JP2003529201A - 長寸の超伝導構造とその製造方法 - Google Patents

長寸の超伝導構造とその製造方法

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JP2003529201A JP2000597847A JP2000597847A JP2003529201A JP 2003529201 A JP2003529201 A JP 2003529201A JP 2000597847 A JP2000597847 A JP 2000597847A JP 2000597847 A JP2000597847 A JP 2000597847A JP 2003529201 A JP2003529201 A JP 2003529201A
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Abstract

(57)【要約】 超伝導構造(2)は金属製の二軸方向にテクスチュアされた支持板(3)、この支持板上に析出された、異なる酸化物から成る少なくとも2つの中間層(4、5)及びその上に(RE)M2Cu3X(RE=希土類、M=アルカリ土類金属) 型の高温超伝導層(7)を有する。その際支持板(3)に面する中間層(4)はY23から成り、超伝導層(7)に面する比較的薄い中間層(5)はCeO2から成る。これらの層(4、5、7)は特にヘテロエピタキシャルに成長させてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は設定方向に電流を通すための長寸の超伝導構造に関する。この構造は
以下に記載する部分、即ち二軸方向にテクスチュアされた金属材料からなる支持
板、この支持板上に析出された互いに異なる酸化物材料から成る少なくとも2つ
の中間層を有する中間層組織及びこの中間層組織上に析出された(RE)M2
3X型(REはイットリウムを含む少なくとも1つの希土類金属、Mは少なく
とも1つのアルカリ土類金属)の高温超伝導材料から成る超伝導層を有する。更
に本発明はこのような超伝導構造の製造方法に関する。対応する超伝導構造及び
その製造方法は「応用超伝導(Applied Superconductivity)」1996年、第
4巻、第10〜11号、第403〜427頁に記載されている。
【0002】 77K以上の高い転移温度Tcを有し、従って高温超伝導材料又はHTS材料
とも呼ばれ、特に液体窒素(LN2)冷却法を可能にする、超伝導性の金属酸化
化合物は公知である。このような金属酸化化合物には、特に(RE)−M−Cu
−O型のような特殊な物質系をベースとする銅酸塩がある。ここにREはイット
リウムを含む少なくとも1つの希土類金属を、またMは少なくとも1つのアルカ
リ土類金属を意味する。この型の代表例には、YBa2Cu3Xの材料、所謂「
YBCO」がある。
【0003】 この公知のHTS材料を、種々の使用目的のために種々の支持板(基板)上に
析出することが試みられており、その際一般に高い通流容量に関して、できるだ
け位相の均一なテクスチュアを有する超伝導材料を得ようと努力されている。こ
の場合テクスチュアとは、多結晶組織の結晶子が整列することを意味する。特に
長寸の金属製支持板は導体用途に備えられる(例えば欧州特許出願公開第029
2959号明細書参照)。
【0004】 導体用途に適した超伝導構造の場合、この高温超伝導材料(以後HTS材料と
記載する)を一般に基板の役目をする金属製の支持帯上に直接析出するのではな
く、この支持帯をまず緩衝層(バッファ層)とも云われる少なくとも1つの薄い
中間層で覆う。約1μm程度の厚さを有するこの中間層は、支持材料からの金属
原子がHTS材料に結合してその超伝導性が劣化するのを回避するために、金属
原子がHTS材料中に拡散侵入するのを阻止する。同時にこのような拡散バリヤ
の作用をする中間層で表面を平滑化し、HTS材料の接着を改善することもでき
る。対応する中間層は特にジルコン、セリウム、イットリウム、アルミニウム、
ストロンチウム又はマグネシウムの酸化物又はこれらの金属との合金から成り、
従って通常電気絶縁性である。
【0005】 拡散バリヤとしての特質の他に、この中間層の少なくとも1つは、その上に施
されるHTS材料のテクスチュアされた成長を可能にするという要件を満たす必
要がある。従ってこの中間層自体が相応しいテクスチュアを有さねばならない。
化学的に別種の土台上に層を成長させる際の結晶学上の方位の転写は「ヘテロエ
ピタキシー」の概念で公知である。その際この中間層は、HTS材料の格子定数
にできるだけよくマッチした単位格子定数を有さなければならない。更に、超伝
