]、[配列ID番号:147]、[配列I
D番号:148]および[配列ID番号:149] から成る群から選ばれる配列を
含んでいる。 【0159】 さらにこのモジュレータは、核酸分子であるのが好ましい。 【0160】 さらにより好ましくは、この核酸分子は[配列ID番号101]、[配列ID
番号:102]、[配列ID番号:103]、[配列ID番号:104]、[配列ID
番号:105]、[配列ID番号:106]、[配列ID番号:107]、[配列ID
番号:108]、[配列ID番号:109]、[配列ID番号:110]、[配列ID
番号:111]、[配列ID番号:112]、[配列ID番号:113]、[配列ID
番号:114]、[配列ID番号:115]、[配列ID番号:116]、[配列ID
番号:117]、[配列ID番号:118]、[配列ID番号:119]、[配列ID
番号:120]、[配列ID番号:121]、[配列ID番号:122]、[配列ID
番号:123]、[配列ID番号:124]、[配列ID番号:125]、[配列ID
番号:126]、[配列ID番号:127]、[配列ID番号:128]、[配列ID
番号:129]、[配列ID番号:132]、[配列ID番号:133]、[配列ID
番号:134]、[配列ID番号:135]、[配列ID番号:136]、[配列ID
番号:137]、[配列ID番号:139]、[配列ID番号:140]、[配列ID
番号:142]、[配列ID番号:143]、[配列ID番号:144]、[配列ID
番号:145]、[配列ID番号:146]、[配列ID番号:147]、[配列ID
番号:148]および[配列ID番号:149]から成る群から選ばれる配列を含
んでいる。 【0161】 さらにこの核酸分子は、CD36タンパク質とこれの断片とから成る群から選
ばれるポリペプチドを宿主細胞中に発現するのが好ましい。 【0162】 この核酸分子は、前記宿主細胞中において自己複製されるのが好ましい。 【0163】 宿主細胞が、前記核酸分子で形質転換されるのがさらにより好ましい。 【0164】 好ましくはこのモジュレータは、ペプチド、ホスホペプチド、ポリペプチド、
多糖類、小さい有機分子、小さい無機分子、抗体、および抗体のエピトープ結合
断片から成る群から選ばれる。ここで用いられているようなペプチド、ポリペプ
チド、多糖類、小さい無機分子、および小さい有機分子は、200ダルトンより
も大きく、約2,500ダルトンよりも小さく、好ましくは500〜1,000
ダルトンの分子量を有していてもよい。ペプチドは、長さが2〜100残基、よ
り有利には長さが4〜40残基、長さが8〜20残基であってさえよく、D−あ
るいはL−アミノ酸(または同等のもの)を含んでいてもよい。 【0165】 さらにはこのモジュレータは、アンチセンス核酸分子、リボザイム、および三
重螺旋核酸分子から成る群から選ばれるのが好ましい。 【0166】 本発明はまた、寄生体感染を治療するための薬剤をスクリーニングする方法で
あって、前記感染を引き起こす寄生体が、感染を発生させるためにはリガンドと
してCD36タンパク質を必要とする方法をも包含する。この方法は、CD36
遺伝子発現の阻害のための候補薬剤を試験するステップを含んでいる。 【0167】 好ましくは寄生体は、熱帯マラリア原虫である。 【0168】 本発明はさらに、寄生体感染を治療するための薬剤をスクリーニングする方法
であって、前記感染を引き起こす寄生体が、感染を発生させるためにはリガンド
としてCD36タンパク質を必要とする方法をも包含する。この方法は、CD3
6遺伝子の正の調節遺伝子の阻害のための候補薬剤を試験するステップを含んで
いる。 【0169】 好ましくは正の調節遺伝子はppr−γである。 【0170】 より好ましくはこの寄生体は、熱帯マラリア原虫である。 【0171】 本発明のその他の特徴および利点は、次の実施形態の説明およびこれらの図面
において、および特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう。 【0172】 (発明の説明) 本発明は、1つまたは複数の遺伝子の突然変異または変異型対立遺伝子がイン
シュリン作用および脂肪酸代謝とリンクされている4つの遺伝的子座のラットモ
デルにおける発見に基づいている。これら4つのうちの1つまたはそれ以上は、
これらの病気に関わっている遺伝子の同定のためのマーカーとして有用である。
本発明はまた、ラットCD36遺伝子(ラット脂肪(FAT)遺伝子)が、イン
シュリン抵抗性遺伝子座1(染色体4)に位置するという発見(この位置推定は
ここにおいて初めて記載される)、およびSHRラットのCd36遺伝子が少な
くとも18の突然変異であって、11が対応位置において野生型アミノ酸以外の
アミノ酸をコードしており、これらの突然変異がSHR表現型にリンクされてい
るという発見に基づいている。Cd36遺伝子の位置を示すインシュリン抵抗性
遺伝子座1の放射ハイブリッド地図が、図1に示されている。さらにはヒトCD
36遺伝子における突然変異は、インシュリン作用および脂肪酸代謝における欠
陥と相関関係があることが発見された。これらのヒトCD36配列変異型、野生
型核酸配列、およびこれらのそれぞれのコードされたポリペプチド配列は、薬剤
標的用の潜在的候補として、病気診断において、診断手順において、および究極
的には病気の作用を制御することを目指す治療的療法において有用である。本発
明はまた、SHRラットにおけるCd36遺伝子転写物が、対応する野生型mR
NA(野生型ラットCd36cDNA配列については、GeneBank寄託番
号L19658または[配列ID番号85]参照のこと;野生型ヒトCD36遺
伝子配列については、GeneBank寄託番号G18324、Z32753、
Z32759、Z32757、Z32756、Z32755、Z32754、Z
32764、Z32763、Z32762、Z32761、Z32760、Z3
4752、Z32758、Z32765、AA360674、AA342353
、AA302823、L06849、S67532、S67532、S6704
4、Z32770、Z22924、Z22555、T28585、M98399
、M98398、M24795、およびL06850、またはそれぞれ配列ID
番号101、102、103、104、105、106、107、108、10
9、110、111、112、113、114、115、116、117、11
8、119、120、121、122、123、124、125、126、12
7、128、および129参照のこと)に対して配列のバリエーションおよびサ
イズの違いを示し、従って異常なサイズのmRNAまたはここに記載された配列
変異型を有するmRNAは、欠陥インシュリン作用または脂肪酸代謝を特徴とす
る表現型の診断マーカーであるという発見に基づいている。本発明はまた、CD
36遺伝子突然変異といくつかのヒト集団に存在するCD36欠失との相関関係
に基づいており、従ってこのような突然変異の検出は、生物組織サンプル、例え
ば血液または血液産物をスクリーニングすることにおいて有用である。本発明は
また、あるいくつかの寄生体、例えばマラリアを引き起こす寄生体による感染に
対する抵抗性の指標としてCD36遺伝子突然変異を検出することに基づいてい
る。 【0173】 実施例1は、遺伝子のマッピングおよびその地図位置と、SHRにおけるイン
シュリン抵抗性遺伝子座のうちの1つの位置との比較について記載している。実
施例2は、遺伝子が、ラットにおけるインシュリン抵抗性遺伝子座の染色体位置
に位置するという決定について記載している。実施例3は、インシュリン抵抗性
遺伝子座リンクの遺伝子における突然変異についての患者のスクリーニングを示
している。実施例4は、CD36遺伝子における突然変異についての患者のスク
リーニングを示している。実施例5は、CD36配列を含む核酸プローブにハイ
ブリッドするmRNA分子におけるサイズの多形性についての、患者からの生物
サンプルのスクリーニングを示している。実施例6は、ラットモデルにおける候
補治療薬の本発明によるin vivoスクリーニングを示している。 【0174】 A.インシュリン抵抗性遺伝子座 グルコースおよび脂肪酸の代謝における欠陥は、自然発生高血圧ラット(SH
R)を用いて、ラットゲノムにおける4つの遺伝子座にリンクされた。これらの
4つの遺伝子座は、ここで初めて詳細に記載および定義されている。SHRラッ
トは、本態性高血圧の広く用いられている動物モデルであり(Yamori,1
984,Handbook of Hypertension,Vol.4.E xperimental and Genetic Models of Hy pertension ,ed.de Jong,Elsevier Scien
ce Publisher,NY,pp.224−239)、これは、グルコー
ス代謝に対するインシュリン作用における全体的な欠陥を有しており(Rao,
1993,Diabetes,42:1364−1371;Reavenら、1
989c、Diabetes,38:1155−1160;Paternost
ro,1995,Cardiovasc.Res.,30:205−211;C
hiappe de Cingolani,1988,Metabolism
37:318−322)、非高血圧ラットとの遺伝的交雑において、脂肪細胞に
おける脂肪分解に対する低下したカテコールアミン作用を示す(Reavenら
、1989c、上記;Chiappe de Cingolani,1988、
上記)。自然発生高血圧、脂肪異常血症、インシュリン抵抗性、高インシュリン
血症、および増加腹部脂肪はすべて、SHRモデルによって示され、これらは代
謝症候群Xの決定的特徴である。従ってSHRは、これのヒトの状態のモデルに
なり得るものであり、SHRにおける欠陥インシュリンおよびカテコールアミン
作用についての遺伝子の同定は、ヒト代謝症候群Xおよび関連状態、例えば2型
糖尿病および複合高脂血症(家族性高脂血症を含むがこれに限定されない)にお
ける遺伝子同定を容易にし得る。 【0175】 遺伝的および統計的分析 自然発生的高血圧ラットにおけるグルコース代謝、脂肪酸代謝、インシュリン
作用、およびカテコールアミン作用の代謝プロセスの1つまたはそれ以上におけ
る欠陥の基礎となる遺伝子の染色体位置を決定するために、これらの欠陥を発現
しているSHR株と、これらの欠陥を示していない対照株との間に実験交雑が行
われた。これらの実験において、本発明のインシュリン抵抗性遺伝子座が特徴決
定され、対照株は、ラットのWistar KyotoおよびBrown No
rway株であった。但しその他の対照株も同様に効果的であったであろうと予
測される。実際に、その他の株も、特許請求されている方法によれば有用である
。これらの交配から生じた子孫を分離する際、グルコース代謝、脂肪酸代謝、イ
ンシュリン作用、およびカテコールアミン作用の代謝プロセスの測定が、下記の
ように実施された。子孫分離におけるこれらの測定は、連鎖研究の表現型の特徴
決定段階を構成していた。評点された子孫は、2種類の交雑のうちの1つから生
じたものである。すなわち、F個体は、姉妹細胞(「F交雑」)あるいは親
対照株(戻し交雑)の動物に交配された。 【0176】 これらの欠陥代謝プロセスの基礎となる遺伝子の染色体位置を決定するために
、DNAを、これらの分離子孫世代における動物の各々の肝臓または脾臓から抽
出した。ついでこれらの動物のDNAについて、ゲノムにおける多遺伝マーカー
を用いて遺伝子型を決定した。マーカーの分布は、統計分析により、ラットゲノ
ムの染色体上のどの点でもこれらの欠陥代謝プロセスの基礎となる遺伝子への連
鎖を検出するのに十分な密度を有し、これによってすべての測定された表現型に
対するすべての遺伝マーカーについて連鎖の統計学的テストが実施され得るよう
なものである。この統計分析は、一般に遺伝的連鎖および本発明のマッピング方
法に適用し得るが、これは次のように簡単に記載される。 【0177】 連鎖についてテストするために、各遺伝子型綱における動物群間の代謝表現型
の差についてテストする分散の統計分析(ANOVA)を最初に用いた。例えば
SHR株からの特定の遺伝マーカーの2つの対立遺伝子を受け継いだF動物は
、対照株から2つの対立遺伝子を受け継いだすべてのF動物または両方の株の
1つを受け継いだ動物と、表現型が比較された。ANOVAテストは、この結果
の有意性を測定した。本発明により実施された統計テストに当てはまることであ
るが、有意な連鎖を示すために、1つの交雑において0.0001未満の独立し
たP値が選ばれた。0.05未満の確認的P値(すなわち第一交雑結果を確認す
るために実施された、第一交雑と同一の第二交雑から得られた値)は、以前の独
立した実験交雑に対して連鎖を示したある一定の遺伝マーカーへの連鎖を支持す
る証拠を与えた。ついでANOVAテストは、コンピュータプログラム、例えば
Mapmaker/QTLを用いた多点分析まで拡大された。このソフトウエア
パッケージは一般に、次の点において連鎖解析および遺伝子マッピングにおいて
有用である。すなわちこれによって、マーカー間の間隔が、欠陥代謝プロセスへ
の連鎖について評価され、lodスコアの計算が可能になる。これは、連鎖強度
の普通に用いられている測定値であり、遺伝的連鎖のためのオッズ比の可能性と
して表わされる。 【0178】 本発明によれば、標準的連鎖解析(下記参照)によってインシュリン抵抗性遺
伝子座に候補遺伝子をマッピングする上で、lodスコア3は、この候補遺伝子
と既にインシュリン抵抗性遺伝子座に位置されているマーカーとが有意にリンク
されている証拠として考えられる。下記のおいておよび実施例1に記載されてい
るように、その代わりに放射ハイブリッドパネルによるマッピングが行われる場
合、lodスコア4が得られたら、連鎖が推定される。 【0179】 前記のもののような遺伝的交雑および統計分析は、同じかまたは異なる設計の
どんな数の実験に対して繰替えされてもよい。これらには、同じかまたは異なる
株の組み合わせを用いることができる。種々の親株が用いられる時、種々の遺伝
子マーカーへの連鎖が証明されるであろうが、その理由は、種々の遺伝的多形性
が存在するか、および/または株特異的に特徴決定されており、ある一定のマー
カーへの連鎖解析を実施し得るということは、その遺伝子座における多形性の有
効性によるからである。しかしながら同じ染色体領域への連鎖は、用いるために
選ばれた親株に応じてこの領域内の異なるマーカーに位置する連鎖のピークを有
しているとしても、位置決定されるある一定の形質または遺伝子について証明さ
れるべきである。例えば種々の株の組み合わせを用いてインシュリン抵抗性遺伝
子座に位置決定されるSHR遺伝子は、たとえ種々の株の組み合わせまたは種々
の交雑における特定の染色体セグメント上に検出された基礎となる1つまたは複
数のSHR遺伝子が同じであっても、同じ染色体セグメント上の異なる遺伝マー
カーへのピーク連鎖を示していることがある。 【0180】 1つの形質が1つまたは1つ以上のマーカーにリンクされていることが発見さ
れたにせよ、前記のように実施され、分析された交雑は、基礎となっている1つ
または複数の遺伝子の可能性のある位置を示す。1つの遺伝子の位置推定につい
ての確信は、特定の表現型と特定の染色体セグメントとの間に連鎖が示されてい
る交雑の数と共に高まり、各々の実験交雑における連鎖強度と共に高くなる。 【0181】 インシュリン抵抗性遺伝子座1、2、3、および4 インシュリン抵抗性遺伝子座1は、インシュリン作用の調節が位置決定する染
色体4上の1つの部位である。これは、3つの染色体マーカーに連鎖されている
ことが非常に確実である(D4Arbl3、D4Ae2、およびD4Rt8であ
り、これらすべては以後D4という名称を伴わずに言及される)。共に連鎖ピー
クを表わすこれらのマーカーは、互いに4センチモルガン(cM)以内にある。
図2Aは、SHRおよびWistar Kyotoラットがそれぞれ突然変異体
および対照親(F)株として用いられているF交雑において、グルコース代
謝および脂肪酸代謝における欠陥のArbl3およびAe2マーカーへの連鎖の
グラフ図を示している。このグラフでは、lodスコアが染色体地図位置に対し
てプロットされており、このグラフは、MAPMAKER−QTLプログラム(
Patersonら、1988、Nature、335:721−726;cM
、センチモルガン)を用いて生成された。図2Bは、その代わりにSHRおよび
Wistar Kyoto親株を再びS用いた戻し交雑実験において証明されて
いる、グルコース摂取における欠陥のこれらのマーカーへの連鎖のグラフ図であ
る。 【0182】 インシュリン抵抗性遺伝子座1と関連する遺伝子は、この領域の両末端の10
cM以内に位置決定されると考えられる。しかしながらAe2マーカーは、この
染色体の末端の2〜3cM以内に位置すると考えられるので、テロメアに隣接す
る配列は、インシュリン抵抗性遺伝子座1の遠位境界を表す。インシュリン抵抗
性遺伝子座1にリンクされる遺伝子は、動原体の方向において連鎖ピークの7c
M内に位置し、5cM以内の可能性もあり、あるいは2cM以内にさえ位置して
いるようである。Ae2は、劣性的に制御するように見える、インクリメンタル
なグルコース摂取に強力にリンクされている。染色体4のこの領域も。非エステ
ル化脂肪酸(NEFA)のイソプレテレノール媒介分泌にリンクされており、実
際、SHRにおける脂肪細胞脂肪分解への欠陥カテコールアミン作用の主な決定
因子は、この遺伝子座に位置する。インシュリン抵抗性遺伝子座1は、インクリ
メンタルなグルコース摂取における総表現型分散の11%〜15%、インクリメ
ンタルなNEFA分泌における総表現型分散の47%を占めている。これらの形
質の遺伝率は、48%〜70%であると計算された。 【0183】 インシュリンとイソプロテレノール(すなわちベータ―アドレナリン生産アゴ
ニスト)との両方の作用における欠陥への染色体4上の一致した連鎖は、遺伝子
欠陥がグルコースと脂肪酸代謝との両方を制御する経路に作用する可能性を示唆
している。いくつかの興味深い候補が、直接あるいはシンテニーによって、染色
体4のこの領域に位置する。これには、内皮一酸化窒素シンターゼ(eNOS;
Hubnerら、1995、Mamm.Genome,6:758−759)、
L型カルシウムチャンネルのサブユニット2A(Beckersら、1994、 Genomics ,23:685−690)、a2c型アドレナリン生産受容体
(Riessら、1994、Genomics, 19:298−302)、お
よび電圧ゲートカリウムチャンネルKCND2(Klockeら、1993、 enomics , 18:568−574)が含まれる。eNOSは、この点に
関して特に興味深いが、それは、eNOS機能がSHRにおいて乱されており(
Dohiら、1996、Hypertension,28:732−737)、
NOは血管においてインシュリン作用を媒介し(Scherrer,1994, J.Clin.Invest. ,94:2511−2515)、eNOSノック
アウトマウスは高血圧である(Huangら、1995、Nature,377
:239−242)からである。 【0184】 インシュリン抵抗性遺伝子座2は、染色体12上に見られる。この遺伝子座に
は、増加のグルコース摂取および最大/基礎グルコース摂取に対する作用が位置
しており、この遺伝子座は、D12Mit8遺伝子座とD12Mghl遺伝子座
との間の20cM領域内で連鎖ピークを示し、この連鎖は、動原体に関してD1
2Mit8に近位の4cMと最も強力に相関している。図2Cは、突然変異体お
よび対照親株としてそれぞれSHRおよびWKYラットを用いてF2交雑によっ
て決定された時、グルコース代謝における欠陥のこれらのマーカーへの連鎖のグ
ラフ図を示している。インシュリン抵抗性遺伝子座2にリンクされた遺伝子は、
連鎖ピークの10cM以内に見られ、5cM以内も可能性があり、さらには2c
M以内にさえ見られるようである。 【0185】 インシュリン抵抗性遺伝子座3は、染色体7上に見られる。この遺伝子座には
、基礎グルコース摂取に対する作用が位置づけされており、これは、D7Ceb
r179s7マーカーにおいて連鎖ピークを示す。インシュリン抵抗性遺伝子座
3と関連する遺伝子は、D7Cebr179s7マーカーの10cM以内にあっ
てもよく、このような遺伝子は、このマーカーの5cM以内、あるいは2cM以
内にさえ位置するようである。 【0186】 インシュリン抵抗性遺伝子座4は、染色体16上に見られる。この遺伝子座に
は、インクリメンタルなグルコース摂取および最大/基礎グルコース摂取に対す
る作用が位置しており、これは、Dl6Mit3マーカーにおいて連鎖ピークを
示す。インシュリン抵抗性遺伝子座4の位置と一致した地図位置を占める遺伝子
は、このマーカーの15cM以内に見られ、10cM以内も可能性があり、ある
いは5cM以内にさえ見られることがある。 【0187】 B.候補遺伝子が、本発明によるインシュリン抵抗性遺伝子座の染色体地図位 置に位置づけられることを決定する方法 連鎖解析 本発明によれば、地図位置が割当てられなかった遺伝子が、インシュリン抵抗
性遺伝子座の中に位置するかどうかを決定することができる。このような分析で
は、位置づけされていない遺伝子が、インシュリン抵抗性遺伝子座の中にあるこ
とが発見されることがあり、このような候補遺伝子が、より徹底的な研究に適切
であるかどうかを決定する強力な方法を提供する。この研究には、DNA配列分
析、in vitroおよび/またはin vivo遺伝子発現研究、および遺
伝子標的化(病気診断あるいは薬剤発見のためのもの)が含まれるがこれらに限
定されるわけではない。これは連鎖解析を通じて実施され得るが、この解析は、
ある一定の形質が特定の遺伝子座と関連している可能性の確率的決定である。連
鎖解析実験は次のようにして実施することができる。 【0188】 遺伝的交雑または一連の遺伝的交雑は、観察し得る突然変異体表現型を有する
個体と対照株の正常な個体との間で、インシュリンまたは脂肪酸代謝、インシュ
リン作用、またはカテコールアミン作用(下記参照)の1つまたはそれ以上にお
ける欠陥の動物モデル系において実施される。これらの交雑において1つのマー
カーとして、インシュリン抵抗性遺伝子座の少なくとも1つが用いられる。もし
もインシュリン抵抗性遺伝子座を含む突然変異体形質の非ランダムな取合せが見
られ、非ランダムな取合せが統計的に有意であるならば(例えば前記のようにス
チューデントのtテストまたはANOVAがこれらの結果に適用されるならば)
、この形質は、マーカーインシュリン抵抗性遺伝子座にリンクされている。有意
性の限界は次に考察される。 【0189】 同様に現存のヒトまたはその他の哺乳類の血統を用いた連鎖解析を実施しても
よい。血統分析は、病気に罹っている多数の個体を含む家族における病的状態の
リスク、発病、または進行に対してどの変異型対立遺伝子が寄与しているかにつ
いて、これらの遺伝子を同定する上で広く用いられているツールである。この手
順は一般的には、罹患している家族構成員と罹患していない家族構成員との間に
おける多数の遺伝子座の比較を内包している。他の遺伝子座について観察された
分布に対して、罹患している家族構成員と罹患していない家族構成員との間のあ
る一定の遺伝マーカーの非ランダムな取合せは、このマーカー(例えば1つの遺
伝子の変異型イソ型)が、この病気に寄与しているか、あるいは寄与している別
のものに対して物理的な近位にあることを示している。本発明によれば、インシ
ュリンまたは脂肪酸代謝またはカテコールアミン活性における欠陥と関連した病
気に罹っている多数の個体を含んでいる血統は、ここに記載されている4つのイ
ンシュリン抵抗性遺伝子座の1つへの欠陥の連鎖について分析される。 【0190】 どちらのアプローチを選んでも、インシュリン抵抗性遺伝子座を有する病気関
連表現型の非ランダムな取合せは、この欠陥の基礎となる遺伝子とその遺伝子座
との関連を示している。連鎖解析から引出されたどの結論の強さも、統計に基づ
いているので、信頼度はアッセイされた交雑または家族構成員、および遺伝子座
の数に比例して高まる。病気関連遺伝子が、インシュリン抵抗性遺伝子座1また
は2のうちの1つにリンクしていることが発見されたら、この遺伝子は、その遺
伝子座についての連鎖ピークの10cM以内、好ましくは5cM以内、あるいは
2cM以内にさえ見られそうである。病気関連遺伝子が、インシュリン抵抗性遺
伝子座3または4のうちの1つにリンクしていることが発見されたら、この遺伝
子は、その遺伝子座についての連鎖ピークの15cM以内、好ましくは5cM以
内に見られそうである。 【0191】 連鎖が確認されたとき、連鎖ピークが位置する領域の分子分析が実施される。
この分析は、下記のような酵母人工染色体(YAC)ライブラリーの幅広い有効
性によって大幅に容易にされる。インシュリン抵抗性遺伝子座の地図位置を占め
ていると決定された遺伝子を包含する領域の核酸配列が調べられ、観察された表
現型とこれらとの考えられる関係についてオープンリーディングフレームが評価
される。所望であれば、最初の評価は、バイオ情報工学データベース、例えば発
現配列タグの一般に入手し得る(例えばhttp:www.ncbi.nlm.
