JP2003529227A - 温度補償および様々な運転モードを備えた精密緩衝発振器 - Google Patents

温度補償および様々な運転モードを備えた精密緩衝発振器

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JP2003529227A JP2000588893A JP2000588893A JP2003529227A JP 2003529227 A JP2003529227 A JP 2003529227A JP 2000588893 A JP2000588893 A JP 2000588893A JP 2000588893 A JP2000588893 A JP 2000588893A JP 2003529227 A JP2003529227 A JP 2003529227A
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ジェイムス ビー. ノーラン,
ライアン スコット エリソン,
マイケル エス. ピスカ,
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03KPULSE TECHNIQUE
    • H03K3/00Circuits for generating electric pulses; Monostable, bistable or multistable circuits
    • H03K3/01Details
    • H03K3/011Modifications of generator to compensate for variations in physical values, e.g. voltage, temperature

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  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 温度補償回路を有する精密緩衝発振器は、多様な周囲温度に亘って、安定したクロック周波数を生成する。本発明は、発振発生器(100)と、2つの独立した電流生成器(200、300)と、遷移検出器(400)と、クロック抑制器(500)とを含む。2つのプログラム可能な独立した電流発生器の出力が組合わされて、温度とは独立したキャパシタ充電電流を提供する。精密緩衝発振器は、3つの動作モード、すなわち、高速モード、低速/低電力モード、およびスリープモードが可能である。温度補償および様々な動作モードを有する精密緩衝発振器は、単一のモノリシック集積回路上に実装されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願) 本願は、本願と同一の譲受人に譲り受けられており、本願と発明者の少なくと
も1人が同じである「A Precision Relaxation Osc
illator With Temperature Compensatio
n」と題された、1998年3月19日に出願された米国特許出願第09/04
4,361号の一部継続出願である。1998年3月19日に出願された米国特
許出願第09/044,361号は、参照に用いられる。
【0002】 (発明の背景) 1.(発明の分野) 本発明は、一般的にクロック周波数を発生する集積回路に関する。特に、本発
明は周囲温度の広域な変化、作製プロセスおよび電圧に対して安定したクロック
周波数を発生する精密緩衝発振器である。本発明は、単一のモノリシック集積回
路上に設けられる。また、この精密緩衝発振器は、いくつかのモードでの運転が
可能である。
【0003】 2.(従来技術の説明) 現在の技術において、2つある構成の内の1つに主に依存するRC緩衝発振器
を説明する。図1に見られるその1つ目の例では、単一のコンパレータがパルス
発生器に結合しており、キャパシタを交互に充放電し、「Dタイプ」のフリップ
フロップのためのクロックを発生する。この設計には、いくつかの誤差原因が存
在する。抵抗器およびキャパシタは、典型的に予期できない電圧および温度の係
数を有する。充電電流およびコンパレータ入力スルーは、ドリフトもしやすい供
給電圧の関数である。また、パルス発生器の出力は、温度および供給電圧ととも
に変化し得る。これらの要因によって、クロック周波数が温度に応じて変化する
【0004】 図2に示される2つ目の例では、RC回路が、2つのコンパレータのそれぞれ
に共通の入力を提供する。独立した基準電圧は、コンパレータの残りの入力のそ