導技術及び層の準備に不可欠な温度サイクルで使用する場合の不所望な機械的応
力及び場合によりその際生じる破裂等の損傷を回避するため、中間層はHTS材
料の熱膨張率と少なくともほぼ合致する熱膨張率を有さねばならない。
【0006】 同様のことは、「支持板−中間層」系の選択においても要求される。この場合
も良好な接着特性が求められ、同時に中間層とその上に成長させるHTS層との
間に望まれるヘテロエピタキシーが悪影響を蒙ってはならない。
【0007】 上述の理由から冒頭に挙げた文献では、圧延工程によりその表面がテクスチュ
アされた銅又はニッケルからなる金属帯が支持帯として備えられ、その上に第1
の緩衝層としてCeO2層の中間層が、また第2の緩衝層としてイットリウムで
安定化されたZrO2から成り、一層厚いZr(Y)O2層が析出される。この組
合わせは、金属表面が酸化するのを回避するため還元雰囲気で、CeO2がテク
スチュアされたニッケル上にヘテロエピタキシーに析出可能なことから選択され
たものである。しかしその際CeO2中に起こる酸素の欠乏及びこれと関連する
格子定数の増加により層が亀裂を生ずる傾向がある。従って亀裂の面密度を制限
するべく、最大限度で100nm迄の厚さのCeO2層が使用される。 即ちそれよ
り厚いCeO2層は、薄い層よりも容易に亀裂を生ずる。このため、 万一生じた
亀裂又はその他の機械的損傷をカバーするべく、Zr(Y)O2からなる第2の
層が必要となる。この第2の層は、実際の拡散を遮断するように、例えば1μm
迄の厚さに形成しなければならない。これに相応する中間層組織は特に米国特許
第5739086号又は同第5741377号明細書に記載されている。
【0008】 つまりこのような導体構造には、金属帯上に亀裂がなく、かつ拡散を妨げる緊
密な中間層を析出することが要求される。加えて高い臨界電流密度Jcにとって
重要なヘテロエピタキシーに関して、金属帯のテクスチュアを超伝導材料中に転
写できるように、二軸方向にテクスチュアされた金属帯から出発しなければなら
ない。従って超伝導性のYBCO材料又は相応するHTS材料で被覆された長さ
の大きな帯状の導体を製造する必要がある。
【0009】 従来考案された大電流の無損失送電用途、例えば強い磁界に曝される磁気コイ
ル又は変圧器での巻回した帯状導体の形での使用には、例えば0.8μmの YB
CO材料の層厚で、YBCO層中に少なくとも1×105A/cm2の高い臨界電
流密度Jcを必要とする。その場合、これは周知の通り、小角粒界が結果として
高い電流容量をもたらすので、YBCO層の結晶子が結晶のa−b面内で画一的
に整列している場合にのみ達成できるものである。ここでは二軸方向のテクスチ
ュアも指す。このことから、支持板中に既に存在する二軸方向のテクスチュアを
中間層によりYBCO層上に転写せねばならなくなる。二軸方向のテクスチュア
の品質等級の尺度として所謂X線写真技術の「Phi Scan 」における所謂半値幅
(FWHM)が使用される。即ち中間層組織の半値幅は10°を著しく越えては
ならない。相応する研究は「材料研究ジャーナル」第7巻、第7号、1992年
7月、第1641〜1651頁、特に1644〜1645頁に記載されている。
【0010】 本発明の課題は、比較的長い、特に1m以上、有利には100m以上の支持部
品でも変わることのない品質で被覆することができ、上記の要件を満たす中間層
組織を提供することにある。その際、支持板材料からYBCO層中への金属原子
の拡散は、YBCOの析出及び形成に必要な酸素が金属表面に拡散するのと同様
に阻止せねばならない。即ちかかる酸素の拡散は、YBCO材料の約600〜8
00℃の範囲の通常の析出温度及び焼鈍温度で金属を酸化させ、そのため中間層
の接着強度を低下させることになる。この理由から、一般に約0.5〜2μmの
中間層組織厚さが必要であり、その際この厚さは中間層の材料に依存する。
【0011】 この課題は冒頭に記載した特徴を有する超伝導構造に関し、本発明により中間
層組織が支持板に面するイットリウムの酸化物から成る中間層と、超伝導層に面
する比較的に薄い方のセリウムの酸化物から成る中間層とを有することにより解
決される。この酸化物の代表例はY23又はCeO2である。但し僅かな不純物
や混入物、特に他の金属酸化物を5重量%迄の量で各々含ませる必要がある。
【0012】 中間層組織のこの形態に関連する利点は、特に以下に記載する点に見られる。