nih.govで入手し得る)データベースの助けを借りて実施することができ
る。突然変異体動物または罹患した家族構成員から、およびこれらの健康な対照
物(対照動物あるいは罹患していない家族構成員)からの、この領域に存在する
オープンリーディングフレームのすべてまたは部分集合のクローニング(例えば
ポリメラーゼ連鎖反応、すなわちPCRを用いて)が実施され、これらのオープ
ンリーディングフレームの配列が比較される。(ここでもまた統計的に有意な非
ランダム的に)病気表現型を示す個体にリンクされているのが発見された突然変
異またはその他の対立遺伝子変異型は、本発明による病気表現型と関連している
と判定される。ついでこの遺伝子を有するサブクローンされた核酸断片が標識さ
れ、この遺伝子の精密な物理的位置を確立するために、ヒトまたはその他の動物
の固定染色体への原位置ハイブリッド形成におけるプローブとして用いられ得る
。さらにはこのように位置づけされ、かつ単離された遺伝子は、本発明による病
気の診断(下記参照)および薬剤標的のための候補標的として役立ち得る。 【0192】 C.候補遺伝子の位置づけ方法およびその地図位置と、本発明によるインシュ リン抵抗性遺伝子座の地図位置との比較方法 i.マッピング 分子および細胞遺伝方法が、候補遺伝子のマッピングに用いられる。これらの
方法を、次に簡単に要約する。 【0193】 連鎖解析 前記のように、連鎖解析は、非マップ候補遺伝子と、インシュリン抵抗性遺伝
子座の中にある1つまたはそれ以上の染色体マーカーとの間で実施することがで
きる。これらのマーカーがインシュリン抵抗性遺伝子座の中に存在するかどうか
とは無関係に、候補遺伝子の地図位置を、これと染色体マーカーとの連鎖解析に
よって確立することができ、ついで候補遺伝子についてこのようにして確立され
た地図位置と、インシュリン抵抗性遺伝子座にリンクされているマーカーの位置
とを比較することができる。このような実験において、テスト生物のゲノム全体
におけるマーカーの最適なスペーシングは、完全なカバー範囲を確保するため、
および正確なマッピングを可能にするために、10cMごとにほぼ1つである。 【0194】 シンテニック類似性 ヒトおよびマウスゲノムは、従来の遺伝的研究の結果として、およびより最近
になって多数の研究所のゲノム配列協力、例えばヒトゲノムプロジェクトおよび
マウスゲノムプロジェクトの結果として広範囲に特徴づけられている。ヒト、マ
ウス、およびラットには、有意な共直線性が存在する。すなわち、多数の遺伝子
および遺伝子群の染色体地図位置が、これらのいくつかの種の間で互いに対して
保持されている。このことによって、4つのインシュリン抵抗性遺伝子座のうち
の1つまたはそれ以上にリンクされている遺伝子のマッピングおよび同定が容易
にされる。ラットにおいてこれらのいくつかの遺伝子座が位置する領域に匹敵し
得る領域におけるヒトおよび/またはマウス染色体地図を調べることによって、
インシュリンおよび脂肪酸代謝プロセスの観察された調節の原因になり得る候補
遺伝子を生じる。ヒトおよび/またはマウスのこれらの領域に存在する遺伝子が
ラットにおける関係する領域に存在するということは、放射ハイブリッドマッピ
ング(下記実施例1参照)を用いることによって、またはヒトまたはマウス遺伝
子から誘導された標識断片を用いた、ラット染色体への低緊縮における蛍光原位
置ハイブリッド形成によって確認することができる。 【0195】 放射ハイブリッド(RH)マッピングは、哺乳類染色体の高解像能連続地図を
構成するために開発された体細胞ハイブリッド技術である。この技術は、他のマ
ッピング方法によって容易には得られない解像能において、数百万のDNA塩基
対にわたるDNAマーカーをオーダーする方法を提供する(Coxら、1990
Science,250:245−250;Burmeisterら、199
1、Genomics、9:19−30;Warringtonら、1992、 Genomics ,13:803−808;Abelら、1993、Genom ics ,17:6323−641)。放射ハイブリッドマッピングの利点は、減
数分裂マッピングには用いることができない非多形性DNAマーカーを位置づけ
することができることである。 【0196】 この方法において、ドナー細胞系の染色体を多数の断片に分解するために、X
放射の致死量が用いられる。ドナー細胞系からの染色体断片が、その後に受容体
細胞系での細胞融解に続いて非選択的に保持される。ついで結果として生じたハ
イブリッドクローンを、特異的ドナー染色体マーカーの保持または損失について
テストする。染色体上で遠くに離れているマーカーは、近くにまとまっているマ
ーカーよりも、放射線によってさらにばらばらに分解され、RH細胞において独
立して分離される可能性が高い。ハイブリッドクローンにおいて様々な遺伝子座
の共分離を統計的に分析することによって、マーカーの相対的順序および距離に
ついて情報を与える地図を構成することができる(Coxら、1990、上記:
Warringtonら、1991、Genomics,11:701−708
;Ceccheriniら、1992、Proc.Natl.Acad.Sci .USA ,89:104−108)。 【0197】 差引きスクリーニングおよび識別的遺伝子発現のその他の試験 前記のように、表現型の株特異差(すなわちSHRラットと正常WKY対照と
の間)に寄与する遺伝的背景における遺伝子数を最小限にするために、インシュ
リンおよびカテコールアミン活性の量を測る上で最も有用な生化学アッセイを、
単離された組織、一般的には脂肪組織において実施する。1つの生物の遺伝子の
部分集合だけがある一定の組織において発現されているとすれば、突然変異体と
対照動物における同じ組織の細胞間の発現における異なる転写が、観察された突
然変異体表現型の原因である確率が高い。識別的発現遺伝子を試験する1つの方
法は、差引きクローニングである。 【0198】 差引きクローニング手順において、mRNAを、選ばれた組織から単離する。
この組織は、第一および第二生物から得られる。ここにおいて1つの生物が、あ
る特定の形質に関して突然変異体表現型を示すが、もう一方のものはその点に関
して正常である。cDNAは、この生物から誘導されたmRNAから、この技術
でよく知られている方法によって調製される。次いでmRNA鋳型を、アルカリ
条件下における加水分解によって、あるいはリボヌクレアーゼH媒介分割によっ
て分解する。その後cDNAは、緩衝液に戻されるが、この緩衝液中でmRNA
は安定であり、これは緊縮ハイブリッド形成条件下で第二生物から調製されたモ
ル過剰mRNAと混合される。次いでこの混合物をヒドロキシアパタイトカラム
上に通過させる。これは二本鎖核酸に結合するが、一本鎖核酸分子を通過させる
。第二サンプルのmRNA分子にハイブリッドしない第一サンプルの逆転写(換
言すれば第一組織サンプルに特異的なメッセージを表わすもの)は、フロースル
ー画分中に存在し、ベクターにクローンされ、差引きライブラリーを形成する。
2つの出発組織サンプルに特異的な完全転写セットを生じるために、相互実験(
ここにおいてcDNAは、第二mRNA調製物から誘導される)も実施する。 【0199】 この手順に由来する転写を標識し、固定化染色体への原位置ハイブリッド形成
におけるプローブとして用いることができる。あるいはこれらの染色体位置は、
遺伝的連鎖解析または放射ハイブリッドマッピングを含む他の手段によって決定
することができる。従って差引きスクリーニングは、クローンされた遺伝子と、
これらが本発明によるインシュリン抵抗性遺伝子座の1つと共局在化するかどう
かを決定する手段との両方を生じる。その場合、これらの遺伝子を機能的に(例
えば下記のような表現型レスキュー実験において)分析することができ、これら
は究極的には薬剤用標的として、または病気診断方法用標的として、あるいは治
療的核酸としてさえ用いることができる。 【0200】 具象差分析(RDA) RDAは、Lisitsynら、1993、Science,259;946
に詳細に記載され、選択的増殖とRDAとを組み合わせた適用法も記載されてい
る(Lisitsynら、1993、Nature Genet.,6:57)
。RDAは、差引きハイブリッド形成(前記参照)の進歩したアプローチである
。テスターとドライバーゲノムとを比較するために、最初に両方のサンプル(例
えばPCRによって増幅されるのに十分なほど小さいBglII断片から成るも
の)からアンプリコンという簡略具象体が作られる。反復差引きステップは、テ
スターアンプリコンにおける断片の5’末端への特別な受容体の連結反応から開
始される。次いでテスターアンプリコンが融解され、大過剰の競合ドライバーア
ンプリコンの存在下に簡単にリアニールされる。リアニールするテスター断片(
好ましくはドライバーに存在しないもの)は、そのパートナーの3’末端への受
容体配列の付加のための鋳型として役立ち得る。これによってこれらの断片は、
PCRによって指数関数的に増幅される。次いでより高度な強化を得るためにこ
の手順を繰返す。 【0201】 マイクロアレイスクリーニング 識別的発現された遺伝子について試験する別の方法は、グリッドされたcDN
Aライブラリーまたは発現された配列のマイクロアレイの使用である。これらの
実験において、mRNAは、突然変異体および対照哺乳類から選択された組織か
ら抽出され、mRNAサンプルは、逆転写によって、cDNA分子の突然変異体
および対照特異的異質プールに転換される。cDNAの各々の株特異的プールは
、放射能、蛍光、色素原、発光、またはこの技術で知られているその他の標識を
用いて標識され、結果として生じた標識分子は、グリッドされたライブラリーま
たはマイクロアレイを探索するために用いられる。このライブラリーまたはアレ
イでのプローブのインキュベーションおよび非結合プローブを除去するための洗
浄後、このライブラリーまたはアレイの各クローンへの株特異的cDNAプロー
ブのどちらかのハイブリッド形成から生じたシグナルの強度を、オートラジオグ
ラフィ、蛍光分析、共焦レーザースキャニング、および光度測定または密度測定
スキャニングによって測定する。識別的発現された遺伝子のプロフィールを生成
させるために、ライブラリーまたはアレイの各メンバー配列への突然変異体およ
び正常cDNAのハイブリッド形成から生じるシグナルを定量的に比較する。次
いでこれの地図位置は、原位置ハイブリッド形成、遺伝的連鎖分析、または放射
ハイブリッドマッピングによって決定することができる。識別的発現され、かつ
インシュリン抵抗性遺伝子座に位置する遺伝子は、グルコース代謝、脂肪酸代謝
、インシュリン作用、またはカテコールアミン作用における欠陥の非常に重要な
候補遺伝子であろう。 【0202】 本発明者らは、マイクロアレイ技術(Scios.Inc.)を用いて、SH
Rと2つの対照ラット株とにおける遺伝子発現を脂肪組織において比較した。こ
の技術によって、組織サンプルは数千の遺伝子の発現レベルを同時に監視するこ
とができ、個々の組織サンプルを比較することができる。 【0203】 CD36遺伝子は、SHR脂肪組織において5〜10倍も発現不足であること
が分かった。この遺伝子は、ラット染色体4上の主要SHR QTLに緊密にリ
ンクされている。9アミノ酸改変に翻訳された15ヌクレオチド配列突然変異は
、SHRCD36遺伝子において同定された。 【0204】 突然変異原性のトランスポゾンマッピング まず細菌において記載されている(CasadabanおよびCohen,1
979,Prc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,76:4530
;Casadabanら、1980、J.Bacteriol.,143:97
1)エントラップメントベクターによって、遺伝子の中(例えばそのコーディン
グまたは調節配列の中)にある挿入種目(event)の選択が可能になる。動
物モデル(例えばマウスまたはラット)において、エントラップメントベクター
を、培養中の多能性ES細胞中に導入することができ(例えばエレクトロポレー
ションまたはレトロウイルスを用いて)、次いでキメラによって生殖系列の中に
通すことができる(Gosslerら、1989、Science,244:4
63;Skarnes,1990,Biotechnology,8:827)
;あるいはまたこのようなベクターを有する形質転換動物を、標準的卵母細胞注
入技術によって発生させることができる。 【0205】 これらのDNA統合は、高度に突然変異原性であるが、その理由は、これらが
内生コーディング配列を中断させるからである。プロモータまたは遺伝子トラッ
プを用いてゲノムにおけるどれかの何らかの遺伝子の突然変異を得る頻度は約4
5%であると推定される。レトロウイルス挿入突然変異誘発の詳細な説明が出版
されている(Methods Enzymol.,vol.225,1990参
照)。この技術を用いて、インシュリンまたは脂肪酸代謝における表現型欠陥を
結果として生じる突然変異を有する動物を回収することができる。 【0206】 本発明による候補遺伝子は、ここに記載されているインシュリンおよび脂質代
謝の生化学アッセイを適用し得る組織、例えば脂肪組織において最も有利に発現
される。プロモータまたは遺伝子トラップベクターは多くの場合、レポータ遺伝
子、例えばlacZ、Cat、またはグリーン蛍光タンパク質(Gfp)を含ん
でいる。これは、それ自体のプロモータおよび/または上流スプライス受容体配
列を欠いている。これによって候補遺伝子の組織特異性をアッセイすることがで
きる。このベクターが1つの遺伝子の中に含まれており、遺伝子産物の中に挿入
されるならば、その場合にはレポータ遺伝子が発現される。エンハンサートラッ
プは、機能しかつレポータ遺伝子を含むためにエンハンサーの活性を必要とする
最小限のプロモータを有する。ベクターがエンハンサーの近くに挿入されるなら
(遺伝子の中であれ、そうでなくても)、その場合はレポータ遺伝子が発現され
る。関係する組織におけるレポータ遺伝子活性は、本発明のインシュリン抵抗性
遺伝子座の染色体地図位置に位置づけされ得るものについての指標を与える。形
質転換動物のトランスフェクトされた細胞または組織においてレポータ遺伝子活
性を検出する方法は、この技術においてよく知られており、DNA、RNA、お
よびタンパク質検出の適用し得る方法は、次に記載されている(セクションEお
よびG参照)。 【0207】 これが本発明によるインシュリン抵抗性遺伝子座の染色体地図位置に位置づけ
されるかどうか調べるためにこのような遺伝子を試験する際、標準的細胞遺伝技
術、例えば原位置ハイブリッド形成を用いて、突然変異原性ベクターを位置づけ
することができる。この場合、ベクター特異的配列の標識断片をプローブとして
用いる。インシュリン抵抗性遺伝子座とのプローブの共局在化は、この関連遺伝
子がさらなる研究に適した候補であることを示している。このようにして同定さ
れた遺伝子のクローニングは、下記のように実施することができる。 【0208】 インシュリン抵抗性遺伝子座への連鎖について試験され得る候補遺伝子 インシュリン抵抗性遺伝子座1への連鎖の候補であるいくつかの遺伝子は、多
様な前記方法によって既に同定されている。これらには、ラットIl6、Nos
3、Slc4α2、Psmc2、Fgl2、PgyI、およびCacna2、お
よびマウスGnaiI、Pgy2、Pgy3、Sri、Hgf、Htr5a、C
dk5、Dpp6、Plk、Tyms、Fgfr3、Adra2c、Pparg
、ERTD363、およびCD36が含まれる。インシュリンプロモーティング
因子1(IPF−1)をコードするヒト遺伝子のタンパク質コーディング配列に
おける不活性化突然変異が記載されている(Stoffersら、Nature Genetics ,15:106−110)。この突然変異についての異型接
合性は、若年の成熟発病糖尿病(MODY)にリンクされているが、一方、同型
接合性は、先天性すい臓無発育を結果として生じる。IPF1遺伝子もまたこの
発明に有用な候補遺伝子である。 【0209】 ii.候補遺伝子の染色体地図位置とインシュリン抵抗性遺伝子座の地図位置 との比較 次いで前記のように確立された候補遺伝子の地図位置を、インシュリン抵抗性
遺伝子座のものと比較する。候補遺伝子が、インシュリン抵抗性遺伝子座の連鎖
ピーク(前記参照)の10cM以内にある地図位置を占めるならば、この遺伝子
および遺伝子座の地図位置は、一致していると判定される。 【0210】 D.本発明により同定された遺伝子についての病気における役割の確認 i.核酸の細胞または生物への投与 核酸は、ウイルスまたは非ウイルスDNAまたはRNAベクターを用いてトラ
ンスフェクションされてもよい。ここにおいて非ウイルスベクターは、プラスミ
ド、線状核酸分子、人工染色体、およびエピソームベクターを含んでいるが、こ
れらに限定されるわけではない。異種遺伝子の発現は、プラスミドDNAを筋肉
(Wolffら、1990、Science,247;1465−1468;C
arsonら、米国特許第5,580,859号)、甲状腺(Sykesら、1
994、Human Gene Ther.,5:837−844)、メラノー
マ(Vileら、1993、Cancer Res.,53:962−967)
、皮膚(Henggeら、1995、Nature Genet.,10:16
1−166)、肝臓(Hickmanら、1994、Human Gene T herapy ,5:1477−1483)、および気道上皮の暴露後(Meye
rら、1995、Gene Therapy,2:450−460)に注入した
後で観察された。インシュリン抵抗性遺伝子座関連遺伝子活性の候補モジュレー
タをアッセイするのに最も都合のよいものは、培養哺乳類細胞のトランスフェク
ション、および形質転換動物の創造である。細胞トランスフェクションのための
方法および形質転換動物の創造のための方法は、この技術においてよく知られて
いる。有用な細胞または動物(この後者のものは、形質転換個体の生産のため、
あるいは細胞源として有用)には、マウスおよびラット、特に下記のものが含ま
れる。このような動物は、遺伝子座における野生型であってもよいが、候補モジ
ュレータの影響下のこれの発現は研究されなければならない。あるいはまた、本
発明における遺伝子発現研究に有用な動物は、関係のある遺伝子における突然変
異を有していてもよい。 【0211】 ii.動物モデル 前記のように病気のSHR動物モデルは、グルコースおよび脂肪酸代謝、並び
にインシュリンおよびカテコールアミン作用における欠陥の研究において有用で
ある。その他の動物モデルもまた用いることができる。例えばGoto−Kak
izaki(GK)ラットは、インシュリン抵抗性およびインシュリン非依存性
糖尿病を発現させるが、これらの欠陥の遺伝子は位置づけされている(Gaug
uierら、1996、Nature Genetics,12:38−43;
Galliら、1996、Nature Genetics,12:31−37
)。GKラットにおける遺伝子のいくつかは、SHR株におけるSHR代謝欠陥
の基礎となる遺伝子への同族体を有することがある。従ってGK遺伝子の細かい
位置推定、同定、および特徴決定は、SHR代謝欠陥の基礎となる候補遺伝子の
スペクトルの解明に役立ち、これらの遺伝子または同じ機能的または構造的な族
における遺伝子の位置推定後に、SHR遺伝子の同定を補助し得る。本発明にお
いて潜在的に有用な別の動物モデルは、リヨン高血圧ラットである(Dubay
ら、1993、Nature Genetics,3:354−357)。この
ラットモデルもまた、インシュリン抵抗性を示す。肥満(ob)、糖尿病(db
)、アグーチ(Ay)株を含むマウスのいくつかの株も、単一遺伝子突然変異に
よるか、またはいくつかの遺伝子における作用によって、肥満および糖尿病を発
現させる。これらの単一遺伝子肥満症候群における原因遺伝子は、いくつかの症
例において同定されている(ChagnonおよびBouchard,1996
Trends.Genet.,12:441−444において評論されている
)。Cd36は、このような遺伝子の修飾因子として作用するか、あるいはまた
これらが関わっている経路のその他の要素に対して作用し、これによって、これ
に伴うob、db、またはAy表現型を調節し得る。 【0212】 多くの動物モデル、すなわち自然発生のものと実験によって誘発されたものと
のどちらも、多様な心臓血管病を示すことが知られている(Elsnerらによ
る評論、1995、Curr Opin Card,10:253−259;H
ongoら、1997、Trends Cardiovasc Med,7:1
61−167)。このようなモデルは、細胞源としてまたはin vivoで(
例えば形質転換動物における組換え遺伝子の作用を試験することにおいて)、あ
るいは本発明によるCD36活性の候補モジュレータを試験することにおいて、
本発明により同定された遺伝子についての病気における役割を確認するために用
いることができる。一般的にはこれらのモデルは、心臓血管機能を改良する上で
、物質の効率の指標として役立ち得る心拍出量における測定可能な欠失を示して
いる。拡張心筋症のラットモデルは、冠状動脈の狭窄によって生産される(Pf
efferら、1979、Circ.Res.,44:503−512)。同様
にラットにおける肥大性心筋症は、慢性的圧力過負荷によって誘発させることが
できる(Feldmanら、1993、Circ.Res.,73:184−1
92)。アテローム性動脈硬化症は、イヌ、ヒツジ、および霊長類モデルにおい
て研究されている(評論誌については、Constantinides、Exp erimental Atherosclerosis ,New York,E
lsevier,1965;VeselinovitchおよびWissler
,1977,Adv.Exp.Med.Biol.,82:614−622参照
)。 【0213】 これらの動物モデル、またはこれらに由来する細胞は、本発明による機能的試
験を受ける遺伝子の発現のため、並びに本発明による薬剤標的/スクリーニング
に有用である。例えば高脂肪の食餌を与えられた時、前記動物モデルは、アテロ
ーム硬化プラークを発現させる。特に有利な薬剤スクリーニングアッセイは、試
験動物および対照動物にこのような食餌を与えること、脂肪酸代謝またはインシ
ュリン作用の候補モジュレータを、これらの試験動物に投与すること、次いでこ
れらの試験動物におけるプラーク蓄積または減少と、同様なえさが与えられてい
たが、候補モジュレータは与えられていなかった対照動物とを比較することが含
まれる。試験集団と対照集団との間のプラーク蓄積における少なくとも10%、
好ましくは少なくとも20%の差は、本発明による候補モジュレータの効力の指
標となるものである。野生型動物および細胞も、本発明による薬剤スクリーニン
グアッセイ、および病気診断、および治療において用いられる。さらに形質転換
動物は、遺伝子発現研究および薬剤標的/スクリーニング実験に用いられる。こ
のような動物は、考察されている遺伝子に対して野生型または突然変異遺伝的背
景を有する個体に由来してもよい。 【0214】 あるいはまた候補モジュレータは、前記のような病気のモデルになる動物に投
与されるが、これらの動物は正常に維持されていたものである(例えば高脂肪の
食餌が与えられたものではない)。同様にこの病気のモデルとなっている対照動
物には、薬剤キャリアのみが与えられており、候補モジュレータを含むキャリア
と同様に投与されている。試験動物への候補モジュレータの投薬計算および投与
は、下記のように実施される。処理済み動物は、これらの病態生理学的条件の改
良について監視される。対照に対して処理済み動物における少なくとも10%、
好ましくは少なくとも20%の臨床病的指標の改良は、本発明によるCD36媒
介活性の候補モジュレータの効力を示している。 【0215】 動物全体も細胞も含まないスクリーニング系は次に別に記載される。これらは
、細胞溶解産物、並びに完全に非細胞の(例えば媒質中に例えば生理学的に適合
性の緩衝液または酵素反応緩衝液のようなアッセイ成分を有するか、あるいは固
体または半固体支持体(例えばゲル、フィルター、およびシリカ支持体を含むが
これらに限定されない)上に固定化されたアッセイ成分を有する)ものを含むア
ッセイ系を含んでいる。 【0216】 iii.機能の酵素アッセイ 本発明により位置づけされた遺伝子が、インシュリンまたは脂肪酸代謝におい
てどの程度機能するかを、次の技術を含むがこれらに限定されない方法によって
生化学的にアッセイすることができる。すなわちこれらの技術は、下記のような
細胞または動物モデルにおいて実施されたスクリーニングアッセイにおける候補
薬剤の効力、あるいは本発明による病気治療の療法の成功の評価においても等し
く用いられる。このようなアッセイは、動物モデルまたは細胞について次に記載
されているように、ヒト被験者から得られた生物サンプルに対して実施すること
ができる。 【0217】 グルコース摂取アッセイ 試験ラットの腹膜後脂肪足からの脂肪細胞を、別で記載されているように調製
する(Rodbell,1964,J.Biol.Chem.、239:375
−380)。但し、すべてのインキュベーションにおいて、CaCl(1ミリ
モル/l)およびアデノシン(200nモル/l)を含むHEPESベース緩衝
液が用いられる。非固定脂肪細胞の容積および数を、Multisizer I
I(Coulter)を用いて測定する。脂肪細胞は、細胞回収を可能にするた
めに1mlあたり約10の固定細胞密度まで希釈され、30分間予備インキュ
ベーションされる。 【0218】 インシュリン媒介グルコース摂取を、記載されているような(Reaven、
1989c、上記)オスのラットからの単離された腹膜後脂肪細胞において測定
する。但しインキュベーションは、アデノシンデアミナーゼ(l単位/ml)、
フェニルイソプロピルアデノシン(25nモル/l)、および[14C]−標識
D−グルコースのトレーサ(300nモル/l)量を、インシュリンと共にまた
はこれを伴なわずに(50,000pモル/l)含んでいる。インキュベーショ
ンは、このインキュベーション媒質をシリコーン油を通してスピンさせて終了す
る。次いで脂肪細胞を洗浄し、組込まれた[14C]−グルコースをシンチレー
ションカウンター(Beckman)で計数する。 【0219】 各足の対照インキュベーションは、サイトカラシンB(20μM)、または[14 −C]D−グルコースの代わりに[14−C]L−グルコースで実施する。
サイトカラシンBまたはL−グルコースでのインキュベーションは、一般的には
基礎D−グルコース摂取の20%未満を示し、インシュリンでの増加は示さない
。基礎および最大限のグルコース摂取は、各々の足について複製法で測定され、
この脂肪足についてのサイトカラシン対照についての値を差引いた後、1細胞あ
たりの[14−C]D−グルコースの蓄積として計算される。典型的な結果は、
連続的な動物の左足および右足について高度に相関しており、従って左足および
右足の平均値が、ある一定の動物についての表現型の値として考えられる。 【0220】 脂肪分解アッセイ 脂肪組織を、グルコース摂取アッセイについて前記されているように調製する
。別々の反応において、脂肪細胞を、45分間イソプロテレノールを用いてまた
は用いずに(200nモル/l)インキュベーションする。下澄みのNEFA濃
度を、酵素比色分析アッセイ(WAKO NEFA−Cキット、Alpha L
aboratories、UK)によって測定し、左足および右足の平均値を、
その動物の表現型値として考える。 【0221】 CD36活性およびこれのモジュレータについての細胞ベーススクリーニング アッセイ CD36の生物学的作用を調節する化合物を同定するために、既知のリガンド
のCD36への結合に影響を与える化合物を捜すことができる。公開されている
データでは、CD36タンパク質が、あるいくつかの遊離脂肪酸(Abumra
dら、1993、J.Biol.Chem.24:17665−17668)お
よびいくつかのリポタンパク質錯体(Endemannら、1993、J.Bi ol.Chem. 268:1181−11816)に対する細胞受容体および輸
送体であることを示している。CD36に対して向けられている抗体は、これら
のリガンドの結合および摂取を妨げることが証明されている。これらのCD36
リガンドの摂取は、内生あるいは組換えCD36を発現する細胞系において測定
された(Abumradら、1993、上記;Endemannら、1993、
上記)。多様な細胞型が、CD36を発現することが証明されている。これには
、心筋細胞、脂肪細胞、単核細胞、および骨格筋細胞が含まれる(Ibrahi
miら、1996、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,9
3:2646−2651;van Nieuwenhovenら、1995、 BRC 、207:747−752)。CD発現がまったくない細胞系は、CD3
6を発現させるDNA構成体でトランスフェクションされ、この結果、脂肪酸お
よびリポタンパク質リガンドの結合および摂取においてより効率的な細胞を生じ
る(Endemannら、1993、上記:Abumradら、1993、上記
)。このような細胞型は、CD36に結合する物質の同定のための細胞ベースア
ッセイ系において用いられる。これによってこれらの物質は、本発明によるCD
36媒介活性のモジュレータまたは候補モジュレータである。 【0222】 1つのこのようなアッセイにおいて、酸化低密度リポタンパク質(oxLDL
)のCD36発現細胞への結合を阻害する能力について、試験化合物を評価する
。CD36を発現しないヒト293細胞を、CD36をコードする発現ベクター
でトランスフェクションさせる。mRNA発現は、この技術で知られているいく
つかの調節成分によって制御されている。これらのうち1つの非限定的な例は、
既に記載されているようなサイトメガロウイルス(CMV)のLTRプロモータ
である(Stantonら、1992、J.Biol.Chem.,267:2
2446−22451)。対照として293細胞が、CD36遺伝子を欠いてい
るDNAベクターでトラスフェクションされる。安定的にトランスフェクトされ
た293細胞系は、CD36を発現するクローンを確立するために通常の方法で
選択され、負(ベクターのみ)の対照細胞系も選択される。細胞を、アッセイ用
96ウエルミクロ滴定プレートに植付ける。放射標識oxLDLリガンドを、本
質的には記載されているように調製する(Stantonら、1992、J.B iol.Chem. 267:22446−22451)。要するに、100−5
00cpm/タンパク質ngの特異的活性に対する一塩化ヨウ素方法(Cont
rerasら、1983、Methods Enzymol.,92:277−
292)を用いて、LDLを放射ヨウ素化する。125I−oxLDLを発生さ
せるために、125I−LDLの酸化を、37℃で44時間、5μMCuSO の存在下におけるインキュベーションによって実施する。CD36発現細胞およ
び対照細胞を、37℃で2時間、血清を含まない細胞培養媒質中において125 I−oxLDLでインキュベーションする。試験化合物は、一般的には1〜10
0μMの濃度において、細胞およびリガンドと共に同時インキュベーションされ
る。次いで、非結合リガンドを除去するために、細胞をPBSで3回洗浄する。
各々のウエルにおける放射能を計数して、125I−oxLDLの結合度を確立
し、どの化合物がCD36とのoxLDL相互作用を阻害または強化するかを決
定する。ヒトCD36に特異的なモノクローナル抗体(例えばOKM5;Tal
leら、1983、Cellular Immunol.,78:83−99参
照;これもColumbia Diagnostics,Pleasanton
,CAから商品として入手可能である)は、リガンド結合の阻害についてのアッ
セイにおける対照として役立つ。 【0223】 CD36活性の別のアッセイにおいて、Abumradらによって本質的に記
載されているように脂肪酸の結合および摂取を改変する能力について化合物を試
験する(1991、Am.J.Physiol.,261:E76−E86)。
CD36を発現する発現ベクターでトランスフェクトされたヒト293細胞、お
よびベクターのみ(すなわち同じベクターであるが、CD36遺伝子を発現しな
いもの)でトランスフェクトされた対照細胞を、H−オレイン酸脂肪酸リガン
ドでインキュベーションする。細胞+このリガンドを、1−100μM濃度で存