れぞれに結合する。この2つのコンパレータのそれぞれの出力は、「セット−リ
セットタイプ」のフリップフロップの入力と結合する。このフリップフロップの
出力は、キャパシタを交互に充放電する働きをする。この回路は、上述の図1の
説明のパルス発生器の不正確さを取り除くが、他の問題が発生する。キャパシタ
が同じ割合で充放電することはまずないので、特に温度の変化に応じて、衝撃係
数の誤差が生じる。また、温度に応じて同時に互いの後を追う2つの基準電圧の
提供が困難であるために誤差が生じる。
【0005】 それゆえ、温度に影響されることなく、安定したクロック周波数を維持するこ
とが可能な緩衝発振器を提供する必要があった。
【0006】 (発明の要旨) 本発明の1つの目的は、温度に影響されずに安定したクロック周波数を維持す
ることが可能な緩衝発振器を提供することである。安定したクロックとは、温度
の変動の影響を受けやすい環境において、安定した周波数を維持するクロックと
定義される。
【0007】 本発明の別の目的は、クロック周波数の百万分の一を温度で割った値(ppm
/℃)で測定される発振器の温度係数を最小化する緩衝発振器を提供することで
ある。例えば、4MHzのクロック周波数に対する百万分の一/℃は、4クロッ
クサイクルに等しい。
【0008】 本発明の別の目的は、処理および供給電圧によって周波数のドリフトの影響を
受けない緩衝発振器を提供することである。
【0009】 本発明の別の目的は、ファーストモード、スロー/ローパワーモードおよびス
リープモードを含む3つの運転モードを提供することである。
【0010】 本発明の別の目的は、スローモードおよびスリープモードで運転時の電力消費
を低減することである。
【0011】 本発明の1つの実施形態に従って、周囲温度の広域な変化に対して安定したク
ロック周波数を生じる精密緩衝発振器を開示する。この緩衝発振器は、振動発生
器、第1の出力電流を発生する第1電流発生器、および第2の出力電流を発生す
る第2電流発生器から成る。本発明は、単一のモノリシック集積回路上に設けら
れる。
【0012】 本発明の別の実施形態に従って、外部抵抗器が、第1または第2の電流発生器
に接続され得、クロック周波数を決定するために必要なそれぞれの出力電流を発
生する。
【0013】 本発明の別の実施形態に従って、発振器のクロックスピードを選択するために
用いられる、第1および第2の電流発生器内の複数の内部抵抗器が提供される。
【0014】 本発明の別の実施形態に従って、遷移検出回路が提供される。
【0015】 本発明の別の実施形態に従って、振動発生器の出力に結合したクロックインヒ
ビターが提供される。
【0016】 本発明の前述および他の目的、特性、および利点は、添付の図面に示されるよ
うな、本発明の好適な実施形態の下記の、さらに詳細な説明により明白である。
【0017】 (好適な実施形態の詳細な説明) 図3を参照して、安定なクロック周波数を様々な周囲温度にわたって発生する
高精度緩和発振器1を示す。好ましくは、高精度緩和発振器1は、約1KHzか
ら8MHzの範囲において安定なクロック周波数を生成する。しかし、本発明は
特定の周波数範囲に限定されないことが当業者には理解される。
【0018】 高精度緩和発振器1は3つのモードを可能とする。第1のモードは高速モード
であり、通常の動作モードである。第2のモードは低速モードであり、電力を節
約するように、かつ高精度緩和発振器1が処理する回路のいくつかの機能がアク
ティブのままであるように選択される。第3のモードはスリープモードである。
このモードにおいて、高精度緩和発振器1は非活性であり、クロック出力はなく
、電力消費もない。モード間の遷移は「リアルタイム(on the fly)
」で起こり得る。すなわち、モードからモードへ遷移するためにCPUによる処
理活動を停止することは必要でない。しかし、好適な実施形態において、CPU
またはマイクロコントローラは、モードのスイッチングより前に現在の命令サイ
クルを完了している。
【0019】 高精度緩和発振器1は、振動発生器100、典型的には Complemen
tary to Absolute Temperature(CTAT)電流
発生器である第1の電流発生器200、典型的にはProportional
to Absolute Temperature(PTAT)電流発生器であ
る第2の電流発生器300、遷移検出器400およびクロック抑制器500から
構成される。本発明の好適な実施形態において、高精度緩和発振器1は単一のモ