即ち、 −支持板に面する(第1の)中間層をヘテロエピタキシーに金属製支持板上に 成長させることができる。これは金属表面上に酸化物の形成が阻止されると きに保証される。それには第1の中間層の金属酸化物を還元雰囲気又は酸素 欠乏雰囲気で析出させ、しかもこの中間層が支持板材料の金属酸化物よりも 明らかに高い結合エネルギーを有するようにせねばならない。これらの要求 は選択されたY23で満たされるものである。 −超伝導材料に面する(第2の)中間層は、選択された超伝導材料に極めてよ くマッチした格子定数を有する。即ち相応しい格子欠陥(所謂格子不整合) は使用されるCeO2の場合1.6%以下であり、一方イットリウム安定化 されたZrO2では5.5%である。 −この中間層組織全体は、必要な支持板の被覆工程中に支持板の材料の金属と 超伝導材料との化学反応を阻止する。即ちこれは関与する元素に対して僅か な拡散率を示す。更に中間層の大きな長さについても再生可能に形成するこ とができ、その際例えば亀裂のような「巨視的」欠陥を生じることはない。 従って選択された中間層の材料の組合わせは、その支持板及びその超伝導体 に上記の材料を使用した長寸の導体構造の製造に特に適している。
【0013】 本発明による超伝導構造の有利な実施態様を従属請求項に示す。
【0014】 その際ニッケル又はニッケル合金から成る支持板を選択すると有利である。即
ちこの種材料から成る支持板は、一方ではY23程度の熱膨張率を有する。他方
ではこの支持板の被覆しようとする表面にそれ自体公知の方法(冒頭に掲げた文
献を参照のこと)により、比較的簡単に必要な二軸方向のテクスチュアを形成す
ることができる。
【0015】 それに応じてこの支持板の中間層組織に面する表面に、圧延によりテクスチュ
アを施すと有利である。
【0016】 YBa2Cu3X(YBCO)型の超伝導材料が有利である。
【0017】 この成分Y及び/又は成分Baを、少なくとも部分的にそれぞれ相応する群か
らの原子で置換したYBCO系の材料を同様に使用することができる。
【0018】 CeO2の中間層が200nm以下の厚さ、好ましくは100nmそして少な
くとも10nmの厚さを有すると有利である。このような層厚の場合、良好なヘ
テロエピタキシーを保証することができる。更に亀裂の発生も阻止できる。
【0019】 更にY23の中間層が200nm〜2μmの厚さを持つとよい。この比較的厚
い中間層は、中間層組織全体の緊密化を長寸の超伝導構造においても保証する。
【0020】 超伝導構造の製造に、中間層と超伝導層との少なくとも十分にヘテロエピタキ
シャルな成長を保証すると極めて有利である。その際X線写真技術のPhi Scanに
おける半値幅(FWHM)は、超伝導層の高い臨界電流密度Jcを達成できるの
で、20°以下、好ましくは15°以下の方がよい。即ちそれにより超伝導層の
高い臨界電流密度Jcを達成できるからである。
【0021】 本発明を更に図面に基づき以下に詳述する。図面の個々の図形は、実施例とし
て本発明の1つの超伝導構造の原理上の形成可能性を示すものである。
【0022】 本発明による超伝導構造の形態の場合、それ自体公知の実施形態から出発する
(冒頭に挙げた文献又は欧州特許出願公開第0292959号明細書参照された
い)。図中全体を2と記した超伝導構造は、従って基板とも云われる長寸で厚さ
d1の少なくとも1つの支持板3を含んでいる。この支持板3上に緩衝層とも云
われ、厚さd2とd3有する少なくとも2つの中間層4と5が析出されている。
このように形成された中間層組織6上に、厚さd4の特殊なHTS材料から成る
層7が施されている。この支持板3には、元来任意の厚さd1及び各用途で必要
とされるその表面寸法を有する金属材料から成る板又は帯又はその他の長寸の構
造が使用される。その際支持板は、図示しない少なくとももう1つの別の素子を
有する複合体の部品であってもよい。この素子は機械的強化のため及び/又は電
気的な安定化のために設けられ、例えば中間層組織6に面する支持板3の側面上
にあってもよい。このような別の素子は例えば銅でできていてもよい。
【0023】 支持板3用の金属材料としては、この場合ニッケル(Ni)又はNi合金を選
択すべきである。例えば特殊なNi−Cu−Fe合金、特に商品名「モネル」を
有するもの、又は合金成分としてV、Cr、Moの少なくとも1つを含むNi合
金又はFeの組成比が最大で80原子%のNiFe合金が好適である。
【0024】 この支持板上に亀裂のない、拡散を妨げる緊密な中間層をヘテロエピタキシャ
ルに析出することを可能にするため、少なくとも中間層組織6に面するその表面
を二軸方向にテクスチュアする必要がある。相応するテクスチュアは「立方体の
縞状テクスチュア」とも呼ばれる。このテクスチュアはそれ自体公知の方法で圧
延工程により引続いての再結晶化のための焼鈍により形成される(冒頭に挙げた