在する試験化合物で、4時間室温で、Krebs―RingerHEPES(K
RH)緩衝液pH7.4中でインキュベーションする。この反応は、氷冷KRH
緩衝液の添加によって終了させ、細胞をKRHで2回洗浄し、次いで0.1N
NaOH中の細胞溶解を行う。H−オレイン酸脂肪酸の摂取は、シンチレーシ
ョン計数によって決定する。細胞による脂肪酸摂取を実質的に(すなわち少なく
とも10%、好ましくは少なくとも20%)阻害または強化する物質は、本発明
によるCD36活性の候補モジュレータとしてさらなる研究のために選択される
。 【0224】 CD36によって媒介される生物活性を調節する物質についての追加アッセイ
では、CD36媒介輸送によって細胞に入った脂質に応答する遺伝子の転写にお
ける変化を調べる。酸化低密度リポタンパク質(oxLDL)のCD36を通じ
た摂取は、PPARγ―依存性転写を活性化することが証明された(Nagyら
、1998、Cell,93:229−240;Tontonozら、1998
Cell,93:241−252)。PPARγは、脂質代謝の転写調節剤と
して作用する核受容体である(Tontonozら、1994、Cell,79
:1147−1156)。PPARγによって調節されたいくつかの遺伝子が同
定された。これらには、脂肪酸結合タンパク質aP2、ホスホエノールピルビン
酸カルボキシキナーゼ、リポタンパク質リパーゼ、脂肪非カップリングタンパク
質UCP1、およびCD36が含まれる。9−HODEおよび13−HODEを
含む、PPARγを活性化する脂質は、CD36によって細胞に送り出され、C
D36発現は、PPARγ活性化によって上昇する。CD36に標的された試験
化合物の作用は、PPARγ経路を通って脂質によって調節される遺伝子の応答
を評価することによって監視することができる。レポータ構成体は、この明細書
の別のところに記載されているようにこの技術でよく知られている方法によって
、CD36リガンドによって誘発された遺伝子発現における変化の監視を容易に
するために、遺伝子プロモータおよび脂質応答遺伝子の調節領域をレポータ遺伝
子に、例えば蛍ルシフェラーゼ遺伝子、またはクロラムフェニコールアセチルト
ランスフェラーゼ遺伝子に融合させて生産する。CD36を発現する細胞は、レ
ポータ構成体での標準的方法によってトランスフェクションし、次いでCD36
依存的に遺伝子発現を調節するこれらの能力について物質を試験するためにアッ
セイにおいて用いる。この技術でよく知られており、かつ、ここに記載されてい
る転写アッセイのこれらの種類は、数千の試験化合物の急速スクリーニングに用
い得る。 【0225】 E.本発明による薬剤スクリーニング i.本発明における薬剤標的 前記のように、インシュリン作用、グルコース代謝、脂質代謝または摂取、ま
たはカテコールアミン作用における前記のような欠陥にリンクした病気に対する
効力について、候補治療用化合物をスクリーニング(同定およびアッセイ)する
のに本発明は有用である。突然変異体または野生型ヌクレオチド配列またはこれ
らの断片、インシュリン抵抗性遺伝子座1〜4のうちの1つにリンクした遺伝子
の断片、並びにこのような配列または断片によってコードされたアミノ酸配列を
用いて、多様な薬剤スクリーニング方法が、本発明に従って実施される。 【0226】 これらの方法によれば、このような試験に用いられる標的突然変異体または野
生型核酸、タンパク質産物または断片は、溶液中に遊離しているか、あるいは固
体支持体に付着されるか、あるいは細胞の表面上に発現されるか、あるいは細胞
内に位置していてもよい。このことは同様に、これがインシュリン抵抗性遺伝子
座にリンクされている核酸であるにせよ、ポリペプチドであるにせよ、考察され
ている候補薬剤に当てはまる。生きている細胞が用いられるならば、これらは培
養されてもよく、あるいはまた単離(例えば外植)されてもよく、あるいは多細
胞生物から構成されていてもよい。 【0227】 本発明による薬剤スクリーニングに特に好ましい標的は、それぞれラットおよ
びヒトのCd36およびCD36遺伝子である。下記のようにラットCd36遺
伝子は、インシュリン抵抗性遺伝子座1にリンクされ、この遺伝子座における突
然変異は、自然発生高血圧ラットにおける脂質代謝における欠陥にリンクされて
いる。同様に、糖尿病、インシュリン抵抗性、および冠状心臓病のリスクにリン
クされているヒトCD36遺伝子において突然変異が発見された。突然変異体ま
たは野生型Cd36またはCD36核酸配列またはこれらの断片、あるいは突然
変異体または野生型Cd36またはCD36タンパク質またはこれらの断片は、
下記の方法を含むがこれらに限定されるわけではない方法によって、標的あるい
は候補薬剤として、本発明のスクリーニングアッセイに有利に用いることができ
る。 【0228】 ii.本発明に用いられる候補薬剤 前記のようにインシュリン抵抗性遺伝子座の1つまたはそれ以上の中に同定遺
伝子を有するので、潜在的治療剤を、このような1つまたは複数の遺伝子または
これらの産物の活性を調節するこれらの能力について試験することができる。遺
伝子の活性は、転写のそのレベル、分配、またはタイミングを測定することによ
って、あるいはそのコードされた核酸産物(例えばメッセンジャーまたはその他
のRNA分子)のサイズ、配列、プロセシング、または安定性、またはコードさ
れたタンパク質の存在または不存在を(例えば免疫学的に)測定することによっ
て評価することができる。さらにはタンパク質の活性(例えば酵素活性、シグナ
ルカスケードにおける役割、受容体/リガンド結合相互作用等)をアッセイする
ことができる。数多くの酵素アッセイがこの技術で知られている。このようなタ
ンパク質は、本発明により同定された標的遺伝子の産物であってもよく、あるい
はまたこのようなタンパク質は別の遺伝子によってコードされてもよいが、標的
遺伝子の作用に応答して生産または活性化されてもよい。これは、次に簡単に記
載されるように、in vivoあるいはin vitroで実施されてもよい
。 【0229】 核酸配列によって有用にコードされ得るインシュリン抵抗性遺伝子座関連遺伝
子の候補モジュレータ;あるいはまたタンパク質またはその他の物質を直接投与
してもよい(下記参照)。有用なタンパク質には、核タンパク質、細胞質タンパ
ク質、ミトコンドリアタンパク質、分泌されたタンパク質、原形質膜関連タンパ
ク質、受容体、酵素、リガンド、調節因子、構造タンパク質、血清タンパク質、
ホルモン、成長因子、神経伝達物質、酵素、凝固因子、アポリポタンパク質、薬
剤、腫瘍タンパク質、腫瘍抗原、腫瘍サプレッサー、ウイルス抗原、細菌抗原、
原生動物抗原、および寄生体抗原、リポタンパク質、糖タンパク質、およびリン
タンパク質が含まれるが、これらに限定されるわけではない。有用な核酸は、前
記のようなタンパク質をコードすることもあり、あるいはその代わりに、これら
自体が核酸であるモジュレータをコードすることもある(例えばRNA、例えば
リボザイムまたはアンチセンス核酸)。組込むことができる化合物は、ある一定
の産物をコードする核酸配列の有効性によってのみ限定される。当業者なら、よ
り多くのタンパク質およびポリペプチドが同定されるようになる時、これらの対
応する遺伝子が、選ばれた遺伝子発現ベクターにクローンされ、前記のような受
容体生物の組織、例えば哺乳類組織(ヒト組織を含む)に投与され、この組織に
おいて発現され得ることが容易に分かるであろう。 【0230】 本発明によりスクリーンされ得る候補モジュレータは、試験細胞または生物が
欠損している物質、あるいは正常以上の濃度において臨床的に効果的な物質、並
びに望まれないタンパク質の翻訳を排除するように設計されたものを含んでいる
。本発明に従って使用される核酸は、受容体の欠失産物または機能の代わりにな
るかまたはこれを強化する候補モジュレータをコードし得るのみならず、その代
わりに欠失タンパク質を排除する産物を排除またはコードし得る。このような核
酸配列は、アンチセンスRNAおよびリボザイム、並びにこれらをコードするD
NA発現構成体である。アンチセンスRNA分子、リボザイム、またはこれらを
コードする遺伝子は、下記のようなこの技術で知られている核酸送り出し方法に
よって試験細胞または生物に投与されてもよい。核酸配列の不活性化は、標的m
RNAに特異的なリボザイムまたはアンチセンスRNAをコードし得る。ハンマ
ーヘッド綱のリボザイムは、知られているうちで最も小さいものであり、in
vitro合成と細胞への送達との両方に役立つ(Sullivan、1994
J.Inves.Dermatol.,103:85S−98S;Usman
ら、1996、Curr.Opin.Struct.Biol.、6:527−
533によって要約されている)。 【0231】 さらには合成または天然化合物の大きいライブラリーからの候補モジュレータ
化合物をスクリーンすることができる。現在数多くの手段が、糖類、ペプチド、
および核酸ベースの化合物のランダムまたは直接合成に用いられている。合成化
合物ライブラリーは、Maybridge Chemical Co.(Tre
villet,Cornwall,UK)、Comgenex(Princet
on,NJ)、Brandon Associates(Merrimack,
NH)、およびMicrosource(New Milford,CT)を含
むいくつかの会社から商品として入手し得る。珍しい化学ライブラリーが、Al
drich(Milwaukee,WI)から入手し得る。組み合わせライブラ
リーは入手可能であるが、合成することもできる。あるいはまた、細菌、菌類、
植物抽出物、および動物抽出物の形態の天然化合物のライブラリーが、Pan
Laboratories(Bothell,WA)、またはMycoSear
ch(NC)から入手し得る。あるいはこの技術でよく知られている方法によっ
て容易に生産可能である。さらには天然および合成的に生産されたライブラリー
および化合物は、通常の化学的、物理的、および生化学的手段によって容易に修
飾される。 【0232】 有用な化合物は、数多くの化学綱の中に見ることができる。但し、一般的には
これらは有機化合物であり、好ましくは小さい有機化合物である。小さい有機化
合物は、50ダルトンよりも大きいが、約2,500ダルトンよりも小さい、好
ましくは約750ダルトンよりも小さい、より好ましくは約350ダルトンより
も小さい分子量を有する。これらの綱の例には、複素環、ペプチド、糖類、ステ
ロイド等が含まれる。これらの化合物は、効力、安定性、製薬適合性等を高める
ために修飾されてもよい。1つの物質の構造的同定は、追加物質を同定するか、
発生させるか、またはスクリーンするために用いることができる。例えばペプチ
ド物質が同定された場合、これらは安定性を高めるために、多様な方法で、例え
ば非天然アミノ酸、例えばD−アミノ酸、特にD−アラニンを用いて、アミノま
たはカルボキシル末端を官能化することによって、例えばアミノ基の場合、アシ
ル化またはアルキル化によって、およびカルボキシル基の場合、エステル化また
はアミド化等によって修飾することができる。 【0233】 本発明に有用な核酸、タンパク質、またはペプチドの製造方法 タンパク質(例えばインシュリン抵抗性遺伝子座、別のタンパク質、またはこ
れの断片にリンクされている遺伝子の産物であってもよい、前記のようなモジュ
レータ)または関係のある核酸(例えばアンチセンスRNAまたはリボザイム)
をコードする配列は、この技術で知られている化学的方法を用いて全部または一
部合成されてもよい(Caruthersら、1980、Nucleic Ac ids Res.Symp.Ser. 、7:215;Hornら、1980、 ucleic Acids Res.Symp.Ser. 、7;225;など参
照)。このように合成された核酸は、単独であれ、あるいは追加の調節および/
またはベクター配列に連結されているにせよ(下記参照)、受容体哺乳類に直接
投与されてもよく、あるいは所望の最終産物を生じるために転写および/または
翻訳のための遺伝子発現系(例えば形質転換またはトランスフェクトされた細胞
または無細胞系、例えばウサギの網状赤血球溶解産物)に入れられてもよい。あ
るいはまたタンパク質またはこれの一部分は、化学的合成方法を用いて生産する
ことができる。例えばペプチド合成は、様々な固相技術を用いて実施することが
でき(Robergeら、1995、Science,269:202)、自動
合成は、例えば製造業者によって与えられる指示に従ってABI431Aペプチ
ド合成器(Perkin Elmer)を用いて実施することができる。 【0234】 新たに合成されたタンパク質またはペプチドは、この技術で知られているクロ
マトグラフィ手順、例えば分取高性能液体クロマトグラフィ(例えばCreig
hton,1983,Proteins,Structures and Mo lecular Principles ,WH Freeman and Co
.,New York,NY)、または二次元ゲル電気泳動法によって実質的に
精製することができる。次いで、これも同様に標準的方法、例えばマススペクト
ロメトリ(例えば液体クロマトグラフィ/電子スプレーイオン化/イオントラッ
プ縦列マススペクトロメトリ)あるいはEdman分解(Creighton,
1983、上記参照)によって、単離されたタンパク質の組成が決定される。さ
らには関係するアミノ酸配列またはこれらの一部を、直接合成の間に改変し、お
よび/または化学的方法を用いて他のタンパク質またはこれらの一部からの配列
と組み合わせて、変異型ポリペプチドを生産してもよい。 【0235】 より大きいアミノ酸配列、例えば完全なまたは端が切り取られたポリペプチド
を作るために、関係するタンパク質またはその機能的同等物をコードするヌクレ
オチド配列を、適切な発現ベクター、すなわち挿入されたコーディング配列の転
写および翻訳に必要な要素を含むベクターの中に挿入する。 【0236】 タンパク質エンコーディング配列を含む発現ベクターおよび適切な転写または
翻訳対照を構成するために、当業者によく知られている方法を用いることができ
る。これらの方法には、in vitroクローニング方法、in vivo組
換え、および遺伝子組換えが含まれるが、これらに限定されるわけではない。こ
のような方法はこの技術でよく知られている(Ausubelら、1995、上
記;Sambrookら、1989、上記参照)。 【0237】 投与量 本発明において投与される組成物の治療的有効量は、とりわけ、組成物の細胞
摂取の効率、投与スケジュール、投与される単位用量、これらの組成物が他の治
療薬と組み合わせて投与されるかどうか、受容体の健康、および特定のタンパク
質またはその他の製薬物質の治療活性によることは当業者には明白であろう。 【0238】 本発明に従って投与された核酸にも当てはまるが、投与される必要があるタン
パク質またはその他の製薬物質の正確な量は、実施者の判断に依るものであり、
限定された範囲の値内で各被験者に固有のものであってもよい。タンパク質また
はその他の物質の適切な用量は、すぐ下に示されているように計算されてもよい
(または下記参照)。 【0239】 動物モデル、例えば前記のようなものを、インシュリン抵抗性遺伝子座関連遺
伝子活性の調節におけるタンパク質またはその他の物質の多様な用量の有効性を
アッセイするために用いることができる。ある一定の治療用組成物の場合、臨床
状況において有用であるが比較的安全な適切な範囲の投与量を確立することが必
要である。ヒト被験者において本発明を使用する前に、投与曲線を確立するため
に動物モデルを用いることができる。あるいはまた本発明によって有用な製薬物
質に既に当局の承認が与えられているならば、ヒトおよびその他の哺乳類につい
ての投薬許容性の許容し得る上限は、その他の臨床使用に有用な全身的濃度のよ
うに、試験前にこれらの薬剤について既に確立されていると考えられる。これら
の既知の投与量は、動物モデルの使用前にこれに基づいて計算がなされ得るベー
スとして用いることができる。 【0240】 ii.インシュリン抵抗性遺伝子座関連遺伝子機能の候補モジュレータのin vivoアッセイ インシュリン抵抗性遺伝子座が同定される連鎖研究の間に、SHRモデルにお
けるいくつかのパラメータ(全体的な体重、脂肪足重量、脂肪細胞容積、最大の
グルコース摂取、増分グルコース摂取、最大/基礎グルコース摂取、絶対NEF
A分泌、および増分グルコース分泌)を、これらの動物、およびWistar
Kyoto(WKY)およびBrown Norway(BN)株の正常ラット
から得られた、単離された脂肪細胞においてアッセイした。SHRへの候補モジ
ュレータの投与に続いて、これらのパラメータの1つまたはそれ以上を、処理さ
れた動物対未処理対照における変化について監視してもよい。 【0241】 前記のものを含むがこれらに限定されない細胞および/または動物モデルにお
ける予備試験に続いて、安全かつ効果的に見えるインシュリン抵抗性遺伝子座に
リンクされたCD36またはその他の遺伝子の機能の候補モジュレータを、本発
明による病気治療における使用への承認前にヒト被験者において試験してもよい
。投与量は、細胞または動物被験者において有効であることが分かっているmg
/kg投与量をベースとして、ヒト被験者の体重に依って、さらには当業者の一
人、例えば医師または臨床研究者によって判断された、ヒト被験者の要因、例え
ば年齢、性、または肉体的状態を考慮に入れて計算される。次いで、下記の分子
的および生化学的基準によって、あるいはこの候補薬剤が照準を当てている病気
に対して特定の臨床的指標における変化について、ヒト被験者を監視する。この
ような指標には、インシュリン、グルコース、トリグリセリド、脂肪酸、および
高密度リポタンパク質コレステロールの血液レベル;非常に低い密度のリポタン
パク質コレステロール、トリグリセリド、およびアポB、および中間的密度リポ
タンパク質を含むリポタンパク質画分および細画分における脂質レベル;および
低密度リポタンパク質粒子のサイズおよび密度が含まれるが、これらに限定され
るわけではない。脂質、グルコース、およびインシュリンの変数は、グルコース
「負荷」後または混合食後、絶食状態で測定されてもよい。前記変数の24時間
プロフィールを調べてもよい。これらの結果を、有利には本発明に従って用いる
ことができる。ヒトにおける動脈硬化症の証拠は、動脈、例えば頚動脈の超音波
画像化、および冠状画像化によって検出することができる。これには、血管造影
および超高速コンピュータ化トモグラフィーを含むがこれらに限定されるわけで
はない。さらには、体重、血圧、あるいはインシュリン作用、グルコース代謝、
脂質代謝、またはカテコールアミン作用に関連したその他の機能、あるいは患者
の全体的な健康が評価されてもよい。ヒト被験者を利用することが必要なこれら
のスクリーニングアッセイは、承認された規制ガイドライン下に実施される。こ
れには、研究被験者からのインフォームドコンセントの入手、この研究に入る前
の完全な肉体的および病歴的評価、薬剤の効力と安全性(有害な副作用の不在)
との両方を評価するためのスクリーニングの進行中全体にわたる臨床的監視、お
よび候補薬剤の長期作用(もしあれば)を検出するための追跡調査が含まれる。 【0242】 候補モジュレータは、通常の薬剤投与プロトコルによって、好ましくは動物使
用および看護のための承認されたガイドラインに従うプロトコルによって投与さ
れると考えられる。本発明によるインシュリンまたは脂肪酸代謝の候補モジュレ
ータを送り出すために有利に用いることができる薬剤送達方法および投与量は、
次に記載されているものを含むが、これらに限定されるわけではない。 【0243】 候補モジュレータ化合物の投与 a.全身 全身への薬剤送達方法はこの技術でよく知られている。これらの方法には、静
脈内ドリップまたは注入、皮下、筋肉内、腹膜内、頭蓋内、および脊椎注入、経
口経路による摂取、吸入、上皮経由拡散(例えば薬剤が含浸された接着剤パッチ
によるもの)、あるいは外生的に生産されたモジュレータの貯蔵器を含んでいる
か、あるいはその代わりに調節物質を生産および分泌する細胞を含んでいてもよ
い、インプラント可能な徐放性薬剤送達装置の使用が含まれるが、これらに限定
されるわけではない。注射は、通常の手段によって(すなわち皮下注射針を用い
て)、あるいはハイポスプレーによって実施することができる(Clarkeお
よびWoodland,1975、Rhumatol.Rehabil.,14
:47−49参照)。 【0244】 本発明のスクリーニングアッセイへの核酸の導入方法には、無細胞アッセイ系
への核酸分子の単純付加、細胞内へのトランスフェクションまたは形質転換、ま
たは形質転換技術を含む前記手段による多細胞動物例えば哺乳類への導入が含ま
れる。核酸分子を細胞または動物まるごとに送り出す方法は、この技術において
よく知られている(前記パートD、セクションi参照)。例えば関連するコーデ
ィング配列と適切な調節シグナルとを接合させるのに必要な分子クローニング方
法である(下記参照)。前記のように、薬剤標的のため、あるいは本発明による
候補薬剤として使用するのに特に好ましい核酸配列は、野生型または突然変異体
ラットCd36またはヒトCD36タンパク質の全部または一断片をコードする
もの、並びにCd36またはCD36転写にハイブリッドされる核酸配列、例え
ば突然変異体Cd36またはCD36mRNAの翻訳を妨げるために用い得るよ
うな、これらの配列に特異的なアンチセンス分子またはリボザイムである。 【0245】 b.局所 候補モジュレータを含む局所組成物は、次に要約されているいくつかの物理的
形態のどれを取っていてもよい。 【0246】 液体、例えばチンキまたはローション。これは、注ぐか、滴下するか、あるい
は「塗りつける」(すなわち手で、またはブラシまたはその他の塗布器、例えば
へらで広げる)ことにより広げることができる。 【0247】 軟膏またはクリーム。これは、手で、またはブラシまたはその他の塗布器(例
えばへら)で広げるか、あるいは容器例えば押出しチューブから、ノズルまたは
その他の小さい開口部を通して押出すことができる。 【0248】 乾燥粉末。これは、潜在的なまたは実際の腫瘍細胞成長部位の上に振りかける
か、篩ってかけるか、あるいはまた噴霧スプレーとして付けることができる。 【0249】 液体ベースエアロゾル。これは、圧力駆動スプレー瓶(例えば握りしめて活性
化されるもの)、自然な噴霧器(または圧縮推進剤を用いずに作用する「ポンプ
スプレー」瓶)、または加圧キャニスターを含む群から選ばれた容器からディス
ペンスすることができる。 【0250】 カーボワックスまたはグリセリン調製物、例えば座薬。これは、モジュレータ
の直腸または膣投与に用いることができる。 【0251】 吸入による薬剤送達は、局所用(すなわち肺の内側表面に)でも全身分配用で
も、この技術でよく知られている。特に、その本来の活性をin vivoに保
持するように、タンパク質をエアロゾル吸入によって送り出すことができること
が証明されている(Hubbardら、1989、J.Clin.Invest ,84:1349−1354)。 【0252】 候補モジュレータの投与 投与量は、全身用量に基づいて計算される。血清中のある一定のモジュレータ
の本来の活性の半減期を考慮に入れると、平均循環投与量は、体重1kgあたり
10μg〜100mgであってもよい。好ましくはこれは1kgあたり100μ
gから10mgである。次いで、選ばれたキャリア組成物中のモジュレータの濃
度を、必要とされる投与量が都合のよい容積で送り出されるように調節する。出
発投与量または出発投与量の範囲を選ぶことは当業者の知識の範囲内にある。効
果がまったく見られないならば、1つまたは複数の出発投与量の上下の4つの位
数規模内にある投与量を試みる。 【0253】 一般に核酸分子は、投薬配合物と適合する方法で、および予防的および/また
は治療的に効果的であるような量で投与される。最終産物(例えばアンチセンス
RNA分子またはリボザイム)が直接投与された時、投与される投与量は、分子
の摂取の効率のための補正因子と共に、1細胞あたり必要とされる量、および処
理される細胞の数に正比例する。遺伝子が、核酸分子から発現されなければなら
ない場合、関連転写調節配列の強度も、コードされた産物の適切なレベルを結果
として生じる1標的細胞あたりの核酸分子数を計算する上で考察されなければな
らない。適切な投与量範囲は、遺伝子発現構成体が投与される場合、単一用量に
おいて核酸0.5〜1μg、または1〜10μg、または場合によっては10〜
100μg程度である。1mgまでの投与量が有利に用いられ得ると考えられる
。1細胞あたりのモル当量数は、この構成体のサイズと共に様々であり、用いら
れるDNAの絶対量は、大きい構成体が研究被験者または患者に投与された時、
適切な遺伝子コピー数を確保するためにこれに応じて調節されるべきであること
に留意のこと。最初の概算として、1細胞あたり1〜10コピーの核酸分子当量
の量が送り出されるべきである。当業者は、核酸摂取を最適化するのに必要な標
的において、核酸分子対細胞の比を調節することができる。 【0254】 用いられるタンパク質またはその他の治療薬の量を考察する場合、標的部位、
組織、または細胞において所望の程度の活性を与える最低用量を用いるべきであ
る;あり得る副作用の可能性を最小限にするために、低い用量が有利であろう。
有用な投与量は一般に、約1μg〜100mg/体重kgの範囲にある。候補薬
剤がペプチドまたはポリペプチドである場合、一般的には1用量あたり約100
〜500μg/mlの範囲で投与される。本発明において投与される組成物の生
物学的または治療的に有効な量は、とりわけ、組成物の細胞摂取の効率、投与ス
ケジュール、投与される単位用量、これらの組成物が他の治療薬と組み合わせて
投与されるかどうか、受容体の健康、および特定のタンパク質またはその他の製
薬物質の治療活性に依ることは当業者には明白であろう。本発明によるスクリー
ニングまたは治療のために投与された核酸にも当てはまるが、投与される必要が
あるタンパク質またはその他の製薬物質の正確な量は、実施者の判断に依るもの
であり、限定された範囲の値内で各被験者に固有なものであってもよい。 【0255】 その際インシュリンまたは脂肪酸代謝に対する効果が見られないならば、この
候補モジュレータは、効果がないと見なされる。アッセイされるパラメータのう
ちの1つまたはそれ以上について、基礎(治療前)値と治療後の値との間に少な
くとも20%の変化が見られるならば、この候補物質は効果があると判定される
。 【0256】 候補モジュレータの薬理学的製剤 液剤、軟膏および液体をベースとしたエアロゾルの場合、好ましい溶媒は、阻
害剤の活性を保存し、組成物と接触させる細胞の浸透圧変化を回避する、生理学
的塩レベルを模擬した、イオン平衡を有する水性媒体である。かかる媒体の実施
例は、イオン強度の低い生理食塩水溶液または他の生理学的に適合性の緩衝液で
ある。本明細書に使用した「生理学的に適合性の緩衝液」または「生理学的緩衝
液」という用語は、生細胞と接触させて置いた場合に、数分間、数時間または数
日間におよび細胞の生存を可能とする液体組成物と定義する。従って、生理学的
緩衝液は、細胞と実質的に等張性であり、よって細胞容量は、内部および外部イ
オン強度の差異により20%以上は変化しない。生理学的に適合性の緩衝液また
は生理学的緩衝液の非制限的な実施例は、緩衝化し得る希釈生理食塩水(例えば
、HANKSの緩衝食塩水またはリン酸緩衝溶液)、または他の生理学的塩(例
えばリンガー液)、希グルコース、スクロースまたは他の糖、塩または糖を含む
または含まない希グリセロール、当分野で公知の細胞培養培地、血清および血漿
を含む。 【0257】 脂質、他の炭化水素、フルオロカーボンまたはハロゲンをベースとした媒体も
、それらが生理学的塩平衡を維持するように調合する。 【0258】 タンパク質または炭水化物を含む乾燥粉末は、沈降物の空気乾燥により、また
は凍結乾燥により製造し得、候補モジュレータは、乾燥粉末としてまたは結晶と
して商業的に公知であり入手可能である有機または無機塩である場合もある。ど
ちらの場合でも、操作を簡便にするために、候補モジュレータを、当分野で一般
的に知られる増量剤と配合することが望ましい。 【0259】 グルコースもしくは脂肪酸の代謝またはインシュリンもしくはカテコールアミ
ンの作用に関連した遺伝子活性のモジュレータは、タンパク質、炭水化物、核酸
または他の生分解性基質(例えば、有機または無機化合物)を含み得、それゆえ
、投与経路に応じて、少なくともそれらが標的に到達するまで、医薬分野で公知
の方法により、それを分解(例えば、消化酵素、酸および塩基による)から保護
するようにカプセル化または緩衝化することが必要であり得る。 【0260】 i.インシュリン抵抗性遺伝子座に関連した遺伝子機能の候補モジュレータの in vitroアッセイ インシュリン抵抗性遺伝子座に連関したモジュレータのスクリーニング 本発明により同定した遺伝子は、薬剤標的として作用し得る。有用なスクリー
ニング法は、遺伝子の転写を、候補薬剤の存在下または非存在下でモニタリング
するという方法を含み、この場合、遺伝子の活性は、分子手段(例えば、天然遺
伝子またはその調節領域から誘導されるマーカー遺伝子のノザン解析、原位置ハ
イブリッド形成または定量PCR)または生化学的/免疫学的技法(例えば、遺
伝子産物のウェスタンまたは免疫組織化学的検出、または遺伝子産物の機能的ア
ッセイ−例えば、コードされた産物が酵素、受容体等である場合)により評価し
得る。これらの手順の選択は以下に記載する。 【0261】 薬剤スクリーニングアッセイは、細胞非含有遺伝子発現系、細胞抽出物を含む
遺伝子発現系、または全細胞発現系、またはin vivoで実施し得る。最小
のものでは、本発明に従って実施したin vitroアッセイは、本発明によ
り同定した遺伝子の調節領域を含む遺伝子発現作成物を含み、この領域は、天然
遺伝子またはマーカー遺伝子(下記参照)に機能的に連関している。アッセイは
、標準的なin vitro転写/翻訳系で、遺伝子発現作成物の発現が可能な
条件下で実施する。TT(登録商標)T7Quick Coupled Tr
anscription/Translation System(製造番号L
1170;Promega)は、目的のDNAおよび検出標識を除く、in v
itro転写/翻訳に必要な全ての試薬を含む。入手可能なTT(登録商標)
Coupled Reticulocyte Lysate Systems(
ウサギ網状赤血球溶解液を含む)群は、TT(登録商標)T3Coupled
Reticulocyte Lysate Systems(製造番号L49
50;Promega);TT(登録商標)T7Coupled Retic
ulocyte Lysate Systems(製造番号L4610;Pro
mega);TT(登録商標)SP6Coupled Reticulocy
te Lysate Systems(製造番号L4600;Promega)
;TT(登録商標)T7/SP6Coupled Reticulocyte
Lysate Systems(製造番号L5020;Promega);お
よびTT(登録商標)T7/T3Coupled Reticulocyte
Lysate Systems(製造番号L5010;Promega)を含
む。 【0262】 細胞溶解液または全細胞に関するアッセイは、細胞溶解液、または全細胞、好
ましくは天然の真核細胞(例えば、酵母;真菌;ショウジョウバエなどの昆虫;
マウス;またはヒト)で実施し得る。細胞溶解液を使用するアッセイは、標準的
なin vitro系で、遺伝子発現作成物の発現が可能な条件下で実施する。
ヌクレアーゼ処理(製造番号L4960)または非処理(製造番号L4151)
の、ウサギ網状赤血球溶解液単品も、Promegaから入手できる。 【0263】 全細胞を使用するアッセイも公知であり、および、典型的には、目的の遺伝子
の調節領域がレポータ遺伝子に機能的に連関している遺伝子発現作成物の使用を
含み、かかる作成物は、培養中の細胞にトランスフェクトし、この細胞は、哺乳
動物細胞(好ましくは、本発明により同定した遺伝子をin vivoで発現す
る細胞型の)であり得るか、または別に、酵母または他の真核細胞、例えば昆虫
細胞を使用してもよい。かかる系でマーカー遺伝子の機能を検出する方法は下記
する。 【0264】 別に、リポータ遺伝子発現系は、in vivoで、すなわち無傷の生多細胞
生物、例えばSHR系または上記した他の動物モデルで作動し得る。例えば、イ