ノリシックな集積回路上に実現される。
【0020】 CTAT200およびPTAT300電流発生器は独立に実現され、本発明に
いくつかの重要な機能を提供する。CTAT200およびPTAT300電流発
生器は、オフセット電流CTAT電流220およびPTAT電流320(すなわ
ち温度に対して逆の傾きを有する電流)を提供することにより、抵抗器、キャパ
シタ、およびコンパレータなどの装置の内部要素への温度変化の影響を補償する
。CTAT電流290およびPTAT電流390(図4および5)が結合されて
キャパシタ充電流Iccc190を形成する(Iccc190=CTAT電流290+
PTAT電流390)。CTAT電流290およびPTAT電流390の結合す
なわち和算は、第1のキャパシタ110および第2のキャパシタ120を充電す
るために振動発生器100に導入されたときに起こる。CTAT電流290およ
びPTAT電流390はほぼ線形であり、温度に対して反対の傾きを有するため
、和算の結果は、温度に対してほぼ独立なICCC190である。
【0021】 好適な実施形態において、振動発生器100は、セット−リセットフリップフ
ロップ160、コンパレータ回路180(さらに2つのコンパレータ182およ
び184から構成される)、2つのキャパシタ110および120、4つのトラ
ンジスタスイッチ130、132、134および136、2つのインバータ14
0および142、ならびに基準電圧152を生成するためのバンドギャップ基準
電圧回路150から構成される。
【0022】 トランジスタスイッチ130および134はそれぞれ、2つのキャパシタ11
0および120のための充電パスを提供する。トランジスタスイッチ132およ
び136はそれぞれ、キャパシタ110および120のための放電パスを提供す
る。好適な実施形態において、トランジスタスイッチ130、132、134お
よび136はMOSFETトランジスタであるが、本発明はこの技術に限定され
ないことが当業者には理解される。
【0023】 振動発生器100は、一方のキャパシタに充電させながら他方のキャパシタが
放電することにより動作する。キャパシタ110のための放電パスは、トランジ
スタスイッチ132を介してコンパレータ182の入力に結合されている。キャ
パシタ120のための放電パスは、トランジスタスイッチ136を介してキャパ
シタ184の入力に接続されている。
【0024】 好適な実施形態において、また最良な性能のために、バンドギャップ基準電圧
回路150などの安定な基準電圧源が用いられる。バンドギャップ基準電圧回路
150は単一の基準電圧152を提供する。基準電圧152は、コンパレータ1
82および184の第2の入力に接続され、各コンパレータ182および184
およびCTAT電流発生器200において共通のモード電圧を設定するために用
いられる。バンドギャップ基準電圧回路150のためのPBIAS入力325は、P
TATバイアス発生器310の出力である(後述)。バンドギャップ基準電圧回
路150は、キャパシタ充電流を安定化し、コンパレータ入力スルー(slew
)の変動および伝播遅延に起因するエラーを最小にする。
【0025】 さらに、基準電圧のドリフトの影響をキャンセルあるいは少なくとも最小にす
るために、CTAT200電流発生器はコンパレータ182および184と同じ
基準電圧152に依拠する。例えば、基準電圧152が増加すると、VREF/R
に等しいCTAT電流290(図4)もまた増加する。別のどこかで補償しない
かぎり、この増加したCTAT電流290のためにクロック周波数166がより
速くなる。なぜなら、より大きなICCC190が生成されることにより、キャパ
シタ110および120がより高速に充電されるためである。しかし、増加した
基準電圧152に対してコンパレータ182および184がトリップするために
は、キャパシタ110および120はより大きなレベルまで充電しなければなら
ない。従って本発明は、クロック周波数安定性を達成するためにより単純でより
安価な基準電圧源を必要とする。バンドギャップ基準電圧回路150ならびに電
圧分圧器などの他の基準電圧源の様々な実施形態があるが、これらは当業者には
周知である。しかし、本発明においてバンドギャップ基準電圧回路150が実現
され得る新規な態様は、従来技術においては開示されていない。
【0026】 コンパレータ182の出力は、フリップフロップ160のセット入力162に
接続されている。コンパレータ184の出力は、フリップフロップ160のリセ