文献の「応用超伝導」を参照されたい)。相応する帯状の基板は、商品名「RA
BiTS」(圧延補助された二軸方向にテクスチュア処理した基板(Rolling‐A ssisted Biaxially‐Textured‐Substrates )の名で公知である。その際この支
持板の全長にわたり変わらない、高いテクスチュアの品質が保証されなければな
らず、これは粒子の大きさによるものである。粒子が大き過ぎると粗悪に方位付
けられた粒界が電流容量を導体の幅全体にまで悪影響を及ぼしかねない。
【0025】 HTS材料としては、(RE)12Cu3Xの型から導き出される公知の全金
属酸化物の高温超伝導材料が対象となる。その際RE(希土類)成分は、例えば
イットリウムのような、少なくとも1つの希土類元素(イットリウムを含む)を
含んでいる。M成分としては、例えばバリウムのような、少なくとも1つのアル
カリ土類元素が重要である。この型の代表例はYBa2Cu3X(ここにX=7
−8であり、所謂YBCOである)。もちろんこの材料の成分の少なくとも1つ
を、各々の群からの他の1つと少なくとも一部置換することも可能である。
【0026】 HTS層の厚さd4は非臨界的なものであり、一般に2μm以下である。
【0027】 場合によってはHTS層7を、例えば特に銀又は銀合金製の保護層又は安定化
層のような少なくとももう1つの層で更に覆うこともできる。
【0028】 HTS材料の高い臨界電流密度Jcにとって必要なテクスチュアされた、特に
エピタキシャルな成長を可能にするために、HTS材料に面する中間層5はこの
ような成長を保証する材料からできている。従ってHTS材料のその結晶の寸法
に適合する単位格子を有するCeO2が特に適している。CeO2の単位格子のエ
ッジ長さは5.41Åであり、従ってその対角線は7.65Åの長さを持つ。こ
れはYBCO単位格子の2倍のエッジ長さの0.3%又は1.6%の偏差を生じ
る(a軸の長さ:3.82Å、b軸の長さ:3.89Å)。
【0029】 有利には10nm〜200nm、好ましくは150nm、特に100nmを越
えない厚さd3を有するこの層5は、支持板3に面する中間層4上にある。この
下方の中間層には、材料として比較的厚いY23を選択すべきである。その際、
この厚さは一般に200nm〜2μm、例えば約1μmである。相応して1μmの
厚さでヘテロエピタキシャルに約8°の半値幅で支持板上に析出された層が、亀
裂がない点で有利であり、加えて約8°の半値幅の所謂インプレーンテクスチュ
アを有する。しかし直接その上に析出されるYBCOは更に不十分な超伝導特性
を示す。この特性は、もう1つのCeO2から成る中間層5 により明らかに改善
することができる。即ち相応する層5をY23層4上に析出するならば、CeO2 層上に正斜方晶系の、二軸方向にテクスチュアされたYBCOが生じる。その
際このテクスチュアの半値幅は約11°であり、一方転移温度Tcは、約3Kの
ΔTcにおいて約85Kである。Teta−2−Tetaスキャンも、CeO2
層の(111面)の極点図も、CeO2粒子が専ら(100面)の方位並びに約
10°の半値幅を有する二軸方向のテクスチュアを示す。明らかに100nm以
上の層厚で初めて再びCeO2内に亀裂が生じる。
【0030】 場合により2つの中間層4、5間に、同様に酸化物材料から成り、所望のヘテ
ロエピタキシーを妨げることのない更にもう1つの薄い層を設けてもよい。相当
例には厚さ5〜20nmのAl23、MgO、SrTiO3又はZr(Y)O2
ら成る層が考えられる。この層は一般にエピタキシャル成長を可能にする、良好
に規定された相応しい格子定数を有する不連続層でなければならない。
【0031】 中間層4及び5はそれ自体公知の方法で支持板上に連続して析出される。それ
には、例えばスパッタリング、熱的蒸着又はレーザアブレーションなどのような
慣用の全ての方法が適している。その際中間層の材料の析出は多くの場合支持板
の温度を高めて行われる。
【0032】 中間層組織6上に引続きHTS材料が公知の析出方法により支持板を加熱して
施される。それに適する最も慣用であるPVD(物理蒸着)法は、パルスレーザ
を使用したレーザアブレーション、マグネトロンスパッタ又は好ましくは熱によ
る共蒸着(=酸素の供給下にHTS材料の成分を同時に蒸着する)である。特に
粉末冶金による出発材料を使用したCVD(化学蒸着)法も適している。その際
本方法は特にヘテロエピタキシャルな析出を保証するように選択する。
【0033】 本発明による具体的実施例を、図示の導体構造に基づき以下に記載する。
【0034】 厚さd1が0.1mm、幅が10mmの少なくとも10cmの長さの帯状のN