ンシュリン抵抗性遺伝子座の1つに連関するとして、本発明により同定された遺
伝子活性の調節を指向する薬剤を、SHRに投与し、グルコース組み込みまたは
NEFA分泌などの臨床指標を、上記の方法により改善についてモニタリングす
る。 【0265】 結合アッセイ 薬剤スクリーニングの1つの方法は、候補モジュレータと、標的遺伝子または
タンパク質の間の直接的な物理的相互作用について、或いは目的の野生型または
変異型遺伝子またはタンパク質と、第二遺伝子、タンパク質または他の細胞成分
の間の直接的な相互作用の妨害または増強について試験する結合アッセイの実施
を包含する。ポリペプチドを発現する組換えポリヌクレオチド、核酸またはその
断片を用いて安定に形質転換し得る、真核または原核宿主細胞を、競合的結合ア
ッセイに使用し得る。生存形または固定形のかかる細胞を、標準的な結合アッセ
イに使用できる。特に、これらの細胞は、インシュリン抵抗性遺伝子座連関タン
パク質産物または断片および試験する物質を含む、複合体の形成を測定するため
に使用できる。別に、これらの細胞は、IRL連関タンパク質産物または断片と
、そのタンパク質に特異的な既知のリガンドまたは受容体の間での複合体の形成
が、試験する物質により妨害されるかを決定するために使用できる。他の手順(
例えば、候補モジュレータの効果が、転写、mRNAプロセシングまたは目的の
遺伝子転写物の翻訳にある、または候補モジュレータそれ自体が、核酸分子であ
る場合の手順)では、タンパク質:核酸または核酸:核酸複合体の形成をアッセ
イし得る。最後に、タンパク質でも核酸でもない候補モジュレータがIRL連関
タンパク質または核酸に結合できる能力をアッセイし得る。 【0266】 従って、本発明は、薬剤スクリーニングに有用な方法を開示し、かかる方法は
、候補薬剤を、変異型または野生型IRL連関ポリペプチド、核酸またはその断
片に接触させ、(i)薬剤と、変異型IRL連関ポリペプチド、核酸または断片
の間の複合体の存在について、または(ii)変異型または野生型IRL連関ポ
リペプチド、核酸または断片とリガンドの間の複合体の存在について、当分野で
公知の方法によりアッセイすることを含む。好ましくは、IRL連関ポリペプチ
ド、核酸または断片は、競合的結合アッセイに使用するために標識する。標識タ
ンパク質またはペプチドを、in vitroでの翻訳または化学合成により、
標識アミノ酸または放射ヨウ素化を使用して製造する方法は当分野で公知である
。遊離標識タンパク質、ポリペプチドまたは断片を、タンパク質:タンパク質ま
たはタンパク質:核酸複合体に存在するものから分離し、遊離(すなわち複合体
非形成)標識の量を、標的への候補薬剤の結合、または標的タンパク質:リガン
ドまたは核酸:タンパク質結合を妨害する能力の指標として使用する。 【0267】 変異型または野生型IRL連関ポリペプチドまたは他のポリペプチドへの適切
な結合親和性を示す化合物のハイスループットスクリーニングを可能とする、別
の薬剤スクリーニング法が詳細に記載されている(Geysen、WO84/0
3564)。この方法に従って、大量の異なる小ペプチド試験化合物を、プラス
チックピンなどの固相基質または別の適切な表面上で合成する。ペプチド試験化
合物を、検出可能な標識と複合体を形成した、変異型または野生型IRL連関タ
ンパク質、ペプチド、遺伝子または他の標的と反応させ、次いで洗浄する。次い
で、結合した標識を当分野で公知の方法(オートラジオグラフィ、シンチレーシ
ョン計測および蛍光定量法を含むがこれに限定されない)により検出する。上記
したように、試験化合物の固定ライブラリーは市販されている。 【0268】 試験ライブラリーを支持体に固定する手順の代替法として、精製した標的ポリ
ペプチドまたは核酸を、前記薬剤スクリーニング技法に使用するプレート上に直
接覆膜できる。別に、ポリペプチドに対する非中和抗体または他の連結分子、例
えば標的核酸の目的の薬剤結合部位の外の部位に相補的なオリゴヌクレオチドを
使用して、IRL連関ポリペプチド、ペプチド、核酸またはその断片を捕獲し、
それを固相支持体上に固定できる。 【0269】 変異型または野生型IRL連関ポリペプチドに特異的に結合できる中和抗体が
、試験化合物と、IRL連関ポリペプチドまたはその断片への結合について競合
する、競合的薬剤スクリーニングアッセイも本発明に有用である。この方法によ
り、抗体を使用して、CD36と1つ以上の抗原決定基を共有する任意の試験ペ
プチドまたは他のポリペプチドの存在を検出できる。 【0270】 他の方法 薬剤スクリーニングのさらなる技法は、欠陥タンパク質を産生する変異型IR
L連関遺伝子を有する、宿主真核細胞系または上記したような細胞の使用を含む
。この方法に従って、宿主細胞系または細胞を、試験薬剤化合物の存在下で増殖
させる。宿主細胞の増殖速度を測定して、化合物が、非機能的IRL連関タンパ
ク質産物を発現する細胞の増殖を調節できるかを決定する。別に、試験化合物が
、変異型IRL連関タンパク質の機能を回復する能力は、上記したような、細胞
のグルコースまたは脂質代謝を定量するアッセイなどの、IRL連関タンパク質
基能についての、適切なin vitroアッセイを使用することにより測定で
きる。宿主細胞系または細胞が、異常な細胞局在パターンを示す、IRL連関タ
ンパク質を発現する場合、試験化合物が、IRL連関タンパク質の細胞局在化を
変化させる能力を決定する。目的のタンパク質の細胞局在化の変化は、生合成的
に標識した細胞を用いた細胞分画試験を実施することにより検出し得る。別に、
目的のタンパク質の細胞局在化は、当分野で公知の免疫細胞化学的方法により決
定できる(下記参照)。 【0271】 薬剤スクリーニング法は、異常な発現パターンを示す、変化したIRL連関遺
伝子を有する、宿主真核細胞系または上記細胞の使用を含み得る。本明細書に使
用した「異常発現パターン」という用語は、異常に高いまたは低い発現レベル、
或いは、ある野生型遺伝子のものとは異なる空間的または一時的発現パターンを
意味する。かかる遺伝子の非制限的な実施例は、SHRラットCD36遺伝子で
ある。試験薬剤が、CD36の変異形の発現を変化させる能力は、上記した結合
アッセイにより、またはノザンブロット解析、S1ヌクレアーゼ解析、プライマ
ー伸長、RNアーゼ保護アッセイまたは下記した他の分子技法により測定できる
。別に、CD36の変異形が、CD36遺伝子のプロモータ領域に変異を含む場
合、細胞を工学して、リポータ遺伝子の発現を誘導する変異CD36プロモータ
を含むリポータ作成物、例えばCAT、ルシフェラーゼ、緑蛍光タンパク質を発
現できる。これらの細胞は、試験化合物の存在下で増殖でき、試験化合物の、変
異CD36プロモータの活性レベルを変化させる能力を、当分野で公知の各レポ
ータ遺伝子の標準的なアッセイにより決定できる(下記も参照)。 【0272】 レポータ遺伝子 レポータ遺伝子を使用する場合、その発現が、mRNAまたはタンパク質産生
に関してモニタリングできるように選択し、ここでのタンパク質産生は、存在す
るタンパク質の量の直接的測定により、またはタンパク質活性(例えば酵素活性
)の測定により評価し得る。本発明で使用するレポータ遺伝子は、細菌遺伝子L
acZ(酵素β−ガラクトシダーゼをコードする)、およびCat(酵素クロラ
ムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)をコードする)、Luc
(ルシフェラーゼ(luc)をコードする)、gfp(緑蛍光タンパク質(gf
p、紫外線光に曝露すると、in vivoで蛍光を発する)をコードする)、
hrp(ホースラディッシュペルオキシダーゼ(hrp)をコードする)、ヘル
ペスウイルスtk遺伝子(酵素チミジンキナーゼ(tk)をコードする)、およ
びショウジョウバエ遺伝子Adh(アルコールデヒドロゲナーゼ(Adh)をコ
ードする)、およびRosy(キサンチンデヒドロゲナーゼ(Xdh)をコード
する)を含むが、これに限定されない。 【0273】 レポータ遺伝子のタンパク質産物は、酵素の活性などのその活性を、その基質
および必要であれば指示化合物(酵素により基質が変換されるとシグナルを発生
する)の存在下でモニタリングすることにより、間接的に検出し得る。かかる指
示薬は、レポータ遺伝子産物の触媒活性の結果として遊離または別様に活性化さ
れる、色素生産性または蛍光性指示薬であり得、指示薬は、基質分子と複合体を
形成していても、分離していてもよい。上記に列挙したレポータ酵素の活性につ
いての生化学的アッセイは当分野で公知である。 【0274】 インシュリン抵抗性遺伝子座関連遺伝子発現の検出 上記したように、インシュリン抵抗性遺伝子座の1つに連関した、遺伝子活性
のレベルまたは性質を、時候補モジュレータをin vivoでアッセイする場
合の、表現型指標の観察を含む、多くの手段のいずれかにより測定できる。別に
、核酸またはタンパク質のレベルまたは分布、または、標的遺伝子それ自体の、
または標的遺伝子の調節配列に機能的に連関したレポータ遺伝子のタンパク質活
性の測定を、in vivoまたはin vitro系で実施してもよい。本発
明に記載の薬剤スクリーニングプロトコルに有利に適用され得るこれらの多くの
検出法を、以下に要約する: a.標的インシュリン抵抗性遺伝子座連関遺伝子活性に対する、候補薬剤の効 果の表現型定量化 グルコースまたは脂肪酸代謝に対する候補薬剤の効果をアッセイするために、
上記のグルコース組み込みまたは脂肪分解アッセイを、細胞または試験動物(例
えばSHRまたはGKラット、または他のラットまたはマウス株)で上記のよう
に実施し得る。 【0275】 b.タンパク質またはmRNAの検出 RNAの検出 mRNA転写物の検出は、当分野で公知の分子技法により実施し得、これらの
技法は、核酸ハイブリッド形成(ノザン解析など)、相補配列(すなわち緊縮調
節ハイブリッド形成条件下で、ワトソン−クリック塩基対を介して、転写物にハ
イブリッドする配列)を有する固定核酸分子への親和性結合、オリゴヌクレオチ
ドプライマーを使用した逆転写、および逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−P
CR)を含むがこれに限定されない。 【0276】 i.ノザン解析 ノザン解析などの分子法は当分野で公知である(Sambrookら、198
9、分子クローニング、実験マニュアル、第2版、Cold Spring H
arbor Laboratory Press、Cold Spring H
arbor、NY参照)。 【0277】 ii.RT−PCR ノザン解析の代替法として、逆転写/ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)
を実施し得る。RT−PCRの逆転写(RT)段階では、RNAは、第一鎖cD
NAに変換され、これは比較的に安定であり、PCR反応に適した鋳型である。
第二の段階で、目的のcDNA鋳型をPCRを使用して増幅する。これは、配列
特異的プライマーを、鋳型の一方の鎖にアニーリングし、熱安定性DNAポリメ
ラーゼを使用して、それらから相補DNAの新規な鎖を合成するというサイクル
を繰返すことにより達成される。 【0278】 1μgの全RNAおよび75pmolのランダム六量体プライマー(例えばP
d(n)6、Pharmacia;Piscataway、NJにより供給)を
、DEPCで処理した水を含む10μlの容量で、RNアーゼ非含有0.5μl
チューブに再懸濁した。この混合物を70℃で10分間インキュベートし、2分
間氷上に放置する。以下の試薬を10μlの反応液に加える。1μl(200U
)MMLV−RT(Superscript(登録商標)逆転写酵素、BRL、
Life Technologies、Gaithersburg、MD)、4
μlの5x反応緩衝液(BRL、Life Technologies、Gai
thersburg、MD)、2μlの0.1M DTT、1μlの10mM
dNTPおよび1μlのヒト胎盤RNアーゼ阻害剤(10〜50単位/μl;B
oehringer Mannheim、Indianapolis、IN)。
さらに、各RNAサンプルについて、第二反応液を調製し、但しMMLV−RT
は除外する(RT陰性対照)。19μlの反応液を、50分間42℃で、プログ
ラム可能な熱サイクラー(例えば、MJ Reserchにより製造;Wate
rtown、MA)中でインキュベートし、90℃まで5分間加熱することによ
り不活性化する。37℃まで冷却した後、1μlのRNアーゼH(3単位/μl
;BRL、Life Technologies、Gaithersburg、
MD)を加え、反応液を37℃で20分間インキュベートし、次いで、4℃まで
冷却する。RNAの完全性が、構成的に発現する遺伝子(例えば、アクチン、イ
ンターロイキン−2またはGαs)の転写物の増幅により確認され、それゆえ、
試験サンプルでその後に観察された陰性結果は、その特異的mRNAの欠失に原
因を帰し得、mRNAプールの分解または逆転写反応の失敗には帰し得ないこと
が確認される。 【0279】 次いで、ポリメラーゼ連鎖反応すなわちPCRを、以前に記載された通りに実
施する(MullisおよびFaloona、1987、Methods En zymol. ,155:335−350、本明細書に参考として組み込む)。P
CR(これは、熱安定性DNA依存性DNAポリメラーゼにより触媒されるDN
A複製を多サイクル使用して、目的の標的配列を増幅する)は当分野で公知であ
る。 【0280】 本発明で有用なオリゴヌクレオチドプライマーは、核酸鋳型にハイブリッドし
、第二核酸鎖の酵素的合成を開始する、一本鎖DNAまたはRNA分子である。
プライマーは、核酸分子のプールに存在する標的分子の一部に相補的である。か
かる分子は、化学的または酵素的な合成法により調製されると考えられる。別に
、かかる分子またはその断片は天然に存在し、その天然源から単離するか、また
は業者から購入する。オリゴヌクレオチドプライマーは、15〜100ヌクレオ
チド長であり、理想的には20〜40ヌクレオチドであるが、異なる鎖長のオリ
ゴヌクレオチドも有用である。 【0281】 典型的には、選択的なハイブリッド形成は、2つの核酸配列が実質的に相補的
である場合に起こる(少なくとも14〜25ヌクレオチドにおよび、少なくとも
約65%相補的、好ましくは少なくとも約75%、より好ましくは少なくとも約
90%相補的)。Kanehisa,M.,1984、Nucleic Aci ds Res. 12:203(本明細書に参考として組み込む)参照。緊縮調節
アニーリング条件下で、より長いハイブリッド形成プローブ(例えば、ノザン解
析に使用)または合成プライマーは、より短いもの(これはより許容的な条件下
で十分である)より効率的にハイブリッドする。緊縮調節ハイブリッド形成条件
は、典型的には、約1M以下、より通常には約500mM以下、好ましくは約2
00mM以下の塩濃度を含む。ハイブリッド形成温度は、0℃という低い温度か
ら、22℃以上、約30℃以上、および(最も頻繁には)約37℃以上の範囲で
ある。より長い断片は、特異的ハイブリッド形成のために、より高いハイブリッ
ド形成温度を必要とし得る。数個の因子がハイブリッド形成の緊縮に影響を及ぼ
すので、パラメータの組合せが、1つの因子の絶対的測定よりも重要である。 【0282】 電気泳動を用いずに定量的にPCR産物を検出する数個の技法を、本発明の薬
剤スクリーニングアッセイと共に有利に使用し、より簡単に臨床に使用するのに
適したものとし得る。これらの技法の1つ(これには、TaqmanTM(Pe
rkin Elmer、Foster City、CA)などの市販で入手でき
るキットがある)は、転写特異的アンチセンスプローブを用いて実施される。こ
のプローブは、PCR産物(例えば、レポータ遺伝子またはインシュリン抵抗性
遺伝子座連関標的遺伝子から得られる核酸断片)に特異的であり、オリゴヌクレ
オチドの5’末端に複合体形成した消光物質および蛍光リポータプローブを用い
て調製される。異なる蛍光マーカーは、異なるレポータに結合し得、1つの反応
で2つの産物の測定が可能となる。TaqDNAポリメラーゼが活性化されると
、その5’から3’の核酸溶解活性により蛍光レポータは切断される。ここで消
光物質のないレポータは発光する。色変化は、各特異的産物の量に比例し、蛍光
測定計により測定し、それゆえ、各色の量を測定でき、RT−PCRを定量化で
きる。レポータ遺伝子転写物の検出は、有利には、RNAの逆転写および目的の
転写物の特異的増幅のための1つのチューブ反応で実施し得る。Access RT−PCR系(Promega;Madison、WI)などの市販のキッ
トは慣用的には、このように方法を実施するのに必要な全ての物質(プライマー
を除く)を構成する。この技法による1チューブRT−PCRアッセイを使用し
て、血清または他のサンプルをアッセイし得る。 【0283】 別に、mRNA転写物の原位置検出は、下記のように調製した、ガラス表面に
固定した、「押しつぶした」細胞物質または切片化組織サンプルを使用して実施
し得る。パラフィン、プラスチックまたは凍結(Serranoら、1989、
Dev.Biol.132:410−418)切片を、下記したように調製した
後者に使用する。押しつぶしたまたは切片化した組織を調製した後、サンプルの
RNA分子を原位置で逆転写する。 【0284】 逆転写は、逆転写酵素、(例えば、トリ骨髄芽球症ウイルス逆転写酵素、AM
V−RT;Life Technologies/Gibco−BRLまたはモ
ロニーネズミ白血病ウイルス逆転写酵素、M−MLV−RT、New Engl
and Biolabs、Beverly、MA)を使用して、製造業者の推奨
する反応条件下で実施する。 【0285】 逆転写後に、試薬をピペットで取り出し、調製物を、得られたcDNA分子を
増幅する前に、TE緩衝液で十分に濯ぐ。次いで、増幅反応を実施し、増幅産物
を検出する。 【0286】 タンパク質の検出 本発明はまた、レポータ遺伝子タンパク質を検出する、スクリーニングアッセ
イに関する。タンパク質の検出は、精製(例えば、タンパク質、タンパク質の二
量体形成対、またはタンパク質に対して指向する抗体に結合する、受容体または
リガンドを使用した、親和性精製)、免疫学的検出(例えば、ウェスタンブロッ
トで、または、固定もしくは凍結細胞もしくは組織の標本のタンパク質に対する
抗体の原位置結合により免疫組織化学的に)、またはタンパク質産生が起こる前
および十分な時間の後のレポータ遺伝子発現系のエネルギー吸収測定(例えば、
分光測定または蛍光測定)などにより直接的に実施し得る。 【0287】 レポータタンパク質検出は、例えば、レポータ遺伝子産物(すなわち抗原)に
特異的な抗体を使用して達成し得る。抗体は、慣用的な方法に従って調製する。 【0288】 i.抗体の調製 組換えタンパク質または天然源由来のタンパク質を使用して、当業者に公知の
標準的な技法を使用して抗体を作成できる。例えば、タンパク質を投与して、サ
ル、ヤギ、ウサギまたはマウスなどの哺乳動物を攻撃する。得られた抗体をポリ
クローナル血清として回収するか、または攻撃した動物から得られた抗体産生細
胞を不死化(例えば、不死化融合対との融合により)し、モノクローナル抗体を
作成できる。 【0289】 1.ポリクローナル抗体 抗原タンパク質を慣用的な担体に結合して、その免疫原性を高め、ペプチド−
担体結合に対する抗血清を生成する。ペプチドの担体タンパク質への結合および
免疫化は、記載の通りに実施し得る(Dymeckiら、1992、J.Bio l.Chem. ,267:4815−4823)。血清を、ELISA(下記)
によりタンパク質抗原に対して滴定するか、または別法としてドットまたはスポ
ットブロッティング(BoersmaおよびVan Leeuwen、1994
J.Neurosci.Methods、51:317)により滴定する。同
時に、抗血清を、下記のように調製した組織切片に使用し得る。血清は、例えば
、Greenら、1982、Cell、28:477−487の手順に従って、
ELISAにより、適切なペプチドと強力に反応することが示される。 【0290】 2.モノクローナル抗体 モノクローナル抗体の調製技法は公知であり、モノクローナル抗体は、レベル
を測定すべきである、または不活性化または親和性精製すべき、好ましくは担体
に結合した、候補抗原を使用して、Arnheiterら、Nature、29
4、278−280(1981)に記載のように調製し得る。 【0291】 モノクローナル抗体は、典型的には、ハイブリドーマ組織培養物から、または
ハイブリドーマ組織を導入した動物から得られた腹水液から得られる。それにも
関わらず、モノクローナル抗体は、「生じる」またはタンパク質「により誘導」
されると記載され得る。 【0292】 モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ(またはポリクローナル血清)を、標
的タンパク質への抗体の結合についてスクリーニングできる。抗体により、我々
は、かかる抗体の結合(可変)領域および他の抗体修飾を使用した作成物を含む
。従って、本発明で有用な抗体は、全抗体、抗体断片、多機能抗体凝集物、また
は一般に抗体の1つ以上の特異的結合部位を含む物質を含み得る。抗体断片は、
Fv、FabまたはF(ab’)断片またはその誘導体、例えば単鎖Fv断片
などの断片であり得る。抗体または抗体断片は、非組換え、組換えまたはヒト化
であり得る。抗体は、免疫グロブリンアイソタイプ、例えばIgG、IgM等で
あり得る。さらに、免疫グロブリンまたはその断片の凝集物、ポリマー、誘導体
および結合を適宜使用できる。 【0293】 ii.免疫学的検出法 特に好ましい免疫学的試験は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体の使
用に依拠し、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、イムノブロットおよび免
疫沈降法(Voller、1978、Diagnostic Horizons 、2:1−7、Microbiological Associates Qu
arterly Publication、Walkersville、MD;
Vollerら、1978、J.Clin.Pathol.,31、507−5
20;米国再発行特許第31,006号;英国特許第2,019,408号;B
ulter、1981、Methods Enzymol.、73:482−5
23;Maggio,E(編)、1980、Enzyme Immunoass
ay、CRC Press、Boca Raton、FL参照)またはラジオイ
ムノアッセイ(RIA)(Weintraub,B、ラジオイムノアッセイの原 、Seventh Training Course on Radioli
gand Assay Techniques、The Endocrine
Society、1986年3月、pp.1−5、46−49および68−78
)を含む。本発明のタンパク質の存在下または非存在下で組織を解析するために
、免疫組織化学技法を使用し得る。これらの方法により解析する組織サンプルは
、下記のように調製する。標的タンパク質を容易に検出するために、抗体分子を
標識しなければならないことは当業者には明らかである。抗体分子の標識技法は
、当業者には公知である(HarlourおよびLane、1989、Anti bodies 、Cold Harbor Laboratory、pp.1−7
26参照)。 【0294】 別に、SDS PAGE、等電点電気泳動、ウェスタンブロット、HPLCお
よびキャピラリー電気泳動などのクロマトグラフィ法を含む、他の技法を使用し
て、標的タンパク質を検出することもできる。 【0295】 組織学的サンプルの調製 DNA、RNAまたはタンパク質の原位置検出に使用する組織サンプルを、上
記のように得、凍結または慣用的な試薬の使用により固定し、かかるサンプルは
、全細胞または押しつぶした細胞を含んでも、その代わりに切片化組織を含んで
もよい。かかる手順に適切な固定液は、ホルマリン、等張緩衝液中4%パラホル
ムアルデヒド、ホルムアルデヒド(各々、サンプルの核酸分子に対するRNAア
ーゼ抵抗性の指標を付与する)または多成分固定液、例えばFAAG(85%エ
タノール、4%ホルムアルデヒド、5%酢酸、1%EM等級グルタルアルデヒド
)を含むがこれに限定されない。RNAの検出において、組織を包埋されるまで
曝露する、溶液の水性成分の調製に使用する水は、RNAを含まず、すなわち、
0.1%ジエチルプロカーボネート(DEPC)を用いて室温で一晩処理し、そ
の後1.5〜2時間オートクレーブにかけることを注記する。組織を4℃で、サ
ンプルローラーまたは振盪プラットフォーム上で、12〜48時間で固定し、サ
ンプルの中心に固定液が到達させる。 【0296】 包埋前に、サンプルから固定液を一掃し、脱水するが、これは、開始時60%
〜、終了時95%〜の2回のエタノール洗浄を行い、さらに100%エタノール
で2回洗浄して終了する、漸増濃度のエタノールの一連の2〜10分間の洗浄を
通して、その後、キシレン中で2回10分間洗浄して達成される。サンプルを、
多様な切片化支持体、例えばパラフィン、プラスチックポリマーまたは混合パラ
フィン/ポリマー媒体(例えば、Paraplast(登録商標)Plus T
issue Embedding Medium、Oxford Labwar
eから供給)の1つに包埋する。例えば、固定し脱水した組織を、第二のキシレ
ン洗浄液から、約58℃の液相中のパラフィンまたはパラフィン/ポリマーレジ
ンに移し、次いで、約3時間かけて3〜6回交換し、残留キシレンを希釈して除
去し、真空下58℃で一晩インキュベートし、包埋培地の組織への浸潤を最適化
する。翌日、培地を20分から1時間間隔で、ここでも58℃で培地を数回さら
に交換した後、組織サンプルを切片化したカビに配置し、カビは表氷に囲まれ、
培地を硬化させる。厚さ6μmの切片をとり、タンパク質性基質物質、通常ウシ
血清アルブミン(BSA)で覆膜して粘着を促進したものである、「下塗り」ス
ライドに加える。別の固定および包埋法も、本発明の方法における使用に適用可
能であり、これらの例は、凍結切片化のように、Humason,G.L.、1
979、Animal Tissue Techniques 第4版(W.H
.Freeman & Co.、San Francisco)に見られる(S
erranoら、1989、上記)。 【0297】 F.本発明による疾病の診断法 本発明による疾病診断は、患者からの生物学的サンプルにおいて、インシュリ
ン抵抗性遺伝子座に連関した遺伝子、特にCD36遺伝子の変異の検出を含む。
このヒト遺伝子およびそのラット相同体Cd36における変異が、インシュリン
媒介グルコース組み込み、カテコールアミン媒介脂質分解、血中トリグリセリド
およびリポタンパク質レベルおよび高血圧の欠陥と連関していることが判明し、
数個のかかる変異を以下に開示する。これらの知見により、これらの変化とCD
36欠損症の間の連鎖の最初の認識が示される。目的の遺伝子の変異を検出する
方法は以下のように簡潔に記載する。 【0298】 i.本発明に使用する生物学的サンプルの調製 本発明に記載の生物学的液体および細胞溶解液 本発明による変異の検出に使用するのは、細胞を含む体液であり、ここでの細
胞は、普通、液体に存在するか(例えば血中のリンパ球)または液体が通過する
固体組織から液体へ流れ出る。本発明に使用する液体は、血液、血清、血漿、粘
液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、羊水、羊膜臍帯血、尿、膣液および精子
を含む。本発明による生物学的液体のアッセイは、特に有利である。かかるサン
プルの獲得は、比較的非侵襲的であり、典型的には最も標準的な静脈切開(採血
)を必要とするからである。 【0299】 生物学的液体の細胞を全体的にアッセイしても、溶解してもよい。細胞溶解液
からDNAを調製する方法は、典型的には、Nonidet P−40または同
等な試薬Ipegal CA−630(製造番号I3021、Sigma;St
.Louis、MO)(これは核エンベロープを溶解しない)などの洗浄剤で形
質膜を破壊し、次いで、遠心分離により核を単離し、トリトンX−100(例え
ば製造番号T9284;Sigma)などの洗浄剤を含む緩衝液中で核エンベロ
ープを破壊する。別法として、細胞破壊剤として低張緩衝液を使用するプロトコ
ルを、以前に記載されたように、使用し得る(ユニット12.1、「Prepa
ration of Nuclear and Cytoplasmic Ex
tract from Mammalian Cells,in Short Protocols in Molecular Biology ,Ausub
elら編、1995、John Wiley & Sons,Inc.参照)。
細胞溶解液は、培養哺乳動物細胞から、または哺乳動物の固体組織から得られた
細胞から同等な方法により調製され得る。かかる組織は、外科的な生検により哺
乳動物から収集しても、こするまたは拭き取ることにより得てもよい(例えば、
口腔または他の生体腔の内張り)。組織からのDNAを単離するプロトコルを下
記する。 【0300】 ii.哺乳動物からの生物学的サンプルにおける変異の検出 DNAサンプルは、任意の組織または細胞系から調製し得、調製手順は当分野
で公知である。ゲノムDNAの組織からの調製は、以下のように実施する。約1
00mgの組織を、500μlのTB緩衝液(50mMトリス−HCl、pH8
.0、100mM NaCl、1%SDS、600μg/molプロテイナーゼ
K)中に入れ、一晩55℃でインキュベートする。次いで、サンプルを500μ
lの1:1(w/w)のフェノール/クロロホルムで抽出し、2容量のエタノー
ルで沈降させる。次いで、DNAペレットを500μlのHOに再懸濁する。 【0301】 cDNAサンプルもまた、本発明により同定した遺伝子における変異の検出に
使用し得る。上記したように、cDNAの調製は公知であり、従来技術に十分に
記載されている。 【0302】 本発明によるDNAサンプルの獲得に有用な組織は、血球、配偶子、脳、性腺
、肝臓、心臓、腎臓、副腎、脾臓および筋肉を含むがこれに限定されず、一方、
RNAサンプルは、目的の遺伝子を発現する組織から最善に得られる。遺伝子の
mRNA発現パターンは、様々な組織で実施するノザン解析、原位置ハイブリッ
ド形成、またはin vivo試験などの方法により決定し得、目的の遺伝子の
調節領域により誘導されるマーカー遺伝子の発現を、トランスフェクト細胞培養
液またはトランスジェニック動物で試験する。 【0303】 本発明に有用なプローブは、目的の遺伝子に独特であり、好ましくは30〜4
0ヌクレオチド以下であり、最適には25ヌクレオチド以下、例えば18〜22
ヌクレオチドで、最小10ヌクレオチドである、配列を有する核酸である。核酸
プローブの調製および標識化、並びに、プローブ検出法は公知であり、従来技術
に十分に記載されている。 【0304】 一本鎖コンフォメーション多型(SSCP)スクリーニングおよび蛍光SSC Pスクリーニング 生物におけるDNA変異を検出する1つのアプローチは、一本鎖コンフォメー
ション多型(SSCP)である(Glavacら、1993、Hum.Mut. 、2:404;Sheffieldら、1993、Genomics、16:3
25)。SSCPは、一塩基変異を検出する簡単で効果的な技法である。この技
法は、一本鎖DNA分子が、非変性条件下で、特異的配列に基づいた二次構造(
配座異性体)をとるという原則に基づく。一本鎖コンフォメーション多型による
点変異の検出は、一本鎖DNAの構造の変化に起因すると考えられる。一塩基置
換のみが異なる分子でも、異なる配座異性体を形成し得、非変性ポリアクリルア
ミドゲルで別様に移動し得る。変異一本鎖DNAは、ポリアクリルアミドゲル上
での異常な移動度により同定される。プローブ領域内(PCRプライマー間)に
存在する全種類の点変異および短い挿入または欠失を、見かけ上等しい効率で検
出できる。この技法は、複数の変異および多型の検出に有用であることが判明し
た。SSCP感度は、解析するDNA断片のサイズにより劇的に変化する。SS
CPによる感度の高い検出に最適のサイズ断片は、約150〜300bpである
。この手順でゲル上に検出できるような、標識PCR産物の調製法は、当分野で
公知である。 【0305】 SSCP解析を以下の通りに実施する。10μlのホルムアミド色素(95%
ホルムアミド、20mM EDTA、0.05%ブロモフェノールブルー、0.