ット入力164に接続されている。このように、キャパシタ110および120
が交互に充電および放電する際、コンパレータ182および184の出力はフリ
ップフロック160を交互にセットおよびリセットすることにより、クロック出
力を生成する。
【0027】 フリップフロップ160のQ出力166は、温度変化に対して独立である安定
なクロック周波数INTCLKを提供する。好適な実施形態において、Q出力1
66はトランジスタスイッチ132にも引き回され、インバータ140を介して
トランジスタスイッチ130にも引き回される。このように、Q出力166はト
ランジスタスイッチ130および132を制御する信号を提供し、トランジスタ
スイッチ130および132は、キャパシタ110のための充電パスおよび放電
パスを開閉する。
【0028】 フリップフロップ160の相補Q出力168は、Q出力166の温度および補
数とも関係のない第2の安定したクロック周波数を提供する。相補Q出力168
は、トランジスタスイッチ136、およびインバータ142を介してトランジス
タスイッチ134へと導かれる。したがって、相補Q出力168は、トランジス
タスイッチ134および136を制御する信号を提供し、トランジスタスイッチ
134および136は、キャパシタ120に対する充電通路および放電通路を開
閉する。
【0029】 移行検出器400は、2つの主要な機能を実行する。2つの主要な機能とは、
非同期高速/低速信号(ASYNCH FAST/SLOW)を同期高速/低速
信号(SYNCH FAST/SLOW404)に変換すること、およびクロッ
ク抑制器500を初期化することである。クロック抑制器500の目的は、IN
TCLK166が不安定であり得る場合の、モード移行の間のプログラム可能な
数のクロックサイクルの間、INTCLK166がCLKOUT502として出
力されるのを抑制することである。回路1がある動作モードから別の動作モード
へと(例えば、低速モードから高速モードへと)移行する場合、同期ワンショッ
ト(synchronous one−shot)等の単純な組み合わせおよび
順次論理から構成された移行検出器400が、RSTCLK402信号を送信し
て、クロック抑制器500を初期化する。
【0030】 移行検出器400からRSTCLK402信号を受け取ると、単純なプログラ
ム可能カウンタであり得るクロック抑制器500は、所定の数のクロックサイク
ルの間、CLKOUT502が接続された回路(例えばCPU)に送信されるの
を抑制する。従って、クロック抑制器500は、不安定なクロック周波数または
移行中のクロック周波数が原因で起こる論理異常を防止するために機能する。モ
ード移行に続く所定の数のクロックサイクルの後、推定的に高精度弛張発振器1
の動作が安定である場合、クロック抑制器500により、CLKOUT502が
接続された回路へと通過し得る。
【0031】 さらに、RSTCLK402信号の立ち下がりエッジが、SYNCH FAS
T/SLOW404信号をトリガする。SYNCH FAST/SLOW402
は、CTAT電流発生器200およびPTAT電流発生器300によって使用さ
れて、以下に説明するように、高速または低速モード動作について、電流290
および390をそれぞれ調節する。
【0032】 図4を参照して、同じ参照符号は同じ構成要素を示す。CTAT電流発生器2
00は、CTATバイアス発生器210と、CTAT電流290を生成する電流
ミラー250とから構成される。CTATバイアス発生器210は、増幅器回路
220と、増幅器への入力電流を調整するための小さな正の温度係数を有する少
なくとも1つの抵抗器232、233、および234と、増幅器220に入力電
流を提供するトランジスタ240とから構成される。増幅器220は、給電およ
びノイズ除去のためのカスコード構成である。基準電圧152は、増幅器220
の入力に結合される。
【0033】 インピーダンスが変動する異なる抵抗器232、233、および234は、電
流ミラー250に送られる電流を制御し、したがって、発振発生器100によっ
て生成される温度とは関係なく、特定の安定したクロック周波数を決定する。本
発明は、3つの抵抗器232、233、および234のうちの1つを選択するた
めに、SYNCH FAST/SLOW404および抵抗器選択(RSELECT23
6)を入力する選択論理230を提供する。SYNCH FAST/SLOW4
04によって低速モードが作動された場合、内部抵抗器RINT/LP233が選択さ
れる。SYNCH FAST/SLOW404によって高速モードが作動された