50Fe50から成る立方体のテクスチュアされた支持板3の表面上に800℃で
レーザアブレーションにより、まず0.9μmの厚さd2を有し、第1のY23
から成る第1の中間層4を、次いで0.1μmの厚さd3を有するCeO2から成
る第2の中間層5を析出した。こうして形成した中間層組織6上に引続き780
℃でレーザアブレーションにより0.5μmの厚さd4を有するYBCO層7を
施した。この導体構造2を引続き約700℃で被覆室の純酸素中で約30分間加
熱し、引続きこの室内で20分以内で室温に冷却した。こうして得られた導体構
造の臨界電流密度Jcは約1×105A/cm2であった。
【0035】 もちろん本発明による上述の導体構造に更に少なくとも1つの、HTS層を電
気的に安定化する層又は相応する本体又は例えば銀又は銀合金のような常伝導性
の材料から成る要素を設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による超伝導構造の原理上の形成可能性を示す断面図。
【符号の説明】
2 高温超伝導構造 3 支持板(基板) 4 Y23中間層 5 CeO2中間層 6 中間層組織(緩衝層) 7 HTS層 d1 支持板の厚さ d2 中間層4の厚さ d3 中間層5の厚さ d4 HTS層の厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シュミット、ヴォルフガング ドイツ連邦共和国 デー‐91056 エルラ ンゲン メーレンドルファー シュトラー セ 6 Fターム(参考) 4M113 AD35 AD36 AD68 BA04 BA06 BA12 BA15 CA34

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも以下の部分、即ち −金属材料から成り、二軸方向にテクスチュアされた支持板(3) −この支持板上に析出された互いに異なる酸化物から成る少なくとも2つの中間 層(4、5)を有する中間層組織(6)及び −(RE)M2Cu3X型(REはイットリウムを含む少なくとも1つの希土類 金属、Mは少なくとも1つのアルカリ土類金属)の超伝導材料から成るこの中 間層組織(6)上に析出された超伝導層(7) を有し設定方向に電流を通すための長寸の超伝導構造(2)において、 中間層組織(6)が支持板(3)に面するイットリウムの酸化物から成る中間
    層(4)と、超伝導層(7)に面する比較的薄い方のセリウムの酸化物から成る
    中間層(5)とを有することを特徴とする長寸の超伝導構造。
  2. 【請求項2】 YBa2Cu3X型の超伝導材料であることを特徴とする請
    求項1記載の超伝導構造。
  3. 【請求項3】 Y成分及び/又はBa成分の少なくとも一部が、各々相応す
    る群からの元素により置換されたことを特徴とする請求項2記載の超伝導構造。
  4. 【請求項4】 特にCeO2から成るセリウム酸化物の中間層が200nm
    以下、好ましくは100nm以下でかつ少なくとも10nmの厚さ(d3)を有
    することを特徴とする請求項1乃至3の1つに記載の超伝導構造。
  5. 【請求項5】 特にY23から成るイットリウム酸化物の中間層(4)が、
    200nm〜2μmの厚さ(d2)を有することを特徴とする請求項1乃至4の
    1 つに記載の超伝導構造。
  6. 【請求項6】 最大で2μmの厚さ(d4)を有する超伝導層(7)を特徴
    とする請求項1乃至5の1つに記載の超伝導構造。
  7. 【請求項7】 ニッケル又はニッケル合金から成る支持板(3)を特徴とす
    る請求項1乃至6の1つに記載の超伝導構造。
  8. 【請求項8】 少なくとも中間層組織(6)に面する表面に、圧延によるテ
    クスチュアを有することを特徴とする請求項1乃至7の1つに記載の超伝導構造
  9. 【請求項9】 支持板(3)が帯状であることを特徴とする請求項1乃至8
    の1つに記載の超伝導構造。
  10. 【請求項10】 支持板(3)が、少なくとももう1つの素子を有する複合
    体の一部であることを特徴とする請求項1乃至9の1つに記載の超伝導構造。
  11. 【請求項11】 超伝導層(7)に、電気的な安定化のために特に銀又は銀
    合金から成る常伝導材料を添加することを特徴とする請求項1乃至10の1つに
    記載の超伝導構造。
  12. 【請求項12】 中間層(4、5)と超伝導層(7)との十分にエピタキシ
    ャルな成長を特徴とする請求項1乃至11の1つに記載の方法。
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