05%キシレンシアノール)を、10μlの放射標識PCR産物に加える。反応
液を100℃で5分間変性し、次いで氷上に置く。2μlを、8%アクリルアミ
ド:ビスアクリルアミド(37.5:1)、0.5XTBE(45mMトリスホ
ウ酸塩、1mM EDTA)、5%グリセロールゲル上にのせる。電気泳動を2
5Wで、4℃で、8時間、0.5×TBE中で実施する。乾燥させたゲルをX−
OMAT ARフィルム(Kodak)に曝露し、オートラジオグラフを、異常
なバンド移動(バンドシフト)について評価する。SSCPを、Glavacら
、1993、Hum.Mut.,2:404で教えるように、所望の通り最適化
し得る。 【0306】 fSSCP解析 DNAサンプルを、蛍光SSCP(fSSCP)アッセイを使用して、本発明
によりマッピングし同定した遺伝子の変異についてアッセイし得る(Makin
oら、1992、PCR Methods Appl.2:10;Elliso
nら、1993、Biotechniques 15:684)。PCR産物を
可視化し、ABI蛍光DNA配列機を使用して解析する。異なる色の蛍光色素(
例えば、HEX、FAM、TETおよびJOE)を異なるプライマー対に使用で
きる。fSSCPのSSCPに優る利点は、後者は、放射性物質の操作が必要で
あるが、fSSCPは必要でないことである。データ回収は自動であり、データ
解析プログラムを使用して、異常移動サンプルの信号を出すことが可能であり、
一方、SSCP評価は、眼による検査を含み、電気泳動状態でのレーン毎の修正
は不可能であり、有用なデータ回収および解析ソフトウェアは、ジーンスキャン
およびゲノタイププログラム(ABI)を含むがこれに限定されない。 【0307】 SSCP手順により、変異を含む150〜300塩基対の領域が同定される。
具体的に配列変化を同定するために、異常移動を示す断片を、非蛍光プライマー
を使用して、変異を有する哺乳動物DNAから再度増幅し、配列を標準的なDN
A配列技法を使用して決定する。 【0308】 変性勾配ゲル電気泳動 変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)は、僅か一塩基対の配列が変化したDNA
断片の電気泳動分離を可能とするゲルシステムである。分離は、野生型および変
異型分子が鎖解離する温度の差異に基づく。断片がゲルを移動するにつれて、ゲ
ル中の漸増濃度の変性剤に曝露される。分子が臨界変性レベルまで到達すると、
DNA鎖は解離し始める。これにより、断片移動度は有意に減少する。この臨界
点の位置は、Tの関数であり、これは野生型と変異型分子の移動度遅延が異な
る点であり、よって分離が起こる。断片サイズは、ポリアクリルアミドゲルの分
解限界により、100〜800bpに制限される。DGGEによりゲルからゲノ
ムDNA断片を効率的に移行する方法については、米国特許第5,190,85
6号参照。 【0309】 ミスマッチの化学的切断 ミスマッチの化学的切断(CCM)による変異の検出は、インシュリン抵抗性
遺伝子座に連関した遺伝子の変異を同定するに有用な別の変異走査技法である。
それは、DNAヘテロ二本鎖のミスマッチと反応する、化学物質ヒドロキシルア
ミンおよび四酸化オスミウムに依拠する。ピペリジンによるその後の処理により
、ミスマッチ点でヘテロ二本鎖は切断される。変性ポリアクリルアミド上で非処
理ヘテロ二本鎖よりも小さい断片を変異として検出する。1kbのサイズまでの
DNA断片を走査できることと合わせて、約100%の検出率により、CCMは
理想的な変異検出法のようである。CCMは、DNA断片の全ての変異を検出す
ることが望ましいか、または変異を含まないDNA片を検出することが望ましい
場合に、特に有用である。 【0310】 一定変性剤キャピラリー電気泳動(CDCE)解析 CDCEは、ハイスループットスクリーニングに特に有用であり、すなわち大
量のDNAサンプルを解析する場合に有用である(例えば、系図により、インシ
ュリンまたは脂肪酸代謝の欠陥が、インシュリン抵抗性遺伝子座を含む遺伝子ま
たは染色体領域に連鎖していることが判明した家族のメンバーのサンプルの処理
を試みる場合)。この方法はKhrapkoら(1994、Nucleic A cids Res 、22[3]:364)により詳述され、キャピラリー電気泳
動において一定温度および変性剤濃度の領域の使用を含む。検出の相対的限界は
、約3/10,000であり、すなわち、3×10野生型配列中に100,0
00の変異配列が認識される。 【0311】 RNアーゼ切断 RNアーゼA、RNアーゼT1およびRNアーゼT2を含む、様々なリボヌク
レアーゼ酵素は、特異的に一本鎖RNAを消化する。RNAをアニーリングして
二本鎖RNAまたはRNA/DNA二本鎖を形成させると、これらの酵素により
もはや消化され得ない。しかし、ミスマッチが二本鎖分子に存在すれば、ミスマ
ッチ点での切断は起こり得る。 【0312】 リボヌクレアーゼAは特異的に一本鎖RNAを消化する。この酵素はまた、ミ
スマッチ点でヘテロ二本鎖分子を切断できる。技法は、放射標識一本鎖RNAプ
ローブ(リボプローブ)と、変異哺乳動物から得られたPCR産物の間のヘテロ
二本鎖形成に基づく。得られたヘテロ二本鎖は、RNA/DNAハイブリッド二
本鎖である。RNアーゼAで処理すると、点変異が存在する場合、二本鎖のRN
A鎖は切断され得る。次いで、サンプルを加熱して変性し、変性ポリアクリルア
ミドゲル上で走行させる。RNAプローブが切断されていれば、そのサイズはP
CR産物よりも小さい。1bpという小さな欠失も容易に検出できる。 【0313】 ヘテロ二本鎖解析 ヘテロ二本鎖分子、すなわちミスマッチを含む二本鎖DNA分子は、普通のゲ
ル上でホモ二本鎖から分離できる。DNA断片の中間部のミスマッチは、最も容
易に検出される。ヘテロ二本鎖解析は感度が低いが、その簡易さから本発明に有
用であると考えられ得る。 【0314】 ミスマッチ修復検出(MRD) MRDは、DNA配列変異を検出するために、細菌コロニーの色の変化を利用
するin vivo法である。変異についてスクリーニングすべきDNA断片を
、2つのMRDプラスミドにクローン化し、細菌を、これらの作成物のヘテロ二
本鎖を用いて形質転換する。得られたコロニーは、ミスマッチの非存在下で青で
あり、ミスマッチ存在下では白である。MRDは、10kbのサイズという大き
なDNA断片において1つのミスマッチを検出することができる。MRDにより
、遺伝的変異のハイスループットスクリーニングが可能となり、詳細に記載され
ており(Fahamら、1995、Genome Res.、5:474)、家
系解析などの手順に有用である。 【0315】 DNA修復酵素によるミスマッチ認識 DNA修復は、変異検出に活用できる可能性のある別の系である。E.col
iミスマッチ修正システムは十分に理解されている。メチル基指向DNA修復経
路に必要な3つのタンパク質:MutS、MutLおよびMutHは、潜在的な
8中7つの一塩基対ミスマッチ(C/Cミスマッチではない)を認識し、最も近
いGATC配列でDNAを切断/ニック化するに十分である。MutYタンパク
質(これは異なる修復系に関与する)もまた、A/GおよびA/Cミスマッチの
検出に使用できる。いくつかの哺乳動物酵素も有用である:チミジングリコシラ
ーゼは全種類のTミスマッチを認識でき、「全種類エンドヌクレアーゼ」または
トポイソメラーゼIは、全8つのミスマッチを検出できるが、ミスマッチおよび
隣接配列の種類の両方に応じて、様々な効率で検出する。MutS遺伝子産物は
、一塩基対長以上のミスマッチに結合する、メチル基指向修復タンパク質である
。ゲル移動度アッセイを実施でき、MutSタンパク質に結合したDNAは、遊
離DNAよりもアクリルアミドゲルをよりゆっくりと移動する。 【0316】 別の型式のMutSミスマッチ認識(これはゲル電気泳動を必要としない)は
、ニトロセルロース膜へのMutSタンパク質の固定を含む。標識ヘテロ二本鎖
DNAを使用して、ドット−ブロット形式で膜を探索する。両DNA鎖を使用す
る場合、全てのミスマッチは、膜へ付着したタンパク質へのDNAの結合により
認識できる。 【0317】 ハイブリッド形成による配列決定 ハイブリッド形成による配列決定において(SBH、オリゴヌクレオチドマト
リクスへのハイブリッド形成による配列決定、すなわちSHOMとも呼ばれる。
Drmanacら、1993、Science、260(5114):1649
−52;Khrapkoら、1991、上記;Mugasimangalamら
、1997、Nucleic Acids Res.、25:800−805)
、短い(8〜10塩基長)オリゴヌクレオチドアレイを、リバースドットブロッ
トと類似の様式で固相支持体に固定し、標的DNA断片で探索する。このシステ
ムは、オリゴヌクレオチドを支持体上で共に直接的に合成するという先端化学に
基づく。32サイクルの特定の添加(すなわち、4つの各ヌクレオチドを8回添
加)により、チップの一定の位置で、可能な全65,536の8merオリゴヌ
クレオチドの製造が可能になる。チップをDNA分子、例えば蛍光標識PCR産
物で探索すると、完全にマッチしたハイブリッドは、強度の高い蛍光を与え、1
つ以上のミスマッチを含むハイブリッドは、実質的に強度のより低い蛍光を与え
る。チップ上のシグナルの位置および強度の組合せにより、コンピュータを用い
て配列を得ることができる。 【0318】対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリッド形成 特異的ハイブリッド形成条件下で、オリゴヌクレオチドはPCR産物のみに、
2つが完全にマッチする場合に結合する。一塩基対のミスマッチはハイブリッド
形成を防止するに十分である。オリゴヌクレオチド対(一方は変異塩基を有し、
他方は野生型塩基を有する)の使用は、PCR産物を、ホモ接合性野生型、特定
の既知の変異についてのヘテロ接合性野生型変異体、またはホモ接合性変異体で
あると決定するのに使用できる。これは、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド
(ASO)ハイブリッド形成または「ドットブロット」と称される。慣用的なド
ットブロットでは、PCR産物を、ナイロン膜に固定し、標識オリゴヌクレオチ
ドで標識する。「リバースドットブロット」では、オリゴヌクレオチドを、膜に
固定し、標識PCR産物で探索する。プローブは、同位体標識しても非同位体標
識してもよい。さらに、多くのPCR増幅サンプルを、1つの既知変異について
類別し得る。 【0319】 対立遺伝子特異的PCR 対立遺伝子特異的ポリメラーゼ連鎖反応(増幅困難変異システムすなわちAR
MS)において、検出アッセイは、PCR反応自体内で起こる。その末端3’ヌ
クレオチドで互いに異なる配列特異的PCRプライマーを使用して、1つの反応
で正常な対立遺伝子のみを増幅し、別の反応では変異対立遺伝子のみを増幅する
。これは、特異的変異が疾病または疾病の危険性に連関していることが本発明に
より発見された場合に、個体を、その特定の変異の有無について試験するのに特
に有用である。特異的プライマーの3’末端が完全にマッチする場合、増幅が起
こる。特異的プライマーの3’末端がミスマッチする場合、増幅は起こらない。
増幅は、数個の既知の変異のアガロースゲル電気泳動による解析により評価する
。(ホモ接合型)野生型サンプルの遺伝子型は、両方の反応における増幅産物を
特徴とし、ホモ接合型変異サンプルは、変異反応のみにおいて産物を生成する。
このアッセイの変形で、対立遺伝子特異的プライマーの5’末端を様々な蛍光ラ
ベルで標識し、共通プライマーの5’末端をビオチン標識する。次いで、野生型
特異的および変異型特異的反応を1つのチューブで実施し得る。このアプローチ
の利点は、ゲル電気泳動が必要でなく、この方法は自動化できることである。 【0320】 プライマー導入制限解析 プライマー導入制限解析(PIRA)は、既知の変異を制限消化により診断で
きる技法である。PCRプライマーに、ミスマッチによる既知の変異の位置に近
い塩基変化を導入することにより、変異を診断する制限エンドヌクレアーゼ認識
部位を創製することが可能である。プライマー配列での変化した塩基および変異
部位での変化した塩基の組合せは、新規な制限標的部位を創製する効果を有する
。このアプローチを使用して、新規標的部位を、野生型対立遺伝子または変異対
立遺伝子に創製し得る。かかる状況で、ホモ接合性野生型形は、全長サイズの一
本バンドを特徴とする。ホモ接合性変異形は、サイズの減少した一本のバンドを
特徴とし、ヘテロ接合形は両方のサイズのバンドを特徴とする。制限消化後の異
なるサイズの野生型対変異型PCR断片を、ゲル電気泳動により解析する。 【0321】 オリゴヌクレオチド結合アッセイ DNA鎖にアニーリングした2本のオリゴヌクレオチドが正確に並列する場合
、それらを酵素DNAリガーゼにより連結できる。2本のオリゴヌクレオチドの
接合部での一塩基対のミスマッチで、結合を防ぐには十分である。ゲル電気泳動
や新規でより大きなサイズのDNA断片を可視化することによる結合のアッセイ
ではなく、結合は、単一分子上に存在するようになった2本のオリゴヌクレオチ
ド上の標識についてアッセイすることにより評価する。結合をELISAにより
評価し、反応を96ウェルマイクロタイタープレートで実施する場合、オリゴヌ
クレオチド結合アッセイは、ロボットにより実施でき、結果はプレート解読機に
より解析し、コンピュータに直接組み込むことができる。それゆえ、この方法は
、多数のサンプル中の、既知変異の評価に優れている。アッセイは2つの主な形
に該当する:オリゴヌクレオチド結合アッセイ(これはPCR増幅DNA上で実
施する)およびリガーゼ連鎖反応(これはゲノムDNA上で実施し、熱安定DN
Aリガーゼを用いて増幅する)。 【0322】直接的DNA配列決定 本発明による変異検出はまた、当分野で公知のDNA配列決定手順を使用して
、本発明により同定した遺伝子領域において、変異DNAサンプルを直接的に配
列決定することにより実施し得る。 【0323】 ミニ配列決定法 ミニ配列決定技法(単一ヌクレオチドプライマー伸長法としても知られる)を
使用して、任意の既知の点変異、欠失または挿入を診断できる。単に一塩基対の
配列情報を得るには、その特定の塩基を配列にかけることのみが必要である。こ
れは、配列反応液に、4つ全部ではなく唯1つの塩基を含めることにより実施で
きる。この塩基が標識され、(標的鎖上の)プライマーのすぐ3’の最初の塩基
に相補的である場合、標識は組み込まれない。従って、ある塩基対を、電気泳動
でサイズ分離する必要なく、標識組み込みまたは組み込み失敗を基に配列決定で
きる。 【0324】 5’ヌクレアーゼアッセイ 5’ヌクレアーゼアッセイは、反応混液の蛍光度に基づいた、PCR反応の増
幅程度をモニタリングする技法である。低い蛍光は、増幅が全くないかまたは非
常に少ないことを示し、高い蛍光は、良好な増幅を示す。このシステムは、蛍光
発光解析以外のポストPCR解析の必要のない、インシュリン抵抗性遺伝子座の
1つへの連関が判明した遺伝子の既知の変異の同定に適応できる。Taqポリメ
ラーゼの5’から3’のエキソヌクレアーゼ活性は、PCR増幅アッセイに使用
する。酵素は、二本鎖DNAの5’末端ヌクレオチドを切断する。その好ましい
基質は、部分的に二本鎖の分子であり、最も近い遊離5’末端で鎖を切断する。
5’ヌクレアーゼアッセイで、オリゴヌクレオチド「プローブ」(DNA合成プ
ライマーとして作用できないように、その3’末端でリン酸化されている)を、
PCR反応に含める。プローブは、2つの増幅プライマーの間の位置にアニール
するように設計する。活発に伸長しているTaqポリメラーゼ分子がプローブ分
子に達すると、それは一部それを置換し、次いで、一本鎖/二本鎖切断部位また
はその近くでプローブを切断し、全プローブが分解し、鋳型から除去される。ポ
リメラーゼはこの置換および切断プロセスを、全プローブが分解し鋳型から除去
されるまで続ける。標識システムはプローブの除去をモニタリングする。 【0325】 制限断片長多型(RFLP): 野生型DNA配列と変異含有DNA配列の間の制限地図における差異を使用し
て、変異DNA配列を特徴づけることができる。野生型DNA配列を単離し、野
生型および変異型DNA配列の間で異なる制限断片を与えることが知られる、制
限酵素による切断にかける。次いで、制限パターンを同定する。特徴的なパター
ンの制限断片を与える制限酵素を使用することにより、制限部位がいずれにも欠
けるか、または追加の制限部位を変異DNA配列に導入する。 【0326】 ポリメラーゼ連鎖反応−制限断片長多型(PCR−RFLP) PCR−RFLPによる変異解析法では、制限酵素認識配列に位置し、部位を
、対応する制限エンドヌクレアーゼによる切断に抵抗性とする、塩基対変化、欠
失および挿入を検出する。野生型DNAを制限消化により削除した後に、変異部
位を含む抵抗性DNA配列をPCRにより増幅する。増幅DNAを直接的に配列
するかまたはクローン化し、変異体を同定する。Felley−Bosco,E
ら、Nucleic Acids Res.1991、19:2913−291
9;Pourzard C、Cerutti P、Mutat Res 199
3年7月;288(1);113−21。 【0327】 G.インシュリン抵抗性表現型に関連したラットCd36/FAT遺伝子およ び変異のマッピングおよび特徴づけ 本発明により遺伝子の地図位置がいったん確立されると、観察された表現型の
根底にある目的の遺伝子のクローン化が可能である。かかる遺伝子の同定は、さ
らなる実験交差における細かい遺伝子マッピング、次いで物理的単離および遺伝
子が存在する染色体セグメントのマッピング、および続く遺伝子それ自体の回収
の慣用的な経路により実施し得る。遺伝子クローニングは下記のように実施し得
る。 【0328】 我々は、高血圧自然発症ラットすなわちSHRにおけるインシュリンおよびカ
テコールアミンの調査を遂行した。我々は、ラットCd36遺伝子(ラット第4
染色体上の、インシュリン抵抗性遺伝子座1として以前に定義された染色体遺伝
子座、ラットFAT遺伝子(ラットCd36遺伝子)としても知られる)を発見
した。GenBank寄託番号L19658。下記に示した全てのヌクレオチド
位置はこのGenBank寄託番号L19658を参照する。SHRラットのC
d36遺伝子の全コード領域および3’非翻訳領域の一部を包含する核酸配列を
、寄託番号AF111268でGenBankに提出し、この提出は、1999
年1月1日まで内密であり、その日に配列が公開される。 【0329】 SHRおよび対照株(Scios Inc.)の脂肪組織において異なって発
現される遺伝子の探索により、同時に数百の遺伝子の発現レベルのモニタリング
、および2つ以上の組織サンプルにおけるこれらの遺伝子の発現レベルの比較が
可能となった。 【0330】 SHRおよび2つの対照株での遺伝子発現の比較により、SHRのマイクロア
レイ上で、5〜10倍のCd36のハイブリッド形成シグナルの減少が判明した
。これは、SHRにおけるCd36遺伝子の異常発現を示す。 【0331】 本発明は、以下の発見に一部基づく: 1.Cd36遺伝子は、ラット第4染色体のインシュリン抵抗性遺伝子座1に位
置する; 2.SHRのCd36遺伝子は、SHR Cd36タンパク質の推定アミノ酸配
列における11の変化をもたらす、cDNA配列における少なくとも18の変化
を含む。これらの配列の差異は、配列変異型番号として以下に詳述し、ここでの
各配列変異型番号は、あるトリプレットコドンに生じる配列変化を意味する。(
配列変異型番号4は、2つの変化したヌクレオチドを含み、これらは同じトリプ
レットコドンにあるので、一緒にする)。 【0332】 3.SHRラットのCd36mRNAは、野生型Cd36転写物の長さに比べて
、長多型を示す分子を含む。 【0333】 従って、本発明は、Cd36遺伝子の配列および/または発現レベルおよび/
またはCd36遺伝子産物の長さの変化により、ラット第4染色体上のインシュ
リン抵抗性遺伝子座に連関した、いくつかまたは全てのSHR株の表現型特徴、
すなわち、脂肪組織のインシュリン媒介グルコース組み込み欠陥、(Aitma
nら、1997;Nature Genetics、16:197−201)、
イソプロテレノール媒介脂肪分解または脂肪破壊の制御欠陥(Aitmanら、
1997、上記)、高血圧(Pravenecら、1995、J.Clin.I nvest. ,96:1973−1978)、および異常脂肪血症(Bottg
erら、1996、J.Clin.Invest.,98:856−862;K
ovacsおよびKloting、1998、Arch.Biochem.Bi ophys. ,354:139−143)が起こることに関する。 【0334】 本発明はまた、2型糖尿病および2型糖尿病の異常脂肪血症、本態性高血圧、
複合型高脂血症(家族性複合型高脂血症を含むがこれに限定されない)および冠
動脈性心疾患の素因(このいくつかはヒトCD36遺伝子の変異により一部引き
起こされ得る)を含む、関連したヒト状態のための、ラットおよび対応するヒト
CD36変異配列の使用に関する。 【0335】 ラットCd36の調節または構造または機能の欠陥は、ラットにおいて、イン
シュリンおよびカテコールアミン抵抗性並びに高血圧および異常脂肪血症を引き
起こし得るという知見は、これらの異常を特徴とするヒト疾病の予防、検出およ
び治療に有用であり得る。ヒトCD36遺伝子およびその変異体は、これらのヒ
ト疾患の診断試験およびそれらの治療を目的とした薬剤開発に考えられる。 【0336】 以下に列挙したのは、SHR Cd36 cDNA配列の本明細書で開示した
配列変化である。各々の番号を付した配列変異型において、最初に列挙した配列
は、Wister Kyoto(WKY、最初の対照株)であり、第二はブラウ
ン・ノルウェイ(BN、第二の対照株)であり、第三はSHRである。 【0337】 各々の番号を付した配列変異型は、単一コドンのヌクレオチド変化を示す。太
い(下線部の)印字体は、WKYおよびBNの両方と比較したSHRのヌクレオ
チド差異を示す。アミノ酸変化を、標準的な1文字アミノ酸記号を使用して列挙
する。以下のWKY、BNおよびSHR変異型核酸配列によりコードされたペプ
チド配列を図9に示す。 【0338】配列変異型番号1 362 tatttagcc aaggaaata taactcagga
390 [配列ID番号:1] 362 tatttagcc aaggaaata taactcagga
390 [配列ID番号:3] 362 tatttagcc aaggaaata taactcagga
390 [配列ID番号:5] アミノ酸変化:N→S配列変異型番号2 381 taactcagga ccccaagac agcactgtct 410 [配列ID番号:7] 381 taactcagga ccccaagac agcactgtct 410 [配列ID番号:9] 381 taactcagga ccccaagac agcactgtct 410 [配列ID番号:11] サイレント多型:K→K配列変異型番号3 491 ctggctgtgg cagctgacc acatatctac 520 [配列ID番号:13] 491 ctggctgtgg cagctgacc acatatctac 520 [配列ID番号:15] 491 ctggctgtgg cagctgacc acatatctac 520 [配列ID番号:17] アミノ酸変化:A→V配列変異型番号4 511 acatatctac acaaactcat ttgttcaagg 540 [配列ID番号:19] 511 acatatctac acaaactcat ttgttcaagg 540 [配列ID番号:21] 511 acatatctac caaaactcat tttttcaagg 540 [配列ID番号:23] アミノ酸変化:T→Q配列変異型番号5 521 acaaactcat ttttcaagg tgtgctcaac 550[配列ID番号:25] 521 acaaactcat ttttcaagg tgtgctcaac 550[配列ID番号:27] 521 caaaactcat ttttcaagg tgtgctcaac 550[配列ID番号:29] アミノ酸変化:V→F配列変異型番号6 541 tgtgctcaac agccttatca aaaagtccaa 570 [配列ID番号:31] 541 tgtgctcaac agccttatca aaaagtccaa 570 [配列ID番号:33] 541 tgtgctcaac atatttatca aaaagtccaa 570 [配列ID番号:35] アミノ酸変化:S→I配列変異型番号7 541 tgtgctcaac agcttatca aaaagtccaa 570 [配列ID番号:37] 541 tgtgctcaac agcttatca aaaagtccaa 570 [配列ID番号:39] 541 tgtgctcaac atattatca aaaagtccaa 570 [配列ID番号:41] アミノ酸変化:L→F配列変異型番号8 581 ttccaaacac gaagtttgaa gaactcttg 610 [配列ID番号:43] 581 ttccaaacac gaagtttgaa gaactcttg 610 [配列ID番号:45] 581 ttccaaacac gaagtttgaa gaactcttg 610 [配列ID番号:47] サイレント多型:K→K配列変異型番号9 601 ggaactcttg tggggttaa aagatccatt 630 [配列ID番号:49] 601 ggaactcttg tggggttaa aagatccatt 630 [配列ID番号:51] 601 agaactcttg tggggttag aagatccatt 630 [配列ID番号:53] サイレント多型:Y→Y配列変異型番号10 601 ggaactcttg tggggttac aagatccatt 630 [配列ID番号:55] 601 ggaactcttg tggggttac aagatccatt 630 [配列ID番号:57] 601 agaactcttg tggggttat aagatccatt 630 [配列ID番号:59] アミノ酸変化:K→E配列変異型番号11 631 cttgagtttg ttccatatc ctataagtac 660 [配列ID番号:61] 631 cttgagtttg ttccatatc ctataagtac 660 [配列ID番号:63] 631 cttgagtttg ttccatatc ctataagtac 660 [配列ID番号:65] アミノ酸変化:V→I配列変異型番号12 721 tggaaaggat aacataagca agttgccat 750 [配列ID番号:67] 721 tggaaaggat aacataagca agttgccat 750 [配列ID番号:69] 721 tggaaaggat aacataagca agttgccat 750 [配列ID番号:71] サイレント多型:K−>K配列変異型番号13 781 gtcctattgg aaagttatt gcgacatgat 810 [配列ID番号:73] 781 gtcctattgg aaagttatt gcgacatgat 810 [配列ID番号:75] 781 gtcctattgg aaagttatt gcgacatgat 810 [配列ID番号:77] アミノ酸変化:E→K配列変異型番号14 851 aaatctcaaa cactgaggtt ttttcctct 880 [配列ID番号:79] 851 aagtctcgaa cactgaggtt ttttcctct 880 [配列ID番号:81] 851 aagtctcaaa cactgaggtt ttttcctct 880 [配列ID番号:83] サイレント多型:F→F配列変異型番号15 1261 tagaaaaata gaagcactga agaatctga
a 1290 [配列ID番号:164] 1261 tagaaaaata gaagcactga agaatctga
a 1290 [配列ID番号:165] 1261 tagaaaaata gaaccactga agaatctga
a 1290 [配列ID番号:167] アミノ酸変化:A→P [配列ID番号:164]および[配列ID番号:165]によりコードされ
るアミノ酸配列は、[配列ID番号:166]に示し、一方SHR変異型15ア
ミノ酸配列は[配列ID番号:168]に示す。 【0339】配列変異型番号16 1321 aaatgagact gggaccatcg gcgatgaga
a 1350 [配列ID番号:169] 1321 aaatgagact gggaccatcg gcgatgaga
a 1350 [配列ID番号:170] 1321 aaatgagact gggaccattg gcgatgaga
a 1350 [配列ID番号:171] サイレント多型:I−>I配列変異型番号17 1441 tgttgctttt atgatttcat actgtgctt
g 1470 [配列ID番号:172] 1441 tgttgctttt atgatttcat actgtgctt
g 1470 [配列ID番号:173] 1441 tgttgctttc atgatttcat actgtgctt
g 1470 [配列ID番号:174] サイレント多型:F→F配列変異型番号18 1461 actgtgcttg cagatctaag aatggaaaa
t 1490 [配列ID番号:175] 1461 actgtgcttg cagatctaag aatggaaaa
t 1490 [配列ID番号:176] 1461 actgtgcttg cagatttaag aatggaaaa
t 1490 [配列ID番号:138] アミノ酸変化:S→F [配列ID番号:175]および[配列ID番号:176]によりコードされ
るアミノ酸配列は、[配列ID番号:177]に示し、一方SHR変異型18ア
ミノ酸配列は、[配列ID番号:141]に示す。 【0340】 上記の核酸配列に対する予測アミノ酸配列は、配列ID表に含まれ、各ヌクレ
オチド配列ID番号に従って(すなわち、偶数2、4、6、8等を使用して)番
号を付した。完全な野生型ラットCd36配列(Genbank寄託番号L19
658)を[配列ID番号:85]に示す(図11)。予測ポリペプチド配列は
[配列ID番号:86]に示す(図12)。本明細書に開示したラット株SHR
における完全なラットCd36コード配列および部分非翻訳配列を[配列ID番
号:87]に示す(図13)。予測ポリペプチド配列は[配列ID番号:88]
に示す(図14)。本明細書に開示した部分的ラットCd36配列ラット株Wi
ster Kyotoは[配列ID番号:89]に示す(図15)。予測ポリペ
プチド配列は[配列ID番号:90]に示す(図16)。ラット株BMの部分的
ラットCd36配列は[配列ID番号:91]に示す(図17)。予測ポリペプ
チド配列は[配列ID番号:92]に示す(図18)。 【0341】 これらの配列変化に加えて、我々は、SHRにおいて長多型Cd36 mRN
Aの証拠を検出した。SHRおよびWKYなどの2つのこのように密接に関連し
た株における大量の配列変異は、WKYおよびGNのゲノムDNAにおける意外
な77塩基対HinfI制限断片と共に(図3)、WKYおよびBNにおけるC
d36のゲノムの重複、およびSHRにおけるその欠失の可能性を示唆する。 【0342】 これを追跡するために、HinfI RFLP(SHR Cd36遺伝子のヌ
クレオチド640〜645に存在するが、WKY cDNAには存在しない、H
infI切断部位)に隣接する、Hin3F/3Rプライマーにより増幅される
ゲノム断片の直接的な配列を実施した。プライマー配列は以下の通りであった:
Hin3F: 5’−ACAKMYTTATCAAAGAGTCCAAGTCTTCTATGT
TC−3’[配列ID番号:130]、および Hin3R: 5’−ACCAACTGTGGTACTTATCG−3’[配列ID番号:13
1]。 【0343】 これらのプライマーは、このRFLPを増幅し、122bpの産物を与える。プ
ライマーHin3Fは、SHRとWKY DNA配列の間の差異の原因である、
K(G/T)、M(A/C)およびY(C/T)を含む縮重物である。プライマ
ーHin3Fは、完全な消化を示す、太字(下線部)で示した、工学HinfI
部位を含む。PCR産物を、HinfIを用いて完全に消化し、4%Nusie
ve/アガロースゲルで分離した。これにより、WKYおよびBNゲノムDNA
には2コピーのHin3F/3R断片が存在することが示され、WKYおよびB
Nゲノム配列の見かけのヘテロ接合性により明白である。WKYおよびBNゲノ
ムDNAのHin3F/3R断片の第二コピーは、SHR DNAから得られた
配列に正確に対応するが、WKYまたはBNでは転写されない。なぜならこれら
の株からの脂肪組織DNAでは検出不可能であるからである。SHRゲノムDN
Aにおける唯1つのHin3F/3R配列の存在により、WKYからの2つのゲ
ノムコピーのうち1つの、SHRゲノムDNAからの欠失が示唆される。 【0344】 この結果を確認するために、サザン解析を、SHR、WKYおよびBNラット
のゲノムDNAで実施した。推定エキソン6の領域のプローブ、およびWKY3
’UTRのプローブは、HinfI、EcoRIおよびPstIで消化したSH
RゲノムDNAにおいて単一の制限断片を検出した。WKYおよびBNは、SH
Rに見られるものとサイズが同一またはほぼ同一の制限断片を含んだが、追加の
バンドにより、WKYおよびBNの両方において少なくとも1つのさらなる遺伝
子コピーの存在が示された。 【0345】 遺伝子の5’末端の重複を試験するために、直接的な配列解析を実施した。こ
れにより再度、(Genbank配列L19658;[配列ID番号:85]の
)ヌクレオチド46、82、87および113で、WKYおよびBNゲノムDN
Aに、見かけのヘテロ接合性が示されたが、SHRゲノムDNAには僅か1つの
配列であった。SHRゲノム配列は、全3つの株のcDNA配列に同一であった
。これにより、遺伝子の5’末端は、SHR、WKYおよびBNの同じ転写単位
から転写されることが示される。正常に転写されていない遺伝子のコピーからの
SHRにおけるエキソン6の転写により、欠失事象がSHRで起こり、この株に
単一のキメラ転写単位を創製することが示唆される。このキメラ遺伝子の大半は
第二の正常に転写されていないCd36遺伝子のコピーから得られるので、これ
は、SHRに見られる複数のDNA配列変異型および発散した3’末端の説明と
なる。 【0346】 本発明により、診断評価下での被検者からの生物学的サンプルにおけるmRN
Aサイズ変異型の存在を、ラットまたはヒトにおけるインシュリン抵抗性表現型
の指標として使用し得る。 【0347】 SHRラットにおけるCd36の機能的解析 SHR転写物により、機能的な成熟タンパク質が産生されるかを決定するため
に、我々は、形質膜画分(これにはCd36タンパク質が普通存在する)を含む
ように調製した、SHRミクロソームペレットのウェスタンブロット解析を実施