場合、選択論理230は、選択を行う際、入力RSELECT236が内部抵抗器RIN T 232と外部抵抗器REXT234との間にあるものと考える。
【0034】 好適な実施形態において、高速モード内部抵抗器232は、低インピーダンス
、つまりより高い電流を提供するポリシリコン技術から形成されるので、この内
部抵抗器232は、より早いクロックを提供する。さらに、ポリシリコン技術は
低い温度係数(ppm/deg C)を有するので、したがって、温度に対する
周波数の安定性が向上される。
【0035】 対照的に、低速モード内部抵抗器233は、好適には、ドーピングされたシリ
コン基板から、通常は注入および/または拡散によって形成される(例えばLD
D(低不純物ドレイン(Lightly Doped Drain)))。ドー
ピングされたシリコンは、高いインピーダンスを生じ、この高いインピーダンス
が、電流ミラー250への電流を低減し、したがって、低電力での動作を可能に
する。
【0036】 低速モード内部抵抗器233は、ポリシリコン技術を用いて形成され得る。し
かし、ポリシリコンの単位面積あたりの抵抗率は、ドーピングされたシリコンの
単位面積あたりの抵抗率よりもかなり低い。したがって、ポリシリコン抵抗器は
、同様の抵抗率を有するドーピングシリコン抵抗器と比べて、かなり広い半導体
領域を必要とする。通常のアプリケーションにおける高精度弛張発振器1の電力
消費は、高速モードでの250ua(マイクロアンペア)から低速モードでの2
0ua以下の範囲である。スリープモードの場合は、電力は消費されない。
【0037】 電流ミラー250は、1番からn番までの複数のトランジスタ252から構成
される。CTATバイアス発生器増幅器220の出力は、電流ミラートランジス
タ252に結合される。適切なCTAT:PTATバランスを達成するためのC
TAT電流290のトリミングは、較正スイッチ254によって、1つ以上の電
流ミラートランジスタ252を選択またはイネーブルすることによりデジタル的
にプログラムされ、これが合計を計算して、所望のCTAT電流290を得る。
【0038】 較正スイッチ254はまた、CTAT較正選択デコード256を介して、SY
NCH FAST/SLOW404に結合される。高速モードにおいて、較正ス
イッチ254は、高速クロックのためにICTATをトリミングするように構成され
る。低速モードにおいて、較正スイッチ254は、低速クロックのためにICTAT をトリミングするために異なる構成を要求され得る。したがって、較正スイッチ
254は、SYNCH FAST/SLOW404信号の状態に応答して、高速
モード較正と低速モード較正との間でトグルする。
【0039】 好適な実施形態において、電流ミラー250は、当業者に周知の電流分割器と
して機能する。別の実施形態において、電流ミラー250は、電流増倍器として
構成され得る。CTAT電流290は、電流ミラートランジスタ252からの選
択された出力の合計である。
【0040】 図5を参照すると(図5において、同じ参照符号は同じ構成要素を示す)、Δ
BE回路として当業者に公知のPTAT電流発生器300は、PTATバイアス
発生器310と、PTAT電流390を生成するPTAT電流ミラー350とか
ら構成される。PTATバイアス発生器310は、増幅器回路320と、小さな
線形の温度係数を有する選択可能な抵抗器332、333、および334に印加
される第1のバイアス電圧を生成する第1のバイアス回路330と、第2のバイ
アス電圧を生成する第2のバイアス回路340とから構成される。第1および第
2のバイアス電圧は、増幅器320への入力を提供する。増幅器320の出力は
BIAS325であり、この出力PBIAS325は、第1のバイアス回路330、第
2のバイアス回路340、PTAT電流ミラー350、およびバンドギャップ基
準電圧発生器150(図1)に結合される。
【0041】 インピーダンスが変動する異なる抵抗器332、333、および334は、電
流ミラー350に送られる電流を制御し、したがって、発振発生器100によっ
て生成される温度とは関係なく、特定の安定したクロック周波数を決定する。
【0042】 CTATバイアス発生器210同様、PTATバイアス発生器310は、SY
NCH FAST/SLOW404と、3つのレジスタ332、333または3
34のうちの1つを選択するためのレジスタ選択(RSELECT236)とを入力す
る選択論理330を提供する。SYNCH FAST/SLOW404によって
低速モードが起動された場合、内部レジスタRINT/LP333が選択される。SY
NCH FAST/SLOW404によって高速モードが起動された場合、選択
論理330は、内部レジスタRINT332か外部レジスタREXT334かの選択に
おいて、入力RSELECT336を考慮する。
【0043】 好適な実施形態では、高速モード内部レジスタ332はポリシリコン技術を用
いて製造される。ポリシリコン技術は低インピーダンスを提供し、従って、より
高い電流、ひいてはより速いクロックを提供する。さらに、ポリシリコン技術は
、低い温度係数(ppm/deg C)を有し、従って温度に対する向上した周
波数安定性を提供する。
【0044】 一方、低速モード内部レジスタ333は、好適には、拡散技術、例えば低不純
物ドレイン(LDD)から製造される。拡散技術は、高インピーダンスを生成し
、ひいては電流ミラー350への電流を低減し、従って、低電力での動作を可能
にする。CTATおよびPTATバイアス発生器210および310内のそれぞ
れのレジスタ組は、最適な安定性のために互いに適合されている。例えば、高速
モードでは、両方のレジスタ(REXT234および334、またはRINT232お
よび332)はポリシリコンであり、低速モードでは、両方のレジスタ(RINT/ LP 233および333)はドープされたシリコンである。
【0045】 低速モード内部レジスタ333は、ポリシリコン技術を用いて製造し得る。し
かしながら、ポリシリコンの単位面積あたりの抵抗は、拡散技術の単位面積あた
りの抵抗よりも著しく低い。従って、ポリシリコンレジスタは、同様の抵抗に対
して、ドープされたシリコンレジスタよりも、著しく大きな半導体領域を必要と
する。
【0046】 PTAT電流ミラー350は、1〜n個の複数のトランジスタ352から構成
される。較正スイッチ354を介した一つ以上の電流ミラートランジスタ352
の選択またはイネーブルメントをプログラミングし、所望のPTAT電流390
を獲得することにより、トリミングがデジタル的に実行される。
【0047】 較正スイッチ354は、PTAT較正選択デコード356を介してSYNCH
FAST/SLOW404信号にも結合されている。高速モードでは、較正ス
イッチ354は、高速クロックに対してIPTATをトリムするように構成されてい
る。低速モードでは、較正スイッチ354は、低速クロックに対してIPTATをト
リムするために、異なる較正を要求され得る。従って、較正スイッチ354は、
SYNCH FAST/SLOW404信号の状態に応答して高速モード較正と
低速モード較正との間でトグルする。
【0048】 好適な実施形態では、電流ミラー350は、当業者に周知の電流分割器として
機能する。他の実施形態では、電流ミラー350は、電流乗算器として機能し得
る。PTAT電流390は、電流ミラートランジスタ352からの選択出力の合
計である。
【0049】 図6を参照して、緩和発振器1の一般的なタイミング図(即ち、モード依存で
ない)を示す。図6の同様の参照符号は同様の構成要素を表す。V1 112は
、キャパシタ110(図1)の充電および放電を示す。V1 112の正の傾き
(充電)は、キャパシタ110の容量により分割されるICCC190に等しい。
V1 112の最大振幅は、基準電圧152に等しい。CMP1は、フリップフ
ロップ160のセット入力162に結合されたコンパレータ182の出力を表す
【0050】 V2 122は、キャパシタ120の充電および放電を示す。この場合、V2 122の正の傾きは、キャパシタ120の容量により分割されるICCC190
に等しい。CMP2は、フリップフロップ160のリセット入力164に結合さ
れたコンパレータ184の出力を表す。CLKは、フリップフロップ160のQ
出力166である。
【0051】 50パーセントの衝撃係数では、キャパシタ110および120の値は同一で
あり、これによりV1 112およびV2 122に対して同様の傾きを生じる
。キャパシタ電圧が基準電圧152を超えると、それぞれのコンパレータ182
および184は、ローを発振し、これによりフリップフロップ160は充電状態
にされる。コンパレータ182および184ならびにフリップフロップ160を
既知の状態に初期化するには、RST(リセット)が用いられる。
【0052】 図7を参照して、図3の実施形態の低速モードから高速モードへの移行を説明
するタイミング図を示す。図7の同様の参照符号は同様の構成要素を表す。緩和
発振器1は、高速モードから低速モードに移行するときも同様に動作する。