した。WKYおよびBN脂肪組織由来の形質膜は、かなりの量のCd36を含み
、一方、SHRには全くCd36タンパク質は検出できなかった(図4)。類似
の結果が心臓ミクロソームで観察されたが、発現レベルは対照においてより低か
った。SHR転写物が翻訳されると仮定すると、データにより、SHRでは正常
なCd36プロセシングが実施されず、SHR株の、少なくとも脂肪および心臓
では、Cd36が機能的に欠損していることが示された。 【0348】 Cd36トランスジェニックマウスにおける脂肪酸およびリポタンパク質表現 無傷生物における脂質代謝に対するCd36の効果を調べるために、心臓およ
び骨格筋でCd36を過剰発現するトランスジェニックマウスにおいて、血中ト
リグリセリドおよび非エステル化脂肪酸(NEFA)を調べた。1.3kbのC
d36コード配列およびマウスクレアチンキナーゼ遺伝子(3.3kb)の制御
下にあるポリアデニル化シグナルを含む、1.7kbのDNA断片をもつ、MC
K−CD36ミニ遺伝子と呼ばれるミニ遺伝子を、以前に記載の通りに作成し(
Levak−Frankら、1995、J.Clin.Invest.、96:
976−986)、過排卵FVB雌マウスからの受精卵の雄性前核に注入した。
卵を、代理FVB雌の卵管に移した。トランスジェニックマウスを、尾生検から
単離したゲノムDNAを、放射標識Cd36DNA(1.3kb断片)でスクリ
ーニングすることにより同定した。標準的な方法により実施した、ノザンおよび
ウェスタンブロットにより、トランスジェニックマウスからの心臓および骨格筋
組織におけるCd36の過剰発現が確認された。血液を尾静脈から回収し、トリ
グリセリドおよびNEFAを、Sigmaおよび和光からそれぞれ入手できるキ
ットを使用して、一晩断食した動物から新しく採血した血液について測定した。 【0349】 表1は、同じ遺伝的(FVB)背景をもつ、トランスジェニックMCK−Cd
36マウスおよび対照マウス(年齢および性の一致するもの)における、血中ト
リグリセリドおよび非エステル化脂肪酸(NEFA)を示す。トランスジェニッ
クマウスは、血中トリグリセリドおよびNEFAの顕著な減少を示し、全身の脂
質恒常性におけるCd36の重要な生理理学的役割が確立される。 【0350】 Cd36導入遺伝子が、被検哺乳動物において脂質代謝に影響を及ぼせること
により、本発明による、治療剤(この場合、Cd36遺伝子および/またはその
発現タンパク質産物)を試験する上での動物モデルの有用性、並びに、インシュ
リン抵抗性遺伝子座に連関した遺伝子またはタンパク質を使用した、被検哺乳動
物の疾病の処置実施の可能性が示される。 【0351】 H.インシュリン抵抗性表現型に関連したヒトCD36多型 冠動脈心疾患をもつ12個体のCD36遺伝子の、配列解析を実施した。観察
された配列変異型を下に提示する。各番号の配列変異型について、最初に列挙し
た配列は、発表された配列であり、第二の配列は本明細書に開示した配列解析か
ら得られたものである。太い印字体(下線部)は、発表された配列と比較した、
個体(そのDNAをこれらの実験で配列にかけた)におけるヌクレオチドの違い
を示す。配列変異型番号1および2では、塩基の位置は、Armesillaお
よびVega(1994、J.Biol.Chem.、264:18385−1
8991)により発表された配列を示す。配列変異型番号3の塩基位置は、Ge
nbank寄託番号Z32753を示し、配列変異型番号4のそれは、Genb
ank寄託番号Z32764を示す。配列変異型番号1および2はプロモータ領
域にあり、配列変異型3は5’非翻訳領域にあり、配列変異型番号4は3’非翻
訳領域にある。残りの変異型は下に示したように位置する。CD36アミノ酸配
列の変化をコードするものは全くない。 【0352】配列変異型番号1 −73 gctttctctt ctctttttt ggggggggga −44 [配列ID番号:132] −73 gctttctctt ctctttttt ggggggggga −44 [配列ID番号:133]配列変異型番号2 −73 gctttctctt ctcttttttt gggggggga −44 [配列ID番号:134] −73 gctttctctt ctcttttttt gggggggga −44 [配列ID番号:135]配列変異型番号3 65 ctgtgactca tcagttctt tcctgtaaaa
94 [配列ID番号:136] 65 ctgtgactca tcagttctt tcctgtaaaa
94 [配列ID番号:137]配列変異型番号4 [配列ID番号:139] 421 attgtaacaa tagcacaaat aaagcacttg tgccaaagtt 460 421 attgtaacaa ta―――――――― ――――――――tg tgccaaagtt 460 [配列ID番号:140] ハイフン/実線は、配列の欠失を示す。 【0353】 サイレント核酸置換が、発表されたヒトcDNA配列に関連して、エキソン1
0のコード配列に観察された(Armesillaら、1994、J.Biol .Chem. 、269:18985−18991;Genbank寄託番号Z3
2760)。発表された配列は、本明細書に開示した配列変異型体の上に示す。
配列に、Armesillaら(1994、上記)に従って番号を付す。 【0354】 1149 gaatccctgt gtatagatt gttcttcca
t 1178 [配列ID番号:142] 1149 gaatccctgt gtatagatt gttcttcca
t 1178 [配列ID番号:143] Armesillaら(1994、上記)の配列に関連した、さらなる配列変
異型が非コード配列に発見され、以下に、ここでも発表された配列の下に示す(
エキソン2、5’非翻訳cDNA配列;Genbank寄託番号Z32753)
。 【0355】 141 ctgtgactca tcagttctt tcctgtaaaa 170 [配列ID番号:144] 141 ctgtgactca tcagttctt tcctgtaaaa 170 [配列ID番号:145] 2つの配列変異型が、エキソン2と3の間を配列決定することにより、イント
ロン2(エキソン2の配列の下流)に同定された。第一のものは、比較的稀であ
る第二のよりも頻繁に観察される。 【0356】 5’ tgatacgttt cagtggtgt tttctttgta
3’ [配列ID番号:146] 5’ tgatacgttt cagtggtgt tttctttgta
3’ [配列ID番号:147] 上記の配列の変異型ヌクレオチドは、イントロン2/エキソン3境界の下流の7
3塩基対である。 【0357】 イントロン12に位置する、配列変異型がヒトCD36で発見された最終部位
が、エキソン12と13の間を配列決定することにより得られた。2つの配列が
得られた。最初のものは一般的な配列であるが、第二のものは稀な配列である。 【0358】 5’ ggttattttg atatgatct tagtatcgta
3’ [配列ID番号:148] 5’ ggttattttg atatgatct tagtatcgta
3’ [配列ID番号:149] これらの配列の変異型ヌクレオチドは、エキソン12/イントロン12の境界の
上流の37塩基対である。 【0359】 5つの追加の変異が、表現型CD36に欠陥のある、5人のアフリカ系カリブ
人および1人のアフリカ系アメリカ人で発見された。第6の変異が、糖尿病に罹
患したアフリカ系カリブ人に発見された。これらの変異の中で、4つは、機能的
CD36タンパク質の翻訳を防ぐ、別個のナンセンスまたはフレームシフト変異
である。これらの変異の1つ([配列ID番号:179])は、Armisil
laら(GenbankZ32760、[配列ID番号:178])に報告され
たcDNA配列のエキソン10におけるヌクレオチド1145での1ヌクレオチ
ド欠失である。この点欠失は、リーディングフレームにシフトを引き起こし、こ
の変異を含むCD36対立遺伝子が機能的CD36タンパク質をコードする能力
を消失させる。 【0360】 1127 gaatccgacg ttaatctgaa aggaatccc
t 1156 [配列ID番号:178] 1127 gaatccgacg ttaatct−aa aggaatccc
t 1156 [配列ID番号:179] 配列ID番号:190、191および192は、同じ点変異を含むヌクレオチ
ドを含む。しかし、これらの配列は、8、12および16ヌクレオチド長である
。点変異は、これらの各ヌクレオチドの中心にある。しかし、点変異は、8、1
2または16ヌクレオチド配列のどの位置でも起こり得る。例えば、変異は、8
ヌクレオチドの配列の1〜8の各々の位置で起こり得る。 【0361】 1127 gaatccgacg ttaatctgaa aggaatccc
t 1156 [配列ID番号:178] atct−aa ag
[配列ID番号:190] 1127 gaatccgacg ttaatctgaa aggaatccc
t 1156 [配列ID番号:178] taatct−aa agga
[配列ID番号:191] 1127 gaatccgacg ttaatctgaa aggaatccc
t 1156 [配列ID番号:178] g ttaatct−aa aggaat
[配列ID番号:192] これらの第二の変異において([配列ID番号:181])、同じCD36遺
伝子(GenbankZ32760、[配列ID番号:180])のエキソン1
0のヌクレオチド1264が、TからGに変異している。この変異は、表現型C
D36に欠陥のある5人中3人のアフリカ系カリブ人被検者にホモ接合形で認め
られ、残りの2人の被検者にはヘテロ接合形で認められた。 【0362】 1247 aaaaattgta catcatatgg tgtgctaga
c 1276 [配列ID番号:180] 1247 aaaaattgta catcatagg tgtgctaga
c 1276 [配列ID番号:180] 配列ID番号:193、194および195は、同じTからGへの変異を含む
ヌクレオチドを含む。しかし、これらの配列は9、13および17ヌクレオチド
長である。TからGへの変異は、これらの各ヌクレオチドの中心にある。しかし
、変異は、9、13または17ヌクレオチド配列のどの位置でも起こり得る。 【0363】 1247 aaaaattgta catcatatgg tgtgctaga
c 1276 [配列ID番号:180] catagg tg
[配列ID番号:193] 1247 aaaaattgta catcatatgg tgtgctaga
c 1276 [配列ID番号:180] atcatagg tgtg
[配列ID番号:194] 1247 aaaaattgta catcatatgg tgtgctaga
c 1276 [配列ID番号:180] a catcatagg tgtgct
[配列ID番号:195] この被検者群で発見された第三の変異([配列ID番号:183])は、Ge
nbankZ32757([配列ID番号:182])のエキソン7のヌクレオ
チド996の後に始まる4塩基挿入である。挿入はフレームシフトを引き起こし
、変異を含む対立遺伝子からの機能的CD36タンパク質の発現を消失させると
予測される。この変異は、唯1人の被検者に存在し、この者はまた[配列ID番
号:181]に示した変異についてホモ接合性であった。 【0364】 979 taaaggtaaa aggtaagt attctggt aaaa [配列ID番号:182] 979 taaaggtaaa aggtaagtaa gtattctggt aaaa [配列ID番号:183] 配列ID番号:196、197および198は、同じ4塩基挿入を含むヌクレ
オチドを含む。しかし、これらの配列は8、12および16ヌクレオチド長であ
る。4塩基挿入は、これらの各ヌクレオチドの中心にある。しかし、挿入は、8
、12または16ヌクレオチド配列のどの位置でも起こり得る。 【0365】 979 taaaggtaaa aggtaagt attctggt aaaa [配列ID番号:182] gtaa gtat
[配列ID番号:196] 979 taaaggtaaa aggtaagt attctggt aaaa [配列ID番号:182] aagtaa gtattc
[配列ID番号:197] 979 taaaggtaaa aggtaagt attctggt aaaa [配列ID番号:182] gtaagtaa gtattctg
[配列ID番号:198] 第四の変異([配列ID番号:185])が、5人中1人の表現型的にCD3
6に欠陥のあるアフリカ系カリブ人被検者に認められた。この変異は、Genb
ankZ32753([配列ID番号:184])のイントロン2内の点欠失で
ある。この変異が、機能的CD36タンパク質の産生に有意な効果を及ぼすかは
不明である。 【0366】 tctatttacc catgcttttc ttattttcac aga 107 [配列ID番号:184] −ctatttacc catgcttttc ttattttcac aga 107 [配列ID番号:185] 配列ID番号:199、200および201は、同じ点欠失を含むヌクレオチ
ドを含む。しかし、これらの配列は8、12および16ヌクレオチド長である。
欠失は、これらの各ヌクレオチドの開始点に位置する。しかし、欠失は、8、1
2または16ヌクレオチド配列のどの位置でも起こり得る。 【0367】 tctatttacc catgcttttc ttattttcac aga 107 [配列ID番号:184] −ctatttac
[配列ID番号:199] tctatttacc catgcttttc ttattttcac aga 107 [配列ID番号:184] −ctatttacc cat
[配列ID番号:200] tctatttacc catgcttttc ttattttcac aga 107 [配列ID番号:184] −ctatttacc catgctt
[配列ID番号:201] 第五の変異([配列ID番号:187])が、表現型CD36に欠陥のあるア
フリカ系アメリカ人に認められた。変異は、新規な14ヌクレオチドの反復から
生じ、エキソン13([配列ID番号:186])における14ヌクレオチドの
挿入である。14ヌクレオチド挿入断片は、ヌクレオチド1530の後で起こり
、ヌクレオチド1517〜1530の反復配列を含む。変異は、オープンリーデ
ィングフレームのフレームシフトを予測する、機能的に有意な変異であり、これ
は、CD36の配置および機能に必須である、C末端膜内外ドメインを含む、正
常なタンパク質のC末端を消失させる。 【0368】 1511 cctattct ttggctt
a [配列ID番号:186] 1511 cctattctat tgtgcctatt ctttggctt
a [配列ID番号:187] 配列ID番号:202、203および204は、同じ14塩基挿入断片を含む
ヌクレオチドを含む。しかし、これらの配列は14、22および26ヌクレオチ
ド長である。14塩基挿入変異は、22および26塩基の各ヌクレオチドの中心
にある。しかし、挿入は、22または26ヌクレオチド配列内のどの位置でも起
こり得る。 【0369】 1511 cctattct ttggctt
a [配列ID番号:186] at tgtgcctatt ct
[配列ID番号:202] 1511 cctattct ttggctt
a [配列ID番号:186] ttctat tgtgcctatt ctttgg
[配列ID番号:203] 1511 cctattct ttggctt
a [配列ID番号:186] tattctat tgtgcctatt ctttggct
[配列ID番号:204] 第六変異([配列ID番号:189])は、糖尿病に罹患したアフリカ系カリ
ブ人に認められた。変異は、エキソン10([配列ID番号:188])のTか
らCへのサイレント置換である。変異は、タンパク質のアミノ酸配列の変化を予
測しない。 【0370】 tccctgtgta tagatttgtt cttccatcca
[配列ID番号:188] tccctgtgta tagattgtt cttccatcca
[配列ID番号:189] 配列ID番号:205、206および207は、同じTからCへの変異を含む
ヌクレオチドを含む。しかし、これらの配列は、9、13および17ヌクレオチ
ド長である。TからCへの変異は、これらの各ヌクレオチドの中心にある。しか
し、変異は9、13または17ヌクレオチド配列のどの位置でも起こり得る。 【0371】 tccctgtgta tagatttgtt cttccatcca
[配列ID番号:188] gattgtt c
[配列ID番号:205] tccctgtgta tagatttgtt cttccatcca
[配列ID番号:188] tagattgtt ctt
[配列ID番号:206] tccctgtgta tagatttgtt cttccatcca
[配列ID番号:188] ta tagattgtt cttcc
[配列ID番号:207] 別のCD36変異を、以下のように、配列ID番号:209に提示する。 【0372】 1428−CTTTACAATT TGCAAAACGG CTGCAGG
TCA AC [配列ID番号:208] 1428−CTTTACAATT TCAAACGG CTGCAGG
TCA AC [配列ID番号:209] 配列ID番号:209は、見かけ上2つの事象により引き起こされる、異常な化
合物変異である:1439位の正常なGは、変異体(G1439C)ではCに変
化し、単一ヌクレオチド欠失が1444位で起こった。G1439C変異は、ア
ラニンからプロリンへの置換を引き起こし、単一塩基対欠失は、C末端膜内外ド
メインおよびC末端細胞質尾を含む、遺伝子の正常な3’末端を消失させる、オ
ープンリーディングフレームのフレームシフトを引き起こす。(配列ID番号:
208および209で示した配列の番号付けは、ArmesillaおよびVe
ga、1994、Jour.Biol.Chem.269:18985−91に
より作成された番号付けによる)。配列ID番号:209に開示された二重変異
は、マラリアに対する保護には関連していないが、小児期(生殖年齢に達する前
)に感染を引き起こす疾病などの疾病に対して生存または保護を付与し得、乳児
下痢症、赤痢、呼吸器疾患、またはウイルスによる疾病を含み得る。従って、配
列ID番号:208および209は、かかる疾病の診断および/または治療に有
用であり得る。 【0373】 本明細書に記載したヒトCD36多型、特に[配列ID番号:133]および
[配列ID番号:135](これはCD36プロモータ領域にある)は、特定の
集団、特にパンジャブシーク教徒および南アジアおよびその他の地域の者におけ
る、インシュリン抵抗性、糖尿病および冠動脈心疾患の主な原因であり得、かか
る集団は、他のインド系アジア人を含むがこれに限定されない。[配列ID番号
:133]および[配列ID番号:135]に見られる配列多型は、プロモータ
のホルボールエステル応答エレメント内にあり、またヌクレアーゼ過敏症の領域
内である。これらのエレメントは、CD36調節を制御し得、CD36遺伝子は
、高レベルで転写され、高い程度の転写制御を受けることが知られている。これ
らの変異型の一方または両方が、これらの集団の60%まで存在し得、それゆえ
、英国または米国のカフカス人被検者と比較して、2〜4倍高い糖尿病および冠
動脈心疾患の危険性を説明し得る。従って、これらの変異型は、インシュリン抵
抗性、II型糖尿病および冠動脈心疾患の診断、危険評価、予防および治療に有
用なマーカーである。 【0374】 別々の実験で、肥満パンジャブシーク教徒男性(n=46)のCD36遺伝子
のジヌクレオチド反復(非常に有益な遺伝子マーカー)と、糖尿病、耐糖能障害
、冠動脈心疾患、グルコース負荷試験における断食中および2時間目(グルコー
ス添加後)のグルコースレベル、および最後に、断食中および2時間目(グルコ
ース添加後)のインシュリンレベル(すなわち、被検者は最初に断食し、経口グ
ルコース添加を受け、2時間後に血中インシュリンおよびグルコースレベルにつ
いて試験する)の間に、意義ある関連が観察された。これらの結果は、変異と、
観察された表現型の間の実際の連鎖は、統計学的解析(p=0.005という低
いp値が観察された)により支持される。 【0375】 これらの実験を、Lipskyら(1994、Hum.Mol.Genet. 、3:217)により記載されたヒトCD36のミクロサテライトマーカーを使
用して、パンジャブシーク教徒男性の試験集団に実施した。糖不耐性との関連が
観察され、対立遺伝子3および4と本明細書で呼称した、2つの一般的な対立遺
伝子は、対立遺伝子A1およびA4に対応する(Lipskyら、1994、上
記)。表2は、対立遺伝子3の関連を示し、数値は、個体数として表現する(合
計に対する%)。 【0376】 【表1】 【0377】 これらのデータにより、少なくとも1コピーの対立遺伝子3を有するパンジャ
ブシーク教徒の糖尿病の相対的危険性は、対立遺伝子3を有さないことが判明し
たその者よりも6倍高いことが示された。対立遺伝子3と糖尿病の間の連鎖の統
計学的有意性は、対立遺伝子3+ve対対立遺伝子3−ve:p=0.01であ
る。 【0378】 表3は、対立遺伝子4とIGTまたは糖尿病の危険性の間の関連を示す。 【0379】 【表2】 表3のデータにより、少なくとも1コピーの対立遺伝子4を有するパンジャブシ
ーク教徒の糖尿病の相対的危険性は、全く有さないその者よりも3倍低いことが
示された(統計学的有意性:対立遺伝子4+ve対対立遺伝子4−veについて
p=0.004)。 【0380】 配列変異型および冠動脈心疾患(CHD)の間の関連も調べた。表4は、対立
遺伝子3変異型とCHDの間の関連に関するデータを示す。 【0381】 【表3】 これにより、少なくとも1コピーの対立遺伝子3を有するパンジャブシーク教
徒のCHDの相対的危険性の増加が示される(統計学的有意性:対立遺伝子3+
ve対対立遺伝子3−veについてp=0.2)。対立遺伝子3を欠失した個体
においてCHDについて0が観察された結果、この危険性は完全に定量化できな
いが、15倍までの大きな相対的危険性を示し得る。 【0382】 対立遺伝子4の存在または非存在に関連した危険性の変化も決定し、結果を表
5に示す。 【0383】 【表4】 【0384】 この結果により、1コピーの対立遺伝子4を有するパンジャブシーク教徒のC
HDの相対的危険性の減少が示される(統計学的有意性:対立遺伝子4+ve対
対立遺伝子4−veについてp=0.02)。この危険性は、CHDに罹患する
対立遺伝子4+ve個体における数値が0であるため、定量化されないが、この
対立遺伝子を欠失した個体の15倍以下という大きな相対的危険性を示し得る。 【0385】 注記すべき他の有意な結果は、対立遺伝子3についてホモ接合性である、パン
ジャブシーク教徒の断食中およびグルコース添加2時間後のインシュリンレベル
の上昇である(両方についてp<0.009)。これにより、対立遺伝子3につ
いてホモ接合性である個体のインシュリン抵抗性への素因が示される。 【0386】 ミクロサテライト対立遺伝子自体が上記の疾患に対する遺伝的素因の原因では
ないようであるが、1型糖尿病についてありそうもない結果がインシュリン遺伝
子座で観察され、インシュリン遺伝子転写に影響を及ぼすミニサテライトが、疾
病の危険性を付与し、それゆえ、対立遺伝子3および4と、糖尿病、IGTまた
はCHDの間の連関が他の集団で観察され得る。少なくともパンジャブシーク教
徒では、およびおそらく他の集団でも、これらのマーカーは糖尿病、インシュリ
ン抵抗性および冠動脈心疾患の危険性の素因の重要な診断マーカーであり得る。
別に、これらの対立遺伝子は、それ自体、疾病の根本原因を示さないことがある
が、個体間の疾病危険性の差異の主な原因であるCD36遺伝子内の他の対立遺
伝子への連鎖不均衡(すなわち、強固な遺伝的連鎖)にあり得る。本明細書に開
示した多型、並びに、他の依然として同定されていない変異または多型は、観察
された疾病関連の根底にある遺伝的欠陥の候補である。それゆえ、それらは、こ
れらの疾患に対する素因について個体を選別するのに、並びに、薬剤スクリーニ
ングおよびこれらの対立遺伝子をもつ個体を本発明により疾病を治療する標的と
して有利には使用され得る。 【0387】 CD36遺伝子の対立遺伝子変異型は、パンジャブシーク教徒およびおそらく
他の集団における、インシュリン抵抗性、糖尿病および冠動脈心疾患についての
、感受性の主な原因を示す。かかる結果は、公衆衛生および疾病予防および治療
に意義がある。上記に示したように、疾病連関対立遺伝子変異型は、例えば、上
記に示したものを含むがこれに限定されない、観察された多型部位を包囲する、
変異または野生型配列を含む、オリゴヌクレオチドプローブを使用して、本発明
に記載の診断法で検出できる。他の適用可能な技法は、直接的DNA配列決定、
一本鎖コンフォメーション多型解析、対立遺伝子特異的PCR、マイクロアレイ
ハイブリッド形成解析またはミスマッチ解析(酵素的切断または電気泳動法によ
る)(例えば勾配変性ゲル)を含むがこれに限定されない。さらに、これらの変
異型によりコードされるタンパク質は、診断目的のために(例えば、変異型特異
的標識抗体を用いて)検出され得、但し、目的の変異型は、非疾病関連変異型と
は免疫学的に異なる。最後に、これらの結果は、ヒトCD36遺伝子またはその
タンパク質産物を標的として使用する、薬剤スクリーニングプロトコルを支持す
る。 【0388】 I.本発明による候補疾病連関遺伝子のクローニング 位置クローニング法 i.酵母人工染色体を使用した、染色体セグメントの物理的マッピングおよ び単離 この方法により、本発明のインシュリン抵抗性遺伝子座に位置する遺伝子を同
定する第一段階は、特定のインシュリン抵抗性遺伝子座を包含する領域を網羅す
るゲノム断片の単離である。酵母人工染色体(YAC)が、挿入断片長の点で有
利に使用される。なぜなら、これらの染色体は、2メガ塩基対(Mb)までの挿
入断片DNAを保持し、例えば、150kb以下の挿入断片サイズを有する細菌
人工染色体(BAC)に比べて、あるゲノム領域を網羅するのに数個のクローン
しか必要としないからである。BACはYACよりもキメラ化および再編成する
傾向が低い点で、それらは、YACからのセグメントのサブクローニングにも、
およびYACコンティグ内および接合部領域にギャップを構築するのにも有用で
ある。それゆえ、YACとBACコンティグの組み合わせは、目的の染色体セグ
メントを物理的にマッピングするのに有用である。 【0389】 ラット、マウスおよびヒトYACおよびBACライブラリーは、市販されてい
る(例えば、Research Genetics;Huntsville、A
L)。末端断片配列は、YACコンティグのYACから単離し、クローンをこれ
らから得、互いにクローンを要求するためのプローブとして使用できる。切断部
位の稀な酵素を使用した部分的消化およびパルスフィールドゲル電気泳動を用い
た制限マッピングを使用して、コンティグのTACと、コンティグの実際の長さ
の間の重複程度を決定できる。遺伝子位置づけ手順に含まれる分子法(例えば、
制限マッピング、ゲル電気泳動、核酸ハイブリッド形成およびサブクローニング
)を、当分野で公知の方法により実施し得る(Sambrookら、1989、 Molecular Cloning.A Laboratory Manua l.第2版 、Cold Spring Harbor Laboratory
Press、Cold Spring Harbor、NY)。物理的に単離し
たDNAからの候補遺伝子の同定は、ここでも当分野で公知の方法による、直接
的YACハイブリッド形成、直接的cDNA選択、エキソン捕獲および長い範囲
の配列を含む、数個を技法を組合せて使用してアプローチできる。これらの方法
の1つまたは組合せを、ある遺伝子の単離に使用し得る。例えば、インシュリン
抵抗性遺伝子座の遺伝子は、細かい遺伝子マッピング、次いで物理的マッピング
、長い範囲の配列決定およびエキソン捕獲の組合せにより同定し得る。これらの
各段階は次の効率を高める。最終段階は、DNA配列解析または下記した方法(
E章参照)により遺伝子の変異(群)を同定し、変異が関連変異表現型と同時分
離することを示し、これも上記したように(D章参照)、細胞、細胞系または動
物での変異および/または対応する野生型遺伝子の効果を規定することである。 【0390】 ii.プラスミドレスキュー 上記したように、レトロウイルスベクター、プラスミドまたは可動遺伝要素(
例えばトランスポゾン)などの変異原性ベクターを使用して、目的の遺伝子をマ
ッピングできる。特別なサブクラスのかかる変異原性核酸は、最初にDroso
phila(ショウジョウバエ)で記載されたが、等しく哺乳動物モデル系にも
適用可能である(Drosophila:A Practical appro ach におけるPirotta、1986、Roberts編、IRL Pre
ss、OxfordおよびWashington,D.C.)、「プラスミドレ
スキュー」として知られる技法による、宿主(すなわち試験動物)のベクター組
込み部位に隣接した染色体配列の回復を可能とする。この手順により、変異原性
作成物は、細菌複製起源および選択マーカー(例えば薬剤耐性遺伝子)の両方を
含み、これは共に最小のプラスミドを構成する。最小プラスミドカセットの片側
には、制限エンドヌクレアーゼの独特な認識部位があり、典型的には1つ以上の
かかる部位がある。変異原性作成物を有する生物からのゲノムDNAを、これら
の独特な制限酵素の1つで切断し、環化し(例えば自己結合により)、細菌に形
質転換する。最小プラスミドのみを、使用する酵素の最も近いゲノム切断部位ま
で伸長している染色体配列と共に、細菌中で増殖できる。 【0391】 iii.ミクロクローニング 目的の遺伝子は、いったんマッピングすると、支持体基質(例えばガラス顕微
鏡スライド)に付着させた染色体領域を物理的に切断し、次いで無作為にベクタ
ーにクローン化し、増殖することにより得られた豊富なライブラリーからクロー
ン化できるが、この技法は、数多くの生物の全ゲノムにおよぶYACライブラリ
ーは入手できるために、幾分時代遅れである。 【0392】 J.本発明による疾病治療 本発明は、インシュリン作用、カテコールアミン作用、グルコース代謝または
脂肪酸代謝または輸送の欠陥に関連した疾病の診断の方法、並びに、かかる疾病
の治療に有用であり得る候補薬剤の同定およびアッセイの方法を提供する。イン
シュリン作用または脂肪酸代謝または輸送の欠陥は、インシュリン抵抗性症候群
(代謝症候群X)または心筋症を引き起こす。インシュリン抵抗性症候群に関連
した疾病は、インシュリン非依存性糖尿病(NIDDM)および本態性高血圧を
含むがこれに限定されず、一方、心筋症に関連した疾病は、遺伝性肥大型、拡張
型、圧過負荷、または特発性心筋症を含むがこれに限定されない。本発明はさら
に、グルコースまたは脂質代謝に関連した機能の調節に効果的であると同定およ
び判明した薬剤を、かかる機能の欠陥を有する患者に投与することによる方法を
提供し、ここでの薬剤の標的は、目的の機能を調節し、上記で定義したインシュ
リン抵抗性遺伝子座に連関する。 【0393】 CD36タンパク質欠乏症を有する患者、例えば配列ID番号:179、18
1、183および187に開示した変異の1つ、またはCD36タンパク質欠乏
症を引き起こす他の変異を有する患者を治療する1つの方法は、野生型CD36
遺伝子または機能的CD36タンパク質の発現を引き起こす他の組換え核酸を導
入する遺伝子療法を含む。遺伝子療法は、D.i章で上記に列挙した方法のいず
れか、または当分野で公知の任意の適切な方法により実施できる。CD36タン
パク質欠乏症は、機能的CD36タンパク質をコードする任意の核酸配列、例え
ば[配列ID番号:101]、[配列ID番号:102]、[配列ID番号:103]
、[配列ID番号:104]、[配列ID番号:105]、[配列ID番号:106]
、[配列ID番号:107]、[配列ID番号:108]、[配列ID番号:109]
、[配列ID番号:110]、[配列ID番号:111]、[配列ID番号:112]
、[配列ID番号:113]、[配列ID番号:114]、[配列ID番号:115]
、[配列ID番号:116]、[配列ID番号:117]、[配列ID番号:118]
、[配列ID番号:119]、[配列ID番号:120]、[配列ID番号:121]
、[配列ID番号:122]、[配列ID番号:123]、[配列ID番号:124]
、[配列ID番号:125]、[配列ID番号:126]、[配列ID番号:127]
、[配列ID番号:128]、[配列ID番号:129]、[配列ID番号:132]
、[配列ID番号:133]、[配列ID番号:134]、[配列ID番号:135]
、[配列ID番号:136]、[配列ID番号:137]、[配列ID番号:139]
、[配列ID番号:140]、[配列ID番号:142]、[配列ID番号:143]
、[配列ID番号:144]、[配列ID番号:145]、[配列ID番号:146]
、[配列ID番号:147]、[配列ID番号:148]および[配列ID番号:1
49] に開示された配列の導入により治療できる。 【0394】 本発明によりグルコースまたは脂質代謝を調節する薬剤の投与量および投与法
は、動物モデルまたはヒト被検者に関するスクリーニング法について上記した通
りである。かかる薬剤は、医者などの当業者の判断により、患者の身体的必要性
および状態に応じて、1回投与または頻回投与計画で投与し得る。治療は、上記
したような、臨床指示薬または生化学係数のモニタリングに基づき効果的である
と判断され、一般に、定量可能な場合には、少なくとも10%、好ましくは20
%以上の比率変化が有効の指標である。 【0395】K.本発明による供与のための生物学的サンプルのスクリーニング 本発明は、別のヒトまたは哺乳動物に供与するための、ヒトまたは哺乳動物由
来の血液または他の細胞、組織、臓器、または体液をスクリーニングする方法を
提供する。スクリーニング法は、CD36遺伝子または非ヒト哺乳動物種の相同
的遺伝子における変異を試験する方法、並びに、CD36タンパク質欠乏症、ま
たは非ヒト哺乳動物種の相同的タンパク質の欠乏症を検出する検出する方法を含
む。 【0396】 CD36タンパク質欠乏症を有し、CD36タンパク質欠乏症を有さないヒト
または哺乳動物由来の細胞、組織(例えば、血小板を含む、血液または血液製剤
)、臓器、体液のレシピエントである、ヒトまたは哺乳動物に、CD36タンパ
ク質に対する抗体の産生などの、有害な免疫反応を発達させる。それゆえ、CD
36または相同的タンパク質の欠乏症を有するヒトまたは哺乳動物への供与また
は移植前に、細胞、組織、臓器または体液などの供与物質を探索する場合、可能
な供与体を選抜し、適合性CD36欠乏症を有するものを選択し、細胞、組織、
臓器または体液が野生型CD36タンパク質を含む可能な供与体を却下すること
が望ましくあり得る。かかるスクリーニングは、供与または移植する物質が、全
血或いはレシピエントの免疫応答を刺激し得るCD36タンパク質型を潜在的に
含む血液から調製した血液製剤、例えば充填血球、赤血球、血小板または任意の
他の物質である場合に特に重要であり得る。 【0397】 供与物質のスクリーニングは、CD36遺伝子の変異またはCD36タンパク
質欠乏症について、可能性ある供与体からの、血液を含む、任意の生物学的サン
プルを試験することにより実施できる。試験した物質は、供与物質自体または供
与体から得られた血液などの別の生物学的サンプルであり得る。変異の検出は、
上記の任意の方法により実施できる。C36タンパク質欠乏症の検出は、CD3
6遺伝子の変異について試験することにより、または、例えばウェスタンブロッ
ト、ELISA、またはCD36タンパク質変異型を区別できる別の技法を使用
して、レシピエントに見られないCD36タンパク質の変異型について試験する
ことにより実施できる。CD36欠乏症またはCD36遺伝子変異のスクリーニ
ング法は、配列ID番号:179、181、183、185および187に記載
したような一般的に起こる変異、或いは、CD36タンパク質欠乏症を引き起こ
すかまたはその指標となることが知られる他の変異についての、かかる欠乏症試
験を示すことが好ましい。試験後に、細胞、組織(血液および血液製剤を含む)
、臓器、または体液などの供与物質を、結果をエンドユーザ(例えば医者または
その関連者)またはかかる供与物質のレシピエントに結果を伝えるに適切な任意
の方法で標識する。例えば、供与物質を貯蔵する容器を、CD36遺伝子型また
は供与物質の表現型の表示で標識できるか、または類似の情報を、エンドユーザ
またはレシピエントへの供与物質の発送に伴いまたはそれに関連して、明細書類
を使用してまたは電子形で伝達できる。 【0398】 本発明はまた、供与体を、CD36欠乏症に基づいたレシピエントに適合させ
る方法を提供する。細胞、組織(血液または血液製剤を含む)、臓器、または体
液のレシピエントを試験して、レシピエントが、CD36遺伝子産物欠乏症また
はかかる欠乏症を引き起こすCD36遺伝子の変異を有するかを決定する。レシ
ピエントが、かかる欠乏症を有する場合、レシピエントを、類似の欠乏症を有す
る供与体、またはレシピエント欠乏症と適合性の供与体と適合させる。供与物質
が、供与物質に発現されるCD36遺伝子産物のために、レシピエントにおいて
免疫応答を引き起こさないようである場合、供与体のCD36欠乏症は、レシピ
エントの欠乏症と適合性である。かかる免疫応答の確率は、CD36遺伝子産物
の欠乏症またはCD36遺伝子変異についてレシピエントを試験した結果を、上
記の通りに実施した供与物質のスクリーニング結果と比較することにより、当業
者により予測され得る。 【0399】 L.本発明による寄生虫感染に対する抵抗性およびその治療 本発明は、患者が、ある寄生虫感染に抵抗性であることが遺伝的に素因づけら
れているかを決定する方法を提供する。ヒトまたは他の動物被検者の感染過程で
、機能的CD36または相同的タンパク質を必要とする任意の寄生虫病が、これ
らの方法の使用に適切である。かかる疾病の例は、熱帯熱マラリア、脳性マラリ
アおよび黒水熱を含む。 【0400】 本明細書に記載したCD36変異体の中で、4つ(配列ID番号:179、1
81、183および187)が、ホモ接合性個体の完全なCD36タンパク質欠
乏症と関連している。これらの変異および依然として発見されていないその他の
変異を使用して、熱帯熱マラリアおよびCD36タンパク質に関与する他の寄生
虫感染に抵抗性のようである患者を同定できる。かかる寄生虫感染の危険性のあ
る患者を試験して、それらが配列ID番号:179、181、183および18
7に開示したような変異或いはCD36タンパク質欠乏症を引き起こすまたは指
標となる別の変異を有するかを決定することにより、これらの患者は、予防的薬
剤療法などの適切な注意を払うことや、C36タンパク質欠乏症の指標となる変
異を有さない場合には感染の危険性を回避することができる。 【0401】 さらに、本発明は、熱帯熱マラリア、脳性マラリア、黒水熱、および、寄生虫
薬のリガンドとしてCD36タンパク質に関与する他の疾病といった、寄生虫感
染の予防および治療の方法を提供する。この方法は、CD36遺伝子発現阻害を
含む。CD36遺伝子発現の阻害により、CD36タンパク質欠乏症が誘導され
得、熱帯マラリア原虫またはリガンドとしてCD36を使用する他の寄生虫によ
る感染プロセスを阻害できる。それゆえ、これらの方法を実践するために、CD
36遺伝子発現の阻害剤を含む医薬組成物を、それを必要とする患者に投与する
。患者が、かかる寄生虫に感染したり、またはかかる寄生虫による感染の危険性
がある場合には、患者にはかかる医薬組成物が必要である。CD36遺伝子発現
の阻害剤は、上記に開示した任意の物質、例えば、CD36タンパク質に対する
抗体、CD36mRNAに結合するアンチセンス核酸、宿主の細胞に組み込まれ
、CD36遺伝子発現の任意の態様を阻害する、アンチセンス核酸、リボザイム
、または小分子を産生するベクターであり得る。かかる物質は、患者の細胞で、
少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、
少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、
または少なくとも99%のCD36タンパク質発現を阻害する用量で投与される
。CD36遺伝子産物の量の減少は、Handunnettiら、1992、B
lood 80:2097(本明細書に参考として組み込む)に記載のように赤
血球(C36を有する)によるロゼット形成阻害を介して、または、Endem
annら、1993、Jour.Biol.Chem.268:11811(本
明細書に参考として組み込む)に記載のように、酸化低密度リポタンパク質の、
CD36を有する細胞(例えば血小板)への結合阻害を介して決定し得る。 【0402】 本発明はまた、寄生虫のCD36タンパク質への結合に関与する、寄生虫感染
の予防または治療における効力について、薬剤をスクリーニングする方法を提供
する。候補薬剤を、CD36タンパク質の欠乏症を引き起こすように、CD36
遺伝子の発現を破壊する能力について試験し、従って、寄生虫により感染を予防
または治療する薬剤の効力を示す。寄生虫のCD36タンパク質への結合を破壊
または阻害することにより、薬剤は、細胞または組織が感染されることを防ぎ、
または感染が宿主内で蔓延することを防ぐことができる。かかる薬剤スクリーニ
ングアッセイにおいて、CD36遺伝子は、転写および/または転写/翻訳アッ
セイ、また全細胞アッセイで試験でき、薬剤の存在下でのCD36遺伝子発現の
阻害レベルは、本明細書に開示したCD36変異遺伝子による遺伝子発現のレベ
ルと比較できる。候補薬剤のCD36タンパク質への結合は、寄生虫のCD36
タンパク質への結合を防止する薬剤の効力を予測でき、それゆえ、寄生虫による
感染の予防または治療におけるその効力を予測できる。寄生虫感染の治療に可能
性のある薬剤はまた、薬剤により産生されるCD36転写活性化遺伝子発現の阻
害レベルのアッセイによりスクリーニングし得る。CD36遺伝子のかかる正の
調節因子である遺伝子は、ppr−γ遺伝子を含む。CD36遺伝子発現を定性
または定量的に測定できる当分野で公知の任意のアッセイが、本発明のこの態様
に有用である。様々な濃度の候補薬剤を試験して、治療有効濃度を決定し得、い
ったん治療がもはや必要でなくなると容易に戻り得る。 【0403】 候補抗マラリア薬剤として同定した薬剤は、SHR(高血圧自然発症ラット)
動物モデルでさらに試験できる。SHRラットは、CD36タンパク質を欠失し
ている。なぜならCD36遺伝子の一部は、このラットの両方の染色体上で欠失
しているからである。候補抗マラリア薬剤は、CD36トランスジェニックSH
RラットおよびSHRラットの両方で試験する。 【0404】 M.本発明に記載のキット 本発明に記載のキットは、本明細書に開示したCD36の変異配列のいずれか
1つを含むまたはからなる核酸およびそのパッケージを含み得る。 【0405】 本発明に記載のキットはまた、スクリーニングされ本発明に記載の疾病の治療
に効果的であると判明した薬剤から選択した薬剤、担体(例えば、緩衝液または
薬剤スクリーニングの説明で上記した他の物質)、およびそのパッケージを含み
得る。本発明のキットに供給される薬剤は、本明細書に開示した方法に従ってス
クリーニングした、1つまたは1つ以上の物質を含み得る。薬剤成分は、タンパ
ク質、タンパク質をコードする遺伝子発現作成物を含む核酸または他の核酸(例
えば、リボザイムまたはアンチセンス分子)として提供され、溶液中(好ましく
は冷蔵または冷凍)または上記のように(「候補モジュレータ」参照)他の物質
中、分解を阻害し、薬剤の生物活性を維持する緩衝液中にある。かかる緩衝液は
、上記に定義したように、生理学的に適合性の緩衝液ではなく貯蔵緩衝液である
場合、薬剤の希釈および/または送達に生理学的に適合性の緩衝液を使用しなけ
ればならない。生理学的に適合性の緩衝液は、所望によりかかるキットと共に供
給される。別に、薬剤は、乾燥形、すなわち凍結乾燥形で提供され、この場合、
成分は、投与前に生理学的に適合性の緩衝液中に再懸濁し、この緩衝液はキット
と共に供給され、かかる緩衝液は、それと共に混合される薬剤の生物活性を保存
し、患者への安全な投与を可能とする。これらの各成分は、チューブ、バイアル
、シリンジまたは瓶を含むがこれに限定されない群から選択した容器に、別々に
含まれて供給されるか、または1つ以上のその他の物質と混合して供給される。
全成分を単一温度で発送および/または貯蔵しても、別に、異なる成分を、各有
効期間が最適化されるように別々の温度で維持してもよい。 【0406】 所望により、キットは細胞を含む。かかる細胞は所望により、本発明に記載の
治療プロトコルで、患者に送達される薬剤を含む。上記した、真核または原核細
胞は、液体または固体の生理学的緩衝液または培養培地(例えば、懸濁液、穿刺
培養、または培養プレート、例えばペトリ皿中)に供給される。発送を簡易化す
るために、細胞は、典型的には、瓶、チューブまたはバイアル中で、冷蔵、冷凍
または凍結乾燥する。細胞保存法は、当分野で公知であり、適切な緩衝液および
培地は当分野で公知であり、業者(例えば、Gibco/Life Techn
ologies)から得られるか、または標準的な方法(例えば、Sambro
okら、1989、Molecular Cloning.A Laborat ory Manual.,第2版 、Cold Spring Harbor L
aboratory Press、Cold Spring Harbor、N
Y参照)により製造する。 【0407】 N.本発明に記載の核酸配列の有用性 本発明のポリヌクレオチドおよびコードされたポリペプチドは、例えば、独特
な製品の識別子を確立し続いて追跡するための、多くの多様な物質(例えばイン
ク、有害な廃棄物質、銃、貴重品)のいずれか1つのマーカーまたはタグとして
、染色体マッピングのマーカーとして、および法医学解析のマーカーとして、様
々な用途を有する。本発明のポリヌクレオチドのさらなる用途は、例えば、細胞
または組織中の対応するDNAまたはRNAを検出するプローブとして(疾病の
診断用に)およびコードされたポリペプチドを製造するための、その配列の独特
なコード特徴を含むがこれに限定されない。ポリヌクレオチドによりコードされ
たポリペプチドは、ポリペプチドに特異的な抗体の調製に使用し得、抗体は、細
胞または組織のポリペプチドを検出するために、またはポリペプチドに関連した
疾病の診断指示薬として使用し得る。 【0408】 ポリヌクレオチドは、後の同定および/または追跡の目的で、物体または物質
をマークするために使用できる。従って、本発明のポリヌクレオチドは、(1)
動物、植物、油、鉱物、および水などの天然源、(2)薬剤、溶媒、石油製品、
および爆薬などの化学物質、(3)放射性または他の危険な廃棄物などの汚染物
質を含む市販の副生成物、および(4)銃、タイプライター、自動車および自動
車部品などの製造品を含むがこれに限定されない、多くの多様な物質の製造およ
び分布の追跡に有用である。従って、本発明の核酸は、タグとして使用する場合
、製品確認の決定を補助し、製造者および消費者に有用な情報を提供する。 【0409】 タグとして有用であるのは、ポリヌクレオチドのその独特な配列に起因する。
なぜなら、配列またはその配列から得られた特徴的パターンが、ポリヌクレオチ
ドに、追跡を可能とする特性を付与するからである。 【0410】 本発明の新規なポリヌクレオチド配列、またはその断片または誘導体は、タグ
する物体または物質へのまたはその混合物への付着により、タグとして使用し得
る。様々な種類の物質をタグし、それらの物質中のタグを後に検出する方法は、
米国特許第5,451,505号および第5,643,728号(本明細書に参
考として組み込む)に開示されている。 【0411】 簡潔には、本発明のポリヌクレオチドのタグとしての使用は、1)物質または
物体に適切な方法を使用した、タグする物質または物体と、ポリヌクレオチド、
またはポリヌクレオチドの断片または誘導体の組合せ、および2)物質および物
体からのタグの遊離を介したタグの検出、およびPCR技法、次いで配列解析ま
たは当分野で公知の他の手段(例えばハイブリッド形成アッセイ)による同定を
使用した、ポリヌクレオチドタグ配列の増幅を包含し得る。 【0412】 核酸タギングが適している物質の1つの実施例は、火薬である。タグした火薬
は以下のように調製され得る:1)選択したタグ配列(本発明のポリヌクレオチ
ドから得られる)を有する16ngの核酸を、1mlの蒸留水に加える、2)核
酸溶液を、1gのニトロセルロースをベースとした火薬と混合する、3)空気中
でまたは真空下で85℃で乾燥させる。火薬からタグを回収するために:1)火
薬サンプルを、1mlの蒸留水で洗浄する、2)50μlの洗浄溶液を、標準的
なPCR混液に加えるか、または別に、火薬片を直接100μlのPCR混液に
入れる、および3)タグとして使用する配列の反対の末端および反対の鎖でアニ
ールするプライマーを使用して、標準的なPCR法に従って増幅する(アニーリ
ングおよび伸長条件は、オリゴヌクレオチドプライマーに選択した正にその配列
に依存し、当分野で公知の方法に従って調整し得る)。 【0413】 実施例1 本実施例は、候補遺伝子の染色体マッピング、および、その地図上の位置と、
本発明に記載のインシュリン抵抗性遺伝子座の地図位置との比較を示す。ラット
第4染色体の近位領域の放射線雑種(RH)地図を、この領域からのミクロサテ
ライトおよび遺伝子マーカーを使用して作成し、ラットに以前にマッピングされ
ていない5つの遺伝子のマーカーを配置するために使用する。これは、ラットへ
のマッピングの最初の適用の1つを示す。この地図により、第4染色体のインシ
ュリン抵抗性遺伝子座1に位置することが知られる、心血管および代謝機能の根
底にある遺伝子の、本発明による同定を容易にし、この染色体セグメントの物理
地図の作成の基礎を提供する。使用した方法および得られた結果は以下の通りで
ある。 【0414】 これらの実験に使用した106ハイブリッドDNAの全ゲノムラット/ハムス
ターRHパネルは、Research Genetics(Huntsvill
e、Alabama)から購入した。パネルは、Sprague Dawley
繊維芽細胞系(ラットFR)からの照射細胞を、レシピエントハムスター系(A
23)と融合することにより作成した。FR供与細胞を、A23レシピエント細
胞と融合する前に、3,000radで照射した。 【0415】 様々な起源の24匹のラットミクロサテライトマーカー(Jacobら、19
95、Cell、67:213−224;Goldmuntzら、1995、 amm.Genome 、6:459−463;http://www−geno
me.wi.mit.edu/rat/public/)を使用して、FRとA
23の間の変異性について、供与およびレシピエントDNAを選抜した(表6)
。ILG6のプライマー配列は、Research Genetics:ILG
6F5’−TGAGTTCCAGGATACCCAGG−3’[配列ID番号:
93];ILG6R5’−AAGCGGAGTCAAAATACTTTGC−3
’[配列ID番号:94]から得た。Nos3ミクロサテライトのプライマーは
、Nos3(Hubnerら、1995、Mamm.Genome 6:758
−759):Nos3F:5’−ACGTTCCTCCTCAGCCCTGG−
3’[配列ID番号:95];Nos3R:5’−GTGCATGTCTGCA
TAAACATG−3’[配列ID番号:96]のラットゲノム配列から設計し
た。D9Bro1と称されるプライマー(Research Genetics
)は、Ae2遺伝子に対応し(Jacobら、1995、上記;Simonら、
1996、Mamm.Genome、7:380−382)、この研究のために
呼称D9Bro1を得た。オリゴヌクレオチドプライマーは、Genosys
Biotechnology(Cambridge、UK)により商業的に合成
した。オイルフリーPCRを、タッチダウン周囲以下熱サイクラー(Hybai
d、Teddington、UK)で、94℃で3分間の最初の変性、次いで9
4℃で30秒間の35サイクルの変性、適切な温度(表6)で45秒間のアニー
リング、および72℃で1分間の伸長、72℃で8分間の最終伸長を実施した。
各反応液は、10mMトリスHCl中50ngのハイブリッド細胞系DNA、0
.1mM EDTA(pH7.5)および0.5単位のTaqDNAポリメラー
ゼを含む全容量10μlを有した。他の試薬の最終濃度は以下の通りであった。
各オリゴヌクレオチドプライマー0.66μM、dNTP0.2mMおよび1×
PCR反応緩衝液。MgCl濃度およびアニーリング温度を、各プライマー対
について最適化した(表6)。 【0416】 PCR産物を、1×TBE中3%アガロースゲル(2%Nusieve;1%
アガロース)上で分離し、臭化エチジウム染色により可視化した。A23とFR
の間のサイズ差異は、アガロースゲル電気泳動上で検出されず、PCR産物を、
ABI377自動シーケンサー(Perkin Elmer)でサイズ差異につ
いて試験し、産物を、蛍光標識dUTP(Perkin Elmer)の組み込
みにより可視化した。 【0417】 この方法により試験した24のミクロサテライトの中で、全てが、FRとA2
3DNAの間に長さの変異を示すか、またはFR DNAによるPCR産物を与
えたが、A23の産物は与えなかった。ミクロサテライトマーカーD4Rat1
17により、一貫性のない増幅が得られ、これはデータ解析から排除した。それ
ゆえ、24のミクロサテライトを使用して、RH細胞系をFR染色体断片の保持
について評価した。各遺伝子座の別々の重複PCR反応を、2人の観察者により
個別に有無について評価した。典型的には、95%〜99%の一致が、重複PC
R反応間に得られた。あるマーカーについての矛盾した結果を示すハイブリッド
から得られた結果を廃棄した。 【0418】 可能であれば、対照ハムスタープライマーを、ラット特異的プライマーと共に
PCR反応に使用し、全PCR反応においてハムスター特異的バンドを得た。D
HFR遺伝子のハムスター配列から得られた以下のプライマー: HAM1F:5’−TATAGGTGGAGCCTAATGAG−3’[配列
ID番号:97]; HAM1R:5’−ACTCACGACTGATCAAAGTG−3’[配列
ID番号:98]; HAM2F:5’−AGCTGCTGTGAGCTTGTGAG−3’[配列
ID番号:99];および HAM2R:5’−GACAGCAGTCAGCATGGAGA−3’[配列
ID番号:100] を、ハムスターゲノムDNAの増幅に使用した。 【0419】 HAM2FおよびHAM2Rを、D4Arb13、D4Rat2、D4Rat
5、D4Rat117、D4Mgh1、Nos3、Fin13、Pgy1、およ
びPsmc2と共に使用し、HAM1FおよびHAM2Rを、D4Rat1、D
4Rat3、D4Rat4、D4Rat6、D4Rat7、D4Rat9、D4
Rat10、D4Rat125、D4Rat126、D4Rat133、D4R
at136、D4Rat139、D4Rat142、D4Rat149、D4R
at150、D9Bro1、ILG6、Slc4a2、およびCacna2に使
用し、HAM1FおよびHAM1Rを、D4Rat150に使用した。HAM2
F/2Rは230bpのサイズの産物を与え、HAM1F/2Rは、300bp
のサイズの産物を与え、HAM1F/1Rは280bpのサイズの産物を与えた
。 【0420】 ラットRH地図上に新規な遺伝子を配置するために、PCRアッセイを、ラッ
ト第4染色体にシンテニーである、マウス第5染色体およびヒト第7染色体に位
置する、マウスおよびヒト遺伝子について展開した(Yamadaら、1994
Mamm.Genome、5:63−83)。各マウスおよびヒト遺伝子用の
プライマーを、両方のコード配列および3’非翻訳配列から設計した。コード配
列から設計したプライマーを用いた特異的増幅の確率を最大化するために、各オ
リゴヌクレオチドの最後の2つの3’塩基は、コドンの第一および第二塩基に対
応し、種を超えた配列の保存は最大のようである。PCRプライマー対はまた、
L型カルシウムチャネル遺伝子のラットcDNA配列から設計し(Genban
k寄託番号M86621)、そのマウス相同体はマウス第5染色体に位置する(
Chinら、1992、Genomics、13:1325−1327)。 【0421】 保持パターンを、RHMAPパッケージのプログラムRH2PT、RHMIN
BRKおよびRHMAXLIKを使用して、2点および多点法により解析した(
Boehnkeetら、1991;Langeら、1995;RHMAP、Ve
rsion 3.0、1996年9月;http://www.sph.umi
ch.edu/group/statgen/software)。これらの実
験に使用した最尤モデルは、放射線誘導破壊が無作為に起こると仮定した。さら
なる仮定は、期待される保持頻度は染色体を通じて等しいというものであった。
しかし、観察された保持頻度のばらつきに関して、左側終了点の保持モデル下の
最尤解析(Boehnkeら、1991;BishopおよびCrockfor
d、1992;Boehnkeら、1992)も実施した。分岐および結合法を
使用して、全体の最小破壊数を計算した。しかし、分岐および結合アルゴリズム
を適用できない場合(例えば、考慮する遺伝子座の数があまりにも多いために)
、絶対的染色体切断に関する1セットの最善の次数が、プログラムRHMINB
RKの段階的アルゴリズムを用いて確立された。次いで、結果を、無作為な次数
で始める、10回の模擬アニーリング走行で確認した。最尤法を使用して、地図
距離を推定し、センチレイ(cR)で測定し、ここで1cR3000は、300
0radのX線に曝露した後のマーカー間の1%切断確率に等価である。切断頻
度Pは、d=−Ln(1−P)(Coxら、1990、上記)により、推定地図
距離dに変換した。 【0422】 106RH細胞系を、最初に、ラット第4染色体の近位領域に以前に位置づけ
られていた、24のラットミクロサテライトマーカーについて評価した(表6)
。次いで、マウスおよびヒトゲノムのシンテニー領域からの我々のフレームワー
クRH地図への遺伝子のマッピングを試みた。マウス第5染色体上の19のマウ
ス遺伝子およびヒト第7染色体の10のヒト遺伝子から設計したプライマーを使
用して、アガロースゲル電気泳動上で正しいサイズの1本のバンドとして規定さ
れた、FRゲノムDNAの成功裡の増幅が、10のマウス遺伝子および3のヒト
遺伝子で達成された。FRとA23の間の長さの変異が、6のマウス遺伝子で検
出されたが、ヒト遺伝子には検出されなかった。それゆえ、RH細胞系を、これ
らの6のマウス遺伝子について評価した(表7)。Psmc2遺伝子のマーカー
から得られたPCR産物の保持パターンを図5に示す。観察された70bpのサ
イズは、期待した断片サイズ74bpに近い。陽性対照として各反応に含まれる
ハムスタープライマーから生じる、230bpのハムスター産物は、全てのサン
プルに存在する。(「SHR」は、高血圧自然発症ラットゲノムDNAからのP
CR産物を示す)。 【0423】 2つのマウス由来PCRマーカー、Fin13およびTymsは、互いに緩く
連関していたが(2点lodスコア2.4)、ラット第4染色体上ではどの他の
マーカーにも連関していなかった。残りの4つのマーカーのPsmc2、Fgl
2、Slc4a2およびPgy1は、RHパネル上で、6以上のlodスコアで
、既存の第4染色体マーカーに連関していた。Psmc2の保持パターンは、D
4Rat136のそれと同一性を示し、これらの2つのマーカー間の全体的な連
鎖(lodスコア28.4)が実証される。 【0424】 マーカーFgl2は、D4Rat136に、lodスコア19.6で連関し、
Slc4a2はNos3(lodスコア22.5)およびD9Bro1(lod
スコア19.0)に、およびPg1はD4Rat9(lodスコア7.0)に連
関していた。結果により、ラット相同体Psmc2、Fgl2、Slc4a2お
よびPgy1は、ラット第4染色体上に存在することが示される。それゆえ、こ
れらの4つのマーカーは、第4染色体RH地図に組込まれた。ラット遺伝子Ca
cna2から設計したプライマーを使用して(表7)、Cacna2とミクロサ
テライトD4Rat149の間の強固な連鎖が観察され(lodスコア15.7
)、第4染色体上でのその位置が確立された。 【0425】 lodスコア閾値6を使用してプログラムRH2PTによる初期の対解析に基
づいて、28のマーカーを2つの連鎖群に分類した(図6)。この遺伝子地図上
でのマーカー位置は、Whitehead Institute地図(http
://www−genome.wi.mit.edu/)に基づいた。追加のマ
ーカーを、オックスフォード地図(http://www.well.ox.a
c.uk/〜bihoreau/key.html)およびHubnerら(1
995、上記)のデータを使用して遺伝地図上に配置した。(cM、センチモル
ガン;cR、センチレイ)。2つの連鎖群は、15センチモルガン(cM)の遺
伝距離に対応する、全距離730cR3000を網羅した。それゆえ、ラット第
4染色体のこの領域上で、1cMは、約50cR3000に相当する。 【0426】 マーカーの最尤順位および既存の遺伝地図との比較を図6に示す。マーカー間
の距離を表8に示す。マーカー順位は、2つの連鎖群から別々に決定し、連鎖群
の配向は、遺伝子地図および2点解析の結果を参照して決定した。最尤解析によ
り得られた順位の多様性は、図7に示し、ここでの観察された順位は、2つの連
鎖群のいずれかのlog尤度比(1、2および3)の3つのレベルで示される。
4つのマウス遺伝子の封入は、24のラット遺伝子座の最尤推定値の順位には影
響を及ぼさなかったが、順位の多様性は、4つのマウス遺伝子の封入により減少
した。 【0427】 28の第4染色体の平均保持頻度は36%であり、保持頻度65%の最も動原
体性のマーカーILG6から、11%まで下がった保持頻度をもつより遠位のマ
ーカーまで顕著な勾配があった(表8)。 【0428】 シンテニー基の保存は、図8に示したように、ラットとヒト間よりもラットと
マウス間の方がかなり強く、この図は、マウス第5染色体およびヒト第7染色体
のシンテニーセグメント上の遺伝子の順位と比べて、ラット第4染色体上の遺伝
子の最尤順位を示す。ラット第4染色体上の遺伝子間の距離は、RHMAXLI
K解析から計算した。ヒトおよびマウス遺伝子の位置は、マウスゲノムデータベ
ース(http://mgd.hgmp.mrc.ac.uk/)およびヒトゲ
ノムデータベース(http://www.hgmp.mrc.ac.ud/g
db)から得た。ラット地図上のマーカー間の距離は、cレイ3000で、マウ
ス地図上のはcモルガンである。(UN、不明)。RH地図上の遺伝子の順位は
、マウス第5染色体上のそれと正確に対応し、但し、遺伝子は、動原体に関して
逆位である。さらに、ラットおよびマウスの両方における遺伝子は、そのそれぞ
れの染色体の単一の20cMセグメントに制限されている。これに対し、ヒトに
おけるこれらの遺伝子の相同体は、ヒト第7染色体の長および短アームに分布し
、少なくとも1つの遺伝子順位の逆位がシンテニー関係を破壊する。 【0429】 重要なこととして、Psmc2、Fgl2、Slc4a2およびPgy1の遺
伝子の地図位置は、これらの遺伝子のマウス配列から設計されたPCRプライマ
ーに基づく。これらの産物は、マウス遺伝子の相同体のマーカーのようである。
第一に、これらの全てのプライマー対に観察されたサイズのPCR産物は、マウ
ス配列から推定されるものの10塩基対以内である(表7;図5)。第二に、第
5染色体上のこれらのマウス遺伝子の位置は、近位ラット第4染色体のシンテニ
ー群内で、ラット第4染色体上のその相同体の局在化に予め支持を提供する。第
三に、マウスSlc4a2配列から設計されたマーカーは、以前にはAe2と呼
ばれた、ラット遺伝子Slc4a2の第4染色体上のミクロサテライトマーカー
である、D9Bro1から10cR3000以下の距離に位置する。第四に、P
gy1のラット遺伝子は、体細胞ハイブリッド解析により、ラット第4染色体上
に以前に位置づけられた(Hansonら、1988、Abstract、Bi
oScience、MalmUE、Sweden)。それゆえ、本実施例に記載
した実験で決定した地図位置は、ラットPgy1の以前の染色体位置を確認およ
び改良する。 【0430】 この戦略は、コード配列からと同じ程に3’非翻訳配列から設計されたプライ
マーについて成功したので、それをまた、多くの利用可能な無記名マウスまたは
他の異種(例えばヒト)発現配列タグ(EST)、並びに、認識された異種遺伝
子に適用し得る。 【0431】 L型カルシウムチャネルのマウス遺伝子Cacna2は、ラット第4染色体に
対するシンテニー領域のマウス第5染色体上に存在するが(Chinら、199
2、上記)、本明細書に提示した実験前にラットには位置づけらておらず、Ca
cna2とミクロサテライトD4Rat149の間の強固な連鎖により、Cac
na2は、D4Rat149の近くのラット第4染色体上に存在することが示さ
れた。 【0432】 ラット/ハムスターRHパネルにより、約730cR3000の物理的距離に
対応する、ラット第4染色体の約15cMにおよぶ28マーカーの高分解能地図
が提供された。図6に示すように、RH地図の分解能は、既存の遺伝地図のそれ
よりもかなり高い。ラットRH地図により供される分解能は、マウスの3000
radRHパネルのそれと類似しているが(Schmittら、1996、Ge nomics 、34:193−197)、同じ放射線量を使用して作成したヒト
RHパネルのそれよりも見かけ上高かった(Ahlbomら、1997、Hum .Genet. 、99:186−190)。 【0433】 一般に、マーカーの順位は以前の地図研究と一致している。主な差異は、以前
に不正確に位置づけられたNos3などのマーカー、または以前に遺伝地図に分
離されていなかったマーカーに関する(図6)。しかし、D4Rat150とD
4Rat149間の強力な連鎖およびlog10−尤度−比差異>3をもつこの
順位の支持により(図7)、他の第4染色体マーカーに関するこのD4Rat1
50の配置は正しく、以前に示唆された順位の改良である。この確認には、物理
地図研究からのより多くの交雑またはデータについての遺伝子マッピングが待た
れる。 【0434】 結果により、顕著な遺伝子座保持頻度勾配が示される。動原体またはその近く
の遺伝子座は、より遠位に位置づけられたものよりも、はるかに高い頻度で保持
された(表7)。類似しているが、より小さな勾配が、他のRHパネルで観察さ
れ、動原体配列の優先的な保持に起因し得る(Benhamら、1989、Ge nomics 、4:509−517;Coxら、1990、上記;Richar
dら、1991、Am.J.Hum.Genet.49:1189−1196)
。顕著な勾配の点から、多点解析を、染色体における等しいまたは等しくない保
持頻度を仮定したモデル下で実施した。データをこれらの2つのモデルで解析し
た場合に、実質的な差異は見られなかった。 【0435】 要約すると、我々は、本実施例で、遺伝子が、インシュリン抵抗性遺伝子座、
この場合、ラットの第4染色体上のインシュリン抵抗性遺伝子座1の位置と一致
した地図位置に位置することを決定する戦略を実証した。RHマッピング技法を
使用して、近位ラット第4染色体の高分解能地図を作成し、上記した疾病といっ
た、グルコースまたは脂肪酸代謝の欠陥に関連した代謝疾患を目的とした、薬剤
または診断手順の標的として作用し得る遺伝子を同定した。グルコースまたは脂
肪酸代謝に関連した疾患に罹患した哺乳動物に見られるこれらの遺伝子の1つの
変異の哺乳動物における存在(この変異はかかる疾患に罹患していない哺乳動物
には見られない)は、哺乳動物におけるかかる疾病の存在または素因の指標であ
る。本実施例で同定した遺伝子、並びに、インシュリン抵抗性遺伝子座に同じよ
うに同定されたその他の遺伝子、例えばインシュリン抵抗性遺伝子座1、2、3
、4または別のこのような遺伝子座が同定され得、さらに上記の方法による薬剤
スクリーニングの標的として作用し得る。 【0436】 実施例2 本実施例では、位置づけられていない遺伝子が、本発明に記載のインシュリン
抵抗性遺伝子座の地図位置に連関することが示される。 【0437】 上記したように、候補遺伝子は、1つ以上のインシュリン作用または脂肪酸代
謝または輸送における欠陥に関連した変異表現型に基づいて選択する。連鎖研究
は、糖尿病を呈するラット(例えばGKラット)のファミリーの一員を正常な対
照動物と交雑させる遺伝スキームで実施する。 【0438】 インシュリン抵抗性遺伝子座1に特徴的な欠陥の連鎖のピーク内に位置する3
つの各マーカー(D4Arb13、Ae2およびD4Rt8)を、この表現型へ
の連鎖についてアッセイする。これらのマーカーは、ラット株間で多型であり、
それゆえ、糖尿病の表現型が観察された株とは異なることが知られる株を、糖尿
病株と交雑する。F世代の後代を、自己交雑し(すなわち、親株または非関連
株のメンバーではなく、姉妹細胞への交雑)、F世代を、F糖尿病親に存在
する3つのマーカーの各々の対立遺伝子変異型の分類について評価した。これは
、F個体の3つの各マーカーのPCR増幅および配列比較、糖尿病を有するま
たは有さない各ラットに存在する対立遺伝子の相関、ANOVAの結果への適用
により達成され得る。観察された糖尿病の表現型と少なくとも1つのマーカーの
間のP<0.0001の数値は、インシュリン抵抗性遺伝子座1への有意な連鎖
形質を示すと考えられ、試験ラットの糖尿病に関与する遺伝子は、1つ以上のマ
ーカーからのその距離が、上記のSHRモデルの代謝欠陥の遺伝子座の連鎖中心
から、15cMまたはそれ以下、または好ましくは10cMまたはそれ以下であ
るならば、インシュリン抵抗性遺伝子座1の染色体地図位置に存在すると判断さ
れる。 【0439】 実施例3 本実施例は、本発明による疾病診断を示す。 【0440】 第一段階として、インシュリン抵抗性遺伝子座の染色体地図位置に位置するこ