【0053】 このタイミング図では、緩和発振器1(図3)は最初、低速モードで動作して
いる。ASYNCH FAST/SLOW信号(本発明では外部で生成される)
は、移行検出器400により受け取られる。好適な実施形態では、論理レベル0
は低速モードを示し、論理レベル1は高速モードを示す。スリープモードへ移行
するための信号は別のアクティブなハイの信号である。
【0054】 内部クロックINTCLK166に関連して高速モードに移行するのに要する
セットアップ時間を満たすASYNCH FAST/SLOW信号を受け取ると
、移行検出器400は2つの出力を生成する。移行検出器400は、クロック抑
制器(inhibiter)500にリセットパルスRSTCLK402を出力
する。また、移行検出器400はASYNCH FAST/SLOW信号を同期
化し、RSTCLK402の立ち下がりエッジにおいて、移行検出器400は電
流生成器200および300にSYNCH FAST/SLOW404を出力す
る。この時点で、電流生成器200および300は、高速モードを必要とする電
流を生成するためのスイッチングを開始する。電流生成器200および300が
内部スイッチングを開始すると、バイアス電流を一定にしINTCLK166を
安定させるには、いくつかのクロックサイクルが必要となる。
【0055】 RSTCLK402を受け取ると、クロック抑制器500は、即座にCLKO
UT502の抑制を開始する。RSTCLK504パルスの立ち下がりエッジで
、緩和発振器1は、低速から高速モードに移行し始める。実施形態の1つでは、
クロック抑制器は、安定化のためにINTCLK166の8高速クロックサイク
ルをカウントおよび抑制してから、抑制を解除し、CLKOUT504を高速モ
ードクロックで伝送させる。
【0056】 本発明は、製造プロセス、供給電圧および温度変動によるクロック周波数のド
リフトを最小化する。これは、合計されたときに温度変動から独立したオフセッ
トバイアス電流を供給し、プログラム可能電流ミラー250および350を介し
てトリミングすることでプロセス変動を排除し、バンドギャップ基準電圧回路1
50などの安定した電圧基準、ならびにデュアルキャパシタ、デュアルコンパレ
ータ、および振動発生器100を用いることにより達成される。また、要素整合
(component matching)およびカスコード電流源など当業者
に周知のアナログ設計技術が、回路の安定性を高める。
【0057】 本発明を好適な実施形態を参照して特別に図示説明してきたが、本発明の精神
および範囲から逸脱することなく形式および詳細の変更を行い得ることは当業者
に理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、従来技術におけるパルス発生器を備えた簡単なRC緩衝発振器を示す
概略図である。
【図2】 図2は、従来技術におけるデュアルコンパレータRC緩衝発振器を示す概略図
である。
【図3】 図3は、本発明のブロック図である。
【図4】 図4は、本発明に見られるCTAT電流発生器のブロック図である。
【図5】 図5は、本発明に見られるPTAT電流発生器のブロック図である。
【図6】 図6は、本発明の特定のパラメータのタイミング図である。
【図7】 図7は、スローモードとファーストモードの間のクロックの遷移のタイミング
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エリソン, ライアン スコット アメリカ合衆国 アリゾナ 85202, フ ェニックス, ナンバー188, サウス ロングモアー 1050 (72)発明者 ピスカ, マイケル エス. アメリカ合衆国 アリゾナ 85048, フ ェニックス, サウス 24ティーエイチ プレイス 14604 Fターム(参考) 5J043 AA01 AA03 AA26 BB02 DD05 DD14 DD15 5J081 AA08 BB02 CC17 CC18 CC44 DD04 EE03 EE04 GG05 KK02 LL05 MM01

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度補償回路を有する精密緩衝発振器であって、 発振発生器と、 該発振発生器に連結された第1の電流発生器と、 該発振発生器に連結された第2の電流発生器と、 該発振発生器に連結されたクロック抑制器と、 該クロック抑制器に連結された遷移検出器と、 を含み、該回路が単一の集積回路上に実装されている、温度補償回路を有する精
    密緩衝発振器。
  2. 【請求項2】 前記回路がクロック出力を生成し得、複数の動作モードを有
    し、該複数の動作モードが、 第1の動作モードと、 該第2の動作モードの該クロック出力が、該第1の動作モードの該クロック出
    力よりも低い周波数を有する、請求項1に記載の回路。
  3. 【請求項3】 前記第1の動作モードが、キャパシタ充電電流を生成し、 前記第2の動作モードが、該第1のキャパシタ充電電流よりも小さくなるよう
    に、第2のキャパシタ充電電流を生成する、請求項2に記載の回路。
  4. 【請求項4】 前記第1の動作モードが、公称電力消費を有し、 前記第2の動作モードが、該第1の公称電力消費よりも小さくなるように、第
    2の公称電力消費を有する、請求項2に記載の回路。
  5. 【請求項5】 クロック出力を生成しない第3の動作モードを有する、請求
    項2に記載の回路。
  6. 【請求項6】 前記第3の動作モードが、キャパシタ充電電流を生成しない
    、請求項5に記載の回路。
  7. 【請求項7】 前記第3の動作モードが、約ゼロの公称電力消費を有する、
    請求項5に記載の回路。
  8. 【請求項8】 前記第1の動作モードが、前記第1の電流発生器に対して内
    側にある抵抗器の選択と、前記第2の電流生成器に対して内側にある抵抗器の選
    択とにより決定される、請求項2に記載の回路。
  9. 【請求項9】 前記第1の動作モードがさらに、前記第1の電流発生器に対
    して内側にある複数の較正スイッチのプログラミングと、前記第2の電流発生器
    に対して内側にある複数の較正スイッチのプログラミングとにより決定される、
    請求項8に記載の回路。
  10. 【請求項10】 前記第2の動作モードが、前記第1の電流発生器に対して
    内側にある第2の抵抗器の選択と、前記第2の電流生成器に対して内側にある第
    2の抵抗器の選択とにより決定される、請求項2に記載の回路。
  11. 【請求項11】 前記第2の動作モードがさらに、前記第1の電流発生器に
    対して内側にある複数の較正スイッチのプログラミングと、前記第2の電流発生
    器に対して内側にある複数の較正スイッチのプログラミングとにより決定される
    、請求項10に記載の回路。
  12. 【請求項12】 前記クロック抑制器がカウンタを含む、請求項1に記載の
    回路。
  13. 【請求項13】 前記クロック抑制器が、前記遷移検出器からの遷移信号を
    受信し、該遷移信号を受信すると、所定数のクロックサイクルに亘って前記発振
    発生器のクロック出力を阻止する、請求項12に記載の回路。
  14. 【請求項14】 前記クロック抑制器が、前記所定数のクロックサイクルが
    終了した後に、前記クロック出力の伝送を許可する、請求項13に記載の回路。
  15. 【請求項15】 前記所定数のクロックサイクルがプログラム可能である、
    請求項13に記載の回路。
  16. 【請求項16】 温度補償回路を有する精密緩衝発振器であって、該回路が
    、クロック出力を生成し、複数の動作モードを有する、精密緩衝発振器であって
    、該複数の動作モードが、 第1の動作モードと、 第2の動作モードであって、該第2の動作モードの該クロック出力が、該第1
    の動作モードの該クロック出力よりも低い周波数を有する、第2の動作モードと
    、 を含む、精密緩衝発振器。
  17. 【請求項17】 前記第1の動作モードが、キャパシタ充電電流を生成し、 前記第2の動作モードが、該第1のキャパシタ充電電流よりも小さくなるよう
    に、第2のキャパシタ充電電流を生成する、請求項16に記載の回路。
  18. 【請求項18】 前記第1の動作モードが、公称電力消費を有し、 前記第2の動作モードが、該第1の公称電力消費よりも小さくなるように、第
    2の公称電力消費を有する、請求項16に記載の回路。
  19. 【請求項19】 前記回路が、クロック出力を生成しない第3の動作モード
    を有する、請求項16に記載の回路。
  20. 【請求項20】 前記第3の動作モードが、キャパシタ充電電流を生成しな
    い、請求項19に記載の回路。
  21. 【請求項21】 前記第3の動作モードが、約ゼロの公称電力消費を有する
    、請求項19に記載の回路。
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