とが判明し、その後クローン化された(両方共上記)1つ以上の遺伝子を、個体
間の対立遺伝子多型の存在について調べた(例えば核酸配列決定により)。系図
解析(これも上記している)を、多くの個体が、インシュリン作用および脂肪酸
代謝および/または輸送の1つ以上の代謝プロセスの欠陥に関連した代謝疾患に
罹患しているファミリーに実施して、疾病状態が、任意の罹患ファミリーにおけ
る遺伝子(群)の特定の対立遺伝子変異型に連関しているかを決定する。 【0441】 インシュリン抵抗性遺伝子座に位置する遺伝子の変異と、かかる代謝疾患の間
の統計学的に有意な連鎖が明らかになったので、遺伝子は診断手段として役立つ
。家族歴または環境因子に基づいて、疾病の危険性のある臨床患者を、疾病連関
変異についてアッセイする(例えば、遺伝子のPCR増幅および配列決定により
、これは当分野で公知の方法および試薬を使用して別々にまたは統合反応で行う
)。変異の存在は、疾病の素因の指標となる。かかる試験により、上記で議論し
たように、早期医療介入が可能となり、個体の生命の早期に、生誕前にさえ、最
も有利には実施される。 【0442】 実施例4 実施例4は、本明細書に記載したCD36遺伝子の変異のために、状態、すな
わち2型糖尿病、2型糖尿病の異常脂肪血症、本態性高血圧、複合型高脂血症お
よび/または心疾患の素因の1つを有することが疑われる患者のDNA(ゲノム
またはcDNA)のスクリーニングを示す。 【0443】 DNAサンプルは、任意の組織または細胞系から調製され得、調製手順は当分
野で公知である。ゲノムDNAの組織からの調製は、以下のように実施し得る。
約100mgの組織を、500μlのTB緩衝液(50mMトリスHCl、pH
8.0、100mM NaCl、1%SDS、600μg/mlのプロテイナー
ゼK)に入れ、一晩55℃でインキュベートする。次いで、サンプルを500μ
lの1:1(w/w)のフェノール/クロロホルムで抽出し、2容量のエタノー
ルで沈降させる。次いで、DNAペレットを500μlのHOに再度懸濁する
。 【0444】 cDNAサンプルはまた、本発明に従って同定した遺伝子の変異の検出にも使
用し得る。 【0445】 本発明によりDNAサンプルを得るに有用な組織は、血球、配偶子、脳、性腺
、肝臓、心臓、腎臓、副腎、脾臓および筋肉を含むがこれに限定されず、RNA
サンプルは、目的の遺伝子を発現する組織、例えば脂肪組織から最善には得られ
る。 【0446】 本実施例に有用な核酸プローブは、[配列ID番号:5]、[配列ID番号:
11]、[配列ID番号:17]、[配列ID番号:23]、[配列ID番号:29]
、[配列ID番号:35]、[配列ID番号:41]、[配列ID番号:47]、[配
列ID番号:53]、[配列ID番号:59]、[配列ID番号:65]、[配列ID
番号:71]、[配列ID番号:77]、[配列ID番号:83]、[配列ID番号:
87]、[配列ID番号:164]、[配列ID番号:165]、[配列ID番号:1
67]、[配列ID番号:169]、[配列ID番号:170]、[配列ID番号:1
71]、[配列ID番号:172]、[配列ID番号:173]、[配列ID番号:1
74]、[配列ID番号:175]、[配列ID番号:176]、[配列ID番号:1
38]、および[配列ID番号:209] のいずれかのうちの、1つまたはそれ以
上に記載されるか、または[配列ID番号:87]のヌクレオチド位置378、
397、507、521、522、533、552、553、554、601、
619、620、641、742、791、871、1439からなる群から選
択した1つ以上の変異を単に使用して記載される。 【0447】 プローブは、目的の遺伝子に独特な配列を有する核酸を包含する。完全なSH
R Cd36遺伝子は、変異表現型[配列ID番号:87]のプローブとして使
用し得、サイレント変異を含むSHR Cd36遺伝子(上記参照)または野生
型Cd36[配列ID番号:85]遺伝子は対照プローブとして使用し得るが、
最適には、プローブは、好ましくは、30〜40ヌクレオチドより長く、最適に
は25ヌクレオチド以下、例えば18〜22ヌクレオチドであり、最小10ヌク
レオチドである。プローブは、上記のいずれか1つのDNA検出アッセイに使用
する。結果は、本明細書に同定した変異配列、特にアミノ酸配列変化に関連した
配列(すなわち非サイレント変化)と、インシュリン抵抗性症候群(代謝症候群
X)または心筋症をそれぞれ生じる、インシュリン作用または脂肪酸代謝または
輸送の欠陥に関連したヒト疾病における疾病の存在または素因の間の関連を確立
すると考えられる。さらに、血小板異常症は、CD36欠陥に関連し得る。イン
シュリン抵抗性症候群に関連した疾病は、インシュリン非依存性糖尿病(NID
DM)、複合型高脂血症および本態性候血圧を含むがこれに限定されず、心筋症
に関連した疾病は、遺伝性肥大型、拡張型、圧過負荷、または特発性心筋症を含
むがこれに限定されない。 【0448】 別に、変異CD36タンパク質に特異的であるが、野生型CD36タンパク質
には特異的ではない抗体を、記載のように、本明細書で上記に開示した技法を使
用して、変化アミノ酸を含むペプチドまたは完全変異タンパク質を使用して作成
し得る。抗体を、疾病の指示薬として使用して、CD36mRNAの長さ変異体
のタンパク質産物または正常な長さの変異型CD36mRNAのタンパク質産物
を検出し得る。 【0449】 実施例5 実施例5は、多型長さのmRNA転写物についての、患者の生物学的サンプル
のスクリーニングを示し、この転写物は、CD36遺伝子の配列を含む核酸プロ
ーブにハイブリダイズする。上記の状態に罹患することが疑われる患者を、本明
細書に記載したように、CD36遺伝子の変異についてスクリーニングする。 【0450】 組織を実施例4に記載のように選択し、CD36遺伝子のmRNA発現プロフ
ィールを、ノザン解析または検出されたmRNA分子のサイズ決定を可能にする
他の技法などの方法により決定し、この方法は、評価すべき被検者の1つ以上の
異なる組織または体液から得られた生物学的サンプルで実施する。野生型CD3
6転写物に観察されたmRNA(すなわち、インシュリン抵抗性または本明細書
に記載した関連状態に関して正常である個体のmRNA)からの、異なるサイズ
のmRNAの検出は、本明細書に記載した1つ以上の疾病に対する素因の存在に
相関すると期待される。 【0451】 実施例6 本実施例は、本明細書に開示したCD36変異を使用した疾病診断に関する。
糖尿病、高血圧、複合型高脂血症、肥満、並びにインシュリン作用および脂肪酸
代謝または組み込みの欠陥に連関した他の病理状態の1つ以上、およびヒトの生
殖年齢の到達前の感染から生じる疾病、例えば乳児性下痢または赤痢、および呼
吸器およびウイルス性疾病を有する患者の生物学的サンプルを得て、核酸、細胞
またはタンパク質を、所望であれば、サンプルから調製する。 【0452】 核酸を解析する場合、10〜50ヌクレオチド長の核酸プローブを調製し、こ
こでのプローブは、任意のCD36変異配列について、本明細書に開示した変異
を含む。対照プローブを望む場合、対照プローブを、ここでも本明細書に開示し
たように、対応する正常な配列を使用して調製する。本実施例に有用な核酸プロ
ーブは、[配列ID番号:5]、[配列ID番号:11]、[配列ID番号:17]
、[配列ID番号:23]、[配列ID番号:29]、[配列ID番号:35]、[配
列ID番号:41]、[配列ID番号:47]、[配列ID番号:53]、[配列ID
番号:59]、[配列ID番号:65]、[配列ID番号:71]、[配列ID番号:
77]、[配列ID番号:83]、[配列ID番号:87]、[配列ID番号:164
]、[配列ID番号:165]、[配列ID番号:167]、[配列ID番号:169
]、[配列ID番号:170]、[配列ID番号:171]、[配列ID番号:172
]、[配列ID番号:173]、[配列ID番号:174]、[配列ID番号:175
]、[配列ID番号:176]、[配列ID番号:138]、[配列ID番号:205
]、[配列ID番号:207]、および[配列ID番号:209]に、または[配列
ID番号:87]のヌクレオチド位置378、397、507、521、522
、533、552、553、554、601、619、620、641、742
、791、871、1439からなる群から選択した1つ以上の変異を単純に使
用して記載される。プローブは、目的の遺伝子に独特な配列を有する核酸を包含
する。完全なSHR Cd36遺伝子は、変異表現型[配列ID番号:87]の
プローブとして使用し得、サイレント変異を含むSHR Cd36遺伝子(上記
参照)または野生型Cd36[配列ID番号:85]遺伝子を対照プローブとし
て使用し得るが、最適には、プローブは、好ましくは、30〜40ヌクレオチド
より長く、最適には25ヌクレオチド以下、例えば18〜22ヌクレオチドであ
り、最小10ヌクレオチドである。プローブは、上記のいずれか1つのDNA検
出アッセイに使用する。次いで、患者のサンプルを、本明細書に開示したまたは
当業者に公知の任意の核酸解析技法を使用して、本明細書に記載したようにCD
36遺伝子の変異についてスクリーニングする。 【0453】 CD36変異タンパク質を解析する場合、変異核酸配列によりコードされるア
ミノ酸配列を使用して、抗体を調製し、次いで抗体を使用して、変異タンパク質
の存在について、例えば患者から得られたサンプルをスクリーニングする。 【0454】 用途 本発明は、非インシュリン抵抗性依存性糖尿病、高血圧、複合型高脂血症、肥
満、並びに、インシュリン作用および脂肪酸代謝または組み込みの欠陥に連関し
た他の病理状態の根底にある機序の発見に有用である。本発明により得られたこ
れらの状態に関与する遺伝子の知識は、前記遺伝子に変異を有し得る患者の疾病
の存在またはその傾向の診断法を可能とする。さらに、本発明は、インシュリン
抵抗性症候群(代謝症候群X)、心筋症または血小板欠陥をもたらす、インシュ
リン作用または脂肪酸代謝または輸送の欠陥に対して指向された候補薬剤のスク
リーニングに有用である。インシュリン抵抗性症候群に関連した疾病は、インシ
ュリン非依存性糖尿病(NIDDM)、複合型高脂血症および本態性高血圧を含
むがこれに限定されず、心筋症に関連した疾病は、遺伝性肥大型、拡張型、圧過
負荷、または特発性心筋症を含むがこれに限定されない。本発明によりスクリー
ニングした薬剤は、効力があると決定された場合、上記したように、インシュリ
ン作用および脂肪酸代謝または組み込みの欠陥に連関した疾病の治療に有用であ
る。本発明はまた、上記したように、インシュリン作用および脂肪酸代謝または
組み込みの欠陥に連関した疾病の治療用のキットを提供するに有用であり、よっ
て、本発明のスクリーニング法により同定した治療薬の分布および臨床使用を容
易にする。本発明はまた、1つ以上のマラリア、およびヒトの生殖年齢に到達す
る前の感染から生じる疾病、例えば乳児性下痢または赤痢、および呼吸器および
ウイルス性疾病に対して保護する変異の同定に有用である。従って、本発明に記
載のCD36変異ヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列は、疾病または疾病
傾向の診断に、またはこれらの疾病の治療の標的として有用であり得る。 【0455】 【表5】 【表6】 【表7】【表8】 【0456】 他の実施形態 他の実施形態は、当業者には明白である。前記は、明瞭化のみのために提供さ
れ、単なる例示であることが理解される。本発明の精神および範囲は、上記の実
施例に限定されないが、以下の特許請求の範囲により包含される。 【図面の簡単な説明】 【図1】 Cd36遺伝子の位置を示す、インシュリン抵抗性遺伝子座1の放射ハイブリ
ッド地図を表わしている。 【図2】 インシュリン抵抗性遺伝子座1およびインシュリン抵抗性遺伝子座2の遺伝的
連鎖群のグラフ図である。 【図3】 SHR、WKY、BN、(SHR×WKY)Fおよび(SHR×WKY)F ゲノムDNAからのCd36遺伝子のHinfl消化物を表わしている。 【図4】 BN、WKY、およびSHRラットにおけるミクロソームおよび血漿膜タンパ
ク質のウェスタンブロットを表わしている。 【図5】 マウスPsmc2から設計されたプライマーの増幅からのPCR産物を示して
いる。 【図6】 近位ラット染色体4(右)の、同じ領域(左)の統合遺伝地図と比較した最大
限の可能性の放射ハイブリッド地図を表わしている。 【図7】 最大限の可能性の解析により得られたマーカーオーダーにおけるバリエーショ
ンの図式である。 【図8】 ラット染色体4上の遺伝子の最大限の可能性のオーダーと、マウス染色体5お
よびヒト染色体7のシンテニックセグメント上の遺伝子オーダーとの比較を表わ
している。 【図9】 WKY、BN、およびSHRCd36タンパク質配列から誘導されたペプチド
配列を表わしている。 【図10】 野生型ヒトCD36核酸配列を表わしている。 【図11】 完全野生型ラットCD36配列(GeneBank寄託番号L19658;[
配列ID番号85])を表わしている。 【図12】 ラットCD36の予測されたポリペプチド配列[配列ID番号86]を表わし
ている。 【図13】 ラット株SHRについての完全コーディング配列および部分非翻訳Cd36配
列[配列ID番号87]を表わしている。 【図14】 SHRについての予測されたCd36ポリペプチド配列[配列ID番号88]
を表わしている。 【図15】 ラット株Wistar Kyotoからの部分Cd36配列[配列ID番号8
9]を表わしている。 【図16】 ラット株Wistar Kyotoからの予測された部分Cd36ポリペプチ
ド配列[配列ID番号90]を表わしている。 【図17】 ラット株BNについての部分Cd36配列[配列ID番号91]を表わしてい
る。 【図18】 ラット株BNについての予測された部分Cd36ポリペプチド配列[配列ID
番号92]を表わしている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/06 A61P 9/00 4H045 3/10 9/12 9/00 33/06 9/12 C07K 14/47 33/06 C12Q 1/68 A C07K 14/47 G01N 33/15 Z C12Q 1/68 33/50 Z G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 09/270,542 (32)優先日 平成11年3月17日(1999.3.17) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA, BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH ,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW (71)出願人 スコット、 ジェイムズ イギリス国 ダブリュー4 3ピーディー ロンドン ストランド オン ザ グリ ーン 49 (71)出願人 スタントン、 ローレンス ダブリュー. アメリカ合衆国 94062 カリフォルニア 州 レッドウッド シティ ターンズワー ス アヴェニュー 73 (72)発明者 アイトマン、 ティモスィー ジェイ. イギリス国 ダブリュー4 3エヌケイ ロンドン ホワイトホール パーク ロー ド 63 (72)発明者 スコット、 ジェイムズ イギリス国 ダブリュー4 3ピーディー ロンドン ストランド オン ザ グリ ーン 49 (72)発明者 スタントン、 ローレンス ダブリュー. アメリカ合衆国 94062 カリフォルニア 州 レッドウッド シティ ターンズワー ス アヴェニュー 73 Fターム(参考) 2G045 AA40 CA25 CA26 DA36 FB02 FB03 FB05 4B024 AA01 AA11 AA13 CA02 CA09 DA03 HA12 4B063 QA01 QA07 QA17 QA19 QQ03 QQ12 QQ42 QQ53 QQ79 QR32 QR40 QR55 QS32 4C084 AA02 AA07 AA13 AA17 BA01 BA08 BA17 NA14 ZA36 ZA42 ZB35 ZB38 ZC33 ZC35 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA36 ZA42 ZB35 ZB38 ZC33 ZC35 4H045 AA10 AA30 CA40 DA50 EA27 EA50 EA52 FA74

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 [配列ID番号179]、[配列ID番号:179]、[配列
    ID番号:181]、[配列ID番号:183]、[配列ID番号:185]、[配列
    ID番号:187]、[配列ID番号:190]、[配列ID番号:191]、[配列
    ID番号:192]、[配列ID番号:193]、[配列ID番号:194]、[配列
    ID番号:195]、[配列ID番号:196]、[配列ID番号:197]、[配列
    ID番号:198]、[配列ID番号:199]、[配列ID番号:200]、[配列
    ID番号:201]、[配列ID番号:202]、[配列ID番号:203]、[配列
    ID番号:205]、[配列ID番号:207]および[配列ID番号:209]か
    ら成る群から選ばれる配列を含む単離された核酸分子。 【請求項2】 [配列ID番号179]、[配列ID番号:181]、[配列
    ID番号:183]、[配列ID番号:185]、[配列ID番号:187]、[配列
    ID番号:190]、[配列ID番号:191]、[配列ID番号:192]、[配列
    ID番号:193]、[配列ID番号:194]、[配列ID番号:195]、[配列
    ID番号:196]、[配列ID番号:197]、[配列ID番号:198]、[配列
    ID番号:199]、[配列ID番号:200]、[配列ID番号:201]、[配列
    ID番号:202]、[配列ID番号:203]、[配列ID番号:205]、[配列
    ID番号:207]および[配列ID番号:209]に示されている突然変異の1
    つまたはそれ以上を有する突然変異体CD36遺伝子。 【請求項3】 [配列ID番号179]、[配列ID番号:181]、[配列
    ID番号:183]、[配列ID番号:185]、[配列ID番号:187]、[配列
    ID番号:190]、[配列ID番号:191]、[配列ID番号:192]、[配列
    ID番号:193]、[配列ID番号:194]、[配列ID番号:195]、[配列
    ID番号:196]、[配列ID番号:197]、[配列ID番号:198]、[配列
    ID番号:199]、[配列ID番号:200]、[配列ID番号:201]、[配列
    ID番号:202]、[配列ID番号:203]、[配列ID番号:205]、[配列
    ID番号:207]および[配列ID番号:209]によってコードされた突然変
    異の1つまたはそれ以上を有する突然変異体CD36タンパク質。 【請求項4】 生物サンプルにおけるCD36タンパク質欠失を検出する方
    法であって、CD36遺伝子における突然変異を検出するステップを含み、前記
    突然変異が、[配列ID番号179]、[配列ID番号:181]、[配列ID番
    号:183]、[配列ID番号:185]、[配列ID番号:187]、[配列ID番
    号:190]、[配列ID番号:191]、[配列ID番号:192]、[配列ID番
    号:193]、[配列ID番号:194]、[配列ID番号:195]、[配列ID番
    号:196]、[配列ID番号:197]、[配列ID番号:198]、[配列ID番
    号:199]、[配列ID番号:200]、[配列ID番号:201]、[配列ID番
    号:202]、[配列ID番号:203]、[配列ID番号:205]、[配列ID番
    号:207]および[配列ID番号:209]から成る群から選ばれる配列に対応
    する方法。 【請求項5】 哺乳類への投与のための組織のスクリーニング方法であって
    、(a)CD36遺伝子における突然変異について前記組織のサンプルを試験す
    るステップと、(b)前記突然変異の存在または不存在に基づいて前記組織サン
    プルを標識するステップとを含む方法。 【請求項6】 (c)標識された前記組織サンプルを保存するステップをさ
    らに含む、請求項5に記載の方法。 【請求項7】 前記組織が、血液、または血小板を含む血液産物を含んでい
    る、請求項6に記載の方法。 【請求項8】 突然変異が、[配列ID番号179]、[配列ID番号:1
    81]、[配列ID番号:183]、[配列ID番号:185]、[配列ID番号:1
    87]、[配列ID番号:190]、[配列ID番号:191]、[配列ID番号:1
    92]、[配列ID番号:193]、[配列ID番号:194]、[配列ID番号:1
    95]、[配列ID番号:196]、[配列ID番号:197]、[配列ID番号:1
    98]、[配列ID番号:199]、[配列ID番号:200]、[配列ID番号:2
    01]、[配列ID番号:202]、[配列ID番号:203]、[配列ID番号:2
    04]および[配列ID番号:206]から成る群から選ばれる配列に対応する、
    請求項5に記載の方法。 【請求項9】 ドナーと受容体とをマッチさせる方法であって、(a)CD
    36遺伝子における突然変異であって、前記突然変異の結果としてCD36遺伝
    子産物の欠失を生じるものについて、前記ドナーまたは前記受容体のうちの1つ
    からの生物サンプルを試験するステップと、(b)前記ドナーと受容体とをマッ
    チさせるステップであって、前記受容体がCD36遺伝子産物の欠失を結果とし
    て生じる突然変異を有するならば、同様にCD36遺伝子産物の欠失を有するド
    ナーが選ばれるステップとを含む方法。 【請求項10】 生物サンプルが血液である、請求項9に記載の方法。 【請求項11】 この突然変異が、[配列ID番号179]、[配列ID番
    号:181]、[配列ID番号:183]、[配列ID番号:185]、[配列ID番
    号:187]、[配列ID番号:190]、[配列ID番号:191]、[配列ID番
    号:192]、[配列ID番号:193]、[配列ID番号:194]、[配列ID番
    号:195]、[配列ID番号:196]、[配列ID番号:197]、[配列ID番
    号:198]、[配列ID番号:199]、[配列ID番号:200]、[配列ID番
    号:201]、[配列ID番号:202]、[配列ID番号:203]および[配列I
    D番号:204]から成る群から選ばれる配列に対応する、請求項9に記載の方
    法。 【請求項12】 寄生体による感染への患者の抵抗性を測定する方法であっ
    て、CD36遺伝子における突然変異であって、この突然変異が寄生体による感
    染への抵抗性を示しているものについてこの患者を試験するステップを含む方法
    。 【請求項13】 この寄生体が、熱帯マラリア原虫(Plasmodium
    falciparum)である、請求項12に記載の方法。 【請求項14】 この突然変異が、[配列ID番号179]、[配列ID番
    号:181]、[配列ID番号:183]、[配列ID番号:185]、[配列ID番
    号:187]、[配列ID番号:190]、[配列ID番号:191]、[配列ID番
    号:192]、[配列ID番号:193]、[配列ID番号:194]、[配列ID番
    号:195]、[配列ID番号:196]、[配列ID番号:197]、[配列ID番
    号:198]、[配列ID番号:199]、[配列ID番号:200]、[配列ID番
    号:201]、[配列ID番号:202]、[配列ID番号:203]および[配列I
    D番号:204]から成る群から選ばれる配列に対応する、請求項12に記載の
    方法。 【請求項15】 寄生体感染の治療方法であって、CD36遺伝子発現の阻
    害剤を含む製薬組成物を、これを必要としている患者に投与するステップを含む
    方法。 【請求項16】 前記阻害剤が、CD36mRNAにハイブリッドするアン
    チセンスオリゴヌクレオチドを含む、請求項15に記載の方法。 【請求項17】 感染を引き起こす寄生体が、熱帯マラリア原虫である、請
    求項15に記載の方法。 【請求項18】 CD36遺伝子における突然変異の検出ステップを含む、
    哺乳類におけるインシュリン作用および/またはグルコース代謝および/または
    脂肪酸代謝および/またはカテコールアミン作用における欠陥に関連した病気の
    診断方法であって、前記突然変異が、[配列ID番号:179]、[配列ID番号
    :181]、[配列ID番号:183]、[配列ID番号:185]、[配列ID番号
    :187]、[配列ID番号:190]、[配列ID番号:191]、[配列ID番号
    :192]、[配列ID番号:193]、[配列ID番号:194]、[配列ID番号
    :195]、[配列ID番号:196]、[配列ID番号:197]、[配列ID番号
    :198]、[配列ID番号:199]、[配列ID番号:200]、[配列ID番号
    :201]、[配列ID番号:202]、[配列ID番号:203]および[配列ID
    番号:204]から成る群から選ばれる配列に対応する方法。 【請求項19】 この病気が、インシュリン抵抗性、耐糖能傷害、2型真性
    糖尿病、複合高脂血症、本態性高血圧、心筋症、および冠状心臓病から成る群か
    ら選ばれる、請求項18に記載の方法。 【請求項20】 CD36遺伝子における突然変異を有すると決定された被
    験者におけるインシュリン作用および/またはグルコース代謝および/または脂
    肪酸代謝および/またはカテコールアミン作用の欠陥に関連した病気の治療方法
    であって、前記突然変異の結果としてCD36遺伝子産物の欠失を生じ、前記突
    然変異が、[配列ID番号179]、[配列ID番号:181]、[配列ID番号
    :183]、[配列ID番号:185]、[配列ID番号:187]、[配列ID番号
    :190]、[配列ID番号:191]、[配列ID番号:192]、[配列ID番号
    :193]、[配列ID番号:194]、[配列ID番号:195]、[配列ID番号
    :196]、[配列ID番号:197]、[配列ID番号:198]、[配列ID番号
    :199]、[配列ID番号:200]、[配列ID番号:201]、[配列ID番号
    :202]、[配列ID番号:203]および[配列ID番号:204]から成る群
    から選ばれる配列に対応する方法であって、この方法が、CD36活性を増加さ
    せるモジュレータを被験者に投与するステップを含む方法。 【請求項21】 前記モジュレータがポリペプチドである、請求項20に記
    載の方法。 【請求項22】 前記ポリペプチドが、CD36タンパク質とCD36ペプ
    チドとから成る群から選ばれる、請求項21に記載の方法。 【請求項23】 前記ポリペプチドがヒトのものである、請求項22に記載
    の方法。 【請求項24】 前記ポリペプチドが、[配列ID番号101]、[配列I
    D番号:102]、[配列ID番号:103]、[配列ID番号:104]、[配列I
    D番号:105]、[配列ID番号:106]、[配列ID番号:107]、[配列I
    D番号:108]、[配列ID番号:109]、[配列ID番号:110]、[配列I
    D番号:111]、[配列ID番号:112]、[配列ID番号:113]、[配列I
    D番号:114]、[配列ID番号:115]、[配列ID番号:116]、[配列I
    D番号:117]、[配列ID番号:118]、[配列ID番号:119]、[配列I
    D番号:120]、[配列ID番号:121]、[配列ID番号:122]、[配列I
    D番号:123]、[配列ID番号:124]、[配列ID番号:125]、[配列I
    D番号:126]、[配列ID番号:127]、[配列ID番号:128]および[配
    列ID番号:129]から成る群から選ばれる核酸配列によってコードされたア
    ミノ酸配列を含んでいる、請求項23に記載の方法。 【請求項25】 前記ポリペプチドが、組換え核酸分子によって発現される
    、請求項21に記載の方法。 【請求項26】 前記組換え核酸分子が、[配列ID番号101]、[配列
    ID番号:102]、[配列ID番号:103]、[配列ID番号:104]、[配列
    ID番号:105]、[配列ID番号:106]、[配列ID番号:107]、[配列
    ID番号:108]、[配列ID番号:109]、[配列ID番号:110]、[配列
    ID番号:111]、[配列ID番号:112]、[配列ID番号:113]、[配列
    ID番号:114]、[配列ID番号:115]、[配列ID番号:116]、[配列
    ID番号:117]、[配列ID番号:118]、[配列ID番号:119]、[配列
    ID番号:120]、[配列ID番号:121]、[配列ID番号:122]、[配列
    ID番号:123]、[配列ID番号:124]、[配列ID番号:125]、[配列
    ID番号:126]、[配列ID番号:127]、[配列ID番号:128]、[配列
    ID番号:129]、[配列ID番号:132]、[配列ID番号:133]、[配列
    ID番号:134]、[配列ID番号:135]、[配列ID番号:136]、[配列
    ID番号:137]、[配列ID番号:139]、[配列ID番号:140]、[配列
    ID番号:142]、[配列ID番号:143]、[配列ID番号:144]、[配列
    ID番号:145]、[配列ID番号:146]、[配列ID番号:147]、[配列
    ID番号:148]および[配列ID番号:149]から成る群から選ばれる配列
    を含む、請求項25に記載の方法。 【請求項27】 前記モジュレータが核酸分子である、請求項20に記載の
    方法。 【請求項28】 前記核酸分子が、[配列ID番号101]、[配列ID番
    号:102]、[配列ID番号:103]、[配列ID番号:104]、[配列ID番
    号:105]、[配列ID番号:106]、[配列ID番号:107]、[配列ID番
    号:108]、[配列ID番号:109]、[配列ID番号:110]、[配列ID番
    号:111]、[配列ID番号:112]、[配列ID番号:113]、[配列ID番
    号:114]、[配列ID番号:115]、[配列ID番号:116]、[配列ID番
    号:117]、[配列ID番号:118]、[配列ID番号:119]、[配列ID番
    号:120]、[配列ID番号:121]、[配列ID番号:122]、[配列ID番
    号:123]、[配列ID番号:124]、[配列ID番号:125]、[配列ID番
    号:126]、[配列ID番号:127]、[配列ID番号:128]、[配列ID番
    号:129]、[配列ID番号:132]、[配列ID番号:133]、[配列ID番
    号:134]、[配列ID番号:135]、[配列ID番号:136]、[配列ID番
    号:137]、[配列ID番号:139]、[配列ID番号:140]、[配列ID番
    号:142]、[配列ID番号:143]、[配列ID番号:144]、[配列ID番
    号:145]、[配列ID番号:146]、[配列ID番号:147]、[配列ID番
    号:148]および[配列ID番号:149]から成る群から選ばれる配列を含む
    、請求項27に記載の方法。 【請求項29】 前記核酸分子が、CD36タンパク質とこれの断片とから
    成る群かれ選ばれるポリペプチドを宿主細胞において発現する、請求項27に記
    載の方法。 【請求項30】 前記核酸分子が、前記宿主細胞において自己複製する、請
    求項29に記載の方法。 【請求項31】 前記宿主細胞が、前記核酸分子で形質転換される、請求項
    30に記載の方法。 【請求項32】 前記モジュレータが、ペプチド、ホスホペプチド、小さい
    有機分子、小さい無機分子、抗体、および抗体のエピトープ結合断片から成る群
    から選ばれる、請求項20に記載の方法。 【請求項33】 前記モジュレータが、アンチセンス核酸分子、リボザイム
    、および三重螺旋核酸分子から成る群から選ばれる、請求項27に記載の方法。 【請求項34】 寄生体感染を治療するための薬剤をスクリーニングする方
    法であって、前記感染を引き起こす寄生体は、感染を発生させるためにはリガン
    ドとしてCD36タンパク質を必要とし、この方法は、CD36遺伝子発現の阻
    害のための候補薬剤を試験するステップを含む方法。 【請求項35】 この寄生体が、熱帯マラリア原虫である、請求項34に記
    載の方法。 【請求項36】 寄生体感染を治療するための薬剤をスクリーニングする方
    法であって、前記感染を引き起こす寄生体は、感染を発生させるためにはリガン
    ドとしてCD36タンパク質を必要とし、この方法は、CD36遺伝子の正の調
    節遺伝子の阻害のための候補薬剤を試験するステップを含む方法。 【請求項37】 前記正の調節遺伝子が、ppr−γである、請求項36に
    記載の方法。 【請求項39】 この寄生体が、熱帯マラリア原虫である、請求項36に記
    載の方法。 【請求項40】 個体のヒトCD36遺伝子における突然変異の存在または
    不存在を決定する方法であって、個体の生物サンプルと、長さが少なくとも10
    ヌクレオチドのプローブ(ここにおいて前記プローブが、[配列ID番号179
    ]、[配列ID番号:181]、[配列ID番号:183]、[配列ID番号:18
    5]、[配列ID番号:187]、[配列ID番号:190]、[配列ID番号:19
    1]、[配列ID番号:192]、[配列ID番号:193]、[配列ID番号:19
    4]、[配列ID番号:195]、[配列ID番号:196]、[配列ID番号:19
    7]、[配列ID番号:198]、[配列ID番号:199]、[配列ID番号:20
    0]、[配列ID番号:201]、[配列ID番号:202]、[配列ID番号:20
    3]、[配列ID番号:205]、[配列ID番号:207]および[配列ID番号:
    209] から成る群から選ばれる配列において提示された突然変異に対応する突然変異を
    含む)とを接触させるステップ、および前記サンプルにおける前記突然変異の存
    在または不存在を検出するステップを含む方法。
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